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特許7105015電力供給装置、かさ上げ部、電力供給システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-13
(45)【発行日】2022-07-22
(54)【発明の名称】電力供給装置、かさ上げ部、電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/35 20060101AFI20220714BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220714BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20220714BHJP
【FI】
H02J7/35 K
H02J7/00 U
H02J9/06
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021565730
(86)(22)【出願日】2021-06-08
(86)【国際出願番号】 JP2021021677
(87)【国際公開番号】W WO2022024553
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2021/019902
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020126033
(32)【優先日】2020-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391028328
【氏名又は名称】株式会社辰巳菱機
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】近藤 豊嗣
【審査官】山本 香奈絵
(56)【参考文献】
【文献】特許第6671575(JP,B1)
【文献】特開2020-010531(JP,A)
【文献】特開2019-200839(JP,A)
【文献】特開2013-037004(JP,A)
【文献】特開2019-193394(JP,A)
【文献】特開2017-229221(JP,A)
【文献】特開2013-212914(JP,A)
【文献】特開2012-135153(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2130567(KR,B1)
【文献】電気設備とは|Saidenkyo Career Value,Saidenkyo Career Value,2021年06月29日,https://web.archive.org/web/20161114134609/www.saidenkyo.jp/jinzai/about/index.html
【文献】建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン 建築物における電気設備の浸水対策の参考資料集,国土交通省住宅局建築指導課など,2021年06月29日,https://www.mlit/go.jp/common/001355013.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/35
H02J 7/00
H02J 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然エネルギーに基づいて発電する第1発電装置と、
前記第1発電装置からの電力供給と、受電装置を介した商用電源からの電力供給を受ける制御装置と、
所定の位置に固定され、前記制御装置を介して、前記第1発電装置からの電力と、前記受電装置を介した商用電源からの電力とを蓄積する固定式蓄電部と、
前記第1発電装置から供給される電力が、第1電力閾値よりも少なく、前記固定式蓄電部の充電率が第1充電率閾値よりも低く、且つ、前記受電装置を介した商用電源からの電力が第2電力閾値よりも少ない場合に、所定の燃料に基づいて発電した電力を、前記制御装置を介して、前記固定式蓄電部に供給する第2発電装置とを備え、
前記第1発電装置と、前記制御装置と、前記固定式蓄電部は、少なくとも前記受電装置よりも高い位置に配置される、電力供給装置。
【請求項2】
自然エネルギーに基づいて発電する第1発電装置と、
前記第1発電装置からの電力供給と、受電装置を介した商用電源からの電力供給を受ける制御装置と、
所定の位置に固定され、前記制御装置を介して、前記第1発電装置からの電力と、前記受電装置を介した商用電源からの電力とを蓄積する固定式蓄電部と、
前記制御装置と前記固定式蓄電部を、地面から所定の高さ以上の位置に設置するために使用される土台部と、
前記制御装置を介して、前記第1発電装置と前記固定式蓄電部と商用電源の少なくとも1つから電力供給を受ける負荷と、
前記土台部を含む領域の地面からの水位と、前記固定式蓄電部と前記制御装置の水面との距離の少なくとも一方を測定する測定部と備え、
前記所定の高さは、前記土台部を含む領域のハザードマップで想定される浸水深よりも大きい値であり、
前記測定部で得られた情報に基づいて、前記制御装置は、前記受電装置との接続を遮断し、前記負荷のうち低い位置にあるものへの電力供給を遮断する、電力供給装置。
【請求項3】
自然エネルギーに基づいて発電する第1発電装置と、
前記第1発電装置からの電力供給と、受電装置を介した商用電源からの電力供給を受ける制御装置と、
所定の位置に固定され、前記制御装置を介して、前記第1発電装置からの電力と、前記受電装置を介した商用電源からの電力とを蓄積する固定式蓄電部と、
前記制御装置と前記固定式蓄電部を、地面から所定の高さ以上の位置に設置するために使用される土台部と、
前記制御装置を介して、前記第1発電装置と前記固定式蓄電部と商用電源の少なくとも1つから電力供給を受ける負荷と、
前記土台部を含む領域の地面からの水位と、前記固定式蓄電部と前記制御装置の水面との距離の少なくとも一方を測定する測定部とを備え、
前記第1発電装置と、前記制御装置と、前記固定式蓄電部は、少なくとも前記受電装置よりも高い位置に配置され、
前記測定部で得られた情報に基づいて、前記制御装置は、前記受電装置との接続を遮断し、前記負荷のうち低い位置にあるものへの電力供給を遮断する、電力供給装置。
【請求項4】
保持部と、着脱可能な状態で前記保持部に取り付けられ、前記第1発電装置からの電力と、前記受電装置と前記制御装置を介した商用電源からの電力とを蓄積する可搬式蓄電装置を含む可搬式蓄電部と、
前記第1発電装置から供給される電力が、第1電力閾値よりも少なく、前記固定式蓄電部の充電率が第1充電率閾値よりも低い、そして/若しくは、前記可搬式蓄電部の充電率が第2充電率閾値よりも低く、且つ、前記受電装置を介した商用電源からの電力が第2電力閾値よりも少ない場合に、所定の燃料に基づいて発電した電力を、前記制御装置を介して、前記固定式蓄電部と前記可搬式蓄電部の少なくとも一方に供給する第2発電装置とを更に備え、
前記可搬式蓄電部の前記保持部と、前記第2発電装置は、前記土台部に設置される、請求項2または請求項3に記載の電力供給装置。
【請求項5】
前記制御装置を介して、前記第1発電装置と前記固定式蓄電部と商用電源の少なくとも1つから電力供給を受ける負荷と、
前記固定式蓄電部と、前記第2発電装置の少なくとも一方を、地面から所定の高さ以上の位置に設置するために使用される土台部とかさ上げ部を更に備え、
前記かさ上げ部は、前記負荷を含み且つ土地に定着する建物とは別体で構成され、
前記所定の高さは、前記土台部を含む領域のハザードマップで想定される浸水深よりも大きい値であり、
前記土台部は、前記地面に固定され、
前記かさ上げ部は、前記土台部の上に設置され、
前記かさ上げ部は、柱部と平面部を有し、
前記柱部は、前記土台部から上方に延び、前記平面部を支え、
前記平面部は、前記固定式蓄電部と前記第2発電装置の少なくとも一方を保持する、請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項6】
記固定式蓄電部と前記第2発電装置の少なくとも一方を、地面から所定の高さ以上の位置に設置するために使用される土台部とかさ上げ部とを更に備え、
前記制御装置を介して、前記第1発電装置と前記固定式蓄電部と商用電源の少なくとも1つから電力供給を受ける負荷を含み且つ土地に定着する建物とは別体で、前記かさ上げ部は構成され、
前記所定の高さは、前記土台部を含む領域のハザードマップで想定される浸水深よりも大きい値であり、
前記土台部は、前記地面に固定され、
前記かさ上げ部は、前記土台部の上に設置され、
前記かさ上げ部は、柱部と平面部を有し、
前記柱部は、前記土台部から上方に延び、前記平面部を支え、
前記平面部は、前記固定式蓄電部と前記第2発電装置の少なくとも一方を保持する、請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項7】
保持部と、着脱可能な状態で前記保持部に取り付けられ、前記第1発電装置からの電力と、前記受電装置と前記制御装置を介した商用電源からの電力とを蓄積する可搬式蓄電装置を含む可搬式蓄電部を更に備え、
前記第2発電装置は、前記第1発電装置から供給される電力が、前記第1電力閾値よりも少なく、前記固定式蓄電部の充電率が前記第1充電率閾値よりも低い、そして/若しくは、前記可搬式蓄電部の充電率が第2充電率閾値よりも低く、且つ、前記受電装置を介した商用電源からの電力が前記第2電力閾値よりも少ない場合に、所定の燃料に基づいて発電した電力を、前記制御装置を介して、前記固定式蓄電部と前記可搬式蓄電部の少なくとも一方に供給し、
前記可搬式蓄電部の前記保持部と、前記第2発電装置は、前記制御装置と前記固定式蓄電部を地面から所定の高さ以上の位置に設置するために使用される土台部に設置される、請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項8】
自然エネルギーに基づいて発電する第1発電装置と、前記第1発電装置からの電力供給と受電装置を介した商用電源からの電力供給を受ける制御装置と、保持部と着脱可能な状態で前記保持部に取り付けられる可搬式蓄電装置を含む可搬式蓄電部とを有し、前記第1発電装置と、前記制御装置と、前記可搬式蓄電部の前記保持部は、少なくとも前記受電装置よりも高い位置に配置される、電力供給装置と、
前記可搬式蓄電装置が着脱可能な状態で取り付けられる移動装置側保持部と、移動装置側表示部とを有し、前記可搬式蓄電装置からの電力に基づいて駆動する移動装置とを備えた電力供給システムであって、
前記第1発電装置から供給される電力が、第1電力閾値よりも少なく、且つ、前記可搬式蓄電部の充電率が第2充電率閾値よりも低い場合に、前記制御装置は、前記受電装置と接続し、商用電源からの電力の供給を受け、
前記保持部に取り付けられた前記可搬式蓄電装置は、前記第1発電装置からの電力と、前記受電装置と前記制御装置を介した商用電源からの電力とを蓄積するものであり、
前記電力供給装置と、前記移動装置は、通信が可能であり、
前記移動装置側表示部は、前記電力供給装置の前記保持部を介して取り付けられた前記可搬式蓄電装置の充電状況を含む充電情報を表示する、電力供給システム。
【請求項9】
前記電力供給装置は、複数設けられ、
前記電力供給装置の少なくとも1つは、所定の位置に固定され、前記制御装置を介して、前記第1発電装置からの電力と、前記受電装置を介した商用電源からの電力とを蓄積する固定式蓄電部を有し、
前記固定式蓄電部を有する前記電力供給装置では、前記第1発電装置から供給される電力が、前記第1電力閾値よりも少なく、且つ、固定式蓄電部の充電率が第1充電率閾値よりも低い、そして/若しくは、前記可搬式蓄電部の充電率が前記第2充電率閾値よりも低い場合に、前記制御装置は、前記受電装置と接続し、商用電源からの電力の供給を受け、
前記固定式蓄電部を有する前記電力供給装置では、前記固定式蓄電部の充電率が、前記第1充電率閾値以上に高く、前記第1発電装置から供給される電力が、前記第1電力閾値以上に多い場合に、前記制御装置は、前記固定式蓄電部との接続を遮断し、
前記可搬式蓄電部の前記保持部に取り付けられた前記可搬式蓄電装置の全ての充電率が、前記第2充電率閾値以上に高い場合に、前記制御装置は、前記可搬式蓄電部との接続を遮断し、
前記移動装置側表示部は、前記充電情報として、前記複数の電力供給装置の前記可搬式蓄電部のそれぞれの充電状況のうち、所定の条件を満たすものだけを表示し、
前記充電情報は、第1操作に基づいて、前記複数の電力供給装置の前記可搬式蓄電部で充電された前記可搬式蓄電装置の購入若しくは交換の予約に関する情報送信と発呼の少なくとも一方を実行するための操作ボタンを含み、
前記移動装置側表示部は、前記第1操作が行われると、前記予約に対応する電力供給装置へのルートを表示する、請求項8に記載の電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、電力を蓄積し、蓄積した電力を電気自動車などに供給する電気自動車用充放電装置(電力供給装置)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-208132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、災害などによる水没に関する考慮が十分にされていない。
【0005】
したがって本発明の目的は、災害時などでも電力供給の維持が可能な電力供給装置などを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電力供給装置は、自然エネルギーに基づいて発電する第1発電装置と、第1発電装置からの電力供給と、受電装置を介した商用電源からの電力供給を受ける制御装置と、所定の位置に固定され、制御装置を介して、第1発電装置からの電力と、受電装置を介した商用電源からの電力とを蓄積する固定式蓄電部とを備える。
第1発電装置と、制御装置と、固定式蓄電部は、少なくとも受電装置よりも高い位置に配置される。
【0007】
制御装置などが受電装置よりも高い位置に設置される。
これにより、受電装置が水没し、商用電源からの電力供給が遮断された時でも、制御装置などは、水没せず、電力供給が行える状態を維持できる。
【0008】
好ましくは、電力供給装置は、制御装置と固定式蓄電部を、地面から所定の高さ以上の位置に設置するために使用される土台部を更に備える。
当該所定の高さは、土台部を含む領域のハザードマップで想定される浸水深よりも大きい値である。
【0009】
制御装置などが設置される高さ(所定の高さ)を、ハザードマップで想定される浸水深よりも大きい値にした場合には、ハザードマップの想定外の災害が生じない限り、土台部の上に設置された制御装置などの水没を回避できる。
【0010】
さらに好ましくは、電力供給装置は、制御装置を介して、第1発電装置と固定式蓄電部と商用電源の少なくとも1つから電力供給を受ける負荷と、土台部を含む領域の地面からの水位と、固定式蓄電部と制御装置の水面との距離の少なくとも一方を測定する測定部とを更に備える。
測定部で得られた情報に基づいて、制御装置は、受電装置との接続を遮断し、負荷のうち低い位置にあるものへの電力供給を遮断する。
【0011】
制御装置などの位置は、比較的自由に設定しやすいが、受電装置は、設置位置を自由に決めることが困難で、低い位置に設置せざるを得ず、制御装置よりも水害などにより水没してしまうおそれがある。
水没したと考えられる領域の負荷及び受電装置への電力供給を遮断することで、漏電を防ぐことが可能になる。
【0012】
さらに好ましくは、電力供給装置は、保持部と、着脱可能な状態で保持部に取り付けられ、第1発電装置からの電力と、受電装置と制御装置を介した商用電源からの電力とを蓄積する可搬式蓄電装置を含む可搬式蓄電部と、第1発電装置から供給される電力が、第1電力閾値よりも少なく、固定式蓄電部の充電率が第1充電率閾値よりも低い、そして/若しくは、可搬式蓄電部の充電率が第2充電率閾値よりも低く、且つ、受電装置を介した商用電源からの電力が第2電力閾値よりも少ない場合に、所定の燃料に基づいて発電した電力を、制御装置を介して、固定式蓄電部と可搬式蓄電部の少なくとも一方に供給する第2発電装置とを更に備える。
可搬式蓄電部の保持部と、第2発電装置は、土台部に設置される。
【0013】
固定式蓄電部は、プラグインハイブリッドカーなど、直接車両のバッテリーに充電するタイプの乗り物に対して、ケーブルを介して電力供給を行うことが可能になる。
可搬式蓄電部は、着脱式可搬バッテリーを用いるタイプの乗り物に対して、可搬式蓄電装置の授受により、電力供給を行うことが可能になる。
また、固定式蓄電部と可搬式蓄電部の両方を設けることにより、片方だけを設ける形態に比べて、大容量の電力を蓄積することが可能になる。
【0014】
また、好ましくは、電力供給装置は、固定式蓄電部と、所定の燃料に基づいて発電する第2発電装置の少なくとも一方を、地面から所定の高さ以上の位置に設置するために使用される土台部とかさ上げ部を更に備える。
所定の高さは、土台部を含む領域のハザードマップで想定される浸水深よりも大きい値である。
土台部は、地面に固定される。
かさ上げ部は、土台部の上に設置される。
かさ上げ部は、柱部と平面部を有する。
柱部は、土台部から上方に延び、平面部を支える。
平面部は、固定式蓄電部と第2発電装置の少なくとも一方を保持する。
【0015】
さらに好ましくは、電力供給装置は、第1発電装置から供給される電力が、第1電力閾値よりも少なく、固定式蓄電部の充電率が第1充電率閾値よりも低く、且つ、受電装置を介した商用電源からの電力が第2電力閾値よりも少ない場合に、所定の燃料に基づいて発電した電力を、制御装置を介して、固定式蓄電部に供給する第2発電装置と、固定式蓄電部と第2発電装置の少なくとも一方を、地面から所定の高さ以上の位置に設置するために使用される土台部とかさ上げ部とを更に備える。
所定の高さは、土台部を含む領域のハザードマップで想定される浸水深よりも大きい値である。
土台部は、地面に固定される。
かさ上げ部は、土台部の上に設置される。
かさ上げ部は、柱部と平面部を有する。
柱部は、土台部から上方に延び、平面部を支える。
平面部は、固定式蓄電部と第2発電装置の少なくとも一方を保持する。
【0016】
本発明に係る電力供給装置におけるかさ上げ部は、発電装置と、所定の位置に固定され発電装置からの電力と受電装置を介した商用電源からの電力の少なくとも一方を蓄積する固定式蓄電部とを含む電力供給装置における、発電装置と固定式蓄電部の少なくとも一方を保持するかさ上げ部である。
発電装置と、固定式蓄電部は、少なくとも受電装置よりも高い位置に配置される。
かさ上げ部は、地面に固定された土台部の上に設置される。
かさ上げ部は、土台部の上に設置される。
かさ上げ部は、柱部と平面部を有する。
柱部は、土台部から上方に延び、平面部を支える。
平面部は、発電装置と固定式蓄電部の少なくとも一方を保持する。
地面から所定の高さ以上の位置に発電装置と固定式蓄電部の少なくとも一方が位置するように、柱部が構成される。
所定の高さは、土台部を含む領域のハザードマップで想定される浸水深よりも大きい値である。
【0017】
本発明に係る電力供給システムは、自然エネルギーに基づいて発電する第1発電装置と、第1発電装置からの電力供給と受電装置を介した商用電源からの電力供給を受ける制御装置と、保持部と着脱可能な状態で保持部に取り付けられる可搬式蓄電装置を含む可搬式蓄電部とを有し、第1発電装置と、制御装置と、可搬式蓄電部の保持部は、少なくとも受電装置よりも高い位置に配置される、電力供給装置と、可搬式蓄電装置が着脱可能な状態で取り付けられる移動装置側保持部と、移動装置側表示部とを有し、可搬式蓄電装置からの電力に基づいて駆動する移動装置とを備える。
保持部に取り付けられた可搬式蓄電装置は、第1発電装置からの電力と、受電装置と制御装置を介した商用電源からの電力とを蓄積するものである。
電力供給装置と、移動装置は、通信が可能である。
移動装置側表示部は、電力供給装置の保持部を介して取り付けられた可搬式蓄電装置の充電状況を含む充電情報を表示する。
【0018】
可搬式蓄電装置を用いる移動装置では、充電済みの可搬式蓄電装置を購入など出来る店舗などの情報を入手出来るのが望ましい。
可搬式蓄電装置の充電状況などを含む充電情報を、可搬式蓄電装置を用いる移動装置の移動装置側表示部に表示させる。
これにより、移動装置の近くにある購入若しくは交換可能な可搬式蓄電装置を取り扱う店舗(電力供給装置)を移動装置の使用者に視認させることが可能になる。
【0019】
好ましくは、電力供給装置は、複数設けられる。
移動装置側表示部は、充電情報として、複数の電力供給装置の可搬式充電部のそれぞれの充電状況のうち、所定の条件を満たすものだけを表示する。
充電情報は、第1操作に基づいて、複数の電力供給装置の可搬式充電部で充電された可搬式蓄電装置の購入若しくは交換の予約に関する情報送信と発呼の少なくとも一方を実行するための操作ボタンを含む。
移動装置側表示部は、第1操作が行われると、予約に対応する電力供給装置へのルートを表示する。
【0020】
購入若しくは交換可能な可搬式蓄電装置を取り扱う店舗(電力供給装置)の複数の情報を知らせることにより、移動装置の使用者にとって最適な店舗を選択しやすい状況にできる。
選択した店舗(電力供給装置)までのルートを示すことで、店舗までの移動を容易に出来る。
【発明の効果】
【0021】
以上のように本発明によれば、災害時などでも電力供給の維持が可能な電力供給装置などを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施形態のサーバーを除く電力供給システムの斜視図である。
図2】本実施形態の電力供給システムの構成図である。
図3】本実施形態の電力供給装置の1つの構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態の電力供給装置の1つの構成を示すブロック図で、一部が水没した状態を示すものである。
図5】移動装置側表示部が表示する充電情報の例である。
図6】移動装置側表示部が表示するルートの例である。
図7】本実施形態の電力供給システムで、土台部の上にかさ上げ部が設けられたものの構成図である。
図8】かさ上げ部の斜視図である。
図9】平面部に、第2発電装置と制御装置と固定式蓄電部が設置されたかさ上げ部の斜視図である。
図10】高層マンション(建物)とエントランス設備(土台部)とかさ上げ部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本実施形態について、図を用いて説明する。
なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。
【0024】
(電力供給システム1)
本実施形態の電力供給システム1は、第1電力供給装置10a1~第3電力供給装置10a3、移動装置30、サーバー100を備える(図1図2参照)。
【0025】
(第1電力供給装置10a1~第3電力供給装置10a3)
第1電力供給装置10a1、第2電力供給装置10a2、第3電力供給装置10a3のそれぞれは、第1発電装置11a、第2発電装置11b、制御装置13、受電装置15、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18、負荷(第1負荷19a、第2負荷19b、第3負荷19c、第4負荷19d)、測定部20、通信部21、土台部23を有する(図3図4参照)。
【0026】
本実施形態では、3つの電力供給装置(第1電力供給装置10a1~第3電力供給装置10a3)が設けられる例を示すが、電力供給装置の数は、3つに限るものではない。
また、本実施形態では、1つの移動装置30が設けられる例を示すが、複数の移動装置30が設けられてもよい。
【0027】
(第1発電装置11a)
第1発電装置11aは、太陽光発電装置、風力発電装置など、自然エネルギーに基づいて発電する発電装置である。
第1発電装置11aは、常時、発電が可能な状態にされる。
ただし、第1発電装置11aが風力発電装置であって、且つ、第1発電装置11aが受ける風力が所定の風力を超える場合には、第1発電装置11aは、発電が出来ない状態にされる。
第1発電装置11aは、建物25の屋上などに設置される。
第1発電装置11aで得られた電力は、制御装置13を介して、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)などに供給される。
【0028】
(第2発電装置11b)
第2発電装置11bは、LPガス発電機、燃料電池、水素発電機など、所定の燃料に基づいて発電する発電装置である。
第2発電装置11bは、第1発電装置11aから供給される電力が十分でなく、且つ商用電源からの電力が十分でない場合に、発電が可能な状態にされる。
第2発電装置11bは、土台部23に設置される。
ただし、第2発電装置11bは、建物25の内部であって、土台部23と同等以上の高さの位置に設けられてもよい。
【0029】
(制御装置13)
制御装置13は、パワーコンディショナー、分電盤などを含み、電力の供給元の切替制御、及び電力の供給先の切替制御を行う。
具体的には、制御装置13は、入力側で、第1発電装置11a、第2発電装置11b、受電装置15と接続する。
ただし、第1発電装置11aは、制御装置13を介さずに、直接的に、可搬式蓄電部18と接続してもよい。
制御装置13は、出力側で、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18、負荷(第1負荷19a、第2負荷19b、第3負荷19c、第4負荷19d)、測定部20、通信部21と接続する。
制御装置13は、土台部23に設置される。
ただし、制御装置13は、建物25の内部であって、土台部23と同等以上の高さの位置に設けられても良い。
【0030】
(入力切替制御)
第1発電装置11aから供給される電力P1が、第1電力閾値Thp1よりも少なく、且つ、固定式蓄電部17の充電率(state of charge)R1が第1充電率閾値Thr1よりも低い、そして/若しくは、可搬式蓄電部18の充電率R2が第2充電率閾値Thr2よりも低い場合には、第1発電装置11aから供給される電力が十分でないとして、制御装置13は、受電装置15と接続し、商用電源からの電力の供給を受ける。
この場合、制御装置13は、第1発電装置11aとの接続を維持してもよいし、第1発電装置11aとの接続を遮断してもよい。
なお、可搬式蓄電部18の充電率R2は、可搬式蓄電部18の保持部18aに取り付けられた可搬式蓄電装置18bのいずれかの充電率R2であって、最も低い値を示すものをいうものとする。
【0031】
第1発電装置11aから供給される電力P1が、第1電力閾値Thp1よりも少なく、且つ、固定式蓄電部17の充電率R1が第1充電率閾値Thr1よりも低い、そして/若しくは、可搬式蓄電部18の充電率R2が第2充電率閾値Thr2よりも低い場合であって、且つ受電装置15を介した商用電源からの電力P2が、第2電力閾値Tphp2よりも少ない場合には、第1発電装置11a及び商用電源から供給される電力が十分でないとして、制御装置13は、第2発電装置11bからの電力の供給を受ける。
この場合、制御装置13は、第1発電装置11aとの接続を維持してもよいし、第1発電装置11aとの接続を遮断してもよい。
また、制御装置13は、受電装置15との接続を維持してもよいし、受電装置15との接続を遮断してもよい。
ただし、測定部20からの情報などに基づいて、受電装置15が水没している可能性が高いと判断された場合には、制御装置13は、受電装置15との接続を遮断する。
【0032】
(出力切替制御)
制御装置13は、固定式蓄電部17と接続する。
ただし、固定式蓄電部17の充電率R1が、第1充電率閾値Thr1以上に高く、第1発電装置11aから供給される電力P1が、第1電力閾値Thp1以上に多い場合には、固定式蓄電部17に蓄積された電力を使用せずとも、第1発電装置11aから負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)及び可搬式蓄電部18への電力供給が十分行える。このため、かかる場合には、制御装置13は、固定式蓄電部17との接続を遮断する。
【0033】
可搬式蓄電部18と制御装置13とは、常時接続される。
ただし、可搬式蓄電部18の保持部18aに取り付けられた可搬式蓄電装置18bのすべての充電率R2が、第2充電率閾値Thr2以上に高い場合は、制御装置13は、可搬式蓄電部18との接続を遮断する。
【0034】
制御装置13は、負荷(第1負荷19a、第2負荷19b、第3負荷19c、第4負荷19d)のうち、使用者などによってオン状態にされたものと接続する。
ただし、測定部20からの情報に基づいて、水没している可能性が高いと判断された領域の負荷については、制御装置13は、接続を遮断する。
制御装置13は、測定部20及び通信部21と接続する。
【0035】
(交流と直流の変換)
本実施形態では、制御装置13を通過する電力が交流であるとして説明する。
このため、第1発電装置11aと第2発電装置11bのうち直流の電力を発生させる装置と制御装置13の間には、電力を直流から交流に変換する装置が設けられる。
また、固定式蓄電部17と制御装置13の間、可搬式蓄電部18と制御装置13の間、及び負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)のうち、直流で駆動するものと制御装置13の間には、電力を交流から直流に変換する装置が設けられる。
【0036】
ただし、制御装置13を通過する電力が直流であってもよい。
この場合には、受電装置15と制御装置13の間、第1発電装置11aと第2発電装置11bのうち交流の電力を発生させる装置と制御装置の間には、電力を交流から直流に変換する装置が設けられる。
また、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)のうち、交流で駆動するものと制御装置13の間には、電力を直流から交流に変換する装置が設けられる。
【0037】
(受電装置15)
受電装置15は、商用電源からの電力の供給を受ける。
商標電源からの電力は、受電装置15を介して、制御装置13に供給される。
【0038】
(固定式蓄電部17)
固定式蓄電部17は、第1発電装置11aなどからの電力を蓄積する蓄電装置を有する。
固定式蓄電部17の蓄電装置は、所定の位置(土台部23)に固定される。
ただし、固定式蓄電部17の蓄電装置は、建物25の内部であって、土台部23と同等以上の高さの位置に固定されても良い。
【0039】
固定式蓄電部17は、第1発電装置11aからの電力供給が十分でない場合に、制御装置13を介して、蓄積した電力を、可搬式蓄電部18、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)、測定部20、通信部21などに供給する。
また、固定式蓄電部17は、電気自動車など(不図示)と接続して、当該電気自動車に電力を供給してもよい。この場合、固定式蓄電部17と当該電気自動車の間には、充電装置が設けられる。
【0040】
(可搬式蓄電部18)
可搬式蓄電部18は、保持部18aと、可搬式蓄電装置18bを有する。
保持部18aは、着脱可能な状態で可搬式蓄電装置18bを保持する。
可搬式蓄電装置18bは、第1発電装置11aなどからの電力を蓄積する蓄電装置である。
可搬式蓄電装置18bは、保持部18aから取り外しが可能であり、後述する移動装置30など、他の電気機器に着脱可能な状態で取り付けられ、当該他の電気機器を駆動する。
【0041】
本実施形態では、保持部18aが3つ設けられ、同時に3つの可搬式蓄電装置18bに対して充電が可能な例を示すが、保持部18aが設けられる数は3つに限るものではない。
【0042】
可搬式蓄電部18の保持部18aは、土台部23に固定される。
ただし、可搬式蓄電部18の保持部18aは、建物25の内部であって、土台部23と同等以上の高さの位置に固定されても良い。
【0043】
(第1負荷19a~第4負荷19d)
第1負荷19a1~第4負荷19dは、電球、エレベーター、冷蔵庫、エアコンディショナー、テレビ、ポンプなど、建物25の内部または建物25の近辺に設けられた電気機器である。
第1負荷19a1~第4負荷19dのうち、使用者がオン状態になるように操作したものに対して、制御装置13を介しての電力供給が行われる。
ただし、制御装置13が測定部20などからの情報に基づいて、建物25などの一部の領域が水没している可能性が高いと判断した場合には、制御装置13は、水没した領域に含まれる負荷への電力の供給を遮断する。
すなわち、水没領域に含まれる負荷(ここでは、第1負荷19a)に対しては、制御装置13は、電力の供給を遮断する(図4参照)。
【0044】
(測定部20)
測定部20は、音波、電波などの反射度合い、フロートの高さなどに基づいて、土台部23を含む領域の地面grからの水位を測定する、そして/若しくは、第1発電装置11a、第2発電装置11b、制御装置13、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18の水面との距離を測定する。測定部20は、制御装置13に水位に関する情報、そして/若しくは、水面との距離に関する情報を送信する。
土台部23を含む領域の天気が晴れており、地面grが乾燥している場合には、水位は略ゼロとなり、水面との距離は長くなる(図3参照)。
土台部23を含む領域の近くの河川が氾濫するなどして、土台部23を含む領域の一部が水没した場合には、水位はゼロよりも大きな値となり、水面との距離は短くなる(図4参照)。
【0045】
(通信部21)
通信部21は、通信部21を含む電力供給装置の位置情報、営業情報、可搬式蓄電部18の保持部18aに取り付けられた可搬式蓄電装置18bなどの充電情報、測定部20で得られた情報などをサーバー100に送信する。
当該充電情報は、サーバー100を介して、後述する移動装置30に送信される。
通信部21は、サーバー100から、充電済みの可搬式蓄電装置18bの購入若しくは交換の予約に関する情報などを受信する。
【0046】
(土台部23)
土台部23は、第2発電装置11b、制御装置13、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18を、土台部23を含む領域の地面grから所定の高さh以上の位置に設置するために使用される。
土台部23は、杭などで地面grに固定され、土地に定着する。
所定の高さhは、少なくとも、受電装置15の地面grからの高さよりも大きい値に設定される。
所定の高さhは、土台部23を含む領域の自治体などが発行するハザードマップで想定される浸水深よりも大きい値に設定されるのが望ましい。
ハザードマップで想定される浸水深は、河川氾濫による浸水、津波による浸水、液状化による浸水などが考えられる。
【0047】
なお、第1発電装置11a、通信部21は、建物25の屋上に設置されてもよいし、土台部23に設置されてもよい。
また、第2発電装置11b制御装置13、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18は、建物25の内部であって、地面grから所定の高さh以上の位置に設置されてもよい。
この場合、建物25の一部が土台部23として機能する。
【0048】
(建物25)
建物25は、第1負荷19aなどを設置した建物である。
建物25は、杭などで地面grに固定され、土地に定着する。
【0049】
(移動装置30)
移動装置30は、自動車、オートバイ、船、空中浮遊装置など、後述する可搬式蓄電装置18bの電力で駆動する乗り物である。
本実施形態では、移動装置30が、自動車である例を示すが、オートバイなど他の乗り物であってもよい。
移動装置30は、移動装置側保持部31、移動装置側通信部33、移動装置側表示部35を有する。
【0050】
(移動装置側保持部31)
移動装置側保持部31には、可搬式蓄電装置18bが着脱可能な状態で取り付けられる。
可搬式蓄電装置18bに蓄積された電力は、移動装置側保持部31を介して、移動装置30のモーター(不図示)、移動装置側通信部33、移動装置側表示部35などに供給される。
【0051】
(移動装置側通信部33)
移動装置側通信部33は、移動装置30の位置情報などをサーバー100に送信する。
移動装置側通信部33は、サーバー100から、第1電力供給装置10a1~第3電力供給装置10a3のそれぞれにおける可搬式蓄電部18の保持部18aに取り付けられた可搬式蓄電装置18bの充電情報などを受信する。
なお、移動装置側通信部33は、サーバー100を介さずに、第1電力供給装置10a1~第3電力供給装置10a3のうち、移動装置30から所定の距離(後述する第1距離d1よりも長い)の範囲内にある電力供給装置の通信部21と通信してもよい。
【0052】
移動装置側通信部33は、第1電力供給装置10a1~第3電力供給装置10a3のそれぞれの土台部23を含む領域の水位に関する情報(水没情報)などを受信してもよい。
【0053】
(移動装置側表示部35)
移動装置側表示部35は、第1電力供給装置10a1~第3電力供給装置10a3のそれぞれの営業時間、移動装置30の現在位置からの所要時間、可搬式蓄電装置18bの充電状況、予約可否などを含む充電情報を表示する(図5参照)。
当該充電情報の表示は、移動装置30に取り付けられた可搬式蓄電装置18bの充電率R3が移動装置側充電率閾値Thr3よりも低い場合、すなわち、移動装置30に取り付けられた可搬式蓄電装置18bの残容量が少ない場合に行われる。
ただし、移動装置30の使用者(運転者)の手動操作により、当該充電情報の表示が行われてもよい。
【0054】
第1電力供給装置10a1~第3電力供給装置10a3のそれぞれが、複数種類の可搬式蓄電装置18bを充電している場合には、当該複数種類の可搬式蓄電装置18bのうち、移動装置30の移動装置側保持部31に対応するものに関連する情報だけが、当該充電情報として表示されるのが望ましい。
【0055】
当該充電情報は、第1電力供給装置10a1~第3電力供給装置10a3のうち、充電済みの可搬式蓄電装置18bの購入若しくは移動装置30が保持している可搬式蓄電装置18bとの交換などについて、予約が可能な場合には、予約指示ボタン35aを表示する。
予約指示ボタン35aをタッチするなど、所定の第1操作が行われると、当該予約指示ボタン35aに対応する電力供給装置に対して、サーバー100を介して、予約に関する情報が送信される、若しくは、発呼が行われる。
予約に関する情報の送信には、移動装置30若しくは移動装置30の使用者情報、到着予想時間、購入若しくは交換する対象の可搬式蓄電装置18bの種類などの送信が含まれる。
発呼が行われる場合は、移動装置側通信部33を介しての通話が開始された後に、移動装置30の使用者と、対応する電力供給装置の使用者との通話が行われる。
【0056】
当該充電情報は、移動装置30の現在位置から、第1電力供給装置10a1~第3電力供給装置10a3のそれぞれへのルート案内ボタン35bを表示する。
ルート案内ボタン35bをタッチするなど、所定の第2操作が行われると、移動装置30の現在位置から、当該ルート案内ボタン35bに対応する電力供給装置へのルートRuの表示が行われる。
当該ルートRuは、当該ルート案内ボタン35bに対応する電力供給装置を最終目的地Dpとして算出されたルートであってもよいし、第2操作を行う前に他の目的地へのルート設定が行われている場合には、当該他の目的地を最終目的地とし、当該ルート案内ボタン35bに対応する電力供給装置を経由地として算出されたルートRuであってもよい。
【0057】
また、第1操作が行われた時に、当該予約指示ボタン35aに対応する電力供給装置へのルートRuの表示が行われてもよい(図6参照)。
図6は、第1操作が行われる前に他の目的地へのルート設定が行われていない状態で、第2電力供給装置10a2に可搬式蓄電装置18bの購入若しくは交換の予約を行い、第2電力供給装置10a2を最終目的地Dpとして、現在位置CpからのルートRuが移動装置側表示部35に表示された例を示す。
【0058】
ルートの算出など、移動装置側表示部35の表示に関する演算処理は、移動装置30の制御部が行ってもよいし、サーバー100が行ってもよい。
【0059】
当該充電情報には、全ての電力供給装置が含まれてもよいが、移動装置30の現在位置から第1距離d1の範囲内のものだけ、そして/若しくは、移動装置30がルート設定をしている場合には当該ルートから第1距離d1の範囲内のものだけを含める形態であってもよい。
【0060】
また、当該充電情報は、移動装置30の現在位置から直線距離若しくは道のりが近い順、移動装置30がルート設定をしている場合は当該ルートからの直線距離若しくは道のりが近い順に、電力供給装置を並べた状態で表示してもよい。
【0061】
また、当該充電情報は、第1電力供給装置10a1~第3電力供給装置10a3のうち、充電済みの可搬式蓄電装置18bがあるものに対応する充電情報、購入若しくは交換の予約が可能なものに対応する充電情報、現在位置などからの所要時間が短いものに対応する充電情報など、特定の条件に合うものだけを表示してもよい。
【0062】
(サーバー100)
サーバー100は、ネットワークを介して、第1電力供給装置10a1~第3電力供給装置10a3、移動装置30と通信する。
【0063】
(制御装置13などを受電装置よりも高い位置に配置したことの効果)
土台部23などを使って、制御装置13などが受電装置15よりも高い位置に設置される。
これにより、受電装置15が水没し、商用電源からの電力供給が遮断された時でも、制御装置13などは、水没せず、電力供給が行える状態を維持できる。
特に、第1発電装置11a、第2発電装置11b、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18の少なくとも一つについて、水没を免れることが出来れば、第4負荷19dなどへの電力供給を維持しやすくなる。
【0064】
(ハザードマップの浸水深を考慮したことの効果)
制御装置13などが設置される高さ(所定の高さh)を、ハザードマップで想定される浸水深よりも大きい値にした場合には、ハザードマップの想定外の災害が生じない限り、土台部23の上に設置された制御装置13などの水没を回避できる。
【0065】
(負荷、受電装置15への電力供給を遮断したことの効果)
制御装置13などの位置は、比較的自由に設定しやすいが、受電装置15は、設置位置を自由に決めることが困難で、低い位置に設置せざるを得ず、制御装置13よりも水害などにより水没してしまうおそれがある。
水没したと考えられる領域の負荷(第1負荷19aなど)及び受電装置15への電力供給を遮断することで、漏電を防ぐことが可能になる。
【0066】
(固定式蓄電部17と可搬式蓄電部18を設けたことの効果)
固定式蓄電部17は、プラグインハイブリッドカーなど、直接車両のバッテリーに充電するタイプの乗り物に対して、ケーブルを介して電力供給を行うことが可能になる。
可搬式蓄電部18は、着脱式可搬バッテリーを用いるタイプの乗り物に対して、可搬式蓄電装置18bの授受により、電力供給を行うことが可能になる。
また、固定式蓄電部17と可搬式蓄電部18の両方を設けることにより、片方だけを設ける形態に比べて、大容量の電力を蓄積することが可能になる。
【0067】
(充電状況を知らせることの効果)
可搬式蓄電装置18bを用いる移動装置30では、充電済みの可搬式蓄電装置18bを購入など出来る店舗などの情報を入手出来るのが望ましい。
可搬式蓄電装置18bの充電状況などを含む充電情報を、可搬式蓄電装置18bを用いる移動装置30の移動装置側表示部35に表示させる。
これにより、移動装置30の近くにある購入若しくは交換可能な可搬式蓄電装置18bを取り扱う店舗(電力供給装置)を移動装置30の使用者に視認させることが可能になる。
【0068】
(複数の電力供給装置の充電状況を知らせることの効果)
購入若しくは交換可能な可搬式蓄電装置18bを取り扱う店舗(電力供給装置)の複数の情報を知らせることにより、移動装置30の使用者にとって最適な店舗を選択しやすい状況にできる。
選択した店舗(電力供給装置)までのルートRuを示すことで、店舗までの移動を容易に出来る。
【0069】
(かさ上げ部23a)
本実施形態では、土台部23が所定の高さh以上の高さを有し、土台部23の上に、直接、第2発電装置11b、制御装置13、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18が設置される例を説明した。
しかしながら、土台部23の上に、かさ上げ部23aが設けられ、かさ上げ部23aの上に、第2発電装置11b、制御装置13、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18が設置されてもよい(図7図10参照)。
【0070】
かさ上げ部23aは、柱部23a1、平面部23a2、昇降部23a3、柵23a4を有する。
柱部23a1は、土台部23の上面に立てられ、上方の平面部23a2を支える。
平面部23a2は、第2発電装置11b、制御装置13、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18を保持する。
土台部23の高さに応じて、地面grから平面部23a2までの高さが、所定の高さh以上になるように、柱部23a1の高さが設定される。
昇降部23a3は、階段、梯子、スロープなどで構成され、使用者などが、土台部23の上面と平面部23a2の間を移動するために使用される。
柵23a4は、平面部23a2の周縁部から上方に延びるように形成される。
【0071】
かさ上げ部23aは、土台部23と別体で構成される。
例えば、建物25が高層マンションで構成され、第1発電装置11aは、当該高層マンションの屋上(建物25の上面)に設置される(図10参照)。
また、土台部23が当該高層マンションのエントランス設備、周辺設備などで構成され、かさ上げ部23aは、当該エントランス設備など(土台部23の上面)に設置される。
【0072】
なお、図9は、第2発電装置11b、制御装置13、固定式蓄電部17を保持するかさ上げ部23aを示す。可搬式蓄電部18は、他のかさ上げ部23aに保持されてもよいし、第2発電装置11bなどを保持するかさ上げ部23aに保持されてもよい。
また、図10は、電力供給システム1を構成する部材であって、第1発電装置11a、第2発電装置11b、制御装置13、固定式蓄電部17、受電装置15、土台部23、かさ上げ部23a以外のものの図示を省略している。
【0073】
(かさ上げ部23aを設けたことの効果)
かさ上げ部23aを、土台部23の上面に設置することにより、かさ上げ部23aを設けない形態に比べて、第2発電装置11bなどを高い位置に設置することが可能になる。
特に、建物25及び土台部23に相当するものが完成した後に、土台部23に相当する部分の上部に後から、土台部23の大きさ及び形状に合わせて、適当な大きさ及び形状のかさ上げ部23aを用意することが可能になる。
また、かさ上げ部23aの平面部23a2と、土台部23の上面の間に、空きスペースを設けることが出来、受電装置15などを設置することが可能になる。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0075】
1 電力供給システム
10a1 第1電力供給装置
10a2 第2電力供給装置
10a3 第3電力供給装置
11a 第1発電装置
11b 第2発電装置
13 制御装置
15 受電装置
17 固定式蓄電部
18 可搬式蓄電部
18a 保持部
18b 可搬式蓄電装置
19a 第1負荷
19b 第2負荷
19c 第3負荷
19d 第4負荷
20 測定部
21 通信部
23 土台部
23a かさ上げ部
23a1 柱部
23a2 平面部
23a3 昇降部
23a4 柵
25 建物
30 移動装置
31 移動装置側保持部
33 移動装置側通信部
35 移動装置側表示部
35a 予約指示ボタン
35b ルート案内ボタン
100 サーバー
h 所定の高さ
Cp 現在位置
Dp 最終目的地
P1 第1発電装置から供給される電力
P2 商用電源からの電力
R1 固定式蓄電部の充電率
R2 可搬式蓄電部の充電率
Ru ルート
Thp1 第1電力閾値
Thp2 第2電力閾値
Thr1 第1充電率閾値
Thr2 第2充電率閾値
Thr3 移動装置側充電率閾値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10