(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】コーディネート支援システム,方法,プログラム,端末装置,サーバー
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220715BHJP
G06F 16/538 20190101ALI20220715BHJP
A41H 43/00 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
G06Q30/06 330
G06F16/538
A41H43/00 D
(21)【出願番号】P 2018102077
(22)【出願日】2018-05-29
【審査請求日】2021-04-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイト(http://qdt.jp)、平成29年12月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】518188371
【氏名又は名称】最首 和哉
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】最首 和哉
【審査官】萩島 豪
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-130216(JP,A)
【文献】特許第6178487(JP,B1)
【文献】特開2016-071610(JP,A)
【文献】特開2013-210783(JP,A)
【文献】特開2018-045624(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0076011(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 16/00 - 16/958
A41H 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の服飾アイテムの組み合わせの中から、調和のとれたアイテムの組み合わせを画像で表示するコーディネート支援システムであって、
前記服飾アイテムの組み合わせのうち、色,素材,デザインの少なくともいずれか一つが調和するすべての組み合わせを規定するデータベースと、
前記複数の服飾アイテムのうち、ユーザーに選択された選択アイテムの情報を取得する取得部と、
前記データベースに規定された組み合わせのうち、すべての前記選択アイテムを含む組み合わせである候補セットを検索する検索部と、
前記候補セットに含まれる服飾アイテムの第一画像を表示装置に表示させる第一制御部と、
を備え
、
前記第一制御部が、前記候補セットに含まれる服飾アイテムの第一画像を表示装置に表示させるとともに、前記候補セットに含まれない服飾アイテムの第二画像が前記第一画像から区別されるように、前記第二画像を前記第一画像とは異なる表示態様で、前記表示装置の前記第一画像が表示されているページと同一のページ内に表示させる
ことを特徴とする、コーディネート支援システム。
【請求項2】
前記取得部で取得される前記情報の数が、前記データベースに規定された組み合わせの最大要素数以下に制限される
ことを特徴とする、請求項
1記載のコーディネート支援システム。
【請求項3】
前記複数の服飾アイテムのすべてに対する電子商取引及び在庫を管理する管理部を備え、
前記第一制御部が、少なくとも前記在庫の有無に応じた表示態様で前記第一画像及び前記第二画像のそれぞれを表示させる
ことを特徴とする、請求項
1または
2記載のコーディネート支援システム。
【請求項4】
前記第一画像の近傍に、当該画像中の服飾アイテムが前記選択アイテムに調和する理由を説明するコメントを表示させる第二制御部を備える
ことを特徴とする、請求項1~
3のいずれか1項に記載のコーディネート支援システム。
【請求項5】
すべての前記選択アイテムを着用した人物の画像、またはこれに類する画像を表示させる第三制御部を備える
ことを特徴とする、請求項1~
4のいずれか1項に記載のコーディネート支援システム。
【請求項6】
前記第二画像が、前記候補セットに含まれない服飾アイテムの画像と、前記候補セットに含まれない服飾アイテムが前記選択アイテムに不調和であることを示す画像とを重畳させた画像を含む
ことを特徴とする、請求項1~
5のいずれか1項に記載のコーディネート支援システム。
【請求項7】
複数の服飾アイテムの組み合わせの中から、調和のとれたアイテムの組み合わせを画像で表示するコーディネート支援方法であって、
前記服飾アイテムの組み合わせのうち、色,素材,デザインの少なくともいずれか一つが調和するすべての組み合わせをデータベースに規定しておき、
前記複数の服飾アイテムのうち、ユーザーに選択された選択アイテムの情報を取得し
前記データベースに規定された組み合わせのうち、すべての前記選択アイテムを含む組み合わせである候補セットを検索し、
前記候補セットに含まれる服飾アイテムの第一画像を表示装置に表示させるとともに、前記候補セットに含まれない服飾アイテムの第二画像が前記第一画像から区別されるように、前記第二画像を前記第一画像とは異なる表示態様で、前記表示装置の前記第一画像が表示されているページと同一のページ内に表示させる
ことを特徴とする、コーディネート支援方法。
【請求項8】
複数の服飾アイテムの組み合わせの中から、調和のとれたアイテムの組み合わせを画像で表示するコーディネート支援方法であって、
前記複数の服飾アイテムを表示装置に表示させておき、
次いで、前記表示装置に表示された前記複数の服飾アイテムのうち、ユーザーに選択された選択アイテムの情報を取得し、
前記服飾アイテムの組み合わせのうち、色,素材,デザインの少なくともいずれか一つが調和するすべての組み合わせを規定するデータベースに規定された組み合わせのうち、すべての前記選択アイテムを含む組み合わせである候補セットを検索することにより、前記候補セットに含まれる服飾アイテムの第一画像を表示装置に表示させるとともに、前記候補セットに含まれない服飾アイテムの第二画像が前記第一画像から区別されるように、前記第二画像を前記第一画像とは異なる表示態様で、前記表示装置の前記第一画像が表示されているページと同一のページ内に表示させる
ことを特徴とする、コーディネート支援方法。
【請求項9】
複数の服飾アイテムの組み合わせの中から、調和のとれたアイテムの組み合わせを画像で表示するコーディネート支援プログラムであって、
前記服飾アイテムの組み合わせのうち、色,素材,デザインの少なくともいずれか一つが調和するすべての組み合わせを規定するデータベースを有するとともに、
前記複数の服飾アイテムのうち、ユーザーに選択された選択アイテムの情報を取得し
、
前記データベースに規定された組み合わせのうち、すべての前記選択アイテムを含む組み合わせである候補セットを検索し、
前記候補セットに含まれる服飾アイテムの第一画像を表示装置に表示させるとともに、前記候補セットに含まれない服飾アイテムの第二画像が前記第一画像から区別されるように、前記第二画像を前記第一画像とは異なる表示態様で、前記表示装置の前記第一画像が表示されているページと同一のページ内に表示させる
処理をコンピューターに実行させる、コーディネート支援プログラム。
【請求項10】
複数の服飾アイテムの組み合わせのうち、色,素材,デザインの少なくともいずれか一つが調和するすべての組み合わせを規定するデータベースを用いて、調和のとれたアイテムの組み合わせを画像で表示する端末装置であって、
前記複数の服飾アイテムのうち、ユーザーに選択された選択アイテムの情報を取得する取得部と、
前記データベースに規定された組み合わせのうち、すべての前記選択アイテムを含む組み合わせである候補セットを検索する検索部と、
前記候補セットに含まれる服飾アイテムの第一画像を表示装置に表示させるとともに、前記候補セットに含まれない服飾アイテムの第二画像が前記第一画像から区別されるように、前記第二画像を前記第一画像とは異なる表示態様で、前記表示装置の前記第一画像が表示されているページと同一のページ内に表示させる第一制御部と、
を備えることを特徴とする、端末装置。
【請求項11】
ネットワーク上に介装されるとともにユーザーが所有する端末装置と通信可能に設けられ、複数の服飾アイテムの組み合わせの中から、調和のとれたアイテムの組み合わせを前記端末装置に画像で表示させるサーバーであって、
前記服飾アイテムの組み合わせのうち、色,素材,デザインの少なくともいずれか一つが調和するすべての組み合わせを規定するデータベースと、
前記複数の服飾アイテムのうち、ユーザーに選択された選択アイテムの情報を取得する取得部と、
前記データベースに規定された組み合わせのうち、すべての前記選択アイテムを含む組み合わせである候補セットを検索する検索部と、
前記候補セットに含まれる服飾アイテムの第一画像を表示装置に表示させるとともに、前記候補セットに含まれない服飾アイテムの第二画像が前記第一画像から区別されるように、前記第二画像を前記第一画像とは異なる表示態様で、前記表示装置の前記第一画像が表示されているページと同一のページ内に表示させる第一制御部と、
を備えることを特徴とする、サーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の服飾アイテムの組み合わせの中から、調和のとれたアイテムの組み合わせを画像で表示するコーディネート支援システム,方法,プログラム,端末装置,サーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衣服や装飾品といった服飾アイテムの画像をコンピューターの表示画面に表示して、ファッションコーディネート(服飾アイテムの組み合わせ)を提案するシステムが知られている。例えば、ECサイト(Electronic Commerce Site)で販売される服飾アイテムのコーディネートを商品の購入前に提示することで、商品の購買意欲を高める技術が提案されている。また、個々の服飾アイテムに対応する識別符号をあらかじめ設定しておくことで、購入候補の商品だけでなく過去にユーザーが購入した商品を含むコーディネートを提示する技術も提案されている。複数の服飾アイテムの組み合わせを表示することで、全身の色みや雰囲気,デザインバランスなどをユーザーに確認させることができる(特許文献1~4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-071610号公報
【文献】特開2016-033708号公報
【文献】特開2012-155550号公報
【文献】特開2004-171393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、複数の服飾アイテムの組み合わせ(コーディネート)を検討する際には、個々の服飾アイテムに付与された属性の情報や購入履歴ではなく、服飾アイテム同士の相互関係を考慮することが望ましい。例えば、三つの服飾アイテムを用いたコーディネートにおいて、いずれか一つを変更しただけで全体のバランスが悪くなることもあるし、反対に全体のバランスが良くなることもある。既存のコーディネート支援システムでは、このようなコーディネートの良し悪しをユーザーが判断することが難しく、そのコーディネートがユーザーに納得されにくいことがある。
【0005】
また、既存のコーディネート支援システムでは、多数の服飾アイテムのうち、所定の検索条件に合致する服飾アイテムがユーザーに提示されるようになっている。一方、その検索条件に合致しない服飾アイテムは、ユーザーには示されない。つまり、検索結果から除外された服飾アイテムに関する情報は、ユーザーにとって不必要な情報として破棄される。一方、検索条件に「調和のとれていること」や「定番であること」といった抽象的な概念が含まれている場合には、検索結果が恣意的なものであるかのように受け取られることがある。その理由は、検索結果に合致する服飾アイテムのみから、その服飾アイテムが検索条件に合致する理由を読み取ることは難しいからである。加えて、提示されていない服飾アイテムが検索条件に合致しない理由を読み取ることも困難である。このように、既存のコーディネート支援システムでは、提示されるコーディネートの信憑性を高めることが難しい。
【0006】
例えば、ユーザーがECサイトで服飾アイテムを購入する際に、その商品にマッチする他の服飾アイテムが「お勧め商品」として提示されたとする。そのお勧め商品は、ユーザーが購入しようとしている商品と同じ商品を他のユーザーが購入したときに、一緒に購入される回数が多かった商品であるかもしれない。あるいは、著名なスタイリストがお勧めする組み合わせの商品であるかもしれない。しかし、ECサイトが売れ残りを処分するために提案しただけの商品である可能性もある。このときユーザーは、そのお勧め商品が「調和のとれたコーディネートになる商品」であるか否かを判断することが難しく、ECサイトが提案するコーディネートに納得できない場合がある。
【0007】
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、多くのユーザーに納得されうる服飾アイテムのコーディネートを提案するコーディネート支援システム,方法,プログラム,端末装置,サーバーを提供することである。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここで開示するコーディネート支援システムは、複数の服飾アイテムの組み合わせの中から、調和のとれたアイテムの組み合わせを画像で表示するコーディネート支援システムである。本システムには、前記服飾アイテムの組み合わせのうち、色,素材,デザインの少なくともいずれか一つが調和するすべての組み合わせを規定するデータベースが含まれる。また、本システムには、少なくとも取得部と検索部と第一制御部とが含まれる。
【0009】
前記取得部は、前記複数の服飾アイテムのうち、ユーザーに選択された選択アイテムの情報を取得する。前記検索部は、前記データベースに規定された組み合わせのうち、すべての前記選択アイテムを含む組み合わせである候補セットを検索する。前記第一制御部は、前記候補セットに含まれる服飾アイテムの第一画像を表示装置に表示させる。
【発明の効果】
【0010】
すべての選択アイテムを含む候補セットに含まれるアイテムの第一画像を表示することで、ユーザーが選択アイテムを決定する際に、「良いコーディネート」になりうる服飾アイテムを確認することができる。つまり、選択アイテムと調和する「良い服飾アイテム」の中から、ユーザーが自分なりに良いと思えるものを選択することができ、ユーザーに納得されやすいコーディネートを提案することができる。また、「良いコーディネート」になりうる複数の服飾アイテムをユーザーに参照させることで、ファッションに対するユーザーの関心や興味を惹くことができ、ユーザーのファッションセンスの向上に寄与しうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】コーディネート支援システムの実施例を示す斜視図である。
【
図2】コーディネート支援システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】コーディネート支援プログラムの機能を示すブロック図である。
【
図4】アイテムデータベースを説明するための表である。
【
図5】定番コーデデータベースを説明するための表である。
【
図6】定番コーデデータベースを説明するための表である。
【
図7】在庫データベースを説明するための表である。
【
図8】(A)~(D)は服飾アイテムの画像(第一画像,第二画像)の例である。
【
図9】コーディネート支援方法を説明するためのフローチャートである。
【
図10】(A)~(D)はコーディネート支援システムによる画面表示例である。
【
図11】(A)~(D)は変形例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して実施形態としての運転支援装置について説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
【0013】
[1.ハードウェア構成]
図1は、実施例としてのコーディネート支援システムを示す斜視図である。このコーディネート支援システムは、複数の服飾アイテムの組み合わせの中から、調和のとれたアイテムの組み合わせを画像で表示する機能を持つ。ここでいう「服飾アイテム」には、衣服だけでなく装身具(例えば、ネックレス,指輪,カフス,タイピンなどのアクセサリ)も含まれる。また、画像の表示対象の一例としては、ユーザーのスマートフォン10やパーソナルコンピューター18のディスプレイ(表示装置)が挙げられる。服飾アイテムの実店舗でコーディネートを支援する場合には、その店舗に設置されたディスプレイやプロジェクターを画像の表示対象としてもよい。
【0014】
表示内容を制御するプログラムの演算装置としては、任意のコンピューター(電子計算機)が使用可能である。例えば、ネットワーク17上のサーバー30やワークステーションにプログラムをインストールしておき、そこで演算された表示内容をスマートフォン10やパーソナルコンピューター18に表示させるシステムとしてもよい。あるいは、ネットワーク17に接続されていない状態でも動作するプログラム(ネイティブアプリケーション)をスマートフォン10やパーソナルコンピューター18にインストールしておいてもよい。
【0015】
図2は、サーバー30とスマートフォン10との協働によって実現されるコーディネート支援システムの構成例である。スマートフォン10は、ウェブアプリケーション(ブラウザ上で動作するアプリケーション)を介して、サーバー30との間で情報の授受を実現する。スマートフォン10には、記録媒体16(リムーバブルメディア)に記録されたプログラムを読み込みための記録媒体ドライブ11,記憶装置12,表示装置13,入力装置14,通信装置15,電子制御装置20が設けられる。同様に、サーバー30にも記録媒体ドライブ31,記憶装置32,表示装置33,入力装置34,通信装置35,電子制御装置40が内蔵される。それぞれの要素の機能は、スマートフォン10に内蔵される同一名称の要素とほぼ同様であることから説明を省略する。
【0016】
記録媒体16は、例えばフラッシュメモリーカードやユニバーサルシリアルバス規格に準拠した半導体メモリ装置,光ディスクなどである。記録媒体ドライブ11は、記録媒体16に記録,保存された情報(プログラムやデータ)を読み取る読取装置である。記憶装置12は、長期的に保持されるデータやプログラムが格納されるメモリ装置であり、例えばフラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory),ソリッドステートドライブなどの不揮発性メモリがこれに含まれる。
【0017】
表示装置13は、電子制御装置20の処理結果を視覚的に出力するためのデバイスの一つであり、例えば液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display,LCD)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescence Display,OELD)である。表示装置13は、ユーザによって閲覧される電子メール,ネットニュース,ウェブページ内の記事などのコンテンツを出力可能である。
【0018】
入力装置14は、電子制御装置20への入力信号を入力するためのポインティングデバイスの一つである。
図1中に示すスマートフォン10の入力装置14は、表示装置13の表面に重畳状態で取り付けられたタッチパネルやキーボードなどである。スマートフォン10に物理キーが設けられている場合には、その物理キーを入力装置14として用いてもよい。入力装置14は、コンテンツに対する選択操作やスクロール操作を検出するための手段の一つである。また、通信装置15は、スマートフォン10の外部との通信を司る装置であり、例えばネットワーク17を介してサーバー30との間で無線通信を行うものである。また、近距離無線通信規格に準拠した入出力装置がスマートフォン10に接続される場合には、それらの入出力装置が通信装置15を介して接続される。
【0019】
電子制御装置20には、プロセッサ21(中央処理装置),メモリ22(メインメモリ,主記憶装置),補助記憶装置23,インタフェース装置24などが内蔵され、バス25を介して互いに通信可能に接続される。プロセッサ21は、制御ユニット(制御回路)や演算ユニット(演算回路),キャッシュメモリ(レジスタ群)などを内蔵する中央処理装置である。また、メモリ22は、プログラムや作業中のデータが格納される記憶装置であり、例えばROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)がこれに含まれる。
【0020】
補助記憶装置23は、メモリ22よりも長期的に保持されるデータやファームウェアが格納されるメモリ装置であり、例えばフラッシュメモリやEEPROMなどの不揮発性メモリがこれに含まれる。また、インタフェース装置24は、電子制御装置20と外部との間の入出力(Input and Output;I/O)を司るものである。電子制御装置20は、インタフェース装置24を介して、記録媒体ドライブ11,記憶装置12,表示装置13,入力装置14,通信装置15などに接続される。
【0021】
なお、サーバー30の電子制御装置40にも、プロセッサ41(中央処理装置),メモリ42(メインメモリ,主記憶装置),補助記憶装置43,インタフェース装置44などが内蔵され、バス45を介して互いに通信可能に接続される。それぞれの要素の機能は、電子制御装置20に内蔵される同一名称の要素とほぼ同様であることから説明を省略する。
【0022】
[2.ソフトウェア構成]
図3は、スマートフォン10やサーバー30で実行されるコーディネート支援プログラム50の処理内容を説明するためのブロック図である。これらの処理内容は、アプリケーションプログラムとしてスマートフォン10及びサーバー30の記憶装置12,32や記録媒体16などに記録され、メモリー上に展開されて実行される。ここで実行される処理内容を機能的に分類すると、コーディネート支援プログラム50には、取得部4,検索部5,管理部6,第一制御部7,第二制御部8,第三制御部9が設けられる。また、これらの各要素が参照可能なデータベースとして、アイテムデータベース1,定番コーデデータベース2,在庫データベース3が設けられる。
【0023】
アイテムデータベース1は、コーディネート支援システムで取り扱われる個々の服飾アイテムの情報をまとめたものである。本システムで取り扱われるすべての服飾アイテムの情報は、アイテムデータベース1にあらかじめ登録されているものとする。アイテムデータベース1には、例えば
図4に示すように、服飾アイテムに関するアイテムコード,カテゴリー,アイテム名,画像ファイル名(画像パス)などの項目が含まれる。アイテムコードとは、その服飾アイテムを識別するための符号である。各レコードのアイテムコードは、他のレコードのアイテムコードと重複しない固有の値に設定される。アイテムデータベース1のレコード数は、カテゴリー数やそのカテゴリーに含ませるアイテム数に応じた数となる。例えば、50種類のカテゴリーのそれぞれについて100点以上の服飾アイテムを登録した場合には、レコード数は5000以上となる。
【0024】
カテゴリーとは、服飾アイテムの装着部位や素材などに応じた分類体系内での位置づけを表す名称を意味する。本実施例の服飾アイテムは、コート,コート以外のアウター,シャツ,ボトムス,スニーカー,サンダルなどに分類される。個々の服飾アイテムは、複数のカテゴリーのうち、少なくともいずれか一つのカテゴリーに分類される。また、アイテム名はその服飾アイテムの一般的な名称を表し、画像ファイル名はその服飾アイテムを撮影した画像のファイル名を表す。なお、アイテムデータベース1の各レコードに含まれうる他の項目としては、ブランド名,価格,製造時の品番,製造年,サイズ,色,組成,デザインの特徴などが挙げられる。
【0025】
定番コーデデータベース2は、複数の服飾アイテムの組み合わせのうち、調和のとれたアイテムの組み合わせが規定されたデータベースである。ここでは、服飾アイテムの組み合わせのうち、色,素材,デザインの少なくともいずれか一つが調和するすべての組み合わせが規定される。以下、定番コーデデータベース2に規定された服飾アイテムの組み合わせのことを「定番コーデ(定番コーディネートの略称)」とも呼ぶ。定番コーデに含まれる服飾アイテムの要素数は3以上である。したがって、定番コーデの内容は、3つ以上のアイテムコードの組み合わせで表現することができる。定番コーデデータベース2の具体例を
図5,
図6に示す。
【0026】
定番コーデデータベース2には、各レコードに含まれる服飾アイテムの要素数が記録される。また、他のレコードに含まれるすべての服飾アイテムを含むようなレコードは、要素数が異なる限りにおいて別のレコードとして取り扱う。例えば、
図5中の上から一行目に示された「A0001,B0001,C0001」という定番コーデは、上から四行目に示された「A0001,B0001,C0001,F0006」という定番コーデとは別の組み合わせとみなす。なぜならば、定番アイテムに何らかの不適切な服飾アイテムを追加すると、全体的な雰囲気やバランスが低下しうるからである。定番コーデデータベース2のレコード数は、定番コーデの数に応じて設定される。なお、レコード数が多いほど本システムで提案されるコーディネートが多様性に富んだものとなるため、少なくとも数百万~数千万種類の定番コーデをあらかじめ設定しておくことが好ましい。
【0027】
本実施例の定番コーデデータベース2には、
図6に示すように、定番コーデを構成するそれぞれの服飾アイテムに関するコメントの情報が含まれる。このコメントは、各服飾アイテムが他の服飾アイテムに調和する理由を説明する解説文である。例えば、
図6中の上から一行目に示された「A0001,B0001,C0001」という定番コーデにおいて、第一要素(A0001)のコメントには、第二要素(B0001)や第三要素(C0001)に対してどのような点で調和しているのかを説明するコメントがあらかじめ登録される。
【0028】
具体的には、「スタイリッシュな組み合わせです」,「色味に統一感があります」,「素材に統一感があります」,「デザインに統一感があります」といった内容のコメントが考えられる。第二要素のコメントや第三要素のコメントについても同様である。このように、定番コーデに含まれる服飾アイテムのみに対してコメントを登録しておくことで、むやみにデータ量を増大させることなく、的確なアドバイスを提示することができる。
【0029】
在庫データベース3は、電子商取引される服飾アイテムの在庫を管理するためのデータベースである。在庫データベース3には、
図7に示すように、少なくともアイテムコード毎の在庫数が登録され、在庫数が少ない服飾アイテム(在庫数が0の服飾アイテム)については取り寄せにかかる日数の目安が登録される。なお、服飾アイテムを電子商取引しない場合には、在庫データベース3を省略してもよい。
【0030】
取得部4は、複数の服飾アイテムのうち、ユーザーに選択された服飾アイテムである「選択アイテム」の情報を取得するものである。ここでは、アイテムデータベース1に登録されている服飾アイテムの中からユーザーが選択した服飾アイテムが特定され、その服飾アイテムのアイテムコードの情報が取得される。ここでいう「選択」とは、ユーザーがコーディネートの支援を希望する服飾アイテムを指定する操作のことである。
【0031】
本実施例では、定番コーデデータベース2に規定された定番コーデの最大要素数以下の範囲で、ユーザーが任意の数の服飾アイテムを同時に選択できるようになっている。例えば、定番コーデの最大要素数が8ならば、ユーザは8個までの服飾アイテムを同時に選択可能とされる。また、画面に表示された服飾アイテムに対する所定操作(例えば、ダブルタップ操作やダブルクリック操作)で服飾アイテムが選択され、その選択アイテムは所定操作がなされた位置とは別の位置(例えば、画面上部)にも表示されるものとする。
【0032】
検索部5は、定番コーデデータベース2に規定された組み合わせ(定番コーデ)のうち、取得部4で取得されたすべての選択アイテムを含む組み合わせを検索するものである。ここで、すべての選択アイテムを含む組み合わせのことを「候補セット」と呼ぶ。例えば、ユーザーに選択された選択アイテムのアイテムコードが「A0001」及び「B0001」であるものとする。このとき、
図5中の上から一行目の「A0001,B0001,C0001」は、候補セットに含まれる。同様に、四行目「A0001,B0001,C0001,F0006」,五行目「A0001,B0001,C0001,F0007」,六行目「A0001,B0001,C0001,F0006,G0009」なども候補セットに含まれる。このように、選択アイテム以外のアイテムが含まれているか否かに関わらず、全選択アイテムを含むすべての定番コーデが候補セットとして抽出される。
【0033】
管理部6は、服飾アイテムの電子商取引及び在庫を管理するものである。ユーザーの認証,確認や決済手続きなどは、この管理部6で管理される。また管理部6は、電子商取引が成立するたびに、在庫データベース3の在庫数を更新する機能を持つ。在庫数の情報は、ユーザーに参照されるコーディネートの表示画面中において、服飾アイテムの画像と併せて表示される。
【0034】
第一制御部7は、ユーザーが選択した選択アイテムに基づいて定番コーデをなし得る服飾アイテムを表示することで、調和の取れたアイテムの組み合わせ(よいコーディネート)を提示するものである。第一制御部7は少なくとも二つの機能を持つ。第一の機能は、検索部5で検索された候補セットに含まれる服飾アイテムの第一画像を表示する機能であり、第二の機能は、候補セットに含まれない服飾アイテムの第二画像を表示する機能である。上記の第一画像,第二画像は、同一ページ内に表示される。なお、ここでいう「同一ページ」とは、所定の閲覧性が確保される描画範囲を意味しており、必ずしも「同時に視認可能な範囲(スクリーンショットで撮影される一画面分の範囲)」に限定されない。スクロール操作やスワイプ操作によって視認可能となる範囲も「同一ページ内」とみなすことができる。
【0035】
第一画像とは、
図8(A)に示すように、その服飾アイテムの外観をそのまま示す画像である。これに対して第二画像とは、第一画像から区別されるように、第一画像とは異なる表示態様で服飾アイテムの外観を示す画像である。別言すれば、第二画像とは、少なくともその服飾アイテムの外観の一部を示す画像であって、第一画像に所定の画像処理(フィルタリング,マスキング,レイヤー合成,オーバーレイなど)を施して得られる画像である。
【0036】
例えば、
図8(B)に示すように、第一画像に×印(定番コーデに適さないことを示すマーク)を重畳させたものを、第二画像としてもよい。あるいは、第一画像の透明度を増加させたり、コントラストを下げつつ明度を上げたものを、第二画像としてもよい。ただし、過剰に画像処理を施してしまうと、第二画像中の服飾アイテムの外観が見えにくくなり、コーディネートの指針(悪い例)として参照できなくなるおそれがある。したがって、服飾アイテムの外観や雰囲気が十分に把握できる範囲で、画像処理を施すことが好ましい。
【0037】
本実施例の第一制御部7は、少なくとも服飾アイテムの在庫の有無に応じた表示態様で、第一画像及び第二画像のそれぞれを表示する機能を持つ。例えば、在庫のある服飾アイテム(在庫数が0でない服飾アイテム)については、
図8(A),(B)に示すように、画像右下に「買い物OKマーク(購入できることを示すマーク)」を重畳表示する。一方、在庫数が0の服飾アイテムについては、
図8(C),(D)に示すように、画像右下に「買い物NGマーク(購入できないことを示すマーク)」を重畳表示する。
【0038】
つまり、ユーザーが服飾アイテムのコーディネートを検討している画面上において、それぞれの服飾アイテムの近傍に、購入の可否を示すマークが表示される。これにより、ユーザーはすぐに入手可能な範囲内で最適なコーディネートを模索することができる。なお、服飾アイテムの取り寄せを検討しているユーザーに対するサービスの一環として、取り寄せにかかる日数を「買い物NGマーク」の近傍に表示してもよい。
【0039】
第二制御部8は、第一画像の近傍にコメントを表示させるものである。ここで表示されるコメントは、
図6に示すような定番コーデデータベース2に規定されたコメントである。したがって、第二制御部8は、第一画像の近傍に、その画像中の服飾アイテムが選択アイテムに調和する理由を説明するコメントを表示させるように機能する。なお、コメントは第一画像の近傍に常時表示されるようにしてもよいし、所定操作(例えば、タップ操作やクリック操作など)がなされたときに表示されるようにしてもよい。本実施例の第二制御部8は、第一画像に対するタップ操作(コメント表示操作)がなされたときに、コメントを表示する機能を有している。
【0040】
第三制御部9は、ユーザーが選択した選択アイテムのデモ画像(デモンストレーション画像)を表示させるものである。ここでいうデモ画像には、選択アイテムを着用した人物の画像や、選択アイテムを着用した三次元モデルのCG(Computer Graphics)画像や、これに類する画像が含まれる。ユーザー本人の全身を撮影した画像に選択アイテムを重畳させたものをデモ画像としてもよい。本実施例の第三制御部9は、画面上部に表示される選択アイテムの画像に対し、例えばタップ操作やクリック操作などの操作(デモ画像表示操作)がなされたときに、デモ画像を表示する機能を有している。
【0041】
[3.フローチャート]
図9は、コーディネート支援プログラム50の制御手順を説明するためのフローチャートであり、
図10(A)~(D)はスマートフォン10の表示装置13に表示される画面の例である。
図10(A)中の符号51は、選択アイテムのみが表示される「選択中エリア」を示している。符号52は、すべての服飾アイテムが表示される「表示エリア」である。服飾アイテムは縦長のページ内に配置されており、閲覧位置を縦方向にスクロールできるようになっている。符号53は、表示エリアの閲覧位置をジャンプさせるためのメニューが配置される「メニューエリア」である。服飾アイテムのカテゴリーをメニューから選択することで、そのカテゴリーが掲載された位置まで閲覧位置をジャンプさせることができる。
【0042】
図9のステップA1では、服飾アイテムがユーザーに選択されたか否かが判定される。表示エリア52の服飾アイテムがユーザーに選択されると、選択アイテムのアイテムコードが取得部4で取得される(ステップA2)。検索部5では、定番コーデデータベース2に規定された組み合わせの中から、そのアイテムコードを含む「候補セット」が検索される(ステップA3)。また、第一制御部7において、表示エリア52に表示されているすべての服飾アイテムが候補セットに照合され(ステップA4)、個々の服飾アイテムが候補セットに含まれているか否かが判定される(ステップA5)。候補セットが複数組ある場合には、少なくともいずれか一つの候補セットに含まれているか否かが判定される。
【0043】
候補セットに含まれている服飾アイテムは、その第一画像が表示エリア52に表示されるとともに、在庫情報(例えば、買い物OKマークや買い物NGマーク)が表示される(ステップA6~A7)。一方、候補セットに含まれていない服飾アイテムは、その第二画像が表示エリア52に表示されるとともに、在庫情報が表示される(ステップA8~A9)。このような処理が、すべての服飾アイテムについて繰り返される(ステップA10)。したがって、表示エリア52には、
図10(B)に示すように、第一画像と第二画像とが明確に区別できる形で表示される。また、ユーザによって選択アイテムが追加されると、それらのアイテムコードを含む候補セットが検索される。これにより、服飾アイテムがさらに絞り込まれることになり、第一画像の服飾アイテムが減少するとともに、第二画像の装飾アイテムが増加する。
【0044】
服飾アイテムの選択操作ではなく、コメント表示操作が検出された場合には(ステップA11)、第二制御部8の機能により、第一画像の近傍にコメントが表示される(ステップA12)。コメントの具体的な表示手法としては、
図10(D)に示すように、ポップアップやモーダルウィンドウを用いることが考えられる。あるいは、アコーディオンメニューのように表示エリア52内に埋め込んでおいてもよい。また、デモ画面表示操作がなされた場合には(ステップA13)、第三制御部9の機能により、デモ画像が表示される(ステップA14)。デモ画像の具体的な表示手法についても同様であり、ポップアップやモーダルウィンドウを用いてもよいし、表示エリア52内に埋め込んでおいてもよい。
【0045】
[4.効果]
(1)上記のコーディネート支援システム,方法,プログラムによれば、ユーザーに選択された選択アイテムを含む候補セットが検索されるとともに、候補セットに含まれる服飾アイテムの画像(第一画像)が表示される。このように、すべての選択アイテムを含む候補セットに含まれるアイテムの第一画像を表示することで、ユーザーが選択アイテムを決定する際に、「良いコーディネート」になりうる服飾アイテムを確認することができる。つまり、選択アイテムと調和する「良い服飾アイテム」の中から、ユーザーが自分なりに良いと思えるものを選択することができ、ユーザーに納得されやすいコーディネートを提案することができる。また、「良いコーディネート」になりうる複数の服飾アイテムをユーザーに参照させることで、ファッションに対するユーザーの関心や興味を惹くことができ、ユーザーのファッションセンスの向上に寄与しうる。
【0046】
(2)また、上記の上記のコーディネート支援システム,方法,プログラムでは、ユーザーに選択された選択アイテムと相性の良い(調和のとれた)服飾アイテムの画像(第一画像)だけでなく、相性の悪い(不調和な)服飾アイテムの画像(第二画像)が第一画像と同一ページ内に表示される。これにより、「良いコーディネート」に対する多面的なアプローチを提供することができる。例えば、コーディネートの良さを第一画像でユーザーに確認させつつ、コーディネートの悪さを第二画像で確認させることができる。
【0047】
したがって、ユーザーが納得できるコーディネートを提案することができる。また、不調和な服飾アイテムの画像(第二画像)をユーザーに確認させながら選択アイテムを選択させることで、お仕着せでないオリジナルのコーディネートを完成させやすくすることができる。さらに、ファッションに対するユーザーの関心や興味を惹くことができ、ユーザーのファッションセンスの向上に寄与しうる。
【0048】
(3)取得部4で取得される選択アイテムの情報の数は、データベースに規定された組み合わせの最大要素数以下に制限される。このような制御により、たとえ第二画像が増えたとしても第一画像が必ず表示されることになり、表示エリア52に第一画像と第二画像との双方を確実に提示することができる。したがって、コーディネートの支援効果を高めることができる。
【0049】
(4)本実施例では、
図8(A)~(D)に示すように、第一画像及び第二画像のそれぞれが在庫の有無に応じた表示態様で表示される。このような制御により、服飾アイテムの調和や不調和だけでなく、在庫の有無をも同時に提示することができ、利便性を向上させることができる。また、たとえ良いコーディネートに使える服飾アイテムが見つかったとしても、その服飾アイテムの在庫がない場合には直ちに他のコーディネートを検討することができるようになる。つまり、「ユーザーが納得でき、かつ、すぐに購入できる」コーディネートを提案することができ、コーディネートの支援効果を高めることができるとともに、ECサイトの信用度を高めることができる。
【0050】
(5)本実施例では、
図10(D)に示すように、第一画像中の服飾アイテムが選択アイテムに調和する理由を説明するコメントが表示される。このような制御により、ユーザーが納得できるコーディネートを提案することができる。また、単なる組み合わせの良否(調和・不調和)だけでなく、言葉で付加情報を伝達することで、ユーザーが「良いコーディネート」をより多面的に捉えるための手助けをすることができる。したがって、コーディネートの支援効果を高めることができる。
【0051】
(6)本実施例では、選択アイテムを着用した人物のデモ画像が表示できるようになっている。このような制御により、コーディネートの全体的な雰囲気や見え方をユーザーに正確に把握させることができ、コーディネートの支援効果をさらに高めることができる。
(7)本実施例では、
図8(B),(D)に示すように、第一画像に×印(選択アイテムに不調和であることを示す画像)を重畳させた画像が第二画像として使用されている。このような制御により、簡素な構成で過度にデータ量を増加させることなく、識別が容易な二種類の画像を生成することができる。
【0052】
[5.変形例]
上記の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、本実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
【0053】
本件におけるコーディネート支援システム及びコーディネート支援プログラムの最小構成は、
図11(A)に示すように、定番コーデデータベース2,取得部4,検索部5,第一制御部7の各要素を備えたものである。これらの各要素は、
図11(B)に示すように、一台のスマートフォン10(通信端末)に内蔵させることができ、ネットワーク17から切断された状態(オフライン)であっても、コーディネートの支援サービスを利用することができる。一方、
図11(C)に示すように、各要素をサーバー30に内蔵させることも可能である。この場合、スマートフォン10にアプリケーションをインストールする必要がなく、手軽にコーディネートの支援サービスを利用することができる。
【0054】
また、
図11(D)に示すように、各要素をスマートフォン10やサーバー30など複数のコンピューターに分散させることも可能である。例えば、データサイズの大きい定番コーデデータベース2や検索部5をサーバー30側に配置し、取得部4や第一制御部7をスマートフォン10側に配置することが考えられる。具体的な配置については、コンピューターの演算能力や記憶容量などに応じて適宜設定すればよい。なお、
図11(A)~(D)内に不図示のアイテムデータベース1,在庫データベース3,管理部6,第二制御部8,第三制御部9などについても同様であり、スマートフォン10に内蔵させてもよいし、サーバー30に内蔵させてもよい。
【0055】
なお、第一制御部7は、少なくとも候補セットに含まれる服飾アイテムの第一画像を表示装置に表示させる機能を持つものであればよい。この場合、候補セットに含まれない服飾アイテムの第二画像を表示装置に表示させる機能は、省略することができる。ただし、第二画像を表示することで「良いコーディネート」に対する多面的なアプローチが提供されることになる。このような意味では、第一画像及び第二画像の両方を同一のページ内に表示させるような第一制御部7とすることが好ましい。
【0056】
[6.付記]
上記の変形例を含む実施形態に関し、以下の付記を開示する。
[付記1]
複数の服飾アイテムの組み合わせの中から、調和のとれたアイテムの組み合わせを画像で表示するコーディネート支援方法であって、
前記服飾アイテムの組み合わせのうち、色,素材,デザインの少なくともいずれか一つが調和するすべての組み合わせをデータベースに規定しておき、
前記複数の服飾アイテムのうち、ユーザーに選択された選択アイテムの情報を取得し
前記データベースに規定された組み合わせのうち、すべての前記選択アイテムを含む組み合わせである候補セットを検索し、
前記候補セットに含まれる服飾アイテムの第一画像を表示装置に表示させる
ことを特徴とする、コーディネート支援方法。
【0057】
[付記2]
複数の服飾アイテムの組み合わせの中から、調和のとれたアイテムの組み合わせを画像で表示するコーディネート支援方法であって、
前記複数の服飾アイテムを表示装置に表示させておき、
次いで、前記表示装置に表示された前記複数の服飾アイテムのうち、ユーザーに選択された選択アイテムの情報を取得し、
前記服飾アイテムの組み合わせのうち、色,素材,デザインの少なくともいずれか一つが調和するすべての組み合わせを規定するデータベースに規定された組み合わせのうち、すべての前記選択アイテムを含む組み合わせである候補セットを検索することにより、前記候補セットに含まれる服飾アイテムの第一画像を表示装置に表示させる
ことを特徴とする、コーディネート支援方法。
【0058】
[付記3]
複数の服飾アイテムの組み合わせの中から、調和のとれたアイテムの組み合わせを画像で表示するコーディネート支援プログラムであって、
前記服飾アイテムの組み合わせのうち、色,素材,デザインの少なくともいずれか一つが調和するすべての組み合わせを規定するデータベースを有するとともに、
前記複数の服飾アイテムのうち、ユーザーに選択された選択アイテムの情報を取得し
前記データベースに規定された組み合わせのうち、すべての前記選択アイテムを含む組み合わせである候補セットを検索し、
前記候補セットに含まれる服飾アイテムの第一画像を表示装置に表示させる
処理をコンピューターに実行させる、コーディネート支援プログラム。
【0059】
[付記4]
複数の服飾アイテムの組み合わせのうち、色,素材,デザインの少なくともいずれか一つが調和するすべての組み合わせを規定するデータベースを用いて、調和のとれたアイテムの組み合わせを画像で表示する端末装置であって、
前記複数の服飾アイテムのうち、ユーザーに選択された選択アイテムの情報を取得する取得部と、
前記データベースに規定された組み合わせのうち、すべての前記選択アイテムを含む組み合わせである候補セットを検索する検索部と、
前記候補セットに含まれる服飾アイテムの第一画像を表示装置に表示させる第一制御部と、
を備えることを特徴とする、端末装置。
【0060】
[付記5]
ネットワーク上に介装されるとともにユーザーが所有する端末装置と通信可能に設けられ、複数の服飾アイテムの組み合わせの中から、調和のとれたアイテムの組み合わせを前記端末装置に画像で表示させるサーバーであって、
前記服飾アイテムの組み合わせのうち、色,素材,デザインの少なくともいずれか一つが調和するすべての組み合わせを規定するデータベースと、
前記複数の服飾アイテムのうち、ユーザーに選択された選択アイテムの情報を取得する取得部と、
前記データベースに規定された組み合わせのうち、すべての前記選択アイテムを含む組み合わせである候補セットを検索する検索部と、
前記候補セットに含まれる服飾アイテムの第一画像を表示装置に表示させる第一制御部と、
を備えることを特徴とする、サーバー。
【符号の説明】
【0061】
1 アイテムデータベース
2 定番コーデデータベース(請求項1中の「データベース」)
3 在庫データベース
4 取得部
5 検索部
6 管理部
7 第一制御部
8 第二制御部
9 第三制御部
10 スマートフォン(端末装置)
30 サーバー