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  • 特許-ブリーザ構造及びブリーザカバー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-13
(45)【発行日】2022-07-22
(54)【発明の名称】ブリーザ構造及びブリーザカバー
(51)【国際特許分類】
   F16H 57/027 20120101AFI20220714BHJP
【FI】
F16H57/027
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018073765
(22)【出願日】2018-04-06
(65)【公開番号】P2019183925
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107238
【弁理士】
【氏名又は名称】米山 尚志
(72)【発明者】
【氏名】西谷 真介
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-053714(JP,A)
【文献】特開2017-172593(JP,A)
【文献】中国実用新案第204403341(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 57/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内空間に潤滑油が貯留されるケースの内部圧力の変動を抑制するためのブリーザ構造であって、
相対向する第1領域及び第2領域を含む周面によって区画されて上下方向に延びる上下流通空間を少なくとも一部に有し、前記潤滑油の液面よりも上方に配置されて前記ケース内空間に開口する内部開口と前記ケースの外部に開口する外部開口とを前記上下流通空間を介して連通する通気路と、
前記上下流通空間に上下方向と交叉して配置され、前記第1領域から前記第2領域に向かって突出する板状の第1障壁部と、
前記第1障壁部の上方で前記上下流通空間に上下方向と交叉して配置され、前記第2領域から前記第1領域に向かって突出する板状の第2障壁部と、を備え、
前記上下流通空間では、前記第1障壁部と前記第2領域との間、及び前記第2障壁部と前記第1領域との間を空気が流通 し、
前記第1障壁部の先端縁には、前記第1障壁部側へ凹む切欠き状の第1凹部が設けられ、
前記第2障壁部の先端縁には、前記第2障壁部側へ凹む切欠き状の第2凹部が設けられ、
前記第1凹部と前記第2凹部とは、上下方向に沿って直線状に連続する貫通領域を前記上下流通空間に形成し、
前記貫通領域の上方は、前記通気路の天井面によって覆われている
ことを特徴とするブリーザ構造。
【請求項2】
請求項1に記載のブリーザ構造であって、
前記第2障壁部は、前記第1領域に向かって下方へ傾斜する
ことを特徴とするブリーザ構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のブリーザ構造であって、
前記第2障壁部よりも前記外部開口側の前記通気路に設けられ、前記第2障壁部を越えて前記外部開口側へ進入した潤滑油を滞留可能なバッファ空間を備える
ことを特徴とするブリーザ構造。
【請求項4】
車両の駆動装置を収容するケース内空間に潤滑油が貯留されるケースの内部圧力の変動を抑制するために前記ケースのブリーザ孔に取付けられるブリーザカバーであって、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載のブリーザ構造を備える
ことを特徴とするブリーザカバー。
【請求項5】
請求項4に記載の ブリーザカバーであって、
前記駆動装置は、ディファレンシャルギアであり、
前記ケースは、ディファレンシャルギアを収容するアクスルケースである
ことを特徴とするブリーザカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ケース内空間に潤滑油が貯留されるケースの内部圧力の変動を抑制するためのブリーザ構造及びブリーザカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、変速機を内部に収容するハウジングの貫通孔に取付けられたエアーブリーザ装置が記載されている。エアーブリーザ装置は、ハウジングの貫通孔に挿入される筒部を有する。筒部の両端は開口し、筒部は内部にブリーザ室を形成する。ブリーザ室とは、油などの液体と空気とを分離して、空気を外部に排出すると共に、油などの液体を内部に導くための領域である。筒部の一方端には蓋部が設けられ、筒部の他方端は変速機ユニットの内部の空間と連通している。
【0003】
蓋部には、ハウジングの内部と外部とを連通させて、ハウジング内の圧力が運転中に高くなることを防止するなど、内圧を調整する空気逃がし孔が形成されている。筒部のブリーザ室には、プレート部材が設けられている。プレート部材は、筒部の延在方向に沿って複数設けられ、プレート部材の先端には、貫通孔が形成されている。プレート部材は、内部の空気を外部に排出するとともに、潤滑油を内部に循環させるために、空気と油を分離する機能を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-48926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構造では、プレート部材に形成した貫通孔を通気部分としているので、ケース(ハウジング)内の歯車等によって掻き上げられた高粘性の潤滑油が貫通孔を塞ぐようにプレート部材に付着する可能性がある。この場合、貫通孔の孔径が小さいと、潤滑油による貫通孔の閉塞が維持されてしまい、ケースの内部圧力を低下させるという機能が損なわれる。一方、潤滑油によって貫通孔が塞がれないように貫通孔の孔径を大きく形成すると、歯車等によって掻き上げられた潤滑油が貫通孔からケースの外部へ流出してしまうおそれがある。すなわち、プレート部材の貫通孔を通気部分とする構造では、ケースの内部圧力の上昇を抑制するという機能を損なうことなく、潤滑油の流出を防止することが難しい。
【0006】
そこで本開示は、ケースの内部圧力の上昇を確実に抑制するとともに、潤滑油の流出を防止することが可能なブリーザ構造及びブリーザカバーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明の第1の態様は、ケース内空間に潤滑油が貯留されるケースの内部圧力の変動を抑制するためのブリーザ構造であって、通気路と、板状の第1障壁部と、板状の第2障壁部と、を備える。通気路は、上下流通空間を少なくとも一部に有し、潤滑油の液面よりも上方に配置されてケース内空間に開口する内部開口とケースの外部に開口する外部開口とを上下流通空間を介して連通する。上下流通空間は、相対向する第1領域及び第2領域を含む周面によって区画されて上下方向に延びる。第1障壁部は、上下流通空間に上下方向と交叉して配置され、第1領域から第2領域に向かって突出する。第2障壁部は、第1障壁部の上方で上下流通空間に上下方向と交叉して配置され、第2領域から第1領域に向かって突出する。上下流通空間では、第1障壁部と第2領域との間、及び第2障壁部と第1領域との間を空気が流通する。
【0008】
上記構成では、ケースの内部圧力(ケース内空間の圧力)の上昇は、ケース内空間の空気が通気路からケースの外部へ排出されることによって抑制される。
【0009】
ケース内空間において歯車等によって掻き上げられて内部開口へ向かう潤滑油の大部分は、第1障壁部及び第2障壁部によって外部開口側への移動が阻止されてケース内空間へ戻る。従って、外部開口からの潤滑油の流出を第1障壁部及び第2障壁部によって防止することができる。
【0010】
第1障壁部と第2領域との間、及び第2障壁部と第1領域との間をそれぞれ通気部分としているので、板状部材に形成された貫通孔を通気部分とする構造に比べて、付着した潤滑油によって通気部分が塞がれてしまう閉塞状態が発生し難い。従って、内部開口から外部開口までの通気を維持することができ、ケースの内部圧力の上昇を確実に抑制することができる。
【0011】
本発明の第2の態様は、第1の態様のブリーザ構造であって、第2障壁部は、第1領域に向かって下方へ傾斜する。
【0012】
上記構成では、潤滑油が第2障壁部を越えて外部開口側へ進入した場合であっても、係る潤滑油は、第1領域に向かって下方へ傾斜する第2障壁部の上面を流下して内部開口側へ移動し易い。従って、外部開口からの潤滑油の流出をより確実に防止することができる。
【0013】
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様のブリーザ構造であって、第1障壁部の先端縁には、第1障壁部側へ凹む切欠き状の第1凹部が設けられ、第2障壁部の先端縁には、第2障壁部側へ凹む切欠き状の第2凹部が設けられる。第1凹部と第2凹部とは、上下方向に沿って直線状に連続する貫通領域を上下流通空間に形成する。貫通領域の上方は、通気路の天井面によって覆われている。

【0014】
上記構成では、第1障壁部の下方から第2障壁部の上方まで上下方向に沿って直線状に連続する貫通領域を上下流通空間に設けているので、上下流通空間で空気を円滑に流通させることができ、ケースの内部圧力の上昇をより確実に抑制することができる。
【0015】
本発明の第4の態様は、第1~第3の何れかの態様のブリーザ構造であって、第2障壁部よりも外部開口側の通気路に設けられ、第2障壁部を越えて外部開口側へ進入した潤滑油を滞留可能なバッファ空間を備える。
【0016】
上記構成では、第2障壁部を越えて外部開口側へ進入した潤滑油が滞留可能なバッファ空間を設けているので、潤滑油がバッファ空間よりも外部開口側へ移動し難くなる。従って、外部開口からの潤滑油の流出をより確実に防止することができる。
【0017】
本発明の第5の態様は、車両の駆動装置を収容するケース内空間に潤滑油が貯留されるケースの内部圧力の変動を抑制するためにケースのブリーザ孔に取付けられるブリーザカバーであって、第1~第4の何れかの態様のブリーザ構造を備える。
【0018】
本発明の第6の態様は、第5の態様のブリーザカバーであって、駆動装置は、ディファレンシャルギアであり、ケースは、ディファレンシャルギアを収容するアクスルケースである。
【0019】
上記構成では、ケースのブリーザ孔にブリーザカバーを取付けることによって、第1~第4の何れかの態様のブリーザ構造をケースに設けることができる。従って、ケースの形状を複雑化することなく所望の構成のブリーザ構造をケースに設けること、ブリーザ構造をケースとは異なる材質とすること、同一形状のケースに異なる構成のブリーザ構造を簡単に設けること、及びブリーザ構造の破損時にケース全体の交換を要しないことなどが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、ケースの内部圧力の上昇を確実に抑制するとともに、潤滑油の流出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係るブリーザカバーが取付けられたアクスルケースの側面図である。
図2図1のアクスルケースを矢印II方向から視た上面図である。
図3図2のブリーザカバーのIII-III矢視断面図である。
図4図2のブリーザカバーのIV-IV矢視断面図である。
図5図3のブリーザカバーを矢印V方向から視た下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について図1図5を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1及び図2に示すように、車両のディファレンシャルギア(差動装置)3を収容するアクスルケース(ケース)1の内部空間(ケース内空間)2には、ディファレンシャルギア3を潤滑するための高粘性の潤滑油4が貯留される。アクスルケース1には、ケース内空間2の底部で外部と連通する潤滑油排出口5と、潤滑油排出口5よりも高位置でケース内空間2と外部とを連通する潤滑油供給口6とが設けられ、潤滑油排出口5及び潤滑油供給口6は、潤滑油4の給排時を除き閉止蓋7,8によってそれぞれ閉止される。潤滑油排出口5を閉止した状態で潤滑油供給口6から潤滑油4を供給することにより、ケース内空間2に潤滑油4が貯留される。ディファレンシャルギア3は、少なくとも一部が潤滑油4に浸かった状態で回転し、潤滑油4は、回転するディファレンシャルギア3によって掻き上げられる。なお、ディファレンシャルギア3の詳細な形状については図示を省略している。
【0024】
アクスルケース1には、潤滑油4の液面9よりも上方でケース内空間2と外部とを連通するブリーザ孔10(図3参照)が形成されている。ブリーザ孔10には、掻き上げられた潤滑油4の外部への流出を防止しつつ、アクスルケース1の内部圧力(ケース内空間2の圧力)の変動を抑制するためのブリーザカバー11が取付けられる。ブリーザ孔10にブリーザカバー11を取付けたカバー取付状態において、ブリーザ孔10とブリーザカバー11との間はシール材(図示省略)等によって密閉される。
【0025】
図3図5に示すように、ブリーザカバー11は、ブリーザ孔10に挿入される筒体状のカバー下部12と、カバー下部12の上端側と連通する箱体状のカバー上部13とを一体的に有し、カバー下部12のカバー下端開口(内部開口)14とカバー上部13の通気管接続口(外部開口)15とを上下流通空間16を介して連通する通気路17を区画形成する。上下流通空間16は、カバー下部12の内周面(周面)18によって区画され、カバー取付状態で上下方向に延びる。カバー下端開口14は、ケース内空間2の潤滑油4の液面9よりも上方で、上下流通空間16の下端をケース内空間2に開口する。
【0026】
カバー下部12の内周面18は、相対向する第1領域20と第2領域21とを含み、上下流通空間16には、平板状の第1障壁部22と平板状の第2障壁部23とが設けられる。第1障壁部22は、上下方向(鉛直方向)と略直交して配置され、第1領域20から第2領域21に向かって突出して略水平に延びる。第2障壁部23は、第1障壁部22の上方で上下方向と交叉して配置され、第2領域21から第1領域20に向かって突出して斜め下方へ傾斜して延びる。上下流通空間16では、第1障壁部22と第2領域21との間、及び第2障壁部23と第1領域20との間を空気が流通する。
【0027】
第1障壁部22の先端縁には第1領域20側へ凹む切欠き状の第1凹部24が、第2障壁部23の先端縁には第2領域21側へ凹む切欠き状の第2凹部25がそれぞれ形成されている。第1凹部24と第2凹部25とは、上下方向に沿って直線状に連続する貫通領域26を上下流通空間16に形成し、カバー下端開口14を下方から視た場合、第2障壁部23の上方の通気路17の天井面が貫通領域26を介して露出する(図5参照)。なお、第1凹部24を除く第1障壁部22の先端側と第2凹部25を除く第2障壁部23の先端側とが鉛直方向に重なるか否かは任意であり、本実施形態では、両者の先端縁が鉛直方向に略重なる(鉛直方向から視て略一致する)ように設定されている。
【0028】
通気管接続口15は、カバー下部12とカバー上部13との連通部27から離れたカバー上部13の端部に設けられ、アクスルケース1の外部に開口する。通気管接続口15には通気管28が接続され、通気管28の開口端(図示省略)は、通気管接続口15よりも高い所定位置(車両が水路を走行した際に水没しない高さ位置)で車体側に支持される。
【0029】
カバー上部13の内部空間は、第2障壁部23よりも通気管接続口15側の通気路17に設けられた空間であり、第2障壁部23を越えて通気管接続口15側へ進入した潤滑油4を滞留可能なバッファ空間29として機能する。カバー上部13の底面部30は、連通部27側から通気管接続口15側に向かって略水平に延びる平板状であり、バッファ空間29の下方は、カバー上部13の底面部30によって区画される。
【0030】
本実施形態によれば、アクスルケース1の内部圧力(ケース内空間2の圧力)の上昇は、ケース内空間2の空気がブリーザカバー11の通気路17から外部へ排出されることによって抑制される。
【0031】
ケース内空間2の潤滑油4はディファレンシャルギア3等によって掻き上げられ、その一部がカバー下端開口14へ向かう可能性があるが、カバー下端開口14へ向かう潤滑油4の大部分は、第1障壁部22及び第2障壁部23によって通気管接続口15側への移動が阻止されてケース内空間2へ戻る。従って、空気管接続口15からの潤滑油4の流出を第1障壁部22及び第2障壁部23によって防止することができる。
【0032】
第1障壁部22と第2領域21との間、及び第2障壁部23と第1領域20との間をそれぞれ通気部分としているので、板状部材に形成された貫通孔を通気部分とする構造に比べて、付着した潤滑油4によって通気部分が塞がれてしまう閉塞状態が発生し難い。従って、カバー下端開口14から通気管接続口15までの通気を維持することができ、アクスルケース1の内部圧力の上昇を確実に抑制することができる。
【0033】
第1障壁部22及び第2障壁部23のうち通気管接続口15側の第2障壁部23が第1領域20に向かって下方へ傾斜しているので、潤滑油4が第2障壁部23を越えて通気管接続口15側へ進入した場合であっても、係る潤滑油4は、下方へ傾斜する第2障壁部23の上面を流下してカバー下端開口14側へ移動し易い。従って、通気管接続口15からの潤滑油4の流出をより確実に防止することができる。
【0034】
第1障壁部22の下方から第2障壁部23の上方まで上下方向に沿って直線状に連続する貫通領域26を上下流通空間16に設けているので、上下流通空間16で空気を円滑に流通させることができ、アクスルケース1の内部圧力の上昇をより確実に抑制することができる。
【0035】
第2障壁部23を越えて通気管接続口15側へ進入した潤滑油4が滞留可能なバッファ空間29を設けているので、潤滑油4がバッファ空間29よりも通気管接続口15側へ移動し難くなる。従って、通気管接続口15からの潤滑油4の流出をより確実に防止することができる。
【0036】
また、アクスルケース1にブリーザ孔10を形成し、ブリーザ孔10にブリーザカバー11を取付けることによって、ブリーザ構造(通気路17、第1障壁部22及び第2障壁部23)をアクスルケース1に設けているので、アクスルケース1の形状を複雑化することなく所望の構成のブリーザ構造をアクスルケース1に設けること、ブリーザ構造をアクスルケース1とは異なる材質とすること、同一形状のアクスルケース1に異なる構成のブリーザ構造を簡単に設けること、及びブリーザ構造の破損時にアクスルケース1の交換を要せずブリーザカバー11を交換すれば済むことなどが可能となる。
【0037】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【0038】
例えば、ブリーザカバー11を省略し、アクスルケース1にブリーザ構造を直接形成してもよい。
【0039】
また、上下流通空間16に設ける障壁部は、第1障壁部22及び第2障壁部23の2段に限定されず、3段以上であってもよく、各障壁部の形状も任意に設定可能である。
【0040】
また、ブリーザ構造を設けるケースは、ディファレンシャルギア3を収容するアクスルケース1に限定されず、他の駆動装置(例えばトランスファーやファイナルドライブトランスミッションなど)を収容するケースであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、ケース内空間に潤滑油が貯留されるケースに適用可能である。
【符号の説明】
【0042】
1:アクスルケース(ケース)
2:ケース内空間
3:ディファレンシャルギア
4:潤滑油
5:潤滑油排出口
6:潤滑油供給口
7,8:閉止蓋
9:潤滑油の液面
10:ブリーザ孔
11:ブリーザカバー
12:カバー下部
13:カバー上部
14:カバー下端開口(内部開口)
15:通気管接続口(外部開口)
16:上下流通空間
17:通気路
18:カバー下部の内周面(周面)
20:第1領域
21:第2領域
22:第1障壁部
23:第2障壁部
24:第1凹部
25:第2凹部
26:貫通領域
27:連通部
28:通気管
29:バッファ空間
30:カバー上部の底面部
図1
図2
図3
図4
図5