(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63B 71/06 20060101AFI20220715BHJP
A63F 13/75 20140101ALI20220715BHJP
A63F 13/798 20140101ALI20220715BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220715BHJP
【FI】
A63B71/06 Z
A63F13/75
A63F13/798
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2018092590
(22)【出願日】2018-05-11
【審査請求日】2021-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】505183107
【氏名又は名称】株式会社ダーツライブ
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】高久 光一
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-319384(JP,A)
【文献】特開2001-321570(JP,A)
【文献】特開2009-160117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 71/06
A63F 13/75
A63F 13/798
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム毎のプレイヤの成績を記憶する記憶部に接続され、プレイヤの正当な実力に応じた能力値を算出するための情報処理装置であって、
ゲームイベント
より前に行われた少なくとも一の第1ゲームの成績に基づいて第1部分能力値を算出する第1部分能力値算出部
であって、前記ゲームイベントは、所定の信頼性確認処理が実行されている状態で行われる複数のゲームから構成される、第1部分能力値算出部と、
前記ゲームイベント中に行われた少なくとも一の第2ゲームの成績に基づいて第2部分能力値を算出する第2部分能力値算出部と、
前記第1部分能力値及び前記第2部分能力値に基づいて、前記プレイヤの前記能力値を算出するプレイヤ能力値算出部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ゲームイベント中に行われるゲームにおいて実行される所定の信頼性確認処理を実行する信頼性認証処理部を更に備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1部分能力値算出部は、前記少なくとも一の第1ゲームの成績の加重平均を、前記第1部分能力値として算出する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2部分能力値算出部は、前記少なくとも一の第2ゲームの成績の加重平均を、前記第2部分能力値として算出する、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プレイヤ能力値算出部は、前記第1部分能力値及び前記第2部分能力値の加重平均を前記能力値として算出する、請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プレイヤ能力値算出部は、以下の数式で表される値Pを前記能力値として算出する、請求項5に記載の情報処理装置。
P={(T-n)P
1+nP
2}/T
ここで、プレイ済の前記第2ゲームの回数をnとし、所定の規定ゲーム数をTとし、前記第1部分能力値をP
1とし、前記第2部分能力値をP
2とする。
【請求項7】
前記プレイヤ能力値算出部は、以下の数式で表される値Pを前記能力値として算出する、請求項5に記載の情報処理装置。
P=min[P
1,{(T-n)P
1+nP
2}/T]
ここで、プレイ済の前記第2ゲームの回数をnとし、所定の規定ゲーム数をTとし、前記第1部分能力値をP
1とし、前記第2部分能力値をP
2とする。
【請求項8】
ゲーム毎のプレイヤの成績を記憶する記憶部に接続されたコンピュータに、
ゲームイベント
より前に行われた少なくとも一の第1ゲームの成績に基づいて第1部分能力値を算出する手段
であって、前記ゲームイベントは、所定の信頼性確認処理が実行されている状態で行われる複数のゲームから構成される、第1部分能力値を算出する手段、
前記ゲームイベント中に行われた少なくとも一の第2ゲームの成績に基づいて第2部分能力値を算出する手段、及び、
前記第1部分能力値及び前記第2部分能力値に基づいて、前記プレイヤの正当な実力に応じた能力値を算出する手段、として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、対戦ゲームにおいては、プレイヤの成績に応じてプレイヤの実力を示す能力値を算出することが行われている。例えば、特許文献1には、プレイヤの過去のゲームの成績に基づいてプレイヤの能力の高さを示すレーティングを算出するマッチングサーバが記載されている。
【0003】
このようにして算出された各プレイヤの能力値は、例えば、複数のプレイヤ同士が対戦する場合に、能力値が低い方に予め所定の得点を付与しておくといったハンディキャップ制において利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数のプレイヤが順次対戦を行い、当該複数のプレイヤの間で優劣を決するゲームイベントが行われる場合がある。しかしながら、故意に手を抜いて繰り返しプレイすることによってレーティングを本来の実力よりも低くしておき、その状態で多くのプレイヤが出場するゲームイベントに臨んだ上で、当該ゲームイベントで不当にハンディキャップを得るプレイヤの存在が問題となっていた。
【0006】
そこで、本発明は、故意にレーティングを低くしてゲームイベントに参加することを抑止することが可能な情報処理装置を提供することを目的とする。また、本発明は、故意にレーティングを低くしてゲームイベントに参加しているプレイヤの能力値を、ゲームイベント中に正当な実力を反映したものに速やかに修正することが可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、ゲーム毎のプレイヤの成績を記憶する記憶部に接続され、プレイヤの正当な実力に応じた能力値を算出するための情報処理装置であって、所定の信頼性確認処理が実行されていない状態で行われた少なくとも一の第1ゲームの成績に基づいて第1部分能力値を算出する第1部分能力値算出部と、所定の信頼性確認処理が実行されている状態で行われた少なくとも一の第2ゲームの成績に基づいて第2部分能力値を算出する第2部分能力値算出部と、第1部分能力値及び第2部分能力値に基づいて、プレイヤの能力値を算出するプレイヤ能力値算出部と、を備える。
【0008】
この態様によれば、信頼性の高いゲームの成績に基づいてプレイヤの能力値が算出される。したがって、故意にレーティングを低くしてゲームイベントに参加することを抑止することが可能となる。また、故意にレーティングを低くしてゲームイベントに参加しているプレイヤの能力値を、ゲームイベント中に正当な実力を反映したものに速やかに修正することが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、故意にレーティングを低くしてゲームイベントに参加することを抑止することが可能な情報処理装置を提供することが可能となる。また、本発明によれば、故意にレーティングを低くしてゲームイベントに参加しているプレイヤの能力値を、ゲームイベント中に正当な実力を反映したものに速やかに修正することが可能な情報処理装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るゲームシステム1の一例を示すネットワーク構成図である。
【
図2】サーバ10の機能上の構成を示すブロック図である。
【
図3】特定のプレイヤのゲーム毎の成績を管理する成績テーブルの一例を示す図である。
【
図4】ゲーム装置20の機能上の構成を示すブロック図である。
【
図5】ゲームイベント開催中におけるゲームの進行処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】能力値の算出処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。(なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。)
【0012】
[第1実施形態]
(1)構成
(1-1)ゲームシステム1
図1は、本発明の第1実施形態に係るゲームシステム1の一例を示すネットワーク構成図である。以下では、ゲームシステム1をダーツゲームに適用した場合を例に説明を行う。しかしながら、ゲームシステム1は、他の任意のゲームに適用可能である。
【0013】
ゲームシステム1は、サーバ10と、複数のゲーム装置20と、を有する。各ゲーム装置20は、インターネット等の通信ネットワーク2を介して、サーバ10と通信可能に接続されている。
【0014】
(1-2)サーバ10
図2は、サーバ10の機能上の構成を示すブロック図である。サーバ10は、情報処理装置の一例であって、サーバ通信部11と、サーバ記憶部12と、サーバ処理部13とを有する。
【0015】
サーバ通信部11は、サーバ10を通信ネットワーク2に接続するための通信インターフェース回路を備え、通信ネットワーク2との間で通信を行う。そして、サーバ通信部11は、ゲーム装置20等から受信したデータをサーバ処理部13に供給する。また、サーバ通信部11は、サーバ処理部13から供給されたデータをゲーム装置20等に送信する。
【0016】
サーバ記憶部12は、例えば、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも一つを備える。サーバ記憶部12は、サーバ処理部13での処理に用いられるコンピュータプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム)、後述する成績テーブル、及び処理に係る各種データ等を記憶する。例えば、サーバ記憶部12は、アプリケーションプログラムとして、ダーツゲームを進行させるためのゲームプログラム等を記憶する。当該ゲームプログラムは、サーバ10が実行するものであってもよいし、或いは、サーバ10とゲーム装置20とが共同して実行するものであってもよい。コンピュータプログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いてサーバ記憶部12にインストールされてもよい。
【0017】
サーバ処理部13は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。サーバ処理部13は、例えばCPUであり、サーバ10の全体的な動作を統括的に制御する。サーバ処理部13は、サーバ記憶部12に記憶されているプログラム等に基づいてサーバ10の各種処理が適切な手順で実行されるように、サーバ通信部11等の動作を制御する。サーバ処理部13は、サーバ記憶部12に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラムやドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。
【0018】
サーバ処理部13は、ゲーム処理部131と、能力値算出処理部132とを含む。能力値算出処理部132は、判定部1321と、第1部分能力値算出部1322と、第2部分能力値算出部1323と、能力値算出部1324とを含む。これらの各部は、サーバ処理部13が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。ゲーム処理部131は、プレイヤに係る所定の信頼性確認処理を実行する他、ダーツゲームの進行を統括的に実行する。能力値算出処理部132は、プレイヤのゲームの成績に基づいて当該プレイヤの正当な実力に応じた能力値を算出する。
【0019】
図3は、特定のプレイヤのゲーム毎の成績を管理する成績テーブルの一例を示す図である。成績テーブルは、プレイヤが行ったゲーム毎に、「ゲームID」、「イベントフラグ」、「ゲーム日時」及び「成績」等の情報が関連付けて記憶される。
図3に示す例では、各ゲームに係る情報が、時系列順に並んでいる。
【0020】
「ゲームID」は、ゲームを識別するための情報である。「イベントフラグ」は、当該ゲームが所定の信頼性確認処理が実行されていない状態で行われたゲーム(第1ゲーム)であるか、当該所定の信頼性確認処理が実行されている状態で行われたゲーム(第2ゲーム)であるかを示す情報である。具体的には、
図3に示すとおり、信頼性確認処理が実行されていない状態で行われたゲーム(例えば、所定のゲームイベント前のゲーム)に係るイベントフラグは「0」であり、信頼性確認処理が実行されている状態で行われたゲーム(例えば、所定のゲームイベント中のゲーム)に係るイベントフラグは「1」である。「ゲーム日時」は、当該ゲームが行われた日時を示す情報である。「成績」は、プレイヤの当該ゲームにおける成績を示す情報である。「成績」の算出方法は、ゲームの種類に応じて任意の方法を採用可能である。例えば、ダーツゲームであれば、シングル、ダブル、トリプル、及びブル等のセクション内へのダーツの投擲の結果に応じて、成績を算出してもよい。
【0021】
(1-3)ゲーム装置20
図4は、ゲーム装置20の機能上の構成を示すブロック図である。ゲーム装置20は、プレイヤがダーツゲームを行うためのゲーム装置である。ゲーム装置20は、ゲーム装置通信部21と、ゲーム装置記憶部22と、操作部23と、表示部24と、カードスロットCSと、カードRW部25と、ダーツボードDBと、検出部26と、コイン投入部27と、ゲーム装置処理部28と、を備える。
【0022】
ゲーム装置通信部21は、ゲーム装置20を通信ネットワーク2に接続するための通信インターフェース回路を備え、通信ネットワーク2との間で通信を行う。ゲーム装置通信部21は、通信ネットワーク2を介してサーバ10及び他のゲーム装置20等から受信したデータをゲーム装置処理部28に供給する。また、ゲーム装置通信部21は、ゲーム装置処理部28から供給されたデータを、通信ネットワーク2を介してサーバ10及び他のゲーム装置20等に送信する。
【0023】
ゲーム装置記憶部22は、例えば、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも一つを備える。ゲーム装置記憶部22は、ゲーム装置処理部28での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、ゲーム装置記憶部22は、アプリケーションプログラムとして、ダーツゲームを進行させるためのプログラム等を記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いてゲーム装置記憶部22にインストールされてもよい。或いは、コンピュータプログラムは、通信ネットワーク2等を介してサーバ10や他の情報処理装置からダウンロードされることによりゲーム装置記憶部22にインストールされてもよい。
【0024】
操作部23は、プレイヤが各種操作を行うためのものであり、例えば、操作パネルに設けられた操作ボタン等によって実現される。操作部23は、プレイヤの操作を受け付け、当該操作に応じた信号をゲーム装置処理部28等に送信する。
【0025】
表示部24は、映像や画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等である。表示部24は、例えば液晶タッチパネルディスプレイにより操作部23と一体化されていてもよい。表示部24は、ゲーム装置処理部28から供給されたデータに応じた画像や動画を表示する。
【0026】
カードスロットCSは、プレイヤが所有するゲームカードを差し込むための挿入口である。ゲーム装置20には、最大4人でゲーム対戦ができるように、4つのカードスロットCSが設けられている。なお、4人を超えた人数でゲーム対戦ができるように、4つを超える数のカードスロットCSが設けられていても良い。
【0027】
カードRW部25は、プレイヤが所有するゲームカードに記録されたカードIDなどを読み取ったり、ゲーム結果で得られた情報などをゲームカードに書き込んだりすることができる。
【0028】
ダーツボードDBは、ダーツゲームの標的となる盤面である。ダーツボードDBは、複数の標的エリアに区切られており、当該標的エリアのそれぞれには、細かい穴が多数設けられている。プレイヤによって投擲されたダーツの先端部は、標的エリアに設けられた多数の穴のうちのいずれかに受容される。
【0029】
検出部26は、標的エリアにダーツが刺さったことを検出するために標的エリアの各々に対応させて設けられたメンブレンスイッチと、投擲されたダーツが標的エリアを外れたことを検出するために設けられた振動センサとを有している。検出部26は、メンブレンスイッチ及び振動センサの信号に基づいて、ダーツが標的エリアのどこに刺さったか/刺さらなかったかを検出し、ゲーム装置処理部28に検出信号を送信する。
【0030】
コイン投入部27は、コインを投入する投入口と、投入口から投入されたコインを検出するセンサとを備えている。ゲーム装置20において、プレイヤによって所定枚数のコインがコイン投入口から投入されることにより、ゲームプレイ可能となる。なお、ゲーム装置20において、コインをコイン投入口から投入せずともゲームプレイ可能としてもよい。
【0031】
ゲーム装置処理部28は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。ゲーム装置処理部28は、例えばCPUであり、ゲーム装置20の全体的な動作を統括的に制御する。ゲーム装置処理部28は、ゲーム装置記憶部22に記憶されているプログラム等に基づいてゲーム装置20の各種処理が適切な手順で実行されるように、ゲーム装置通信部21等の動作を制御する。
【0032】
(2)ゲームシステム1の動作
図5は、ゲームイベント開催中におけるゲームの進行処理の一例を示すフローチャートである。以下では、対戦相手となる複数のプレイヤが一のゲーム装置20を共通に使用してダーツゲームを行う場合を例に説明を行う。しかしながら、当該フローチャートは、各プレイヤが個別のゲーム装置20を使用してダーツゲームを行う場合についても同様に適用可能である。
【0033】
(ステップS100)
まず、サーバ10のゲーム処理部131は、エントリー受付指示を所定のゲーム装置20に送信する。ここで、当該エントリー受付指示は、エントリー受付画面をゲーム装置20の表示部24に表示させるための画面データ等を含む。
【0034】
(ステップS101)
次に、ゲーム装置20のゲーム装置処理部28は、サーバ10からエントリー受付指示を受信すると、エントリー受付画面を表示部24に表示させる等のエントリー受付に必要な各種の処理を行う。なお、ゲーム装置処理部28は、エントリー受付画面に係るデータをゲーム装置記憶部22から読み出して表示部24に表示してもよい。
【0035】
(ステップS102)
次に、ゲーム装置20のゲーム装置処理部28は、対戦相手となる複数のプレイヤそれぞれによるエントリー操作を受け付ける。当該エントリー操作は、具体的には、各プレイヤが、カードスロットCSに自身のカードを挿入した上で、操作部23により必要情報を入力することにより行われる。
【0036】
(ステップS103)
次に、ゲーム装置20のゲーム装置処理部28は、対戦相手となる複数のプレイヤ全てのエントリー操作を受け付けると、各プレイヤに係るプレイヤID等の情報を含むエントリー情報を、ゲーム装置通信部21を介してサーバ10に送信する。ここで、エントリー情報には、当該ゲームがゲームイベント中のものであることを示す情報を含む。
【0037】
(ステップS104)
次に、サーバ10のゲーム処理部131は、ゲーム装置20からエントリー情報を受信すると、当該エントリー情報に基づいてプレイヤの認証処理を行う。具体的には、ゲーム処理部131は、受け付けたプレイヤのプレイヤIDがゲームイベントにおいて予定されたゲームの対戦相手同士であるか否か等を判定することにより、当該認証処理を行う。当該認証処理においては、ゲーム処理部131は、ゲームイベント中のゲームであることを示す上述の情報に基づいて、エントリー情報に含まれるプレイヤの信頼性が高いものであるか否かを確認する信頼性確認処理も実行する。当該信頼性確認処理の方法は、特に限定されないが、例えば、ゲームイベント開催前に受け付けた事前エントリー情報と、ステップS103で受け付けたエントリー情報とを照合することにより行う方法であってもよい。
【0038】
(ステップS105)
次に、サーバ10のゲーム処理部131は、ステップS104の認証処理が成功すると、ゲーム開始指示をゲーム装置20に送信する。
【0039】
(ステップS106)
次に、ゲーム装置20のゲーム装置処理部28は、サーバ10からゲーム開始指示を受信すると、ダーツゲームの進行処理を実行する。ダーツゲームの進行処理では、プレイヤが順次ゲーム装置20のダーツボードDBにダーツを投擲することにより、ダーツゲームが進行していく。
【0040】
(ステップS107)
次に、ゲーム装置20のゲーム装置処理部28は、ダーツゲームの進行処理が終了すると、ゲーム結果を示すゲーム結果情報をサーバ10に送信する。
【0041】
(ステップS108)
次に、サーバ10のゲーム処理部131は、ゲーム装置20からゲーム結果情報を受信すると、当該ゲーム結果情報に含まれるゲーム結果をサーバ記憶部12に記憶させる。このとき、ゲーム処理部131は、ゲームイベント中か否かに応じてイベントフラグを記録し、サーバ記憶部12に記憶された成績テーブルの「成績」にゲーム結果を登録する。
【0042】
(ステップS109)
次に、サーバ10の能力値算出処理部132は、サーバ記憶部12に記憶された成績テーブルに基づいて、各プレイヤの正当な実力に応じた能力値を算出し、ゲームの進行処理が終了する。
【0043】
(能力値の算出の具体例)
(3)能力値の算出
図6は、上述したステップS109の能力値の算出処理の一例を示すフローチャートである。
(ステップS200)
まず、サーバ処理部13の能力値算出処理部132の判定部1321は、サーバ記憶部12に記憶された成績テーブルを参照して、当該プレイヤがゲームイベント中に行ったプレイ済のゲーム数が、所定の規定ゲーム数T以上であるか否かを判定する。このとき例えば、判定部1321は、成績テーブルに登録された直近のゲームにおいて、イベントフラグが「1」であるゲームが何ゲーム連続しているかをカウントし、当該カウントしたゲーム数を以てゲームイベント中に行ったプレイ済のゲーム数とする。所定の規定ゲーム数Tは特に限定されない。
【0044】
(ステップS201)
当該プレイヤがゲームイベント中に行ったプレイ済のゲーム数が、所定の規定ゲーム数T以上でない(所定の規定ゲーム数T未満である)と判定部1321によって判定された場合(ステップS200;No)、能力値算出処理部132の第1部分能力値算出部1322は、第1部分能力値を算出する。ここで、第1部分能力値は、所定の信頼性確認処理が実行されていない状態で行われたゲームとして、ゲームイベントより前のイベントフラグが0である複数のゲーム(第1ゲーム)の成績に基づいて算出される。当該複数のゲームの数は特に限定されない。また、当該複数のゲームは、直近の複数のゲームであってもよい。また、第1部分能力値は、複数のゲームの成績の加重平均であってもよい。このとき、各成績の重み係数の設定は特に限定されないが、例えば全ての重み係数が1であってもよいし(単純平均の場合)、新しいゲームに係る成績の重み係数ほど大きくしてもよい。
【0045】
(ステップS202)
次に、能力値算出処理部132の第2部分能力値算出部1323は、第2部分能力値を算出する。ここで、第2部分能力値は、所定の信頼性確認処理が実行されている状態で行われたゲームとして、ゲームイベント中の複数のゲーム(第2ゲーム)の成績に基づいて算出される。当該複数のゲームは特に限定されず、当該ゲームイベント中のイベントフラグが1である全てのゲームを対象にしてもよいし、直近の複数のゲームを対象にしてもよい。また、第2部分能力値は、複数のゲームの成績の加重平均であってもよい。このとき、各成績の重み係数の設定は特に限定されないが、例えば全ての重み係数が1であってもよいし(単純平均の場合)、新しいゲームに係る成績の重み係数ほど大きくしてもよい。
【0046】
(ステップS203)
次に、能力値算出処理部132の能力値算出部1324は、ステップS201で算出された第1部分能力値と、ステップS202で算出された第2部分能力値とに基づいて、プレイヤの能力値を算出する。能力値は、第1部分能力値及び第2部分能力値の加重平均であってもよい。例えば、前記所定のゲームイベント中に前記プレイヤが行なったプレイ済ゲーム数をnとし、所定の規定ゲーム数をTとし、前記第1部分能力値をP1とし、前記第2部分能力値をP2とすると、能力値Pを、P={(T-n)P1+nP2}/Tとして算出してもよい(ただし、T≧nである)。当該式により能力値Pを算出する方法によれば、ゲームイベント中のゲームが実施される前であっても、能力値を算出することが可能であり、更に、ゲームイベントが進むにつれてより高信頼のデータで能力値が算出される。したがって、ゲームイベントの前に故意にレーティングを低下させたとしても、ゲームイベントが進むにつれて能力値が実際のプレイヤの実力に近づくこととなるため、ゲームイベント前に故意にレーティングを低下させることを抑止することができる。また、故意にレーティングを低くしてゲームイベントに参加しているプレイヤの能力値を、ゲームイベント中に正当な実力を反映したものに速やかに修正することができる。
【0047】
(ステップS204)
ステップS200において、当該プレイヤがゲームイベント中に行ったプレイ済のゲーム数が、所定の規定ゲーム数T以上であると判定部1321によって判定された場合(ステップS200;Yes)、能力値算出部1324は、ゲームイベント中のゲームに基づいて能力値を算出する。例えば、能力値算出部1324は、ステップS203と同様の方法で第2部分能力値を算出し、当該第2部分能力値を能力値としてもよい。あるいは、能力値算出部1324は、他の方法によってゲームイベント中のゲームに基づいて能力値を算出してもよい。以上で、能力値の算出処理が終了する。
【0048】
以上のとおり、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置は、所定の信頼性確認処理が実行されていない状態で行われた少なくとも一の第1ゲームの成績に基づいて第1部分能力値を算出し、所定の信頼性確認処理が実行されている状態で行われた少なくとも一の第2ゲームの成績に基づいて第2部分能力値を算出した上で、第1部分能力値及び第2部分能力値に基づいて、プレイヤの能力値を算出する。そのため、信頼性の高いゲームの成績に基づいてプレイヤの能力値が算出される。したがって、故意にレーティングを低くしてゲームイベントに参加することを抑止することが可能となる。また、故意にレーティングを低くしてゲームイベントに参加しているプレイヤの能力値を、ゲームイベント中に正当な実力を反映したものに速やかに修正することができる。
【0049】
(4)変形例
能力値Pは、第1部分能力値及び第2部分能力値に基づくものであれば、任意の算出式により算出することができる。例えば、能力値Pは、P=min[P1,{(T-n)P1+nP2}/T]として算出されてもよい。ここで、「min」は、括弧内の複数の値のうち最小値を取るものを表す。すなわち、P=min[P1,{(T-n)P1+nP2}/T]は、P1と、{(T-n)P1+nP2}/Tとのうち、最小値を取るものを表す。当該式によれば、能力値Pは第1部分能力値P1を下回ることはなくなるため、ゲームイベントの前だけでなくゲームイベントの途中においても、故意にレーティングを下げることを抑止することができる。具体的には、ゲームイベントの序盤では故意に手を抜いてプレイを行い、ゲームイベントの終盤に本来の実力でプレイを行うといった、不当な行為を抑止することができる。
【0050】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。また、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、1ステップとして記載されているステップを、複数ステップに分けて実行してもよいし、複数ステップに分けて記載されているものを、1ステップとして把握することもできる。
【符号の説明】
【0051】
1…ゲームシステム、2…通信ネットワーク、10…サーバ、11…サーバ通信部、12…サーバ記憶部、13…サーバ処理部、131…ゲーム処理部、132…能力値算出処理部、1321…判定部、1322…第1部分能力値算出部、1323…第2部分能力値算出部、1324…能力値算出部、20…ゲーム装置、21…ゲーム装置通信部、22…ゲーム装置記憶部、23…操作部、24…表示部、25…カードRW部、26…検出部、27…コイン投入部、28…ゲーム装置処理部、CS…カードスロット、DB…ダーツボード