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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】流体消費を測定する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01F 13/00 20060101AFI20220715BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20220715BHJP
   B65D 47/06 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
G01F13/00 311Z
B65D83/00 G
B65D47/06 300
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019545773
(86)(22)【出願日】2018-03-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 AU2018050293
(87)【国際公開番号】W WO2018176097
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-01-27
(31)【優先権主張番号】2017901134
(32)【優先日】2017-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516264369
【氏名又は名称】プラタップ プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Puratap Pty Ltd
【住所又は居所原語表記】14-16 Stepney Street STEPNEY SA 5069 AUSTRALIA
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】メバーソン,ニコラス
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-139461(JP,A)
【文献】実開昭57-156825(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0146659(US,A1)
【文献】国際公開第2016/145027(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 13/00
B65D 47/06
B65D 83/00
A47J 27/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器からの流体の使用量を測定する装置であって、
前記容器の出口内に又は該出口に隣接して位置付けられ、前記出口内の又は前記出口に隣接する水の存在又は不存在を監視するように構成される、近接センサ又は複数の近接センサと、
前記流体が前記出口を通じて流れ始めるときの前記容器の第1の角度を決定し、前記流体が前記出口を通じて流れるのを停止するときの前記容器の第2の角度を決定する、角度センサであって、角度データを収集するために前記近接センサ又は複数の近接センサによって起動される、角度センサと、
該角度センサからの前記角度データ又はそれらからの処理済みデータをコンピューティングデバイス又はディスプレイユニットに送信する送信器とを含み、
前記角度データ又は処理済みデータは、前記出口を通過した前記流体の容積を計算し或いは示すために使用される、
装置。
【請求項2】
前記近接センサ又は複数の近接センサから近接データを受信し、前記角度センサから前記角度データを受信する、コントローラを更に含み、前記角度データ又は処理済みデータは、その送信のために前記送信器に伝送される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記出口は、ユーザが前記容器内からの前記流体を飲むことができる或いは他の方法でアクセスすることができる注口を含み、該注口は、前記容器に固定的に取り付けられることができ、或いは前記容器の本体に対して移動可能であることができる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記近接センサ又は複数の近接センサは、少なくとも2つの流体接触ピンを含むことで、該流体接触ピンのうちの2つ又はそれよりも多くが流体内に浸漬されると、所定の電流がそれらの間で流れるようにさせられて、前記少なくとも2つの流体接触ピンに隣接する前記流体の存在を示す、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記近接センサは、前記注口の一方の側に配置された第1の接触ピンと、前記注口の反対側に配置された3つの離間した二次的な接触ピンとを含むことで、前記容器が概ね水平な平面に沿って位置付けられるときに、前記3つの二次的な接触ピンが概ね垂直な軸に沿って離間することにより、前記容器の長手軸が前記水平な平面に接近するにつれて、前記二次的な接触ピンは徐々に覆われ、それにより、前記二次的な接触ピンが徐々に覆われるにつれて、所定の電流が前記第1の接触ピンと前記二次的な接触ピンの各々との間で徐々に流れるようにさせられる、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記容器は、ベースと、前記流体を保持するチャンバ又は貯槽を境界付ける上向きに延びる周壁とを含む、ボトルの形態にあり、可逆的に取り付け可能な蓋アセンブリが、前記チャンバ又は貯槽を封止するために、前記周壁の頂縁に接続され、前記注口は、概ね垂直な軸に沿って移動可能であり、前記蓋アセンブリの上方部分に取り付けられ、前記チャンバを封止するために閉鎖可能であり、前記周壁は、概ね円筒形であり、垂直に細長く、概ねディスク形状の蓋アセンブリが、前記ボトルの開放上方端の上に取り付けられる、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
容器からの流体の使用量を測定するための、前記容器への取付けのための蓋アセンブリであって、
当該蓋アセンブリの出口内に又は該出口に隣接して位置付けられ、前記出口内の又は前記出口に隣接する前記流体の存在又は不存在を監視するように構成される、近接センサ又は複数の近接センサと、
前記流体が前記出口を通じて流れ始めるときの前記蓋の第1の角度を決定し、前記流体が前記出口を通じて流れるのを停止するときの前記容器の第2の角度を決定する、角度センサであって、角度データを収集するために前記近接センサ又は複数の近接センサによって起動される、角度センサと、
該角度センサからの前記角度データ又はそれらからの処理済みデータをコンピューティングデバイス及び/又はディスプレイユニットに送信するための送信器とを含み、
前記角度データ又は処理済みデータは、前記出口を通過した前記流体の容積を計算し或いは示すことにより、ユーザによる流体消費量を計算するために使用される、
蓋アセンブリ。
【請求項8】
容器からの流体の使用量を測定する方法であって、
前記容器の出口内に又は該出口に隣接して近接センサ又は複数の近接センサを配置するステップであって、前記近接センサ又は複数の近接センサは、前記出口内の又は前記出口に隣接する前記流体の存在又は不存在を監視するように構成される、ステップと、
角度センサを前記容器に取り付けるステップであって、前記角度センサは、前記流体が前記出口を通じて流れ始めるときの前記容器の第1の角度を測定するように構成され、前記流体が前記出口を通じて流れるのを停止するときの前記容器の第2の角度を測定するように構成される、ステップと、
送信器を前記容器に取り付けるステップであって、前記送信器は、前記角度センサによって収集される角度データ又はそれらからの処理済みデータをコンピューティングデバイス及び/又はディスプレイユニットに送信するように構成される、ステップと、
前記流体が前記近接センサ又は複数の近接センサに接触して、前記出口を通じて流出させられるように、前記容器を第1の方向に傾けるステップであって、前記角度センサは、それにより起動させられて、前記第1の角度を測定する、ステップと、
前記流体が前記近接センサ又は複数の近接センサから離れて、前記出口を通じて流出するのを停止するように、前記容器を第2の方向に移動させるステップであって、前記角度センサは、それにより起動させられて、前記第2の角度を測定し、前記流体が前記出口を通じて流出させられるときと前記流体が前記出口を通じて流出するのを停止するときとの間の時間は、事象を境界付ける、ステップと、
該事象の間に前記出口を通過した前記流体の容積を計算するステップと、
前記事象の間に前記出口を通過した前記流体の容積を示す指標又はそれに関する情報をユーザに表示するステップとを含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人による容器からの液体消費を測定する装置及び方法に関する。具体的には、本発明は、スマートフォン又はアクティビティトラッカ若しくはスマートウォッチのようなウエアラブルへのワイヤレス接続性を有する所謂「スマートボトル(smart bottle)」からドリンク事象(drinking event)を測定することに関する。
【背景技術】
【0002】
個人の様々なメトリック(測定基準)(metrics)が、1日を通じて、特にフィットネス活動中に測定されることが、今日では一般的である。これらのパラメータは、個人のパフォーマンスを測定し、比較し、且つ追跡(トラッキング)するために使用され、心拍数、歩数、睡眠持続時間/質、活動の強度及び持続時間を含むことがある。しかしながら、測定が困難であったメトリックの1つは、個人の水和(hydration)であった。このメトリックは、運動中の脱水が重度の有害な健康影響を有し得る故に極めて重要である。
【0003】
ウエアラブルに埋め込まれた赤外線光を用いて個人の水分含有量を測定する試みがなされてきた。しかしながら、これらの試みは、限定的に過ぎない成功を示した。様々な「スマートボトル」も市場に出されており、あるいは消費された水の量を測定して、このデータをワイヤレスに接続されたアクティビティトラッカ、スマートウォッチ又はスマートフォンに送信することが、公開された先行技術において提案されている。
【0004】
現在市販されているそのようなボトルの1つは、H2O-Palという商標の下で販売されており、水ボトルのベースに取り付けられた薄いモジュールを含み、モジュールは、加速度計及び重量センサを介してユーザの水摂取量を追跡することにより、ボトル内の水位を監視(モニタリング)する。次に、通知が、Bluetooth Smart(登録商標)を介してユーザの電話機上のアプリに送信される。そのようなデバイスの問題は、水使用が正確に測定されるために、飲水(drinking)の間に水ボトルを硬い表面の上に置かなければならないことであり、それは、例えば、人が歩いている場合には、実用的でないことがある。
【0005】
別のデバイスが、流出チャネル内に配置されるインペラを含む、個人の水和(hydration)を推定する液体消費デバイスを開示する、米国特許第6,212,959号(Perkins)において提案されている。インペラの回転速度は、メータを通じる流体の流量に比例し、従って、ユーザの水消費量を計算することができる。
【0006】
更に別の装置が、米国特許出願公開第2016/0146659号(Saltzgiver et al.)に開示されており、ボトル蓋内に配置されるセンサが、容器内の液体レベルの変化を追跡するように構成されている。このセンサは、容器内の液体のレベルを示すように構成された超音波液体レベルセンサを含む。
【0007】
しかしながら、既存の「スマートボトル」デバイスは、構成要素の費用、電力効率を含む、様々な問題を抱えており、Perkinsに開示されるインペラの場合には、洗浄するのが困難な構成要素を含むことがあり、或いは使用中に詰まることがある。
【0008】
本明細書を通じて使用される「近接センサ(proximity sensor)」という句は、容器内の特定の場所で水のような流体の存在を検出するために使用される任意の種類のセンサ又はスイッチを包含すると理解されるべきである。
【0009】
明細書を通じた先行技術のあらゆる議論は、本発明のための文脈を提供する目的のためにのみ含められていることが理解されるべきであり、そのような先行技術が本出願の優先日前に存在したものとして広く知られていたこと又は当該技術分野の一般知識の一部を形成したことの自白であると如何様にも考えられてならないことが理解されるべきである。
【発明の概要】
【0010】
必ずしも最も広くない或いは唯一の態様でない本発明の1つの態様では、容器からの流体の使用量を測定する装置であって、
容器の出口内に又は出口に隣接して位置付けられ、出口内の又は出口に隣接する水の存在又は不存在を監視するように構成される、近接センサ又は複数の近接センサと、
流体が出口を通じて流れ始めるときの容器の第1の角度を決定し、流体が出口を通じて流れるのを停止するときの容器の第2の角度を決定する、角度センサであって、角度データを収集するために近接センサ又は複数の近接センサによって起動される、角度センサと、
度センサからの角度データ又はそれらからの処理済みデータをコンピューティングデバイス又はディスプレイユニットに送信する送信器とを含み、
角度データ又は処理済みデータは、出口を通過した流体の容積を計算し或いは示すために使用される、
装置が提供される。
【0011】
1つの形態において、装置は、近接センサ又は複数の近接センサから近接データを受信し、角度センサから角度データを受信するコントローラを更に含み、データ又はセンサからの処理済みデータは、その送信のために送信器に伝送される。
【0012】
好ましい形態において、近接センサは、少なくとも2つの流体接触ピンを含む。2以上(2つ又はそれよりも多く)の流体接触ピンが流体内に浸漬されると、弱い電流がそれらの間で流れるようにさせられて、流体の存在を示す。当業者は、ミネラルのような非常に希薄な濃度の物質さえも含有する水が電流を運ぶことを理解するであろう。従って、装置は、水の導電率が8~10ppm程の低さであるときでさえ、容器内の特定の場所で水を検出するように構成されてよい。
【0013】
1つの形態において、少なくとも2つの流体接触ピンは、概ね水平な平面上で離間した構成において配置されてよい。
【0014】
好ましい形態では、前記近接センサは、第1の接触ピンが注口の一方の側に配置され、3つの離間した二次的な接触ピンが注口の反対側に配置されることで、細長いボトルが概ね水平な構成において位置付けられるときに、3つの二次的な接触ピンは、概ね垂直な軸に沿って離間する。3つの二次的な接触ピン及び第1の接触ピンのうちの最も低いものは、水平な平面に概ね沿って位置付けられ、中間及び上方の二次的な接触ピンは、第1の接触ピンに対して徐々により高く設定される。このようにして、水の高さが増加すると、即ち、ボトルが垂直位置から水平位置へ傾けられると、二次的な接触ピンは徐々に覆われ、それらが覆われるにつれて、弱い電流が第1の接触ピンと二次的な接触ピンの各々との間に流れるようにさせられる。これは近接センサの精度を向上させ、ボトル内の水の零れ(water slop)と関連する問題の一部を克服する。ボトルを垂直又は垂直位置に下げられるときに、同じ精度の向上が起こる。
【0015】
更に別の形態において、少なくとも2つの流体接触ピン又は複数の近接センサは、概ね垂直な軸に沿って離間して注口内に配置されてよい。しかしながら、読者は、本発明の範囲から逸脱することなく、接触ピンの数及び構成を変更し得ることを理解するべきである。
【0016】
好ましくは、出口を通過した流体の容積は、ユーザによる流体消費量を計算するために使用され、次に、それはユーザのおおよその水和を決定するために使用される。
【0017】
好ましくは、容器は既知の容積を有するボトルである。ボトルは、ユーザによって携帯可能であってよく、把持可能であってよい。出口は、好ましくは、ユーザが容器内から液体を飲むことができる或いは他の方法でアクセスすることができる注口を含む。
【0018】
好ましくは、出口を通過した流体の容積は、単一のドリンク事象(飲み事象)(drinking event)又は注入事象(pouring event)の間にあってよい。
【0019】
容器が再充填を必要とするときを示すために、単一のドリンク事象又は注入事象後に容器内に残存する流体の容積を計算することができる。
【0020】
容器は、1つの形態において、流体を保持するチャンバ又は貯槽を境界付ける上向きに延びる周壁に隣接するベースを含むボトルである。チャンバ又は貯槽を封止するために、可逆的に取り付け可能な蓋アセンブリが、壁の頂部周縁に接続される。注口は、好ましくは、概ね垂直な軸に沿って移動可能であり、蓋アセンブリの上方部分に取り付けられ、閉鎖可能又はシール可能である。
【0021】
1つの形態において、周壁は、概ね円筒形であり、垂直に細長く、概ねディスク形状の蓋アセンブリが、容器の開放した上方端の上に取り付けられる。
【0022】
注口はディスク形状の蓋アセンブリの中央にあってよく、或いは好ましい形態において、注口はディスク形状の蓋アセンブリの中心点からオフセットされてよい。
【0023】
装置は、傾斜させられるときに容器の長手軸に対する近接センサ又は複数の近接センサの場所を決定する回転センサを含んでよい。
【0024】
装置は、処理済みデータが送信器を介してコンピューティングデバイス及び/又はディスプレイユニットに送信される前に複数のセンサからのデータを処理するプロセッサを更に含んでよい。コンピューティングデバイスは、センサからのデータの更なる処理を引き受けることがある。代替的に、複数のセンサからのデータは、データの処理の全てを引き受けるコンピューティングデバイスに直接的に送信される。
【0025】
プロセッサ又はコントローラは、好ましくは、低電力要件を具備するマイクロコントローラ又はマイクロプロセッサである。
【0026】
装置は、好ましくは、バッテリのような電源を含む。バッテリは、ボタン電池バッテリ(button cell battery)であってよく、好ましくは、蓋アセンブリ内に保持される。ボタン電池バッテリは、小さな子供のような認可されていない人によるアクセスを阻止するよう、不正開封防止ハウジング内に保持されてよい。1つの形態において、不正開封防止ハウジングは、ボタン電池バッテリを保持するロック部材を含み、ロック部材は、協働するツールによってのみロック解除されることができる。他の形態において、バッテリは、バッテリを取り外すことによって或いはケーブル又は携帯充電ユニットを現場で使用することによって再充電可能であってよい。代替的に、バッテリを再充電するために、再充電ユニットが装置に組み込まれてよい。
【0027】
コンピューティングデバイス又はディスプレイユニットは、スマートフォン、アクティビティトラッカ、スマートウォッチ、ウエアラブル又はポータブル表示手段、ラップトップ、タブレット、又は他のパーソナルコンピューティングデバイスであってよい。
【0028】
1つの形態において、データ又は処理済みデータは、コンピューティングデバイスのユーザフレンドリなディスプレイモジュール上に表示されてよい。
【0029】
装置は、容器が急激に傾けられるならば、零れ速度(rate of slop)を推定し或いは計算するために、容器の加速度を測定する加速度計を更に含んでよい。
【0030】
好ましくは、容器の動きは3つの軸に沿って測定され、それにより、容器の向き及び傾斜を計算する。
【0031】
装置は、コンピューティングデバイス又はディスプレイユニットが装置とペアリングされていないときに、データ又は処理済みデータを格納するフラッシュメモリを含んでよい。
【0032】
本発明の別の態様では、容器からの流体の使用量を測定するための容器への取付けのための蓋アセンブリであって、
蓋アセンブリの出口内に又は出口に隣接して位置付けられ、出口内の又は出口に隣接する流体の存在又は不存在を監視するように構成される、近接センサ又は複数の近接センサと、
流体が出口を通じて流れ始めるときの蓋の第1の角度を決定し、流体が出口を通じて流れるのを停止するときの容器の第2の角度を決定する、角度センサであって、角度データを収集するために近接センサ又は複数の近接センサによって起動される、角度センサと、
度センサからの角度データ又はそれらからの処理済みデータをコンピューティングデバイス及び/又はディスプレイユニットに送信するための送信器とを含み、
角度データ又は処理済みデータは、出口を通過した流体の容積を計算し或いは示すことにより、ユーザによる流体消費量を計算するために使用される、
蓋アセンブリが提供される。
【0033】
更に別の態様では、上記のいずれかに従った容器からの流体使用量を測定するための装置を含む出口を有する容器が提案される。
【0034】
本発明の更に別の態様では、容器からの流体の使用量を測定する方法であって、
容器の出口内に又は出口に隣接して近接センサ又は複数の近接センサを配置するステップであって、近接センサ又は複数の近接センサは、出口内の又は出口に隣接する流体の存在又は不存在を監視するように構成される、ステップと、
角度センサを容器に取り付けるステップであって、角度センサは、流体が出口を通じて流れ始めるときの容器の第1の角度を測定するように構成され、流体が出口を通じて流れるのを停止するときの容器の第2の角度を測定するように構成される、ステップと、
送信器を容器に取り付けるステップであって、送信器は、度センサによって収集される角度データ又はそれらからの処理済みデータをコンピューティングデバイス及び/又はディスプレイユニットに送信するように構成される、ステップと、
流体が近接センサ又は複数の近接センサに接触して、出口を通じて流出させられるように、容器を第1の方向に傾けるステップであって、角度センサは、それにより起動させられて、第1の角度を測定する、ステップと、
流体が近接センサ又は複数の近接センサから離れて(disengages)、出口を通じて流出するのを停止するように、容器を第2の方向に移動させるステップであって、角度センサは、それにより起動させられて、第2の角度を測定し、流体が出口を通じて流出させられるときと流体が出口を通じて流出するのを停止するときとの間の時間は、事象を境界付ける、ステップと、
事象の間に出口を通過した流体の容積を計算するステップと、
事象の間に出口を通過した流体の容積を示す指標(しるし)(indicia)又はそれに関する情報をユーザに表示するステップとを含む、
方法が提供される。
【0035】
好ましくは、事象は、ドリンク事象である。より好ましくは、流体は、例えば、水のような、非粘性流体であるが、それに限定されない。
【0036】
指標は、ミリリットル又は流体オンスで測定されるドリンク事象中に消費される流体の容積であってよい。代替的に、装置のプロセッサ又はワイヤレスにリンクされるコンピューティングデバイスは、ユーザの年齢、フィットネス、気候、活動及び時刻に依存して、ユーザによって必要とされる流体の量を計算し、それにより、十分に水和されたままであるためにユーザによって必要とされる流体の総量のパーセンテージとして指標を表示してよい。
【0037】
装置のプロセッサ又はコントローラ又はワイヤレスにリンクされるコンピューティングデバイスは、ボトル又は容器に取り付けられたディスプレイユニット、例えば、所要の量の流体がユーザによって消費されたか否かを示すコード化された赤色、橙色、緑色のLEDライトと通信してよい。
【0038】
この明細書に組み込まれてこの明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施を例示し、本記述及び請求項と共に、本発明の利点及び原理を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】ボトルに取り付けられた本発明の装置の1つの実施形態の側断面図である。
図2】垂直位置にある装置、蓋アセンブリ及びボトルの第2の実施形態の側面断面図である。
図3】水位が近接センサに接触する第1の傾斜位置にある図2の装置、蓋アセンブリ及びボトルの側断面図である。
図4】水が出口を通じて流出する第2の傾斜位置にある図2の装置、蓋アセンブリ及びボトルの側面断面図である。
図5】水位は近接センサの下方に戻る、第3の傾斜位置に反対方向に傾けられた、図2の装置、蓋アセンブリ及びボトルの側断面図である。
図6】第1レベルL1から第2レベルL2への水位の低下を示す図2の装置、蓋アセンブリ及びボトルの側面断面図である。
図7a】収縮可能な注口を隠す枢動可能なフラップによって覆われる開口を有する本発明の蓋アセンブリの別の実施形態の斜視図である。
図7b】蓋アセンブリの本体及び枢動可能なフラップの動きを例示する図7aの蓋アセンブリ及びボトルの斜視図である。
図7c】延出位置にある注口を示す図7aの蓋アセンブリ及びボトルの斜視図である。
図8】装置の第3の実施形態の構成要素を示す図7aの蓋アセンブリ及びボトルの分解図である。
図9図8の装置支持フレームの斜視図である。
図10図8の注口の斜視図である。
図11a】リードスイッチに隣接する磁石を例示する図8の注口及び装置の支持フレームの斜視図である。
図11b】リードスイッチから離間する磁石を例示する図11aの注口及び装置支持フレームの斜視図である。
図12a】収縮位置にある注口を例示する、図7aのボトル及び装置を含む蓋アセンブリの側断面図である。
図12b】延出位置にある注口を例示する図12aの蓋アセンブリ、装置及びボトルの側断面図である。
図12c】第1の傾斜位置にある図12aの蓋アセンブリ、装置及びボトルの側断面図である。
図12d】近接センサに接触する水を例示する第2の傾斜位置にある図12aの蓋アセンブリ、装置及びボトルの側面断面図である。
図12e】出口を通じて流出する水を例示する第3の傾斜位置にある図12aの蓋アセンブリ、装置及びボトルの側面断面図である。
図12f】水位が近接センサの下方に低下することを例示する第4の傾斜位置にある図12aの蓋アセンブリ、装置及びボトルの側面断面図である。
図12g】ドリンク/注入事象後のより低い水位を例示する直立位置にある図12aの蓋アセンブリ、装置及びボトルの側面断面図である。
図13a】第1の接触ピン及び3つの二次的な接触ピンを例示する別の実施形態の通信モジュールの下面斜視図である。
図13b図13aの通信モジュールの下面図である。
図13c図13aの通信モジュールの下面斜視図である。
図13d図13aの通信モジュールの背面図である。
図14】注口の位置を示す図13aの通信モジュールの側面図である。
図15図13aの通信モジュールの1つの実施形態の回路配置図である。
図16】垂直に離間した近接センサを例示する本発明の更に別の実施形態の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
類似の参照符号は、図面を通じて対応する部分を示している。図面に示す特定の部品の寸法は、明瞭性又は例示の目的のために修正及び/又は誇張されていることがある。
【0041】
より詳細な記述のために図面を参照すると、本発明の原理が利用されてよい構成を一例として実証する、容器12(container)内の流体レベルの変化を測定する装置10が例示されている。読者は、装置10がオフセットされた注口16(spout)を備える蓋14(lid)を有するボトル12(bottle)と一緒の使用に関して主に記載されていることを理解すべきである。しかしながら、本発明はこの特定の用途に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく、他の種類の容器及び注口を使用することができ、例えば、注口16は蓋14の中央にあってよいことが理解されるべきである。
【0042】
図1を参照すると、蓋又は蓋アセンブリ14を有するボトル12からの流体消費を測定する装置10の1つの実施形態が例示されている。ボトル12は、既知の容積(volume)のチャンバ22を形成する上方に延びる円周壁20に隣接するベース18を有する。蓋アセンブリ14は、円周壁20の頂部にあるネジ山26と協働するネジ山付き部分24を介してボトル12に取り付けられる。蓋アセンブリ14は、蓋アセンブリ14をボトル12から取り外すことができないように或いは蓋アセンブリ14が周囲壁20と可逆的に係合することがあるように、ボトル12の頂部に固定的に取り付けられてよい。摩擦係合のような他の係合部材を使用することができ、或いは蓋はボトル12に熱溶接されてよい。
【0043】
本実施形態の蓋アセンブリ14は、ユーザが水のような内容物30にアクセスすることができる出口28を形成する固定的な注口16を含む。
【0044】
近接センサ32が出口28に隣接して位置付けられて、出口28を通じる水の流れを監視する。しかしながら、読者は、近接センサ32が出口内に配置されてよく、2以上(2つ又はそれよりも多く)のセンサ又はセンサ素子を含んでよいことを理解するべきである。現在入手可能な又は従来技術で提案されている他の幾つかのボトルシステムとは異なり、近接センサ32は、出口を通じる実際の流量を測定せず、むしろ出口28内の又は出口28に隣接する流体30の存在又は不存在を測定し、それは詳細な記述を通じてより明確になるであろう。
【0045】
装置10は、図3に関して議論するように、流体30が出口32を通じて流れ始めるときに、ボトル12の第1の角度Aを決定又は測定する角度センサ34を更に含み、角度センサ34は、図5に関して議論するように、流体30が出口28を通じて流れるのを止めるときに、ボトル12の第2の角度Bを決定又は測定するためにも使用される。
【0046】
図1に戻ると、装置10は、コントローラ又はプロセッサ36、送信器38、及び電源40を更に含む。プロセッサ36は、近接センサ32、角度センサ34、及び非限定的に長手軸の周りのボトル12の回転を測定する軸センサ42のような任意の他の関連するセンサからのデータを処理するように構成される。次に、処理されたデータは、送信器38に送られる。
【0047】
コントローラ又はプロセッサ36は、流体30が出口28を通じて流れ始めるときのボトル12の角度を、流体30が出口28を通じて流れるのを止めるときのボトル12の角度と比較することによって、出口28を通過する流体の容積を計算するように構成される。
【0048】
水のような流体は、水平な平面に対応するその自然なレベルを見出すので、チャンバ22内の流体が少なければ少ないほど、流体30が出口28から流れ出るためにボトル12が傾斜させられなければならない角度はより大きい。チャンバ22の容量(capacity)は知られているので、プロセッサ36は、流体が近接センサ32と接触するときの又は近接センサ32と接触しなくなるときの角度におけるボトル内の流体の容積を計算することができる。
【0049】
次に、送信器38は、処理されたデータを、短距離ネットワークを介して、スマートフォン44又はアクティビティトラッカ46のような、コンピューティングデバイス及び/又はディスプレイユニットにワイヤレスに送信して、例えば、ドリンク事象(飲水事象)(drinking event)の間に出口28を通過した、流体の容積を表示する。短距離ネットワークは、独立した低電力無線ネットワーク(low power radio network)、BLUETOOTH(登録商標)又はBLUETOOTH(登録商標)Low Energy(BLE)であってよい。
【0050】
しかしながら、読者はセンサ32、34、42からのデータを外部コンピューティングデバイス及び/又はディスプレイユニット44、46に直接的に送信し得ることを理解するであろう。
【0051】
次に、処理されたデータ又はセンサ32、34、42からのデータを、コンピューティングデバイス及び/又はディスプレイユニット44又は46によって使用して、ユーザの水和(hydration)を推定し、それらがより多くの水和を必要とするか或いは十分に水和されているか否かをそれらに通知することができる。
【0052】
センサ34、42、プロセッサ36、送信器38及び電源40は、封止されたハウジング48内に保持される。封止されたハウジング48は、構成要素(コンポーネント)を流体30及び承認されていない改竄から保護する。封止されたハウジング48は、蓋14と一体であってよく、或いは蓋14から取り外し可能であってよく、それにより、封止されたハウジング48内の構成要素を損傷することなく、ボトル12及び蓋アセンブリ14を洗浄することができる。様々なシール及び配線を用いて構成要素をシールし且つ接続することができるが、詳細には議論されない。何故ならば、それらは当業者に明らかだからである。
【0053】
図2図5は、ボトル12と、固定された注口16を備える蓋アセンブリ14と、近接センサ32と、角度センサ34とを含む、装置10の第2の実施形態を例示している。明確性のために、図1に詳述した構成要素の一部は、例示されず或いは議論されない。
【0054】
図2を参照すると、ボトル12は、直立位置で示されており、ボトル12の長手軸50は、垂直に整列されている。チャンバ22内に収容される流体30は、水平な平面と整列するそれ自体のレベルを自然に見出すことにより、ボトル12が直立にあるときに長手軸50に対して垂直である。従って、流体30の表面レベル52は、近接センサ32から離間する。
【0055】
図3に例示するように、ボトル12が矢印54の方向に傾斜させられると、流体30の表面レベル52は、概ね水平な平面上に留まる。しかしながら、ボトル12の長手軸50は、垂直から離れる方向に移動しているので、流体30の表面レベル52は、近接センサ32と接触するようになる。流体30の存在が近接センサ32によってひとたび検出されると、角度センサ34は、ボトル12の第1の角度Aを決定するように構成される。ボトル12の寸法は知られているので、ボトルが第1の角度Aで傾けられるときの容積を計算することができる。
【0056】
図4に例示するように、ボトル12が矢印54の方向に傾けられ続けると、水30は、出口28を通じて流出する。これは、ドリンク事象の間又は飲むために流体がユーザによって容器内に注入される(注がれる)(poured)ときであり得る。ドリンク事象又は注入事象(pouring event)がひとたび終了すると、ボトル12は、図5の矢印56によって示すように、反対方向に傾けられ、流体30の表面レベル52は、近接センサ32の下方に戻る。この時点で、角度センサ34は、ボトル12の第2の角度Bを決定するように構成され、従って、残りの流体の容積を計算することができる。
【0057】
次に、図6に示すように、初期レベルL1とその後のレベルL2との間の差58を計算することにより、ドリンク事象の容積を決定することができる。次に、これを心拍数モニタ、アクティビティトラッカ、スマートウォッチ及び/又は気象センサのような他のモニタからのデータと併せて使用して、ユーザの流体所要量を計算することができ、ユーザの正しい水和を維持するために行われている活動に照らしてドリンク事象の容積が十分であったか否かを計算することができる。
【0058】
図7a~図12gを参照すると、装置10の第3の実施形態が例示されており、蓋アセンブリ14は、収縮可能な(retractable)注口16を含む。
【0059】
収縮可能な注口16の動作は、本出願人の名前で「BOTTLE LID ASSEMBLY WITH RETRACTABLE SPOUT」という名称のPCT/AU2015/050567号において以前に開示しており、それは本明細書に参照として援用される。従って、収縮可能な注口アセンブリの詳細の一部は、本発明を曖昧にしないよう繰り返されない。しかしながら、読者は、注口又は開口が収縮可能であるか固定されるかに拘わらず或いは注口又は開口が蓋の中央に配置されているか或いは中心点からオフセットしているかに拘わらず、装置10を任意の注口又は開口に組み込み得ることを理解するべきである。
【0060】
図7aは、ボトル12及び蓋アセンブリ14を例示しており、蓋アセンブリ14は、その中に保持された装置10を有する。蓋アセンブリ14は、頂カバー70と、回転可能な本体72と、移動可能な注口16とを含む。頂カバー70は、枢動可能なフラップ76によって閉じることができる開口74を含む。注口16は、注口16が本体72内に配置され且つカバー70の下方に配置される図7aに例示するような収縮位置(retracted position)と、注口16がカバー72にある開口74を通じて延びる図7cに例示するような延出位置(extended position)との間で、ボトル12の長手方向50と平行な第1の軸に沿う付勢された動きのために構成される。
【0061】
本実施形態においてボトルは概ね円筒形であるが、任意の形状又は大きさのボトル100に蓋アセンブリ14を取り付けることができる。
【0062】
蓋アセンブリ14は、以前に議論したように、ボトル12への接続のために構成されたベース部材78を更に含む。PCT/AU2015/050567号に開示されているように、頂カバー70及びベース部材78は、固定的な関係に保持され、本体72は、第1の位置と第2の位置との間で長手軸50の周りでそれらの間を回転することができる。
【0063】
ボタン82とロックデバイス84とを含む解放可能なラッチ機構80が、注口16を収縮位置から延出位置に移動させる手段を提供する。本体が回転し始めると、図7bに例示するように、枢動可能なフラップ76は、開口74を空けて(clears)、注口16が収縮位置から延出位置にそこを通じて上向きに移動するのを可能にする。延出位置では、図7cに例示するように、人は注口16を使用してボトル12内に収容される流体30にアクセスすることができる。
【0064】
ユーザが注口16から液体を飲んだり或いは注いだりするのを終えると、彼らは本体72の外面を掴み、それを付勢に抗して閉じた位置に手動で回転させることができ、その場合、注口16は収縮され、枢動可能なフラップ76は開口74を閉じる。ラッチ機構80は、ボタン82がユーザによって作動されるまで、注口16を付勢に抗して閉じた位置に維持する。
【0065】
図8は、蓋アセンブリ14の分解図を例示しており、頂カバー70は、固定部材86を介してベース部材78に対して固定されることができる。注口16は、マウスピース92によって上方部分で境界付けられる流体経路28を組み込んだ本体部分88を含む。アーム94a、94b(腕部)及びフィンガ96a、96b、96c(指部)のセットが、本体部分88から側方に延び、アーム94a、94bは、それぞれの孔98を含む。
【0066】
本実施形態における本体22は、フライト(flight)又は3つの開始ネジ(start thread)の形態の内向きに突出するフランジ100a、100b、100cを備える円筒形の管状部材として形成されている。フィンガ96a、96b、96cは、内向きに突出するフランジ100a、100b、100cの頂縁(upper edge)に当接し、注口16が収縮位置と延出位置との間を移動するときにガイドとして作用する。
【0067】
ベース部材78は、付随シールボタンシール102(depending seal button seat)を含み、付随シールボタンシール102は、側方に開放され、シールボタン104を保持するように構成される。注口16が収縮位置にあるとき、注口16の本体部分88の下方リムは、シールボタン104の上面を支承し、よって、ボトル100からの流体は、注口16の流体経路28に入ることができない。注口16が延出位置にあるとき、本体部分88の下方リムは、シールボタン104から十分にクリアされており、よって、ボトル100からの流体は、シールボタンシート102の側部に形成される孔を通じて注口32の流体経路28内に流れることができる。しかしながら、読者は、他のシール構成を使用し得ることを理解するべきである。
【0068】
図8に更に例示するように、装置10は、支持フレーム110、ハウジング112、カバー114、及びシール部材116を含む。支持フレーム110に取り付けられる構成要素は、図9に関して議論される。
【0069】
現在例示されていないが当業者に明らかであろう様々な固定手段及びシールが、蓋アセンブリ14を構成するために使用される。固定手段及びシールのうちの一部の固定手段及びシールの詳細並びに移動可能な注口の動作は、参照として本明細書に援用されるPCT/AU2015/050567号に詳述されている。
【0070】
図9に例示するように、支持フレーム110は、多数の構成要素が取り付けられた構造を提供する。本実施形態のこれらの構成要素は、主動力ボタン118、Bluetooth(登録商標)無線モジュール120(radio module)、マイクロコントローラ(MCU)122、バッテリ124、傾斜スイッチ126、リードスイッチ128、LEDインジケータ130、角度センサ(e-コンパス)34、及び流体接触ピン134、136の形態の近接センサ32を含む。
【0071】
流体レベルが両方の流体接触ピン134、136に接触するとき、弱い電流がそれらの間を流れ、それは、図12dに関して議論するように、流体が注口16を通じて外に出ようとしていることを示す。流体レベルが流体接触ピン134、136の下方に低下すると、弱い電流は停止し、それは、図12fに関して議論するように、流体がもはや注口16を通じて流出していないことを示す。
【0072】
しかしながら、読者は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の種類の近接センサを使用することができ、例えば、近接センサはフロートスイッチ又は誘導センサの形態であってよいことを理解するべきである。更に、短距離通信は、Bluetooth(登録商標)技術を用いて行われることが想定されるが、本発明の範囲から逸脱することなく、他の形態の短距離通信を使用することができる。
【0073】
バッテリ寿命を節約するために、リードスイッチ128を使用して、装置10のオン及びオフを切り替え、或いはアクティブモードとスタンバイモードとの間で装置を切り替える。リードスイッチ128は、図10に例示するように、注口16に取り付けられる磁石138によって起動(アクティブ化)される。
【0074】
図11a及び図11bは、蓋アセンブリ14の他の構成要素から分離された支持フレーム110及び注口16を例示しており、それにより、リードスイッチ128の動作を例示している。図11aは、蓋アセンブリ14内に完全に収納された収縮位置にある注口16を例示している。この収縮位置において、磁石138は、リードスイッチ128に近接近している。従って、装置10のエレクトロニクス(電子機器)は、構成要素をスタンバイモードに置くか或いは電力供給される構成要素をオフに切り替えるように構成される。何故ならば、ボトル12は閉じられ、ドリンク事象が起こらないからである。
【0075】
図11bに例示するように、蓋アセンブリ14が注口16を延出位置に上げるように作動させられると、磁石138は、リードスイッチ128から離れる方向に移動する。次に、装置10のエレクトロニクスは、装置10の関連する構成要素をパワーアップする(power up)ように構成される。何故ならば、ドリンク事象又は注入事象が短い時間期間内に生じる可能性が高いからである。注口16が収縮位置に戻されると、装置10の電力供給される構成要素は、次に、スタンバイ又はオフモードにパワーダウンされる(powered down)。
【0076】
装置10の電力供給される構成要素は、注口16が延出位置にあるときに作動状態にあるだけなので、近接センサ32が起動されないで閉じられるときに、ボトル12を任意の角度に位置決めすることができる。何故ならば、装置はスタンバイ又はオフモードにあるからである。
【0077】
このようにして、バッテリ124は、ドリンク事象が生じる可能性が高い時間期間中にのみ使用される。しかしながら、読者は、ボトル12が閉塞構成にあり、注口16が収縮させられるときに、バッテリが、LEDインジケータ130又はボトル12上のディスプレイのような、特定のコンポーネントに依然として電力供給する場合があることを理解するべきである。従って、スタンバイ又はオフモードでは、バッテリ124からの幾らかの制限された電力が使用される場合がある。
【0078】
図12a~図12gは、ドリンク事象又は注入事象の間に装置10の本実施形態が通過する段階を例示している。本発明の動作を曖昧にしないように、全ての構成要素が図中にラベル付けされているわけではない。図12aは、蓋アセンブリ14内に収縮されて位置決めされ、枢動可能なフラップ76によって覆われた、注口16を例示している。図12aにおける流体30のレベルは、L1として示されている。図12bは、ラッチ機構80がひとたび解放されて、本体72が回転し、枢動可能なフラップ76が進路から外れることを可能にする、延出位置における注口16を例示している。この時点で、磁石138及びリードスイッチ128は、以前に議論したように互いから離れて位置付けられ、従って、装置10はアクティブ又はオンモードにある。
【0079】
次に、図12dに示すように、水位が近接センサ32の流体接触ピン134、136と接触するようになるまで、図12cに示すように、ボトル12は傾斜させられる。次に、傾斜スイッチ126が起動させられ、マイクロコントローラ122は、角度センサ34を介してボトル12の第1の角度Aの測定値を取る。次に、マイクロコントローラ122は、ドリンク事象又は注入事象の開始時にボトル12内に収容される流体30の容積を計算することができる。
【0080】
離間したピン134、136を近接センサ32として使用する利点の1つは、センサが起動させられる唯一のときが、両方のピンが浸漬されて、電流が流れることができるときである。これは、開放ボトル12がキャリアであるときに、水がチャンバ22内の周囲に散水される(splashed)ときに、近接センサ32が作動させられないことを意味する。
【0081】
図12eに例示するように、ボトル12が更に傾斜させられると、流体30は、チャンバ22内から注口16を通じて流出する。ドリンク事象又は注入事象の間、流体接触ピン134、136は、流体30内に完全に浸漬され、それらの間に弱い電流が流れる。
【0082】
ドリンク事象又は注入事象が完了すると、流体30が注口16を通って流出するのを止め、流体のレベルが流体接触ピン134、136の下方に下がるように、ボトル12は、図12fに例示するように、反対方向に傾斜させられる。従って、電流は、ピン134、136の間で流れることを止め、次に、ボトル12の第2の角度Bが、角度センサ34を用いて記録される。
【0083】
次に、マイクロコントローラ122を使用して、図12gにおけるL2によって示すように、流体30の新しいレベルを決定する。このようにして、ドリンク事象又は注入事象の間に出口を通過した流体30の容積を計算することができる。このデータは、ユーザが適切な水和を維持するために彼らの現在の状況に照らして十分な流体を消費したか否かをユーザに示すために利用されることができる。
【0084】
図13a~図14は、支持フレーム110の別の実施形態を例示しており、この場合、支持フレームは、通信モジュール又はBLUETOOTH(登録商標)モジュールである。図に例示するように、第1の接触ピン136が、注口16の一方の側に配置され、3つの離間した二次的な接触ピン134a、134b、134cが、注口16の反対側に配置されることで、ボトル12が概ね水平な配置に位置付けられるときに、3つの二次的な接触ピン134a、134b、134cは、図13bに例示するように、概ね垂直軸に沿って離間する。図13bに更に例示するように、3つの二次的な接触ピン134a及び第1の接触ピン136のうちの最も下のものは、概ね水平な平面に沿って位置付けられ、中央の二次的な接触ピン134b及び上方の二次的な接触ピン134cは、第1の接触ピン136に対して徐々に(progressively)より高く設定される。このようにして、水の高さが増大すると、ボトルの傾斜(tipping)中に、二次的な接触ピン134a、134b、134cは徐々に覆われる。
【0085】
読者は、最初に第1の接触ピン136及び第2の接触ピン134aが覆われ、弱い電流がそれらの間に流れるようにさせられることを理解すべきである。次に、水の高さが増大すると、ボトル12の傾斜中に、二次的な接触ピン134bが覆われ、弱い電流がそれと第1の接触ピン136との間を流れるようにさせられる。最後に、水の高さが更に増大すると、二次的な接触ピン134cが覆われ、弱い電流がそれと第1の接触ピン136との間を流れるようにさせられる。
【0086】
この二次的な接触ピン134a、134b、134cの順次の作動は、近接センサの精度を向上させ、移動中のボトル内の水の零れ(slop)と関連する問題の一部を克服する。
【0087】
図13a~図14に更に例示するように、通信モジュールは、ドリンク事象又は水和レベルをユーザに通知するために使用されるLEDディスプレイライト149を含む。図15は、通信モジュールの回路配置図の1つの実施形態を例示しているが、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、他の構成が可能である。
【0088】
図16は、垂直に離間した近接センサ150a、150b、150cを含む装置10の別の実施形態を例示している。このようにして、流体30が徐々に注口16に入ると、近接センサは順次に浸漬される。これは容器が急激に傾けられるときの容器内の流体の零れの結果としての誤った読取りを避けるために行われる。
【0089】
当業者は先行技術に対する例示の発明の利点を今や理解するであろう。1つの形態において、本発明は、既知の容積を有する異なる形状及びサイズのボトルに組み込むことができる容器からの流体の使用量を測定する方法を提供する。装置はボトルが運ばれているときでさえも流体の使用を追跡することができる。更に、オフに切り替えることができ或いはスタンバイモードに切り替えることができる低電力センサ及び構成要素の使用は、装置がバッテリの交換又は充電の間により長い使用可能な寿命を有することを意味する。装置は、ボトルからの流体使用量を正確に測定し、それはユーザの水和を予測するためにデータを使用することができることを意味する。
【0090】
本発明の様々な構成が本発明の例示的な実施形態との関係において具体的に示され且つ記載されたが、これらの特定の構成は本発明を例示するに過ぎず、それに限定されないことが理解されなければならない。従って、本発明は、本発明の精神及び範囲内に入る様々な修正を含むことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8
図9
図10
図11a
図11b
図12a
図12b
図12c
図12d
図12e
図12f
図12g
図13a
図13b
図13c
図13d
図14
図15
図16