(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】ワイヤレス通信におけるデータ送信のための制御リソース再利用
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20220715BHJP
H04W 72/12 20090101ALI20220715BHJP
【FI】
H04W72/04 131
H04W72/12 130
H04W72/04 132
H04W72/04 136
(21)【出願番号】P 2019542541
(86)(22)【出願日】2018-01-19
(86)【国際出願番号】 US2018014521
(87)【国際公開番号】W WO2018147996
(87)【国際公開日】2018-08-16
【審査請求日】2020-12-28
(32)【優先日】2017-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】ヒチュン・リ
(72)【発明者】
【氏名】ジン・スン
(72)【発明者】
【氏名】ワンシ・チェン
(72)【発明者】
【氏名】シンマン・パテル
(72)【発明者】
【氏名】セイエドキアノウシュ・ホセイニ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・プイ・ロク・アン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ガール
【審査官】桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-169859(JP,A)
【文献】Ericsson,On Data Transmission on Control Resource Set[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1-1703289,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1703289.zip>,2017年02月07日
【文献】Nokia, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,Dynamic reuse of DL control resources for data in NR[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1-1703315,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1703315.zip>,2017年02月06日
【文献】Intel Corporation,Dynamic resource sharing of control and data channel[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1-1702225,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1702225.zip>,2017年02月07日
【文献】Qualcomm Incorporated,Resource reuse for data in DL control region[online],3GPP TSG RAN WG1 #88b R1-1705609,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88b/Docs/R1-1705609.zip>,2017年03月25日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信の方法であって、
制御部分とデータ部分とを備えるスロットを利用してユーザ機器(UE)と通信するステップと、
前記制御部分に割り振られた1つまたは複数の通信リソースが制御データを送信するために使用されていないと判定するステップと、
前記1つまたは複数の通信リソースを再割り振りし、前記1つまたは複数の再割り振りされた通信リソースを利用して、前記データ部分における物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)におけるユーザデータを送信するステップと、
前記データ部分において再割り振りされた前記1つまたは複数の通信リソースのシンボル位置および周波数を前記UEに指示するステップと、
他のUEの制御リソースセット、探索空間、または物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)のうちの少なくとも1つの外側に、前記1つまたは複数の再割り振りされた通信リソースを利用して前記PDSCHをレートマッチングさせるステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記再割り振りするステップは、
前記1つまたは複数の通信リソースを前記データ部分において利用することを前記UEに指示するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記指示するステップは、
前記1つまたは複数の通信リソースを前記データ部分において利用することを、各スロットにおいて前記UEに指示するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
複数のレートマッチング規則のうちの第1のレートマッチング規則に基づいて
複数のスロットのうちの第1のスロットの前記データ部分において前記1つまたは複数の通信リソースを利用するように前記UEを構成するステップと、
前記第1のレートマッチング規則とは異なる
前記複数のレートマッチング規則のうちの第2のレートマッチング規則に基づいて
前記複数のスロットのうちの第2のスロットの前記データ部分において前記1つまたは複数の通信リソースを利用するように前記UEを構成するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つまたは複数の再割り振りされた通信リソースを利用するには前記PDSCHをどのようにレートマッチングさせるべきかを前記UEが通知されるように、所定の規則を指示するインジケータを前記UEに送信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ユーザ機器(UE)と通信するように構成された通信インターフェースと、
メモリと、
前記通信インターフェースおよび前記メモリに動作可能に結合されたプロセッサと
を備え、
前記プロセッサおよび前記メモリは、
制御部分とデータ部分とを備えるスロットを利用して前記UEと通信することと、
前記制御部分に割り振られた1つまたは複数の通信リソースが制御データを送信するために使用されていないと判定することと、
前記1つまたは複数の通信リソースを再割り振りし、前記1つまたは複数の再割り振りされた通信リソースを利用して、前記データ部分における物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)におけるユーザデータを送信することと、
前記データ部分において再割り振りされた前記1つまたは複数の通信リソースのシンボル位置および周波数を前記UEに指示することと、
他のUEの制御リソースセット、探索空間、または物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)のうちの少なくとも1つの外側に、前記1つまたは複数の再割り振りされた通信リソースを利用して前記PDSCHをレートマッチングさせることと
を行うように構成される装置。
【請求項7】
前記プロセッサおよび前記メモリは、
前記1つまたは複数の通信リソースを前記データ部分において利用することを前記UEに指示するようにさらに構成される、請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記プロセッサおよび前記メモリは、
前記1つまたは複数の通信リソースを前記データ部分において利用することを、各スロットにおいて前記UEに指示するようにさらに構成される、請求項
6に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサおよび前記メモリは、
複数のレートマッチング規則のうちの第1のレートマッチング規則に基づいて
複数のスロットのうちの第1のスロットの前記データ部分において前記1つまたは複数の通信リソースを利用するように前記UEを構成することと、
前記第1のレートマッチング規則とは異なる
前記複数のレートマッチング規則のうちの第2のレートマッチング規則に基づいて
前記複数のスロットのうちの第2のスロットの前記データ部分において前記1つまたは複数の通信リソースを利用するように前記UEを構成することと
を行うようにさらに構成される、請求項
6に記載の装置。
【請求項10】
前記プロセッサおよび前記メモリは、
前記1つまたは複数の再割り振りされた通信リソースを利用するには前記PDSCHをどのようにレートマッチングさせるべきかを前記UEが通知されるように、所定の規則を指示するインジケータを前記UEに送信するようにさらに構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
ユーザ機器(UE)におけるワイヤレス通信の方法であって、
スロットの制御部分の1つまたは複数の通信リソースを前記スロットのデータ部分に再割り振りする旨の指示をスケジューリングエンティティから受信するステップであって、
前記指示は、前記データ部分において再割り振りされた前記1つまたは複数の通信リソースのシンボル位置および周波数を示す、ステップと、
他のUEの制御リソースセット(CORESET)、探索空間、または物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)のうちの少なくとも1つにおける通信リソースを除外するための物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)の所定のレートマッチング規則に基づいて、前記PDSCHにおける前記1つまたは複数の再割り振りされた通信リソースを含む前記データ部分におけるユーザデータを前記スケジューリングエンティティから受信するステップと
を含む方法。
【請求項12】
前記指示を受信する前記ステップは、
前記1つまたは複数の通信リソースを前記データ部分において利用する旨の前記指示を、各スロットにおいて受信するステップを含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
複数のレートマッチング規則のうちの第1のレートマッチング規則に基づいて
複数のスロットのうちの第1のスロットの前記データ部分において前記1つまたは複数の通信リソースを利用するステップと、
前記第1のレートマッチング規則とは異なる
前記複数のレートマッチング規則のうちの第2のレートマッチング規則に基づいて、
前記複数のスロットのうちの第2のスロットの前記データ部分において前記1つまたは複数の通信リソースを利用するステップと
をさらに含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項14】
前記所定のレートマッチング規則を指示するインジケータを前記スケジューリングエンティティから受信するステップをさらに含み、
前記所定のレートマッチング規則は、前記通信リソースを除外することによって前記1つまたは複数の再割り振りされた通信リソースを利用するために、前記PDSCHをどのようにレートマッチングさせるべきかを前記UEに通知する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
ユーザ機器(UE)のための装置であって、
スケジューリングエンティティと通信するように構成された通信インターフェースと、
メモリと、
前記通信インターフェースおよび前記メモリに動作可能に結合されたプロセッサと
を備え、
前記プロセッサおよび前記メモリは、
スロットの制御部分の1つまたは複数の通信リソースを前記スロットのデータ部分に再割り振りする旨の指示を前記スケジューリングエンティティから受信することであって、
前記指示は、前記データ部分において再割り振りされた前記1つまたは複数の通信リソースのシンボル位置および周波数を示す、受信することと、
他のUEの制御リソースセット(CORESET)、探索空間、または物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)のうちの少なくとも1つにおける通信リソースを除外するための物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)の所定のレートマッチング規則に基づいて、前記PDSCHにおける前記1つまたは複数の再割り振りされた通信リソースを含む前記データ部分におけるユーザデータを前記スケジューリングエンティティから受信することと
を行うように構成される装置。
【請求項16】
前記プロセッサおよび前記メモリは、
前記1つまたは複数の通信リソースを前記データ部分において利用する旨の前記指示を、各スロットにおいて受信するようにさらに構成される、請求項
15に記載の装置。
【請求項17】
前記プロセッサおよび前記メモリは、
複数のレートマッチング規則のうちの第1のレートマッチング規則に基づいて
複数のスロットのうちの第1のスロットの前記データ部分において前記1つまたは複数の通信リソースを利用することと、
前記第1のレートマッチング規則とは異なる
前記複数のレートマッチング規則のうちの第2のレートマッチング規則に基づいて、
前記複数のスロットのうちの第2のスロットの前記データ部分において前記1つまたは複数の通信リソースを利用することと
を行うようにさらに構成される、請求項
15に記載の装置。
【請求項18】
前記プロセッサおよび前記メモリは、
前記所定のレートマッチング規則を指示するインジケータを前記スケジューリングエンティティから受信するようにさらに構成され、
前記所定のレートマッチング規則は、前記通信リソースを除外することによって前記1つまたは複数の再割り振りされた通信リソースを利用するために、前記PDSCHをどのようにレートマッチングさせるべきかを前記UEに通知する、請求項15に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年2月9日に米国特許商標庁に出願された仮出願第62/457,097号、2017年2月13日に米国特許商標庁に出願された仮出願第62/458,502号、および2017年9月13日に米国特許商標庁に出願された非仮出願第15/703,821号の優先権および利益を主張し、その内容全体は、その全体が以下に完全に記載されるかのように、またすべての適用可能な目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
以下で説明する技術は、一般にワイヤレス通信システムに関し、より詳細には、ワイヤレス通信においてペイロードデータを送信するための制御リソース再利用に関する。
【背景技術】
【0003】
次世代モバイルネットワークは、現在の3G技術および/または4G技術と比較して、ワイヤレスブロードバンド通信における性能を向上させ、ビット当たりコストを低くする場合がある。次世代モバイルネットワークの例には、5G New Radio(NR)があり、このネットワークは、レイテンシ、信頼性、およびセキュリティの点でより高度の性能を実現することができ、モノのインターネット(IoT)デバイスおよびリモートセンサーなどの多数のワイヤレスデバイスを効率的に接続するようにスケーリングすることができる。5G NRは、レガシーネットワークよりも著しく広い帯域幅および大きい容量を実現する場合があるが、すべてのネットワークデバイスが将来の5G NRネットワークにおいて利用可能な全帯域幅または通信リソースを必要とするとは限らず、ならびに/または全帯域幅または通信リソースをサポートもしくは利用することができるとは限らない。
【0004】
モバイルブロードバンドアクセスに対する需要が増大し続けるにつれて、研究開発により、モバイルブロードバンドアクセスに対する高まる需要を満たすだけでなく、モバイル通信によるユーザエクスペリエンスを進化させ向上させるために、ワイヤレス通信技術における帯域幅および通信リソース利用率が引き続き進化し向上している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下において、本開示の1つまたは複数の態様の基本的理解を与えるために、そのような態様の簡略化された概要を提示する。本概要は、本開示のすべての企図される特徴の広範な概要でなく、本開示のすべての態様の主要または重要な要素を識別するものでも、本開示のいずれかまたはすべての態様の範囲を定めるものでもない。その唯一の目的は、後で提示されるより詳細な説明の前置きとして、本開示の1つまたは複数の態様のいくつかの概念を簡略化された形態で提示することである。
【0006】
本開示の態様は、ダウンリンク(DL)ペイロードまたはユーザデータを搬送するために制御領域における利用可能な制御リソースを再利用し、再割り振りし、予約し、または再割り当てするように構成された様々な方法および装置を提供する。この発明的概念および考えはまた、他の実施形態における周波数分割複信(FDD)構成と時分割複信(TDD)構成の両方においてアップリンク(UL)ユーザデータ送信および/またはサイドリンクユーザデータ送信に制御リソースを再利用するために適用されてもよい。
【0007】
本開示の一態様は、ワイヤレス通信の方法を提供する。装置が、制御部分とデータ部分とを含むスロットを利用してユーザ機器(UE)と通信する。この装置はさらに、制御部分に割り振られた1つまたは複数の通信リソースが、制御データを送信するために使用されていないと判定し、1つまたは複数の通信リソースを再割り振りし、1つまたは複数の再割り振りされた通信リソースを利用してデータ部分におけるユーザデータを送信する。
【0008】
本開示の別の態様は、ユーザ機器(UE)と通信するように構成された通信インターフェースと、メモリと、通信インターフェースおよびメモリに動作可能に結合されたプロセッサとを含む装置を提供する。プロセッサおよびメモリは、制御部分とデータ部分とを含むスロットを利用してUEと通信するように構成される。プロセッサおよびメモリは、制御部分に割り振られた1つまたは複数の通信リソースが、制御データを送信するために使用されていないと判定するようにさらに構成される。プロセッサおよびメモリは、1つまたは複数の通信リソースを再割り振りし、1つまたは複数の再割り振りされた通信リソースを利用してデータ部分におけるユーザデータを送信するようにさらに構成される。
【0009】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信の方法を提供する。装置が、スロットの制御部分の1つまたは複数の通信リソースをこのスロットのデータ部分に再割り振りする旨の指示をスケジューリングエンティティから受信する。この装置はさらに、1つまたは複数の再割り振りされた通信リソースを含むデータ部分におけるユーザデータをスケジューリングエンティティから受信する。
【0010】
本開示の別の態様は、スケジューリングエンティティと通信するように構成された通信インターフェースと、メモリと、通信インターフェースおよびメモリに動作可能に結合されたプロセッサとを含む装置を提供する。プロセッサおよびメモリは、スロットの制御部分の1つまたは複数の通信リソースをこのスロットのデータ部分に再割り振りする旨の指示をスケジューリングエンティティから受信するように構成される。プロセッサおよびメモリは、1つまたは複数の再割り振りされた通信リソースを含むデータ部分におけるユーザデータをスケジューリングエンティティから受信するようにさらに構成される。
【0011】
以下の詳細な説明を検討すれば、本発明のこれらおよび他の態様がより十分に理解されよう。添付の図とともに本発明の特定の例示的な実施形態の以下の説明を検討すれば、本発明の他の態様、特徴、および実施形態が当業者に明らかとなろう。本発明の特徴について、以下のいくつかの実施形態および図に関して説明することがあるが、本発明のすべての実施形態は、本明細書で説明する有利な特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。言い換えれば、1つまたは複数の実施形態についていくつかの有利な特徴を有するものとして説明することがあるが、そのような特徴のうちの1つまたは複数はまた、本明細書で説明する本発明の様々な実施形態に従って使用されてもよい。同様に、例示的な実施形態について、デバイス実施形態、システム実施形態、または方法実施形態として以下で説明する場合があるが、そのような例示的な実施形態を様々なデバイス、システム、および方法に実装できることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示のいくつかの態様による、無線アクセスネットワークの一例を示す概念図である。
【
図2】本開示のいくつかの態様による、スケジューリングエンティティが1つまたは複数のスケジュール対象エンティティと通信する一例を概念的に示すブロック図である。
【
図3】本開示のいくつかの態様による、処理システムを採用するスケジューリングエンティティのためのハードウェア実装形態の一例を示すブロック図である。
【
図4】本開示のいくつかの態様による、処理システムを採用するスケジュール対象エンティティのためのハードウェア実装形態の一例を示すブロック図である。
【
図5】本開示のいくつかの態様によるダウンリンクセントリックスロットの一例を示す図である。
【
図6】本開示のいくつかの態様によるアップリンクセントリックスロットの一例を示す図である。
【
図7】本開示のいくつかの態様による通信リソースグリッドの一例を示す図である。
【
図8】本開示のいくつかの態様による
図7の通信リソースグリッドの一部を示す図である。
【
図9】本開示のいくつかの態様による、いくつかの例示的な探索空間を示す図である。
【
図10】本開示のいくつかの態様による制御リソースセット(CORESET)設計を示す図である。
【
図11】本開示のいくつかの態様による、制御リソースを再利用してユーザデータを搬送するための時間領域単独方法を示す図である。
【
図12】本開示のいくつかの態様による、制御リソースを再利用してユーザデータを搬送するための時間および周波数領域方法を示す図である。
【
図13】本開示のいくつかの態様による、CORESETの外側にダウンリンク(DL)ユーザデータをレートマッチングする方法を示す図である。
【
図14】本開示のいくつかの態様による、探索空間の外側にDLユーザデータをレートマッチングさせる方法を示す図である。
【
図15】本開示のいくつかの態様による、物理ダウンリンク制御チャネルの外側にDLユーザデータをレートマッチングさせる方法を示す図である。
【
図16】本開示のいくつかの態様による、複数のスロット内のDLユーザデータに制御リソースを再利用する方法を示す図である。
【
図17】本開示のいくつかの態様による、スロットのデータ部分において制御リソースを再利用するためのスケジューリングエンティティにおける例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図18】本開示のいくつかの態様による、スロットのデータ部分において制御リソースを再利用するためのスケジューリングエンティティにおける例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面に関して以下に記載する発明を実施するための形態は、様々な構成について説明するものであり、本明細書で説明する概念が実践されてもよい唯一の構成を表すものではない。発明を実施するための形態は、様々な概念を完全に理解できるようにするために具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの概念がこれらの具体的な詳細なしに実践されてもよいことが、当業者には明らかであろう。いくつかの事例では、そのような概念を不明瞭にすることを避けるために、よく知られている構造および構成要素がブロック図の形態で示される。
【0014】
次世代モバイルネットワークは、多数のワイヤレスデバイス用のワイヤレス通信をサポートするためにレガシー3G/4Gネットワークよりも著しく大きい帯域幅を実現することができる。例示的な次世代ネットワークの1つに5G New Radio(NR)がある。しかし、いくつかのワイヤレスデバイスは、たとえば、ハードウェアまたはリソースの制限に起因して全帯域幅または利用可能な通信リソースを必要としないかまたは全帯域幅または利用可能な通信リソースを利用できない場合がある。いくつかの例では、通信デバイスは、制御情報を送信しならびに/または受信するために利用可能な通信リソース(たとえば、制御領域における時間および/または周波数リソース)のすべてを利用することができるとは限らず、また、利用可能な通信リソースのすべてを必要とするとは限らない。その場合、未使用の制御リソースが、ユーザペイロードまたはデータを搬送するために再利用または再割り振りされてもよい。
【0015】
本開示の態様は、ダウンリンク(DL)ペイロードまたはユーザデータを搬送するために制御領域における利用可能な制御リソースを再利用し、再割り振りし、予約し、または再割り当てするように構成された様々な方法および装置を提供する。ただし、本開示は以下で説明するDL実施例には限定されない。この発明的概念および考えは、他の実施形態における周波数分割複信(FDD)構成と時分割複信(TDD)構成の両方においてアップリンク(UL)ユーザデータ送信および/またはサイドリンクユーザデータ送信に制御リソースを再利用するために適用されてもよい。
【0016】
本開示全体にわたって提示する様々な概念は、多種多様な電気通信システム、ネットワークアーキテクチャ、および通信規格にわたって実施されてもよい。次に
図1を参照すると、限定ではなく例示的な例として、無線アクセスネットワーク100の概略図が与えられている。
【0017】
無線アクセスネットワーク100によってカバーされる地理的領域は、1つのアクセスポイントまたは基地局から地理的エリアにわたってブロードキャストされた識別情報に基づいて、ユーザ機器(UE)によって一意に識別されることがある、いくつかのセルラー領域(セル)に分割されてもよい。
図1は、その各々が1つまたは複数のセクタを含み得る、マクロセル102、104、および106、ならびにスモールセル108を示す。セクタは、セルのサブエリアである。1つのセル内のすべてのセクタは、同じ基地局によってサービスされる。セクタ内の無線リンクは、そのセクタに属する単一の論理識別情報によって識別することができる。セクタに分割されるセルでは、セル内の複数のセクタはアンテナのグループによって形成されてもよく、各アンテナがセルの一部分の中のUEとの通信を担当する。
【0018】
概して、基地局(BS)は各セルをサービスする。概して、基地局は、1つまたは複数のセルの中でUEとの間で無線送信および無線受信を担当する、無線アクセスネットワークの中のネットワーク要素である。BSは、当業者によって、基地トランシーバ局(BTS)、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、アクセスポイント(AP)、ノードB(NB)、eノードB(eNB)、gNB、または何らかの他の好適な用語で呼ばれることもある。
【0019】
図1において、2つの大電力基地局110および112が、セル102および104の中に示され、第3の大電力基地局114が、セル106の中でリモートラジオヘッド(RRH)116を制御するように示されている。すなわち、基地局は、統合アンテナを有することができ、または基地局をフィーダケーブルによってアンテナもしくはRRHに接続することができる。図示の例では、大電力基地局110、112、および114はサイズが大きいセルをサポートするので、セル102、104、および106はマクロセルと呼ばれることがある。さらに、小電力基地局118が、1つまたは複数のマクロセルと重複することがあるスモールセル108(たとえば、マイクロセル、ピコセル、フェムトセル、ホーム基地局、ホームノードB、ホームeノードBなど)の中に示される。この例では、小電力基地局118はサイズが比較的小さいセルをサポートするので、セル108はスモールセルと呼ばれることがある。セルサイズ決定は、システム設計ならびに構成要素制約に従って行うことができる。無線アクセスネットワーク100は、任意の数のワイヤレス基地局およびセルを含んでもよいことを理解されたい。さらに、所与のセルのサイズまたはカバレージエリアを拡張するために、中継ノードが展開されてもよい。基地局110、112、114、118は、任意の数のモバイル装置にコアネットワークへのワイヤレスアクセスポイントを提供する。
【0020】
図1は、基地局またはスケジューリングエンティティとして機能するように構成されてもよい、クアッドコプターまたはドローン120をさらに含む。すなわち、いくつかの例では、セルは、必ずしも静止しているとは限らないことがあり、セルの地理的エリアは、クアッドコプター120などのモバイル基地局のロケーションに従って移動してもよい。
【0021】
一般に、基地局は、ネットワークのバックホール部分との通信用のバックホールインターフェースを含んでもよい。バックホールは、基地局とコアネットワークとの間のリンクを構成してもよく、いくつかの例では、バックホールは、それぞれの基地局間の相互接続を可能にしてもよい。コアネットワークは、無線アクセスネットワークにおいて使用される無線アクセス技術とは一般に無関係である、ワイヤレス通信システムの一部である。任意の好適なトランスポートネットワークを使用する、直接物理接続、仮想ネットワークなどの、様々なタイプのバックホールインターフェースが採用されてもよい。いくつかの基地局は、ワイヤレススペクトルがアクセスリンク(すなわち、UEとのワイヤレスリンク)とバックホールリンクの両方のために使用される場合がある、統合アクセスおよびバックホール(IAB)ノードとして構成されてもよい。この方式は、ワイヤレスセルフバックホーリングと呼ばれることがある。ワイヤレスセルフバックホーリングを使用することによって、新たな各基地局展開がそれ自体の配線接続されたバックホール接続を装備することを必要とするのではなく、基地局とUEとの間の通信のために利用されるワイヤレススペクトルがバックホール通信のために活用されてよく、極めて高密度なスモールセルネットワークの迅速かつ容易な展開を可能にする。
【0022】
無線アクセスネットワーク100は、複数のモバイル装置のためのワイヤレス通信をサポートすることが示されている。モバイル装置は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって公表された規格および仕様では、一般にユーザ機器(UE)と呼ばれるが、当業者によって、移動局(MS)、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末(AT)、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、端末、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、または何らかの他の適切な用語で呼ばれることもある。UEは、ユーザがネットワークサービスにアクセスするのを可能にする装置であってもよい。
【0023】
本文書内では、「モバイル」装置は、必ずしも移動するための能力を有する必要があるとは限らず、静止していてよい。モバイル装置またはモバイルデバイスという用語は、多種多様なデバイスおよび技術を広く指す。たとえば、モバイル装置のいくつかの非限定的な例は、モバイル、セルラー(セル)フォン、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)フォン、ラップトップ、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートブック、ネットブック、スマートブック、タブレット、携帯情報端末(PDA)、および、たとえば、「モノのインターネット」(IoT)に対応する、組込みシステムの広い列挙を含む。モバイル装置は、追加として、自動車または他の輸送車両、遠隔センサーまたは遠隔アクチュエータ、ロボットまたはロボティクスデバイス、衛星ラジオ、全地球測位システム(GPS)デバイス、オブジェクトトラッキングデバイス、ドローン、マルチコプター、クアッドコプター、遠隔制御デバイス、アイウェア、装着型カメラ、仮想現実デバイス、スマートウォッチ、ヘルストラッカーまたはフィットネストラッカー、デジタルオーディオプレーヤ(たとえば、MP3プレーヤ)、カメラ、ゲーム機などのコンシューマデバイスおよび/または装着型デバイスであってもよい。モバイル装置は、追加として、ホームオーディオ、ビデオ、および/またはマルチメディアデバイスなどのデジタルホームデバイスまたはスマートホームデバイス、家電、自動販売機、インテリジェント照明、ホームセキュリティシステム、スマートメーターなどであってもよい。モバイル装置は、追加として、スマートエネルギーデバイス、セキュリティデバイス、ソーラーパネルまたはソーラーアレイ、電力、照明、水などを制御する都市インフラストラクチャデバイス(たとえば、スマートグリッド)、産業オートメーションおよび企業デバイス、ロジスティックスコントローラ、農業機器、軍事防御機器、車両、航空機、船舶、および兵器類などであってもよい。またさらに、モバイル装置は、コネクティッド医療または遠隔医療サポート、すなわち、遠方における健康管理を実現する場合がある。テレヘルスデバイスは、テレヘルス監視デバイスおよびテレヘルス管理デバイスを含んでもよく、それらの通信では、たとえば、クリティカルサービスデータのトランスポート用の優先されるアクセス、および/またはクリティカルサービスデータのトランスポート用の関連するQoSの観点から、他のタイプの情報よりも優先的な措置または優先されるアクセスが可能になってもよい。
【0024】
無線アクセスネットワーク100内では、セルは、各セルの1つまたは複数のセクタと通信している場合があるUEを含んでもよい。たとえば、UE122および124は基地局110と通信している場合があり、UE126および128は基地局112と通信している場合があり、UE130および132はRRH116を介して基地局114と通信している場合があり、UE134は低電力基地局118と通信している場合があり、UE136はモバイル基地局120と通信している場合がある。ここで、各基地局110、112、114、118、および120は、それぞれのセル内のすべてのUEに対してコアネットワーク(図示せず)へのアクセスポイントを使用可能にするように構成されてもよい。
【0025】
別の例では、モバイルネットワークノード(たとえば、クアッドコプター120)が、UEとして機能するように構成されてもよい。たとえば、クアッドコプター120は、基地局110と通信することによってセル102内で動作してもよい。本開示のいくつかの態様では、2つ以上のUE(たとえば、UE126および128)が、基地局(たとえば、基地局112)を通じてその通信を中継することなく、ピアツーピア(P2P)またはサイドリンク信号127を使用して互いに通信してもよい。
【0026】
基地局(たとえば、基地局110)から1つまたは複数のUE(たとえば、UE122および124)への制御情報および/またはトラフィック情報のユニキャスト送信またはブロードキャスト送信はダウンリンク(DL)送信と呼ばれてもよく、一方、UE(たとえば、UE122)からの制御情報および/またはトラフィック情報の送信はアップリンク(UL)送信と呼ばれてもよい。加えて、アップリンクおよび/またはダウンリンクの制御情報および/またはトラフィック情報は、フレーム、サブフレーム、スロット、および/またはシンボルに時分割されてもよい。本明細書で使用するシンボルとは、OFDM波形において、サブキャリア当たり1つのリソース要素(RE)を搬送する時間の単位を指すことがある。スロットは、7個または14個のOFDMシンボルを搬送してもよい。サブフレームとは、1msの持続時間を指すことがある。複数のサブフレームは、単一のフレームまたは無線フレームを形成するようにグループ化されてもよい。もちろん、これらの定義は必須ではなく、波形を構成するための任意の好適な方式が利用されてもよく、波形の様々な時分割は、任意の好適な持続時間を有してもよい。
【0027】
無線アクセスネットワーク100内のエアインターフェースは、様々なデバイスの同時通信を可能にするために、1つまたは複数の多重化および多元接続アルゴリズムを利用してもよい。たとえば、UE122および124から基地局110へのアップリンク(UL)送信すなわち逆方向リンク送信のための多元接続は、時分割多元接続(TDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、スパース符号多元接続(SCMA)、リソース拡散多元接続(RSMA)、または他の好適な多元接続方式を利用して行われてもよい。さらに、基地局110からUE122および124へのダウンリンク(DL)送信すなわち順方向リンク送信を多重化することは、時分割多重(TDM)、符号分割多重(CDM)、周波数分割多重(FDM)、直交周波数分割多重(OFDM)、スパース符号多重(SCM)、または他の好適な多重化方式を利用して行われてもよい。
【0028】
さらに、無線アクセスネットワーク100内のエアインターフェースは、1つまたは複数の複信アルゴリズムを利用してもよい。複信は、両方のエンドポイントが両方向において互いと通信することができる、ポイントツーポイント通信リンクを指す。全二重は、両方のエンドポイントが同時に互いと通信することができることを意味する。半二重は、一度に一方のエンドポイントのみが他方に情報を送ることができることを意味する。ワイヤレスリンクでは、全二重チャネルは、概して、トランスミッタとレシーバとの物理的な分離、および好適な干渉消去技術に依拠する。全二重エミュレーションは、周波数分割複信(FDD)または時分割複信(TDD)を利用することによって、ワイヤレスリンクのために頻繁に実装される。FDDでは、異なる方向における送信は、異なるキャリア周波数において動作する。TDDでは、所与のチャネル上の異なる方向での送信は、時分割多重を使用して互いに分離される。すなわち、いくつかの時間においてチャネルは一方の方向での送信専用に使用され、他の時間においてチャネルは他方の方向での送信専用に使用され、ここで、方向は、極めて急速に、たとえばスロット当たり数回、変化することがある。
【0029】
無線アクセスネットワーク100では、UEが、そのロケーションとは無関係に、移動しながら通信する能力は、モビリティと呼ばれる。UEと無線アクセスネットワークとの間の様々な物理チャネルは、一般に、モビリティ管理エンティティ(MME)の制御下でセットアップされ、維持され、解放される。本開示の様々な態様では、無線アクセスネットワーク100は、モビリティおよびハンドオーバ(すなわち、ある無線チャネルから別の無線チャネルへのUEの接続の転送)を可能にするために、DLベースのモビリティまたはULベースのモビリティを利用してもよい。DLベースのモビリティ用に構成されたネットワークでは、スケジューリングエンティティとの呼の間に、または任意の他の時間に、UEは、そのサービングセルからの信号の様々なパラメータならびに近隣セルの様々なパラメータを監視してもよい。これらのパラメータの品質に応じて、UEは、近隣セルのうちの1つまたは複数との通信を維持してもよい。この時間の間、あるセルから別のセルにUEが移動する場合、または隣接セルからの信号品質が所与の時間量にわたってサービングセルからの信号品質を上回る場合、UEは、サービングセルから隣接(ターゲット)セルへのハンドオフまたはハンドオーバに取りかかってもよい。たとえば、UE124(車両として示されているが、任意の適切な形態のUEが使用されてもよい)は、そのサービングセル102に対応する地理的エリアからネイバーセル106に対応する地理的エリアに移動することがある。所与の時間量にわたってネイバーセル106からの信号強度または品質がそのサービングセル102の信号強度または品質を超えるとき、UE124は、この状態を示す報告メッセージをそのサービング基地局110に送信してもよい。これに応答して、UE124はハンドオーバコマンドを受信してもよく、UEはセル106へのハンドオーバを受けてもよい。
【0030】
ULベースのモビリティのために構成されたネットワークでは、各UEからのUL基準信号が、UEごとにサービングセルを選択するためにネットワークによって利用されてもよい。いくつかの例では、基地局110、112、および114/116は、統合同期信号(たとえば、統合1次同期信号(PSS)、統合2次同期信号(SSS)、および統合物理ブロードキャストチャネル(PBCH))をブロードキャストしてもよい。UE122、124、126、128、130、および132は、統合同期信号を受信し、同期信号からキャリア周波数およびスロットタイミングを導出し、タイミングの導出に応答してアップリンクパイロットまたは基準信号を送信してもよい。UE(たとえば、UE124)によって送信されたアップリンクパイロット信号は、無線アクセスネットワーク100内の2つ以上のセル(たとえば、基地局110および114/116)によって同時に受信されてもよい。セルの各々は、パイロット信号の強度を測定してもよく、無線アクセスネットワーク(たとえば、基地局110および114/116のうちの1つもしくは複数、ならびに/またはコアネットワーク内の中心ノード)は、UE124のためのサービングセルを決定してもよい。UE124が無線アクセスネットワーク100の中を移動するとき、ネットワークは、UE124によって送信されたアップリンクパイロット信号を監視し続けてもよい。近隣セルによって測定されたパイロット信号の信号強度または品質がサービングセルによって測定されたパイロット信号の信号強度または品質を超えるとき、ネットワーク100は、UE124への通知の有無にかかわらず、UE124をサービングセルから近隣セルにハンドオーバしてもよい。
【0031】
基地局110、112、および114/116によって送信される同期信号は統合される場合があるが、同期信号は、特定のセルを識別しないことがあり、同じ周波数上かつ/または同じタイミングで動作する複数のセルのゾーンを識別する場合がある。5Gネットワークまたは他の次世代通信ネットワークにおけるゾーンの使用は、アップリンクベースモビリティフレームワークを可能にし、UEとネットワークとの間で交換される必要があるモビリティメッセージの数が低減される場合があるのでUEとネットワークの両方の効率を改善する。
【0032】
様々な実装形態では、無線アクセスネットワーク100内のエアインターフェースは、認可スペクトル、無認可スペクトル、または共有スペクトルを利用してもよい。認可スペクトルは、一般に、モバイルネットワーク事業者が政府規制機関からライセンスを購入することによって、スペクトルの一部分の独占的使用を可能にする。無認可スペクトルは、政府が許可するライセンスの必要なしに、スペクトルの一部分の共有された使用を可能にする。一般に、無認可スペクトルにアクセスするには、依然として、いくつかの技術的なルールを順守することが必要であるが、一般に、いかなる事業者またはデバイスがアクセスしてもよい。共有スペクトルは、認可スペクトルと無認可スペクトルとの間にあってもよく、スペクトルにアクセスするために技術的なルールまたは制限が必要とされることがあるが、スペクトルはそれにもかかわらず、複数の事業者および/または複数のRATによって共有されてもよい。たとえば、認可スペクトルの一部分に対するライセンスの保有者は、たとえば、アクセスを可能にするためにライセンシーにより決定された適切な条件によって、認可された共有アクセス(LSA:licensed shared access)を可能にして、そのスペクトルを他の当事者と共有してもよい。
【0033】
いくつかの例では、エアインターフェースへのアクセスがスケジュールされてもよく、スケジューリングエンティティ(たとえば、基地局)は、通信用のリソースを基地局のサービスエリアまたはセル内のいくつかまたはすべてのデバイスおよび機器間で割り振ってもよい。本開示内では、以下でさらに説明するように、スケジューリングエンティティは、1つまたは複数のスケジュール対象エンティティに対してリソースをスケジュールすること、割り当てること、再構成すること、および解放することを担当してもよい。すなわち、スケジュールされた通信のために、UEまたはスケジュール対象エンティティは、スケジューリングエンティティによって割り振られたリソースを利用する。
【0034】
基地局は、スケジューリングエンティティとして機能する場合がある唯一のエンティティではない。すなわち、いくつかの例では、UEが、1つまたは複数のスケジュール対象エンティティ(たとえば、1つまたは複数の他のUE)のためにリソースをスケジュールするスケジューリングエンティティとして機能してもよい。他の例では、必ずしも基地局からのスケジューリングまたは制御情報に依拠することなく、サイドリンク信号がUE間で使用されてもよい。たとえば、UE138は、UE140および142と通信するように図示される。いくつかの例では、UE138は、スケジューリングエンティティまたは1次サイドリンクデバイスとして機能しており、UE140および142は、スケジュール対象エンティティまたは非1次(たとえば、2次)サイドリンクデバイスとして機能してもよい。さらに別の例では、UEは、デバイス間(D2D)ネットワーク、ピアツーピア(P2P)ネットワーク、もしくは車両間(V2V)ネットワークにおいて、かつ/またはメッシュネットワークにおいて、スケジューリングエンティティとして機能してもよい。メッシュネットワーク例では、UE140および142は、スケジューリングエンティティ138と通信することに加えて、随意に互いに直接通信してもよい。
【0035】
したがって、時間周波数リソースへのスケジュールされたアクセスを伴い、セルラー構成、P2P構成、またはメッシュ構成を有するワイヤレス通信ネットワークにおいて、スケジューリングエンティティおよび1つまたは複数のスケジュール対象エンティティは、スケジュールされた時間周波数リソースを利用して通信してもよい。次に
図2を参照すると、ブロック図が、スケジューリングエンティティ202および複数のスケジュール対象エンティティ204(たとえば、204aおよび204b)を示している。ここで、スケジューリングエンティティ202は、基地局110、112、114、および/または118に対応してもよい。追加の例では、スケジューリングエンティティ202は、UE138、クアッドコプター120、または無線アクセスネットワーク100の中の任意の他の好適なノードに対応してもよい。同様に、様々な例では、スケジュール対象エンティティ204は、UE122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、および142、または無線アクセスネットワーク100の中の任意の他の好適なノードに対応してもよい。
【0036】
図2に示すように、スケジューリングエンティティ202は、トラフィック206を1つまたは複数のスケジュール対象エンティティ204にブロードキャストしてもよい(トラフィックはダウンリンクトラフィックと呼ばれることもある)。本開示のいくつかの態様によれば、ダウンリンクという用語は、スケジューリングエンティティ202において発信するポイントツーマルチポイント送信を指す場合がある。概して、スケジューリングエンティティ202は、ダウンリンク送信と、いくつかの例では、1つまたは複数のスケジュール対象エンティティからスケジューリングエンティティ202へのアップリンクトラフィック210とを含む、ワイヤレス通信ネットワーク内のリソースまたはトラフィックをスケジュールすることを担うノードまたはデバイスである。このシステムを表すための別の方法として、ブロードキャストチャネル多重化という用語を使用してもよい。本開示の態様によれば、アップリンクという用語は、スケジュール対象エンティティ204において発信するポイントツーポイント送信を指すことがある。概して、スケジュール対象エンティティ204は、限定はしないが、スケジューリング許可、同期もしくはタイミング情報、または他の制御情報を含む、スケジューリング制御情報を、スケジューリングエンティティ202などのワイヤレス通信ネットワークの中の別のエンティティから受信する、ノードまたはデバイスである。
【0037】
スケジューリングエンティティ202は、PBCH、PSS、SSS、物理制御フォーマットインジケータチャネル(PCFICH)、物理ハイブリッド自動再送要求(HARQ)インジケータチャネル(PHICH)、および/または物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)などの、1つまたは複数の制御チャネルを含む制御情報208を、1つまたは複数のスケジュール対象エンティティ204へブロードキャストしてもよい。PHICHは、肯定応答(ACK)または否定応答(NACK)などのHARQフィードバック送信を搬送する。HARQは、当業者によく知られている技法であり、パケット送信は、正確であるかどうかが受信側においてチェックされてもよく、確認された場合にはACKが送信されてもよく、確認されなかった場合にはNACKが送信されてもよい。NACKに応答して、送信デバイスはHARQ再送信を送ってよく、HARQ再送信は、チェース合成、インクリメンタル冗長などを実施する場合がある。
【0038】
物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)または物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)(および、いくつかの例では、システム情報ブロック(SIB))などの1つまたは複数のトラフィックチャネルを含む、アップリンクトラフィック210および/またはダウンリンクトラフィック206が、追加として、スケジューリングエンティティ202とスケジュール対象エンティティ204との間で送信されてもよい。制御情報およびトラフィック情報の送信は、時間的に、キャリアを適切な送信時間間隔(TTI)に再分割することによって構成されてもよい。
【0039】
さらに、スケジュール対象エンティティ204は、1つまたは複数のアップリンク制御チャネルを含むアップリング制御情報212をスケジューリングエンティティ202に送信してもよい。アップリンク制御情報は、パイロット、基準信号、およびアップリンクトラフィック送信を復号することを可能にするかまたは支援するように構成された情報を含む、様々なパケットタイプおよびカテゴリーを含んでもよい。いくつかの例では、制御情報212は、スケジューリング要求(SR)、すなわち、スケジューリングエンティティ202がアップリンク送信をスケジュールすることを求める要求を含んでもよい。ここで、スケジューリングエンティティ202は、制御チャネル212上で送信されたSRに応答して、TTIをアップリンクパケット送信に関してスケジュールする場合があるダウンリンク制御情報208を送信してもよい。
【0040】
アップリンク送信およびダウンリンク送信は、一般に、好適な誤り訂正ブロック符号を利用してもよい。典型的なブロック符号では、情報メッセージまたは情報シーケンスがブロックに分割され、送信デバイスにおけるエンコーダが、次いで、冗長性を数学的に情報メッセージに加える。符号化された情報メッセージにおけるこの冗長性の活用は、メッセージの信頼性を改善することができ、雑音に起因して発生することがある任意のビット誤りに対する訂正を可能にする。誤り訂正符号のいくつかの例は、ハミング符号、Bose-Chaudhuri-Hocquenghem(BCH)符号、ターボ符号、低密度パリティ検査(LDPC)符号、およびポーラ符号を含む。スケジューリングエンティティ202およびスケジュール対象エンティティ204の様々な実装形態は、ワイヤレス通信用のこれらの誤り訂正符号のうちのいずれか1つまたは複数を利用するための、好適なハードウェアおよび能力(たとえば、エンコーダおよび/またはデコーダ)を含んでもよい。
【0041】
図2に示すチャネルまたはキャリアは、必ずしもスケジューリングエンティティ202とスケジュール対象エンティティ204との間で利用されることがあるチャネルまたはキャリアのすべてであるとは限らず、図示したものに加えて、他のトラフィックチャネル、制御チャネル、およびフィードバックチャネルなどの他のチャネルまたはキャリアが利用される場合があることを、当業者は認識されよう。
【0042】
図3は、処理システム314を採用するスケジューリングエンティティ300のためのハードウェア実装形態の一例を示すブロック図である。たとえば、スケジューリングエンティティ300は、
図1および/または
図2のうちのいずれか1つまたは複数に示すようなユーザ機器(UE)であってもよい。別の例では、スケジューリングエンティティ300は、
図1および/または
図2のうちのいずれか1つまたは複数に示すような基地局であってもよい。
【0043】
スケジューリングエンティティ300は、1つまたは複数のプロセッサ304を含む処理システム314を用いて実装されてもよい。プロセッサ304の例は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、ステートマシン、ゲート論理、個別ハードウェア回路、および本開示全体にわたって説明する様々な機能を実行するように構成された他の好適なハードウェアを含む。様々な例では、スケジューリングエンティティ300は、本明細書で説明する機能およびプロセスのうちのいずれか1つまたは複数を実行するように構成されてもよい。すなわち、プロセッサ304は、スケジューリングエンティティ300内で利用されるとき、以下で説明し、
図5~
図18に示すプロセスおよび手順のうちのいずれか1つまたは複数を実施するために使用されてもよい。
【0044】
この例において、処理システム314は、バス302によって全体的に表されるバスアーキテクチャとともに実装されてもよい。バス302は、処理システム314の特定の用途と全体的な設計制約とに応じて、任意の数の相互接続バスとブリッジとを含んでもよい。バス302は、1つまたは複数のプロセッサ(プロセッサ304によって概略的に表される)、メモリ305、およびコンピュータ可読媒体(コンピュータ可読媒体306によって概略的に表される)を含む、様々な回路を一緒に通信可能に結合する。バス302はまた、タイミングソース、周辺機器、電圧調整器、および電力管理回路などの様々な他の回路をリンクさせてもよいが、これらの回路は当技術分野でよく知られており、したがって、これ以上は説明しない。バスインターフェース308は、バス302とトランシーバ310との間のインターフェースを構成する。トランシーバ310は、送信媒体を介して様々な他の装置と通信するための通信インターフェースまたは手段を構成する。装置の性質に応じて、ユーザインターフェース312(たとえば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカー、マイクロフォン、ジョイスティック)がさらに設けられてもよい。
【0045】
本開示のいくつかの態様では、プロセッサ304は、
図5~
図18に関して以下で説明する機能のうちの1つまたは複数を実装するように構成された回路を含んでもよい。いくつかの例では、プロセッサ304は、通信回路332と、リソース判定回路334と、リソース割振り回路336とを含んでもよい。通信回路332は、通信命令342に関連して、様々な通信機能、たとえば、受信、送信、符号化、復号、多重化、インターリービング、レートマッチングなどを実行するように構成されてもよい。リソース判定回路334は、リソース判定命令344に関連して、スロットまたはサブフレームの制御部分において制御データを送信するために使用されていないかまたは必要とされていないリソース要素(RE)または時間周波数制御リソースがあるかどうかを判定するように構成されてもよい。リソース割振り回路336は、リソース割振り命令346に関連して、スロットまたはサブフレームにおいて時間周波数リソースを割り振るように構成されてもよい。たとえば、リソース割振り回路336は、ユーザデータまたはペイロードを搬送するためのデータ部分に制御リソースを再割り振りしてもよい。
【0046】
プロセッサ304は、バス302を管理すること、およびコンピュータ可読媒体306に記憶されたソフトウェアの実行を含む一般処理を担当する。1つまたは複数の例では、コンピュータ可読記憶媒体306は、
図5~
図18に関して説明する機能およびプロセスのうちの1つまたは複数を実装するように構成されたソフトウェアを含んでもよい。たとえば、ソフトウェアは、通信命令342と、リソース判定命令344と、リソース割振り命令346とを含んでもよい。ソフトウェアは、プロセッサ304によって実行されたとき、任意の特定の装置のために、以下で説明する様々な機能を処理システム314に実行させる。コンピュータ可読媒体306およびメモリ305はまた、ソフトウェアを実行するときにプロセッサ304によって操作されるデータを記憶するために使用されてもよい。
【0047】
処理システムの中の1つまたは複数のプロセッサ304は、ソフトウェアを実行してもよい。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、または他の名称で呼ばれるかにかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味するものと広く解釈されなければならない。ソフトウェアは、コンピュータ可読媒体306に常駐してもよい。コンピュータ可読媒体306は、非一時的コンピュータ可読媒体であってもよい。非一時的コンピュータ可読媒体は、例として、磁気ストレージデバイス(たとえば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(たとえば、コンパクトディスク(CD)またはデジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(たとえば、カード、スティック、またはキードライブ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ならびに、コンピュータによってアクセスされ読み取られる場合があるソフトウェアおよび/または命令を記憶するための任意の他の適切な媒体を含む。コンピュータ可読媒体はまた、例として、搬送波、伝送線路、ならびにコンピュータによってアクセスされるとともに読み取られる場合があるソフトウェアおよび/または命令を送信するための任意の他の好適な媒体を含んでよい。コンピュータ可読媒体306は、処理システム314内に存在するか、処理システム314の外部にあるか、または処理システム314を含む複数のエンティティにわたって分散される場合がある。コンピュータ可読媒体306は、コンピュータプログラム製品において具現化されてもよい。例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料にコンピュータ可読媒体を含めてもよい。特定の適用例および全体的なシステムに課される全体的な設計制約に応じて、本開示全体
にわたって提示される説明する機能がどのように最良に実施されるのかを、当業者は認識されよう。
【0048】
図4は、処理システム414を用いる例示的なスケジュール対象エンティティ400のためのハードウェア実装形態の一例を示す概念図である。本開示の様々な実施態様によれば、要素、もしくは要素の任意の部分、または要素の任意の組合せは、1つまたは複数のプロセッサ404を含む処理システム414を用いて実装されてもよい。たとえば、スケジュール対象エンティティ400は、
図1および/または
図2のうちのいずれか1つまたは複数に示すようなユーザ機器(UE)であってもよい。
【0049】
処理システム414は、
図3に示されている処理システム314と実質的に同じであってもよく、バスインターフェース408と、バス402と、メモリ405と、プロセッサ404と、コンピュータ可読媒体406とを含む。さらに、スケジュール対象エンティティ400は、
図3において上記で説明したものと実質的に同様のユーザインターフェース412および通信インターフェース(たとえば、トランシーバ410)を含んでもよい。すなわち、プロセッサ404は、スケジュール対象エンティティ400内で利用されるとき、本明細書で説明する機能およびプロセスのうちのいずれか1つまたは複数を実装するために使用されてもよい。
【0050】
本開示のいくつかの態様では、プロセッサ404は、
図5~
図18に関して以下で説明する機能およびプロセスのうちの1つまたは複数を実装するように構成された回路を含んでもよい。たとえば、プロセッサ404は、通信回路432とリソース割振り回路434とを含んでもよい。通信回路432は、通信命令に関連して、様々な通信機能、たとえば、受信、送信、符号化、復号、多重化、インターリービング、レートマッチングなどを実行するように構成されてもよい。リソース割振り回路434は、リソース割振り命令444に関連して、スロットの制御部分から再割り振りされたリソースを含む拡張されたデータ部分における通信リソースを決定するように構成されてもよい。たとえば、制御リソースは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)におけるユーザペイロードまたはデータを搬送するために再利用されてもよい。
【0051】
図5~
図6は、この開示の様々な態様による様々なスロットフォーマットの構造を示す概略図である。
図5および
図6に示すように、これらの図の各々において、水平次元は時間を表し、垂直次元は周波数を表す。これらの次元はいずれも、一定の縮尺で描かれたものではなく、それぞれの例および実施形態において構成される場合があるので経時的な様々な波形の特性を示すために利用されているにすぎない。
【0052】
図5は、DLセントリックスロット500の一例を示す図である。DLセントリックスロットは、制御部分502を含んでもよい。制御部分502は、DLセントリックスロットの最初の部分、開始部分、または冒頭部分に存在してもよい。制御部分502は、DLセントリックスロットの様々な部分に対応する様々なスケジューリング情報および/または制御リソースを含んでもよい。いくつかの構成では、制御部分502は、
図5に示すように、物理DL制御チャネル(PDCCH)を含んでもよい。DLセントリックスロットはまた、DLデータ部分504を含んでもよい。DLデータ部分504は場合によっては、DLセントリックスロットのペイロードまたはユーザデータと呼ばれることがある。DLデータ部分504は、スケジューリングエンティティ202(たとえば、基地局、eNB、gNB)からスケジュール対象エンティティ204(たとえば、UE)にDLデータを通信するために利用される通信リソース(たとえば、時間周波数リソース)を含んでもよい。いくつかの構成では、DLデータ部分504は物理DL共有チャネル(PDSCH)などを含んでもよい。
【0053】
DLセントリックスロットはまた、共通UL部分(
図5では共通ULバースト506として示されている)を含んでもよい。共通UL部分506は場合によっては、ULバースト、共通ULバースト、および/または様々な他の好適な用語で呼ばれることがある。共通UL部分506は、DLセントリックスロット500の様々な他の部分に対応するフィードバック情報を含んでもよい。たとえば、共通UL部分506は、制御部分502に対応するフィードバック情報を含んでもよい。フィードバック情報の非限定的な例は、ACK信号、NACK信号、HARQインジケータ、チャネル品質、および/または様々な他の好適なタイプのフィードバック情報を含んでもよい。いくつかの例では、共通UL部分506は、ランダムアクセスチャネル(RACH)プロシージャ、スケジューリング要求(SR)に関する情報、および様々な他の好適なタイプの情報などの、追加または代替の情報を含んでもよい。
図5に示すように、DLデータ部分504の終了部分は、共通UL部分506の冒頭部分から時間的に分離されてもよい。この時間の分離は時々、ギャップ、ガード期間、ガードインターバル、および/または様々な他の適切な用語で呼ばれ得る。この分離によって、DL通信(たとえば、スケジュール対象エンティティ204(たとえば、UE)による受信動作)からUL通信(たとえば、スケジュール対象エンティティ204(たとえば、UE)による送信)に切り替えるための時間をもたらす。上記はDLセントリックサブフレームの一例にすぎず、同様の特徴を有する代替構造が、必ずしも本明細書で説明する態様から逸脱することなく存在してもよいことを、当業者は理解されよう。
【0054】
図6は、ULセントリックスロット600の一例を示す図である。ULセントリックスロットは、DL制御部分602を含んでもよい。制御部分602は、ULセントリックスロットの最初の部分、開始部分、または冒頭部分に存在してもよい。
図6における制御部分602は、
図5を参照しながら上記で説明した制御部分502と同様であってよい。ULセントリックスロット600はまた、ULデータ部分604を含んでもよい。ULデータ部分604は場合によっては、DLセントリックスロットのペイロードまたはユーザデータと呼ばれることがある。ULデータ部分604は、スケジュール対象エンティティ204(たとえば、UE)からスケジューリングエンティティ202(たとえば、基地局、eNB、gNB)にULデータを通信するために利用される通信リソースを指す場合がある。いくつかの構成では、ULデータ部分604は物理UL共有チャネル(PDSCH)などを含んでもよい。
図6に示すように、制御部分602の終了部分は、ULデータ部分604の冒頭部分から時間的に分離されてもよい。この時間の分離は場合によっては、ギャップ、ガード期間、ガードインターバル、および/または様々な他の適切な用語で呼ばれることがある。この分離は、DL通信(たとえば、スケジュール対象エンティティ204(たとえば、UE)による受信動作)からUL通信(たとえば、スケジュール対象エンティティ204(たとえば、UE)による送信)に切り替えるための時間をもたらす。ULセントリックスロットはまた、共通UL部分606を含んでもよい。
図6における共通UL部分606は、
図5を参照しながら上記で説明した共通UL部分506と同様であってもよい。共通UL部分606は、チャネル品質インジケータ(CQI)、サウンディング基準信号(SRS)に関する追加情報または代替情報、および様々な他の適切なタイプの情報を含んでもよい。上記がULセントリックスロットの一例にすぎず、類似の特徴を有する代替構造が、必ずしも本明細書で説明する態様から逸脱することなく存在する場合があることを、当業者は理解されよう。
【0055】
図7は、本開示の一態様による、ワイヤレス通信用の通信リソースグリッド700を示す図である。ワイヤレス通信は、周波数領域および/または時間領域におけるリソースを利用することができる。
図7では、垂直方向は周波数を表し、単位はサブキャリアまたはトーンであり、水平方向は時間を表し、単位はシンボルである(たとえば、OFDMシンボル)。各リソース要素(たとえば、リソース要素702)は、制御情報またはユーザデータを送信するように割り振られるか、割り当てられるか、予約されるか、またはスケジュールされることがある時間領域リソース(たとえば、シンボル時間)と周波数領域リソース(たとえば、帯域幅、キャリア、トーン)の組合せを表す。リソース要素のうちのいくつかは、単位またはブロック、たとえば、リソース要素グループ(REG)として割り振られるようにグループ分けされてもよい。
【0056】
図8は、いくつかのリソース要素800を示すリソースグリッドの一部を示す。リソース要素800は、たとえば
図7のリソース要素702と同じであってもよく、各リソース要素が制御領域における特定のOFDMシンボルおよび周波数トーン/キャリアに対応する。
図8において、周波数または帯域幅(BW)は垂直方向に延び、時間は水平方向に延びる。周波数またはBW次元は、周波数トーン、OFDMトーン、またはサブキャリアと呼ばれることがある単位に分割され、時間次元は、シンボル持続時間またはOFDMシンボルであってもよい単位に分割される。このような交差分割は、
図7に示すリソース要素と同様なリソース要素(RE)のグリッドを形成する。この例では、各REは、1つのOFDMトーンおよび1つのOFDMシンボルの単位に対応してもよい。
【0057】
同じOFDMシンボルに対応するリソース要素は、リソース要素グループ(たとえば、リソース要素グループ802)にグループ分けされてもよい。この例では、各リソース要素グループ(REG)は4つのリソース要素を含んでもよい。
図8には、各々が4つのREを含む9つのREG(たとえば、REG1~REG9)が示されている。たとえば、REG1は、数値1によって示されるREを含む。本開示の他の態様では、REGは、他の例ではより多いかまたはより少ないリソース要素を有してもよい。リソース要素は、
図8に示すREGとは異なるREGにグループ分けされてもよい。
図8は、第1のOFDMシンボルに分散された4つの例示的な基準信号804を示す。他の例では、1つまたは複数のシンボルにおいてより多いかまたはより少ない基準信号が使用されてもよく、基準信号は、
図8に示すREとは異なるREに配置されてもよい。REGは、1つまたは複数の基準信号を含んでもよい。いくつかの例では、各REGは、基準信号を含んでもよい。
【0058】
いくつかの例では、DLスロットの制御リソース領域は、スロットの最初のいくつかのシンボルにわたる。たとえば、制御リソース領域は、最初の2つまたは3つのシンボルにわたってもよい。制御領域内のリソースブロック(RB)は、制御リソースセット(CORESET)と呼ばれることがある。いくつかのREG802が、インデックス番号によって論理的に表される(
図9参照)場合があるいくつかの制御チャネル要素(CCE)にグループ分けされるかまたはマップされてもよい。いくつかの例では、9つのREGが1つのCCEにマップされてもよい。PDCCHは、それぞれに異なるアグリゲーションレベルに基づいて任意の数のCCEを含んでもよく、PDCCHは、ダウンリンク制御情報(DCI)および/または他の制御メッセージを搬送してもよい。1つまたは複数のCCEが、1つまたは複数のUEまたはスケジュール対象エンティティの探索空間(SS)に割り当てられてもよく、UEは、割り当てられたCCEまたはSSにおいてUEのPDCCHを見つけることができる。
【0059】
PDCCHを搬送するのに利用できるCCEの数は、制御領域内で使用されるOFDMシンボルの数、システムの帯域幅、および/またはスケジューリングエンティティに存在するアンテナポートの数に応じて可変であってもよい。いくつかの例では、連続するCCEが、周波数において分散された(すなわち、非連続的な)REGにマップされてもよい。連続するCCEは、論理空間における番号または順序が連続するCCEを指すことがある。2つのREGは、互いに隣接していないときは連続または隣接していない(すなわち、周波数および/または時間領域において1つまたは複数のREだけ分離される)。このことは分散CCE-REGマッピングと呼ばれる。いくつかの例では、連続するCCEが、周波数において連続または隣接するREGにマップされる。このことは局在CCE-REGマッピングと呼ばれる。たとえば、連続するかまたは隣接するREGが、1つまたは複数のREによって互いに分離されることはない。
【0060】
PDCCH送信のアグリゲーションレベル(AL)は、送信に利用されるCCEの数を指す。いくつかの例では、PDCCHは、AL1、AL2、AL4、および/またはAL8を使用して送信されてもよい。AL1では、PDCCHを搬送するために1つのCCEが使用されてもよい。AL2では、PDCCHを搬送するために2つのCCEが使用されてもよい。AL4では、PDCCHを搬送するために4つのCCEが使用されてもよい。AL8では、PDCCHを搬送するために8つのCCEが使用されてもよい。したがって、PDCCH送信では、より高いALがより低いALよりも大きいペイロードまたは多くのデータビットに対応することができる。
【0061】
探索空間(SS)は、UEのPDCCHを見つけるためにUEに割り当てられるかまたは割り振られるスロット内の制御リソース(たとえば、REGまたはCCE)を指す。制御リソースは、スロットの開始シンボル(たとえば、1つ、2つ、または3つのOFDM)内に位置してもよい。探索空間は、UEがそのPDCCHを見つけることができるCCEのセットを含む。それぞれに異なるUEはそれぞれに異なる探索空間を使用してもよい。2種類の探索空間、すなわち、共通探索空間(CSS)とUE固有探索空間(USS)がある。共通探索空間は、すべてのUEまたはUEのグループにブロードキャストされる共通ダウンリンク制御情報(DCI)を搬送してもよく、UE固有探索空間は、特定のUEについてのDCIを搬送してもよい。各UEは、所定の探索空間(CCSおよび/またはUSS)において、DLスロットのPDCCH領域(たとえば、
図5における制御部分502)におけるUEのDL制御情報を監視してもよい。
【0062】
図9を参照すると、それぞれに異なるスケジュール対象エンティティまたはUE(たとえば、UE1、UE2、UE3)は同じCSS902と異なるUSS904とを有してもよい。たとえば、CSS902は、すべてのUEに割り当てられる最初の16個のCCE(たとえば、CCE0~CCE16)を含んでもよい。各UEのUSSは、利用可能なCCEのうちのそれぞれに異なるCCEを含んでもよく、UEのそれぞれのUSS904は重複してもよい。すなわち、いくつかのCCEが複数のUSS904に含まれてもよい。たとえば、CCE96はUE1およびUE2のUSSに含まれ、CCE93はUE2およびUE3のUSSに含まれる。
図9のCSSおよびUSSは例示的な例にすぎず、本開示の他の態様では他の探索空間設計が使用されてもよい。
【0063】
次世代ネットワーク(たとえば、5G NR)は、レガシー3G/4Gネットワークよりも著しく広い帯域幅をサポートすることがあるので、スロットの制御リソース(たとえば、RE、CCE)は、帯域幅全体にわたるそれぞれに異なる制御リソースセットに区画されるかまたはグループ分けされてもよい。各制御リソースセット(CORESET)は、上述のように1つまたは複数の探索空間を含む。CORESETは、帯域幅が限定されたUEを、UEによってサポートできる帯域幅内の適切なCORESETに割り当てることができるようにサブバンドまたはキャリアに基づいて決定されてもよい。すなわち、CORESETは、システム帯域幅全体にわたっていなくてもよい。
【0064】
図10は、本開示のいくつかの態様によるCORESET設計を示す図である。いくつかの例では、CORESETの制御リソースは、サブバンド領域、またはスケジューリングエンティティによってサポートされる帯域幅全体のサブキャリアのサブセット内に位置してもよい。制御リソースは、共通CORESET(C-CORESET)1002内に位置してもよく、またUE固有CORESET(U-CORESET)1004内に位置してもよい。スケジューリングエンティティは、すべてのUEについてC-CORESET1002を構成してもよく、場合によっては、それぞれに異なるUEに1つまたは複数のU-CORESET1004を構成してもよい。C-CORESETは、1つまたは複数のUEのCSSおよびUSSを含んでもよく、U-CORESETは、関連するUEのUSSを含んでもよい。CORESETは、無線リソース制御(RRC)構成手順または他の半静的手順を使用して構成され再構成されてもよい。半静的構成(たとえば、RRC構成)を一旦セットアップし、複数のスロットにわたることができる所定の持続時間の間維持することができる。C-CORESETは、たとえば、それぞれに異なる機能を有するUEがネットワークに加わりならびに/またはネットワークから出るときに別の周波数または帯域に再構成されてもよい。
【0065】
本開示のいくつかの態様では、DLスロットの制御領域(たとえば、
図5における制御部分502)のいくつかの制御リソースが、このスロットのデータ部分におけるDLペイロードまたはユーザデータを搬送するために再利用または再割り振りされてもよい。この状況は、制御領域がDL制御情報(たとえば、PDCCHにおけるDCI)をUEに送信するために使用されない余分な時間周波数リソースを有するときに生じることがある。たとえば、あるセルまたは領域内に位置するUEが少なくなるときにより多くの時間周波数リソースが再利用に利用可能になることがある。その場合、たとえば、PDCCHトラフィックが少なくなる。本開示のいくつかの態様では、制御領域の時間周波数リソースが、以下でより詳細に説明する2つの異なる方法でDLペイロードまたはユーザデータを搬送するために再利用または再割り振りされてもよい。
【0066】
図11は、本開示のいくつかの態様による、制御リソースを再利用してユーザデータを搬送するための時間領域専用方法を示す図である。例示的なDLスロット1100は、DL制御領域1102と、DLデータ部分1104と、共通ULバースト部分1106とを含んでもよい。スケジューリングエンティティ(たとえば、基地局またはgNB)は、DL制御情報(たとえば、PDCCH)を搬送するためにDL制御領域1102のすべての時間周波数リソースが必要になるとは限らないと判定した場合、余分なリソースをDLデータ部分1104に再利用してもよい。たとえば、制御領域1102内にX個のRBがあると仮定される場合がある。基地局またはスケジューリングエンティティが、セル内のすべてのUEまたはユーザについてのDL制御データを送信するためにX個よりも少ないRBを割り振るか、スケジュールするか、または割り当てる場合、DLユーザデータを搬送するために再利用されてもよい余分なリソースがある。
【0067】
いくつかの例では、スケジューリングエンティティは、元のDLデータ領域に対してのみ時間領域内のDLデータ部分を拡張することができる。例示的なスロット1110では、制御領域のリソースを再利用するために、時間領域でのみ、DL制御領域1112が縮小され、一方、DLデータ領域1114が拡張される。本開示の一態様では、スケジューリングエンティティは、時間領域において拡張されるDLデータ領域(たとえば、PDSCH)の開始シンボル位置をUEに通知するためのRRCメッセージまたはDCIを送信することができる。たとえば、PDSCHが最初に、スロットのシンボル3から開始するようにスケジュールされた場合、拡張されるPDSCHは、最初にDL制御部分向けにスケジュールされたシンボル1または2から開始することができる。
【0068】
図12は、本開示のいくつかの態様による、制御リソースを再利用してユーザデータを搬送するための時間および周波数領域方法を示す図である。
図12を参照すると、スケジューリングエンティティは、DLデータ部分1204に再利用することができるいくつかの制御リソース1208の時間および周波数情報をUEに通知してもよい。スケジューリングエンティティは、再利用または再割り振りすることができるリソースの時間および周波数位置をUEに通知するためのRRCメッセージおよび/またはDCIを送信することができる。この方法は、再利用されるリソースをデータ領域内のPDSCH位置とは無関係に特定するのを可能にする。たとえば、時間領域において、スケジューリングエンティティは、開始シンボル位置のみを指示するか、または開始シンボル位置と終了シンボル位置の両方を指示してもよい。周波数領域において、スケジューリングエンティティは、開始周波数および終了周波数を指示するか、または再利用可能な制御リソースに対応する再利用されるCCEを指示してもよい。
【0069】
制御リソースがDLデータを搬送するために再利用または再割り振りされるとき、スケジューリングエンティティは、追加のリソースを利用するために様々な規則に基づいてデータ部分(たとえば、PDSCH)をレートマッチングさせてもよい。レートマッチングの機能は、トランスポートブロック(TB)またはユニット内のビットの数を、リソースの所与の割振りにおいて送信することができるビットの数と一致させることである。たとえば、レートマッチングは、サブブロックインターリービング、ビット収集、および/またはプルーニングを含んでもよい。スケジューリングエンティティは、RRCメッセージまたはDCIを使用してレートマッチング規則に関してUEに通知することができる。
【0070】
図13は、本開示のいくつかの態様による、DLデータをレートマッチングさせる方法を示す図である。ブロック1302において、スケジューリングエンティティは、いくつかの制御領域リソースを再利用するかまたは物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)に再割り振りしてもよい。この例では、スケジューリングエンティティは、他のUEのCORESETと重複するリソース要素(RE)またはRBを構成せず、また、再割り振りしない。ブロック1304において、スケジューリングエンティティは、CORESETの外側にPDSCHをレートマッチングさせることができる。レートマッチングは、エンコーダ(たとえば、ターボエンコーダ)からのビットストリームに続いて、ビット収集、選択、およびプルーニングをインタリーブして、所望のコードレートを有する出力ビットストリームを生成することを含む。いくつかの例では、スケジューリングエンティティは、C-CORESETおよびU-CORESETの周りまたは外側にPDSCHをレートマッチングさせ、このレートマッチングに関してUEに通知する。いくつかの例では、スケジューリングエンティティは、他のUEのU-CORESETに関して半静的または動的にUEに通知し、すべての通知されたCORESETの周りまたは外側にPDSCHをレートマッチングさせることができる。動的な例では、キャリアのCORESETマップが上位レイヤシグナリング(たとえば、RRCシグナリング)によって構成されてもよく、アクティブCORESETについてのビットマップが、各スロットのDCIに動的に設けられてもよい。C-CORESETに広帯域(WB)基準信号(RS)が使用される場合、スケジューリングエンティティは、C-CORESET内のすべてのWB RSの周りにおいてレートマッチングを行ってもよい。
【0071】
図14は、本開示のいくつかの態様による、DLデータをレートマッチングさせる別の方法を示す図である。ブロック1402において、スケジューリングエンティティは、いくつかの制御領域リソースを再利用するかまたは特定のUEのPDSCHに再割り振りしてもよい。この例では、スケジューリングエンティティは、他のUEの探索空間と重複するREまたはRBを構成せず、また、再割り振りしない。ブロック1404において、スケジューリングエンティティは、他のUEの構成された探索空間の外側に特定のUE用のPDSCHをレートマッチングさせることができる。いくつかの例では、スケジューリングエンティティは、他のUEのUSSと重複するリソース要素を構成せず、また、再割り振りせず、次いでCSSおよびUSSの周りまたは外側に自UEのPDSCHをレートマッチングさせる。別の例では、スケジューリングエンティティは、他のUEのUSSに関して半静的または動的に(スロットごと)UEに通知し、次いで、すべての通知された探索空間の周りまたは外側においてレートマッチングを行ってもよい。動的な例では、キャリアのSSマップが上位レイヤシグナリング(たとえば、RRCシグナリング)によって構成されてもよく、アクティブSSについてのビットマップが、各スロットのDCIに動的に設けられてもよい。
【0072】
図15は、本開示のいくつかの態様による、DLデータをレートマッチングさせる別の方法を示す図である。ブロック1502において、スケジューリングエンティティは、いくつかの制御領域リソースを再利用するかまたは特定のUEのPDSCHに再割り振りしてもよい。ブロック1504において、スケジューリングエンティティは、すべてのPDCCHの周りにPDSCHをレートマッチングさせることができる。いくつかの例では、スケジューリングエンティティは、PDCCHと重複するリソース要素を再構成しない。本開示の別の態様では、スケジューリングエンティティは、すべてのPDCCHの周りに、構成されたCORESET内でPDSCHをレートマッチングさせることができる。いくつかの例では、スケジューリングエンティティは、構成されたCORESET内でPDCCHと重複するリソース要素を構成しないようにする。C-CORESETにWB RSが使用される場合、スケジューリングエンティティは、C-CORESET内のすべてのWB RSの周りにおいてレートマッチングを行うことができる。
【0073】
本開示の別の態様では、スケジューリングエンティティは、すべての送信されたPDCCHの周りに特定のUEのPDSCHをレートマッチングさせることができるが、構成されたSS内ではレートマッチングさせることができない。一例では、スケジューリングエンティティは、自UE用の構成されたSS内でPDCCHと重複するリソース要素を構成しないようにする。C-CORESETにWB RSが使用される場合、スケジューリングエンティティは、C-CORESET内のすべてのWB RSの周りにおいてレートマッチングを行うことができる。
【0074】
本開示のいくつかの態様では、スケジューリングエンティティは、再割り振りされた制御リソースをDLデータ部分またはPDSCHにおいてどのように使用すべきかをUEに通知するためのインジケータを送信してもよい。たとえば、スケジューリングエンティティは、DCIにおいてまたはRRCシグナリングもしくは半静的シグナリングを介して、所定の規則または選択された規則を指示するインジケータを送信してもよい。たとえば、この規則は、再割り振りされた(再利用される)制御リソースを利用するにはPDSCHをどのようにレートマッチングさせるべきかをUEに通知する。このインジケータは、所定のリソース再利用タイプまたは選択されたリソース再利用タイプを指示してもよい。リソース再利用タイプは、上述のように、データ領域に対する時間領域単独拡張またはデータ領域とは無関係な時間および周波数領域拡張と同じであってもよい。
【0075】
図16は、本開示のいくつかの態様による、複数のスロット内のデータ領域に制御領域リソースを再利用する方法を示す図である。スケジューリングエンティティは、マルチスロットを使用して制御リソース再利用を構成することを決定してもよい。ブロック1602において、スケジューリングエンティティは、いくつかの制御領域リソースをN個のスロット(Nは1よりも大きい整数)内のDLデータ領域(たとえば、PDSCH)に再割り振りすることを決定してもよい。ブロック1604において、スケジューリングエンティティは、上述のレートマッチング規則のいずれであってもよい第1の規則に従って第1のスロット内のPDSCHに未使用の制御リソースを再割り振りしてもよい。ブロック1606において、スケジューリングエンティティは、上述のレートマッチング規則のいずれであってもよい第2の規則に従って第2のスロット内のPDSCHに未使用の制御リソースを再割り振りしてもよい。その後、ブロック1608において、スケジューリングエンティティは、上述のレートマッチング規則のいずれであってもよい第Nの規則に従って第Nのスロット内のPDSCHに未使用の制御リソースを再割り振りしてもよい。
【0076】
様々な例において、以後のスロットについてのリソース再利用規則は、現在のスロットと同じであってもよく、またはDCIもしくはRRCシグナリングの指定に応じてスロットごとに異なってもよい。スケジューリングエンティティは、それぞれに異なる規則に基づいて以後のスロットに対してPDSCHをレートマッチングさせてもよい。たとえば、以後のスロットに対するレートマッチングは、現在のスロットと同じ規則、および/またはDCIもしくはRRCシグナリングにおける指定に応じたスロットごとに異なる規則を使用してもよく、ならびに/あるいは上述のような控えめな規則を常に適用してCORESETおよび/またはSSの外側においてレートマッチングを行ってもよい。
【0077】
図17は、本開示のいくつかの態様による、スロットのデータ部分において制御リソースを再利用するための例示的なプロセス1700を示すフローチャートである。以下で説明するように、いくつかまたはすべての図示した特徴が、本開示の範囲内の特定の実装形態において省略されてもよく、図示した特徴には、すべての実施形態を実装するうえで必要とされないものもある。いくつかの例では、プロセス1700は、
図3に示すスケジューリングエンティティ300によって実施されてもよい。いくつかの例では、プロセス1700は、以下で説明する機能またはアルゴリズムを実施するための任意の適切な装置または手段によって実施されてもよい。
【0078】
ブロック1702において、スケジューリングエンティティ(たとえば、基地局、eNB、gNB)は、制御部分とデータ部分とを含むスロットを利用してUEと通信してもよい。たとえば、スケジューリングエンティティは、通信回路332(
図3参照)を利用してトランシーバ310を介して1つまたは複数のUEと通信してもよい。通信は、1つまたは複数のUEとの間でデータの符号化、送信、受信、および/または復号を行うことを含んでもよい。一例では、スロットは、
図5に示すスロット500と同様なDLスロットであってもよい。
【0079】
ブロック1704において、スケジューリングエンティティは、制御部分に割り振られた1つまたは複数の通信リソースが、制御データを送信するために使用されていないと判定してもよい。たとえば、スケジューリングエンティティは、リソース判定回路334を利用して、最初に制御部分に割り振られた1つまたは複数のリソース要素(RE)または時間周波数リソースが制御データを送信するために使用されていないかまたは必要とされていないと判定してもよい。
【0080】
ブロック1706において、スケジューリングエンティティは、データ部分におけるユーザデータを送信するために1つまたは複数の通信リソースを再割り振りしてもよい。たとえば、スケジューリングエンティティは、リソース割振り回路336を利用して、同じスロット内のデータ部分におけるペイロードまたはユーザデータを送信するために制御部分の通信リソースを再割り振りしてもよい。スケジューリングエンティティは、1つまたは複数の通信リソースをデータ部分に利用することを半静的にまたは動的にUEに指示してもよい。たとえば、スケジューリングエンティティは、RRCシグナリングおよび/またはDCIを使用してデータ部分に制御リソースを再割り振りすることを指示してもよい。
【0081】
本開示のいくつかの態様では、スケジューリングエンティティは、再利用された通信リソースを含む拡張されるデータ部分の開始シンボル位置を指示することによって、再割り振りされた制御リソースを含むように時間領域においてデータ部分を拡張してもよい。本開示のいくつかの態様では、スケジューリングエンティティは、再利用されるかまたは再割り振りされた制御リソースのシンボル位置および周波数を指示してもよい。本開示のいくつかの態様では、スケジューリングエンティティは、上述のように、CORESET、探索空間、および/またはPDCCHの外側に、再利用された制御リソースを利用して物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)をレートマッチングさせてもよい。
【0082】
図18は、本開示のいくつかの態様による、スロットのデータ部分において制御リソースを再利用するための例示的なプロセス1800を示すフローチャートである。以下で説明するように、いくつかまたはすべての図示した特徴が、本開示の範囲内の特定の実装形態において省略されてもよく、図示した特徴には、すべての実施形態を実装するうえで必要とされないものもある。いくつかの例では、プロセス1800は、
図4に示すスケジュール対象エンティティ400によって実施されてもよい。いくつかの例では、プロセス1800は、以下で説明する機能またはアルゴリズムを実施するための任意の適切な装置または手段によって実施されてもよい。
【0083】
ブロック1802において、スケジュール対象エンティティ(たとえば、UE)は、スロット(たとえば、
図5のスロット500)の制御部分の1つまたは複数の通信リソースをこのスロットのデータ部分に再割り振りする旨の指示をスケジューリングエンティティ(たとえば、gNB)から受信してもよい。たとえば、スケジューリングエンティティは、通信回路432を利用して各スロットにおいて半静的にまたは動的に指示を受信してもよい。この指示は、RRCメッセージにおいて半静的に受信されるかまたはスロットのダウンリンク制御情報(DCI)において動的に受信されてもよい。
【0084】
ブロック1804において、スケジュール対象エンティティは、1つまたは複数の通信リソースを含むように拡張されるデータ部分におけるユーザデータをスケジューリングエンティティから受信してもよい。たとえば、スケジュール対象エンティティは、リソース割振り回路434を利用して拡張されるデータ部分を決定してもよく、通信回路432を利用して、拡張されるデータ部分を受信してもよい。いくつかの例では、データ部分は、時間領域においてのみ拡張される。その場合、指示は、1つまたは複数の通信リソースを含むように拡張されるデータ部分の開始シンボル位置を示してもよい。いくつかの例では、再利用される制御リソースは、データ部分とは無関係に特定されてもよい。その場合、指示は、データ部分のユーザデータを搬送するために使用することができる1つまたは複数の通信リソースのシンボル位置および周波数を示す。
【0085】
ワイヤレス通信ネットワークのいくつかの態様を例示的な実装形態を参照しながら提示した。当業者が容易に諒解するように、本開示全体にわたって説明した様々な態様は、他の電気通信システム、ネットワークアーキテクチャ、および通信規格に拡張されてもよい。
【0086】
例として、様々な態様は、ロングタームエボリューション(LTE)、発展型パケットシステム(EPS)、ユニバーサル移動体電気通信システム(UMTS)、および/またはモバイル用グローバルシステム(GSM(登録商標))などの、3GPPによって定義された他のシステム内で実施されてもよい。様々な態様はまた、CDMA2000および/またはエボリューションデータオプティマイズド(EV-DO)などの、第3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2)によって定義されたシステムに拡張されてもよい。他の例は、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、ウルトラワイドバンド(UWB)、Bluetooth(登録商標)、および/または他の好適なシステムを採用するシステム内で実施されてもよい。採用される実際の電気通信規格、ネットワークアーキテクチャ、および/または通信規格は、特定の適用例およびシステムに課される全体的な設計制約に依存する。
【0087】
本開示内では、「例示的」という単語は、「例、事例、または例示としての役割を果たす」ことを意味するために使用される。「例示的」として本明細書で説明したいかなる実装形態または態様も、必ずしも本開示の他の態様よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきでない。同様に、「態様」という用語は、本開示のすべての態様が、説明した特徴、利点、または動作モードを含むことを必要としない。「結合される」という用語は、2つの物体間の直接的または間接的な結合を指すために本明細書において使用される。たとえば、物体Aが物理的に物体Bに接触し、物体Bが物体Cに接触している場合、物体Aと物体Cは、互いに物理的に接触していない場合でも、依然として互いに結合されていると見なされてもよい。たとえば、第1の物体が第2の物体と直接的に物理的に接触していなくても、第1の物体は第2の物体に結合されてもよい。「回路(circuit)」および「回路構成(circuitry)」という用語は広く使用され、電子回路のタイプに関して限定はしないが、接続および構成されたとき、本開示で説明した機能の実行を可能にする電気デバイスのハードウェア実装と導体の両方、ならびにプロセッサによって実行されたとき、本開示で説明した機能の実行を可能にする情報および命令のソフトウェア実装を含むものとする。
【0088】
図1~
図18に示す構成要素、ステップ、特徴、および/または機能のうちの1つまたは複数は、並べ替えられてよく、かつ/または単一の構成要素、ステップ、特徴、もしくは機能に組み合わせられてよく、あるいはいくつかの構成要素、ステップ、または機能において具現化されてもよい。本明細書で開示する新規の特徴から逸脱することなく、さらなる要素、構成要素、ステップ、および/または機能が追加されることもある。
図1~
図18に示された装置、デバイス、および/または構成要素は、本明細書で説明した方法、特徴、またはステップのうちの1つまたは複数を実行するように構成されてもよい。本明細書で説明した新規のアルゴリズムはまた、ソフトウェアに効率的に実装されてもよく、かつ/またはハードウェアに組み込まれてもよい。
【0089】
開示する方法におけるステップの特定の順序または階層が例示的なプロセスを示すものであることを理解されたい。設計選好に基づいて、方法におけるステップの特定の順序または階層が並べ替えられてもよいことが理解される。添付の方法クレームは、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、そこに特に記載されていない限り、提示された特定の順序または階層に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0090】
100 アクセスネットワーク
102、104、106 マクロセル
108 スモールセル
110、112、114、118 基地局
116 RRH
120 クアッドコプターまたはドローン
122、124、126、128、130、132、134 UE
127 サイドリンク信号
138、140、142 UE
202 スケジューリングエンティティ
204 スケジュール対象エンティティ
204a 第1のスケジュール対象エンティティ
204b 第2のスケジュール対象エンティティ
206 トラフィック、ダウンリンクトラフィック
208 制御情報
210 アップリンクトラフィック
212 アップリンク制御情報
214 サイドリンクデータ
216 サイドリンク制御情報
300 スケジューリングエンティティ
302 バス
304 プロセッサ
305 メモリ
306 コンピュータ可読媒体
308 バスインターフェース
310 トランシーバ
312 ユーザインターフェース
314 処理システム
332 通信回路
334 リソース判定回路
336 リソース割振り回路
342 通信命令
344 リソース判定命令
346 リソース割振り命令
400 スケジュール対象エンティティ
402 バス
404 プロセッサ
405 メモリ
406 コンピュータ可読媒体
408 バスインターフェース
410 トランシーバ
412 ユーザインターフェース
414 処理システム
432 通信回路
434 リソース割振り回路
444 リソース割振り命令
500 DLセントリックスロット
502 制御部分
504 DLデータ部分
506 共通ULバースト
600 ULセントリックスロット
602 制御部分
604 ULデータ部分
606 共通UL部分
700 通信リソースグリッド
702 リソース要素
800 リソース要素
802 リソース要素グループ
804 基準信号
902 CSS
904 USS
1002 共通CORESET
1004 UE固有CORESET
1100 DLスロット
1102 DL制御領域
1104 DLデータ部分
1106 共通ULバースト部分
1110 スロット
1112 DL制御領域
1114 DLデータ領域
1204 DLデータ部分
1208 制御リソース