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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】携帯用水素ガス吸引システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/00 20060101AFI20220715BHJP
   A61M 16/10 20060101ALI20220715BHJP
   C01B 3/00 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
A61M16/10 Z
C01B3/00 Z
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2018081204
(22)【出願日】2018-04-20
(65)【公開番号】P2019187588
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】515307102
【氏名又は名称】永井 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100147740
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 俊
(72)【発明者】
【氏名】永井 秀明
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-086869(JP,A)
【文献】特開2004-243151(JP,A)
【文献】特開2004-174301(JP,A)
【文献】特開2013-022484(JP,A)
【文献】特開2016-131623(JP,A)
【文献】特開2013-146373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 15/00
A61M 16/10
C01B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素ガス吸入に使用される携帯用の水素発生装置であって、
前記水素発生装置は、内部が空洞で水を収納可能な水筒容器であり、水素発生剤と水を反応させて水素を発生する装置であり、
前記水素発生装置の上部開口部は自在に取り外しまたは開閉可能な蓋(上蓋)が取り付けられており、
前記水素発生剤は、上面から下面に貫通する内部空洞を有する筒状ホルダーの前記内部空洞に収納されており、
前記筒状ホルダーは前記水素発生装置の内部空間に配置され、
前記水素発生剤が収納された前記筒状ホルダー部分の一部または全部は前記水素発生装置の内部空間に入れた水中に浸漬しており、
前記筒状ホルダーの底面開口部および/または前記筒状ホルダーの下部の外郭に備わる孔から前記筒状ホルダーの内部空洞に水が浸入して、前記筒状ホルダー内部空洞に収納された水素発生剤と水が接触して水素が発生し、
前記筒状ホルダー内部空洞を水素が通り、前記水素発生装置の上蓋に設けた水素排出口から水素が排出されることを特徴とし、
さらに、前記水素発生装置の内部に水面の揺れを防止する揺れ防止ストッパが取り付けられており、前記揺れ防止ストッパは水面に蓋をする部材であることを特徴とする、
携帯用水素発生装置。
【請求項2】
前記揺れ防止ストッパに前記筒状ホルダーが通る穴が配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項3】
前記水素発生装置の上部の空洞は下部の空洞より狭くなっており、前記筒状ホルダーの上部の一部または全部は前記水素発生装置の上部の空洞に位置していることを特徴とする、請求項1または2に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項4】
前記筒状ホルダーは、前記水素発生装置の上部開口部から前記水素発生装置の内部空間に挿入されることを特徴とする、請求項1~3のいずれかの項に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項5】
前記筒状ホルダーの下部の内部空洞の断面サイズは、前記筒状ホルダーの上部の内部空洞の断面サイズより大きくなっており、前記水素発生剤は前記筒状ホルダーの下部の内部空洞に収納されることを特徴とする、請求項1~4のいずれかの項に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項6】
前記筒状ホルダーは、上部筒状ホルダーと下部筒状ホルダーが接続したものであり、下部筒状ホルダーの内部空洞の断面サイズは上部筒状ホルダーの内部空洞の断面サイズより大きいことを特徴とする、請求項5に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項7】
前記水素発生装置は、底面も開口(底部開口部)しており、前記底部開口部は自在に取り外しまたは開閉可能な蓋(底蓋)が取り付けられていることを特徴とする、請求項1~6のいずれかの項に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項8】
前記底蓋には取り外し可能なシーリング部材が前記底蓋と前記水素発生装置の底部開口部との接触部に配置されていることを特徴とする、請求項7に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項9】
前記筒状ホルダーの材質は高分子材料または金属材料であることを特徴とする、請求項1~8のいずれかの項に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項10】
前記水素発生装置の開閉蓋には、前記水素発生装置内の内部圧力が高まったときに、ガス抜き可能な逆止弁が取り付けられていることを特徴とする、請求項1~9のいずれかの項に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項11】
水素ガス吸入に使用される携帯用の水素発生装置であって、
前記水素発生装置は、内部が空洞で水を収納可能な水筒容器であり、水素発生剤と水を反応させて水素を発生する装置であり、
前記水素発生装置の開口部は自在に取り外しまたは開閉可能な開閉蓋が取り付けられており、
前記水素発生剤は、上面から下面に貫通する内部空洞を有する筒状ホルダーの前記内部空洞に収納されており、
前記筒状ホルダーは前記水素発生装置の内部空間に配置され、
前記水素発生剤が収納された前記筒状ホルダー部分の一部または全部は前記水素発生装置の内部空間に入れた水中に浸漬しており、
前記筒状ホルダーの外郭は、その一部または全部がらせん状に切れ目が入っており、
前記筒状ホルダーの切れ目が入った部分の一部または全部が前記水素発生装置に入れた水中に浸漬しており、
前記筒状ホルダー外郭の切れ目および/または前記筒状ホルダーの底面開口部から水が前記筒状ホルダーの内部空洞に浸入して、前記筒状ホルダー内部空洞に収納された水素発生剤と水が接触して水素が発生し、
前記水素発生装置の開閉蓋に設けた水素排出口から水素が排出されることを特徴とする携帯用水素発生装置。
【請求項12】
前記水素発生剤は、水が浸透するケース(水素発生剤収納ケース)に収納されていることを特徴とする、請求項11に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項13】
前記筒状ホルダーの上部開口部は、前記水素発生装置の上部に配置され、
前記円筒状ホルダーの下部開口部は、前記水素発生装置の底面または底面近傍に配置されることを特徴とする、請求項11または12に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項14】
前記筒状ホルダーの上部開口部は、前記水素発生装置の上部に設けた水素排出口の近傍または密着して配置されることを特徴とする、請求項11~13のいずれかの項に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項15】
前記水素発生装置の底面に前記筒状ホルダーの位置決めを行なう突起が備わり、前記突起に前記筒状ホルダーの下面側開口部を入れて前記筒状ホルダーの位置決めを行なうことを特徴とする、請求項1~4のいずれかの項に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項16】
前記水素発生装置の内部に前記筒状ホルダーの位置を決める位置決め支持ガイドが取り付けられていることを特徴とする、請求項11~15のいずれかの項に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項17】
前記水素発生装置の内部に水面の揺れを防止する揺れ防止ストッパが取り付けられていることを特徴とする、請求項11~16のいずれかの項に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項18】
前記筒状ホルダーの材質は高分子材料または金属材料であることを特徴とする、請求項11~17のいずれかの項に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項19】
前記水素発生装置の開閉蓋には、前記水素発生装置内の内部圧力が高まったときに、ガス抜き可能な逆止弁が取り付けられていることを特徴とする、請求項11~18のいずれかの項に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項20】
前記らせん状に切れ目が入った筒状ホルダーは、細長い板状シートをらせん状に巻いたも
のであることを特徴とする、請求項11~19のいずれかの項に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項21】
前記らせん状に切れ目が入った筒状ホルダーは、切れ目がない筒状ホルダーの外郭の一部または全部をらせん状に切断して切れ目を入れたものであることを特徴とする、請求項11~20のいずれかの項に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項22】
前記筒状ホルダーのらせん状に切れ目が入った部分を伸ばして、
前記筒状ホルダーの内部空間に収納された水素発生剤収納ケースまたは水素発生剤を前記筒状ホルダーのらせん状に切れ目が伸びてできた隙間から取り出すか、または
前記筒状ホルダーのらせん状に切れ目が伸びてできた隙間から水素発生剤収納ケースまたは水素発生剤を前記筒状ホルダーの内部空間に収納することを特徴とする、請求項11~21のいずれかの項に記載の携帯用水素発生装置。
【請求項23】
請求項1~22に記載の携帯用水素発生装置を身体に身につけて携帯可能であり、鼻または口に吸入器を取り付けて、前記水素発生装置で発生した水素ガスを身体に吸入することを特徴とする携帯用水素ガス吸入システム。







【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素ガスを用いた健康システムに関するもので、特に携帯用水素ガス吸引システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年水素は水素自動車の燃料として注目されているが、水素を水に溶かした水素水が健康増進に有用であることが報告されている。たとえば、水素水を日常的に飲料すると細胞が若返るなどエイジングケアなどとして美容への効果だけでなく、様々な疾患への改善効果が認められ、一部の病院では治療の一環として水素の摂取等が取り入れられている。(特許文献1)また、水素ガスを霧(ミスト)と一緒に吸引して健康増進をはかるシステムも提案されている。(特許文献2)
【0003】
このシステムは、図1に示すように、水素発生器11に投入された水素発生剤ホルダー12内の水素発生剤が水と反応して水素(H2)が発生する。すなわち、図1は従来の水素ガス吸引システム10を示す図である。水素発生器11の上面はキャップ(蓋)13で塞がれており、水素発生器11の上部に水素ガスがたまる。水素ガスは、気体出口14から押し出され、水素導入管15を通り、水素導入管15に接続した(水素水容器17の上面に取り付けた蓋25に配置された)水素導入口18を通って、さらに水素導入口18に接続した水素水容器17内の水素吸入管16に入る。水素吸入管16は水素水容器17の水中に入って、水素ガスは、水中に入れられた水素吸入管16の出口から水素水容器17の水中に出ていく。水素水容器17の水中に出た水素は、水素水容器17の上部の空間に集まり、水素水容器17の蓋25に形成された出口26から出ていく。水素水容器17の蓋25の出口26には第2の水素導入管19が接続し、この第2の水素導入管19の出口20はミスト(霧)発生装置22と吸入マスク23との接続部(接続管)27の水素入口21につながる。
【0004】
従って、第2の水素導入管19を通ってきた水素は接続部27の水素入口21から接続部27に入り、ミスト(霧)発生装置22から出てくる霧と混合して吸入マスク23の吸入口24から出ていく。吸入口24に口を開けて付けておけば、口の中に霧と水素ガスとの混合ガス(正確に言えば、霧はガスではないので、水素混合ミスト(霧)またはスチーム水素と呼んでも良い)が入る。霧は口の中や喉の粘膜を適度に湿らせるが、水素はその湿った粘膜を通して身体の中に入り、血液状態を良好にする。また喉の奥の方の器官や肺などまで達した水素も身体の中に入り、血管や細胞を元気にさせる。特に水素は活性酸素と結合しやすいので、身体中の活性酸素を無害にさせて、老化現象を抑制できると考えられる。さらにはがん予防効果も期待できる。吸引口24に鼻をつけて鼻から水素を含む霧(霧と水素ガスとの混合ガス)を吸引すれば、鼻の粘膜からも水素を効率的に吸収できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-22977
【文献】特開2017-86857
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の水素吸引システムは据え置き型であり、持ち運んで携帯するには大きすぎる。登山中や運動中または運動後に直ぐ水素吸引を行なうと、上記に示したような効果や疲労回復効果などを最大限に発揮できるが、従来の水素吸引システムは携帯が困難なので、登山中や運動中または運動後などに直ぐ水素吸引を行なうことは不可能であった。たとえば、図1に示すような水素発生器11に入れる水素発生剤ホルダー12は比較的大きなホルダーであり、従ってその水素発生剤ホルダー12を入れる水素発生器11も比較的大きくならざるを得ず、身体に身につけて携帯するには困難である。また、登山中や運動中の身体が動いているときに、従来の水素発生器11を身体に身につけると、水素発生剤ホルダー12が動いたり、水が揺れたりするために、水素発生効率が悪くなってしまう。さらに、水素発生剤ホルダー12の移動により、水素発生剤ホルダー12が破損したり、水素発生器11が損傷したりする恐れもある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、携帯可能な水素吸引システムを提供するものであり、また運動中も水素を吸引できる水素吸引システムを提供するものであり、この結果水素による健康の増進効果を高め、水素吸引により疲労回復効果を高めることを目的とし、具体的には以下の特徴を有する。
【0008】
(1)本発明は、水素ガス吸入に使用される携帯用の水素発生装置であって、前記水素発生装置は、内部が空洞で水を収納可能な水筒容器であり、水素発生剤と水を反応させて水素を発生する装置であり、前記水素発生装置の開口部は自在に取り外しまたは開閉可能な開閉蓋が取り付けられており、前記水素発生剤は、上面から下面に貫通する内部空洞を有する筒状ホルダーの前記内部空洞に収納されており、前記筒状ホルダーは前記水素発生装置の内部空間に配置され、前記水素発生剤が収納された前記筒状ホルダー部分の一部または全部は前記水素発生装置の内部空間に入れた水中に浸漬しており、前記筒状ホルダーの外郭は、その一部または全部がらせん状に切れ目が入っており、前記筒状ホルダーの切れ目が入った部分の一部または全部が前記水素発生装置に入れた水中に浸漬しており、前記筒状ホルダー外郭の切れ目および/または前記筒状ホルダーの底面開口部から水が前記筒状ホルダーの内部空洞に浸入して、前記筒状ホルダー内部空洞に収納された水素発生剤と水が接触して水素が発生し、前記水素発生装置の開閉蓋に設けた水素排出口から水素が排出されることを特徴とする携帯用水素発生装置である。
【0009】
(2)本発明は、(1)に加えて、前記水素発生剤は、水が浸透するケース(水素発生剤収納ケース)に収納されており、前記筒状ホルダーの上部開口部は、前記水素発生装置の上部に配置され、前記円筒状ホルダーの下部開口部は、前記水素発生装置の底面または底面近傍に配置され、前記筒状ホルダーの上部開口部は、前記水素発生装置の上部に設けた水素排出口の近傍または密着して配置されており、前記水素発生装置の底面に前記筒状ホルダーの位置決めを行なう突起が備わり、前記突起に前記筒状ホルダーの下面側開口部を入れて前記筒状ホルダーの位置決めを行なうことでき、前記水素発生装置の内部に水面の揺れを防止する揺れ防止ストッパが取り付けられていることを特徴とする。
(3)本発明は、(1)または(2)に加えて、前記筒状ホルダーの材質は高分子材料または金属材料であり、前記水素発生装置の開閉蓋には、前記水素発生装置内の内部圧力が高まったときに、ガス抜き可能な逆止弁が取り付けられており、前記らせん状に切れ目が入った筒状ホルダーは、細長い板状シートを螺旋(またはスパイラル)状に巻いたものであり、さらに前記らせん状に切れ目が入った筒状ホルダーは、切れ目がない筒状ホルダーの外郭の一部または全部をらせん状に切断して切れ目を入れたものであり、前記筒状ホルダーのらせん状に切れ目が入った部分を伸ばして、前記筒状ホルダーの内部空間に収納された水素発生剤収納ケースまたは水素発生剤を前記筒状ホルダーのらせん状に切れ目が伸びてできた隙間から取り出すか、または前記筒状ホルダーのらせん状に切れ目が伸びてできた隙間から水素発生剤収納ケースまたは水素発生剤を前記筒状ホルダーの内部空間に収納することを特徴とする。
【0010】
(4)本発明は、水素ガス吸入に使用される携帯用の水素発生装置であって、前記水素発生装置は、内部が空洞で水を収納可能な水筒容器であり、水素発生剤と水を反応させて水素を発生する装置であり、前記水素発生装置の上部開口部は自在に取り外しまたは開閉可能な蓋(上蓋)が取り付けられており、前記水素発生剤は、上面から下面に貫通する内部空洞を有する筒状ホルダーの前記内部空洞に収納されており、前記筒状ホルダーは前記水素発生装置の内部空間に配置され、前記水素発生剤が収納された前記筒状ホルダー部分の一部または全部は前記水素発生装置の内部空間に入れた水中に浸漬しており、前記筒状ホルダーの底面開口部および/または前記筒状ホルダーの下部の外郭に備わる孔から前記筒状ホルダーの内部空洞に水が浸入して、前記筒状ホルダー内部空洞に収納された水素発生剤と水が接触して水素が発生し、前記筒状ホルダー内部空洞を水素が通り、前記水素発生装置の上蓋に設けた水素排出口から水素が排出されることを特徴とする携帯用水素発生装置である。
【0011】
(5)本発明は、(4)に加えて、前記水素発生装置の上部の空洞は下部の空洞より狭くなっており、前記筒状ホルダーの上部の一部または全部は前記水素発生装置の上部の空洞に位置していて、前記筒状ホルダーは、前記水素発生装置の上部開口部から前記水素発生装置の内部空間に挿入されることを特徴とし、前記筒状ホルダーの下部の内部空洞の断面サイズは、前記筒状ホルダーの上部の内部空洞の断面サイズより大きくなっており、前記水素発生剤は前記筒状ホルダーの下部の内部空洞に収納されることを特徴とし、前記筒状ホルダーは、上部筒状ホルダーと下部筒状ホルダーが接続したものであり、下部筒状ホルダーの内部空洞の断面サイズは上部筒状ホルダーの内部空洞の断面サイズより大きく、前記水素発生装置は、底面も開口(底部開口部)しており、前記底部開口部は自在に取り外しまたは開閉可能な蓋(底蓋)が取り付けられており、前記底蓋には取り外し可能なシーリング部材が前記底蓋と前記水素発生装置の底部開口部との接触部に配置されていることを特徴とする。
(6)本発明は、(4)または(5)に加えて、前記水素発生装置の内部に水面の揺れを防止する揺れ防止ストッパが取り付けられており、前記筒状ホルダーの材質は高分子材料または金属材料であり、また前記水素発生装置の開閉蓋には、前記水素発生装置内の内部圧力が高まったときに、ガス抜き可能な逆止弁が取り付けられていることを特徴とする。
(7)本発明は、(1)~(6)に記載の携帯用水素発生装置を身体に身につけて携帯可能であり、鼻または口に吸入器を取り付けて、前記水素発生装置で発生した水素ガスを身体に吸入することを特徴とする携帯用水素ガス吸入システムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の水素発生装置は小型化でき身体に身につけて携帯が可能である。本発明の水素発生装置を用いた水素吸引(吸収)システムによって、休憩中はもちろんのこと歩行中でも運動中でも水素ガスを身体に取り込むことができる。すなわち、本発明の携帯用水素吸引(吸収)システムの使用によっていつでもどこでも水素吸入が可能となる。本発明の水素発生装置による水素を口や鼻から吸入することにより、口、のど、鼻、器官、肺等から水素を身体へ吸収することができる。この結果、血圧の低下、血糖値等の低減、疲労低減を期待できる。さらに、毛細血管等の血管の血流を活発化し、若返りの効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、従来の水素ガス吸引システムを示す図である。
図2図2は、本発明の水素発生剤ホルダーの一実施例を示す図である。
図3図3は、本発明の水素発生容器(水素発生装置)を示す図である。
図4図4は、図3で示す本発明の水素発生容器の変形実施形態を示す図である。
図5図5は、本発明の筒状水素発生剤ホルダーの別の実施形態を示す図である。
図6図6は、本発明の筒状水素発生剤ホルダーの別の実施形態を示す図である。
図7図7は、本発明の筒状水素発生剤ホルダーの別の実施形態を示す図である。
図8図8は、本発明の水素発生装置(水素発生容器)の別の実施形態を示す図である。
図9図9は、本発明の携帯用水素ガス吸引(吸入)システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図2は、本発明の水素発生剤ホルダーの一実施例を示す図である。図2(a)に示すように、細長い板状のシート30を、図2(b)に示すように筒状にまた渦巻き状(または螺旋またはスパイラル状)に巻いて、開口部38を有し内部が空洞の筒状のホルダー31を作製する。すなわち、筒状ホルダー31は細長い筒状の管(チューブ)で上面から下面に貫通する内部空洞を有する。図2(a)では細長い板状のシート30の平面図(30p)、側面図(30s)、底面図(30b)も示す。このホルダーの外側(外壁または外郭)は細長いシート30が巻かれて境目39が表われる。この境目39では、シート30が上下で接していても良いし、上下で重なっていても良い。あるいは、その境目は少し隙間が空いていても良い。筒状とは、図2(b)に示されているように、開口部38を有し内部が空洞状態になっているものであり、その空洞の断面はたとえば、略円形、略楕円形、任意の曲線形状、略三角形、略四角形、略多角形状、これらの組合せ形状である。各断面の大きさは必ずしも同じでなくても良い。あるいは、境目(切れ目)がない中空状の筒の外郭を螺旋(渦巻き、スパイラル)状に切断して図2(b)に示すような螺旋(スパイラル)状の境目(切れ目)を有する筒状のホルダーを作製することができる。
【0015】
本発明のシート材料は、シート材料を筒状に巻くことが可能な材料であり、高分子材料であれば、たとえば、塩化ビニール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ゴムであり、金属材料であれば、たとえば、鉄、亜鉛、ニッケル、銅、チタン、各種合金、ステンレスである。シート材料は渦巻き状(または螺旋(スパイラル)状)に巻いたときに弾力性があるのが良い。境目(切れ目)がない中空状の筒の外郭を切断して作製する筒状ホルダーの場合も、その材料は上記に示す材料を使用できる。筒状に渦巻き状に巻かれた水素発生剤ホルダー31の一方を押さえて片側を引っ張る(矢印方向32)と図2(c)に示すように、片側の渦巻き状に巻かれたシート30(31)は伸びて隙間33が広がる。図2(d)に示すように、この広がった隙間33から水素発生剤袋(ケース)34を入れる。その後、図2(e)に示すように、引張り力をなくすと伸びたシート30(31)は元の渦巻き状に巻いた状態に戻るので、水素発生剤袋34は、筒状の水素発生剤ホルダー31の内側の筒孔(上面孔から下面孔に貫通する貫通孔)に収納される。水素発生剤袋34の幅は、水素発生剤ホルダー31の筒孔のサイズ(筒孔形状が円形なら直径)と同程度(筒孔サイズと同じか、筒孔サイズより少し大きいか小さい)であるのが望ましく、水素発生剤ホルダー31の筒孔に収納された水素発生剤袋34が筒孔から外側に落ちたり、筒孔の中で移動したりしないようにする。すなわち、筒状の水素発生剤ホルダー31が動いたりしても、収納された水素発生剤袋(ケース)34は動かない状態にあることが望ましい。水素発生剤袋(ケース)34には水と反応すると水素ガスが発生する水素発生剤が入っている。
【0016】
図3は、本発明の水素発生容器(水素発生装置と呼んでも良い)を示す図である。本発明の水素発生容器(水素発生装置)40は、内部が空洞の柱状容器41とその柱状容器41の開放(開口)された底面(上面と呼ぶ)の蓋42を含む。この水素発生容器は水を入れる蓋付き水筒(容器)と考えても良い。柱状容器41の一方の底面(下面と呼ぶ)は閉じており、他方の底面(上面)は開放(開口)されており、開口した上面側から図2で示した水素発生剤袋34を収納した水素発生剤ホルダー31を入れる。筒状水素発生剤ホルダー31の水素発生剤袋34が収納された方の底面(下面とする)を下側にして、筒状水素発生剤ホルダー31の下面を柱状容器41の下面に置き、筒状水素発生剤ホルダー31を立てるように配置する。(図3(a)、(b))従って、本発明の水素発生容器40は、水を入れて、中に水素発生剤ホルダーを入れて水素ガスを発生させる水筒と考えても良い。水筒であるから、本発明の水素発生容器40は持ち運びや携帯が可能である。水素発生容器(水素発生装置)40の上部の開口部側は下部側よりもその断面サイズ(空洞の断面サイズ)が小さく、すなわち窄んでいても良い。
【0017】
筒状水素発生剤ホルダー31を柱状容器41内に配置した後、柱状容器41の上面より水を入れて、筒状水素発生剤ホルダー31内の水素発生剤袋34を水44に浸漬させる。柱状容器41内に水を入れた後、柱状容器41の開放された上面に蓋(容器蓋)42を被せる。容器蓋42は、水素排出口(排気口)43が取り付けられており、柱状容器41の上面を容器蓋42で蓋をしたときに、筒状水素発生剤ホルダー31の上面(下面に対面側)が水素排出口43に入るように配置する。容器蓋42に取り付けた水素排出口43は容器蓋42に開けた単なる孔でも良いが、図3に示すような筒状でも良い。このように、容器蓋42は、柱状容器41の開口部を自在に取り外しまたは開閉可能に蓋をする開閉蓋である。筒状水素発生剤ホルダー31の長さをh1、柱状容器41の(内側)高さをh2とし、柱状容器41を容器蓋42で蓋をして閉じて容器蓋42の蓋面45と柱状容器41の上面が殆ど一致するとき(図3(d)の状態)は、h2<h1であるようにすれば、筒状水素発生剤ホルダー31の上面(下面の対面側)が水素排出口43に入るように配置できる。筒状水素発生剤ホルダー31がある程度柔軟な材料とすれば、少し曲げて入れることもできるので、水素発生装置40の柱状容器41の底面に筒状水素発生剤ホルダー31の底面(下面)が接触し、筒状水素発生剤ホルダー31の底面(上面)開口部38が容器蓋42に取り付けた水素排出口43に入って位置が定まり、水素発生装置40が動いても筒状水素発生剤ホルダー31が移動することがなくなる。
【0018】
筒状水素発生剤ホルダー31を柱状容器41内に配置し、水44を入れると、水44に浸漬した筒状水素発生剤ホルダー31の渦巻き状シート30の境目39(境目39には隙間がある)や筒状水素発生剤ホルダー31の孔の空いた下面(開口部)から水44が筒状水素発生剤ホルダー31の内側空洞に入り、筒状水素発生剤ホルダー31内の水素発生剤袋34が水に浸かる。すなわち、水素発生剤が収納された前記筒状ホルダー部分の一部または全部は前記水素発生装置の内部空間に入れた水中に浸漬すると、筒状ホルダーの外郭のらせん状に形成された切れ目または境目(は隙間が空いているので)や、筒状ホルダーの底面(下面)開口部から水が筒状ホルダーの内部空洞に浸入して(矢印46で示す)、筒状ホルダー内部空洞に収納された水素発生剤と水が接触する。水素発生剤袋34には水と反応すると水素(H2)を発生する水素発生剤が入っているので、水素(H2)が発生する。水素(H2)は水に殆ど溶けず、空気よりもかなり軽いので、筒状水素発生剤ホルダー31の内側空洞を上昇して、容器蓋42の水素排出口43から排出される。(矢印47で示す。)
【0019】
水素発生剤として、たとえば、酸化カルシウム剤(CaO)およびアルミニウム(Al)を含むものが挙げられる。これらが水と接触すると、アルミニウム(Al)が水素発生反応促進剤になり水素(H2)が発生する。(反応式の例:CaO+Al+5H2O→Ca(OH)2+Al(OH)4+2H2)たとえば、酸化カルシウム剤(CaO)およびアルミニウム(Al)の混合粉末約1gに3gの水を加えると約300mlの水素ガスが発生する。また、水素発生剤として、たとえば、MgH2が挙げられる。(反応式の例:MgH2+2H2O→Mg(OH)2+2H2)本発明の水素発生剤として、水と反応して水素ガスを発生するものであればその他種々の水素発生剤が使用可能である。
筒状水素発生剤ホルダー31の渦巻き状シート30の境目(切れ目)39から出て柱状容器41の方へ出ていく水素もあるが、筒状水素発生剤ホルダー31の内側空洞を通る方が圧倒的に多いので、水素(H2)ガスの排出効率が良い。水素排出口43と筒状水素発生剤ホルダー31の間には隙間もあるので、柱状容器41内に貯まった水素も水素排出口43から出ていく。水素排出口43は水素ガスを通すチューブ(たとえば、ビニール、ウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ゴム)が接続し、そのチューブは鼻や口につけた水素吸入器に入り、鼻や口から水素(H2)ガスを身体に吸入できる。
【0020】
筒状水素発生剤ホルダー31は柱状容器41の中央部へ配置するようにし、水素排出口43を容器蓋42の中央部へ取り付けておけば、柱状容器41を容器蓋(開閉蓋)42で蓋をしたときに、筒状水素発生剤ホルダー31の上面側開口部は自然に水素排出口43に入るように配置できる。(筒状水素発生剤ホルダー31の外側サイズを水素排出口43の内側サイズより小さくしておくことも必要である。)このように、筒状水素発生剤ホルダー31の上面側開口部が水素排出口43に入るように配置すれば、水素発生容器40が多少揺れても筒状水素発生剤ホルダー31の上面側開口部が水素排出口43から外れることはなく、水素が筒状水素発生剤ホルダー31の空洞を通って水素排出口43に入り、水素が効率的に水素排出口43から排出される。尚、筒状水素発生剤ホルダー31が柱状容器41より短かったり(h1<h2)、筒状水素発生剤ホルダー31の上面側開口部が水素排出口43から外れても、水素ガスは水素発生容器40の上部へ貯まり、水素は水素排出口43から出ていくので、水素排出という点では特に問題はない。柱状容器41の上方が窄んでいれば、筒状水素発生剤ホルダー31の上側が、その窄んだ柱状容器41の上方に配置しているので、筒状水素発生剤ホルダー31が倒れることは少なくなる。
【0021】
図4は、図3で示す本発明の水素発生容器の変形実施形態を示す図である。図3に示す水素発生容器40の場合、筒状水素発生剤ホルダー31を柱状容器41の下面のどこに配置すれば良いか明確ではなく、ほぼ中央付近に配置するということであった。これでも柱状容器41の下面がそれほど広くはないので、位置が大きくずれることはないが、図4に示すように、筒状水素発生剤ホルダー31を配置すべき柱状容器41下面の場所に、突起51を配置しておき、この突起51を筒状水素発生剤ホルダー31の下面の開口部に入れるようにして筒状水素発生剤ホルダー31を配置すれば、筒状水素発生剤ホルダー31の位置決めが確実にできる。筒状水素発生剤ホルダー31の位置決めができれば、筒状水素発生剤ホルダー31の上面側が水素排出口43に確実に入ることになる。突起51が水素発生剤袋34に当たりダメッジ(たとえば、傷や穴を形成)を与える場合は、突起の先を丸めるとか平坦な形状にするとかして、水素発生剤袋34に損傷を与えないような形状とすれば良い。
【0022】
さらに、柱状容器41の内側に筒状水素発生剤ホルダー31用支持ガイド53を配置しておけば、筒状水素発生剤ホルダー31の位置決めをさらに確実にできる。たとえば、図4に示すようなガイド穴のある筒状水素発生剤ホルダー31用支持ガイド53を柱状容器41の内側に取り付けておけば、このガイド穴に筒状水素発生剤ホルダー31を通す(セットする)ことによって、筒状水素発生剤ホルダー31を確実に位置決めできる。(図4(a)、(b))このガイド穴は筒状水素発生剤ホルダー31のサイズと同程度または少し大きい程度のサイズとしておけば、筒状水素発生剤ホルダー31を固定または半固定状態とすることもできる。あるいは、ガイド穴は筒状水素発生剤ホルダー31のサイズよりもある程度大きくしても良く、柱状容器41内における筒状水素発生剤ホルダー31の位置がある程度定まるサイズにしても良い。また、図4(a)および図4(b)に示すように、柱状容器41の外壁(外側ケース)に把手52を取り付けて、そこに首ヒモ54を付けて身体の首などに首ヒモを54かけて水素発生容器40を携帯できる。水素発生器40を身体に身に着けて携帯できれば、いつでもどこでも水素を吸入できる。
【0023】
図5は、本発明の筒状水素発生剤ホルダーの別の実施形態を示す図である。図5に示す筒状水素発生剤ホルダー61は、渦巻き状(螺旋(スパイラル)状)に巻かれた部分62と、螺旋(スパイラル)状部分がない中空の筒状部分63からなる。(図5(b))渦巻き状に巻かれた部分の長さh3(一方の下面から渦巻き状の上部までの長さ)は、後に説明するように素発生剤袋が収納される程度の長さがあれば良く、この部分は水に浸漬する部分でもある。
【0024】
このような一部が渦巻き状部分62を有する中空の筒状ホルダー61は、たとえば図5(a)に示すような柱状の筒状チューブの外壁(外郭)を、一方の端面(下面)から渦巻き状(螺旋(スパイラル)状)に長さh3まで切断して、切れ目39を形成すれば良い。あるいは、切れていない柱状の筒状チューブに長さh3の渦巻き状チューブを接続しても作製できる。あるいは、図2に示す渦巻き状チューブについて、長さh3の部分を除いた他の部分の境目(切れ目)39を完全に閉じる方法(たとえば、境目39に接着剤を付けて境目39を塞ぐ方法や、加熱して境目39を融着して境目39を塞ぐ方法)がある。尚、全体が渦巻き状部分である中空の筒状ホルダー31(図2図4に示す)も図5(a)に示すような柱状の筒状チューブの外壁(外郭)の全体を、渦巻き状(螺旋(スパイラル)状)に切断して切れ目を形成することができる。筒状ホルダーの材料は、たとえば、高分子材料や金属である。高分子材料であれば、塩化ビニール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ゴムであり、たとえば、金属材料であれば、鉄、亜鉛、ニッケル、銅、チタン、各種合金、ステンレスである。水素が発生すると発熱するので、耐熱性高分子材料を使用することもできる。
【0025】
この一部が渦巻き状(螺旋(スパイラル)状)部分62を有する中空の筒状ホルダー61の渦巻き状部分62の端を引っ張る(引張り力65)と、図5(c)に示すように渦巻き状部分62が伸びて、隙間64ができるので、その隙間64から水素発生剤袋(ケース)34を入れて(図5(d))、引張り力65をなくすと、筒状ホルダーの渦巻き状部分62の空洞部分に水素発生剤袋34が収納される(図5(d))。このように、一部に渦巻き状部分62が形成された筒状水素発生剤ホルダー61でも、簡単に筒状水素発生剤ホルダー61の内側(空洞部分)に水素発生剤袋34が収納される
【0026】
この一部が渦巻き状部分62を有する中空の筒状ホルダー61を柱状容器41に配置して、柱状容器41内に水44を入れて容器蓋42で柱状容器41に蓋をした状態が図5(f)である。筒状水素発生剤ホルダー61の渦巻き状部分62を少なくとも水44に浸漬させると、渦巻き状部分62の境目(切れ目)39および筒状ホルダー61の下面から水が筒状ホルダー61の少なくとも渦巻き状部分62の中空部分に入り、水素発生剤袋34が水に浸漬し、水素発生剤袋34の水素発生剤が水と反応して水素を発生させる。すなわち、水素発生剤を収納する(入れる)水素発生剤袋(ケース)は水を透過しやすい(水が浸透しやすい)材料(たとえば、布、網目状繊維、網目状プラスチック、金属製メッシュ、紙、透過性プラスチック)から形成されている。発生した水素は筒状ホルダー61の中空部分を通り、水素排出口43から出ていく。(矢印47)このとき、渦巻き状部分62以外の筒状ホルダー61には隙間69がないので、水素は柱状容器41内には余り出ていかないので、発生した大部分の水素は筒状ホルダー61の中空部分から出ていき、効率的に水素排出口43から水素が排出される。
【0027】
本実施形態では、容器蓋42の蓋面45には逆止弁48が取り付けられており、水素排出口43から水素が余り出ていかず(たとえば、水素排出口43や筒状ホルダー61の中空部分がつまった時)、柱状容器41の内部に水素がたまり圧力が高くなった場合にガス抜きができるようになっている。尚、逆止弁48は容器蓋42の蓋面45以外の部分(たとえば、側面)に取り付けても良いし、柱状容器に取り付けても良い。また、逆止弁48は他の実施形態に置いても当然取り付けることもできる。
【0028】
図6は、本発明の筒状水素発生剤ホルダーの別の実施形態を示す図である。本筒状水素発生剤ホルダー81はフレキシブルな材料からなり、その外壁(外郭)は渦状に形成されているので、図2に示した場合と同じように、下面側を引張ると渦状に形成された部分が伸びて隙間ができて、そこから収納した水素発生剤袋34を容易に取り出したり、水素発生剤袋34を容易に入れ込んだりすることもできる。フレキシブルな材料は、たとえばビニール(たとえば、塩化ビニール)、ポリスチレン、ポリプロピレン。ポリエチレン、ABS樹脂、ポリウレタン、チューブ等の軟質プラスチックやゴムであるが、金属材料でも良い。また、柔軟な耐熱性高分子材料を使用することもできる。尚、筒状水素発生剤ホルダーの下面側の開口部は閉じていても良く、その場合は下側の境目(切れ目)から水が浸入するので、筒状水素発生剤ホルダー内に収納された水素発生剤に水が接触する。
【0029】
このようなフレキシブルな筒状水素発生剤ホルダー81は、柱状容器41よりかなり長くても、図6(b)に示すように、柱状容器内で曲げて使うことができ、なめらかに曲げている限りは筒状水素発生剤ホルダー81内は貫通した空洞となっており、発生した水素が、貫通空洞を通って、水素排出口43から外側へ排気することができる(矢印47)。たとえば、柱状容器が小さくても比較的長いフレキシブルな筒状水素発生剤ホルダー81であれば使用できる。図6では、全体が渦巻き状の筒状水素発生剤ホルダーを示したが、図5に示すような一部が渦巻き状の筒状水素発生剤ホルダーにも当然適用可能である。すなわち、渦巻き状部分だけでない部分もフレキシブルな材料でも良い。
【0030】
尚、本実施形態では、柱状容器41内に入れた水が揺れないように、水面ストッパ82が取り付けてある。この水面ストッパ(水面揺れ防止材)82は、たとえばプラスチック板や金属板、紙、布等の繊維シートに筒状水素発生剤ホルダー81が通るような穴を作製し、その穴に筒状水素発生剤ホルダー81を通して、水面に蓋をするように配置すれば良い。水面ストッパ82の外側サイズは柱状容器41の内側サイズと同程度に形成しておけば、柱状容器41の任意の場所で配置できる。水面ストッパ82の周囲(柱状容器41の内面と接触)や筒状水素発生剤ホルダー81が通る穴の周囲(筒状水素発生剤ホルダー81の外面と接触)にゴムやスポンジ等の柔軟材料を取り付けておけば、水が柱状容器の上部へ出ていくことも少なくなる。あるいは、水面ストッパ82全体が綿、布、スポンジ等でも良い。本発明の水素発生容器(40、80)は、身体に身につけて携帯するので、水素発生容器が動き、柱状容器内の水も動いてしまい、場合によっては、筒状水素発生剤ホルダー内の水素発生剤袋に水が接触しない時があり、水素発生効率が落ちてしまう。しかし、水面ストッパをつけて置くことにより、水の揺れが殆どなくなり、その結果常に水素発生剤袋に水が接触して水素発生剤袋内に水素発生剤が存在する限り、常時水素が効率的に発生する。
【0031】
図7は、本発明の筒状水素発生剤ホルダーの別の実施形態を示す図である。図7の図は、図1に示す従来の水素ガス吸引システム10において、改良した水素発生剤ホルダーを使用した実施形態を示す。図7において、図1に示す水素発生剤ホルダー12に替えて、本発明の筒状の水素発生剤ホルダー(筒状チューブ)85を使用する。水素発生剤ホルダー85は、図2図6に示すような筒状水素発生剤ホルダーの短いもので、図2に示すような細長い板状のシート30の短いシートを内側が空洞の筒状に巻いたものである。あるいは、内側が空洞の筒状チューブの外郭を渦巻き状に切断して切れ目86が入ったチューブである。図7において、水素発生剤ホルダー85を拡大して、チューブ外殻を透かして、下方に図示する。
【0032】
筒状チューブの空洞には水素発生剤袋87が収納されている。筒状チューブ85には渦状(螺旋(スパイラル)状)に切れ目87が入っているので、図2に示すように片端または両端を引張ると切れ目87が空いて隙間ができるので、その隙間から水素発生剤袋87を入れることができ、引張り力をなくすと筒状チューブ85になり、水素発生剤袋87が筒状チューブ85の空洞部分に収納される。水素発生剤ホルダー85は水素発生剤袋をその内部空洞に収納できる程度の大きさである。たとえば、水素発生剤袋87のサイズが横10mm、縦20mm、厚み5mmならば、筒状チューブ85の内部空洞のサイズが内径10mm程度、長さが20~30mm程度で良い。筒状チューブ85は柱状でも良いし、湾曲した柱状でも良い。筒状チューブ85の内部空洞サイズに比べて水素発生剤袋87が小さすぎると、筒状チューブ85内部空洞に収納した水素発生剤袋87が筒状チューブ85内部空洞から抜けてしまう可能性があるので、筒状チューブ85内部空洞に収納できて、筒状チューブ85内部空洞から抜けない程度のサイズが良い。すなわち、水素発生剤袋87のサイズに合わせて、筒状チューブ85のサイズを選定すれば良い。
【0033】
この小型の筒状チューブ85を水の入った水素発生器11に入れると、筒状チューブ85の両端部や切れ目86から水素ガスが出て来て水素発生器11の上部へ貯まり、気体出口14から水素ガスを排出して、図1に示す場合と同様に口や鼻から水素ガスを吸引できる。また、水素水容器17に水素ガスを通せば、水素水を飲むこともできる。水素発生器11を小型にすれば携帯も可能である。携帯して水や水素発生剤ホルダー85が動いても水素発生剤ホルダー85が小さいので、水素発生剤ホルダー85内の水はなくなる可能性は少ないので、水素発生効率が低下することも小さいと考えられる。このように、本発明の渦状切れ目のある筒状チューブである水素発生剤ホルダーを用いることによって、簡単に水素発生剤袋を交換できるので、簡単に携帯し簡単に水素吸引をすることができる。また、ミスト(霧)発生装置22も携帯すれば、その霧と水素の混合ガス(水素混合ミストと称する)を、いつでもどこでも吸入マスク23を使用して口および/または鼻で吸入することができる。
【0034】
図8は、本発明の水素発生装置の別の実施形態を示す図である。
図8(a)において、本発明の水素発生剤を収納する筒状水素発生剤ホルダー100は、内部が空洞の柱状の筒状となっており、空洞サイズ(空洞の断面サイズ)の小さな柱状の筒状ホルダー(上部筒状ホルダー)102と空洞サイズ(空洞の断面サイズ)の大きな柱状の筒状ホルダー(下部筒状ホルダー)101が連結した形状である。上部筒状ホルダー102は上面104が開口しており、下面側も開口しており、上面開口部104から下面まで貫通した空洞を有する。下部筒状ホルダー101は下面103が開口しており、上面側も開口しており、上面開口部104から下面開口部103まで貫通した空洞を有する。(図8において開口している状態を斜線で示す。)たとえば、筒状ホルダーの空洞が円形である場合は、上部筒状ホルダー102の空洞(断面)直径R2は下部筒状ホルダー101の空洞(断面)直径R1より小さい。上部筒状ホルダー102の下面が下部筒状ホルダー101の上面と接続して、筒状水素発生剤ホルダー100が形成されている。筒状水素発生剤ホルダー100の下面(下部筒状ホルダー101の下面103と同じ)が開口し、筒状水素発生剤ホルダー100の上面(上部筒状ホルダー102の上面104と同じ)が開口しているので、筒状水素発生剤ホルダー100は、上面から下面に貫通する空洞を有している。下部筒状ホルダー101と上部筒状ホルダー102の接続部分109は閉じている。
【0035】
下部筒状ホルダー101と上部筒状ホルダー102が円筒形である場合、上部筒状ホルダー102の外径(外郭径)R3と下部筒状ホルダー101の空洞径R1のサイズがほぼ等しい場合は、下部筒状ホルダー101の空洞へ上部筒状ホルダー102を嵌めるようにして作製できる。筒状ホルダーの材料がプラスチックの場合は、熱圧着か接着剤で接続し固定できる。筒状ホルダーの形状は、断面が三角形、四角形、多角形、楕円形、任意の曲線形状でも良く、上部筒状ホルダー101と下部筒状ホルダー102の形状が異なっていても良い。また、筒状ホルダーの内部空洞の形状は、断面が三角形、四角形、多角形、楕円形、任意の曲線形状でも良く、上部筒状ホルダー101と下部筒状ホルダー102の内部空洞の形状が異なっていても良い。ホルダーの材料は、プラスチック等の高分子材料や金属材料が良い。下部ホルダー内には水素発生剤を収納するので、水素発生剤と水が反応すると、100℃~130℃程度まで温度が上がるので、高分子材料の場合は、この温度でも変形しないような耐熱性プラスチック等の耐熱性高分子材料が好ましい。たとえば、熱硬化性樹脂{たとえば、UF(ユリア樹脂)、PF(フェノール樹脂)、MF(メラミン樹脂)、SI(シリコン樹脂)、EP(エポキシ樹脂)}、スーパーエンプラ素材{たとえば、PES(ポリエーテルサルフォン)、PEI(ポリエーテルイミド)、PAI(ポリアミドイミド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PPS(ポリフェニレンスルファイド)}、エンプラ素材{たとえば、PC(ポリカ-ボネート)、PA(ポリアミド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、POM(ポリアセタール)、PVDF(ポリフッカビニリデン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスルホン)、}が使用できる。上部筒状ホルダー101と下部筒状ホルダー102の材料が異なっていても良い。尚、図1図7において示した筒状ホルダーについても同様な材料を使用できる。
【0036】
図8(b)に示すように、この筒状水素発生剤ホルダー100の下部筒状ホルダー102の空洞部分に水素発生剤袋(ケース)105を収納する。水素発生剤袋(ケース)105の大きさは、下部筒状ホルダー102の空洞部分に入る程度のサイズにする。たとえば、水素発生剤袋(ケース)105の大きさ(たとえば幅)を下部筒状ホルダー102の空洞部分のサイズ(たとえば直径)と同じか少し小さめかまたは少し大きめにしておけば、水素発生剤袋(ケース)105を下部筒状ホルダー102の開口部103から下部筒状ホルダー102の空洞内へ入れ込み下部筒状ホルダー102の空洞内に収納できる。少し大きめでも水素発生剤袋(ケース)105が柔軟性があれば、水素発生剤袋(ケース)105を変形させて下部筒状ホルダー102の空洞内へ入れることもできる。また、少し大きめにしておけば、下部筒状ホルダー102の空洞内で水素発生剤袋(ケース)105が動くこともなくなる。また、図8に示すような2段の筒状ホルダーからなる筒状水素発生剤ホルダー100の場合は、水素発生剤袋(ケース)105の大きさを上部筒状ホルダー101の空洞部分のサイズより大きくしておけば、水素発生剤袋(ケース)105が筒状水素発生剤ホルダー100の上部、すなわち上部筒状ホルダー101の方へ移動することはない。
【0037】
図8(c)~(e)は、本発明の水素発生装置(容器)140を示す図であり、水素発生装置(容器)140は、水素発生装置(容器)本体110、水素発生装置(容器)上蓋120、水素発生装置(容器)下(底)蓋130、水素発生剤袋(ケース)105を収納した筒状水素発生剤ホルダー100から構成される。水素発生装置(容器)本体110は、内部が空洞の柱状の容器であり、すなわち、上面115が開口し、下面114も開口しているので、上面開口部115から下面開口部114へ空洞(空間)が貫通している。また、水素発生装置(容器)本体110の外壁(外郭)形状が上部側で窄めた形状であり、外壁(外郭)肉厚が水素発生装置(容器)本体110内ではほぼ同じであるから、空洞もその窄みに対応しており、水素発生装置(容器)本体110の上部側の空洞が下部側の空洞よりも狭くなっている。すなわち、内部が空洞(円柱体である場合、空洞断面の直径{空洞サイズ(断面サイズ)}をR5とする)の柱状体111と内部が空洞(円柱体である場合、空洞断面の直径{空洞サイズ(断面サイズ)}をR6とする)の柱状体113が接続部112で一体となっており、ここでR6<R5である。尚、これらの柱状体において、R5やR6は深さ方向に一定でなくとも良い。柱状体111は水素発生装置(容器)本体110のボディ部、柱状体113は水素発生装置(容器)本体110のネック部または口部、接続部112はショルダー部と呼んでも良い。水素発生装置(容器)本体110の材質は、たとえばプラスチック等の高分子材料や金属材料である。高分子材料として、たとえばこれまでに挙げた材料を使用できる。水素発生装置(容器)本体110の内部が見えるようにするために透明体であることが望ましい。
【0038】
水素発生装置(容器)上蓋120は、水素発生装置(容器)本体110のネック部113に嵌めて開口部(開口面)115を塞ぐ蓋(ふた)である。水素発生装置(容器)上蓋120は、柱状部(側面)121、柱状部(側面)121の天井(上)面125に取り付けた水素排出(排気)口122から構成される。柱状部(側面)121の下面123は開口しているので、柱状部(側面)121を水素発生装置(容器)本体110のネック部113に嵌めることができる。たとえば、柱状部(側面)121の内側サイズ(断面が円形であれば直径)を水素発生装置(容器)本体110のネック部113の外側サイズ((断面が円形であれば直径)より少し大きめに作製し、両方に互いに嵌まるスパイラル状のネジ山・ネジ溝を作製しておけば、水素発生装置(容器)上蓋120を水素発生装置(容器)本体110のネック部113に嵌めて回せば固く締めることができ、それらのサイズを最適化すれば気密性を保持することができる。接触部にシーリング材を配置しておけば、完全な気密性を得ることもでき、この部分から水素ガスや水が漏れないようにすることができる。水素排出(排気)口122も内部が空洞の柱状体であり、水素排出(排気)口122の上面124が開口しているので、水素排出(排気)口122の開口部124から柱状部(側面)121の下面の開口部123まで貫通している。柱状部(側面)121と水素排出(排気)口122の接続部は水素や水が漏れないように気密性を持たせるのが好ましい。柱状部(側面)121や水素排出(排気)口122の材質はたとえばプラスチック等の高分子材料や金属材料である。高分子材料として、たとえばこれまでに挙げた材料を使用できる。柱状部(側面)121と水素排出(排気)口122を同じ材料で構成する場合は、一体物として作製すれば気密性を確保できる。柱状部(側面)121と水素排出(排気)口122を異なる材料で構成する場合は、それらを接着剤や融着して付着させることができる。ネジ山・溝を互いに嵌まるように製作すれば、取り外すこともできる。その場合、シーリング材(たとえば、Oリング)を用いて気密性を完全に確保することもできる。シーリング材として、たとえば、ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、水素化ニトリルゴム、パーフルオロエラストマー、フロロシリコンゴムが挙げられ、耐熱性も考慮して適宜選択できる。シーリング材は、たとえば柱状部(側面)121の天井面125の下面において、その下面と水素発生装置(容器)本体110のネック部113の上端縁と接触面に配置したり、柱状部(側面)121の外壁(郭)および/または水素発生装置(容器)本体110のネック部113の内側壁(郭)において、柱状部(側面)121の外壁(郭)と水素発生装置(容器)本体110のネック部113の内側壁(郭)との接触部に配置したりできる。
【0039】
水素発生装置(容器)下(底)蓋130は、上面133が開口しており下(底)面132が閉じており、内部が空洞の筒状となっている。水素発生装置(容器)下蓋130を水素発生装置(容器)本体110の下面開口部114に被せて、下面開口部114に蓋をする。たとえば、水素発生装置(容器)下蓋130の内側の空洞サイズを水素発生装置(容器)本体110の下側の外側(外壁(外郭))サイズよりも同じか少し大きくしておき、水素発生装置(容器)下蓋130を水素発生装置(容器)本体110の下側の外側(外壁(外郭)に被せて嵌める。水素発生装置(容器)下蓋130の側面131の内側および水素発生装置(容器)本体110の下側の外側面に、ネジ山・溝を互いに嵌まるように製作すれば、水素発生装置(容器)下蓋130を回転させて、水素発生装置(容器)下蓋130で水素発生装置(容器)本体110の下面開口部114に蓋をすることができる。水や気体が漏れないように、水素発生装置(容器)下蓋130の下(底)面132にシール材(たとえば、Oリング)134を配置しておき、気密性を確保できる。水素発生装置(容器)下蓋130の下面132に配置するシール材134は、水素発生装置(容器)本体110の底部(下面開口部114の縁)と水素発生装置(容器)下蓋130の下面132との接触部に配置できる。尚、シール材は、水素発生装置(容器)本体110の底部(下面開口部114の縁)側にも配置できる。シール材は、水素発生装置(容器)下蓋130の側面131の内側面および/または水素発生装置(容器)本体110の下側の外側面に配置することもできる。
【0040】
水素発生装置(容器)下蓋130で水素発生装置(容器)本体110の下面開口部114を塞いだ後、水素発生剤袋(ケース)105を収納した筒状水素発生剤ホルダー100を水素発生装置(容器)本体110の上面開口部115から、筒状ホルダー(下部筒状ホルダー)101の方を先にして水素発生装置(容器)本体110の空洞(空間)内に入れる。筒状水素発生剤ホルダー100の下面開口部103が水素発生装置(容器)下蓋130の下(底)面132に接触して設置される。
下部筒状ホルダー101の長さ(高さ)をh5、上部筒状ホルダー102の長さ(高さ)をh4とすれば、筒状水素発生剤ホルダーの長さ(高さ)h6は、h6=h4+h5である。水素発生装置(容器)本体110のボディ部の高さ(長さ)をh7、ショルダー部の高さ(長さ)をh8、水素発生装置(容器)本体110のネック部113の高さをh9とすれば、水素発生装置(容器)本体110の高さh10は、h10=h7+h8+h9である。水素発生装置(容器)本体110の下面開口部114は、水素発生装置(容器)下(底)蓋130の下(底)面132とほぼ一致するので、水素発生装置(容器)下(底)蓋130で蓋をした水素発生装置(容器)140の水素発生装置(容器)下(底)蓋130の下(底)面132から水素発生装置(容器)本体110の上面開口部115までの高さは、h10とほぼ同じか少し大きい。(水素発生装置(容器)本体110の下面開口部114は、水素発生装置(容器)下(底)蓋130の下(底)面132と一致しない時は、h10より大きくなる。)また、水素発生装置(容器)本体110の上面開口部115は、水素発生装置(容器)上蓋120の天井(上)面125とほぼ一致するので、また、水素発生装置(容器)上蓋120で蓋をした水素発生装置(容器)140の水素発生装置(容器)下(底)蓋130の下(底)面132から水素発生装置(容器)上蓋120の天井(上)面125までの高さは、h10とほぼ同じか少し大きい。(水素発生装置(容器)本体110の上面開口部115は、水素発生装置(容器)上蓋120の天井(上)面125とほぼ一致しない時は、h10より大きくなる。)
【0041】
図8(d)および(e)は、水素発生剤袋(ケース)105を収納した筒状水素発生剤ホルダー100が水素発生装置(容器)下(底)蓋130および水素発生装置(容器)上蓋120で蓋をした水素発生装置(容器)140の状態を示す図で、図8(d)は下(底)蓋130および上蓋120が不透明な場合(水も入っていない)の図であり、図8(e)は下(底)蓋130および上蓋120が透明またはスケルトン(透視的)な場合(水が入っている)の図である。これらの図から分かるように、筒状水素発生剤ホルダー100は水素発生装置(容器)140内に入っているので、筒状水素発生剤ホルダー100の高さ(長さ)h6は、h10より小さい。水素発生装置(容器)140のネック部113の空洞(断面)サイズ(R6)は、水素発生装置(容器)140のボディ部111の空洞(断面)サイズ(R5)より小さいので、筒状水素発生剤ホルダー100(上部筒状ホルダー102)の上部の一部(または全部)が水素発生装置(容器)140のネック部113の空洞内に納まっていれば、水素発生装置(容器)140が動いても、筒状水素発生剤ホルダー100はネック部113の空洞の範囲内で動くだけなので、筒状水素発生剤ホルダー100は水素発生装置(容器)140内で余り動かない。すなわち、筒状水素発生剤ホルダー100が水素発生装置(容器)140(特に、ボディ111)の外壁(外郭)内面にはほとんど接触しないので、水素発生装置(容器)140にダメージを与えない。従って、h6>h8+h7であることが望ましい。h4~h10やR1、R2、R5、R6の例を挙げると、h4=4~15cm、h5=2~10cm、h6=6~25cm、h7+h8=5~20cm、h9=1~5cm、h10=6~25cmである。R1=1.5~4cm、R2=1~3cm、R5=4~10cm、R6=2~5cmである。もちろん、これ以外のサイズも選択できる。
【0042】
下部筒状ホルダー101の下側の外壁(外殻)には水が通る孔(通水孔)107が開いていて、図8(e)に示すように、水素発生装置(容器)140に水135を入れたときに、この通水孔107から筒状水素発生剤ホルダー100内へ水が入るようになっている。もちろん、筒状水素発生剤ホルダー100の下面開口部103からも水が入るが、下面開口部103が下(底)蓋130の下(底)面132と完全に接触していれば、水が入りにくいので、その場合は、主として通水孔107から水が筒状水素発生剤ホルダー100の空洞内へ入る。水素発生装置(容器)140へ入れる水の量は、少なくとも水素発生剤袋105が完全に水に浸かるようにするのが良い。たとえば、水の上限位置136は下部筒状ホルダー101と上部筒状ホルダー102の接続部109より上方とする。すなわち、水素発生剤袋105が収納される下部筒状ホルダー101の部分は完全に水に浸かるようにする。また、水素発生剤が完全に反応して水素になる程度の水量よりも多くするのが良い。水素発生剤袋は完全に下部筒状ホルダー内に収納できるように、水素発生剤袋の大きさは下部筒状ホルダーの高さ(長さ)h5以下の大きさにする。逆に言えば、下部筒状ホルダーの高さ(長さ)h5以下になる程度に水素発生剤袋の大きさを選定すれば良い。
【0043】
図8(e)に示すように、筒状水素発生剤ホルダー100の水と水素発生剤が反応して水素(H2)ガスが発生して、その発生した水素は筒状水素発生剤ホルダー100内の空洞を通して上方へ上がっていき、筒状水素発生剤ホルダー100の上面開口部104から出ていき、(さらに、筒状水素発生剤ホルダー100(上部筒状ホルダー101)の上側の外壁(外殻)に空いた孔(水素通気孔)108からも水素が出ていき)水素発生装置(容器)140のネック部113の空洞内に溜まり、その水素は、さらに上蓋120の水素排出(排気)口124から水素ガスが出ていく。(破線矢印137で示す。)本発明の水素発生システムでは、この水素排出(排気)口124に水素導入チューブを取り付けて、その水素導入チューブを水素吸入マスクや鼻カニュラに導けば、身体へ水素ガスを吸入・吸収することができる。水素発生装置(容器)140に耳116を備えれば、たとえば、この耳にひもを取り付けて首にかければ、水素発生装置(容器)140を携帯でき、歩いたり、走ったりして移動しながら、水素を身体に吸入・吸収することができる。
【0044】
尚、水素発生容器本体111の下面114は開口せず閉じていても良い。この場合は、底(下)蓋は不要であり、部品点数が減少する。水素発生容器本体111の下面114が開口し底(下)蓋130を要する場合は、水素発生容器本体111の下面開口部114から筒状ホルダー100を入れることができ、また水も水素発生容器本体111の下面開口部114から入れることができるので、自由度が増す。図8に示す本発明の水素発生システムである水素発生装置(容器)は、内部が空洞で上方の口が窄んだ水筒形状であるが、図1~7に示すような柱状(たとえば、円筒形状)でも良い。この水筒形状の水素発生装置(容器)内へ空洞サイズが異なる2段の筒状水素発生剤ホルダーを入れて、下段の筒状水素発生剤ホルダーへ収納された水素発生剤袋(ケース)に入った水素発生剤と水素発生装置(容器)内に入れた水との反応により、水素が発生する。その水素は筒状水素発生剤ホルダーの空洞を上昇して水素発生装置(容器)の上方に集まり、水素発生装置(容器)の上蓋に取り付けた水素排出口から外へ出ていく。また、筒状水素発生剤ホルダー上部が水素発生装置(容器)の窄んだ口部(ネック部)に配置されるので、筒状水素発生剤ホルダー上部は余り動かないが、筒状水素発生剤ホルダー下部が配置される水素発生装置(容器)の下方(特に底部)では動き易いので水素発生装置(容器)の外壁(外郭)に接触する恐れもあり、水素発生装置(容器)の外壁(外郭)に損傷を与える可能性もある。そこで、水素発生装置(容器)の底部(下蓋があるときは下蓋底部)に柔軟材を配置しておけば、その損傷を緩和できる。シーリング材134を配置するときは、そのシーリング材134と兼用できる。
【0045】
図9は、本発明の携帯用水素ガス吸引(吸入)システムを示す図である。図9に示す携帯用水素ガス吸引システムは、水素発生(容)器(水素発生装置)91、水素吸入マスク(水素吸入器)、水素発生器(水素発生装置)91から水素吸入マスク(水素吸入器)へ水素(ガス)を導く水素導入チューブ93を含む。水素発生器91は図2図8に示すような本発明の水素発生器である。水素発生器91を首にかける携帯用首掛けヒモ94が取り付けられており、水素発生器91を首にかけて持ち運び可能である。必要なときに、図2図8に示すような水素発生剤袋を収納した本発明の水素発生剤ホルダーを水素発生器91にセットし、水を入れる。水素吸入マスク(水素吸入器)を鼻や口にあてて、水素ガスを吸入できる。水素発生器91は図1図8で示したような携帯可能な程度の大きさである。たとえば、内径2cm~10cm、長さ10cm~30cmの円筒形状である。水素発生器(水素発生装置)91の内容積はたとえば、200cc~1000ccで水を50cc~800cc入れて、水素発生剤をたとえば3~10g用いれば約500cc~3000ccの水素を発生する。水素導入チューブ93は、たとえばフレキシブルなプラスチック、フッ素チューブ、ゴムチューブ、金属製チューブである。水を別の水筒等へ入れて持ち運んでも良いが、水素発生器91へ水を入れておいても良い。水素吸入マスク(水素吸入器)は、鼻や口から水素を吸入する装置(冶具等)のすべてを含む。たとえば、図に示す鼻や口にあてがうマスクや鼻から吸入する鼻カニュラも含む。
【0046】
水素発生剤袋は小さく軽いので、水とは別に携帯が可能である。水素ガス吸入が必要な時に、本発明の水素発生剤ホルダー(筒状チューブ(ホルダー))に収納して簡単に水素発生器91にセットできる。従って、歩行中でも運動中でも、いつでもどこでも、本発明の携帯用水素ガス吸引(吸入)システムを用いて水素ガスを吸引(吸入)可能である。水素発生器(水素発生装置)91の上面側開口部は他の部分より狭まった形状でも良いし、持ち運び可能なように中央部がくびれた形状でも良いし、任意の適切な形状でも良い。また、柔軟な材料で作製した変形可能な水素発生器(水素発生装置)でも良い。水素発生装置の材料は高分子材料や金属材料である。高分子材料であれば、塩化ビニール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ゴムであり、たとえば、金属材料であれば、鉄、亜鉛、ニッケル、銅、チタン、各種合金、ステンレスである。また、たとえば、これまでに列挙した材料(耐熱性高分子材料も含む)も使用できる。
【0047】
本発明の携帯用水素ガス吸引(吸入)システムは、特許文献2に記載したものにも適用できる。すなわち、特許文献2に記載した内容は、本発明にも引用して適用できる。たとえば、ゴーグル、ヘアキャップ、ボックス、スカート、またはサウナ等でも使用できる。ヘアキャップを用いれば、水素ガスは分子の大きさが小さいので、圧力がかかった水素ガスはやわらかくなった頭皮から頭の中へ水素ガスが浸入する。この結果、血流が良くなり、頭の状態がリラックスし、ダメッジヘア対策および抜毛・切毛予防効果があり、育毛効果や美容効果も期待される。水素混合ミスト(スチーム水素)を加熱する機構を備えることによって、頭部を適度に温めることができ、上記の効果を高めることもできる。また、頭がリラックスし、頭の回転も良くなり、記憶力も向上する。さらに、痴呆症対策にもなり、医療費等の社会保障費の削減もできる。
【0048】
また、ゴーグル等を通して水素ガスを眼に供給すれば、眼の疲れも回復しやすくなる。霧(ミスト)と混合すればその効果は増大する。水素混合ミストに接触した脚部133は、脚部133の疲労が癒されるとともに潤いを感じる。また、脚部や足の血流が良くなり、冷症改善や高血圧改善も可能である。特に水素が脚部の皮膚を通して脚部内に侵入して脚部の状態を良好にすることが期待される。このように、本発明の携帯用水素ガス吸引(吸入)システムを用いて、水素を身体に吸収することにより、血圧低下、血圧安定化、血糖値低減、ストレス解消等の効果により健康増進をはかることができる。スポーツ前、スポーツ中、およびスポーツ後に本発明の携帯用水素ガス吸引(吸入)システムを使用すれば、トレーニング効果が増大する。お年寄りが本発明の携帯用水素ガス吸引(吸入)システムを使用すれば、老化防止や痴ほう症改善等にも効果がある。
【0049】
以上詳細に説明した様に、本発明は、携帯可能でいつでもどこでも水素ガスを身体に吸入できる携帯用水素ガス吸入システムである。本発明の携帯用水素ガス吸入システムは少なくとも携帯用水素発生システム、携帯用水素発生システムと吸入マスク(鼻カニュラ等も含む)、およびそれらを接続する水素導入管(チューブ)を含む。携帯用水素発生システムは水素発生装置(容器)に水素発生剤を内部に収納できる筒状ホルダーを入れて水素ガスを排出するシステムである。本発明は、水素発生剤を内部に収納できる筒状ホルダーを水素発生装置に取り付けて、水素発生剤と水の反応により効率的に水素を発生できる。尚、本明細書において、明細書のある部分に記載し説明した内容について記載しなかった他の部分においても矛盾なく適用できることに関しては、当該他の部分に当該内容を適用できることは言うまでもない。さらに、前記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施でき、本発明の権利範囲が前記実施形態に限定されないことも言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
水素は分子が小さく身体の皮膚や細胞を通して浸入するので、本発明は身体のすべての部所に供給することによって、健康増進を高めることができる。
【符号の説明】
【0051】
10水素霧化システム、11水素発生装置、12水素発生剤ホルダー、13キャップ、
14気体出口、15(第1の)水素導入管、16水素吸入管、17水素水容器、
18水素導入入口、19(第2の)水素導入管、20出口、21水素入口、
22ミスト(霧)発生装置、23吸入マスク、24吸入口、25蓋、26出口、
27接続部、30板状の(渦巻き状)シート、31筒状水素発生剤ホルダー、
32引張り力、33隙間、34水素発生剤袋(ケース)、38開口部、
39境目(切れ目)、40水素発生容器(水素発生装置)、41柱状容器、42容器蓋、
43水素排出口(水素排気口)、44水、45容器蓋面、46水の浸入、47水素の流路、48逆止弁、51筒状水素発生剤ホルダー位置決め突起、52把手、
53筒状水素発生剤ホルダー用支持ガイド、54ヒモ、61筒状ホルダー、
62渦巻き状(螺旋(スパイラル)状)部分、63螺旋(スパイラル)状部分がない中空の筒状部分、64隙間、
65引張り力、80水素発生容器(水素発生装置)、81筒状水素発生剤ホルダー、
82水面ストッパ、85水素発生剤ホルダー(筒状チューブ)、86切れ目(境目)、
87水素発生剤袋(ケース)、91水素発生器(水素発生装置)、92水素吸入マスク、
93水素導入チューブ、
100筒状水素発生剤ホルダー、101下部筒状ホルダー、102上部筒状ホルダー、
103上面開口部、104上面開口部、105水素発生剤袋(ケース)、107通水孔、
108水素通気孔、109接続部、110水素発生装置(容器)本体、
111水素発生装置(容器)のボディ部、
112水素発生装置(容器)本体のショルダー部、
113水素発生装置(容器)本体のネック部、114下面開口部、115上面開口部、
116耳、117矢印、120水素発生装置(容器)上蓋、121上蓋柱状部(側面)、
122上蓋の水素排出(排気)口、123上蓋下面開口部、
124水素排出(排気)口の開口部、125上蓋の天井面、
130水素発生装置(容器)下(底)蓋、131水素発生装置(容器)下蓋の側面、
132水素発生装置(容器)下蓋の下(底)面、133下蓋の上面開口部、
134シール材、135水、136水の上限位置、137水素の排気方向

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9