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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】物品搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 25/06 20060101AFI20220715BHJP
【FI】
B65G25/06
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018211547
(22)【出願日】2018-11-09
(65)【公開番号】P2020075809
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】筒井 昭二
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-181631(JP,A)
【文献】特開平01-150619(JP,A)
【文献】西独国特許出願公開第03029235(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品又は複数の物品からなる物品群を供給用搬送ベルトから間欠的に供給する物品供給装置と、
前記物品供給装置の前記供給用搬送ベルトから供給される前記物品又は物品群を載せる中継搬送ベルトと、前記中継搬送ベルトを駆動する第1駆動部と、前記中継搬送ベルトの全体を前記物品又は物品群の搬送方向に前進させるか、又は前記中継搬送ベルトを前記物品又は物品群の搬送方向に伸長させる第2駆動部と、を有する中継装置と、
前記搬送方向における前記中継搬送ベルトの下流側端部よりも下方に配置され、前記下流側端部からリリースされる前記物品又は物品群を載せて前記搬送方向と同一方向に搬送する連続搬送ベルトを有し、前記連続搬送ベルトを一定の搬送速度で駆動する連続搬送装置と、を備え、
前記供給用搬送ベルトにおいて前記物品又は物品群は、前記中継搬送ベルトの前記搬送方向と同一の方向に搬送され、前記供給用搬送ベルトの下流側端部から前記中継搬送ベルトの上流側端部に供給され、
前記中継装置は、前記連続搬送ベルトの前記中継装置側の端部よりも前記搬送方向の下流側で且つ前記連続搬送ベルトの上方において、前記中継搬送ベルトの前記下流側端部が前記連続搬送ベルトの搬送速度よりも速い速度で前記搬送方向に前進又伸長するように前記第2駆動部を駆動する、物品搬送システム。
【請求項2】
前記中継装置は、前記中継搬送ベルトの前記下流側端部を前記連続搬送ベルトの上方において前進又伸長させた後、前記中継搬送ベルトを前記第1駆動部によって駆動しながら前記第2駆動部によって前記中継搬送ベルトを後退させつつ、前記下流側端部から前記物品又は物品群をリリースするリリース状態に移行し、
前記リリース状態においては、前記中継搬送ベルトの搬送速度をVA、前記中継搬送ベルトの後退速度をVB、前記連続搬送ベルトの搬送速度をVCとしたとき、VA+VB=VCの関係が成り立つように、前記第1駆動部及び前記第2駆動部が制御される、請求項1に記載の物品搬送システム。
【請求項3】
前記中継搬送ベルトは、前記下流側端部にかけて斜め下方に傾斜する傾斜部分を有する、請求項1又は2に記載の物品搬送システム。
【請求項4】
前記中継搬送ベルトの前記下流側端部と前記連続搬送ベルトとの上下方向の隙間は、前記物品の上下方向の高さ以下になっている、請求項1乃至3のいずれかに記載の物品搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間欠的に搬送される物品又は物品群の間の間隔を搬送中に縮めることができる物品搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の物品を所定箇所からまとめて取り出すアンローダと、アンローダが取り出した複数の物品を搬送するコンベア装置とを有する物品搬送システムが知られている。特許文献1はアンローダの一例を開示し、このアンローダは、複数の物品が収容されたトレイを反転させることにより、トレイから複数の物品をまとめて取り出すことができる。
【0003】
特許文献1に開示されるようなアンローダを備える物品搬送システムでは、アンローダが複数の物品を取り出してコンベア装置に供給した後、アンローダが次の取り出しに移るため、物品の供給が間欠的に行われる。この際、コンベア装置がアンローダから供給された物品を一定の搬送速度で搬送する場合には、コンベア装置上に順次供給されて搬送される複数の物品のグループ(以下、物品群と呼ぶ。)の間に間隔が形成されることになる。
【0004】
コンベア装置上における物品群の間の間隔は搬送ピッチと呼ばれ、搬送ピッチは、大きくなる程、コンベア装置下流側の作業の効率を低下させる。例えばコンベア装置で搬送される物品を順次梱包する場合には、搬送ピッチが大きい程、梱包作業を停止せざるを得ない時間が長くなり、作業ロスが大きくなってしまう。
【0005】
上述のような作業効率の問題を考慮し、この種の物品搬送システムでは、搬送ピッチを短縮化するための中継装置をアンローダとコンベア装置との間に設ける場合がある。このような中継装置としては、例えばアンローダが取り出した物品を吸盤によって吸着し、当該物品をコンベア装置の搬送速度よりも速い速度で移動させるものが知られている。この中継装置では、吸着した物品をコンベア装置上で先行している物品に近づけてコンベア装置に供給できるため、搬送ピッチの短縮化を図ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第4553131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のように吸盤を利用する中継装置は物品を吸着しつつ比較的速い速度で移動させるため、物品の搬送状態が不安定になる虞がある。特に搬送対象の物品に水滴が付着している場合には、吸盤から物品が落下するリスクが高くなる。例えばレトルト食品用の製品袋は上述したような物品搬送システムで搬送される場合があるが、このような製品袋は通常、レトルト処理後に液体が付着するため、中継装置によって搬送される際の吸着状態が不安定になりやすい。
【0008】
本発明は上記実情を考慮してなされたものであり、間欠的に搬送される物品又は物品群の間の間隔を搬送中に安定的に縮めることができる物品搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る物品搬送システムは、物品又は複数の物品からなる物品群を間欠的に供給する物品供給装置と、前記物品供給装置から供給される前記物品又は物品群を載せる中継搬送ベルトと、前記中継搬送ベルトを駆動する第1駆動部と、前記中継搬送ベルトの全体を前記物品又は物品群の搬送方向に前進させるか、又は前記中継搬送ベルトを前記物品又は物品群の搬送方向に伸長させる第2駆動部と、を有する中継装置と、前記搬送方向における前記中継搬送ベルトの下流側端部よりも下方に配置され、前記下流側端部からリリースされる前記物品又は物品群を載せて前記搬送方向と同一方向に搬送する連続搬送ベルトを有し、前記連続搬送ベルトを一定の搬送速度で駆動する連続搬送装置と、を備え、前記中継装置は、前記連続搬送ベルトの前記中継装置側の端部よりも前記搬送方向の下流側で且つ前記連続搬送ベルトの上方において、前記中継搬送ベルトの前記下流側端部が前記連続搬送ベルトの搬送速度よりも速い速度で前記搬送方向に前進又伸長するように前記第2駆動部を駆動する。
【0010】
前記中継装置は、前記中継搬送ベルトの前記下流側端部を前記連続搬送ベルトの上方において前進又伸長させた後、前記中継搬送ベルトを前記第1駆動部によって駆動しながら前記第2駆動部によって前記中継搬送ベルトを後退させつつ、前記下流側端部から前記物品又は物品群をリリースするリリース状態に移行してもよく、前記リリース状態においては、前記中継搬送ベルトの搬送速度をVA、前記中継搬送ベルトの後退速度をVB、前記連続搬送ベルトの搬送速度をVCとしたとき、VA+VB=VCの関係が成り立つように、前記第1駆動部及び前記第2駆動部が制御されてもよい。
【0011】
前記中継搬送ベルトは、前記下流側端部にかけて斜め下方に傾斜する傾斜部分を有してもよい。
【0012】
前記中継搬送ベルトの前記下流側端部と前記連続搬送ベルトとの上下方向の隙間は、前記物品の上下方向の高さ以下になっていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、間欠的に搬送される物品又は物品群の間の間隔を搬送中に安定的に縮めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施の形態に係る物品搬送システムの概略的な側面図である。
図2図1に示す物品搬送システムの動作を説明するための図である。
図3図1に示す物品搬送システムの動作を説明するための図である。
図4図1に示す物品搬送システムの動作を説明するための図である。
図5図1に示す物品搬送システムの動作を説明するための図である。
図6図1に示す物品搬送システムの動作を説明するための図である。
図7図1に示す物品搬送システムの動作を説明するための図である。
図8図1に示す物品搬送システムの動作を説明するための図である。
図9図1に示す物品搬送システムの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施の形態について説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施の形態に係る物品搬送システム1の概略的な側面図である。図1に示される物品搬送システム1は、物品供給装置10と、中継装置20と、連続搬送装置30とを備える。物品供給装置10は物品又は複数の物品からなる物品群を中継装置20に順次供給し、中継装置20は物品供給装置10からの物品又は物品群を連続搬送装置30に供給する。連続搬送装置30は中継装置20から供給された物品又は物品群をさらに搬送するようになっている。
【0017】
物品供給装置10は、物品又は物品群を載せる循環式の供給用搬送ベルト11を備え、供給用搬送ベルト11を図示省略するモータ等を有する駆動部で駆動することにより供給用搬送ベルト11上面に載せられた物品又は物品群を搬送するようになっている。供給用搬送ベルト11上の物品又は物品群は供給用搬送ベルト11の下流側端部11Bからリリースされ、リリースされた物品又は物品群が中継装置20によって受け取られ、これにより、物品供給装置10からの物品又は物品群が中継装置20に供給される。
【0018】
本実施の形態では、物品供給装置10が複数の物品Wからなる物品群Wgを供給用搬送ベルト11に載せ、1回の物品供給動作で一の物品群Wgを中継装置20に供給するようになっている。その後、物品供給装置10は次の物品群Wgを供給用搬送ベルト11に載せて中継装置20に供給する。これにより、物品供給装置10は物品群Wgを間欠的に供給するようになっている。なお、本実施の形態では物品供給装置10が物品群Wgを間欠的に供給するが、変形例として、物品供給装置10は一つの物品Sを間欠的に供給するようになっていてもよい。
【0019】
中継装置20は、物品供給装置10から供給される物品群Wgを載せる中継搬送ベルト21と、中継搬送ベルト21を駆動するモータ等を含む第1駆動部22と、中継搬送ベルト21上の物品群Wgの搬送方向αに中継搬送ベルト21の全体を前進させる第2駆動部23と、を有する。
【0020】
中継搬送ベルト21は循環式のコンベアベルトであり、第1駆動部22によって駆動されることで上面に載せた物品群Wgを搬送する。中継搬送ベルト21上面における物品群Wgの搬送方向αは、物品供給装置10の供給用搬送ベルト11上面における物品群Wgの搬送方向と同一の方向となっている。
【0021】
搬送方向αにおける中継搬送ベルト21の上流側端部21Aは、供給用搬送ベルト11の下流側端部11Bに近接し、中継搬送ベルト21の上面における上流側端部21Aの近傍及び供給用搬送ベルト11の上面における下流側端部11Bの近傍の上下方向位置は略同一の位置に設定される。また、中継搬送ベルト21は物品供給装置10から物品群Wgを供給される際、物品供給装置10の供給用搬送ベルト11と同じ速度で駆動される。これにより、物品群Wgを、供給用搬送ベルト11上に載せられた際の配列状態を維持しながら供給用搬送ベルト11から中継搬送ベルト21に供給することが可能となる。
【0022】
本実施の形態では、図1示す、中継搬送ベルト21の上流側端部21Aが供給用搬送ベルト11の下流側端部11Bに近接した位置のことを、「受け取り状態」と定義し、この受け取り状態において、中継装置20は物品供給装置10から物品群Wgを供給される。また、中継装置20は受け取り状態から第2駆動部23によって中継搬送ベルト21を前進させることで前進状態(又は伸長状態)に移行し、前進状態の中継搬送ベルト21を後退させることで受け取り状態に復帰する。
【0023】
中継搬送ベルト21上の物品群Wgは中継搬送ベルト21の搬送方向αにおける下流側端部21Bからリリースされ、リリースされる物品群Wgは連続搬送装置30に供給されることになる。詳しくは、中継搬送ベルト21上の物品群Wgは中継搬送ベルト21の下流側端部21Bから落とされるようにして連続搬送装置30に供給される。ここで、図1に示すように、中継搬送ベルト21は、下流側端部21Bにかけて斜め下方に傾斜する傾斜部分21Sを有する。これにより、中継搬送ベルト21はその傾斜部分21Sに物品群Wgを通過させることで、連続搬送装置30にスムーズに物品群Wgを供給することが可能となる。
【0024】
本実施の形態における第2駆動部23は、床面に対して固定的に配置されるベース部24と、ベース部24に往復動自在に設けられる可動部25とを有し、図示省略するモータ等の駆動源により可動部25を連続搬送装置30側に前進させるか又は物品供給装置10側に後退させることで、中継搬送ベルト21の全体を往復動させる。ベース部24上で可動部25を往復動させる構造は特に限られるものではなく、例えばタイミングベルトとプーリとを利用した構造、ラックアンドピニオン、ボールネジを利用した構造等が採用されてもよい。
【0025】
中継装置20では、第1駆動部22と第2駆動部23とを別々に駆動することができる。これにより、中継装置20は、第1駆動部22による中継搬送ベルト21の駆動を停止しつつ中継搬送ベルト21を第2駆動部23によって前進又は後退させたり、第1駆動部22によって中継搬送ベルト21の駆動しつつ中継搬送ベルト21を第2駆動部23によって前進又は後退させたりすることが可能となっている。
【0026】
続いて、連続搬送装置30は、中継搬送ベルト21の下流側端部21Bよりも下方に配置され、当該下流側端部21Bからリリースされる物品群Wgを載せて搬送方向αと同一方向に搬送する連続搬送ベルト31を有し、モータ等からなる駆動源によって連続搬送ベルト31を一定の搬送速度で駆動する。本実施の形態では、連続搬送ベルト31の中継装置20側の部分が受け取り状態における中継搬送ベルト21の下流側端部21B側の部分と上下方向で重なっている。また、中継搬送ベルト21の下流側端部21Bと連続搬送ベルト31との上下方向の隙間は、物品Wの上下方向の高さ以下になっている。
【0027】
以上に説明した本実施の形態における物品搬送システム1において、中継装置20は、連続搬送ベルト31の中継装置20側の端部31Aよりも搬送方向αの下流側で且つ連続搬送ベルト31の上方において、その中継搬送ベルト21の下流側端部21Bが連続搬送ベルト31の一定の搬送速度よりも速い速度で、搬送方向αに前進するように第2駆動部23を駆動するようになっている。これにより、中継装置20から供給され連続搬送ベルト31上で順次搬送される物品群Wgの間の隙間である搬送ピッチを縮めることが可能となる。
【0028】
つまり、中継装置20は、図1に示される受け取り状態において中継搬送ベルト21を第1駆動部22によって駆動する一方、第2駆動部23を駆動しない場合であっても、連続搬送装置30の連続搬送ベルト31上に物品群Wgを順次供給することができる。しかしながら、この場合、中継装置20は物品供給装置10から間欠的に物品群Wgを供給され、物品供給装置10の1回の供給操作で供給される物品群Wg単位で連続搬送装置30に物品群Wgを供給する。そのため、連続搬送ベルト31上で順次搬送される物品群Wgの間には比較的大きい搬送ピッチが形成されてしまう。
これに対し、本実施の形態では上述したように第2駆動部23によって中継搬送ベルト21を前進させ、中継搬送ベルト21の下流側端部21Bを先行している物品群Wgに近づけて、下流側端部21Bから物品群Wgの供給が開始されることになる。このような動作によって、連続搬送ベルト31上で順次搬送される物品群Wgの間に形成される搬送ピッチを縮めることができる。
【0029】
また、中継装置20は上述のように中継搬送ベルト21を連続搬送ベルト31の上方において前進させた後、中継搬送ベルト21を第1駆動部22によって駆動しながら第2駆動部23によって中継搬送ベルト21を後退させつつ、下流側端部21Bから物品群Wgをリリースするリリース状態に移行する。このリリース状態においては、中継搬送ベルト21の下流側端部21Bから連続搬送装置30に物品群Wgが供給される。
【0030】
ここで、リリース状態における中継搬送ベルト21の搬送速度をVA、中継搬送ベルト21の後退速度をVB、連続搬送ベルト31の搬送速度をVCとしたとき、中継装置20は、VA+VB=VCの関係が成り立つように第1駆動部22及び第2駆動部23を駆動する。ただし、リリース状態における速度の関係は上述の関係に限られるものではない。
【0031】
以下、物品搬送システム1の動作の一例について図2乃至9を参照しつつ詳述する。
【0032】
図2は、受け取り状態にある中継装置20に対し物品供給装置10が物品群Wgの供給を完了した状態を示している。図2においては、中継装置20の中継搬送ベルト21上に物品群Wgが載せられている。本実施の形態では、物品供給装置10から中継搬送ベルト21に物品群Wgが供給される際、中継搬送ベルト21が物品供給装置10の供給用搬送ベルト11と同じ速度で駆動され、物品群Wgの供給が完了した際に中継搬送ベルト21の駆動が停止される。しかしながら、物品供給装置10からの物品群Wgの供給が完了した後においても、中継搬送ベルト21の駆動を継続させてもよい。
【0033】
上述のように中継搬送ベルト21上に物品群Wgが載せられると、この例では、図3の白抜きの矢印に示すように中継装置20は、第2駆動部23によって中継搬送ベルト21を連続搬送ベルト31の上方において前進させる(前進状態)。
【0034】
次いで、中継装置20は、図4に示すように中継搬送ベルト21を第1駆動部22によって駆動しながら第2駆動部23によって中継搬送ベルト21を後退させつつ、下流側端部21Bから物品群Wgをリリースする(リリース状態)。これにより、中継搬送ベルト21の下流側端部21Bから連続搬送装置30に物品群Wgが供給される。
【0035】
ここで、リリース状態においては、中継搬送ベルト21の搬送速度をVA、中継搬送ベルト21の後退速度をVB、連続搬送ベルト31の搬送速度をVCとしたとき、VA+VB=VCの関係が成り立つように、第1駆動部22及び第2駆動部23が制御される。これにより、図2乃至図4に示すように、物品群Wgが中継搬送ベルト21上に載せられた際の配列状態を維持しながら中継搬送ベルト21から連続搬送ベルト31に物品群Wgが供給される。また、中継搬送ベルト21が下流側端部21Bにかけて斜め下方に傾斜する傾斜部分21Sを有することで、下流側端部21Bと連続搬送ベルト31との間の上下方向距離が縮められるため、物品群Wgが安定的に供給される。
【0036】
次いで、連続搬送ベルト31に対する中継搬送ベルト21からの物品群Wgの供給が完了すると、図5に示すように、中継装置20は受け取り状態に復帰する。この際、物品供給装置10は、中継装置20に次に供給するための物品群Wgをその供給用搬送ベルト11上に載せている。
【0037】
次いで、図6に示すように、中継装置20に新たな物品群Wgが物品供給装置10の供給用搬送ベルト11から供給される。図6は、中継装置20に対し物品供給装置10からの新たな物品群Wgの供給が完了した状態を示している。
【0038】
ここで、連続搬送装置30の連続搬送ベルト31は一定の搬送速度で駆動されているため、中継装置20に新たな物品群Wgが供給されている間に、連続搬送ベルト31上の先行している物品群Wgは中継装置20から漸次離れていく。そして、中継装置20に対する新たな物品群Wgの供給が完了した際には、連続搬送ベルト31上の先行している物品群Wgと、中継搬送ベルト21上の新たな物品群Wgとの間に搬送ピッチAが形成される。
【0039】
ここで、本実施の形態では、上述のような搬送ピッチAを縮めるべく、図7の白抜きの矢印に示すように中継装置20が第2駆動部23によって中継搬送ベルト21を連続搬送ベルト31の上方において前進させる(前進状態)。続いて中継装置20は、図8に示すように中継搬送ベルト21を第1駆動部22によって駆動しながら第2駆動部23によって中継搬送ベルト21を後退させつつ、下流側端部21Bから物品群Wgをリリース(リリース状態)し、中継搬送ベルト21の下流側端部21Bから連続搬送装置30に新たな物品群Wgを供給する。これにより、連続搬送ベルト31上においては、先行している物品群Wgと新たな物品群Wgとの間の搬送ピッチが、上述の搬送ピッチAよりも縮められた搬送ピッチBとなる。
【0040】
本実施の形態では、中継装置20から連続搬送装置30に物品群Wgを供給する際、中継装置20は中継搬送ベルト21上に載せた物品群Wgの姿勢を特段変更することなく(反転等なく)、連続搬送装置30に供給するため、物品Wが落下等することがなく、物品群Wgの間の搬送ピッチが安定的に縮められる。
また、中継装置20が連続搬送装置30に新たな物品群Wgを供給するべくリリース状態に移行した際においても、リリース状態における中継搬送ベルト21の搬送速度をVA、中継搬送ベルト21の後退速度をVB、連続搬送ベルト31の搬送速度をVCとしたとき、VA+VB=VCの関係が成り立つ。これにより、物品群Wgが中継搬送ベルト21上に載せられた際の配列状態を維持しながら中継搬送ベルト21から連続搬送ベルト31に物品群Wgが供給される。
【0041】
したがって、本実施の形態に係る物品搬送システム1によれば、間欠的に搬送される物品又は物品群の間の間隔である搬送ピッチを搬送中に安定的に縮めることができる。具体的には、中継装置20の中継搬送ベルト21のみを単に駆動して、連続搬送ベルト31上に物品群Wgを順次供給する場合に比べて、連続搬送ベルト31上の物品群Wgの間の搬送ピッチを縮めることができる。これにより、連続搬送ベルト31で搬送される物品Wgに対する下流側での作業の単位時間当たりの処理量を増加させることが可能となるため、当該作業の作業効率を向上できる。
【0042】
また、中継装置20は中継搬送ベルト21の下流側端部21Bを連続搬送ベルト31の上方において前進又伸長させた後、中継搬送ベルト21を第1駆動部22によって駆動しながら第2駆動部23によって中継搬送ベルト21を後退させつつ、その下流側端部21Bから物品群Wgをリリースするリリース状態に移行する。そして、このリリース状態においては、中継搬送ベルト21の搬送速度をVA、中継搬送ベルト21の後退速度をVB、連続搬送ベルト31の搬送速度をVCとしたとき、VA+VB=VCの関係が成り立つ。
【0043】
これにより、物品群Wgを中継搬送ベルト21上に載せられた際の配列状態を維持しながら連続搬送ベルト31に供給することができ、安定的な搬送状態が得られる。
【0044】
また、中継搬送ベルト21は下流側端部21Bにかけて斜め下方に傾斜する傾斜部分21Sを有し、これにより、下流側端部21Bと連続搬送ベルト31との間の上下方向距離が縮められる。そのため、中継搬送ベルト21から連続搬送ベルト31に物品群Wgを安定的に供給でき、連続搬送ベルト31上で物品Wが姿勢を崩すことを抑制できる。
【0045】
また、中継搬送ベルト21の下流側端部21Bと連続搬送ベルト31との上下方向の隙間は物品Wの上下方向の高さ以下になっている。これにより、中継装置20及び連続搬送装置30の上下方向における占有範囲を抑制できるとともに、中継搬送ベルト21の下流側端部21Bと連続搬送ベルト31との間から製品が落下することを抑制できる。
【0046】
以上、本発明の一実施の形態を説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、上述の実施の形態には各種の変更が加えられてもよい。
【0047】
例えば上述の実施の形態では、中継装置20が、第2駆動部23によって中継搬送ベルト21の全体を前進又は後退させるように構成されているが、中継装置20は、いわゆるシャトルコンベアとして構成されてもよい。この場合、中継装置20は、中継搬送ベルト21を搬送方向αに伸長させるとともに、搬送方向αとは反対の方向に中継搬送ベルト21を収縮させるように構成される。
【0048】
また、上述の実施の形態では、物品供給装置10が、中継装置20上における物品群Wgの搬送方向αと同一の方向で物品群を中継装置20に供給するようになっている。しかしながら、物品供給装置10は、例えば水平面上で搬送方向αと交差する方向、具体的に直交する方向や、中継装置20の上方から物品又は物品群を供給してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1…物品搬送システム
10…物品供給装置
11…供給用搬送ベルト
11B…下流側端部
20…中継装置
21…中継搬送ベルト
21A…上流側端部
21B…下流側端部
21S…傾斜部分
22…第1駆動部
23…第2駆動部
24…ベース部
25…可動部
30…連続搬送装置
31…連続搬送ベルト
W…物品
Wg…物品群
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9