(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-13
(45)【発行日】2022-07-22
(54)【発明の名称】NRに対するHARQバッファの管理方法
(51)【国際特許分類】
H04W 28/04 20090101AFI20220714BHJP
H04W 72/14 20090101ALI20220714BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W72/14
(21)【出願番号】P 2020541877
(86)(22)【出願日】2019-02-11
(86)【国際出願番号】 US2019017506
(87)【国際公開番号】W WO2019160817
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-12-07
(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イェ,シアン-ルン
【審査官】桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/052182(WO,A1)
【文献】Google,Changes related to skipping UL transmission[online],3GPP TSG RAN WG2 #101 R2-1803114,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_101/Docs/R2-1803114.zip>,1-3頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザデバイスによって実行される方法であって、
基地局から、ある時間間隔におけるデータの新たな送信に対する構成されたアップリンク許可と無線ネットワーク一時識別子(RNTI)とを含む構成されたスケジューリングの構成を受信することと、
前記時間間隔に対してハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスを判断することと、
前記ユーザデバイスが前記構成されたアップリンク許可を使用して前記時間間隔においてデータを送信しないことに基づいて、前記HARQプロセスのバッファに格納されたデータを除去することと、
前記基地局から、前記RNTIにアドレス指定されるダウンリンク制御情報(DCI)を受信することとを備え、前記DCIは、前記HARQプロセスからの再送の要求および前記再送に対する第2のアップリンク許可を含み、前記方法はさらに、
前記HARQプロセスの前記バッファに格納された前記データの除去後、前記HARQプロセスからの前記再送の要求を無視することを備える、ユーザデバイスによって実行される方法。
【請求項2】
前記再送を要求する
ことを含む前記DCIは第2のDCIであり、前記方法は、物理ダウンリンク制御チャネルを介して第1のDCIから前記構成されたアップリンク許可を受信することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記再送の要求を無視することは、
前記HARQプロセスの前記バッファが空ではない場合、および
前記第2のアップリンク許可によって割り当てられたトランスポートブロックサイズが前記HARQプロセスの前記バッファ内の前記データを送信するには小さすぎる場合に、
前記第2のアップリンク許可を無視することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記HARQプロセスの前記バッファに格納された前記データを除去することは、
前記HARQプロセスの前記バッファが空ではない場合、および
前記第2のアップリンク許可によって割り当てられたトランスポートブロックサイズが前記HARQプロセスの前記バッファ内の前記データを送信するには小さすぎる場合に、
前記HARQプロセスの前記バッファ
に格納された前記データを除去することを含む、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記HARQプロセスは、前記構成されたスケジューリングの構成において前記ユーザデバイスに割り当てられる、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記HARQプロセスは予め定義される、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記構成においてパラメータを使用して、前記構成されたアップリンク許可がどの時間間隔においてデータを送信するのに使用可能であるかを判断することをさらに備える、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
メディアアクセス制御プロトコルデータユニット(MAC PDU)がゼロMACサービスデータユニット(MAC SDU)を含む場合に、前記構成されたアップリンク許可を使用して前記データを前記時間間隔において送信しないよう判断することをさらに備える、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
メディアアクセス制御プロトコルデータユニット(MAC PDU)が周期的バッファステータス報告(BSR)のみを含み、論理チャネルグループ(LCG)のためにデータが利用可能でない場合、前記構成されたアップリンク許可を使用して前記データを前記時間間隔において送信しないよう判断することをさらに備える、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
メディアアクセス制御プロトコルデータユニット(MAC PDU)がパディングバッファステータス報告のみを含む場合、前記構成されたアップリンク許可を使用して前記データを前記時間間隔において送信しないよう判断することをさらに備える、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記構成されたアップリンク許可を受信することは、さらに、前記構成されたスケジューリングの構成において前記構成されたアップリンク許可を示すものを受信することを含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記第1のDCIにおいて前記構成されたスケジューリングの起動を示すものを受信することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
ユーザデバイスによって実行される方法であって、
基地局から、構成されたアップリンク許可を含む、構成されたスケジューリングの構成を受信することと、
前記構成においてパラメータを用いることにより、前記ユーザデバイスが前記構成されたアップリンク許可においてデータ送信のために使用できる複数の時間間隔のうちのある時間間隔を判断することと、
前記時間間隔に対してハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスを判断することと、
前記ユーザデバイスが前記構成された許可を用いて前記時間間隔の間にデータを送信しないことに基づいて、前記HARQプロセスのバッファに格納されたデータを除去することと、
前記HARQプロセスの前記バッファに格納された前記データを除去した
あと、前記HARQプロセスに基づく、第2のアップリンク許可を用いる再送の要求を無視することとを備える、ユーザデバイスによって実行される方法。
【請求項14】
前記再送の要求を無視することは、
前記HARQプロセスの前記バッファが空ではない場合、および
前記第2のアップリンク許可によって割り当てられたトランスポートブロックサイズが前記HARQプロセスの前記バッファ内の前記データを送信するには小さすぎる場合に、
前記第2のアップリンク許可を無視することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記HARQプロセスの前記バッファに格納された前記データを除去することは、
前記HARQプロセスの前記バッファが空ではない場合、および
前記第2のアップリンク許可によって割り当てられたトランスポートブロックサイズが前記HARQプロセスの前記バッファ内の前記データを送信するには小さすぎる場合に、
前記HARQプロセスの前記バッファを除去することを含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記構成は、無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を含み、
前記方法は、さらに、前記構成において前記RNTIにアドレス指定されたダウンリンク制御情報(DCI)から前記第2のアップリンク許可を受信することをさらに備え、前記DCIは前記再送の要求を含み、
前記再送の要求を無視することは、前記第2のアップリンク許可を無視することを含む、請求項13
~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
メディアアクセス制御プロトコルデータユニット(MAC PDU)が、
ゼロMACサービスデータユニット(MAC SDU)を含むか、
周期的バッファステータス報告(BSR)含み、論理チャネルグループ(LCG)に利用可能なデータを含まないか、または、
パディングBSRのみを含む場合に、
前記構成されたアップリンク許可を使用して前記データを前記時間間隔において送信しないよう判断することをさらに備える、請求項13
~16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
ユーザデバイスによって実行される方法であって、
基地局から、第1のダウンリンク制御情報(DCI)からの第1のアップリンク許可を受信することを備え、前記第1のDCIは、セル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)にアドレス指定され、ある時間間隔の間に新たな送信を要求し、前記方法はさらに、
前記時間間隔に対してハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスを判断することと、
前記ユーザデバイスが前記第1のアップリンク許可を使用して前記時間間隔の間にデータを送信しないことに基づいて、前記HARQプロセスのバッファをフラッシュすることと、
物理ダウンリンク制御チャネル上で第2のDCIから第2のアップリンク許可を受信することとを備え、前記第2のアップリンク許可は、前記第1のDCIにおける前記C-RNTIにアドレス指定され、再送の要求を含み、前記方法はさらに、
前記HARQプロセスの前記バッファが空であることに基づいて、前記第2のアップリンク許可を使用してデータを送信しないよう判断することにより、前記HARQプロセスからの前記再送の要求を無視することを備える、ユーザデバイスによって実行される方法。
【請求項19】
前記再送の要求を無視することは、
前記HARQプロセスの前記バッファが空ではない場合、および
前記第2のアップリンク許可によって割り当てられたトランスポートブロックサイズが前記HARQプロセスの前記バッファ内の前記データを送信するには小さすぎる場合に、
前記第2のアップリンク許可を無視することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記HARQプロセスのバッファをフラッシュすることは、
前記HARQプロセスの前記バッファが空ではない場合、および
前記第2のアップリンク許可によって割り当てられたトランスポートブロックサイズが前記HARQプロセスの前記バッファ内の前記データを送信するには小さすぎる場合に、
前記HARQプロセスのバッファをフラッシュすることを含む、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記HARQプロセスは、前記第1のDCIに示される、請求項
18~20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
メディアアクセス制御(MAC)プロトコルデータユニットが、
ゼロMACサービスデータユニットを含むか、
周期的バッファステータス報告(BSR)含み、論理チャネルグループ(LCG)に利用可能なデータを含まないか、または、
パディングBSRのみを含む場合に、
前記第1のアップリンク許可を使用して前記データを前記時間間隔において送信しないよう判断することをさらに備える、請求項
18~21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記HARQプロセスは前記ユーザデバイスに割り当てられる、請求項
18~22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記HARQプロセスは予め定義される、請求項
18~23のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願
本出願は、米国特許法119条(e)のもと、2018年2月14日に提出された米国特許仮出願62/630,817に体する優先権を主張し、その全体をここに引用により援用する。
【0002】
背景
ハイブリッド自動再送要求(HARQ)は、ユーザデバイスとの通信におけるエラーを管理するために、無線ネットワークの基地局によって使用される。第5世代新無線(5G-NR)技術などの高度な無線アクセス技術では、ユーザデバイス(ユーザ機器またはUE)は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を介して受信されたダウンリンク制御情報(DCI)メッセージからアップリンク(UL)許可を受信することができる。DCIメッセージは、ユーザデバイスを識別する構成されたスケジューリング無線ネットワーク一時識別子(CS-RNTI)にアドレス指定され得る。DCIはまた、基地局が前のアップリンク許可の間にデータを受信できなかったことに基づいて、データの再送を要求することもできる。前のアップリンクに対応するHARQバッファが空である場合、ユーザデバイスはアップリンク許可を無視する。
【0003】
しかしながら、ユーザデバイスがアップリンク許可を無視し、アップリンク許可中に送信しない場合、HARQバッファはもはや空はない場合がある。そのような場合、ユーザデバイスが、適応再送を要求する別のアップリンク許可を基地局から受信すると、ユーザデバイスは、HARQバッファに格納されたデータを送信する。これは、HARQバッファに格納されたデータを不必要に送信する結果となり、また、データを送信するために使用されるユーザデバイスの電力を不必要に消費し得る。さらに、送信は、周波数-時間領域においてアップリンク許可と同じ位置の近くで動作する他の無線通信との干渉を引き起こし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本明細書では、HARQバッファ管理のための技術およびHARQバッファ管理を可能にするシステムについて説明する。これらの技法は、ユーザデバイスがアップリンク許可中にデータを送信しないことに基づいて、HARQバッファに格納されたデータを除去することを含む。HARQバッファに格納されたデータを除去することによって、ユーザデバイスは、基地局からの再送要求に応答して、HARQバッファに格納されたデータを基地局に送信することを回避することができる。
【0005】
ある態様において、ユーザデバイスは、基地局から、無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を含む構成されたスケジューリングの構成と、RNTIにアドレス指定され、構成されたスケジューリングの起動を示すダウンリンク制御情報(DCI)メッセージからのアップリンク許可とを受信する。ユーザデバイスは、アップリンク許可が、ある時間間隔においてデータを送信するために使用可能であることに基づいて、その時間間隔に対してハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスを判断する。アップリンク許可を使用して時間間隔の間にデータを送信しないという判断に基づいて、ユーザデバイスは、HARQプロセスのバッファに格納されたデータを除去する。HARQプロセスのバッファに格納されたデータの除去に応答して、ユーザデバイスは、基地局から受信され、HARQプロセスに基づく再送の要求を無視する。
【0006】
ある態様において、ユーザデバイスは、基地局から、構成されたスケジューリングの構成を受信する。構成は、無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を含む。ユーザデバイスは、基地局から、第1のダウンリンク制御情報(DCI)メッセージからのアップリンク許可を受信する。DCIメッセージは、RNTIにアドレス指定され、構成されたスケジューリングの起動を示す。アップリンク許可がある時間間隔においてデータを送信するために使用可能であることに基づいて、ユーザデバイスは、その時間間隔に対してHARQプロセスを判断する。ユーザデバイスは、ユーザデバイスがアップリンク許可中にデータを送信しないことに基づいて、第1のHARQプロセスのバッファに格納されたデータを除去する。ユーザデバイスは、さらに、基地局から、さらなる、第2のDCIメッセージからの、さらなる、第2のアップリンク許可を受信してもよい。第2のDCIメッセージも、(第1の)RNTIにアドレス指定され、(第1の)HARQプロセスからの再送の要求を含む。基地局は、(第1の)HARQプロセスのバッファに格納されたデータが除去されたことに基づいて、再送の要求を無視する。
【0007】
ある態様において、ユーザデバイスは、基地局から、第1のダウンリンク制御情報(DCI)メッセージからの第1のアップリンク許可を受信し、第1のDCIメッセージは、セル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)にアドレス指定され、ある時間間隔の間に新たな送信を要求する。ユーザデバイスは次いで、その時間間隔に対してハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスを判断する。ユーザデバイスが第1のアップリンク許可を使用してその時間間隔の間にデータを送信しないことに基づいて、ユーザデバイスはHARQプロセスのバッファをフラッシュする。HARQプロセスのバッファが空であることに基づいて、ユーザデバイスは、基地局から受信され、HARQプロセスに基づく再送の要求を無視する。
【0008】
ダウンリンク共有チャネル(DL-SCH)送信またはアップリンク共有チャネル(UL-SCH)送信のためのHARQ情報は、ニューデータインジケータ(NDI)およびトランスポートブロック(TB)サイズを含む。DL-SCH送信および非同期UL HARQおよび自律UL HARQの場合、HARQ情報は、この情報が存在しない単一のHARQプロセスで構成されたNarrow Band Internet of Things(狭帯域モノのインターネット)(NB-IoT)におけるユーザ機器(UE)を除き、HARQプロセスIDも含む。UL-SCH送信の場合、HARQ情報は、冗長バージョン(RV)も含む。DL-SCH上で空間多重化する場合、HARQ情報は、各トランスポートブロックに対してNDIおよびTBサイズのセットを含む。サイドリンク共有チャネル(SL-SCH)送信およびサイドリンクディスカバリチャネル(SL-DCH)送信のためのHARQ情報は、TBサイズのみからなる。
【0009】
Msg3という用語は、上位層から提出され、ランダムアクセス(RA)手順の一部としてユーザ機器(UE)競合解決識別に関連付けられる、セル-RNTI(C-RNTI)メディアアクセス制御(MAC)制御要素(CE)または共通制御チャネル(CCCH)サービスデータユニット(SDU)を含む、UL-SCH上で送信されるメッセージを指す。
【0010】
1つまたは複数の実現例の詳細が、添付の図面および以下の説明に記載される。他の特徴および利点は、説明および図面ならびに特許請求の範囲から明らかとなるであろう。本概要は、詳細な説明および図面においてさらに説明される主題を紹介するために提供される。したがって、本概要は、本質的な特徴を説明するものと見なされるべきではなく、請求される主題の範囲を限定するために使用されるべきでもない。
【0011】
HARQバッファ管理の1つまたは複数の態様の詳細を以下に記載する。説明および図面における異なる例における同じ参照番号の使用は、同様の要素を示し得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】HARQバッファ管理の1つまたは複数の態様による無線通信システムの概略図である。
【
図2】HARQバッファ管理の1つまたは複数の態様を実施することができる通信デバイスの概略図である。
【
図3】HARQプロセスの一部として基地局からの再送要求に基づいてHARQバッファを管理するための例示的な方法を示す。
【
図4】PDCCHにおいて受信されたDCIにおける再送要求を取り扱うHARQバッファを管理するための例示的な方法を示す。
【
図5】動的スケジューリング中にHARQバッファを管理するための例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
ユーザデバイスは、一般に、アップリンク許可を生成する基地局に送信するデータを有さないとき、アップリンク許可を無視する。しかしながら、ユーザデバイスがデータを送信しないことによってアップリンク許可を無視するとき、基地局は、アップリンク許可中に予想されたユーザデバイスからのデータの受信に失敗したと判断し得る。基地局がこの判断を行うとき、基地局は、再送要求を含む別の許可をユーザデバイスに送信するように構成され得る。再送要求は、HARQプロセスに基づいており、アップリンク許可中に受信に失敗したデータを再送するようユーザデバイスに指示する。アップリンク許可中にデータは送信されなかったが、HARQプロセスのHARQバッファにデータが格納され得る。ユーザデバイスは、HARQバッファに格納されたデータを基地局に送信し得る。
【0014】
本明細書では、HARQバッファ管理のための技法およびシステムについて説明する。これらの技法は、例えば、アップリンク許可を使用しないことによって、またはユーザデバイスによってHARQプロセスに対して判断された時間間隔の間にデータを送信しないことによって、データが基地局に送信されないアップリンク許可の後に、HARQバッファを除去するかまたはフラッシュすることを含む。例えば、ユーザデバイスは、無線ネットワークのセルを動作させている基地局と無線接続を確立する。ユーザデバイスは、基地局から、基地局にデータを送信するために、アップリンク許可を受信する。しかしながら、ユーザデバイスは、非アクティブであり得、アップリンク許可中に基地局に送信するデータを有さない。ユーザデバイスはアップリンク許可中にデータを送信しないけれども、アップリンク許可に関連付けられるデータが、アップリンク許可にリンクされたHARQバッファ上に記憶され得る。アップリンク許可中にデータを送信しないことに基づいて、ユーザデバイスは、HARQバッファからアップリンク許可に関連付けられるデータを除去するか、またはHARQバッファをフラッシュする(特に、バッファからデータを除去することを含み得る)。
【0015】
基地局はアップリンク許可中にデータを受信しようと試みるが、データが送信されなかったため、基地局は許可中にデータの受信に失敗する。基地局は、アップリンク許可中に予想されたデータの再送の要求を含む、ユーザデバイスへの別の許可の送信をトリガするHARQプロセスに従ってもよい。ユーザデバイスは、HARQバッファが空であることに基づいて、要求を無視する。
【0016】
図1は、HARQバッファ管理に使用可能な例示的な無線通信システム100の概略図である。無線通信システム100は、ネットワーク110および複数の通信デバイス120(例えば、通信デバイス121、通信デバイス122)を備える。ネットワーク110および通信デバイス120のうちの1つは、ライセンス付与帯域および/または非ライセンス付与帯域の1つまたは複数のキャリア上で1つまたは複数のセルを介して互いに通信する。1つまたは複数のセルは、同じもしくは異なるフレーム構造タイプで、または同じもしくは異なる二重化モード、たとえば周波数分割二重化(FDD)および時分割二重化(TDD)で動作されてもよい。
【0017】
図1において、ネットワーク110および通信デバイス120は、無線通信システム100の構造を示す。ネットワーク110は、少なくとも1つの基地局(BS)を含む無線アクセスネットワーク(RAN)を含み得る。RANは、少なくとも1つの発展型ノードB(eNB)を含む発展型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)であってもよい。RANは、通信デバイスと通信するために直交周波数分割多重(OFDM)および/または非OFDMを使用する、少なくとも1つの5G BS(たとえば、gNB)を含む5G NRネットワークであってもよい。RANの送信時間間隔(TTI)は、1msよりも短くてもよい(例えば、100マイクロ秒、200マイクロ秒)。一般に、BSは、eNBまたは5G BSなど、ネットワーク110の任意のBSを指すのにも用いられ得る。さらに、ネットワーク110は、RANに接続するネットワークエンティティを含むコアネットワークも含み得る。
【0018】
通信デバイス120は、例えば、ユーザ機器、マシンタイプ通信(MTC)デバイス、携帯電話、ラップトップ、タブレットコンピュータ、電子書籍、ポータブルコンピュータシステム、車両、または航空機であってもよい。加えて、ネットワーク110および通信デバイス120は、方向(例えば、送信方向)に応じて、送信機または受信機として見ることができる。アップリンク(UL)送信の場合、通信デバイス120は送信機であり、ネットワーク110は受信機である。ダウンリンク(DL)送信の場合、ネットワーク110は送信機であり、通信デバイス120は受信機である。
【0019】
図2は、HARQバッファ管理に使用可能な通信デバイス200の概略図である。通信デバイス200は、
図1に示した通信デバイス120またはネットワーク110であってもよいが、これに限定されない。通信デバイス200は、マイクロプロセッサまたは特定用途向け集積回路(ASIC)などのプロセッサ202、記憶媒体204、および通信モジュール(たとえば、通信インターフェースユニット206)を含み得る。記憶媒体204は、プロセッサ202によってアクセスされ実行されるプログラムコード208を記憶し得る任意のデータ記憶装置であり得る。記憶装置204の例は、加入者識別モジュール(SIM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスク、光データ記憶装置、不揮発性記憶装置、非一時的コンピュータ可読媒体(例えば有形媒体)等を含むが、これらに限定されない。通信モジュール(例えば、通信インターフェースユニット206)は、ハードウェアベースであり得るトランシーバを含み、プロセッサ200の処理結果に従って信号(例えば、データ、メッセージおよび/またはパケット)を送受信するために使用される。
【0020】
例示的な方法
以下の実現例における単純化のために、ユーザデバイスは、
図1における通信デバイス120を表すために用いられる。しかしながら、以下に説明するプロセスは、
図1に示されるように、任意の通信デバイスによって利用され得る。プロセスは、プログラムコード208にコンパイルされ、プロセッサ202によって実行され得る。
【0021】
例示的な方法300,400,および500を、新たな無線のためにHARQバッファを管理する1つまたは複数の態様に従って、それぞれ
図3~
図5を参照して説明する。
図3は、HARQプロセスの一部として基地局からの再送要求に基づいてHARQバッファを管理するための例示的な方法300を示す。
図4は、PDCCHにおいて受信されたDCIにおける再送要求を取り扱うHARQバッファを管理するための例示的な方法400を示す。
図5は、動的スケジューリング中にHARQバッファを管理するための例示的な方法500を示す。
【0022】
図3は、HARQプロセスの一部として基地局からの再送要求に基づいてHARQバッファを管理するための例示的な方法300を示す。
【0023】
302において、ユーザデバイスは、構成されたスケジューリングの第1の構成を受信する。第1の構成は、第1のRNTIを含む。
【0024】
304において、ユーザデバイスは、第1のDCIから第1のアップリンク許可を受信する。DCIは、第1のRNTIにアドレス指定することができ、構成されたスケジューリングの起動を示す。さらに、DCIは、PDCCHを介して受信され得る。
【0025】
306において、ユーザデバイスは、第1の時間間隔に対して第1のHARQプロセスを判断する。この判断は、第1のアップリンク許可が第1の時間間隔においてデータを送信するために使用可能であることに基づくことができる。
【0026】
308において、ユーザデバイスは、第1のアップリンク許可を使用してデータを第1の時間間隔において送信する、と判断する。次いで、310において、ユーザデバイスは、第1のアップリンク許可に関連付けられるデータを第1のHARQプロセスのバッファに格納し、そのデータを第1のHARQプロセスに従って送信する。308~310の実現形態は任意である。
【0027】
代替的に、312において、ユーザデバイスは、第1のアップリンク許可を使用してデータを第1の時間間隔において送信しない、と判断する。次いで、314において、ユーザデバイスは、第1のHARQプロセスのバッファに格納されたすべてのデータを除去する。
【0028】
316において、ユーザデバイスは、第1のRNTIにアドレス指定された第2のDCIから第2のアップリンク許可を受信する。第2のアップリンク許可は、第1のHARQプロセスからの再送の要求を含む。いくつかの態様では、第1のHARQプロセスに関連付けられるタイマ(たとえば、configuratedGrantTimer(構成された許可タイマ))を、再送が生じるときに開始または再開させる。
【0029】
318において、ユーザデバイスは、次いで、第1のHARQのバッファが空であるか否かを判断する。一例では、ユーザデバイスは、第1のHARQのバッファは空ではない(「NO」)と判断する。第1のHARQのバッファがデータを格納していることに基づいて、ユーザデバイスは、320において、第1のHARQプロセスのバッファ内のデータを再送する。
【0030】
代替的に、ユーザデバイスは、第1のHARQのバッファは空である(「YES」)と判断する。第1のHARQのバッファに格納されたデータが除去されていることに基づいて、ユーザデバイスは、322において、第2のアップリンク許可を無視する。
【0031】
図4は、PDCCHにおいて受信されたDCIにおける再送要求を取り扱うHARQバッファを管理するための例示的な方法400を示す。
【0032】
402において、ユーザデバイスは、構成されたスケジューリングの第1の構成を受信する。第1の構成は、第1のアップリンク許可を含む。
【0033】
第1の構成で与えられる第1のアップリンク許可を用いて第1の時間間隔においてデータを送信し得る場合、ユーザデバイスは、404において、第1の時間間隔に対して第1のHARQプロセスを判断する。
【0034】
406において、ユーザデバイスは、第1のアップリンク許可を使用してデータを第1の時間間隔において送信するかどうかを判断する。
【0035】
第1のアップリンク許可を用いてデータを第1の時間間隔において送信する場合(「YES」)、408において、ユーザデバイスは、データを第1のHARQプロセスのバッファに格納し、410において、そのデータを第1のHARQプロセスによって送信する。
【0036】
第1のアップリンク許可を用いてデータを第1の時間間隔において送信しない場合(「NO」)、412において、ユーザデバイスは、第1のHARQプロセスのバッファをフラッシュする。例えば、ユーザデバイスは第1の時間間隔の間にデータを送信しなかった、とユーザデバイスが判断した場合、ユーザデバイスは、HARQプロセスのバッファに格納されたデータを除去する。
【0037】
414において、ユーザデバイスは、PDCCH上で、第1の構成において与えられる第1のRNTIにアドレス指定され、第1のHARQプロセスから再送を要求する第2のDCIからの第2のアップリンク許可を受信する。
【0038】
416において、ユーザデバイスは、第1のHARQのバッファが空であるか否かを判断する。
【0039】
第1のHARQのバッファが空でない場合(「NO」)、次いで、418において、ユーザデバイスは、第1のHARQプロセスのバッファ内のデータを再送する。
【0040】
第1のHARQのバッファが空である場合(「YES」)、420において、ユーザデバイスは、第2のアップリンク許可を無視する。
【0041】
図5は、動的スケジューリング中にHARQバッファを管理するための例示的な方法500を示す。
【0042】
502において、ユーザデバイスは、PDCCH上で、第1のC-RNTIにアドレス指定され、第1の時間間隔において新たな送信を要求する第1のDCIからの第1のアップリンク許可を受信する。
【0043】
504において、ユーザデバイスは、第1のアップリンク許可に対して第1のHARQプロセスを判断する。
【0044】
506において、ユーザデバイスは、第1のアップリンク許可を使用してデータを第1の時間間隔において送信するかどうかを判断する。
【0045】
第1のアップリンク許可を使用して第1の時間間隔においてデータを送信する場合、ユーザデバイスは、508において、データを第1のHARQプロセスのバッファに格納し、510において、そのデータを第1のHARQプロセスによって送信する。
【0046】
ユーザデバイスが第1のアップリンク許可を使用してデータを第1の時間間隔において送信しない場合、ユーザデバイスは、512において、第1のHARQプロセスのバッファをフラッシュする。
【0047】
514において、ユーザデバイスは、PDCCH上で、第1のC-RNTIにアドレス指定され、第1のHARQプロセスから再送を要求する第2のDCIからの第2のアップリンク許可を受信する。
【0048】
516において、ユーザデバイスは、第1のHARQのバッファが空であるか否かを判断する。
【0049】
第1のHARQのバッファが空でない場合(「NO」)、ユーザデバイスは、518において、第1のHARQプロセスのバッファ内のデータを再送する。
【0050】
第1のHARQのバッファが空である場合(「YES」)、ユーザデバイスは、520において、第2のアップリンク許可を無視する。
【0051】
例示的実現例
実現例1は、
図3に関して上述した例示的な方法300と同様である。ユーザデバイスがgNBから、構成されたスケジューリングの第1の構成を受信する場合、この構成は、第1のRNTIと、どの時間間隔においてアップリンク許可を用いてデータを送信することができるかを判断するために使用されるパラメータとを含むことができる。第1のRNTIはCS-RNTIであり得る。ユーザデバイスは、PDCCH上で、第1のRNTIにアドレス指定された第1のDCIから第1のアップリンク許可を受信することができる。第1のDCIが、構成されたスケジューリングの起動を示す場合、ユーザデバイスは、第1のアップリンク許可を格納し、どの時間間隔において第1のアップリンク許可を使用してデータを送信することができるかを判断することができる。第1のアップリンク許可が第1の時間間隔においてデータを送信するのに使用可能である場合、ユーザデバイスは、第1の時間間隔に対して第1のHARQプロセスを判断する。ユーザデバイスが第1のアップリンク許可を使用して第1の時間間隔においてデータを送信する場合、ユーザデバイスは、データを第1のHARQプロセスのバッファに格納し、次いで、そのデータを第1のHARQプロセスによって送信することができる。他方、ユーザデバイスが第1のアップリンク許可を使用してデータを第1の時間間隔において送信しない場合、ユーザデバイスは、HARQプロセスのバッファをフラッシュしてもよい。その後、ユーザデバイスが、PDCCH上で、第1のHARQプロセスから再送を要求する第2のDCIからの第2のアップリンク許可を受信する場合、ユーザデバイスは第1のHARQプロセスのバッファをチェックする。バッファが空でない場合、ユーザデバイスは、第1のHARQプロセスのバッファ内のデータを再送する。そうでなければ、ユーザデバイスは、第2のアップリンク許可を無視する。
【0052】
図4に関して説明した方法400に対応する実現例2は、実現例1と同様である。しかしながら、実現例2における第1のアップリンク許可は、PDCCH上で受信されるDCIにおいてではなく、第1の構成において与えられる。
【0053】
図5に関して説明される方法500に対応する実現例3は、動的スケジューリングに関連する。ユーザデバイスが、PDCCH上で、第1のC-RNTIにアドレス指定され、新たな送信を要求する第1のDCIからの第1のアップリンク許可を受信し、ユーザデバイスが第1のアップリンク許可を使用してデータを送信しない場合、ユーザデバイスは第1のHARQプロセスのバッファをフラッシュする。第1のHARQプロセスは、第1のDCIに示される。その後、ユーザデバイスが、PDCCH上で、第1のC-RNTIにアドレス指定され、第1のHARQプロセスから再送を要求する第2のDCIからの第2のアップリンク許可を受信すると、ユーザデバイスは第1のHARQプロセスのバッファをチェックする。第1のHARQプロセスのバッファが空である場合、ユーザデバイスは、第2のアップリンク許可を無視する。換言すれば、ユーザデバイスは、第2のアップリンク許可を使用してデータを送信しない。しかしながら、第1のHARQプロセスのバッファが空でない場合、ユーザデバイスは、第1のHARQプロセスのバッファ内のデータを再送する。
【0054】
いくつかの実現例では、メディアアクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)がゼロMACサービスデータユニット(SDU)を含む場合、ユーザデバイスは、第1のアップリンク許可を使用してデータを第1の時間間隔において送信しないよう判断する。
【0055】
ユーザデバイスは、MAC PDUが周期的バッファステータス報告(BSR)のみを含み、任意の論理チャネルグループ(LCG)に利用可能なデータがないか、またはMAC PDUがパディングBSRのみを含む場合、第1のアップリンク許可を使用してデータを第1の時間間隔において送信しないよう判断してもよい。
【0056】
ユーザデバイスが第2のアップリンク許可を受信し、第1のHARQのバッファが空ではないが、第2のアップリンク許可によって割り当てられたトランスポートブロック(TB)サイズが第1のHARQプロセスのバッファ内のデータを送信するには小さすぎる場合、ユーザデバイスは、第2のアップリンク許可を無視してもよい。
【0057】
ユーザデバイスが第2のアップリンク許可を受信し、第1のHARQのバッファが空ではないが、第2のアップリンク許可によって割り当てられたトランスポートブロックサイズが第1のHARQのバッファ内のデータを送信するには小さすぎる場合、ユーザデバイスは、第1のHARQプロセスのバッファを除去してもよい。
【0058】
第1のHARQプロセスは、第1の構成においてユーザデバイスに割り当てられてもよい。代替的に、第1のHARQプロセスは予め定義される。
【0059】
例示的実現例
本文書の目的のために、第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project)(3GPP)技術報告書(TR)21.905[1](ならびに同じ用語および定義を使用する他の規格)において与えられる用語および定義が、以下の適用と共に与えられる。
【0060】
ダウンリンク共有チャネル(DL-SCH)送信またはアップリンク共有チャネル(UL-SCH)送信のためのHARQ情報は、ニューデータインジケータ(NDI)、トランスポートブロック(TB)サイズを含む。DL-SCH送信および非同期UL HARQおよび自律UL HARQの場合、HARQ情報は、この情報が存在しない単一のHARQプロセスで構成された狭帯域モノのインターネット(Narrow Band Internet of Things)(NB-IoT)におけるユーザ機器(UE)を除き、HARQプロセスIDも含む。UL-SCH送信の場合、HARQ情報は、冗長バージョン(RV)も含む。DL-SCH上での空間多重化の場合、HARQ情報は、各トランスポートブロックに対してNDIおよびTBサイズのセットを含む。サイドリンク共有チャネル(SL-SCH)送信およびサイドリンクディスカバリチャネル(SL-DCH)送信のためのHARQ情報は、TBサイズのみからなる。
【0061】
Msg3という用語は、上位層から提出され、ランダムアクセス(RA)手順の一部としてユーザ機器(UE)競合解決識別に関連付けられる、セル-RNTI(C-RNTI)メディアアクセス制御(MAC)制御要素(CE)または共通制御チャネル(CCCH)サービスデータユニット(SDU)を含む、UL-SCH上で送信されるメッセージを指す。加えて、以下は、3GPP技術規格(TS)38.213[7]および同じHARQプロセスを使用する他の規格に規定されているように、HARQエンティティ当たりの並列UL HARQプロセスの数も組み込む。
【0062】
以下は、HARQバッファ管理の1つまたは複数の態様を実現するためのガイドラインとして使用され得る。
【0063】
MACエンティティは、アップリンク(それが補助アップリンクで構成される場合を含む)を構成された各サービングセルについて、HARQエンティティを含み、HARQエンティティは、いくつかの並列HARQプロセスを維持する。
【0064】
HARQエンティティ当たりの並列UL HARQプロセスの数は、TS 38.214[7]に規定されている。
【0065】
各HARQプロセスは、1つのTBをサポートする。
各HARQプロセスは、HARQプロセス識別子に関連付けられる。RA応答においてUL許可を含むUL送信の場合、HARQプロセス識別子0が使用される。
【0066】
繰り返しがrepK>1で構成される場合、パラメータrepKは、あるバンドル内のTBの繰り返し数を与える。繰り返し動作は、各送信について同じバンドルの一部である同じHARQプロセスを呼び出すためにHARQエンティティに依存する。バンドル内では、HARQ再送は非適応的であり、repKによる以前の送信からのフィードバックを待つことなくトリガされる。
【0067】
各アップリンク許可について、HARQエンティティは:
1.この許可に関連付けられるHARQプロセスを識別し、各識別されたHARQプロセスについて:
2.受信した許可があるPDCCH上において一時C-RNTIにアドレス指定されておらず、関連付けられるHARQ情報において与えられるNDIが、このHARQプロセスのこのTBの以前の送信における値と比較してトグルされている場合;または
2.アップリンク許可がPDCCH上においてC-RNTIに対して受信され、識別されたプロセスのHARQバッファが空である場合;または、
2.アップリンク許可がランダムアクセス応答で受信された場合:
3.Msg3バッファ内にMAC PDUがあり、アップリンク許可がランダムアクセス応答で受信された場合には:
4.Msg3バッファから送信すべきMAC PDUを取得する。
【0068】
3.そうでない場合には:
4.「多重化およびアセンブリ」エンティティから送信すべきMAC PDU(もしあれば)を取得し;
3.送信すべきMAC PDUが得られた場合には:
4.MAC PDUおよびアップリンク許可およびTBのHARQ情報を、識別されたHARQプロセスに配信し;
4.識別されたHARQプロセスに、新たな送信をトリガするように命令し;
4.アップリンク許可がCS-RNTIにアドレス指定される場合;または
4.アップリンク許可が構成されたアップリンク許可である場合;または
4.アップリンク許可がC-RNTIにアドレス指定され、識別されたHARQプロセスが構成された許可に対して構成される場合:
5.送信が実行されるとき、対応するHARQプロセスのために、構成される場合には、configuredGrantTimer(構成された許可タイマ)開始または再開する。
【0069】
3.そうでない場合には:
4.識別されたプロセスのHARQバッファをフラッシュする。
【0070】
2.そうでない場合には(すなわち、再送):
3.PDCCH上で受信されたアップリンク許可がCS-RNTIにアドレス指定された場合、および識別されたプロセスのHARQバッファが空である場合:
4.アップリンク許可を無視する。
【0071】
3.そうでない場合には:
4.アップリンク許可およびTBのHARQ情報(冗長バージョン)を、識別されたHARQプロセスに配信し;
4.識別されたHARQプロセスに再送をトリガするよう命令し;
4.アップリンク許可がCS-RNTIにアドレス指定される場合;または
4.アップリンク許可がC-RNTIにアドレス指定され、識別されたHARQプロセスが構成された許可のために構成される場合:
5.送信が実行されるとき、対応するHARQプロセスのために、構成される場合には、configuredGrantTimer(構成された許可タイマ)開始または再開する。
【0072】
NDIが以前の送信の値と比較してトグルされたかどうかを判断する際には、MACエンティティは、その一時C-RNTIについてPDCCH上ですべてのアップリンク許可において受信されたNDIを無視することになる。