(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-13
(45)【発行日】2022-07-22
(54)【発明の名称】走行玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 29/22 20060101AFI20220714BHJP
A63H 17/26 20060101ALI20220714BHJP
【FI】
A63H29/22 L
A63H29/22 E
A63H17/26 C
(21)【出願番号】P 2021077463
(22)【出願日】2021-04-30
【審査請求日】2021-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米田 陽亮
(72)【発明者】
【氏名】篠原 比呂志
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大智
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-283476(JP,A)
【文献】実開平6-31796(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0080380(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00 - 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪と、
前記車輪に歯車機構を介して連結されるロータを有する発電電動機と、
前記発電電動機とともに充放電回路に設けられた蓄電デバイスと、
を備え、
前記車輪の双方向の回転により前記発電電動機を介して前記蓄電デバイスを充電させるとともに、前記蓄電デバイスからの放電により前記発電電動機を介して前記車輪を一方向に回転させるようにした走行玩具であって、
前記充放電回路は、充電又は放電いずれかの側の回路を閉じるか選択可能なスイッチを備え、
前記歯車機構は、太陽歯車の軸を中心に揺動可能なアームに支持され前記太陽歯車の周りを公転する遊星歯車を含み、前記遊星歯車は、前記充放電回路が充電側で閉じているときに、前記車輪の回転方向に応じた方向に公転して互いに異なる歯車に噛み合って前記発電電動機のロータに連結され、前記車輪の回転方向に関わらず前記ロータを一方向に回転させることを特徴とする走行玩具。
【請求項2】
前記蓄電デバイスは電気二重層コンデンサであることを特徴とする請求項1に記載の走行玩具。
【請求項3】
前記充放電回路が放電側で閉じているときに、前記互いに異なる歯車の一方と前記遊星歯車とが噛み合う位置に前記アームを固定する操作部材を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の走行玩具。
【請求項4】
前記操作部材は、前記スイッチ及び前記アームを操作し、前記充放電回路が放電側で閉じているときに前記アーム固定して前記遊星歯車を前記互いに異なる歯車の一方と噛み合う位置に保持することを特徴とする請求項3に記載の走行玩具。
【請求項5】
前記歯車機構は、前記充放電回路が充電側で閉じているときに、前記遊星歯車の下流となる位置に増速歯車列を備えたことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の走行玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は走行玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体に車輪と連動する発電電動機を設け、上記車輪を走行面に対しこすり付けて回転させることにより上記発電電動機に生じた起電力で電気二重層コンデンサを充電した後、放電により、上記発電電動機を上記こすり付け方向に駆動可能にした構造の車両玩具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような車両玩具においては、車輪を走行面に対しこすり付けて前進方向に回転させるだけでなく、後進方向に回転させとときでも充電でき、且つ、放電時には車輪を一方向に回転させるために、発電電動機と電気二重層コンデンサとを接続する充電回路中にダイオードなどで構成された整流回路を設けることが行われている。
しかし、発電電圧が低いために、整流回路を設けたことによる電力損失が無視できない。
本発明は、かかる点に鑑みなされたものであり、整流回路を設けずに、充電を効率的に行わせることができる走行玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段は、
車輪と、
前記車輪に歯車機構を介して連結されるロータを有する発電電動機と、
前記発電電動機とともに充放電回路に設けられた蓄電デバイスと、
を備え、
前記車輪の双方向の回転により前記発電電動機を介して前記蓄電デバイスを充電させるとともに、前記蓄電デバイスからの放電により前記発電電動機を介して前記車輪を一方向に回転させるようにした走行玩具であって、
前記充放電回路は、充電又は放電いずれかの側の回路を閉じるか選択可能なスイッチを備え、
前記歯車機構は、太陽歯車の軸を中心に揺動可能なアームに支持され前記太陽歯車の周りを公転する遊星歯車を含み、前記遊星歯車は、前記充放電回路が充電側で閉じているときに、前記車輪の回転方向に応じた方向に公転して互いに異なる歯車に噛み合って前記発電電動機のロータに連結され、前記ロータを一方向に回転させることを特徴とする。
【0006】
第2の手段は、第1の手段であって、前記蓄電デバイスは電気二重層コンデンサであることを特徴とする。
【0007】
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段であって、前記充放電回路が放電側で閉じているときに、前記互いに異なる歯車の一方と前記遊星歯車とが噛み合う位置に前記アームを固定する操作部材を備えることを特徴とする。
【0008】
第4の手段は、第3の手段であって、前記操作部材は、前記スイッチ及び前記アームを操作し、前記充放電回路が放電側で閉じているときに前記アーム固定して前記遊星歯車を前記互いに異なる歯車の一方と噛み合う位置に保持することを特徴とする。
【0009】
第5の手段は、第1の手段~第4の手段のいずれかであって、前記歯車機構は、前記充放電回路が充電側で閉じているときに、前記遊星歯車の下流となる位置に増速歯車列を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1の手段によれば、充放電回路が充電側で閉じているときに、車輪の回転方向に応じた方向に公転して互いに異なる歯車に噛み合って発電電動機のロータに連結され、ロータを一方向に回転させるので、充放電回路に全波整流回路を設ける必要がなく、電圧損失を少なくすることができる。
【0011】
第2の手段によれば、蓄電デバイスとして電気二重層コンデンサを用いるので、短時間での充電が可能となる。
【0012】
第3の手段によれば、充放電回路が放電側で閉じているときに、互いに異なる歯車の一方と遊星歯車とが噛み合う位置にアームを固定するので、確実に、蓄電デバイスからの放電により発電電動機を介して車輪を一方向に回転させることができる。
【0013】
第4の手段によれば、操作部材は、スイッチ及びアームを同時に操作するので、充電状態と放電状態との切替えが簡単に行えることになる。
【0014】
第5の手段によれば、歯車機構は、充放電回路が充電側で閉じているときに、遊星歯車の下流となる位置に増速歯車列を備えるので、車輪の回転方向が変わったときには、増速歯車列の歯車及び発電電動機の回転部がフライホイールとして機能することから充電効率を向上させることができる。
また、増速歯車列の歯車及び発電電動機の回転部が一方向のみに回転していることによっても充電効率の向上を図ることができる。充電時に車輪をこすりつける方向が反転した際にも回転部に蓄積された運動エネルギが保持されるとともに、こすりつける方向が反転する際に車輪の回転が減速停止する期間においても発電電動機のロータはフライホイール効果により回転を保持するため、蓄電デバイスへの充電は途切れることなく連続的に且つ充電電流の脈動を小さくできるからである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】車両玩具の先頭車両の内部の筐体を示す斜視図である。
【
図3】筐体の上部カバーを取り外した状態を示した斜視図である。
【
図6】歯車機構を車両玩具の左方から見た側面図である。
【
図7】歯車機構を車両玩具の右方から見た側面図である。
【
図8】遊星歯車機構を車両玩具の右方から見た側面図である。
【
図10】操作部材を車両玩具の右方から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0017】
図1は車両玩具100の外観を示す斜視図である。
図2は、車両玩具100の先頭車両10の内部の筐体10aを示す斜視図、
図3は筐体10aの上部カバーを取り外した状態を示した斜視図、
図4は、筐体10aへの組付け部品を示した斜視図である。
車両玩具100は3両編成の鉄道車両玩具となっている。先頭車両10の内部の筐体10aの前部左右には従輪11,11が設けられ、後部左右には動輪12,12が設けられている。また、
図4に示すように、筐体10aの前部及び後部には重り13が複数設けられている。また、筐体10aには、発電電動機20と、電気二重層コンデンサ30と、歯車機構40と、操作部材50と、連結器70(
図2参照)とが設けられている。
【0018】
発電電動機20は、発電機及び電動機の機能を合わせ持つもので、電動機として機能するときには、電気二重層コンデンサ30に蓄えた電力によって左右の動輪12,12を回転させる。また、発電電動機20は、発電機として機能するときには左右の動輪12,12の回転により電気二重層コンデンサ30を充電する。
歯車機構40は、発電電動機20と左右の動輪12,12を連結するものであり、発電電動機20の動力によって歯車機構40を介して左右の動輪12,12を回転させるとともに、左右の動輪12,12の回転によって歯車機構40を介して発電電動機20を動作させる。
操作部材50は、発電電動機20を発電機又は電動機として選択的に機能させるとともに、それに合わせて歯車機構40中の歯車の噛み合いを規制する。
連結器70は、他の車両との連結に使用される。
【0019】
(歯車機構40)
図5は、歯車機構40を示した斜視図、
図6は、歯車機構40を車両玩具100の左方から見た側面図、
図7は、歯車機構40を車両玩具100の右方から見た側面図である。
動輪12と発電電動機20とを連結する歯車機構40は、歯車41a,41b,41c,・・・,41l,41mを含んで構成されている。
歯車41aは、車軸42aに固定され、動輪12と一体的に回転する。歯車41bは、車軸42aと平行な軸42bに設けられ、歯車41aと噛合している。歯車41c及び歯車41dは、軸42bと平行な軸42cに互いに一体的に回転するように設けられている。このうち、歯車41cは歯車41bと噛合している。
【0020】
歯車41eは、歯車41dを太陽歯車とする遊星歯車機構45(
図6参照)を構成している。すなわち、歯車41eは、遊星歯車であり、軸42cを中心に回動するアーム43の一端の軸42dに設けられ、歯車41dに噛合している。歯車41fは、軸42cと平行な軸42eに設けられ、アーム43の第1回動位置で歯車41eに噛合する。歯車41gは、軸42eと平行な軸42fに設けられ、歯車41fに噛合している。この歯車41gは、アーム43の第2回動位置で歯車41eに噛合する。歯車41eと歯車41fとの噛合、歯車41eと歯車41gとの噛合は、歯車41dの回転方向に依存するアーム43の回動方向に応じて、選択的に行われる。
【0021】
歯車41hは、軸42fに設けられ、前記歯車41gとはクラッチ機構44(
図9参照)を介して連結されている。歯車41i(
図5参照)は、軸42cに設けられ、歯車41hと噛合している。歯車41jは、軸41cに設けられ、歯車41iと二段歯車を構成している。歯車41kは、軸42cと平行な軸42gに固定して設けられ、歯車41jに噛合している。歯車41lは、軸42gに固定して設けられ、歯車41kと一体的に回転する。歯車41mは、軸42gに平行なロータ軸21に固定して設けられ、歯車41lに噛合している。
なお、歯車41h~歯車41mは、充電状態にあるとき、増速歯車列を構成する。
【0022】
そして、この歯車機構40では、充電時(発電時)において動輪12を前進方向に回転させた場合の動輪12から発電電動機20への動力伝達は、歯車41a,41b,41c,・・・,41e,41g,・・・,41l,41mを介して行われる。また、充電時において動輪12を後進方向に回転させた場合の動輪12から発電電動機20への動力伝達は、歯車41a,41b,41c,・・・,41e、41f,・・・,41l,41mを介して行われる。
また、放電時において発電電動機20から動輪12への動力伝達は、41m,41l,・・・,41g,41e,・・・,41c,41b,歯車41aを介して行われる。
【0023】
図8は、遊星歯車機構45を示した図である。
遊星歯車機構45は、太陽歯車である歯車41dと、遊星歯車である歯車41eと、歯車41dの軸42cを中心に回動するアーム43とを備えている。アーム43は長手方向中間部で軸43cに支持されている。そして、アーム43の一端部に、歯車41dに噛合する歯車41eが軸42dを介して取り付けられている。
この遊星歯車機構45は、充電状態にあるとき、動輪12が前進方向に回転し歯車41dが一方向に回転すると、アーム43に支持された歯車41eが一方向に公転して歯車41gに噛合し、一方、充電状態にあるとき、動輪12が後進方向に回転し歯車41dが他方向に回転すると、歯車41eが他方向に公転して歯車41fに噛合する。
【0024】
図9は、クラッチ機構44を示した斜視図である。クラッチ機構44は、歯車41gと一体で軸42fの軸線方向に移動可能な円板44aと、円板44aを歯車41hに押圧するコイルばね44bとを備える。歯車41hの端面には、半径方向に延在するV溝44cが120°間隔で3つ形成されている。一方、円板44aには、V溝44cと相補的形状の凸条44dが120°間隔で3つ形成されている。V溝44cと凸条44dとが係合することで、歯車41gと歯車41fとの間の動力伝達がなされ、過負荷が作用した場合にV溝44cと凸条44dとの係合が解除され、歯車41gと歯車41fとの間の動力伝達が遮断される。
【0025】
(充放電回路60)
図11は、充放電回路60を示した図である。
発電電動機20と電気二重層コンデンサ30とは充放電回路60に設けられている。発電電動機20としては、特に限定はされないが、ロータコア・マグネット間の磁気吸引作用による所謂コギングで充電時に静止状態のロータを起動する際に生じる抗力や回転時の振動が大きくならないようにコギングが生じないコアレスモータが用いられている。発電電動機20以外の充放電回路60の構成要素は基板67に設けられている。
充放電回路60は充電回路60aと放電回路60bとを備え、充電回路60aと放電回路60bとは特に限定はされないが3路スイッチである切替えスイッチ61により切り替え可能となっている。
充放電回路60には、発電電動機20に対して並列に電気二重層コンデンサ30と、抵抗63及び発光ダイオード64とが設けられている。そして、電気二重層コンデンサ30の充電が進み端子電圧が所定値以上になると発光ダイオード64が点灯する、また、充電回路60a中にはダイオード65が設けられ、このダイオード65によって電荷の逆流が防止されている。
【0026】
(操作部材50)
図10は、操作部材50を車両玩具100の右方から見た側面図である。
操作部材50は、筐体10aの前後方向に長尺に構成されている。操作部材60は、上記アーム43と切替えスイッチ61とを操作するものである。
操作部材50の後部には、先頭車両10の屋根上に突出する摘み51が設けられていて、操作部材50は、摘み51の操作によって、前後方向に動作可能となっている。
操作部材50には、前後方向中間部にアーム規制片50aが設けられ、アーム規制片50aは操作部材50が後方にあるときにはアーム43に係合せず、アーム43の自由な回動を許容する。また、アーム規制片50aは操作部材50が前方にあるときにはアーム43の前端側を押し下げ、歯車41eと歯車41gとを噛合状態に保持する。
また、操作部材50には前端部に一対のスイッチ操作片50b,50cが設けられ、操作部材60が後方にあるときにはスイッチ操作片50cにより切替えスイッチ61の摘み61aを後方に動作させて充電回路60aを閉じさせ、操作部材50が前方にあるときにはスイッチ操作片50bにより摘み62を前方に動作させ放電回路60bを閉じさせる。
【0027】
(遊び方及び動作)
次に、遊び方及び動作について説明する。
先ず、操作部材50の摘み50aを後方に動作させる。これにより、操作部材50が後方に動作してアーム規制片50aが軸42cの上方に位置する。この位置では、アーム43が自由に回動可能な状態となる。また、スイッチ操作片50cにより切替えスイッチ61の摘み61aが後方に動作して充電回路60aが閉じられる。
この状態で、先頭車両10を接地させた状態で前後に動かす。このとき、先頭車両10を前方に手押しすると、歯車41eと歯車41gとが噛合され、一方、先頭車両10を前方に手押しすると、歯車41eと歯車41fとが噛合され、発電電動機20のロータが一方向に回転し、電気二重層コンデンサ30に充電される。充電が進むと、発光ダイオード64が点灯する。この発光ダイオード64が所定の明るさになるまで、先頭車両10を接地させた状態で前後に動かす。
そして、充電が完了したならば、先頭車両10を単独で、或いは先頭車両10に他の車両を連結した状態で、レール90(
図1参照)上に乗せて、操作部材50の摘み50aを前方に動作させる。これにより、操作部材50が前方に動作してアーム規制片50aがアーム43の前端側を押し下げ、歯車41eと歯車41gとを噛合状態に保持する。また、スイッチ操作片50bにより切替えスイッチ61の摘み61aが前方に動作して放電回路60bが閉じられる。
これによって、発電電動機20が駆動され、動輪12,12が前進方向に回転する。
【0028】
(実施形態の効果)
実施形態の車両玩具100によれば、次のような効果を得ることができる。
【0029】
本実施形態の車両玩具100によれば、充電回路60aが閉じているときに、動輪12,12の回転方向に応じた方向に遊星歯車41eが公転して歯車41g又は歯車41fに噛み合って発電電動機20のロータに連結され、ロータを一方向に回転させるので、充放電回路60に全波整流回路を設ける必要がなく、電力損失を少なくすることができる。
【0030】
また、蓄電デバイスとして電気二重層コンデンサ30を用いるので、短時間での充電が可能となる。
【0031】
さらに、放電回路60bが閉じているときに、歯車41gと遊星歯車41eとが噛み合う位置にアーム43を固定するので、確実に、電気二重層コンデンサ30からの放電により発電電動機20を介して動輪12,12を一方向に回転させることができる。
【0032】
また、操作部材50は、切替えスイッチ61及びアーム43を同時に操作するので、充電状態と放電状態との切替えが簡単に行えることになる。
【0033】
また、歯車機構40は、充電回路60aが閉じているときに、遊星歯車40の下流となる位置に増速歯車列を備えるので、充電状態において動輪12,12の回転方向が変わる際に、増速歯車列の歯車及び発電電動機20の回転部がフライホイールのような働きをすることから充電効率を向上させることができる。さらに、増速歯車列の歯車及び発電電動機の回転部が一方向のみに回転していることによっても充電効率の向上を図ることができる。
【0034】
(変形例)
上記実施形態では、蓄電デバイスとして電気二重層コンデンサを用いたが、リチウムイオンキャパシタ等のキャパシタやリチウムイオン電池等の2次電池を用いてもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、鉄道車両玩具を説明したが、自動車玩具その他の車両玩具のみならず車輪で走行する走行玩具に適用できる。
【符号の説明】
【0036】
10 先頭車両
10a 筐体
11 従輪
12 動輪
13 重り
20 発電電動機
21 ロータ
30 電気二重層コンデンサ
40 歯車機構
43 アーム
45 遊星歯車機構
50 操作部材
50a アーム規制片
50b,50c スイッチ操作片
60 充放電回路
60a 充電回路
60b 放電回路
61 スイッチ
62 摘み
100 車両玩具
【要約】
【課題】整流回路を設けずに、充電を効率的に行わせることができる走行玩具を提供すること。
【手段】車輪の双方向の回転により発電電動機を介して蓄電デバイスを充電させるとともに、蓄電デバイスからの放電により発電電動機を介して車輪を一方向に回転させるようにした走行玩具であって、充放電回路は、充電又は放電いずれかの側の回路を閉じるか選択可能なスイッチを備え、歯車機構は、遊星歯車を含み、遊星歯車は、充放電回路が充電側で閉じているときに、車輪の回転方向に応じた方向に公転して互いに異なる歯車に噛み合って発電電動機のロータに連結され、車輪の回転方向に関わらずロータを一方向に回転させるように構成されている。
【選択図】
図6