(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】水平式ウェットプロセス治具
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20220715BHJP
【FI】
H01L21/68 N
(21)【出願番号】P 2020129851
(22)【出願日】2020-07-31
【審査請求日】2020-11-05
(73)【特許権者】
【識別番号】520249583
【氏名又は名称】聯策科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SYNPOWER CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.10, LANE 81, LONGSHOU ST., TAOYUAN DIST., TAOYUAN CITY 330, TAIWAN
(73)【特許権者】
【識別番号】520249594
【氏名又は名称】雷岡科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】LEI GANG TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1F., No. 13, Aly. 8, Ln. 90, Wenhua St., Pingzhen Dist., Taoyuan City 324, Taiwan
(73)【特許権者】
【識別番号】506071704
【氏名又は名称】迅得機械股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼乃為
(72)【発明者】
【氏名】林文彬
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-116981(JP,A)
【文献】特開2016-000628(JP,A)
【文献】特開2015-204372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アーチ表面を形成する本体と、
前記アーチ表面を形成する本体に連結する固定具と、を含み、
前記アーチ表面を形成する本体にアーチ表面基準部を有し、
前記アーチ表面基準部の側面がアーチ状を形成し、
前記アーチ表面基準部が可とう性フラット基板をその上面にぴったり貼り付けて、アーチ状可とう性基板を形成し、
前記固定具によって、前記アーチ状可とう性基板を前記アーチ表面基準部への貼り付けに提供し、前記アーチ状可とう性基板に所望のアーチ表面を形成
し、
さらに、
前記固定具が嵌着部を有し、前記嵌着部を前記アーチ表面基準部の側面に連結し、
前記アーチ状可とう性基板を前記嵌着部に取り付けて、前記アーチ表面基準部の上面に固定する
ことを特徴とする水平式ウェットプロセス治具。
【請求項2】
アーチ表面を形成する本体と、
前記アーチ表面を形成する本体に連結する固定具と、を含み、
前記アーチ表面を形成する本体にアーチ表面基準部を有し、
前記アーチ表面基準部の側面がアーチ状を形成し、
前記アーチ表面基準部が可とう性フラット基板をその上面にぴったり貼り付けて、アーチ状可とう性基板を形成し、
前記固定具によって、前記アーチ状可とう性基板を前記アーチ表面基準部への貼り付けに提供し、前記アーチ状可とう性基板に所望のアーチ表面を形成
し、
さらに、
前記アーチ表面を形成する本体に中空部を有し、
前記アーチ表面を形成する本体の対向両側が前記中空部をまたがって、支持リブが連結されている
ことを特徴とする水平式ウェットプロセス治具。
【請求項3】
請求項2に記載の水平式ウェットプロセス治具
において、
前記アーチ表面を形成する本体の前記支持リブが間隔置きに複数を設けられている
ことを特徴とする水平式ウェットプロセス治具。
【請求項4】
アーチ表面を形成する本体と、
前記アーチ表面を形成する本体に連結する固定具と、を含み、
前記アーチ表面を形成する本体にアーチ表面基準部を有し、
前記アーチ表面基準部の側面がアーチ状を形成し、
前記アーチ表面基準部が可とう性フラット基板をその上面にぴったり貼り付けて、アーチ状可とう性基板を形成し、
前記固定具によって、前記アーチ状可とう性基板を前記アーチ表面基準部への貼り付けに提供し、前記アーチ状可とう性基板に所望のアーチ表面を形成
し、
さらに、
前記固定具が嵌着部を有し、前記嵌着部を前記アーチ表面基準部の側面に連結し、
前記アーチ表面を形成する本体の周りに、前記アーチ表面を形成する本体の上下面を貫く複数の放流穴を設けていて、前記放流穴の一側が前記嵌着部に連絡する
ことを特徴とする水平式ウェットプロセス治具。
【請求項5】
アーチ表面を形成する本体と、
前記アーチ表面を形成する本体に連結する固定具と、を含み、
前記アーチ表面を形成する本体にアーチ表面基準部を有し、
前記アーチ表面基準部の側面がアーチ状を形成し、
前記アーチ表面基準部が可とう性フラット基板をその上面にぴったり貼り付けて、アーチ状可とう性基板を形成し、
前記固定具によって、前記アーチ状可とう性基板を前記アーチ表面基準部への貼り付けに提供し、前記アーチ状可とう性基板に所望のアーチ表面を形成
し、
さらに、
前記固定具にローラー溝を有し、前記アーチ表面を形成する本体の周りに前記アーチ表面を形成する本体の上下面を貫く複数の放流穴を有し、前記ローラー溝と、前記複数の放流穴が互いに連絡する
ことを特徴とする水平式ウェットプロセス治具。
【請求項6】
アーチ表面を形成する本体と、
前記アーチ表面を形成する本体に連結する固定具と、を含み、
前記アーチ表面を形成する本体にアーチ表面基準部を有し、
前記アーチ表面基準部の側面がアーチ状を形成し、
前記アーチ表面基準部が可とう性フラット基板をその上面にぴったり貼り付けて、アーチ状可とう性基板を形成し、
前記固定具によって、前記アーチ状可とう性基板を前記アーチ表面基準部への貼り付けに提供し、前記アーチ状可とう性基板に所望のアーチ表面を形成
し、
さらに、
前記アーチ表面を形成する本体が複数の重ね合わせリブをさらに含
み、
前記複数の重ね合わせリブが前記アーチ表面基準部の付近場所に位置し、
前記複数の重ね合わせリブによって、
当該水平式ウェットプロセス治具同士を重ね合わせる
ことを特徴とする水平式ウェットプロセス治具。
【請求項7】
アーチ表面を形成する本体と、
前記アーチ表面を形成する本体に連結する固定具と、を含み、
前記アーチ表面を形成する本体にアーチ表面基準部を有し、
前記アーチ表面基準部の側面がアーチ状を形成し、
前記アーチ表面基準部が可とう性フラット基板をその上面にぴったり貼り付けて、アーチ状可とう性基板を形成し、
前記固定具によって、前記アーチ状可とう性基板を前記アーチ表面基準部への貼り付けに提供し、前記アーチ状可とう性基板に所望のアーチ表面を形成
し、
さらに、
前記固定具が複数の間隔置きの取付具をさらに含む
ことを特徴とする水平式ウェットプロセス治具。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の水平式ウェットプロセス治具において、
前記アーチ表面基準部が第1側面と、中央アーチ表面位置と、第1側面に対向する第2側面とを含み、
前記中央アーチ表面位置の中心線が最大湾曲位置であり、
前記第1側面と、前記第2側面に向かって、次第に高さを下げて、前記第1側面と、前記第2側面がもっとも低い位置であ
る
ことを特徴とする水平式ウェットプロセス治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水平式ウェットプロセス治具に関し、特に可とう性フラット基板を治具のアーチ表面基準部に貼り付けて、アーチ表面を形成した後、所望のアーチ状可とう性基板に固定する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
可とう性基板は剛性を持っていないため、曲げ変形や折り曲げによって損傷しやすい。そのため、加工プロセスにおいて、これをクランプ治具に取り付けて、クランプ治具の剛性構造によって、可とう性基板の搬送及びプロセス加工おける曲げ変形や折り曲げによる損傷を保護して置かなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
化学ウェットプロセスにおいて、クランプ治具は平面の治具構造であり、可とう性基板を平面治具に取り付けた後、可とう性基板を平面基板の方式で作業し、平面基板が薬液によって、所望の電気回路パターンが形成される。フラット基板方式の作業では、薬液が可とう性基板の一部区域に滞留され、特に中間区域に水だめ効果を引き起こし、薬液のムラ現象を受けて、プロセスの製品規格管理が難しく、不良率が高止まりとなる。一方、公知技術の平面クランプ治具の機構設計の多くが複雑で、製造コストも高く、保守がこんなんである。これが水だめ効果を解消できない課題になっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の主な目的は、アーチ治具を適用して、可とう性基板をアーチ状可とう性基板の形にしてからウェットプロセスにおいて、自重により薬液を素早くアーチ状可とう性基板の左右両側に流して、薬液を均一にアーチ状可とう性基板の表面に分布させ、基板の一部区域が薬液の滞留に引き起こす水だめ効果を軽減する。
【0005】
本発明の次の目的は、フラット治具の構造をアーチ状治具に設計することによって、本発明全体の構造設計をより単純化させ、製造コストを低減し、もって、アーチ状治具の保守や整備より簡単、便利にできる。
【0006】
前述目的を達成するため、本発明より、水平式ウェットプロセス治具、特に可とう性フラット基板をアーチ状可とう性基板に仕上げる治具を提供する。治具は、アーチ表面を形成する本体と、アーチ表面を形成する本体に連結する固定具とを含む、アーチ表面を形成する本体がアーチ表面基準部を有し、アーチ表面基準部の側面がアーチ状を形成し、アーチ表面基準部が可とう性フラット基板をその上面にぴったり貼り付けて、アーチ状可とう性基板の形成に提供する。固定具がアーチ状可とう性基板をアーチ表面基準部への固定に提供し、アーチ状可とう性基板を所望のアーチ表面に形成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の水平ウェットプロセス治具第1実施例の態様図である。
【
図2】
図1に示す可とう性フラット基板を治具に取り付けた態様図である。
【
図3】
図2が治具にアーチ状可とう性基板を形成した側面図である。
【
図4】本発明の水平ウェットプロセス治具第2実施例の態様図である。
【
図5】本発明の水平ウェットプロセス治具第3実施例の態様図である。
【
図6】
図5に示す重ね合わせ可能な治具の態様図である。
【
図7】本発明の水平ウェットプロセス治具第4実施例の態様図である。
【
図8】本発明をウェットプロセス製造設備に適用する場合の構造態様図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
図1、本発明の水平ウェットプロセス治具第1実施例の態様図を参照する。
【0009】
本発明は、可とう性フラット基板をアーチ状可とう性基板に仕上げる治具100に関するものである。治具100は、アーチ表面を形成する本体1と、アーチ表面を形成する本体1に連結する固定具2とを含む。アーチ表面を形成する本体1は、アーチ表面基準部11を有し、アーチ表面基準部11の側面がアーチ状を形成する。アーチ表面基準部11は第1側面111と、中央アーチ表面位置112と、第1側面111と対向する第2側面113とを含む。中央アーチ表面位置112の中心線が最大湾曲位置であり、第1側面111と第2側面113に向かって高さが次第に下げていき、第1側面111と第2側面113がもっとも低い位置となる。
【0010】
前述説明より、治具100がアーチ状治具の態様を形成することがわかる。
図2と
図3に示す実施例は、固定具2が嵌着部21を有し、嵌着部21がアーチ表面基準部11の側面に連結している。アーチ表面を形成する本体1が中空部12を有し、嵌着部21を中空部12の付近場所に設けられている。アーチ表面を形成する本体1の対向両側が中空部12をまたがって、支持リブ13に連結され、支持リブ13の好適な連結位置は、中央アーチ表面位置112の中心線が最大湾曲位置である。詳しく言えば、可とう性フラット基板3を治具100に取り付けると、
図3に示すように、可とう性フラット基板3の周りが自動にアーチ表面基準部11の第1側面111と、中央アーチ表面位置112と、第2側面113に押し当てて、アーチ表面基準部11が可とう性フラット基板3をその上面にぴったり貼り付けて、アーチ状可とう性基板4を形成する。固定具2は、アーチ状可とう性基板4をアーチ表面基準部11への固定に提供し、アーチ状可とう性基板4に所定のアーチ表面を形成する。つまり、アーチ状可とう性基板4を治具100に取り付けた後、アーチ状可とう性基板4がアーチ表面基準部11の第1側面111と、中央アーチ表面位置112と、第2側面113に従って、自動にアーチ状可とう性基板4の中央位置から両側へアーチ状を形成し、可とう性基板4の両側のもっとも低い位置を固定具2の嵌着部21にぴったり貼り付けられる。支持リブ13によって支えを強化するとともに、アーチ状可とう性基板4のアーチ表面成形を固定する。このほか、支持リブ13はその後のウェットプロセスについて、アーチ状可とう性基板4が薬液スプレーの衝撃力でアーチ状可とう性基板4の一部区域が治具100での薬液滞留による水だめ効果を避けられる。
【実施例2】
【0011】
図4、本発明水平式ウェットプロセス治具第2実施例の態様図を参照する。第2実施例と前述第1実施例と異なる点は、アーチ表面を形成する本体1の周りにアーチ表面を形成する本体1の上下面を貫いた複数の放流穴14を設け、放流穴14の一側が嵌着部21に連絡していて、かつ、放流穴14がアーチ表面基準部11の第1側面111と、中央アーチ表面位置112と、第2側面113の付近場所に位置する。
【実施例3】
【0012】
図4、本発明水平式ウェットプロセス治具第3実施例の態様図を参照する。第3実施例と前述第2実施例と異なる点は、固定具2にローラー溝22を設けており、アーチ表面を形成する本体1の周りにアーチ表面を形成する本体1の上下面を貫く、複数の放流穴14を形成し、ローラー溝22と複数の放流穴14と互いに連絡されている。ローラー溝22の好適な位置は、アーチ表面基準部11の第1側面111と、第2側面113の位置に設ける。そのうち、アーチ表面を形成する本体1の支持リブ13が間隔置きに複数を設ける。
【0013】
図6、
図5の重ね合わせ可能な治具の概略図を参照する。アーチ表面を形成する本体1が複数の重ね合わせリブ15をさらに含む。複数の重ね合わせリブ15がアーチ表面基準部11の中央アーチ表面位置112の付近場所に位置し、複数の重ね合わせリブ15によって、隣接の治具100を重ね合わせる。そのうち、重ね合わせリブ15は、アーチ表面を形成する本体1の上面が突起体151を形成し、上面位置に対して、下面に溝152が形成されている。溝152の幅が突起体151よりやや広い。一例として、2つの治具100、100'は、上方の治具100に位置する下部溝152が治具100'上面の突起体151を嵌着して、2つの治具100、100'を互いに重ね合わせることができる。このような重ね合わせ方式によって、複数の治具を重ね合わせて、その後の生産プロセスに有利である。
【実施例4】
【0014】
図7、本発明の水平式ウェットプロセス治具第4実施例の態様図を参照する。固定具2は、間隔置きに設ける複数の取付具23をさらに含む。複数の取付具23がアーチ表面基準部11の第1側面111と、第2側面113の付近場所に位置している。複数の取付具23をそれぞれアーチ状可とう性基板4の両側に挟み固定しており、つまり、アーチ状可とう性基板4両側のもっとも低い位置に挟み、その後のウェットプロセス作業において、アーチ状可とう性基板4をより安定に治具100を挟み込むことができる。当然ながら、必要に応じて、アーチ表面を形成する本体1に複数の取付具23を間隔置きに設け、アーチ表面基準部11の中央アーチ表面位置112に設けることによって、アーチ状可とう性基板4の周りとも取付具23によって挟み固定させる。
【0015】
図8に示すように、治具100と、治具100に取り付けるアーチ状可とう性基板4をウェットプロセス設備5に搬送し、ウェットプロセス設備5が搬送装置51と、上下方に位置する液体スプレー装置52とを含む。アーチ状可とう性基板4が搬送装置51によって、水平に液体スプレー装置52の作業区域へ搬送される。液体スプレー装置52が薬液をアーチ状可とう性基板4へ垂直にスプレーし、重力により、薬液をアーチ状可とう性基板4中央部の最大湾曲部より両側に向かって、アーチ表面状を形成して、次第に高さを下げて、もっとも低い位置へと素早く放流し、薬液がアーチ表面を形成する本体1の放流穴14を介して外部に流せる。このように、薬液を均一にアーチ状可とう性基板4の表面に分布させ、薬液をアーチ状可とう性基板4の一部区域に滞留することなく、アーチ状可とう性基板4の水だめ効果を有効に解消する。
【0016】
前述したとおり、アーチ状可とう性基板4がスプレーの衝撃力によって、治具100の移動または浮きなどの不安定現象を避けるため、ウェットプロセス設備5が位置決め装置53をさらに含む。位置決め装置53が搬送装置51の搬送方向に向かって間隔置きに複数の第1押しあてローラー531と、第2押しあてローラー532とを設け、アーチ状可とう性基板4が作業区域を通過する際、第1押しあてローラー531と、第2押しあてローラー532が固定具2のローラー溝22に沿って、アーチ状可とう性基板4両側の表面に押し当てる。一方、搬送装置51下方のローラーは、アーチ状可とう性基板4がアーチ状治具100の上面に取り付けられているため、アーチ状可とう性基板4に接触されない。よって、アーチ状可とう性基板4が生産プロセスにおける良品率と、製品規格管理が簡単にできる。
【符号の説明】
【0017】
100、100' 治具
1 アーチ表面を形成する本体
11 アーチ表面基準部
111 第1側面
112 中央アーチ表面位置
113 第2側面
12 中空部
13 支持リブ
14 放流穴
15 重ね合わせリブ
151 突起体
152 溝
2 固定具
21 嵌着部
22 ローラー溝
23 取付具
3 可とう性フラット基板
4 アーチ状可とう性基板
5 ウェットプロセス設備
51 搬送装置
52 液体スプレー装置
53 位置決め装置
531 第1押し当てローラー
532 第2押し当てローラー