(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 7/09 20060101AFI20220715BHJP
F21S 8/00 20060101ALI20220715BHJP
F21V 7/04 20060101ALI20220715BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220715BHJP
【FI】
F21V7/09
F21S8/00 300
F21V7/04 100
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2018103765
(22)【出願日】2018-05-30
【審査請求日】2021-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】寺田 守
(72)【発明者】
【氏名】幅多 洋次郎
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-094026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 7/09
F21S 8/00
F21V 7/04
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する筐体と、
前記開口に向けて光を反射する第1反射部と、
前記開口に向けて光を反射する第2反射部と、
前記第1反射部及び前記第2反射部の下方に位置し、前記第1反射部及び前記第2反射部に向けて光を出射する光源と
を備え、
前記第2反射部に基づく前記光源の光の配光は、前記第1反射部に基づく光源の光の配光と異な
り、
前記第2反射部は、
光を反射する複数の第1反射面と、
各々が前記第1反射面に対して窪んでいる複数の凹部と
を有し、
前記複数の凹部の各々は、光を反射する第2反射面を有する、照明器具。
【請求項2】
開口を有する筐体と、
前記開口に向けて光を反射する第1反射部と、
前記開口に向けて光を反射する第2反射部と、
前記第1反射部及び前記第2反射部の下方に位置し、前記第1反射部及び前記第2反射部に向けて光を出射する光源と
を備え、
前記第2反射部に基づく前記光源の光の配光は、前記第1反射部に基づく光源の光の配光と異なり、
前記第2反射部は、
光を反射する複数の第1反射面と、
各々が前記第1反射面に対して突出している複数の凸部と
を有し、
前記複数の凸部の各々は、光を反射する第3反射面を有する
、照明器具。
【請求項3】
前記第2反射部は、前記光源から離れる方向に凸状に湾曲している、請求項1
又は請求項
2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記第1反射部は、前記光源から離れる方向に凸状に湾曲している、請求項1から請求項
3のいずれか1項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された照明器具は、筒状の下ポールと、筒状の上ポールと、灯具とを備える。下ポールは、地中に埋設される。上ポールは、下ポールの上端に接続される。灯具は、上ポールの上端に取付けられる。灯具は光源を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された照明器具では、灯具が地面(照明器具の設置面)に光を照射する際に、照明器具に近い領域に強い光が集中する。つまり、照明器具に近い領域に照度ピークが存在する。特に照明器具の高さが低くなると、灯具の光源と地面との距離が短くなるため、照度ピークが顕著になる。その結果、見る人に、光が広がっていない印象を与える。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、照明器具の高さが低い場合でも、照明器具の設置面上の特定の領域に強い光が集中することを抑制できる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する照明器具は、筐体と、第1反射部と、第2反射部と、光源とを備える。筐体は、開口を有する。第1反射部は、前記開口に向けて光を反射する。第2反射部は、前記開口に向けて光を反射する。光源は、前記第1反射部及び前記第2反射部の下方に位置し、前記第1反射部及び前記第2反射部に向けて光を出射する。前記第2反射部に基づく前記光源の光の配光は、前記第1反射部に基づく光源の光の配光と異なる。
【0007】
本願に開示する照明器具において、前記第2反射部は、光を反射する複数の第1反射面と、複数の凹部とを有することが好ましい。複数の凹部の各々は、前記第1反射面に対して窪んでいることが好ましい。前記複数の凹部の各々は、光を反射する第2反射面を有することが好ましい。
【0008】
本願に開示する照明器具において、前記第2反射部は、光を反射する複数の第1反射面と、複数の凸部とを有することが好ましい。複数の凸部の各々は、前記第1反射面に対して突出していることが好ましい。前記複数の凸部の各々は、光を反射する第3反射面を有することが好ましい。
【0009】
本願に開示する照明器具において、前記第2反射部は、前記光源から離れる方向に凸状に湾曲していることが好ましい。
【0010】
本願に開示する照明器具において、前記第1反射部は、前記光源から離れる方向に凸状に湾曲していることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、照明器具の高さが低い場合でも、照明器具の設置面上の特定の領域に強い光が集中することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態1に係る照明器具を示す斜視図である。
【
図2】実施形態1に係る照明器具を示す模式的縦断面図である。
【
図3】実施形態1に係る照明器具の第2反射部を示す斜視図である。
【
図4】実施形態1に係る照明器具の第2反射部を示す模式的断面図である。
【
図5】実施形態1に係る照明器具の第2反射部の一部を拡大して示す模式的断面図である。
【
図6】実施形態1の第1変形例に係る照明器具の第2反射部の一部を拡大して示す模式的断面図である。
【
図7】実施形態1の第2変形例に係る照明器具の第2反射部の一部を拡大して示す模式的断面図である。
【
図8】実施形態1の第3変形例に係る照明器具の第2反射部の一部を拡大して示す模式的断面図である。
【
図9】本発明の実施形態2に係る照明器具を示す模式的縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、図中、理解の容易のため、三次元直交座標系のX軸、Y軸、およびZ軸を適宜記載している。X軸及びY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。Z軸の正方向は上方向を示し、Z軸の負方向は下方向を示す。
【0014】
(実施形態1)
図1~
図5を参照して、本発明の実施形態1に係る照明器具1を説明する。まず、
図1を参照して照明器具1を説明する。
図1は、実施形態1に係る照明器具1を示す斜視図である。
図1に示すように、照明器具1は設置面GDに設置される。設置面GDは、典型的には、地面である。照明器具1は、設置面GDに向けて光を出射する。
【0015】
照明器具1は筐体3を備える。実施形態1では、筐体3は、中空の略直方体状である。筐体3は開口5を有する。開口5は略矩形状である。なお、照明器具1が設置面GDに向けて光を出射できる限りにおいて、筐体3及び開口5の形状は特に限定されない。
【0016】
次に、
図2を参照して、照明器具1の内部構造を説明する。
図2は、照明器具1を示す模式的縦断面図である。なお、
図2では、図面の簡略化のため、断面を示すハッチングを適宜省略している。
【0017】
図2に示すように、照明器具1は、第1反射部7と、第2反射部9と、光源11と、支持体13とをさらに備える。筐体3は、第1反射部7、第2反射部9、光源11、及び支持体13を収容する。
【0018】
支持体13は筐体3の内部に固定される。支持体13は光源11を支持する。
【0019】
光源11は、第1反射部7及び第2反射部9の下方に位置する。光源11は、第1反射部7及び第2反射部9に向けて光LT0を出射する。具体的には、光源11は発光体11aを含む。発光体11aは発光する。発光体11aは、単数又は複数の発光素子を含む。発光素子は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。なお、発光体11aは、発光素子に代えて、蛍光灯又は白熱電球を含んでいてもよい。
【0020】
第1反射部7は、開口5に向けて光LT1を反射する。具体的には、第1反射部7は、光源11の出射した光LT0の一部を光LT1として開口5に向けて反射する。第1反射部7は反射面7aを有する。反射面7aは、例えば、光LT1を鏡面反射する。
【0021】
第1反射部7は支持体13に固定される。第1反射部7は、断面視において略湾曲形状を有する。具体的には、第1反射部7は、開口5から離れる方向に凸状に湾曲している。つまり、第1反射部7は、光源11から離れる方向に凸状に湾曲している。第1反射部7は、第2反射部9よりも光源11の近くに配置される。
【0022】
第2反射部9は、開口5に向けて光LT2を反射する。具体的には、第2反射部9は、光源11の出射した光LT0の一部を光LT2として開口5に向けて反射する。第2反射部9は反射面9aを有する。反射面9aは、例えば、光LT2を鏡面反射する。
【0023】
第2反射部9は支持体13に固定される。第2反射部9は、断面視において略湾曲形状を有する。具体的には、第2反射部9は、開口5から離れる方向に凸状に湾曲している。つまり、第2反射部9は、光源11から離れる方向に凸状に湾曲している。第2反射部9は、第1反射部7よりも光源11から離れて配置される。
【0024】
第1反射部7の反射面7a及び第2反射部9の反射面9aの各々は、例えば、鏡面反射を起こす塗料を板金又は合成樹脂に塗布することにより形成される。又は、反射面7a及び反射面9aの各々は、例えば、鏡面反射を起こすように板金又は合成樹脂にメッキを行うことにより形成される。なお、反射面7a及び反射面9aの各々は、鏡面を有することは必須ではない。
【0025】
第1反射部7と第2反射部9とは、別部材として構成される。第1反射部7と第2反射部9とは、第1反射部7の下部と第2反射部9の上部とが重なるように配置される。従って、実施形態1によれば、光源11の出射した光LT0が、第1反射部7及び第2反射部9の背面側に漏れることを抑制できる。
【0026】
第1反射部7と第2反射部9とが重なっている部分以外の部分において、水平方向に対する第2反射部9の傾斜角θbは、水平方向に対する第1反射部7の傾斜角θaと異なる。傾斜角θa及び傾斜角θbの各々は、鋭角である。
【0027】
すなわち、第2反射部9の傾斜は、第1反射部7の傾斜と異なる。従って、第2反射部9に基づく光源11の光LT0の配光LD2(つまり、光LT2の照射方向)は、第1反射部7に基づく光源11の光LT0の配光LD1(つまり、光LT1の照射方向)と異なる。つまり、光源11の光LT0が、第2反射部9と第1反射部7とによって、互いに異なる方向に配分される。その結果、実施形態1によれば、照明器具1の高さが低い場合でも、照明器具1の設置面GD上の特定の領域に強い光が集中することを抑制できる。
【0028】
特に、実施形態1では、第1反射部7と第2反射部9とが重なっている部分以外の部分において、第2反射部9の傾斜角θbは、第1反射部7の傾斜角θaよりも小さい。つまり、第2反射部9の傾斜は、第1反射部7の傾斜よりも小さい。従って、第2反射部9が反射する光LT2は、設置面GDのうち照明器具1に近い側の面に照射される。一方、第1反射部7が反射する光LT1は、設置面GDのうち照明器具1から遠い側の面に照射される。つまり、光源11の光LT0が、第2反射部9と第1反射部7とによって、設置面GDのうち照明器具1に近い側の面と遠い側の面とに配分される。その結果、実施形態1によれば、照明器具1の高さが低い場合でも、設置面GDのうち照明器具1に近い側の面に強い光が集中することを抑制できる。照明器具1に近い側の面に強い光が集中することを抑制できると、照明器具1の高さが低い場合でも、見る者に、広い範囲に光が届いている印象を与えることができる。
【0029】
次に、
図3~
図5を参照して、第2反射部9の詳細を説明する。
図3は、第2反射部9を示す斜視図である。
図4は、第2反射部9を示す模式的断面図である。
図5は、第2反射部9の一部を拡大して示す模式的断面図である。なお、
図4及び
図5では、図面の簡略化のため、断面を示すハッチングを省略している。
【0030】
図3及び
図4に示すように、第2反射部9は、複数の第1反射面21と、複数の凹部22とを有する。複数の第1反射面21の各々は、光を反射する。複数の第1反射面21の各々は、例えば、略平坦である。複数の凹部22の各々は、第1反射面21対して窪んでいる。複数の凹部22は、三角格子状に配置される。なお、複数の凹部22の配置は、三角格子状に限定されず、例えば、矩形格子状又は正方格子状であってもよい。複数の凹部22の各々は、第2反射面22aを有する。複数の第2反射面22aの各々は、光を反射する。複数の第2反射面22aの各々は、例えば、略平坦である。複数の第1反射面21と複数の第2反射面22aとは、反射面9aを構成する。
【0031】
図5に示すように、第1反射面21は、光LT21を第1反射角θ1で反射する。一方、凹部22の第2反射面22aは、光LT22を第2反射角θ2で反射する。第2反射角θ2は、第1反射角θ1よりも小さい。従って、第2反射面22aは、第1反射面21の反射する光LT21よりも下方に向けて光LT22を反射する。
【0032】
第1反射角θ1は、第2反射部9の傾斜角θbによって設定される。第2反射角θ2は、傾斜角θxによって設定される。傾斜角θxは、第1反射面21に対する第2反射面22aの上端22bからの傾斜角を示す。
【0033】
以上、
図5を参照して説明したように、実施形態1によれば、第2反射面22aの第2反射角θ2は、第1反射面21の第1反射角θ1と異なる。従って、第2反射部9は、複数の第2反射面22aと複数の第1反射面21とによって、互いに異なる配光を実現する。つまり、光源11の光が、第2反射面22aと第1反射面21とによって、互いに異なる方向に配分される。その結果、照明器具1の設置面GD上の特定の領域に強い光が集中することを更に抑制できる。
【0034】
特に、実施形態1では、
図2に示すように、第2反射部9は、第2反射部9の全体としては、設置面GDのうち照明器具1に近い側の面に光LT2を照射する。加えて、
図5に示すように、第2反射面22aの第2反射角θ2は、第1反射面21の第1反射角θ1より小さい。従って、設置面GDのうち照明器具1に近い側の面内において、第2反射面22aが反射する光LT22は、照明器具1に近い側の領域に照射され、第1反射面21が反射する光LT21は、照明器具1から遠い側の領域に照射される。
【0035】
すなわち、光源11の光が、第2反射面22aと第1反射面21とによって、設置面GDのうち照明器具1に近い側の面内において、照明器具1に近い側の領域と遠い側の領域とに配分される。従って、実施形態1によれば、設置面GDのうち照明器具1に近い側の面内において、照明器具1に近い側の領域に強い光が集中することを抑制できる。その結果、照明器具1の高さが低い場合でも、見る者に、広い範囲に光が届いている印象を与えることができる。
【0036】
なお、
図2では、第1反射部7と第2反射部9とは、別部材で構成された。ただし、第1反射部7と第2反射部9とは、単一の部材で構成されてもよい。また、第1反射部7と第2反射部9との位置が逆であってもよい。つまり、第2反射部9が、第1反射部7よりも光源11の近くに配置されてもよい。この場合は、第1反射部7と第2反射部9とが重なっている部分以外の部分において、第2反射部9の傾斜角θbは、第1反射部7の傾斜角θaよりも大きい。
【0037】
また、開口5にカバー(不図示)を配置することも可能である。カバーは、例えば、略平坦であり、透明色(有色透明又は無色透明)を有する。又は、カバーは、例えば、スプレッドレンズとしての機能を有する。つまり、カバーは、光を水平方向に広げる機能を有する。この場合は、設置面GD上で照射領域の境界が目立つことを抑制できる。又は、カバーは、例えば、光を拡散する拡散板としての機能を有する。
【0038】
(第1変形例)
図6を参照して、実施形態1の第1変形例に係る照明器具1を説明する。第1変形例に係る照明器具1の第2反射部9が複数の凸部23を有する点で、第1変形例は、
図5を参照して説明した実施形態1に係る照明器具1と主に異なる。以下、第1変形例が、実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0039】
図6は、第1変形例に係る第2反射部9の一部を拡大して示す模式的断面図である。なお、
図6では、図面の簡略化のため、断面を示すハッチングを省略している。
【0040】
図6に示すように、第1変形例に係る第2反射部9は、
図3~
図5に示す複数の凹部22に代えて、複数の凸部23を有する。複数の凸部23の各々は、第1反射面21対して突出している。複数の凸部23の配置は、実施形態1に係る複数の凹部22の配置と同様である。複数の凸部23の各々は、第3反射面23aを有する。複数の第3反射面23aの各々は、光を反射する。複数の第3反射面23aの各々は、例えば、略平坦である。複数の第1反射面21と複数の第3反射面23aとは、反射面9aを構成する。
【0041】
凸部23の第3反射面23aは、光LT22を第2反射角θ2で反射する。第2反射角θ2は、第1反射角θ1よりも小さい。従って、第3反射面23aは、第1反射面21の反射する光LT21よりも下方に向けて光LT22を反射する。第2反射角θ2は、傾斜角θxによって設定される。傾斜角θxは、第1反射面21に対する第3反射面23aの下端23bからの傾斜角を示す。
【0042】
以上、
図6を参照して説明したように、第1変形例によれば、第3反射面23aの第2反射角θ2は、第1反射面21の第1反射角θ1と異なる。従って、光源11の光が、第3反射面23aと第1反射面21とによって、互いに異なる方向に配分される。その結果、照明器具1の設置面GD上の特定の領域に強い光が集中することを抑制できる。
【0043】
具体的には、第2反射角θ2が第1反射角θ1よりも小さいため、実施形態1と同様に、設置面GDのうち照明器具1に近い側の面内において、第3反射面23aが反射する光LT22は、照明器具1に近い側の領域に照射され、第1反射面21が反射する光LT21は、照明器具1から遠い側の領域に照射される。従って、第1変形例によれば、設置面GDのうち照明器具1に近い側の面内において、照明器具1に近い側の領域に強い光が集中することを抑制できる。
【0044】
(第2変形例)
図7を参照して、実施形態1の第2変形例に係る照明器具1を説明する。第2変形例に係る照明器具1において第2反射部9の凸部24の反射角が大きい点で、第2変形例は、
図6を参照して説明した第1変形例に係る照明器具1と主に異なる。以下、第2変形例が、第1変形例と異なる点を主に説明する。
【0045】
図7は、第2変形例に係る第2反射部9の一部を拡大して示す模式的断面図である。なお、
図7では、図面の簡略化のため、断面を示すハッチングを省略している。
【0046】
図7に示すように、第2変形例に係る第2反射部9は、
図6に示す複数の凸部23に代えて、複数の凸部24を有する。複数の凸部24の各々は、第1反射面21対して突出している。複数の凸部24の配置は、第1変形例に係る複数の凸部23の配置と同様である。複数の凸部24の各々は、第3反射面24aを有する。複数の第3反射面24aの各々は、光を反射する。複数の第3反射面24aの各々は、例えば、略平坦である。複数の第1反射面21と複数の第3反射面24aとは、反射面9aを構成する。
【0047】
凸部24の第3反射面24aは、光LT22を第3反射角θ3で反射する。第3反射角θ3は、第1反射角θ1よりも大きい。従って、第3反射面24aは、第1反射面21の反射する光LT21よりも上方に向けて光LT22を反射する。第3反射角θ3は、傾斜角θyによって設定される。傾斜角θyは、第1反射面21に対する第3反射面24aの上端24bからの傾斜角を示す。
【0048】
以上、
図7を参照して説明したように、第2変形例によれば、第3反射面24aの第3反射角θ3は、第1反射面21の第1反射角θ1と異なる。従って、光源11の光が、第3反射面24aと第1反射面21とによって、互いに異なる方向に配分される。その結果、照明器具1の設置面GD上の特定の領域に強い光が集中することを抑制できる。
【0049】
具体的には、第3反射角θ3が第1反射角θ1よりも大きいため、設置面GDのうち照明器具1に近い側の面内において、第3反射面24aが反射する光LT22は、照明器具1から遠い側の領域に照射され、第1反射面21が反射する光LT21は、照明器具1から近い側の領域に照射される。従って、第2変形例によれば、設置面GDのうち照明器具1に近い側の面内において、照明器具1に近い側の領域に強い光が集中することを抑制できる。
【0050】
(第3変形例)
図8を参照して、実施形態1の第3変形例に係る照明器具1を説明する。第3変形例に係る照明器具1において第2反射部9の凹部25の反射角が大きい点で、第3変形例は、
図5を参照して説明した実施形態1に係る照明器具1と主に異なる。以下、第3変形例が、実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0051】
図8は、第3変形例に係る第2反射部9の一部を拡大して示す模式的断面図である。なお、
図8では、図面の簡略化のため、断面を示すハッチングを省略している。
【0052】
図8に示すように、第3変形例に係る第2反射部9は、
図5に示す複数の凹部22に代えて、複数の凹部25を有する。複数の凹部25の各々は、第1反射面21対して窪んでいる。複数の凹部25の配置は、実施形態1に係る複数の凹部22の配置と同様である。複数の凹部25の各々は、第2反射面25aを有する。複数の第2反射面25aの各々は、光を反射する。複数の第2反射面25aの各々は、例えば、略平坦である。複数の第1反射面21と複数の第2反射面25aとは、反射面9aを構成する。
【0053】
凹部25の第2反射面25aは、光LT22を第3反射角θ3で反射する。第3反射角θ3は、第1反射角θ1よりも大きい。従って、第2反射面25aは、第1反射面21の反射する光LT21よりも上方に向けて光LT22を反射する。第3反射角θ3は、傾斜角θyによって設定される。傾斜角θyは、第1反射面21に対する第2反射面25aの下端25bからの傾斜角を示す。
【0054】
以上、
図8を参照して説明したように、第3変形例によれば、第2反射面25aの第3反射角θ3は、第1反射面21の第1反射角θ1と異なる。従って、光源11の光が、第2反射面25aと第1反射面21とによって、互いに異なる方向に配分される。その結果、照明器具1の設置面GD上の特定の領域に強い光が集中することを抑制できる。
【0055】
具体的には、第3反射角θ3が第1反射角θ1よりも大きいため、設置面GDのうち照明器具1に近い側の面内において、第2反射面25aが反射する光LT22は、照明器具1から遠い側の領域に照射され、第1反射面21が反射する光LT21は、照明器具1から近い側の領域に照射される。従って、第2変形例によれば、設置面GDのうち照明器具1に近い側の面内において、照明器具1に近い側の領域に強い光が集中することを抑制できる。
【0056】
(実施形態2)
図9を参照して、本発明の実施形態2に係る照明器具1Aを説明する。実施形態2に係る照明器具1Aが略平板状の第2反射部90を備えている点で、実施形態2は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0057】
図9は、実施形態2に係る照明器具1Aを示す模式的縦断面図である。なお、
図9では、図面の簡略化のため、断面を示すハッチングを適宜省略している。
【0058】
図9に示すように、照明器具1Aは、
図2を参照して説明した照明器具1の第2反射部9に代えて、第2反射部90を備える。
【0059】
第1反射部7の構成は、
図2を参照して説明した第1反射部7の構成と同様である。第1反射部7は、第2反射部90よりも光源11から離れて配置される。
【0060】
第2反射部90は、開口5に向けて光LT2を反射する。具体的には、第2反射部90は、光源11の出射した光LT0の一部を光LT2として開口5に向けて反射する。第2反射部90は、略平板状であり、略平坦な反射面90aを有する。従って、湾曲構造と比較して、第2反射部90の製造コストを低減できる。反射面90aは、例えば、光LT2を鏡面反射する。反射面90aは、反射面7aと同様にして形成される。第2反射部90は支持体13に固定される。なお、反射面90aは、鏡面を有することは必須ではない。
【0061】
水平方向に対する第2反射部90の傾斜角θbは、水平方向に対する第1反射部7の傾斜角θaと異なる。傾斜角θa及び傾斜角θbの各々は、鋭角である。
【0062】
すなわち、第2反射部90の傾斜は、第1反射部7の傾斜と異なる。従って、第2反射部90に基づく光源11の光LT0の配光LD2(つまり、光LT2の照射方向)は、第1反射部7に基づく光源11の光LT0の配光LD1(つまり、光LT1の照射方向)と異なる。つまり、光源11の光LT0が、第2反射部90と第1反射部7とによって、互いに異なる方向に配分される。その結果、実施形態2によれば、照明器具1Aの高さが低い場合でも、照明器具1Aの設置面GD上の特定の領域に強い光が集中することを抑制できる。
【0063】
特に、実施形態2では、第2反射部90の傾斜角θbは、第1反射部7の傾斜角θaよりも大きい。つまり、第2反射部90の傾斜は、第1反射部7の傾斜よりも大きい。従って、第2反射部90が反射する光LT2は、設置面GDのうち照明器具1Aから遠い側の面に照射される。一方、第1反射部7が反射する光LT1は、設置面GDのうち照明器具1Aに近い側の面に照射される。つまり、光源11の光LT0が、第2反射部90と第1反射部7とによって、設置面GDのうち照明器具1Aに遠い側の面と近い側の面とに配分される。その結果、実施形態2によれば、照明器具1Aの高さが低い場合でも、設置面GDのうち照明器具1Aに近い側の面に強い光が集中することを抑制できる。照明器具1Aに近い側の面に強い光が集中することを抑制できると、照明器具1Aの高さが低い場合でも、見る者に、広い範囲に光が届いている印象を与えることができる。
【0064】
なお、
図9では、第1反射部7と第2反射部90とは、別部材で構成された。ただし、第1反射部7と第2反射部90とは、単一の部材で構成されてもよい。また、第1反射部7と第2反射部90との位置が逆であってもよい。つまり、第2反射部90が、第1反射部7よりも光源11から離れて配置されてもよい。この場合は、第2反射部9の傾斜角θbは、第1反射部7の傾斜角θaよりも小さい。また、開口5にカバー(不図示)を配置することも可能である。カバーは、
図2を参照して説明した開口5に配置可能なカバーと同様である。
【0065】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、照明器具を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0067】
1、1A 照明器具
5 開口
7 第1反射部
9、90 第2反射部
11 光源
21 第1反射面
22、25 凹部
22a、25a 第2反射面
23、24 凸部
23a、24a 第3反射面