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特許7105561酸性濃縮物による消毒と脱灰との組み合わせを含む体外血液処理装置における後処理および処理サイクルの準備の方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】酸性濃縮物による消毒と脱灰との組み合わせを含む体外血液処理装置における後処理および処理サイクルの準備の方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/16 20060101AFI20220715BHJP
【FI】
A61M1/16 185
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017240711
(22)【出願日】2017-12-15
(65)【公開番号】P2018118033
(43)【公開日】2018-08-02
【審査請求日】2020-11-27
(31)【優先権主張番号】10 2016 124 626.3
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517289480
【氏名又は名称】ベー・ブラウン・アヴィトゥム・アー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】B. BRAUN AVITUM AG
【住所又は居所原語表記】SCHWARZENBERGER WEG 73‐79, 34212 MELSUNGEN, BUNDESREPUBLIK DEUTSCHLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】カイ‐ウーヴェ・リッター
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5078967(US,A)
【文献】特開2016-182377(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0217020(US,A1)
【文献】特表平9-503417(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第19749875(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0256582(US,A1)
【文献】特開2001-161811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00 - 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体外血液処理用装置における後処理および処理サイクルの準備の方法であって、
流体システムの、消毒と脱灰、および化の処理工程を行うことが可能である方法であって、
前記流体システムの消毒と脱灰の処理工程が、酸性濃縮物を使用して統合処理工程にお
いて同時に実行され、そして
前記流体システムの浄化の処理工程が重炭酸塩溶液を使用して行われ
前記流体システムの前記浄化の処理工程が、下記の部分処理工程、
前記重炭酸塩溶液を吸入する工程、
前記重炭酸塩溶液を少なくとも50℃まで加熱して循環する工程、
前記重炭酸塩溶液を循環する工程、及び
前記重炭酸塩溶液を洗い流す工程、をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記消毒と脱灰の統合処理工程が、以下の部分処理工程、
前記酸性濃縮物を吸入する工程、
前記酸性濃縮物を加熱し循環する工程、
前記酸性濃縮物を循環する工程、及び
前記酸性濃縮物を洗い流す工程、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記酸性濃縮物を吸入する部分処理工程において、有効必要量の酸性濃縮物が吸入され
ることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記酸性濃縮物を加熱し循環する部分処理工程において、前記酸性濃縮物は少なくとも
80℃にまで加熱されることを特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記酸性濃縮物を加熱し循環する部分処理工程において、前記酸性濃縮物は85℃以上
にまで加熱されることを特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
【請求項6】
前記酸性濃縮物を加熱し循環する部分処理工程において、前記酸性濃縮物は略沸点にま
で加熱されることを特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
【請求項7】
前記酸性濃縮物を循環する部分処理工程が、有効必要循環時間行われることを特徴とす
る請求項2~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記酸性濃縮物を洗い流す部分処理工程は、所定の限界値に達するまで行われることを
特徴とする請求項2~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記重炭酸塩溶液を吸入する部分処理工程において、有効必要量の重炭酸塩溶液が吸入
されることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記重炭酸塩溶液を加熱して循環する部分処理工程において、前記重炭酸塩溶液は85
℃以上にまで加熱されることを特徴とする請求項又はに記載の方法。
【請求項11】
前記重炭酸塩溶液を加熱して循環する部分処理工程において、前記重炭酸塩溶液は略沸
点にまで加熱されることを特徴とする請求項又はに記載の方法。
【請求項12】
前記重炭酸塩溶液を循環する部分処理工程は、有効必要循環時間行われることを特徴と
する請求項1又は9~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記重炭酸塩溶液を洗い流す部分処理工程は、所定の限界値に達するまで行われること
を特徴とする請求項1又は9~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
更に、洗い流しの処理工程、及び充填の処理工程を含み、
前記充填の処理工程は、次の処理サイクルの開始前の最後の処理工程として透析溶液に
よって行われ、ここで、の処理サイクルが前記充填の処理工程の直後に続
かない場合には、前記流体システムが酸性濃縮物で充填され、該酸性濃縮物が前記流体シ
ステム内に保持され、そして前記流体システムが次の処理サイクルの開始の直前に洗い流
され、透析溶液で充填されることを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の方
法。
【請求項15】
さらなる処理サイクルが行われなかった所定の時間間隔を超えた後、前記消毒と脱灰の
処理工程が次の処理サイクルの開始前に反復実行されることを特徴とする請求項14に記
載の方法。
【請求項16】
前記酸性濃縮物が、酢酸塩および/又はクエン酸塩の一部を含むことを特徴とする請求
項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載
本発明は、二つの処理サイクル間で、体外血液処理装置(例えば、透析装置)において、消毒、脱灰および浄化作業を効率よく実施する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
透析センターにおいては、体外血液処理のための複数の装置が、複数の患者のために連続的に使用され、そのため、二つの処理サイクル間で、二人の患者間で菌が広がることを防止するために、体外血液処理装置用装置に対して消毒処理を行う必要がある。
【0003】
技術現況
体外血液処理装置を次の患者のために使用可能とするために今日使用されている一般的方法は、透析溶液回路の熱間消毒である。従って、前記装置と、その透析溶液回路とは、それぞれ約85℃の温度になるまで加熱され、その後、様々な流路を消毒剤によってすすぐ消毒工程が行われ、最後に、装置が洗い流され、冷却される。そのようなプロセスは全体で最大40分間かかる。消毒処理中、前記装置を使用することはできないので、消毒処理の所要時間が二つの処理サイクル間に必要とされる時間に対する決定的要因となっている。
【0004】
一般的な透析処理は、重炭酸塩と酸性濃縮物とを使用して行われる。重炭酸塩の使用は、機械の石灰化に寄与するので、後者を定期的に脱灰する必要がある。脱灰のための通常の手段は、消毒剤へのクエン酸の添加であって、これは、「クエン酸熱消毒(citrothermal disinfection)」としても知られ、それは一つの工程での消毒と脱灰の統合解決手段という利点を提供する。
【0005】
しかしながら、高温のクエン酸を使用することによってステンレス鋼の腐食が生じることから、その利用のためには、高価な高品質スチールを使用することが必要とされる。更に、クエン酸は無害ではなく、クエン酸は粘着性と腐食性を有するので、家庭での透析を利用する患者にとって取り扱いが困難である。通常、クエン酸を含む容器は体外血液処理装置に接続されたままにされるが、それによって、処理サイクル中にクエン酸が吸入されることのないように、前記装置内において複雑な追加的保護手段を講じることが必要である。
【0006】
脱灰のもう一つの公知の方法は、酸性濃縮物による洗い流しであって、これは「スケール除去」(descaling)とも呼ばれている。このためには、約200mlの酸性濃縮物を体外血液処理装置によって吸入し、流体回路を通して非希釈状態でポンプ送りする。透析溶液回路の加熱は不要であるので所要時間は短縮される。
【0007】
しかしながら、消毒と脱灰の処理工程のために一種類以上の化学物質が必要であることは、材料と廃棄処理のコスト増大に関連する。更に、化学物質の取り扱いは容器の交換によって妨げられる。透析装置において、脱灰剤は、例えば、透析容器混合物の酸性成分の吸入に使用される濃縮物吸入ロッドを介して吸入されるが、これによってサイクルの自動化は不可能となる。更に、複数種の脱灰剤において、導電率(conductivity)は、透析溶液混合物のために必要な酸性濃縮物の範囲内であり、それにより、不注意により誤って接続された容器によるエラーは必ずしも気づかれないことがある。
【0008】
透析処理中に血液から物質を除去することによって、透析溶液ドレン側で汚染が生じる可能性があり、従って、流体システムを定期的に浄化する必要がある。汚染物を除去するための一般的手段は、次亜塩素酸塩溶液(hypochloride solutions)又は過酢酸である。しかし、各処理サイクル後の浄化は不要である。炭酸ナトリウムを浄化剤として利用する浄化カートリッジが、体外血液処理のための浄化装置用の現在の一般的手段である。
【0009】
浄化と脱脂の処理工程中に塩素系浄化剤を使用することは、その攻撃性により、使用済み透析溶液フィルタの頻繁な交換を必要とし、例えば、一般的なフィルタでは、最大で10回の精製サイクルに耐えることができる。前記脱灰剤と同様、いくつかの消毒剤についても、導電性は透析溶液混合物のために必要な酸性濃縮物の範囲内であり、それにより、不意に誤って接続された容器でのエラーは必ずしも気づかれないことがある。
【0010】
浄化カートリッジを使用する時、各使用に対して、その実際の汚染と無関係に、同量のソーダが使用される。他方、これによって、排水に不要な負荷がかかり、又、使い捨て品としての浄化カートリッジも排水の量の増大に関連する。更に、作動コンポーネントの追加は、体外血液処理装置の使用者にとって取り扱いの邪魔となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
発明の簡単な説明
従って、本発明の課題は、体外血液処理装置の後処理および処理サイクルの準備における、公知の消毒、脱灰および浄化処理の前述した諸問題を、材料、時間、およびコストの観点において効率的で、環境に優しく、完全な処理サイクル準備処理を提供することによって解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に依れば、前記課題は、請求項1の特徴構成の組み合わせによって達成される。本発明の好適な発展構成は従属請求項の発明である。
【0013】
従って、本発明の主要概念は、汚染および/又は化学残留物によって、準備すべき処理サイクルの安全性を制約することなく、攻撃的な物質の使用と、多大な注意を必要とする処理工程を無くすことにある。これは、一般的な透析溶液混合物を調合するための装置内に既に存在する化学物質を適切に利用し、それによって、体外血液処理装置上での効率的な処理を可能にする本発明によって容易となる。換言すると、体外血液処理装置の流体システム/透析溶液回路において、そのような装置のユーザ、例えば、臨床スタッフ、又は家庭用透析を使用する患者の危険と、前記装置およびフィルタの材料摩損とが、マイルドで危険の無い化学物質の代用によって回避される、低化学物質含有率の環境に優しい材料の完全な処理サイクル準備プロセスが実行される。ここで、流体システムとは、透析溶液回路のための使用される、すべてのチューブおよび配管接続部、即ち、透析溶液成分および/又は追加の化学物質のための入口と出口を有する流体回路、を意味する。
【0014】
具体的には、必要に応じて、その後に重炭酸塩による浄化のための第2処理工程が行われる第1処理工程での消毒と脱灰の組み合わせのために、透析溶液を混合するためにも使用される酸性濃縮物が使用される。従って、消毒と脱灰の第1処理工程を、浄化の処理工程によって捕捉して、完全な処理サイクルフォローアップ処理を構成する。その後、前記装置を次の処理サイクル用の初期状態にリセットするために、流体システムに、透析溶液又は高純度水(浸透水)を満たし、それによって以後の処理サイクルのための準備処理を完了する。
【0015】
全体として、本発明による利点は、一つの処理工程で消毒と脱灰を並行して行うことによって、これら両方の個々の処理工程を実行するために必要な時間が削減されることによって達成される。さらに、必要とされる化学物質の数が減少する。ユーザにとっては、一つの化学物質容器を提供するだけでよく、消毒/脱灰の処理工程中にこの容器を交換する必要がないので装置の取り扱いが確実に簡便化される。更に、その酸性濃縮物に酢酸塩および/又はクエン酸塩(クエン酸)の一部を含ませることができる酸性濃縮物は、通常、既に装置に接続済みである。
【0016】
重炭酸塩によるその後の浄化も、通常、透析溶液を混合するために使用される重炭酸塩が装置に既に接続されており、ユーザが化学物質を追加供給する必要が無い点において明確な改善に寄与する。こうして、全体として、キャニスタやカートリッジといったプラスチック廃棄物の量が確実に減少し、蓄積する化学廃棄物により生じた廃棄処理コストも減少する。好ましくは、前記酸性濃縮物は、クエン酸の一部を含む。クエン酸は、酢酸と比較して、良好な石灰溶解性を示す。従って、酢酸部分とクエン酸部分とを含む酸性濃縮物は、純粋な酢酸塩酸性濃縮物よりも脱灰のためにより好適である。
【0017】
前記課題は、体外血液処理装置における後処理と処理サイクルの準備の方法であって、消毒と、脱灰と、浄化と、水洗いと、流体システムの充填との処理工程を行うことが可能であり、充填の処理工程が、次の処理サイクルの開始前の最後の処理工程として、透析溶液又は高純度水によって行われる方法によって達成される。本発明に依れば、流体システムの消毒と脱灰の処理工程は、酸性濃縮物の使用によって一つの統合された処理工程で同時に行われ、および/又は、前記流体システムの浄化処理工程は、重炭酸塩溶液の使用によって行われる。
【0018】
換言すると、前記課題は、流体システムが消毒され、脱灰され、オプションとして浄化され、オプションとして水洗いされ、その最後の工程において透析溶液によって充填される、処理工程の後処理および処理サイクルの準備のための二つの処理サイクル間で行われる、体外血液処理装置のための方法であって、前記消毒と脱灰とが酸性濃縮物によって同時に行われ、浄化が重炭酸塩溶液によって行われる方法によって達成される。有利には、前記酸性濃縮物の使用は、二つの必須処理工程のために同等に役立ち、それによって、流体システムの消毒と脱灰に必要な時間が確実に削減される。同様に、消毒と脱灰の統合は、化学物質の節約も意味する。前記酸性濃縮物は、ほとんど攻撃性がなく、ステンレス鋼に対して材料に対して優しい。消毒と脱灰との間で容器を交換する必要が無いので、作業を容易に自動化することができ、更に、それには流体システムの単純化も伴う。酢酸塩とクエン酸塩は環境に優しい物質であって、堆積する石灰と結合して酢酸カルシウム、クエン酸カルシウムにそれぞれ変化させ、同時に、炭酸を生成し、従って、容易に洗い流すことが可能である。浄化剤である重炭酸塩は体外血液処理装置の利用のために予め提供されるものであり、従って、別の化学物質を提供することを無くする。溶解した重炭酸塩はアルカリ性であり、従って、大半のスチールおよびプラスチック材料と非常に適合性が高く、その結果、透析溶液フィルタを極めて長期間、保存、使用することができる。
【0019】
好ましくは、前記消毒と脱灰との統合処理工程は、前記酸性濃縮物を吸入する部分処理工程と、前記酸性濃縮物を加熱して循環させる部分処理工程と、前記酸性濃縮物を洗い流す部分処理工程とを含む。前記酸性濃縮物を吸入する部分処理工程において、有効必要量の酸性濃縮物が吸入される。
【0020】
前記有効必要量の酸性濃縮物は、石灰化を溶解し、更に、前記流体システムを消毒するために必要な量に対応する。石灰化の傾向は、重炭酸塩の比率と酸性濃縮物に対するその酢酸塩部分および/又はそのクエン酸塩部分の質に相関するので、前記必要量は、前の処理時間と、その処理用に調節された透析溶液組成物とに依存する。前記吸入量は、前記濃縮物、混合比、使用される重炭酸塩/濃縮物比、および先行透析時間、によって設定することができる。前記必要量は、テーブルを介してユーザ自身によって設定し、装置制御部に入力することができ、或いは、装置制御部によって自動的に計算し適用することも可能である。従って、先行処理サイクルの諸条件と無関係に、酸性濃縮物の消費を可能な限り低く維持しながら、各処理サイクルのために必要な量を提供することが可能である。
【0021】
更に、前記酸性濃縮物を加熱し循環する前記部分処理工程は、好ましくは、少なくとも80℃まで加熱して、好ましくは少なくとも85℃まで加熱して、或いは可能な場合には更に高温で行われる。消毒は高温で行われる。加熱によって、イオンの解離の増加に伴って、前記酸性濃縮物のpH値は更に低下する。殺菌のためには、酸性濃縮物のpH値が可能な限り低いことが望ましく、低温状態では、それは1.8~2.5、通常は、2.0~2.3、但し少なくとも1~3の範囲である。
【0022】
更に好ましくは、前記酸性濃縮物を循環させる前記部分処理工程は、有効必要循環時間、行われる。
【0023】
先行処理サイクルの時間と、最近使用された透析溶液組成物の石灰化傾向とに応じて、前記酸性濃縮物を循環させる前記部分処理工程のために、完全な消毒と脱灰とを確保するために最小時間が必要とされ、ここで、特に、酸、酢酸塩、クエン酸塩のそれぞれに対する重炭酸塩の比率が特に重要である。前記必要時間は、前記装置制御部によって自動的に計算され適用されるか、或いは、テーブルを介してユーザによって設定し、装置制御部に入力することができる。必要時間を事前に計算することによって、この部分処理工程を、最適時間で実行することが可能となり、その結果、完全な消毒と脱灰を得ることができ、それと同時に、必要以上の時間とエネルギを費やすことが不要となる。特に好ましくは、前記酸性濃縮物を洗い流す部分処理工程は、所定の時間に到達するまで実行される。
【0024】
前記洗い流し媒体中の前記酸性濃縮物の部分、通常は、高純度水は、前記洗い流し媒体-濃縮物混合物の導電性(conductivity)によって測定され、それより、前記洗い流し媒体中において濃縮物限界に達したことを、導電性の限界に達したことによって判定される。前記洗い流し時間を限界への到達に結合させることによって、個々の処理サイクル後に、先行処理時間と透析溶液組成物とは無関係に、酸性濃縮物の残り量が最大許容限界よりも低くなり、同時に、完全な消毒と脱灰のために必要なものよりも多くの洗い流し媒体、時間およびエネルギを費やす必要が無くなるようにすることが保証される。
【0025】
好ましくは、前記浄化の方法工程は、前記重炭酸塩溶液を吸入する部分処理工程と、前記重炭酸塩溶液を加熱し循環する部分処理工程と、前記重炭酸塩溶液を循環する部分処理工程と、前記重炭酸塩溶液を洗い流す部分処理工程、とを含む。前記重炭酸塩溶液を吸入する前記部分処理工程において、有効必要量の重炭酸塩溶液が吸入される。
【0026】
前記浄化の処理工程は、処理サイクルのために流体システムを準備する各方法において実行することは必須ではない。重炭酸塩の有効必要量は、前記流体システム中での血液処理中に形成された、脂質等の汚染物質を溶解するために必要な量に対応する。前記重炭酸塩の必要濃度は、最近の浄化以後に経過した処理の時間に依存する。前記吸入量は、装置制御部によって自動的に計算し、適用することも可能であるし、ユーザによって装置制御部に入力することも可能である。重炭酸塩の必要量を設定した後、この重炭酸塩は重炭酸塩溶液としてポンプによって吸入され、必要な混合比にされて、流体システムに供給される。従って、汚染の程度に関わらず、重炭酸塩の消費を可能な限り低く保ちつつ、完全な浄化を確保することができる。
【0027】
前記重炭酸塩溶液を加熱し循環させる前記部分処理工程において、更に、前記重炭酸塩溶液を少なくとも50℃まで加熱することが好ましい。
【0028】
50℃からの温度において、重炭酸塩は水と二酸化炭素とソーダとに分解する。ソーダは浄化作用を有し、脂質を溶解する。より高い温度では、前記浄化および脱脂作用は更に増加するので、前記重炭酸塩溶液は85℃まで加熱することが好ましく、特に、当該重炭酸塩溶液の沸点の直ぐ下で、可能な限り高い温度にまで加熱することが好ましい。
【0029】
特に好ましくは、前記重炭酸塩溶液を循環させる前記部分処理工程は、有効必要循環時間行われる。
【0030】
その間に浄化が行われない先行処理時間に応じて、前記重炭酸塩溶液を循環させる前記部分処理工程には、完全な浄化と脱脂を確保するための最小時間が必要とされる。この必要時間は、装置制御部によって自動的に計算し、適用することも可能であるし、ユーザによって装置制御部に入力することも可能である。必要時間を予め計算することによって、この部分処理工程を、完全な浄化と脱脂を得ることができ、かつ、同時に、必要以上の時間とエネルギを費やす必要がないように、最適時間、実行することが可能となる。
【0031】
更に好ましくは、前記重炭酸塩溶液を洗い流す前記部分処理工程は、所定の限界に達するまで行われる。
【0032】
前記洗い流し媒体、通常は高純度水中の前記重炭酸塩の部分は、前記洗い流し媒体-重炭酸塩混合物の導電性を介して測定され、それにより、前記洗い流し媒体中の重炭酸塩限界に達したことが、導電性の限界に達したことによって判定される。前記洗い流し時間を限界への到達に結合させることによって、その間に浄化が行われない先行処理時間後に、重炭酸塩の残り量が最大許容限界よりも低くなり、同時に、完全な脱脂と浄化のために必要なものよりも多くの洗い流し媒体、時間およびエネルギを費やす必要が無くなる、ようにすることができる。
【0033】
好ましくは、次の処理サイクルが前記処理の直後に行われない場合、前記流体システムは、酸性濃縮物で充填され、当該酸性濃縮物は、前記流体システム内に保持され、前記流体システムは、次の処理サイクルの開始の直前に水洗いされて、透析溶液で充填される。
【0034】
有利には、前記酸性濃縮物は、ステンレス鋼とプラスチック材料に対するその材料適合性により、極めて長い時間、前記流体システム内に保持されることができる。これは、低pHによって、水での充填と比較して、菌の成長を確実に低減するように、装置の休止時間が極めて長い場合、例えば、一晩、又は週末を挟む時間、である場合に特に有利である。次の処理サイクルの開始前に、前記酸性濃縮物は高純度水によって流体システムから洗い流され、その後、それは透析溶液で満たされ、次の処理サイクルのための初期状態にリセットされる。
【0035】
更に好ましくは、更なる処理サイクルが行われない所定の時間間隔を超えた後、次の処理サイクルの開始前に、消毒と脱灰のための前記処理工程が反復して実行される。
【0036】
これは、極めて長い休止時間おいて生じる菌の成長が前記消毒および脱灰の処理工程の反復実行によって除去され、次の処理サイクルを菌による汚染無く行うことが可能となるという利点を提供する。この消毒と脱灰の処理工程の反復実施の必要性は、装置制御部によって自動的に判定してユーザに示すか、もしくは、ユーザによってモニターすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1a図1aは、消毒と脱灰の処理工程の部分処理工程のフローチャートを示している。
図1b図1bは、浄化の処理工程の部分処理工程のフローチャートを示している。
図2図2は、浄化の処理工程の加熱と循環の部分処理工程における加熱作業の略図を示している。
図3a図3aは、二つの処理サイクル間での、体外血液処理装置における後処理と処理サイクルの準備の方法の第1変形性を示している。
図3b図3bは、二つの処理サイクル間での、体外血液処理装置における後処理と処理サイクルの準備の方法の第2変形性を示している。
図3c図3cは、二つの処理サイクル間での、体外血液処理装置における後処理と処理サイクルの準備の方法の第3変形性を示している。
図3d図3dは、二つの処理サイクル間での、体外血液処理装置における後処理と処理サイクルの準備の方法の第4変形性を示している。
図4a図4aは、二つの処理サイクル間において極めて長い休止時間が計画されている場合における、二つの処理サイクル間での、体外血液処理装置における後処理と処理サイクルの準備の方法の第1変形性を示している。
図4b図4bは、二つの処理サイクル間において極めて長い休止時間が計画されている場合における、二つの処理サイクル間での、体外血液処理装置における後処理と処理サイクルの準備の方法の第2変形性を示している。
【発明を実施するための形態】
【0038】
好適実施例の詳細説明
以下、本発明を、添付の図面を参照して、好適実施例によって詳細に示す。
【0039】
図1aは、消毒と脱灰の処理工程の部分処理工程のサイクルの略図を示している。消毒と脱灰の処理工程の開始後、先ず、酸性濃縮物の必要量が計算される。これは、ユーザによって、例えば、使用される酸性濃縮物、先行処理サイクルの透析溶液組成物、先行処理サイクルの透析溶液中の酸性濃縮物に対する重炭酸塩の比率、先行透析時間が考慮されるテーブルの補助によって行うことができる。ユーザは、装置制御部を介して、設定された酸性濃縮物の必要量を入力することができる。或いは、酸性濃縮物の前記必要量は、上述したパラメータを利用して装置制御部によって自動的に計算することも可能である。
【0040】
酸性濃縮物の必要量の設定後、この必要量の酸性濃縮物が受け入れタンクからポンプによって吸入され、高純度水、例えば、逆浸透(RO)水、と所望の混合比にされ、体外血液処理装置の流体システムに供給される。前記酸性濃縮物は透析溶液の混合のためにも利用されるので、前記受け入れタンクを交換したり、或いは、残り量が十分である場合においては酸性濃縮物を含む前記タンクを接続する必要はない。
【0041】
前記受け入れタンクからの前記酸性濃縮物の濃度は、好ましくは、2mmol/l~3mmol/lの範囲である。好適には、前記受け入れタンクからの酸性濃縮物と、高純度水との混合比は、1:12~1:8の範囲であり、特に、好適には、1:11~1:9の範囲であり、最も好ましくは、1.10であり、それにより供給される酸性濃縮物は約0.2~0.3mmol/lの濃度を有することになる。
【0042】
その後、供給された酸性濃縮物を前記流体回路中に循環させ、80℃、好ましくは85℃、特に好ましくは85℃以上に加熱する。その時、前記酢酸塩が以下の式によって存在する石灰を溶解する。
2CHCOOH+CaCO→Ca(CHCOO)+HCO
【0043】
その後、形成された酢酸カルシウムを洗い流す。形成された炭酸は、以下の式により、二酸化炭素と水とに分解する。
CO→CO+H
【0044】
加熱によってイオンの解離が増加して、前記酸性濃縮物のpH値が更に好適に減少し、殺菌が更に促進される。低温状態では、前記酸性濃縮物は、1~3、好ましくは1.8~2.5、そして特に好ましくは2.0~2.3、のpH値を有する。
【0045】
前記酸性濃縮物がその標的温度に到達すると、それは所要時間間隔で、前記流体回路内で循環される。前記所要時間は下記のパラメータに基づいて予め計算される。
使用される酸性濃縮物、
先行処理サイクルの透析溶液組成物、
先行処理サイクルの透析溶液中の酸性濃縮物に対する重炭酸塩の比率、及び
先行透析時間。
【0046】
ユーザは、計算された時間値を装置制御部に入力することができ、或いは、装置制御部が、上述したパラメータによって必要時間値を自動的に計算し適用してもよい。必要時間は、完全な消毒と脱灰を保証するために、前記酸性濃縮物が前記流体システムに対して作用しなければならない持続時間である。
【0047】
最後に、前記酸性濃縮物は、一定の限界に達するまで、高純度水で洗い流される。前記限界は、循環する液体の導電性を介して設定される。限界に到達すると、消毒と脱灰の前記処理工程が完了する。
【0048】
図1bは、前記浄化の処理工程の部分処理工程のサイクルの略図を示している。浄化処理工程の開始後、先ず、重炭酸塩の必要量が計算される。これは、ユーザによって、例えば、その間に浄化が行われなかった先行処理時間が考慮されるテーブルの補助によって行うことができる。ユーザは、装置制御部を介して、設定された重炭酸塩の必要量を入力することができる。或いは、重炭酸塩の前記必要量は、前記テーブルを用いて装置制御部によって自動的に計算することも可能である。
【0049】
重炭酸塩の必要量の設定後、この必要量の重炭酸塩が受け入れタンクからポンプによって吸入され、高純度水、例えば、RO水、と所望の混合比にされ、体外血液処理装置の流体システムに供給される。前記重炭酸塩は透析溶液の混合のためにも利用されるので、前記受け入れタンクを交換したり、或いは、残り量が十分である場合において重炭酸塩を含む前記タンクを接続する必要はない。
【0050】
重炭酸塩は、前記受け入れタンク中において、飽和溶液、又は、粉体として存在する。粉体の場合、その重炭酸塩粉は前記ポンプによる吸入の前に高純度水と過飽和溶液のために準備される。次に、飽和上清から、重炭酸塩が溶解状態で供給される。
【0051】
その後、供給された重炭酸塩は前記流体回路内で循環され、50℃まで、好ましくは85℃まで、特に好ましくは85℃以上まで、重炭酸塩溶液の沸点の直前まで加熱される。50℃から、重炭酸塩は、水と、二酸化炭素とソーダとに分解する。前記加熱作業中に蓄積する量の二酸化炭素は、気体分離のための装置を介して放出することができる。この点に関して、急激なガス放出を防止するために、前記重炭酸塩溶液を、ガス放出が発生する前記温度範囲を超える前の特定の時間、この温度範囲内に維持することが望ましい。これは図2により詳細に示されている。形成されたソーダは、それによって流体システム内に存在する脂質と汚染物質とが溶解される洗浄物質である。
【0052】
前記重炭酸塩が前記標的温度に到達すると、それは流体回路中で必要時間間隔で循環される。従って、それは、可能な限り高い流量で循環される。前記必要時間は、浄化が行われなかった先行処理時間に基づいて予め計算される。ユーザは、計算された時間値を装置制御部に入力することができる。或いは、前記装置制御部は、上述したパラメータを利用して、前記必要時間値を自動的に計算しそれを適用することも可能である。前記必要時間は、完全な脱脂と浄化を保証するために、前記重炭酸塩が前記流体システムに対して作用しなければならない時間である。
【0053】
最後に、前記重炭酸塩は、決められた限界に達するまで、高純度水で洗い流される。前記限界は、循環する液体の導電性を介して設定される。限界に到達すると、浄化の前記処理工程が完了する。
【0054】
別の実施例において、前記方法全体の開始時において既に、前記複数の所要時間を計算しておき、方法全体の時間を初めに示すようにすることも可能である。これにより、後続の処理サイクルのより良好なスケジューリングが可能となり、それによって透析センターの効率的な作業に貢献する。
【0055】
図2は、前記浄化の処理工程の加熱と循環の部分処理工程において温度曲線が、時間の関数として適用されている図を示している。破線によって、二酸化炭素が前記重炭酸塩溶液から放出する温度範囲が示されている。前記温度範囲は約50℃で始まる。当該温度範囲に達すると加熱速度が低減され、当該温度範囲の上限を超えると再度増加され、標的温度に達するまで維持される。加熱速度をガス放出の温度範囲内に低減することは、最初の加熱速度が維持される場合よりも、重炭酸塩溶液がこの温度範囲により長く維持されるという利点を提供する。この温度範囲内での重炭酸塩溶液のより長い滞留時間は、ガス放出の減速をもたらし、それによって急激なガス放出が防止される。
【0056】
図3aは、二つの処理サイクル間で行われる体外血液処理装置における後処理と処理サイクルの準備の方法の第1実施例の略図を示している。療法に従って、消毒と脱灰の処理工程が行われる。各処理サイクル後の浄化が不要であるので、流体システムにおいて、消毒と脱灰の処理工程後にすぐ充填の処理工程を行うことができる。充填の処理工程において、流体システムは、透析溶液で充填され、これが高純度水、重炭酸塩および酸性濃縮物と混合され、それによって、次の処理サイクルのための初期状態にリセットすることができる。
【0057】
図3bは、二つの処理サイクル間で行われる体外血液処理装置における後処理と処理サイクルの準備の方法の第2実施例の略図を示している。処理後、浄化の処理工程をすぐに行い、その後、充填の処理工程が行われる。充填処理工程中、流体システムは透析溶液で充填され、それによって次の処理サイクルのための初期状態にリセットされる。二つの処理サイクル間で、消毒と脱灰の処理工程をスキップすることができる。
【0058】
図3cは、二つの処理サイクル間で行われる体外血液処理装置における後処理と処理サイクルの準備の方法の第3実施例の略図を示している。処理後、流体システムから汚染物質と脂質とを取り除くべく浄化の処理工程が行われる。その後、消毒と脱灰の処理工程を行い、その後、充填の処理工程を行う。充填の処理工程において、流体システムは、透析溶液で充填され、それによって次の処理サイクルのための初期状態にリセットされる。この方法は、二つの処理サイクル間において極めて長い休止時間が設定される時に有利である。次いで、前記方法を、洗い流しの部分処理工程の前に消毒と脱灰の処理工程において中断することができ、処理が継続されるまで流体システムにおいて酸性濃縮物が保持される。流体システム内の酸性環境は、休止時間中における菌の形成に対抗することに役立つ。前記酸性濃縮物材料の高い適合性により、ラインに対する障害が起こらないものと予測される。次の処理の開始前に、酸性濃縮物を洗い流し、流体システムを透析溶液で充填するように、前記方法を継続することが可能である。
【0059】
図3dは、二つの処理サイクル間で行われる体外血液処理装置における後処理と処理サイクルの準備の方法の第4実施例の略図を示している。処理後、消毒と脱灰の処理工程が行われる。流体システムを血液処理中に蓄積する汚染物質と脂質から定期的に浄化する必要があるので、消毒と脱灰の処理工程に続いて、浄化の処理工程が行われる。重炭酸塩は水性部分と透析溶液フィルタを攻撃しないので、浄化を、如何なる材料の摩耗もなく、各処理後に、又は毎日、必要に応じて行うことができる。次に、浄化の処理工程の後に、充填の処理工程が行われ、その間に流体システムに透析溶液が充填され、それによって、次の処理サイクルのための初期状態にリセットされる。
【0060】
図4aは、二つの処理サイクル間において極めて長い休止時間が計画されている場合における、二つの処理サイクル間で実施される、体外血液処理装置における後処理と処理サイクルの準備の方法の第1実施例の略図を示している。これは、例えば、一晩、或いは週末を介した休止保持時間として構成することができる。最初の処理サイクルの後、浄化の処理工程が行われ、その後、消毒と脱灰の処理工程が行われる。存在する石灰が酢酸カルシウムの形態で溶解された前記溶液を洗い流した後、酸性濃縮物による充填の処理工程が行われる。その後、前記酸性濃縮物は、次の処理サイクルが行われるまで流体システム内に保持される。従って、先ず、最後の処理サイクルの終了と次の処理サイクルの開始との間の所定の制限時間を超えたか否かが判定される。前記制限時間を超えていない限り、前記酸性濃縮物が高純度水によって流体システムから洗い流され、その後、後続の処理サイクルのために出発状態を提供するべく流体システムに透析溶液を充填する。前記制限時間を超えた場合には、見込まれる菌負荷を除去するべく、先ず、前記消毒および脱灰の処理工程が繰り返される。或いは、酸性濃縮物の充填の処理工程を行う必要がないようにするべく、前記消毒および脱灰の処理工程において、洗い流しの部分処理工程をスキップすることも可能である。
【0061】
図4bは、二つの処理サイクル間において極めて長い休止時間が計画されている場合における、二つの処理サイクル間で実施される、体外血液処理装置における後処理と処理サイクルの準備の方法の第2実施例の略図を示している。
最初の処理サイクルの後、浄化の処理工程が行われ、その後、すぐに、酸性濃縮物の充填の処理工程が行われる。その後、前記酸性濃縮物は、次の処理サイクルが行われるまで流体システム内に保持される。従って、先ず、最後の処理サイクルの終了と次の処理サイクルの開始との間の所定の制限時間を超えたか否かが判定される。前記制限時間を超えていない限り、前記酸性濃縮物が高純度水によって流体システムから洗い流され、その後、後続の処理サイクルのために出発状態を提供するべく流体システムに透析溶液を充填する。前記制限時間を超えた場合には、見込まれる菌負荷を除去するべく、先ず、前記消毒および脱灰の処理工程が繰り返される。この方法は、患者の変化が無い処理サイクル間、例えば、家庭用透析を使用する患者の場合、に特に適している。それは又、消毒と脱灰の処理工程が二回繰り返されることがないように、次の処理の予定される実行が所定の制限時間後に設定される場合にも適している。
【0062】
血液の体外洗浄の装置の流体システムの菌負荷を低く抑えるために、二つの処理サイクル間で行われる、体外血液処理装置における後処理と処理サイクルの準備の方法の別実施例が提供され、ここでは、ある日の最後の処理の完了時に、たとえ、前に浄化が行われなかった場合においても、酸性濃縮物の充填の処理工程が行われる。
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図4a
図4b