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特許7105780鉛直方向加速度センサ及び長手方向加速度センサを使用して車両速度を特定する方法及びシステム
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  • 特許-鉛直方向加速度センサ及び長手方向加速度センサを使用して車両速度を特定する方法及びシステム 図1
  • 特許-鉛直方向加速度センサ及び長手方向加速度センサを使用して車両速度を特定する方法及びシステム 図2
  • 特許-鉛直方向加速度センサ及び長手方向加速度センサを使用して車両速度を特定する方法及びシステム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】鉛直方向加速度センサ及び長手方向加速度センサを使用して車両速度を特定する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/02 20120101AFI20220715BHJP
   B60W 50/038 20120101ALI20220715BHJP
   B60W 40/076 20120101ALI20220715BHJP
   B60W 40/105 20120101ALI20220715BHJP
   B60T 8/96 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
B60W30/02
B60W50/038
B60W40/076
B60W40/105
B60T8/96
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019534361
(86)(22)【出願日】2017-12-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2017081805
(87)【国際公開番号】W WO2018114352
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2019-06-21
(31)【優先権主張番号】15/389,641
(32)【優先日】2016-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヒラク チャンダ
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-128553(JP,A)
【文献】特開2009-292332(JP,A)
【文献】特許第3662596(JP,B2)
【文献】特開昭63-269064(JP,A)
【文献】特開2009-198185(JP,A)
【文献】特開2002-160616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
B60T 8/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車両速度を特定するシステムであって、当該システムは、
通信バスと、
前記通信バスに接続され、第1の車両速度を特定するための車輪速度センサを含む、電子スタビリティコントローラと、
前記通信バスに接続され、前記車両の鉛直方向加速度を検出するための鉛直方向加速度センサと前記車両の長手方向加速度を検出するための長手方向加速度センサとを含む、乗員拘束コントローラと、
前記通信バスに接続された動作コントローラと、
を備えており、
前記動作コントローラは、
前記車両の前記鉛直方向加速度と前記長手方向加速度とを用いて第2の車両速度を特定し、
前記第1の車両速度と前記第2の車両速度との差が閾値よりも小さければ、前記第2の車両速度を有効にし、
前記第1の車両速度と前記第2の車両速度との差が閾値よりも小さくなければ、前記第1の車両速度を用いる、
車両の車両速度を特定するシステム。
【請求項2】
前記動作コントローラは、前記電子スタビリティコントローラが前記通信バスから切り離されたときに、前記車両を減速させるために前記第2の車両速度を用いる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記動作コントローラはさらに、前記車両を減速させるために、運転支援モジュールから制御信号を受け取るように構成されている、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御信号は、前記第2の車両速度に基づき生成される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記動作コントローラはさらに、前記車両が移動中の路面の勾配を特定するように構成されている、
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
車両の車両速度を特定する方法であって、
車輪速度センサにより第1の車両速度を特定することと、
鉛直方向加速度センサにより前記車両の鉛直方向加速度を検出することと、
長手方向加速度センサにより前記車両の長手方向加速度を検出することと、
動作コントローラにより前記車両の前記鉛直方向加速度と前記長手方向加速度とを用いて第2の車両速度を特定することと、
前記第1の車両速度と前記第2の車両速度との差が閾値よりも小さければ、前記動作コントローラにより前記第2の車両速度を用いることと、
前記第1の車両速度と前記第2の車両速度との差が前記閾値よりも小さくなければ、前記動作コントローラにより前記第1の車両速度を用いることと、
を含む、
車両の車両速度を特定する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉛直方向加速度センサ及び長手方向加速度センサを使用して車両速度を推定するための方法及びシステムに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
概要
本明細書で説明する方法及びシステムによれば、加速度入力に基づく車両速度計算が提供され、電子スタビリティコントローラ(横滑り防止装置)又はブレーキコントローラモジュールに破局的故障が発生したときに、車両を安全な場所まで制御するためにこれを用いることができる。
【課題を解決するための手段】
【0003】
1つの実施形態によれば、車両の車両速度を特定するシステムが提供される。このシステムは、通信バスに接続された電子スタビリティコントローラ、乗員拘束コントローラ及び動作コントローラを備える。電子スタビリティコントローラは、複数の車輪速度センサ(通常は車輪ごとに1つ)を含み、これらによって第1の車両速度が特定される。乗員拘束コントローラは、車両の鉛直方向加速度を検出するための鉛直方向加速度センサと、車両の長手方向加速度を検出するための長手方向加速度センサとを含む。動作コントローラは、車両の鉛直方向加速度と長手方向加速度とを用いて第2の車両速度を特定し、第1の車両速度と第2の車両速度との差が閾値よりも小さければ、第2の車両速度を有効にし、第1の車両速度と第2の車両速度との差が閾値よりも小さくなければ、第1の車両速度を用いるように構成されている。1つの実施例によれば、動作コントローラは、電子スタビリティコントローラが通信バスから切り離されたときに、車両を減速させるために第2の車両速度を用いる。他の実施例によれば、動作コントローラはさらに、車両を減速させるために、(第2の車両速度に基づき生成された)制御信号を運転支援モジュールから受け取るように構成されている。さらに他の実施例によれば、動作コントローラはさらに、車両が移動中の路面の勾配を特定するように構成されている。
【0004】
他の実施形態によれば、車両速度を特定する方法が提供される。この方法は、車輪速度センサにより第1の車両速度を特定することを含む。この方法は、鉛直方向加速度センサにより車両の鉛直方向加速度を検出することを含む。この方法は、長手方向加速度センサにより車両の長手方向加速度を検出することも含む。この方法は、車両の鉛直方向加速度と長手方向加速度とを用いて第2の車両速度を検出することを含む。この方法は、第1の車両速度と第2の車両速度との差が閾値よりも小さければ、第2の車両速度を用いることを含む。この方法は、第1の車両速度と第2の車両速度との差が閾値よりも小さくなければ、第1の車両速度を用いることも含む。この方法は、電子スタビリティコントローラに破局的故障が発生したときに、動作コントローラにより、第2の車両速度に基づき車両の1つ又は複数のブレーキを動作させて車両を減速させることを含む。1つの実施例によればこの方法は、動作コントローラにより、運転支援モジュールから制御信号を受け取ることを含む。この制御信号は、第2の車両速度に基づき生成される。1つの実施例によればこの方法は、運転支援モジュールにより、車両が動作中の路面の勾配を特定することも含む。
【0005】
詳細な説明及び添付の図面を考察すれば、本発明のその他の態様が明らかになるであろう。
【0006】
添付の図面において、個々の図面を通して同じ参照符号は同一又は機能的に類似の要素を指しており、これらの図面は以下の詳細な説明と共に明細書に組み込まれて、その一部を成すものであり、請求された本発明を含む概念の実施形態をさらに例示し、それらの実施形態の様々な原理及び利点を説明するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一部の実施形態による車両速度を特定するシステムのブロック図である。
図2】一部の実施形態による自動運転モード中に車両動作を停止させる方法を例示するフローチャートである。
図3】一部の実施形態による鉛直方向加速度センサ及び長手方向加速度センサを使用して車両速度を特定する方法を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面において、必要とされるところでは、装置及び方法の構成要素を慣用の記号により表現したが、本明細書の説明の利益を受ける当業者には容易に理解することができるであろう細目によって本開示が不明瞭にならないように、それらの図面には、本発明の実施形態を理解するのに直接関係のある特定の詳細についてのみ示されている。
【0009】
発明の詳細な説明
最新の車両動的制御システム、例えば、アンチロックブレーキングシステム(ABS)、電子スタビリティコントローラ(ESC、横滑り防止装置)、先進運転支援モジュール(ADAS)によって、車両の安全性が改善されてきた。これらの動的制御システムの性能は、車両速度といった様々な車両パラメータの精度にある程度までは依拠しており、車両速度は多くの場合には、1つ又は複数の車両センサからの入力に基づき推定又は特定される。
【0010】
自動運転及び半自動運転は、ブレーキモジュールの破局的故障が発生したケースにおいては、車両速度の推定を必要とし、それというのも、車輪速度センサは一般的に、電子スタビリティコントローラ(ESC)に関連づけられたブレーキモジュールに取り付けられているからである。バックアップとしての車両速度の推定を、既知の初期速度(例えば、停止車両であればゼロ)を用い、時間で積分可能な車両の長手方向加速度(A)を用いて実施することができる。ただし、車両速度を特定するために長手方向加速度(A)を用いることは、(例えば、上り坂走行中/下り坂走行中など)傾斜を含む走行状態において車両が用いられる場合には、重力に関連づけられた成分を含むことから、正確ではない可能性がある。1つの実施形態によれば、重力に起因する成分を排除するために、Aと共に鉛直方向加速度センサからのデータ(A)を用いることができる。これは、さらに次式によって表すことができる。
=A(慣性)+/-g(Sin(θ)) (1)
【0011】
鉛直方向加速度センサは、以下を出力する。即ち、
=gCos(θ) (2)
θ=道路傾斜角
【0012】
式(1)と式(2)とを結合することによって、長手方向加速度の慣性成分を排除することができる。
(慣性)=A(センサから)+/-gSin(InvCos(A/g))
(3)
【0013】
(慣性)及び既知の初期速度から、Aを時間で積分することによって現在の車両速度を推定することができる。
V(t)=V(0)+積分(A(t)dt)
【0014】
図1は、一部の実施形態による車両速度を特定するシステム100のブロック図である。システム100は、乗員拘束コントローラ(ORC)110、動作コントローラ120(例えば、iBooster又は電子プロセッサを含む同等のデバイスなど)、先進運転支援モジュール(ADAS)130、及び、電子スタビリティコントローラ(横滑り防止装置)140を含み、これらは通信ネットワーク150に接続されている。乗員拘束コントローラ110は、長手方向加速度センサ114と鉛直方向加速度センサ112とを含む。通信ネットワーク150をCANバス、Flex-Rayバス又は他の通信装置とすることができる。図1にはさらに、車輪速度センサ141,142,143及び144も含まれており、これらは電子スタビリティコントローラ140に接続されている。電子スタビリティコントローラ140は、車両の安定性を制御するように動作し、プロセッサ142とメモリ144とを含む。メモリ144は、プロセッサ142により実行されると電子スタビリティコントローラ140の動作を制御する命令を記憶している。
【0015】
図2は、一部の実施形態による自動運転モード中に車両動作を停止させる方法を例示するフローチャート200である。ブロック202において、方法200は、全車輪の速度センサ情報を使用することができるか否かを判定する。全車輪のセンサ情報を使用することができなければ、方法200は、ブロック204へ進む。ブロック204において、方法200は、電子スタビリティコントローラ140を使用して特定された車両速度を用いて、先進運転支援モジュール130により低減モードの長手方向減速度制御を実施することを含む。全車輪の速度センサ情報を使用することができるのであれば、方法200は、ブロック204へ進む。ブロック204において、方法200は、破局的故障が電子スタビリティコントローラ140内で発生したか否か、及び/又は、電子スタビリティコントローラ140が通信ネットワークから切り離されているか否か、を判定することを含む。電子スタビリティコントローラ140の破局的故障が発生していないのであれば、方法200は、ブロック206に進む。ブロック206において、方法200は、電子スタビリティコントローラ140から受け取った車両速度を用いて、通常のブレーキ制御を先進運転支援モジュール(ADAS)により実施することを含む。電子スタビリティコントローラ140の破局的故障が発生しているのであれば、又は、電子スタビリティコントローラ140が通信ネットワーク150から切り離されているのであれば、方法200は、ブロック208に進む。ブロック208において、方法200は、長手方向減速制御を実施することにより先進運転支援モジュール130に関連づけられた動作コントローラ120(又はスマートブレーキアクチュエータ)を使用して、車両の緊急停止を実施する。方法200は、さらにブロック210に進み、このブロックにおいて、長手方向加速度センサ及び鉛直方向加速度センサを使用することができるか否かが判定される。ブロック210において、長手方向加速度センサ及び鉛直方向加速度センサを使用することができると判定されたならば、方法200はブロック214へ進む。ブロック214において、方法200は、長手方向減速制御を生じさせるために、長手方向加速度センサ114及び鉛直方向加速度センサ112から受け取ったA及びAを用いて車両速度を推定する。ブロック210において、長手方向加速度センサ及び鉛直方向加速度センサを使用することができないと判定されたならば、方法200はブロック212へ進む。ブロック212において、方法200は、車両速度情報の存在なしで、車両を減速又は停止させるために開ループブレーキングを発生させる。
【0016】
図3は、一部の実施形態による鉛直方向加速度センサ及び長手方向加速度センサを使用して車両速度を特定する方法を例示するフローチャート300である。
【0017】
ブロック310において、この方法は、車輪速度センサにより、車両の車両速度を特定することを含む。1つの実施形態によれば、車両速度は、車輪速度センサ141~144のうちの1つ又は複数により測定される。ブロック320において、この方法は、鉛直方向加速度センサにより、車両の鉛直方向加速度(A)を検出することを含む。1つの実施形態によれば、鉛直方向加速度は、車両加速度センサ112を使用して測定される。ブロック330において、この方法は、長手方向加速度センサにより、車両の長手方向加速度を検出することを含む。1つの実施形態によれば、長手方向加速度は、長手方向加速度センサ114を使用して測定される。
【0018】
ブロック340において、この方法は、この車両の鉛直方向加速度と長手方向加速度とを用いて、第2の車両速度を特定することを含む。ブロック350において、この方法は、ブロック310において測定された車両速度と、ブロック340において特定された車両速度との差が、閾値量よりも小さいか否か(換言すれば許容誤差内か否か)を判定する。車輪速度センサからの車両速度と、長手方向加速度センサ及び鉛直方向加速度センサを使用して特定された車両速度との差が、閾値よりも小さくなければ、この方法は、ブロック370に進む。ブロック370において、この方法は、車輪速度センサにより特定された車両速度を用いる。他方、ブロック350において、車輪速度センサからの車両速度と、長手方向加速度センサ及び鉛直方向加速度センサを使用して特定された車両速度との差が、閾値よりも小さければ、この方法は、ブロック360に進む。ブロック360において、この方法は、長手方向加速度センサ及び鉛直方向加速度センサを用いて特定された車両速度を有効にし、この車両速度を用いる。
【0019】
よって、本発明の実施形態によれば、特に、加速度入力に基づき車両速度を計算するシステム及び方法が提供され、電子スタビリティコントローラ又はブレーキコントローラモジュールに破局的故障が発生したときに、車両を安全な場所まで制御するために、このシステム及び方法を用いることができる。
【0020】
これまで明細書において、特定の実施形態について説明してきた。ただし、当業者であれば理解することができるように、以下の請求項に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更及び変形を加えることができる。従って、明細書及び図面は、限定を意味するというよりは例示的なものであるとみなされるべきであり、かかる変更はすべて、本発明の教示内容の範囲内に含まれることが意図される。
【0021】
利益、利点、問題に対する解決手段、及び、何らかの利益、利点又は解決手段を生じさせることができる又はより顕著になるようにすることができる1つ又は複数の何らかの要素は、いずれかの請求項又はすべての請求項の重要な、必須の又は本質的な特徴又は要素として解釈されるべきではない。本発明は、添付の請求項によってのみ定義されるものであって、それらの請求項には、本願係属中になされる何らかの補正及び発行されたそれらの請求項のすべての等価物が含まれる。
【0022】
しかも本明細書中、第1、第2、頂部及び底部等のように関係を示す用語は、ある実体又はあるアクションを他の実体又は他のアクションから区別するためだけに用いられている場合もあり、その際にかかる実体又はアクション間の関係又は順序といった何らかの現物を必ずしも要求又は含意するわけではない。用語「備える」、「備えている」、「有する」、「有している」、「含む」、「含んでいる」、「含有する」、「含有している」、又は、これらの用語の他の何らかのバリエーションは、非排他的な包含をカバーすることが意図されており、従って、列挙された複数の要素を備える、有する、含む、含有するプロセス、方法、製品又は装置は、それらの要素だけしか含まないのではなく、かかるプロセス、方法、製品又は装置に対し明示的には列挙されていない又はそれらに固有ではない他の要素も含むことができる。「~を備える」「~を有する」、「~を含む」又は「~を含有する」に続く要素は、それ以上の拘束なく、その要素を有する、備える、有する、含む、含有するプロセス、方法、製品又は装置における付加的な同一の要素の存在を排除しない。不定冠詞は、本明細書において他に明示的に述べられていない限り、1つ又は複数として定義される。用語「実質的に」、「本質的に」、「ほぼ」、「約」又はこれらに対する他の何らかの表現形態は、当業者によって理解されることに近いものとして定義される。本明細書で用いられる用語「接続される」は、必ずしも直接的ではなくかつ必ずしも機械的ではないにせよ接続されている、と定義される。特定の手法により「構成された」デバイス又は構造は、少なくともそのような手法により構成されたものであるが、列挙されていない手法により構成されたものであってもよい。
【0023】
自明のとおり、(例えば、電子スタビリティコントローラ、先進運転支援モジュール、動作コントローラ、乗員拘束コントローラといった構成要素を含む)一部の実施形態が、1つ又は複数の汎用又は専用のプロセッサ(又は「処理デバイス」)、例えば、マイクロプロセッサ、ディジタル信号プロセッサ、カスタマイズされたプロセッサ及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)と、(ソフトウェア及びファームウェアの双方を含む)記憶された固有のプログラム命令とから成るものとすることができ、このプログラム命令は、1つ又は複数のプロセッサを制御して、特定の非プロセッサ回路と共働しながら、本明細書で述べた方法及び/又は装置の一部の、大部分の又はすべての機能を実装する。他の選択肢として、一部の又はすべての機能を、記憶されたプログラム命令をもたない状態マシンによって実装してもよく、又は、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)において実装してもよく、この場合には各機能又は特定の機能のいくつかの組み合わせが、カスタムロジックとして実装される。当然ながら、これら2つのアプローチの組み合わせを用いてもよい。
【0024】
さらに予期されるように、例えば、利用可能な時間、現在の技術及び経済的考慮などの理由により、場合によっては多大な努力と多数の設計の選択があり得るにもかかわらず、本明細書において開示されたコンセプト及び原理に導かれたならば、当業者は、かかるソフトウェア命令及びプログラム並びにICを、最小限の試験により容易に生成することができる。
【0025】
読み手が技術的開示の本質を迅速に突き止めることができるように、本開示の要約が与えられている。これは、請求項の範囲又は意味に解釈又は限定を加えるために用いられることはない、という理解のもとに提出されたものである。これに加えて上述の詳細な説明においては、本開示を簡素化する目的で、様々な特徴が共にまとめられて様々な実施形態にグループ分けされていることがわかる。本開示のこの手法は、請求された実施形態が各請求項に明示的に挙げられたものよりも多くの特徴を必要とする、という意図を示すものとして解釈されるべきではない。むしろ以下の請求項によって示されるように、本発明の保護対象は、開示された単一の実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴のところにある。従って、これによれば、以下の請求項は、各請求項が個々に請求される保護対象として独立しながらも、詳細な説明に組み込まれるものである。
図1
図2
図3