(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-13
(45)【発行日】2022-07-22
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220714BHJP
G06Q 10/00 20120101ALI20220714BHJP
【FI】
G06Q30/06 350
G06Q10/00 300
(21)【出願番号】P 2021117940
(22)【出願日】2021-07-16
【審査請求日】2021-11-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514251042
【氏名又は名称】株式会社エアークローゼット
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】天沼 聰
(72)【発明者】
【氏名】前川 祐介
(72)【発明者】
【氏名】小谷 翔一
(72)【発明者】
【氏名】石川 桂太
(72)【発明者】
【氏名】市塚 諒
(72)【発明者】
【氏名】月原 優子
(72)【発明者】
【氏名】辻 亮佑
(72)【発明者】
【氏名】森本 奈央人
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-290876(JP,A)
【文献】特開2002-011300(JP,A)
【文献】特開2018-109807(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別子を含む情報を無線送信可能なタグが付された衣類についてユーザへ賃貸する役務の提供において、前記タグから無線送信された前記情報を受信することで前記識別子を読み取る読取装置と、
前記役務の管理をする情報処理装置と、
を含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記役務のフローのうち、前記衣類が前記ユーザに対して賃貸される賃貸工程において、前記識別子と、前記ユーザを特定可能なユーザ情報とを含む情報を、賃貸情報として生成して管理する賃貸情報管理手段と、
前記フローのうち、前記ユーザから返却された前記衣類が受け付けられる返却工程において、前記読取装置により読み取られた前記識別子と、前記賃貸情報とに基づいて、返却された前記衣類が前記ユーザに賃貸されたものと同一であるか否かの判定を行うことで、真贋検品を行う第1検品手段と、
前記返却工程において、返却された前記衣類に生じているダメージの種類及び程度を示す情報をダメージ情報として取得することで、当該衣類の品質検品を行う第2検品手段と、
前記フローのうち前記賃貸工程及び前記返却工程を管理すると共に、前記第1検品手段による真贋検品が成功した場合、前記第2検品手段により取得された前記ダメージ情報に基づいて前記衣類のメンテナンス方法を決定して、前記フローを、前記返却工程から、前記衣類がメンテナンスされるメンテナンス工程に遷移させて管理する工程管理手段と、
を備え
、
前記ユーザに賃貸された前記衣類はN個(Nは1以上の整数値)であり、
前記N個の前記衣類毎に夫々、衣類状態について、当該衣類が前記ユーザに賃貸されている間には賃貸状態として管理し、当該衣類が前記ユーザに買い取られた場合には販売済状態として管理し、当該衣類がメンテナンスされている場合にはメンテナンス中として管理する衣類状態管理手段、
を前記情報処理装置はさらに備え、
前記N個の前記衣類のうちM個(MはN未満の整数値)が販売済状態である場合、前記第1検品手段は、返却された前記衣類が前記ユーザに賃貸されたものと同一であるという結果の個数が、(N-M)個であるか否かの判断もさらに行う、
情報処理システム。
【請求項2】
前記読取装置は、さらに、前記フローのうち所定工程が開始される場所又は前記衣類状態を所定状態に遷移させる場所に夫々設置されており、
前記工程管理手段は、さらに、前記フローのうち前記所定工程が開始される場所に設置された前記読取装置により前記識別子が読み取られた場合、当該識別子により特定される前記衣類についての前記フローを当該所定工程に遷移させて管理し、
前記衣類状態管理手段は、さらに、前記衣類状態を前記所定状態に遷移させる場所に設置された前記読取装置により前記識別子が読み取られた場合、当該識別子により特定される前記衣類についての前記衣類状態を当該所定状態に遷移させて管理する、
請求項
1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記ユーザの状態について、前記衣類が前記ユーザに賃貸されている間には賃貸状態として管理し、前記第1検品手段による前記真贋検品が成功した場合には、前記賃貸状態から、次回に賃貸する衣類の選定が可能になる選定待機状態に遷移させて管理するユーザ状態管理手段、
を前記情報処理装置はさらに備える、
請求項1
又は2項に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記タグは、対洗濯性のリネン用RFIDタグであり、
当該タグは、前記衣類に直接縫い付けられている、
請求項1乃至
3のうち何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記タグは、前記衣類の品質タグと同じ位置に直接縫い付けられている、
請求項
4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記ユーザについて、前記役務が利用される毎に、賃貸された前記衣類に関する情報、賃貸期間を含む賃貸に関する情報、及び、前記第1検品手段及び前記第2検品手段の夫々の結果を含む情報を、ユーザ履歴情報として管理するユーザ履歴管理手段と、
前記ユーザ履歴情報に基づいて、前記ユーザのパーソナルデータを生成するパーソナルデータ生成手段と、
を前記情報処理装置はさらに備える、
請求項1乃至
5のうち何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記ユーザ履歴情報には、さらに、前記役務を前記ユーザが利用した回数が含まれている、
請求項
6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記識別子で特定可能な前記衣類について、前記役務が利用される毎に、当該衣類に関する情報、賃貸期間を含む賃貸に関する情報、及び、前記第1検品手段及び前記第2検品手段の夫々の結果を含む情報を、当該識別子と対応付けて衣類履歴情報として管理する衣類履歴管理手段、
を前記情報処理装置はさらに備える、
請求項1乃至
7のうち何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記衣類履歴情報には、さらに、当該衣類が入庫された日付も含まれる、
請求項
8に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばアパレル業界等では、従来から、RFIDタグを利用した衣類の販売管理が行われている(例えば特許文献1参照)。
販売対象の商品に取り付けられるRFIDタグは、販売後、ユーザにより取り外されることが前提のため、通常、提げタグ(商品と独立した紙タグを紐状の留め具で止めたもの)に埋め込んだ状態で利用されることが一般的である。
近年、衣類の販売だけなく、RFIDタグを利用したレンタル(賃貸)事業も徐々に開始されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のRFIDタグは、衣類からの取り外しが容易であるため、貸出先で別の衣類にタグを付け替えられる等の不正行為が行われる可能性がある。
また、貸出中の衣類の状況が変化した場合、例えば貸出中の衣類が汚れたり、劣化したときに、それが貸出先で生じたものか、貸出以前の段階(出荷段階や配送段階)に生じたものか、衣類が返却された以降に生じたものかが追跡できない。
さらに、管理上、賃貸中の複数の衣類の中からいくつかの衣類を購入したい、という貸出先のユーザの要望に応じることが難しい。
このような懸念材料が衣類の賃貸サービスのビジネスが拡大しない要因となっている。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、衣類の賃貸サービスのビジネスを拡大することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様である情報処理システムは、
識別子を含む情報を無線送信可能なタグが付された衣類についてユーザへ賃貸する役務の提供において、前記タグから無線送信された前記情報を受信することで前記識別子を読み取る読取装置と、
前記役務の管理をする情報処理装置と、
を含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記役務のフローのうち、前記衣類が前記ユーザに対して賃貸される賃貸工程において、前記識別子と、前記ユーザを特定可能なユーザ情報とを含む情報を、賃貸情報として生成して管理する賃貸情報管理手段と、
前記フローのうち、前記ユーザから返却された前記衣類が受け付けられる返却工程において、前記読取装置により読み取られた前記識別子と、前記賃貸情報とに基づいて、返却された前記衣類が前記ユーザに賃貸されたものと同一であるか否かの判定を行うことで、真贋検品を行う第1検品手段と、
前記返却工程において、返却された前記衣類に生じているダメージの種類及び程度を示す情報をダメージ情報として取得することで、当該衣類の品質検品を行う第2検品手段と、
前記フローのうち前記賃貸工程及び前記返却工程を管理すると共に、前記第1検品手段による真贋検品が成功した場合、前記第2検品手段により取得された前記ダメージ情報に基づいて前記衣類のメンテナンス方法を決定して、前記フローを、前記返却工程から、前記衣類がメンテナンスされるメンテナンス工程に遷移させて管理する工程管理手段と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムは、上述の本発明の一態様の情報処理システムに対応する方法及びプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、衣類の賃貸サービスのビジネスを拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る情報処理システムの適用により提供される衣類の賃貸に関する業務フロー(本サービス)の一例を示す図である。
【
図2】本サービスを提供するために適用される情報処理システムの一実施形態の構成図である。
【
図3】
図1の情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3のサーバにおいて、衣類の賃貸に関する処理を実現するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図7】サーバのレンタルDBの一例を示す図である。
【
図8】
図1の業務フローのうち、サーバで実行される処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の情報処理システムにより提供される衣類賃貸サービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の業務フローを説明する。
図1は、本発明の情報処理システムにより提供される本サービスの業務フローを示す図である。
【0011】
図1に示すように、本サービスでは、在庫として取り扱う商品(洋服等の衣類)を会社の倉庫に新規入庫し、発注(配送指示)に応じて出庫し、顧客(ユーザ)の手元で実際に着用された後、会社の荷受センターに返却されるのが、通常の業務フローである。
【0012】
業務フローは、複数工程を有する。即ち、業務フローは、新規入庫工程S1、保管工程S2、出荷工程S3、貸出品の配送工程S4、返却品の配送工程S5、返却荷受工程S6、クリーニング工程S7、クリーニング戻り工程S8(以下、「CL戻り工程S8」呼ぶ)、リペア/シミ抜き工程S9等を有する。
クリーニング工程S7、CL戻り工程S8、リペア/シミ抜き工程S9は、まとめてメンテナンス工程と呼ぶ。
【0013】
各工程には、タグリーダTR1乃至TR9が接続された通信端末PS1乃至PS9が配置されており、衣類が工程を通過する際(衣類の入荷、出荷又はステータスが変更される際)、RFIDタグTGからタグ情報が読み取られて、タグ情報と、タグリーダTR1乃至TR9のリーダ情報とを含むゲート情報としてサーバ1に送信される。タグ情報には、少なくともタグIDが含まれている。リーダ情報には、少なくともタグ情報を読み取ったタグリーダTR1乃至TR9の夫々の識別情報(リーダID等)が含まれている。
【0014】
新規入庫工程S1は、入荷された衣類に関する情報をオペレータが通信端末PS1に入力し、貸し出し対象の商品としてサーバ1へ入庫登録する工程である。この工程では、通信端末PS1に接続されたタグリーダTR1により、RFIDタグTGに対して、当該商品と対応する独自の管理番号(タグID)をエンコード及び書き込み処理を実行する。その上で、RFIDタグTGを衣類の品質表示タグに縫い付けることで衣類からRFIDタグTGが取り外されないようにする。
【0015】
保管工程S2は、新規入庫工程S1で入庫登録された衣類、又は賃貸から戻りメンテナンス工程を経て新たな商品として入庫された衣類を、衣類が賃貸されるまでの間、保管倉庫で保管する工程である。入庫時にタグリーダTR1により衣類のRFIDタグTGからタグ情報が読み取られて、タグ情報とリーダ情報を含むゲート情報としてサーバ1へ送信される。
【0016】
出荷工程S3は、賃貸される1以上の衣類をパッケージに収納して配送車に積み込むまでの工程である。出荷工程S3では、タグリーダTR1によりパッケージ毎、衣類のRFIDタグTGからタグ情報が読み取られて、そのタグ情報とリーダ情報を含むゲート情報としてサーバ1へ送信される。
パッケージは、配送途中に他の人に中身が見られないような不透明の包装、例えば袋状のものである。パッケージには1以上の衣類が畳まれた状態で収納される。なお、パッケージに衣類を収納する際に個々の衣類のRFIDタグTGからタグ情報を読み取ってもよい。
【0017】
配送工程S4は、配送車に積み込まれたパッケージ(衣類)を配送車で賃貸先(ユーザの家等)へ配送する工程である。出庫時にタグリーダTR1によりパッケージ毎、衣類のRFIDタグTGからタグ情報が読み取られて、タグ情報とリーダ情報を含むゲート情報としてサーバ1へ送信される。
【0018】
配送工程S5は、賃貸先で賃貸契約の期間を終えた衣類を所定のパッケージに収納し、賃貸元の会社の荷受センターに配送(返却)する工程である。
【0019】
返却荷受工程S6は、配送工程S5を経て荷受センターに到着したパッケージの衣類(返却品)を受け付け、返却品の数が貸出数と整合するかの数量チェックの他、会社からユーザに貸し出した真の商品であるかの真贋判定を行う検品(以下「真贋検品」と呼ぶ)と、商品に生じているダメージ(汚れ・やぶれ・ほつれ等)の種類や程度を確認する検品を行う。
返却品のパッケージの状態は、複数点の貸出済みの衣類が不透明の返却用袋に封入された状態であり、人手の作業ではパッケージを開梱して中の物を1つずつ取り出さなければ返却品の数量をチェックすることはできない。
【0020】
そこで、本サービスでは、返却主(ユーザ)から荷受センターに返却された返却品のパッケージを、そのまま処理台(机上)のタグリーダTG6に置いて、タグリーダTG6から読み取り電波を照射して、同梱されている全ての衣類のタグ情報を読み取り、リーダ情報と共にゲート情報としてサーバ1へ送り、貸出情報と照合することで個々の衣類(個品)の特定と数量の確認を実行する。
これによりパッケージを開梱せずとも、パッケージ内にユーザに貸し出した衣類が正しく含まれているかを判別できる。
【0021】
この後、パッケージを開梱し、個々の衣類を目視検査(目検)してダメージチェックしてサーバ1へ送信するだけで、次のメンテナンス工程へ送る等の後続処理に入ることができるようになり、作業精度が向上すると共に、作業速度を向上することができる。
【0022】
また、サーバ1では、個々の衣類(個品)の特定に、衣類に縫い付けられているRFIDタグTGから読み取ったタグ情報を用いて真贋判定の処理を実行することで、本サービスの要諦となるユーザと貸出対象の商品との紐付けを瞬時にチェックし、返却品が貸出品そのものであることの真贋検品を高精度に実施することができる。
この情報処理システムの導入により出庫時や荷受時の作業効率が格段に改善し、物流コストの削減等の結果が得られると共に、賃貸会社のビジネスの強みである高機動物流、オペレーショナル・エクセレンスを実現することができる。
【0023】
クリーニング工程S7は、返却品をクリーニングする工程である。
CL戻り工程S8は、クリーニングされた返却品を最終検品する工程である。最終検品とは、クリーニング後の返却品が再度賃貸される商品として利用可能な状態かどうかを検査することをいう。
【0024】
CL戻り工程S8でNGとなったものは、その内容に応じてクリーニング工程S7やリペア/シミ抜き工程S9に振り分けられる。例えば汚れでNGとなったものは、クリーニング工程S7に戻されて、再度クリーニングされる。やぶれ、ほつれ等でNGとなったものは、リペア/シミ抜き工程S9に送られて修繕される。
【0025】
リペア/シミ抜き工程S9は、衣類の修繕(やぶれ、ほつれ等を直す作業)を行う工程である。
これらのメンテナンス工程では、衣類が次の工程に送られる際に、タグリーダTR1により衣類のRFIDタグTGからタグ情報が読み取られて、リーダ情報と共にゲート情報としてサーバ1へ送信される。
【0026】
メンテナンス終了後の商品は配送機能を兼ねた保管倉庫に移送され、保管工程S2に戻され、次の発注(配送指示)があるまで保管倉庫で在庫として保管される。
上記それぞれの工程からサーバ1にゲート情報が取得されると、サーバ1では、ゲート情報に基づいて、データベースの商品とユーザとレンタルの各ステータス(状況フラグ)が更新されるので、夫々の状況が常に管理される。
【0027】
ここで、RFIDタグTGについて説明する。
RFIDタグTGは、
図1に示すタグチップCHと、タグチップCHに接続されるアンテナANとを布製の基材で包み込むようにパッケージング(封入)したものである。
RFIDタグTGは、ソフト布で被覆され、業務用洗濯に200回以上堪えられるクリーニング可能なものであり、UHF帯の電波を受信するタグである。
RFIDタグTGは、業務及び医療用洗濯環境にて、小型、耐圧60Bars(大気圧)が確保されたものであり、製品性能が安定し信頼性も持っている。
【0028】
ここで、実施形態のRFIDタグTGの性能特性を説明する。
RFID規格は、EPC Class1 Gen2; ISO18000-6Cである。周波数は、902-928MHzである。なお、これ以外の周波数にカスタマイズして制作することが可能である。使用しているCHIPは、Impinj R6Pである。メモリは、EPC:96bits;User:32bitsである。メモリへのデータの書き換えに対応し、書込及び読取の重複が可能である。データ保存は、20年である。品質保証は、3年或いは200回工業洗濯(先に達する方に準ずる)。基本材質は布製である。外寸は、幅35mm、奥行き20mm、厚み1.4mmである。なお、寸法はカスタム可能である。動作温度は、摂氏-25度~+110度である。保存温度は、摂氏-40度~+120度である。短期耐熱は、洗濯:摂氏90度,15分間、乾燥:摂氏180度,30分間,200回、アイロン:摂氏180度,10秒,200回高温殺菌:摂氏135度,20分間である。保存湿度は、5%~95%である。取付方法は、縫合である。製品重量は、4.2g以下/枚である。表面色は、白色である。耐圧力は、60bars(大気圧)である。耐衝撃試験において、1mの高さから200回転落試験を通過している。耐化学物質試験において、業務用洗濯工程で使用する溶剤等に対応していることを確認している。高低温切替試験において、摂氏-40度~+120度、7回高低温切替循環試験,合計継続2日間測定をパスしている。RoHSに準拠している。検針検査を実施している。通信距離は、所定のタグリーダ(韓国ATID社製、製品型番:AT880等)により1.2m以上からのデータの読み出し、及び書き込みに対応することを確認している。
【0029】
続いて、
図2を参照して本サービスを提供するための情報処理システムについて説明する。
図2は、
図1の本サービスを提供するために適用される情報処理システムの一実施形態の構成図である。
図2に示す情報処理システムは、サーバ1と、通信端末PS1乃至PS9と、夫々の通信端末PS1乃至PS9に接続されるタグリーダTRとを含むように構成されている。
サーバ1と、通信端末PS1乃至PS9とは、インターネット等のネットワークNWを介して相互に接続されており、互いに通信可能である。
【0030】
サーバ1は、
図1に示す情報処理システムを管理するサーバであり、衣類の賃貸サービスを提供する会社の管理者によって管理される。サーバ1は、例えば、通信端末PS1乃至PS9との間で所定の情報の送受信を行う。
通信端末PS1乃至PS9は、賃貸会社の各工程に配置される。各工程は、例えば衣類(賃貸商品)の倉庫や荷受センター、メンテナンス場所等に存在する。各工程は、各賃貸商品のステータスが変更されるか所であれば、例えば配送工程等のように、運送車両で移動中等でもよく、場所に限定されるものではない。
通信端末PS1乃至PS9は、後述のRFIDタグTGが付された衣類を賃貸する賃貸会社の作業者により操作される情報処理装置であって、例えばスマートフォン、タブレット、POS端末等のいずれかで構成される。
【0031】
図3は、
図1の情報処理システムのうち、サーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0032】
図3に示すように、サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memoy)103と、バス104と、入出力インターフェース105と、出力部106と、入力部107と、記憶部108と、通信部109と、ドライブ110と、を備えている。
【0033】
CPU101は、ROM102に記録されているプログラム、又は記憶部108からRAM103にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM103には、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0034】
CPU101、ROM102及びRAM103は、バス104を介して相互に接続されている。このバス104にはまた、入出力インターフェース105も接続されている。入出力インターフェース105には、出力部106、入力部107、記憶部108、通信部109及びドライブ110が接続されている。
【0035】
出力部106は、液晶等のディスプレイにより構成され、各種画像を表示する。
入力部107は、各種ハードウェア釦等で構成され、操作者の指示操作に応じて各種情報を入力する。
【0036】
記憶部108は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部109は、インターネットを含むネットワークNWを介して他の装置(通信端末PS1乃至PS9)との間で行う通信を制御する。
【0037】
ドライブ110は、必要に応じて設けられる。ドライブ110には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア111が適宜装着される。ドライブ110によってリムーバブルメディア111から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部108にインストールされる。また、リムーバブルメディア111は、記憶部108に記憶されている各種データも、記憶部108と同様に記憶することができる。
【0038】
なお、図示はしないが、
図2の情報処理システムのうち、通信端末PSも、
図3のサーバ1のハードウェア構成と同様の構成とすることができるため、その説明を省略する。
ただし、通信端末PSがスマートフォンやタブレットで構成される場合には、出力部106及び入力部107として、タッチパネルやカメラ等を有する。
【0039】
このような
図3のサーバ1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、サーバ1で後述する各種処理の実行が可能になる。その結果、サーバ1は、各工程の作業者やサーバ1の管理者に対し、後述する各種機能を提供することができる。
【0040】
なお、図示はしないが、
図1の情報処理システムのうち、通信端末PS1乃至PS9も、
図3に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有している。
【0041】
次に、
図4を参照して、上述したハードウェア構成を持つサーバ1の機能的構成を説明する。
図4は、
図2のサーバにおいて、衣類の賃貸に関する処理を実現するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0042】
RFIDタグTGには、タグIDを含むタグ情報が記憶されている。タグ情報に含まれる情報のうち、タグIDは少なくとも一部の情報である。タグ情報に含まれる情報の範囲は特に限定されず、衣類と賃貸に関するあらゆる情報が当該範囲に含まれ得る。
具体的には例えば、衣類についての、品番情報、問い合わせ先情報、口コミ情報等をタグ情報に含めることができる。品番情報には、衣類のサイズ、素材、価格等の詳細情報、メンテナンスに関する情報(日付やメンテナンス内容等)等を含める場合もある。
【0043】
図4に示すように、サーバ1の記憶部108の一領域には、商品DB401と、ユーザDB402と、レンタルDB403とが設けられている。
【0044】
図5に示すように、商品DB401には、賃貸対象の衣類(商品)に関する情報が記憶されている。1つの商品を個品と呼ぶ。
具体的には、商品DB401には、例えばRFID(個品ID)に対応して、商品の商品名、ブランド、サイズ、ステータス(レンタル中、メンテナンス中、配送中、新規入庫、貸出可等)、状態レベル(新品、新品同様、一部難あり等)、貸出回数(例えば2等の数値)、リペア(修繕の有無)、洗濯回数(例えば2等の数値)、入庫からの経緯(入庫から5日経過等)等が記憶されている。
【0045】
図6に示すように、ユーザDB402には、ユーザに関する情報が記憶されている。
具体的には、ユーザDB402には、例えばユーザID(例えばU1等)に対応して、サイズ、ステータス、レンタル内容、レンタル回数、平均返却期間等が記憶されている。
サイズは、ユーザが賃貸した衣類のサイズ(例えばシャツL、スカートM等)である。レンタル内容は、貸出日(例えば出6/21等)やユーザに貸し出した衣類の個品ID(例えばAαL2、BαM1等)等である。レンタル回数は、ユーザが賃貸した回数(例えば2等の数値)である。平均返却期間は、ユーザから返却された日付から賃貸開始日を差し引いた日数(例えば14日であれば14等の数値)である。
この他、ユーザDB402には、過去にユーザが本サービスを利用して衣類を賃貸した賃貸履歴が賃貸回毎に記憶されている。
具体的には、
図6に示すように、賃貸履歴には、はじめ(1回目)に賃貸された賃貸個品(衣類)の識別情報(全ての個品ID)、衣類が賃貸された期間(例えば11月15日~11月21日等)、衣類の検品結果(真贋、品質夫々の結果、〇…OK、×…NG)等が記憶されている。また、賃貸品のうちいくつかの衣類が購入された場合、その衣類の衣類IDに対応して購入の履歴が記憶される。
【0046】
図7に示すように、レンタルDB403には、衣類の賃貸に関する情報が記憶されている。
具体的には、レンタルDB403には、レンタルID(例えばX001等)に対応して、ユーザID(例えばU1等)、個品ID(例えばAαL2、BαM1等)、個品ステータス(例えばレンタル中等)、貸出日(例えば6/21等)、貸出期間(例えば5日等)が記憶されている。
個品ステータスは、例えば衣類が貸出中であれば「レンタル中」とされ、衣類が返却されると、「返却済」等に変更される。ユーザIDは、ユーザの固有の番号であり、ユーザがこのサービスの会員になる際に付与される。
この他、レンタルDB403には、ユーザDB402と同様に、過去の賃貸履歴が記憶されている。
【0047】
サーバ1において、衣類の賃貸に関する処理が実行される際、
図4に示すように、サーバ1のCPU101においては、賃貸管理部11と、真贋検品部12と、品質検品部13と、工程管理部14と、衣類状態管理部15と、ユーザ状態管理部16と、ユーザ履歴管理部17と、個人情報生成部18と、衣類履歴管理部19とが機能する。
【0048】
賃貸管理部11は、役務のフローのうち、衣類SUがユーザに対して賃貸される出荷工程S3から配送工程S5において、衣類SUのタグIDと、ユーザを特定可能なユーザ情報とを含む情報を、賃貸情報として生成して管理する。
具体的には、賃貸管理部11は、本サービスの業務フロー(
図1参照)のうち、賃貸工程(出荷工程S3乃至配送工程S5等)において、衣類SUのタグIDと、ユーザを特定可能なユーザ情報とを含む情報を、商品DB401、ユーザDB402を用いて生成して、賃貸情報としてレンタルDB403により管理する。
【0049】
真贋検品部12は、フローのうち、ユーザから返却された衣類SUが受け付けられる返却荷受工程S6において、タグリーダTRにより読み取られたタグIDと、賃貸情報とに基づいて、返却された衣類SUがユーザに賃貸されたものと同一か否かの判定を行うことで、真贋検品を行う。
具体的には、真贋検品部12は、本サービスの業務フロー(
図1参照)のうち、返却荷受工程S6において、タグリーダTRにより衣類SUの品質タグに縫い付けられたRFIDタグTGから読み取られたタグIDと、レンタルDB403の賃貸情報とに基づいて、返却された衣類SUがユーザに賃貸されたものと同一か否かの判定(真贋検品)を行う。
【0050】
品質検品部13は、返却荷受工程S6において、衣類SUに生じているダメージの種類(汚れ、やぶれ、ほつれ等)及び程度(軽度、重度等)を示す情報をダメージ情報として取得することで、衣類SUの品質検品を行う。
具体的には、品質検品部13は、返却荷受工程S6において、作業者がパッケージを開梱して取り出した衣類のダメージを検品した結果としてサーバ1に送信されてきたダメージ情報を取得し、衣類のダメージの有無の他、ダメージが有る場合はそのダメージの種類や程度をユーザDB402に賃貸履歴として登録する。
【0051】
工程管理部14は、
図1の業務フローのうち返却工程を管理すると共に、真贋検品部12による真贋検品が成功した場合、品質検品部13により取得されたダメージ情報に基づいて衣類SUのメンテナンス方法を決定して、業務フローを、返却荷受工程S6から、次のメンテナンス工程に遷移させて管理する。
具体的には、工程管理部14は、出荷工程S3から配送工程S5及び返却荷受工程S6で返却品が賃し出された個品現品であると認められた場合、品質検品部13により取得されたダメージ情報に基づいて衣類SUのメンテナンス方法を決定して、業務フローを、返却荷受工程S6から、衣類SUがメンテナンスされるクリーニング工程S7やリペア/シミ抜き工程S9に遷移させて商品DB401やレンタルDB403によりステータスを管理する。
工程管理部14は、
図1の業務フローのうち例えば出荷工程S3が開始される場所に設置されたタグリーダTRによりタグIDが読み取られた場合、当該タグIDにより特定される衣類についてのフローを出荷工程S3に遷移させて管理する。
具体的には、
図1の業務フローのうち例えば出荷工程S3が実行される出荷倉庫等に設置されたタグリーダTRによりタグIDが読み取られた場合、サーバ1には、タグID及びタグリーダTRのリーダIDを含むゲート情報が受信されるので、工程管理部14は、ゲート情報に基づいて、
図7のレンタルDB403の当該タグIDにより特定される衣類(例えば個品IDの衣類)についてのフロー(個品ステータス)を当該タグリーダTRが配置されている出荷工程S3(例えば出荷済等)に遷移させて管理する。タグリーダTRのリーダID以外に、例えば工程ID等、工程や場所を識別する情報であればよい。
【0052】
衣類状態管理部15は、ユーザに賃貸された衣類がN個(Nは2以上の整数値)である場合、N個の衣類毎に夫々、衣類状態について、当該衣類がユーザに賃貸されている間には賃貸状態として管理する。
衣類状態管理部15は、当該衣類のうちのいくつかのものがユーザに購入された場合に買い取られた衣類を販売済の状態として管理する。
衣類状態管理部15は、当該衣類がメンテナンスされている場合にはメンテナンス中として管理する。
衣類状態管理部15は、N個の衣類のうちM個(MはN未満の整数値)が販売済状態である場合、真贋検品部12は、返却された衣類がユーザに賃貸されたものと同一であるという結果の個数が(N-M)個であるか否かの判断を行う。
具体的には、衣類状態管理部15は、N個の衣類毎に夫々の衣類状態について、当該衣類がユーザに賃貸中の間はそのステータスをレンタル中としてレンタルDB403により管理する。
衣類状態管理部15は、当該衣類のうちのいくつかのものがユーザに購入された場合に買い取られた衣類を購入済としてユーザDB402により管理する。
衣類状態管理部15は、当該衣類がメンテナンスされている場合にはメンテナンス中として商品DB401により管理する。
衣類状態管理部15は、例えば貸し出した2個の衣類のうち1個が購入済である場合、真贋検品部12は、返却された衣類がユーザに賃貸されたものと同一であるという結果の個数が(2-1)=1個であるか否かの判断を行う。つまり衣類の貸出数から購入済の衣類の数を差し引いた数をユーザDB402に記憶しユーザへの商品の貸出数と返却数とを管理する。
衣類状態管理部15は、衣類状態(ステータス)を所定状態(例えば出荷済等)に遷移させる場所(出荷倉庫等)に設置されたタグリーダTRによりタグIDが読み取られた場合、当該タグIDにより特定される衣類SUについての衣類状態(ステータス)を当該所定状態(例えば出荷済等)に遷移させて管理する。
【0053】
ユーザ状態管理部16は、ユーザの状態について、衣類SUがユーザに賃貸されている間には賃貸状態(例えばレンタル中等)として管理し、レンタル中の衣類を返却して、真贋検品部12による真贋検品が成功した場合(〇やOKになった場合)には、賃貸状態(例えばレンタル中等)から、次回に賃貸する衣類の選定が可能になる選定待機状態(例えばレンタル可等)に遷移させて管理する。
具体的には、ユーザ状態管理部16は、ユーザの状態について、賃貸した衣類SUがユーザに賃貸中であれば、ユーザDB402のユーザのステータスをレンタル中として管理し、ユーザがレンタル中の衣類を返却して、真贋検品部12による真贋検品が成功した場合には、ユーザDB402のユーザのステータスをレンタル中からレンタル可又は返却済み等に遷移させて管理する。
このようにユーザの賃貸状況をユーザDB402で管理することで、賃貸した衣類を返却しなければ、次の衣類を賃貸できないようにすることができる。
【0054】
ユーザ履歴管理部17は、ユーザについて、本サービスが利用される毎に、賃貸された衣類SUに関する情報、賃貸期間を含む賃貸に関する情報、及び、真贋検品部12及び品質検品部13の夫々の結果を含む情報を、ユーザ履歴情報として管理する。
具体的には、ユーザ履歴管理部17は、ユーザについて、本サービスが利用される毎に、賃貸された衣類SUに関する情報、賃貸期間を含む賃貸に関する情報、及び、真贋検品部12及び品質検品部13の夫々の結果を含む情報を、ユーザの履歴情報としてユーザDB402(
図6参照)により管理する。
【0055】
個人情報生成部18は、ユーザDB402(
図6参照)のユーザ毎の履歴情報に基づいて、ユーザのパーソナルデータを生成する。
具体的には、
【0056】
衣類履歴管理部19は、タグIDで特定可能な衣類SUについて、本サービスが利用される毎に、当該衣類に関する情報、賃貸期間を含む賃貸に関する情報、及び、真贋検品部12及び品質検品部13の夫々の結果を含む情報を、当該タグIDと対応付けて衣類の履歴情報として管理する。
具体的には、衣類履歴管理部19は、衣類SUについて、本サービスが利用される毎に、当該衣類SUに関する情報(個品ID等)、賃貸期間を含む賃貸に関する情報(賃貸期間等)、及び、真贋検品部12及び品質検品部13の夫々の結果を含む情報(〇や×等)を、当該タグIDと対応付けて衣類の賃貸履歴としてレンタルDB403により管理する。
【0057】
このようなサーバ1の機能的構成に対して、通信端末PS1乃至PS9の機能的構成は次の通りである。即ち、通信端末PS1乃至PS9の夫々のCPUにおいては、読取部と、送信制御部と、表示制御部とが機能する。
【0058】
読取部は、複数の衣類毎に、RFIDタグTGのコード化情報を読み取る。具体的には、読取部は、タグリーダTRにより取得されたタグ情報を読み取る。
【0059】
送信制御部は、読取部により取得されたタグ情報を、ネットワークNWを介してサーバ1に送信する制御を実行する。
【0060】
表示制御部は、読取部により取得されたタグ情報や、サーバ1から送信されて来た衣類の賃貸関連の情報や更新されたステータス等を表示部に表示する制御を実行する。
【0061】
次に、
図8を参照して、
図4の機能的構成を有するサーバ1が実行する衣類の賃貸処理について説明する。
図8は、
図1の情報処理システムにおいて実行される衣類の賃貸サービスに関する業務フローのうち、サーバ1で実行される処理の流れを説明するフローチャートである。
【0062】
図8に示すように、サーバ1では、次のような一連の処理が実行される。
ステップS11において、サーバ1の賃貸管理部11は、役務のフローのうち、衣類SUがユーザに対して賃貸される出荷工程S3から配送工程S5において、衣類SUのタグIDと、ユーザを特定可能なユーザ情報とを含む情報を、賃貸情報として生成して管理する。
ステップS12において、真贋検品部12は、フローのうち、ユーザから返却された衣類SUが受け付けられる返却荷受工程S6において、タグリーダTRにより衣類SUの品質タグに縫い付けられたRFIDタグTGから読み取られたタグIDと、賃貸情報とに基づいて、返却された衣類SUがユーザに賃貸されたものと同一か否かの判定(真贋検品)を行う。
ステップS13において、品質検品部13は、返却荷受工程S6において、衣類SUに生じているダメージの種類(汚れ、やぶれ、ほつれ等)及び程度(軽度、重度等)を示す情報をダメージ情報として取得することで、衣類SUの品質検品を行う。
ステップS14において、フローのうち賃貸工程(出荷工程S3及び配送工程S4)及び返却工程(配送工程S5、返却荷受工程S6等)を管理すると共に、真贋検品部12による真贋検品が成功した場合、品質検品部13により取得されたダメージ情報に基づいて衣類のメンテナンス方法を決定して、フローを、返却工程(返却荷受工程S6)から、衣類SUがメンテナンスされるメンテナンス工程(クリーニング工程S7、CL戻り工程S8、リペア/シミ抜き工程S9等)に遷移させて管理する。
これにより衣類の賃貸に関する処理は終了する。
【0063】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0064】
上述の実施形態では、賃貸管理部11は、役務のフローのうち、衣類SUがユーザに対して賃貸される出荷工程S3から返却荷受工程S6において、衣類SUのタグIDと、ユーザを特定可能なユーザ情報とを含む情報を、賃貸情報として生成して管理したが、これ以外であってもよく、役務のフローのうち、衣類がユーザに対して賃貸される賃貸工程において、識別子と、ユーザを特定可能なユーザ情報とを含む情報を、賃貸情報として生成して管理すればよい。
上記実施形態では、真贋検品部12は、返却荷受工程S6において、タグリーダTRにより衣類SUの品質タグに縫い付けられたRFIDタグTGから読み取られたタグIDと、賃貸情報とに基づいて、返却された衣類SUがユーザに賃貸されたものと同一か否かの判定(真贋検品)を行ったが、これ以外であってもよく、フローのうち、ユーザから返却された衣類が受け付けられる返却工程において、読取装置により読み取られた識別子と、賃貸情報とに基づいて、返却された衣類がユーザに賃貸されたものと同一であるか否かの判定を行うことで、真贋検品を行えばよい。
上記実施形態では、品質検品部13は、返却荷受工程S6において、衣類SUに生じているダメージの種類(汚れ、やぶれ、ほつれ等)及び程度(軽度、重度等)を示す情報をダメージ情報として取得することで、衣類SUの品質検品を行ったが、これ以外であってもよく、返却工程において、返却された衣類に生じているダメージの種類及び程度を示す情報をダメージ情報として取得することで、当該衣類の品質検品を行えばよい。
上記実施形態では、工程管理部14は、
図1の業務フローのうち賃貸工程及び返却工程(出荷工程S3から返却荷受工程S6等)を管理すると共に、真贋検品部12による真贋検品が成功した場合、品質検品部13により取得されたダメージ情報に基づいて衣類SUのメンテナンス方法を決定して、業務フローを、返却荷受工程S6から、次のメンテナンス工程(クリーニング工程S7等)に遷移させて管理したが、これ以外であってもよく、フローのうち賃貸工程及び返却工程を管理すると共に、第1検品手段による真贋検品が成功した場合、第2検品手段により取得されたダメージ情報に基づいて衣類のメンテナンス方法を決定して、フローを、返却工程から、衣類がメンテナンスされるメンテナンス工程に遷移させて管理すればよい。
【0065】
また、
図1及び
図4に示す各機能ブロックの構成やハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0066】
また、
図4に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは、特に
図4の例に限定されない。
【0067】
また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、
図4に示す場所に限定されず、任意でよい。例えばサーバ1の機能ブロック及びデータベースの少なくとも一部を、他の情報処理装置に設けてもよいし、その逆であってもよい。
そして、1つの機能ブロック及びデータベースは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体との組み合わせで構成してもよい。
【0068】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0069】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバブルメディアにより構成されるだけではなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0070】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に添って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0071】
以上まとめると、本発明の情報処理システムは、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明の情報処理システム(例えば、
図1乃至
図4の情報処理システム等)は、
識別子(タグID等)を含む情報を無線送信可能なタグ(RFIDタグTG等)が付された衣類(例えば背広やシャツ、スカート、ズボン等)についてユーザへ賃貸する役務の提供において、前記タグ(RFID_TG等)から無線送信された前記情報を受信することで前記識別子(タグID等)を読み取る読取装置(例えば
図4のタグリーダTR等)と、
前記役務(例えばファッションレンタルサービス等)の管理をする情報処理装置(例えば
図4のサーバ1等)と、
を含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置(例えば
図4のサーバ1等)は、
前記役務のフローのうち、前記衣類SUが前記ユーザに対して賃貸される賃貸工程(例えば
図1の出荷工程S3から配送工程S5)において、前記識別子(タグID等)と、前記ユーザを特定可能なユーザ情報とを含む情報を、賃貸情報として生成して管理する賃貸情報管理手段(例えば
図4の賃貸管理部11等)と、
前記フローのうち、前記ユーザから返却された前記衣類(例えば背広等)が受け付けられる返却工程(例えば
図1の返却荷受工程S6等)において、前記読取装置(例えば
図4のタグリーダTR等)により前記タグ(RFIDタグTG等)から読み取られた前記識別子(タグID等)と、前記賃貸情報とに基づいて、返却された前記衣類(例えば背広等)が前記ユーザに賃貸されたものと同一であるか否かの判定を行うことで、真贋検品を行う第1検品手段(例えば
図4の真贋検品部12等)と、
前記返却工程(例えば
図1の返却荷受工程S6等)において、返却された前記衣類(例えば背広等)に生じているダメージの種類(汚れ、やぶれ、ほつれ等)及び程度(軽度、重度等)を示す情報をダメージ情報として取得することで、当該衣類(例えば背広等)の品質検品を行う第2検品手段(例えば
図4の品質検品部13等)と、
前記フローのうち前記賃貸工程(例えば
図1の出荷工程S3から配送工程S5)及び前記返却工程(例えば
図1の返却荷受工程S6等)を管理すると共に、前記第1検品手段(例えば
図4の真贋検品部12等)による真贋検品が成功した場合(返却品が賃し出された個品現品であると認められた場合)、前記第2検品手段(例えば
図4の品質検品部13等)により取得された前記ダメージ情報に基づいて前記衣類(例えば背広等)のメンテナンス方法を決定して、前記フローを、前記返却工程(例えば
図1の返却荷受工程S6)から、前記衣類(例えば背広等)がメンテナンスされるメンテナンス工程(クリーニングやリペア等の工程)に遷移させて管理する工程管理手段(例えば
図4の工程管理部14等)と、
を備える。
【0072】
本サービスにおいて、通常の業務フローは、在庫として取り扱う商品(衣類)を保管倉庫に新規入庫し、発注(配送指示)に応じて出庫し、ユーザの手元で実際に着用された後、返却荷受センターに返却される。
荷受けセンターにおいて返却受付時には、到着したパッケージ(複数点のレンタル済の衣類が不透明の返却用袋に封入されている)が真に賃貸会社からユーザに貸し出した商品であるかの検品(真贋判定)と、商品に生じているダメージ(汚れ・やぶれ・ほつれなど)の種類や程度を確認する検品(品質検品)を行い、品質検品の検品結果に従い適切なメンテナンス方法(クリーニング、縫製・修繕)を選択し当該商品を物理的にメンテナンス工程に移動させる。
一連の業務フローの中において、特にRFIDタグTGを用いることで、賃貸を終了してユーザから返却された衣類を開梱する返却荷受センターでの検品業務のうち、特に真贋検品において、衣類賃貸サービスの要諦となるユーザと賃貸品との紐付けを瞬時にかつ高精度に実施することができる。
本業務フローにおける作業効率は格段に改善し、物流費用の大幅な削減効果を奏することができ、賃貸会社でのビジネスの強みである高機動物流、オペレーショナル・エクセレンスを実現することができる。
RFIDタグTGの活用を行う以前は、到着した到着パッケージを開梱し、顧客IDをキーにデータベースからユーザに紐付く商品貸出履歴(商品写真・特徴等が引き出せる)を確認した上で、1着ずつ現物の商品との異同の有無を視認にて確認し、メンテナンス工程に送る等の後続処理に入っていた。
これに対して、本サービスにおけるRFIDタグTGの活用方法では、返却荷受センターにおいて、返却されたパッケージを処理台(机上)に置いてタグリーダTRにより読み取り電波を照射することにより、パッケージを開梱することなく、パッケージ内にユーザに貸し出した衣類が正しく含まれているかの判別(数量チェック(員数検品)と真贋検品等)をできるようになった。
したがって、パッケージを開梱した後には、目検により、返却された衣類の品質のみを検品するだけで済み、後続のメンテナンス工程に効率よく送ることができる。
この結果、作業精度を向上すると共に作業速度を向上することができる。
【0073】
前記ユーザに賃貸された前記衣類(例えば背広やシャツ等)はN個(Nは2以上の整数値)であり、
前記N個の前記衣類毎に夫々、衣類状態について、当該衣類(例えば背広やシャツ等)が前記ユーザに賃貸されている間には賃貸状態として管理し、当該衣類(背広やシャツのうちの例えばシャツ等)が前記ユーザに買い取られた場合には買い取られた衣類(シャツ等)を販売済状態として管理し、当該衣類(例えば背広等)がメンテナンス(クリーニング等)されている場合にはメンテナンス中として管理する衣類状態管理手段(例えば
図4の衣類状態管理部15等)、
を前記情報処理装置(例えば
図4のサーバ1等)はさらに備え、
前記N個の前記衣類(例えば背広やシャツ等)のうちM個(MはN未満の整数値)が販売済状態である場合、前記第1検品手段(例えば
図4の真贋検品部12等)は、返却された前記衣類(例えば背広等)が前記ユーザに賃貸されたものと同一であるという結果の個数が、(N-M)個であるか否かの判断もさらに行う。
例えばレンタル中の商品A-Cのうち、例えば1つの商品が購入された場合(例えば商品Bが「購入済」の場合)、返却されるのは商品A、Cとなるが、商品Bが購入済ということを商品毎にステータス(商品A、Cのステータスはレンタル中、商品Bのステータスは購入済)で管理しているため、返却数が商品A、Cの2つだけでも正しいと判断することができる。
即ち、貸し出した衣類の数に対し戻ってきた衣類の数が少ない場合にもレンタル中に購入された数を差し引くことで、衣類の入出庫数を正しく管理することができる。
【0074】
前記読取装置(例えば
図4のタグリーダTR等)は、さらに、前記フローのうち所定工程が開始される場所又は前記衣類状態を所定状態に遷移させる場所に夫々設置されており、
前記工程管理手段(例えば
図4の工程管理部14等)は、さらに、前記フローのうち前記所定工程が開始される場所に設置された前記読取装置(例えば
図4のタグリーダTR等)により前記識別子(タグID等)が読み取られた場合、当該識別子(タグID等)により特定される前記衣類(例えば背広等)についての前記フローを当該所定工程に遷移させて管理し、
前記衣類状態管理手段(例えば
図4の衣類状態管理部15等)は、さらに、前記衣類状態を前記所定状態に遷移させる場所に設置された前記読取装置(例えば
図4のタグリーダTR等)により前記識別子(タグID等)が読み取られた場合、当該識別子(タグID等)により特定される前記衣類(例えば背広等)についての前記衣類状態を当該所定状態に遷移させて管理する。
商品管理の現場となる保管倉庫やクリーニング工場の中にRFIDタグTGを読み取るタグリーダTR(読み取りゲート)を設置することにより、直接商品を視認せずとも、現在その商品が物理的にどこに存在しており、どの工程にかかっているかを把握し管理することができる。
特にメンテナンス工程では、商品のステータス(洗浄、補修、加工、再洗浄、仕上げ、貸出中、保管中等)が複雑なため、商品の所在を特定し難いが、本システムで商品のステータスを管理することにより、商品の所在位置や工程を把握することができる。
例えば返却荷受センターに着荷した商品群を台車に積載しゲートをくぐらせると、当該商品群のステータスが「返却済」から「洗浄中」に自動的に変更される等、ステータス変更のみを目的としたスキャニングや登録作業から作業担当者が解放されると共に、業務フローの中で自動的かつ効率的に個品の状態を把握することができる。
【0075】
前記ユーザの状態について、前記衣類(例えば背広等)が前記ユーザに賃貸されている間には賃貸状態として管理し、前記第1検品手段(例えば
図4の真贋検品部12等)による前記真贋検品が成功した場合には、前記賃貸状態から、次回に賃貸する衣類(例えば背広等)の選定が可能になる選定待機状態に遷移させて管理するユーザ状態管理手段(例えば
図4のユーザ状態管理部16等)、
を前記情報処理装置(例えば
図4のサーバ1等)はさらに備える。
例えばユーザIDに紐づくステータス(レンタル中・返却中・配送待ち等)を「返却中」から「選定待ち」に切り替えることにより、当該ステータス(選定待ち)のユーザに対して衣類のコーディネートを行う作業を開始することができる。
【0076】
前記タグ(RFIDタグTG等)は、対洗濯性のリネン用RFIDタグであり、
当該タグ(RFIDタグTG等)は、前記衣類(例えば背広等)に直接縫い付けられている。
このように対洗濯性のリネン用RFIDタグを衣類に直接縫い付けてシリアル管理(ID管理)を行うことで、衣類とRFIDタグTGとを不正に付け替える等の不正行為を防止することができる。
【0077】
前記タグ(RFIDタグTG等)は、前記衣類の品質表示用のタグ(品質タグ)と同じ位置に直接縫い付けられている。
このようにRFIDタグを品質タグと同じ個所に取り付けることで、着用感を損なわず快適にユーザに利用してもらうことができる。
また、衣類の品質表示用のタグは衣類のメンテナンスには不可欠な情報が記載されていることから付け替えることができないため、このタグと同じ位置にRFIDタグを取り付けることで、不正行為を防止することができる。
【0078】
前記ユーザについて、前記役務が利用される毎に、賃貸された前記衣類(例えば背広等)に関する情報、賃貸期間を含む賃貸に関する情報、及び、前記第1検品手段(例えば
図4の真贋検品部12等)及び前記第2検品手段(例えば
図4の品質検品部13等)の夫々の結果を含む情報を、ユーザ履歴情報として管理するユーザ履歴管理手段(例えば
図4のユーザ履歴管理部17等)と、
前記ユーザ履歴情報に基づいて、前記ユーザのパーソナルデータを生成するパーソナルデータ生成手段(例えば
図4の個人情報生成部18等)と、
を前記情報処理装置(例えば
図4のサーバ1等)はさらに備える、
ユーザ毎の商品の利用状況やライフスタイル等のユーザから明示されないパーソナルデータを回収することが可能となる。このデータを用いて、パーソナルスタイリングサービス内でのコーディネートの精度を高めたり、賃貸会社が提供する別の商品・サービスを推奨する等を効果的に行うことができる。
例えば返却商品から獣毛の付着を確認できた場合、返却主であったユーザCはペットを飼育している(ライフスタイル)可能性を推測することができ、その嗜好に適う別の商品やサービスをマーケティングする契機を得ることができる。
【0079】
前記ユーザ履歴情報には、さらに、前記役務(例えばサービス等)を前記ユーザが利用した回数が含まれている。
これにより、賃貸のサイクル(回転数等)のデータが分かるため、ユーザのライフスタイル等を予測することができる。
例えば平均的なユーザよりも頻繁に返却を行う傾向のあるユーザAと平均よりも緩やかに返却を行う傾向のあるユーザBを識別することにより、ユーザAはまだ当社の提供するコーディネートが同人の好みに適合していない可能性(延いてはサービスからの離脱を決断するリスク等)を把握し、より手厚いコーディネートの提案を行う判断ができる。
一方、ユーザBは当社の提供するコーディネートに満足している可能性を推測することができ、さらにファンになっていただくための特典の提案等のマーケティング活動に積極的に行うようにすることができる。
【0080】
前記識別子(タグID等)で特定可能な前記衣類(例えば背広等)について、前記役務が利用される毎に、当該衣類に関する情報、賃貸期間を含む賃貸に関する情報、及び、前記第1検品手段(例えば
図4の真贋検品部12等)及び前記第2検品手段(例えば
図4の品質検品部13等)の夫々の結果を含む情報を、当該識別子(タグID等)と対応付けて衣類履歴情報として管理する衣類履歴管理手段(例えば
図4の衣類履歴管理部19等)、
を前記情報処理装置(例えば
図4のサーバ1等)はさらに備える。
返却された商品の衣類履歴情報を識別子(タグID等)毎に管理、つまり当該識別子(タグID等)が付された衣類の貸出回数・メンテナンス履歴等の履歴データを蓄積管理することで、個品毎の商品の状態レベルを特定の尺度で識別し管理することができる。
例えば、穴あきやシミなどの検出履歴のない商品Aは良品に近い状態であることが推測でき、サービス内での販売価格等を維持する方向を判断することができる。
反対に、穴あきの補修やシミ抜き処置の履歴の多い商品Bはそれだけ商品自体にダメージが生じていることが推測されるため、良品度合いを引き下げる、販売価格を手ごろな価格に調整する等の対応を行うことができる。
【0081】
前記衣類履歴情報には、さらに、当該衣類(例えば背広等)が入庫された日付も含まれる。
個体毎に入庫日からの経過日数をカウントすることができるため、型番ではなく個品毎に消費期限を設定し、消費期限が来た商品は、レンタル可能商品のラインナップから除く等の管理をすることができる。また、会計管理上も個品毎に償却期間を管理することができる。
例えば棚卸や作業場所での一斉検品(RFIDタグに対するスキャニング)を行うことにより、消費期限の経過した個品を物理的に特定し配置を変えたり、対象となる個品の減価償却費を積算する等、ユーザに向けたサービスではなく、在庫管理の側面からも単なる員数検品(数量チェック)ではない管理業務へ有効活用を行うことができる。
上述したように、衣類の賃貸サービスについての様々な懸念材料が解消されるので、衣類の賃貸サービスのビジネスを拡大することができる。
【符号の説明】
【0082】
1・・・サーバ、2・・・、・・・、11・・・賃貸管理部、12・・・真贋検品部、13・・・品質検品部、14・・・工程管理部、15・・・衣類状態管理部、16・・・ユーザ状態管理部、17・・・ユーザ履歴管理部、18・・・個人情報生成部、19・・・衣類履歴管理部19、401・・・商品DB、402・・・ユーザDB、403・・・レンタルDB
【要約】
【課題】衣類の賃貸サービスのビジネスを拡大する。
【解決手段】サーバ1は、賃貸管理部11と、真贋検品部12と、品質検品部13とを備える。賃貸管理部11は、役務のフローのうち、衣類SUがユーザに対して賃貸される出荷工程S3から返却荷受工程S6において、衣類SUのタグIDと、ユーザを特定可能なユーザ情報とを含む情報を、賃貸情報として生成して管理する。真贋検品部12は、返却荷受工程S6において、タグリーダTRにより衣類SUの品質タグに縫い付けられたRFIDタグTGから読み取られたタグIDと、賃貸情報とに基づいて、返却された衣類SUがユーザに賃貸されたものと同一か否かの判定(真贋検品)を行う。品質検品部13は、返却荷受工程S6において、衣類SUに生じているダメージの種類(汚れ、やぶれ、ほつれ等)及び程度(軽度、重度等)を示す情報をダメージ情報として取得することで、衣類SUの品質検品を行う。
【選択図】
図4