(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-13
(45)【発行日】2022-07-22
(54)【発明の名称】加熱調理システム
(51)【国際特許分類】
F24C 3/12 20060101AFI20220714BHJP
G16Y 10/80 20200101ALI20220714BHJP
【FI】
F24C3/12 E
F24C3/12 A
G16Y10/80
(21)【出願番号】P 2018177492
(22)【出願日】2018-09-21
【審査請求日】2021-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 伸也
(72)【発明者】
【氏名】森口 誠治
(72)【発明者】
【氏名】長屋 加津彦
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-106679(JP,A)
【文献】特開2003-302055(JP,A)
【文献】特開2017-042215(JP,A)
【文献】特開2021-098078(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0006649(KR,A)
【文献】特開2017-219251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/12
G16Y 10/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動調理を実行可能な加熱調理器と、
前記加熱調理器によって実行される自動調理の調理名を選択するための選択操作が行われ、選択された前記調理名の自動調理のための処理を前記加熱調理器に開始させる開始指示を前記加熱調理器に送信するように構成されている外部端末と、
前記調理名に対応するレシピデータを記憶するサーバであって、前記加熱調理器から前記レシピデータを要求するレシピ要求を受信し、前記レシピデータを前記加熱調理器に送信するように構成されているサーバと、
を備え、
前記加熱調理器は、
前記外部端末から前記開始指示が受信される場合に、前記レシピ要求を前記サーバに送信して、前記サーバから前記レシピデータを受信し、
前記サーバから前記レシピデータが受信される場合に、前記レシピデータを利用する前記調理名の自動調理のための処理を開始する、加熱調理システム。
【請求項2】
前記外部端末は、前記調理名を含む前記開始指示を前記加熱調理器に送信し、
前記加熱調理器は、前記外部端末から前記開始指示が受信される場合に、前記調理名を含む前記レシピ要求を前記サーバに送信して、前記サーバから前記レシピ要求に含まれる前記調理名に対応する前記レシピデータを受信する、請求項1に記載の加熱調理システム。
【請求項3】
前記外部端末は、前記開始指示を前記加熱調理器に送信した後に、前記調理名を前記サーバに送信し、
前記加熱調理器は、前記外部端末から前記開始指示が受信される場合に、前記レシピ要求を前記サーバに送信して、前記調理名を受信した前記サーバから前記調理名に対応する前記レシピデータを受信する、請求項1に記載の加熱調理システム。
【請求項4】
前記加熱調理器は、
中継装置を介して、前記レシピ要求を前記サーバに送信し、
前記中継装置を介して、前記サーバから前記レシピデータを受信する、請求項1から3のいずれか一項に記載の加熱調理システム。
【請求項5】
前記中継装置は、台所に設置されるリモコンである、請求項4に記載の加熱調理システム。
【請求項6】
前記中継装置は、前記サーバから前記レシピデータを受信する場合に、前記レシピデータを記憶するように構成されており、
前記加熱調理器は、前記中継装置と通信不可能な状態であることに起因して、前記レシピデータが前記中継装置から受信されなかった場合において、前記加熱調理器の状態が前記中継装置と通信不可能な状態から前記中継装置と通信可能な状態に移行する場合に、前記中継装置から前記中継装置に記憶されている前記レシピデータを受信する、請求項4又は5に記載の加熱調理システム。
【請求項7】
前記外部端末は、前記開始指示を前記加熱調理器に送信し、
前記加熱調理器は、前記外部端末から前記開始指示が受信される場合に、前記外部端末に第2レシピ要求を送信させる第1レシピ要求を前記外部端末に送信し、
前記外部端末は、
前記加熱調理器から前記第1レシピ要求が受信される場合に、前記第2レシピ要求を前記サーバに送信して、前記サーバから前記レシピデータを受信し、
前記サーバから受信した前記レシピデータを前記加熱調理器に送信し、
前記加熱調理器は、前記第1レシピ要求を前記外部端末に送信した後に、前記サーバから前記レシピデータを受信する、請求項1に記載の加熱調理システム。
【請求項8】
前記外部端末は、前記加熱調理器から前記第1レシピ要求が受信される場合に、前記調理名を含む前記第2レシピ要求を前記サーバに送信して、前記サーバから前記第2レシピ要求に含まれる前記調理名に対応する前記レシピデータを受信する、請求項7に記載の加熱調理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、自動調理を実行するための加熱調理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されている加熱調理システムは、加熱調理器とスマートフォンと管理サーバを備える。管理サーバは、スマートフォンにおいて調理メニュー(例えば「肉まん」)を選択する操作をユーザが行った場合に、スマートフォンから調理メニューに関わる情報を受信する。そして、管理サーバは、調理メニューの実行を準備する指令を加熱調理器に送信する。加熱調理器は、管理サーバから当該指令を受信すると、待機モードから加熱調理を開始可能な実行直前モードに切り替えるとともに、管理サーバから調理メニューに対応する調理シーケンスを受信する。加熱調理器は、スタートキーが操作されると、選択された調理メニューの調理を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術によれば、管理サーバは、スマートフォンから調理メニューに関わる情報を受信すると、指令を加熱調理器に送信する。このため、例えば、加熱調理器のユーザとは異なるユーザのスマートフォンから調理メニューに関わる情報を受信する場合にも、管理サーバは指令及び調理シーケンスを加熱調理器に送信し得る。即ち、特許文献1の技術では、異なるユーザからの指示に従った調理が不正に開始され得る。
【0005】
本明細書は、自動調理のための処理が不正に開始されることを防止するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する加熱調理システムは、自動調理を実行可能な加熱調理器と、前記加熱調理器によって実行される自動調理の調理名を選択するための選択操作が行われ、選択された前記調理名の自動調理のための処理を前記加熱調理器に開始させる開始指示を前記加熱調理器に送信するように構成されている外部端末と、前記調理名に対応するレシピデータを記憶するサーバであって、前記加熱調理器から前記レシピデータを要求するレシピ要求を受信し、前記レシピデータを前記加熱調理器に送信するように構成されているサーバと、を備える。前記加熱調理器は、前記外部端末から前記開始指示が受信される場合に、前記レシピ要求を前記サーバに送信して、前記サーバから前記レシピデータを受信し、前記サーバから前記レシピデータが受信される場合に、前記レシピデータを利用する前記調理名の自動調理のための処理を開始する。
【0007】
上記の構成によれば、外部端末は、選択操作がユーザによって行われる場合に、開始指示を加熱調理器に送信する。そして、加熱調理器は、外部端末から開始指示が受信される場合に、レシピ要求をサーバに送信する。加熱調理器は、サーバからレシピ要求に対するレシピデータを受信すると、自動調理のための処理を開始する。このため、外部端末とは異なる端末装置において選択操作が行われても、開始指示が加熱調理器に送信されず、サーバからレシピデータが受信されず、この結果、自動調理のための処理が開始されない。従って、自動調理のための処理が不正に開始されることを防止することができる。
【0008】
また、外部端末は、調理名を含む開始指示を加熱調理器に送信してもよい。加熱調理器は、外部端末から開始指示が受信される場合に、調理名を含むレシピ要求をサーバに送信して、サーバからレシピ要求に含まれる調理名に対応するレシピデータを受信してもよい。この構成によれば、サーバは、レシピ要求に含まれる調理名に対応するレシピデータを特定することができる。このため、加熱調理器は、サーバから調理名に対応する適切なレシピデータを受信することができる。
【0009】
外部端末は、開始指示を加熱調理器に送信した後に、調理名をサーバに送信してもよい。加熱調理器は、外部端末から開始指示が受信される場合に、レシピ要求をサーバに送信して、調理名を受信したサーバから調理名に対応するレシピデータを受信してもよい。この構成によれば、サーバは、調理名に対応するレシピデータを特定することができる。このため、加熱調理器は、サーバから調理名に対応する適切なレシピデータを受信することができる。
【0010】
また、加熱調理器は、中継装置を介して、レシピ要求をサーバに送信し、中継装置を介して、サーバからレシピデータを受信してもよい。この構成によれば、加熱調理器は、サーバと通信する手段を備えなくても、中継装置を介して、サーバと通信することができる。
【0011】
また、中継装置を利用する上記の構成において、中継装置は、例えば、台所に設置されるリモコンである。加熱調理器とともに台所に設置されるリモコンを利用することで、加熱調理システムを簡単に実現することができる。
【0012】
また、中継装置は、サーバからレシピデータを受信する場合に、レシピデータを記憶するように構成されていてもよい。加熱調理器は、前記中継装置と通信不可能な状態であることに起因して、レシピデータが中継装置から受信されなかった場合において、加熱調理器の状態が中継装置と通信不可能な状態から中継装置と通信可能な状態に移行する場合に、中継装置から中継装置に記憶されているレシピデータを受信してもよい。この構成によれば、レシピデータが中継装置から受信されなかった場合に、ユーザが選択操作を再び行わなくても、中継装置からレシピデータを受信することができる。ユーザの利便性が向上する。
【0013】
また、外部端末は、開始指示を加熱調理器に送信してもよい。加熱調理器は、外部端末から開始指示が受信される場合に、外部端末に第2レシピ要求を送信させる第1レシピ要求を外部端末に送信してもよい。外部端末は、加熱調理器から第1レシピ要求が受信される場合に、第2レシピ要求をサーバに送信して、サーバからレシピデータを受信し、サーバから受信したレシピデータを加熱調理器に送信してもよい。加熱調理器は、第1レシピ要求を外部端末に送信した後に、サーバからレシピデータを受信してもよい。この構成によれば、加熱調理器は、サーバと通信する手段を備えなくても、外部端末を介して、サーバと通信することができる。
【0014】
また、外部端末は、加熱調理器から第1レシピ要求が受信される場合に、調理名を含む第2レシピ要求をサーバに送信して、サーバから第2レシピ要求に含まれる調理名に対応するレシピデータを受信してもよい。この構成によれば、サーバは、第2レシピ要求に含まれる調理名に対応するレシピデータを特定することができる。このため、加熱調理器は、サーバから調理名に対応する適切なレシピデータを受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施例の加熱調理システムのブロック図を示す。
【
図2】第1実施例の加熱調理器を手前側から見た斜視図を示す。
【
図3】第1実施例の加熱調理システムを利用して実行される自動調理のシーケンス図を示す(ケースA1)。
【
図4】第1実施例の加熱調理システムを利用して実行される自動調理のシーケンス図を示す(ケースA2)。
【
図5】第2実施例の加熱調理システムを利用して実行される自動調理のシーケンス図を示す(ケースB)。
【
図6】第3実施例の加熱調理システムを利用して実行される自動調理のシーケンス図を示す(ケースC)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施例)
(加熱調理システム2の構成:
図1)
図面を参照して、第1実施例の加熱調理システム2について説明する。加熱調理システム2は、加熱調理器10、台所リモコン100、ユーザ端末200、レシピサーバ300、及び、アクセスポイント4(以下、「AP(Access Pointの略)4」と記載する)を備える。
【0017】
台所リモコン100は、湯を生成して住宅に供給する給湯器(図示省略)を遠隔操作するためのコントローラである。台所リモコン100は、加熱調理器10とともに台所に設置されるリモコンである。台所リモコン100は、例えば、加熱調理器10のベンダによって製造される。ユーザ端末200は、加熱調理器10のユーザが利用可能な外部端末である。ユーザ端末200は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、デスクトップPC(Personal Computerの略)、ノートPC等の端末装置である。
【0018】
加熱調理器10と台所リモコン100は、Bluetooth(登録商標)方式に従った無線通信(以下、「BT通信」と記載)を利用した通信を実行可能である。また、台所リモコン100とユーザ端末200も、BT通信を利用した通信を実行可能である。
【0019】
AP4は、Wi-Fi(登録商標)方式に従った無線LAN(Local Area Network)を形成可能である。台所リモコン100とユーザ端末200は、AP4によって形成された無線LANに参加している。また、AP4は、インターネット6に接続されている。これにより、台所リモコン100とユーザ端末200は、AP4及びインターネット6を介して、レシピサーバ300と通信可能である。
【0020】
(加熱調理器10の構成)
図1、
図2を参照して、加熱調理器10について説明する。
図2に示すように、加熱調理器10は、システムキッチンに組み込んで使用されるガス燃焼式のビルトインコンロである。加熱調理器10は、各操作部16、26の操作に応じた加熱量の調整による調理だけでなく、自動調理を実行可能である。加熱調理器10は、本体10aと、本体10aの上部に配置されている天板10bと、天板10bから露出している3個のコンロバーナ12a~12cを備えている。各コンロバーナ12a~12cは、加熱対象(例えば、調理容器)を加熱するためバーナである。コンロバーナ12aには、ガス供給路(図示省略)が接続されている。ガス供給路には、コンロバーナ12aへのガスの供給量を調整するための流量調整弁(図示省略)が設けられている。コンロバーナ12aは、コンロバーナ12aにガスが供給されている状態でイグナイタ(図示省略)を動作させることで、点火する。コンロバーナ12aへのガスの供給量を調整することで、コンロバーナ12aの加熱量を調整することができる。そして、コンロバーナ12aへのガスの供給が停止されることで、コンロバーナ12aは消火される。コンロバーナ12b、12cは、コンロバーナ12aと同様の構造を有する。なお、以下では、コンロバーナ12a~12cを「コンロバーナ12」と総称する場合がある。
【0021】
本体10aは、グリル庫11、グリル扉11a、コンロ表示部14、コンロ操作部16、グリル表示部24、グリル操作部26、及び、電源スイッチ30を備える。グリル庫11は、本体10aの内部に設けられており、調理物を収容する。グリル扉11aは、本体10aの前面10cに配置されており、グリル庫11を開閉する。なお、グリル庫11の内部には、グリル庫11に収容された調理物を加熱するグリルバーナ22(
図1参照)が設けられている。また、本体10aには、加熱調理器10に電力を供給する電池(図示省略)が格納されている。
【0022】
コンロ表示部14、コンロ操作部16、及び、電源スイッチ30は、本体10aの前面10cにおいてグリル扉11aの右側に設けられている。グリル表示部24とグリル操作部26は、本体10aの前面10cにおいてグリル扉11aの左側に設けられている。
【0023】
コンロ表示部14は、3個のコンロバーナ12a~12cのそれぞれの動作状態、実行中の自動調理に関する情報(例えば、調理名、レシピ、自動調理の終了時間)等を表示する。グリル表示部24は、グリルバーナ22の動作状態、実行中の自動調理に関する情報を表示する。
【0024】
コンロ操作部16は、3個の加熱量操作部61a~61cと3個のパネル操作部62a~62cを備える。加熱量操作部61aは、コンロバーナ12aの点火及び消火とコンロバーナ12aの加熱量の調整を行うための操作部である。加熱量操作部61aは、オルタネイト型のスイッチである。ユーザによって加熱量操作部61aを消火位置から点火位置に移動させるための操作(以下では、「点火操作」と呼ぶ)が実行されると、コンロバーナ12aが点火され、ユーザによって加熱量操作部61aを点火位置から消火位置に移動させるための操作(以下では、「消火操作」と呼ぶ)が実行されると、コンロバーナ12aが消火される。点火位置とは、加熱量操作部61aの前面が本体10aの前面10cよりも前方に突出している位置であり、消火位置とは、加熱量操作部61aが本体10a内に収容されている位置である。また、ユーザは、加熱量操作部61aが点火位置に位置している状態において、加熱量操作部61aを時計方向又は反時計方向に操作することで、コンロバーナ12aの加熱量を調整することができる。加熱量操作部61b、61cは、加熱量操作部61aと同じ構造を有する。
【0025】
パネル操作部62aは、コンロバーナ12aを利用した自動調理の設定等を受け付け可能な操作部である。パネル操作部62b、62cは、パネル操作部62aと同じ構造を有する。
【0026】
グリル操作部26は、加熱量操作部63とパネル操作部64を備える。加熱量操作部63は、グリルバーナ22の点火及び消火とグリルバーナ22の加熱量の調整を行うための操作部である。加熱量操作部63の構造は、コンロ操作部16の加熱量操作部61aと同様である。パネル操作部64は、グリルバーナ22を利用した自動調理の設定等を受け付け可能な操作部である。パネル操作部64の構造は、コンロ操作部16のパネル操作部62aと同様である。
【0027】
また、
図1に示すように、加熱調理器10は、BTインターフェース40と制御部50を備える。BTインターフェース40は、外部装置(例えば、台所リモコン100)とのBT通信を実行するための無線インターフェースである。なお、以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する場合がある。
【0028】
制御部50は、揮発性メモリ、不揮発性メモリなどによって構成されるメモリ52を備える。制御部50は、メモリ52に記憶されているプログラム54に従って、加熱調理器10の各部12~40の動作を制御する。また、メモリ52には、加熱調理器10のモデルを示すモデル名MN1が記憶されている。
【0029】
また、加熱調理器10は、電源スイッチ30が操作されると、コンロ表示部14、グリル表示部24、及び、BTI/F40への電力供給を開始する。また、加熱調理器10は、電源スイッチ30が操作された後に、所定の時間に亘ってコンロ操作部16及びグリル操作部26が操作されない場合に、上記の各部14、24、40への電力供給を停止する。これにより、加熱調理器10の消費電力が低減される。
【0030】
(台所リモコン100の構成)
台所リモコン100は、BTI/F110と無線LANI/F112を備える。台所リモコン100は、BTI/F110を介して、加熱調理器10とのBT通信を実行可能である。また、無線LANI/F112は、Wi-Fi方式に従った無線通信を実行するための無線I/Fである。台所リモコン100は、無線LANI/F112、AP4、及び、インターネット6を介して、レシピサーバ300と通信可能である。
【0031】
(ユーザ端末200の構成)
ユーザ端末200は、BTI/F210、無線LANI/F212、及び、制御部250を備える。ユーザ端末200は、BTI/F210を介して、台所リモコン100とのBT通信を実行可能である。ユーザ端末200は、無線LANI/F212、AP4、及び、インターネット6を介して、レシピサーバ300と通信可能である。
【0032】
制御部250は、揮発性メモリ、不揮発性メモリなどによって構成されるメモリ252を備える。制御部250は、メモリ252に記憶されているプログラム254、256に従って、様々な処理を実行する。メモリ252は、基本的な処理を実現するためのOS(Operating Systemの略)プログラム254と、調理アプリケーションプログラム(以下では「調理アプリ」と呼ぶ)256を記憶する。
【0033】
調理アプリ256は、加熱調理器10のベンダによって提供されるプログラムであり、加熱調理器10に自動調理を実行させるためのプログラムである。調理アプリ256は、例えば、ベンダによって提供されるインターネット上のサーバ(図示省略)からユーザ端末200にインストールされる。
【0034】
(レシピサーバ300の構成)
レシピサーバ300は、自動調理のためのレシピデータを提供するサーバである。レシピサーバ300は、レシピテーブル302を記憶する。レシピテーブル302は、複数個の調理に対応する複数個の調理名のそれぞれについて、複数個のレシピ情報を記憶する。各レシピ情報は、モデル名(例えば、モデル名MN1)と、当該モデル名に対応する加熱調理器で自動調理を実行するためのレシピデータ(例えば、レシピデータHRD1)を含む。
【0035】
各レシピデータは、対応するモデル名の加熱調理器において対応する調理名の自動調理を実行するためのデータである。レシピデータは、自動調理の調理手順を示す情報、自動調理に利用すべきバーナを特定するための情報、当該バーナの加熱量及び加熱時間を制御するための情報等を含む。
【0036】
(自動調理の具体的なケース:
図3、
図4)
図3、
図4を参照して、本実施例の加熱調理システム2を利用して実行される自動調理の具体的なケースA1、A2を説明する。なお、以下では、理解の容易化のために、各デバイスの制御部(例えば、制御部50)が実行する動作を、制御部を主体として記載せずに、各デバイス(例えば、加熱調理器10)を主体として記載する。また、
図3、
図4では、一点鎖線の矢印がBT通信を示し、実線の矢印がインターネット6を利用した通信を示す。後述する
図5、
図6でも同様である。
【0037】
(ケースA1;
図3)
T10では、ユーザは、ユーザ端末200を操作して、調理アプリ256を起動する。T12では、ユーザ端末200は、調理アプリ256に従って、複数個の調理名の中から加熱調理器10によって実行される自動調理の調理名を選択するための選択画面を表示する。選択画面は、複数個の調理名を含む。T14では、ユーザ端末200は、選択画面内の複数個の調理名の中から調理名「ハンバーグ」を選択する選択操作を受け付ける。T16では、ユーザ端末200は、BTI/F210を介して、選択された調理名「ハンバーグ」を含む開始指示を台所リモコン100に送信する。開始指示は、調理名「ハンバーグ」の自動調理のための処理を加熱調理器10に開始させる指示である。
【0038】
台所リモコン100は、T16において、ユーザ端末200から調理名「ハンバーグ」を含む開始指示を受信すると、T18において、BTI/F110を介して、調理名「ハンバーグ」を含む開始指示を加熱調理器10に送信する。
【0039】
加熱調理器10は、T18において、台所リモコン100から開始指示を受信すると、T20において、BTI/F40を介して、レシピデータを要求するレシピ要求を台所リモコン100に送信する。これにより、レシピ要求が台所リモコン100によってレシピサーバ300に送信される。レシピ要求は、開始指示に含まれる調理名「ハンバーグ」と加熱調理器10のモデル名MN1を含む。
【0040】
台所リモコン100は、T20において、加熱調理器10からレシピ要求を受信すると、T22において、無線LANI/F112、AP4、及び、インターネット6を介して、レシピ要求をレシピサーバ300に送信する。
【0041】
レシピサーバ300は、T22において、台所リモコン100からレシピ要求を受信すると、T24において、レシピ要求に従って、レシピテーブル302から対象のレシピデータを特定する。具体的には、レシピサーバ300は、レシピテーブル302の中からレシピ要求内の調理名「ハンバーグ」に対応する複数個のレシピ情報を特定する。そして、レシピサーバ300は、特定された複数個のレシピ情報の中からレシピ要求内のモデル名MN1に対応するレシピデータHRD1を対象のレシピデータとして特定する。T26では、レシピサーバ300は、インターネット6とAP4を介して、対象のレシピデータHRD1を台所リモコン100に送信する。
【0042】
台所リモコン100は、T26において、レシピサーバ300からレシピデータHRD1を受信すると、T28において、レシピデータHRD1を台所リモコン100のメモリ(図示省略)に一時的に記憶する。記憶されたレシピデータHRD1は、所定の時間(例えば、1時間)が経過するとメモリから消去される。
【0043】
T30では、台所リモコン100は、BTI/F110を介して、レシピデータHRD1を加熱調理器10に送信する。
【0044】
加熱調理器10は、T30において、台所リモコン100からレシピデータHRD1を受信すると、レシピデータHRD1を利用した、調理名「ハンバーグ」の自動調理のための処理を開始する。具体的には、加熱調理器10は、T50において、レシピデータHRD1を利用して、自動調理に利用すべきコンロバーナ12aを特定し、レシピデータHRD1によって示されるレシピをコンロ表示部14に表示する。
【0045】
ユーザは、表示されたレシピを見て、調理名「ハンバーグ」の自動調理のための準備を行う。そして、ユーザは、T52において、コンロバーナ12aを点火させるための点火操作を加熱量操作部61aに実行する。
【0046】
加熱調理器10は、T52において、点火操作を受け付けると、T54において、レシピデータHRD1を利用して、調理名「ハンバーグ」の自動調理を開始する。
【0047】
例えば、ユーザ端末200からレシピサーバ300に開始指示が送信され、レシピサーバ300から加熱調理器10にレシピデータHRD1が送信される比較例が想定される。この比較例では、仮に、開始指示を送信可能な他の端末装置が存在する場合に、他の端末装置からレシピサーバ300に開始指示が送信されて、レシピサーバ300から加熱調理器10にレシピデータHRD1が送信され得る。即ち、比較例では、加熱調理器10のユーザとは異なるユーザが他の端末装置を操作して、加熱調理器10に自動調理を不正に実行させ得る。これに対して、本実施例では、ユーザ端末200は、調理名「ハンバーグ」の選択操作がユーザによって行われる場合に、開始指示を加熱調理器10に送信する(
図3のT16、T18)。そして、加熱調理器10は、ユーザ端末200から開始指示が受信される場合に、レシピ要求をレシピサーバ300に送信して(T20、T22)、レシピサーバ300からレシピ要求に対するレシピデータHRD1を受信する(T26、T30)。このため、ユーザ端末200とは異なる他の端末装置において選択操作が行われても、開始指示が加熱調理器10に送信されず、レシピデータHRD1が受信されない。この結果、自動調理のための処理が開始されない。本ケースによれば、自動調理のための処理が不正に開始されることを防止することができる。
【0048】
また、本実施例によれば、開始指示は調理名「ハンバーグ」を含み(
図3のT18)、レシピ要求は調理名「ハンバーグ」を含む(T20)。これにより、レシピサーバ300は、複数個のレシピデータの中から調理名「ハンバーグ」に対応するレシピデータHRD1を特定することができる。このため、加熱調理器10は、レシピサーバ300から調理名「ハンバーグ」に対応する適切なレシピデータHRD1を受信することができる。
【0049】
また、本実施例によれば、加熱調理器10は、台所リモコン100を介して、レシピサーバ300にレシピ要求を送信し、レシピサーバ300からレシピデータHRD1を受信する(
図3のT26、T30)。この構成によれば、加熱調理器10は、レシピサーバ300と通信する手段を備えなくても、レシピサーバ300と通信する手段である無線LANI/F112を備える台所リモコン100を介して、レシピサーバ300と通信することができる。
【0050】
また、加熱調理器10とともに台所に設置される台所リモコン100を中継装置として利用することによって、加熱調理システム2を簡易に実現することができる。
【0051】
また、加熱調理器10が無線LANI/Fを備える比較例が想定される。この比較例では、加熱調理器10は、無線LANI/Fを利用して、AP4によって形成された無線LANに参加可能である。このため、加熱調理器10は、無線LANI/Fを介して、ユーザ端末200から開始指示を受信可能であるとともに、無線LANI/Fを介して、レシピ要求をレシピサーバ300に送信して、レシピデータを受信可能である。一般に、無線LANI/Fは、BTI/F40よりも消費電力が高い。本実施例の構成によれば、消費電力が比較的に低いBTI/F40を備えることによって、加熱調理器10の消費電力を低減することができる。なお、変形例では、比較例の構成を採用してもよい。
【0052】
(ケースA2;
図4)
T10~T28は、
図3と同様である。本ケースでは、加熱調理器10は、T21において、所定の時間に亘って各操作部16、26が操作されないことに起因して、BTI/F40への電力供給を停止する。これにより、加熱調理器10の状態が台所リモコン100と通信不可能な状態になる。この結果、台所リモコン100が、T26において、レシピサーバ300からレシピデータHRD1を受信するものの、加熱調理器10は、台所リモコン100からレシピデータHRD1を受信することができない。
【0053】
ユーザは、T60において、電源スイッチ30を操作する。これにより、加熱調理器10は、BTI/F40への電力供給を開始する。この結果、加熱調理器10の状態が台所リモコン100と通信可能な状態になる。
【0054】
加熱調理器10は、加熱調理器10の状態が台所リモコン100と通信可能な状態になると、T64において、BTI/F40を介して、台所リモコン100に要求を送信して、台所リモコン100から台所リモコン100に記憶されているレシピデータHRD1を受信する。これにより、
図3のT50~T54と同様の処理が実行される。
【0055】
本ケースによれば、各操作部16、26の無操作に起因して、レシピデータHRD1が台所リモコン100から受信されなかった場合に、ユーザ端末200の選択画面において調理名「ハンバーグ」を選択する操作を再び行わなくても、台所リモコン100から台所リモコン100に記憶されてるレシピデータHRD1を受信することができる。ユーザの利便性が向上する。
【0056】
(対応関係)
加熱調理器10、ユーザ端末200、レシピサーバ300、台所リモコン100が、それぞれ、「加熱調理器」、「外部端末」、「サーバ」、「中継装置」の一例である。
図3の調理名「ハンバーグ」、レシピデータHRD1が、それぞれ、「調理名」、「レシピデータ」の一例である。T14の操作が、「選択操作」の一例である。T16、T18の開始指示、T20、T22のレシピ要求が、それぞれ、「開始指示」、「レシピ要求」の一例である。
【0057】
(第2実施例)
(自動調理の具体的なケースB:
図5)
第2実施例は、調理名の通信経路が異なる点を除いて、第1実施例と同様である。
図5を参照して、第2実施例の加熱調理システム2を利用して実行される自動調理の具体的なケースBを説明する。
【0058】
本ケースにおいて、
図3のT10~T14と同様の処理が実行される。ユーザ端末200は、調理名「ハンバーグ」を選択する選択操作を受け付けると、T216において、BTI/F210を介して、開始指示を台所リモコン100に送信する。本実施例では、開始指示は、調理名「ハンバーグ」を含まない。T218は、開始指示が調理名「ハンバーグ」を含まない点を除いて、
図3のT18と同様である。
【0059】
加熱調理器10は、T218において、台所リモコン100から開始指示を受信すると、T220において、BTI/F40を介して、モデル名MN1を含むレシピ要求を台所リモコン100に送信する。本実施例では、レシピ要求は、調理名「ハンバーグ」を含まない。T222は、レシピ要求が調理名「ハンバーグ」を含まない点を除いて、
図3のT22と同様である。
【0060】
また、ユーザ端末200は、T216において、開始指示を台所リモコン100に送信した後に、T223において、無線LANI/F212、AP4、及び、インターネット6を介して、調理名「ハンバーグ」を含む調理名通知をレシピサーバ300に送信する。なお、調理名通知は、レシピ要求と調理名通知を対応付けるための対応情報を含む。対応情報は、例えば、ユーザ端末200を識別するための情報(例えば、ユーザ名)、加熱調理器10を識別するための情報(例えば、シリアル番号)である。対応情報は、開始指示及びレシピ要求にも含まれる。なお、対応情報は、第1実施例の開始指示及びレシピ要求に含まれていてもよいし、後述する第3実施例の開始指示、第1レシピ要求、及び、第2レシピ要求に含まれていてもよい。
【0061】
レシピサーバ300は、T222において、台所リモコン100からレシピ要求を受信し、T223において、ユーザ端末200から調理名通知を受信すると、T224において、レシピ要求と調理名通知に従って、レシピテーブル302から対象のレシピデータを特定する。具体的には、レシピサーバ300は、レシピ要求と調理名通知の双方に同じ対応情報が含まれることに起因して、レシピ要求と調理名通知を対応付ける。そして、レシピサーバ300は、レシピテーブル302の中から調理名通知内の調理名「ハンバーグ」に対応する複数個のレシピ情報を特定する。そして、レシピサーバ300は、特定された複数個のレシピ情報の中からレシピ要求内のモデル名MN1に対応するレシピデータHRD1を対象のレシピデータとして特定する。
【0062】
T226、T230は、レシピデータHRD1とともに調理名「ハンバーグ」が送信される点を除いて、
図3のT26、T30と同様である。また、T228は、
図3のT28と同様である。そして、
図3のT50~T54と同様の処理が実行される。
【0063】
本実施例でも、第1実施例と同様に、自動調理のための処理が不正に開始されることを防止することができる。また、本実施例によれば、調理名「ハンバーグ」がユーザ端末200からレシピサーバ300に通知される(
図5のT223)。これにより、レシピサーバ300は、複数個のレシピデータの中から調理名「ハンバーグ」に対応するレシピデータHRD1を特定することができる。このため、加熱調理器10は、レシピサーバ300から調理名「ハンバーグ」に対応する適切なレシピデータHRD1を受信することができる。
【0064】
(第3実施例)
(自動調理の具体的なケースC:
図6)
第3実施例は、台所リモコン100を介さずに各装置10、200、300の間で通信が実行される点を除いて、第1実施例と同様である。
図6を参照して、第3実施例の加熱調理システム2を利用して実行される自動調理の具体的なケースCを説明する。
【0065】
本ケースにおいて、
図3のT10~T14と同様の処理が実行される。ユーザ端末200は、調理名「ハンバーグ」を選択する選択操作を受け付けると、T316において、BTI/F210を介して、台所リモコン100を介さずに、開始指示を加熱調理器10に送信する。本実施例では、開始指示は、調理名「ハンバーグ」を含まない。
【0066】
加熱調理器10は、T316において、BTI/F40を介して、ユーザ端末200から開始指示を受信すると、T320において、BTI/F40を介して、台所リモコン100を介さずに、後述する第2レシピ要求をユーザ端末200に送信させるための第1レシピ要求をユーザ端末200に送信する。
図6に示すように、第1レシピ要求は、モデル名MN1を含み、調理名「ハンバーグ」を含まない。
【0067】
ユーザ端末200は、T320において、加熱調理器10から第1レシピ要求を受信すると、T322において、無線LANI/F212、AP4、及び、インターネット6を介して、第2レシピ要求をレシピサーバ300に送信する。第2レシピ要求は、T14で選択された調理名「ハンバーグ」と第1レシピ要求に含まれるモデル名MN1を含む。
【0068】
T324は、第2レシピ要求内の情報(即ち、調理名「ハンバーグ」とモデル名MN1)が利用される点を除いて、
図3のT24と同様である。T326、T330は、
図5のT226、T230と同様である。そして、
図3のT50~T54と同様の処理が実行される。
【0069】
本実施例でも、第1実施例と同様に、自動調理のための処理が不正に開始されることを防止することができる。また、本実施例によれば、加熱調理器10は、第1レシピ要求をユーザ端末200に送信することによって、第2レシピ要求をレシピサーバ300に送信する(
図6のT320、T322)。この構成によれば、加熱調理器10は、レシピサーバ300と通信する手段を備えなくても、レシピサーバ300と通信する手段である無線LANI/F212を備えるユーザ端末200を介して、レシピサーバ300と通信することができる。
【0070】
また、本実施例によれば、レシピサーバ300は、ユーザ端末200から受信した第2レシピ要求に含まれる調理名「ハンバーグ」を利用して、複数個のレシピデータの中からレシピデータHRD1を特定することができる。このため、加熱調理器10は、ユーザ端末200を介して、レシピサーバ300から調理名「ハンバーグ」に対応する適切なレシピデータHRD1を受信することができる。また、本実施例では、台所リモコン100を利用しなくても、自動調理のための処理が不正に開始されることを防止するためのシステムを実現することができる。
図6のT320の第1レシピ要求、T322の第2レシピ要求が、それぞれ、「第1レシピ要求」、「第2レシピ要求」の一例である。
【0071】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の各実施例の変形例を以下に列挙する。
【0072】
(変形例1)「加熱調理器」は、ガス燃焼式のビルトインコンロに限らず、例えば、IH調理器、電気オーブンでもよい。
【0073】
(変形例2)「中継装置」は、台所リモコン100に限らず、加熱調理器10と通信可能な装置(例えば、スマートフォン等の端末装置、加熱調理器10の周辺機器(例えば、レンジフード)、周辺機器を操作するためのリモコン)でもよい。
【0074】
(変形例3)
図3のT52、T54の処理は実行されなくてもよい。本変形例では、T50の処理が、「自動調理のための処理」の一例である。また、加熱調理器10は、T50~T54の処理の代わりに、受信したレシピデータHRD1をメモリ52に記憶する処理を実行してもよい。本変形例では、レシピデータHRD1をメモリ52に記憶する処理が、「自動調理のための処理」の一例である。
【0075】
(変形例4)上記の各実施例では、加熱調理器10は、BTI/F40と台所リモコン100を介して、開始指示とレシピ要求の通信を実行する。これに代えて、加熱調理器10は、無線LANI/Fを備え、無線LANI/Fを介して、開始指示とレシピ要求の通信を実行してもよい。本変形例では、「加熱調理システム」は、「台所リモコン」を備えなくてもよい。
【0076】
(変形例5)台所リモコン100は、
図3のT28、
図4のT28、T64の処理を実行しなくてもよい。この場合、加熱調理器10は、電源スイッチ30の操作を受け付ける場合に、レシピデータを受信できないことを示すエラー画面を表示してもよい。本変形例では、レシピデータを記憶する処理を省略可能である。
【0077】
(変形例6)上記の第1実施例において、ユーザ端末200は、台所リモコン100を介して、開始指示を加熱調理器10に送信する(
図3のT16、T18)。これに代えて、ユーザ端末200は、台所リモコン100を介さずに、BTI/F210と加熱調理器10のBTI/F40を介して、開始指示を加熱調理器10に送信してもよい。
【0078】
(変形例7)上記の第3実施例では、ユーザ端末200は、調理名「ハンバーグ」とモデル名MN1を含む第2レシピ要求をレシピサーバ300に送信する(
図6のT322)。これに代えて、ユーザ端末200は、モデル名MN1のみを含む第2レシピ要求をレシピサーバ300に送信してもよい。この場合、ユーザ端末200は、レシピサーバ300からモデル名MN1に対応する全てのレシピデータ(例えば、調理名「ハンバーグ」に対応するレシピデータHRD1、調理名「茶碗蒸し」に対応するレシピデータCRD1を含む複数個のレシピデータ(
図1参照))を受信してもよい。そして、ユーザ端末200は、全てのレシピデータの中から、調理名「ハンバーグ」に対応するレシピデータHRD1を特定し、レシピデータHRD1を加熱調理器10に送信してもよい。本変形例では、「第2レシピ要求」は、調理名を含まなくてもよい。
【0079】
(変形例8)上記の第3実施例において、ユーザ端末200は、レシピサーバ300からレシピデータHRD1を受信する場合(
図6のT326)に、レシピデータHRD1を記憶してもよい。そして、加熱調理器10は、レシピデータHRD1がユーザ端末200から受信されなかった場合において、加熱調理器10の状態がユーザ端末200と通信不可能な状態からユーザ端末200と通信可能な状態に移行する場合に、ユーザ端末200からユーザ端末200に記憶されているレシピデータHRD1を受信してもよい。
【0080】
(変形例9)上記の第3実施例において、加熱調理器10は、ユーザ端末200を介して、レシピサーバ300からレシピデータHRD1を受信する(
図6のT326、T330)。これに代えて、加熱調理器10は、無線LANI/Fを備え、ユーザ端末200を介さずに、AP4及び無線LANI/Fを介して、レシピサーバ300からレシピデータHRD1を受信してもよい。
【0081】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0082】
2 :加熱調理システム
4 :アクセスポイント
6 :インターネット
10 :加熱調理器
10a :本体
10b :天板
10c :前面
11 :グリル庫
11a :グリル扉
12(12a~12c) :コンロバーナ
14 :コンロ表示部
16 :コンロ操作部
22 :グリルバーナ
24 :グリル表示部
26 :グリル操作部
30 :電源スイッチ
40 :BTI/F
50 :制御部
52 :メモリ
54 :プログラム
61a~61c :加熱量操作部
62a~62c :パネル操作部
63 :加熱量操作部
64 :パネル操作部
100 :台所リモコン
110 :BTI/F
112 :無線LANI/F
200 :ユーザ端末
210 :BTI/F
212 :無線LANI/F
250 :制御部
252 :メモリ
254 :プログラム
256 :調理アプリ
300 :レシピサーバ
302 :レシピテーブル
CRD1 :レシピデータ
HRD1 :レシピデータ
MN1 :モデル名