(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】駐車装置
(51)【国際特許分類】
E04H 6/06 20060101AFI20220715BHJP
E04H 6/42 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
E04H6/06 B
E04H6/42 D
(21)【出願番号】P 2018007878
(22)【出願日】2018-01-22
【審査請求日】2020-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】小南 泰嗣
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-003493(JP,A)
【文献】特開2015-151679(JP,A)
【文献】実開平04-066263(JP,U)
【文献】特開2017-180062(JP,A)
【文献】特開2001-065184(JP,A)
【文献】特開2016-102345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00-6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を格納する格納空間と、前記車両を載置し前記格納空間内を移動する載置部と、前記車両が前記載置部に出入りする車両出入り部を有し、確認部材を取り付けて操作する駐車装置であって、
前記載置部が前記車両出入り部からの前記車両の出入りの可能な出入り可能状態にあるかを判定する載置判定手段と、前記載置部に載置された前記車両の高さが制限高さ超過であるかを判定する車高判定手段を有し、
前記載置部が前記出入り可能状態となる位置のまま前記車両を前記格納空間に格納することがあるものであり、
前記載置部が前記出入り可能状態であって、かつ前記載置部に載置したときの前記車両の高さが前記制限高さ超過である場合には、前記載置部の上昇を不能にし、前記確認部材の前記駐車装置からの取り外しが不能となることを特徴とする駐車装置。
【請求項2】
前記車両出入り部を閉鎖するゲートと、前記ゲートを開閉する開閉手段と、前記ゲートの開閉状態を判定するゲート開閉判定手段を有し、
前記載置部が前記出入り可能状態であって、かつ前記ゲートが閉状態でない場合には、前記確認部材の前記駐車装置からの取り外しが不能となることを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項3】
前記車両出入り部を閉鎖するゲートと、前記ゲートを開閉する開閉手段と、操作部と、警告部を有し、
前記操作部は、前記開閉手段を操作するものであって、操作することで閉信号を前記開閉手段に送信する閉スイッチを有し、
前記開閉手段は、前記操作部から前記閉信号を受信することで前記ゲートを閉状態に変更又は維持するものであり、
前記警告部は、前記操作部又は前記操作部の近傍に設けられており、
前記載置部に載置したときの前記車両の高さが前記制限高さ超過である場合には、前記閉スイッチが操作されても前記閉信号を前記開閉手段に送信しないか、前記開閉手段が前記閉信号を受信しても前記閉信号を無視し、前記警告部は、前記車両の高さが前記制限高さ超過であることを警告することを特徴とする請求項1又は2に記載の駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等を駐車する駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機械式立体駐車装置の中には、複数段のパレットが連結部材によって連結されたパレット群をもち、パレット群が昇降する単純昇降式の立体駐車装置がある。
例えば、2階立ての単純昇降式の立体駐車装置は、車両出入り部から上段パレットに車両を駐車する場合には、車両出入り部に対応する位置に上段パレットが位置するようにパレット群が下降し、車両出入り部から下段パレットに車両を駐車する場合には、車両出入り部に対応する位置に下段パレットが位置するようにパレット群が上昇する。
【0003】
ところで、建物内に設けられた立体駐車装置は、建物の天井の高さや天井や壁面の形状によって、駐車する車両に高さ制限がある。例えば、梁や桁等によって壁面の一部が張り出して張出部が形成されている場合には、上段パレットに車両を載置した状態で上昇させたときに、張出部に車両の一部が接触するおそれがあるので、上段パレットには、張出部に当たらない高さの車両しか駐車できない。
【0004】
しかしながら、運転手の中には、車両が社用車である場合など、運転する車両高さを知らない場合があり、制限高さが記載されていても、誤って制限高さ超過の車両を上段パレットに駐車してしまう場合がある。このような場合、車高が制限高さ超過の車両を上段パレットに駐車した状態でパレット群が上昇すると、車両の一部が張出部に接触してしまうおそれがある。
【0005】
そこで、従来から、駐車装置では、張出部付近に光電センサを設け、上段パレットが上昇する際に車両の一部が光線を遮ると上昇を強制停止することで、車両の一部が張出部に当たって損傷してしまうことを防止している(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の立体駐車装置300では、別の運転手が下段パレット302に車両305を入出庫するときに上段パレット301が上昇して初めて光電センサ303が車両305の車高が制限高さ超過であることを検知することとなる。すなわち、
図10のように、下段パレット302に入出庫する際のパレット群306の上昇時に上昇が強制停止すると、下段パレット302が中途半端な位置で停止するだけではなく、上段パレット301の運転手がその場にいないことが多い。そのため、上段パレット301の運転手を探して上段パレット301上の車両305を立体駐車装置300外に移動してもらうまで、下段パレット302に新たな車両305を入出庫できなくなってしまう問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、車高が制限高さよりも高い場合に運転手が車両を放置して去ってしまうことを防止する駐車装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための請求項1に記載の発明は、車両を格納する格納空間と、前記車両を載置し前記格納空間内を移動する載置部と、前記車両が前記載置部に出入りする車両出入り部を有し、確認部材を取り付けて操作する駐車装置であって、前記載置部が前記車両出入り部からの前記車両の出入りの可能な出入り可能状態にあるかを判定する載置判定手段と、前記載置部に載置された前記車両の高さが制限高さ超過であるかを判定する車高判定手段を有し、前記載置部が前記出入り可能状態となる位置のまま前記車両を前記格納空間に格納することがあるものであり、前記載置部が前記出入り可能状態であって、かつ前記載置部に載置したときの前記車両の高さが前記制限高さ超過である場合には、前記載置部の上昇を不能にし、前記確認部材の前記駐車装置からの取り外しが不能となることを特徴とする駐車装置である。
すなわち、本発明は、車両を格納する格納空間と、前記車両を載置し前記格納空間内を移動する載置部と、前記車両が前記載置部に出入りする車両出入り部を有し、確認部材を取り付けて操作する駐車装置であって、前記載置部が前記車両出入り部からの前記車両の出入りの可能な出入り可能状態にあるかを判定する載置判定手段と、前記載置部に載置された前記車両の高さが制限高さ超過であるかを判定する車高判定手段を有し、前記載置部が前記出入り可能状態であって、かつ前記載置部に載置したときの前記車両の高さが前記制限高さ超過である場合には、前記確認部材の前記駐車装置からの取り外し不能となる。
【0010】
本発明の構成によれば、車両の高さが制限高さ超過の場合に、鍵等の確認部材が駐車装置からの取り外し不能となるので、使用者は、確認部材を持ち帰ることができない。そのため、車高が制限高さよりも高い場合に、使用者が車両を放置して去ってしまうことを防止できる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記車両出入り部を閉鎖するゲートと、前記ゲートを開閉する開閉手段と、前記ゲートの開閉状態を判定するゲート開閉判定手段を有し、前記載置部が前記出入り可能状態であって、かつ前記ゲートが閉状態でない場合には、前記確認部材の前記駐車装置からの取り外しが不能となることを特徴とする請求項1に記載の駐車装置である。
【0012】
本発明の構成によれば、載置判定手段とゲート開閉判定手段の複数の判定手段によって車両が入出庫可能であることを判定しているので、判定手段の異常や誤判定により、確認部材が取り外し不能となることを防止できる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記車両出入り部を閉鎖するゲートと、前記ゲートを開閉する開閉手段と、操作部と、警告部を有し、前記操作部は、前記開閉手段を操作するものであって、操作することで閉信号を前記開閉手段に送信する閉スイッチを有し、前記開閉手段は、前記操作部から前記閉信号を受信することで前記ゲートを閉状態に変更又は維持するものであり、前記警告部は、前記操作部又は前記操作部の近傍に設けられており、前記載置部に載置したときの前記車両の高さが前記制限高さ超過である場合には、前記閉スイッチが操作されても前記閉信号を前記開閉手段に送信しないか、前記開閉手段が前記閉信号を受信しても前記閉信号を無視し、前記警告部は、前記車両の高さが前記制限高さ超過であることを警告することを特徴とする請求項1又は2に記載の駐車装置である。
【0014】
ここでいう「操作部の近傍」とは、操作部を操作するにあたって使用者の目に留まる範囲をいう。
【0015】
本発明の構成によれば、閉スイッチに警告部が近いので、使用者は車高が制限高さ超過であることを気づきやすい。
本発明の構成によれば、車両の高さが制限高さ超過である場合には、使用者が閉スイッチを操作してもゲートが移動しないので、車両を載置部から移動させる際にゲートを開状態に変更する手間を省略できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の駐車装置によれば、車高が制限高さよりも高い場合に運転手が車両を放置して去ってしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施形態の駐車装置の斜視図である。
【
図7】
図1の駐車装置の入庫動作のフローチャートである。
【
図8】入庫時のタッチパネルに表示画面を示す説明図であり、(a)は安全確認完了の確認画面を表し、(b)はパレット選択画面を表し、(c)は認証コード入力画面を表し、(d)は無人確認画面を表す。
【
図9】入庫時のタッチパネルに表示画面を示す説明図であり、(a)は安全確認完了の確認画面を表し、(b)はゲート開画面を表し、(c)は認証コード入力画面を表し、(d)は格納完了画面を表す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0019】
本発明の第1実施形態の駐車装置1は、単純昇降式の駐車装置であり、
図1,
図4のように、天井をもつ固定構造物200の凹部201に設けられるものである。
駐車装置1には、
図3のような専用の安全キー205があり、安全キー205を取り付けることでゲート10等の構造部2が駆動可能となっている。
【0020】
駐車装置1は、大きく分けて、
図1のように構造部2と、操作部3を備えている。
構造部2は、
図4,
図5のように、自動車210の格納空間5を構成する構造物であり、ゲートユニット6と、車両配置エリア7を備えている。
ゲートユニット6は、ゲート10(10a,10b)と、ゲート用支柱11(11a~11c)と、図示しない閉状態検知センサ(ゲート開閉判定手段)と、開状態検知センサ(ゲート開閉判定手段)を備えている。
ゲート10a,10bは、
図1,
図6のように、入出庫時に自動車210が通過する各車両出入り部12に設けられるものである。すなわち、構造部2の1階(地上階)部分には、格納空間5に自動車210を出入りさせる車両出入り部12が設けられており、ゲート10a,10bは、それぞれの車両出入り部12に出没することによって、格納空間5の内外を仕切るものである。
ゲート10a,10bは、安全キー205が駐車装置1に取り付けられることで開閉可能となるものであり、開閉手段13によって上下に昇降して各車両出入り部12を開閉するものである。
【0021】
開閉手段13は、
図2のように、モータ40、駆動スプロケット41、昇降用チェーン43、及び図示しない制御装置によって構成されており、昇降用チェーン43の一方の端部がゲート10a,10bの下部に固定され、中間部がモータ40の出力軸が接続された駆動スプロケット41に係合され、他方の端部が固定構造物200に対して不動の他の部材又は固定構造物200の凹部201の側壁面に固定されている。
そして、開閉手段13は、操作部3からの閉信号を受信することでモータ40を正回転又は停止し、ゲート10a,10bを閉状態に変更又は維持することが可能であり、操作部3からの開信号を受信することでモータ40を逆回転又は停止し、ゲート10a,10bを開状態に変更又は維持することが可能である。
【0022】
ゲート用支柱11a~11cは、
図1のように固定構造物200の地上階に相当する基準面202に対して立設され、ゲート10a,10bを昇降可能に支持する部材である。ゲート用支柱11a~11cは、幅方向に所定の間隔を空けて配されており、間に車両出入り部12を構成する部材でもある。
閉状態検知センサ及び開状態検知センサは、ゲート10a,10bの開閉状態を判定するセンサである。
閉状態検知センサは、上限リミットスイッチであり、ゲート10a,10bの一部が接触することでゲート10a,10bが閉状態であることを検知するセンサである。
開状態検知センサは、下限リミットスイッチであり、ゲート10a,10bの一部が接触することでゲート10a,10bが開状態であることを検知するセンサである。
【0023】
車両配置エリア7は、
図4のように、複数台の自動車210(車両)を駐車可能な部位であり、主にパレット群15(15a,15b)と、複数本のパレット用支柱16と、車高センサ17a,17bを備えている。そして、車両配置エリア7は、図示しない駆動機構によってパレット群15がパレット用支柱16に対して相対的に昇降するものである。
【0024】
パレット群15は、
図4のように複数のパレット20(20a,20b)と、連結柱21a~21dを備えている。本実施形態のパレット群15は、二段のパレット20a,20bを備えている。
パレット20は、格納時に自動車210を載置する載置台であり、自動車210を所定の位置に位置決め可能となっている。
載置部としてのパレット20は、パレット20が車両出入り部12から格納空間5に移動する間に載置した自動車210が接触し得る天井や壁の張出部等の障害物が存在しているパレットである。本実施形態では、上段パレット20aが載置部としてのパレットである場合について以下説明する。
連結柱21a~21dは、高さ方向に間隔を空けて対向する上段パレット20aと下段パレット20bを一体的に連結する支柱である。
【0025】
パレット用支柱16は、パレット群15を支持する部材である。
特定のパレット用支柱16には、
図4のように、載置検知センサ25(載置判定手段)が設けられている。
載置検知センサ25は、最上段の上段パレット20aが車両出入り部12に対応する位置にあり、車両出入り部12を通過してパレット20a上に自動車210が出入り可能状態にあることを判定する入出庫判定センサである。
具体的には、載置検知センサ25は、下限リミットスイッチであり、下段パレット20bの一部又は一の連結柱21a(連結柱21b~21d)の一部が接触することによって上段パレット20aが車両出入り部12に対応する位置にあることを検知することが可能となっている。
【0026】
車高センサ17a,17bは、パレット20a上に載置された自動車210の車高が制限高さ以下であるかを判定する車高判定手段である。
本実施形態の車高センサ17a,17bは、一対の光電センサであり、
図6のように車高センサ17aは、光線L1を出射する投光部であり、車高センサ17bは、光線L1を受光する受光部である。すなわち、車高センサ17a,17bは、車高センサ17aから出射される光線L1が遮られると、制限高さ超過であることを検知可能となっている。
制限高さは、格納空間5の天井の高さや壁面の張出部等の位置等によって適宜設定されるものであり、上段パレット20aに自動車210が載置され、その状態で上昇したときに天井又は張出部と自動車210が接触しない高さに設定されている。
【0027】
構造部2は、図示しない駆動機構によって、
図4に示されるパレット群15が上昇した上昇状態と、
図5に示されるパレット群15が降下した降下状態に変更可能となっている。
すなわち、自動車210の入庫時には、図示しない駆動機構によって空いているパレット20a又はパレット20bが地上階に相当する基準面202と対応する位置に移動し、車両出入り部12を介して自動車210が格納空間5に入って基準面202と対応する位置に移動したパレット20a又はパレット20b上に載置される。
また、自動車210の出庫時には、図示しない駆動機構によって所望の自動車210が載置されたパレット20a又はパレット20bが基準面202と対応する位置に移動し、当該パレット20a又はパレット20b上の自動車210は、車両出入り部12を介して格納空間5から駐車装置1の外部へ出る(出庫する)ことができる。
【0028】
操作部3は、車両配置エリア7の外に設置され、パレット20a,20b等の移動操作等を行う部位であり、
図3のように、本体装置18と、無人確認装置19によって構成されている。
【0029】
本体装置18は、
図3のように、主にタッチパネル30と、非常停止スイッチ31と、キースイッチ32を備えている。
タッチパネル30は、表示機能と入力機能を備えた装置であり、自己の自動車210を取り出す際に、パレット20の番号を入力したり、認証番号等を入力したりすることが可能となっている。また、タッチパネル30は、入力した番号や各種操作ボタン等を表示可能となっており、各種部位に信号を送信可能となっている。
【0030】
非常停止スイッチ31は、駐車装置1の全ての機械的動作を停止させるスイッチであり、非常停止スイッチ31が操作されると、パレット群15の昇降動作が停止する。また非常停止スイッチ31が操作されると、ゲート10の開閉動作も中断し、ゲート10が中途の開閉位置で停止する。
【0031】
キースイッチ32は、確認部材たる安全キー205と係合可能な係合穴があり、安全キー205を挿入し係合した状態で回すことによって、タッチパネル30でのゲート10a,10bの開閉操作やパレット群15a,15bの移動操作を可能又は不能とするスイッチである。すなわち、キースイッチ32には、少なくとも入位置と抜位置があり、安全キー205によって抜位置から入位置に変更することでタッチパネル30での各種操作を許容するスイッチである。キースイッチ32は、入位置では図示しない係合部が安全キー205と係合して抜けなくなり、抜位置では図示しない係合部と安全キー205の係合が解除され、安全キー205の抜き差しが可能となっている。
キースイッチ32は、図示しないキーロック機構(保持手段)が内蔵されており、キーロック機構が機能すると、キーロック機構の規制部がキースイッチ32の回転部に当接し、安全キー205の入位置から抜位置への回転を規制することで、安全キー205を入位置で保持する。入位置では、図示しない係合部と安全キー205が係合するので、安全キー205が抜き取り不能となる。本実施形態のキーロック機構は、ゲート10a,10bの閉状態検知センサが非検知のときに機能する。
【0032】
無人確認装置19は、駐車装置1内が無人であることを使用者が確認した後に操作する装置であり、無人確認スイッチ45を備えている。
【0033】
安全キー205は、使用者であることの確認部材として機能するものであり、駐車装置1に対して個別に形成されたものである。安全キー205は、鍵状の部材であり、キースイッチ32に対して着脱可能となっている。
【0034】
続いて、本発明の第1実施形態の駐車装置1の各構成部材の位置関係について説明する。
【0035】
ゲートユニット6は、
図4のように車両配置エリア7の出庫方向側に位置している。
各パレット用支柱16は、凹部201の底部に対して直立して設けられている。
連結柱21a~21dは、上段パレット20aと下段パレット20bの端部同士を連結している。すなわち、連結柱21a,21bは、
図6のように連結柱21c,21dと幅方向に離間しており、連結柱21a,21cの間、及び連結柱21b,21dの間に自動車210が通過可能な空間が形成されている。
車高センサ17a,17bは、
図6のように、幅方向において、パレット群15a,15bの外側に位置しており、地面等の基準面202に対して直立して設けられている。すなわち、車高センサ17a,17bは、平面視したときにパレット群15a,15bを挟んで幅方向に対向している。
本体装置18は、中央のゲート用支柱11bに固定されており、無人確認装置19,19は、ゲート用支柱11a,11cに固定されている。
【0036】
続いて、本発明の第1実施形態の駐車装置1に入庫する際の動作について説明する。
【0037】
まず、使用者により安全キー205が中央のゲート用支柱11bに設けられた本体装置18のキースイッチ32に差し込まれ、安全キー205によってキースイッチ32が抜位置から入位置に回されて、図示しない係合部が安全キー205と係合し、入位置になったことが確認されると(STEP1でYes)、
図8(a)のように安全確認完了ボタン80をタッチパネル30に表示する。
【0038】
続いて、使用者が駐車装置1の内外の安全を確認し、タッチパネル30の安全確認完了ボタン80を押下したことが確認されると、
図8(b)のようなタッチパネル30が呼び出すパレット20を選択する選択画面となる。すなわち、使用者がパレット群15a,15bのうち呼び出すパレット20が属するパレット群15を入力し(
図8(b)ではパレット群15aを1列、パレット群15bを2列と表記している)、さらにパレット群15の中の呼び出すパレット20を選択する。
そして、選択画面のパレット呼出ボタン81を押下してパレット呼出設定完了したことが確認されると(STEP2)、
図8(c)のようなタッチパネル30が認証コードの入力画面となる。
【0039】
使用者により認証コードが入力され、入力画面の運転ボタン82が押下されると、認証確認を行い(STEP3)、問題なく認証が完了すると、呼び出されたパレット20が車両出入り部12に対応する位置に移動する(STEP4)。
呼び出されたパレット20が車両出入り部12に到着すると(STEP5でYes)、フラグをオフにし(STEP6)、呼び出されたパレット20が最上段パレット20aであるかを載置検知センサ25で確認する(STEP7)。
【0040】
呼び出されたパレット20が最上段パレット20aである場合、すなわち、載置検知センサ25が検知している場合には(STEP7でYes)、フラグをオンにし(STEP8)、ゲート10を開き始める。ゲート10の閉状態検知センサが非検知になると、キーロック機構を機能させ、安全キー205がキースイッチ32から抜けない状態とする(STEP9)。ゲート10が開き終わると、ゲート10が開状態、すなわち、入庫可能状態となる(STEP10)。
使用者が自動車210をパレット20a上に移動させ、入庫の完了後、フラグオンの場合には(STEP11でYes)、車高センサ17a,17bにより、自動車210の車高が制限高さ以下であるか判定する(STEP12)
そして、車高センサ17a,17bが検知せず自動車210の車高が制限高さ以下の場合には(STEP12でYes)、
図8(d)のようなタッチパネル30に無人確認を行った後に無人確認ボタンを押下することを促す無人確認画面を表示する。
【0041】
使用者が無人確認を行い、幅方向両側のゲート用支柱11a,11cに設けられた無人確認スイッチ45,45のいずれかを押下すると、
図9(a)のようにタッチパネル30に安全確認完了ボタン83を再度表示する。
使用者が駐車装置1の内外の安全を確認し、タッチパネル30の安全確認完了ボタン83を押下したことが確認されると、
図9(b)のようにゲート閉ボタン84(閉スイッチ)を表示する。
使用者によってゲート閉ボタン84が押下されると(STEP13)、
図9(c)のようにタッチパネル30が再度、認証コードの入力画面となる。
【0042】
使用者により認証コードが入力され、入力画面の運転ボタン85が押下されると、認証確認を行い(STEP14)、問題なく認証が完了すると、閉信号を開閉手段13に送信し、自動でゲート10が閉まる。
ゲート10が閉状態検知センサによって閉まったことが確認されると(STEP15)、図示しないキーロック機構を解除し、安全キー205の入位置から抜位置への変更を可能とし(STEP16)、
図9(d)のようにタッチパネル30に格納完了した旨を表示する。そして、使用者によって安全キー205が回され、キースイッチ32が入位置から抜位置に変更されると、図示しない係合部と安全キー205との係合を解除し、安全キー205が取り外し可能となる。
【0043】
一方、STEP7において、呼び出されたパレット20が最上段パレット20aでない場合には、フラグをオフのままSTEP9に移行する。そして、STEP11においてフラグでオフであるため(STEP11でNo)、自動車210の車高の高さにかかわらずSTEP13に移行する。すなわち、車高センサ17a,17bでの検知を無視してSTEP13に移行する。
【0044】
ここで、STEP12で車高センサ17a,17bにより自動車210の車高が制限高さ超過であることを検知した場合には(STEP12でNo)、ゲート10を閉鎖する閉動作を強制的に不能にする(STEP17)。このとき、ゲート10が閉状態でないからキーロック機構を機能したままとし、安全キー205の解除不能状態を維持する。
ここでいう「閉状態でない」とは、ゲート10が全開した状態、ゲート10が少しでも開いている状態、閉状態検知センサが故障し閉じているか不明である状態をいう。
タッチパネル30上にゲート閉ボタン84が表示されゲート閉ボタン84が表示された後に、車高センサ17a,17bが検知した場合でも、タッチパネル30上のゲート閉ボタン84や運転ボタン85を押下しても、タッチパネル30は閉信号を開閉手段13に送信しないか、開閉手段13がタッチパネル30から閉信号を受信しても閉信号を無視し、安全キー205を回して抜位置に変更できず、安全キー205が抜けない。
そして、タッチパネル30に自動車210の車高が制限高さ超過であり、駐車装置1に駐車できない旨の警告を表示する(STEP18)。
このため、使用者は、ゲート10を操作しても動かないことから、正常な入庫ができていないことを把握でき、またタッチパネル30による警告によっても把握できる。
【0045】
本実施形態の駐車装置1によれば、車高センサ17a,17bが検知していると安全キー205が抜けないため、使用者は安全キー205を持ち帰ることができず、異常に気付きやすい。そのため、自動車210の車高が制限高さよりも高い場合に使用者が自動車210を放置して去ってしまうことを防止できる。
【0046】
本実施形態の駐車装置1によれば、車両配置エリア7の載置検知センサ25と、ゲートユニット6の閉状態検知センサの2種類のセンサによって、自動車210が上段パレット20aに移動可能状態にあることを検知するので、車高センサ17a,17bが上段パレット20aに対する相対的な高さを正確に検知でき、センサの異常や誤検知により、安全キー205が抜けなくなることを抑制できる。
【0047】
本実施形態の駐車装置1によれば、ゲート閉スイッチの入力と警告表示が同じタッチパネル30上で行われるため、使用者は異常に気づきやすい。
また、自動車210が制限高さ超過であり、固定構造物200の天井や張出部等に当たる可能性がある状態にあると、使用者がゲート閉スイッチを操作してもゲート10が閉まらないため、制限高さを超過している自動車210をパレット20から移動する際に再度ゲート10を開け直す手間を無くすことができる。
【0048】
上記した実施形態では、駐車装置1が単純昇降式である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。昇降により天井や壁面からの張出部等に接触する可能性があるものであれば、形式は特に問わない。例えば、エレベータ式であってもよいし、パズル式であってもよい。また、地下に潜らず、地上階以上で昇降のみするものでもよい。昇降せずに横方向のみ移動するものであってもよい。
この場合、載置検知センサは、天井や壁の張出部等に接触し得るパレットが車両出入り部に位置することを直接検知すればよい。
【0049】
上記した実施形態では、パレット群15は、二段のパレット20a,20bを備えるものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。パレット群15は、一段のパレット20を備えるものでもよいし、三段以上のパレット20を備えるものでもよい。
【0050】
上記した実施形態では、車高センサ17a,17bは、基準面202に対して固定されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。パレット群15の一部に固定してもよいし、固定構造物200の壁面に固定してもよい。
【0051】
上記した実施形態では、車高センサ17a,17bは、光軸が幅方向のみに延びるものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。車高センサ17a,17bの光軸は、幅方向成分に加えて奥行き方向成分をもっていてもよい。例えば、パレット20の対角線上に光軸が通過するように車高センサ17a,17bを設けて車高を検知してもよい。
【0052】
上記した実施形態では、安全キー205は、鍵状であったが、本発明はこれに限定されるものではない。安全キー205の形状は限定されない。例えば、安全キーをカードキーとしてもよい。
【0053】
上記した実施形態では、ゲート10が開き始めてからキーロック機構によって安全キー205がロックされた状態が続いていたが、本発明はこれに限定されるものではない。キーロック機構で安全キー205をロックするタイミングは、特に限定されない。例えば、上記した実施形態のように車高センサ17a,17bで制限高さ超過であることを検知する前から安全キー205がロックされた状態であってもよいし、車高センサ17a,17bで制限高さ超過であることを検知して初めて安全キー205がロックされた状態となってもよい。また、ゲート10が開き始める前からでもよい。例えば、載置検知センサが非検知となった、パレット20が移動する際でもよい。
【0054】
上記した実施形態では、安全キー205が入位置から抜位置に位置変更できなくするキーロック機構を採用していたが、本発明はこれに限定されるものではない。他の方法によって安全キー205をロックしてもよい。例えば、キーロック機構を蓋付ポケットとし、ポケットに安全キー205を入れて蓋を閉じてロックするものであってもよい。すなわち、駐車装置1が駆動する際には、安全キー205をキースイッチ32に挿入した状態で蓋が閉まる構造とし、ロック時に蓋が開かない構造としてもよい。
【0055】
上記した実施形態では、タッチパネル30に警告を表示して通知する警告部として使用していたが、本発明はこれに限定されるものではない。操作部3の近傍に警告部を別途設けてもよい。例えば、警告部は、タッチパネル30の縁から50cm以内の範囲に設けられることが好ましい。
【0056】
上記した実施形態では、載置検知センサ25は、下段パレット20bの一部又は一の連結柱21a(連結柱21b~21d)の一部が接触することによって上段パレット20aが車両出入り部12に対応する位置にあることを検知するものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。載置検知センサ25は、上段パレット20aを直接検知する光電センサであってもよい。
【0057】
上記した実施形態では、タッチパネル30の警告表示によって自動車210の車高が制限高さ超過していることを報知していたが、本発明はこれに限定されるものでない。他の警告手段によって警告してもよい。例えば、スピーカによる警告音によって警告してもよい。
【0058】
上記した実施形態では、駐車装置1は、ゲート10を備えるものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。駐車装置1は、ゲートを備えない駐車装置であってもよい。この場合、キーロック機構をパレットが動いたことを検知することで機能するようにすればよい。例えば、パレットの載置検知センサが検知している装置の状態を入出庫前後の定位置としておき、載置検知センサが非検知となることでパレットが動いたと判断し、キーロック機構を機能させるようにしてもよい。
【0059】
上記した実施形態では、キーロック機構は、ゲートの閉状態検知センサが非検知となると機能させたが、本発明はこれに限定されるものではない。キーロック機構は、ゲートが全開状態(ゲートの開状態検知センサが検知状態)である場合に機能させてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 駐車装置
2 構造部
3 操作部
10,10a,10b ゲート
12 車両出入り部
13 開閉手段
15,15a,15b パレット群
17a,17b 車高センサ(車高判定手段)
20 パレット(載置部)
20a 上段パレット
20b 下段パレット
21a~21d 連結柱
25 載置検知センサ(載置判定手段)
30 タッチパネル
205 安全キー(確認部材)