(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】測定用ケーブル
(51)【国際特許分類】
G01R 31/50 20200101AFI20220715BHJP
E05F 15/665 20150101ALI20220715BHJP
E06B 9/70 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
G01R31/50
E05F15/665
E06B9/70
(21)【出願番号】P 2018159358
(22)【出願日】2018-08-28
【審査請求日】2021-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】浅見 優次
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-25583(JP,A)
【文献】特開2008-223279(JP,A)
【文献】特開平8-135347(JP,A)
【文献】特開平08-050084(JP,A)
【文献】実開昭57-006181(JP,U)
【文献】実開平02-091974(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/00
E06B 9/02
E06B 9/56
E05F 15/665
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部を開閉する開閉体の巻き取り又は巻き出しを行う開閉機を構成する電気部品と、前記電気部品の異常の有無を測定する測定装置とを電気的に接続するための測定用ケーブルであって、
長尺なケーブル本体と、
前記ケーブル本体の長手方向の一方の端部に取り付けられ、且つ前記電気部品に取り付けられたコネクタと電気的に接続可能な第1コネクタと、
前記ケーブル本体の長手方向の他方の端部に取り付けられた端子台であって、前記測定装置の端子と電気的に接続可能な測定装置側端子を支持する端子台と、
を備えた測定用ケーブル。
【請求項2】
前記ケーブル本体は、
第1ケーブル本体であって、当該第1ケーブル本体の長手方向の一方の端部に前記第1コネクタが取り付けられ、当該第1ケーブル本体の長手方向の他方の端部に第2コネクタが取り付けられた第1ケーブル本体と、
第2ケーブル本体であって、当該第2ケーブル本体の長手方向の一方の端部に第3コネクタが取り付けられ、当該第2ケーブル本体の長手方向の他方の端部に前記端子台が取り付けられた第2ケーブル本体と、を備え、
前記第2コネクタ及び前記第3コネクタを介して前記第1ケーブル本体と前記第2ケーブル本体とを着脱自在に電気的に接続可能とした、
請求項1に記載の測定用ケーブル。
【請求項3】
複数の前記電気部品のいずれかと、前記測定装置とを電気的に接続するための当該測定用ケーブルであって、
前記複数の電気部品の各々の前記コネクタは、相互に異なる構造で構成され、
前記ケーブル本体は、前記複数の電気部品のいずれかの前記コネクタと電気的に接続可能に構成された前記第1コネクタが取り付けられた前記第1ケーブル本体を複数備える、
請求項2に記載の測定用ケーブル。
【請求項4】
前記端子台は、
前記測定装置側端子が支持される支持部と、
前記支持部を固定対象に対して固定するための固定部と、を備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の測定用ケーブル。
【請求項5】
前記固定部を、磁石にて形成した、
請求項4に記載の測定用ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定用ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の開口部に設けられる開閉装置の開閉機に異常が生じているか否かを測定するための技術の一つとして、分電盤及び操作盤と電気的に接続されたケーブルであって、開閉機に取り付けられたコネクタ(以下、「開閉機側コネクタ」と称する)と電気的に接続可能なコネクタ(以下、「ケーブル側コネクタ」と称する)を有するケーブルと、ケーブル側コネクタと電気的に接続可能なコネクタ(以下、「測定装置側コネクタ」と称する)及び電圧計を有する測定装置とを用いて、ケーブル側コネクタと測定装置側コネクタとを接続した状態で、ケーブルに含まれる複数のリード線に印加される電気的信号の状態としての電圧を検出することにより、開閉機に異常が生じているか否かを間接的に測定する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術においては、ケーブルを介して分電盤及び操作盤の各々と測定装置とを接続することにより、開閉機の異常の有無を間接的に測定するものに過ぎなかったので、開閉機の異常の有無を正確に測定するという観点からは改善の余地があった。そこで、このような問題を解消するために、例えば、上記開閉機の開閉機側コネクタを構成する端子(以下、「コネクタ端子」と称する)と、電圧計に対して配線を介して接続された端子とを電気的に接続し、当該接続した状態で開閉機の電圧を検出することにより、開閉機に異常が生じているか否かを直接的に測定することが考えられる。しかしながら、この場合において、例えば開閉機側コネクタが雌コネクタである場合に、電圧計の端子を開閉機側コネクタの接続口に挿入することで電圧計の端子とコネクタ端子とを電気的に接続すると、当該接続の作業を行う際に作業環境によっては電圧計の端子とコネクタ端子とを適切に接続できないことにより、開閉機の異常の有無を高精度に測定することが難しくなる可能性があった。よって、測定精度の観点からは改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、測定精度の向上を図ることが可能となる、測定用ケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の測定用ケーブルは、建物の開口部を開閉する開閉体の巻き取り又は巻き出しを行う開閉機を構成する電気部品と、前記電気部品の異常の有無を測定する測定装置とを電気的に接続するための測定用ケーブルであって、長尺なケーブル本体と、前記ケーブル本体の長手方向の一方の端部に取り付けられ、且つ前記電気部品に取り付けられたコネクタと電気的に接続可能な第1コネクタと、前記ケーブル本体の長手方向の他方の端部に取り付けられた端子台であって、前記測定装置の端子と電気的に接続可能な測定装置側端子を支持する端子台と、を備えた。
【0007】
請求項2に記載の測定用ケーブルは、請求項1に記載の測定用ケーブルにおいて、前記ケーブル本体は、第1ケーブル本体であって、当該第1ケーブル本体の長手方向の一方の端部に前記第1コネクタが取り付けられ、当該第1ケーブル本体の長手方向の他方の端部に第2コネクタが取り付けられた第1ケーブル本体と、第2ケーブル本体であって、当該第2ケーブル本体の長手方向の一方の端部に第3コネクタが取り付けられ、当該第2ケーブル本体の長手方向の他方の端部に前記端子台が取り付けられた第2ケーブル本体と、を備え、前記第2コネクタ及び前記第3コネクタを介して前記第1ケーブル本体と前記第2ケーブル本体とを着脱自在に電気的に接続可能とした。
【0008】
請求項3に記載の測定用ケーブルは、請求項2に記載の測定用ケーブルにおいて、複数の前記電気部品のいずれかと、前記測定装置とを電気的に接続するための当該測定用ケーブルであって、前記複数の電気部品の各々の前記コネクタは、相互に異なる構造で構成され、前記ケーブル本体は、前記複数の電気部品のいずれかの前記コネクタと電気的に接続可能に構成された前記第1コネクタが取り付けられた前記第1ケーブル本体を複数備える。
【0009】
請求項4に記載の測定用ケーブルは、請求項1から3のいずれか一項に記載の測定用ケーブルにおいて、前記端子台は、前記測定装置側端子が支持される支持部と、前記支持部を固定対象に対して固定するための固定部と、を備える。
【0010】
請求項5に記載の測定用ケーブルは、請求項4に記載の測定用ケーブルにおいて、前記固定部を、磁石にて形成した。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の測定用ケーブルによれば、ケーブル本体の長手方向の一方の端部に取り付けられ、且つ開閉機の電気部品に取り付けられたコネクタと電気的に接続可能な第1コネクタと、ケーブル本体の長手方向の他方の端部に取り付けられた端子台であって、測定装置の端子と電気的に接続可能な測定装置側端子を支持する端子台と、を備えたので、開閉機の電気部品と測定装置との電気的な接続を確実に行うことができる。よって、従来技術(電気部品に取り付けられたコネクタのコネクタ端子と電圧計の端子とを直接接続する技術)に比べて、開閉機の電気部品の異常の有無を高精度に測定でき、測定精度の向上を図ることが可能となる。
【0012】
請求項2に記載の測定用ケーブルによれば、第2コネクタ及び第3コネクタを介して第1ケーブル本体と第2ケーブル本体とを着脱自在に電気的に接続可能としたので、第2コネクタ及び第3コネクタを介して第1ケーブル本体と第2ケーブル本体とを着脱自在に電気的に接続できる。よって、例えば、相互に異なる構造で構成された複数の第1ケーブル本体のいずれか、又は相互に異なる構造で構成された第1コネクタと接続された複数の第1ケーブル本体のいずれかと第2ケーブル本体とを接続できることから、電気部品の種類又は開閉機の設置状況に応じた電気部品と測定装置との接続を行うことが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の測定用ケーブルによれば、複数の電気部品のいずれかと測定装置とを電気的に接続するための当該測定用ケーブルであって、複数の電気部品の各々のコネクタが、相互に異なる構造で構成され、ケーブル本体が、複数の電気部品のいずれかのコネクタと電気的に接続可能に構成された第1コネクタが取り付けられた第1ケーブル本体を複数備えるので、開閉機の電気部品のコネクタに応じて、第2ケーブル本体に接続すべき第1ケーブル本体を複数の第1ケーブル本体のいずれかに切り替えることができ、電気部品の種類に応じた電気部品と測定装置との接続を行いやすくなる。
【0014】
請求項4に記載の測定用ケーブルによれば、端子台が、測定装置側端子が支持される支持部と、支持部を固定対象に対して固定するための固定部と、を備えるので、端子台を固定対象に対して確実に固定でき、端子台の設置安定性を高めることができる。
【0015】
請求項5に記載の測定用ケーブルによれば、固定部を磁石にて形成したので、固定部を比較的簡易に形成でき、端子台の製造性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態に係る開閉装置の正面図である(一部図示省略)。
【
図2】測定システムを用いて開閉機を測定している状態を示す正面図である(一部図示省略)。
【
図3】
図2のA-A矢視断面図である(一部図示省略)。
【
図4】開閉機に測定用ケーブルを取り付けた状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)の端子台の周辺領域を示す右側面図である。
【
図5】第1開閉機の駆動部側コネクタと電気的に接続可能な第1ケーブル本体を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【
図6】第2開閉機の駆動部側コネクタと電気的に接続可能な第1ケーブル本体を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【
図7】第3開閉機の駆動部側コネクタと電気的に接続可能な第1ケーブル本体を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【
図8】第4開閉機の駆動部側コネクタと電気的に接続可能な第1ケーブル本体を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【
図9】測定用ケーブルの変形例を示す図であって、
図4(a)に対応する領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る測定用ケーブルの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部を開閉する開閉体の巻き取り又は巻き出しを行う開閉機を構成する電気部品と、この電気部品の異常の有無を測定する測定装置とを電気的に接続するための測定用ケーブルに関するものである。
【0019】
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁、床、天井等)において出入口や窓を設置するために形成された開口部である。また、開閉体及び開閉機を備える「開閉装置」とは、防犯や防火のために、建物の開口部に取り付けられる装置であり、例えば、シャッター装置等の電動駆動可能な全ての形式の開閉装置を含む概念である。また、開閉体の開閉方向については、例えば上下方向、左右方向、前後方向等が該当する。また「開閉体の状態」とは、例えば、開閉体によって開口部を全閉した「全閉状態」と、開閉体によって開口部を全開した「全開状態」と、開口部の一部を開いて当該開口部の他の一部を閉じている「半開状態」とを含む概念である。また、「開閉機の電気部品」とは、例えば後述する開閉機のブレーキ部や、後述する開閉機の駆動部等を含む概念である。また、測定装置及び測定用ケーブルを備える「測定システム」とは、開閉機の電気部品の異常の有無を測定するためのシステムである。また、「測定装置」とは、例えば、絶縁抵抗計、電圧計、電流計等を含む概念であるが、実施の形態では、絶縁抵抗計として説明する。また、「測定用ケーブル」とは、実施の形態では、複数の電気部品のいずれかと測定装置とを電気的に接続するものとして説明する。なお、「複数の電気部品」とは、例えば、型式が相互に異なる複数の開閉機に関する複数の電気部品や、開閉機を構成する複数の電気部品であって種別が相互に異なる複数の電気部品(一例として、後述するブレーキ部及び後述する駆動部)等を含む概念である。また、「型式」とは、実施の形態では、同一の種別の開閉機(例えば、シャッター装置用の開閉機)であるものの、構造や外形によって分類される型を意味し、例えば、開閉機の出力量や配電方式(例えば、三相方式、単相方式)によって分類される型等を含む概念である。以下、実施の形態では、開閉体が、戸建て住宅の如き建物のガレージの入出口に設けられた上下開閉式の電動シャッター装置のシャッターカーテンである場合について説明する。
【0020】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0021】
(構成-開閉装置)
最初に、実施の形態に係る後述の測定システムが適用される開閉装置の構成について説明する。以下の説明では、
図1のX方向を開閉装置の左右方向(-X方向を開閉装置の左方向、+X方向を開閉装置の右方向)、
図3のY方向を開閉装置の前後方向(+Y方向を開閉装置の前方向(建物の屋外側の方向)、-Y方向を開閉装置の後方向(建物の屋内側の方向))、
図1のZ方向を開閉装置の上下方向(+Z方向を開閉装置の上方向、-Z方向を開閉装置の下方向)と称する。
【0022】
開閉装置1は、
図1から
図3に示すように、概略的に、収納部10、ガイドレール20、開閉体30、巻取軸40、駆動側軸受部41、従動側軸受部(図示省略)、開閉機50、上下限検知部60、操作部(図示省略)、遮断器(図示省略)、及び制御ユニット61を備えている。ただし、開閉装置1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。なお、開閉装置1を構成する各種部材同士の取付方法(又は接続方法)については任意であるが、例えば、取付側の部材又は取付相手側の部材に形成された取付孔(例えば、リベット孔、ネジ孔、ビス孔等)を介して、取付側の部材を取付相手側の部材に対して固定具(例えば、リベット、取付ネジ、ビス等)、溶接、接着剤、両面テープ等によって取り付ける(又は接続する)方法が採用されている。
【0023】
また、この開閉装置1を構成する各装置の接続形態については、具体的には、制御ユニット61は、開閉機50、上下限検知部60、操作部、及び遮断器の各々と図示しない配線を介して電気的に接続されている。これにより、制御ユニット61と、開閉機50、上下限検知部60、操作部、又は遮断器との相互間で通信又は電力供給を直接的又は間接的に行うことができる。
【0024】
(構成-開閉装置-収納部)
図1に戻り、収納部10は、開閉装置1の各部を収納するための中空体である。この収納部10は、鋼製の中空体であり、
図1から
図3に示すように、建物の壁における開口部2の上端部よりも上方に設置されている。また、この収納部10の内部には、巻取軸40、開閉機50、上下限検知部60、遮断器、及び制御ユニット61が収納されていると共に、巻取軸40にて開閉体30が巻上げられた状態では、開閉体30の少なくとも一部も、収納部10の内部に収納される。
【0025】
また、
図1、
図3に示すように、この収納部10は、駆動側軸受板11、駆動側取付片12、従動側軸受板13、従動側取付片(図示省略)、上側ケース板14、前側ケース板15、及び下側ケース板16を備えている。
【0026】
(構成-収納部-駆動側軸受板、駆動側取付片)
駆動側軸受板11は、収納部10の収納空間の右端部を覆うための板材であり、
図1、
図3に示すように、上記収納空間の右端部を覆うように略垂直に設けられ、駆動側取付片12に対して固定具等によって接続されている。駆動側取付片12は、図示しない支持対象(具体的には、収納部10を支持可能な建物の柱や壁等)に対して駆動側軸受板11を取り付けるための板材であり、
図3に示すように、駆動側軸受板11よりも後方において支持対象と対向するように設けられており、支持対象に対して固定具等によって接続されている。
【0027】
(構成-収納部-従動側軸受板、従動側取付片)
従動側軸受板13は、上記収納空間の左端部を覆うための板材であり、
図1に示すように、上記収納空間の左端部を覆うように略垂直に設けられ、従動側取付片に対して固定具等によって接続されている。従動側取付片は、支持対象に対して従動側軸受板13を取り付けるための板材であり、従動側軸受板13よりも後方において支持対象と対向するように設けられており、支持対象に対して固定具等によって接続されている。
【0028】
(構成-収納部-上側ケース板、前側ケース板、下側ケース板)
上側ケース板14は、上記収納空間の上端部を覆うための板材であり、
図1に示すように、上記収納空間の上端部を覆うように非水平(又は略水平)に設けられ、駆動側軸受板11及び従動側軸受板13に対して固定具等によって接続されている。前側ケース板15は、上記収納空間のうち前端部を覆うための板材であり、
図1に示すように、上記収納空間の前端部を覆うように略垂直に設けられ、駆動側軸受板11及び従動側軸受板13に対して固定具等によって接続されている。下側ケース板16は、上記収納空間の下端部を覆うための板材であり、
図1に示すように、上記収納空間の下端部を覆うように略水平に設けられ、駆動側軸受板11及び従動側軸受板13に対して固定具等によって接続されている。
【0029】
また、
図3に示すように、収納部10の下側ケース板16には、開閉体30を中心とする建物の屋外側と建物の屋内側にそれぞれまぐさ(図示省略)が固定されている。そして、これらまぐさの相互間には、まぐさ開口10aが、開口部2の左右方向全長にわたって形成されていることで、このまぐさ開口10aを介して開閉体30の出し入れが行われる。さらに、収納部10の下側ケース板16の部分のうち開閉機50に対向する部分には、開閉機50を点検するための点検孔16a(貫通孔)が設けられている。
【0030】
(構成-開閉装置-ガイドレール)
図1に戻り、ガイドレール20は、開閉体30を開口部2の開閉方向(上下方向)に沿って移動するように案内するものである。このガイドレール20は、例えば横断面形状が略コ字状となるように形成された長尺体であり、
図1に示すように、開閉装置1の左右の各端部において、上下方向に略沿う方向で配置されており、建物の壁に対して直接的に固定されており、又は下地材(図示省略)を介して間接的に固定されている。
【0031】
(構成-開閉装置-開閉体)
開閉体30は、開口部2の開閉を行うものであり、具体的には、巻取軸40の回転駆動によって閉鎖移動又は開放移動されることで、開閉体30の状態を全開状態、全閉状態、あるいは、半開状態にすることができる。この開閉体30は、例えば公知のシャッターカーテンを用いて構成されている。具体的には、
図1、
図3に示すように、複数のスラット31を備えて構成されており、各スラット31の上下の両端部に形成された嵌合部32を介して複数のスラット31が相互に嵌合接続されている。また、この開閉体30の左右方向の両端部の各々は、ガイドレール20のコ字状の開放端部を介してガイドレール20の内部に挿入されており、上下方向においてはガイドレール20の内部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール20の外部に脱落しないように規制されている。また、この開閉体30の下端部には、座板33が接続されている。この座板33は、全閉状態において建物の床面と近接し、又は接触するように配置されたものであり、開閉体30の下端部の左右方向全長にわたって形成されている。
【0032】
(構成-開閉装置-巻取軸)
図1に戻り、巻取軸40は、開閉体30を開閉移動させるためのものである(なお、
図3では、巻取軸40の最大巻き径Mを図示している)。この巻取軸40は、例えば公知の巻取軸等を用いて構成されており、
図1に示すように、左右方向に沿って設置されている。また、この巻取軸40には開閉体30の上端に連結された連結スラット(図示省略)が接続されており、この巻取軸40を回転させることで、連結スラットを介して開閉体30を開閉移動させることができる。
【0033】
また、
図1に示すように、この巻取軸40には、駆動側フランジ部(図示省略)、及び従動側シャフト部40aが設けられている。このうち、駆動側フランジ部は、巻取軸40と駆動側軸受部41とを接続するための接続手段であり、略円柱状体にて形成されており、当該駆動側フランジ部の軸方向が左右方向に沿うように配置され、駆動側軸受部41(具体的には、後述する駆動側軸受部本体)に対して固定具等によって接続されている。従動側シャフト部40aは、巻取軸40と従動側軸受部とを接続するための接続手段であり、長尺な棒状体にて形成されており、
図1に示すように、従動側シャフト部40aの軸方向が左右方向に沿うように配置され、従動側軸受部に対して回転可能に挿入されている。
【0034】
(構成-開閉装置-駆動側軸受部)
駆動側軸受部41は、巻取軸40を回転可能に支持するための軸受部であり、
図3に示すように、駆動側軸受部本体(図示省略)及び巻取軸側スプロケット42を備えている。
【0035】
このうち、駆動側軸受部本体は、駆動側軸受部41の基本構造体であり、例えば公知の駆動軸等を用いて構成されており、駆動側フランジ部に対して固定具等によって接続されていると共に、駆動側軸受板11に対して嵌合構造等によって回転可能に固定されている。また、巻取軸側スプロケット42は、開閉機50からの回転駆動力を伝達部材43(例えば、環状のローラチェーン等)を介して駆動側軸受部本体に伝達するためのものである。この巻取軸側スプロケット42は、例えば公知のスプロケット等を用いて構成されており、
図3に示すように、駆動側軸受部本体における巻取軸40側の端部とは反対側の端部(具体的には、駆動側軸受部本体の右端部)又はその近傍に設けられており、駆動側軸受部本体に対して固定具等によって固定されている。
【0036】
(構成-開閉装置-従動側軸受部)
従動側軸受部は、巻取軸40を回転可能に支持するためのものである。この従動側軸受部は、例えば従動側シャフト部40aを回転可能に接続可能な公知のベアリング部材等を用いて構成され、従動側軸受板13の巻取軸40側の側面(具体的には、従動側軸受板13の右側面)に設けられている。具体的には、従動側シャフト部40aを挿入した状態で配置され、従動側軸受板13に対して固定具等によって固定されている。
【0037】
(構成-開閉装置-開閉機)
図1に戻り、開閉機50は、開閉体30の巻き取り又は巻き出しを行うためのものであり、具体的には、巻取軸40を回転駆動することによって電動で開閉体30を閉鎖移動又は開放移動させる。この開閉機50は、例えば公知のシャッター装置用の開閉機等を用いて構成され、
図1、
図3に示すように、収納部10の内部において、巻取軸40よりも下側前方であり、且つ駆動側軸受部41の近傍に設けられている。
【0038】
また、この開閉機50は、
図1、
図4に示すように、入力軸51、出力軸52、開閉機側スプロケット53、開閉機本体54、手動操作部55を備えている。
【0039】
このうち、入力軸51は、連結軸(図示省略)を介して回転駆動力を出力軸52に伝達するための回転軸である。この入力軸51は、
図4に示すように、当該入力軸51の一部が開閉機本体54の左端部から外部に向けて突出するように配置されており、開閉機本体54に対して固定具によって回転可能に固定されている。また、出力軸52は、入力軸51から連結軸を介して伝達された回転駆動力を巻取軸40に伝達するためのものである。この出力軸52は、
図4に示すように、当該出力軸52の一部が開閉機本体54の右端部から外部に向けて突出するように配置されており、開閉機本体54に対して固定具によって回転可能に固定されている。開閉機側スプロケット53は、出力軸52から伝達された回転駆動力を伝達部材43を介して巻取軸側スプロケット42に伝達するためのものであり、
図4に示すように、出力軸52の右端部に固定されている。
【0040】
また、開閉機本体54は、開閉機50の基本構造体であり、図示しない接続部材を介して駆動側軸受部41に対して固定具等によって固定されており、減速部、調速部、ブレーキ部、及び駆動部を備えている(いずれも図示省略)。このうち、減速部は、連結軸を介して出力軸52の回転速度を減速させるためのものであり、例えば公知の減速機等を用いて構成されている。また、調速部は、連結軸を介して出力軸52の回転速度を調整するためのものであり、例えば公知の調速機等を用いて構成されている。また、ブレーキ部は、開閉体30の自重降下を停止するためのブレーキ手段(電気部品)であり、例えば公知のブレーキ手段等を用いて構成されている。また、ブレーキ部には、当該ブレーキ部の電気基板(図示省略)と配線(図示省略)を介して接続されたコネクタ(例えば、雄コネクタ、雌コネクタ等。以下、「ブレーキ部側コネクタ」と称する)が設けられている。また、駆動部は、出力軸52を電動で回転させるための駆動手段(電気部品)であり、例えば公知の駆動手段(一例として、モータ等)を用いて構成されている。また、
図4に示すように、駆動部には、当該駆動部の電気基板(図示省略)とリード線54aを介して接続されたコネクタ54b(例えば、雄コネクタ、雌コネクタ等。以下、「駆動部側コネクタ54b」と称する。)が設けられている。なお、上述した「ブレーキ部側コネクタ」及び「駆動部側コネクタ54b」は、特許請求の範囲における「電気部品に取り付けられたコネクタ」に対応する。
【0041】
また、手動操作部55は、ブレーキ部の解放操作を手動で行うための手動操作手段である。この手動操作部55は、例えばワイヤ式の操作手段を用いて構成されており、
図4に示すように、手動操作部55の一部が開閉機本体54から外部に露出するように設けられていると共に、手動操作部55の他の一部がブレーキ部に接続されている。このような手動操作部55により、手動操作部55を引張ることで、ブレーキ部の解放操作を行うことができる。
【0042】
(構成-開閉装置-上下限検知部)
図1に戻り、上下限検知部60は、開閉体30の下端部が建物の天井面と面一となる位置(以下、「上限位置」と称する。)に達しているか否かを検出し、且つ開閉体30の下端部が、建物の床面近傍に設定された位置(例えば、床面から所定距離(数cm)だけ上方側に設定された位置等。以下、「下限位置」と称する。)に達しているか否かを検出する上下限検知手段である。この上下限検知部60は、例えばカウンター式のリミットスイッチ等の公知の検知センサを用いて構成されており、
図1に示すように、開閉機50の近傍位置(
図1では、開閉機50の上端部)に設置されており、開閉機50に対して固定具等によって接続されている。
【0043】
(構成-開閉装置-操作部)
操作部は、開閉体30の閉鎖移動又は開放移動に関する操作入力を受け付ける操作手段であり、例えば、公知のシャッター装置用の操作手段(一例として、押しボタン式スイッチ等)を用いて構成されており、収納部10の外部において開口部2の近傍位置に設けられている。なお、実施の形態では、操作部は、制御ユニット61と有線で通信するものとして説明するが、これに限らず、例えば、制御ユニット61と無線で通信するものであってもよい。また、これら有線式及び無線式の操作部の両方を設置してもよい。
【0044】
(構成-開閉装置-遮断器)
遮断器は、制御ユニット61に対する電力供給を遮断するための遮断手段であり、例えば公知のシャッター装置用の遮断器等を用いて構成されており、開閉機50の近傍位置に設置されている。
【0045】
(構成-開閉装置-制御ユニット)
制御ユニット61は、開閉装置1の各部を相互に連動させるものであって、開閉機50によって開閉体30の開閉制御を行う制御手段である。この制御ユニット61は、例えば公知のシャッター装置用の制御盤を用いて構成されており、開閉機50の近傍に設置されている。また、この制御ユニット61は、カバー部61a、通信部、電源部、制御部、及び記憶部を備えている(いずれも図示省略)。
【0046】
このうち、カバー部61aは、制御ユニットの少なくとも一部(例えば、回路基板等)を外部から覆うためのカバー手段である。通信部は、操作部又は外部装置との間で通信するための通信手段である。電源部は、図示しない商用電源又は電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、制御ユニット61の各部に供給すると共に、開閉機50にも供給する電源手段である。制御部は、制御ユニット61の各部を制御する制御手段である。この制御部は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(なお、測定装置80の制御部の構成についても略同様とする)。記憶部は、制御ユニット61の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、書き換え可能な記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる(なお、測定装置80の記憶部の構成についても略同様とする)。
【0047】
(構成-測定システム)
次に、実施の形態1に係る測定システム70について説明する。測定システム70は、
図2、
図3に示すように、測定装置80及び測定用ケーブル90を備えている。
【0048】
(構成-測定システム-測定装置)
測定装置80は、開閉機50の電気部品の異常の有無を測定する装置である。この測定装置80は、例えば公知の絶縁抵抗計を用いて構成されており、
図2に示すように、開閉機50の近傍に設けられる。また、
図2に示すように、測定装置80は、操作部81、表示部82、第1接続部(図示省略)、第2接続部(図示省略)、第1接続クリップ83、第2接続クリップ84、制御部(図示省略)、及び記憶部(図示省略)を備えている。
【0049】
(構成-測定システム-測定装置-操作部、表示部、第1接続部、第2接続部)
操作部81は、測定装置80に対する操作入力を受け付ける操作手段であり、例えばハードスイッチやタッチパネル等の公知の操作手段を用いて構成されている。表示部82は、制御部の制御に基づいて絶縁抵抗値を示す情報等を表示する表示手段であり、例えば公知の表示手段(一例として、指針式の表示手段等)を用いて構成されている。第1接続部は、第1接続クリップ83と電気的に接続するための接続手段であり、例えば公知の接続端子(一例として、雌端子等)を用いて構成されている(なお、第2接続部についても同様とする)。第2接続部は、第2接続クリップ84と電気的に接続するための接続手段である。
【0050】
(構成-測定システム-測定装置-第1接続クリップ、第2接続クリップ)
第1接続クリップ83は、第1接続部と後述する測定用ケーブル90の測定装置側端子121とを電気的に接続するためのクリップである。この第1接続クリップ83は、例えば公知の絶縁抵抗計用のクリップを用いて構成されており、
図2に示すように、後述する測定用ケーブル90の測定装置側端子121と着脱自在に電気的に接続可能な第1接続端子83a(例えば、雄端子等)と、第1接続部と着脱自在に電気的に接続可能な第2接続端子83b(例えば、雄端子等)と、第1接続端子83aと第2接続端子83bとを電気的に接続する接続配線83cとを備えている。第2接続クリップ84は、第2接続部と図示しないアース(例えば、アース線、ボディーアース等)とを電気的に接続するためのクリップである。この第2接続クリップ84は、第1接続クリップ83と略同様に構成されており、
図2に示すように、アースと着脱自在に電気的に接続可能な第1接続端子84aと、第2接続部と着脱自在に電気的に接続可能な第2接続端子84bと、第1接続端子84aと第2接続端子84bとを電気的に接続する接続配線84cとを備えている。なお、上述した「第1接続クリップ83の第1接続端子83a」は、特許請求の範囲における「測定装置80の端子」に対応する。
【0051】
(構成-測定システム-測定装置-制御部、記憶部)
また、制御部は、測定装置80の各部を制御する制御手段である。また、記憶部は、測定装置80の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。
【0052】
(構成-測定システム-測定用ケーブル)
測定用ケーブル90は、開閉機50の電気部品と測定装置80とを電気的に接続するためのケーブルであり、
図2から
図4に示すように、開閉機50と測定装置80との相互間に設けられ、第1コネクタ100、ケーブル本体110、及び端子台120を備えている。
【0053】
(構成-測定システム-測定用ケーブル-第1コネクタ)
第1コネクタ100は、ケーブル本体110と開閉機50の電気部品に取り付けられたコネクタ(実施の形態では、駆動部側コネクタ54b)とを電気的に接続するためのコネクタである。この第1コネクタ100は、例えば公知のコネクタ(一例として、雄コネクタ、雌コネクタ等)を用いて構成されており、
図4に示す第1コネクタ本体101と、第1コネクタ本体101に取り付けられた後述する
図5等の複数の第1コネクタ端子102であって、当該複数の第1コネクタ端子の少なくとも一部が後述する第1ケーブル本体111のリード線111eと接続された複数の第1コネクタ端子102とを備えている。
【0054】
(構成-測定システム-測定用ケーブル-ケーブル本体)
ケーブル本体110は、測定用ケーブル90の基本構造体である。このケーブル本体110は、長尺状に構成されており、
図4に示すように、第1ケーブル本体111、第2ケーブル本体112、第2コネクタ113、及び第3コネクタ114を備えている。
【0055】
第1ケーブル本体111は、ケーブル本体110の基本構造体の一部であり、例えば公知の配線用ケーブルを用いて構成されており、後述する
図5等の複数のリード線111e(具体的には、樹脂材にて被覆されたリード線。その他のリード線についても同様とする。)と、これらリード線111eをまとめて収容する
図4の外被部111fとを備えている。また、
図4に示すように、第1ケーブル本体111の長手方向の一方の端部には第1コネクタ100が取り付けられ、第1ケーブル本体111の長手方向の他方の端部には第2コネクタ113が取り付けられる。
【0056】
第2ケーブル本体112は、ケーブル本体110の基本構造体の他の一部であり、例えば公知の配線用ケーブルを用いて構成されており、
図4に示すように、複数のリード線112e(例えば、5本のリード線112e)と、これらリード線112eをまとめて収容する外被部112fとを備えている。また、
図4に示すように、第2ケーブル本体112の長手方向の一方の端部には第3コネクタ114が取り付けられ、第2ケーブル本体112の長手方向の他方の端部には端子台120が取り付けられる。
【0057】
第2コネクタ113は、第1ケーブル本体111と第3コネクタ114とを着脱自在に電気的に接続するためのコネクタである。この第2コネクタ113は、例えば公知のコネクタ(一例として、雌コネクタ等)を用いて構成されており、
図4に示すように、第2コネクタ本体113aと、第2コネクタ本体113aの内部に収容された図示しない複数の第2コネクタ端子であって、当該複数の第2コネクタ端子の少なくとも一部が第1ケーブル本体のリード線111eと接続された複数の第2コネクタ端子(例えば、6本の第2コネクタ端子)とを備えている。
【0058】
第3コネクタ114は、第2ケーブル本体112と第2コネクタ113とを着脱自在に電気的に接続するためのコネクタである。この第3コネクタ114は、例えば公知のコネクタ(一例として、雄コネクタ等)を用いて構成されており、
図4に示すように、第3コネクタ本体114aと、第3コネクタ本体114aに取り付けられた図示しない複数の第3コネクタ端子であって当該複数の第3コネクタ端子の少なくとも一部が第2ケーブル本体112のリード線112eと接続された複数の第3コネクタ端子(例えば、6本の第3コネクタ端子)とを備えている。
【0059】
このようなケーブル本体110の構成により、第2コネクタ113及び第3コネクタ114を介して第1ケーブル本体111と第2ケーブル本体112とを着脱自在に電気的に接続できる。よって、例えば、相互に異なる構造で構成された複数の第1ケーブル本体111のいずれか、又は相互に異なる構造で構成された第1コネクタ100と接続された複数の第1ケーブル本体111のいずれかと第2ケーブル本体112とを接続できることから、電気部品の種類又は開閉機50の設置状況に応じた電気部品と測定装置80との接続を行うことが可能となる。
【0060】
(構成-測定システム-測定用ケーブル-端子台)
図2に戻り、端子台120は、測定装置側端子121を支持するための台であり、
図2から
図4に示すように、複数の測定装置側端子121、支持部122、及び固定部123を備えている。
【0061】
(構成-測定システム-測定用ケーブル-端子台-測定装置側端子)
複数の測定装置側端子121は、測定装置80における第1接続クリップ83の第1接続端子83aと電気的に接続可能な端子であり、例えば、公知の接続端子を用いて構成されており、
図4に示すように、第2ケーブル本体112のリード線112eのいずれかと電気的にそれぞれ接続される。
【0062】
(構成-測定システム-測定用ケーブル-端子台-支持部)
支持部122は、測定装置側端子121が支持されるものであり、
図4に示すように、支持部本体122a及び収容体122bを備えている。
【0063】
支持部本体122aは、支持部122の基本構造体であり、例えば台状に形成されており、収容体122bに複数収容されている。また、支持部本体122aにおける測定装置側端子121の支持方法については任意であるが、例えば、
図4に示すように、支持部本体122aの支持面(
図4では、前面)に測定装置側端子121を当接した状態で、固定具等によって測定装置側端子121を支持部本体122aに対して固定することにより、支持してもよい。
【0064】
収容体122bは、支持部本体122aを収容するものである。この収容体122bは、一側面(
図4では、前面)を開放した略箱形状体であり、開放面から複数の支持部本体122aを挿入可能な大きさにて形成されている。また、収容体122bにおける支持部本体122aの収容方法については任意であるが、例えば、
図4に示すように、まず、収容体122bの内部において複数の支持部本体122aを左右方向に並設する。次に、複数の支持部本体122aが、支持部本体122aの並設方向に略直交する方向(
図4では、前後方向及び上下方向)に移動しないように、複数の支持部本体122aの各々を収容体122bに対して係合構造等にて固定する。次いで、上記並設した複数の支持部本体122aを一対の挟込部122cによって並設方向の外側から挟み込み、その状態で一対の挟込部122cを固定具等によって収容体122bに対して固定することにより、収容してもよい。
【0065】
(構成-測定システム-測定用ケーブル-端子台-固定部)
固定部123は、支持部122を固定対象(例えば、開閉装置1の収納部10等)に対して固定するためものである。この固定部123は、略板状体にて形成されており、
図4(b)に示すように、収容体122bの開放面とは反対側の側面(
図4(b)では、後面)を覆うように設けられており、嵌合構造等によって収容体122bに対して固定されている。
【0066】
また、この固定部123の材質については任意であるが、実施の形態では、磁石にて形成している。これにより、固定部123を比較的簡易に形成でき、端子台120の製造性を高めることができる。
【0067】
このような端子台120の構成により、端子台120を固定対象に対して確実に固定でき、端子台120の設置安定性を高めることができる。
【0068】
(構成-測定システム-測定用ケーブル-その他の構成)
また、測定用ケーブル90の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、
図4から
図8に示すように、ケーブル本体110は、型式が相互に異なる複数の開閉機50に関する複数の電気部品のいずれかのコネクタ(具体的には、駆動部側コネクタ54b)と電気的に接続可能に構成された第1コネクタ100が取り付けられた第1ケーブル本体111を複数備えると共に、複数の第1ケーブル本体111のいずれとも接続可能な第2ケーブル本体112を1つ備えている。なお、これら複数の第1ケーブル本体111の各々には、第2コネクタ113が取り付けられているものの、これら第2コネクタ113が相互に同一の構造で構成されていることから、以下では、第1コネクタ100及び第1ケーブル本体111の各々の構成の詳細について主に説明することとする。
【0069】
また、以下では、型式が相互に異なる複数の開閉機50のうち、第1型式の開閉機(図示省略)を「第1開閉機」と称し、第1型式とは駆動部の出力量が異なる第2型式の開閉機(図示省略)を「第2開閉機」と称し、第2型式とは駆動部の出力量が同じであり、且つ駆動部の配電方式が異なる第3型式の開閉機(図示省略)を「第3開閉機」と称し、第3型式とは駆動部の出力量が異なり、且つ駆動部の配電方式が同じである第4型式の開閉機(図示省略)を「第4開閉機」と称する。また、これら第1開閉機から第4開閉機の各々の駆動部側コネクタ54bは、相互に異なる構造(具体的には、駆動部側コネクタ54bのコネクタ端子(図示省略)の個数を異ならせた構造)で構成されているものとする。
【0070】
具体的には、
図5から
図8に示すように、複数の第1ケーブル本体111の中には、相互に構成が異なる第1ケーブル本体111a~111dが含まれる。また、第1ケーブル本体111a~111dの各々に取り付けられる第1コネクタ100の中には、相互に構成が異なる第1コネクタ100a~100dが含まれる。
【0071】
(構成-測定システム-測定用ケーブル-その他の構成-第1コネクタ)
第1コネクタ100aは、第1開閉機の駆動部側コネクタ54b(具体的には、雌コネクタ)と電気的に接続可能に構成されており、具体的には、
図5に示すように、雄コネクタであり、上記駆動部側コネクタ54bのコネクタ端子の個数と同じ個数の第1コネクタ端子102を備えて構成されている。また、第1コネクタ100bは、第2開閉機の駆動部側コネクタ54b(具体的には、雄コネクタ)と電気的に接続可能に構成されており、具体的には、
図6に示すように、雌コネクタであり、上記駆動部側コネクタ54bのコネクタ端子の個数と同じ個数の第1コネクタ端子102を備えて構成されている。また、第1コネクタ100cは、第3開閉機の駆動部側コネクタ54b(具体的には、雌コネクタ)と電気的に接続可能に構成されており、具体的には、
図7に示すように、雄コネクタであり、上記駆動部側コネクタ54bのコネクタ端子の個数以上の個数の第1コネクタ端子102を備えて構成されている。また、第1コネクタ100dは、第4開閉機の駆動部側コネクタ54b(具体的には、雄コネクタ)と電気的に接続可能に構成されており、具体的には、
図8に示すように、雌コネクタであり、上記駆動部側コネクタ54bのコネクタ端子の個数と同じ個数の第1コネクタ端子102を備えて構成されている。
【0072】
(構成-測定システム-測定用ケーブル-その他の構成-第1ケーブル本体)
第1ケーブル本体111aは、第1コネクタ100aを介して第1開閉機の駆動部側コネクタ54bと電気的に接続可能に構成されており、
図5に示すように、第1ケーブル本体111aの長手方向の一方の端部には第1コネクタ100aが取り付けられ、第1ケーブル本体111aの長手方向の他方の端部には第2コネクタ113が取り付けられている。また、第1ケーブル本体111bは、第1コネクタ100bを介して第2開閉機の駆動部側コネクタ54bと電気的に接続されるものであり、
図6に示すように、第1ケーブル本体111bの長手方向の一方の端部には第1コネクタ100bが取り付けられ、第1ケーブル本体111bの長手方向の他方の端部には第2コネクタ113が取り付けられている。また、第1ケーブル本体111cは、第1コネクタ100cを介して第3開閉機の駆動部側コネクタ54bと電気的に接続されるものであり、
図7に示すように、第1ケーブル本体111cの長手方向の一方の端部には第1コネクタ100cが取り付けられ、第1ケーブル本体111cの長手方向の他方の端部には第2コネクタ113が取り付けられている。また、第1ケーブル本体111dは、第1コネクタ100dを介して第4開閉機の駆動部側コネクタ54bと電気的に接続されるものであり、
図8に示すように、第1ケーブル本体111dの長手方向の一方の端部には第1コネクタ100dが取り付けられ、第1ケーブル本体111dの長手方向の他方の端部には第2コネクタ113が取り付けられている。
【0073】
また、第1ケーブル本体111a~111dの具体的な構成については、以下の通りに構成している。すなわち、まず、各第1ケーブル本体111のリード線111eの本数については、対応する開閉機50の配電方式等に基づいて設定している。例えば、第1ケーブル本体111aについては、第1開閉機の配電方式=単相方式及び三相方式を含み、且つこれらの方式に対して兼用可能とするために3本のリード線111eを必要とし、さらに駆動部側コネクタ54bのうち第1開閉機の駆動部に内蔵されたサーマルプロテクタ(図示省略)と接続されている駆動部側コネクタ54bと接続するために2本のリード線111eを必要とすることから、
図5に示すように、リード線111eの本数=5に設定している。また、第1ケーブル本体111bについては、第2開閉機の配電方式=単相方式であるので、
図6に示すように、リード線111eの本数=4に設定している。また、第1ケーブル本体111c、111dについては、第3開閉機、第4開閉機の配電方式=三相方式であるので、
図7に示すように、リード線111eの本数=3に設定している。また、各第1ケーブル本体111による対応する第1コネクタ100と第2コネクタ113とを接続する方法については、
図8に示すように、対応する開閉機50の配電方式に対応する結線方法に基づいて、各第1ケーブル本体111のリード線111eを介して対応する第1コネクタ100(具体的には、第1コネクタ端子102)と第2コネクタ113(具体的には、第2コネクタ端子)とを接続している。なお、第1ケーブル本体111a~111dの各々に取り付けられた第2コネクタ113においては、第2コネクタ端子の本数が対応する第1ケーブル本体111のリード線111eの本数よりも多いことにより、リード線111eが接続されていない第2コネクタ端子(いわゆる空き端子)が含まれることになる。
【0074】
このようなケーブル本体110の構成により、開閉機50の電気部品のコネクタ(具体的には、駆動部側コネクタ54b)に応じて、第2ケーブル本体112に接続すべき第1ケーブル本体111を第1ケーブル本体111a~111dのいずれかに切り替えることができ、電気部品の種類に応じた電気部品と測定装置80との接続を行いやすくなる。
【0075】
以上のような測定システム70により、開閉機50の電気部品の異常の有無を測定することが可能となる。特に、測定用ケーブル90が設けられていることで、開閉機50の電気部品と測定装置80との電気的な接続を確実に行うことができる。よって、従来技術(電気部品に取り付けられたコネクタのコネクタ端子と電圧計の端子とを直接接続する技術)に比べて、開閉機50の電気部品の異常の有無を高精度に測定でき、測定精度の向上を図ることが可能となる。
【0076】
(開閉機の測定方法)
図2に戻り、続いて、上述した測定システム70を用いた開閉機50の測定方法について説明する。この開閉機50の測定方法は、開閉機50の電気部品(具体的には、開閉機50の駆動部)の異常の有無を測定する方法であり、準備工程、取付工程、及び測定工程を含んでいる。
【0077】
(開閉機の測定方法-準備工程)
まず、準備工程について説明する。準備工程は、開閉機50の電気部品の測定の準備を行うための工程である。
【0078】
具体的には、まず、開閉装置1の操作部を介して所定操作を行うことにより、開閉装置1の開閉体30の状態が半開状態になるように、開閉体30を開閉移動させる。次に、
図2に示すように、作業スペースを確保するために、開閉装置1の収納部10の前側ケース板15を取り外す。次いで、開閉機50の駆動部側コネクタ54bを測定用ケーブル90の第1コネクタ100に接続できるように、開閉装置1の制御ユニット61のカバー部61aを取り外した後に、制御ユニット61の回路基板(図示しない)に取り付けられたコネクタ(図示省略)と接続されている駆動部側コネクタ54bを制御ユニット61の回路基板から抜く。この場合において、例えば、制御ユニット61のカバー部61aを取り外す前に、開閉装置1の遮断器を操作して制御ユニット61の電源をOFFにすることにより、カバー部61aの取り外しに伴って制御ユニット61の回路基板に接続されたコネクタや配線等が取り外れたとしても感電、ショート、又は発火等が生じることを回避できる。なお、開閉機50の測定方法が終了した後には、例えば、後述する取付工程において測定システム70の測定用ケーブル90に接続された駆動部側コネクタ54bを測定用ケーブル90から抜き、当該抜いた駆動部側コネクタ54bを制御ユニット61のコネクタに再び接続した後に、開閉装置1の遮断器を操作して制御ユニット61の電源をONにすることが望ましい。
【0079】
(開閉機の測定方法-取付工程)
次に、取付工程について説明する。取付工程は、測定用ケーブル90を開閉機50に取り付けるための工程である。
【0080】
具体的には、まず、第1ケーブル本体111a~111dの中から、開閉装置1の開閉機50の型式に応じた第1コネクタ100が取り付けられた第1ケーブル本体111を選択する。この場合において、例えば、第1ケーブル本体111a~111dの各々に、対応する開閉機50を一意に示す開閉機識別情報(あるいは、開閉機識別情報に加えて、対応する開閉機50の電源電圧を示す電源電圧情報)を表示する
図5等の表示タグ111g(以下、「第1表示タグ111g」と称する)を付すことにより、第1ケーブル本体111の選択を正確に行うことができる。次に、上記選択した第1ケーブル本体111と第2ケーブル本体112とを、第2コネクタ113及び第3コネクタ114を介して接続する。次いで、上記選択した第1ケーブル本体111に取り付けられた第1コネクタ100と駆動部側コネクタ54bとを接続すると共に、上記第2ケーブル本体112に取り付けられた端子台120を固定対象(例えば、収納部10の駆動側軸受板11等)に対して固定することにより、測定用ケーブル90を開閉機50に取り付ける。
【0081】
(開閉機の測定方法-測定工程)
図2に戻り、続いて、測定工程について説明する。測定工程は、開閉機50の電気部品の異常の有無を測定する工程である。
【0082】
具体的には、まず、
図2、
図3に示すように、測定装置80の第1接続クリップ83の第1接続端子83aを端子台120に支持された複数の測定装置側端子121のいずれかに接続すると共に、測定装置80の第2接続クリップ84の第1接続端子84aをアースに接続する。次に、測定装置80の操作部81を介して所定操作を行うことで測定装置80から電圧を出力させた後に、測定装置80の表示部82に表示された絶縁抵抗値が閾値以上であるか否かを確認する。そして、これらの工程を測定対象となる測定装置側端子121のすべてについて行った後、すべての測定装置側端子121において絶縁抵抗値が閾値以上であることが確認できた場合には開閉機50の電気部品に異常がないと判定し、すべての測定装置側端子121において絶縁抵抗値が閾値以上であることが確認できなかった場合には開閉機50の電気部品に異常があると判定することにより、開閉機50の電気部品の異常の有無を測定する。これにて、開閉機50の測定方法を終了する。
【0083】
ここで、「測定対象となる測定装置側端子121」とは、実施の形態では、複数の測定装置側端子121のうち、制御ユニット61から対応する開閉機50に対して電力が供給される際に用いられる駆動部側コネクタ54bのコネクタ端子と電気的に接続されている測定装置側端子121を意味する。よって、例えば、複数の測定装置側端子121のうち、第2コネクタ113の第2コネクタ端子のうち空き端子となっている第2コネクタ端子と接続(具体的には、間接的に接続)された測定装置側端子121や、駆動部側コネクタ54bのうち上記駆動部のサーマルプロテクタと接続(具体的には、間接的に接続)されている測定装置側端子121は、測定対象となる測定装置側端子121に該当しないものとする。この場合において、測定対象となる測定装置側端子121の絶縁抵抗値が閾値以上であることを効率的に確認するためには、例えば、各測定装置側端子121の各々に、測定装置側端子121を一意に識別する端子識別情報(例えば、測定装置側端子121を一意に識別する番号等)を示す
図4(a)の表示タグ121a(以下、「第2表示タグ121a」と称する)を付すと共に、各第1表示タグ111gに、開閉機識別情報と、測定対象となる測定装置側端子121であるか否かを特定するための特定情報と、端子識別情報とを相互に関連付けて表示してもよい。これにより、測定工程において、第1表示タグ111g及び第2表示タグ121aを参照することにより、測定対象となる測定装置側端子121を確実に特定できるので、測定対象となる測定装置側端子121の絶縁抵抗値が閾値以上であることを効率的に確認できる。
【0084】
このような測定方法により、開閉機50の電気部品と測定装置80との電気的な接続を確実に行うことができる。よって、従来技術(電気部品に取り付けられたコネクタのコネクタ端子と電圧計の端子とを直接接続する技術)に比べて、開閉機50の電気部品の異常の有無を高精度に測定できる。
【0085】
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、ケーブル本体110の長手方向の一方の端部に取り付けられ、且つ開閉機50の電気部品に取り付けられたコネクタと電気的に接続可能な第1コネクタ100と、ケーブル本体110の長手方向の他方の端部に取り付けられた端子台120であって、測定装置80の端子と電気的に接続可能な測定装置側端子121を支持する端子台120と、を備えたので、開閉機50の電気部品と測定装置80との電気的な接続を確実に行うことができる。よって、従来技術(電気部品に取り付けられたコネクタのコネクタ端子と電圧計の端子とを直接接続する技術)に比べて、開閉機50の電気部品の異常の有無を高精度に測定でき、測定精度の向上を図ることが可能となる。
【0086】
また、第2コネクタ113及び第3コネクタ114を介して第1ケーブル本体111と第2ケーブル本体112とを着脱自在に電気的に接続可能としたので、第2コネクタ113及び第3コネクタ114を介して第1ケーブル本体111と第2ケーブル本体112とを着脱自在に電気的に接続できる。よって、例えば、相互に異なる構造で構成された複数の第1ケーブル本体111のいずれか、又は相互に異なる構造で構成された第1コネクタ100と接続された複数の第1ケーブル本体111のいずれかと第2ケーブル本体112とを接続できることから、電気部品の種類又は開閉機50の設置状況に応じた電気部品と測定装置80との接続を行うことが可能となる。
【0087】
また、複数の電気部品のいずれかと測定装置80とを電気的に接続するための測定用ケーブル90であって、複数の電気部品の各々のコネクタが、相互に異なる構造で構成され、ケーブル本体110が、複数の電気部品のいずれかのコネクタと電気的に接続可能に構成された第1コネクタ100が取り付けられた第1ケーブル本体111を複数備えるので、開閉機50の電気部品のコネクタに応じて、第2ケーブル本体112に接続すべき第1ケーブル本体111を複数の第1ケーブル本体111のいずれかに切り替えることができ、電気部品の種類に応じた電気部品と測定装置80との接続を行いやすくなる。
【0088】
また、端子台120が、測定装置側端子121が支持される支持部122と、支持部122を固定対象に対して固定するための固定部123と、を備えるので、端子台120を固定対象に対して確実に固定でき、端子台120の設置安定性を高めることができる。
【0089】
また、固定部123を磁石にて形成したので、固定部123を比較的簡易に形成でき、端子台120の製造性を高めることができる。
【0090】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0091】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0092】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0093】
(収納部について)
上記実施の形態では、収納部10が、駆動側軸受板11、駆動側取付片12、従動側軸受板13、従動側取付片、上側ケース板14、前側ケース板15、及び下側ケース板16を備えていると説明したが、これに限らない。例えば、収納部10が、建物の天井部よりも上方に設置される場合には、駆動側軸受板11、駆動側取付片12、従動側軸受板13、及び従動側取付片のみを備えてもよい(いわゆる、天井納まり式の構造で構成されてもよい)。この場合には、天井部に点検孔16aが形成される。また、測定方法においては、天井部の点検孔16aを介して測定方法の各工程の作業を行ってもよい。
【0094】
(開閉機の電気部品について)
上記実施の形態では、測定システム70によって異常の有無が測定される開閉機50の電気部品が、駆動部であると説明したが、これに限らない。例えば、上記開閉機50の電気部品が、ブレーキ部であってもよい。この場合には、測定用ケーブル90は、ブレーキ部側コネクタと電気的に接続可能に構成された第1コネクタ100が取り付けられた第1ケーブル本体111を備えて構成される。あるいは、上記開閉機50の電気部品が、駆動部及びブレーキ部の両方を含んでもよい。この場合には、測定用ケーブル90は、ブレーキ部側コネクタと電気的に接続可能に構成された第1コネクタ100が取り付けられた第1ケーブル本体111と、駆動部側コネクタ54bと電気的に接続可能に構成された第1コネクタ100が取り付けられた第1ケーブル本体111と、を備えて構成される。
【0095】
(測定用ケーブルについて)
上記実施の形態では、測定用ケーブル90の第1ケーブル本体111の本数が4つであると説明したが、これに限らず、例えば、4つ未満であってもよく、又は5つ以上であってもよい。
【0096】
(第1コネクタについて)
上記実施の形態では、複数の第1ケーブル本体111の各々の第1コネクタ100が、対応する開閉機50の駆動部側コネクタ54bと電気的に接続可能となるように構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、上記構成に加えて、対応しない開閉機50の駆動部側コネクタ54bと電気的に接続できないように構成されてもよい。一例として、第1コネクタ100又は対応する開閉機50の駆動部側コネクタ54bのいずれか一方に凸部を設け、第1コネクタ100又は対応する開閉機50の駆動部側コネクタ54bのいずれか他方に凸部のみと嵌合可能な凹部とを設けてもよい。
【0097】
(ケーブル本体について)
上記実施の形態では、ケーブル本体110が、2つのケーブル本体(具体的には、第1ケーブル本体111及び第2ケーブル本体112)を備えていると説明したが、これに限らない。例えば、特定の電気部品のみと測定用ケーブル90とを接続する場合には、
図9に示すように、第2コネクタ113及び第3コネクタ114を省略して、1つのケーブル本体のみを備えてもよい。
【0098】
また、上記実施の形態では、複数の第1ケーブル本体111の各々のリード線111eの本数を異ならせることにより、複数の第1ケーブル本体111の構成を相互に異ならせると説明したが、これに限らない。例えば、リード線111eの長さを異ならせることにより、複数の第1ケーブル本体111の構成を相互に異ならせてもよい。あるいは、リード線111eの本数に加えて、リード線111eの長さを異ならせることにより、複数の第1ケーブル本体111の構成を相互に異ならせてもよい。
【0099】
(端子台について)
上記実施の形態では、端子台120が、固定部123を備えると説明したが、これに限らず、例えば、固定部123を省略してもよい。
【0100】
また、上記実施の形態では、固定部123が磁石で形成していると説明したが、これに限らず、例えば、固定対象に対して係合可能に形成してもよい。
【0101】
また、上記実施の形態では、端子台120に支持される測定装置側端子121の個数が5つであると説明したが、これに限らず、例えば、5つ未満であってもよく、又は6つ以上であってもよい。
【0102】
(測定方法について)
上記実施の形態では、準備工程において、開閉装置1の収納部10の前側ケース板15を取り外すと説明したが、これに限らない。例えば、点検孔16aを介して測定方法の各工程の作業を行うことができる場合には、前側ケース板15を取り外さなくてもよい。
【0103】
(付記)
付記1の測定用ケーブルは、建物の開口部を開閉する開閉体の巻き取り又は巻き出しを行う開閉機を構成する電気部品と、前記電気部品の異常の有無を測定する測定装置とを電気的に接続するための測定用ケーブルであって、長尺なケーブル本体と、前記ケーブル本体の長手方向の一方の端部に取り付けられ、且つ前記電気部品に取り付けられたコネクタと電気的に接続可能な第1コネクタと、前記ケーブル本体の長手方向の他方の端部に取り付けられた端子台であって、前記測定装置の端子と電気的に接続可能な測定装置側端子を支持する端子台と、を備えた。
【0104】
付記2の測定用ケーブルは、付記1に記載の測定用ケーブルにおいて、前記ケーブル本体は、第1ケーブル本体であって、当該第1ケーブル本体の長手方向の一方の端部に前記第1コネクタが取り付けられ、当該第1ケーブル本体の長手方向の他方の端部に第2コネクタが取り付けられた第1ケーブル本体と、第2ケーブル本体であって、当該第2ケーブル本体の長手方向の一方の端部に第3コネクタが取り付けられ、当該第2ケーブル本体の長手方向の他方の端部に前記端子台が取り付けられた第2ケーブル本体と、を備え、前記第2コネクタ及び前記第3コネクタを介して前記第1ケーブル本体と前記第2ケーブル本体とを着脱自在に電気的に接続可能とした。
【0105】
付記3の測定用ケーブルは、付記2に記載の測定用ケーブルにおいて、複数の前記電気部品のいずれかと、前記測定装置とを電気的に接続するための当該測定用ケーブルであって、前記複数の電気部品の各々の前記コネクタは、相互に異なる構造で構成され、前記ケーブル本体は、前記複数の電気部品のいずれかの前記コネクタと電気的に接続可能に構成された前記第1コネクタが取り付けられた前記第1ケーブル本体を複数備える。
【0106】
付記4の測定用ケーブルは、付記1から3のいずれか一項に記載の測定用ケーブルにおいて、前記端子台は、前記測定装置側端子が支持される支持部と、前記支持部を固定対象に対して固定するための固定部と、を備える。
【0107】
付記5の測定用ケーブルは、付記4に記載の測定用ケーブルにおいて、前記固定部を、磁石にて形成した。
【0108】
(付記の効果)
付記1に記載の測定用ケーブルによれば、ケーブル本体の長手方向の一方の端部に取り付けられ、且つ開閉機の電気部品に取り付けられたコネクタと電気的に接続可能な第1コネクタと、ケーブル本体の長手方向の他方の端部に取り付けられた端子台であって、測定装置の端子と電気的に接続可能な測定装置側端子を支持する端子台と、を備えたので、開閉機の電気部品と測定装置との電気的な接続を確実に行うことができる。よって、従来技術(電気部品に取り付けられたコネクタのコネクタ端子と電圧計の端子とを直接接続する技術)に比べて、開閉機の電気部品の異常の有無を高精度に測定でき、測定精度の向上を図ることが可能となる。
【0109】
付記2に記載の測定用ケーブルによれば、第2コネクタ及び第3コネクタを介して第1ケーブル本体と第2ケーブル本体とを着脱自在に電気的に接続可能としたので、第2コネクタ及び第3コネクタを介して第1ケーブル本体と第2ケーブル本体とを着脱自在に電気的に接続できる。よって、例えば、相互に異なる構造で構成された複数の第1ケーブル本体のいずれか、又は相互に異なる構造で構成された第1コネクタと接続された複数の第1ケーブル本体のいずれかと第2ケーブル本体とを接続できることから、電気部品の種類又は開閉機の設置状況に応じた電気部品と測定装置との接続を行うことが可能となる。
【0110】
付記3に記載の測定用ケーブルによれば、複数の電気部品のいずれかと測定装置とを電気的に接続するための当該測定用ケーブルであって、複数の電気部品の各々のコネクタが、相互に異なる構造で構成され、ケーブル本体が、複数の電気部品のいずれかのコネクタと電気的に接続可能に構成された第1コネクタが取り付けられた第1ケーブル本体を複数備えるので、開閉機の電気部品のコネクタに応じて、第2ケーブル本体に接続すべき第1ケーブル本体を複数の第1ケーブル本体のいずれかに切り替えることができ、電気部品の種類に応じた電気部品と測定装置との接続を行いやすくなる。
【0111】
付記4に記載の測定用ケーブルによれば、端子台が、測定装置側端子が支持される支持部と、支持部を固定対象に対して固定するための固定部と、を備えるので、端子台を固定対象に対して確実に固定でき、端子台の設置安定性を高めることができる。
【0112】
付記5に記載の測定用ケーブルによれば、固定部を磁石にて形成したので、固定部を比較的簡易に形成でき、端子台の製造性を高めることができる。
【符号の説明】
【0113】
1 開閉装置
2 開口部
10 収納部
10a まぐさ開口
11 駆動側軸受板
12 駆動側取付片
13 従動側軸受板
14 上側ケース板
15 前側ケース板
16 下側ケース板
16a 点検孔
20 ガイドレール
30 開閉体
31 スラット
32 嵌合部
33 座板
40 巻取軸
40a 従動側シャフト部
41 駆動側軸受部
42 巻取軸側スプロケット
43 伝達部材
50 開閉機
51 入力軸
52 出力軸
53 開閉機側スプロケット
54 開閉機本体
54a リード線
54b 駆動部側コネクタ
55 手動操作部
60 上下限検知部
61 制御ユニット
61a カバー部
70 測定システム
80 測定装置
81 操作部
82 表示部
83 第1接続クリップ
83a 第1接続端子
83b 第2接続端子
83c 接続配線
84 第2接続クリップ
84a 第1接続端子
84b 第2接続端子
84c 接続配線
90 測定用ケーブル
100、100a、100b、100c、100d 第1コネクタ
101 第1コネクタ本体
102 第1コネクタ端子
110 ケーブル本体
111、111a、111b、111c、111d 第1ケーブル本体
111e リード線
111f 外被部
111g 第1表示タグ
112 第2ケーブル本体
112e リード線
112f 外被部
113 第2コネクタ
113a 第2コネクタ本体
114 第3コネクタ
114a 第3コネクタ本体
120 端子台
121 測定装置側端子
121a 第2表示タグ
122 支持部
122a 支持部本体
122b 収容体
122c 挟込部
123 固定部
M 最大巻き径