(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20220715BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220715BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220715BHJP
H05B 33/22 20060101ALI20220715BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 365
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/22 Z
H05B33/02
(21)【出願番号】P 2020177431
(22)【出願日】2020-10-22
(62)【分割の表示】P 2018230539の分割
【原出願日】2018-12-10
【審査請求日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】10-2017-0175055
(32)【優先日】2017-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】金 東瑛
(72)【発明者】
【氏名】林 京男
(72)【発明者】
【氏名】鄭 裕▲浩▼
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0087022(US,A1)
【文献】特開2017-187580(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0066409(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
G09G 3/00 - 5/42
H01L 51/50
H01L 27/32
H05B 33/00 - 33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブ領域とベンディング領域を有する基板と、
前記アクティブ領域に配置され、第1半導体層
、前記第1半導体層を覆う下部ゲート絶縁膜、前記下部ゲート絶縁膜上の第1ゲート電極、及び、前記第1半導体層上に位置する第1ソース電極及び第1ドレイン電極を有する第1薄膜トランジスタと、
前記アクティブ領域に配置され、第2半導体層を有する第2薄膜トランジスタと、
前記基板と前記第2薄膜トランジスタとの間に配置される、複数の絶縁膜と、
前記ベンディング領域に配置される少なくとも一つの開口部であって、前記複数の絶縁膜の側面を露出する、少なくとも一つの開口部と、
前記アクティブ領域に配置される前記第2薄膜トランジスタを覆い、前記少なくとも一つの開口部により露出される前記複数の絶縁膜の側面と接触し、前記ベンディング領域内で前記基板と接触する、第1平坦化層と、
前記第1平坦化層上に配置される、第2平坦化層と、
前記第2平坦化層上に配置される、発光素子と、
前記第2薄膜トランジスタ及び前記発光素子と接続し、前記第1平坦化層と前記第2平坦化層の間に配置される画素連結電極と、
前記アクティブ領域に配置される信号ラインと接続され、前記少なくとも一つの開口部によって露出された前記ベンディング領域で前記第1及び第2平坦化層の間に配置される信号リンクと
、
前記下部ゲート絶縁膜上に配置されるストレージ下部電極と、
前記ストレージ下部電極と重畳するストレージ上部電極と、を含み、
前記ストレージ下部電極は前記第1ゲート電極と同一平面上に同一素材でなり、
前記信号リンクは前記画素連結電極と同一平面上に同一素材でなる、表示装置。
【請求項2】
前記第2薄膜トランジスタは、
前記第2半導体層と重畳する第2ゲート電極と、前記第2半導体層の下部に位置する第2ソース電極及び第2ドレイン電極とを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1及び第2ソース電極と前記第1及び第2ドレイン電極のそれぞれは前記第2半導体層の下部に配置される、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数の絶縁膜は、
前記第1ソース電極及び第1ドレイン電極のそれぞれと前記第1半導体層の間に配置される少なくとも一層の下部絶縁膜と、
前記第2ソース電極及び第2ドレイン電極のそれぞれと前記第2半導体層の間に配置される上部バッファー層と、
前記基板上に配置されるマルチバッファー層と、
前記マルチバッファー層上に配置される下部バッファー層と、
前記第2薄膜トランジスタを覆うように配置される上部層間絶縁膜とを含む、請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記ベンディング領域に配置される前記マルチバッファー層、前記下部バッファー層及び前記少なくとも一層の下部絶縁膜は、その中に形成される第1開口部を含み、前記ベンディング領域に配置される前記上部層間絶縁膜は、その中に形成される第2開口部を含む、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記ベンディング領域の基板は前記第1及び第2開口部によって露出される、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記少なくとも一層の下部絶縁膜は、
前記下部バッファー層上に配置される
前記下部ゲート絶縁膜と、
前記下部ゲート絶縁膜上に配置される少なくとも一層の第1下部層間絶縁膜と、
前記少なくとも一層の第1下部層間絶縁膜上の最上部面上に配置される少なくとも一層の第2下部層間絶縁膜とを含み、
前記第1及び第2ソース電極と前記第1及び第2ドレイン電極は前記少なくとも一層の第2下部層間絶縁膜の最上部面上に同じ素材でなり、
前記第2半導体層は前記第1及び第2ソース電極と前記第1及び第2ドレイン電極を覆う前記上部バッファー層上に配置される、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記ストレージ上部電極は前記少なくとも一層の第1下部層間絶縁膜を挟んで前記ストレージ下部電極と重畳
され、
前記ストレージ下部電極及び前記ストレージ上部電極の少なくとも一つは前記第2半導体層と重畳する、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記発光素子のカソード電極と接続される低電位供給ラインと、
前記低電位供給ラインと重畳するように配置される高電位供給ラインとをさらに含み、
前記低電位供給ライン及び前記高電位供給ラインの少なくとも一つはメッシュ状に配置される、請求項3に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1平坦化層は、上部層間絶縁膜上に配置され、
前記第2平坦化層は、前記画素連結電極を覆うように配置される、請求項
9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記低電位供給ラインは、
互いに交差する第1及び第2低電位供給ラインを含み、
前記高電位供給ラインは、
前記第1低電位供給ラインに平行な第1高電位供給ラインと、
上部バッファー層、前記上部層間絶縁膜及び第1平坦化層を挟んで
前記第2低電位供給ラインと重畳する第2高電位供給ラインとを含む、請求項
10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第2低電位供給ラインは前記画素連結電極と同一平面上に同一素材でなり、
前記第2高電位供給ラインは前記第2ソース電極及び第2ドレイン電極と同一平面上に同一素材でなる、請求項
11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記発光素子を駆動する画素駆動回路をさらに含み、
前記画素駆動回路は、
前記第2薄膜トランジスタでなる駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタと接続され、前記第1薄膜トランジスタでなるスイッチングトランジスタとを含む、請求項
9に記載の表示装置。
【請求項14】
前記画素駆動回路は、
前記第2薄膜トランジスタでなり、前記駆動トランジスタと接続された第2スイッチングトランジスタと、
前記第1薄膜トランジスタでなり、前記高電位供給ラインと接続された第3スイッチングトランジスタとをさらに含む、請求項
13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1半導体層は多結晶半導体層を含み、前記第2半導体層は酸化物半導体層を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項16】
前記ベンディング領域の前記基板の厚さは、前記アクティブ領域の前記基板の厚さよりも薄い、請求項1に記載の表示装置。
【請求項17】
前記
信号リンクの領域は、前記ベンディング領域のベンディング方向に交差する方向に面積が広げられる、請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関するもので、より詳しくは低消費電力を具現することができる表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多様な情報を画面に具現する映像表示装置は情報通信時代の核心技術であって、もっと薄くてもっと軽く、かつ携帯が可能でありながらも高性能の方向に発展している。それで、陰極線管(CRT)の欠点である重さ及び体積を減らすことができる平面表示装置が脚光を浴びている。
【0003】
このような平面表示装置としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device:LCD)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:PDP)、有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display Device:OLED)、電気泳動表示装置(Electrophoretic Display Device:ED)などがある。
【0004】
このような平面表示装置は、個人用電子機器の開発が活発になるにつれて、携帯性及び/又は着用性に優れた製品として開発されている。このように、携帯用又はウェアラブル装置に適用するためには、低消費電力を具現することができる表示装置が必要である。しかし、現在まで開発された表示装置に係わる技術では低消費電力を具現するのに困難がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記問題点を解決するためのもので、本発明の目的は低消費電力を具現することができる表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明はアクティブ領域に多結晶半導体層を有する第1薄膜トランジスタと酸化物半導体層を有する第2薄膜トランジスタが配置されるので、低消費電力を具現することができ、ベンディング領域に配置される開口部がアクティブ領域に配置される少なくとも一層の無機絶縁膜を貫通する複数のコンタクトホールの少なくとも一つと同じ深さを有するように形成され、酸化物半導体層の下部に配置される第2薄膜トランジスタのソース及びドレイン電極と第1薄膜トランジスタのソース及びドレイン電極が同一平面上に同一素材でなるので、工程を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、酸化物半導体層を有する第2薄膜トランジスタを各サブ画素の駆動トランジスタに適用し、多結晶半導体層を有する第1薄膜トランジスタを各サブ画素のスイッチング素子として適用することによって消費電力を減少させることができる。また、本発明では、ベンディング領域に配置される開口部がアクティブ領域に配置される複数のコンタクトホールと同一マスク工程で形成されるので、ベンディング領域に配置される信号リンクが基板上に配置される。これにより、本発明は構造及び製造工程を簡素化することができるので、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明による表示装置を示すブロック図である。
【
図2】
図1で線I-I’に沿って切り取った表示装置を示す断面図である。
【
図3a】
図1に示したアクティブ領域に配置されるサブ画素を示す平面図である。
【
図3b】
図1に示したアクティブ領域に配置されるサブ画素を示す平面図である。
【
図4a】
図1に示したベンディング領域に配置される信号リンクの実施例を示す平面図である。
【
図4b】
図1に示したベンディング領域に配置される信号リンクの実施例を示す平面図である。
【
図5a】
図1に示した表示装置の各サブ画素を説明するための回路図である。
【
図5b】
図1に示した表示装置の各サブ画素を説明するための回路図である。
【
図6】
図5bに示したサブ画素を示す平面図である。
【
図7】
図6で線II-II’、III-III’、IV-IV’、V-V’、VI-VI’に沿って切り取った有機発光表示装置を示す断面図である。
【
図8a】
図7に示したベンディング領域の他の実施例を示す断面図である。
【
図8b】
図7に示したベンディング領域の他の実施例を示す断面図である。
【
図9a】
図7に示した有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9b】
図7に示した有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9c】
図7に示した有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9d】
図7に示した有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9e】
図7に示した有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9f】
図7に示した有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9g】
図7に示した有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9h】
図7に示した有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9i】
図7に示した有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9j】
図7に示した有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9k】
図7に示した有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9l】
図7に示した有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9m】
図7に示した有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9n】
図7に示した有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面に基づいて本発明による実施例を詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明による表示装置を示す平面図、
図2は本発明による表示装置を示す断面図である。
【0011】
図1及び
図2に示した表示装置は、表示パネル200、ゲート駆動部202及びデータ駆動部204を備える。
【0012】
表示パネル200は、基板101上に設けられるアクティブ領域AAと、アクティブ領域AAの周辺に配置される非アクティブ領域NAに区分される。基板101はベンディングができるように可撓性(flexibility)を有するプラスチック素材で形成される。例えば、基板101は、PI(Polyimide)、PET(polyethylene terephthalate)、PEN(polyethylene naphthalate)、PC(polycarbonate)、PES(polyethersulfone)、PAR(polyarylate)、PSF(polysulfone)、COC(ciclic-olefin copolymer)などの素材で形成される。
【0013】
アクティブ領域AAはマトリックス状に配列された単位画素を介して映像を表示する。単位画素は赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のサブ画素で構成されるか、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)及び白色(W)のサブ画素で構成される。例えば、
図3aに示したように、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のサブ画素が仮想の同一水平ラインに一列に配列されるか、
図3bに示したように、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のサブ画素が互いに離隔するように配置されて仮想の三角形構造に配列される。
【0014】
各サブ画素は、酸化物半導体層を有する薄膜トランジスタ及び多結晶半導体層を有する薄膜トランジスタの少なくとも一つを含む。このような酸化物半導体層を有する薄膜トランジスタ及び多結晶半導体層を有する薄膜トランジスタは非晶質半導体層を有する薄膜トランジスタより電子移動度が高くて高解像度及び低電力の具現が可能となる。
【0015】
非アクティブ領域NAにはデータ駆動部204及びゲート駆動部202の少なくとも一つが配置されることもできる。
【0016】
ゲート駆動部202は表示パネル200のスキャンラインを駆動する。このゲート駆動部202は酸化物半導体層を有する薄膜トランジスタ及び多結晶半導体層を有する薄膜トランジスタの少なくとも一つから構成される。ここで、ゲート駆動部202の薄膜トランジスタはアクティブ領域AAの各サブ画素に配置された少なくとも一つの薄膜トランジスタと同一工程で同時に形成される。
【0017】
データ駆動部204は表示パネル200のデータラインを駆動する。このデータ駆動部204はチップの形態に基板101上に実装されるか、信号伝送フィルム206上にチップの形態に実装されて、表示パネル200の非アクティブ領域NAに付着される。この信号伝送フィルム206と電気的に接続されるために、非アクティブ領域NAには、
図4a及び
図4bに示したように、多数の信号パッドPADが配置される。この信号パッドPADを介して、データ駆動部204、ゲート駆動部202、電源部(図示せず)及びタイミング制御部(図示せず)で生成された駆動信号がアクティブ領域AAに配置される信号ラインに供給される。
【0018】
このような非アクティブ領域NAは、表示パネル200を曲げるか折り畳むことができるようにするベンディング領域BAを含む。ベンディング領域BAは信号パッドPAD、ゲート駆動部202及びデータ駆動部204のように表示の機能をしない領域をアクティブ領域AAの背面に位置させるために曲げられる領域に相当する。このベンディング領域BAは、
図1に示したように、アクティブ領域AAとデータ駆動部204の間に相当する非アクティブ領域NAの上側内に配置される。その他にも、ベンディング領域BAは非アクティブ領域NAの上下左右側の少なくとも一つの側内に配置されることもできる。これにより、表示装置の全画面でアクティブ領域AAが占める面積が最大化し、非アクティブ領域NAに相当する面積が最小化する。
【0019】
このようなベンディング領域BAに配置される信号リンクLKは信号パッドPADとアクティブ領域AAに配置される信号ラインを接続させる。このような信号リンクLKがベンディング方向BDに沿って直線状に形成される場合、最大曲げ応力を受けて、信号リンクLKにクラック又は断線が発生することがある。よって、本発明の信号リンクLKはベンディング方向BDに交差する方向に面積を広げて曲げ応力を最小化するようにする。このために、信号リンクLKは、
図4aに示したように、ジグザグ形又は正弦波形に形成されるか、
図4bに示したように、中央領域が空いた多数の菱形が一列に互いに連結された形態に形成される。
【0020】
また、ベンディング領域BAには、
図2に示したように、ベンディング領域BAが易しく曲げられるように少なくとも一つの開口部212が配置される。この開口部212はベンディング領域BAに配置される多数の無機絶縁層210を除去して形成することによって信号リンクLKが基板101上に形成される。具体的に、基板101が曲げられれば、ベンディング領域BAに配置される無機絶縁層210には持続的な曲げ応力が加わることになる。この無機絶縁層210は有機絶縁素材に比べて弾性力が低いので、無機絶縁層210にはクラックが発生し易い。無機絶縁層210で発生したクラックは無機絶縁層210に沿ってアクティブ領域AAに伝播されてライン欠陥及び素子駆動不良が発生する。よって、ベンディング領域BAには、無機絶縁層210が除去され、無機絶縁層210より弾性力の高い有機絶縁素材でなる少なくとも一層の平坦化層208が配置される。この平坦化層208は基板101が曲げられるにつれて発生する曲げ応力を緩和させるので、クラックの発生を防止することができる。このようなベンディング領域BAの開口部212はアクティブ領域AAに配置される多数のコンタクトホールの少なくとも一つのコンタクトホールと同一マスク工程で形成されるので、構造及び工程を簡素化することができる。
【0021】
このように構造及び工程を簡素化することができる表示装置は液晶表示装置又は有機発光表示装置などの薄膜トランジスタが必要な表示装置に適用可能である。以下では、構造及び工程を簡素化することができる表示装置を有機発光表示装置に適用した本発明の実施例を説明する。
【0022】
有機発光表示装置の各サブ画素SPのそれぞれは、
図5a及び
図5bに示したように、画素駆動回路と、画素駆動回路と接続される発光素子130を備える。
【0023】
画素駆動回路は、
図5aに示したように、二つの薄膜トランジスタST、DTと、一つのストレージキャパシタCstを有する2T1C構造になるが、
図5b及び
図6に示したように、四つの薄膜トランジスタST1、ST2、ST3、DTと、一つのストレージキャパシタCstを有する4T1C構造になる。ここで、画素駆動回路は
図5a及び
図5bの構造に限定されず、多様な構成の画素駆動回路が用いられることができる。
【0024】
図5aに示した画素駆動回路のストレージキャパシタCstはゲートノードNgとソースノードNsの間に接続されることで、発光期間の間にゲートノードNgとソースノードNs間の電圧を一定に維持させる。駆動トランジスタDTは、ゲートノードNgに接続されたゲート電極と、ドレインノードNdに接続されたドレイン電極と、発光素子130に接続されたソース電極を備える。この駆動トランジスタDTはゲートノードNgとソースノードNs間の電圧によって駆動電流の大きさを制御する。スイッチングトランジスタSTは、スキャンラインSLに接続されたゲート電極と、データラインDLに接続されたドレイン電極と、ゲートノードNgに接続されたソース電極を備える。このスイッチングトランジスタSTはスキャンラインSLからのスキャン制御信号SCに応じてターンオンされることで、データラインDLからのデータ電圧VdataをゲートノードNgに供給する。発光素子130は駆動トランジスタDTのソース電極に連結されたソースノードNsと低電位供給ライン162の間に接続され、駆動電流によって発光する。
【0025】
図5bに示した画素駆動回路は、
図5aに示した画素駆動回路に比べ、データラインDLと接続された第1スイッチングトランジスタST1のドレイン電極がソースノードNsに連結され、第2及び第3スイッチングトランジスタST2、ST3をさらに備えることを除き、実質的に同一の構成を備える。したがって、同一構成についての詳細な説明は省略する。
【0026】
図5b及び
図6に示した第1スイッチングトランジスタST1は、第1スキャンラインSL1に接続されたゲート電極152と、ソースノードNsに接続されたドレイン電極158と、データラインDLに接続されたソース電極156と、ソース及びドレイン電極156、158の間にチャネルを形成する半導体層154を備える。この第1スイッチングトランジスタST1は第1スキャンラインSL1からのスキャン制御信号SC1に応じてターンオンされることで、データラインDLからのデータ電圧VdataをソースノードNsに供給する。
【0027】
第2スイッチングトランジスタST2は、第2スキャンラインSL2に接続されたゲート電極GEと、レファレンスラインRLに接続されたドレイン電極DEと、ゲートノードNgに接続されたソース電極SEと、ソース及びドレイン電極SE、DEの間にチャネルを形成する半導体層ACTを備える。この第2スイッチングトランジスタST2は第2スキャンラインSL2からのスキャン制御信号SC2に応じてターンオンされることで、レファレンスラインRLからのレファレンス電圧VrefをゲートノードNgに供給する。
【0028】
第3スイッチングトランジスタST3は、発光制御ラインELに接続されたゲート電極GEと、ドレインノードNdに接続されたドレイン電極DEと、 高電位供給ライン172に接続されたソース電極SE、ソース及びドレイン電極SE、DEの間にチャネルを形成する半導体層ACTを備える。この第3スイッチングトランジスタST3は発光制御ラインELからの発光制御信号EMに応じてターンオンされることで、高電位供給ライン172からの高電位電圧VDDをドレインノードNdに供給する。
【0029】
このような画素駆動回路に含まれる高電位供給ライン172及び低電位供給ライン162のそれぞれは少なくとも二つのサブ画素が共有するようにメッシュ状に形成される。このために、高電位供給ライン172は互いに交差する第1及び第2高電位供給ライン172a、172bを備え、低電位供給ライン162は互いに交差する第1及び第2低電位供給ライン162a、162bを備える。
【0030】
第2高電位供給ライン172b及び第2低電位供給ライン162bのそれぞれはデータラインDLに平行に配置され、少なくとも二つのサブ画素当たり一つずつ形成される。この第2高電位供給ライン172b及び第2低電位供給ライン162bは、
図5a及び
図5bに示したように、左右に平行に配置されるか、
図6に示したように、互いに重畳するように上下に平行に配置される。
【0031】
第1高電位供給ライン172aは第2高電位供給ライン172bと電気的に接続され、スキャンラインSLに平行に配置される。この第1高電位供給ライン172aは第2高電位供給ライン172bの間で第2高電位供給ライン172bと交差するように第2高電位供給ライン172bから分岐されて形成される。これにより、第1高電位供給ライン172aは第2高電位供給ライン172bの抵抗を補償することによって高電位供給ライン172の電圧降下(IR drop)を最小化することができる。
【0032】
第1低電位供給ライン162aは第2低電位供給ライン162bと電気的に接続され、スキャンラインSLに平行に配置される。この第1低電位供給ライン162aは第2低電
位供給ライン162bの間で第2低電位供給ライン162bと交差するように第2低電位供給ライン162bから分岐されて形成される。これにより、第1低電位供給ライン162aは第2低電位供給ライン162bの抵抗を補償することによって低電位供給ライン162の電圧降下(IR drop)を最小化することができる。
【0033】
このように高電位供給ライン172及び低電位供給ライン162はメッシュ状に形成されるので、垂直方向に配置される第2高電位供給ライン172b及び第2低電位供給ライン162bの個数を低減することができ、個数が低減する分だけもっと多いサブ画素を配置することができるので、開口率及び解像度が高くなる。
【0034】
このような画素駆動回路に含まれた多数のトランジスタのいずれか一つのトランジスタは多結晶半導体層を含み、残りのトランジスタは酸化物半導体層を含む。
【0035】
例えば、
図5aに示した画素駆動回路のスイッチングトランジスタSTは、
図7に示したように、多結晶半導体層154を有する第1薄膜トランジスタ150で形成され、駆動トランジスタDTは酸化物半導体層104を有する第2薄膜トランジスタ100で形成される。そして、
図5b及び
図6に示した画素駆動回路の第1及び第3スイッチングトランジスタST1、ST3は多結晶半導体層154を有する第1薄膜トランジスタ150で形成され、第2スイッチングトランジスタST2及び駆動トランジスタDTは酸化物半導体層104を有する第2薄膜トランジスタ100で形成される。このように、本発明では、酸化物半導体層104を有する第2薄膜トランジスタ100を各サブ画素の駆動トランジスタDTに適用し、多結晶半導体層154を有する第1薄膜トランジスタ150を各サブ画素のスイッチング素子STとして適用することによって消費電力を減少させることができる。
【0036】
図6及び
図7に示した第1薄膜トランジスタ150は、多結晶半導体層154と、第1ゲート電極152と、第1ソース電極156と、第1ドレイン電極158とを備える。
【0037】
多結晶半導体層154は下部バッファー層112上に形成される。このような多結晶半導体層154はチャネル領域、ソース領域及びドレイン領域を備える。チャネル領域は下部ゲート絶縁膜114を挟んで第1ゲート電極152と重畳して第1ソース及び第1ドレイン電極156、158間のチャネル領域を形成する。ソース領域は第1ソース電極156と第1ソースコンタクトホール160Sを介して電気的に接続される。ドレイン領域は第1ドレイン電極158と第1ドレインコンタクトホール160Dを介して電気的に接続される。多結晶半導体層154は非晶質半導体層より移動度が高くてエネルギー消費電力が低く信頼性が優秀であるので、各サブ画素のスイッチングトランジスタST、スキャンラインSLを駆動するゲート駆動部202に適用するのに相応しい。このような多結晶半導体層154と基板101の間にはマルチバッファー層140と下部バッファー層112が配置される。マルチバッファー層140は、基板101に浸透した水分及び/又は酸素が拡散することを遅延させる。このマルチバッファー層140は窒化シリコン(SiNx)及び酸化シリコン(SiOx)が少なくとも1回交互に積層されることによってなる。下部バッファー層112は多結晶半導体層154を保護し、基板101から流入する多様な種類の欠陥材料を遮断するように機能する。この下部バッファー層112はa-Si、窒化シリコン(SiNx)又は酸化シリコン(SiOx)などで形成されることができる。
【0038】
第1ゲート電極152は下部ゲート絶縁膜114上に形成される。この第1ゲート電極152は下部ゲート絶縁膜114を挟んで多結晶半導体層154のチャネル領域と重畳する。第1ゲート電極152はストレージ下部電極182と同一素材、例えばモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケ
ル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)のいずれか1種又はこれらの合金でなる単層又は多層であってもよいが、これに限定されない。
【0039】
多結晶半導体層154上に位置する第1及び第2下部層間絶縁膜116、118は上部層間絶縁膜124に比べて水素含有量が高い無機膜で形成される。例えば、第1及び第2下部層間絶縁膜116、118はNH3ガスを用いた蒸着工程で形成される窒化シリコン(SiNx)でなり、上部層間絶縁膜124は酸化シリコン(SiOx)で形成される。第1及び第2下部層間絶縁膜116、118に含まれた水素は水素化工程時に多結晶半導体層154に拡散して多結晶半導体層154内の空隙を水素で満たす。これにより、多結晶半導体層154は安定化して第1薄膜トランジスタ150の特性低下を防止することができる。
【0040】
第1ソース及び第1ドレイン電極156、158は酸化物半導体層104の下部に配置される。この第1ソース電極156は下部ゲート絶縁膜114と第1及び第2下部層間絶縁膜116、118を貫通する第1ソースコンタクトホール160Sを介して多結晶半導体層154のソース領域と接続される。第1ドレイン電極158は第1ソース電極156と向き合い、下部ゲート絶縁膜114と第1及び第2下部層間絶縁膜116、118を貫通する第1ドレインコンタクトホール160Dを介して多結晶半導体層154のドレイン領域と接続される。このような第1ソース及び第1ドレイン電極156、158はストレージ供給ライン186と同一平面上に同じ素材で形成されるので、第1ソース及び第1ドレイン電極156、158はストレージ供給ライン186と同一マスク工程で同時に形成可能である。
【0041】
このような第1薄膜トランジスタ150の多結晶半導体層154の活性化及び水素化工程後に第2薄膜トランジスタ100の酸化物半導体層104が形成される。すなわち、酸化物半導体層104は多結晶半導体層154の上部に位置する。これにより、酸化物半導体層104は多結晶半導体層154の活性化及び水素化工程の高温雰囲気に露出されないので、酸化物半導体層104の損傷を防止することができ、信頼性が向上する。
【0042】
第2薄膜トランジスタ100は第1薄膜トランジスタ150から離隔するように第2下部層間絶縁膜118上に配置される。このような第2薄膜トランジスタ100は、第2ゲート電極102と、酸化物半導体層104と、第2ソース電極106と、第2ドレイン電極108を備える。
【0043】
第2ゲート電極102は上部ゲート絶縁パターン146を挟んで酸化物半導体層104と重畳する。このような第2ゲート電極102は第1低電位供給ライン162aと同一平面である上部ゲート絶縁パターン146上で第1低電位供給ライン162aと同一素材で形成される。これにより、第2ゲート電極102及び第1低電位供給ライン162aは同じマスク工程で形成可能なので、マスク工程を減らすことができる。
【0044】
酸化物半導体層104は上部バッファー層122上に第2ゲート電極102と重畳するように形成されて、第2ソース及び第2ドレイン電極106、108の間にチャネルを形成する。この酸化物半導体層104はZn、Cd、Ga、In、Sn、Hf、Zrの中で選択された少なくとも1種以上の金属を含む酸化物で形成される。このような酸化物半導体層104を含む第2薄膜トランジスタ100は多結晶半導体層154を含む第1薄膜トランジスタ150より高い電荷移動度及び低い漏洩電流特性の利点を有するので、オン(On)時間が短くかつオフ(Off)時間を長く維持するスイッチング及び駆動薄膜トランジスタST、DTに適用することが好ましい。
【0045】
このような酸化物半導体層104の上部及び下部に隣り合う上部層間絶縁膜124及び
上部バッファー層122は下部層間絶縁膜116、118に比べて水素含有量の低い無機膜で形成される。例えば、上部層間絶縁膜124及び上部バッファー層122は酸化シリコン(SiOx)で形成され、下部層間絶縁膜116、118は窒化シリコン(SiNx)で形成される。これにより、酸化物半導体層104の熱処理工程時に下部層間絶縁膜116、118内の水素及び多結晶半導体層154の水素が酸化物半導体層104に拡散することを防止することができる。
【0046】
第2ソース及び第2ドレイン電極106、108は酸化物半導体層104の下部に配置される。この第2ソース及び第2ドレイン電極106、108は第2下部層間絶縁膜118上にモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)のいずれか1種又はこれらの合金でなる単層又は多層であっても良いが、これに限定されない。
【0047】
第2ソース電極106は上部バッファー層122を貫通する第2ソースコンタクトホール110Sを通じて露出されて酸化物半導体層104のソース領域と接続され、第2ドレイン電極108は上部バッファー層122を貫通する第2ドレインコンタクトホール110Dを通じて露出されて酸化物半導体層104のドレイン領域と接続される。そして、第2ソース及び第2ドレイン電極106、108は酸化物半導体層104のチャネル領域を挟んで互いに向き合うように形成される。
【0048】
ストレージキャパシタ(Cst)180は、
図7に示したように、第1下部層間絶縁膜116を挟んでストレージ下部電極182とストレージ上部電極184が重畳することによって形成される。
【0049】
ストレージ下部電極182は駆動トランジスタDTの第2ゲート電極102及び駆動トランジスタDTの第2ソース電極106のいずれか一方に接続される。このようなストレージ下部電極184は酸化物半導体層104と類似した線幅で酸化物半導体層104と重畳するように下部ゲート絶縁膜114上に形成されることにより、酸化物半導体層104に外部光が入射することを遮断する。このストレージ下部電極182は下部ゲート絶縁膜114上に位置し、第1ゲート電極152と同一層に同じ素材で形成される。
【0050】
ストレージ上部電極184はストレージ供給ライン186を介して駆動トランジスタDTの第2ゲート電極102及び駆動トランジスタDTの第2ソース電極106の他方に接続される。このストレージ上部電極184は酸化物半導体層104と類似した線幅で酸化物半導体層104と重畳するように第1下部層間絶縁膜116上に形成されることにより、酸化物半導体層104に外部光が入射することを遮断する。このストレージ上部電極184は第1高電位供給ライン172aと同一層に同じ素材で形成される。このようなストレージ上部電極184は第2下部層間絶縁膜118を貫通するストレージコンタクトホール188を通じて露出されてストレージ供給ライン186と接続される。
【0051】
このようなストレージ下部電極182及びストレージ上部電極184の間に配置される第1下部層間絶縁膜116はSiOx又はSiNxのような無機絶縁物質で形成される。第1下部層間絶縁膜116はSiOxより誘電率の高いSiNxで形成されることが好ましい。これにより、ストレージ下部電極182及びストレージ上部電極184は誘電率の高いSiNxで形成される第1下部層間絶縁膜116を挟んで重畳することにより、誘電率に比例するストレージキャパシタCstの容量値が増加することになる。
【0052】
発光素子130は、第2ソース電極106と接続されたアノード電極132と、アノード電極132上に形成される少なくとも一つの発光スタック134と、発光スタック134上に形成されたカソード電極136を備える。
【0053】
アノード電極132は第2平坦化層128を貫通する第2画素コンタクトホール144を通じて露出された画素連結電極142と接続される。ここで、画素連結電極142は第1平坦化層126 及び上部層間絶縁膜124を貫通する第1画素コンタクトホール120を通じて露出された酸化物半導体層104と接続される。
【0054】
アノード電極132は透明導電膜及び反射効率の高い不透明導電膜を含む多層構造に形成される。透明導電膜はインジウムスズ酸化物(ITO)又はインジウム亜鉛酸化物(IZO)のように仕事関数値が比較的大きい素材でなり、不透明導電膜はAl、Ag、Cu、Pb、Mo、Ti又はこれらの合金を含む単層又は多層構造に形成される。例えば、アノード電極132は透明導電膜、不透明導電膜及び透明導電膜が順次積層された構造に形成されるか、透明導電膜及び不透明導電膜が順次積層された構造に形成される。このようなアノード電極132はバンク138によって設けられた発光領域だけではなく第1及び第2薄膜トランジスタ150、100とストレージキャパシタ(Cst)180が配置された回路領域と重畳するように第2平坦化層128上に配置されることによって発光面積が増加する。
【0055】
発光スタック134はアノード電極132上に正孔関連層、有機発光層、電子関連層の順に又は逆順に積層されて形成される。その他にも、発光スタック134は電荷生成層を挟んで対向する第1及び第2発光スタックを備えることもできる。この場合、第1及び第2発光スタックのいずれか一有機発光層は青色光を生成し、第1及び第2発光スタックの他の有機発光層は黄色-緑光を生成することにより、第1及び第2発光スタックを介して白色光が生成される。この発光スタック134で生成された白色光は発光スタック134の上部に位置するカラーフィルター(図示せず)に入射するので、カラー映像を具現することができる。その他にも、別途のカラーフィルターなしに各発光スタック134で各サブ画素に対応するカラー光を生成してカラー映像を具現することもできる。すなわち、赤色(R)サブ画素の発光スタック134は赤色光を、緑色(G)サブ画素の発光スタック134は緑光を、青色(B)サブ画素の発光スタック134は青色光を生成することもできる。
【0056】
バンク138は各サブ画素のアノード電極132を露出させるように形成される。このようなバンク138は隣接したサブ画素間の光干渉を防止するように不透明素材(例えば、ブラック)で形成されることもできる。この場合、バンク138はカラー顔料、有機ブラック及びカーボンの少なくとも一つでなる遮光素材を含む。
【0057】
カソード電極136は発光スタック134を挟んでアノード電極132と対向するように発光スタック134の上面及び側面上に形成される。このカソード電極136は前面発光型有機発光表示装置に適用される場合、インジウムスズ酸化物(ITO)又はインジウム亜鉛酸化物(IZO)のような透明導電膜でなる。
【0058】
このようなカソード電極136は低電位供給ライン162と電気的に接続される。低電位供給ライン162は、
図5b及び
図6に示したように、互いに交差する第1及び第2低電位供給ライン162a、162bを備える。第1低電位供給ライン162aは、
図7に示したように、第2ゲート電極102と同一層である上部ゲート絶縁パターン146上に、第2ゲート電極102と同一素材で形成される。第2低電位供給ライン162bは画素連結電極142と同一層である第1平坦化層126上に、画素連結電極142と同一素材で形成される。この第2低電位供給ライン162bは上部層間絶縁膜124及び第1平坦化層126を貫通するように形成された第1ラインコンタクトホール164を通じて露出された第1低電位供給ライン162aと電気的に接続される。
【0059】
このような低電位供給ライン162を介して供給される低電位電圧(VSS)より高い高電位電圧VDDを供給する高電位供給ライン172は、
図5b及び
図6に示したように、互いに交差する第1及び第2高電位供給ライン172a、172bを備える。第1高電位供給ライン172aは、
図7に示したように、ストレージ上部電極184と同一層である第1下部層間絶縁膜116上に、ストレージ上部電極184と同一素材で形成される。第2高電位供給ライン172bは第2ソース及び第2ドレイン電極106、108と同一層である第2下部層間絶縁膜118上に、第2ソース及び第2ドレイン電極106、108と同一素材で形成される。この第2高電位供給ライン172bは第2下部層間絶縁膜118を貫通するように形成された第2ラインコンタクトホール174を通じて露出された第1高電位供給ライン172aと電気的に接続される。
【0060】
ここで、第2低電位供給ライン162bと第2高電位供給ライン172bは上部バッファー層122、上部層間絶縁膜124及び第1平坦化層126を挟んで上下に重畳する。この場合、有機絶縁素材でなる第1平坦化層126のコーティング工程時、第1平坦化層126内に微細バブル(micro bubble)が形成されても第2低電位供給ライン162bと第2高電位供給ライン172bの間に配置される無機絶縁素材の上部バッファー層122及び上部層間絶縁膜124によって第2低電位供給ライン162bと第2高電位供給ライン172bは絶縁される。したがって、上部バッファー層122及び上部層間絶縁膜124によって第2低電位供給ライン162bと第2高電位供給ライン172bがショートすることを防止することができる。
【0061】
このような低電位供給ライン162、高電位供給ライン172、データラインDL、スキャンラインSL、レファレンスラインRL及び発光制御ラインELの少なくとも一つと接続された信号リンク176は第1及び第2開口部192、194が配置されるベンディング領域BAを横切るように形成される。第1開口部192はマルチバッファー層140、下部バッファー層112、下部ゲート絶縁膜114、第1及び第2下部層間絶縁膜116、118のそれぞれの側面を露出させるように形成される。この第1開口部192は第1ソースコンタクトホール160S及び第1ドレインコンタクトホール160Dと同一マスク工程で形成される。したがって、第1開口部192は第1ソースコンタクトホール160S及び第1ドレインコンタクトホール160Dの少なくとも一つより深い深さd1を有するように形成されるか、同一深さd1を有するように形成される。第2開口部194は上部層間絶縁膜124の側面を露出させることによって第1深さd1より小さい第2深さd2を有する。この第2開口部194は上部層間絶縁膜124を貫通する第1画素コンタクトホール120と同一マスク工程で形成される。よって、第2開口部194は上部層間絶縁膜124を貫通する第1画素コンタクトホール120と同一深さd2を有する。
【0062】
このような信号リンク176は、
図7に示したように、画素連結電極142と同一マスク工程で画素連結電極142と一緒に形成されることができる。この場合、信号リンク176は画素連結電極142と同一素材で同一平面、つまり第1平坦化層126上に形成される。このような第1平坦化層126上に形成された信号リンク176を覆うように信号リンク176上に第2平坦化層128が配置されるか、第2平坦化層128なしに封止フィルム、又は無機及び有機封止層の組合せでなる封止スタックの無機封止層が配置される。その他にも、信号リンク176は、
図8a及び
図8bに示したように、ソース及びドレイン電極106、156、108、158と同一マスク工程でソース及びドレイン電極106、156、108、158と一緒に形成されることができる。この場合、信号リンク176はソース及びドレイン電極106、156、108、158と同一素材で同一平面、つまり第2下部層間絶縁膜118上に形成されるとともに基板101と接触するように基板101上に形成される。第2下部層間絶縁膜118及び基板101上に形成された信号リンク176を覆うように、信号リンク176上には第1及び第2平坦化層126、128の少なくとも一つが配置されるか、第1及び第2平坦化層126、128なしに封止
フィルム又は無機及び有機封止層の組合せでなる封止スタックの無機封止層が配置される。このような信号リンク176は第1開口部192によって露出されたマルチバッファー層140、下部バッファー層112、下部ゲート絶縁膜114、第1及び第2下部層間絶縁膜116、118の側面と、第2開口部194によって露出された上部層間絶縁膜124の側面と第2下部層間絶縁膜118の上面上に形成されるので、階段状に形成される。一方、ベンディング領域BAには第1及び第2平坦化層126、128を貫通する少なくとも一つの水分遮断ホール(図示せず)が配置されることもできる。この水分遮断ホールは信号リンク176の間、及び信号リンク176の上部の少なくとも一つに形成される。この水分遮断ホールは外部からの水分が信号リンク176上に配置される第1及び第2平坦化層126、128の少なくとも一つを通じてアクティブ領域AAの内部に浸透することを防止する。
【0063】
また、信号リンク176はベンディング領域BAにおいて第1開口部192によって露出された基板101上に配置され、信号リンク176上には第1及び第2平坦化層126、128の少なくとも一つが配置される。これにより、ベンディング領域BAでは、第1及び第2開口部192、194によってマルチバッファー層140、下部バッファー層112、下部ゲート絶縁膜114、第1及び第2下部層間絶縁膜116、118、及び上部層間絶縁膜124が除去される。すなわち、ベンディング領域BAではクラックを引き起こす多数の無機絶縁層140、112、114、116、118、122、124が除去されることにより、クラックの発生なしに基板101を易しく曲げることができる。その他にも、信号リンク176は、
図8に示したように、マルチバッファー層140上に配置されることもできる。ここで、信号リンク176の間に配置されるマルチバッファー層140はクラックの発生なしに容易に曲げられるように除去されることにより、信号リンク176の間には基板101を露出させるトレンチ196が形成される。一方、検査工程時に用いられる検査ライン(図示せず)はベンディング領域BAで
図7~
図8bに示した信号リンク176のいずれか一つと同一構造に形成される。
【0064】
また、ベンディング領域に配置される第1開口部192は、上部バッファー層122の下部に配置される無機絶縁層、すなわちマルチバッファー層140、下部バッファー層112、下部ゲート絶縁膜114、第1及び第2下部層間絶縁膜116、118を除去することによって形成される。これにより、第1平坦化層126の下部に配置される無機絶縁層を除去して第1開口部を形成する比較例に比べ、本発明の第1開口部192の深さは相対的に小さいので、第1開口部192によって露出された無機絶縁層140、112、114、116、118の側面は緩い傾斜角を有する。これにより、第1開口部192に露出された無機絶縁層140、112、114、116、118の側面に形成される信号リンク176だけでなく非アクティブ領域NAに配置される検査ライン(図示せず)のステップカバレージ(Step Coverage)が向上する。よって、ベンディング領域BAの無機絶縁層140、112、114、116、118の側面に形成される信号リンク176及び検査ラインの形成時、信号リンク176及び検査ラインの残膜又はオープン不良を防止することができる。
【0065】
図9a~
図9nは
図7に示した有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【0066】
図9aを参照すると、基板101上にマルチバッファー層140、下部バッファー層112及び多結晶半導体層154が順次形成される。
【0067】
具体的に、基板101上にSiOx及びSiNxが少なくとも1回交互に積層されることによってマルチバッファー層140が形成される。その後、マルチバッファー層140上にSiOx又はSiNxが全面蒸着されることによって下部バッファー層112が形成
される。その後、下部バッファー層112が形成された基板101上にLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)、PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)などの方法で非晶質シリコン薄膜が形成される。その後、非晶質シリコン薄膜が結晶化することによって多結晶シリコン薄膜に形成される。そして、多結晶シリコン薄膜を第1マスクを用いるフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程でパターニングされることによって多結晶半導体層154が形成される。
【0068】
図9bを参照すると、多結晶半導体層154が形成された基板101上に下部ゲート絶縁膜114が形成され、その下部ゲート絶縁膜114上に第1ゲート電極152及びストレージ下部電極182が形成される。
【0069】
具体的に、多結晶半導体層154が形成された基板101上にSiNx又はSiOxのような無機絶縁物質が全面蒸着されることによって下部ゲート絶縁膜114が形成される。その後、下部ゲート絶縁膜114上に第1導電層が全面蒸着された後、第2マスクを用いるフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程で第1導電層がパターニングされることによって第1ゲート電極152とストレージ下部電極182が形成される。その後、第1ゲート電極152をマスクとして用いるドーピング工程で多結晶半導体層154に不純物がドープされることにより、第1ゲート電極152と重畳しないソース及びドレイン領域と、第1ゲート電極152と重畳するチャネル領域が形成される。
【0070】
図9cを参照すると、第1ゲート電極152及びストレージ下部電極182が形成された基板101上に少なくとも一層の第1下部層間絶縁膜116が形成され、その第1下部層間絶縁膜116上にストレージ上部電極184及び第1高電位供給ライン172aが形成される。
【0071】
具体的に、第1ゲート電極152及びストレージ下部電極182が形成された基板101上にSiNx又はSiOxのような無機絶縁物質が全面蒸着されることによって第1下部層間絶縁膜116が形成される。その後、第1下部層間絶縁膜116上に第2導電層が全面蒸着された後、第3マスクを用いるフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程で第2導電層がパターニングされることによってストレージ上部電極184及び第1高電位供給ライン172aが形成される。
【0072】
図9dを参照すると、ストレージ上部電極184及び第1高電位供給ライン172aが形成された基板101上に少なくとも一層の第2下部層間絶縁膜118が形成され、第1ソース及び第1ドレインコンタクトホール160S、160D、ストレージコンタクトホール188、第2ラインコンタクトホール174及び第1開口部192が形成される。
【0073】
具体的に、ストレージ上部電極184及び第1高電位供給ライン172aが形成された基板101上に基板101上にSiNx又はSiOxのような無機絶縁物質が全面蒸着されることによって第2下部層間絶縁膜118が形成される。その後、第4マスクを用いるフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程でマルチバッファー層140、下部バッファー層112、下部ゲート絶縁膜114、第1下部層間絶縁膜116、第2下部層間絶縁膜118が選択的にパターニングされる。これにより、第1ソース及び第1ドレインコンタクトホール160S、160D、ストレージコンタクトホール188、第2ラインコンタクトホール174が形成されるとともにベンディング領域BAに第1開口部192が形成される。ここで、第1ソース及び第1ドレインコンタクトホール160S、160Dは下部ゲート絶縁膜114、第1下部層間絶縁膜116、第2下部層間絶縁膜118を貫通するように形成され、ストレージコンタクトホール188及び第2ラインコンタクトホール174は第2下部層間絶縁膜118を貫通するように形成され、第1開口部192はマ
ルチバッファー層140、下部バッファー層112、下部ゲート絶縁膜114、第1下部層間絶縁膜116、第2下部層間絶縁膜118を貫通するように形成される。
【0074】
図9eを参照すると、第1ソース及び第1ドレインコンタクトホール160S、160D、ストレージコンタクトホール188、第2ラインコンタクトホール174及び第1開口部192が形成された基板101上に第1及び第2ソース電極156、106、第1及び第2ドレイン電極158、108、ストレージ供給ライン186、及び第2高電位供給ライン172bが形成される。
【0075】
具体的に、第1ソース及び第1ドレインコンタクトホール160S、160D、ストレージコンタクトホール188、第2ラインコンタクトホール174及び第1開口部192が形成された基板101上にMo、Ti、Cu、AlNd、Al又はCr又はこれらの合金のような第3導電層が全面蒸着される。その後、第5マスクを用いるフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程で第3導電層がパターニングされることによって第1及び第2ソース電極156、106、第1及び第2ドレイン電極158、108、ストレージ供給ライン186及び第2高電位供給ライン172bが形成される。
【0076】
図9fを参照すると、第1及び第2ソース電極156、106、第1及び第2ドレイン電極158、108、ストレージ供給ライン186及び第2高電位供給ライン172bが形成された基板101上に第2ソース及び第2ドレインコンタクトホール110S、110Dを有する上部バッファー層122が形成される。
【0077】
具体的に、第1及び第2ソース電極156、106、第1及び第2ドレイン電極158、108、ストレージ供給ライン186及び第2高電位供給ライン172bが形成された基板101上にSiNx又はSiOxのような無機絶縁物質が全面蒸着されることによって上部バッファー層122が形成される。その後、第6マスクを用いるフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程で上部バッファー層122がパターニングされることによって第2ソース及び第2ドレインコンタクトホール110S、110Dが形成される。
【0078】
図9gを参照すると、上部バッファー層122が形成された基板101上に酸化物半導体層104が形成される。
【0079】
具体的に、第2ソース及び第2ドレインコンタクトホール110S、110Dを有する上部バッファー層122が形成された基板101上に酸化物半導体層104が全面蒸着された後、第7マスクを用いるフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程でパターニングされることによって酸化物半導体層104が形成される。
【0080】
図9hを参照すると、酸化物半導体層104が形成された基板101上に上部ゲート絶縁パターン146、第2ゲート電極102及び第1低電位供給ライン162aが形成される。
【0081】
具体的に、酸化物半導体層104が形成された基板101上に上部ゲート絶縁膜が形成され、その上にスパッタリングなどの蒸着方法で第4導電層が形成される。上部ゲート絶縁膜としてはSiOx又はSiNxなどの無機絶縁物質が用いられる。第4導電層は、Mo、Ti、Cu、AlNd、Al又はCr又はこれらの合金のような金属物質で単層構造に形成されるか多層構造に形成される。その後、第8マスクを用いるフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程で第4導電層及び上部ゲート絶縁膜を同時にパターニングすることにより、第2ゲート電極102及び第1低電位供給ライン162aのそれぞれと、それぞれの下部の上部ゲート絶縁パターン146が同一パターンで形成される。ここで、上部ゲート絶縁膜の乾式エッチング時、第2ゲート電極102と重畳しない酸化物半導体層
104はプラズマによって露出され、プラズマによって露出された酸化物半導体層104内の酸素はプラズマガスと反応して除去される。これにより、第2ゲート電極102と重畳しない酸化物半導体層104は導体化してソース及びドレイン領域として形成される。
【0082】
図9iを参照すると、上部ゲート絶縁パターン146、第2ゲート電極102及び第1低電位供給ライン162aが形成された基板101上に第2開口部194、第1画素コンタクトホール120及び第1ラインコンタクトホール164を有する上部層間絶縁膜124が形成される。
【0083】
具体的に、上部ゲート絶縁パターン146、第2ゲート電極102及び第1低電位供給ライン162aが形成された基板101上にSiNx又はSiOxのような無機絶縁物質が全面蒸着されることによって上部層間絶縁膜124が形成される。その後、第9マスクを用いるフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程で上部層間絶縁膜124がパターニングされることによって第1画素コンタクトホール120、第1ラインコンタクトホール164及び第2開口部194が形成される。ここで、第1画素コンタクトホール120は上部層間絶縁膜124を貫通するように形成されて酸化物半導体層104のソース領域を露出させ、第1ラインコンタクトホール164は上部層間絶縁膜124を貫通するように形成されて第1低電位供給ライン162aを露出させ、第2開口部194はベゼル領域BAの上部層間絶縁膜124を除去することによってベゼル領域BAの基板101を露出させる。
【0084】
図9jを参照すると、上部層間絶縁膜124が形成された基板101上に第1平坦化層126が形成される。
【0085】
具体的に、上部層間絶縁膜124が形成された基板101上にアクリル系樹脂のような有機絶縁物質が全面蒸着されることによって第1平坦化層126が形成される。その後、第10マスクを用いるフォトリソグラフィー工程で第1平坦化層126がパターニングされることにより、第1画素コンタクトホール120及び第1ラインコンタクトホール164が第1平坦化層126を貫通するように形成される。
【0086】
図9kを参照すると、第1平坦化層126が形成された基板101上に画素連結電極142、第2低電位供給ライン162b及び信号リンク176が形成される。
【0087】
具体的に、第1平坦化層126が形成された基板101上にMo、Ti、Cu、AlNd、Al又はCr又はこれらの合金のような第5導電層が全面蒸着される。その後、第11マスクを用いるフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程で第5導電層がパターニングされることによって画素連結電極142、第2低電位供給ライン162b及び信号リンク176が形成される。
【0088】
図9lを参照すると、画素連結電極142、第2低電位供給ライン162b及び信号リンク176が形成された基板101上に第2画素コンタクトホール144を有する第2平坦化層128が形成される。
【0089】
具体的に、画素連結電極142、第2低電位供給ライン162b及び信号リンク176が形成された基板101上にアクリル系樹脂のような有機絶縁物質が全面蒸着されることによって第2平坦化層128が形成される。その後、第12マスクを用いるフォトリソグラフィー工程で第2平坦化層128がパターニングされることによって第2画素コンタクトホール144が形成される。
【0090】
図9mを参照すると、第2画素コンタクトホール144を有する第2平坦化層128が
形成された基板101上にアノード電極132が形成される。
【0091】
具体的に、第2画素コンタクトホール144を有する第2平坦化層128が形成された基板101上に第6導電層が全面蒸着される。第6導電層としては透明導電膜及び不透明導電膜が用いられる。その後、第13マスクを用いるフォトリソグラフィー工程とエッチング工程で第6導電層がパターニングされることによってアノード電極132が形成される。
【0092】
図9mを参照すると、アノード電極132が形成された基板101上にバンク138、有機発光スタック134及びカソード電極136が順次形成される。
【0093】
具体的に、アノード電極132が形成された基板101上にバンク用感光膜を全面塗布した後、そのバンク用感光膜を第14マスクを用いるフォトリソグラフィー工程でパターニングすることによってバンク138が形成される。その後、シャドーマスクを用いる蒸着工程で非アクティブ領域NAを除いたアクティブ領域AAに発光スタック134及びカソード電極136が順次形成される。
【0094】
このように、本発明ではベンディング領域BAの第1開口部192と、第1ソース及び第1ドレインコンタクトホール160S、160Dが一つの同じマスク工程で形成され、ベンディング領域BAの第2開口部194と、第1ソース及びドレインコンタクトホール110S、110Dが一つの同じマスク工程で形成され、第1ソース及び第1ドレイン電極156、158と、第2ソース及び第2ドレイン電極106、108が一つの同じマスク工程で形成されるので、従来に比べて最小で3マスク工程を減らすことができる。したがって、本発明による有機発光表示装置は従来より少なくとも3回のマスク工程数を低減することができ、構造及び製造工程を簡素化することができるので、生産性を向上させることができる。
【0095】
以上の説明は本発明を例示的に説明したものに過ぎなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって本発明の技術的思想から逸脱しない範疇内で多様な変形が可能であろう。したがって、本発明の明細書に開示した実施例は本発明を限定するものではない。本発明の範囲は下記の特許請求範囲によって解釈されなければならなく、それと均等な範囲内にある全ての技術も本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならないであろう。
【符号の説明】
【0096】
102、152 ゲート電極
104 酸化物半導体層
106、156 ソース電極
108、110 ドレイン電極
130 発光素子
154 多結晶半導体層
162 低電位供給ライン
172 高電位供給ライン
176、LK 信号リンク
180 ストレージキャパシタ
192、194 開口部