(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-13
(45)【発行日】2022-07-22
(54)【発明の名称】呼吸療法システム用の流れ混合器
(51)【国際特許分類】
A61M 16/10 20060101AFI20220714BHJP
A61M 16/16 20060101ALI20220714BHJP
【FI】
A61M16/10 Z
A61M16/16 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020115822
(22)【出願日】2020-07-03
(62)【分割の表示】P 2016570825の分割
【原出願日】2015-06-03
【審査請求日】2020-07-31
(32)【優先日】2014-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】オズボーン, ハミシュ
(72)【発明者】
【氏名】デンハム, ニアール クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】サジュー, マーラン マウムーン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン シャルクウィク, アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ラーデメイヤー, イヴァン ジャスタス
(72)【発明者】
【氏名】パリス, テッサ ヘーゼル
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-170166(JP,A)
【文献】特開昭63-161973(JP,A)
【文献】特開2009-56304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/00-16/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸療法装置用の加湿チャンバであって、
気化させる液体を収容する本体と、
前記本体内で加湿しようとするガスを受けるため前記本体に接続された、ガス入口開口部を有するガス入口
ポートと、
気化された前記液体により前記本体内で加湿されたガスを排出するために前記本体に接続された、ガス出口開口部を有するガス出口
ポートと、
を備え、
前記ガス入口開口部から前記本体を通って前記ガス出口開口部まで至るガス流路が画定されており、
前記加湿チャンバはさらに、前記ガス入口ポート内または前記ガス出口ポート内に配置されたフローコンディショナー
を備え、
前記フローコンディショナーは少なくとも1つの
仕切り壁を備え、前記少なくとも1つの
仕切り壁は、
前記ガス入口ポート内または前記ガス出口ポートを複数のコンパートメント
に分割し、前記複数のコンパートメントの各々に前記加湿しようとするガスまたは前記加湿されたガスが流れるようになっており、前記複数のコンパートメントのうちの少なくとも1つが、1つ以上のセンサを収容するように構成されている、加湿チャンバ。
【請求項2】
前記ガス出口
ポートが、前記1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つのセンサを受け入れるように構成され
た少なくとも1つの開口部を有している、請求項1に記載の加湿チャンバ。
【請求項3】
前記複数のコンパートメントが、前記複数のコンパートメントのうちの少なくとも1つを通る層流を促進するように構成されている、請求項1または請求項2に記載の加湿チャンバ。
【請求項4】
前記ガス入口ポートまたは前記ガス出口ポートがエルボ
形状
である、請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の加湿チャンバ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの
仕切り壁が、前記エルボ
形状の
前記ガス入口ポートまたは前記ガス出口ポートを通過する流れに対する流れ抵抗を減ずるように適合された湾曲部分を含む、請求項4に記載の加湿チャンバ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの
仕切り壁が、一対の壁または一対の同心の壁を含む、請求項1から請求項5のうちのいずれか一項に記載の加湿チャンバ。
【請求項7】
前記フローコンディショナーが保持構造を有し、前記保持構造は、前記ガス流路の少なくとも一部を画定する壁に設けられた相補的な構造と接合される、請求項1から請求項
6のうちのうちのいずれか一項に記載の加湿チャンバ。
【請求項8】
前記複数のコンパートメントが4つのコンパートメントを含む、請求項1から請求項
7のうちのいずれか一項に記載の加湿チャンバ。
【請求項9】
前記ガス出口
ポートが、湾曲したガス流路を画定する、請求項1から請求項
8のうちのいずれか一項に記載の加湿チャンバ。
【請求項10】
前記ガス出口
ポートを画定する壁の少なくとも一部が曲がっている、請求項1から
9のうちのいずれか一項に記載の加湿チャンバ。
【請求項11】
前記壁は、前記加湿チャンバの
前記本体から前記ガス出口開口部に向かって延
びるとともに狭くなってゆく通路を画定し、前記ガス出口
ポートは前記加湿チャンバの本体に隣接するところで最も
広い、請求項
10に記載の加湿チャンバ。
【請求項12】
前記ガス出口
ポートは、前記1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つのセンサを受け入れるように構成された少なくとも1つの開口部を含み、前記少なくとも1つの開口部は、前記ガス出口
ポートを画定する前記壁の前記曲がっている部分に配置されている、請求項
10または請求項
11に記載の加湿チャンバ。
【請求項13】
4つの
前記コンパートメントを
備えた、請求項1から請求項
12のうちのいずれか一項に記載の加湿チャンバ。
【請求項14】
請求項1から請求項
13のうちのいずれか一項に記載の加湿チャンバと、1つ以上のセンサと、を備えた呼吸療法装置であって、
少なくとも1つの前記センサが、前記複数のコンパートメントのうちの1つを通る流れおよび/または温度を検出するように構成されているか、および/または、前記少なくとも1つの前記センサが、流速の変化に感度を有する、呼吸療法装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
全ての優先権出願の参照による援用
本出願とともに提出された出願データシートにおいて国外または国内の優先権主張が特定されている全ての出願は、37 CFR 1.57に基づいて参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、概して、呼吸療法システムに関する。より詳細には、本開示のいくつかの特徴、態様および利点は、呼吸療法システムで使用される流れ混合または流れ再分配装置に関する。
【背景技術】
【0003】
呼吸療法システムは、患者に呼吸ガスを提供するために使用することができる。呼吸療法システムは、ガス供給源と、患者の気道にガスを供給するために使用することができるインタフェースと、ガス供給源とインタフェースとの間に延在する導管とを備えることができる。呼吸療法システムはまた、供給する前にガスを加湿しかつ/または加熱する加湿装置も含むことができる。100%相対湿度および37℃で患者に供給されるガスは、一般に、空気が鼻から気道を通って肺に進む際に発生する変化からもたらされる空気の特性を模倣する。これは、肺での効率的なガス交換および換気を促進し、気道における防御機構を支援し、治療中の患者の快適さを向上させる。加湿装置は、水リザーバと、リザーバ内の水を加熱する加熱素子とを含むことができる。水が加熱されると、蒸気が形成され、それは、加湿装置を通って流れるガスを加湿することができる。加湿装置はまた、たとえば限定されないが腹腔鏡手術で使用される送気ガスを含む、ガスの加熱および加湿が有用であり得る他の医療用途にも利用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
流量および温度を含む、呼吸療法システムを通って流れるガスのさまざまな特性を確定することが有用であり得る。場合により、これらの特性に関連する数値は、たとえば、閉ループ(たとえば、比例-積分-微分、すなわちPID)制御システムまたは開ループ制御システムに対する入力として使用することができ、そうした制御システムは、機械的ブロワまたは加湿装置の動作を誘導するために使用することができる。しかしながら、こうした制御システムによる微調整の達成は、こうしたガスの特性を確定するために使用されるセンサの正確度とともに、ガスの流れの均一性によって決まる。場合により、ガス通路を通って流れるガスの特性を確定するために使用されるセンサの正確度または精度は、その特性がガス通路の断面または輪郭を横切って半径方向非対称パターンで発生する場合、望ましいものより低い可能性がある。たとえば、ガスが、曲り部を含むガス通路を通って流れる場合、ガス通路内のガスの速度は、曲り部もしくはその近くまたは曲り部の下流のガス通路の断面において半径方向に非対称であり得る。所与のガス特性がこのように変化することは、特に、使用中のガス通路における曲り部の数および程度が未知である場合、センサの正確度に望ましくない影響を与える可能性があり、それは、使用されるセンサの出力信号の誤差の大きさを予測することが困難であり得るためである。同様に、非層流(すなわち、乱流)もセンサからの読取りの正確度または精度に悪影響を与える可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する実施形態のうちの少なくとも1つのいくつかの特徴、態様および利点は、ガスの特性を測定するように構成されたセンサの上流で、ガス通路を通って流れるガスを混合することによって、ガス通路の断面または輪郭に沿った流れにおける均一性を向上させることにより、センサの正確度を向上させることができるという具現化を含む。本明細書で用いる「混合」とは、ガス通路の第1断面に沿って、たとえば高速成分および低速成分に非対称に分割されたガスの流れを、混合後のガスの流れの速度が、(
図7および本開示の別の箇所に示しかつ記載するように)第1断面の下流でガス通路の第2断面に沿ってより対称であり得るように、再分配するかまたは調整することを指すものとして理解することができる。ガス通路においてセンサの上流に静的混合器または他の混合装置を配置し、混合器が、ガスの流れに対して接線運動、らせん運動、渦巻運動または回転運動を与えるようにすることにより、ガスの流れを混合し、またはより均質にして、センサの正確度を向上させることができる。
【0006】
本開示の少なくとも1つの態様は、流れ混合器に関する。流れ混合器は静的混合器を含む。流れ混合器は、ガス通路に配置されるように適合されたジャケットを備える。少なくとも1つのベーンが、ジャケットから内側に延在している。少なくとも1つのベーンは、少なくとも1つのベーンに沿って流れるガスに対して接線運動を与えるように構成される。
【0007】
流れ混合器の各ベーンは、内側に延在し、またはジャケットの内部中心で収束することができる。流れ混合器の各ベーンは、ベーンの起点となるジャケットの第1部分と、ジャケットの第1部分とは反対側の第2部分とから等距離の中心位置またはその近くの位置まで内側に延在することができる。各ベーンは、中心位置またはその近くに位置する内部導管を支持することができる。ベーンは、ジャケットの内面に対して半径方向等距離である位置においてジャケットから内側に延在するように配置することができる。
【0008】
各ベーンは、ジャケットの長さに沿って軸方向に延在することができる。各ベーンは、ジャケットの全長に沿って軸方向に延在することができる。各ベーンは、ジャケットの長さに沿ってらせん状に延在することができる。各ベーンは、ジャケットの全長に沿ってらせん状に延在することができる。各ベーンは、ジャケットの長さに沿って軸方向にかつらせん状に延在することができる。各ベーンは、一定のピッチでジャケットの長さに沿って延在することができる。各ベーンは、可変ピッチでジャケットの長さに沿って延在することができる。
【0009】
ジャケットは円筒状であり得る。ジャケットの外面は、平滑であり得る。流れ混合器の少なくとも1つのベーンは、複数のベーンを含むことができる。複数のベーンは、たとえば、2つ、3つまたは4つのベーンからなることができる。
【0010】
本開示の少なくとも1つの態様は、呼吸療法システムに関する。呼吸療法システムは、患者にガスを送るように適合されたガス通路と、ガス通路内に配置された流れ混合器とを備える。流れ混合器は、たとえば、上述したまたは本明細書の別の箇所に記載する流れ混合器構成のうちの1つを備えることができる。
【0011】
ガス通路の流れ混合器の下流の部分に、センサを配置することができる。センサは、温度センサおよび/または流量センサを含むことができる。流れ混合器の下流に加湿装置を配置することができる。流れ混合器の上流に流れ発生器を配置することができる。流れ混合器の下流および/またはガス通路の下流に、患者インタフェースを配置することができる。
【0012】
本開示の少なくとも1つの態様は、呼吸療法システム用の流れ混合装置に関する。流れ混合装置はキャップを備え、キャップは、ガス通路の入口の上にかつ/またはその中に配置されるように適合された第1端部と、開口部を有する第2端部と、第1端部と第2端部との間に延在する側壁とを備える。キャップの側壁および第2端部を、ガスコンパートメントが包囲している。ガスコンパートメントは、ガスの流れを入れるように適合されたチャネルを備える。流れ混合装置は、チャネルを通って流れるガスが側壁の周囲にかつ第2端部内に向けられるように構成される。
【0013】
開口部の縁を面取りすることができる。ガスコンパートメントおよびキャップを、一体的に形成するか、または単一の連続部品の形態とすることができる。使用時に、チャネルを通るガスの流れが開口部を通るガスの流れに対して垂直であり得るように、キャップに対してチャネルを向けることができる。
【0014】
本開示の少なくとも1つの態様は、代替的な呼吸療法システムに関する。呼吸療法システムは、対象にガスを送るように適合されている、入口を備えるガス通路と、流れ混合装置とを備える。流れ混合装置は、ガス通路の入口の上にかつ/またはその中に配置されるように適合された第1端部を備えるキャップを備える。流れ混合装置は、たとえば、上述したかまたは本明細書の別の箇所に記載する流れ混合装置構成のうちの1つを備えることができる。
【0015】
ガス通路においてキャップの下流に、流れ混合器を配置することができる。流れ混合器は、たとえば、上述したかまたは本明細書の別の箇所に記載する流れ混合器構成のうちの1つを備えることができる。
【0016】
本開示の少なくとも1つの態様は、ガス入口開口部およびガス出口開口部を備えるガス流路を備える呼吸療法装置に関する。ガス入口開口部とガス出口開口部との間のガス流路に沿ってフローコンディショナーが配置されている。フローコンディショナーは、少なくとも1つの内壁(すなわち仕切り壁)を備える。少なくとも1つの内壁は、ガス流路をガス入口開口部とガス出口開口部との間の位置で第1ガス流路および第2ガス流路に分割し、ガス流路内に複数のコンパートメントが画定される。
【0017】
複数のコンパートメントは、複数のコンパートメントのうちの少なくとも1つを通して層流を促進するように構成されることができる。少なくとも1つのセンサが、複数のコンパートメントのうちの1つを通る流れを検知するように構成されることができ、センサは、層流を促進するように構成される複数のコンパートメントのうちの少なくとも1つを通る流れを検知する。センサは、流速の変化に対して感度を有し得る。
【0018】
ガス流路は、加湿器のポートを備えることができる。ガス流路は、加湿器のエルボ状ポートを備えることができる。少なくとも1つの内壁は、非直線状であり得る。少なくとも1つの内壁は、一対の壁を含むことができる。一対の壁は、同心であり得る。一対の同心の壁の各々は、ガス入口開口部からガス出口開口部まで通過する流れを誘導するように適合され得る。
【0019】
フローコンディショナーは、ガス流路から取外し可能であり得る。フローコンディショナーは、ガス流路の少なくとも一部を画定する壁における相補的な機構とインタフェースする保持機構を有することができる。フローコンディショナーは、ガス流路の少なくとも一部を画定する壁にスナップフィットされることができる。
【0020】
複数のコンパートメントは、4つのコンパートメントを含むことができる。フローコンディショナーは、少なくとも部分的に4つのコンパートメントを画定する4つのバッフルを備えることができる。
【0021】
ガス流路は、加湿チャンバの一部を形成することができる。
【0022】
具体的な実施形態およびその変更形態は、以下の図を参照する本明細書における詳細な説明から、当業者には明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】呼吸療法システムに対する構成例の概略図を示す。
【
図3】
図2の加湿チャンバおよび流れ混合装置の上面図を示す。
【
図4C】
図3の流れ混合装置を通るガス流路の第1概略図例を示す。
【
図4D】
図3の流れ混合装置を通るガス流路の第2概略図例を示す。
【
図6】流れ混合器を備える加湿チャンバの断面を示し、流れ混合器は
図5A~
図5Gに示すものと同様である。
【
図7】
図5A~
図5Gまたは
図6に記載するものと同様の流れ混合器を備える呼吸療法装置のガス通路の断面の図を示す。
【
図9A】加湿チャンバのエルボ状出口ポートに配置されるように構成されたフローコンディショナーの実施形態例のさまざまな図を示す。
【
図9B】加湿チャンバのエルボ状出口ポートに配置されるように構成されたフローコンディショナーの実施形態例のさまざまな図を示す。
【
図9C】加湿チャンバのエルボ状出口ポートに配置されるように構成されたフローコンディショナーの実施形態例のさまざまな図を示す。
【
図9D】加湿チャンバのエルボ状出口ポートに配置されるように構成されたフローコンディショナーの実施形態例のさまざまな図を示す。
【
図9E】加湿チャンバのエルボ状出口ポートに配置されるように構成されたフローコンディショナーの実施形態例のさまざまな図を示す。
【
図9F】加湿チャンバのエルボ状出口ポートに配置されるように構成されたフローコンディショナーの実施形態例のさまざまな図を示す。
【
図9G】加湿チャンバのエルボ状出口ポートに配置されるように構成されたフローコンディショナーの実施形態例のさまざまな図を示す。
【
図10】エルボ状出口ポートを有する加湿チャンバの断面図を示す。
【
図11】
図9A~
図9Gのフローコンディショナーを使用しないエルボ状出口ポートを通る流れを示す。
【
図12】エルボ状出口ポート、およびフローコンディショナー保持機構を受け入れるように構成された切れ目の図を示す。
【
図13】エルボ状出口ポート、およびフローコンディショナー保持機構を受け入れるように構成された切れ目の図を示す。
【
図14A】加湿チャンバのエルボ状出口ポートに配置されたフローコンディショナーのさまざまな断面図を示す。
【
図14B】加湿チャンバのエルボ状出口ポートに配置されたフローコンディショナーのさまざまな断面図を示す。
【
図14C】加湿チャンバのエルボ状出口ポートに配置されたフローコンディショナーのさまざまな断面図を示す。
【
図14D】加湿チャンバのエルボ状出口ポートに配置されたフローコンディショナーのさまざまな断面図を示す。
【
図14E】加湿チャンバのエルボ状出口ポートに配置されたフローコンディショナーのさまざまな断面図を示す。
【
図14F】加湿チャンバのエルボ状出口ポートに配置されたフローコンディショナーのさまざまな断面図を示す。
【
図14G】加湿チャンバのエルボ状出口ポートに配置されたフローコンディショナーのさまざまな断面図を示す。
【
図14H】加湿チャンバのエルボ状出口ポートに配置されたフローコンディショナーのさまざまな断面図を示す。
【
図14I】加湿チャンバのエルボ状出口ポートに配置されたフローコンディショナーのさまざまな断面図を示す。
【
図14J】加湿チャンバのエルボ状出口ポートに配置されたフローコンディショナーのさまざまな断面図を示す。
【
図15A】フローコンディショナーによって生成される流路を示す。
【
図15B】フローコンディショナーによって生成される流路を示す。
【
図15C】フローコンディショナーによって生成される流路を示す。
【
図15D】フローコンディショナーによって生成される流路を示す。
【
図16】フローコンディショニングエルボ状出口ポートの代替実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、呼吸療法システム100に対する構成例の概略図を示す。図示する構成では、呼吸療法システム100は、流れ発生器101を備えることができる。流れ発生器101は、ガス入口102およびガス出口104を備えることができる。流れ発生器101は、ブロワ106を備えることができる。ブロワ106は、モータを備えることができる。モータは、ステータおよびロータを備えることができる。ロータは、シャフトを備えることができる。シャフトには、インペラを連結することができる。使用時、インペラは、シャフトと同時に回転して、ガスを、ガス入口102を通して流れ発生器101内に引き込むことができる。
図1に示すように、室内空気または周囲空気としても知られる周囲環境から、流れ発生器101内にガスを引き込むことができる。流れ発生器101はユーザインタフェース108を備えることができ、ユーザインタフェース108は、1つまたは複数のボタン、つまみ、ダイヤル、スイッチ、レバー、タッチスクリーン、スピーカ、ディスプレイ、および/またはユーザが流れ発生器101および/または呼吸療法システム100の他の構成要素もしくは態様を操作するのを可能にすることができる他の入力もしくは出力モジュールを備える。流れ発生器101は、ガス出口104を通して第1導管110にガスを供給することができる。第1導管110は、ガスを加熱および/または加湿するために使用することができる加湿装置112にガスを供給することができる。
【0025】
加湿装置112は、加湿器入口116および加湿器出口118を備えることができる。加湿装置112は、水または別の加湿液(以降、水と呼ぶ)を保持するように構成することができる。加湿装置112はまた、ヒータも備えることができ、ヒータは、加湿器入口116から加湿装置112を通って加湿器出口118まで流れるガスに蒸気を加え、かつ/またはその温度を上昇させるために、加湿装置112内に保持される水を加熱するように使用することができる。ヒータは、たとえば、高抵抗金属加熱板を備えることができる。加湿装置112は、ユーザインタフェース120を備えることができ、ユーザインタフェース120は、1つまたは複数のボタン、つまみ、ダイヤル、スイッチ、レバー、タッチスクリーン、スピーカ、ディスプレイ、および/またはユーザが加湿装置112および/または呼吸療法システム100の他の構成要素もしくは態様を操作するのを可能にすることができる他の入力もしくは出力モジュールを備える。加湿装置112の他の構成が可能であり、本開示の範囲に含まれるように意図される。
【0026】
ガスは、加湿器出口118から第2導管122に流れることができる。第2導管122は、導管ヒータを備えることができる。導管ヒータを用いて、第2導管122を通って流れるガスに熱を加えることができ、それにより、加湿ガスに保持される蒸気の凝縮の可能性を低減させるかまたはなくすことができる。導管ヒータは、第2導管122の壁の中、上、周囲もしくは近くに、または第2導管122内のガス流路内に位置する1つまたは複数の抵抗線を備えることができる。ガスは、第2導管122から、呼吸療法システム100を患者の気道に空気式に連結することができる患者インタフェース124に流れることができる。患者インタフェース124は、封止インタフェースであるか非封止インタフェースであり得、鼻マスク、口マスク、口鼻マスク、フルフェイスマスク、鼻ピローマスク、鼻カニューレ、気管内チューブ、上記の組合せ、または他の何らかのガス搬送システムもしくは装置を備えることができる。
【0027】
図示する構成では、上で示唆したように、呼吸療法システム100は、以下のように動作することができる。ブロワ106のモータのインペラの回転により、ガス入口102を通して流れ発生器101内にガスを引き込むことができる。ガス出口104から出て第1導管110に沿って、ガスを押し流すことができる。ガスは、加湿器入口116を通って加湿装置112に入ることができる。加湿装置112に入ると、ガスは、加湿装置112内の水の上または近くを流れるときに、水分を同伴するか、またはより湿度を上昇させることができる。加湿装置112のヒータによって水を加熱することができ、それは、加湿装置112を通って流れるガスの加湿および/または加熱を促進することができる。ガスは、加湿器出口118を通って加湿装置112から第2導管122に出ることができる。ガスは、第2導管122から患者インタフェース124にかつ患者の気道内に流れることができる。要約すると、使用時、ガスは、流れ発生器101のガス入口102から患者インタフェース124まで延在するガス流路に沿って流れることができる。本明細書で用いる「ガス流路」は、このガス流路全体またはその一部を指すものとする。
【0028】
図示する構成は、限定するように解釈されるべきではない。呼吸療法システム100に対する他の多くの構成が可能である。いくつかの構成では、流れ発生器101は、たとえば、圧縮ガス(たとえば、空気または酸素)の供給源または容器を備えることができる。圧縮ガスの容器は、容器から出るガスの流れを制御するように調整することができる弁を備えることができる。いくつかの構成では、流れ発生器101は、ブロワ106の代わりに、こうした圧縮ガスの供給源および/または別のガス供給源を使用することができる。いくつかの構成では、別のガス供給源とともにブロワ106を使用することができる。いくつかの構成では、ブロワ106は、電動ブロワを含むことができ、またはベローズもしくはガスの流れを発生させるように構成された他の何らかの装置を含むことができる。いくつかの構成では、流れ発生器101は、ガス入口102を通して大気ガスを引き込むことができる。いくつかの構成では、流れ発生器101は、ガス入口102を通して大気ガスを引き込むとともに、同じガス入口102または異なるガス入口を通して他のガス(たとえば、酸素、酸化窒素または二酸化炭素)を取り入れるように適合させることができる。いくつかの構成では、流れ発生器101および加湿装置112は、一体化することができ、またはハウジング126を共有することができる。いくつかの構成では、流れ発生器101および加湿装置112は、互いに別個であり、導管、ダクト、またはガス流を流れ発生器101から加湿装置112にもしくは加湿装置112から流れ発生器101に送る他の任意の好適な方法によって接続することができる。
【0029】
いくつかの構成では、呼吸療法システム100は、流れ発生器101、加湿装置112、第1導管110、第2導管122、患者インタフェース124、または呼吸療法システム100の別の構成要素に位置するユーザインタフェースを備えることができる。いくつかの構成では、呼吸療法システム100の構成要素または態様の動作は、タブレット、携帯電話、携帯情報端末または別のコンピューティングデバイス等のリモートコンピューティングデバイスに位置するユーザインタフェースを通して、無線で制御することができる。いくつかの構成では、流れ発生器101、加湿装置112、または呼吸療法システム100の他の構成要素もしくは態様の動作は、コントローラによって制御することができる。コントローラは、マイクロプロセッサを含むことができる。コントローラは、流れ発生器101、加湿装置112、もしくは呼吸療法システム100別の構成要素の中または上に、またはリモートコンピューティングデバイスに位置することができる。いくつかの構成では、流れ発生器101、加湿装置112、または呼吸療法システム100の他の構成要素もしくは態様の動作は、複数のコントローラによって制御することができる。
【0030】
いくつかの構成では、呼吸療法システム100は、圧力、流量、温度、絶対湿度、相対湿度、エンタルピー、酸素濃度および/または二酸化炭素濃度を含む、呼吸療法システム100におけるガスのさまざまな特性を検出するように構成された1つもしくは複数のセンサ、心拍数、EEG信号、EKG/ECG信号、血中酸素濃度、血中CO2濃度および/または血中グルコースを含む、患者のさまざまな医学的特性を検出するように構成された1つもしくは複数のセンサ、ならびに/または周囲温度および/もしくは周囲湿度を含む、呼吸療法システム100の外部のガスもしくは他の物質のさまざまな特性を検出するように構成された1つもしくは複数のセンサを備えることができる。閉ループ制御システムまたは開ループ制御システムを使用して(たとえば、上述したコントローラを使用して)、加湿装置112を含む呼吸療法システム100の構成要素の制御を支援するように、センサのうちの1つまたは複数を使用することができる。
【0031】
いくつかの構成では、呼吸療法システム100の構成要素に対して、ユーザインタフェースがないか、または最小限のユーザインタフェースがある場合がある。いくつかのこうした構成では、呼吸療法システム100は、センサを利用して、患者が呼吸療法システム100を使用しようとしていることを検出し、1つまたは複数の所定の制御パラメータに従って自動的に動作することができる(たとえば、上述したように、流れ発生器101はガス流を発生させることができ、かつ/または加湿装置112はガスを加湿することができる)。いくつかの構成では、呼吸療法システム100は、吸気ガス通路を備える単枝型回路を備えることができる。いくつかの構成では、呼吸療法システム100は、吸気ガス通路および呼気ガス通路を備える複枝型システムを備えることができる。
【0032】
呼吸療法システム100は、患者の気道にガスを提供することを含まない他の医療用途に使用することができる。たとえば、腹腔鏡手術のために送気ガスを提供するために、呼吸療法システム100を使用することができる。この用途は、患者インタフェース124を、たとえばトロカールを使用して生成される開口部を通して患者の腹腔内に挿入することができる外科用カニューレと置き換えることによって、実施することができる。さらに、室内加湿器を含む、ガスの加湿を必要とする他の用途に、本開示の実施形態のいくつかの特徴、態様および利点を利用することができる。
【0033】
図2は、加湿装置112の一部を構成することができる加湿チャンバ114を示す。加湿チャンバ114は、加湿器入口116
(すなわちガス入口ポートの端部開口であるガス入口開口部)、加湿器出口118
(すなわちガス出口ポート119の端部開口であるガス出口開口部)およびリザーバ128
(すなわち加湿チャンバ114の本体)を備えることができる。上記記載において示唆したように、加湿装置112を通って流れるガスは、加湿器入口116を通って、水等の液体130を収容することができるリザーバ128内に流れ込むことができる。加湿ガスは、リザーバ128から加湿器出口118を通って流れることができる。図示する構成では、加湿器入口116は直線状に延在し、加湿器出口118は非直線状に延在している。加湿器入口116は、垂直に延在している。加湿器出口118は、垂直に、その後、水平に延在している。
【0034】
加湿チャンバ114は、少なくとも部分的にリザーバ128を画定するベースプレート132を備えることができる。ベースプレート132は、フランジ133を備えることができる。フランジ133は、フランジ133を受け入れるように適合された相補的な凹部を有する加湿装置112のハウジング(図示せず)に、加湿チャンバ114を固定するのに役立つことができる。リザーバ128内の水130を加熱するために、ベースプレート132の下に加湿装置112のヒータ(図示せず)を配置することができ、それにより、ガスの流れを加湿するために水130を蒸発させることができるとともに、ガス温度を上昇させることができる。たとえば、加湿チャンバ114の外壁もしくは内壁もしくはその近く、またはリザーバ128内等、ヒータに対する他の位置が可能である。
【0035】
加湿器入口116と加湿器出口118との間に延在するガス流路に沿って位置する開口部134A、134B、134C内に、センサ(図示せず)を配置することができる。センサは、たとえば、リザーバ128を通って流れる前および/または流れた後の加湿チャンバ114を通って流れるガスの特性を測定するように構成されている、流量センサ、温度センサおよび/または湿度センサを含むことができる。図示する構成では、加湿器入口116は、2つの開口部134A、134Bを有し、加湿器出口118は1つの開口部134Cを有する。いくつかの構成では、加湿器入口116は、1つの開口部を有し、加湿器出口118は2つの開口部を有する。いくつかの構成では、開口部134A、134B、134Cのうちの1つの中に配置されるように構成されたセンサは、サーミスタとすることができ、サーミスタは、サーミスタが内部に延在する流路内を通過するガスの温度を検知するように適合される。いくつかの構成では、開口部134A、134B、134Cのうちの任意の2つの中に配置されるように構成されたセンサの対は、サーミスタの対とすることができ、そこでは、サーミスタのうちの一方または両方は、サーミスタが内部に延在する流路内を通過するガスの温度を検知するように適合される。いくつかの構成では、開口部134A、134B、134Cのうちの任意の2つの中に配置されるように構成されたセンサの対は、サーミスタの対とすることができ、そこでは、サーミスタの対のうちの一方は、基準として作用するように適合され、サーミスタの対は、サーミスタの対が内部に延在する流路内を通過するガスの流量を検知するように適合される。
【0036】
図3は、
図2に示すものと同様の加湿チャンバ114の実施形態の上面図を示す。加湿チャンバ114のこの実施形態は、加湿器入口116および加湿器出口118を同様に備えることができる。加湿チャンバ114はまた、第1導管110を加湿器入口116に接続するように適合された導管コネクタ115も備えることができる。導管コネクタ115は、第1導管110を加湿チャンバ114に対して複数の位置に向けることができるように、旋回し、枢動し、または他の方法で移動するように構成することができる。たとえば、
図3において第1導管110を表す点線によって示すように、導管コネクタ115は、加湿チャンバ114に対して第1導管110の位置または向きを適応させるように、加湿器入口116の周囲で旋回することができる。しかしながら、第1導管110の位置の柔軟性を可能にすることが有利であるが、上述したように、第1導管110の曲がり部が、第1導管110のガス通路の所与の断面または輪郭に沿って流れの速度を変化させることにより、第1導管110の下流に配置されたセンサの正確度に悪影響を与える可能性がある。曲り部は、たとえば、0°超~180°、または30°~150°、または60°~120°の導管の角度の偏向を含み得る。第1導管110の曲り部によってもたらされるセンサの不正確度を抑制するように、第1導管110を通るかまたは第1導管110から流れるガスを混合することが有利である場合がある。
【0037】
図4Aおよび
図4Bは、流れ混合を促進することができる導管コネクタ115に対する構成を示す。導管コネクタ115は、流れに対して接線運動または渦巻運動を引き起こすように構成することができ、換言すれば、導管コネクタ115は、流れ混合器として作用することができる。図示するように、導管コネクタ115は、たとえば第1導管110からガスを受け取るように適合されたコネクタ入口140を備えることができる。コネクタ入口140は、受け取ったガスを、基部142を備えるガスコンパートメント146に通じるチャネル141を通るように向けることができる。ガスコンパートメント146内にキャップ144を配置することができる。導管コネクタ115を通るガスの流れを可能にするように、キャップ144とガスコンパートメント146との間に空洞が存在する場合がある。キャップ144は、ガス通路の入口、たとえば加湿器入口116の上に配置されるように構成された開放端部149を備えることができる。いくつかの構成では、加湿器入口116の上に配置される代わりにまたはそれに加えて、加湿器入口116内に配置されるように、キャップ144を構成することができる。キャップ144は、基部142と一体的に形成されるか、または基部142と単一連続部片の形態であり得る。キャップ144は、側壁145および頂部147を備えることができる。頂部147は開口部148を備えることができる。軸方向に開口部を通ってかつ/または接線方向に頂部147を通って流れるようにガスを向けるように、開口部148の縁に対して、面取りするかまたは角度を付けることができる。いくつかの構成では、頂部147の面取縁または他の部分は、キャップ144内に下方に突出するベーンを備えることができ、ベーンは、さらなるガス混合を促進するように軸方向にかつ/またはらせん状に延在している。いくつかの構成では、開口部148は、1つの開口部、開口部の対、または3つ以上の開口部を含むことができる。いくつかの構成では、頂部147は存在しない場合があり、キャップ144が、単に2つの開放端部を備える場合がある。
【0038】
使用時、チャネル141を通って流れるガスを、強制的にキャップ144の側壁145に沿って流れるようにすることができる。幾分かのガスを、強制的にキャップ144の周囲を流れるかまたはキャップ144を囲むようにすることができ、幾分かのガスを、強制的に側壁145を上って流れて開口部148に入り、最終的に開放端部149を通って流れるようにすることができる。ガスの接線速度成分は、側壁145の周囲のガスの流れの運動の結果として増大することができ、それによりガスの混合を促進することができる。さらに、キャップ144を囲むかまたはその周囲を流れるガスは、側壁145を上って流れて開放端部149まで進むガスと衝突することができ、それにより、乱流が増大する結果としてガス混合を増大させることができる。いくつかの構成では、
図4A、
図4Bに、もっとも明確には
図4Cに示すように、チャネル141を通って流れるガスがキャップ144の側壁145におよそ正面から衝突し、およそ等しい偏りで側壁145の周囲を右回りにまたは左回りに分流するように、チャネル141を配置することができる。しかしながら、いくつかの構成では、
図4Dに示すように、キャップ144に対して角度をなすように、チャネル141を配置することができる。したがって、チャネル141を通って流れるガスを、側壁145の側に向かって付勢することができ、それにより、ガスの接線運動をさらに促進することができる。
【0039】
図5A~
図5Gは、ガス通路内に挿入するかまたは配置することができる、ガス流に対して接線運動、回転運動、らせん運動、渦巻運動または他の運動を与えることによりガス流を混合する他の方法を採用する、流れ混合器のさまざまな構成を示す。ガス通路は、たとえば、加湿器入口116または加湿器出口118を備えることができる。流れ混合器は、静的混合器を含むことができる。「静的混合器」とは、電源等、別のエネルギー源からのエネルギーを利用するのではなくガスのエネルギーを利用することにより、ガスまたは他の流体の混合を促進する、可動部品を有していない構造を指すものとして理解することができる。
【0040】
図5Aおよび
図5Bは、流れ混合器150の斜視図および上面図をそれぞれ示す。流れ混合器150は、流れ混合器150を通って流れるガスに対して接線速度ベクトル、回転速度ベクトル、渦巻運動速度ベクトルまたはらせん速度ベクトルを与えるように構成することができる。流れ混合器150はジャケット151を備えることができる。ジャケット151の輪郭または形状は、流れ混合器150が配置されるガス通路の輪郭または形状と一致することができる。たとえば、ジャケット151は円筒状であり得る。ジャケット151は、ガス通路への挿入および/またはガス通路からの除去を容易にするように平滑であり得る。ベーン152の対が、ジャケット151から内側に流れ混合器150の中心に向かって延在することができる。換言すれば、ベーン152の各々は、ジャケット151から、ベーン152の起点となるジャケット151の第1部分とジャケット151の第1部分とは反対側の第2部分とから等距離の中心位置またはその近くの位置まで、内側に延在することができる。ベーン152は、内部導管154を支持することができ、内部導管154は、流れ混合器150内の中心に配置することができ、流れ混合器150の長さに沿って軸方向に延在することができる。いくつかの実施形態では、内部導管154は、水がたとえば加湿装置のリザーバ内に流れ込むことができる通路を提供することができる。内部導管154は、水源に結合されたスパイクを受け入れるようなサイズとしまたはそのように構成することができる。いくつかの実施形態では、内部導管154は、加湿器入口116等、流れ混合器150が配置されるガス通路を通って延在することができるフロート保持装置を受け入れるようなサイズとしまたはそのように構成することができる。
【0041】
図5Aおよび
図5Bに示すように、ベーン152は、流れ混合器150(およびジャケット151)の長さに沿って軸方向にかつらせん状に延在することができる。ガスがベーン152に沿って流れる際、流速ベクトルの軸方向成分および/または半径成分の一部を流速ベクトルの接線成分を増大させるように変更することができるように、ガスを誘導することができる。ベーン152が、互いを遮ることなく流れ混合器150の長さの少なくとも一部、またはいくつかの実施形態ではすべてをらせん状に横切るように、ベーン152の各々に角度を付けることができる(すなわち、いくつかの実施形態ではベーン152は交差しない)。ベーン152の角度は、ベーン152のうちの所与の1つの開始位置が、ベーン152の終了位置から180°円周方向にずれているようなものとすることができる。ベーン152は、ベーン152の長さに沿って一定のピッチを有することができる。換言すれば、ベーン152の各々は、ベーン152の縁部に沿った任意の2つの点の間の角度が一定であるように、ジャケット151の長さに沿ってらせん状に延在することができる。流れ混合器150は、ガス通路内に容易に挿入することができるようなサイズとすることができる。たとえば、(
図5Aにおいて「W」と注釈される双方向矢印によって示すような)流れ混合器150の幅は、10mm~30mm、または15mm~25mm、または20mmであり得る。同様に、(
図5Aにおいて「L」と注釈される双方向矢印によって示すような)流れ混合器150の長さは、10mm~30mm、または15mm~25mm、または20mmであり得る。ベーン152の各々の角度は、たとえば、42°~70°、または46°~66°、または50°~62°、または54°~58°、または56°であり得る。
【0042】
流れ混合器150に対する他の構成が企図される。たとえば、
図5Aおよび
図5Bは、ベーン152のピッチが一定であり得ることを示す(
図5Cにおいて記号θを用いてより明確に示す)が、
図5Dに示すように、ベーン152のピッチは、ジャケット151の長さの任意の部分を横切って可変であり得る。さらに、
図5Aおよび
図5Bは、流れ混合器150が2つのベーン152を備えることができることを示すが、いくつかの構成では、単一ベーン152を使用することができ、または3つ以上のベーン152を使用することができる。たとえば、
図5Eは、4つのベーン152を備える流れ混合器150の実施形態を示す。
図5Bおよび
図5Eは、たとえば、流れ混合器150が内部導管154を備えることができることを示すが、いくつかの構成では、内部導管154は存在しない場合があり、ベーン152の半径方向端部は、流れ混合器150の中心でまたはその近くで接触することができる。
図5Bおよび
図5Eは、たとえば、ベーン152がジャケット151から内側に均一に延在することができること(たとえば、ベーン152を、ジャケット151の内面に対して半径方向に等距離である位置においてジャケット151から内側に延在するように配置することができること)を示すが、いくつかの構成では、ベーン152を互い違いに配置することができる。
図5Aは、たとえば、ベーン152がジャケット151の全長に沿って延在することができることを示すが、いくつかの構成では、ベーン152は、ジャケット151の長さに沿って部分的にのみ延在することができ、ジャケット151の軸方向端部以外の位置で開始または終了することができる。
【0043】
ベーン152は、互いに異なるかまたは異なる特性を有することができる。たとえば、ベーン152のうちのいくつかは、ジャケット151の全長を横切ってらせん状に延在することができ、ベーン152のうちのいくつかは、ジャケット151の長さを横切って部分的にのみ延在することができる。いくつかの構成では、
図5Gに示すように、内部導管154は存在しない場合がある。いくつかの構成では、流れ混合器150はジャケット151を備えるが、いくつかの構成では、
図5Fに示すように、流れ混合器150はジャケットを備えていない場合がある。いくつかのこうした構成では、流れ混合器150がジャケットを備えていない場合、ベーン152は、ガス通路(たとえば、加湿器入口116または加湿器出口118)に嵌合することができる。いくつかの構成では、摩擦嵌めによってベーン152を固定することができ、かつ/またはベーン152の端部は、たとえば加湿器入口116の内面の対応する凹部または留め具に嵌合することができ、または他の保持要素を用いて固定しもしくは取り付けることができる。流れ混合器150が加湿器入口116または加湿器出口118内に押し込まれるときに、ベーン152の端部がこうした凹部内に滑り込むことができるように、ベーン152の端部をたとえば面取りすることができる。
【0044】
いくつかの構成では、流れ混合器150を、ガス導管(たとえば、加湿器入口116または加湿器出口118)と一体的に成形することができ、または流れ混合器150(ジャケット151を含む場合もあれば含まない場合もある)およびガス導管は、合わせて、他の方法で、単一部品または部片の形態であり得る。他の多くの構成が可能である。好ましくは、ガス流の圧力損失を最小限にしながらガス通路内の流れ混合器150の下流に配置されたセンサの誤差を低減させるのに十分である、接線運動、回転運動、渦巻運動またはらせん運動を、流れ混合器150を通してガス流に与えるように、流れ混合器150を構成することができる。
【0045】
図6および
図7は、流れ混合器150のあり得る使用を示す。
図6は、流れ混合器150を、
図2に示す加湿装置112の加湿器入口116に配置することができることを示す。
図7は、
図6の加湿器入口116を含むガス通路の図を示し、そこでは、
図1に示すように、加湿器入口116に第1導管110が接続されている。いくつかの構成では、
図3に示すように、第1導管110と加湿器入口116との間に、導管コネクタ115(
図7には図示せず)を一列に配置することができる。
図7の矢印は、使用時にガス通路を通過するガスの流れの速度を実証することができ、そこでは、矢印のサイズおよび/または長さは、ガスの流れの速度の大きさに関連する。
図7に示すように、第1導管110(または、たとえば導管コネクタ115)の曲り部に沿ったガスの流れの速度は、ガス通路の所与の輪郭に沿って非対称となり得る。
【0046】
ガスが、加湿器入口116に挿入された流れ混合器150のベーン152に沿って流れるとき、ガスの流れに与えられる接線運動により、輪郭に沿ったガスの流れの速度がより対称になるように、ガス混合を促進することができる。これにより、流れ混合器150の下流においてガス通路内に配置されたセンサ160の正確度を向上させることができる。
図2に示すように、たとえば開口部134A、134B、134Cのうちの1つまたは複数の中に、センサ160を配置することができる。いくつかの実施形態では、
図4A~
図4Dに示す導管コネクタ115等の流れ混合装置の構成を、
図5A~
図5Gに示すものを含む流れ混合器の構成と合わせて使用することができる。流れ混合装置115および流れ混合器150は、合わせて相乗作用的に機能することができる。
【0047】
いくつかの構成では、上述した流れ混合器および/または流れ混合装置の代わりにまたはそれと組み合わせて、「切ってたたみ込む(cut and fold)」および/または「ねじって分ける(twist and divide)」混合器として知られるものを含む、他の静的流れ混合器を使用することができる。
図8A~
図8Eは、ガス混合を促進するように有利に使用することができる他の静的混合器を示す。
図8A~
図8Eの各々において、ガスは、矢印に沿って導入され、図示するように黒い矢印に従って図示する混合器200、202、204、206、208に沿って進むことができる。
【0048】
図9A~
図9Gは、流れ混合器またはフローコンディショナー300の別の実施形態例のさまざまな図を示す。上述した実施形態は、センサの上流に配置されているものとして記載されているが、
図9A~
図9Gに示す実施形態は、センサがフローコンディショナー300の入口端部と出口端部との間に位置するように配置されるように設計されている。換言すれば、フローコンディショナー300に沿って配置されるように、センサを位置決めすることができる。しかしながら、いくつかの構成では、
図9A~
図9Gのフローコンディショナー300を上流に位置決めすることができ、または少なくとも一部が、少なくとも1つのセンサの上流に位置決めされる。
【0049】
いくつかの実施形態では、加湿チャンバ114は、たとえば
図2および
図3、
図4B、
図6ならびに
図10に示すように、リザーバ128と加湿器出口118との間に延在するエルボ状または角度付き出口ポート119を含む。
図10を参照すると、加湿チャンバ114は、加湿器入口116に近接する開口部135Aを含むことができる。開口部135Aは、センサを受け入れるように構成されている。センサは、たとえば、加湿器入口116を通過するガスの温度を検知するように適合されたサーミスタであり得る。エルボ状出口ポート119は、2つの開口部135B、135Cを含むことができる。開口部135B、135Cは、センサを受け入れるように構成することができる。センサは、たとえば、エルボ状出口ポート119を通過するガスの流量を測定するように適合されたサーミスタの対であり得る(サーミスタの対のうちの一方は、基準として作用するように構成される)。開口部135B、135Cは、出口ポート119の開放出口端部を通して見ることができるように位置決めされる。
【0050】
図11の断面図に示すように、
図11の流路170によって示すように、加湿チャンバ114の本体から出口ポート119内に入り加湿器出口118から出るガスのうちの少なくとも一部は、矢印172によって示す、チャンバ114の本体と出口ポート119との間の接続部を部分的に画定する弓形曲り部の周囲を通過する。ガスが曲り部の周囲を通過するとき、流れ分離が発生し得、それは、開口部135B、135Cに受け入れられているセンサの近くにおける乱流境界層174の生成を促進する。境界層174における乱流は、所与の平均流量に対して可変速度を有し、任意の所与のシステム流量でセンサ出力の一貫性を低減させ得る。ガス流における乱流は、出口ポート119を通る流れ抵抗をさらに増大させ得、それにより、圧力降下が増大し、患者に対して所望の圧力でガスを供給する機能を阻害し得る。加湿器入口116またはその近くに配置された、本明細書に記載するもの等の流れ混合器は、乱流を軽減するのに役立つことができ、かつ/または加湿器入口116を通過するガスの速度を正常化するのに役立つことができるが、出口ポート119を通る流れに対してシステムをさらに改善することができる。
【0051】
加湿器入口116内またはその近くに配置された流れ混合器の代わりにまたはそれに加えて、いくつかの実施形態では、本明細書に示しかつ記載するフローコンディショナー300等の流れ混合器または調整器を、たとえば
図14A~
図14Jのさまざまな図に示すように、エルボ状出口ポート119内に配置することができる。フローコンディショナー300は、エルボ状出口ポート119におけるガス流の乱流を低減させるかまたはなくすのに役立つように構成される。より詳細には、フローコンディショナー300は、センサを含む領域におけるガス流の乱流を低減させるかまたはなくすのに役立つことができる。いくつかの構成では、フローコンディショナー300は、出口ポート119を通過する流れを分割する。出口ポート119を通過する流れを分割することにより、特に、センサが流速の変化に対して感度が高い出力を有する場合、センサ出力性能を向上させる。したがって、フローコンディショナー300は、プローブ精度を向上させる(換言すれば、プローブの領域の周囲の乱流を低減させることにより出力の変動性を低減させる)一方で、また、圧力降下および/または流量制限に対するフローコンディショナー300の影響を低減させるかまたは最小限にする。
【0052】
図9A~
図9Eに示すように、フローコンディショナー300は複数のバッフルを含む。図示する構成では、フローコンディショナー300は、4つのコンパートメント320、322、324、326を生成する4つのバッフル
(すなわち仕切り壁)310、312、314、316を含む。フローコンディショナー300の断面が十字またはX形状を有するように、バッフル310、312、314、316を構成することができる。他の構成も可能である。たとえば、限定なしに、いくつかの構成では、バッフル310、312、314、316のうちの1つまたは複数を省略することができる。いくつかの構成では、バッフル312を省略することができる。いくつかの構成では、バッフル310を省略することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、バッフル310、312、314、316のうちの2つ以上を一体的に形成するかまたは互いに成形することができる。いくつかの実施形態では、バッフル310、312、314、316のうちの2つ以上が、別個に形成され、互いに取り付けられる。フローコンディショナー300を、出口ポート119内に永久的にまたは取外し可能に配置することができ、接着剤、摩擦嵌めまたは他の任意の好適な手段を介して出口ポート119に結合することができる。いくつかの実施形態では、フローコンディショナー300は、チャンバ114と一体的に形成される。
【0054】
図9F、
図9G、
図12および
図13を参照すると、フローコンディショナー300は、出口ポート119内の適切な位置にフローコンディショナー300を保持するのに役立つように構成された出口ポート保持機構330を含むことができる。出口ポート119内に調整器300を固定するために、スナップフィットを用いることができる。出口ポート保持機構330は、空隙、間隙または開口部に隣接する隆起またはリブ等を備えた部分を含み、それにより、隆起またはリブ等を備えた部分は、弾性的に偏向してスナップフィットを提供する。
図9Fおよび
図9Gに示すフローコンディショナー300の実施形態の出口ポート保持機構330は、
図9A~
図9Fに示すフローコンディショナー300の実施形態の出口ポート保持機構330とは異なる構成を有する。
図9A~
図9Eでは、出口ポート保持機構330は、フローコンディショナー300の材料中に取り込まれる空隙、間隙または開口部を有し、
図9Fおよび
図9Gの出口ポート保持機構330は、フローコンディショナー300の縁部と交差する空隙、間隙または開口部を有する。
【0055】
図9A~
図9Gの出口ポート保持機構330は、出口ポート119の壁の対応する切れ目332と係合するように構成される。
図12および
図13に示すように、切れ目332は、開口部135B、135Cに近接して位置する。
図14Dに示すように、出口ポート119は、出口ポート119の基部、および/または加湿チャンバ114の本体と出口ポート119との間の遷移部もしくはその近くに保持スラット334を含むことができる。スラット334は、スロット336を画定し、スロット336は、組立中にフローコンディショナー300を方向付けるように、かつ/または組立後に適切な位置にフローコンディショナー300を保持するのに役立つように、バッフル310の基部を受け入れるように構成される。他の構成が可能である。
【0056】
図示する実施形態では、フローコンディショナー300は、少なくとも1つのエアロフォイル機構340も含む。
図9D、
図9Fおよび
図9Gに示すように、たとえば、エアロフォイル機構340は、バッフル312の縁部に位置する。図示する構成では、エアロフォイル機構340は、フローコンディショナー300が出口ポート119に配置される場合、開口部135B、135Cの反対側に位置するか、または開口部135B、135Cから離れて位置決めされる。エアロフォイル機構340は、バッフル314、316によって開口部135B、135Cから分離されている。エアロフォイル機構340をバッフル312と一体的に形成するかまたはバッフル312に結合することができる。
【0057】
図示するように、エアロフォイル機構340は、バッフル314、316に向かって湾曲し凸状になっている。図示するように、バッフル314、316は、直線状下方部分および湾曲上方部分を有する。図示するバッフル314、316は、概して、エルボ状出口ポート119の形状または形態に従う。いくつかの構成では、バッフル314、316は、互いに同心である湾曲部分を画定する。いくつかの実施形態では、
図9Fに示すように、バッフル314、316の各々の湾曲上方部分の曲率半径は12mmである。いくつかの実施形態では、エアロフォイル機構340は、角度付き下方部分および部分的円形上方部分を有する。下方部分は、30°で角度を付けることができ、上方部分は、たとえば
図9Fに示すように、5mmの曲率半径を有することができる。図示する構成では、
図9Fおよび
図9Gに最もよく示すように、たとえば、エアロフォイル機構340を画定する1つまたは複数の壁は、少なくとも、第1弧を画定する部分を有し、バッフル314、316を画定する1つまたは複数の壁は、少なくとも、第2弧を画定する部分を有する。いくつかのこうした構成では、第1弧および第2弧は、同じ曲率中心を有する。弧は、フローコンディショナー300と境を接する第1端部と、テーパ状口部を画定する壁に接続する第2端部とを有する。第1弧および第2弧は、一定の断面部分を備えた通路を画定することができる。
【0058】
フローコンディショナー300は、出口ポート119の全長または出口ポート119の長さの任意の部分を占有することができる。図示する構成では、フローコンディショナー300は、出口ポート119の全長の一部のみを占有する。フローコンディショナーによって占有される出口ポート119の長さの部分は、1つもしくは複数のセンサ、またはセンサを受け入れる開口部135A、135B、135Bのうちの少なくとも1つもしくは複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、フローコンディショナー300の全高は、43mm~44mmの範囲である。いくつかの実施形態では、フローコンディショナー300の全幅は、26mm~27mmである。
【0059】
ガスが出口ポート119内に流れ込むと、エアロフォイル機構340の湾曲により、入ってくる流れが、エルボ内に画定された角の周囲を流れる際に、徐々に方向を変える。エアロフォイル機構340がない場合、エルボ内に画定された角の周囲を流れるガスは、強制的に鋭利な角度を折り返すことになる。角を平滑化することにより、エアロフォイル機構340は、ガスの流れにおいて圧力降下を低減させ、流れに対する抵抗の増大を低減させることができる。さらに、使用時、フローコンディショナー300は、出口ポート119を通るガスの流れを複数(図示する実施形態では4つ)のより小さいコンパートメントまたは流路に分離する。
【0060】
図15A~
図15Dは、フローコンディショナー300によって形成された、コンパートメント320、322、324、326それぞれを通る流路F1、F2、F3、F4を示す。図示する構成は、4つのコンパートメント320、322、324、326を特徴とする。出口ポート119の全体的なサイズと比較してコンパートメント320、322、324、326が小さいことは、ガスの流れの所与の部分とガスの流れの別の部分との境界層分離および/または衝突を可能にする空間を低減させ、それにより、乱流を低減するのに役立つ。バッフル314、316の徐々に湾曲する形状も出口ポート119を通るガスの流れを容易にし、渦領域、渦巻領域または乱流領域の形成を阻止するのに役立つ。コンパートメント320、322、324、326のうちの1つまたは複数を、コンパートメントを通る実質的層流を促進するように構成することができる。いくつかの構成では、センサを含むコンパートメント320、322、324、326のうちの1つまたは複数を、少なくともセンサの近くの領域において実質的層流を促進するように構成することができる。たとえば、コンパートメント内でまたは直接隣接して数および/もしくは程度または鋭利な角度を除去するかまたは低減させることにより、実質的層流を促進することができる。
【0061】
フローコンディショナー300の変形形態は、より多いかまたは少ないコンパートメントを生成するようにより多いかまたは少ないバッフルを含むことができる。センサに近接するコンパートメントの数を増大させかつ/またはコンパートメントの断面を低減させることにより、乱流が低減し、センサ精度が上昇する。しかしながら、コンパートメントの数を増大させかつ/またはコンパートメントの断面を低減させることはまた、流量制限および圧力降下も増大させ得る。したがって、乱流を低減させることと圧力降下を最小限にすることとを平衡させるように、バッフルおよびコンパートメントの数を選択するべきである。いくつかの実施形態では、流れ抵抗を改善するために、バッフル312の一部またはすべてをなくすことができる。たとえば、本明細書においてより詳細に記載した、エアロフォイル機構340を支持するバッフル312の部分を維持することができ、バッフル312の残りを除去することができる。いくつかの実施形態では、乱流層の形成を阻止し、それによりセンサ精度を向上させるのに役立つように、フローコンディショナー300の湾曲部分および/または出口ポート119の基部に近接する加湿チャンバ114の部分に沿って、乱流形成(turbulation)機構(たとえば、小さい穴、出っ張り等)を配置することができる。
【0062】
図16は、1つまたは複数のセンサ402を含むように構成されるコンパートメントを含むエルボ状出口ポート119の別の実施形態を示す。図示する構成では、壁等の障壁404によってコンパートメントを画定することができる。図示する障壁404は、センサ402に隣接してブリード流を生成するように構成される。換言すれば、障壁404は、センサ402を通過する調整されたガス流の別個のチャンバ406を生成し、それによりセンサ読取正確度を向上させる。センサ402の付近で層流を促進するように、チャンバ406を構成することができる。
【0063】
文脈において別段明確な要求がない限り、本明細書および特許請求の範囲を通して、「備える」、「備えている」等の語は、排他的な意味または網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で、すなわち「限定されないが、~を含む」という意味で解釈されるべきである。
【0064】
上述した説明において、既知の均等物を有する完全体または構成要素について言及している場合、それらの完全体または構成要素は、本明細書では、個々に示されているかのように組み込まれる。
【0065】
開示した方法、装置およびシステムはまた、個々にまたはまとめて本開示で言及したかまたは示した部品、要素および特徴を、前記部品、要素または特徴のうちの2つ以上のあらゆる組合せで備えると概して言うことができる。
【0066】
本明細書において別段の指示がない限り、本明細書における範囲の列挙は、単に、その範囲内にある各別個の下位範囲または値に対して個々に言及する簡略化方法としての役割を果たすように意図され、こうした別個の下位範囲または値の各々は、本明細書において個々に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0067】
本明細書におけるいかなる従来技術に対する言及も、前記従来技術が世界中のいかなる国においても努力傾注分野における共通の一般知識の一部を形成するという承認またはいかなる形態の示唆でもなく、かつそのように解釈されるべきではない。
【0068】
本開示を、いくつかの実施形態に関して記載したが、当業者には明らかな他の実施形態も本開示の範囲内にある。したがって、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなくさまざまな変形形態および変更形態をなし得る。たとえば、さまざまな構成要素を必要に応じて再配置することができる。さらに、本開示を実施するために、特徴、態様および利点のすべてが必ずしも必要であるとは限らない。したがって、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ定義されるように意図されている。