IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アセンディス ファーマ エー/エスの特許一覧

特許7104831使用済みカートリッジの検出を備える自動注射器および関連の方法
<>
  • 特許-使用済みカートリッジの検出を備える自動注射器および関連の方法 図1
  • 特許-使用済みカートリッジの検出を備える自動注射器および関連の方法 図2
  • 特許-使用済みカートリッジの検出を備える自動注射器および関連の方法 図3
  • 特許-使用済みカートリッジの検出を備える自動注射器および関連の方法 図4
  • 特許-使用済みカートリッジの検出を備える自動注射器および関連の方法 図5
  • 特許-使用済みカートリッジの検出を備える自動注射器および関連の方法 図6
  • 特許-使用済みカートリッジの検出を備える自動注射器および関連の方法 図7
  • 特許-使用済みカートリッジの検出を備える自動注射器および関連の方法 図8
  • 特許-使用済みカートリッジの検出を備える自動注射器および関連の方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-12
(45)【発行日】2022-07-21
(54)【発明の名称】使用済みカートリッジの検出を備える自動注射器および関連の方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/168 20060101AFI20220713BHJP
   A61M 5/24 20060101ALI20220713BHJP
   A61M 5/315 20060101ALI20220713BHJP
【FI】
A61M5/168 510
A61M5/24 502
A61M5/315 500
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021078817
(22)【出願日】2021-05-06
(62)【分割の表示】P 2018553310の分割
【原出願日】2016-12-29
(65)【公開番号】P2021107027
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2021-05-07
(31)【優先権主張番号】15203172.0
(32)【優先日】2015-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518234531
【氏名又は名称】アセンディス ファーマ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペデルセン、ペール メルガールド
(72)【発明者】
【氏名】リンド、ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】イェンセン、ステーン
(72)【発明者】
【氏名】エーゲスボリ、ヘンリク
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-537844(JP,A)
【文献】国際公開第2014/168205(WO,A1)
【文献】特表2000-513973(JP,A)
【文献】特表2014-507223(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/168
A61M 5/20 - 5/24
A61M 5/315
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を投与するための自動注射器(4)であって、
ハウジング(6)と、
第1のストッパ(708)を備えるカートリッジ(700)を受け入れるように構成されたカートリッジ受け(300)と、
カートリッジコード特徴部(1000)を読み取るように構成されたコードセンサ(24)と、
前記第1のストッパ(708)を移動させるように構成されたプランジャロッド(400)をプランジャロッド後退位置とプランジャロッド伸張位置との間で移動させるように組み合わせられた駆動モジュール(500)と、
前記プランジャロッド(400)の移動に対する抵抗を表す抵抗信号をもたらすように構成され、前記駆動モジュール(500)によって消費される電力を決定するように構成された抵抗センサ(34)と、
前記コードセンサ(24)、前記駆動モジュール(500)および前記抵抗センサ(34)に接続された処理ユニット(20)と
を備えており、
前記処理ユニット(20)は、
・前記カートリッジコード特徴部(1000)を表すコード信号を前記コードセンサ(24)から受信し、前記コード信号に基づいてプランジャロッドしきい値を決定し、
・前記プランジャロッド(400)を前記プランジャロッド伸張位置に向かって移動させるように前記駆動モジュール(500)を制御し、
・現在のプランジャロッド位置を決定し、
・前記抵抗信号を受信し、
・前記抵抗信号および前記現在のプランジャロッド位置に基づいてカートリッジパラメータを決定し、
・前記カートリッジパラメータに基づいて前記プランジャロッド(400)の移動を調整するように前記駆動モジュール(500)を制御し、
・前記カートリッジパラメータが、プランジャロッドしきい値に達している前記現在のプランジャロッド位置、及び前記抵抗信号が高抵抗しきい値を上回る前記プランジャロッド(400)の移動に対する抵抗を示していることを表している場合に、前記プランジャロッド(400)の移動を調整するように前記駆動モジュール(500)を制御する
ように構成され前記プランジャロッド(400)の移動の調整は、前記プランジャロッド(400)の移動を停止させることを含、前記プランジャロッド(400)の移動の調整は、前記プランジャロッド(400)を前記プランジャロッド後退位置へと移動させることを含む自動注射器(4)。
【請求項2】
前記処理ユニット(20)は、前記コード信号に基づいて高抵抗しきい値を決定するように構成されている、請求項1に記載の自動注射器(4)。
【請求項3】
前記抵抗センサ(34)は、前記プランジャロッド(400)のプランジャロッド前端部に加わる圧力および/または力を測定するように構成されている、請求項1又は2に記載の自動注射器(4)。
【請求項4】
前記駆動モジュール(500)の回転の回数を表す回転計信号をもたらすように構成された回転計を備えており、前記処理ユニット(20)は、前記回転計に接続され、前記処理ユニット(20)は、前記回転計信号を受信し、前記回転計信号に基づいて前記現在のプランジャロッド位置を決定するように構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の自動注射器(4)。
【請求項5】
前記処理ユニット(20)に接続されたユーザインタフェース(1100)を備えており、前記処理ユニット(20)は、前記カートリッジパラメータに基づいて前記ユーザインタフェース(1100)を介してユーザ出力信号を出力するように構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の自動注射器(4)。
【請求項6】
請求項1~のいずれか一項に記載の自動注射器(4)と、第1のストッパ(708)を備えるカートリッジ(700)とを備えており、前記カートリッジ(700)は、前記カートリッジ受け(300)に受け入れられるように構成されている、システム。
【請求項7】
自動注射器(4)を制御するための方法であって、
・第1のストッパ(708)を備えるカートリッジ(700)を受け入れるステップと、
・カートリッジコード特徴部(1000)を表すコード信号を前記コードセンサ(24)から受信し、前記コード信号に基づいてプランジャロッドしきい値を決定するステップと、
・プランジャロッド(400)をプランジャロッド伸張位置に向かって移動させるステップと、
・現在のプランジャロッド位置を決定するステップと、
・前記プランジャロッド(400)の移動に対する抵抗を表す抵抗信号であって、前記駆動モジュール(500)によって消費される電力に基づく抵抗信号を、受信するステップと、
・前記抵抗信号および前記現在のプランジャロッド位置に基づいてカートリッジパラメータを決定するステップと、
・前記カートリッジパラメータに基づいて前記プランジャロッド(400)の移動を調整するステップと、
・前記カートリッジパラメータが、プランジャロッドしきい値に達している前記現在のプランジャロッド位置、及び前記抵抗信号が高抵抗しきい値を上回る前記プランジャロッド(400)の移動に対する抵抗を示していることを表している場合に、前記カートリッジパラメータに基づいて前記プランジャロッド(400)の移動を調整するステップと
を含み、前記プランジャロッド(400)の移動を調整するステップは、前記プランジャロッド(400)の移動を停止させるステップを含、前記プランジャロッド(400)の移動を調整するステップは、前記プランジャロッド(400)をプランジャロッド後退位置へと移動させるステップを含方法。
【請求項8】
カートリッジコード特徴部(1000)を表すコード信号を受信し、該コード信号に基づいて前記高抵抗しきい値を決定するステップを含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子式の自動注射器などの自動注射器、自動注射器とカートリッジとを備えるシステム、および自動注射器を動作させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皮下注射器が、身体へと流体をもたらすために広く使用されている。手動操作に適用できる皮下注射器を有することが知られている。しかしながら、電子式自動注射器などの自動注射器が開発されており、身体への流体または薬剤の投与を補助するために広く使用されている。
【0003】
ユーザによる特定の作業の正しい実行に頼らなくてもよいように、自動注射器が注射のプロセスを可能な限り自動的に実行することが、関心をますます集めている。
【0004】
しかしながら、ユーザの安全のために、そのような自動注射器が、不都合な使用を防止して、薬剤の適切な投与を保証または促進するとともに、誤った使用、あるいは例えば不正確な投薬または感染の伝播などの誤った使用の結果を、防止または軽減することが、常に望まれている。
【0005】
米国特許第5,808,203号明細書が、シリンジ内の流体媒体の加圧時にシリンジプランジャの接触面の少なくとも一部分への力を検出するセンサを備える圧力測定装置を開示している。これにより、シリンジ内の流体媒体の圧力を割り出すことが可能になる。
【0006】
国際公開第2006/116997号パンフレットが、薬剤を収容したカートリッジから一定量の薬剤を注射するためにワッシャに作動可能に接続されたピストンロッドを駆動するためのモータを備えている手持ち式のモータ駆動の注射装置を開示している。この注射装置は、モータがピストンロッド、ワッシャ、およびプランジャをカートリッジ内で軸方向前方へと駆動することに応答して発生する反力を割り出すための手段をさらに備えている。
【0007】
米国特許出願公開第2002/107477号明細書が、注射用の製品を何回かに分けて投与するための装置を開示している。この装置は、装置の不調を判断するための手段を含み、振動モータがケーシングに収容されている。不調を判断するための手段が、不調と判断したときに振動モータを作動させ、振動による警告信号を発生させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許第5,808,203号明細書
【文献】国際公開第2006/116997号パンフレット
【文献】米国特許出願公開第2002/107477号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
公知の解決策にもかかわらず、自動注射器の不都合な使用のリスクを防止または低減し、あるいは健康上のリスクなどの自動注射器の不都合な使用に起因するリスクを防止または低減するために、改善された安全性の特徴を有する自動注射器が必要とされている。本開示は、自動注射器の安全性および/または自動注射器の使用を改善する自動注射器、システム、および方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、薬剤を投与するための自動注射器が開示される。自動注射器は、ハウジングと、カートリッジ受けと、駆動モジュールと、抵抗センサと、処理ユニットとを備える。
【0011】
カートリッジ受けは、第1のストッパを備えるカートリッジを受け入れるように構成される。カートリッジは、薬剤を含むことができる。
【0012】
駆動モジュールは、プランジャロッドをプランジャロッド後退位置とプランジャロッド伸張位置との間で移動させるように組み合わせられる。プランジャロッドは、第1のストッパを移動させるように構成される。プランジャロッドを、プランジャロッドがプランジャロッド伸張位置に向かって移動させられるときに第1のストッパを移動させるように構成することができる。
【0013】
抵抗センサは、プランジャロッドの移動に対する抵抗を表す抵抗信号をもたらすように構成される。
【0014】
処理ユニットは、駆動モジュールおよび抵抗センサに接続される。処理ユニットは、プランジャロッドを例えばプランジャロッド後退位置からプランジャロッド伸張位置に向かって移動させるように駆動モジュールを制御し、現在のプランジャロッド位置を決定し、抵抗信号を受信し、抵抗信号および現在のプランジャロッド位置に基づいてカートリッジパラメータを決定するように構成される。処理ユニットを、カートリッジパラメータに基づいてプランジャロッドの移動を調整するように駆動モジュールを制御するようにさらに構成することができる。
【0015】
さらに、上記開示の自動注射器などの自動注射器と、第1のストッパを備えるカートリッジとを備え、カートリッジはカートリッジ受けに収容されるように構成されているシステムが開示される。
【0016】
さらに、上記開示の自動注射器などの自動注射器を制御するための方法が開示される。本方法は、上記開示のシステムのカートリッジなどの第1のストッパを備えるカートリッジを受け入れるステップと、自動注射器のプランジャロッドなどのプランジャロッドを、例えばカートリッジの第1のストッパに向かって、プランジャロッド伸張位置へと移動させるステップと、現在のプランジャロッド位置を決定するステップと、プランジャロッドの移動に対する抵抗を示す抵抗信号を受信するステップと、抵抗信号および現在のプランジャロッド位置に基づいてカートリッジパラメータを決定するステップとを含む。本方法は、カートリッジパラメータに基づいてプランジャロッドの移動を調整するステップをさらに含むことができる。
【0017】
本開示の利点は、受け入れたカートリッジの特性の決定を助けることができる点にある。本開示のさらなる利点は、受け入れたカートリッジの特性に従って自動注射器を動作させることができる点にある。
【0018】
例えば、本開示は、受け入れたカートリッジが使用済みのカートリッジおよび/または欠陥品のカートリッジであると判断または通知するやり方を提供する。したがって、本開示の利点は、例えば自動注射器において新品でないカートリッジの使用を防止または制限できるため、自動注射器の安全性が向上することであり得る。
【0019】
したがって、本開示のさらなる利点は、例えば感染の伝播の危険性を減少させ、さらには/あるいは薬剤の用量が不正確になる危険性を減少させることによって、患者の安全性が向上することにある。
【0020】
任意の1つの態様に関連して説明された任意の実施形態または要素を、必要な変更を加えて、任意の他の態様または実施形態において使用できると考えられる。
【0021】
プランジャロッドの移動を、決定されたカートリッジパラメータに基づいて調整することができる。プランジャロッドの移動の調整は、プランジャロッドの移動を停止させることを含むことができる。これに代え、あるいはこれに加えて、プランジャロッドの移動の調整は、プランジャロッドをプランジャロッド後退位置へと移動させることを含むことができる。例えば、カートリッジパラメータは、カートリッジが満杯でないこと、および/または空であることを示すことができる。プランジャロッドの移動を、カートリッジパラメータがカートリッジが満杯でないこと、および/または空であることを示しているときに、プランジャロッドを停止させ、さらには/あるいは後退位置へと移動させるように調整することができる。
【0022】
カートリッジパラメータは、例えば現在のプランジャロッド位置が、プランジャロッド後退位置とプランジャロッド伸張位置との間の所定のプランジャロッド位置など、プランジャロッドしきい値に達しており、かつ抵抗信号が、プランジャロッドの移動に対する抵抗が例えばプランジャロッドの移動に必要な力が小さいことを示す低抵抗しきい値未満であることを示し、すなわち第1のストッパが前進位置にあることを示している場合に、カートリッジが使用済みであるなど、カートリッジが満杯でなく、さらには/あるいは空であることを示すことができる。低抵抗しきい値は、例えば5N~11Nの間など、1N~15Nの間であってよい。低抵抗しきい値は、1N、5N、または10Nであってよい。
【0023】
プランジャロッドの移動の調整は、カートリッジパラメータが、現在のプランジャロッド位置がプランジャロッドしきい値に達したこと、および抵抗信号がプランジャロッドの移動に対する抵抗が低抵抗しきい値未満であることを示していることを示している場合に、プランジャロッドの移動を停止させ、さらには/あるいはプランジャロッドをプランジャロッド後退位置へと移動させるなど、プランジャロッドの移動を調整することを含むことができる。処理ユニットを、カートリッジパラメータが、現在のプランジャロッド位置がプランジャロッドしきい値に達したこと、および抵抗信号がプランジャロッドの移動に対する抵抗が低抵抗しきい値未満であることを示していることを示している場合に、プランジャロッドの移動を停止させ、さらには/あるいはプランジャロッドをプランジャロッド後退位置へと移動させるなど、プランジャロッドの移動を調整するように駆動モジュールを制御するように構成することができる。
【0024】
カートリッジパラメータは、例えば抵抗信号が、例えばプランジャロッドを移動させるために大きな力が必要であることを表す高抵抗しきい値を上回るプランジャロッドの移動に対する抵抗を示し、すなわちプランジャロッドおよび/または第1のストッパの前進が何らかの形で妨げられていることを示す場合、カートリッジに欠陥があり、かつ/または針が取り付けられておらず、かつ/または取り付けられた針が塞がれていることを示すことができる。高抵抗しきい値は、例えば10N~20Nの間など、8N~25Nの間であってよい。高抵抗しきい値は、8N、11N、または15Nであってよい。
【0025】
プランジャロッドの移動の調整は、カートリッジパラメータが、抵抗信号がプランジャロッドの移動に対する抵抗が高抵抗しきい値を上回ることを示していることを示している場合に、プランジャロッドの移動を停止させ、さらには/あるいはプランジャロッドをプランジャロッド後退位置へと移動させるなど、プランジャロッドの移動を調整することを含むことができる。処理ユニットを、カートリッジパラメータが、抵抗信号がプランジャロッドの移動に対する抵抗が高抵抗しきい値を上回ることを示していることを示している場合に、プランジャロッドの移動を停止させ、さらには/あるいはプランジャロッドをプランジャロッド後退位置へと移動させるなど、プランジャロッドの移動を調整するように駆動モジュールを制御するように構成することができる。
【0026】
プランジャロッドしきい値、低抵抗しきい値、および/または高抵抗しきい値などのしきい値を、カートリッジおよび/またはカートリッジコード特徴部に基づいて決定することができる。カートリッジは、カートリッジコード特徴部を備えることができ、かつ/またはカートリッジは、カートリッジコード特徴部を備えるカートリッジアセンブリの一部を形成することができる。カートリッジコード特徴部は、プランジャロッドしきい値、低抵抗しきい値、および/または高抵抗しきい値などのしきい値を表すことができる。
【0027】
自動注射器は、カートリッジコード特徴部を読み取るように構成されたコードセンサを備えることができる。コードセンサは、カートリッジコード特徴部を表すコード信号をもたらすことができる。処理ユニットを、コードセンサに接続することができる。処理ユニットを、コード信号を受信するように構成することができる。処理ユニットを、コード信号に基づいてプランジャロッドしきい値、低抵抗しきい値、および/または高抵抗しきい値などのしきい値を決定するように構成することができる。
【0028】
抵抗信号を、抵抗センサによってもたらすことができる。抵抗信号は、例えば第1のプランジャロッド方向などの例えばプランジャロッド伸張位置へと向かう移動などの一方向のプランジャロッドの移動に対する抵抗など、プランジャロッドの移動に対する抵抗を表すことができる。例えば、抵抗信号は、例えばプランジャロッド伸張位置へと向かうプランジャロッドの移動に必要な力を表すことができる。
【0029】
プランジャロッドの移動に対する抵抗を、例えば駆動モジュールの電気抵抗、電流、および/または電圧を測定することにより、駆動モジュールによって消費される電力を測定および/または決定することによって割り出すことができる。
【0030】
抵抗センサを、例えば駆動モジュールの電気抵抗、電流、および/または電圧を測定することによって、駆動モジュールによって消費される電力を割り出すように構成することができる。抵抗センサは、電気抵抗センサ、電流センサ、および/または電圧センサを備えることができる。抵抗信号は、例えば上述のように割り出される駆動モジュールによって消費される電力など、駆動モジュールによって消費される電力に基づくことができる。駆動モジュールは、抵抗センサを備えることができる。
【0031】
抵抗センサを、プランジャロッドのプランジャロッド前端部に加わる圧力および/または力を測定するように構成することができる。プランジャロッド前端部を、カートリッジの第1のストッパに係合するように構成することができる。抵抗センサを、プランジャロッドとストッパとの間の圧力および/または力を測定するように構成することができる。例えば、抵抗センサは、プランジャロッド前端部に位置する圧力トランスデューサおよび/または力変換器を備えることができる。プランジャロッドは、抵抗センサを備えることができる。
【0032】
システムは、カートリッジアセンブリを備えることができる。カートリッジは、カートリッジアセンブリの一部を形成することができ、例えばシステムのカートリッジアセンブリなどのカートリッジアセンブリが、カートリッジを備えることができる。
【0033】
自動注射器のカートリッジ受けを、カートリッジ受け開口部を通ってカートリッジおよび/またはカートリッジアセンブリを受け入れるように構成することができる。したがって、カートリッジおよび/またはカートリッジアセンブリを、カートリッジ受け開口部を通ってカートリッジ受けに挿入することができる。
【0034】
カートリッジは、カートリッジ室を備えることができる。カートリッジ室を、薬剤を収容するように構成することができる。カートリッジ室は、薬剤を収容することができる。
【0035】
カートリッジは、例えば第1のカートリッジ端部にカートリッジ出口を備えることができる。カートリッジ出口を、例えば第1のカートリッジ端部においてカートリッジ室と連通するように構成することができる。カートリッジを、カートリッジ出口を通って薬剤を吐出させるように構成することができる。カートリッジ出口を、皮下注射針などの針と結合して、針を通る薬剤の吐出をもたらすように構成することができる。カートリッジアセンブリは、針および/または針を備える針アセンブリを備えることができる。
【0036】
カートリッジは、第1のカートリッジ端部に向かうなど、カートリッジ室の内部で例えばカートリッジ出口に向かって例えば第1のストッパ方向に移動することができる第1のストッパを備えることができる。例えば、薬剤を、例えば第1のストッパ方向であり、かつ/あるいはカートリッジ出口へと向かう第1のストッパの移動にて、カートリッジ出口を通って吐出させることができる。
【0037】
第1のストッパは、例えば新品のカートリッジなどの未使用のカートリッジにおいて、初期位置に位置することができる。第1のストッパは、例えば空のカートリッジなどの使用済みのカートリッジにおいて、最終位置に位置することができる。第1のストッパは、初期位置と最終位置との間の前進位置に位置することができる。第1のストッパは、初期位置から第1のストッパ方向に移動した後に、前進位置に位置することができる。
【0038】
自動注射器のプランジャロッドは、第1のストッパを移動させるように構成される。第1のプランジャロッド方向は、カートリッジが自動注射器のカートリッジ受けに受け入れられたときの第1のストッパ方向と同じであってよい。
【0039】
カートリッジは、例えばカートリッジ出口の反対側などの第2のカートリッジ端部にカートリッジ後面を備える。カートリッジ後面は、カートリッジ後端開口部を備えてもよい。カートリッジ後端開口部は、プランジャロッドに第1のストッパへのアクセスを提供することができる。
【0040】
自動注射器は、電子式の自動注射器であってよい。自動注射器は、バッテリを備えることができる。ハウジングは、バッテリを収容することができる。バッテリは、充電式バッテリであってよい。例えば、バッテリは、LiイオンバッテリまたはNiCdバッテリまたはNiMHバッテリであってよい。バッテリを、充電器の接続によって充電されるように構成することができる。
【0041】
駆動モジュールは、プランジャロッドを移動させ、例えば作動させ、例えば前進させるように組み合わせられる。駆動モジュールは、1つ以上の電気素子を備えることができる。駆動モジュールを、バッテリから電力を受け取るように構成することができる。駆動モジュールを、電力を受け取るためにバッテリに電気的に接続することができる。駆動モジュールを、ハウジングに収容することができる。駆動モジュールは、DCモータなどの電気機械モータなどのモータを備えることができ、例えばブラシ付きまたはブラシなしのDCモータを備えることができる。駆動モジュールは、ソレノイドモータを備えることができる。駆動モジュールは、形状記憶金属エンジンを備えることができる。駆動モジュールは、プランジャロッドを作動させるように構成されたばね装置を備えることができる。駆動モジュールは、プランジャロッドを作動させるように構成された加圧ガスを備えることができる。
【0042】
プランジャロッドを、カートリッジの第1のストッパなどの第1のストッパを移動させ、例えば前進させるように構成することができる。第1のストッパの移動は、カートリッジ出口を通ってカートリッジ室から薬剤を吐出させ、かつ/またはカートリッジ出口を通ってカートリッジ室から空気を吐出させるためのものであってよい。
【0043】
例えば特定の瞬間におけるプランジャロッド位置など、現在のプランジャロッド位置などのプランジャロッド位置を、例えば処理ユニットによって決定することができる。現在のプランジャロッド位置を、排出センサおよび/または回転計などのセンサからの検出に基づいて決定することができる。
【0044】
自動注射器は、例えばカートリッジ室内の薬剤および/または空気の吐出などの排出を検出するように構成された排出センサを備えることができる。排出センサを、プランジャロッドの位置および/または第1のストッパの位置を検出するように構成することができる。
【0045】
自動注射器は、例えば駆動モジュールの回転計など、回転計を備えることができる。排出センサは、この回転計を備えることができる。回転計を、例えばプランジャロッドの完全に後退した位置などのプランジャロッド後退位置などのプランジャロッドの位置が既知である点などの所定の点からの駆動モジュールの回転など、駆動モジュールのモータなどの駆動モジュールの回転をカウントするように構成することができる。駆動モジュールの回転のカウントを、現在のプランジャロッド位置、すなわち特定の瞬間におけるプランジャロッドの位置を割り出すために使用することができる。
【0046】
回転計を、駆動モジュールの回転のカウントを表す回転計信号を提供するように構成することができる。処理ユニットを、回転計に接続することができる。処理ユニットを、回転計信号を受信するように構成することができる。処理ユニットを、回転計信号に基づいて現在のプランジャロッド位置を決定するように構成することができる。
【0047】
処理ユニットを、排出センサに接続することができる。処理ユニットは、駆動モジュールの回転のカウントを示す回転計信号などの第1の排出センサ信号を排出センサから受信することができる。処理ユニットは、例えば回転計信号などの第1の排出センサ信号に基づいてプランジャロッドの位置を決定することができる。処理ユニットは、プランジャロッドが例えば完全に後退した位置などのプランジャロッド後退位置などの既知の位置にあることを示す第2の排出センサ信号を、例えば排出センサから受信することができる。処理ユニットを、例えば回転計信号などの第1の排出センサ信号および第2の排出センサ信号に基づいて、プランジャロッドの位置を決定するように構成することができる。処理ユニットを、回転計信号およびプランジャロッド後退位置に基づいて現在のプランジャロッド位置を決定するように構成することができる。例えば、処理ユニットを、プランジャロッドがプランジャロッド後退位置にあったときからの駆動モジュールの回転の回数に基づいて現在のプランジャロッド位置を決定するように構成することができる。
【0048】
自動注射器は、ユーザ入力を可能にするユーザインタフェースなどのユーザインタフェースを備えることができ、かつ/またはユーザへと視覚出力信号および/または可聴出力信号などのユーザ出力信号をもたらすことができる。
【0049】
ユーザインタフェースは、第1の入力部材および/または第2の入力部材を含む1つ以上の入力部材を備えることができる。第1の入力部材および/または第2の入力部材は、ボタンを備えることができる。
【0050】
ユーザインタフェースは、第1の出力部材および/または第2の出力部材を含む1つ以上の出力部材を備えることができる。第1の出力部材および/または第2の出力部材は、スピーカおよび/または視覚ディスプレイおよび/またはLEDおよび/または複数のLEDを備えることができる。
【0051】
ユーザインタフェースを、処理ユニットに接続することができる。処理ユニットを、例えばカートリッジパラメータに基づいてユーザインタフェースを介してユーザ出力信号を出力するように構成することができる。ユーザ出力信号は、カートリッジパラメータに基づくことができる。例えば、ユーザ出力信号は、カートリッジパラメータを示すことができる。したがって、例えば、自動注射器を、受け入れたカートリッジが使用できないことをユーザに知らせるように構成することができ、さらには/あるいは自動注射器を、受け入れたカートリッジが使用できない理由をユーザに知らせるように構成することができる。
【0052】
以下で、さらに詳細な説明を、図面を参照して続ける。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】典型的な自動注射器を示している。
図2】カートリッジを有する典型的な自動注射器を示している。
図3】典型的なカートリッジを概略的に示している。
図4】カートリッジを有する典型的な自動注射器を概略的に示している。
図5】典型的な自動注射器のブロック図を示している。
図6】典型的なカートリッジおよびプランジャロッドを概略的に示している。
図7】典型的なカートリッジおよびプランジャロッドを概略的に示している。
図8】位置に対する抵抗の典型的なグラフを示している。
図9】典型的な方法のフロー図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下で、さまざまな実施形態を、図面を参照して説明する。同様の参照番号は、全体を通して、同様の要素を指す。したがって、同様の要素は、各々の図の説明に関して、詳細には説明されない。図面が実施形態の説明を容易にすることだけを意図していることにも、留意すべきである。これらは、特許請求の範囲に記載される発明を漏れなく説明しようとするものではなく、特許請求の範囲に記載される発明の範囲を限定しようとするものでもない。さらに、例示された実施形態は、示された態様または利点のすべてを有する必要はない。或る特定の実施形態に関連して説明される態様または利点は、必ずしもその実施形態に限定されず、たとえそのように図示されておらず、あるいはそのように明記されていない場合でも、任意の他の実施形態において実施することが可能である。
【0055】
図1が、典型的な自動注射器4を示している。自動注射器4を、薬剤を投与するように構成することができる。自動注射器4は、電子式の自動注射器であってよい。
【0056】
自動注射器4は、ハウジング6を備える。自動注射器4は、カートリッジ受け300を備える。カートリッジ受けは、カートリッジおよび/またはカートリッジを含むカートリッジアセンブリを受け入れるように構成される。カートリッジは、薬剤を収容することができる。
【0057】
カートリッジ受け300は、カートリッジ受け開口部301を有する。カートリッジ受け300は、カートリッジ受け開口部301を通って長手軸Lに沿ったカートリッジ受け入れ方向304にカートリッジおよび/またはカートリッジアセンブリを受け入れるように構成される。
【0058】
自動注射器4は、図示のように、ユーザインタフェース1100を備えることができる。自動注射器4は、接触部材1102などのトリガ部材を備える。接触部材1102を、注射部位に対して押し付けられるように構成することができる。接触部材1102は、注射部位に対して押し付けられた場合に、ハウジングに対してカートリッジ受け入れ方向304に移動可能であってよい。接触部材1102は、ユーザインタフェース1100の一部であってよい。
【0059】
ユーザインタフェース1100は、例えばボタンなど、図示のとおりの第1の入力部材1108を備えることができる。第1の入力部材1108は、ユーザからのユーザ入力をもたらすことができる。例えば、第1の入力部材1108を、次のステップに進むためのユーザからの押し操作を受け付けるために使用することができる。
【0060】
ユーザインタフェース1100は、例えば複数のLEDなどの図示のとおりの第1の出力部材1110を備えることができる。第1の出力部材1110は、ユーザへのユーザ出力をもたらすことができる。ユーザインタフェース1100は、例えばスピーカなどの第2の出力部材(図示せず)を備えることができる。第2の出力部材を、ユーザに可聴の出力をもたらすように構成することができる。例えば、第1の出力部材1110および/または第2の出力部材を、手順におけるステップをユーザに知らせ、さらには/あるいはエラーメッセージを知らせるために使用することができる。
【0061】
図2が、典型的なシステム2を示している。システム2は、図1に関連して説明したとおりの自動注射器4と、カートリッジ受け300に受け入れられた典型的なカートリッジ700とを備える。カートリッジ700は、針カバー908を備えて図示されている。針カバー908は、針カバー908をカートリッジ700から取り外すことができるように、接触部材1102の外へと延びている。
【0062】
図3が、これまでの図に関連して説明した自動注射器などの自動注射器のカートリッジ受けに受け入れられるように構成されたカートリッジ700などの典型的なカートリッジ700を概略的に示している。
【0063】
カートリッジ700は、カートリッジ室702を備える。カートリッジ室702を、薬剤を収容するように構成することができる。カートリッジ700は、第1の端部718および第2の端部720を有する。カートリッジ700は、第1のカートリッジ端部718にカートリッジ出口714を備える。カートリッジを、カートリッジ出口714を通って薬剤を吐出させるように構成することができる。
【0064】
カートリッジは、カートリッジ室702の内部で例えば第1のカートリッジ端部718に向かって例えば第1のストッパ方向722に移動することができる第1のストッパ708を備える。例えば、薬剤を、第1のストッパ708が第1のストッパ方向722に移動するときにカートリッジ出口714を通って吐出させることができる。カートリッジ700は、第2のカートリッジ端部720にカートリッジ後面716を備える。カートリッジ後面716は、プランジャロッドに第1のストッパ708へのアクセスを提供するためのカートリッジ後端開口部を備える。
【0065】
図示のように、カートリッジ700は、2室のカートリッジであってよい。カートリッジは、カートリッジ室702の内部で例えば第1のカートリッジ端部718に向かって例えば第1のストッパ方向722に移動することができる第2のストッパ710を備える。カートリッジ室702は、第1のカートリッジ部分室704および第2のカートリッジ部分室706を含む。第1のカートリッジ部分室704は、第1のストッパ708と第2のストッパ710との間に位置する。第1のカートリッジ部分室704は、滅菌水または緩衝液などの液体を含むことができる。第2のカートリッジ部分室706は、第2のストッパ710とカートリッジ出口714との間に位置する。第2のカートリッジ部分室706は、薬剤を含むことができ、例えば凍結乾燥によって乾燥させた薬剤などの乾燥薬剤を含むことができる。カートリッジは、第1のカートリッジ部分室704と第2のカートリッジ部分室706との間の連通をもたらすためのバイパス部712を備える。バイパス部712は、第2のストッパ710がバイパス部712に位置するときに第1のカートリッジ部分室704と第2のカートリッジ部分室706との間の連通をもたらす。
【0066】
図4が、典型的なシステム2を示している。システム2は、例えば図1に関連して説明したとおりの自動注射器4と、典型的なカートリッジアセンブリ600とを備える。カートリッジアセンブリ600は、カートリッジ室702を有するカートリッジ700と、針アセンブリ900と、随意によるカートリッジコード特徴部1000とを備える。カートリッジアセンブリ600は、自動注射器4に受け入れられる。
【0067】
カートリッジアセンブリ600は、カートリッジホルダ800を備える。カートリッジホルダは、自動注射器4のカートリッジ受け300にカートリッジ700を保持するように構成される。カートリッジホルダ800は、カートリッジ保持部材808を備える。カートリッジ保持部材は、カートリッジ700およびカートリッジアセンブリ600をカートリッジ受けに受け入れるために、カートリッジ受け300と係合する。
【0068】
針アセンブリ900は、針902および針ハブ904を備える。針アセンブリ900は、例えばカートリッジホルダ800の針アセンブリ結合部812に係合する例えば螺合部などのカートリッジホルダ結合部906を有している針ハブ904によって、カートリッジ700に取り付けられる。針902は、カートリッジ700のカートリッジ出口714を通って延びる。カートリッジ出口714を、針アセンブリ900がカートリッジ700に取り付けられるときに針902によって貫かれる弾性シールによって塞ぐことができる。
【0069】
自動注射器4は、カートリッジコード特徴部1000を読み取るように構成された随意によるコードセンサ24を備える。カートリッジアセンブリ600が挿入されると、図示のように、カートリッジコード特徴部1000がコードセンサ24に整列する。
【0070】
自動注射器4は、プランジャロッド400を備える。プランジャロッド400は、カートリッジ700の第1のストッパを前進させるように構成される。プランジャロッド400は、雌のねじ山を有する外側プランジャロッド404と、雄のねじ山を有する内側プランジャロッド402とを備える。内側プランジャロッド402のねじ山は、外側プランジャロッド404のねじ山に係合する。外側プランジャロッド404の自動注射器のハウジングに対する回転は、防止される。プランジャロッド400の移動は、内側プランジャロッド402の回転を含む。内側プランジャロッド402の回転は、外側プランジャロッド404の回転が制限されているため、外側プランジャロッド404の平行移動をもたらす。外側プランジャロッド404は、第1のストッパ方向722に平行移動するとき、カートリッジ700の第1のストッパに当接し、第1のストッパを第1のストッパ方向722に移動させるように構成される。
【0071】
駆動モジュール500が、プランジャロッド400を作動させるように組み合わせられる。駆動モジュール500は、電力を受け取るためにバッテリに電気的に接続される。駆動モジュール500は、DCモータなどの電気機械モータなどのモータ502を備える。駆動モジュール500は、モータ502をプランジャロッド400の内側プランジャロッド402に結合させるための伝達機構504を備える。
【0072】
図示の例は、電気機械モータであってよいモータ502を備えているが、例えばプランジャロッド400を作動させるように構成されたソレノイドモータ、形状記憶金属エンジン、ばね装置、および/または加圧ガスを備える他の駆動モジュールを有する自動注射器4も実現可能であることを、容易に理解できるであろう。
【0073】
自動注射器4は、プランジャロッド位置センサなどの排出センサ26を備える。排出センサ26は、プランジャロッド400の位置を検出するように構成される。図示の例において、排出センサ26は、モータ502の回転をカウント/検出するように構成された回転計を備える。したがって、プランジャロッド400の位置を明らかにすることができる。排出センサ26は、プランジャロッド400の位置の検出に基づいて、カートリッジ室内の薬剤および/または空気の吐出を検出することができる。プランジャロッド400の位置は、カートリッジ700の第1のストッパ708の位置を表す。
【0074】
図5は、典型的な自動注射器4のブロック図を示している。自動注射器4は、複数のセンサ22,24,26,28,30,32,34と、処理ユニット20と、駆動モジュール500と、ユーザインタフェース1100とを備える。センサ22,24,26,28,30,32,34は、処理ユニット20に接続される。ユーザインタフェース1100は、処理ユニット20に接続される。処理ユニットは、駆動モジュール500に接続される。
【0075】
処理ユニット20は、センサ22,24,26,28,30,32,34およびユーザインタフェース1100から信号を受信する。処理ユニット20は、駆動モジュール500を制御するように構成される。処理ユニット20は、センサ22,24,26,28,30,32,34およびユーザインタフェース1100からの受信信号のうちの1つ以上に基づいて駆動モジュール500を制御することができる。
【0076】
自動注射器4は、向きセンサ22を備える。向きセンサ22は、自動注射器4に受け入れられたカートリッジの向きを表す向き信号をもたらすように構成される。例えば、向きセンサ22を、自動注射器4の向きを検出するように構成することができる。カートリッジの向きを、自動注射器4の向きに基づいて決定することができる。向きセンサ22を、重力の方向を検出するように構成することができる。例えば、向きセンサ22は、加速度計を備えることができる。
【0077】
処理ユニット20は、向きセンサ22に接続される。処理ユニット20は、向き信号を受信するように構成される。処理ユニット20は、向き信号に基づいてカートリッジの向きを決定することができる。処理ユニット20は、向き信号に基づいて駆動モジュール500を制御することができる。例えば、処理ユニット20を、向き信号に基づいてプランジャロッドを移動させるように駆動モジュール500を制御するように構成することができる。例えば、処理ユニット20を、カートリッジ出口が上方を向いている場合に限ってプランジャロッドをプランジャロッド伸張位置に向かって移動させるように駆動モジュール500を制御するように構成することができる。これに代え、あるいはこれに加えて、処理ユニット20は、向き信号に基づいてユーザインタフェース1100を介してユーザ出力をもたらすことができる。
【0078】
自動注射器4は、コードセンサ24を備える。コードセンサ24は、カートリッジコード特徴部を読み取り、カートリッジコード特徴部を表すコード信号をもたらすように構成される。例えば、コードセンサを、色コードを読み取る/検出するように構成することができる。
【0079】
処理ユニット20は、コードセンサ24に接続される。処理ユニット20は、コード信号を受信するように構成される。処理ユニット20は、コード信号に基づいてカートリッジアセンブリのカートリッジコード特徴部を決定することができる。処理ユニット20を、コード信号に基づいて、プランジャロッドしきい値などのしきい値を決定するように構成することができる。処理ユニット20は、コード信号に基づいて駆動モジュール500を制御することができる。例えば、処理ユニット20を、コード信号に基づいてプランジャロッドをプランジャロッド伸張位置に向かって移動させるように駆動モジュール500を制御するように構成することができる。これに代え、あるいはこれに加えて、処理ユニット20は、コード信号に基づいてユーザインタフェース1100を介してユーザ出力をもたらすことができる。
【0080】
自動注射器4は、プランジャロッド位置センサなどの排出センサ26を備える。排出センサ26は、自動注射器4のプランジャロッドの位置を検出し、プランジャロッドの位置を表す排出センサ信号をもたらすように構成される。排出センサ26は、駆動モジュール500に組み合わせられた回転計を備えることができる。
【0081】
処理ユニット20は、排出センサ26に接続される。処理ユニット20は、排出センサ信号を受信するように構成される。処理ユニット20は、排出センサ信号に基づいてプランジャロッドの位置を決定することができる。処理ユニット20は、排出センサ信号に基づいて駆動モジュール500を制御することができる。例えば、処理ユニット20を、排出センサ信号に基づいてプランジャロッドの移動を開始させ、停止させ、あるいは継続させるように駆動モジュール500を制御するように構成することができる。例えば、処理ユニット20を、排出センサ信号に基づいて現在のプランジャロッド位置を決定するように構成することができる。これに代え、あるいはこれに加えて、処理ユニット20は、排出センサ信号に基づいてユーザインタフェース1100を介してユーザ出力をもたらすことができる。
【0082】
自動注射器4は、カートリッジセンサ28を備える。カートリッジセンサ28は、自動注射器4におけるカートリッジアセンブリの受け入れを検出するように構成される。カートリッジセンサ28は、カートリッジアセンブリの受け入れを示すカートリッジセンサ信号をもたらす。
【0083】
処理ユニット20は、カートリッジセンサ28に接続される。処理ユニット20は、カートリッジセンサ信号を受信するように構成される。処理ユニット20は、カートリッジセンサ信号に基づいて駆動モジュール500を制御することができる。例えば、処理ユニット20を、カートリッジアセンブリが受け入れられた場合、および/またはカートリッジアセンブリが受け入れられた場合に限り、プランジャロッドの移動を開始させるように駆動モジュール500を制御するように構成することができる。これに代え、あるいはこれに加えて、処理ユニット20は、カートリッジセンサ信号に基づいてユーザインタフェース1100を介してユーザ出力をもたらすことができる。
【0084】
コードセンサ24およびカートリッジセンサ28は、同じセンサであってもよく、例えばコードセンサ24を、カートリッジアセンブリの受け入れを検出し、次いでカートリッジコード特徴部を読み取るように構成することができる。
【0085】
自動注射器4は、針センサ30を備える。針センサ30は、カートリッジアセンブリが自動注射器4に受け入れられたときに、カートリッジアセンブリの針および/または針アセンブリおよび/または針アセンブリの針カバーを検出するように構成される。針センサ30は、カートリッジアセンブリの針および/または針アセンブリおよび/または針アセンブリの針カバーの存在を示す針信号をもたらす。
【0086】
処理ユニット20は、針センサ30に接続される。処理ユニット20は、針信号を受信するように構成される。処理ユニット20は、針信号に基づいて駆動モジュール500を制御することができる。例えば、処理ユニット20を、針が存在する場合に限り、さらには/あるいは針カバーが例えば取り外されて存在しない場合に限って、プランジャロッドの移動を開始させるように駆動モジュール500を制御するように構成することができる。針カバーの検出は、針の存在を表すことができる。処理ユニット20を、針カバーが検出され、その後に取り外された場合に限り、駆動モジュール500を制御して開始させるように構成することができる。これに代え、あるいはこれに加えて、処理ユニット20は、針信号に基づいてユーザインタフェース1100を介してユーザ出力をもたらすことができる。
【0087】
自動注射器4は、温度センサ32を備える。温度センサ32は、自動注射器および/またはカートリッジおよび/または薬剤の温度などの温度を検出するように構成される。温度センサ32は、温度を表す温度信号をもたらすように構成される。
【0088】
処理ユニット20は、温度センサ32に接続される。処理ユニット20は、温度信号を受信するように構成される。処理ユニット20を、温度信号に基づいて自動注射器および/またはカートリッジおよび/または薬剤の温度などの温度を決定するように構成することができる。処理ユニット20は、温度信号に基づいて駆動モジュール500を制御することができる。例えば、処理ユニット20を、温度信号に基づいてプランジャロッドをプランジャロッド伸張位置に向かって移動させるように駆動モジュール500を制御するように構成することができる。これに代え、あるいはこれに加えて、処理ユニット20は、温度信号に基づいてユーザインタフェース1100を介してユーザ出力をもたらすことができる。
【0089】
自動注射器4は、抵抗センサ34を備える。抵抗センサ34は、自動注射器4のプランジャロッドの移動に対する抵抗を検出するように構成される。抵抗センサ34を、駆動モジュール500の測定値に基づいてプランジャロッドの移動に対する抵抗を検出するように構成することができる。例えば、抵抗センサ34を、駆動モジュール500のモータの電流を検出するように構成することができる。抵抗センサ34は、プランジャロッドの移動に対する抵抗を表す抵抗信号をもたらすように構成される。
【0090】
処理ユニット20は、抵抗センサ34に接続される。処理ユニット20は、抵抗信号を受信するように構成される。処理ユニット20を、抵抗信号に基づいてプランジャロッドの移動に対する抵抗を決定するように構成することができる。処理ユニット20は、抵抗信号に基づいて駆動モジュール500を制御することができる。例えば、処理ユニット20を、抵抗信号に基づいてプランジャロッドの移動を調整するように、駆動モジュール500を制御するように構成することができる。例えば、処理ユニット20を、抵抗信号に基づいてプランジャロッドの移動を開始させ、停止させ、あるいは継続するように、駆動モジュール500を制御するように構成することができる。これに代え、あるいはこれに加えて、処理ユニット20は、抵抗信号に基づいてユーザインタフェース1100を介してユーザ出力をもたらすことができる。
【0091】
上述のセンサのすべてを含む自動注射器4が、例示されている。しかしながら、代わりに、自動注射器は、上述したセンサのうちのただ1つ、または上述したセンサのうちの1つ以上からなる任意の組み合わせを備えることができる。
【0092】
自動注射器は、ユーザインタフェース1100を備える。ユーザインタフェース1100は、例えば第1の入力部材など、ユーザ入力を受け取るための1つ以上の入力部材を備えることができる。ユーザインタフェースは、受け取ったユーザ入力を表すユーザ入力信号をもたらすように構成される。
【0093】
処理ユニット20は、ユーザインタフェース1100に接続される。処理ユニット20は、ユーザ入力信号を受信するように構成される。処理ユニット20は、ユーザ入力信号に基づいて駆動モジュール500を制御することができる。例えば、処理ユニット20を、ユーザ入力信号に基づいてプランジャロッドをプランジャロッド伸張位置に向かって移動させるように駆動モジュール500を制御するように構成することができる。
【0094】
自動注射器は、センサ22,24,26,28,30,32,34、処理ユニット20、ユーザインタフェース1100、および駆動モジュール500を収容するハウジング6を備える。
【0095】
図6および図7が、典型的なカートリッジアセンブリ600およびプランジャロッド400を概略的に示している。カートリッジアセンブリ600は、図3に関連して説明したカートリッジなどのカートリッジ700と、カートリッジホルダ800と、針アセンブリ900とを備える。分かり易くするために、プランジャロッド400を備える自動注射器は、図示されていない。
【0096】
カートリッジホルダ800は、カートリッジ保持部材808を備える。カートリッジ保持部材808は、自動注射器のカートリッジ受けに係合するように構成される。カートリッジホルダ800は、針アセンブリ結合部812を備える。針アセンブリ結合部812は、針アセンブリ900のカートリッジホルダ結合部906と係合するように構成される。針アセンブリ結合部812は、カートリッジ700への針の取り付けを可能にする。
【0097】
針アセンブリ900は、針902および針ハブ904を備える。針アセンブリ900は、例えばカートリッジホルダ800の針アセンブリ結合部812に係合する例えば螺合部などのカートリッジホルダ結合部906を有している針ハブ904によって、カートリッジ700に取り付けられる。針902は、カートリッジ700のカートリッジ出口714を通って延びる。
【0098】
図6は、新品のカートリッジなどの未使用のカートリッジが受け入れられた状況を概略的に示している。第1のストッパ708は、初期位置に位置している。プランジャロッド400は、プランジャロッド伸張位置に向かって移動しており、その結果、現在のプランジャロッド位置において、プランジャロッド400のプランジャロッド前端部410が第1のストッパ708に当接している。したがって、プランジャロッド伸張位置へと向かう例えば第1のプランジャロッド方向422のプランジャロッド400のさらなる移動は、第1のストッパ708の例えば第1のストッパ方向722の移動をもたらす。プランジャロッド伸張位置へと向かうプランジャロッド400の移動に必要な力は、プランジャロッド前端部410が第1のストッパ708に当接した後に、例えば第1のストッパ708とカートリッジ室702の内壁との間の摩擦力に起因して増加する。
【0099】
図7は、空のカートリッジなどの使用済みのカートリッジが受け入れられた状況を概略的に示している。第1のストッパ708は、前進位置など、例えば初期位置と比べて第1のストッパ方向722に前進した最終位置に位置している。プランジャロッド400は、プランジャロッド伸張位置に向かって移動しており、その結果、現在のプランジャロッド位置において、プランジャロッド400はカートリッジ700の中へと延びている。図6に示した状況と比較して、プランジャロッド伸張位置へと向かうプランジャロッド400の移動に必要な力は、プランジャロッド前端部410が第1のストッパ708に当接することがないため、増加しない。
【0100】
図8が、プランジャロッドの位置Pに依存するプランジャロッドの移動に対する抵抗Reの典型的な推移Tを示している。プランジャロッドは、後退位置PRから伸張位置PEへと移動する。移動の始めにおいて、プランジャロッドの移動に対する抵抗は、一定であり(Ex1)、例えばプランジャロッドはストッパをまだ押していない。その後に、プランジャロッドのプランジャロッド前端部が、カートリッジの第1のストッパに当接し、プランジャロッドの移動に対する抵抗が増加する(Ex2)。抵抗の増加は、例えば摩擦力に起因する第1のストッパの移動に対する抵抗によって引き起こされる。図示のように、抵抗は、第1のストッパが動き始めた後にわずかに減少するかもしれない。プランジャロッドがプランジャロッド伸張位置PEに近づくとき、抵抗は、例えば第1のストッパがカートリッジの端部に近づくことに起因して、再び増加するかもしれない(Ex3)。
【0101】
推移Tは、受け入れたカートリッジが新品および/または未使用および/または正常なカートリッジであるときのプランジャロッドの移動に対する抵抗の一例である。カートリッジパラメータの決定は、抵抗および/またはプランジャロッドの位置に基づくことができる。カートリッジパラメータの決定は、低抵抗しきい値Re1および/または高抵抗しきい値Re2などの抵抗しきい値、ならびに/あるいは第1のプランジャロッドしきい値P1および/または第2のプランジャロッドしきい値P2などのプランジャロッドしきい値など、1つ以上のしきい値に基づくことができる。
【0102】
受け入れたカートリッジが明らかに使用済みであり、さらには/あるいは欠陥品である状況など、他の状況が、さらなる典型的な推移T2、T3、T4によって例示される。
【0103】
推移T2は、プランジャロッド位置が第1のプランジャロッドしきい値P1に達する前に、移動に対する抵抗が低抵抗しきい値Re1を超えて増加する典型的な状況を示している。このような状況は、例えば、カートリッジに欠陥があることや、何かがプランジャロッドの移動を妨害していることを示している可能性がある。このような状況を受けて、プランジャロッドをプランジャロッド後退位置に戻すことができ、エラーメッセージをユーザインタフェースを介してもたらすことができる。
【0104】
推移T3は、プランジャロッド位置が第2のプランジャロッドしきい値P2に達する前に、移動に対する抵抗が低抵抗しきい値Re1を超えて増加しない典型的な状況を示している。このような状況は、例えば使用済みのカートリッジなど、例えば第1のストッパが前進位置にあるカートリッジを示している可能性がある。このような状況を受けて、プランジャロッドをプランジャロッド後退位置に戻すことができ、エラーメッセージをユーザインタフェースを介してもたらすことができる。
【0105】
推移T4は、例えばプランジャロッド位置が第1のプランジャロッドしきい値P1を通過した後に、移動に対する抵抗が高抵抗しきい値Re2を超えて増加する典型的な状況を示している。このような状況は、例えば第1のストッパの移動が妨げられていることを示している可能性があり、例えばカートリッジが欠陥品である可能性がある。このような状況を受けて、プランジャロッドをプランジャロッド後退位置に戻すことができ、エラーメッセージをユーザインタフェースを介してもたらすことができる。
【0106】
低抵抗しきい値Re1、高抵抗しきい値Re2、第1のプランジャロッドしきい値P1、および/または第2のプランジャロッドしきい値P2などのしきい値を、受け入れたカートリッジについて個別に決定することができる。例えば、処理ユニットを、受け入れたカートリッジおよび/またはカートリッジアセンブリのカートリッジコード特徴部に基づいて、しきい値のうちの1つ以上を決定するように構成することができる。
【0107】
図9が、これまでの図に関連して説明した自動注射器などの自動注射器の動作および/または制御のための典型的な方法3000のフロー図を示している。
【0108】
方法3000は、第1のストッパを備えるカートリッジを受け入れるステップ3001と、プランジャロッドをプランジャロッド伸張位置に向かって移動させるステップ3002と、現在のプランジャロッド位置を決定するステップ3004と、抵抗信号を受信するステップ3006と、カートリッジパラメータを決定するステップ3008と、プランジャロッドの移動を調整するステップ3010とを含む。
【0109】
カートリッジを受け入れるステップ3001は、カートリッジを自動注射器のカートリッジ受けに受け入れるステップを含むことができる。
【0110】
プランジャロッドを移動させるステップ3002は、プランジャロッドをプランジャロッド後退位置から移動させるステップを含むことができる。プランジャロッドを移動させるステップ3002は、プランジャロッドを第1のプランジャロッド方向に移動させるステップを含むことができる。
【0111】
現在のプランジャロッド位置を決定するステップ3004は、自動注射器の処理ユニットによって行うことができる。現在のプランジャロッド位置を決定するステップ3004は、例えば回転計を備える排出センサなどのセンサからの検出に基づくことができる。
【0112】
抵抗信号を受信するステップ3006は、抵抗センサから抵抗信号を受信するステップを含むことができる。抵抗信号は、例えば第1のプランジャロッド方向の移動など、例えばプランジャロッド伸張位置へと向かう移動などのプランジャロッドの移動に対する抵抗を示すことができる。
【0113】
カートリッジパラメータを決定するステップ3008は、抵抗信号および/または現在のプランジャロッド位置に基づいてカートリッジパラメータを決定するステップを含むことができる。例えば、カートリッジパラメータは、現在のプランジャロッド位置がプランジャロッドしきい値に達しており、かつ抵抗信号がプランジャロッドの移動に対する抵抗が低抵抗しきい値未満であることを示している場合に、カートリッジが使用済みであることを知らせることができる。
【0114】
プランジャロッドの移動を調整するステップ3010は、カートリッジパラメータに基づくことができる。例えば、移動を調整するステップ3010は、プランジャロッドの移動を停止させるステップを含むことができる。これに代え、あるいはこれに加えて、移動を調整するステップ3010は、プランジャロッドをプランジャロッド後退位置に移動させるステップを含むことができる。
【0115】
プランジャロッドの移動を調整するステップ3010は、現在のプランジャロッド位置がプランジャロッドしきい値に達したこと、および抵抗信号がプランジャロッドの移動に対する抵抗が低抵抗しきい値未満であることを示していることを、カートリッジパラメータが示しているなど、カートリッジパラメータがカートリッジが使用済みカートリッジであることを示している場合に、プランジャロッドの移動を調整するステップを含むことができる。
【0116】
プランジャロッドの移動を調整するステップ3010は、抵抗信号がプランジャロッドの移動に対する抵抗が高抵抗しきい値を上回ることを示していることを、カートリッジパラメータが示しているなど、カートリッジパラメータがカートリッジが欠陥品のカートリッジであることを示している場合に、プランジャロッドの移動を調整するステップを含むことができる。
【0117】
典型的な方法3000の各ステップ、とりわけプランジャロッドを移動させるステップ3002、現在のプランジャロッド位置を決定するステップ3004、抵抗信号を受信するステップ3006、カートリッジパラメータを決定するステップ3008、およびプランジャロッドの移動を調整するステップ3010を、自動注射器の処理ユニットなどの処理ユニットによって制御することができる。
【0118】
典型的な自動注射器、カートリッジ、システム、および方法が、以下の項目に記載される。
【0119】
項目1.薬剤を投与するための自動注射器であって、
ハウジングと、
第1のストッパを備えるカートリッジを受け入れるように構成されたカートリッジ受けと、
前記第1のストッパを移動させるように構成されたプランジャロッドをプランジャロッド後退位置とプランジャロッド伸張位置との間で移動させるように組み合わせられた駆動モジュールと、
前記プランジャロッドの移動に対する抵抗を表す抵抗信号をもたらすように構成された抵抗センサと、
前記駆動モジュールおよび前記抵抗センサに接続された処理ユニットと
を備えており、
前記処理ユニットは、
・前記プランジャロッドを前記プランジャロッド伸張位置に向かって移動させるように前記駆動モジュールを制御し、
・現在のプランジャロッド位置を決定し、
・前記抵抗信号を受信し、
・前記抵抗信号および前記現在のプランジャロッド位置に基づいてカートリッジパラメータを決定し、
・前記カートリッジパラメータに基づいて前記プランジャロッドの移動を調整するように前記駆動モジュールを制御する
ように構成されている、自動注射器。
【0120】
項目2.前記プランジャロッドの移動の調整は、前記プランジャロッドの移動を停止させることを含む、項目1に記載の自動注射器。
【0121】
項目3.前記プランジャロッドの移動の調整は、前記プランジャロッドを前記プランジャロッド後退位置へと移動させることを含む、項目1または2に記載の自動注射器。
【0122】
項目4.前記処理ユニットは、前記カートリッジパラメータが、前記現在のプランジャロッド位置がプランジャロッドしきい値に達していること、および前記抵抗信号が低抵抗しきい値を下回るプランジャロッドの移動に対する抵抗を示していることを表している場合に、前記プランジャロッドの移動を調整するように前記駆動モジュールを制御するように構成されている、項目1~3のいずれかに記載の自動注射器。
【0123】
項目5.前記処理ユニットは、前記カートリッジパラメータが、前記抵抗信号が高抵抗しきい値を上回るプランジャロッドの移動に対する抵抗を示していることを表している場合に、前記プランジャロッドの移動を調整するように前記駆動モジュールを制御するように構成されている、項目1~4のいずれかに記載の自動注射器。
【0124】
項目6.カートリッジコード特徴部を読み取るように構成されたコードセンサを備えており、前記処理ユニットは、前記コードセンサに接続され、前記処理ユニットは、前記カートリッジコード特徴部を表すコード信号を前記コードセンサから受信し、前記コード信号に基づいて前記プランジャロッドしきい値ならびに/あるいは前記低抵抗しきい値および/または前記高抵抗しきい値を決定するように構成されている、項目4または5に記載の自動注射器。
【0125】
項目7.前記抵抗センサは、前記駆動モジュールによって消費される電力を決定するように構成されている、項目1~6のいずれかに記載の自動注射器。
【0126】
項目8.前記抵抗センサは、前記プランジャロッドのプランジャロッド前端部に加わる圧力および/または力を測定するように構成されている、項目1~7のいずれかに記載の自動注射器。
【0127】
項目9.前記駆動モジュールの回転の回数を表す回転計信号をもたらすように構成された回転計を備えており、前記処理ユニットは、前記回転計に接続され、前記処理ユニットは、前記回転計信号を受信し、前記回転計信号に基づいて前記現在のプランジャロッド位置を決定するように構成されている、項目1~8のいずれかに記載の自動注射器。
【0128】
項目10.前記処理ユニットに接続されたユーザインタフェースを備えており、前記処理ユニットは、前記カートリッジパラメータに基づいて前記ユーザインタフェースを介してユーザ出力信号を出力するように構成されている、項目1~9のいずれかに記載の自動注射器。
【0129】
項目11.項目1~10のいずれか一項に記載の自動注射器と、第1のストッパを備えるカートリッジとを備えており、前記カートリッジは、前記カートリッジ受けに受け入れられるように構成されている、システム。
【0130】
項目12.自動注射器を制御するための方法であって、
・第1のストッパを備えるカートリッジを受け入れるステップと、
・プランジャロッドをプランジャロッド伸張位置に向かって移動させるステップと、
・現在のプランジャロッド位置を決定するステップと、
・前記プランジャロッドの移動に対する抵抗を表す抵抗信号を受信するステップと、
・前記抵抗信号および前記現在のプランジャロッド位置に基づいてカートリッジパラメータを決定するステップと、
・前記カートリッジパラメータに基づいて前記プランジャロッドの移動を調整するステップと
を含む方法。
【0131】
項目13.前記プランジャロッドの移動を調整するステップは、前記プランジャロッドの移動を停止させるステップを含む、項目12に記載の方法。
【0132】
項目14.前記プランジャロッドの移動を調整するステップは、前記プランジャロッドを前記プランジャロッド後退位置へと移動させるステップを含む、項目12または13に記載の方法。
【0133】
項目15.前記プランジャロッドの移動を調整するステップは、前記カートリッジパラメータが、前記現在のプランジャロッド位置がプランジャロッドしきい値に達していること、および前記抵抗信号が低抵抗しきい値を下回るプランジャロッドの移動に対する抵抗を示していることを表している場合に、前記プランジャロッドの移動を調整するステップを含む、項目12~14のいずれかに記載の方法。
【0134】
項目16.前記プランジャロッドの移動を調整するステップは、前記カートリッジパラメータが、前記抵抗信号が高抵抗しきい値を上回るプランジャロッドの移動に対する抵抗を示していることを表している場合に、前記プランジャロッドの移動を調整するステップを含む、項目12~15のいずれかに記載の方法。
【0135】
項目17.カートリッジコード特徴部を表すコード信号を受信し、該コード信号に基づいて前記プランジャロッドしきい値ならびに/あるいは前記低抵抗しきい値および/または前記高抵抗しきい値を決定するステップを含む、項目12~16のいずれかに記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9