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特許7105499汚水処理装置、汚水処理ユニット及び汚水の処理方法
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  • 特許-汚水処理装置、汚水処理ユニット及び汚水の処理方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】汚水処理装置、汚水処理ユニット及び汚水の処理方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 3/28 20060101AFI20220715BHJP
   C02F 3/00 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
C02F3/28 A
C02F3/00 B
C02F3/28 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020140710
(22)【出願日】2020-08-24
(65)【公開番号】P2022036482
(43)【公開日】2022-03-08
【審査請求日】2020-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】591045116
【氏名又は名称】株式会社アールエコ
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(74)【代理人】
【識別番号】100159581
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 勝誠
(74)【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
(74)【代理人】
【識別番号】100199808
【弁理士】
【氏名又は名称】川端 昌代
(74)【代理人】
【識別番号】100139354
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 昌子
(74)【代理人】
【識別番号】100208708
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 健志
(74)【代理人】
【識別番号】100215371
【弁理士】
【氏名又は名称】古茂田 道夫
(74)【代理人】
【識別番号】230116643
【弁護士】
【氏名又は名称】田中 厳輝
(72)【発明者】
【氏名】八田 富夫
【審査官】富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-155383(JP,A)
【文献】特開2020-099892(JP,A)
【文献】特開2005-349328(JP,A)
【文献】特開2003-010871(JP,A)
【文献】特開2012-091115(JP,A)
【文献】特開2011-147886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 3/00-3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚水を、嫌気処理、固液分離の少なくとも一方で処理をする第一処理槽と、
上記第一処理槽が処理をした汚水に嫌気処理をする一又は複数の中間処理槽と、
上記中間処理槽が処理をした汚水に嫌気処理又は沈殿分離をする最終処理槽と
を備え、
一端が上記最終処理槽の底部に配置され、他端が上記第一処理槽の上部に配置され、点検時に使用されるエアリフト管と、
一端が外部に配設される空気供給機と接続可能であり、他端が、分岐された端部を有し、この分岐された端部が上記第一処理槽、一又は複数の中間処理槽及び最終処理槽内それぞれに配置されている空気供給管と
を有し、
上記最終処理槽内に配置されている上記空気供給管の端部が、上記空気供給機から供給される空気を上記エアリフト管内に導入可能に上記エアリフト管の一端側で接続されている汚水処理装置。
【請求項2】
好気処理をする処理槽を有しない請求項1に記載の汚水処理装置。
【請求項3】
上記第一処理槽及び一又は複数の中間処理槽が、嫌気処理用の担体を洗浄する逆洗用散気管を有し、
上記第一処理槽及び一又は複数の中間処理槽に配置されている上記空気供給管の端部が、上記空気を上記逆洗用散気管内に導入可能に接続されている請求項1又は請求項2に記載の汚水処理装置。
【請求項4】
上記最終処理槽が、嫌気処理をし、この嫌気処理用の担体を洗浄する逆洗用散気管を有し、
上記最終処理槽に配置されている上記空気供給管の端部が、分岐され、上記エアリフト管内と、上記最終処理槽の逆洗用散気管内とに上記空気を導入可能に接続されている請求項3に記載の汚水処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の汚水処理装置と、
上記汚水処理装置の運転開始時及び点検時に上記空気供給管に接続可能な空気供給機と
を備える汚水処理ユニット。
【請求項6】
請求項5に記載の汚水処理ユニットによる汚水の処理方法であって、
上記汚水処理装置を配設する工程と、
上記空気供給管に上記空気供給機を接続して、少なくとも上記第一処理槽並びに一又は複数の中間処理槽に空気を供給しつつ、上記汚水を上記第一処理槽、一又は複数の中間処理槽、及び最終処理槽の順に通過させて処理を開始する工程と、
上記空気供給管と上記空気供給機との接続を解除し、上記空気の供給を停止して上記汚水の処理をする工程と、
上記汚水の処理を中断して上記空気供給管に上記空気供給機を接続し、上記第一処理槽、中間処理槽及び最終処理槽の少なくとも一つに空気を供給して上記汚水処理装置の点検をする工程と、
上記点検後に上記空気供給管と上記空気供給機との接続を解除し、上記空気の供給を停止して上記汚水の処理を再開する工程と
を備える汚水の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚水処理装置、汚水処理ユニット及び汚水の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
汚水の処理をする装置として、汚水を濾過材に通過させて汚水中の固形物を分離すると共に嫌気性微生物で有機物の処理をする嫌気処理槽と、この嫌気処理槽から供給される汚水を曝気して好気性微生物で処理をする曝気処理槽とを備えた汚水処理装置が知られている。
【0003】
上記曝気処理における曝気は、上記汚水処理装置と共に設置されるエアポンプ等が上記曝気処理槽に空気を供給することで行われる。この空気の供給量を低減することで上記エアポンプを運転するための電力を低減し、汚水処理にかかるコストを低減することが求められている。
【0004】
逆洗流発生装置を備えた浄化槽が発案されている(特開2010-207662号公報)。この浄化槽は、上記逆洗流発生装置のケーシングの上部に空気を溜め、その空気圧で上記ケーシング内の処理水が、引抜管の一端部から流入して濾過槽の外方に延設する他端部から押し出される。これにより上記ケーシング内の空気圧が開放された時に上記引抜管の吸入部が一定量の処理液を一気に吸い込み、上記濾過槽内で処理液の急激な下降流が発生し、上記濾過材に付着した汚泥を、その濾過材から効果的に剥離できるとされている。また、この剥離は、上記ケーシングに空気を供給し続けることで、一定間隔でできるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-207662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記公報所載の浄化槽では、少なくとも上記ケーシングと好気処理をする担体流動槽とに常時空気の供給をするため、上記エアポンプ等の空気を供給する機器の運転コストが増大し、低コストで汚水処理をすることができないおそれがある。
【0007】
上述のような事情に鑑みて、本発明は、汚水の処理にかかるコストを低減できると共に、上記汚水を安定して水質基準に適合する処理水にできる汚水処理装置、汚水処理ユニット及び汚水の処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、汚水を、嫌気処理、固液分離の少なくとも一方で処理をする第一処理槽と、上記第一処理槽が処理をした汚水に嫌気処理をする一又は複数の中間処理槽と、上記中間処理槽が処理をした汚水に嫌気処理又は沈殿分離をする最終処理槽とを備え、一端が上記最終処理槽の底部に配置され、他端が上記第一処理槽の上部に配置されているエアリフト管と、一端が外部に配設される空気供給機と接続可能であり、他端が、分岐された端部を有し、この分岐された端部が上記第一処理槽、一又は複数の中間処理槽及び最終処理槽内それぞれに配置されている空気供給管とを有し、上記最終処理槽内に配置されている上記空気供給管の端部が、上記空気供給機から供給される空気を上記エアリフト管内に導入可能に上記エアリフト管の一端側で接続されている汚水処理装置である。
【0009】
当該汚水処理装置は、供給される汚水を、嫌気処理、固液分離の少なくとも一方で処理をする第一処理槽と、その下流に配置され、上記処理がされた汚水に嫌気処理をする一又は複数の中間処理槽と、この中間処理槽の下流に配置され、上記嫌気処理された汚水を嫌気処理又は沈殿分離による処理をする最終処理槽とを備える。このように、当該汚水処理装置は、上記汚水に複数回にわたる処理をするため、当該汚水処理装置に供給される上記汚水を比較的容易に水質基準に適合する処理水にできる。また、当該汚水処理装置は、上記最終処理槽と上記第一処理槽とを連通するエアリフト管と、外部に配設された空気供給機から供給される空気を上記エアリフト管に導入可能に接続される空気供給管とを備える。上記エアリフト管の一端は上記最終処理槽の底部に配置され、他端は上記第一処理槽の上部に配置されている。上記空気供給管は、一端が上記空気供給機と接続可能であり、他端側が分岐されて複数の端部を有し、この複数の端部が、上記第一処理槽、一又は複数の中間処理槽及び最終処理槽に配置される。上記複数の端部のうちの上記最終処理槽に配置されている端部は、上記エアリフト管内に上記空気を導入可能に上記エアリフト管の一端側で接続されている。上記空気供給管の一端を上記空気供給機と接続し、上記エアリフト管内に空気を供給することで、上記エアリフト管が、上記最終処理槽の汚水を吸い上げて上記第一処理槽に還流することができる。この還流によって上記第一処理槽内の窒素等を低減することができ、当該汚水処理装置による上記汚水の処理効率が低下することを抑制できる。よって、当該汚水処理装置は、比較的安定して上記汚水を水質基準に適合する処理水にできる。上記汚泥の上記第一処理槽への還流は、法律等で定められた当該汚水処理装置の点検と共に行い、又は定期的に若しくは必要に応じて不定期に行う。当該汚水処理装置は、嫌気処理、固液分離の少なくとも一方で処理をする第一処理槽、嫌気処理をする中間処理槽、及び嫌気処理又は沈殿分離による処理をする最終処理槽で構成されているため、上記汚水の処理において、いずれの処理槽にも上記空気を供給する必要がない。すなわち、当該汚水処理装置は、上記汚水の処理で上記空気の供給が必要なく、上記汚泥を上記第一処理槽に還流するときにのみ上記空気の供給を必要とする。このため、上記汚泥の還流をするとき以外は上記空気供給機の運転を停止することができ、上記空気供給機の運転コストを低減することができる。すなわち、当該汚水処理装置が通常に上記汚水の処理をしているときには上記空気供給機の運転コストが発生しないため、当該汚水処理装置は、上記汚水の処理にかかるコストを低減することができる。
【0010】
当該汚水処理装置が好気処理をする処理槽を有しないことが好ましい。すなわち、当該汚水処理装置で上記汚水を好気処理(曝気処理)しないことが好ましい。汚水の好気処理をするためには、好気処理用微生物に空気を供給する必要があるため、この空気を供給する空気供給機を運転するコストが発生し、上記汚水の処理をするコストが増大するおそれがある。上記好気処理をしないことで、上記好気処理のための空気の供給にかかるコストが発生しないため、上記汚水の処理をするコストをより低減できる。
【0011】
上記第一処理槽及び一又は複数の中間処理槽が、上記嫌気処理用の担体を洗浄する逆洗用散気管を有し、上記第一処理槽及び一又は複数の中間処理槽に配置されている上記空気供給管の端部が、上記空気供給機から供給される空気を上記逆洗用散気管内に導入可能に接続されていることが好ましい。このようにすることで、例えば、上記汚泥を上記第一処理槽に還流する際に、上記空気を上記逆洗用散気管に供給して上記第一処理槽及び一又は複数の中間処理槽が有する上記嫌気処理用担体を洗浄することができる。このため、上記汚水をより安定して水質基準に適合する処理水にできる。
【0012】
上記最終処理槽が、嫌気処理をし、この嫌気処理用の担体を洗浄する逆洗用散気管を有し、上記最終処理槽に配置されている上記空気供給管の端部が、分岐され、上記エアリフト管内と、上記最終処理槽の逆洗用散気管内とに上記空気を導入可能に接続されていることが好ましい。このようにすることで、上記嫌気処理をする最終処理槽の嫌気用担体を洗浄することができ、上記汚水をより容易に水質基準に適合する処理水にできる。
【0013】
上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様は、上記汚水処理装置と、上記汚水処理装置の運転開始時及び点検時に上記空気供給管に接続される空気供給機とを備える汚水処理ユニットである。
【0014】
当該汚水処理ユニットが備える汚水処理装置は、通常の上記汚水の処理において、いずれの処理槽にも空気を供給する必要がない。一方で、上記空気供給機は、上記汚水処理装置の点検時に上記空気供給管に接続されて上記空気を上記エアリフト管内に供給し、上記汚水処理装置の最終処理槽の汚水を上記第一処理槽に還流する。また、上記空気供給機は、上記汚水処理装置の運転開始時に上記空気供給管に接続されて上記空気を供給し、上記嫌気処理をする微生物の活動を促す。このようにすることで、当該汚水処理ユニットは、上記汚水処理装置が上記空気の供給を受けないで上記汚水の処理をする通常運転に移行するまでの期間を短縮することができる。このように、当該汚水処理ユニットは、運転開始時及び点検時にのみ上記空気供給機を運転し、通常の上記汚水の処理では上記空気供給機を運転しないため、上記汚水の処理にかかるコストを低減できる。また、当該汚水処理ユニットは、上記点検時に上記汚水処理装置の最終処理槽の汚水を上記第一処理槽に還流し、上記汚水の処理効率が低下することを抑制できるため、上記汚水を安定して水質基準に適合する処理水にできる。
【0015】
上記課題を解決するためになされた本発明の別の一態様は、上記汚水処理ユニットによる汚水の処理方法であって、上記汚水処理装置を配設する工程と、上記空気供給管に上記空気供給機を接続して、少なくとも上記第一処理槽及び一又は複数の中間処理槽に空気を供給しつつ、上記汚水を上記第一処理槽、一又は複数の中間処理槽、及び最終処理槽の順に通過させて上記汚水の処理を開始する工程と、上記空気供給管と上記空気供給機との接続を解除し、上記空気の供給を停止して上記汚水の処理をする工程と、上記汚水の処理を中断して上記空気供給管に上記空気供給機を接続し、上記第一処理槽、中間処理槽及び最終処理槽の少なくとも一つに空気を供給して上記汚水処理装置の点検をする工程と、上記点検後に上記空気供給管と上記空気供給機との接続を解除し、上記空気の供給を停止して上記汚水の処理を再開する工程とを備える。
【0016】
当該汚水処理方法は、上記汚水の処理を開始する工程及び上記汚水処理装置の点検をする工程では、上記空気供給機が上記汚水処理装置に接続されて空気を供給する。一方で、上記汚水処理装置が通常に上記汚水の処理をする工程では、上記空気供給機は、上記接続が解除されて上記空気を供給しない。このため、上記空気供給機は、少なくとも通常に上記汚水の処理をする工程では、上記空気供給機の運転を停止し、この運転にかかるコストを低減できる。このため、当該汚水処理方法は上記汚水の処理をするコストを低減できる。また、点検工程において、上記空気供給機が、上記空気供給管に接続されて上記空気を上記エアリフト管に供給することで上記汚水処理装置の最終処理槽の汚水を上記第一処理槽に還流し、この第一処理槽の処理効率が低下することを抑制できるため、上記汚水を容易に水質基準に適合する処理水にできる。
【発明の効果】
【0017】
上述のように、本発明の汚水処理装置、汚水処理ユニット及び汚水の処理方法は、汚水の処理にかかるコストを低減できると共に、上記汚水を安定して水質基準に適合する処理水にできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の一態様である汚水処理装置の模式的平面図である。
図2図2は、図1の汚水処理装置の右側面図である。
図3図3は、図1の汚水処理装置におけるA-A断面視である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図を参照しながら、本発明について詳説する。図1~3は、本発明の一態様である汚水処理装置の模式的な図である。
【0020】
[汚水処理装置]
本発明の一態様である汚水処理装置1は、汚水を、嫌気処理、固液分離の少なくとも一方で処理をする第一処理槽2と、第一処理槽2が処理をした汚水に嫌気処理をする一又は複数の中間処理槽と、上記中間処理槽が処理をした汚水に嫌気処理又は沈殿分離をする最終処理槽5とを備える。本実施形態では、二つの中間処理槽3,4を備えるものとして説明する。第一処理槽2、中間処理槽3,4及び最終処理槽5は汚水処理装置1内で隔壁11,12,13によって分割され、この順で上記汚水が通過するように配置されている。汚水処理装置1は、上部に開閉自在な三つの点検口14,15,16を有する。汚水処理装置1は、第一処理槽2の上部に汚水Wが流入する流入口17を有し、最終処理槽5側の上部に処理された汚水Wを水質基準に適合する処理水として流出させる流出口18を有する。
【0021】
〔第一処理槽〕
第一処理槽2は、流入口17から流入する汚水Wを、嫌気処理、固液分離の少なくとも一方で処理をする。本実施形態では、第一処理槽2は、嫌気処理をし、嫌気処理用担体を有する(不図示)。第一処理槽2は、貯留している汚水W中を浮遊する上記嫌気処理用担体が流出することを防止する下面スクリーン21と、上記嫌気処理用担体が上記汚水の水面に浮上することを防止する上面スクリーン22をと有する。上記嫌気処理用担体は、下面スクリーン21と上面スクリーン22との間に複数が配置されて濾過層を形成している。流入口17から流入する汚水Wは、上記濾過層を形成している複数の上記嫌気処理用担体に接触することで嫌気処理される(一次処理)。第一処理槽2は、一次処理した汚水Wを中間処理槽3に供給するための流路23を有する。具体的には、流路23は、第一処理槽2の底部と隔壁11の上部側に形成されている排出口11aとを連通するように形成されている。第一処理槽2の底部の汚水Wは、水圧によって流路23内を上昇し、排出口11aから中間処理槽3に排出される。
【0022】
上記嫌気処理用担体は、汚水Wを浄化する嫌気性の微生物を担持する。上記嫌気処理用担体の形状としては、特に限定されるものではなく、球状、柱状等とすることができるが、筒状であることが好ましい。この筒状の断面形状としては、特に限定されるものではなく、矩形、多角形、楕円形等とすることができるが、円形であることが好ましい。上記嫌気処理用担体の形状を円筒状とすることで、上記嫌気処理用担体内部及び隣接する上記嫌気処理用担体同士の間に形成される隙間を汚水Wが通過することができるため、汚水Wが上記濾過層を通過する抵抗を比較的小さくすることができる。
【0023】
〔中間処理槽〕
中間処理槽3は、上記一次処理がされた汚水Wに嫌気処理する。中間処理槽3は、嫌気処理をする嫌気処理用担体を有する(不図示)。この嫌気処理用担体は、第一処理槽2と同一のものを用いてもよいし、異なるものとしてもよい。中間処理槽3は、第一処理槽2と同様に、下面スクリーン31と上面スクリーン32とを有し、この間で複数の上記嫌気処理用担体が濾過層を形成している。また、中間処理槽3は、底部と隔壁12の上部側に形成されている排出口12aとを連通するように形成されている流路33を有する。中間処理槽3は、上記嫌気処理用担体で嫌気処理(二次処理)した汚水Wを中間処理槽4に排出する。
【0024】
中間処理槽4は、二次処理がされた汚水Wに嫌気処理をする。中間処理槽4は、中間処理槽3と同様に、嫌気処理用担体と(不図示)、下面スクリーン41及び上面スクリーン42とを有する。中間処理槽4は、二次処理された汚水Wを嫌気処理用担体で嫌気処理(三次処理)をし、最終処理槽5に排出する。
【0025】
〔最終処理槽〕
最終処理槽5は、三次処理がされた汚水Wを嫌気処理用担体又は沈殿分離によって最終処理をして水質基準に適合する処理水にする。この処理水は、流出口18から当該汚水処理装置1の外部へ排出される。最終処理槽5が汚水Wに嫌気処理用担体で嫌気処理をするものである場合、最終処理槽5は中間処理槽3,4と同様に、嫌気処理用担体と、下面スクリーン及び上面スクリーンとを有する。本実施形態では、最終処理槽5が汚水Wを沈殿分離によって処理をするもので説明する。
【0026】
最終処理槽5は、中間処理槽4で三次処理された汚水W中の浮遊物質を沈殿させ、汚水Wの上澄みを塩素等で消毒して汚水Wを処理水として流出口18から当該汚水処理装置1の外部へ排出する。すなわち、最終処理槽5は、汚水W中の浮遊物質を沈殿させる沈殿部(不図示)と、汚水Wの上澄みを消毒する消毒部(不図示)を有する。
【0027】
中間処理槽4で上記三次処理がされた汚水Wは、隔壁13の底部で形成されている排出口13aから最終処理槽5に排出される。このため、中間処理槽4は、底部の汚水Wを上昇させるための流路を有していない。
【0028】
汚水処理装置1が、汚水Wを好気処理しないことが好ましい。すなわち、第一処理槽2、中間処理槽3,4及び最終処理槽5が、汚水Wに好気処理をする微生物を有しないことが好ましい。このようにすることで、汚水Wの処理において汚水Wに好気処理に必要な空気を供給する必要がなくなり、汚水Wの処理をするコストを低減できる。
【0029】
汚水処理装置1は、一端が最終処理槽5の底部に配置され、他端が第一処理槽2の上部に配置されているエアリフト管6と、一端が外部に配設される空気供給機と接続可能であり、他端が、分岐された端部を有し、この分岐された端部が第一処理槽2、中間処理槽3,4及び最終処理槽5内それぞれに配置されている空気供給管7とを有する。空気供給管7は、外部から供給される空気をエアリフト管6内に導入する。エアリフト管6は、最終処理槽5の底部の汚水Wを第一処理槽2に還流する。この還流と同時に、最終処理槽5の底部に堆積する汚泥(以下、「堆積汚泥」ともいう)を第一処理槽に移送する。上記還流は、法律等で定められた汚水処理装置1の点検と共に行い、又は定期的に若しくは必要に応じて不定期に行ってもよい。
【0030】
〔エアリフト管〕
エアリフト管6は、一端が最終処理槽5の底部で開口し、他端が第一処理槽2の上部で開口するように配設される。エアリフト管6の上記一端は、上記堆積汚泥が溜まり易い箇所に配置され、エアリフト管6の上記他端は、第一処理槽2で貯留されている汚水Wの水面より上に配置されることが好ましい。このようにすることで、上記還流及び移送を効率的にすることができる。
【0031】
三次処理までされた最終処理槽5の汚水Wを第一処理槽2に還流をすることで、第一処理槽2の汚水W中の窒素等を低減し、汚水処理装置1による汚水Wの処理効率が低下することを抑制できる。また、同時に最終処理槽5の堆積汚泥を移送することで、最終処理槽5の処理効率が低下することを抑制し、汚水処理装置1による汚水Wの処理効率が低下することをより抑制できる。
【0032】
〔空気供給管〕
空気供給管7は、一端が外部に配置される空気供給機(不図示)と接続されるように汚水処理装置1内の上部で開口している。空気供給管7の他端は分岐された複数の端部を有し、この複数の端部のうち、終処理槽5に配置される端部が、最終処理槽5に貯留されている汚水Wの水面下で、上記空気供給機から供給される空気をエアリフト管6内に導入できるように接続されている。図1~3では、空気供給管7の上記一端は、点検口16の下側で上方に向けて開口するように配置されている。
【0033】
空気供給管7がエアリフト管6内に空気を導入すると、エアリフト管6内の汚水Wの一部が上昇して第一処理槽2に排出される。同時に、エアリフト管6内の圧力(気圧)が、最終処理槽5の底部における圧力(水圧)に対して負圧となるため、最終処理槽5内の汚水Wがエアリフト管6内に吸引されて第一処理槽2に排出され、上記還流が行われる。この汚水Wの吸引と共に、最終処理槽5の上記堆積汚泥がエアリフト管6内に吸引されて、第一処理槽2に排出される。
【0034】
空気供給管7の上記他端は、最終処理槽5の底部付近でエアリフト管6と接続されることが好ましい。具体的には、最終処理槽5の底部に配置されているエアリフト管6の上記一端付近の側壁に空気供給管7の上記端部を接続することが好ましい。このようにすることで、上記圧力の差を大きくすることが容易にでき、汚水W及び上記堆積汚泥の吸引を効率的にすることができる。なお、「最終処理槽5の底部付近」とは、汚水Wの水面の法線方向で、最終処理槽5の底部の内面から上記水面までの距離(高さ)に対する上記内面からの距離の比が30%以内であることを意味する。「最終処理槽5の底部の内面から上記水面までの距離」とは、最終処理槽5の底部が上記水面と平行に形成されていないときは、最大値となる距離を意味する。
【0035】
〔逆洗用散気管〕
汚水処理装置1が、第一処理槽2及び中間処理槽3,4が、上記嫌気処理用の担体を洗浄する逆洗用散気管を有し、第一処理槽2及び中間処理槽3,4に配置されている空気供給管7の上記端部が、上記空気供給機から供給される空気を上記逆洗用散気管内に導入可能に接続されていることが好ましい。
【0036】
上記逆洗用散気管は、複数の空気排出口を有し、空気を排出することで上記嫌気処理用の担体を洗浄する。具体的には、上記逆洗用散気管から排出された上記空気が、上記担体に接触して上記担体に付着している汚泥(以下、「付着汚泥」という)を除去する。また、上記空気の排出により、上記濾過層を形成している複数の上記担体が上記上面スクリーン及び下面スクリーンの間で撹拌される。この撹拌による上記担体同士の衝突等により、上記付着汚泥が除去される。このように、上記逆洗用散気管は、上記付着汚泥を除去することで上記担体を洗浄する。上記担体による嫌気処理では、嫌気分解により余剰汚泥が発生し、この余剰汚泥が上記付着汚泥として上記担体の内部を閉塞することがある。上記洗浄は、法律等で定められた汚水処理装置1の点検と共に行い、又は定期的に若しくは必要に応じて不定期に行ってもよい。上記逆洗用散気管を備える汚水処理装置1は、上記担体を洗浄することで嫌気処理の効率が低下することを抑制できるため、汚水Wをより安定して水質基準に適合する処理水にできる。
【0037】
第一処理槽2及び中間処理槽3,4内それぞれに配置される空気供給管7の分岐された上記端部は、逆洗用散気管81,82,83それぞれに接続される。このようにすることで、逆洗用散気管81,82,83それぞれに空気を供給することができる。逆洗用散気管81,82,83それぞれに接続される空気供給管7が、上記空気の供給とその停止とを切替可能にするバルブを有するのが好ましい。このようにすることで、上記担体の洗浄が必要な処理槽にのみ上記空気を供給することができる。また、空気供給管7は、上記分岐の上流側で、逆洗用散気管81,82,83への上記空気の供給と、エアリフト管6への上記空気の供給とを切替可能にするバルブを有するのが好ましい。このようにすることで、上記汚水の還流と、上記担体の洗浄とを個別に行うことができる。
【0038】
逆洗用散気管81,82,83は、第一処理槽2及び中間処理槽3,4の底部付近に配設される。具体的には、上記担体で形成される上記濾過層の下側に配設され、上記複数の空気排出口は、上記担体に向けて開口するように形成される。図3では、逆洗用散気管81,82,83は、下面スクリーン21,31,41の上面側に配設されている。このようにすることで、上記排出された空気が、上記担体に容易に接触できると共に、上記担体を容易に撹拌できる。なお、「中間処理槽3,4の底部付近」とは、汚水Wの水面の法線方向で、中間処理槽3,4の底部の内面から上記水面までの距離(高さ)に対する上記内面からの距離の比が40%以内であることを意味する。
【0039】
最終処理槽5が、嫌気処理をし、この嫌気処理用の担体を洗浄する逆洗用散気管を有し、最終処理槽5における空気供給管7の端部が、分岐され、エアリフト管6内と、最終処理槽5の逆洗用散気管内とに上記空気を導入可能に接続されていることが好ましい。すなわち、最終処理槽5での最終処理が嫌気処理である場合、この嫌気処理用の担体を洗浄するための逆洗用散気管が最終処理槽5に配設されることが好ましい。このようにすることで、全ての処理槽が嫌気処理をする場合においても、汚水Wを安定して水質基準に適合する処理水にできる。空気供給管7は、エアリフト管6に接続される空気供給管7の上記端部が分岐され、この分岐された空気供給管7の一方の端部がエアリフト管6に接続され、他方の端部が最終処理槽5の逆洗用散気管に接続されるとよい。このようにすることで、最終処理槽5の逆洗用散気管に上記空気を供給できる。空気供給管7は、エアリフト管6への上記空気の供給と、上記逆洗用散気管への上記空気の供給とを切替可能なバルブを有するのが好ましい。このようにすることで、汚水Wの還流と、上記担体の洗浄とを個別に行うことができる。
【0040】
[利点]
当該汚水処理装置1は、通常の汚水Wの処理では、第一処理槽2、中間処理槽3,4及び最終処理槽5に空気を供給する必要がなく、空気供給機を運転するためのコストが発生しないため、汚水Wの処理をするコストを低減することができる。また、当該汚水処理装置1は、最終処理槽5の汚水Wを第一処理槽1に還流するエアリフト管6を備えるため、汚水Wの処理効率が低下することを抑制できる。このため、当該汚水処理装置1は、汚水Wを安定して水質基準に適合する処理水にできる。当該汚水処理装置1は、供給される空気をエアリフト管6内に導入する空気供給管7を備えるため、汚水Wを比較的容易に第一処理槽2に還流できる。
【0041】
[汚水処理ユニット]
本発明の他の一実施形態である汚水処理ユニットは、上述した汚水処理装置1と、この汚水処理装置1の運転開始時及び点検時に空気供給管7に接続される空気供給機とを備える。
【0042】
上記空気供給機は、汚水処理装置1の運転開始時及び点検時には汚水処理装置1に接続され、上記運転開始時及び点検時以外では上記接続が解除されて汚水処理装置1に空気を供給することがない。このため、上記空気供給機の運転にかかるコストを低減することができる。
【0043】
[利点]
当該汚水処理ユニットは、通常の汚水Wの処理では空気の供給を必要としないため、上記空気供給機の運転コストを低減でき、汚水Wの処理をするコストを低減できる。
【0044】
[汚水処理方法]
本発明の別の一実施形態である汚水処理方法は、上記汚水処理ユニットによる汚水Wの処理方法であって、汚水処理装置1を配設する工程と、空気供給管7に上記空気供給機を接続して、少なくとも第一処理槽1及び一又は複数の中間処理槽に空気を供給しつつ、汚水Wを第一処理槽1、一又は複数の中間処理槽、及び最終処理槽5の順に通過させて上記汚水Wの処理を開始する工程と、空気供給管7と上記空気供給機との接続を解除し、上記空気の供給を停止して汚水Wの処理をする工程と、汚水Wの処理を中断して空気供給管7に上記空気供給機を接続し、第一処理槽5、一又は複数の中間処理槽及び最終処理槽5の少なくとも一つに空気を供給して汚水処理装置1の点検をする工程と、上記点検後に空気供給管7と上記空気供給機との接続を解除し、上記空気の供給を停止して汚水Wの処理を再開する工程とを主に備える。
【0045】
[配設工程]
配設工程では、汚水処理装置1を配設する。上記空気供給機は、汚水処理装置1と共に配設されてもよいし、配設されなくてもよい。汚水処理装置1は、主に地中に配設され、汚水Wを汚水処理装置1に供給する汚水供給管と流入口17とが接続され、汚水処理装置1で最終処理された汚水Wが排出される汚水排出管と流出口18とが接続される。
【0046】
[処理開始工程]
処理開始工程は、空気供給管7に上記空気供給機を接続して、第一処理槽2、中間処理槽3,4及び最終処理槽5の少なくとも一つに空気を供給しつつ、汚水Wを第一処理槽2、中間処理槽3,4、及び最終処理槽5の順に通過させて処理を開始する。すなわち、処理開始工程は、配設された汚水処理装置1の運転を開始する工程である。この工程では、複数の処理槽のうち嫌気処理をする処理槽に上記空気供給機から上記空気を供給し、上記嫌気処理用の担体が担持する微生物の活動を促進する。具体的には、汚水処理装置1の空気供給管7の上記一端を上記空気供給機に接続し、空気供給管7の分岐された端部から第一処理槽2と中間処理槽3,4とに空気を供給する。汚水処理装置1が逆洗用散気管81,82,83を有する場合、この逆洗用散気管81,82,83から上記空気が排出されてもよい。
【0047】
処理開始工程における上記空気の供給は必ずしも行う必要はないが、上記空気の供給をしない場合、上記微生物の活動が十分なものとなって汚水Wを水質基準に適合する処理水にできるようになるまでに長い期間を要する。上記空気の供給をして上記微生物の活動を促進することで、汚水処理装置1が、上記空気の供給を受けることなく安定して汚水Wを水質基準に適合する処理水にできる通常運転に移行するまでの期間を短縮することができる。
【0048】
[処理工程]
浄化工程は、空気供給管7と上記空気供給機との接続を解除し、上記空気の供給を停止して汚水Wの処理をする。処理工程は、汚水処理装置1が通常運転をしている状態である。第一処理槽2と中間処理槽3,4とは、上記浄化開始工程で十分な活動ができるようにされた微生物により汚水Wに嫌気処理をする。汚水処理装置1は、好気性微生物で好気処理をする処理槽を有しないため、処理工程(通常運転)では上記空気の供給を必要としない。このため、汚水処理装置1の通常運転では、上記空気供給機を運転するコストが発生しない。なお、「接続を解除」とは、空気供給管7の上記一端と上記空気供給機とが分離された状態のみならず、空気供給管7の上記一端と上記空気供給機とが接続されたままで上記空気供給機による空気の供給が停止している状態をも包含する意味である。
【0049】
[点検工程]
点検工程は、汚水Wの処理を停止して空気供給管7に上記空気供給機を接続し、第一処理槽2、中間処理槽3,4及び最終処理槽5の少なくとも一つに空気を供給して汚水処理装置1の点検をする。点検工程は、法律等で定められた汚水処理装置1の点検と共に行い、又は定期的に若しくは必要に応じて不定期に行ってもよい。なお、汚水Wの処理は、可能であれば停止することなく汚水処理を継続しながらこの点検工程を行ってもよい。
【0050】
点検工程では、エアリフト管6で最終処理槽5の汚水Wを第一処理槽2に還流する。具体的には、上記空気供給機から供給される上記空気を空気供給管7を介してエアリフト管7内に導入し、最終処理槽5の汚水Wをエアリフト管7で吸引して第一処理槽2に排出する。
【0051】
汚水処理装置1が逆洗用散気管81,82,83を備え、点検工程が、逆洗用散気管81,82,83で上記嫌気処理用担体の洗浄をする工程を含むのが好ましい。
【0052】
〔洗浄工程〕
洗浄工程は、逆洗用散気管81,82,83で上記嫌気処理用担体の洗浄をする。具体的には、上記空気供給機から供給される空気を空気供給管7を介して逆洗用散気管81,82,83に導入し、この空気を逆洗用散気管81,82,83が排出して上記担体の付着汚泥を除去する。また、上記排出された空気により上記担体が撹拌され、この撹拌によって上記担体から上記付着汚泥が除去される。
【0053】
[処理再開工程]
処理再開工程は、上記点検後に空気供給管7と上記空気供給機との接続を解除し、上記空気の供給を停止して汚水Wの処理を再開する。処理再開工程は、汚水処理装置1の通常運転を再開する工程である。
【0054】
[利点]
当該汚水処理方法は、処理開始工程及び点検工程にのみ汚水処理装置1に空気の供給がされ、汚水処理装置1の通常運転としての処理工程では上記空気の供給がされない。このため、当該汚水処理方法は、汚水Wの処理をするコストを低減できる。また、当該汚水処理方法は、上記処理開始工程で上記嫌気処理用担体に空気を供給して微生物の活動を促すため、汚水処理装置1の運転開始期間を短縮して比較的短期間で汚水処理装置1を通常運転に移行できる。さらに、当該汚水処理方法は、上記点検工程で、最終処理槽5の汚泥を第一処理槽2に還流するため、汚水処理能力が低下することを抑制することができる。このため、安定して汚水Wを水質基準に適合する処理水にできる。
【0055】
[その他の実施形態]
上記開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0056】
上述の実施形態では、最終処理槽5が、汚水W中の浮遊物質を沈殿させる沈殿部と、汚水Wの上澄みを消毒する消毒部を有するもので説明したが、最終処理槽5が、三次処理された汚水Wを一時的に貯留する貯留部と、上記消毒部とを有してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の汚水処理装置、汚水処理ユニット及び汚水の処理方法は、上述のように、汚水処理を低コストで、安定して行うことができるため、下水の処理施設等として好適に使用される。
【符号の説明】
【0058】
1 汚水処理装置
11,12,13 隔壁
11a,12a,13a 排出口
14,15,16 点検口
17 流入口
18 流出口
2 第一処理槽
21 下面スクリーン
22 上面スクリーン
23 流路
3 中間処理槽(上流側)
31 下面スクリーン
32 上面スクリーン
33 流路
4 中間処理槽(下流側)
41 下面スクリーン
42 上面スクリーン
5 最終処理槽
6 エアリフト管
7 空気供給管
81,82,83 逆洗用散気管
W 汚水
図1
図2
図3