(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-13
(45)【発行日】2022-07-22
(54)【発明の名称】熱硬化サイクル中に温度をエミュレートするための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G01K 1/18 20060101AFI20220714BHJP
G01N 25/18 20060101ALI20220714BHJP
B29C 35/02 20060101ALI20220714BHJP
G01K 7/00 20060101ALI20220714BHJP
【FI】
G01K1/18
G01N25/18 L
B29C35/02
G01K7/00 381Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018081935
(22)【出願日】2018-04-23
【審査請求日】2021-04-21
(32)【優先日】2017-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】グリフィス, ジョン エム.
(72)【発明者】
【氏名】バイブル, ジョージ イー.
(72)【発明者】
【氏名】シェチャック, スティーヴン エム.
(72)【発明者】
【氏名】プラマー, スティーヴン ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】トレラ, ライアン エム.
(72)【発明者】
【氏名】バイイントン, ロナルド ジェー.
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-146189(JP,A)
【文献】特開昭63-117249(JP,A)
【文献】特開2012-000941(JP,A)
【文献】特開2004-082644(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0253202(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0146855(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/18, 3/14
G01K 13/10
G01N 25/18
B29C 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置(100)であって、
エンクロージャアセンブリ‐先端端部(132)及び反対側のエンクロージャアセンブリ‐ラギング端部(134)を備えたエンクロージャアセンブリ(102)、並びに
前記エンクロージャアセンブリの内部で取り付けられ、前記エンクロージャアセンブリ‐先端端部の近傍に位置する温度エミュレーションアセンブリ‐先端端部(142)、及び前記エンクロージャアセンブリ‐ラギング端部から離間された温度エミュレーションアセンブリ‐ラギング端部(144)を備えた温度エミュレーションアセンブリ(104)
を備え、前記エンクロージャアセンブリが、前記温度エミュレーションアセンブリを熱的に隔離し、且つ
前記エンクロージャアセンブリが、前記エンクロージャアセンブリ‐先端端部を通してのみ前記温度エミュレーションアセンブリへの伝導性熱伝達を許容
し、
前記装置が、熱硬化サイクル中の複合構造物の熱応答をエミュレートする、
装置(100)。
【請求項2】
前記エンクロージャアセンブリが、エンクロージャ‐先端端部及びエンクロージャ‐ラギング端部を備えたエンクロージャを備え、
前記温度エミュレーションアセンブリが、前記エンクロージャの内部でスタック(148)に配置された複数の熱伝導性プレート(146)を備え、
前記スタックが、前記エンクロージャ‐先端端部の近傍に位置付けされたスタック‐先端端部、及び前記エンクロージャ‐ラギング端部から離間されたスタック‐ラギング端部を備え、且つ
前記複数の熱伝導性プレートのうちの少なくとも1つが、前記複数の熱伝導性プレートのうちの前記少なくとも1つの温度を測定するために、少なくとも1つの温度センサと接続するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記エンクロージャが、前記エンクロージャ‐先端端部を通ることを除いて、あらゆる伝導性熱伝達経路に沿った前記スタックへの伝導性熱伝達を抑制し、
前記エンクロージャが、あらゆる対流熱伝達経路に沿った前記スタックへの対流熱伝達を抑制し、
前記エンクロージャが、あらゆる放射熱伝達経路に沿った前記スタックへの放射熱伝達を抑制し、且つ
前記スタック‐先端端部から前記スタック‐ラギング端部へと、前記複数の熱伝導性プレートを通して熱が伝導的に伝達される、請求項
2に記載の装置。
【請求項4】
前記エンクロージャが、外側エンクロージャ‐先端端部(108)及び外側エンクロージャ‐ラギング端部(110)を備えた外側エンクロージャ(106)であり、
前記エンクロージャアセンブリが、前記外側エンクロージャの内部に取り付けられ、前記外側エンクロージャ‐先端端部の近傍に位置付けされた内側エンクロージャ‐先端端部(122)、及び前記外側エンクロージャ‐ラギング端部から離間された内側エンクロージャ‐ラギング端部(124)を備えた内側エンクロージャ(120)をさらに備え、且つ
前記スタックは、前記スタック‐先端端部が前記外側エンクロージャ‐先端端部の近傍に位置付けされ、前記スタック‐ラギング端部が前記内側エンクロージャ‐ラギング端部から離間された状態で、前記内側エンクロージャの内部に取り付けられている、請求項
3に記載の装置。
【請求項5】
前記エンクロージャが、前記エンクロージャ先端端部において先端端部面プレート(116)をさらに備え、
前記スタック‐先端端部における前記複数の熱伝導性プレートのうちの1つが、前記先端端部面プレートと接触しており、且つ
前記先端端部面プレートを通して、前記複数の熱伝導性プレートのうちの前記1つへと熱が伝導的に伝達されるように、前記先端端部面プレートが、許容される伝導性熱伝達経路を画定する、請求項
3に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の熱伝導性プレートのうちの少なくとも2つの温度を測定するために、前記複数の熱伝導性プレートのうちの前記少なくとも2つに熱的に連結された温度センサ(162)、及び
前記エンクロージャを囲む加熱された気体の温度を測定するために、前記エンクロージャの外部に位置付けされた少なくとも1つの気体温度センサ(164)
をさらに備えている、請求項
3に記載の装置。
【請求項7】
加熱システムを用いて、エンクロージャアセンブリ及び前記エンクロージャアセンブリの内部に位置付けされた温度エミュレーションアセンブリを備えた装置を加熱することと、
前記エンクロージャアセンブリを用いて、前記温度エミュレーションアセンブリを前記加熱システムから熱的に隔離することと、
前記エンクロージャアセンブリのエンクロージャアセンブリ‐先端端部を通してのみ、前記温度エミュレーションアセンブリへの伝導性熱伝達を許容することと、
前記温度エミュレーションアセンブリを用いて、前記装置によってエミュレートされている物品の最高温度及び最低温度を表すことと、
を含む方法。
【請求項8】
加熱サイクル全体にわたって、前記温度エミュレーションアセンブリの2つの位置の温度を測定することであって、前記温度エミュレーションアセンブリの前記2つの位置の測定温度が、前記装置によってエミュレートされている前記物品の前記最高温度及び前記最低温度を表す、2つの位置の温度を測定することと、
前記加熱システムの内部の温度を制御し、前記加熱サイクル中に前記装置によってエミュレートされている前記物品の温度を調節するために、前記測定温度を入力として使用することと
をさらに含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記物品のための熱プロファイルを生成することと、
前記温度エミュレーションアセンブリの熱プロファイルを生成することと、
前記温度エミュレーションアセンブリの前記熱プロファイルの第1の温度を前記物品の前記熱プロファイルの最高温度と合致させることと、
前記温度エミュレーションアセンブリの前記熱プロファイルの第2の温度を前記物品の前記熱プロファイルの最低温度と合致させることと
をさらに含み、
前記温度エミュレーションアセンブリの前記2つの位置が、前記温度エミュレーションアセンブリの前記熱プロファイルの前記第1の温度及び前記第2の温度と対応するように選択される、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記装置を組み立てることをさらに含み、前記装置を組み立てることが、
内側エンクロージャを外側エンクロージャの内部に配置することと、
複数の熱伝導性プレートを前記内側エンクロージャの内部でスタックに配置することと、
前記複数の熱伝導性プレートのうちの1つを前記外側エンクロージャの先端端部面プレートと接触しているスタック‐先端端部において位置付けすることと、
前記外側エンクロージャの外側エンクロージャ‐側壁と前記内側エンクロージャの内側エンクロージャ‐側壁との間に絶縁体を配置することと、
前記外側エンクロージャの外側エンクロージャ‐ラギング端部面プレートと前記内側エンクロージャの内側エンクロージャ‐ラギング端部面プレートとの間に熱バリアを配置することと、
前記内側エンクロージャの前記内側エンクロージャ‐側壁と前記複数の熱伝導性プレートの前記スタックとの間に熱攪乱器を配置することと
を含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項11】
前記物品の熱モデルのための仮想熱プロファイルを生成することと、
前記温度エミュレーションアセンブリの熱モデルのための仮想熱プロファイルを生成することと、
前記温度エミュレーションアセンブリの前記熱モデルのための前記仮想熱プロファイルを前記物品の前記熱モデルのための前記仮想熱プロファイルと比較することと、
前記温度エミュレーションアセンブリの前記熱モデルのための前記仮想熱プロファイルが、前記物品の前記熱モデルのための前記仮想熱プロファイルに合致しない場合、前記温度エミュレーションアセンブリを再構成することと
をさらに含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項12】
前記エンクロージャアセンブリのエンクロージャアセンブリ‐先端端部を通ることを除いて、あらゆる伝導性熱伝達経路に沿った前記温度エミュレーションアセンブリへの前記伝導性熱伝達を抑制することをさらに含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項13】
あらゆる対流熱伝達経路に沿った前記温度エミュレーションアセンブリへの対流熱伝達を抑制することをさらに含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項14】
前記温度エミュレーションアセンブリを通して、前記エンクロージャアセンブリ‐先端端部の近傍に位置付けされた温度エミュレーションアセンブリ‐先端端部から温度エミュレーションアセンブリ‐ラギング端部へと熱を伝導的に伝達することをさらに含む、請求項
7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、複合構造物の製造に関し、より具体的には、複合構造物の温度をエミュレートし、且つ/又は熱硬化サイクル全体にわたってツールを形成するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複合材の熱硬化とは、例えば、オートクレーブ又はオーブンを使用して、熱、及び任意選択的に圧力を加えることによりもたらされるポリマー鎖の架橋結合によって、複合材のポリマーマトリックス材料を強化又は固化することを指す。熱硬化工程の主要な目標のうちの1つは、特定の化学反応を開始且つ維持することにより、熱硬化性ポリマーマトリックス材料(例えば、樹脂)を完全に硬化することである。
【0003】
典型的に、複合構造物は、特定の所定時間及び温度目標を達成したときに、完全な硬化が実現すると推定されている。これらの目標を達成するためには、様々な処理パラメータ(例えば、オートクレーブ又はオーブンの内部の時間と温度)が厳格に制御される。この制御処理には、熱硬化サイクル全体にわたって、複合構造物、及び任意選択的に複合材形成ツールの極高低温(例えば、最高温度及び最低温度)を正確に測定することが必要とされる。熱硬化サイクル中にオートクレーブ又はオーブンの内部の気体温度を正確に測定することも有益であり得る。
【0004】
熱硬化サイクル全体にわたって、複合構造物及び/又は形成ツールの最も冷たい領域及び最も熱い領域を測定するために、通常、複合構造物及び/又は形成ツールに適用された温度センサ(例えば、熱電対)を用いて温度測定値が決定される。一例として、複合構造物の熱応答を表す複合構造物の種々の位置の温度を測定するために、幾つかの温度センサを複合構造物内部に配置してもよい。別の例として、複合構造物の熱応答に相関する形成ツールの種々の位置の温度を測定するために、幾つかの温度センサを形成ツールの表面に配置して、乾燥状態の繊維ガラス又はエラストマー材料の少なくとも1つのプライで覆ってもよい。さらに別の例として、複合構造物の熱応答と相関する熱質量の種々の位置の温度を測定するために、幾つかの温度センサを形成ツールに位置付けされた熱質量内に配置してもよい。
【0005】
従来の熱硬化制御システムは、温度センサに配線接続されており、温度センサからの温度測定入力に基づいて、各熱硬化サイクルにわたって、フィードバックアルゴリズムを用いて熱源をモニター且つ制御する。温度をモニター且つ制御するこの方法には、複合構造物及び/又は形成ツール上の代表的な位置を特定するために、熱プロファイルを計算することが必要とされており、これにはかなりの試行錯誤が行なわれる。熱プロファイルは、極高低温を特徴付け、それらの温度を複合構造物及び/又は形成ツールの最高温度及び最低温度を表す位置に合致させるために使用される。複合構造物及び/又は形成ツールの温度を適切に追跡する位置を正しく特定することに失敗すると、欠陥が生じる場合がある。さらに、温度センサを所定位置に正確に配置することと、製造中の各複合構造物を検査することとは、時間と労力のかかる工程である。
【0006】
この温度モニタリングの方法には、他の様々な欠点もある。一例として、温度センサは、寿命サイクルが限られている(例えば、通常、約5から10熱サイクルの間)。寿命が近付くと、温度センサを交換するためにツールを製造工程から取り出さなくてはならない。温度センサの位置に応じて、この工程が困難となり、時間がかかる恐れがある。別の例として、温度センサは、寿命の直前に連結が外れることがあるが、これもツールの稼働を止めて温度センサを交換することを必要とする。別の例として、熱硬化サイクル中に温度センサを覆っている繊維ガラス又はエラストマーのプライが外れる恐れがあり、これもツールの稼働を止めて温度センサを交換することを必要とする。別の例として、複合構造物のトリムに配置された温度センサは、熱サイクル中に欠陥が生じる可能性を増大させる場合がある。熱質量内に配置された温度センサは、例えば、複合構造物及び/又は形成ツールの形状及び/又は材料、並びにオートクレーブ又はオーブンの内部の気体の速度及び方向に起因して、用途が限られる場合がある。
【0007】
したがって、当業者は、複合材製造の分野において研究開発の努力を継続している。
【発明の概要】
【0008】
一実施例では、開示された装置は、エンクロージャアセンブリ‐先端端部及び反対側のエンクロージャアセンブリ‐ラギング端部を含むエンクロージャアセンブリ、並びにエンクロージャアセンブリの内部で取り付けられ、エンクロージャアセンブリ‐先端端部の近傍に位置する温度エミュレーションアセンブリ‐先端端部、及びエンクロージャアセンブリ‐ラギング端部から離間された温度エミュレーションアセンブリ‐ラギング端部を含む温度エミュレーションアセンブリを含む。エンクロージャアセンブリは、温度エミュレーションアセンブリを熱的に隔離する。エンクロージャアセンブリは、エンクロージャアセンブリ‐先端端部を通してのみ、温度エミュレーションアセンブリへの伝導性熱伝達を許容する。
【0009】
一実施例では、熱伝達を制御するための開示された方法は、(1)エンクロージャアセンブリ及びエンクロージャアセンブリの内部に位置付けされた温度エミュレーションアセンブリを含む装置を加熱するステップ、(2)装置のエンクロージャアセンブリ‐先端端部を通した温度エミュレーションアセンブリへの伝導性熱伝達を許容するステップ、(3)装置のエンクロージャアセンブリ‐先端端部を通ることを除いて、あらゆる伝導性熱伝達経路に沿った温度エミュレーションアセンブリへの伝導性熱伝達を抑制するステップ、(4)あらゆる対流熱伝達経路に沿った温度エミュレーションアセンブリへの対流熱伝達を抑制するステップ、並びに(5)あらゆる放射熱伝達経路に沿った温度エミュレーションアセンブリへの放射熱伝達を抑制するステップを含む。
【0010】
一実施例では、物品をエミュレートする開示された方法は、(1)加熱システムを用いて、エンクロージャアセンブリ及びエンクロージャアセンブリの内部に位置付けされた温度エミュレーションアセンブリを含む装置を加熱するステップ、(2)エンクロージャアセンブリを用いて、温度エミュレーションアセンブリを加熱システムから熱的に隔離するステップ、(3)エンクロージャアセンブリのエンクロージャアセンブリ‐先端端部を通してのみ、温度エミュレーションアセンブリへの伝導性熱伝達を許容するステップ、並びに(4)温度エミュレーションアセンブリを用いて、装置によってエミュレートされている物品の最高温度及び最低温度を表すステップを含む。
【0011】
開示されている装置や方法の他の実施例は、以下の詳細な説明、添付の図面、及び添付の特許請求の範囲により、明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】温度をエミュレートするための開示された装置の実施例の概略斜視図である。
【
図2】開示された装置の別の実施例の、部分的長手方向断面での概略側方断面図である。
【
図3】開示された装置の別の実施例の、部分的長手方向断面での概略側方断面図である。
【
図4】開示された装置の別の実施例の、部分的長手方向断面での部分的側方断面図である。
【
図5】開示された装置の別の実施例の、部分的長手方向断面での概略側方断面図である。
【
図6】開示された装置の別の実施例の、部分的長手方向断面での概略側方断面図である。
【
図7】開示された装置のヒートシンクの実施例の概略側方斜視図である。
【
図8】開示された装置のヒートシンクの別の実施例の概略側方斜視図である。
【
図9】開示された装置の別の実施例の、部分的短手方向断面での概略的端面図である。
【
図10】開示された装置の別の実施例の、部分的短手方向断面での概略的端面図である。
【
図11】開示された装置の別の実施例の、部分的短手方向断面での概略的端面図である。
【
図12】開示された装置の熱伝導性プレートの実施例の概略平面図である。
【
図13】開示された装置の熱伝導性プレートの別の実施例の概略平面図である。
【
図14】開示された装置の別の実施例の、部分的長手方向断面での概略側方断面図である。
【
図15】開示された装置の別の実施例の、部分的短手方向断面での概略的端面図である。
【
図16】物品をエミュレートするための開示された方法の実施例のフロー図である。
【
図17】熱伝達を制御するための開示された方法の実施例のフロー図である。
【
図18】物品をエミュレートするための開示された方法の別の実施例のフロー図である。
【
図20】航空機の製造及び保守方法の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
下記の詳細説明は、添付図面に言及しているが、かかる添付図面は、本開示によって説明されている具体的な実施形態及び/又は実施例を示している。種々の構造及び動作を有する他の実施形態及び/又は実施例も、本開示の範囲から逸脱するわけではない。同様の参照番号は、異なる図面における同じ特徴、要素、又は構成要素を表わす場合がある。
【0014】
主題の例示的且つ非網羅的な実施例が、以下に提供される。これらは、特許請求され得るが、特許請求されないこともあり得る。
【0015】
本開示では、複合構造物(例えば、複合材部品、構成要素等)の熱硬化には、可変的な圧力、並びに未知の気体速度及び気体方向を有する熱硬化システム(例えば、オートクレーブ又はオーブン)の内部で、複合構造物及び/又は複合材形成ツールの極高低温(例えば、最高温度及び最低温度)、並びに任意選択的に気体温度を正確に温度測定し制御することが必要であることが認識され、考慮されている。これらの温度測定値は、許容可能な硬化要件が満たされるように熱硬化システムの熱源の制御のための入力として使用される。
【0016】
本開示では、温度測定値をとる際には、多くの変数を考慮しなければならないことがさらに認識され、考慮されている。一例として、温度測定は、様々な寸法(例えば、約1in2未満(6.5cm2)の範囲から約1500ft2(140m2)を上回る範囲)を有する複合構造物に対して行うことができる。別の例として、温度測定値は、様々な材料(例えば、アルミニウム、鋼、ニッケル、ニッケル鉄合金(例えば、インバー)、ポリマーマトリクス複合材、発泡体、及び熱可塑性材料などの金属)から作られた複合構造物のための形成ツールに対して行うことができる。別の例として、温度測定は、熱硬化システム内部の様々な気体特性、例えば、約3psi(21kPa)未満から約300psi(2068kPa)を越える気体圧力、約1ft/s(0.3m/s)未満から約200mph(89m/s)を越える気体流速、種々の気体流方向(直接衝突、表面上の層流、及び遮断された流れなど)の下で行うことができる。
【0017】
本開示では、同じ熱応答を有する複合構造物及び/又は形成ツールは2つ存在せず、同じ熱応答を有する熱硬化システム(例えば、オートクレーブ又はオーブン)は存在せず、同一の熱硬化システム内の種々の位置は、異なる熱応答を有し得るので、熱硬化システムの熱源からの対流及び/又は放射に起因する熱伝達を説明することは困難であり得ることが認識され、考慮されている。
【0018】
したがって、開示されているのは、複合構造物及び/又は形成ツールを改変することなく、熱硬化サイクル中に複合構造物及び/又は形成ツールの温度をエミュレートする(例えば、複合構造物及び/又はツールの最も熱い領域及び最も冷たい領域を表す温度を提供する)ための装置及び方法である。開示された装置及び方法には、任意の寸法を有する複合構造物、任意の材料から作られた形成ツール、並びに任意の動作圧力、任意の気体速度、及び/又は任意の気体方向を有する熱硬化システム(例えば、オートクレーブ又はオーブン)の熱硬化サイクル中に温度をエミュレートするための有益な用途が見いだされるであろう。
【0019】
図1から
図15を参照すると、概して装置100と指定される、温度をエミュレートするための開示された装置の実施例が例示されている。装置100は、エンクロージャアセンブリ102、及びエンクロージャアセンブリ102の内部に配置された温度エミュレーションアセンブリ104を含む。温度エミュレーションアセンブリ104は、エミュレートされた物品が加熱(任意選択的に冷却)された際に、エミュレートされた物品の温度をエミュレートする受動装置(例えば、電子部品又は可動部品を有しない)である。
【0020】
例示的な実装形態では、温度エミュレーションアセンブリ104は、複合構造物及び/又は形成ツール(すなわち、エミュレートされた1つ又は複数の物品)をエミュレートし、温度エミュレーションアセンブリ104からとられた温度測定値は、複合構造物が熱硬化システム(例えば、オートクレーブ又はオーブン)の内部で熱硬化される際の複合構造物及び/又は形成ツールの温度を表す。装置100の温度エミュレーションアセンブリ104について測定された温度は、複合構造物の温度に相関し得、且つ、熱硬化工程全体にわたって複合構造物及び/又は形成ツールを表す温度プロファイル又は熱プロファイルを生成するために用いられ得る。さらに、装置100の温度エミュレーションアセンブリ104について測定された極高低温は、複合構造物の極高低温を表し、熱硬化システムの制御のための入力値として用いられ得る。
【0021】
エンクロージャアセンブリ102は、温度エミュレーションアセンブリ104への熱の伝達を制御するように構成されたフィーチャを含む。一例として、エンクロージャアセンブリ102は、温度エミュレーションアセンブリ104への伝導性熱伝達(伝導)の方向を制御する。別の例として、エンクロージャアセンブリ102は、温度エミュレーションアセンブリ104への伝導性熱伝達率を制御する。別の例として、エンクロージャアセンブリ102は、温度エミュレーションアセンブリ104への対流熱伝達(対流)を制限又は抑制する。さらに別の例として、エンクロージャアセンブリ102は、温度エミュレーションアセンブリ104への放射熱伝達(放射)を制限又は抑制する。
【0022】
熱硬化サイクル中、1つ又は複数の装置100は、対応する複合構造物が熱硬化されている近傍で且つ/又は形成ツールが複合構造物を支持している近傍で、熱硬化システム(例えば、オートクレーブ又はオーブン)の内部に配置され得る。装置100は、対応する複合構造物及び/又は形成ツールと直接接触する必要はない。熱硬化システムのコントローラは、装置100からの温度出力を入力として用いて、所定の熱硬化サイクル全体にわたって、複合構造物及び/又は形成ツールの温度をモニタリングし、熱硬化システムの温度を調節する(例えば、熱硬化システムの熱源を制御する)。
【0023】
図1を参照すると、装置100は、先端(例えば、第1の)端部132(装置先端端部とも呼ばれる)、及び先端端部134と長手方向反対側のラギング(例えば、第2の)端部134(装置ラギング端部とも呼ばれる)を含む。概して、装置100が使用されている間、熱は、装置100の先端端部132で始まる経路に沿って伝導的に伝達され、装置100のラギング端部134に向けて方向付けられる(例えば、先端端部132からラギング端部134へと伝導が方向付けられる)。したがって、本開示を通して、「先端端部」という用語は、伝導性熱伝達が開始して、伝導性熱伝達が方向付けられる端部のことを指す。同様に、本開示を通して、「ラギング端部(lagging end)」という用語は、先端端部の反対側の端部のことを指す。さらに、当業者であれば、使用中の装置100の配向に応じて、先端端部及びラギング端部という用語は、前方端部、後方端部、上方端部、下方端部等を指す場合があることを理解されよう。
【0024】
図2から
図6は、開示された装置100の実施例の概略図である。
図2から
図6では、エンクロージャアセンブリ102の長手方向断面が示されている。
【0025】
一実施例では、エンクロージャアセンブリ102は、外側エンクロージャ106を含む。装置100は、外側エンクロージャ先端(例えば、第1の)端部108(外側エンクロージャ‐先端端部とも呼ばれる)、及び先端端部108と長手方向反対側のラギング(例えば、第2の)端部110(外側エンクロージャ‐ラギング端部とも呼ばれる)を含む。外側エンクロージャ106は、外側容積128を画定する。
【0026】
一実施例では、外側エンクロージャ106は、長手方向断面において矩形(例えば、
図2から
図6)であり、短手方向断面において矩形(例えば、
図9から
図11)である6面体のエンクロージャである。一例として、外側エンクロージャ106は、複数の(例えば、4つの)側壁112(外側エンクロージャ‐側壁とも呼ばれる)を含む。外側エンクロージャ106は、側壁112の先端端部に接続され、且つ外側エンクロージャ106の先端端部108を封入する先端端部面プレート116(外側エンクロージャ‐先端端部面プレートとも呼ばれる)をさらに含む。外側エンクロージャ106は、側壁112のラギング端部に接続され、且つ外側エンクロージャ106のラギング端部110を封入するラギング端部面プレート118(外側エンクロージャ‐ラギング端部面プレートとも呼ばれる)をさらに含む。他の実施例では、外側エンクロージャ106は、限定せずに、他の様々な構造的構成及び/又は幾何学形状(例えば、四角形、円形等)の断面を有し得る。
【0027】
さらに
図2から
図6を参照すると、一実施例では、エンクロージャアセンブリ102は、内側エンクロージャ120を含む。内側エンクロージャ120は、外側容積128の内部で外側エンクロージャ106に取り付けられている。内側エンクロージャ120は、先端(例えば、第1の)端部122(内側エンクロージャ‐先端端部とも呼ばれる)、及び先端端部122と長手方向反対側のラギング(例えば、第2の)端部124(内側エンクロージャ‐ラギング端部とも呼ばれる)を含む。内側エンクロージャ120は、内側容積130を画定する。
【0028】
一実施例では、内側エンクロージャ120は、長手方向断面において矩形(例えば、
図2から
図6)であり、短手方向断面において矩形(例えば、
図9から
図11)である4面体のエンクロージャである。一例として、内側エンクロージャ120は、複数の(例えば、4つの)側壁126(内側エンクロージャ‐側壁とも呼ばれる)を含む。内側エンクロージャ120は、側壁126のラギング端部に接続され、且つ内側エンクロージャ120のラギング端部124を封入するラギング端部面プレート136(内側エンクロージャ‐ラギング端部面プレートとも呼ばれる)をさらに含む。例示的な実施例では、内側エンクロージャ120は、側壁126の先端端部に接続される内側エンクロージャ‐先端端部面プレートを含まない。むしろ、一例として、側壁126の先端端部は、内側エンクロージャ120の先端端部122を封入する外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116に接続される。言い換えると、一実施例として、且つ
図2から
図6に示されているように、内側エンクロージャ120の先端端部122は、外側エンクロージャ106の先端端部108を通って(例えば、外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116を通って伝導的に)温度エミュレーションアセンブリ104に至る伝導性熱伝達が遮られないことを可能にするように開いている。他の実施例では、内側エンクロージャ120は、限定せずに、他の様々な構造的構成及び/又は幾何学形状(例えば、四角形、円形等)の断面を有し得る。
【0029】
一実施例では、内側エンクロージャ120の形状(例えば、断面)と外側エンクロージャ106の形状(例えば、断面)は、同じであり得る(例えば、内側エンクロージャ120の形状が、外側エンクロージャ120の形状に合致する)。別の実施例では、内側エンクロージャ120の形状と外側エンクロージャ106の形状は、異なっていてもよい。
【0030】
一実施例では、内側エンクロージャ120は、外側エンクロージャ106の先端端部108に向けて配置されている。一例として、内側エンクロージャ120の先端端部122は、外側エンクロージャ106の先端端部122の近傍に(例えば、そこにおいて又はその近くで)位置付けされ、内側エンクロージャ120のラギング端部124は、外側エンクロージャ106のラギング端部110から離間されている。一例として、先端端部面プレート116が内側エンクロージャ120の先端端部122を封入するように、内側エンクロージャ120の側壁126は、先端端部122において外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116に当接且つ接触し得る。
【0031】
一実施例では、内側エンクロージャ120の側壁126は、外側エンクロージャ106の側壁112から離間されており、側壁112に対して内側に配置されている。一例として、エンクロージャアセンブリ102は、内側エンクロージャ120の側壁126と外側エンクロージャ106の側壁112との間に位置づけされた複数のスペーサ138を有し得る。スペーサ138は、側壁126と側壁112との間の距離を設定且つ維持する。
【0032】
一実施例では、内側エンクロージャ120は、外側エンクロージャ106に接続されている。一例として、内側エンクロージャ120の側壁126のうちの少なくとも1つが、外側エンクロージャ106の側壁112のうちの少なくとも1つに接続されている。一例として、ファスナ140(例えば、ナット及びボルト、リベット等)が、内側エンクロージャ120の側壁126を外側エンクロージャ106の側壁112に接続し得る。例示的な実施例で示されているように、ファスナ140は、スペーサ138を通過して、内側エンクロージャ120の側壁126と外側エンクロージャ106の側壁112を相互接続することができる。
【0033】
さらに
図2から
図6を参照すると、一実施例では、温度エミュレーションアセンブリ104は、内側エンクロージャ120の内側容積130の内部で外側エンクロージャ106に取り付けられている。温度エミュレーションアセンブリ104は、スタック148に配置された複数の熱伝導性プレート146を含む。本明細書でさらに詳しく説明するように、別の実施例では、温度エミュレーションアセンブリ104は、スタック148に配置された複数の絶縁体層178をさらに含む。したがって、本開示全体を通して、スタック148とは、複数の熱伝導性プレート146のスタックされた構成、又は、複数の熱伝導性プレート146及び複数の絶縁体層178のスタックされた構成のことを指す場合がある。温度エミュレーションアセンブリ104、又はスタック148は、先端(例えば、第1の)端部142(温度エミュレーションアセンブリ‐先端端部又はスタック‐先端端部とも呼ばれる)、及び長手方向反対側のラギング(例えば、第2の)端部144(温度エミュレーションアセンブリ‐ラギング端部又はスタック‐ラギング端部とも呼ばれる)を含む。
【0034】
一実施例では、温度エミュレーションアセンブリ104は、エンクロージャアセンブリ102の先端端部132に向けて配置されている。一実施例では、スタック148は、外側エンクロージャ106の先端端部108に向けて配置されている。一例として、スタック148の先端端部142は、外側エンクロージャ106の先端端部122の近傍に(例えば、そこにおいて又はその近くで)位置付けされ、スタック148のラギング端部144は、内側エンクロージャ120のラギング端部124から離間されている。一例として、
図2から
図6で示すように、スタック148の先端端部142に位置する熱伝導性プレート146のうちの1つ(例えば、最先端熱伝導性プレート146)は、外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116の内側表面に当接し得る。
【0035】
一実施例では、スタック148の各熱伝導性プレート146は、少なくとも1つの温度センサ162と接続するように構成されている。一例として、少なくとも1つの温度センサ162は、熱硬化サイクル全体にわたって、関連する熱伝導性プレート146の温度を測定するために、熱伝導性プレート146に接続されている。例として、温度センサ162は、熱電対、サーミスタ、又は別の適切な温度センサであり得る。
【0036】
一実施例では、温度エミュレーションアセンブリ104は、熱伝導性プレート146の冗長な温度測定値を提供し得る。一例として、2つの温度センサ162(主要(例えば、第1の)温度センサ162‐1(
図4)及び副次的(例えば、第2の)温度センサ162‐2(
図4)として個々に認識される)は、選択された熱伝導性プレート146のそれぞれに接続され得る。一例として、主要温度センサ162‐1は、選択された熱伝導性プレート146の一方の(例えば、第1の)側部176に位置するか、そこに接続され得、副次的温度センサ162‐2は、選択された熱伝導性プレート146の他方の(例えば、第2の)側部176に位置するか、そこに接続され得る。このような態様では、一対の冗長な温度センサ162は、同一の熱伝導性プレート146の2つの温度測定値を提供する。
【0037】
一実施例では、装置100は、少なくとも1つの気体温度センサ164をさらに含む。一例として、少なくとも1つの気体温度センサ164は、外側エンクロージャ106の外部に接続されている。一例として、外側エンクロージャ106は、外側エンクロージャ106のラギング端部110から外側に延在する少なくとも1つのタブ166を含み得る。この実施例では、気体温度センサ164が、タブ166に接続されている。気体温度センサ164は、熱硬化サイクル全体にわたって、熱硬化システムの内部の気体の温度を測定する。例として、気体温度センサ164は、熱電対、抵抗温度検知器、又は別の適切な気体温度センサであり得る。
【0038】
一実施例では、温度エミュレーションアセンブリ104は、熱硬化システムの内部の気体の冗長な温度測定値を提供し得る。一例として、
図1で示されているように、2つの気体温度センサ164(主要(例えば、第1の)気体温度センサ164‐1及び副次的(例えば、第2の)気体温度センサ164‐2として個々に認識される)は、外側エンクロージャ106の外側に接続され得る。このような態様では、一対の冗長な気体温度センサ164は、熱硬化システムの内部の気体の2つの温度測定値を提供する。
【0039】
一実施例では、装置100は、一対のタブ166を含む。一例として、一対のタブ166の各タブ166は、例えば、ラギング端部面プレート118と外側エンクロージャ106の側壁112との交差部によって形成された、ラギング端部110における、外側エンクロージャ106の対向する角部又は端部の近傍に位置付けされている。タブ166のうちの片方又は両方は、追加のセンサ(例えば、気体温度センサ164)を装置100に接続するか、又は装置100を別の物体に接続するため等の一体型取り付けフィーチャとして機能し得る。タブ166は、外側エンクロージャ106のラギング端部110の周りの対流熱伝達及び/又は放射熱伝達に対する障害物として役立つ場合もある。タブ166の片方、例えば、下方のタブ166は、温度センサ162に接続され且つ外側エンクロージャ106のラギング端部面プレート118から外側に延在するワイヤ204に対するストレインリリ-フとしても機能することができる。タブ166の片方、例えば、上方のタブ166も気体温度センサ164に接続されたワイヤ206のストレインリリーフとして機能することができる。
【0040】
図2から
図4を参照すると、一実施例では、スタック148(例えば、熱伝導性プレート146のスタック又は熱伝導性プレート146及び絶縁体層178のスタック)は、外側エンクロージャ106に接続されている。一例として、少なくとも1つのファスナ150(2つのファスナ150が例として示されている)は、スタック148を、外側エンクロージャ106に接続し、外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116と接触させる。ファスナ150は、熱伝導性プレート146、又は任意選択的に熱伝導性プレート146及び絶縁体層178を共にスタックされた構成で挟持する。さらに、ファスナ150は、スタック148の熱伝導性プレート146のうちの最先端のプレートを外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116の内側表面に接続し、物理的に接触させる。
図2、
図3、及び
図7は、スタック148を共に挟持し、スタック148を外側エンクロージャ106に接続するために用いられる例示的なファスナ150をより明白に図示するために、温度エミュレーションアセンブリ104の一部(例えば、熱伝導性プレート146、及び任意選択的に絶縁体層178のスタック148)の断面を示す。
【0041】
一例として、ファスナ150は、その長さの少なくとも一部に沿って雄ネジが配置されたロッド152(例えば、ネジ付きロッド)である。ロッド152は、熱伝導性プレート146のスタック148及び外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116を通って延在する。ナット154が、先端端部面プレート116の外側でロッド152の先端端部に接続されている。別のナット198が、スタック148のラギング端部144においてロッド152に接続されている。
【0042】
一例として、
図2及び
図3で最も良く示されているように、ロッド152のラギング端部は、内側エンクロージャ120のラギング端部面プレート136に接続され得る。ロッド152のラギング端部をラギング端部面プレート136に固定することにより、エンクロージャアセンブリ102に対するスタック148の位置がさらに支持且つ維持され、例えば、熱硬化工程の間のスタック148の動作が抑えられる。代替的に、別の実施例(図示せず)として、ロッド152のラギング端部は、スタック148のラギング端部144の近傍で終端してもよい。
【0043】
他の実施例では、装置100は、熱伝導性プレート146、及び任意選択的に絶縁体層178を共にスタックされた構成で締着、挟持、又はさもなければ固定し、スタック148を、エンクロージャアセンブリ102の内部で先端端部面プレート116と接触し且つエンクロージャアセンブリ102の側壁から離間されるように位置付けるよう構成された1つ又は複数の種々の機構又は装置を含み得る。
【0044】
図5は、開示された装置100の実施例の概略図である。
図5では、エンクロージャアセンブリ102は、長手方向断面で示されている。一実施例では、ファスナ150は、スタック148を捕らえ且つ外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116に接続されるように構成されたブラケット210を含み得る。ブラケット210は、熱伝導性プレート146のうちの最先端のプレートを外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116に接触させた状態で、複数の熱伝導性プレート146、又は任意選択的に複数の熱伝導性プレート146及び複数の絶縁体層178をスタックされた構成で維持する。一例として、ブラケット210は、スタック148の形状に適合する形状を有し、スタック148の周りぴったり合うように構成され得る。スタック148を定位置に保つために、ブラケット210の先端端部は、外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116に接続(例えば、締着)される。
【0045】
この実施例では、絶縁体212の層が、ブラケット210とスタック148の熱伝導性プレート146の側部176との間に位置付けされる。絶縁体212は、対流を介してブラケット210からスタック148に熱が伝達されることを抑制する。
【0046】
図6は、開示された装置100の実施例の概略図である。
図6では、エンクロージャアセンブリ102は、長手方向断面で示されている。一実施例では、スタック148の先端端部142が外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116に接触し、スタック148のラギング端部144が内側エンクロージャ120のラギング端部面プレート136から離間されている状態で、(例えば、熱伝導性プレート146、又は、熱伝導性プレート146及び絶縁体層178の)スタック148は、外側エンクロージャ106の内部にぴったり収まっている。一例として、スペーサ208は、スタック148を先端端部面プレート116の内側表面に対して押圧し、それにより、熱伝導性プレート146のうちの最先端のプレートを外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116に接触させた状態で、複数の熱伝導性プレート146、又は任意選択的に複数の熱伝導性プレート146及び複数の絶縁体層178がスタックされた構成で維持される。一例として、スペーサ208は、内側エンクロージャ120のラギング端部面プレート136とスタック148のラギング端部144との間に位置付けされる。一例として、スペーサ208の一方の端部は、内側エンクロージャ120のラギング端部面プレート136の内側表面と接触(例えば、接続)し、スペーサ208の他方の端部は、スタック148の熱伝導性プレート146のうちの最も後端側と接触(例えば、接続)する。
【0047】
一実施例では、スペーサ208は、剛性部材であり、内側エンクロージャ120のラギング端部面プレート136とスタック148のラギング端部144との間に締まり嵌めをもたらすように寸法形成されており、スタック148を外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116に対して圧縮し、スタック148を所定位置に係止する。別の実施例では、スペーサ208は、内側エンクロージャ120のラギング端部面プレート136とスタック148のラギング端部144との間に位置するばね部材であり、スタック148を外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116に対して付勢し、スタック148を所定位置に係止する。
【0048】
さらに別の実施例(図示せず)では、熱伝導性プレート146又は任意選択的に熱伝導性プレート146及び絶縁体層178のスタック148は、共に接着接合されてもよい。さらに、熱伝導性プレート146のうちの最先端のプレートが、外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116の内側表面に接着接合されてもよい。一例として、スタック148は、高温接着剤又は高温テープを用いて、共に接着接合され、外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116に接着接合され得る。
【0049】
図2から
図6を参照すると、一実施例では、先端端部面プレート116は、熱伝導性材料から作られており、先端端部面プレート116を通してスタック148に熱が伝導性伝達されることが促進される。一例として、先端端部面プレート116は、約10×10
-6m
2/sを越える(例えば、約50×10
-6m
2/sを越える)熱拡散性(thermal diffustivity)を有する材料から作られ得る。例として、先端端部面プレート116は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、鋼、鋼合金(例えば、ステンレス鋼)、並びにニッケル鉄合金(例えば、インバー)などのその他の熱伝導性金属及び金属合金から作られ得る。別の実施例として、先端端部面プレート116は、熱伝導性複合材から作られてもよい。先端端部面プレート116を通して、熱伝導性プレート146のスタック148への所定率の伝導性熱伝達が実現するように、先端端部面プレート116の特定の構成(例えば、厚さ及び/又は材料)を適合させてもよい。
【0050】
一実施例では、
図3で示すように、先端端部面プレート116は、ヒートシンク156であるか、又はヒートシンク156を含む。一例として、ヒートシンク156は、先端端部面プレート116と一体化されてもよい(例えば、先端端部面プレート116がヒートシンク156そのものであってもよい)。別の実施例として、ヒートシンク156から先端端部面プレート116に熱が伝導的に伝達されるように、ヒートシンク156が先端端部面プレート116の外側表面に物理的に連結されてもよい。明瞭性のために、ヒートシンク156は、
図3に示す実施例に加えられているが、
図1の実施例ではヒートシンク156が示されていない。
【0051】
図3、
図7、及び
図8を参照すると、ヒートシンク156は、熱硬化システム(例えば、オートクレーブ又はオーブン)の内部の加熱された気体(例えば、空気)と接触する表面領域を最大化するように構成且つ設計され得る。一例として、且つ
図7に最も良く示されているように、ヒートシンク156は、ピン200の配列を含み得る。ピン200は、様々な寸法及び/又は形状(例えば、プロフィル形状、断面形状等)を有し得る。別の例として、且つ
図8に最も良く示されているように、ヒートシンク156は、フィン202の配列を含み得る。フィン202は、様々な寸法及び/又は形状(例えば、断面形状、プロフィル形状等)を有し得る。例として、フィン202は、直線状、フレア状、湾曲形状等であってもよい。ヒートシンク156の特定の構造的構成又は設計(例えば、ピン200、フィン202、又はピン200及びフィン202の組み合わせの大きさ、形状、数量、レイアウト等)は、ヒートシンク156から先端端部面プレート116への及び先端端部面プレート116からスタック148への所定率の伝導性熱伝達を実現するように適合され得る。
【0052】
再度
図2から
図6を参照すると、例示的な実装形態では、熱硬化サイクル中の温度をエミュレートするために装置100を使用している間、伝導、対流、及び放射のうちの少なくとも1つを介して、熱が、熱硬化システムの熱源及び/又は熱硬化システムの内部の気体から外側エンクロージャ106に伝達される。次いで、熱は、外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116(例えば、ヒートシンク156)を通して、熱伝導性プレート146のスタック148の先端端部142へと伝導的に伝達される。熱は、次いで、熱伝導性プレート146のスタック148を通して、スタック148の先端端部142からスタック148のラギング端部144へと(例えば、熱伝導性プレート146のうちの1つから熱伝導性プレート146のうちの隣接する1つへと)伝導的に伝達される。
【0053】
一実施例では、内側エンクロージャ120の側壁112を通して熱が伝導的に伝達することを抑制するために、外側エンクロージャ106の側壁112は、断熱(熱を絶縁する)材料から作られる。一実施例では、側壁126を通して、熱伝導性プレート146のスタック148へと熱が伝導的に伝達することを抑制するために、内側エンクロージャ120の側壁126は、断熱(熱を絶縁する)材料から作られる。断熱材料は、熱エネルギーの伝達を減少又は抑制することが可能な任意の適切な断熱体を含み得る。外側エンクロージャ106の側壁112及び内側エンクロージャ120の側壁126は、同一の断熱材料から作られてもよく、又は、異なる断熱材料から作られてもよい。
【0054】
一例として、外側エンクロージャ106の側壁112及び内側エンクロージャ120の側壁126は、約50×10-6m2/s未満(例えば、約10×10-6m2/s未満)の熱拡散性を有する材料から作られ得る。例として、外側エンクロージャ106の側壁112及び内側エンクロージャ120の側壁126は、繊維ガラス等から作られてもよい。別の例として、外側エンクロージャ106の側壁112及び/又は内側エンクロージャ120の側壁126のうちの少なくとも1つが熱伝導材料から作られる。
【0055】
熱硬化サイクル中、エンクロージャアセンブリ102は、温度エミュレーションアセンブリ104を熱硬化システムから隔離し、温度エミュレーションアセンブリ104を対流及び/又は放射熱伝達の効果から少なくとも部分的に絶縁する。一実施例では、エンクロージャアセンブリ102(例えば、外側エンクロージャ106の側壁112及び内側エンクロージャ120の側壁126)は、スタック148の周りで二重障壁を形成し、熱硬化システムの内部の加熱された気体からの熱の対流伝達及び/又は熱硬化システムの熱源からの熱の放射伝達を抑制する。温度エミュレーションアセンブリ104を隔離することにより、スタック148が、熱硬化サイクル中にエミュレートされている複合構造物の熱プロファイルをより正確に表すことが可能となる。熱硬化サイクル中、装置100によってエミュレートされている複合構造物は、その厚さを通して、主に対流を介して熱する。温度エミュレーションアセンブリ104を隔離することにより、スタック148が、主にその先端端部142からラギング端部144へと方向付けられた対流を介して熱することを可能にし、スタック148に対する対流及び放射の効果が抑制される。以下でより詳細に説明されるように、他の実施例では、装置100は、スタック148に対する対流及び放射の効果を抑制する追加のフィーチャをさらに含む。
【0056】
一実施例では、外側エンクロージャ106は、外側容積128の少なくとも一部の内部に配置された絶縁体158を含む。絶縁体158は、外側エンクロージャ106の側壁112から内側エンクロージャ120の側壁126への、伝導、対流、及び/又は放射を介した熱伝達を抑制する。一例として、外側エンクロージャ106の側壁112と内側エンクロージャ120の側壁126との間の外側容積128の一部は、絶縁体158で充填されてもよい。
【0057】
例として、絶縁体158は空気であり得る。この実施例では、外側エンクロージャ106の側壁112と内側エンクロージャ120の側壁126との間の外側容積128の一部の中に配置された空気の動きが抑制され、外側エンクロージャ106の側壁112と内側エンクロージャ120の側壁126との間に、絶縁体158として機能する(例えば、一定の絶縁をもたらす)空気のポケットが形成される。
【0058】
別の実施例として、絶縁体158は、限定しないが、セルロース繊維、鉱質綿等を含む、繊維絶縁材のような絶縁材料であり得る。この実施例では、外側エンクロージャ106の側壁112と内側エンクロージャ120の側壁126との間に配置された絶縁材料が絶縁体158として機能する(例えば、より大きな規模の絶縁をもたらす)。
【0059】
さらに別の実施例として、絶縁体158は、空気と絶縁材料の組み合わせ(例えば、繊維絶縁)であり得る。この実施例では、絶縁材料と空気で充填された任意の空隙との組み合わせは、絶縁体158として機能する(例えば、より大きな規模の絶縁をもたらす)。
【0060】
一実施例では、外側エンクロージャ106は、外側容積128の少なくとも一部の内部に配置された熱バリア160を含む。一実施例では、熱バリア160は、外側エンクロージャ106と内側エンクロージャ120との間に配置されている。一例として、熱バリア160は、外側エンクロージャ106のラギング端部面プレート118と内側エンクロージャ120のラギング端部面プレート136との間に位置付けされ、外側エンクロージャ106の側壁112間で延在する。熱バリア160は、エンクロージャアセンブリ102のラギング端部134からスタック148のラギング端部144への、伝導、対流、及び/又は放射を介した熱伝達を抑制する。一例として、熱バリア160は、外側エンクロージャ106のラギング端部面プレート118から内側エンクロージャ120のラギング端部面プレート136への、伝導、対流、及び/又は放射を介した熱伝達を抑制する。
【0061】
熱バリア160は、熱エネルギーの伝達を減少又は抑制することが可能な任意の適切な断熱(熱を絶縁する)材料から作られ得る。一例として、熱バリア160は、約1×10-6m2/s未満の熱拡散性を有する材料から作られ得る。例として、熱バリア160は、繊維絶縁材料(例えば、鉱質綿)、発泡体、セラミック、繊維ガラス等から作られる。熱バリア160は、外側エンクロージャ106のラギング端部110で始まり、熱伝導性プレート146のスタック148に向けて方向付けられる伝導、対流、及び/又は放射を介した熱伝達を抑制する。
【0062】
図2から
図6、及び
図9から
図11を参照すると、一実施例では、スタック148は、内側エンクロージャ120の側壁126から離間されている。
図9から
図11で最もよく示されているように、一実施例では、内側エンクロージャ120は、熱攪乱器(thermal disruptor)168を含む。一例として、熱攪乱器168は、内側エンクロージャ120の側壁126と熱伝導性プレート146のスタック148との間の内側エンクロージャ120の内側容積130の内部に位置付けされる。一例として、熱攪乱器168は、スタック148を少なくとも部分的に囲み得る。熱攪乱器168は、対流を介した内側エンクロージャ120の側壁126からスタック148への熱伝達を抑制するために、内側容積130の内部の対流(例えば、空気循環)を遮断する。熱攪乱器168は、対流を介したスタック148の先端端部142からスタック148のラギング端部144への熱伝達を抑制するために、内側容積130の内部の対流をさらに遮断する。
【0063】
一実施例では、熱攪乱器168は、伝導及び/又は放射を介した内側エンクロージャ120の側壁126からスタック148への熱伝達もさらに抑制する。一例として、熱攪乱器168は、断熱材料から作られ得る。一例として、熱攪乱器168は、約1×10-6m2/s未満の熱拡散性を有する材料から作られ得る。例として、熱攪乱器168は、限定しないが、繊維絶縁材(例えば、鉱質綿)、発泡体、セラミック、繊維ガラス、複合材等を含む絶縁材料から作られ得る。この実施例では、絶縁材料は、空気で充填された空隙を有する材料を含み得、又は、(例えば、空隙がない)個体材料を含み得る。
【0064】
別の実施例では、熱攪乱器168は、金属、複合材等の熱伝導性材料から作られ得る。この実施例では、熱伝導性材料は、空気で充填された空隙を有する材料を含み得、又は、(例えば、空隙がない)個体材料を含み得る。
【0065】
一実施例では、熱攪乱器168は、対流及び/又は放射を介したスタック148の先端端部142からスタック148のラギング端部144への熱伝達もさらに抑制する。この実施例では、熱攪乱器168は、1つ又は複数の熱伝導性プレート146を1つ又は複数の隣接する熱伝導性プレート146から少なくとも部分的に隔離し、1つ又は複数の熱伝導性プレート146を、内側エンクロージャ120の側壁126間の及びスタック148の周りの、内側エンクロージャ120の内側容積130の内部の対流及び/又は放射を介して、1つ又は複数の隣接する熱伝導性プレート146から伝達される熱の交換の効果から絶縁する。
【0066】
図9を参照すると、一実施例では、熱攪乱器168は、繊維マット170の1つ又は複数の断片から作られるか、又はそれらを含む。一例として、繊維マット170の断片又はセクションは、スタック148の周りに少なくとも部分的に位置付けされ得る。一例として、繊維マット170は、約1×10
-6m
2/s未満の熱拡散性を有する材料から作られ得る。例として、繊維マット170は、鉱質綿、発泡体(例えば、ポリウレタン発泡体、ポリスチレン発泡体等)、繊維ガラス等であってもよい。
【0067】
この実施例では、繊維マット170内の任意の空隙は、空気で充填されてもよい。この実施例では、繊維マット170は、1つ又は複数の熱伝導性プレート146を1つ又は複数の隣接する熱伝導性プレート146及び/又は内側エンクロージャ120の側壁126から少なくとも部分的に隔離し、1つ又は複数の熱伝導性プレート146を、内側エンクロージャ120の側壁126間の及びスタック148の周りの、内側エンクロージャ120の内側容積130の内部の対流及び/又は放射を介して、1つ又は複数の隣接する熱伝導性プレート146及び/又は内側エンクロージャ120の側壁126から伝達される熱の交換の効果から絶縁する。
【0068】
一例として、繊維マット170のセクションのうちの1つ又は複数は、スタック148の表面の一部、例えば、熱伝導性プレート146の側部176の少なくとも一部と接触し得る。一例として、繊維マット170のセクションは、スタック148(例えば、熱伝導性プレート146の側部176)に接続(例えば、付着)し得る。別の実施例として、繊維マット170のセクションは、外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116に接続(例えば、付着)し、スタック148の周りでスタック148のラギング端部144(
図2から
図6)に向かって延在し得る。一例として、追加の繊維マット170のセクションを、スタック148の周りで先行のセクションに積層且つ接続(例えば、付着)してもよい。さらに別の実施例として、内側エンクロージャ120の内側容積130は、スタック148の周りで繊維マット170で充填され得る。
【0069】
図10を参照すると、一実施例では、熱攪乱器168は、ハニカム構造体172の1つ又は複数の断片から作られるか、又はそれらを含む。一例として、ハニカム構造体172の断片又はセクションは、スタック148の周りに少なくとも部分的に位置付けされ得る。一例として、ハニカム構造体172は、金属(例えば、アルミニウム、鋼、チタン等)、金属合金、並びにアラミド(例えば、Nomex(登録商標)又はKevlar(登録商標))、複合材、及び熱可塑性材料等の非金属から作られ得る。
【0070】
この実施例では、ハニカム構造体172内の空隙は、空気で充填されてもよい。この実施例では、ハニカム構造体172は、1つ又は複数の熱伝導性プレート146を1つ又は複数の隣接する熱伝導性プレート146及び/又は内側エンクロージャ120の側壁126から少なくとも部分的に隔離し、1つ又は複数の熱伝導性プレート146を、内側エンクロージャ120の側壁126間の及びスタック148の周りの、内側エンクロージャ120の内側容積130の内部の対流及び/又は放射を介して、1つ又は複数の隣接する熱伝導性プレート146及び/又は内側エンクロージャ120の側壁126から伝達される熱の交換の効果から絶縁する。
【0071】
一例として、ハニカム構造体172のセクションのうちの1つ又は複数は、スタック148の表面の一部、例えば、熱伝導性プレート146の側部176の少なくとも一部と接触し得る。一例として、ハニカム構造体172のセクションは、スタック148(例えば、熱伝導性プレート146の側部176)に接続(例えば、付着)し得る。別の実施例として、ハニカム構造体172のセクションは、外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116に接続(例えば、付着)し、スタック148の周りでスタック148のラギング端部144(
図2から
図6)に向かって延在し得る。さらに別の実施例として、内側エンクロージャ120の内側容積130は、スタック148の周りでハニカム構造体172で充填され得る。
【0072】
図11を参照すると、一実施例では、熱攪乱器168は、1つ又は複数のバッフル174から作られるか、又はそれらを含む。一例として、バッフル174は、スタック148の周りに少なくとも部分的に位置付けされ得る。一例として、バッフル174は、約1×10
-6m
2/s未満の熱拡散性を有する材料から作られ得る。例として、バッフル174は、金属材料(例えば、アルミニウム、鋼等)、アラミド材料(例えば、Nomex(登録商標)、複合材料、熱可塑性材料等から作られ得る。バッフル174は、伝導、対流、及び/又は放射を介したスタック148への熱伝達を抑制し得る。
【0073】
この実施例では、バッフル174は、(例えば、空隙がない)固体であってもよく、隣接するバッフル174同士の間の及びバッフル174とスタック148との間の任意の空隙は、空気で充填され得る。この実施例では、バッフル174は、1つ又は複数の熱伝導性プレート146を1つ又は複数の隣接する熱伝導性プレート146及び/又は内側エンクロージャ120の側壁126から少なくとも部分的に隔離し、1つ又は複数の熱伝導性プレート146を、内側エンクロージャ120の側壁126間の及びスタック148の周りの、内側エンクロージャ120の内側容積130の内部の対流及び/又は放射を介して、1つ又は複数の隣接する熱伝導性プレート146及び/又は内側エンクロージャ120の側壁126から伝達される熱の交換の効果から絶縁する。
【0074】
一例として、複数のバッフル174は、熱伝導性プレート146のスタック148に向かって、内側エンクロージャ120の側壁126から延在する。一例として、複数のバッフル174のうちの1つ又は複数の端部は、スタック148の熱伝導性プレート146のうちの1つ又は複数の側部176の近傍に(例えば、そこにおいて又はその近くで)位置付けされ得る。別の例として、複数のバッフル174のうちの1つ又は複数の端部は、スタック148の熱伝導性プレート146のうちの1つ又は複数の側部176から離間され得る。
【0075】
一例として、複数のバッフル174は、内側エンクロージャ120の側壁126から垂直に(例えば、側壁126に対して90度の角度で配向されて)延在し得る。別の例として、複数のバッフル174は、内側エンクロージャ120の側壁126から非ゼロ角度で延在し得る。例として、複数のバッフル174は、約30度から約60度の範囲内(約45度等)の非ゼロ角度で配向されてもよい。一例として、複数のバッフル174のうちの1つ又は複数は、実質的に平坦であり得る。別の例として、複数のバッフル174のうちの1つ又は複数は、実質的に湾曲し得る。バッフル174の表面領域を拡大するようにバッフル174の構成(例えば、側壁126に対する寸法、形状、及び/又は角度配向)を設計してもよく、それにより、スタック148の周りを循環する空気の破裂が増大する。
【0076】
特に
図4を参照し、それと共に
図2、
図3、
図5、及び
図6を参照すると、一実施例では、熱伝導性プレート146のスタック148は、任意の数の熱伝導性プレート146を含み得る。一例として、スタック148は、N個の熱伝導性プレート146を含み得、
図4では、熱伝導性プレート146-1から146‐Nと個別に特定される。例示的な実施例では、スタック148は、8つの熱伝導性プレート146(例えば、N=8)を含む。
【0077】
したがって、熱伝導性プレート146又は任意選択的に熱伝導性プレート146及び絶縁体層178のスタック148は、熱硬化されている複合構造物を表す又はエミュレートする熱質量として機能する。複数の熱伝導性プレート146について測定される温度は、スタック148のための熱プロファイルを生成するために使用される。スタック148の熱プロファイルは、次いで、装置100(例えば、複合構造物)によってエミュレートされる物品のために生成される熱プロファイルと相関させられる。初期熱硬化サイクルの間、硬化されている物品の測定された極高低温(例えば、最高温度及び最低温度)は、熱伝導性プレート146のうちの特定のプレートの測定温度と相関させられる。その後の熱硬化サイクルの間、その熱伝導性プレート146のうちの特定のプレートの温度がモニタリングされ、この温度は、エミュレートされる物品(例えば、複合構造物)の表面又は内部の最も熱い位置及び最も冷たい位置を表す。
【0078】
スタック148の形成に使用される熱伝導性プレート146の数は、装置100(例えば、複合構造物)によってエミュレートされる物品の種類、寸法、及び/又は材料に依存し、且つ/又は、所望の特定の熱プロファイルに依存し得る。一例として、大きな且つ/又は厚みのある複合構造物をエミュレートするために、より多くの数の熱伝導性プレート146を使用してもよい。別の例として、小さな且つ/又は薄い複合構造物をエミュレートするために、より少ない数の熱伝導性プレート146を使用してもよい。
【0079】
さらに、熱伝導性プレート146を形成するために使用される材料は、装置100(例えば、複合構造物)によってエミュレートされる物品の種類、寸法、及び/又は材料に依存し、且つ/又は、所望の特定の熱プロファイルに依存し得る。熱伝導性プレート146を形成するために使用される材料は、装置100によってエミュレートされる物品を形成するために使用される材料と同一である必要はない。
【0080】
図2から
図6を参照すると、スタック148のそれぞれの熱伝導性プレート146は、厚みを有する。熱伝導性プレート146の厚さは、例えば、装置100によってエミュレートされる物品の種類、寸法、及び/又は材料に依存し、且つ/又は、所望の特定の温度プロファイルに依存し得る。一例として、大きな且つ/又は厚みのある複合構造物をエミュレートするために、より厚みのある熱伝導性プレート146を使用してもよい。別の例として、小さな且つ/又は薄い複合構造物をエミュレートするために、より薄い熱伝導性プレート146を使用してもよい。
【0081】
非限定的な例として、熱伝導性プレート146の厚さは、約0.0125インチ(0.3mm)から1インチ(25mm)以上(例えば、約0.25インチ(6mm)から約1インチ(25mm))の範囲であり得る。一実施例では、すべての熱伝導性プレート146が、同一の厚さを有し得る。別の実施例では、熱伝導性プレート146のうちの少なくとも1つが、熱伝導性プレート146のうちの少なくとも別の1つと異なる厚さを有し得る。さらに別の実施例では、熱伝導性プレート146の厚さはすべて互いに異なっていてもよい。
【0082】
一例として、各熱伝導性プレート146は、熱伝導性材料から作られ得る。一例として、各熱伝導性プレート146は、約10×10-6m2/sを越える(例えば、約50×10-6m2/sを越える)熱拡散性を有する材料から作られ得る。例として、熱伝導性プレート146は、熱伝導性金属(例えば、アルミニウム、鋼等)又は熱伝導性金属合金(例えば、ステンレス鋼、インバー等)から作られ得る。別の実施例として、熱伝導性プレート146は、熱伝導性非金属(例えば、熱可塑性材料又は複合材)から作られ得る。
【0083】
複数の熱伝導性プレート146が、スタック構成で共に固定され、ファスナ150(例えば、ネジ付きロッド152又はブラケット210)(
図2から
図5)又はスペーサ208(
図6)によって、先端端部面プレート116と接触する外側エンクロージャ106に固定された状態では、熱伝導性プレート146のための材料を選択する際に、熱伝導性プレート146の熱膨張係数の懸念は極めて小さい。
【0084】
例示的な実施例では、熱伝導性プレート146は、実質的に平坦である。それにより、スタック148を通して、先端端部142からラギング端部144へと熱が伝導的に伝達するよう、各熱伝導性プレート146は、隣接する熱伝導性プレート146と直接物理的に接触する。同様に、例示的な実施例では、外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116も実質的に平坦である。それにより、先端端部面プレート116からスタック148へと熱が伝導的に伝達するよう、最先端のプレート146は、先端端部面プレート116の内側表面と直接物理的に接触する。
【0085】
別の実施例では、熱伝導性プレート146は、幾らかの度合いの湾曲を有し得る(図示せず)。この実施例では、各熱伝導性プレート146は、スタック148を通して、先端端部142からラギング端部144へと熱が伝導的に伝達するよう、隣接する熱伝導性プレート146と直接物理的に接触ように構成されている。同様に、別の例では、外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116は幾らかの度合いの湾曲を有し得る。それにより、先端端部面プレート116からスタック148へと熱が伝導的に伝達するよう、最先端のプレート146は、先端端部面プレート116の内側表面と直接物理的に接触する。
【0086】
図4を参照すると、一実施例では、先端端部の熱伝導性プレート146‐1は、外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116と接触している。熱は、先端端部面プレート116から(又は先端端部面プレート116を通して)先端端部熱伝導性プレート146-1へと伝導的に伝達される。したがって、先端端部の熱伝導性プレート146-1は、スタック148の第1の熱伝導性プレート146を画定し、スタック148に伝達される熱の入り口を表すことができる。次いで、熱は、先端端部の熱伝導性プレート146-1(又は先端端部の熱伝導性プレート146-1を通して)隣接する熱伝導性プレート146-2へと伝導的に伝達される。次いで、熱は、熱伝導性プレート146-2(又は熱伝導性プレート146-2を通して)隣接する熱伝導性プレート146-3へと伝導的に伝達される。複数の熱伝導性プレート146を通した、先端端部142からラギング端部144への連続的な熱の伝導的伝達は、ラギング端部の熱伝導性プレート146‐Nまで続く。ラギング端部の熱伝導性プレート146‐Nは、スタック148の最後の熱伝導性プレート146を画定する。
【0087】
図2から
図6を参照すると、一実施例では、スタック148のラギング端部144近傍に位置する熱伝導性プレート146のうちの少なくとも1つは、緩衝板であり得る。一例として、且つ
図4で最もよく示されているように、少なくともラギング端部の熱伝導性プレート146‐Nが緩衝板として機能する。別の例として、2つ以上の熱伝導性プレート146(例えば、
図4の熱伝導性プレート146‐N及び熱伝導性プレート146‐7)が、緩衝板として機能する。この実施例では、スタック148のラギング端部144の近傍に位置する熱伝導性プレート146は、スタック148のラギング端部144から入ってスタック148を通る伝導性熱伝達を抑制する。例示的な実施例では、熱伝導性プレート146‐1から146‐7のみが、物品をエミュレートし、熱プロファイルを生成するために使用され、熱伝導性プレート146‐Nは、熱吸収のために犠牲となる。
【0088】
一実施例では、スタック148は、任意選択的に1つ又は複数の絶縁体層178をさらに含み得る。一例として、熱伝導性プレート146のうちの1つ又は複数は、絶縁体層178によって、隣接する熱伝導性プレート146から分離され得る。例示的な実施例では、各熱伝導性プレート146は、絶縁体層178によって、隣接する熱伝導性プレート146から分離されている。
【0089】
一実施例では、各絶縁体層178は、熱エネルギーの伝達を減少又は抑制することが可能な断熱材料から作られている。一例として、各絶縁体層178は、約10×10-6m2/s未満の熱拡散性を有する材料から作られる。例として、絶縁体層178は、繊維ガラス、アラミド(例えば、Kevlar(登録商標))、セラミック、発泡体、エポキシ等から作られ得る。
【0090】
一実施例では、絶縁体層178は、スタック148を通した、先端端部142からラギング端部144への伝導性熱伝達率を制御する。スタック148のそれぞれの絶縁体層178は、厚みを有する。絶縁体層178の厚さは、例えば、装置100によってエミュレートされる物品の種類、寸法、及び/又は材料、所望の熱伝達率、並びに/或いは所望の特定の温度プロファイルに依存し得る。
【0091】
一例として、より厚みのある絶縁体層178は、スタック148の一部又は全体を通して、より遅い率の伝導性熱伝達を実現するために使用され得る。別の例として、より薄い絶縁体層178は、スタック148の一部又は全体を通して、より速い率の伝導性熱伝達を実現するために使用され得る。例として、使用中の絶縁体層178の厚さは、約0.008インチ(0.2mm)から約1インチ(25mm)以上(例えば、約0.015インチ(0.3mm)から約0.5インチ(12mm))の範囲であり得る。一実施例では、すべての絶縁体層178が、同一の厚さを有し得る。別の実施例では、絶縁体層178のうちの少なくとも1つが、絶縁体層178のうちの少なくとも別の1つと異なる厚さを有し得る。さらに別の実施例では、絶縁体層178の厚さはすべて互いに異なっていてもよい。
【0092】
一実施例では、且つ
図2、
図4、及び
図6で示されているように、絶縁体層178のうちの少なくとも1つの周縁部180は、熱伝導性プレート146の外周側部176を越えて延在する。この実施例では、絶縁体層178は、対流及び/又は放射を介したスタック148の先端端部142からスタック148のラギング端部144への熱伝達も抑制する。この実施例では、絶縁体層178の周縁部180は、1つ又は複数の熱伝導性プレート146を1つ又は複数の隣接する熱伝導性プレート146から少なくとも部分的に隔離し、1つ又は複数の熱伝導性プレート146を、内側エンクロージャ120の内側容積130の内部の且つスタック148の周りの対流及び/又は放射を介して、1つ又は複数の隣接する熱伝導性プレート146から伝達される熱の交換の効果から絶縁する。
【0093】
別の例では、且つ
図3及び
図5で示されているように、いずれの絶縁体層178の部分も熱伝導性プレート146の外周側部176を越えて延在しない。
【0094】
図4を参照すると、一実施例では、各熱伝導性プレート146は、熱伝導性プレート146の厚みを通して延在する少なくとも1つのファスナ開口182を含む。同様に、絶縁体層178が任意選択的に使用されるとき、各絶縁体層178は、絶縁体層178の厚みを通して延在する少なくとも1つのファスナ開口182を含む。
図4は、スタック148を共に挟持し、スタック148を外側エンクロージャ106に接続するために用いられるファスナ150をより明白に図示するために、温度エミュレーションアセンブリ104の一部(例えば、スタック148)の断面を示す。先端端部の熱伝導性プレート146-1及びラギング端部の熱伝導性プレート146‐Nのファスナ開口182のみが、
図4で明確に特定されている。ファスナ150(例えば、ロッド152)は、熱伝導性プレート146、及び任意選択的に絶縁体層178の整列させられたファスナ開口182を通して延在する。
【0095】
図4及び
図12を参照すると、一実施例では、熱伝導性プレート146のファスナ開口182は、絶縁ライナー184に沿っている。先端端部の熱伝導性プレート146-1及びラギング端部の熱伝導性プレート146‐Nの絶縁ライナー184のみが、
図4で明確に特定されている。一例として、絶縁ライナー184は、ファスナ開口182を画定する熱伝導性プレート146の内側表面に適用される絶縁材料から作られる。絶縁ライナー184は、例えば、セラミック、アラミド、繊維ガラス、エポキシ等を含む、熱エネルギーの伝達を減少又は抑制することが可能な任意の適切な断熱材から作られてもよい。絶縁ライナー184は、伝導を介してファスナ150(例えば、ロッド152)から熱伝導性プレート146に熱が伝達されることを抑制する。
【0096】
特に
図4を参照し、それと共に
図2、
図3、
図5、及び
図6を参照すると、一実施例では、ファスナ150は、ナット154とラギング端部の熱伝導性プレート146‐Nとの間に位置付けされた少なくとも1つのワッシャー186をさらに含む。少なくとも1つのワッシャー186は、ナット154からスタック148の端部に加えられた力を分散させる。一例として、ワッシャー186は、金属などの熱伝導性材料から作られ得る。別の例として、ワッシャー186は、セラミック、繊維ガラス、エポキシ等の熱伝導性材料から作られ得る。この実施例では、ワッシャー186は、ファスナ150(例えば、ナット154及び/又はロッド152)からラギング端部の熱伝導性プレート146‐N及びスタック148のラギング端部144の近傍にあるその他の熱伝導性プレート146への熱伝達を抑制する。さらに、複数のワッシャー186が、ナット154をスタック148のラギング端部の熱伝導性プレート146‐Nから離間させることができる。
【0097】
図12を参照すると、一実施例では、熱伝導性プレート146は、本体188を含む。熱伝導性プレート146の本体188は、スタック148を通して熱を伝導的に伝達するための質量(mass)を設ける(
図2から
図6)。
【0098】
例示的な実施例では、熱伝導性プレート146は、本体188から外側に延在する少なくとも1つのアーム190をさらに含む。コネクタ192がアーム190の端部に配置されている。コネクタ192は、絶縁ライナー184を備えたファスナ開口182を含む。例示的な実施例では、熱伝導性プレート146は、2つのアーム190を有し、それぞれ、2つのファスナ150(例えば、ネジ付きロッド152)(
図2から
図4)を装着するための端部コネクタ192を有する。この実施例では、ネジ付きロッド152は、熱伝導性プレート146又は任意選択的に熱伝導性プレート146及び絶縁体層178をスタックされた構成に維持し、スタック148を外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116と接触させるように使用される。
【0099】
一実施例では、アーム190は、本体188から離間されており、それらの間に間隙194が画定される。アーム190、及びそれに関連付けられるコネクタ192は、ファスナ150(
図2から
図4)を本体188から離間して、本体188をファスナ150から隔離し、対流を介したファスナ150から熱伝導性プレート146への熱伝達を抑制する。
【0100】
図13を参照すると、別の実施例では、熱伝導性プレート146は、スタック148を通した熱の伝導的伝達のための質量を設ける本体188のみを含む(
図5及び
図6)。この実施例では、ブラケット210(
図5)又はスペーサ208(
図6)が、熱伝導性プレート146又は任意選択的に熱伝導性プレート146及び絶縁体層178をスタックされた構成に維持し、スタック148を外側エンクロージャ106の先端端部面プレート116と接触させるように使用されるので、アーム190は必要とされない。
【0101】
図12及び
図13を参照すると、一実施例では、熱伝導性プレート146は、少なくとも1つのチャネル196をさらに含む。チャネル196は、温度センサ162(
図2から
図6)を熱伝導性プレート146に挿入するか、又はさもなければ連結するために、本体188の外周側部(又は端部)176から内側に延在する。一例として、温度センサ162は、関連付けられるチャネル196内に挿入され得る。一例として、チャネル196は、本体188の中心の近傍まで延在し得る。例示的な実施例では、熱伝導性プレート146は、2つの冗長な温度センサ162の接続のための2つの対向するチャネル196を含む。当業者であれば、チャネル196の形状、寸法、及び/又は位置は、変動し得る(例えば、温度センサ162の形状及び構成に依存し得る)ことを理解するであろう。一例として、熱伝導性プレート146の本体188は、温度センサ162のブラケットを熱伝導性プレート146の側部176に留めることを可能にするように構成された接続フィーチャ(図示せず)をさらに含み得る。
【0102】
温度エミュレーションアセンブリ104(例えば、熱伝導性プレート146及び任意選択的に絶縁体層178のスタック148)は、他の様々な特徴及び/又は構成を有し得る。同様に、熱伝導性プレート146は、他の様々な特徴及び/又は構成を有し得る。例えば、参照により全内容が本明細書に組み込まれている、2015年6月30日に出願された「Device for Emulating Temperature of a Composite Structure Through a Thermal Cure Cycle」と題された米国特許第9、068、894号、及び2016年4月5日に出願された「Device for Emulating Temperature of an Exothermic Composite Structure Through a Thermal Cure Cycle」と題された米国特許第9、304、048号に記載された温度エミュレーターは、開示された装置100の温度エミュレーションアセンブリ104及び/又は熱伝導性プレート146の実施例であり得る。
【0103】
図14及び
図15は、開示された装置100の別の実施例の概略図である。
図14では、エンクロージャアセンブリ102は、長手方向断面で示されており、温度エミュレーションアセンブリ104の一部(例えば、スタック148)は、スタック148を共に挟持し、スタック148をエンクロージャアセンブリ102に接続するために用いられるファスナ150をより明白に図示するために、長手方向断面で示されている。
図15では、エンクロージャアセンブリ102は、短手方向断面で示されている。
【0104】
図14及び
図15を参照すると、一実施例では、エンクロージャアセンブリ102は、単一のエンクロージャ214を含む。エンクロージャ214は、エンクロージャ先端(例えば、第1の)端部216(エンクロージャ‐先端端部とも呼ばれる)、及び先端端部216と反対側のラギング(例えば、第2の)端部218(エンクロージャ‐ラギング端部とも呼ばれる)を含む。エンクロージャ214は、内側容積220を画定する。
【0105】
一実施例では、エンクロージャ214は、長手方向断面において矩形(例えば、
図14)であり、短手方向断面において矩形(例えば、
図15)である6面体のエンクロージャである。一例として、エンクロージャ214は、複数の(例えば、4つの)側壁222(エンクロージャ‐側壁とも呼ばれる)を含む。エンクロージャ214は、側壁222の先端端部に接続され、且つエンクロージャ214の先端端部216を封入する先端端部面プレート224(エンクロージャ‐先端端部面プレートとも呼ばれる)をさらに含む。エンクロージャ214は、側壁222のラギング端部に接続され、且つエンクロージャ214のラギング端部218を封入するラギング端部面プレート226(エンクロージャ‐ラギング端部面プレートとも呼ばれる)をさらに含む。他の実施例では、エンクロージャ214は、限定せずに、他の様々な構造的構成及び/又は幾何学形状(例えば、四角形、円形等)の断面を有し得る。
【0106】
図14を参照すると、一実施例では、温度エミュレーションアセンブリ104は、内側容積220の内部でエンクロージャ214に取り付けられている。温度エミュレーションアセンブリ104は、スタック148で配置された複数の熱伝導性プレート146、又は任意選択的に複数の熱伝導性プレート146及び複数の絶縁体層178を含む。
【0107】
一実施例では、温度エミュレーションアセンブリ104は、エンクロージャアセンブリ102の先端端部132に向けて配置されている。一実施例では、スタック148は、エンクロージャ214の先端端部216に向けて配置されている。一例として、スタック148の先端端部142は、エンクロージャ214の先端端部216の近傍に(例えば、そこにおいて又はその近くで)位置付けされ、スタック148のラギング端部144は、エンクロージャ214のラギング端部218から離間されている。一例として、スタック148の先端端部142に位置する熱伝導性プレート146のうちの1つ(例えば、最先端熱伝導性プレート146)は、エンクロージャ214の先端端部面プレート224の内側表面に当接し得る。
【0108】
一実施例では、エンクロージャ214の先端端部面プレート224は、熱伝導性材料から作られており、先端端部面プレート224を通してスタック148に熱が伝導性伝達されることが促進される。
【0109】
一実施例では、先端端部面プレート224は、
図3、
図7、及び
図8に例示且つ記載されているように、ヒートシンク156であるか、又はそれを含む。
【0110】
一実施例では、エンクロージャ214の側壁222からスタック148に熱が伝導的に伝達することを抑制するために、側壁222は、断熱(熱を絶縁する)材料から作られる。
【0111】
一実施例では、
図14に示すように、スタック148は、
図2から
図4に例示且つ記載される1つ又は複数のネジ付きロッド152によって、定位置に固定され得る。別の例では、
図5に例示且つ記載されるように、スタック148は、1つ又は複数のブラケット210によって定位置に固定され得る。別の例では、
図6に例示且つ記載されるように、スタック148は、1つ又は複数のスペーサ208によって定位置に固定され得る。
【0112】
熱硬化サイクル中、エンクロージャアセンブリ102は、温度エミュレーションアセンブリ104を熱硬化システムから隔離し、温度エミュレーションアセンブリ104を対流及び/又は放射熱伝達の効果から少なくとも部分的に絶縁する。一実施例では、エンクロージャアセンブリ102(例えば、エンクロージャ214の側壁222)は、スタック148の周りで単一障壁を形成し、熱硬化システムの内部の加熱された気体からの熱の対流伝達及び/又は熱硬化システムの熱源からの熱の放射伝達を抑制する。温度エミュレーションアセンブリ104を隔離することにより、スタック148が、熱硬化サイクル中にエミュレートされている複合構造物の熱プロファイルをより正確に表すことが可能となる。熱硬化サイクル中、装置100によってエミュレートされている複合構造物は、その厚さを通して、主に対流を介して熱する。温度エミュレーションアセンブリ104を隔離することにより、スタック148が、主にその先端端部142からラギング端部144へと方向付けられた対流を介して熱することを可能にし、スタック148に対する対流及び放射の効果が抑制される。以下でより詳細に説明されるように、他の実施例では、装置100は、スタック148に対する対流及び放射の効果を抑制する追加のフィーチャをさらに含む。一実施例では、エンクロージャ214は、容積220の少なくとも一部の内部に配置された絶縁体158を含む。絶縁体158は、エンクロージャ214の側壁222からスタック148への、伝導、対流、及び/又は放射を介した熱伝達をさらに抑制する。一例として、エンクロージャ214の側壁222とスタック148との間の容積220の一部は、絶縁体158で充填されてもよい。
【0113】
一実施例では、エンクロージャ214は、容積220の少なくとも一部の内部に配置された熱バリア160を含む。一例として、熱バリア160は、エンクロージャ214とスタック148との間に配置されている。一例として、熱バリア160は、エンクロージャ214のラギング端部面プレート226とスタック148のラギング端部144との間に位置付けされ、エンクロージャ214の側壁222間で延在する。
【0114】
図15を参照すると、一実施例では、スタック148は、エンクロージャ214の側壁222から離間されている。一実施例では、エンクロージャ214は、熱攪乱器168を含む。一例として、熱攪乱器168は、エンクロージャ214の側壁222とスタック148との間のエンクロージャ214の容積220の内部に位置付けされる。一例として、熱攪乱器168は、スタック148を少なくとも部分的に囲み得る。熱攪乱器168は、対流を介したエンクロージャ214の側壁222からスタック148への熱伝達を抑制するために、容積220の内部の対流(例えば、空気循環)を遮断する。熱攪乱器168は、対流を介したスタック148の先端端部142からスタック148のラギング端部144への熱伝達を抑制するために、容積220の内部の対流をさらに遮断する。熱攪乱器168は、伝導及び/又は放射を介したエンクロージャ214の側壁222からスタック148への熱伝達もさらに抑制する。
【0115】
一実施例では、
図15に示すように、熱攪乱器168は、
図9に例示且つ記載される繊維マット170の1つ又は複数の断片から作られるか、又はそれらを含む。別の例では、熱攪乱器168は、
図10に例示且つ記載されるハニカム構造体172の1つ又は複数の断片から作られるか、又はそれらを含む。別の例では、熱攪乱器168は、
図11に例示且つ記載される1つ又は複数のバッフル174から作られるか、又はそれらを含む。
【0116】
したがって、開示された装置100は、熱硬化サイクル中に複合構造物をエミュレートするために使用される。熱硬化サイクル中、熱伝導性プレート146のうちの選択されたものについて測定された温度は、複合構造物の表面又は内部の選択位置の代表的温度として用いられる。熱伝導性プレート146の特定のプレートの測定温度は、複合構造物の表面又は内部の種々の位置の最高温度及び最低温度を表す。次いで、測定温度は、熱硬化サイクル中の複合構造物の温度を調節するために、熱硬化システムの熱源を制御する入力として使用することができる。
【0117】
複合構造物の最高(例えば、先端)温度及び最低(例えば、ラギング)温度の両方を温度エミュレーションアセンブリ104によってエミュレートすることができるよう、装置100は、熱伝導性プレート146のうちの異なるプレートを用いる複数のチャネルを収容する。温度エミュレーションアセンブリ104は、複数の熱伝導性プレート146から形成された熱質量として機能する。熱伝導性プレート146のうちの隣接するプレートは、所定の距離離間され、絶縁体層178によって分離され得る。熱伝導性プレート146と絶縁体層178を連続的に交互させることにより、先端端部142からラギング端部144へと、温度エミュレーションアセンブリ104を通して、安定的で且つよく制御された温度階調が階段状パターンで生じる。
【0118】
温度エミュレーションアセンブリ104は、エンクロージャアセンブリ102によって、1つの面を除くすべての面で熱硬化システムの内部で周囲から絶縁される。エンクロージャアセンブリ102は、エンクロージャアセンブリ102の先端端部132を通して(例えば、先端端部面プレート116又は先端端部面プレート224を通して)対流を介してのみ、熱が温度エミュレーションアセンブリ104に伝達されることを許容する。したがって、エンクロージャアセンブリ102は、予測可能な方法で温度エミュレーションアセンブリ104への熱の伝達を制御する。
【0119】
有益には、開示された装置100は、複合構造物の最先端の(例えば、最高)温度及び最もラギング側の(例えば、最低)温度の両方をエミュレートする。装置100は、硬化材料の発熱挙動からの温度をエミュレートする。装置100の温度エミュレーションアセンブリ104は、可動部品又は電子部分を有しない固体の且つ堅牢な機構である。温度エミュレーションアセンブリ104の熱伝導性プレート146は、安価で簡単に組み立て可能なプレート部材から構築することができる。プレート部材は、プレート材料に形成される様々な異なる寸法、形状、及び/又はパターンを有するように形成(例えば、水噴射切断)することができる。装置100は、熱モデルを使用し、熱伝導性プレート146を所定のスタック構成に配置することにより、較正することができ、それにより、装置100の熱応答が、複合構造物の熱応答に実質的に合致する。装置100は、複合構造物をエミュレートするために複合構造物或いは関連するツール又は取付品と接触する必要はない。さらに、装置100を使用することにより、温度センサを複合構造物及び/又はツール(例えば、エミュレートされている物品)と接触するように置く必要性がなくなる。装置100は、コンパクトな設計であり、比較的小さくて軽量である。
【0120】
図16を参照すると、フロー
図400は、例えば、
図1から
図15に示す開示された装置100を用いて、熱硬化サイクル中の複合構造物の温度及び/又は熱慣性の階調(thermal inertia gradient)をエミュレートするための、加熱サイクル中の物品をエミュレートする例示的な方法を示す。ブロック402では、方法は、エンクロージャアセンブリ102及び温度エミュレーションアセンブリ104を配置することにより装置100を構築することから始まる。特定の複合構造物の熱応答を再現する装置100の熱応答を実現しようとして装置100が最初に構築される。この初期構築は、特定の複合構造物の材料及び寸法、並びにエンクロージャアセンブリ102及び温度エミュレーションアセンブリ104の材料及び構成を考慮して、当業者の知識及び経験に少なくとも部分的に基づき得る。方法は、装置100の較正へと続く。
【0121】
ブロック404では、複合構造物の熱モデルが生成される。ブロック406では、装置100の熱モデルは、エンクロージャアセンブリ102及び温度エミュレーションアセンブリ104の初期配置に基づいて生成される。
【0122】
ブロック408では、複合構造物の仮想熱プロファイルが、複合構造物の熱モデルに基づいて生成される。ブロック410では、装置100の仮想熱プロファイルが、装置100の熱モデルに基づいて生成される。
【0123】
ブロック412では、装置100の仮想熱プロファイルが、複合構造物の仮想熱プロファイルと比較される。装置100の仮想熱プロファイルが、複合構造物の仮想熱プロファイルと実質的に合致すると、方法は継続することができる。装置100の仮想熱プロファイルが複合構造物の仮想熱プロファイルと実質的に合致しない場合、特定の複合構造物の熱応答を再現する装置100の熱応答を再度実現しようとして、エンクロージャアセンブリ102及び温度エミュレーションアセンブリ104を再配置することにより、装置100が再構築される。複合構造物の熱プロファイルに近似的に合致する熱プロファイルを有する温度エミュレーションアセンブリ104の最終的な構成(例えば、熱伝導性プレート146及び/又は絶縁体層178の総数、厚さ、及びスタック構成)が決定され得る。
【0124】
ブロック414では、装置100の仮想熱プロファイルが複合構造物の仮想熱プロファイルに実質的に合致すると、複合構造物及び装置100の両方が熱硬化サイクルに曝される。ブロック416では、複合構造物の表面又は内部の種々の位置の温度は、熱硬化サイクル中に、例えば、複合構造物に連結された複数の温度センサによって測定される。ブロック418では、温度エミュレーションアセンブリ104の各熱伝導性プレート146の温度は、熱硬化サイクル中に、スタック148に連結された複数の温度センサ162によって測定される。
【0125】
ブロック420では、複合構造物の実際の熱プロファイルが、複合構造物の測定温度に基づいて生成される。ブロック422では、装置100の実際の熱プロファイルが、装置100の測定温度に基づいて生成される。
【0126】
ブロック424では、装置100の実際の熱プロファイルが、複合構造物の実際の熱プロファイルと比較される。装置100の実際の熱プロファイルが、複合構造物の実際の熱プロファイルと実質的に合致すると、方法は継続することができる。装置100の実際の熱プロファイルが複合構造物の実際の熱プロファイルと実質的に合致しない場合、特定の複合構造物の熱応答を再現する装置100の熱応答を再度実現しようとして、エンクロージャアセンブリ102及び温度エミュレーションアセンブリ104を再配置することにより、装置100が修正される。
【0127】
ブロック426では、装置100の実際の熱プロファイルが、複合構造物の実際の熱プロファイルと実質的に合致すると、複合構造物の種々の位置における最高測定温度及び最低測定温度が特定される。ブロック428では、複合構造物の最高測定温度及び最低測定温度に合致する測定温度を有する温度エミュレーションアセンブリ104の熱伝導性プレート146のうちの特定のプレートが特定される。ブロック430では、その熱伝導性プレート146のうちの特定のプレートが、複合構造物の最も熱い位置及び最も冷たい位置に対応するように相関させられる。一例として、温度エミュレーションアセンブリ104の熱プロファイルの第1の温度は、複合構造物の熱プロファイルの最高温度と合致させられる。温度エミュレーションアセンブリ104の熱プロファイルの第2の温度は、複合構造物の熱プロファイルの最低温度と合致させられる。温度エミュレーションアセンブリ104の2つの位置(例えば、選択された2つの熱伝導性プレート146)は、温度エミュレーションアセンブリ104の熱プロファイル第1の温度及び第2の温度に対応するように選択される。
【0128】
ブロック432では、次いで、装置100は、後続の熱硬化サイクル中に同一の材料及び寸法構成の追加の複合構造物をエミュレートするために使用される。次の複合構造物の熱硬化中、装置100は、複合構造物と共に熱硬化サイクルに曝される。温度センサ162は、複合構造物の最高測定温度及び最低測定温度に合致する、先だって測定された温度を有する特定された熱伝導性プレート146に連結される。
【0129】
ブロック434では、温度エミュレーションアセンブリ104について測定された温度出力は、熱硬化サイクル中の複合構造物の温度を調節するために、熱硬化システムの熱源を制御する入力として使用される。
【0130】
図17を参照すると、フロー
図500は、例えば、熱硬化サイクル中に複合構造物をエミュレートする開示された装置100の温度エミュレーションアセンブリ104への熱伝達を制御するために、加熱サイクルに曝される物品をエミュレーションする間の熱伝達を制御する例示的な方法を示す。ブロック502では、以上で且つ
図16で示されているように、方法は、複合構造物の熱応答を再現する装置100の熱応答を実現するために、エンクロージャアセンブリ102及び温度エミュレーションアセンブリ104を配置することにより装置100を構築することから始まる。ブロック504では、温度エミュレーションアセンブリ104は、エンクロージャアセンブリ102によって周囲から隔離される。ブロック506では、装置100は、熱硬化サイクル中に熱硬化システムの内部で加熱される。
【0131】
ブロック508では、装置100の温度エミュレーションアセンブリ104への伝導性熱伝達は、エンクロージャアセンブリ102を通して一方向にのみ許容される。一例として、温度エミュレーションアセンブリ104への伝導性熱伝達は、装置100のエンクロージャアセンブリ102の先端端部132から装置100の温度エミュレーションアセンブリ104の先端端部142へと許容される。一例として、熱は、熱硬化システムの内部の周囲気体から先端端部面プレート116(又は先端端部面プレート224)へと、伝導、対流、及び/又は放射を介して伝達される。次いで、熱は、先端端部面プレート116(又は先端端部面プレート224)から先端端部面プレート116(又は先端端部面プレート224)と接触する熱伝導性プレート146のうちの最先端のプレートへと対流を介して伝達される。
【0132】
ブロック510で示すように、温度エミュレーションアセンブリ104を通した伝導性熱伝達が許容される。一例として、伝導性熱伝達は、温度エミュレーションアセンブリ104の先端端部142から温度エミュレーションアセンブリ104のラギング端部144へと許容される。一例として、熱は、熱伝導性プレート146のうちの最先端のプレートから、熱伝導性プレート146のうちの中間のプレートを通って、スタック148の熱伝導性プレート146のうちの最も後端側のプレートへと、対流を介して漸進的に伝達される。
【0133】
ブロック512で示すように、温度エミュレーションアセンブリ104を通した伝導性熱伝達が制御される。一例として、伝導性熱伝達は、温度エミュレーションアセンブリ104の先端端部142から温度エミュレーションアセンブリ104のラギング端部144へと制御される。一例として、熱伝導性プレート146のうちの隣接するプレート同士の間に位置付けされた絶縁体層178が、スタック148の先端端部142からラギング端部144への伝導性熱伝達を制御する。別の例として、熱伝導性プレート146の厚みが、スタック148の先端端部142からラギング端部144への伝導性熱伝達を制御する。別の例として、熱伝導性プレート146の材料の選択によって、スタック148の先端端部142からラギング端部144への伝導性熱伝達が制御される。
【0134】
ブロック514では、エンクロージャアセンブリ102から温度エミュレーションアセンブリ104への伝導性熱伝達が抑制される。一例として、エンクロージャアセンブリ102の絶縁体158は、エンクロージャアセンブリ102から温度エミュレーションアセンブリ104のスタック148への伝導を介した熱伝達を抑制する。別の例として、エンクロージャアセンブリ102の熱バリア160は、エンクロージャアセンブリ102から温度エミュレーションアセンブリ104のスタック148への伝導を介した熱伝達を抑制する。
【0135】
ブロック516では、エンクロージャアセンブリ102から温度エミュレーションアセンブリ104への対流熱伝達が抑制される。一例として、エンクロージャアセンブリ102の絶縁体158は、エンクロージャアセンブリ102から温度エミュレーションアセンブリ104のスタック148への対流を介した熱伝達を抑制する。別の例として、エンクロージャアセンブリ102の熱バリア160は、エンクロージャアセンブリ102から温度エミュレーションアセンブリ104のスタック148への対流を介した熱伝達を抑制する。別の例として、エンクロージャアセンブリ102の熱攪乱器168は、エンクロージャアセンブリ102から温度エミュレーションアセンブリ104のスタック148への対流を介した熱伝達を抑制する。
【0136】
ブロック518では、エンクロージャアセンブリ102から温度エミュレーションアセンブリ104への放射熱伝達が抑制される。一例として、エンクロージャアセンブリ102の絶縁体158は、エンクロージャアセンブリ102から温度エミュレーションアセンブリ104のスタック148への放射を介した熱伝達を抑制する。別の例として、エンクロージャアセンブリ102の熱バリア160は、エンクロージャアセンブリ102から温度エミュレーションアセンブリ104のスタック148への放射を介した熱伝達を抑制する。別の例として、エンクロージャアセンブリ102の熱攪乱器168は、エンクロージャアセンブリ102から温度エミュレーションアセンブリ104のスタック148への放射を介した熱伝達を抑制する。
【0137】
ブロック520では、温度エミュレーションアセンブリ104に沿った対流熱伝達が抑制される。一例として、温度エミュレーションアセンブリ104の先端端部142から温度エミュレーションアセンブリ104のラギング端部144への対流熱伝達が抑制される。別の例として、エンクロージャアセンブリ102の熱攪乱器168は、温度エミュレーションアセンブリ104のスタック148の先端端部142からラギング端部144への対流を介した熱伝達を抑制する。別の例として、スタック148の絶縁体層178の周縁部180は、温度エミュレーションアセンブリ104のスタック148の先端端部142からラギング端部144への対流を介した熱伝達を抑制する。
【0138】
ブロック522では、温度エミュレーションアセンブリ104に沿った放射熱伝達が抑制される。一例として、温度エミュレーションアセンブリ104の先端端部142から温度エミュレーションアセンブリ104のラギング端部144への放射熱伝達が抑制される。一例として、エンクロージャアセンブリ102の熱攪乱器168は、温度エミュレーションアセンブリ104のスタック148の先端端部142からラギング端部144への放射を介した熱伝達を抑制する。別の例として、スタック148の絶縁体層178の周縁部180は、温度エミュレーションアセンブリ104のスタック148の先端端部142からラギング端部144への放射を介した熱伝達を抑制する。
【0139】
図18を参照すると、フロー
図300は、例えば、
図1から
図15に示す開示された装置100を用いて、熱硬化サイクル中の複合構造物の温度及び/又は熱慣性の階調をエミュレートするための、物品をエミュレートする例示的な方法を示す。ブロック302では、方法は、装置100の組み立てで始まる。装置100は、エンクロージャアセンブリ102、及びエンクロージャアセンブリ102の内部に位置付けされた温度エミュレーションアセンブリ104を含む。組み立てステップ(ブロック302)は、
図16及び
図17で記載且つ図示された構築ステップ(ブロック402及び502)の例であり得る。
【0140】
一実施例では、装置100の組み立て(ブロック302)は、エンクロージャアセンブリ102を配置することと、温度エミュレーションアセンブリ104を配置することとを含む。一例として、エンクロージャアセンブリ102を配置することは、ブロック304で示すように、内側エンクロージャ120を外側エンクロージャ106の内部に配置することを含む。ブロック306では、温度エミュレーションアセンブリ104を配置することは、複数の熱伝導性プレート146を内側エンクロージャ120の内部でスタック148に配置することを含む。
【0141】
ブロック308では、絶縁体158が、外側エンクロージャ106の外側エンクロージャ‐側壁112と内側エンクロージャ120の内側エンクロージャ‐側壁126との間に配置される。ブロック310では、熱バリア160が、外側エンクロージャ106の外側エンクロージャ‐ラギング端部面プレート118と内側エンクロージャ120の内側エンクロージャ‐ラギング端部面プレート136との間に配置される。ブロック312では、熱攪乱器168が、内側エンクロージャ120の内側エンクロージャ‐側壁126と複数の熱伝導性プレート146のスタック148との間に配置される。
【0142】
ブロック314で示すように、装置100は、熱硬化システムの内部で加熱される。ブロック316で示すように、加熱中、装置100の装置-先端端部132を通ることを除いて、あらゆる伝導性熱伝達経路に沿った温度エミュレーションアセンブリ104への伝導性熱伝達が抑制される。ブロック318で示すように、加熱中、あらゆる対流熱伝達経路に沿った温度エミュレーションアセンブリ104への対流熱伝達が抑制される。ブロック320で示すように、加熱中、あらゆる放射熱伝達経路に沿った温度エミュレーションアセンブリ104への放射熱伝達が抑制される。ブロック322で示すように、加熱中、熱は、温度エミュレーションアセンブリ104を通して、装置‐先端端部132の近傍に位置付けされた温度エミュレーションアセンブリ‐先端端部142から温度エミュレーションアセンブリ‐ラギング端部144へと伝導的に伝達される。
【0143】
ブロック324に示すように、温度エミュレーションアセンブリ104の2つの位置の温度は、熱硬化サイクル全体にわたって、少なくとも2つの温度センサ162を用いて測定される。一例として、2つの選択された熱伝導性プレート146の温度が測定される。2つの選択された熱伝導性プレート146は、装置100によってエミュレートされている複合構造物の極高低温(例えば、最も熱い位置及び最も冷たい位置)を表す。このような態様では、装置100の測定温度を用いて複合構造物の温度を表すことは、形成ツールの測定温度を用いて複合構造物の温度を表すことに取って代わる。
【0144】
任意選択的に、さらに、気体温度が、熱硬化サイクル全体にわたって、少なくとも1つの気体温度センサ164を用いて測定され得る。一例として、気体温度は、複合構造物の最高温度を表し得る。複合構造物の構成(例えば、非常に薄い複合構造物)に応じて、複合構造物は、気体温度に非常に近い温度まで熱し得る。
【0145】
温度エミュレーションアセンブリ104の温度、及び任意選択的に熱硬化システムの内部の気体の気体温度は、熱硬化サイクル中の熱硬化システムの内部の気体温度を制御するために、熱硬化システムのコントローラによって用いられる。一例として、熱硬化システムの温度制御設定は、装置100が与える温度入力に応じて調整することができる。
【0146】
装置100を用いて複合構造物の温度をエミュレートする前に、装置100は、複合構造物の温度プロファイルを適切に表すように較正される。ブロック326に示すように、複合構造物の複数の位置における複数の温度プロファイルが生成される。一例として、複数の温度プロファイルは、複数の温度センサを複合構造物の複数の位置に熱的に連結し、複合構造物を熱硬化サイクルに曝し、熱硬化サイクル全体にわたって、複数の位置の温度を測定することによって生成される。
【0147】
ブロック328に示すように、温度エミュレーションアセンブリ104の複数の位置における温度エミュレーションアセンブリ104の、及び任意選択的に熱硬化システムの内部の気体の複数の温度プロファイルが生成される。一例として、複数の温度プロファイルは、少なくとも1つの温度センサを、温度エミュレーションアセンブリ104の複数の位置を表す複数の熱伝導性プレート146のそれぞれに熱的に連結し、装置100を複合構造物と共に熱硬化サイクルに曝し、熱硬化サイクル全体にわたって、複数の熱伝導性プレート146の温度を測定することによって生成される。
【0148】
ブロック330で示すように、温度エミュレーションアセンブリ104の最も熱い位置(例えば、最も熱い熱伝導性プレート146)を表す温度エミュレーションアセンブリ104の最も熱い温度プロファイルは、複合構造物の最も熱い位置を表す複合構造物の最も熱い温度プロファイルと合致させられる。ブロック332で示すように、温度エミュレーションアセンブリ104の最も冷たい位置(例えば、最も冷たい熱伝導性プレート146)を表す温度エミュレーションアセンブリ104の最も冷たい温度プロファイルは、複合構造物の最も冷たい位置を表す複合構造物の最も冷たい温度プロファイルと合致させられる。温度のエミュレーション及び測定の間(ブロック324)に用いられる温度エミュレーションアセンブリ104の2つの位置(例えば、2つの選択された熱伝導性プレート146)は、温度エミュレーションアセンブリ104の最も熱い位置(例えば、最も熱い熱伝導性プレート146)及び温度エミュレーションアセンブリ104の最も冷たい位置(例えば、最も冷たい熱伝導性プレート146)である。
【0149】
したがって、複合構造物の最も熱い位置及び最も冷たい位置を表す温度エミュレーションアセンブリ104の2つの位置(例えば、2つの熱伝導性プレート146)が一旦選択されたら、同じ構成(例えば、寸法、積層構成、材料等)を有する追加の複合構造物をエミュレートするために、装置100を繰り返し用いることができる。
【0150】
しかしながら、装置100の初期較正の間、例えば、温度エミュレーションアセンブリ104の温度プロファイルを生成する間(ブロック328)、且つ最も熱い温度プロファイルと最も冷たい温度プロファイルとを合致させる間(ブロック330及び332)、合致する温度プロファイルを見つけるために、複数の熱プレート146の様々な構成及び/又は配置を検証しなければならない場合がある。複合構造物の温度プロファイルに合致する適切な温度エミュレーションアセンブリ104の温度プロファイルがないとき、ブロック306で示すように、複数の熱伝導性プレート146は、スタック148に再構成され得る。一例として、熱伝導性プレート146の数は、変動(例えば、増大又は減少)し得、且つ/又は、熱伝導性プレート146の1つ又は複数の厚さは変動(例えば、増大又は減少)し得る。熱伝導性プレート146をスタック148に再構成した後、ブロック326、328、330、及び332で示すステップを繰り返すことができる。
【0151】
さらに、ブロック334で示すように、温度エミュレーションアセンブリ104を通した、温度エミュレーションアセンブリ‐先端端部142から温度エミュレーションアセンブリ104の温度エミュレーションアセンブリ‐ラギング端部144への伝導性熱伝達率が制御され得る。一例として、スタック148内に絶縁体層178を導入し、且つ/又はその厚さを変動させることにより、温度エミュレーションアセンブリ104を通して伝導性熱伝達率が制御され得る。
【0152】
装置100が先だって較正されてエミュレートした複合構造物とは異なる構成を有する異なる複合構造物をエミュレートするために装置100を使用する際、このプロセスを繰り返してもよい。
【0153】
したがって、開示された装置100は、熱硬化されている複合構造物の最も熱い位置及び最も冷たい位置を表す又はエミュレートする温度出力を提供するように構成される。エンクロージャアセンブリ102及び温度エミュレーションアセンブリ104のフィーチャは、温度エミュレーションアセンブリ104を通した熱伝達のモード及び熱伝達の方向の制御をもたらす。
【0154】
開示された装置100及び方法の実施例は、具体的には、例えば、航空宇宙、船舶、及び自動車の分野を含む輸送産業で、様々な潜在的な複合材の製造用途において用いられることが見い出され得る。したがって、これより
図19及び
図20を参照すると、装置100及び方法の実施例は、
図19に示す航空機の製造及び保守方法1100、並びに
図20に示す航空機1200に関して使用してもよい。開示された実施例の航空機用途は、熱硬化サイクルに曝され、航空機1200の製造中に使用される任意の複合構造物を含み得る。
【0155】
製造前の段階では、例示的な方法1100は、ブロック1102に示す、航空機1200の仕様及び設計、並びにブロック1104に示す材料調達を含み得る。製造段階では、ブロック1106に示す、航空機1200のコンポーネント及びサブアセンブリの製造、並びにブロック1108に示す航空機1200のシステムインテグレーションが行われ得る。本明細書に記載されている装置100及び当該方法を用いた複合構造物の熱硬化は、例えば、航空機1200の製造に使用される複合構造物を製造するための、コンポーネント及びサブアセンブリの製造ステップ(ブロック1106)の一部として、且つ/又はシステムインテグレーション(ブロック1108)の一部として実行され得る。その後、航空機1200は、ブロック1110に示す認可及び納品を経て、ブロック1112に示す運航に供され得る。運航期間中、航空機1200には、ブロック1114に示す定期的な整備及び保守が予定され得る。定期的な整備及び保守は、航空機1200の1つ又は複数のシステムの改変、再構成、改修等を含み得る。本明細書に記載されている装置100及び当該方法を用いた複合構造物の熱硬化は、例えば、航空機1200の整備及び保守に使用される複合構造物を製造するための、定期的な整備及び保守ステップ(ブロック1114)の一部として実行され得る。
【0156】
例示的な方法1100の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば、顧客)によって実行又は実施されてもよい。本明細書の目的のために、システムインテグレータとは、限定しないが、任意の数の航空機製造者及び主要システムの下請業者を含んでもよく、第三者とは、限定しないが、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含んでもよく、オペレータとは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであってもよい。
【0157】
図20に示すように、例示的な方法1100によって製造された航空機1200は、例えば、本明細書に記載された装置100及び当該方法を用いて製造された1つ又は複数の熱硬化複合構造物を有する機体1202、複数の高レベルのシステム1204、並びに例えば、本明細書に記載された装置100及び当該方法を用いて製造された1つ又は複数の熱硬化複合構造物を有する内装1206を含み得る。高レベルのシステム1204の例には、推進システム1208、電気システム1210、油圧システム1212、及び環境システム1214のうちの1つ又は複数が含まれる。任意の数の他のシステムも含まれてもよい。ここでは航空宇宙産業の例を示しているが、本明細書で開示された原理は、自動車産業、海洋産業などといった他の産業にも適用され得る。
【0158】
本明細書に図示又は記載されたシステム、装置、及び方法は、製造及び保守方法1100の、1つ又は複数の任意の段階で利用され得る。例えば、コンポーネント及びサブアセンブリの製造(ブロック1106)に対応するコンポーネント又はサブアセンブリは、航空機1200の運航(ブロック1112)中に製造されたコンポーネント又はサブアセンブリと同様の態様で制作又は製造されてもよい。さらに、システム、装置、及び方法、或いはこれらの組み合わせの1つ又は複数の例は、製造段階(ブロック1108及びブロック1110)において利用され得る。同様に、システム、装置、及び方法、又はこれらの組み合わせの1つ又は複数の例は、限定するわけではないが、例としては、航空機1200の運航(ブロック1112)中に、且つ、整備及び保守の段階(ブロック1114)において利用され得る。
【0159】
別途提示されない限り、「第1」、「第2」などの用語は、本明細書では単に符号として使用されており、これらの用語が表すアイテムに対して、順序的、位置的、又は序列的な要件を課すことを意図していない。さらに、「第2」のアイテムに言及することは、より小さい数が振られたアイテム(例えば、「第1」のアイテム)及び/又はより大きい数が振られたアイテム(例えば、「第3」のアイテム)の存在を必要とするわけでもなく、除外するわけでもない。
【0160】
本明細書で使用されるように、列挙されたアイテムと共に使用される「~のうちの少なくとも1つ」という表現は、列挙されたアイテムのうちの1つ又は複数の種々の組み合わせが使用可能であり、且つ、列挙されたアイテムのうち1つだけが必要であり得ることを意味する。アイテムとは、特定の物体、物品、又はカテゴリであり得る。言い換えると、「~のうちの少なくとも1つ」とは、任意の組み合わせのアイテム又は任意の数のアイテムを列挙された中から使用することができることを意味するが、列挙されたアイテムの全てが必要とされるわけではない。例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」とは、例えば、「アイテムA」、「アイテムAとアイテムB」、「アイテムB」、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、又は「アイテムBとアイテムC」を意味し得る。場合によっては、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」とは、例えば、限定するものではないが、「2個のアイテムAと1個のアイテムBと10個のアイテムC」、「4個のアイテムBと7個のアイテムC」、又は他の好適な組み合わせを意味し得る。
【0161】
本明細書における「約(“approximately” and “about”)という用語は、規定された量に近い量であって、なおかつ所望の機能を果たすか、又は所望の結果を実現する量を表わす。例えば、「約」という用語は、規定の量の、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、及び0.01%未満の範囲内の量を表わし得る。
【0162】
本明細書における「実質的に(substantially)」という用語は、「厳密に(exactly)」及び「類似した(similar)」の意味を含む場合があり、厳密であると認知し得る程度に、ということである。限定的な例としてではなく例示のためにのみであるが、「実質的に」という用語は、厳密な又は実際の値から+/-5%の差異として、数量化され得る。例えば、「AはBと実質的に同じである」というフレーズは、AがBと厳密に同一である、又は、Aが、例えばBの値の+/-5%の差異の範囲内にあり得る(或いは逆も然り)実施例を包含し得る。
【0163】
本明細書における「部分的に(partially)」又は「~の少なくとも一部(at least a portion of)」という表現は、全体を含み得る全体量を含む、全体量を表わし得る。例えば、「~の一部(a portion of)」という表現は、全体の、0.01%を上回る量、0.1%を上回る量、1%を上回る量、10%を上回る量、20%を上回る量、30%を上回る量、40%を上回る量、50%を上回る量、60%を上回る量、70%を上回る量、80%を上回る量、90%を上回る量、95%を上回る量、99%を上回る量、及び100%の量を表わし得る。
【0164】
上記で言及した
図20では、様々な要素及び/又は構成要素を接続する実線が存在する場合、それらは、機械的、電気的、流体的、光学的、電磁的な連結、及びその他の連結、並びに/又はそれらの組合せを表わす。本明細書における「連結(coupled)」とは、直接的並びに間接的に関連付けられていることを意味する。例えば、部材Aは部材Bに直接的に関連付けられるか、又は例えば別の部材Cを介して、部材Bに間接的に関連付けられていてよい。開示される種々の要素間の全ての関係が必ずしも表されているわけではないことは、理解されるであろう。そのため、ブロック図に図示されているもの以外の連結も存在し得る。様々な要素及び/又は構成要素を指し示すブロックを接続する破線が存在する場合、それらは、実線によって表わされているものに機能及び目的の点で類似した連結を表わす。しかし、破線によって表わされた連結は、選択的に設けられているか、又は、本開示の代替例に関連する。同様に、破線で表された要素及び/又は構成要素が存在する場合、それらは本開示の代替例を示す。実線及び/又は破線で示されている1つ又は複数の要素は、本開示の範囲から逸脱せずに、特定の実施例から省略してもよい。環境要素が存在する場合、それらは点線で表わされる。仮想的な(架空の)要素も、明確性のために示される場合がある。
図20に示す特徴の一部は、
図20、他の図面、及び/又はそれらに伴う開示において説明されている他の特徴を含むことを必要とせずに、様々な方法で組み合わせることができるが、このような1つ又は複数の組み合わせは、本明細書では明示的に示されていないことを当業者は理解されよう。同様に、提示された実施例に限定されない追加の特徴を本明細書で図示且つ説明された特徴の一部又は全部と組み合わせることができる。
【0165】
上記の
図16から
図19では、ブロックは、工程及び/又はその一部を表すことができる。様々なブロックを接続する線は、工程又はその一部の任意の特定の順番又は従属関係を暗示しているわけではない。破線で表わされたブロックが存在する場合、それらは代替的な工程及び/又はその一部分を示す。様々なブロックを接続する破線が存在する場合、それらは工程又はその一部分の代替的な従属関係を表わす。開示されている様々な工程間のすべての従属関係が必ずしも表わされているわけではないことが、理解されよう。本明細書に明記された開示方法の工程を記載している
図16から
図19、並びに付随する開示は、必ずしも工程が実行されるべき順序を決定付けていると解釈すべきではない。むしろ、1つの例示的な順番が示されていても、工程の配列は、適切な場合には改変され得ると理解されたい。したがって、図示されている工程には改変、追加、及び/又は省略が行われてよく、特定の複数の工程は、異なる順序で又は同時に実施され得る。さらに、記載されている全ての工程を実行する必要はないことを、当業者は理解されよう。
【0166】
本発明は、以下の条項でも言及される。以下の条項は、特許請求の範囲と混同すべきではない。
【0167】
A1
装置100であって、
エンクロージャアセンブリ‐先端端部132及び反対側のエンクロージャアセンブリ‐ラギング端部134を備えたエンクロージャアセンブリ102、並びに
前記エンクロージャアセンブリの内部で取り付けられ、前記エンクロージャアセンブリ‐先端端部の近傍に位置する温度エミュレーションアセンブリ‐先端端部142、及び前記エンクロージャアセンブリ‐ラギング端部から離間された温度エミュレーションアセンブリ‐ラギング端部144を備えた温度エミュレーションアセンブリ104
を備え、前記エンクロージャアセンブリが、前記温度エミュレーションアセンブリを熱的に隔離し、且つ
前記エンクロージャアセンブリが、前記エンクロージャアセンブリ‐先端端部を通してのみ前記温度エミュレーションアセンブリへの伝導性熱伝達を許容する、装置。
【0168】
A2
前記装置が、熱硬化サイクル中の複合構造物の熱応答をエミュレートする、段落A1に記載の装置がさらに提供される。
【0169】
A3
前記エンクロージャアセンブリが、エンクロージャ‐先端端部及びエンクロージャ‐ラギング端部を備えたエンクロージャを備え、
前記温度エミュレーションアセンブリが、前記エンクロージャの内部でスタック148に配置された複数の熱伝導性プレート146を備え、
前記スタックが、前記エンクロージャ‐先端端部の近傍に位置付けされたスタック‐先端端部、及び前記エンクロージャ‐ラギング端部から離間されたスタック‐ラギング端部を備え、且つ
前記複数の熱伝導性プレートのうちの少なくとも1つが、前記複数の熱伝導性プレートのうちの前記少なくとも1つの温度を測定するために、少なくとも1つの温度センサと接続するように構成されている、段落A1に記載の装置がさらに提供される。
【0170】
A4
前記エンクロージャが、前記エンクロージャ‐先端端部を通ることを除いて、あらゆる伝導性熱伝達経路に沿った前記スタックへの伝導性熱伝達を抑制し、
前記エンクロージャが、あらゆる対流熱伝達経路に沿った前記スタックへの対流熱伝達を抑制し、
前記エンクロージャが、あらゆる放射熱伝達経路に沿った前記スタックへの放射熱伝達を抑制し、且つ
前記スタック‐先端端部から前記スタック‐ラギング端部へと、前記複数の熱伝導性プレートを通して熱が伝導的に伝達される、段落A3に記載の装置がさらに提供される。
【0171】
A5
前記エンクロージャが、外側エンクロージャ‐先端端部108及び外側エンクロージャ‐ラギング端部110を備えた外側エンクロージャ106であり、
前記エンクロージャアセンブリが、前記外側エンクロージャの内部に取り付けられ、前記外側エンクロージャ‐先端端部の近傍に位置付けされた内側エンクロージャ‐先端端部122、及び前記外側エンクロージャ‐ラギング端部から離間された内側エンクロージャ‐ラギング端部124を備えた内側エンクロージャ120をさらに備え、且つ
前記スタックは、前記スタック‐先端端部が前記外側エンクロージャ‐先端端部の近傍に位置付けされ、前記スタック‐ラギング端部が前記内側エンクロージャ‐ラギング端部から離間された状態で、前記内側エンクロージャの内部に取り付けられている、段落A4に記載の装置がさらに提供される。
【0172】
A6
前記外側エンクロージャが、前記あらゆる伝導性熱伝達経路に沿った前記内側エンクロージャへの前記伝導性熱伝達を抑制し、
前記内側エンクロージャが、前記あらゆる伝導性熱伝達経路に沿った前記スタックへの前記伝導性熱伝達を抑制し、
前記外側エンクロージャが、前記あらゆる対流熱伝達経路に沿った前記内側エンクロージャへの前記対流熱伝達を抑制し、
前記内側エンクロージャが、前記あらゆる対流熱伝達経路に沿った前記スタックへの前記対流熱伝達を抑制し、
前記外側エンクロージャが、前記あらゆる放射熱伝達経路に沿った前記内側エンクロージャへの前記放射熱伝達を抑制し、且つ
前記内側エンクロージャが、前記あらゆる放射熱伝達経路に沿った前記スタックへの前記放射熱伝達を抑制する、段落A5に記載の装置がさらに提供される。
【0173】
A7
前記外側エンクロージャと前記内側エンクロージャとの間で画定された外側容積128の少なくとも一部の中に配置された絶縁体158をさらに備え、前記絶縁体が、前記外側エンクロージャから前記内側エンクロージャへの前記伝導性熱伝達、前記対流熱伝達、及び前記放射熱伝達を抑制する、段落A6に記載の装置がさらに提供される。
【0174】
A8
前記絶縁体が、空気絶縁及び繊維絶縁のうちの少なくとも1つを含む、段落A7に記載の装置がさらに提供される。
【0175】
A9
前記外側エンクロージャ‐ラギング端部と前記内側エンクロージャ‐ラギング端部との間で画定された外側容積の少なくとも一部の中に配置された熱バリアをさらに備え、前記熱バリアが、前記外側エンクロージャから前記内側エンクロージャへの前記伝導性熱伝達、前記対流熱伝達、及び前記放射熱伝達を抑制する、段落A6に記載の装置がさらに提供される。
【0176】
A10
前記内側エンクロージャと前記スタックとの間で画定された内側容積130の少なくとも一部の中に配置され、前記スタックを少なくとも部分的に囲む熱攪乱器168をさらに備え、前記熱攪乱器が、前記内側エンクロージャから前記スタックへの前記伝導性熱伝達、前記対流熱伝達、及び前記放射熱伝達を抑制する、段落A6に記載の装置がさらに提供される。
【0177】
A11
前記熱攪乱器が、繊維マット、ハニカム構造体、及び少なくとも1つのバッフルのうちの少なくとも1つを含む、段落A10に記載の装置がさらに提供される。
【0178】
A12
前記外側エンクロージャと前記内側エンクロージャとの間に画定された外側容積、
前記外側エンクロージャと前記内側エンクロージャとの間の前記外側容積の少なくとも一部の中に配置された絶縁体、及び
前記外側エンクロージャ‐ラギング端部と前記内側エンクロージャ‐ラギング端部との間の前記外側容積の少なくとも一部の中に配置された熱バリアをさらに備え、
前記絶縁体及び前記熱バリアが、前記外側エンクロージャから前記内側エンクロージャへの前記伝導性熱伝達、前記対流熱伝達、及び前記放射熱伝達を抑制する、段落A6に記載の装置がさらに提供される。
【0179】
A13
前記内側エンクロージャと前記スタックとの間で画定された内側容積、及び
前記内側容積の少なくとも一部の中に配置され、前記スタックを少なくとも部分的に囲む熱攪乱器をさらに備え、
前記熱攪乱器が、前記内側エンクロージャから前記スタックへの前記伝導性熱伝達、前記対流熱伝達、及び前記放射熱伝達を抑制する、段落A12に記載の装置がさらに提供される。
【0180】
A14
前記エンクロージャが、前記エンクロージャ先端端部において先端端部面プレート116をさらに備え、
前記スタック‐先端端部における前記複数の熱伝導性プレートのうちの1つが、前記先端端部面プレートと接触しており、且つ
前記先端端部面プレートを通して、前記複数の熱伝導性プレートのうちの前記1つへと熱が伝導的に伝達されるように、前記先端端部面プレートが、許容される伝導性熱伝達経路を画定する、段落A4に記載の装置がさらに提供される。
【0181】
A15
前記先端端部面プレートが、ヒートシンクを備えている、段落A14に記載の装置がさらに提供される。
【0182】
A16
前記温度エミュレーションアセンブリが、前記温度エミュレーションアセンブリ‐先端端部から前記温度エミュレーションアセンブリ‐ラギング端部への前記伝導性熱伝達を制御する、段落A4に記載の装置がさらに提供される。
【0183】
A17
前記複数の熱伝導性プレートのうちの隣接するもの同士の間に位置付けされてスタックに配置された複数の絶縁体層178をさらに備え、前記複数の絶縁体層が、前記複数の熱伝導性プレートを通して、前記スタック‐先端端部から前記スタック‐ラギング端部へと伝導性熱伝達率を制御する、段落A16に記載の装置がさらに提供される。
【0184】
A18
前記複数の絶縁体層のうちの少なくとも1つの周縁部が、前記複数の熱伝導性プレートの側部を越えて延在し、前記複数の絶縁体層のうちの前記少なくとも1つの前記周縁部が、前記スタック‐先端端部から前記スタック‐ラギング端部への前記対流熱伝達及び前記放射熱伝達を抑制する、段落A17に記載の装置がさらに提供される。
【0185】
A19
前記複数の熱伝導性プレートのうちの少なくとも2つの温度を測定するために、前記複数の熱伝導性プレートのうちの前記少なくとも2つに熱的に連結された温度センサ162、及び
前記エンクロージャを囲む加熱された気体の温度を測定するために、前記エンクロージャの外部に位置付けされた少なくとも1つの気体温度センサ164
をさらに備えている、段落A4に記載の装置がさらに提供される。
【0186】
本発明のさらなる態様によれば、下記が提供される。
【0187】
B1
エンクロージャアセンブリ及び前記エンクロージャアセンブリの内部に位置付けされた温度エミュレーションアセンブリを備えた装置を加熱することと、
前記装置のエンクロージャアセンブリ‐先端端部を通した前記温度エミュレーションアセンブリへの伝導性熱伝達を許容することと、
前記装置の前記エンクロージャアセンブリ‐先端端部を通ることを除いて、あらゆる伝導性熱伝達経路に沿った前記温度エミュレーションアセンブリへの前記伝導性熱伝達を抑制することと、
あらゆる対流熱伝達経路に沿った前記温度エミュレーションアセンブリへの対流熱伝達を抑制すること、
あらゆる放射熱伝達経路に沿った前記温度エミュレーションアセンブリへの放射熱伝達を抑制することと
を含む方法。
【0188】
B2
前記温度エミュレーションアセンブリを通して、前記エンクロージャアセンブリ‐先端端部の近傍に位置付けされた温度エミュレーションアセンブリ‐先端端部から温度エミュレーションアセンブリ‐ラギング端部へと熱を伝導的に伝達することをさらに含む、段落B1に記載の方法がさらに提供される。
【0189】
本発明のさらなる態様によれば、下記が提供される。
【0190】
C1
加熱システムを用いて、エンクロージャアセンブリ及び前記エンクロージャアセンブリの内部に位置付けされた温度エミュレーションアセンブリを備えた装置を加熱することと、
前記エンクロージャアセンブリを用いて、前記温度エミュレーションアセンブリを前記加熱システムから熱的に隔離することと、
前記エンクロージャアセンブリのエンクロージャアセンブリ‐先端端部を通してのみ、前記温度エミュレーションアセンブリへの伝導性熱伝達を許容することと、
前記温度エミュレーションアセンブリを用いて、前記装置によってエミュレートされている物品の最高温度及び最低温度を表すことと、
を含む方法。
【0191】
C2
加熱サイクル全体にわたって、前記温度エミュレーションアセンブリの2つの位置の温度を測定することであって、前記温度エミュレーションアセンブリの前記2つの位置の測定温度が、前記装置によってエミュレートされている前記物品の前記最高温度及び前記最低温度を表す、2つの位置の温度を測定することと、
前記加熱システムの内部の温度を制御し、前記加熱サイクル中に前記装置によってエミュレートされている前記物品の温度を調節するために、前記測定温度を入力として使用することと
をさらに含む、段落C1に記載の方法。
【0192】
C3
前記物品のための熱プロファイルを生成することと、
前記温度エミュレーションアセンブリの熱プロファイルを生成することと、
前記温度エミュレーションアセンブリの前記熱プロファイルの第1の温度を前記物品の前記熱プロファイルの最高温度と合致させることと、
前記温度エミュレーションアセンブリの前記熱プロファイルの第2の温度を前記物品の前記熱プロファイルの最低温度と合致させることと
をさらに含み、前記温度エミュレーションアセンブリの前記2つの位置が、前記温度エミュレーションアセンブリの前記熱プロファイルの前記第1の温度及び前記第2の温度と対応するように選択される、段落C2に記載の方法。
【0193】
C4
前記装置を組み立てることをさらに含み、前記装置を組み立てることが、
内側エンクロージャを外側エンクロージャの内部に配置することと、
複数の熱伝導性プレートを前記内側エンクロージャの内部でスタックに配置することと、
前記複数の熱伝導性プレートのうちの1つを前記外側エンクロージャの先端端部面プレートと接触しているスタック‐先端端部において位置付けすることと、
前記外側エンクロージャの外側エンクロージャ‐側壁と前記内側エンクロージャの内側エンクロージャ‐側壁との間に絶縁体を配置することと、
前記外側エンクロージャの外側エンクロージャ‐ラギング端部面プレートと前記内側エンクロージャの内側エンクロージャ‐ラギング端部面プレートとの間に熱バリアを配置することと、
前記内側エンクロージャの前記内側エンクロージャ‐側壁と前記複数の熱伝導性プレートの前記スタックとの間に熱攪乱器を配置することと
を含む、段落C1に記載の方法。
【0194】
C5
前記物品の熱モデルのための仮想熱プロファイルを生成することと、
前記温度エミュレーションアセンブリの熱モデルのための仮想熱プロファイルを生成することと、
前記温度エミュレーションアセンブリの前記熱モデルのための前記仮想熱プロファイルを前記物品の前記熱モデルのための前記仮想熱プロファイルと比較することと、
前記温度エミュレーションアセンブリの前記熱モデルのための前記仮想熱プロファイルが、前記物品の前記熱モデルのための前記仮想熱プロファイルに合致しない場合、前記温度エミュレーションアセンブリを再構成することと
をさらに含む、段落C1に記載の方法。
【0195】
C6
前記エンクロージャアセンブリのエンクロージャアセンブリ‐先端端部を通ることを除いて、あらゆる伝導性熱伝達経路に沿った前記温度エミュレーションアセンブリへの前記伝導性熱伝達を抑制することをさらに含む、段落C1に記載の方法。
【0196】
C7
あらゆる対流熱伝達経路に沿った前記温度エミュレーションアセンブリへの対流熱伝達を抑制することをさらに含む、段落C1に記載の方法。
【0197】
C8
あらゆる放射熱伝達経路に沿った前記温度エミュレーションアセンブリへの放射熱伝達を抑制することをさらに含む、段落C1に記載の方法。
【0198】
C9
前記温度エミュレーションアセンブリを通して、前記エンクロージャアセンブリ‐先端端部の近傍に位置付けされた温度エミュレーションアセンブリ‐先端端部から温度エミュレーションアセンブリ‐ラギング端部へと熱を伝導的に伝達することをさらに含む、段落C1に記載の方法。
【0199】
C10
前記温度エミュレーションアセンブリを通して、前記温度エミュレーションアセンブリの前記温度エミュレーションアセンブリ‐先端端部から前記温度エミュレーションアセンブリ‐ラギング端部への伝導性熱伝達率を制御することをさらに含む、段落C1に記載の方法。
【0200】
C11
前記温度エミュレーションアセンブリの前記温度エミュレーションアセンブリ‐先端端部から前記温度エミュレーションアセンブリ‐ラギング端部への前記温度エミュレーションアセンブリに沿った対流熱伝達を抑制することと、
前記温度エミュレーションアセンブリの前記温度エミュレーションアセンブリ‐先端端部から前記温度エミュレーションアセンブリ‐ラギング端部への前記温度エミュレーションアセンブリに沿った放射熱伝達を抑制することと
をさらに含む、段落C9に記載の方法。
【0201】
開示されている装置、システム、及び方法の様々な実施例を図示且つ説明してきたが、当業者は本明細書を読むことで、変更例を想起することができるであろう。本出願は、かかる変更例を含み、特許請求の範囲によってのみ限定される。