(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-13
(45)【発行日】2022-07-22
(54)【発明の名称】内装ユニット
(51)【国際特許分類】
B65D 25/10 20060101AFI20220714BHJP
B65D 81/05 20060101ALI20220714BHJP
【FI】
B65D25/10
B65D81/05
(21)【出願番号】P 2020551592
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(86)【国際出願番号】 JP2019051439
(87)【国際公開番号】W WO2020170612
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】P 2019028721
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019216730
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開日及び公開場所は、添付の書面に記載のとおり
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390032056
【氏名又は名称】ヒロホー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087985
【氏名又は名称】福井 宏司
(72)【発明者】
【氏名】小早川 昌士
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-034883(JP,A)
【文献】特開昭59-209567(JP,A)
【文献】実開平03-038782(JP,U)
【文献】特開2011-116416(JP,A)
【文献】米国特許第07237993(US,B2)
【文献】特開2000-153908(JP,A)
【文献】特開2004-075089(JP,A)
【文献】特開平11-139317(JP,A)
【文献】特開2011-246127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/10
B65D 81/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容する収容空間を有し、前記物品が前記収容空間に収容された状態において搬送されるように構成される物流搬送容器内に配置される内装パットおよび支持具を含む内装ユニットであって、
前記内装パットは全体が前記収容空間に配置され、前記物流搬送容器とは別に構成され、前記支持具を位置決めするように構成され、
前記支持具は全体が前記収容空間に配置され、前記物流搬送容器および前記内装パットとは別に構成され、前記内装パットに対して着脱できるように構成され、緩衝材および仕切板の少なくとも一方を含む容器内装材を支持するように構成され、
前記支持具は
、前記支持具が前記容器内装材を支持しているときに前記容器内装材に対して前記支持具から離れる方向の力が作用した場合に、前記容器内装材が引っ掛かることによって前記容器内装材が前記支持具から抜けることを抑制するように構成された保持部を備える
内装ユニット。
【請求項2】
物品を収容する収容空間を有し、前記物品が前記収容空間に収容された状態において搬送されるように構成される物流搬送容器内に配置される内装パットおよび支持具を含む内装ユニットであって、
前記内装パットは全体が前記収容空間に配置され、前記物流搬送容器とは別に構成され、前記支持具を位置決めするように構成され、
前記支持具は全体が前記収容空間に配置され、前記物流搬送容器および前記内装パットとは別に構成され、前記内装パットに対して着脱できるように構成され、緩衝材および仕切板の少なくとも一方を含む容器内装材を支持するように構成され、
前記支持具は、搬送台車のパイプに対して
着脱可能であり、前記支持具が前記容器内装材を支持しているときに前記容器内装材に対して前記支持具から離れる方向の力が作用した場合に、前記容器内装材が引っ掛かることによって前記容器内装材が前記支持具から抜けることを抑制するように構成された保持部を備える
内装ユニット。
【請求項3】
前記保持部は、
前記容器内装材によって挟まれるバー状の被挟持部、および、
前記被挟持部の長手方向の端部の少なくとも一方と対向するように設けられ、前記長手方向における前記容器内装材の移動を規制する壁部を含む
請求項1または2に記載の
内装ユニット。
【請求項4】
前記支持具は、前記保持部を支持するベースをさらに備え、
前記支持具は、前記物流搬送容器及び前記容器内装材とは別体で形成され、
前記ベースは前記被挟持部が前記容器内装材によって挟まれていることを確認するための窓を含む
請求項3に記載の
内装ユニット。
【請求項5】
前記被挟持部は前記窓と対向する
請求項4に記載の
内装ユニット。
【請求項6】
前記保持部は前記壁部の内面から突出する突起を含み、
前記突起は前記被挟持部が前記容器内装材によって挟まれているときに前記容器内装材に挿入されるように構成される
請求項3~5のいずれか一項に記載の
内装ユニット。
【請求項7】
前記支持具は、前記被挟持部の周囲に設けられた補助部材を含み、
該補助部材は、前記容器内装材よりも硬い材料からなり、
前記補助部材は、前記被挟持部と前記容器内装材とを連結する
請求項3~6のいずれか一項に記載の
内装ユニット。
【請求項8】
前記支持具は、前記物流搬送容器及び前記容器内装材とは別体で形成される
請求項1~3および5~7のいずれか一項に記載の
内装ユニット。
【請求項9】
前記容器内装材を
さらに備える
請求項1~8のいずれか一項に記載の
内装ユニット。
【請求項10】
前記内装パットは、前記支持具を接合するための接合部材が取り付けられる孔を備える
請求項1~9のいずれか一項
に記載の内装ユニット。
【請求項11】
前記内装パットは、前記支持具を位置決めするための孔を有しており、
前記支持具は前記内装パットの孔に挿入されている
請求項1~10のいずれか一項
に記載の内装ユニット。
【請求項12】
前記内装パットは合成樹脂または段ボールから形成される
請求項1~11
のいずれか一項に記載の内装ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は支持具、および、これを備える内装ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
物流搬送容器内に配置される緩衝材等を支持する支持具が知られている。例えば、特許文献1は弾性体部材(1)を支持する弾性体部材固定構造を開示している。弾性体部材固定構造は第1の固定部材(3)および第2の固定部材(4)を備える。第1の固定部材(3)は弾性体部材(1)に設けられる第1の挿入部(13)に挿入される一対の突起部(31a、31b)、および、一対の突起部(31a、31b)を支持する基部(30)を備える。第2の固定部材(4)は第1の固定部材(3)の一対の突起部(31a、31b)が第1の挿入部(13)に挿入された状態で一対の突起部(31a、31b)の間に挿入される。第2の固定部材(4)によって一対の突起部(31a、31b)が弾性体部材(1)の一対の側面(13a、13b)に押し付けられ、摩擦力によって弾性体部材(1)が第1の固定部材(3)から抜けることが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記弾性体部材固定構造では、第2の固定部材(4)を一対の突起部(31a、31b)の間に配置する必要があるため、弾性体部材(1)を支持するための作業工程が煩雑である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本開示に関する支持具は物流搬送容器内に配置される緩衝材および仕切板の少なくとも一方を含む容器内装材を支持する支持具であって、前記容器内装材を支持しているときに前記容器内装材に対して前記支持具から離れる方向の力が作用した場合に、前記容器内装材が引っ掛かることによって前記容器内装材が前記支持具から抜けることを抑制するように構成された保持部を備える。
【0006】
上記支持具によれば、保持部と容器内装材とが引っ掛かり合うことによって、容器内装材を支持できる。このため、容器内装材を容易に支持できる。
(2)好ましい例では(1)に記載の支持具において、前記保持部は前記容器内装材によって挟まれるバー状の被挟持部、および、前記被挟持部の長手方向の端部の少なくとも一方と対向するように設けられ、前記長手方向における前記容器内装材の移動を規制する壁部を含む。
【0007】
上記支持具によれば、支持している容器内装材の位置が安定する。
(3)好ましい例では(2)に記載の支持具において、前記保持部を支持するベースをさらに備え、前記ベースは前記被挟持部が前記容器内装材によって挟まれていることを確認するための窓を含む。
【0008】
上記支持具によれば、容器内装材が適切に支持されていることを容易に確認できる。
(4)好ましい例では(3)に記載の支持具において、前記被挟持部は前記窓と対向する。
【0009】
上記支持具によれば、容器内装材が適切に支持されていることを一層容易に確認できる。
(5)好ましい例では(2)~(4)のいずれか一項に記載の支持具において、前記保持部は前記壁部の内面から突出する突起を含み、前記突起は前記被挟持部が前記容器内装材によって挟まれているときに前記容器内装材に挿入されるように構成される。
【0010】
上記支持具によれば、突起が容器内装材に挿入されるため、容器内装材が支持具から抜けることが一層抑制される。
(6)好ましい例では(1)~(5)のいずれか一項に記載の支持具において、前記物流搬送容器内に配置される内装パットに前記支持具を接合するため、または、前記物流搬送容器に前記支持具を接合するための接合部材が取り付けられる孔を備える。
【0011】
上記支持具によれば、内装パットまたは物流搬送容器に容易に接合できる。
(7)好ましい例では、(1)~(6)のいずれか一項に記載の支持具において、前記支持具は、前記被挟持部の周囲に設けられた補助部材を含み、該補助部材は、前記容器内装材よりも硬い材料からなり、前記補助部材は、前記被挟持部と前記容器内装材とを連結する。
【0012】
上記支持具によれば、容器内装材が支持具から抜けることを好適に抑制することができる。
(8)本開示に関する内装ユニットは上記(1)~(7)のいずれか一項に記載の支持具と、前記容器内装材とを含む。
【0013】
上記内装ユニットによれば、上記(1)~(7)のいずれか一項に記載の支持具と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態の内装ユニットが収容された物流搬送容器の斜視図。
【
図9】
図1の内装ユニットの組立手順の第1工程および第2工程に関する図。
【
図10】
図1の内装ユニットの組立手順の第3工程に関する図。
【
図11】第2実施形態の内装ユニットが備える支持具の斜視図。
【
図12】
図11の支持具を内装パットに取り付ける工程を示す斜視図。
【
図13】
図12の支持具が内装パットに取り付けられた状態の斜視図。
【
図14】第3実施形態の内装ユニットが備える支持具の斜視図。
【
図16】第4実施形態の内装ユニットが備える支持具の左から見た斜視図。
【
図19】
図18の内装ユニットが組み合わさった状態の斜視図。
【
図20】変形例の内装ユニットが備える支持具の斜視図。
【
図21】変形例の内装ユニットが備える容器内装材の正面図。
【
図22】変形例の内装ユニットが備える内装パットの平面図。
【
図23】第5実施形態の内装ユニットの分解斜視図。
【
図24】
図23の内装ユニットが組み合わせられた状態の斜視図。
【
図27】
図23の内装ユニットの組立手順の第1工程に関する図。
【
図28】
図23の内装ユニットの組立手順の第2工程に関する図。
【
図31】
図29の支持具が取り付けられる異形レールの断面図。
【
図34】第4変形例の内装ユニットが備える補助部材の斜視図。
【
図35】第4変形例の内装ユニットが備える容器内装材の正面図。
【
図36】補助部材が被挟持部と容器内装材とを連結している状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
図1を参照して、内装ユニット1の一例について説明する。内装ユニット1は物流搬送容器100内に配置される。物流搬送容器100の形状は任意に選択可能である。一例では、物流搬送容器100は箱型である。物流搬送容器100は1枚の底板111、底板111に接続される4枚の側板112、物品を収容する収容空間110、および、収容空間110に収容される物品を出し入れするための開口部120を備える。収容空間110が形成されるように、1枚の底板111と4枚の側板112とが接合される。物流搬送容器100には、必要に応じて開口部120を閉鎖するための蓋(図示略)が取り付けられる。物流搬送容器100に収容される物品(以下では、「収容物品」という)は多種多様である。収容物品の一例は車両部品、電子・電機部品、および、樹脂素材である。
【0016】
内装ユニット1を構成する主な要素は1または複数の内装パット10、1または複数の容器内装材20、および、1または複数の支持具30である。内装ユニット1の機能は容器内装材20の種類に応じて分類される。容器内装材20が例えば緩衝材である場合、内装ユニット1は収容物品を保護する機能(以下では、「物品保護機能」という)を有する。容器内装材20が例えば仕切板である場合、内装ユニット1は収容空間110を区画する機能(以下では、「空間区画機能」という)を有する。第1実施形態では、内装ユニット1は物品保護機能を有する。
【0017】
図2に示される内装パット10は収容空間110における支持具30の位置決めのために設けられる。内装パット10を構成する材料は任意に選択可能である。好ましい例では、内装パット10を構成する材料はユーザが容易に持ち運びできる軽量な材料である。内装パット10を構成する材料の好ましい一例は合成樹脂および段ボールである。合成樹脂の一例はポリプロピレン樹脂およびポリエチレン樹脂である。内装パット10は底部パット11、および、一対の側部パット12を備える。底部パット11は物流搬送容器100の底板111と対向するように物流搬送容器100の内部に配置される。側部パット12は物流搬送容器100の側板112と対向するように物流搬送容器100の内部に配置される。内装パット10の形状は任意に選択可能である。
図2等に示される第1例では、内装パット10は底部パット11、および、一対の側部パット12が長方形である。第2例では、内装パット10は底部パット11が正方形である。第3例では、内装パット10は一対の側部パット12のうちの少なくとも一方の側部パット12が正方形である。第4例では、内装パット10は底部パット11、および、一対の側部パット12のうちの少なくとも1つが三角形、五角形以上の多角形、円、または、楕円である。底部パット11と一対の側部パット12との結合状態は任意に選択可能である。
図2等に示される第1例では、底部パット11と一対の側部パット12とは繋がっている。第2例では、底部パット11と一対の側部パット12のうちの一方とが繋がり、一対の側部パット12のうちの他方が底部パット11と分離している。第3例では、底部パット11と一対の側部パット12は互いに分離している。
【0018】
底部パット11および側部パット12には、支持具30(
図1参照)が挿入される1または複数の孔13が設けられる。孔13の形状は任意に選択可能である。
図2等に示される第1例では、孔13の形状は長方形である。第2例では、孔13の形状は正方形、五角形以上の多角形、円、または、楕円である。底部パット11および側部パット12に設けられる孔13の数は支持具30(
図1参照)の数に応じて任意に選択可能である。
図2等に示される例では、底部パット11には、4つの孔13が設けられる。一対の側部パット12には、それぞれ、2つの孔13が設けられる。換言すれば、第1実施形態では、1つの内装パット10に8つの孔13が設けられる。
【0019】
図3に示される容器内装材20は収容物品が傷つかないように収容物品を保護する緩衝材である。容器内装材20を構成する材料は任意に選択可能である。好ましい例では、容器内装材20を構成する材料は軽量、かつ、収容物品を傷つけない柔らかい材料である。容器内装材20を構成する材料の好ましい一例は合成樹脂および段ボールである。合成樹脂の一例はウレタン樹脂およびオレフィン樹脂である。
【0020】
容器内装材20の形状は収容物品の種類に応じて任意に選択可能である。
図3等に示される例では、1つの容器内装材20は直方体形状の基部21、および、基部21から突出する直方体形状の4つの突出部22を備える。基部21は支持具30によって底部パット11(
図2参照)と対向するように配置される。4つの突出部22のうち、隣り合う突出部22は所定の間隔を有する。所定の間隔は収容物品の大きさに基づいて決められる。4つの突出部22は基部21の長手方向において基部21の端部よりも中央寄りの位置から突出する2つの第1の突出部22A、および、基部21の長手方向の端部から突出する第2の突出部22Bを含む。2つの第2の突出部22Bは支持具30を介して側部パット12(
図2参照)と対向するように配置される。容器内装材20には、支持具30(
図1参照)が挿入される1または複数の被挿入部23が設けられる。被挿入部23が設けられる位置および数は支持具30の位置および数に応じて任意に選択可能である。
図3等に示される例では、基部21に2つの被挿入部23が設けられる。基部21に設けられる被挿入部23は、例えば、第1の突出部22Aと第2の突出部22Bとの間の下方に設けられる。1つの第2の突出部22Bには、1つの被挿入部23が設けられる。換言すれば、第1実施形態では、1つの容器内装材20に4つの被挿入部23が設けられる。
【0021】
被挿入部23は例えば、基部21の厚み方向の全体、および、第2の突出部22Bの厚み方向の全体にわたり設けられる。基部21の厚さMA(
図10参照)、および、第2の突出部22Bの厚さMB(
図10参照)は任意に選択可能である。一例では、厚さMA、MBは20mm、30mm、40mm、または、50mmである。被挿入部23は支持具30が挿入される凹部24、および、凹部24の内面24Aから突出する一対の爪25を含む。凹部24の内面24Aは突出部22の最も近くに位置する面24AZ、面24AZと一対の爪25との間に設けられる一対の第1側面24AX、および、一対の爪25よりも外側に設けられる一対の第2側面24AYに区分される。一対の第1側面24AXは平行である。一対の第2側面24AYは面24AZに向かうにつれて幅が狭くなるテーパ形状である。このため、支持具30を凹部24に容易に挿入できる。
【0022】
図4に示される支持具30は容器内装材20を支持する。支持具30を構成する材料は任意に選択可能である。好ましい例では、支持具30を構成する材料はユーザが容易に持ち運びできる軽量な材料である。支持具30を構成する材料の好ましい一例は合成樹脂である。合成樹脂の一例はポリプロピレン樹脂、および、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)である。支持具30は保持部40およびベース50を備える。支持具30は例えば、射出成形によって、保持部40とベース50とが一体的に成形される。
【0023】
保持部40は被挟持部41、一対の壁部42、および、載置部43を備える。被挟持部41は容器内装材20の被挿入部23(
図3参照)に挿入される。被挟持部41は、容器内装材20に対して支持具30から離れる方向の力が作用した場合に一対の爪25が引っ掛かることによって、容器内装材20が支持具30から抜けることを抑制する。被挟持部41の形状は一対の爪25によって挟まれる形状、または引っ掛けられる形状から任意に選択可能である。
図4等に示される例では、被挟持部41はバー形状の主部41A、および、主部41Aの幅方向の端部から外側に向かうにつれて下方に傾斜する一対の傾斜部41Bを含む。主部41Aの長手方向の長さLAは任意に選択可能である。
図4等に示される例では、長さLAは容器内装材20の厚さMA、MB(
図10参照)と実質的に等しい。一対の傾斜部41Bは容器内装材20の一対の爪25と噛み合う。一対の傾斜部41Bは主部41Aの長手方向の全体にわたり設けられる。
【0024】
一対の壁部42はベース50から立ち上がる。一対の壁部42は、それぞれ被挟持部41の長手方向の端部と対向する。一対の壁部42は被挟持部41が被挿入部23に挿入された場合、被挟持部41の長手方向における容器内装材20の移動を規制する。このため、支持している容器内装材20の位置が安定する。一対の壁部42と被挟持部41との結合状態は任意に選択可能である。
図4等に示される第1例では、一対の壁部42は被挟持部41の長手方向の端部と接合される。第2例では、一対の壁部42は被挟持部41の長手方向の端部と接合されず、かつ、接触するように設けられる。第3例では、一対の壁部42は被挟持部41の長手方向の端部と隙間を介して対向するように設けられる。一対の壁部42の間隔LBは容器内装材20の厚さMA、MB(
図10参照)以上の範囲から任意に選択可能である。
図4等に示される例では、間隔LBは厚さMA、MBと実質的に等しい。
【0025】
図6に示されるように、載置部43は被挟持部41が被挿入部23に挿入された場合、容器内装材20と接触する。載置部43はベース50から立ち上がる。
図4に示されるように、載置部43の高さLDは一対の壁部42の高さLCよりも低い。
【0026】
図4に示されるベース50は保持部40を支持する。ベース50の形状は任意に選択可能である。
図4等に示される第1例では、ベース50は長方形である。第2例では、ベース50は正方形、五角形以上の多角形、円、または、楕円である。
図5に示されるように、ベース50は被挟持部41が容器内装材20によって挟まれていることを確認するための窓51を備える。このため、容器内装材20が適切に支持されていることを容易に確認できる。窓51はベース50を貫通する孔である。窓51の形状は任意に選択可能である。
図5等に示される例では、窓51は長方形である。第2例では、窓51は正方形、五角形以上の多角形、円、または、楕円である。ベース50における窓51が設けられる位置は任意に選択可能である。
図5等に示される例では、窓51はベース50において被挟持部41と対向する位置に設けられる。このため、容器内装材20が適切に支持されていることを一層容易に確認できる。
【0027】
図7は被挟持部41が容器内装材20によって適切に挟まれている状態(以下では、「適切支持状態」という)の場合の支持具30の背面図である。
図8は被挟持部41が容器内装材20によって適切に挟まれていない状態(以下では、「非適切支持状態」という)の場合の支持具30の背面図である。
図7に示されるように、適切支持状態では、窓51を介して容器内装材20の一対の爪25が確認できる。
図8に示されるように、非適切支持状態の一例では、窓51を介して一対の爪25のうちの一方の爪25のみしか確認できない。非適切支持状態の別の例では、窓51を介して一対の爪25の両方が確認できない。
【0028】
図4に示されるように、ベース50には、内装パット10に接合するための接合部材200(
図9参照)が取り付けられる1または複数の孔60が設けられる。このため、支持具30を内装パット10に容易に接合できる。接合部材200は例えば、株式会社国盛化学製のパンロック(登録商標)である。ベース50に設けられる孔60の数および位置は任意に選択可能である。
図4等に示される例では、ベース50には、角に4つの孔60が設けられる。
【0029】
図9および
図10を参照して、第1実施形態の内装ユニット1の組立手順の一例について説明する。内装ユニット1の組立手順は第1工程、第2工程、第3工程、および、第4工程を含む。第1工程では、内装パット10に接合部材200を挿入するための孔(図示略)が設けられ、
図9に示されるように、内装パット10の孔13に支持具30の保持部40が挿入される。第2工程は第1工程の後に実施される。第2工程では、ベース50の孔60、および、第1工程で内装パット10に設けられた孔に接合部材200が挿入される。第2工程が完了することによって、内装パット10に対して支持具30が固定される。第3工程は第2工程の後に実施される。第3工程では、支持具30の被挟持部41が容器内装材20の被挿入部23に挿入され、
図10に示されるように、容器内装材20が支持具30に支持される。一例として、第3工程では、まず、内装パット10の側板12,12同士の間隔を広げる。次いで、内装パット10の底板11に容器内装材20の基部21が載置される。この過程で底板11に設けられた支持具30の被挟持部41が基部21の被挿入部23に挿入される。次いで、側板12,12を底板11に対して略直角に折り曲げる。この過程で側板12に設けられた支持具30の被挟持部41が第2の突出部22Bの被挿入部23に挿入される。このようにして、第3工程では、全ての支持具30の被挟持部41が被挿入部23に挿入される。第4工程では、全ての支持具30の被挟持部41が適切支持状態であるか否かを、窓51を目視することによって確認する。非適切支持状態の被挟持部41が存在する場合、適切支持状態となるように支持具30に対する容器内装材20の位置が調整される。第4工程が終了することによって、内装ユニット1の組み立てが完了する。完成した内装ユニット1は物流搬送容器100の収容空間110に収容される。
【0030】
第1実施形態の内装ユニット1によれば、次のような作用および効果が得られる。
被挟持部41の傾斜部41Bと容器内装材20の一対の爪25とが引っ掛かり合うことによって、容器内装材20を支持できる。このため、容器内装材20を容易に支持できる。また、接着剤および両面テープ等を使用することなく、容器内装材20を物流搬送容器100に接合できる。容器内装材20に接着剤および両面テープ等を接合する面を形成する必要がないため、例えば、容器内装材20の表面の全周に対応する刃型を有するプレス加工機を用いて容器内装材20を製造できる。このため、例えば、接着剤および両面テープ等を接合する面を設けるために一部に刃を有さないプレス加工機を用いて容器内装材20を製造する場合よりも、容器内装材20の各種の寸法の精度が高められる。組み立てられた内装ユニット1は内装パット10と容器内装材20と支持具30とに容易に分解できるため、例えば、内装パット10および容器内装材20の廃棄処分を容易に実施できる。
【0031】
(第2実施形態)
図11~
図13を参照して、第2実施形態の内装ユニット1が備える支持具230について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0032】
図11に示される第2実施形態の支持具230は内装パット210(
図12参照)に設けられる長孔213に対してスライドさせることが可能なベース250を備える。ベース250は第1ベース251、第2ベース252、および、連結部253を備える。第1ベース251は保持部40を支持する。第2ベース252は第1ベース251と所定の隙間250Aが形成されるように、連結部253を介して第1ベース251に接合される。所定の隙間250Aの寸法LEは内装パット210に対する支持具230のスライドのさせやすさと、支持具230を内装パット210に取り付けた場合の支持具230の姿勢の安定のしやすさとの関係に基づいて決められることが好ましい。寸法LEの最大値の好ましい一例は5.5mmである。寸法LEが5.5mm以下の場合、支持具230を内装パット210に取り付けた場合に第1ベース251または第2ベース252と内装パット210との間に形成される隙間が十分小さく、内装パット10に対する支持具230の姿勢が安定する。寸法LEの最小値の好ましい一例は4.9mmである。寸法LEが4.9mm以上の場合、支持具230を内装パット210に対してスライドさせる場合に、支持具230と内装パット210との摩擦が十分小さい、または、摩擦が発生しないため、内装パット210に対して支持具230を容易にスライドできる。寸法LEの好ましい範囲は4.9mm~5.5mmである。
【0033】
図12および
図13を参照して、第2実施形態の内装ユニット1の組立手順の第1工程について説明する。
図12に示されるように、第1工程では、第1ベース251と第2ベース252との隙間250Aに内装パット210の長孔213の縁が挿入されるように支持具230が配置される。次に、支持具230が長孔213の長手方向の一方の端部に接触するまでスライドされる。次に、
図13に示されるように、内装パット210の長孔213の長手方向の他方の端部に繋がっている蓋214が折り返され、蓋214が隙間250Aに挿入される。
【0034】
第2実施形態の支持具230によれば、第1実施形態の支持具30に準じた効果に加えて、さらに次の効果が得られる。
隙間250Aに内装パット210の長孔213の縁が挿入されることによって、内装パット210が第1ベース251と第2ベース252とに挟まれた状態が形成される。このため、例えば、接合部材200(
図9参照)によって支持具230と内装パット210とを接合しなくても、支持具230が長孔213から抜けることが抑制される。このため、利便性が高められる。
【0035】
(第3実施形態)
図14、
図15を参照して、第3実施形態の内装ユニット1が備える支持具330について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0036】
図14に示される第3実施形態の内装ユニット1が備える支持具330は
図15に示される仕切板300を支持できるように構成される。換言すれば、第3実施形態の内装ユニット1は空間区画機能を有する。
【0037】
図14に示される支持具330は一対の壁部342の間隔LB、および、被挟持部341の長さLAが仕切板300の厚さMCに適合するように決められる。
図14に示される例では、間隔LBと長さLAとは実質的に等しい。間隔LBおよび長さLAは仕切板300の厚さMCと実質的に等しい。厚さMCの一例は5mmである。
【0038】
図15に示されるように、仕切板300には、支持具330と連結される1または複数の被挿入部323が設けられる。被挿入部323が設けられる位置および数は支持具330の位置および数に応じて任意に選択可能である。
図15に示される例では、1枚の仕切板300に1つの被挿入部323が設けられる。被挿入部323は例えば、仕切板300の厚み方向の全体にわたり設けられる。被挿入部323は支持具330が挿入される凹部324、および、凹部324の内面324Aから突出する一対の爪325を含む。凹部324の内面324Aは最も奥に位置する面324AZ、面324AZと一対の爪325との間に設けられる一対の第1側面324AX、および、一対の爪325よりも外側に設けられる一対の第2側面324AYに区分される。一対の第1側面324AXは平行である。一対の第2側面324AYは面324AZに向かうにつれて幅が狭くなるテーパ形状である。このため、支持具330を凹部324に容易に挿入できる。
【0039】
第3実施形態の支持具330によれば、第1実施形態の支持具30に準じた効果に加えて、さらに次の効果が得られる。
仕切板300の被挿入部323に被挟持部341が挿入された場合、被挟持部341に仕切板300の一対の爪325とが引っ掛かり合うことによって、仕切板300を支持できる。このため、仕切板300を容易に支持できる。
【0040】
(第4実施形態)
図16、
図17を参照して、第4実施形態の内装ユニット1が備える支持具430について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0041】
図16および
図17に示される第4実施形態の内装ユニット1が備える支持具430は複数の仕切板300(
図15参照)を支持できるように構成される。換言すれば、第4実施形態の内装ユニット1は空間区画機能を有する。第4実施形態の支持具430は例えば、2枚の仕切板300を支持できるように構成される。支持具430は一対の保持部440、および、一対のベース450を備える。支持具430は例えば、射出成形によって一対の保持部440と一対のベース450とが一体的に成形される。
【0042】
一対の保持部440は被挟持部441および壁部442を備える。被挟持部441は仕切板300の凹部324(
図15参照)に挿入されたときに、一対の爪325が引っ掛かることによって、仕切板300が保持部440から抜けることを抑制する。被挟持部441の形状は一対の爪325によって挟まれる形状、または引っ掛けられる形状から任意に選択可能である。
図16および
図17に示される例では、被挟持部441はバー形状の主部441A、および、主部441Aの幅方向の端部から外側に向かうにつれて下方に傾斜する一対の傾斜部441Bを含む。主部441Aの一方の端部は一対のベース450のうちの一方と接続される。主部441Aの長さLAは任意に選択可能である。
図16および
図17に示される例では、長さLAは仕切板300の厚さMC(
図15参照)と実質的に等しい。一対の傾斜部441Bは仕切板300の一対の爪325と噛み合う。
【0043】
一対の壁部442は所定の角度を有するように接続される。
図16および
図17に示される例では、所定の角度は90°である。一対の壁部442のうちの一方は一対のベース450のうちの一方と平行に設けられる。一対の壁部442のうちの他方は一対のベース450のうちの他方と平行に設けられる。一対の壁部442は被挟持部441の他方の端部と対向する。一対の壁部442は被挟持部441が凹部324に挿入された場合、ベース450と壁部442との間における仕切板300の移動を規制する。このため、支持している仕切板300の位置が安定する。一対の壁部442と被挟持部441との結合状態は任意に選択可能である。
図16および
図17に示される第1例では、一対の壁部442は被挟持部441の他方の端部と接合される。第2例では、一対の壁部442は被挟持部441の他方の端部と接合されず、かつ、接触するように設けられる。第3例では、一対の壁部442は被挟持部441の他方の端部と隙間を介して対向するように設けられる。ベース450は保持部440を支持する。一対のベース450は所定の角度を有するように接続される。
図16および
図17に示される例では、所定の角度は90°である。
【0044】
第4実施形態の支持具430によれば、第3実施形態の支持具330に準じた効果に加えて、さらに次の効果が得られる。
1つの支持具430によって複数の仕切板300を支持できるため、利便性が高められる。
【0045】
(第5実施形態)
図23~
図28を参照して、第5実施形態の内装ユニット1について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0046】
図23および
図24に示される第5実施形態の内装ユニット1を構成する主な要素は1または複数の内装パット510、1または複数の容器内装材520、および、1または複数の支持具530である。本実施形態の内装ユニット1は物品保護機能を有する。
【0047】
内装パット510は物流搬送容器100の底板111(
図1)と対向するように配置される。内装パット510には、支持具530が挿入される1または複数の孔513が設けられる。孔513の形状は任意に選択可能である。
図23等に示される第1例では、孔513の形状はH字状である。第2例では、孔513の形状は正方形、五角形以上の多角形、円、または、楕円である。内装パット510に設けられる孔513の数は支持具530の数に応じて任意に選択可能である。
図23等に示される例では、内装パット510には、2つの孔513が設けられる。
【0048】
容器内装材520は収容物品が傷つかないように収容物品を保護する緩衝材である。容器内装材520の形状は収容物品の種類に応じて任意に選択可能である。
図23等に示される例では、容器内装材520は基部521、および、基部521から突出する複数の突出部522を備える。基部521は支持具530を介して内装パット510と対向するように配置される。容器内装材520には、支持具530が挿入される1または複数の被挿入部523が設けられる。被挿入部523が設けられる位置および数は支持具530の位置および数に応じて任意に選択可能である。
図23等に示される例では、基部521に2つの被挿入部523が設けられる。被挿入部523は例えば、基部521の厚み方向の全体にわたり設けられる。
【0049】
図26に示されるように、被挿入部523は支持具530が挿入される凹部524、および、凹部524の内面524Aから突出する一対の爪525を含む。凹部524の内面524Aは突出部522の最も近くに位置する面524AZ、と一対の爪525との間に設けられる一対の第1側面524AX、および、一対の爪525よりも外側に設けられる一対の第2側面524AYに区分される。一対の第1側面524AXは平行である。一対の第2側面524AYは面524AZに向かうにつれて幅が狭くなるテーパ形状である。このため、支持具530を凹部524に容易に挿入できる。一対の爪525の先端は接触している。支持具530が凹部524に挿入されるときに一対の第2側面524AYが支持具530に押し付けられ、一対の爪525の先端が離れるように一対の爪525の形状が変形する。支持具530は一対の爪525の間を通過して凹部524に挿入される。
【0050】
図25に示される支持具530は容器内装材520(
図24参照)を支持する。支持具530は保持部540およびベース550を備える。支持具530は例えば、射出成形によって、保持部540とベース550とが一体的に成形される。
【0051】
保持部540は被挟持部541および一対の壁部542を備える。被挟持部541は容器内装材520の被挿入部523(
図26参照)に挿入されたときに、一対の爪525が引っ掛かることによって、容器内装材520が支持具530から抜けることを抑制する。被挟持部541の形状は一対の爪525によって挟まれる形状、または引っ掛けられる形状から任意に選択可能である。
図25等に示される例では、被挟持部541はバー形状である。一例では、被挟持部541の断面は円形である。
【0052】
一対の壁部542はベース550から立ち上がる。一対の壁部542は被挟持部541の長手方向の端部と対向する。一対の壁部542は被挟持部541が被挿入部523に挿入された場合、被挟持部541の長手方向における容器内装材520の移動を規制する。このため、支持具530によって支持されている容器内装材520の位置が安定する。一対の壁部542と被挟持部541との結合状態は任意に選択可能である。
図25等に示される第1例では、一対の壁部542は被挟持部541の長手方向の端部と接合される。第2例では、一対の壁部542は被挟持部541の長手方向の端部と接合されず、かつ、接触するように設けられる。第3例では、一対の壁部542は被挟持部541の長手方向の端部と隙間を介して対向するように設けられる。
【0053】
保持部540は壁部542の内面から突出する突起544を備える。突起544は被挟持部541が容器内装材520によって挟まれているときに容器内装材520に挿入されるように構成される。突起544は被挟持部541の長手方向に沿って上端部分が撓み得る片持ち状の弾性部材である。突起544は被挟持部541の長手方向に沿って挿入される。保持部540に設けられる突起544の数は任意に選択可能である。
図25等に示される例では、保持部540は4つの突起544を備える。
図25等に示される例では、一対の壁部542のうちの一方の壁部542に2つの突起544が設けられ、他方の壁部542の2つの突起544が設けられる。被挟持部541が被挿入部523に挿入された場合、突起544は
図26に示される面524AZ、一対の第1側面524AX、および、一対の爪525の上面によって囲まれる空間に挿入される。
【0054】
ベース550は保持部540を支持する。ベース550の形状は任意に選択可能である。
図25等に示される第1例では、ベース550は概ね長方形である。第2例では、ベース550は正方形、五角形以上の多角形、円、または、楕円である。
図25に示されるように、ベース550は被挟持部541が容器内装材520の爪525によって挟まれていることを確認するための窓551を備える。このため、容器内装材520が適切に支持されていることを容易に確認できる。窓551はベース550を貫通する孔である。なお、ベース550には、内装パット510に接合するための接合部材200(
図9参照)が取り付けられる1または複数の孔(図示略)が設けられてもよい。
【0055】
図27および
図28を参照して、第5実施形態の内装ユニット1の組立手順の一例について説明する。第5実施形態の内装ユニット1の組立手順は第1工程および第2工程を含む。
【0056】
図27に示されるように、第1工程では、内装パット510の孔513に支持具530の保持部540が挿入される。
図28に示される第2工程は第1工程の後に実施される。第2工程では、容器内装材520の被挿入部523が支持具530の被挟持部541(
図27参照)に押し付けられ、一対の爪525が離れるように被挿入部523が変形する。被挟持部541が一対の爪525の間を通過して凹部524に挿入されるまでの間、突起544は容器内装材520に対して外側に撓むように変形する。被挟持部541が一対の爪525の間を通過して凹部524に挿入された場合、一対の突起544も面524AZ、一対の第1側面524AX、および、一対の爪525の上面によって囲まれる空間に挿入される。
【0057】
第5実施形態の支持具530によれば、第1実施形態の支持具30に準じた効果に加えて、さらに次の効果が得られる。
支持具530によれば、被挟持部541と一対の爪525との引っ掛かりに加えて、突起544が容器内装材520に挿入されるため、容器内装材520が支持具530から抜けることが一層抑制される。また、支持具530の高さ方向の寸法を短く構成できるため、凹部524の深さが浅い容器内装材520、換言すれば、高さの低い容器内装材520を支持できる。
【0058】
(変形例)
上記各実施形態は本開示に関する支持具および内装ユニットが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に関する支持具および内装ユニットは各実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、各実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、各実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に各実施形態の変形例の一例を示す。
【0059】
・内装ユニット1の構成は任意に変更可能である。第1実施形態および第2実施形態の変形例の内装ユニット1は内装パット10が省略される。この変形例では、支持具30、230は例えば物流搬送容器100の底板111および側板112の少なくとも一方に設けられる孔に挿入される。
【0060】
・内装ユニット1の組立手順は任意に変更可能である。第1実施形態の変形例の内装ユニット1の組立手順は第4工程の後に実施される第5工程を含む。第5工程では窓51から接着剤が注入され、容器内装材20と支持具30とが接合される。この変形例によれば、容器内装材20の一対の爪25と支持具30の一対の傾斜部41Bとの噛み合いに加えて、接着剤によって容器内装材20と支持具30とが接合されるため、容器内装材20が支持具30から抜けることが一層抑制される。
【0061】
・支持具30の用途は任意に変更可能である。第1実施形態の変形例では、例えば、支持具30は
図18および
図19に示されるように、フォークリフト用パレット600に取り付けられる。フォークリフト用パレット600を構成する材料は任意に選択可能である。一例では、フォークリフト用パレット600を構成する材料は強化段ボールである。この変形例では、保持部40がフォークリフト用パレット600に設けられる孔610、および、固定部材620の被挿入部623に挿入される。この変形例では、固定部材620は支持具30がフォークリフト用パレット600から抜けることを抑制する。固定部材620は容器内装材20の基部21に類似する形状である。被挿入部623は容器内装材20の被挿入部23に類似する形状である。固定部材620を構成する材料は任意に選択できる。一例では、固定部材620を構成する材料は強化段ボールである。1つの固定部材620は複数の強化段ボールが積層された構造を有する。
【0062】
・内装ユニット1の構成は任意に変更可能である。第1実施形態の変形例では、内装ユニット1は、例えば、
図21に示される容器内装材20、および、
図22に示される内装パット10を備える。この変形例の容器内装材20は一方の第2の突出部22Bから他方の第2の突出部22Bに向けて傾斜する第1の突出部22Aを備える。この変形例では、被挿入部23A、23Bは基部21の長手方向の中心軸XAに対して非対称の位置に設けられる。一例では、一方の被挿入部23Aは一方の第1の突出部22Aの下方に設けられる。他方の被挿入部23Bは他方の第1の突出部22Aと他方の第2の突出部22Bとの間の下方に設けられる。
図22に示されるように、内装パット10は長手方向の中心軸XBに対して非対称の位置に孔13が設けられる底部パット11を備える。底部パット11の長手方向において中心軸XBに近い孔13Aに挿入される支持具30には、一方の被挿入部23Aが挿入される。底部パット11の長手方向において中心軸XBから遠い孔13Bに挿入される支持具30には、他方の被挿入部23Bが挿入される。この変形例によれば、例えば、孔13Bに挿入されている支持具30に一方の被挿入部23Aが誤って挿入されようとした場合、容器内装材20の基部21の長手方向の端部が底部パット11の縁からはみ出るため、または、被挿入部23Aを支持具30に挿入できないため、内装ユニット1の組立方法が誤っていることを容易に把握できる。
【0063】
・保持部40の構成は任意に変更可能である。第1実施形態の第1変形例では、保持部40は一対の壁部42のうちの少なくとも一方の壁部42が省略される。第1実施形態の第2変形例では、
図20に示されるように、保持部40はベース50の長手方向の端部から中央に向けて高くなる一対の壁部42を備える。第1実施形態の第3変形例では、保持部40から被挟持部41が省略され、一対の壁部42の少なくとも一方の内面から突出する突起が設けられる。この変形例では、一対の壁部42の少なくとも一方に設けられる突起が例えば、容器内装材20の基部21の側面に設けられる凹部に挿入されることによって、容器内装材20が支持具30から抜けることが抑制される。第2実施形態の支持具230、第3実施形態の支持具330、および、第4実施形態の支持具430についても、第1実施形態の支持具30の場合と同様に保持部40を変更可能である。
【0064】
・支持具30の構成は任意に変更可能である。第1実施形態の変形例では、支持具30はベース50に代えて、または、加えて、異形レール、角パイプ、および、丸パイプ等に連結可能な連結部材を備える。この変形例によれば、例えば、異形レール、角パイプ、および、丸パイプ等を含む搬送台車に支持具を取り付けることができるため、利便性が高められる。
【0065】
図29および
図30は第1実施形態の支持具30の第1変形例を示している。第1変形例の支持具30は
図31に示される異形レール800に取り付けることができるように設けられる連結部材710を備える。連結部材710はベース50の下面から突出する突起である。連結部材710の外郭形状は異形レール800の溝800Aの内郭形状に対応する形状である。連結部材710が溝800Aに挿入されることによって、第1変形例の支持具30が異形レール800に取り付けられる。
【0066】
図32は第1実施形態の支持具30の第2変形例を示している。第2変形例の支持具30は角パイプ(図示略)に取り付けることができるように設けられる連結部材720を備える。連結部材720は壁部42の下面から突出するフックである。連結部材720が角パイプを挟み込むことによって、第2変形例の支持具30が角パイプに取り付けられる。
【0067】
図33は第1実施形態の第3変形例の支持具30を示している。第3変形例の支持具30は丸パイプ(図示略)に取り付けることができるように設けられる連結部材730を備える。連結部材730はベース50の下面から突出するフックである。連結部材730の内郭形状は丸パイプの外郭形状に対応するように湾曲している。連結部材730が丸パイプを挟み込むことによって、第3変形例の支持具30が丸パイプに取り付けられる。なお、第2実施形態の支持具230、第3実施形態の支持具330、第4実施形態の支持具430、および、第5実施形態の支持具530についても、第1実施形態の支持具30の場合と同様に変更可能である。
【0068】
・
図34~
図36に第1実施形態の第4変形例を示す。第1実施形態では、支持具30の被挟持部41と容器内装材20とが連結されることによって支持具30が容器内装材20を支持している。第4変形例では、支持具30の被挟持部41の周囲に補助部材910を設け、補助部材910が被挟持部41と容器内装材950とを連結している。
図34に示す補助部材910は、容器内装材950の材料よりも硬い材料からなる。一例では、補助部材910の材料は、合成樹脂または金属である。
図34に示すように、補助部材910は、断面略C字状の本体911と、本体911の側面912から延出する一対の延出部913と、本体911の先端に設けられた一対の爪914とを含む。本体は911、一対の側壁915と、側壁915同士を接続する底壁916とを含む。一対の側壁915と底壁916とによって被挿入部917が形成される。一例では、側壁915と底壁916とは直角をなし、側壁915と延出部913とは直角をなす。補助部材910と連結される容器内装材950の例を
図35に示す。
図35に示すように、容器内装材950は、補助部材910を受容する受容部951を含む。受容部951は、凹部952と、凹部952から延びる一対の溝953とを含む。凹部952及び一対の溝953は、容器内装材950を容器内装材950の厚み方向に貫通している。
図36は、補助部材910が被挟持部41と容器内装材950とを連結している状態を示す。この例の内装ユニット1の組立手順の一例について説明する。第1工程では、容器内装材950に補助部材910を取り付ける。一例では、受容部951に対して容器内装材950の厚み方向における一端面から他端面に向けて補助部材910を移動させて補助部材910を受容部951に挿入する。これにより、補助部材910の本体911が凹部952に配置されるとともに、一対の延出部913が一対の溝953に配置される。第2工程では、容器内装材950に取り付けられた補助部材910の被挿入部917と支持具30の被挟持部41とが互いに近づく方向に被挿入部917と被挟持部41とを相対的に移動させつつ、被挿入部917に被挟持部41を挿入する。これにより、補助部材910の爪914によって被挟持部41が引っ掛かった、または挟持された状態で、補助部材910の被挿入部917に被挟持部41が配置される。この例によれば第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、被挟持部41が、容器内装材950に対して支持具30から離れる方向の力が作用した場合に、補助部材の一対の爪25が被挟持部41に引っ掛かることによって、容器内装材950が支持具30から抜けることを抑制する。この例によれば、さらに、以下の効果が得られる。すなわち、補助部材910と容器内装材950とが別体で構成されているため、補助部材910の材料として容器内装材950の材料よりも硬い材料を用いることができる。一対の爪914についても容器内装材950よりも硬い材料を用いることができる。したがって、容器内装材950と一対の爪914とが同じ材料から構成されている場合に比べて一対の爪914の強度を大きくすることができ、ひいては一対の爪914の引抜強度を大きくすることができる。そのため、容器内装材950が支持具30から抜けることを好適に抑制することができる。
【0069】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。