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特許7105011顎角度保持用補助具及びこれを含む顎角度矯正装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-13
(45)【発行日】2022-07-22
(54)【発明の名称】顎角度保持用補助具及びこれを含む顎角度矯正装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/56 20060101AFI20220714BHJP
【FI】
A61F5/56
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021505275
(86)(22)【出願日】2019-08-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 KR2019009617
(87)【国際公開番号】W WO2020032479
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2021-01-29
(31)【優先権主張番号】10-2018-0091357
(32)【優先日】2018-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】510024293
【氏名又は名称】チェ、ジョン-ス
【氏名又は名称原語表記】CHOI,Jong-Soo
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジョン-ス
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04782824(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0128915(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0333708(US,A1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0368706(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前胸中央から一対の鎖骨に沿って延在し、前記鎖骨上で支持される安着部と、
前記安着部から首の少なくとも一側面に沿って、上部に延在する少なくとも1つの弾性支持部と、
前記弾性支持部から下顎骨の下に延在し、前記弾性支持部の弾性支持力により顎を支持する顎受け部とを含む顎角度保持用補助具であって
前記弾性支持部は、前記安着部の両端から前記首の左右側面に沿って上部に延在する第1及び第2の弾性支持部を含み、
前記顎角度保持用補助具は、更に、前記第1及び第2の弾性支持部から耳の後ろの凹み部を通り、耳下の下顎骨までU字状にそれぞれ延在して、前記顎受け部の両端に連結される第1及び第2の補助支持部を含む、顎角度保持用補助具。
【請求項2】
前記顎角度保持用補助具は、前胸から首の一側面を経て下顎骨の下部まで延在し、1つの閉ループを形成するワイヤを含む、請求項1に記載の顎角度保持用補助具。
【請求項3】
前記ワイヤは、個人の首長と顎角度の自然な曲率に沿うように、曲げ可能な物質を含む、請求項2に記載の顎角度保持用補助具。
【請求項4】
前記顎角度保持用補助具は、前記ワイヤを取り囲み、皮膚親和性を有するチューブを更に含む、請求項3に記載の顎角度保持用補助具。
【請求項5】
前記チューブは、シリコン物質を含む、請求項4に記載の顎角度保持用補助具。
【請求項6】
前記第1及び第2の補助支持部の各々の両端部は、互いに平行に延在し、所定の間隔だけ離隔される、請求項に記載の顎角度保持用補助具。
【請求項7】
前記安着部と、これより延在する前記第1及び第2の弾性支持部との間の角度は、少なくとも90°より大きい角度を形成する、請求項に記載の顎角度保持用補助具。
【請求項8】
前記第1の補助支持部の一端に連結された前記第1の弾性支持部と、前記第1の補助支持部の他端に連結された前記顎受け部との間の角度、及び前記第2の補助支持部の一端に連結された前記第2の弾性支持部と、前記第2の補助支持部の他端に連結された前記顎受け部との間の角度は、少なくとも90°より大きい角度を形成する、請求項に記載の顎角度保持用補助具。
【請求項9】
使用者の鎖骨と顎の間に着用され、所望する角度で前記顎を支持するための顎角度保持用補助具と、
前記顎角度保持用補助具の周りに首の周りを取り囲むように着用される首保護具とを含み、
前記顎角度保持用補助具は、
前胸中央から一対の鎖骨に沿って延在し、前記鎖骨上で支持される安着部と、
前記安着部から前記首の少なくとも一側面に沿って、上部に延びる少なくとも1つの弾性支持部と、
前記弾性支持部から下顎骨下に延在し、前記弾性支持部の弾性支持力により顎を支持する顎受け部とを含
前記弾性支持部は、前記安着部の両端から前記首の左右側面に沿って上部に延在する第1及び第2の弾性支持部を含み、
前記顎角度保持用補助具は、更に、前記第1及び第2の弾性支持部から耳の後ろの凹み部を通り、耳下の下顎骨までU字状にそれぞれ延在して、前記顎受け部の両端に連結される第1及び第2の補助支持部を含む、顎角度保持用矯正装置。
【請求項10】
前記首保護具は、前記首の一部を覆う第1の覆体部と、前記首の残りの部分を覆う第2の覆体部と、前記第1及び第2の覆体部を固定し、首周りを取り囲むように着用させるための結合部材とを含む、請求項に記載の顎角度保持用矯正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顎角度保持用補助具に関する。より詳しくは、本発明は、顎角度の保持に役立つための顎角度矯正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、いびきと睡眠無呼吸症は、単に睡眠の質の低下のみならず、対人関係の障害、ナルコレプシー、心臓疾患、呼吸器疾患など、様々な全身疾患を発現するだけでなく、青少年期の注意力欠乏など、人間の生活に深刻な影響を与える。特に、閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea)の場合、深刻ないびきを伴うことになる。
【0003】
このようないびきを軽減するために、口腔内(intra-oral)、すなわち口内に配置される補助具、又は口腔外(extra-oral)、すなわち口外に配置される補助具を使用することができる。しかし、既存の補助具は、使い勝手が悪く、空間的使用の制限があるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、顎の角度を所望する角度で保持し、個人別身体構造に合う構造に提供される顎角度保持用補助具を提供することにある。
【0005】
本発明の他の課題は、前記顎角度保持用補助具を含む顎角度保持用矯正装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記本発明の課題を達成するための例示的な実施例による顎角度保持用補助具は、前胸中央から一対の鎖骨に沿って延在し、前記鎖骨上で支持される安着部と、前記安着部から首の少なくとも一側面に沿って、上部に延在する少なくとも1つの弾性支持部と、前記弾性支持部から下顎骨の下に延在し、前記弾性支持部の弾性支持力により顎を支持する顎受け部とを含むことを特徴とする。
【0007】
前記顎角度保持用補助具は、前胸から首の一側面を経て下顎骨の下部まで延在し、1つの閉ループを形成するワイヤを含む。
【0008】
前記ワイヤは、個人の首長と顎角度の自然な曲率に沿うように、曲げ可能な物質を含む。
【0009】
前記顎角度保持用補助具は、前記ワイヤを取り囲み、皮膚親和性を有するチューブを更に含む。
【0010】
前記チューブは、シリコン物質を含む。
【0011】
前記弾性支持部は、前記安着部の両端から前記首の左右側面に沿って上部に延在する第1及び第2の弾性支持部を含み、前記顎角度保持用補助具は、更に、前記第1及び第2の弾性支持部から耳の後ろの凹み部を通り、耳下の下顎骨までU字状にそれぞれ延在して、前記顎受け部の両端に連結される第1及び第2の補助支持部をむ。
【0012】
前記第1及び第2の補助支持部の各々の両端部は、互いに平行に延在し、所定の間隔だけ離隔される。
【0013】
前記安着部と、これより延在する前記第1及び第2の弾性支持部との間の角度は、少なくとも90°より大きい角度を形成する。
【0014】
前記第1の補助支持部の一端に連結された前記第1の弾性支持部と、前記第1の補助支持部の他端に連結された前記顎受け部との間の角度、及び前記第2の補助支持部の一端に連結された前記第2の弾性支持部と、前記第2の補助支持部の他端に連結された前記顎受け部との間の角度は、少なくとも90°より大きい角度を形成する。
【0015】
前記弾性支持部は、前記安着部の中央部から前記首の正面に沿って上部に延在し、前記顎受け部の中央部に連結される。
【0016】
前記安着部と、これより延在する前記弾性支持部との間の角度は、少なくとも90°より小さい角度を形成する。また、前記弾性支持部と前記顎受け部との間の角度は、少なくとも90°よりも小さい角度を形成する。
【0017】
前記本発明の他の課題を達成するための例示的な実施例による顎角度保持用矯正装置は、顎角度保持用補助具は、使用者の鎖骨と顎の間に着用され、所望する角度で前記顎を支持するための顎角度保持用補助具と、前記顎角度保持用補助具の周りに首周りを取り囲むように着用される首保護具とを含み、前記顎角度保持用補助具は、前胸中央から一対の鎖骨に沿って延在し、前記鎖骨上で支持される安着部と、前記安着部から前記首の少なくとも一側面に沿って、上部に延びる少なくとも1つの弾性支持部と、前記弾性支持部から下顎骨下に延在し、前記弾性支持部の弾性支持力により顎を支持する顎受け部とを含むことを特徴とする。
【0018】
前記首保護具は、前記首の一部を覆う第1の覆体部と、前記首の残りの部分を覆う第2の覆体部と、前記第1及び第2の覆体部を固定し、首周りを取り囲むように着用させるための結合部材とを含む。
【発明の効果】
【0019】
例示的な実施例による顎角度保持用補助具は、前胸中央から一対の鎖骨に沿って延長する安着部と、前記安着部から前記首の少なくとも一側面に沿って上部に延在する少なくとも1つの弾性支持部と、前記弾性支持部から下顎骨の下に延在し、前記弾性支持部の弾性支持力により、顎を支持する顎受け部とを含む。前記顎角度保持用補助具は、胸元から首の一側面を経て、下顎骨の下部まで延在して、1つの閉ループを形成するワイヤを含む。
【0020】
前記ワイヤは、使用者個人の身体構造に合うように曲がって調節され、前記顎角度保持用補助具の構成要素を形成することができる。所望する角度で個人の顎角度を調節可能であり、顎、首、そして、耳の後部に不便な圧力を加えないので、長時間、着用可能である。
【0021】
また、顎を所望する角度で保持可能な前記顎角度保持用補助具は、頚椎椎間板ヘルニア患者のための補助具として使用可能である。
【0022】
但し、本発明の効果は、前記で言及した効果に限定されず、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で、多様に拡張され得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】例示的な実施例による顎角度保持用補助具を示す斜視図。
図2図1の顎角度保持用補助具を示す平面図。
図3図1の顎角度保持用補助具を示す背面図。
図4図1の顎角度保持用補助具を示す側面図。
図5図4の顎角度保持用補助具で発生する顎前方牽引力を示す側面図。
図6図1の顎角度保持用補助具の一部を示す断面図。
図7図1の顎角度保持用補助具の使用状態を示す斜視図。
図8図7の側面図。
図9】例示的な実施例による顎角度保持用補助具を示す斜視図。
図10図9の顎角度保持用補助具を示す平面図。
図11図9の顎角度保持用補助具を示す背面図。
図12図9の顎角度保持用補助具を示す側面図。
図13図9の顎角度保持用補助具の構成を示す斜視図。
図14】例示的な実施例による顎角度保持用校正装置の首保護具を示す分解斜視図。
図15図14の首保護具を示す平面図。
図16図14の首保護具を含む顎角度保持用校正装置の使用状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
【0025】
本発明の各図において、構造物の寸法は、本発明の明確性を期するために、実際よりも拡大して示している。
【0026】
本発明において、第1、第2などの用語は、種々の構成要素を説明することに使用され得るが、前記構成要素は、前記用語により限定されてはいけない。前記用語は、1つの構成要素を、他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。
【0027】
本発明で使用した用語は、単に、特定の実施例を説明するために使われており、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を示すことではない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれらを組合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解されるべきである。
【0028】
本文で開示されている本発明の実施例について、特定の構造的乃至機能的説明は、単に、本発明の実施例を説明するための目的として例示されており、本発明の実施例は、様々な形態に実施可能であり、本文に説明された実施例に限定して解析してはいけない。
【0029】
すなわち、本発明は、様々な変更を加え、種々の形態を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示し、本文に詳細に説明しようとする。しかし、これは、本発明を特定した開示形態に対して限定しようとすることではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むことと理解されるべきである。
【0030】
図1は、例示的な実施例による顎角度保持用補助具を示す斜視図である。図2は、図1の顎角度保持用補助具を示す平面図である。図3は、図1の顎角度保持用補助具を示す背面図である。図4は、図1の顎角度保持用補助具を示す側面図である。図5は、図4の顎角度保持用補助具で発生する顎前方牽引力を示す側面図である。図6は、図1の顎角度保持用補助具の一部を示す断面図である。図7は、図1の顎角度保持用補助具の使用状態を示す斜視図である。図8は、図7の側面図である。
【0031】
図1乃至図8に示しているように、顎角度支持用補助具100は、安着部110と、少なくとも1つの弾性支持部120a、120bと、顎受け部140とを含む。また、顎角度保持用補助具100は、少なくとも1つの補助支持部130a、130bを更に含む。
【0032】
例示的な実施例において、顎角度保持用補助具100は、いびき及び睡眠無呼吸症を防止する睡眠補助具として使用可能である。また、顎角度保持用補助具100は、頚椎椎間板ヘルニア患者のための補助具として使用することができる。
【0033】
具体的に、安着部110は、使用者の前胸中央から一対の鎖骨(C)に沿って延在し、前記鎖骨上で支持されるように構成される。安着部110は、平面視で、V字状に延在する形状を有する。これにより、安着部110の両端部は、一対の鎖骨により、首と前胸の間の凹み部にそれぞれ安着される。
【0034】
例示的な実施例において、顎角度保持用補助具100は、2つの第1及び第2の弾性支持部120b、120aを含む。第1及び第2の弾性支持部120a、120bは、安着部110の両端から、前記首の左右側面に沿って、上部に延在する。
【0035】
図5に示しているように、側面視で、第1及び第2の弾性支持部120a、120bは、安着部110と、第1及び第2の弾性支持部120a、120bとの間の角度(θ1)が、少なくとも90°よりも大きい角度を形成するように、耳の後部に向かって上部に延在する。例えば、安着部110と、第1及び第2の弾性支持部120a、120bとの間の角度(θ1)は、90°~120°の範囲内である。
【0036】
また、図2でのように、背面視で、第1及び第2の弾性支持部120a、120bは、前記首の左右側面に向かうように、すなわち、内部に向かって傾斜して延在可能である。
【0037】
例示的な実施例において、顎角度保持用補助具100は、第1及び第2の弾性支持部120a、120b及び顎受け部140の間に、第1及び第2の補助支持部130a、130bを更に含む。第1及び第2の補助支持部130a、130bは、第1及び第2の弾性支持部120a、120bから、耳の後ろの凹み部を通して、耳下の下顎骨(J)まで、U字状にそれぞれ延在する。
【0038】
図5に示しているように、第1及び第2の補助支持部130a、130bは、第1及び第2の弾性支持部120a、120bから後方に向かって上部に延在し、耳の後ろの凹み部を支持した後、前方に向かって下部に延ばして、U字状を有する。第1の補助支持部130aの両端部は、互いに平行に延在し、所定の間隔だけ離隔している。第2の補助支持部130bの両端部は、互いに平行に延在し、所定の間隔だけ離隔している。そこで、U字状の第1及び第2の補助支持部130a、130bが互いに近づく方向に押圧されると、元の位置に復帰しようとする弾性力を持つことになる。
【0039】
また、U字状の第1及び第2の補助支持部130a、130bは、耳の後ろの乳様突起(M)の付近に位置するように形成される。第1及び第2の補助支持部130a、130bのそれぞれの両端部が互いに離隔配置され、これにより、血管(腕骨穴)の円滑な流れを保持し、ストレスを緩和して、長時間着用しても、不便でない。
【0040】
顎受け部140は、第1及び第2の補助支持部130a、130bから下顎骨の下に延在し、第1及び第2の弾性支持部120a、120b、及び第1及び第2の補助支持部130a、130bの弾性支持力により、顎を所望する角度で保持することができる。顎受け部140は、平面視で、U字状に延在する形状を有する。顎受け部140は、下顎骨の下部から側面に延在する。これにより、顎受け部140は、下顎骨の下顎に前方牽引力を加えて、下顎が下に垂れさがることなく、所望する角度で顎を保持することができる。
【0041】
図5に示しているように、側面視で、第1の補助支持部130aの一端に連結された第1の弾性支持部120aと、第1の補助支持部130aの他端に連結された顎受け部140との間の角度(θ2)は、少なくとも90°より大きい角度を形成する。例えば、第1の弾性支持部120aと顎受け部140との間の角度(θ2)は、100°~130°の範囲内である。
【0042】
同様に、第2の補助支持部130bの一端に連結された第2の弾性支持部120bと、第2の補助支持部130bの他端に連結された顎受け部140との間の角度は、少なくとも90°よりも大きい角度を形成する。例えば、第2の弾性支持部120bと顎受け部140との間の角度は、100°~130°の範囲内である。
【0043】
図6に示しているように、下顎が垂れ下がったり、顎が下に下がることにつれ、顎受け部140が下方に下がり、これにより、U字状の第1及び第2の補助支持部130a、130bが互いに近づく方向に押圧される。この場合、第1及び第2の弾性支持部120a、120b、また、第1及び第2の補助支持部130a、130bは、元の位置に復帰しようとする弾性力を持つことになるので、顎受け部140は、顎に前方牽引力(F)を加えて、下顎が下に垂れ下がることなく、所望する角度で顎を保持することができることになる。
【0044】
例示的な実施例において、顎角度保持用補助具100は、胸元から首の左右側面を経て、下顎骨の下部まで延在して、1つの閉ループを形成するワイヤ102を含む。ワイヤ102は、胸、首、及び顎に沿って曲がり、安着部110、第1及び第2の弾性支持部120a、120b、第1及び第2の補助支持部130a、130b、及び顎受け部140を形成する。ワイヤ102は、使用者個人の首長と顎角度の自然な曲率に沿うように曲げ可能な物質を含む。ワイヤ102の太さや強さなどは、求められる前方牽引力、身体構造などを考えて、決められる。
【0045】
図7に示しているように、ワイヤ102は、所望する長さを有するように切断可能であり、ワイヤ102の両端部は、固定クリップ(又は、固定バンド)106により固定して、閉ループを形成する。そこで、ワイヤ102は、使用者個人の身体構造に合うように曲がって調節された後、不要な部分は、切断される。
【0046】
また、顎角度保持用補助具100は、ワイヤ102を取り囲み、皮膚親和性を有するチューブ104を更に含む。例えば、チューブ104は、皮膚親和性を有するシリコン、プラスチックなどを含む。これとは異なり、顎角度保持用補助具100は、チューブの代わりに、ワイヤ102を取り囲むスポンジ状の物質を含むことができる。
【0047】
図9は、例示的な実施例による顎角度保持用補助具を示す斜視図である。図10は、図9の顎角度保持用補助具を示す平面図である。図11は、図9の顎角度保持用補助具を示す背面図である。図12は、図9の顎角度保持用補助具を示す側面図である。図13は、図9の顎角度保持用補助具の構成を示す斜視図である。
【0048】
図9乃至図13に示しているように、顎角度保持用補助具101は、安着部110と、弾性支持部122と、顎受け部140とを含む。
【0049】
具体的に、安着部110は、使用者の前胸中央から一対の鎖骨(C)に沿って延在し、前記鎖骨上で支持されるように構成される。安着部110は、平面視で、V字状に延在する形状を有する。
【0050】
弾性支持部122は、安着部110の中央部から前記首の正面に沿って、上部に延在する。弾性支持部122の一端は、安着部110の中央部に連結され、弾性支持部122の他端は、顎受け部140の中央部に連結される。
【0051】
図12に示しているように、側面視で、弾性支持部122は、安着部110と弾性支持部122との間の角度(θ3)が、少なくとも90°より小さい角度を形成するように、首の正面と離隔して、顎に向かって上部に延在可能である。また、弾性支持部122は、前記首の正面に向かうように、すなわち、内部に向かうように曲がって、全体として凹む形状を有する。
【0052】
顎受け部140は、弾性支持部122から両側に向かって下顎骨の下に延ばし、弾性支持部122の弾性支持力により、顎を所望する角度で保持することができる。顎受け部140は、平面視で、U字状に延在する形状を有する。顎受け部140は、下顎骨の下部から側面に延在する。これにより、顎受け部140は、下顎骨の下顎に前方牽引力を加えて、下顎が下に垂れ下がることなく、所望する角度で顎を保持することができる。
【0053】
図12に示しているように、側面視で、弾性支持部122と顎受け部140の間の角度(θ4)は、少なくとも90°より小さい角度を形成する。例えば、弾性支持部122と顎受け部140との間の角度(θ4)は、50°~80°の範囲内である。
【0054】
下顎が垂れ下がったり、顎が下に下がったりすることにつれ、顎受け部140が下に下がり、この場合、弾性支持部122は、元の位置に復帰しようとする弾性力を持つことになるので、顎受け部140は、顎に前方牽引力(F)を加えて、下顎が下に垂れ下がることなく、所望する角度で顎を保持することができる。
【0055】
図13に示しているように、顎角度保持用補助具100は、前胸から首の正面側面を経て、下顎骨の下部まで延在して、1つの閉ループを形成するワイヤ102を含む。ワイヤ102は、胸、首、及び顎に沿って曲がって、安着部110、弾性支持部122、及び顎受け部140を形成する。ワイヤ102は、所望する長さを有するように切断可能であり、ワイヤ102の両端部は、固定クリップ(又は、固定バンド)106により固定して、閉ループを形成する。そこで、ワイヤ102は、使用者個人の身体構造に合うように曲がって調節された後、不要な部分は、切断される。
【0056】
また、顎角度保持用補助具100は、ワイヤ102を取り囲み、皮膚親和性を有するチューブ104を更に含む。例えば、チューブ104は、皮膚親和性を有するシリコン、プラスチックなどを含む。これとは異なり、顎角度保持用補助具100は、チューブの代わりに、ワイヤ102を取り囲むスポンジ状の物質を含むことができる。
【0057】
また、顎角度保持用補助具100は、弾性支持部122の中心部分を取り囲む取手部150を更に含む。使用者は、取手部150を把持して、顎角度保持用補助具100を、前胸と顎の間の所望する位置に配置することができる。取手部150は、弾性支持部122の弾性力を強化する補強部材の役割も果たす。
【0058】
図14は、例示的な実施例による顎角度保持用校正装置の首保護具を示す分解斜視図である。図15は、図14の首保護具を示す平面図である。図16は、図14の首保護具を含む顎角度保持用校正装置の使用状態を示す側面図である。前記顎角度保持用矯正装置は、図1図8、又は図9図13を参照して説明した顎角度保持用補助具と共に使用される首部保護具を更に含む。
【0059】
図14図16に示しているように、顎角度保持用矯正装置は、顎角度保持用補助具100、101と、首保護具200とを含む。首保護具200は、顎角度保持用補助具100、101の周りに、首周りを取り囲むように着用される。
【0060】
具体的に、首保護具200は、首周りを取り囲むように設けられる覆体部を含む。前記覆体部は、首の一部を覆う第1の覆体部210と、首の残りの部分を覆う第2の覆体部220とを含む。そこで、第1及び第2の覆体部210、220は、首周りの全体を取り囲むように互いに結合される。首保護具200は、第1及び第2の覆体部210、220を互いに結合して、首周りに着用させるための結合部材230を更に含む。
【0061】
前記覆体部の第1の覆体部210は、首の前方周りを覆う半弧状の前方覆体であり、前記覆体部の第2の覆体部220は、首の後方周りを覆う半弧状の後方覆体である。前記覆体部は、着用に際して、外力により変形する軟質の合成樹脂素材からなる。例えば、前記覆体部は、スポンジ状の物質を含む。
【0062】
結合部材230は、第1及び第2の覆体部210、220の外側面に形成された溝に収容される固定バンドを含む。前記固定バンドは、弾性的に伸縮性のある物質からなる。前記固定バンドにより、第1及び第2の覆体部210、220は、互いに着脱可能である。前記固定バンドの一端部には、ベルクロ(登録商標)テープのような接着用布からなるフックと係止リングが対をなして互いに脱着可能である。これとは異なり、前記結合部材は、雌雄締結クリップを含めて、互いに隣接する第1及び第2の覆体部210、220の一端部を互いに結合することができる。しかし、前記結合部材は、これに限らず、前記覆体部を首周りに着用させるための様々な構造の部材が使用され得る。
【0063】
図16に示しているように、首保護具200の前記覆体部は、例えば、顎角度保持用補助具100の少なくとも一部、すなわち、第1及び第2の弾性支持部120a、120bを取り囲むように設けられる。顎角度支持用補助具100(例えば、第1及び第2の弾性支持部)は、首保護具200の内側面に一体に設けられる。そこで、顎角度保持用補助具100は、首保護具200の内側面に固定される。
【0064】
首保護具200は、顎角度支持用補助具100、101と共に使用され、顎角度支持用補助具100、101の周りに、首周りを取り囲むように着用される。これにより、顎角度保持用補助具100、101をしっかり固定し、患者の頸椎を保護することができる。
【0065】
図14及び図15に示しているように、前記第1の覆体部の上面又は下面には、少なくとも1つの突条212が設けられる。突条212により、安着溝213が定義され、顎角度保持用補助具100の一部、例えば、顎受け部140が安着溝213に沿って延在するように配置される。これにより、顎角度保持用補助具100、101は、首保護具200内でより強固に支持される。
【0066】
以上では、本発明の実施例を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を種々に修正及び変更できることが理解されるだろう。
【符号の説明】
【0067】
100、101: 顎角度保持用補助具
102: ワイヤ
104: チューブ
106: 固定クリップ
110: 安着部
120a、120b、122: 弾性支持部
130a、130b: 補助支持部
140: 顎受け部
200: 首保護具
210: 第1の覆体部
220: 第2の覆体部
230: 結合部材
図1
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図16