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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】無線通信装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/84 20060101AFI20220715BHJP
   E05F 15/42 20150101ALI20220715BHJP
   E05F 15/665 20150101ALI20220715BHJP
【FI】
E06B9/84 B
E05F15/42
E05F15/665
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018161803
(22)【出願日】2018-08-30
(65)【公開番号】P2020033778
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】浅見 優次
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-096220(JP,A)
【文献】特開2012-202129(JP,A)
【文献】特開平09-317358(JP,A)
【文献】特開2000-337058(JP,A)
【文献】特開2012-064028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00- 9/92
E05F 15/00-15/79
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線信号を送信する無線通信装置であって、
複数のチャンネルに対応する複数の周波数であって相互に異なる複数の周波数のうち、
所定方法で設定されたチャンネルに対応する複数の周波数を用いて無線信号を送信する送信手段と、
キャリアセンスを行うことにより前記無線信号を送信することが可能な送信可能状況であるか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記送信手段は、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記複数の周波数のうちキャリアセンスを行うことが義務付けられている第1周波数及びキャリアセンスを行うことが義務付けられていない第2周波数を用いて前記無線信号を送信し、
前記判定手段にて前記送信可能状況であると判定された場合には、前記第1周波数を用いて前記無線信号を送信し、
前記判定手段にて前記送信可能状況でないと判定された場合には、前記第2周波数を用いて前記無線信号を送信する、
無線通信装置。
【請求項2】
前記第1周波数を用いる際の前記無線信号の送信時間を、前記第2周波数を用いる際の前記無線信号の送信時間と同一にし、又は前記第1周波数を用いる際の前記無線信号の電波強度を、前記第2周波数を用いる際の前記無線信号の電波強度と同一にした、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記送信手段は、
前記判定手段にて前記送信可能状況であると判定された場合には、当該判定の直後に前記第1周波数を用いて前記無線信号を送信し、
前記判定手段にて前記送信可能状況でないと判定された場合には、当該判定の直後に前記第2周波数を用いて前記無線信号を送信する、
請求項1又は2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記複数の周波数は、相互に異なる複数の前記第1周波数を含み、
前記判定手段は、
前記複数の第1周波数のうちいずれの周波数を用いて前記無線信号を送信しようとしても、当該送信の際に行ったキャリアセンスによりキャリアがあることが検出された場合には、前記送信可能状況でないと判定し、
前記送信手段は、前記判定手段にて前記送信可能状況でないと判定された場合に、前記第2周波数を用いて前記無線信号を送信する、
請求項3に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記複数の第1周波数を用いて前記無線信号を送信する際の送信順序を変更する変更手段を備えた、
請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
当該無線通信装置は、
建物の開口部を開閉する開閉体に設置される障害物検知装置であって、前記開閉体に対する障害物の検知状態を示す障害物検知状態情報を含む前記無線信号を送信する障害物検知装置である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の開口部を開閉する開閉体に対する障害物を検知するための技術として、障害物が開口部に存在することを検知する座板スイッチと、座板スイッチによる障害物の検知状態を示す障害物検知状態信号を無線送信する送信機と、送信機から障害物検知状態信号を無線受信する受信機とを備えたシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなシステムにおいては、概略的に、無線信号の混信を回避するために、送信機がキャリアセンスを行うことが義務付けられている周波数にて障害物検知状態信号を無線送信する。ここで、キャリアセンスとは、無線送信を行う際に、当該無線送信における搬送波周波数と同一の周波数の他の電波の受信電力レベルを感知し、上記受信電力レベルが所定値以上である場合にはキャリアがあるとして無線送信を行わず、上記受信電力レベルが所定値未満である場合にはキャリアがないとして無線送信を行うことを意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-202129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のシステムにおいては、上述したように、送信機がキャリアセンスを行うことが義務付けられている周波数にて障害物検知状態信号を無線送信するので、例えば、上記受信電力レベルが所定値以上である状態が長い間継続している場合において、座板スイッチが障害物を検知しているにも関わらず、送信機から障害物検知状態信号の無線送信が行われないことから、通信の信頼性の観点からは改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、通信の信頼性を高めることが可能になる、無線通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の無線通信装置は、無線信号を送信する無線通信装置であって、複数のチャンネルに対応する複数の周波数であって相互に異なる複数の周波数のうち、所定方法で設定されたチャンネルに対応する複数の周波数を用いて無線信号を送信する送信手段と、キャリアセンスを行うことにより前記無線信号を送信することが可能な送信可能状況であるか否かを判定する判定手段と、を備え、前記送信手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記複数の周波数のうちキャリアセンスを行うことが義務付けられている第1周波数及びキャリアセンスを行うことが義務付けられていない第2周波数を用いて前記無線信号を送信し、前記判定手段にて前記送信可能状況であると判定された場合には、前記第1周波数を用いて前記無線信号を送信し、前記判定手段にて前記送信可能状況でないと判定された場合には、前記第2周波数を用いて前記無線信号を送信する。
【0007】
請求項2に記載の無線通信装置は、請求項1に記載の無線通信装置において、前記第1周波数を用いる際の前記無線信号の送信時間を、前記第2周波数を用いる際の前記無線信号の送信時間と同一にし、又は前記第1周波数を用いる際の前記無線信号の電波強度を、前記第2周波数を用いる際の前記無線信号の電波強度と同一にした。
【0008】
請求項3に記載の無線通信装置は、請求項1又は2に記載の無線通信装置において、前記送信手段は、前記判定手段にて前記送信可能状況であると判定された場合には、当該判定の直後に前記第1周波数を用いて前記無線信号を送信し、前記判定手段にて前記送信可能状況でないと判定された場合には、当該判定の直後に前記第2周波数を用いて前記無線信号を送信する。
【0009】
請求項4に記載の無線通信装置は、請求項3に記載の無線通信装置において、前記複数の周波数は、相互に異なる複数の前記第1周波数を含み、前記判定手段は、前記複数の第1周波数のうちいずれの周波数を用いて前記無線信号を送信しようとしても、当該送信の際に行ったキャリアセンスによりキャリアがあることが検出された場合には、前記送信可能状況でないと判定し、前記送信手段は、前記判定手段にて前記送信可能状況でないと判定された場合に、前記第2周波数を用いて前記無線信号を送信する。
【0010】
請求項5に記載の無線通信装置は、請求項4に記載の無線通信装置において、前記複数の第1周波数を用いて前記無線信号を送信する際の送信順序を変更する変更手段を備えた。
【0011】
請求項6に記載の無線通信装置は、請求項1から5のいずれか一項に記載の無線通信装置において、当該無線通信装置は、建物の開口部を開閉する開閉体に設置される障害物検知装置であって、前記開閉体に対する障害物の検知状態を示す障害物検知状態情報を含む前記無線信号を送信する障害物検知装置である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の無線通信装置によれば、複数のチャンネルに対応する複数の周波数であって相互に異なる複数の周波数のうち、所定方法で設定されたチャンネルに対応する複数の周波数を用いて無線信号を送信する送信手段と、キャリアセンスを行うことにより無線信号を送信することが可能な送信可能状況であるか否かを判定する判定手段と、を備え、送信手段が、判定手段の判定結果に基づいて、第1周波数及び第2周波数を用いて無線信号を送信するので、キャリアセンスを行うことが義務付けられている周波数のみを用いて無線信号を送信する場合に比べて、周囲の通信環境に左右されずに無線信号を迅速且つ確実に送信でき、通信の信頼性を高めることができる。
【0013】
請求項2に記載の無線通信装置によれば、第1周波数を用いる際の無線信号の送信時間を、第2周波数を用いる際の無線信号の送信時間と同一にし、又は第1周波数を用いる際の無線信号の電波強度を、第2周波数を用いる際の無線信号の電波強度と同一にしたので、第1周波数を用いる際の無線信号の送信時間(又は電波強度)と第2周波数を用いる際の無線信号の送信時間(又は電波強度)とを異ならせる場合に比べて、無線通信装置の構成(具体的には、送信手段の構成等)の簡易化を図りやすくなるため、無線通信装置の製造コストを低減できる。
【0014】
請求項3に記載の無線通信装置によれば、送信手段が、判定手段にて送信可能状況であると判定された場合には、当該判定の直後に第1周波数を用いて無線信号を送信し、判定手段にて送信可能状況でないと判定された場合には、当該判定の直後に第2周波数を用いて無線信号を送信するので、第1周波数を用いて無線信号を送信する場合、及び第2周波数を用いて無線信号を送信する場合にも、無線信号を迅速に送信することができ、通信の信頼性を一層高めることができる。
【0015】
請求項4に記載の無線通信装置によれば、判定手段が、複数の第1周波数のうちいずれの周波数を用いて無線信号を送信しようとしても、当該送信の際に行ったキャリアセンスによりキャリアがあることが検出された場合には、送信可能状況でないと判定し、送信手段は、判定手段にて送信可能状況でないと判定された場合に、第2周波数を用いて無線信号を送信するので、複数の第1周波数に関するキャリアセンスによりキャリアがあることが確認された後に、第2周波数を用いて無線信号を送信でき、無線信号の混信を抑制しながら通信の信頼性を高めることができる。
【0016】
請求項5に記載の無線通信装置によれば、複数の第1周波数を用いて無線信号を送信する際の送信順序を変更する変更手段を備えたので、複数の第1周波数を用いて無線信号を送信する際の送信順序を変更でき、状況に応じた無線信号の送信を行いやすくなる。
【0017】
請求項6に記載の無線通信装置によれば、当該無線通信装置が、建物の開口部を開閉する開閉体に設置される障害物検知装置であって、開閉体に対する障害物の検知状態を示す障害物検知状態情報を含む無線信号を送信する障害物検知装置であるので、周囲の通信環境に左右されずに上記無線信号を迅速且つ確実に送信でき、例えば障害物の有無の報知を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態に係る開閉装置を概念的に示す図である。
図2】送信装置の電気的構成を示したブロック図である。
図3】送信側周波数テーブルの構成例を示す図である。
図4】受信装置の電気的構成を示したブロック図である。
図5】受信側周波数テーブルの構成例を示す図である。
図6】実施の形態に係る送信装置に関する通信処理のフローチャートである。
図7】実施の形態に係る受信装置に関する通信処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る無線通信装置の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、無線信号を送信する無線通信装置に関するものである。
【0021】
ここで、無線通信装置を備える「障害物検知システム」とは、建物の開口部を開閉する開閉体に対する障害物を検知するシステムである。このうち、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁、天井、又は床等)において窓や出入口を設置するために形成された開口部である。また、開閉体及び障害物検知システムを備える開閉装置は、防犯や防火のために、建物の開口部に取り付けられる装置であり、例えば、重量シャッターや軽量シャッター等の電動駆動可能な全ての形式のシャッター装置を含む概念である。また、開閉装置の開閉方向については、例えば上下方向、左右方向、前後方向等が該当する。また「開閉体の開閉状態」とは、例えば、開閉体によって開口部を全閉した「全閉状態」と、開閉体によって開口部を全開した「全開状態」と、開口部の一部を開いて当該開口部の他の一部を閉じている「半開状態」とを含む概念である。また、「障害物」とは、開閉体の閉鎖移動の障害になる対象を意味し、例えば、人、動物、物等を含む概念である。以下、実施の形態では、開閉装置が、オフィスの如き建物の防火区画に位置する開口部に設けられた上下開閉式の電動シャッター装置(いわゆる防火用シャッター装置)である場合について説明する。
【0022】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0023】
(構成)
最初に、実施の形態に係る開閉装置の構成について説明する。以下の説明では、図1のX方向を開閉装置の左右方向(-X方向を開閉装置の左方向、+X方向を開閉装置の右方向)、図1のY方向を開閉装置の上下方向(+Y方向を開閉装置の上方向、-Y方向を開閉装置の下方向)、X方向及びY方向に直交する方向を前後方向と称する。
【0024】
図1に示すように、この開閉装置1は、概略的に、収納部10、ガイドレール20、開閉体30、開閉機40、自動閉鎖装置50、巻取軸(図示省略)、操作装置60、位置検知部70、制御装置80、火災報知システム90、及び障害物検知システム100を備えている。ただし、開閉装置1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。なお、開閉装置1を構成する各種部材同士の取付方法(又は接続方法)については任意であるが、例えば、取付側の部材又は取付相手側の部材に形成された取付孔(例えば、リベット孔、ネジ孔、ビス孔等)を介して、取付側の部材を取付相手側の部材に対して固定具(例えば、リベット、取付ネジ、ビス等)、溶接、接着剤、両面テープ等によって取り付ける(又は接続する)方法が採用されている。
【0025】
また、この開閉装置1における各装置の接続形態については、以下に示す通りに設定されている。具体的には、開閉機40、自動閉鎖装置50、操作装置60、位置検知部70、後述する火災報知システム90の防災盤92、及び後述する障害物検知システム100の受信装置130の各々は、制御装置80と配線3を介して電気的に接続されている。また、後述する障害物検知システム100の送信装置120は、後述する障害物検知システム100の座板スイッチ110と図示しない配線を介して電気的に接続されている。このような接続により、開閉機40、自動閉鎖装置50、操作装置60、位置検知部70、防災盤92、又は受信装置130と、制御装置80との相互間で通信又は電力供給を直接的又は間接的に行うことができると共に、送信装置120と座板スイッチ110との相互間で通信又は電力供給を行うことができる。
【0026】
(構成-収納部)
収納部10は、開閉装置1の各部を収納するための中空体である。図1に示すように、この収納部10は、建物の壁における開口部2の上端部よりも上方に設置されており、具体的には、建物の壁における開口部2の上端部よりも上方に設置されている。また、この収納部10の内部には、開閉機40、自動閉鎖装置50、巻取軸、位置検知部70、制御装置80、及び後述する障害物検知システム100の受信装置130が収容されていると共に、巻取軸にて開閉体30が巻上げられた状態では、開閉体30の少なくとも一部も、収納部10の内部に収容される。また、この収納部10の具体的な構成については任意であるが、例えば、折り曲げ成形された複数のスチール製の板状体を、ビスや取付ネジ等の取付具によって相互に接続して形成している。
【0027】
(構成-ガイドレール)
ガイドレール20は、開閉体30を開口部2の開閉方向(上下方向)に沿って移動するように案内するものである。このガイドレール20は、例えば横断面形状が略コ字状となるように形成された長尺体であり、図1に示すように、開閉装置1の左右の各端部において、上下方向に略沿う方向で配置されており、建物の壁に対して直接的に固定されており、又は下地材(図示省略)を介して間接的に固定されている。
【0028】
(構成-開閉体)
開閉体30は、開口部2の開閉を行うものであり、具体的には、巻取軸の回転駆動による開閉体30の閉鎖移動又は開放移動によって、開閉体30の開閉状態を全開状態、全閉状態、あるいは、半開状態にすることができる。この開閉体30は、例えば公知のシャッターカーテンを用いて構成されている。具体的には、図1に示すように、複数のスラット31を備えて構成されており、各スラット31の上下の両端部に形成された嵌合部(図示省略)を介して複数のスラット31が相互に嵌合接続されている。また、この開閉体30の左右方向の両端部の各々は、ガイドレール20のコ字状の開放端部を介してガイドレール20の内部に挿入されており、上下方向においてはガイドレール20の内部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール20の外部に脱落しないように規制されている。また、この開閉体30の下端部には、座板32が接続されている。この座板32は、全閉状態において建物の床面と近接し、又は接触するように配置されたものであり、開閉体30の下端部の左右方向全長にわたって形成されている。
【0029】
(構成-開閉機)
開閉機40は、巻取軸を回転駆動することによって開閉体30を閉鎖移動又は開放移動させる開閉移動手段であり、出力軸、減速部、調速部、ブレーキ、及び駆動部を備えている(いずれも図示省略)。
【0030】
このうち、出力軸は、駆動部から伝達された回転力を巻取軸に伝達するものであり、出力軸の一部が外部に向けて突出するように設置されており、当該突出した部分に取り付けられたチェーン(図示省略)を介して巻取軸に連結されている。また、減速部は、駆動部の回転速度を減速させて、出力軸に回転力を伝達させるものである。また、調速部は、出力軸を介して出力軸の回転速度を調整するものである。また、ブレーキは、出力軸への作用により開閉体30の自重による閉鎖移動(自重降下)を停止させるものである。このブレーキには、ブレーキによる開閉体30の自重による閉鎖移動の停止状態を解放するための解放操作部(図示省略)が外部に露出するように取り付けられている。また、駆動部は、出力軸を電動で回転させるための駆動手段である。
【0031】
このような構成により、駆動部を電動駆動させることにより回転力が出力軸に入力されると、当該入力された回転力が出力軸を介して巻取軸に伝達されるので、開閉体30を電動で閉鎖移動又は開放移動させることができる。また、火災感知器91から火災感知信号が出力されて、後述する制御装置80の入力部によって防災盤22から出力された移報信号の入力が受け付けられたり、又は後述する制御装置80の入力部によって自重閉鎖信号の入力が受け付けられることで自動閉鎖装置50が作動することにより、解放操作部が自動閉鎖装置50によって解放操作されると(例えば、解放操作部が自動閉鎖装置50によって引かれて解放される等)、ブレーキによる開閉体30の自重による閉鎖移動の停止状態が解放されて、開閉体30を自重で閉鎖移動させることができる。この場合において、調速部によって出力軸の回転速度が低速になるように調速されるため、開閉体30の自重による閉鎖移動の速度を低減できる。
【0032】
(構成-自動閉鎖装置)
自動閉鎖装置50は、開閉機40のブレーキを解放させることにより、開閉体30を自重で閉鎖移動させるブレーキ解放手段であり、例えば公知の自動閉鎖装置等を用いて構成されている。ここで、「開閉機40のブレーキを解放させる」とは、開閉機40のブレーキを開閉機40の出力軸に作用させないことを意味する。また、この自動閉鎖装置50の具体的な動作については任意であるが、例えば、後述する制御装置80の出力部から配線3を介して受信した制御信号に基づいて、開閉機40の解放操作部を解放操作することにより開閉機40のブレーキを解放させることで、開閉体30を自重で閉鎖移動させたり、あるいは、開閉機40の解放操作部を解放操作される前の状態に戻すことにより開閉機40のブレーキを作用させることで、開閉体30の自重による閉鎖移動を停止させる。
【0033】
(構成-巻取軸)
巻取軸は、開閉体30を開閉移動させるためのものである。この巻取軸は、例えば公知の巻取軸等を用いて構成されており、左右方向に沿って設置されている。また、この巻取軸には開閉体30の上端に連結された連結スラット(図示省略)が接続されており、この巻取軸を回転させることで、連結スラットを介して開閉体30を開閉移動させることができる。
【0034】
(構成-操作装置)
操作装置60は、開閉体30の閉鎖移動又は開放移動に関する操作入力を受け付ける操作手段である。この操作装置60は、例えば公知の操作装置等を用いて構成されており、図1に示すように、収納部10の外部において開閉体30の近傍に設けられており、電動開放ボタン61、電動閉鎖ボタン62、電動停止ボタン63、非常作動ボタン64、復旧ボタン65、及び表示部66を備えている。
【0035】
このうち、電動開放ボタン61は、開閉体30を電動で開放移動させるための操作入力を受け付け、当該操作入力が受け付けられた旨を示す電動開放信号を出力するボタンである。また、電動閉鎖ボタン62は、開閉体30を電動で閉鎖移動させるための操作入力を受け付け、当該操作入力が受け付けられた旨を示す電動閉鎖信号を出力するボタンである。また、電動停止ボタン63は、電動による閉鎖移動又は開放移動を停止させるための操作入力を受け付け、当該操作入力が受け付けられた旨を示す電動停止信号を出力するボタンである。また、非常作動ボタン64は、開閉体30を自重で閉鎖移動させるための操作入力を受け付け、当該操作入力が受け付けられた旨を示す信号を出力するボタンである。また、復旧ボタン65は、後述する制御装置80の入力部によって自重閉鎖信号の入力が受け付けられた後に、開閉装置1を自重閉鎖信号の入力が受け付けられる前の状態に復旧させるための制御(以下、「復旧制御」と称する)の操作入力を受け付ける復旧操作手段であり、復旧ボタン65が操作された場合には、復旧制御の操作入力が受け付けられた旨を示す復旧信号を出力する。また、表示部66は、操作装置60の制御に基づいて各種の情報を表示する表示手段であり、例えば公知の表示手段(一例として、LED等)を用いて構成されている(なお、後述する送信装置120の表示部123の構成、後述する受信装置130の表示部134の構成についても同様とする)。
【0036】
(構成-位置検知部)
位置検知部70は、開閉体30が所定位置に到達したか否かを検知するための位置検知手段であり、上限リミットスイッチ及び下限リミットスイッチを備えている(いずれも図示省略)。上限リミットスイッチは、開閉体30が所定の上限位置に到達したことを検知する上限位置検知手段であり、下限リミットスイッチは、開閉体30が所定の下限位置に到達したことを検知する下限位置検知手段である。
【0037】
(構成-制御装置)
制御装置80は、開閉装置1の各部を相互に連動させる装置であり、例えば、公知のシャッター装置用の制御装置等を用いて構成されており、入力部、出力部、電源部、制御部、及び記憶部を備えている(いずれも図示省略)。
【0038】
入力部は、操作装置60、位置検知部70、及び後述する障害物検知システム100の受信装置130から信号の入力を受け付ける入力手段であり、例えば公知の入力端子等を用いて構成されている。出力部は、信号を開閉機40又は自動閉鎖装置50に出力する出力手段であり、例えば公知の出力端子等を用いて構成されている。電源部は、図示しない商用電源又は電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、制御装置80の各部に供給すると共に、自動閉鎖装置50、操作装置60、位置検知部70、及び後述する障害物検知システム100の受信装置130に供給する電源手段である。
【0039】
制御部は、制御装置80の各部を制御する制御手段である。この制御部は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(なお、後述する送信装置120の制御部128の構成、及び後述する受信装置130の制御部138の構成についても同様とする)。
【0040】
記憶部は、制御装置80の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、書き換え可能な公知の記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる(なお、後述する送信装置120の記憶部129の構成、及び後述する受信装置130の記憶部139の構成についても同様とする)。
【0041】
(構成-火災報知システム)
次に、火災報知システム90の構成について説明する。ただし、火災報知システム90は従来と同様に構成することが可能であり、特記しない構成及び処理については従来と同様であるものとする。この火災報知システム90は、建物に設定された監視領域における火災発生を感知して報知するシステムであり、図1に示すように、火災感知器91及び防災盤92を備えている。火災感知器91は、監視領域における火災発生を感知した場合に、防災盤92に火災感知信号を有線又は無線で出力する。防災盤92は、火災感知器91から火災感知信号を受信した場合に、警報音の出力や火災表示灯の点灯を行うと共に、開閉体30を全閉して防火区画を形成して火災の延焼拡大を防止するため火災発生の旨を報知する移報信号を制御装置80に出力する。
【0042】
(構成-障害物検知システム)
次に、障害物検知システム100の構成について説明する。この障害物検知システム100は、開閉体30に対する障害物を検知するシステムであり、図1に示すように、座板スイッチ110、送信装置120、及び受信装置130を備えている。
【0043】
(構成-障害物検知システム-座板スイッチ)
座板スイッチ110は、開閉体30の閉鎖移動の障害になる障害物を検知する装置であり、例えば公知の有線式の座板スイッチ(一例として、マイクロスイッチ)等を用いて構成されており、座板32に取り付けられている。
【0044】
また、座板スイッチ110がマイクロスイッチである場合の検知動作については任意であるが、例えば、開閉体30の閉鎖移動中に開閉体30の下端部が障害物に接触して当該開閉体30に対して相対的に上方に持ち上げられた場合に、その持ち上げられた変位がマイクロスイッチ等によって検知されることにより、障害物が検知された状態を示す情報(以下、「障害物検知状態情報」と称する)を含む信号(以下、「障害物検知状態信号」と称する)を出力する。一方、開閉体30の閉鎖移動中において開閉体30の下端部が障害物に接触していないことで当該開閉体30に対して相対的に上方に持ち上げられていない場合には、障害物検知状態信号を出力しない。
【0045】
なお、実施の形態では、座板スイッチ110が設けられていると説明するが、これに限られず、例えば、座板スイッチ110に代えて、障害物を検知するための任意の検知手段を用いることができ、一例として、光電センサ等によって、開閉体30の下端部よりも下方に存在する障害物を検知してもよい。
【0046】
(構成-障害物検知システム-送信装置)
送信装置120は、無線信号(以下、「第1無線信号」と称する)を送信する無線通信装置である。この送信装置120は、図1に示すように座板32に設けられており、また図2に示すように入力部121、操作部122、表示部123、送信部124a、受信部124b、アンテナ125、電池126、検出部127、制御部128、及び記憶部129を備えている。なお、この「送信装置120」は、特許請求の範囲における「障害物検知装置」に対応する。
【0047】
(構成-障害物検知システム-送信装置-入力部)
入力部121は、座板スイッチ110の出力の入力を受け付ける入力手段であり、例えば公知の入力端子を用いて構成されており、座板スイッチ110の出力端子(図示省略)に配線を介して接続されている。
【0048】
(構成-障害物検知システム-送信装置-操作部)
操作部122は、送信装置120に対する操作入力を受け付ける操作手段であり、例えば公知の操作手段(一例として、ディップスイッチ等)を用いて構成されている(なお、後述する受信装置130の操作部133の構成についても同様とする)。
【0049】
(構成-障害物検知システム-送信装置-表示部)
表示部123は、送信装置120の制御に基づいて各種の情報を表示する表示手段である。
【0050】
(構成-障害物検知システム-送信装置-送信部)
送信部124aは、複数のチャンネルに対応する複数の周波数であって相互に異なる複数の周波数のうち、所定方法で設定されたチャンネルに対応する複数の周波数を用いて第1無線信号を送信する送信手段であり、例えば公知の電波式の送信手段を用いて構成されている(なお、後述する受信装置130の送信部135bの構成についても同様とする)。
【0051】
ここで、「複数の周波数」とは、実施の形態では、相互に異なる複数の第1周波数と、相互に異なる複数の第2周波数を含む概念である。
【0052】
このうち、「第1周波数」とは、キャリアセンスを行うことが義務付けられている周波数を意味する。この第1周波数は、実施の形態では、通信速度が比較的速く、且つ送信装置120による間欠送信が可能な周波数帯域の周波数であり、例えば、特定小電力無線局用の周波数帯域が920.6MHz以上928.0MHz以下である周波数等が該当する。ただし、これに限らず、例えば、他の周波数帯域の周波数(一例として、送信装置120による連続送信が可能な周波数帯域の周波数等)であってもよい。なお、「送信装置120による間欠送信」とは、後述する通信処理の送信タイミングが到来してから所定時間経過するまでに第1無線信号を間欠的に複数回送信することを意味する(なお、後述する第2周波数の間欠送信についても同様とする)。
【0053】
また、「第2周波数」とは、第1周波数とは異なる周波数であって、キャリアセンスを行うことが義務付けられていない周波数を意味する。この第2周波数は、実施の形態では、第1周波数が属する周波数帯域と近似し、且つ送信装置120による間欠送信が可能な周波数帯域の周波数であり、例えば、特定小電力無線局用の周波数帯域が928.15MHz以上929.65MHz以下である周波数等が該当する。ただし、これに限らず、例えば、他の周波数帯域の周波数(一例として、送信装置120による連続送信が可能な周波数帯域の周波数等)であってもよい。
【0054】
以上のような第1周波数及び第2周波数の設定により、例えば、送信装置120の構成(具体的には、送信部124a又は制御部128の構成)の簡易化を比較的図りやすくなるため、送信装置120の製造コストを低減できる。
【0055】
また、送信部124aによる第1周波数及び第2周波数を用いて第1無線信号を送信する方法については任意であるが、実施の形態では、第1周波数を用いる際の第1無線信号の送信時間(具体的には、間欠送信する際の送信時間)を、第2周波数を用いる際の第1無線信号の送信時間と同一にし、且つ、第1周波数を用いる際の第1無線信号の電波強度を、第2周波数を用いる際の第1無線信号の電波強度と同一にすることにより、送信する(なお、後述する受信装置130の送信部135bによる第1周波数及び第2周波数を用いて後述する第2無線信号を送信する方法についても同様とする)。これにより、第1周波数を用いる際の第1無線信号の送信時間(又は電波強度)と第2周波数を用いる際の第1無線信号の送信時間(又は電波強度)とを異ならせる場合に比べて、送信装置120の構成(具体的には、送信部124a又は制御部128の構成等)の簡易化を図りやすくなるため、送信装置120の製造コストを低減できる。
【0056】
(構成-障害物検知システム-送信装置-受信部)
受信部124bは、受信装置130から送信された無線信号であって第1無線信号とは異なる無線信号(以下、「第2無線信号」と称する)を第1周波数又は第2周波数にて受信する受信手段であり、例えば公知の電波式の受信手段を用いて構成されている(なお、後述する受信装置130の受信部135aの構成についても同様とする)。
【0057】
(構成-障害物検知システム-送信装置-アンテナ)
アンテナ125は、送信部124aから出力された第1無線信号を送信し、第2無線信号を受信して受信部124bに入力する送受信素子である。このアンテナ125は、例えば第1周波数及び第2周波数を用いた第1無線信号及び第2無線信号の通信に併用可能な公知のアンテナを用いて構成されている(なお、後述する受信装置130のアンテナ136の構成についても同様とする)。
【0058】
(構成-障害物検知システム-送信装置-電池)
電池126は、送信装置120の電源となるものであり、例えば公知の電池(一例として、アルカリ乾電池やリチウム電池等)を用いて構成されている。
【0059】
(構成-障害物検知システム-送信装置-検出部)
検出部127は、電池126の消耗に関する状態を検出する検出手段であり、例えば公知の電池消耗検知器等を用いて構成されている。
【0060】
(構成-障害物検知システム-送信装置-制御部)
制御部128は、送信装置120の各部を制御する制御手段であり、機能概念的に、図2に示すように、第1判定部128a、第1変更部128b、及び特定部128cを備えている。
【0061】
第1判定部128aは、キャリアセンスを行うことにより第1無線信号を送信することが可能な送信可能状況(以下、「第1送信可能状況」と称する)であるか否かを判定する判定手段である。
【0062】
第1変更部128bは、複数の第1周波数を用いて第1無線信号を送信する際の送信順序を変更する変更手段である。
【0063】
特定部128cは、開閉体30の状態を特定する特定手段である。なお、この制御部128によって実行される処理の詳細については後述する。
【0064】
(構成-障害物検知システム-送信装置-記憶部)
記憶部129は、送信装置120の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、図2に示すように、送信側周波数テーブル129aを備えている。
【0065】
(構成-障害物検知システム-送信装置-記憶部-送信側周波数テーブル)
図2の送信側周波数テーブル129aは、第1周波数情報及び第2周波数情報を格納する送信側周波数格納手段である。ここで、「第1周波数情報」とは、第1周波数を示す情報であり、「第2周波数情報」とは、第2周波数を示す情報である。
【0066】
図3に示すように、送信側周波数テーブル129aは、項目「チャンネル」、項目「通信順序が1番目の第1周波数」、項目「通信順序が2番目の第1周波数」、及び項目「通信順序が3番目の第2周波数」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「チャンネル」に対応する情報は、チャンネルを示すチャンネル情報であり、例えば、図3に示すように、チャンネルの番号を示す「1」~「18」等が該当する。また、項目「通信順序が1番目の第1周波数」に対応する情報は、通信順序が1番目の第1周波数を示す第1周波数情報(以下、「1番目第1周波数情報」と称する)であり、例えば、図3に示すように、通信順序が1番目の第1周波数(数値)である「sa1」~「sa18」等が該当する。また、項目「通信順序が2番目の第1周波数」に対応する情報は、通信順序が2番目の第1周波数を示す第1周波数情報(以下、「2番目第1周波数情報」と称する)であり、例えば、図3に示すように、通信順序が2番目の第1周波数(数値)である「sb1」~「sb18」等が該当する。また、項目「通信順序が3番目の第2周波数」に対応する情報は、通信順序が3番目の第2周波数を示す第2周波数情報であり、例えば、図3に示すように、通信順序が3番目の第2周波数(数値)である「sc1」~「sc18」等が該当する。以上のように、送信側周波数テーブル129aには、18チャンネルに対応する1番目第1周波数情報、2番目第1周波数情報、及び第2周波数情報が格納されていることから、最大で18台の開閉装置1が隣接して設置されている場合でも、対応する開閉装置1の受信装置130に向けて第1無線信号を第1周波数又は第2周波数にて送信したり、対応する開閉装置1の受信装置130から第1周波数又は第2周波数にて送信された第2無線信号を受信することができる。
【0067】
(構成-障害物検知システム-受信装置)
図1に戻り、受信装置130は、送信装置120から送信された第1無線信号を受信すると共に、第2無線信号を送信する無線通信装置である。この受信装置130は、図1に示すように、収納部10の内部において制御装置80の近傍に設けられており、具体的には、送信装置120の略真上に設けられている。また、この受信装置130は、図4に示すように、入力部131、出力部132、操作部133、表示部134、受信部135a、送信部135b、アンテナ136、電源部137、制御部138、及び記憶部139を備えている。
【0068】
(構成-障害物検知システム-受信装置-入力部)
入力部131は、制御装置80からの出力の入力を受け付ける入力手段であり、例えば公知の入力端子を用いて構成されており、制御装置80の出力部132に配線3を介して接続されている。
【0069】
(構成-障害物検知システム-受信装置-出力部)
出力部132は、信号を制御装置80に出力する出力手段であり、例えば公知の出力端子を用いて構成されており、制御装置80の入力部に配線3を介して接続されている。
【0070】
(構成-障害物検知システム-受信装置-操作部)
操作部133は、受信装置130に対する操作入力を受け付ける操作手段である。
【0071】
(構成-障害物検知システム-受信装置-表示部)
表示部134は、受信装置130の制御に基づいて各種の情報を表示する表示手段である。
【0072】
(構成-障害物検知システム-受信装置-受信部)
受信部135aは、第1無線信号を第1周波数又は第2周波数にて受信する受信手段である。
【0073】
(構成-障害物検知システム-受信装置-送信部)
送信部135bは、複数のチャンネルに対応する複数の周波数であって相互に異なる複数の周波数のうち、所定方法で設定されたチャンネルに対応する複数の周波数を用いて第2無線信号を送信する送信手段である。
【0074】
(構成-障害物検知システム-受信装置-アンテナ)
アンテナ136は、送信部135bから出力された第2無線信号を送信し、第1無線信号を受信して受信部135aに入力する送受信素子である。
【0075】
(構成-障害物検知システム-受信装置-電源部)
電源部137は、図示しない商用電源又は電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、受信装置の各部に供給する電源手段である。
【0076】
(構成-障害物検知システム-受信装置-制御部)
制御部138は、受信装置130の各部を制御する制御手段であり、機能概念的に、図4に示すように、電池消耗判定部138a、報知部138b、第2変更部138c、及び第2判定部138dを備えている。
【0077】
電池消耗判定部138aは、特定部128cによって開閉体30の状態が動作状態であると特定された場合には、検出部127の検出結果と、第1判定条件を満たすか否かとに基づいて、送信装置120の電池126が消耗しているか否かを判定し、特定部128cによって開閉体30の状態が動作停止状態であると特定された場合には、検出部127の検出結果と、第2判定条件を満たすか否かとに基づいて、送信装置120の電池126が消耗しているか否かを判定する判定手段である。
【0078】
ここで、「動作状態」とは、開閉体30を動作させている状態を意味し、実施の形態では、座板スイッチ110が切り替えられた状態等が該当する。また、「動作停止状態」とは、開閉体30を動作させていない状態を意味し、実施の形態では、送信装置120の定期通信(以下、「定期通信」と称する)が行われている状態等が該当する。なお、「定期通信」とは、送信装置120の機能の正常性を確認するために、送信装置120が第1無線信号を定期的に送信することを意味し、実施の形態では、座板スイッチ110が切り替えられていない状態になってから当該状態が維持される限り所定間隔で繰り返し実行されるものとして説明する。また、「第1判定条件」とは、送信装置120の電池126が消耗しているか否かを判定するための条件を意味する。また、「第2判定条件」とは、第1判定条件とは異なる条件であって、送信装置120の電池126が消耗しているか否かを判定するための条件を意味する。
【0079】
報知部138bは、電池消耗判定部138aの判定結果を報知する報知手段である。
【0080】
第2変更部138cは、検出部127にて送信装置120の電池126の消耗に関する状態が検出された場合に、定期通信の実施間隔を変更する変更手段である。
【0081】
第2判定部138dは、キャリアセンスを行うことにより第2無線信号を送信することが可能な送信可能状況(以下、「第2送信可能状況」と称する)であるか否かを判定する判定手段である。なお、この制御部138によって実行される処理の詳細については後述する。
【0082】
(構成-障害物検知システム-受信装置-記憶部)
記憶部139は、受信装置130の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、図4に示すように、受信側周波数テーブル139aを備えている。
【0083】
(構成-障害物検知システム-受信装置-記憶部-受信側周波数テーブル)
図4の受信側周波数テーブル139aは、第1周波数情報及び第2周波数情報を格納する受信側周波数格納手段である。この受信側周波数テーブル139aは、図5に示すように、図3の送信側周波数テーブル129aの構成と同一に構成されているので、その説明を省略する。このように、受信側周波数テーブル139aには、18チャンネルに対応する第1周波数情報及び第2周波数情報が格納されていることから、最大で18台の開閉装置1が隣接して設置されている場合でも、対応する開閉装置1の送信装置120から第1周波数又は第2周波数にて送信された第1無線信号を受信したり、対応する開閉装置1の送信装置120に向けて第2無線信号を第1周波数又は第2周波数にて送信することができる。
【0084】
(通信処理)
次に、このように構成された障害物検知システム100によって実行される通信処理について説明する。以下の説明では、図6図7に示す各処理の説明ではステップを「S」と略記する。通信処理は、概略的には、送信装置120と受信装置130との相互間で通信を行うための処理である。また、この通信処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態では、開閉機40、自動閉鎖装置50、操作装置60、制御装置80、送信装置120、及び受信装置130に電源が投入された後に起動されるものとして説明する。
【0085】
通信処理が起動されると、通信処理の準備を行うために、送信装置120の制御部128は、図6に示すSA1の処理を行うと共に、受信装置130の制御部138は、図7に示すSB1の処理を行う。
【0086】
まず、図6に示すように、SA1において送信装置120の制御部128は準備処理を実行する。この準備処理の処理内容については任意であるが、実施の形態では、第1送信設定処理、変更処理、及び第1受信設定処理を行う。このうち、「第1送信設定処理」とは、送信装置120が第1無線信号を送信する際に用いられる複数の第1周波数及び第2周波数の設定を行う処理である。また、「変更処理」とは、第1送信設定処理にて設定された複数の第1周波数の送信順序を変更する処理である。また、「第1受信設定処理」とは、送信装置120が第2無線信号を受信する際に監視対象とする2つの第1周波数及び第2周波数の設定を行う処理である。
【0087】
具体的には、第1送信設定処理については、送信側周波数テーブル129aに格納されているチャンネル情報の中からいずれか1つが送信装置120の操作部122を介して選択されると、送信装置120の制御部128は、送信側周波数テーブル129aに格納されている1番目第1周波数情報、2番目第1周波数情報、及び第2周波数情報の中から当該選択されたチャンネル情報に対応する1番目第1周波数情報、2番目第1周波数情報、及び第2周波数情報を抽出し、当該抽出した情報の周波数を設定すべき2つの第1周波数及び第2周波数として設定する。これにより、周辺環境に応じた第1周波数及び第2周波数を設定することが可能となる。
【0088】
また、変更処理については、第1送信設定処理が行われた後に送信装置120の操作部122を介して所定操作が受け付けられなかった場合には、送信装置120の第1変更部128bは、複数の第1周波数を用いて第1無線信号を送信する際の送信順序を変更しない(すなわち、1番目の第1無線信号の送信に用いる第1周波数=1番目第1周波数情報の第1周波数に設定し、2番目の第1無線信号の送信に用いる第1周波数=2番目第1周波数情報の第1周波数に設定する)。一方で、第1送信設定処理が行われた後に送信装置120の操作部122を介して所定操作が受け付けられた場合には(なお、SA1の処理時以外のタイミングで所定操作が受け付けられた場合であってもよい)、送信装置120の第1変更部128bは上記送信順序を変更する(すなわち、1番目の第1無線信号の送信に用いる第1周波数=2番目第1周波数情報の第1周波数に設定し、2番目の第1無線信号の送信に用いる第1周波数=1番目第1周波数情報の第1周波数に設定する)。これにより、複数の第1周波数を用いて第1無線信号を送信する際の送信順序を変更でき、状況に応じた第1無線信号の送信を行いやすくなる。例えば、開閉装置1の送信装置120と、開閉装置1に隣接する他の開閉装置1の送信装置120とにおいて、第1送信設定処理にて同一のチャンネルに対応する第1周波数が設定されたとしても、変更処理により第1周波数の送信順序を変更することで無線信号の混信を回避できる。
【0089】
また、第1受信設定処理については、第1送信設定処理と同様の処理により、設定すべき2つの第1周波数及び第2周波数として設定する。これにより、第2無線信号を受信する際に監視対象とする第1周波数又は第2周波数を容易に設定することが可能となる。なお、実施の形態では、第1送信設定処理にて設定された第1周波数及び第2周波数が、第1受信設定処理にて設定すべき第1周波数及び第2周波数として自動的に設定されるが(すなわち、第1受信設定処理の設定と第1送信設定処理の設定とがまとめて行われる)、これに限らず、例えば、第1受信設定処理の設定と第1送信設定処理の設定とが個別に行われてもよい(なお、後述する第2送信設定処理の設定及び第2受信設定処理についても同様とする)。
【0090】
また、図7に示すように、SA1の処理の開始タイミングと略同一のタイミングで、SB1において受信装置130の制御部138は準備処理を実行する。この準備処理の処理内容については任意であるが、実施の形態では、第2受信設定処理及び第2送信設定処理を行う。このうち、「第2受信設定処理」とは、受信装置130が第1無線信号を受信する際に監視対象とする第1周波数及び第2周波数の設定を行う処理である。また、「第2送信設定処理」とは、受信装置130が第2無線信号を送信する際に用いられる第1周波数及び第2周波数の設定を行う処理である。
【0091】
具体的には、第2受信設定処理については、受信側周波数テーブル139aに格納されているチャンネル情報の中からいずれか1つが受信装置130の操作部133を介して選択されると、受信装置130の制御部138は、受信側周波数テーブル139aに格納されている1番目第1周波数情報、2番目第1周波数情報、及び第2周波数情報の中から当該選択されたチャンネル情報(具体的には、第1送信設定処理にて選択されたチャンネル情報と同一のチャンネル情報)に対応する1番目第1周波数情報、2番目第1周波数情報、及び第2周波数情報を抽出し、当該抽出した情報の周波数を設定すべき2つの第1周波数及び第2周波数として設定する。これにより、第1無線信号を受信する際に監視対象とする第1周波数及び第2周波数を容易に設定することが可能となる。
【0092】
また、第2送信設定処理については、第2受信設定処理と同様の処理により、設定すべき2つの第1周波数及び第2周波数として設定する。これにより、周辺環境に応じた第1周波数及び第2周波数を設定することが可能となる。
【0093】
図6に戻り、次に、送信装置120から第1無線信号を送信するために、送信装置120の制御部128は、図6に示すSA2からSA10の処理を行う。
【0094】
まず、図6に示すように、SA2において送信装置120の特定部128cは、開閉体30の状態を特定する。
【0095】
この開閉体30の状態の特定方法については任意であるが、例えば以下の通りとなる。すなわち、開閉体30の状態を動作状態として特定する場合には、座板スイッチ110から入力部121を介して障害物検知状態信号の入力が受け付けられていない状態から受け付けられた状態に切り替わったか否か(又は障害物検知状態信号の入力が受け付けられている状態から受け付けられていない状態に切り替わったか否か)に基づいて特定する。そして、上記切り替えが行われた場合には座板スイッチ110が切り替えられた状態であることから動作状態として特定するものの、当該切り替えが行われていない場合には動作状態として特定しない。
【0096】
また、開閉体30の状態を動作停止状態として特定する場合には、後述するSA3にて定期通信が設定されているか否かに基づいて特定する。そして、上記定期通信が設定されている場合には定期通信が行われている状態であることから動作停止状態として特定するものの、上記定期通信が設定されていない場合には動作停止状態として特定しない。
【0097】
SA3において送信装置120の制御部128は、SA2にて特定された開閉体30の状態が動作停止状態であるか否かを判定する。そして、送信装置120の制御部128は、上記動作停止状態であると判定された場合(SA3、Yes)にはSA4へ移行し、上記動作停止状態でないと判定された場合(SA3、No)にはSA5へ移行する。
【0098】
SA4において送信装置120の制御部128は、通信方式を定期通信に設定して(又は、すでに定期通信が設定されている場合にはその設定を維持して)、SA6へ移行する。
【0099】
SA5において送信装置120の制御部128は、通信方式を通常通信に設定して(又は、すでに通常通信が設定されている場合にはその設定を維持して)、SA6へ移行する。ここで、「通常通信」とは、SA2にて動作状態と特定されたタイミングで第1無線信号を受信装置130に送信することを意味する。
【0100】
SA6において送信装置120の制御部128は、第1無線信号を送信するタイミング(以下、「送信タイミング」と称する)が到来したか否かを判定する。
【0101】
この送信タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、例えば、以下の通りとなる。すなわち、SA4にて通信方式が定期通信に設定されている場合には、当該設定されてから定期通信の実施間隔が経過しているか否かを判定し、定期通信の実施間隔が経過している場合には送信タイミングが到来したと判定し、定期通信の実施間隔が経過していない場合には送信タイミングが到来していないと判定する。また、SA5にて通信方式が通常通信に設定されている場合には、SA2にて動作状態と特定されているか否かを判定し、動作状態と特定されている場合には送信タイミングが到来したと判定し、動作状態と特定されていない場合には送信タイミングが到来していないと判定する。そして、送信装置120の制御部128は、送信タイミングが到来していないと判定された場合(SA6、No)にはSA2へ移行し、送信タイミングが到来していると判定された場合(SA6、Yes)にはSA7へ移行する。
【0102】
SA7において送信装置120の制御部128は、検出部127から電池126の状態(具体的には、電池126の消耗又は非消耗に関する状態)を示す情報(以下、「電池状態情報」と称する)を取得する。
【0103】
SA8において送信装置120の第1判定部128aは、第1送信可能状況であるか否かを判定する。この第1送信可能状況であるか否かの判定方法については任意であるが、例えば、SA1の第1送信設定処理にて設定された複数の第1周波数のうちいずれかの周波数を用いて第1無線信号を送信しようとした場合に、当該送信の際に行ったキャリアセンスによりキャリアがないことが検出された場合には、第1送信可能状況であると判定する。一方、SA1の第1送信設定処理にて設定された複数の第1周波数のうちいずれの周波数を用いて第1無線信号を送信しようとしても、当該送信の際に行ったキャリアセンスによりキャリアがあることが検出された場合には、第1送信可能状況でないと判定する。なお、上述した判定については、SA1の変更処理にて設定された2つの第1周波数を当該変更処理の送信順序に基づいて順次行うものとする。そして、送信装置120の第1判定部128aは、第1送信可能状況であると判定された場合(SA8、Yes)にはSA9へ移行し、第1送信可能状況でないと判定された場合(SA8、No)にはSA10へ移行する。
【0104】
SA9において送信装置120の制御部128は、送信部124aによって第1周波数を用いて第1無線信号を送信させ、その後SA11へ移行する。具体的には、SA6の送信タイミングが到来してから後述するSA11にて第2無線信号が受信されるまで、第1無線信号を間欠的に複数回送信(いわゆる間欠送信)させる(なお、後述するSA10の処理についても同様とする)。
【0105】
ここで、第1無線信号の送信に用いられる第1周波数については、SA1の第1送信設定処理にて設定された複数の第1周波数のうち、SA8にてキャリアセンスによりキャリアがないことが検出された第1周波数が用いられる。なお、上記複数の第1周波数のいずれもキャリアがないとしても、上述したように、SA8の判定がSA1の変更処理にて設定された送信順序に基づいて順次行われて、第1送信可能状況であると判定された時点での第1周波数が用いられることから、結果として送信順序が早い第1周波数が優先的に用いられることになる。また、第1無線信号に含まれる情報については、例えば、通信種別情報、SA7にて取得された電池状態情報、座板スイッチ状態情報、及び通信対象識別情報等が含まれる(なお、後述するSA10の第1無線信号に含まれる情報についても同様とする)。このうち、「通信種別情報」とは、通信の種別(例えば、通常通信、定期通信、応答通信等)を示す情報を意味する。また、「座板スイッチ状態情報」とは、SA2の処理時における座板スイッチ110の状態を示す情報であり、例えば、障害物が検知されていない状態を示す情報(以下、「障害物非検知状態情報」と称する)や障害物検知状態情報等を含む概念である。また、「通信対象識別情報」とは、通信対象を一意に識別するための情報であり、実施の形態では、送信装置120の記憶部129にあらかじめ記憶されているものとする。
【0106】
SA10において送信装置120の制御部128は、送信部124aによって第2周波数(具体的には、SA1の第1送信設定処理にて設定された第2周波数)を用いて第1無線信号を送信させ、その後SA11へ移行する。
【0107】
このようなSA2からSA10の処理(特に、SA8からSA10の処理)により、キャリアセンスを行うことが義務付けられている周波数のみを用いて第1無線信号を送信する場合に比べて、周囲の通信環境に左右されずに第1無線信号を迅速且つ確実に送信でき、通信の信頼性を高めることができる。特に、SA10の処理においては、複数の第1周波数に関するキャリアセンスによりキャリアがあることが確認された後に、第2周波数を用いて第1無線信号を送信でき、無線信号の混信を抑制しながら通信の信頼性を高めることができる。また、周囲の通信環境に左右されずに送信装置120が障害物検知状態情報を含む第1無線信号を迅速且つ確実に送信でき、例えば障害物の有無の報知を効果的に行うことができる。
【0108】
なお、SA9及びSA10における第1無線信号の送信方法については任意であるが、例えば、SA8にて第1送信可能状況であると判定された場合には、送信部124aによって当該判定の直後に第1周波数を用いて第1無線信号を送信させ、SA8にて第1送信可能状況でないと判定された場合には、送信部124aによって当該判定の直後に第2周波数を用いて第1無線信号を送信させてもよい(なお、後述するSB12及びSB13の処理についても同様とする)。これにより、第1周波数を用いて第1無線信号を送信する場合、及び第2周波数を用いて第1無線信号を送信する場合にも、第1無線信号を迅速に送信することができ(特に、実施の形態では、SA9にて送信順序が2番目の第1周波数を用いて第1無線信号の送信するタイミングと、SA10にて第2周波数を用いて第1無線信号の送信するタイミングとを略同一にでき)、通信の信頼性を一層高めることができる。ただし、これに限らず、例えば、SA8にて第1送信可能状況であると判定された場合には、当該判定されてから所定時間経過後に第1周波数を用いて第1無線信号を送信させ、SA8にて第1送信可能状況でないと判定された場合には、当該判定されてから所定時間経過後に第2周波数を用いて第1無線信号を送信させてもよい(なお、後述するSB12及びSB13の処理についても同様とする)。
【0109】
次に、送信装置120の電池126が消耗している旨を報知するために、受信装置130の制御部138は、図7に示すSB2からSB10の処理を行う。
【0110】
まず、図7に示すように、SB2において受信装置130の制御部138は、受信部135aによってSA9又はSA10にて送信された第1無線信号が受信されたか否かを判定する。この第1無線信号が受信されたか否かの判定方法については任意であるが、例えば、まず、SB1の第2受信設定処理にて設定された2つの第1周波数及び第2周波数にて送信される第1無線信号を受信できるか否かを順次繰り返し監視する。次に、第1無線信号が受信できた場合には、この第1無線信号に含まれる通信対象識別情報と、受信装置130の記憶部139にあらかじめ格納されている通信対象識別情報とが合致するか否かを判定する。ここで、これら2つの通信対象識別情報が合致する場合には第1無線信号が受信されたと判定し、これら2つの通信対象識別情報が合致しない場合、又は第1無線信号を受信できない場合には第1無線信号が受信されていないと判定する。そして、受信装置130の制御部138は、第1無線信号が受信されるまで待機し(SB2、No)、第1無線信号が受信された場合(SB2、Yes)にはSB3へ移行する。
【0111】
SB3において受信装置130の制御部138は、検出部127にて送信装置120の電池126の消耗に関する状態が検出されているか否かを判定する。具体的には、SB2にて受信された第1無線信号に含まれる電池状態情報が電池126の消耗に関する状態を示す情報であるか否かを判定し、上記電池126の消耗に関する状態を示す情報である場合に検出部127にて送信装置120の電池126の消耗に関する状態が検出されていると判定し、上記電池126の消耗に関する状態を示す情報でない場合に検出部127にて送信装置120の電池126の消耗に関する状態が検出されていないと判定する。そして、受信装置130の制御部138は、検出部127にて送信装置120の電池126の消耗に関する状態が検出されていると判定された場合(SB3、Yes)にはSB4へ移行し、検出部127にて送信装置120の電池126の消耗に関する状態が検出されていないと判定された場合(SB3、No)にはSB5へ移行する。
【0112】
SB4において受信装置130の制御部138は、送信装置120の検出部127にて送信装置120の電池126の消耗に関する状態が検出された回数(以下、「検出回数」と称する)の更新を行い、その後SB6へ移行する。具体的には、SB2にて受信された第1無線信号に含まれる電池状態情報が送信装置120の電池126の消耗に関する状態を示す情報であるので、SB4の処理前の検出回数に1を加算した回数を更新すべき検出回数として更新する。
【0113】
SB5において受信装置130の制御部138は、検出回数の更新を行い、その後SB7へ移行する。具体的には、SB2にて受信された第1無線信号に含まれる電池状態情報が送信装置120の電池126の非消耗に関する状態を示す情報であるので、検出回数をデフォルト値(例えば、ゼロ値)に更新する。ただし、これに限らず、例えば、検出回数の更新を行わなくてもよい(すなわち、SB5の処理前の検出回数を維持する)。
【0114】
SB6において受信装置130の第2変更部138cは、定期通信の実施間隔を変更して、その後SB8へ移行する。この定期通信の実施間隔の変更方法については任意であるが、例えば、変更すべき実施間隔(以下、「第2実施間隔」と称する)をSB6の処理前の実施間隔であってあらかじめ記憶部139に記憶されている実施間隔(以下、「第1実施間隔」と称する)よりも短く(又は長く)なるように変更してもよい。一例として、第1実施間隔=24時間である場合には、時間帯を異ならせるために、第2実施間隔=12時間に変更してもよい。ただし、第1実施間隔がそれ以前に行われたSB6において既に変更されている場合には、SB6の処理を省略してもよく、又は、第2実施間隔を第1実施間隔よりも短く(又は長く)なるように変更してもよい。これにより、検出部127にて送信装置120の電池126の消耗に関する状態が検出された後に行われる定期通信の実施間隔を変更でき、送信装置120の電池126の状態に応じた定期通信を行うことが可能となる。
【0115】
SB7において受信装置130の第2変更部138cは、SB6にて定期通信の実施間隔が変更された後に検出部127にて送信装置120の電池126の消耗に関する状態が検出されなかった場合に、定期通信の実施間隔を変更前の実施間隔に戻し、その後SB8へ移行する。この定期通信の実施間隔を戻す方法については任意であるが、例えば、第2実施間隔から第1実施間隔に戻してもよい。ただし、SB7の処理前の実施間隔がそれ以前に行われたSB7において既に戻されている場合、又はそれ以前にSB6にて定期通信の実施間隔が変更されていない場合には、SB7の処理を省略してもよい。これにより、第2変更部138cによって変更された定期通信の実施間隔を変更前の実施間隔に自動的に戻すことができ、定期通信の実施間隔を戻す手間を省略できる。
【0116】
SB8において受信装置130の電池消耗判定部138aは、SB2にて受信された第1無線信号に含まれる通信種別情報が通常通信を示す情報である場合(すなわち、送信装置120の特定部128cにて動作状態であると特定された場合)には、SB4又はSB5にて更新された検出回数(すなわち、送信装置120の検出部127の検出結果)と、第1判定条件を満たすか否かとに基づいて、送信装置120の電池126が消耗しているか否かを判定する。また、SB2にて受信された第1無線信号に含まれる通信種別情報が定期通信を示す情報である場合(すなわち、送信装置120の特定部128cにて動作停止状態であると特定された場合)には、SB4又はSB5にて更新された検出回数と、第2判定条件を満たすか否かとに基づいて、送信装置120の電池126が消耗しているか否かを判定する。そして、受信装置130の電池消耗判定部138aは、送信装置120の電池126が消耗していると判定された場合(SB8、Yes)にはSB9へ移行し、送信装置120の電池126が消耗していないと判定された場合(SB8、No)にはSB10へ移行する。
【0117】
ここで、送信装置120の電池126が消耗しているか否かの判定方法については任意であるが、実施の形態では、以下の通りとなる。なお、この判定方法に用いられる第1判定条件については、SB4又はSB5にて更新された検出回数が第1回数(例えば、1回又は2回以上の回数)に達すること、として説明する。また、この判定方法に用いられる第2判定条件については、SB4又はSB5にて更新された検出回数が第1回数よりも多い第2回数(例えば、2回以上の回数)に達すること、として説明する。
【0118】
すなわち、上記通信種別情報が通常通信を示す情報である場合において、SB4又はSB5にて更新された検出回数が第1回数に達していない場合には、第1判定条件を満たしていないものとして、送信装置120の電池126が消耗していないと判定し、SB4又はSB5にて更新された検出回数が第1回数に達している場合には、第1判定条件を満たすものとして、送信装置120の電池126が消耗していると判定する。また、上記通信種別情報が定期通信を示す情報である場合において、SB4又はSB5にて更新された検出回数が第2回数に達していない場合には、第2判定条件を満たしていないものとして、送信装置120の電池126が消耗していないと判定し、SB4又はSB5にて更新された検出回数が第2回数に達している場合には、第2判定条件を満たすものとして、送信装置120の電池126が消耗していると判定する。これにより、開閉体30の状態に応じて異なる検出回数に基づいて送信装置120の電池126の消耗の有無を判定でき、当該判定精度を高めることができる。なお、実施の形態では、上記通信種別情報が通常通信を示す情報である場合の判定において検出回数が第1回数に達した場合や、上記通信種別情報が定期通信を示す情報である場合の判定において検出回数が第2回数に達した場合に、その後に行われるSB3において、上記電池状態情報が送信装置120の電池126の非消耗に関する状態を示す情報である場合には、SB5において検出回数をデフォルト値に更新するものの、上記電池状態情報が送信装置120の電池126の消耗に関する状態を示す情報である場合には、SB4において検出回数を維持する。これにより、SB8にて送信装置120の電池126が消耗していると判定された後に検出部127にて送信装置120の電池126の消耗に関する状態が継続して検出されている場合には、当該判定を継続できるので、SB9の処理を確実に継続できる。
【0119】
また、上述した処理内容以外の他の処理内容により、送信装置120の電池126が消耗しているか否かを判定してもよい。例えば、上記通信種別情報が通常通信を示す情報である場合であり、且つSB4又はSB5にて更新された検出回数が第1回数に達していない場合において、SB4又はSB5にて受信された第1無線信号に含まれる通信種別情報が定期通信を示す情報である場合には、当該特定の直前の判定条件である第1判定条件を第2判定条件へ変更し、当該変更した第2判定条件に基づいて送信装置120の電池126が消耗しているか否かを判定してもよい(なお、上記通信種別情報が定期通信を示す情報である場合であり、且つSB4又はSB5にて更新された検出回数が第2回数に達していない場合についても略同様とする)。この場合において、判定条件が変更された後の検出回数については、デフォルト値に更新してもよく、又は、判定条件が変更される前の検出回数を繰り越してもよい。これにより、検出回数が第1回数に達していない場合に開閉体30の状態が変更した際に判定条件を変更せずに送信装置120の電池126の消耗の有無を判定する場合に比べて、開閉体30の状態に応じた送信装置120の電池126の消耗の有無を判定でき、当該判定精度を一層高めることができる。
【0120】
SB9において受信装置130の報知部138bは、第1移報処理を実行し、その後SB11に移行する。ここで、「第1移報処理」とは、送信装置120の電池126が消耗している旨を示す情報(以下、「電池消耗情報」と称する)やSB2にて受信された第1無線信号に含まれる情報を報知するための処理である。
【0121】
この第1移報処理の処理内容については任意であるが、例えば、受信装置130の出力部132によって、電池消耗情報及びSB2にて受信された第1無線信号に含まれる座板スイッチ状態情報を含む信号(以下、「第1移報信号」と称する)を制御装置80に出力させてもよい。あるいは、受信装置130の表示部134によって、電池消耗情報を表示させてもよい。あるいは、これらを組み合わせてもよい。
【0122】
また、第1移報信号を受信した制御装置80の具体的な制御内容については任意であるが、例えば、ユーザに対して送信装置120の電池126が消耗している旨を報知するための制御であって、制御装置80の通常制御とは異なる制御を行ってもよい。一例として、開閉体30の開閉移動については、操作装置60から操作信号の入力が受け付けられている間にのみ開閉体30の開閉移動(具体的には、電動での閉鎖移動又は開放移動)を行ってもよい(いわゆる、「押切操作による開閉体30の開閉移動の制御」を行う)。また、操作装置60の表示部66の表示については、電池消耗情報を表示してもよい。また、障害物の有無に基づいた制御を行ってもよく、一例として、座板スイッチ状態情報が障害物検知状態情報である場合には、所定のタイミング(例えば、操作装置60から操作信号の入力が受け付けられたタイミング、SB9の処理後に行われるSB2にて障害物非検知状態情報を含む第1無線信号が受信されたタイミング等)が到来するまで開閉体30の開閉移動を制限してもよい(例えば、開閉体30の自重による閉鎖移動を停止させる等)。
【0123】
SB10において受信装置130の報知部138bは、第2移報処理を実行し、その後SB11に移行する。ここで、「第2移報処理」とは、送信装置120の電池126が消耗していない旨を示す情報(以下、「電池非消耗情報」と称する)やSB2にて受信された第1無線信号に含まれる情報を報知するための処理である。
【0124】
また、この第2移報処理の処理内容については任意であるが、例えば、受信装置130の出力部132によって、電池非消耗情報及びSB2にて受信された第1無線信号に含まれる座板スイッチ状態情報を含む信号(以下、「第2移報信号」と称する)を制御装置80に出力させてもよい。あるいは、受信装置130の表示部134によって、電池非消耗情報を表示させてもよい。あるいは、これらを組み合わせてもよい。
【0125】
また、第2移報信号を受信した制御装置80の具体的な制御内容については任意であるが、例えば、ユーザに対して送信装置120の電池126が消耗していない旨を報知するための制御であって、制御装置80の通常制御と同じ制御を行ってもよい。一例として、開閉体30の開閉移動については、操作装置60から操作信号の入力が受け付けられた場合には、その後操作信号の入力の受け付けが継続していなくても開閉体30の開閉移動(具体的には、電動での閉鎖移動又は開放移動)を行ってもよい(いわゆる、「自己保持操作による開閉体30の開閉移動の制御」を行う)。また、操作装置60の表示部66の表示については、非表示にしてもよい。また、障害物の有無に基づいた制御内容を、上述した第1移報信号を受信した制御装置80の具体的な制御内容と同様に行ってもよい。
【0126】
このようなSB2からSB10の処理(特に、SB3、SB8からSB10の処理)により、開閉体30の状態に応じて異なる判定条件に基づいて送信装置120の電池126の消耗の有無を判定して当該判定結果を報知できる。よって、開閉体30の状態に関わらず同一の判定条件で送信装置120の電池126の消耗の有無を判定する場合に比べて、開閉体30の状態に応じた上記判定結果の報知を行うことができ、上記判定結果の誤報知を抑制できる。特に、実施の形態では、送信装置120の通信方式が通常通信に設定されている場合(すなわち、動作状態である場合)には、開閉体30の開閉が頻繁に行われる状況であるので、座板スイッチ110にて障害物が検知される確率が比較的高いことから、第1判定条件に基づいて送信装置120の電池126の消耗の有無を判定することにより、送信装置120の電池126の消耗の有無を迅速に判定でき、障害物の安全性を確保しやすくなる。一方、送信装置120の通信方式が定期通信に設定されている場合(すなわち、動作停止状態である場合)には、開閉体30の開閉がほとんど行われない状況であるので、座板スイッチ110にて障害物が検知される確率が比較的低いことから、第2判定条件に基づいて送信装置120の電池126の消耗の有無を判定することにより、通常通信に設定されている場合に比べて送信装置120の電池126の消耗の有無を正確に判定でき、当該判定結果の誤報知を抑制できる。また、動作状態が、開閉体30に取り付けられた座板スイッチ110が切り替えられた状態であり、動作停止状態が、送信装置120の定期通信が行われている状態であるので、座板スイッチ110が切り替えられた状態及び定期通信が行われている状態に応じて異なる判定条件に基づいて送信装置120の電池126の消耗の有無を判定して当該判定結果の報知を行うことができ、座板スイッチ110が切り替えられた状態及び定期通信が行われている状態において上記判定結果の誤報知を抑制できる。
【0127】
続いて、送信装置120による第1無線信号の送信を停止するために、送信装置120の制御部128は、図6に示すSA11からSA13の処理を行うと共に、受信装置130の制御部138は、図7に示すSB11からSB13の処理を行う。
【0128】
まず、図7に示すように、SB11において受信装置130の第2判定部138dは、第2送信可能状況であるか否かを判定する。この第2送信可能状況であるか否かの判定方法については任意であるが、例えば、SB1の第2送信設定処理にて設定された複数の第1周波数のうちいずれかの周波数を用いて第2無線信号を送信しようとした場合に、当該送信の際に行ったキャリアセンスによりキャリアがないことが検出された場合には、第2送信可能状況であると判定する。一方、SB1の第2送信設定処理にて設定された複数の第1周波数のうちいずれの周波数を用いて第2無線信号を送信しようとしても、当該送信の際に行ったキャリアセンスによりキャリアがあることが検出された場合には、第2送信可能状況でないと判定する。なお、上述した判定については、1番目の第2無線信号の送信に用いる第1周波数=1番目第1周波数情報の第1周波数に設定し、2番目の第2無線信号の送信に用いる第1周波数=2番目第1周波数情報の第1周波数に設定し、この送信順序に基づいて順次行うものとする。そして、受信装置130の第2判定部138dは、第2送信可能状況であると判定された場合(SB11、Yes)にはSB12へ移行し、第2送信可能状況でないと判定された場合(SB11、No)にはSB13へ移行する。
【0129】
SB12において受信装置130の制御部138は、送信部135bによって第1周波数を用いて第2無線信号を送信させる。具体的には、SB12の処理開始から所定時間経過するまでに第2無線信号を間欠的に複数回送信(いわゆる間欠送信)させる(なお、後述するSB13の処理についても同様とする)。その後、受信装置130の制御部138は、SB2へ移行して、以降同様にSB2からSB13の処理を繰り返す。
【0130】
ここで、第2無線信号の送信に用いられる第1周波数については、SB1の第2送信設定処理にて設定された複数の第1周波数のうち、SB11にてキャリアセンスによりキャリアがないことが検出された第1周波数が用いられる。なお、上記複数の第1周波数のいずれもキャリアがないとしても、上述したように、SB11の判定が送信順序に基づいて順次行われて、第2送信可能状況であると判定された時点での第1周波数が用いられることから、結果として送信順序が早い第1周波数が優先的に用いられることになる。また、第2無線信号に含まれる情報については、例えば、通信種別情報、通信対象識別情報、送信停止情報、及び実施間隔再設定情報等が含まれる(なお、後述するSB13の第2無線信号に含まれる情報についても同様とする)。このうち、「送信停止情報」とは、第1無線信号の送信停止の指示を示す情報を意味する。また、「実施間隔再設定情報」とは、定期通信の実施間隔の再設定を示す情報を意味し、例えば、SB6にて変更された定期通信の実施間隔の設定を指示する情報、SB7にて戻された定期通信の実施間隔の設定を指示する情報、及び定期通信の実施間隔の再設定を指示しない情報等を含む概念である。
【0131】
SB13において受信装置130の制御部138は、送信部135bによって第2周波数を用いて第2無線信号を送信させる。その後、受信装置130の制御部138は、SB2へ移行して、以降同様にSB2からSB13の処理を繰り返す。
【0132】
図6に戻り、SA11において送信装置120の制御部128は、受信部124bによってSB12又はSB13にて送信された第2無線信号が受信されたか否かを判定する。この第2無線信号が受信されたか否かの判定方法については任意であるが、例えば、まず、SA1の第1受信設定処理にて設定された2つの第1周波数及び第2周波数にて送信される第2無線信号を受信できるか否かを順次繰り返し監視する。次に、第2無線信号が受信できた場合には、この第2無線信号に含まれる通信対象識別情報と、送信装置120の記憶部129にあらかじめ格納されている通信対象識別情報とが合致するか否かを判定する。ここで、これら2つの通信対象識別情報が合致する場合には第2無線信号が受信されたと判定し、これら2つの通信対象識別情報が合致しない場合、又は第2無線信号を受信できない場合には第2無線信号が受信されていないと判定する。そして、送信装置120の制御部128は、第2無線信号が受信されるまで待機し(SA11、No)、第2無線信号が受信された場合(SA11、Yes)にはSA12へ移行する。
【0133】
SA12において送信装置120の制御部128は、SA11にて受信された第2無線信号に含まれる送信停止情報に基づいて、送信部124aによる第1無線信号の送信を停止させる。
【0134】
SA13において送信装置120の制御部128は、SA11にて受信された第2無線信号に含まれる実施間隔再設定情報に基づいて、定期通信の実施間隔を再設定する。その後、送信装置120の制御部128は、SA2へ移行して、以降同様にSA2からSA13の処理を繰り返す。
【0135】
また、この定期通信の実施間隔を再設定する方法については任意であるが、例えば、実施間隔再設定情報が、SB6にて変更された定期通信の実施間隔の設定を指示する情報である場合には、再設定すべき実施間隔をSB6にて変更された定期通信の実施間隔に再設定する。また、実施間隔再設定情報が、SB7にて戻された定期通信の実施間隔の設定を指示する情報である場合には、再設定すべき実施間隔をSB7にて戻された定期通信の実施間隔に再設定する。ただし、実施間隔再設定情報が、定期通信の実施間隔の再設定を指示しない情報である場合には、実施間隔の再設定を行わないものとする。
【0136】
このようなSA11からSA13、SB11からSB13の処理により、送信装置120による第1無線信号の送信を停止でき、送信装置120の電池126の消耗を抑制できる。また、SB11からSB13の処理においては、第2判定部138dの判定結果に基づいて、第1周波数及び第2周波数を用いて第2無線信号を送信するので、キャリアセンスを行うことが義務付けられている周波数のみを用いて第2無線信号を送信する場合に比べて、周囲の通信環境に左右されずに第2無線信号を迅速且つ確実に送信でき、通信の信頼性を高めることができる。特に、SB13の処理においては、複数の第1周波数に関するキャリアセンスによりキャリアがあることが確認された後に、第2周波数を用いて第2無線信号を送信でき、無線信号の混信を抑制しながら通信の信頼性を高めることができる。
【0137】
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、送信装置120及び受信装置130の各々が、複数のチャンネルに対応する複数の周波数であって相互に異なる複数の周波数のうち、所定方法で設定されたチャンネルに対応する複数の周波数を用いて無線信号を送信する送信手段と、キャリアセンスを行うことにより無線信号を送信することが可能な送信可能状況であるか否かを判定する判定手段と、を備え、送信手段が、判定手段の判定結果に基づいて、第1周波数及び第2周波数を用いて無線信号を送信するので、キャリアセンスを行うことが義務付けられている周波数のみを用いて無線信号を送信する場合に比べて、周囲の通信環境に左右されずに無線信号を迅速且つ確実に送信でき、通信の信頼性を高めることができる。
【0138】
また、送信装置120及び受信装置130において、第1周波数を用いる際の無線信号の送信時間を、第2周波数を用いる際の無線信号の送信時間と同一にし、又は第1周波数を用いる際の無線信号の電波強度を、第2周波数を用いる際の無線信号の電波強度と同一にしたので、第1周波数を用いる際の無線信号の送信時間(又は電波強度)と第2周波数を用いる際の無線信号の送信時間(又は電波強度)とを異ならせる場合に比べて、送信装置120及び受信装置130の構成(具体的には、送信手段の構成等)の簡易化を図りやすくなるため、送信装置120及び受信装置130の製造コストを低減できる。
【0139】
また、送信手段が、判定手段にて送信可能状況であると判定された場合には、当該判定の直後に第1周波数を用いて無線信号を送信し、判定手段にて送信可能状況でないと判定された場合には、当該判定の直後に第2周波数を用いて無線信号を送信するので、第1周波数を用いて無線信号を送信する場合、及び第2周波数を用いて無線信号を送信する場合にも、無線信号を迅速に送信することができ、通信の信頼性を一層高めることができる。
【0140】
また、判定手段が、複数の第1周波数のうちいずれの周波数を用いて無線信号を送信しようとしても、当該送信の際に行ったキャリアセンスによりキャリアがあることが検出された場合には、送信可能状況でないと判定し、送信手段は、判定手段にて送信可能状況でないと判定された場合に、第2周波数を用いて無線信号を送信するので、複数の第1周波数に関するキャリアセンスによりキャリアがあることが確認された後に、第2周波数を用いて無線信号を送信でき、無線信号の混信を抑制しながら通信の信頼性を高めることができる。
【0141】
また、送信装置120が、複数の第1周波数を用いて第1無線信号を送信する際の送信順序を変更する第1変更部128bを備えたので、複数の第1周波数を用いて第1無線信号を送信する際の送信順序を変更でき、状況に応じた第1無線信号の送信を行いやすくなる。
【0142】
また、送信装置120が、建物の開口部2を開閉する開閉体30に設置される障害物検知装置であって、開閉体30に対する障害物の検知状態を示す障害物検知状態情報を含む第1無線信号を送信する障害物検知装置であるので、周囲の通信環境に左右されずに送信装置120が第1無線信号を迅速且つ確実に送信でき、例えば障害物の有無の報知を効果的に行うことができる。
【0143】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0144】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0145】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0146】
(開閉装置について)
上記実施の形態では、開閉装置1が、火災報知システム90を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、火災報知システム90を省略してもよい。
【0147】
(開閉体の状態について)
上記実施の形態では、動作状態が、座板スイッチ110が切り替えられた状態であると説明したが、これに限らない。例えば、開閉体30が振動したことを検知する振動センサにて振動が検知された状態、又は開閉体30が機械的に変位したことを検知するマグネットセンサや静電容量式センサにて開閉体30の変位が検知された状態であってもよい。また、上記実施の形態では、動作停止状態が、定期通信が行われている状態であると説明したが、これに限らない。例えば、上記振動センサにて振動が検知されていない状態、又は上記マグネットセンサや上記静電容量式センサにて開閉体30の変位が検知されていない状態であってもよい。
【0148】
(無線通信装置について)
上記実施の形態では、無線通信装置が、障害物検知システム100を構成する送信装置120及び受信装置130であると説明したが、これに限らず、例えば、無線式の防災センサや無線式の防犯センサであってもよい。
【0149】
(送信装置、受信装置について)
上記実施の形態では、受信装置130が、収納部10の内部に設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、収納部10の外部に設けられてもよい。
【0150】
また、上記実施の形態では、送信装置120が第1変更部128bを備えていると説明したが、これに限らない。例えば、第1変更部128bを省略してもよい。また、受信装置130が、複数の第1周波数を用いて第2無線信号を送信する際の送信順序を変更する第1変更部128bを備えてもよい。
【0151】
また、上記実施の形態では、送信装置120が特定部128cを備えていると説明したが、これに限らない。例えば、送信装置120の特定部128cを省略し、受信装置130が特定部128cを備えることで、SA2の処理が受信装置130に関する通信処理にて行われてもよい。この場合には、受信装置130にてSA2の処理を行うために、送信装置120は、SA9及びSA10にて障害物検知状態情報を含む第1無線信号を送信する。
【0152】
また、上記実施の形態では、受信装置130が電池消耗判定部138a及び第2変更部138cを備えていると説明したが、これに限らない。例えば、受信装置130の電池消耗判定部138a及び第2変更部138cを省略し、送信装置120が電池消耗判定部138a及び第2変更部138cを備えることで、SB3からSB8の処理が送信装置120に関する通信処理にて行われてもよい。この場合には、送信装置120は、報知部138bを備えて、SB8の判定結果を示す情報を送信装置120の表示部123によって報知してもよい。
【0153】
また、上記実施の形態では、送信装置120又は受信装置130に、検出部127、特定部128c、電池消耗判定部138a、及び第2変更部138cが設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、検出部127、特定部128c、電池消耗判定部138a、及び第2変更部138cを省略してもよい。この場合には、送信装置120に関する通信処理及び受信装置130に関する通信処理において、SA3からSA5、SA7、SA13、SB3からSB8、及びSB9(又はSB10)を省略できる。
【0154】
(第1無線信号、第2無線信号について)
上記実施の形態では、送信装置120が第1周波数及び第2周波数を用いて第1無線信号を送信する場合に、第1周波数を用いる際の第1無線信号の送信時間を、第2周波数を用いる際の第1無線信号の送信時間と同一にし、且つ、第1周波数を用いる際の第1無線信号の電波強度を、第2周波数を用いる際の第1無線信号の電波強度と同一にすると説明したが、これに限らない。例えば、第1周波数を用いる際の第1無線信号の送信時間を、第2周波数を用いる際の第1無線信号の送信時間と異ならせてもよく、あるいは、第1周波数を用いる際の第1無線信号の電波強度を、第2周波数を用いる際の第1無線信号の電波強度と異ならせてもよい(なお、受信装置130が第1周波数及び第2周波数を用いて第2無線信号を送信する場合についても同様とする)。
【0155】
(送信側周波数テーブル、受信側周波数テーブルについて)
上記実施の形態では、送信側周波数テーブル129aに、各チャンネル情報に対して2つの周波数情報(1番目第1周波数情報、2番目第1周波数情報)が関連付けて格納されていると説明したが、これに限らない。例えば、送信装置120が3つ以上の第1周波数を用いて第1無線信号を送信する場合には、送信側周波数テーブル129aにおいて各チャンネル情報に対して3つ以上の周波数情報が関連付けて格納されてもよい(なお、受信側周波数テーブル139aについても同様とする)。この場合の送信側周波数テーブル129aのチャンネル情報の個数については、第1周波数として使用できる周波数の個数が一定の個数であることから、実施の形態に係る送信側周波数テーブル129aのチャンネル情報の個数よりも少ない個数となる。また、送信装置120が1つの第1周波数のみを用いて第1無線信号を送信する場合には、送信側周波数テーブル129aにおいて各チャンネル情報に対して1つの周波数情報のみが関連付けて格納されてもよい(なお、受信側周波数テーブル139aについても同様とする)。この場合の送信側周波数テーブル129aのチャンネル情報の個数については、実施の形態に係る送信側周波数テーブル129aのチャンネル情報の個数よりも多い個数となる。
【0156】
(通信処理について)
上記実施の形態では、SB6において、第1無線信号に含まれる通信種別情報の内容にかかわらず、SB3にて送信装置120の電池126の消耗に関する状態が検出されていると判定された場合には、定期通信の実施間隔を変更すると説明したが、これに限らない。例えば、SB3にて送信装置120の電池126の消耗に関する状態が検出されていると判定され、且つ第1無線信号に含まれる通信種別情報が定期通信を示す情報である場合にのみ、定期通信の実施間隔を変更してもよい。
【0157】
(付記)
付記1の無線通信装置は、無線信号を送信する無線通信装置であって、複数のチャンネルに対応する複数の周波数であって相互に異なる複数の周波数のうち、所定方法で設定されたチャンネルに対応する複数の周波数を用いて無線信号を送信する送信手段と、キャリアセンスを行うことにより前記無線信号を送信することが可能な送信可能状況であるか否かを判定する判定手段と、を備え、前記送信手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記複数の周波数のうちキャリアセンスを行うことが義務付けられている第1周波数及びキャリアセンスを行うことが義務付けられていない第2周波数を用いて前記無線信号を送信する。
【0158】
付記2の無線通信装置は、付記1に記載の無線通信装置において、前記第1周波数を用いる際の前記無線信号の送信時間を、前記第2周波数を用いる際の前記無線信号の送信時間と同一にし、又は前記第1周波数を用いる際の前記無線信号の電波強度を、前記第2周波数を用いる際の前記無線信号の電波強度と同一にした。
【0159】
付記3の無線通信装置は、付記1又は2に記載の無線通信装置において、前記送信手段は、前記判定手段にて前記送信可能状況であると判定された場合には、当該判定の直後に前記第1周波数を用いて前記無線信号を送信し、前記判定手段にて前記送信可能状況でないと判定された場合には、当該判定の直後に前記第2周波数を用いて前記無線信号を送信する。
【0160】
付記4の無線通信装置は、付記3に記載の無線通信装置において、前記複数の周波数は、相互に異なる複数の前記第1周波数を含み、前記判定手段は、前記複数の第1周波数のうちいずれの周波数を用いて前記無線信号を送信しようとしても、当該送信の際に行ったキャリアセンスによりキャリアがあることが検出された場合には、前記送信可能状況でないと判定し、前記送信手段は、前記判定手段にて前記送信可能状況でないと判定された場合に、前記第2周波数を用いて前記無線信号を送信する。
【0161】
付記5の無線通信装置は、付記4に記載の無線通信装置において、前記複数の第1周波数を用いて前記無線信号を送信する際の送信順序を変更する変更手段を備えた。
【0162】
付記6の無線通信装置は、付記1から5のいずれか一項に記載の無線通信装置において、当該無線通信装置は、建物の開口部を開閉する開閉体に設置される障害物検知装置であって、前記開閉体に対する障害物の検知状態を示す障害物検知状態情報を含む前記無線信号を送信する障害物検知装置である。
【0163】
(付記の効果)
付記1に記載の無線通信装置によれば、複数のチャンネルに対応する複数の周波数であって相互に異なる複数の周波数のうち、所定方法で設定されたチャンネルに対応する複数の周波数を用いて無線信号を送信する送信手段と、キャリアセンスを行うことにより無線信号を送信することが可能な送信可能状況であるか否かを判定する判定手段と、を備え、送信手段が、判定手段の判定結果に基づいて、第1周波数及び第2周波数を用いて無線信号を送信するので、キャリアセンスを行うことが義務付けられている周波数のみを用いて無線信号を送信する場合に比べて、周囲の通信環境に左右されずに無線信号を迅速且つ確実に送信でき、通信の信頼性を高めることができる。
【0164】
付記2に記載の無線通信装置によれば、第1周波数を用いる際の無線信号の送信時間を、第2周波数を用いる際の無線信号の送信時間と同一にし、又は第1周波数を用いる際の無線信号の電波強度を、第2周波数を用いる際の無線信号の電波強度と同一にしたので、第1周波数を用いる際の無線信号の送信時間(又は電波強度)と第2周波数を用いる際の無線信号の送信時間(又は電波強度)とを異ならせる場合に比べて、無線通信装置の構成(具体的には、送信手段の構成等)の簡易化を図りやすくなるため、無線通信装置の製造コストを低減できる。
【0165】
付記3に記載の無線通信装置によれば、送信手段が、判定手段にて送信可能状況であると判定された場合には、当該判定の直後に第1周波数を用いて無線信号を送信し、判定手段にて送信可能状況でないと判定された場合には、当該判定の直後に第2周波数を用いて無線信号を送信するので、第1周波数を用いて無線信号を送信する場合、及び第2周波数を用いて無線信号を送信する場合にも、無線信号を迅速に送信することができ、通信の信頼性を一層高めることができる。
【0166】
付記4に記載の無線通信装置によれば、判定手段が、複数の第1周波数のうちいずれの周波数を用いて無線信号を送信しようとしても、当該送信の際に行ったキャリアセンスによりキャリアがあることが検出された場合には、送信可能状況でないと判定し、送信手段は、判定手段にて送信可能状況でないと判定された場合に、第2周波数を用いて無線信号を送信するので、複数の第1周波数に関するキャリアセンスによりキャリアがあることが確認された後に、第2周波数を用いて無線信号を送信でき、無線信号の混信を抑制しながら通信の信頼性を高めることができる。
【0167】
付記5に記載の無線通信装置によれば、複数の第1周波数を用いて無線信号を送信する際の送信順序を変更する変更手段を備えたので、複数の第1周波数を用いて無線信号を送信する際の送信順序を変更でき、状況に応じた無線信号の送信を行いやすくなる。
【0168】
付記6に記載の無線通信装置によれば、当該無線通信装置が、建物の開口部を開閉する開閉体に設置される障害物検知装置であって、開閉体に対する障害物の検知状態を示す障害物検知状態情報を含む無線信号を送信する障害物検知装置であるので、周囲の通信環境に左右されずに上記無線信号を迅速且つ確実に送信でき、例えば障害物の有無の報知を効果的に行うことができる。
【符号の説明】
【0169】
1 開閉装置
2 開口部
3 配線
10 収納部
20 ガイドレール
30 開閉体
31 スラット
32 座板
40 開閉機
50 自動閉鎖装置
60 操作装置
61 電動開放ボタン
62 電動閉鎖ボタン
63 電動停止ボタン
64 非常作動ボタン
65 復旧ボタン
66 表示部
70 位置検知部
80 制御装置
90 火災報知システム
91 火災感知器
92 防災盤
100 障害物検知システム
110 座板スイッチ
120 送信装置
121 入力部
122 操作部
123 表示部
124a 送信部
124b 受信部
125 アンテナ
126 電池
127 検出部
128 制御部
128a 第1判定部
128b 第1変更部
128c 特定部
129 記憶部
129a 送信側周波数テーブル
130 受信装置
131 入力部
132 出力部
133 操作部
134 表示部
135a 受信部
135b 送信部
136 アンテナ
137 電源部
138 制御部
138a 電池消耗判定部
138b 報知部
138c 第2変更部
138d 第2判定部
139 記憶部
139a 受信側周波数テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7