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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-13
(45)【発行日】2022-07-22
(54)【発明の名称】ピッキング設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20220714BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20220714BHJP
【FI】
B65G1/137 A
B65G1/00 501C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018079403
(22)【出願日】2018-04-17
(65)【公開番号】P2018188308
(43)【公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】P 2017094221
(32)【優先日】2017-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】516065135
【氏名又は名称】株式会社IHI物流産業システム
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】大辻 啓貴
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-207609(JP,A)
【文献】特開2017-014014(JP,A)
【文献】特開2005-170544(JP,A)
【文献】特開2011-105254(JP,A)
【文献】国際公開第2016/130849(WO,A1)
【文献】特開平06-115632(JP,A)
【文献】特開昭62-181845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00- 1/20
B65G 47/90-47/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピッキングロボットにより物品収容体に収容された物品をコンテナに移載するピッキング設備であって、
前記ピッキングロボットが搭載されると共に走行可能なロボット台車と、
前記コンテナが載置可能とされると共に前記ロボット台車と分離して走行可能なコンテナ台車と
を備え
前記コンテナ台車は、前記コンテナの移載を行う移載装置を備える
ことを特徴とするピッキング設備。
【請求項2】
ピッキングロボットにより物品収容体に収容された物品をコンテナに移載するピッキング設備であって、
前記ピッキングロボットが搭載されると共に走行可能なロボット台車と、
前記コンテナが載置可能とされると共に前記ロボット台車と分離して走行可能なコンテナ台車と
を備え
前記物品収容体が載置されるラックと、前記ラックに沿って敷設されるレールとを備え、
前記ロボット台車及び前記コンテナ台車が同一の前記レールに沿って走行可能とされている
ことを特徴とするピッキング設備。
【請求項3】
ピッキングロボットにより物品収容体に収容された物品をコンテナに移載するピッキング設備であって、
前記ピッキングロボットが搭載されると共に走行可能なロボット台車と、
前記コンテナが載置可能とされると共に前記ロボット台車と分離して走行可能なコンテナ台車と
を備え
前記物品収容体が載置されるラックと、前記ラックに沿って敷設されると共に前記ロボット台車が走行する第1レールと、前記第1レールと平行かつ前記第1レールに対して前記ラックの反対側に敷設されると共に前記コンテナ台車が走行する第2レールとを備える
ことを特徴とするピッキング設備。
【請求項4】
ピッキングロボットにより物品収容体に収容された物品をコンテナに移載するピッキング設備であって、
前記ピッキングロボットが搭載されると共に走行可能なロボット台車と、
前記コンテナが載置可能とされると共に前記ロボット台車と分離して走行可能なコンテナ台車と
を備え
前記ロボット台車が別の場所に移動される際、前記コンテナ台車が前記ロボット台車と同期して移動され、前記ピッキングロボットから前記物品を前記コンテナ台車に移載可能とする
ことを特徴とするピッキング設備。
【請求項5】
前記ロボット台車に設置されると共に前記物品収容体に収容された物品を認識する認識部を備え、
前記認識部にて前記物品を認識中に、前記コンテナ台車を前記ロボット台車と分離して走行させることで前記コンテナを移動させるコンテナ台車制御部を備える
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のピッキング設備。
【請求項6】
前記コンテナ台車を複数備えることを特徴とする請求項1~いずれか一項に記載のピッキング設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキング設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多種多様な物品を扱う物流設備においては、同種の物品が収容されたケースから、配送先ごとに用意されたコンテナへ物品を積み替えるピッキング作業が行われている。近年においては、作業者による作業を削減するために、ピッキングロボットを用いることにより、ピッキング作業が自動化されつつある。例えば、特許文献1には、ピッキングロボットが搭載された台車に対してコンテナを載置可能とし、台車を走行させながら台車に載置されたコンテナに対してピッキングロボットによって物品を積み替える装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-231420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように、ロボットが搭載された台車に対してコンテナを載置可能とした場合には、ロボットがピッキング作業を行っている間はコンテナの受渡し作業を行うことができない。逆に、コンテナの受渡し作業を行っている間はロボットがピッキング作業を行うことができない。また、台車に対してカメラを設置し、カメラの撮像データから物品の種類や姿勢を検出する場合、撮像中や撮像データの処理中も、コンテナの受渡し作業を行うことができない。このように特許文献1に開示された構成であると、コンテナの台車への受渡し作業中にピッキング作業等を行うことができず、1つのコンテナに対する物品の積み込み作業に要する時間が増加することになる。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、ピッキングロボットにより物品収容体に収容された物品をコンテナに移載するピッキング設備において、1つのコンテナに対する物品の積み込み作業期間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0007】
第1の発明は、ピッキングロボットにより物品収容体に収容された物品をコンテナに移載するピッキング設備であって、上記ピッキングロボットが搭載されると共に走行可能なロボット台車と、上記コンテナが載置可能とされると共に上記ロボット台車と分離して走行可能なコンテナ台車とを備えるという構成を採用する。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記ロボット台車に設置されると共に上記物品収容体に収容された物品を認識する認識部を備え、上記認識部にて上記物品を認識中に、上記コンテナ台車を上記ロボット台車と分離して走行させることで上記コンテナを移動させるコンテナ台車制御部を備えるという構成を採用する。
【0009】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記コンテナ台車が、上記コンテナの移載を行う移載装置を備えるという構成を採用する。
【0010】
第4の発明は、上記第1~第3いずれかの発明において、上記物品収容体が載置されるラックと、上記ラックに沿って敷設されるレールとを備え、上記ロボット台車及び上記コンテナ台車が同一の上記レールに沿って走行可能とされているという構成を採用する。
【0011】
第5の発明は、上記第1~第3いずれかの発明において、上記物品収容体が載置されるラックと、上記ラックに沿って敷設されると共に上記ロボット台車が走行する第1レールと、上記第1レールと平行かつ上記第1レールに対して上記ラックの反対側に敷設されると共に上記コンテナ台車が走行する第2レールとを備えるという構成を採用する。
【0012】
第6の発明は、上記第1~第5いずれかの発明において、上記ロボット台車が別の場所に移動される際、上記コンテナ台車が上記ロボット台車と同期して移動され、上記ピッキングロボットから上記物品を前記コンテナ台車に移載可能とするという構成を採用する。
【0013】
第7の発明は、上記第1~第6いずれかの発明において、上記コンテナ台車を複数備えるという構成を採用する。
【0014】
第8の発明は、上記第1の発明において、前記物品収容体に収容された物品を認識する認識部を有すると共に走行可能な認識部台車を前記ロボット台車と別に有するという構成を採用する。
【0015】
第9の発明は、上記第8の発明において、前記認識部にて前記物品を認識中に、前記コンテナ台車を前記ロボット台車と分離して走行させることで前記コンテナを移動させるコンテナ台車制御部を備えるという構成を採用する。
【0016】
第10の発明は、上記第8または第9の発明において、前記認識部台車が、前記ロボット台車の上方にて走行可能に吊下げ支持されているという構成を採用する。
【発明の効果】
【0017】
本発明においては、ピッキングロボットが搭載されるロボット台車と分離して走行可能なコンテナ台車を備えている。このため、コンテナ台車に対してコンテナの受渡しを行う作業と、ロボット台車による作業とを並行して行うことができる。したがって、本発明によれば、ピッキングロボットにより物品収容体に収容された物品をコンテナに移載するピッキング設備において、1つのコンテナに対する物品の積み込み作業期間を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態におけるピッキング設備の概略構成を模式的に示す平面図である。
図2】本発明の一実施形態におけるピッキング設備の概略構成を示す機能ブロック図である。
図3】本発明の一実施形態におけるピッキング設備が備える地上制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態におけるピッキング設備が備える総括制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態におけるピッキング設備が備える走行制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態におけるピッキング設備が備える物品判別制御処理部の動作を説明するためのフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態におけるピッキング設備が備えるコンテナ台車制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態におけるピッキング設備が備えるロボット台車とコンテナ台車との動作を説明するための模式図である。
図9】本発明の一実施形態におけるピッキング設備が備えるロボット台車とコンテナ台車との動作を説明するための模式図である。
図10】本発明の一実施形態におけるピッキング設備の変形例の概略構成を模式的に示す平面図である。
図11】本発明の第2実施形態におけるピッキング設備の概略構成を模式的に示す平面図である。
図12】本発明の第2実施形態におけるピッキング設備の概略構成を示す機能ブロック図である。
図13】本発明の第2実施形態におけるピッキング設備の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明に係るピッキング設備の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0020】
図1は、本実施形態のピッキング設備1の概略構成を模式的に示す平面図である。図1に示すように、また、図2は、本実施形態のピッキング設備1の概略構成を示す機能ブロック図である。本実施形態のピッキング設備1は、図1に示すように、床面に敷設されたレール2と、レール2に沿って配設されるフローラック3(ラック)とを備えている。また、本実施形態のピッキング設備1は、地上システム4と、ロボット台車5と、コンテナ台車6とを備えている。
【0021】
レール2は、図1に示すように直線状に敷設されており、ロボット台車5及びコンテナ台車6が走行可能に載置されている。このレール2は、走行するロボット台車5及びコンテナ台車6を直線状に案内する。フローラック3は、外部(例えば不図示の自動倉庫)から供給されるケースX(物品収容体)が載置される棚であり、レール2の両側の各々に設置されている。これらのフローラック3は、レール2に沿って複数のケースXを載置可能な大きさとされている。また、これらのフローラック3は、レール2に沿って走行するロボット台車5の後述するピッキングロボット5bがケースXの内部にアクセス可能な距離に配置されるように、レール2に対して近接して配設されている。
【0022】
なお、ケースXは、同一種類の物品を多数収容する容器である。なお、原則的には、1つのケースXには、同一種類の物品が複数収容されている。ただし、1つのケースXに複数種類の物品が、各々複数収容されていても良い。また、在庫状況によっては、ケースXの内部に同一種類の物品が1つのみ収容されている場合もある。
【0023】
地上システム4は、図1に示すように、コンテナを搬送する上流側コンベア4a及び下流側コンベア4bを備えている。さらに、図2に示すように、地上システム4は、上流側コンベア4a及び下流側コンベア4bを制御する地上制御部4cと、上位システムと通信するための第1通信モジュール4dと、ロボット台車5と通信するための第2通信モジュール4eと、コンテナ台車6と通信するための第3通信モジュール4fとを備えている。
【0024】
上流側コンベア4aは、空のコンテナYを図1に示すコンテナ移載領域Rまで搬送するローラコンベアである。また、下流側コンベア4bは、物品が収容されたコンテナYをコンテナ移載領域Rから不図示の搬出箇所まで搬送するローラコンベアである。なお、上流側コンベア4a及び下流側コンベア4bは、ローラコンベアではなく、ベルトコンベアとすることも可能である。これらの上流側コンベア4a及び下流側コンベア4bは、地上制御部4cの制御の下に、コンテナYを搬送する。なお、コンテナYは、所定の出荷先に納品される物品を収容するための容器であり、例えば折り畳みが可能とされている。
【0025】
地上制御部4cは、上位システム(例えばピッキング設備1を含む物流設備の全体を制御するシステム)から、第1通信モジュール4dを介して入力される指令に基づいて、上流側コンベア4a及び下流側コンベア4bを制御するプログラマブルコントローラである。また、本実施形態のピッキング設備1において地上制御部4cは、ロボット台車5及びコンテナ台車6の制御も行う。例えば、地上制御部4cは、第2通信モジュール4eを通じてロボット台車5と通信することによってロボット台車5を制御する。また、地上制御部4cは、第3通信モジュール4fを通じてコンテナ台車6と通信をすることによってコンテナ台車6を制御する。
【0026】
第1通信モジュール4d、第2通信モジュール4e及び第3通信モジュール4fは、光や電波を用いた無線通信を行う伝送モジュールである。第1通信モジュール4dは、地上制御部4cが上位システムと通信を行うための伝送モジュールである。また、第2通信モジュール4eは、地上制御部4cがロボット台車5の後述する総括制御部5eと通信を行うための伝送モジュールである。また、第3通信モジュール4fは、地上制御部4cがコンテナ台車6の後述するコンテナ台車制御部6cと通信を行うための伝送モジュールである。
【0027】
ロボット台車5は、図1に示すように、台車部5aと、ピッキングロボット5bと、物品判別カメラ5cとを備えている。また、ロボット台車5は、図2に示すように、物品判別制御処理部5dと、総括制御部5eと、スイッチ5fと、通信モジュール5gとを備えている。
【0028】
台車部5aは、ピッキングロボット5bを支持すると共にレール2に沿って走行可能とされており、図2に示すように、走行機構5a1と、走行制御部5a2とを有している。走行機構5a1は、台車部5aを走行可能とする機構であり、不図示の車輪や駆動モータを備えている。走行制御部5a2は、走行機構5a1を制御するプログラマブルコントローラであり、総括制御部5eからの指令に基づいて走行機構5a1を制御する。また、走行制御部5a2は、スイッチ5fを介して通信モジュール5gと接続されている。
【0029】
ピッキングロボット5bは、ケースXに収容された物品をコンテナYに移載するための産業用ロボットであり、図2に示すように、ロボット本体部5b1と、ロボット制御部5b2と、ピッキング機構5b3とを備えている。ロボット本体部5b1は、複数の関節や駆動モータを有する多軸ロボットであり、ロボット制御部5b2によって駆動される。ロボット制御部5b2は、総括制御部5eと接続されており、総括制御部5eの指令に基づいてロボット本体部5b1を制御する。ピッキング機構5b3は、物品を持ち上げる機構であり、例えば、ロボット本体部5b1の先端部に設置された吸引パッドや吸引パッドに負圧を供給する排気装置を有している。
【0030】
物品判別カメラ5cは、ピッキングロボット5bの先端部に設けられている。この物品判別カメラ5cは、物品判別制御処理部5dの制御の下にケースXの内部を撮像し、ケースXに収容された物品の種類や姿勢等の情報を含む画像データを取得する。また、物品判別カメラ5cは、撮像することで取得した画像データを物品判別制御処理部5dに向けて出力する。物品判別制御処理部5dは、物品判別カメラ5cから入力される画像データに基づいて、ケースXに収容された物品の種類や物品の姿勢を判別し、判別した結果を総括制御部5eに向けて出力する。また、物品判別制御処理部5dは、スイッチ5fを介して通信モジュール5gと接続されている。これらの物品判別カメラ5c及び総括制御部5eは、ロボット台車5に設置されると共にケースXに収容された物品を認識する認識部として機能する。
【0031】
総括制御部5eは、スイッチ5fを介して通信モジュール5gと接続されており、地上制御部4cから入力される指令と、物品判別制御処理部5dから入力される判別結果とに基づいて、台車部5a及びピッキングロボット5bの動作指令を生成するプログラマブルコントローラである。この総括制御部5eは、台車部5aの走行制御部5a2、ピッキングロボット5bのロボット制御部5b2及びピッキング機構5b3に向けて指令信号を出力する。また、総括制御部5eは、台車部5aの走行制御部5a2から入力される台車部5aの状態を示す信号、ピッキングロボット5bのロボット制御部5b2から入力されるロボット本体部5b1の状態を示す信号、及び、ピッキング機構5b3の状態を示す信号を、通信モジュール5gを介して地上制御部4cに送信する。
【0032】
スイッチ5fは、走行制御部5a2、物品判別制御処理部5d及び総括制御部5eと接続されており、これらを選択して通信モジュール5gと接続させる。つまり、スイッチ5fは、走行制御部5a2が通信モジュール5gと接続されている場合には、物品判別制御処理部5d及び総括制御部5eと通信モジュール5gとを切り離す。また、スイッチ5fは、物品判別制御処理部5dが通信モジュール5gと接続されている場合には、走行制御部5a2及び総括制御部5eと通信モジュール5gとを切り離す。また、スイッチ5fは、総括制御部5eが通信モジュール5gと接続されている場合には、走行制御部5a2及び物品判別制御処理部5dと通信モジュール5gとを切り離す。通信モジュール5gは、地上制御部4cと通信を行うための伝送モジュールであり、地上システム4の第2通信モジュール4eと無線接続されている。
【0033】
コンテナ台車6は、図1に示すように、台車部6aと、移載コンベア6b(移載装置)とを備えている。また、コンテナ台車6は、図2に示すように、コンテナ台車制御部6cと、通信モジュール6dとを備えている。
【0034】
台車部6aは、移載コンベア6bが搭載されると共にレール2に沿って走行可能とされており、図2に示すように、走行機構6a1を有している。走行機構6a1は、台車部6aを走行可能とする機構であり、不図示の車輪や駆動モータを備えている。このような台車部6aは、ロボット台車5と分離した状態でレール2に沿って走行可能とされている。
【0035】
移載コンベア6bは、地上システム4の上流側コンベア4a及び下流側コンベア4bと略同一の高さとなるように、台車部6aに対して搭載されたローラコンベアである。なお、移載コンベア6bは、ローラコンベアではなく、ベルトコンベアとすることも可能である。このような移載コンベア6bは、地上システム4の上流側コンベア4aによって図1に示すコンテナ移載領域Rまで搬送されてきた空のコンテナYを受け取り、物品が収容されたコンテナYをコンテナ移載領域Rから下流側コンベア4bに受け渡す。
【0036】
このように、本実施形態においてコンテナ台車6は、コンテナYの移載を行う移載コンベア6bを備えることにより、コンテナYを移載コンベア6b上に載置可能な構成とされている。さらに、コンテナ台車6は、コンテナYが載置された状態にて、ロボット台車5と分離してレール2上を走行可能とされている。
【0037】
コンテナ台車制御部6cは、台車部6aの走行機構6a1及び移載コンベア6bの制御を行うプログラマブルコントローラであり、通信モジュール6dを通じて入力される地上制御部4cから指令に基づいて走行機構6a1及び移載コンベア6bを制御する。通信モジュール6dは、地上制御部4cと通信を行うための伝送モジュールであり、地上システム4の第3通信モジュール4fと無線接続されている。
【0038】
続いて、図3図9を参照して、本実施形態のピッキング設備1の動作について説明する。図3は、地上制御部4cの動作を説明するためのフローチャートである。図4は、ロボット台車5の総括制御部5eの動作を説明するためのフローチャートである。図5は、ロボット台車5の走行制御部5a2の動作を説明するためのフローチャートである。図6は、ロボット台車5の物品判別制御処理部5dの動作を説明するためのフローチャートである。図7は、コンテナ台車制御部6cの動作を説明するためのフローチャートである。また、図8及び図9は、ロボット台車5とコンテナ台車6との動作を説明するための模式図である。
【0039】
図3に示すように、地上制御部4cは、上位システムから第1通信モジュール4dを通じて入力される指令に基づいて、ロボット台車5の総括制御部5eにピッキング情報を送信する(ステップS1a)。また、地上制御部4cは、コンテナ台車6のコンテナ台車制御部6cにピッキング情報を送信する(ステップS1b)。なお、ここでのピッキング情報とは、ピッキング作業の開始を示す信号、ピッキングする物品が収容されたケースXのアドレス、ピッキングする物品の数等を含む情報である。
【0040】
続いて、地上制御部4cは、コンテナ台車6からコンテナ移載領域Rへの移動が完了し、コンテナYを移載可能である旨の信号を受信するまで待機する(ステップS1c)。地上制御部4cは、後述のステップS5cによってコンテナ台車6からコンテナYを移載可能である旨の信号を受信すると、コンテナ台車6に対してコンテナYの移載を開始する指示を送信する(ステップS1d)。また、地上制御部4cは、コンベア駆動処理を行う(ステップS1e)。このコンベア駆動処理では、地上制御部4cは、上流側コンベア4aを駆動し、上流側コンベア4aに空のコンテナYをコンテナ移載領域Rまで搬送させる。
【0041】
続いて、地上制御部4cは、コンテナ台車6からコンテナYの移載が完了した旨の信号を受信するまで待機する(ステップS1f)。地上制御部4cは、後述のステップS5fによってコンテナ台車6からコンテナYの移載が完了した旨の信号を受信すると、コンテナ台車6に対してロボット台車5の横へ移動する旨の指示を送信する(ステップS1g)。続いて、地上制御部4cは、コンテナ台車6からロボット台車5の横へ移動した旨の信号を受信するまで待機し(ステップS1h)し、さらにロボット台車5から対象のケースXに収容された物品のピッキング作業が完了した旨の信号を受信するまで待機する(ステップS1i)。
【0042】
地上制御部4cは、後述のステップS5iによってコンテナ台車6からロボット台車5の横へ移動した旨の信号を受信し、後述のステップS2hによってロボット台車5から対象のケースXに収容された物品のピッキング作業が完了した旨の信号を受信すると、コンテナ台車6に対して同期運転の指示を送信する(ステップS1j)。なお、ここでの同期運転とは、ロボット台車5と同期して常にロボット台車5に伴走する運転を行うことを意味する。その後、地上制御部4cは、後述するステップS5mによってコンテナ台車6から同期運転中である旨の信号を受信するまで待機(ステップS1k)する。また、地上制御部4cは、コンテナ台車6から同期運転中である旨の信号を受信すると、その他の物品をピッキングするための情報を含むプレイス指示をロボット台車5に送信する(ステップS1m)。その後、地上制御部4cは、ロボット台車5からプレイス作業が完了した旨の信号を受信するまで待機する(ステップS1n)。
【0043】
後述のステップS2mによってロボット台車5からプレイス作業が完了した旨の信号を受信すると、地上制御部4cは、コンテナ台車6に対してコンテナ移載領域Rまで移動する旨の指示を送信する(ステップS1p)。そして、コンテナ台車6からコンテナYの移載を行う準備ができた旨の信号を受信するまで待機する(ステップS1q)。そして、地上制御部4cは、後述のステップS5qによってコンテナ台車6からコンテナYを移載可能である旨の信号を受信すると、コンテナ台車6に対してコンテナYの移載を開始する指示を送信する(ステップS1r)。また、地上制御部4cは、コンベア駆動処理を行う(ステップS1s)。このコンベア駆動処理では、地上制御部4cは、下流側コンベア4bを駆動し、下流側コンベア4bに物品が収容されたコンテナYをコンテナ移載領域Rから外部の所定箇所まで搬送させる。
【0044】
続いて、地上制御部4cは、コンテナ台車6から移載が完了した旨の信号を受信するまで待機する(ステップS1t)。地上制御部4cは、後述のステップS5tによってコンテナ台車6から移載が完了した旨の信号を受信すると、上述のステップS1cに戻る。
【0045】
図4に示すように、総括制御部5eは、上述のステップS1aで地上制御部4cから送信されるピッキング情報を含む指令を受信するまで待機する(ステップS2a)。総括制御部5eは、ピッキング情報を含む指令を受信すると、指令に基づいて走行制御部5a2に移動指令を送信する(ステップS2b)。この移動指令には、ロボット台車5がピッキングする物品を収容したケースXのアドレスを含んでいる。
【0046】
続いて、総括制御部5eは、走行制御部5a2からピッキングが可能な状態になった旨を示す信号を受信するまで待機する(ステップS2c)。そして、総括制御部5eは、後述のステップS3cによって走行制御部5a2からピッキングが可能な状態になった旨を示す信号を受信すると、物品判別カメラ5cが物品を認識可能な位置となるように、認識位置移動処理を行う(ステップS2d)。ここでは、総括制御部5eは、ロボット制御部5b2にロボット本体部5b1を駆動させることによって、物品判別カメラ5cを物品が認識可能な位置に移動させる。そして、総括制御部5eは、認識位置処理が完了すると、物品判別制御処理部5dに物品の認識を開始する旨の指示を出す(ステップS2e)。その後、総括制御部5eは、物品判別制御処理部5dから物品の認識が完了した旨の信号を受信するまで待機する(ステップS2f)。
【0047】
総括制御部5eは、後述のステップS4cによって物品判別制御処理部5dから物品の認識が完了した旨の信号を受信すると、ピッキング処理を行う(ステップS2g)。ここでは、総括制御部5eは、物品判別制御処理部5dで取得された情報に基づいて、ロボット制御部5b2にロボット本体部5b1を制御させ、さらにはピッキング機構5b3を制御することによって、ケースXに収容された物品をコンテナYに移動する。そして、総括制御部5eは、ピッキング処理が完了すると、地上システム4の地上制御部4cに向けてピッキング処理が完了した旨の信号を送信する(ステップS2h)。
【0048】
続いて、総括制御部5eは、上述のステップS1mで地上制御部4cから送信されるプレイス指示を含む指令が受信されるまで待機する(ステップS2i)。総括制御部5eは、地上制御部4cからプレイス指示が含まれた指令を受信すると、プレイスを開始する(ステップS2j)と共に、走行許可を走行制御部5a2に出す(ステップS2k)。そして、総括制御部5eは、プレイスが完了すると、その旨を示す信号を地上制御部4cに向けて送信する(ステップS2m)。総括制御部5eは、プレイスが完了した旨を示す信号の送信が完了すると、上述のステップS2cに戻る。
【0049】
図5に示すように、走行制御部5a2は、上述のステップS2bで総括制御部5eから送信される移動指令を受信するまで待機する(ステップS3a)。走行制御部5a2は、総括制御部5eから送信される移動指令を受信すると、ロボット台車5の移動処理を行う(ステップS3b)。ここでは、走行制御部5a2は、総括制御部5eから入力された移動指令に基づいて走行機構5a1を制御することによって、ピッキングする物品が収容されたケースXの近くまでロボット台車5を移動する。ロボット台車5の移動が完了すると、走行制御部5a2は、移動が完了してピッキングが可能となった旨を示す信号を総括制御部5eに向けて送信する(ステップS3c)。
【0050】
続いて、走行制御部5a2は、上述のステップS2kで総括制御部5eから送信される移動指令を受信するまで待機する(ステップS3d)。走行制御部5a2は、総括制御部5eから送信される移動指令を受信すると、ロボット台車5の移動処理を行う(ステップS3e)。走行制御部5a2は、総括制御部5eから入力された移動指令に基づいて走行機構5a1を制御することによって、次にピッキングする物品が収容されたケースXの近くまでロボット台車5を移動する。ロボット台車5の移動が完了すると、走行制御部5a2は、上述のステップS3cに戻る。
【0051】
図6に示すように、物品判別制御処理部5dは、上述のステップS2eで総括制御部5eから送信される認識開始指示を受信するまで待機する(ステップS4a)。物品判別制御処理部5dは、総括制御部5eから送信される認識開始指示を受信すると、認識処理を行う(ステップS4b)。ここでは、物品判別制御処理部5dは、物品判別カメラ5cにケースXに収容された物品を撮像させ、その撮像データから物品の種類や姿勢を判別する。そして、物品判別制御処理部5dは、認識処理が完了すると、その旨を示す信号を総括制御部5eに向けて送信する(ステップS4c)。その後、物品判別制御処理部5dは、ステップS4aに戻る。
【0052】
図7に示すように、コンテナ台車制御部6cは、上述のステップS1bで地上制御部4cから送信されるピッキング情報を含む指令を受信するまで待機する(ステップS5a)。コンテナ台車制御部6cは、ピッキング情報を含む指令を受信すると、指令に基づいて台車移動処理を行う(ステップS5b)。この台車移動処理では、コンテナ台車制御部6cは、地上制御部4cから入力された指令に基づいて走行機構6a1を制御することによって、図8(a)に示すようにコンテナ台車6をロボット台車5と分離してコンテナ移載領域Rまで移動する。
【0053】
コンテナ台車制御部6cは、コンテナ移載領域Rまで移動すると、コンテナYを移載可能である旨の信号を地上制御部4cに向けて送信する(ステップS5c)。そして、コンテナ台車制御部6cは、上述のステップS1dで地上制御部4cから送信されるコンテナ移載指示を受信するまで待機する(ステップS5d)。コンテナ移載指示を受信すると、コンテナ台車制御部6cは、コンベア駆動処理を行う(ステップS5e)。ここでは、コンテナ台車制御部6cは、移載コンベア6bを駆動し、地上制御部4cの制御の下に上流側コンベア4aにてコンテナ移載領域Rまで搬送されてきた空のコンテナYを移載コンベア6b側に受け取る。
【0054】
続いて、コンテナ台車制御部6cは、コンテナYの移載が完了すると、その旨を示す信号を地上制御部4cに向けて送信する(ステップS5i)。そして、コンテナ台車制御部6cは、上述のステップS1gで地上制御部4cから送信されるロボット台車5の横への移動指示を受信するまで待機する(ステップS5j)。ロボット台車5の横への移動指示を受信すると、コンテナ台車制御部6cは、図8(b)に示すようにコンテナ台車6をロボット台車5と同期して走行させる(ステップS5k)。さらに、コンテナ台車制御部6cは、ロボット台車5と同期して走行していることを示す信号を地上制御部4cに向けて送信する(ステップS5m)。
【0055】
続いて、コンテナ台車制御部6cは、上述のステップS1pで地上制御部4cから送信されるコンテナ台車移動指示を受信するまでロボット台車5との同期運転を継続する(ステップS5n)。そして、コンテナ台車制御部6cは、地上制御部4cから送信されるコンテナ台車移動指示を受信すると、台車移動処理を行う(ステップS5p)。この台車移動処理では、コンテナ台車制御部6cは、地上制御部4cから入力された指令に基づいて走行機構6a1を制御することによって、図9(a)に示すようにコンテナ台車6をロボット台車5と分離してコンテナ移載領域Rまで移動する。
【0056】
コンテナ台車制御部6cは、コンテナ移載領域Rまで移動すると、コンテナYを移載可能である旨の信号を地上制御部4cに向けて送信する(ステップS5q)。そして、コンテナ台車制御部6cは、上述のステップS1rで地上制御部4cから送信されるコンテナ移載指示を受信するまで待機する(ステップS5r)。コンテナ移載指示を受信すると、コンテナ台車制御部6cは、コンベア駆動処理を行う(ステップS5s)。ここでは、コンテナ台車制御部6cは、移載コンベア6bを駆動し、図9(b)に示すように、下流側コンベア4bにコンテナ移載領域Rから物品が収容されたコンテナYを受け渡す。そして、コンテナ台車制御部6cは、コンテナYの移載が完了すると、その旨を示す信号を地上制御部4cに向けて送信し(ステップS5t)、ステップS5cに戻る。
【0057】
本実施形態のピッキング設備1においては、ピッキングロボット5bが搭載されるロボット台車5と分離して走行可能なコンテナ台車6を備えている。このため、コンテナ台車6に対してコンテナYの受渡しを行う作業と、ロボット台車5による作業とを並行して行うことができる。したがって、本実施形態のピッキング設備1によれば、1つのコンテナYに対する物品の積み込み作業期間を短縮することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態のピッキング設備1においては、ロボット台車5に設置されると共にケースXに収容された物品を認識する認識部として物品判別カメラ5cと物品判別制御処理部5dを備えており、物品の認識中にコンテナ台車6をロボット台車5と分離して走行させることでコンテナYを移動させるコンテナ台車制御部6cを備えている。このため、本ン実施形態のピッキング設備1によれば、画像処理を伴うことから処理に時間を要する物品の認識中に、コンテナYの移動が規制されない。したがって、1つのコンテナYに対する物品の積み込み作業期間をより短縮することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態のピッキング設備1においては、コンテナ台車6が、コンテナYの移載を行う移載装置として機能する移載コンベア6bを備えている。このため、コンテナ台車6と別に移載装置を設置する必要がなく、ピッキング設備1の全体構成を簡素化することが可能となる。
【0060】
なお、ピッキングロボット5bが複数のケースXから物品をコンテナYに移載する間、コンテナ台車6がロボット台車5と同期して移動される。このような構成を採用することによって、ピッキングロボット5bで取り上げた物品を素早くコンテナYに収容することができ、ピッキングロボット5bの待機時間を減少させることができる。
【0061】
また、本実施形態のピッキング設備1においては、ケースXが載置されるフローラック3と、フローラック3に沿って敷設されるレール2とを備えており、ロボット台車5及びコンテナ台車6が同一のレール2に沿って走行可能とされている。このため、コンテナ台車6をレール2に沿って移動させることで容易かつ短時間でロボット台車5の横まで移動させることが可能となる。
【0062】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0063】
例えば、上記実施形態においては、1つのロボット台車5に対して1つのコンテナ台車6が設けられた構成を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、1つのロボット台車5の両側にコンテナ台車6を配置する構成を採用しても良い。このような場合には、例えば、コンテナ移載領域Rを、コンテナ台車6を挟んで両側に設けるようにすることが好ましい。
【0064】
また、上記実施形態においては、レール2に沿ってロボット台車5及びコンテナ台車6が走行する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、レールが敷設されていない床面上を走行する自動走行台車をロボット台車及びコンテナ台車として用いても良い。
【0065】
また、上記実施形態においては、コンテナ台車6に移載コンベア6bを備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、コンテナYの移載を行う移載装置をコンテナ台車6と別体で設ける構成を採用することも可能である。
【0066】
また、上記実施形態においては、物品収容体としてケースXを用いる構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、物品収容体としてパレット等を用いても良い。
【0067】
また、上記実施形態のピッキング設備1においては、ロボット台車5とコンテナ台車6とが同一のレール2を走行する構成を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。図10は、上記実施形態のピッキング設備1の変形例の概略構成を模式的に示した平面図である。この図に示すように、レール2をロボット台車5のみが走行する第1レールとし、コンテナ台車6のみが走行する第2レール7を敷設しても良い。このような場合には、フローラック3をレール2の片側のみに配置すると共に、レール2に平行かつレール2のフローラック3と反対側に第2レール7を敷設する。また、第2レール7に沿って上流側コンベア4a及び下流側コンベア4bを配置する。このような構成を採用することによって、ロボット台車5とコンテナ台車6とが干渉することがないため、ロボット台車5とコンテナ台車6の移動をより自由に行うことができる。
【0068】
続いて、図11図13を参照して、本発明の第2実施形態であり、物品判別カメラ5cに換えてカメラ台車7(認識部台車)を備えたピッキング設備1Aについて説明する。なお、本第2実施形態において、上記実施形態と同様の部分については、その説明を省略する。
【0069】
図11は、本実施形態のピッキング設備1Aの概略構成を模式的に示す平面図である。この図に示すように、本実施形態のピッキング設備1Aは、カメラ台車7と、カメラ台車7を案内するレール8とを備えている。なお、図11に示すように、本実施形態のピッキング設備1Aは、カメラ台車7とレール8との対を2つ備えている。
【0070】
カメラ台車7は、ロボット台車5の上方に敷設されたレール8によって、フローラック3に沿って走行可能とされている。図12は、本発明の第2実施形態におけるピッキング設備1Aの概略構成を示す機能ブロック図である。この図に示すように、カメラ台車7は、台車部7aと、物品判別カメラ7bと、物品判別制御処理部7cと、カメラ台車制御部7dと、通信モジュール7eとを備えている。なお、図12においては、カメラ台車7を1つのみ図示しているが、本実施形態のピッキング設備1Aにおいては、同一構成のカメラ台車7がもう1つ設けられている。
【0071】
台車部7aは、レール8に沿って走行可能とされており、図12に示すように、走行機構7a1を有している。走行機構7a1は、台車部7aを走行可能とする機構であり、不図示の車輪や駆動モータを備えている。このような台車部7aは、ロボット台車5と別に設けられており、ロボット台車5が走行するレール2と異なるレール8に沿って走行可能とされている。
【0072】
物品判別カメラ7bは、台車部7aに対して下方に向けて設けられている。この物品判別カメラ7bは、物品判別制御処理部7cの制御の下にケースXの内部を撮像し、ケースXに収容された物品の種類や姿勢等の情報を含む画像データを取得する。また、物品判別カメラ7bは、撮像することで取得した画像データを物品判別制御処理部7cに向けて出力する。物品判別制御処理部7cは、物品判別カメラ7bから入力される画像データに基づいて、ケースXに収容された物品の種類や物品の姿勢を判別し、判別した結果を、通信モジュール7eを介して地上制御部4cに向けて出力する。これらの物品判別カメラ7b及び物品判別制御処理部7cは、ケースXに収容された物品を認識する認識部として機能する。
【0073】
カメラ台車制御部7dは、通信モジュール7eと接続されており、地上制御部4cから入力される指令と、物品判別制御処理部5dから入力される判別結果とに基づいて、台車部7aの動作指令を生成するプログラマブルコントローラである。通信モジュール7eは、地上制御部4cと通信を行うための伝送モジュールであり、地上システム4の第4通信モジュール4gと無線接続されている。
【0074】
図13は、本実施形態のピッキング設備1Aの動作を説明するためのフローチャートである。この図に示すように、本実施形態のピッキング設備1Aでは、地上制御部4cの制御の下に、ステップS2dの認識位置移動処理とステップS2eの認識開始指示が、ステップS2bの台車移動指令及びステップS2cの走行制御部5a2からピッキングが可能な状態になった旨を示す信号を受信するまで待機処理と並行して行われる。
【0075】
このような本実施形態のピッキング設備1Aによれば、ケースXに収容された物品を認識する物品判別カメラ7bが、ロボット台車5と別に走行可能なカメラ台車7に搭載されている。このため、物品判別カメラ7bでの撮像を待たずにロボット台車5を移動させることが可能となる。
【0076】
さらに、物品判別カメラ7bでの撮像中にコンテナ台車6を移動させることによって、物品の状態の識別と、ロボット本体部5b1の動作と、コンテナ台車6の移動とを並行して行うことができ、よりピッキング処理の時間を短くすることが可能となる。
【0077】
また、本実施形態のピッキング設備1Aにおいては、カメラ台車7がロボット台車5の上方にて走行可能に吊下げ支持されている。このため、カメラ台車7をロボット台車5と干渉することなく移動させることが可能となっている。
【0078】
なお、本実施形態のピッキング設備1Aにおいて、物品判別カメラ5cに換えてあるいは物品判別カメラ5cと共に、レーザ計測器等を設置し、レーザ計測器等の計測結果に基づいて、物品までの距離、物品の形状、物品の姿勢等を取得するようにしても良い。
【0079】
また、本実施形態のピッキング設備1Aにおいて、カメラ台車7を吊下げ支持せずに、地面に敷設したレール上を走行可能とする構成を採用することも可能である。このような構成を採用する場合には、レール8をレール2と並行に敷設し、ケースXの上方から撮像可能なように物品判別カメラ7bを配置することが考えられる。
【符号の説明】
【0080】
1……ピッキング設備、2……レール、3……フローラック(ラック)、4……地上システム、4a……上流側コンベア、4b……下流側コンベア、4c……地上制御部、4d……第1通信モジュール、4e……第2通信モジュール、4f……第3通信モジュール、5……ロボット台車、5a……台車部、5a1……走行機構、5a2……走行制御部、5b……ピッキングロボット、5b1……ロボット本体部、5b2……ロボット制御部、5b3……ピッキング機構、5c……物品判別カメラ、5d……物品判別制御処理部、5e……総括制御部、5f……スイッチ、5g……通信モジュール、6……コンテナ台車、6a……台車部、6a1……走行機構、6b……移載コンベア(移載装置)、6c……コンテナ台車制御部、6d……通信モジュール、7……ロボット台車、7a……台車部、7a1……走行機構、7b……物品判別カメラ、7c……物品判別制御処理部、7d……カメラ台車制御部、R……コンテナ移載領域、X……ケース(物品収容体)、Y……コンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13