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特許71055133次元変形可能ディスプレイを有する電子装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】3次元変形可能ディスプレイを有する電子装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20220715BHJP
   A63F 9/08 20060101ALI20220715BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20220715BHJP
   G09F 9/40 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
G09F9/00 361
A63F9/08 502A
G09F9/33
G09F9/40 302
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021142554
(22)【出願日】2021-09-01
(62)【分割の表示】P 2019567222の分割
【原出願日】2018-02-15
(65)【公開番号】P2022003391
(43)【公開日】2022-01-11
【審査請求日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】2017106039
(32)【優先日】2017-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(73)【特許権者】
【識別番号】519307768
【氏名又は名称】キュビオス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】オシポフ イリヤ ヴィクトロヴィッチ
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-116893(JP,A)
【文献】中国実用新案第203634799(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0197148(US,A1)
【文献】特表2009-512484(JP,A)
【文献】国際公開第2008/046126(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
A63F 9/08
G09F 9/33
G09F 9/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元変形可能ディスプレイを有する電子装置であって、
1つの中央要素を含み、前記中央要素の周りには、いくつかの周辺要素が配置されており、前記周辺要素のそれぞれは、平坦な面を有し、且つ、前記中央要素との関係において運動可能であり、且つ、前記中央要素を中心として回転可能であり、且つ、それぞれの周辺要素は、その周辺要素の外部面上の少なくとも1つのディスプレイと、前記周辺要素の内部面上の接点群と、を有する、電子装置において、
前記周辺要素内の前記接点群は、磁石から形成され、前記磁石は、隣接する周辺要素の別の接点群の対応する磁石に接続したときに、電気信号をそれらの間において同時に送信しつつ、前記周辺要素と前記隣接する周辺要素とを1つに保持する、ことを特徴とし、
さらに、前記電子装置において、前記各磁石は、内部の空洞と開口部とを規定する対応する座面内に収容されており、前記空洞は、前記磁石の移動を許容しつつ前記磁石を収容する大きさであり、前記開口部は、前記磁石の一部が前記座面から突出することを許容する大きさであり、前記座面は、前記開口部に向かい合う前記磁石の側面に位置し、前記磁石が前記開口部を介して他の周辺要素の磁石と接続したときに前記磁石に電気的に結合する導電性保持構造をさらに含む、 ことを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記磁石は、座面内において設置された、且つ、その中心を中心として回転する能力を有する、ボールとして製造されていることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記座面の前記空洞は、球状の部分を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記磁石は、その中心を中心として回転する能力を有する前記磁石を定位置において保持するカラーにより、前記接点群上において固定されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項5】
前記磁石は、接点として機能する非磁性材料の保護用の電流伝導プレートによってカバーされていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項6】
前記保護用の電流伝導プレートは、真鍮から製造されていることを特徴とする請求項5に記載の電子装置。
【請求項7】
前記座面内の前記導電性保持構造は、強磁性導体からなり、前記導電性保持構造が前記磁石に磁気的に結合している ことを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
【0002】
本発明は、3次元ディスプレイを装備した電子装置のカテゴリに含まれており、電子装置は、1つの中央要素を含み、この中央要素の周りには、いくつかの周辺要素が配置され、周辺要素のそれぞれは、平坦な面を有し、且つ、中央要素との関係において運動可能であり、且つ、中央要素を中心として回転可能であり、且つ、それぞれの周辺要素は、要素の外部面上の少なくとも1つのディスプレイと、上述の要素の内部面上の接点群と、を有し、且つ、装置は、上述の要素の内側に設置された電源に接続されたマイクロプロセッサを装備しており、且つ、教育的な目的及びデータ視覚化の目的のために使用することができる。
【0003】
本明細書においては、以下の用語が使用されており、
・変形可能なディスプレイは、相互の関係においてその位置をシフトする能力を有する、個々の、相対的に小さなサイズのディスプレイから構成されたディスプレイであり、
・周辺要素は、中央要素とは対照的に、装置の外側において配置された、且つ、常に可視状態にある、要素であり、
・周辺要素の外部面は、ユーザーに対向している、周辺要素上の平坦な表面であり、
・周辺要素の内部面は、中央要素に対向していると共に、ユーザーとは反対側を向いた、周辺要素上の平坦な表面である。
【背景技術】
【0004】
現時点において、ディスプレイを装備した様々な電子装置が存在している。これらは、様々な目的のために、具体的には、パズル用途を含む、グラフィカルデータの提示、教育、及びエンターテインメントのために、使用することができる。
【0005】
例えば、本発明の背景は、3次元変形可能ディスプレイを有する既知の電子装置を含み、この電子装置は、1つの中央要素を含み、この中央要素を中心として、いくつかの周辺要素が配置されており、周辺要素のそれぞれは、平坦な面を有し、且つ、中央要素との関係において運動することができると共に、中央要素を中心として回転可能であり、且つ、それぞれの周辺要素は、要素の外部面上の少なくとも1つのディスプレイと、上述の要素の内部面上の接点群と、を有し、且つ、装置は、上述の要素の内側に配置された電源に接続されたマイクロプロセッサを有しており、2013年6月18日付けで公開された米国特許第8465356B2号明細書を参照されたい。
【0006】
その技術的本質において、この装置は、特許請求されている本発明に最も近いものであり、従って、本特許明細書においては、この装置との相違点について説明することとする。
【0007】
この装置の欠点は、周知のルービックキューブ(登録商標)パズルと同様に、すべてのその周辺要素が軸によって中央の要素にリンクされている、という点にあり、この結果、装置は、損耗に晒されている。更には、この装置は、1つ(或いは、可能な限り少ない数の)のマイクロプロセッサしか含んでおらず、従って、プロセッサ又はプロセッサ-ディスプレイコネクタに障害が発生した場合に、完全に機能不能状態となる。まったく同一の方式により、これは、中央要素内において設置された1つの電源しか有しておらず、従って、電源が放電した際にも、装置は、電源が充電される時点まで、動作を停止することになる。
【0008】
これに加えて、この装置が教育的ツール又はゲームツールとして使用され、且つ、装置要素の相対的な位置決めに関する情報が必要とされている場合には、装置は、ジャイロスコープ及び加速度計を必要とすることに留意されたい。これらは、追加的な要素であり、これらの要素は、構造を複雑化させ、且つ、これらにも障害が発生しうる。これらのすべてが、装置の信頼性及び寿命に対して悪影響を及ぼすことになる。
【0009】
更には、この装置の動作は、ディスプレイユニットを装備した装置要素の間におけるデータ交換を必要としている。又、この結果、構造の機械的な複雑さが増大すると共に、接点群の障害の可能性も増大し、且つ、並行的なデータ送信を保証するべく、かなりの数の接点群が存在する必要があり、さもなければ、少数の接続を介したシリアルデータ交換に起因して、装置動作の速度が低下することになる。
【0010】
従って、本発明の背景の問題点は、動作の際の装置の要素の損耗のみならず、その低い信頼性にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の主要な目的は、解決を要する技術上の問題点である、装置の信頼性及び寿命の向上を許容する、3次元変形可能ディスプレイを有する電子装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を実現するべく、それぞれの周辺要素は、独自の電源と接続されたその独自のマイクロプロセッサを装備している。プロセッサ及び電源は、その周辺要素の内側において配置されており、且つ、要素の接点群は、磁石によって形成され、これらの磁石は、電子信号を要素の間において同時に送信しつつ、隣接する周辺要素を1つに保持する可能性を保証するような方式によって製造されている。
【0013】
これらの有利な選択肢に起因して、磁力の作用にのみ起因して1つに接続された個々の静止型要素から構成された構造である、なんらかの軸又は損耗する可動部品を伴うことのない装置を製造する新しい可能性が実現されている。
【0014】
磁石がボールとして製造され、これらのボールが、球状座面内において配置され、且つ、その中心を中心として回転しうる、本発明の一選択肢が存在している。
この有利な特徴により、磁石は、個々に回転することが可能であり、且つ、その空間的向きを必要とされている極性とマッチングさせることが可能であり、これにより、別の要素の磁石とのそのやり取りが保証される。
【0015】
本発明の別の選択肢は、磁石がその中心を中心として回転することを許容しつつ、磁石を定位置において保持するカラーにより、接点群上において固定されたボールとして磁石が製造される構造である。
【0016】
この有利な特徴は、個々に回転すると共に、その空間的向きを別の要素の磁石とのやり取りのために必要とされる極性との間においてマッチングさせる代替的な可能性を磁石に対して提供している。
【0017】
提案されている本発明の重複証拠については、本発明の背景における類似目的の装置において未知である。この結果、本発明は、新規性の基準に準拠していると結論付けることが可能である。構造的要素を1つに保持するためのみならず、電気信号をも送信するための磁石の使用は、磁極の正しい自動的な方向付けと共に、本解決策が、当業者には自明で
ないことを示しており、その結果、この事実は、本発明が「発明のレベル」基準にも準拠していることを実証している。
【0018】
本発明のその他の別個の特徴及び利点については、以下の添付の図面を参照して、限定ではなく、例示を目的として提示されている以下の説明を参照することにより明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明による3次元変形可能ディスプレイ(2×2×2の選択肢、静的モード)を有する電子装置の概略図を示す。
図2】本発明による3次元変形可能ディスプレイ(2×2×2の選択肢、変形(再位置決め)モード)を有する電子装置の概略図を示す。
図3】本発明による中央要素を示す、部分的に切除された3次元変形可能ディスプレイ(2×2×2の選択肢)を有する電子装置の概略図を示す。
図4】本発明による電子装置の1つの周辺要素の概略図を示す。
図5】本発明による電子装置の1つの周辺要素の機能方式を示す。
図6】本発明による電子装置の周辺要素のコネクタの断面図を示す。
図7】本発明による電子装置の実装形態の可能な一変形の概略図を示す。
図8本発明による選択肢用の電子装置の周辺要素のコネクタの断面図を示す。
図9本発明による選択肢用の電子装置の周辺要素のコネクタの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1図7によれば、3次元変形可能ディスプレイを有する電子装置は、中央要素(1)と、その周りに配置されたいくつかの周辺要素(2)と、を含み、周辺要素は、平坦な面(21)を有し、且つ、中央要素1との関係において運動可能となるように、且つ、中央要素1を中心として回転しうるように、製造されている。
【0021】
それぞれの周辺要素2は、要素の外部面(211)上の少なくとも1つのディスプレイ(3)と、この周辺要素の内部面(212)上において配置された接点群(4)と、を有する。
【0022】
それぞれの周辺要素2は、独自の電源(6)に接続されたその独自のマイクロプロセッサ(5)を有する。マイクロプロセッサ5及び電源6は、周辺要素2の内側において配置され、且つ、周辺要素2の接点群4は、磁石41によって形成されており、これらの磁石は、電気信号を要素の間において同時に送信しつつ、隣接する周辺要素を1つに保持することを可能にしている。
【0023】
例えば、磁石41は、4つの電気コネクタとして機能することが可能であり、これらの電気コネクタの第1のコネクタは、接地コネクタであり、第2のコネクタは、+5V電圧のコネクタであり、且つ、第3及び第4のコネクタは、データ受信及び送信用のシリアルポートである。接点群の実装のこの例においては、コネクタの選択肢は、異なるものであってもよく、具体的には、これらの一部は磁気的であるが、それ以外は非磁気的であってもよい。データ交換接続は、シリアルプロトコルのみではなく、異なるデータプロトコルを使用することもできる。
【0024】
一般的なケースにおいては、接点の数は、異なるものにすることができる。
磁石41は、球状座面42内において配置されると共に、その中心を中心として回転しうるボールとして製造することができる。
【0025】
図5は、磁界の方向(N及びSという文字を有する矢印)を概略的に示している。磁気ボールは、自由に方向付けされる、ことがわかる。このような磁気ボールに、別の周辺要素内において設置された別の磁石が接近するや否や、両方のボールは、球状座面42内に
おいて回転し、これにより、互いにやり取りし、且つ、その反対の極が、吸引され、且つ、個々の要素を1つに保持することになる。磁石は、電流伝導材料から製造されていることから、電流が1つの要素から別の要素に流れることができる。形成された電気回路は、周辺要素の間における電圧及びデータの送信を許容している。
【0026】
一般的なケースにおいては、磁石を伴うことなしに、或いは、直接的な接続において、接地コネクタを中央要素に接続することができる。
磁石の直径は、球状座面42の直径よりもわずかに小さくなっており、即ち、形成されたギャップが、磁石41がマッチングする要素に向かって前方に運動することを許容しており、この結果、周辺要素の間の不安定なギャップの問題が除去されることを強調しておきたい。
【0027】
一般的なケースにおいては、球状座面42は、例えば、磁石を周辺要素上において固定しつつ、磁石が自由回転することを許容する、カラー43などの、特別な固定要素によって交換することができる(図6を参照されたい)。
【0028】
一般に、装置は、任意の形状を有することが可能であるが、好ましくは、3次元多面体の形状であり、この種類の典型的な代表が、平行六面体であり、好ましくは、立方体である。装置は、異なる量の周辺要素から構成することができる。
【0029】
組立が完了した装置の概略的な形態の主な変形は、
・2×2×2の立方体(8個の周辺要素)、
・3×3×3の立方体(26個の周辺要素)、
・4×4×4の立方体(56個の周辺要素)、
・異なる量の周辺要素(2×2×3、2×3×3など)を有する平行六面体、
・複雑な形状を有するプリズム、
・台形面を有する多面体、
である。
【0030】
様々な変形は、異なる量のディスプレイを有することが可能であり、その理由は、変形が存在しうるからであり、これらの変形においては、2×2×2のケースにおけるように、或いは、3×3×3のケースにおけるように、すべての周辺要素が同一であるか、周辺要素が、同一ではなく、隅の要素(それぞれが3つのディスプレイを有する)と辺の要素(2つのディスプレイを有する)とにサブ分割されている。対応する方式により、このような周辺要素は、異なる量の内部面を有することができる。
【0031】
一般的なケースにおいては、周辺要素は、オーディオソース、マイクロフォン、及びLEDを含む、更なる電気コンポーネントを有することができる。
発明の実装形態
本明細書において提示されている3次元変形可能ディスプレイを有する電子装置の動作の例は、すべてを網羅するものではあるが、本発明の可能な適用を制限するものではないという事実が許容されている。
【0032】
マイクロプロセッサ及び電源(充電式電池)は、それぞれの周辺要素内において設置され、且つ、要素の外部面上のディスプレイに接続されている。従って、それぞれの周辺要素は、自律的な個別の装置である。接点磁石を介して類似の周辺要素に磁気的に接続されることにより、このような要素は、同期化され、且つ、共通画像を表示する一体的なシステムとして動作することができる。
【0033】
従って、1つの一体的な電子装置を組み立てることが可能であり、この装置は、1つの
共通画像を個々のディスプレイの組の上部において表示することも可能であり、或いは、例えば、要素面あたり1つの画像などのように、いくつかの異なる個別画像を表示することもできる。
【0034】
このような電子装置の重要な一特徴は、その可動性にあり、即ち、装置全体の全般的な形状が保持された状態において、その位置を変更すると共に、新しい位置において固定される、個々の周辺要素の能力である(一般的なケースにおいては、全般的な形状でさえ、変形させることができる)。
【0035】
個々の周辺要素が運動した際に、隣接する要素の磁石は、引き離れ、且つ、新しい位置において再接続される。磁石及び磁気コネクタは、構造を特定の位置において保持するが、これに加えて、周辺要素のやり取りのための電気回路を生成することにより、要素の間における電圧及びインターフェイス信号の送信を保証している。
【0036】
構造の中心において設置されている中央要素は、例えば、鋼のボールとして製造することができる(一般的なケースにおいては、中央要素の形状及び材料は、異なってもよい)。これは、自身を中心として回転する周辺要素のための内部支持部として機能する。
【0037】
この状態において、1つの周辺要素の内部面が別の周辺要素の類似の内部面に近接するように運動した際に、接近する接点群の磁界の影響を受けたボール磁石は、回転し、且つ、その極性(SN/NS)に従って互いに吸引され、これにより、電気回路を形成する。この状況は、ボール磁石の同一の極が互いに対向している際には(SS/NN)、不可能であり、その理由は、ボールが、堅固に固定されず、且つ、その座面内において回転しうるからである。
【0038】
堅固に固定された磁石と自由回転しうる磁石とを同時に使用することができる。このケースにおいては、中央ボールとの磁気的接続を保証するべく、固定された磁石を使用することができる。
産業上の利用可能性
3次元変形可能ディスプレイを有する電子装置は、当業者によって実際に実装することが可能であり、且つ、実装されることにより、記述されている目的の実現を保証しており、この結果、本発明が「産業上の利用可能性」基準に準拠していると結論付けることが可能である。
【0039】
提案されている本発明に従って、3次元変形可能ディスプレイを有する電子装置の2×2×2のプロトタイプが、製造済みであり、且つ、自身を取り囲む8個の同一の周辺要素を有する中央ボールを有する。周辺要素のそれぞれは、3個のディスプレイを有する。
【0040】
3次元変形可能ディスプレイを有する電子装置のプロトタイプの試験は、
・電子装置が、個々の周辺要素が容易に運動することを許容しており、
・電子装置が、周辺要素の確実な機械的接続を保証しており、且つ、
・電子装置が、周辺要素の確実な電気的接続を保証している
ことを示した。
【0041】
従って、本発明は、記述されている目的、即ち、装置の信頼性及び寿命の改善、を実現している。
提案されている本発明の更なる有用な技術的結果は、本発明が、
1.その新規性に起因して魅力的な新しいゲーム空間として、
2.ゲームプレーヤーの空間的なインテリジェンス及び認識的なスキルを開発するためのツールとして、
3.新しい電子メール、インスタントメッセージや、通貨レート、株価、天気予報、ローカル劇場における映画の時間に関する情報などに関する通知を表示しうる新しいデジタルデスクトップ装置として、
4.異なる情報を異なるユーザーに表示しうる装置として(例えば、顧客と企業の従業員がテーブルにおいて折衝しており、且つ、装置の反対側の面を観察している際の状況)、
使用されうるという点にある。
追加
これに加えて、本出願は、国際出願の提出の時点において追加された、且つ、優先権出願においては開示されていなかった、以下のような、装置の可能な仕様、即ち、磁石が、接点として機能する、非磁性材料から製造された保護用の電流伝導プレートによってカバーされる、という本発明の一選択肢、を開示する。
【0042】
この有利な選択肢に起因して、磁気ボールの自由な方向付けを許容する代替が出現する。このケースにおいては、上述のプレートは、磁石を外側においてカバーしており、且つ、(図6のような)3つから1つに、対をなす接触表面の数を低減することにより、高品質な接続を保証している。プレート自体が導体として機能している一方で、磁気ボールは、自己方向付け磁石であるに過ぎない。
【0043】
本発明には、保護用の電流伝導プレートが真鍮から製造される、という、可能な一選択肢が存在している。
電流伝導プレートの製造用の特定の材料の選択肢は、以上において規定されている有利な特性によって決定される。
【0044】
本発明の別の選択肢では、周辺要素の内側の磁石が、周辺要素に接続された強磁性導体によって制限される。
この有利な選択肢に起因して、接触の瞬間に、強磁性導体が、磁気ボールの極のうちの1つにおいて配置されることになる、可能性が出現する。このポイントは、最強の磁気吸引を保証しており、且つ、従って、最良の可能な接触を保証している。これは、最も長く持続する設計選択肢のうちの1つである。
【0045】
これに加えて、本説明は、以下の2つの新しい図によって補完され、
図8は、本発明による、選択肢用の電子装置の周辺要素のコネクタの断面図であり、この場合に、磁石は、接点として機能する非磁性材料の保護用の電流伝導プレートによってカバーされており、且つ、
図9は、本発明による、選択肢用の電子装置の周辺要素のコネクタの断面図であり、この場合に、周辺要素の内側の磁石は、周辺要素に接続された強磁性導体によって制限されている。
【0046】
図中の表記は、以下のとおりであり、
44は、非磁性材料の電流伝導プレートであり、且つ、
45は、強磁性導体である。
【0047】
図8から、この選択肢は、プレート44が磁気ボールを外側においてカバーしている状態において、磁気ボール41自体の自由な方向付けが許容され、これにより、接触表面の数が(図6のような)3つから1つに低減され、且つ、接続の品質が改善される、という利点を保証していることがわかる。プレート(44)自体は、導体として機能しており、且つ、ボール41は、自己方向付け磁石としてのみ、必要とされている。
【0048】
図9は、強磁性導体45が、ボール41とは反対の側に配置されていることを示してい
る。この選択肢の利点は、接触の瞬間に、強磁性導体45が磁気ボール41の極のうちの1つにおいて配置されることである。このポイントにおいては、最強の磁気吸引と、従って、最良の可能な接触と、が保証されている。
【0049】
図8及び図9の選択肢は、図6に示されている選択肢との比較において、その消費者性能の観点において、相対的に良好である。図8の選択肢は、相対的に良好な電気接触の品質を有しており、且つ、図9の選択肢は、プレート44が損耗に晒されている、という事実に起因して、相対的に長い寿命を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9