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特許7105865コンベヤシステムにおける非線形掘削孔を有するローラー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】コンベヤシステムにおける非線形掘削孔を有するローラー
(51)【国際特許分類】
   B65G 39/02 20060101AFI20220715BHJP
【FI】
B65G39/02 Z
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020503290
(86)(22)【出願日】2018-07-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-15
(86)【国際出願番号】 US2018042816
(87)【国際公開番号】W WO2019032259
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-06-14
(31)【優先権主張番号】62/542,918
(32)【優先日】2017-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508181663
【氏名又は名称】レイトラム,エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】コックス,デイヴィッド エイ.
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-116022(JP,U)
【文献】国際公開第2011/152179(WO,A1)
【文献】実公平02-013417(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤ用ローラーであって、
第1の面、第2の面および外側周囲表面を有する環状本体と、
シャフトを受容するために、前記第1の面から前記第2の面まで前記環状本体を貫いて延在する非線形掘削孔と、を備えるローラー。
【請求項2】
前記非線形掘削孔は、前記第1の面から前記第2の面まで延在する中央円筒形開口と、前記第1の面内の第1の円形スロットと、前記第2の面内の第2の円形スロットとを備える、請求項1に記載のローラー。
【請求項3】
前記非線形掘削孔は、前記第1の面から前記第2の面まで延在する中央円筒形開口と、前記第1の面から前記第2の面まで延在する、前記中央円筒形開口と連通する非線形トラックとを備える、請求項1に記載のローラー。
【請求項4】
前記非線形トラックはv字形である、請求項3に記載のローラー。
【請求項5】
前記非線形掘削孔は、1対のオフセットして重なり合うスロットを備える、請求項1に記載のローラー。
【請求項6】
各スロットはスタジアム形状を有する、請求項5に記載のローラー。
【請求項7】
前記非線形掘削孔は鏡像対称性を有する、請求項1に記載のローラー。
【請求項8】
前記非線形掘削孔は、中心軸の周りで回転対称である、請求項1に記載のローラー。
【請求項9】
コンベヤ用ローラーであって、
第1の面、第2の面および外側周囲表面を有する環状本体と、
前記第1の面から前記第2の面まで延在する中央円筒形部分、前記中央円筒形部分および前記第1の面と連通する第1のスロット、ならびに前記中央円筒形部分および前記第2の面と連通する第2のスロットを備える掘削孔であって、前記第2のスロットは前記第1のスロットと不整列である掘削孔と、を備えるローラー。
【請求項10】
前記第1のスロットおよび第2のスロットは交差して、v字形トラックを形成する、請求項9に記載のローラー。
【請求項11】
前記第1のスロットおよび前記第2のスロットは互いに180°オフセットしている、請求項9に記載のローラー。
【請求項12】
前記第1のスロットおよび第2のスロットは円形端部を有する、請求項9に記載のローラー。
【請求項13】
前記第1のスロットは、前記環状本体の中心軸と一致する曲率中心を有する第1の湾曲端部を有し、前記第2のスロットは、前記環状本体の前記中心軸と一致する曲率中心を有する第1の湾曲端部を有する、請求項9に記載のローラー。
【請求項14】
前記第1のスロットおよび第2のスロットは、前記ローラーの回転方向に対して横方向に延在する、請求項9に記載のローラー。
【請求項15】
ローラー受容部分および主要部分を有するシャフトと、
前記ローラー受容部分に取り付けられた、非線形掘削孔を備えるローラーと、を備える組合せローラーおよびシャフト。
【請求項16】
前記ローラー受容部分は、前記主要部分からオフセットし、かつ重なり合っており、前記非線形掘削孔は2つのオフセットして重なり合うスロットを備える、請求項15に記載の組合せ。
【請求項17】
前記ローラー受容部分は、前記シャフト上の2つの突起の間に形成されており、前記非線形掘削孔は、中央円筒形部分と、前記突起の一方を受容するための非線形トラック部分とを備える、請求項15に記載の組合せ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、一般に、動力駆動コンベヤに関し、特に、コンベヤシステムに使用される支持ローラーおよび他の付属品に関する。
【0002】
エンドレスコンベヤベルトは、物品を移動、仕分け、運搬、保管、または処理するために、多くの業界で広く使用されている。コンベヤベルトは、一般に、スプロケットなどの駆動部と、1つ以上の遊びローラーとの周りに掛け渡されて、送込みの上方運搬路と、送出し部と、下方戻り路とを備える回路またはループを形成する。品物は、上方運搬路に沿って支持されたコンベヤベルト上を搬送される。コンベヤベルトは下方戻り路に沿って戻る。戻り路におけるベルトの最大たるみを最小限にするため、リターンシューまたはローラーなどの支持体がしばしば使用される。普通の戻り路支持体は、円形シャフト上に自由回転のために取り付けられた1組のドーナツ形ローラーを含む。ローラーは自由に回転するので、シューなどの静的支持体よりも、ベルトに接触する際に少ない摩擦を生じる。但し、戻り路ローラーに伴う1つの問題は、ベルトからの力の影響により、時間が経つにつれシャフトに沿って軸方向に移動する傾向があることである。ドーナツ形ローラーの移動は、ベルトの不整列およびノイズを惹起し得る。
【0003】
通常、戻り路ローラーなどのローラーは、ローラーを円形シャフトまたは軸に取り付けるための中央円筒形掘削孔を有し、円形シャフトまたは軸は円筒形掘削孔の直径よりも僅かに小さい直径を有する。ローラーがシャフトに沿って移動することを防ぐために、様々な方策が用いられている。シャフトクランプやホースクランプは有効であるが、高価であり、設置するのに多大な労力を要する。ドーナツ形ローラーの側面に配置されるシャフト上のダクトテープは有効であり得るが、見映えが良くない。浴室シンクにおいてリフトロッドの底部にあるクレビスをストッパの枢動ロッドに接続するために使用されるものと同様の、ばね張力クリップも使用されている。但し、外側に曲がったアームを有するこのようなばね張力クリップに対するドーナツ形ローラーによる側方圧力は、シャフト上のクリップの咬合を解放し、ローラーがクリップをシャフトに沿って押すことを許容する傾向がある。
【発明の概要】
【0004】
コンベヤベルト用支持ローラーは、支持ローラーをシャフト上に取り付けるための非線形掘削孔を備える。非線形掘削孔は、支持ローラーをシャフトの動作可能部分に拘束するように設計されている。
【0005】
1つの態様によれば、コンベヤ用ローラーは、第1の面、第2の面および外側周囲表面を有する環状本体と、シャフトを受容するために、第1の面から第2の面まで環状本体を貫いて延在する非線形掘削孔と、を備える。
【0006】
別の態様によれば、コンベヤ用ローラーは、第1の面、第2の面および外側周囲表面を有する環状本体と、第1の面から第2の面まで延在する中央円筒形部分、中央円筒形部分および第1の面と連通する第1のスロット、ならびに中央円筒形部分および第2の面と連通する第2のスロットを備える掘削孔であって、第2のスロットは第1のスロットと不整列である掘削孔と、を備える。
【0007】
別の態様によれば、組合せローラーおよびシャフトは、ローラー受容部分および主要部分を有するシャフトと、ローラー受容部分上に取り付けられた、非線形掘削孔を備えるローラーと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
開示されるシステムおよび方法は、以下の図面を参照して理解することができる。図中の構成要素は必ずしも縮尺通りではない。
【0009】
図1図1は、本発明の一実施形態に従う、非線形掘削孔を有するローラーを含むコンベヤの戻り路のアイソメ図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に従う、非線形掘削孔を有するコンベヤローラーの一実施形態を示す。
図3図3は、図2のコンベヤローラーと共に使用するのに適したコンベヤシャフトを示す。
図4図4は、図2のコンベヤローラーの前面図である。
図5図5は、図2のローラーの非線形掘削孔の形状を示す側面図である。
図6図6は、図3のシャフト上に取り付けられた、動作位置にある図2のローラーを示す。
図7図7は、図6のシャフトから図6のローラーを取り外すことに関与するステップを示す。
図8図8は、図6のシャフトから図6のローラーを取り外すことに関与するステップを示す。
図9図9は、図6のシャフトから図6のローラーを取り外すことに関与するステップを示す。
図10図10は、図6のシャフトから図6のローラーを取り外すことに関与するステップを示す。
図11図11は、図6のシャフトから図6のローラーを取り外すことに関与するステップを示す。
図12図12は、本発明の別の実施形態に従う、非線形掘削孔を有するコンベヤローラーのアイソメ図である。
図13図13は、図12のローラーの前面図である。
図14図14は、図12のローラーの上面図である。
図15図15は、線A-Aを通る図12のローラーの断面図である。
図15図15は、本発明の一実施形態に従う、図12のローラーをシャフト上に取り付けることに関与するステップを示す。
図16図16は、本発明の一実施形態に従う、図12のローラーをシャフト上に取り付けることに関与するステップを示す。
図17図17は、本発明の一実施形態に従う、図12のローラーをシャフト上に取り付けることに関与するステップを示す。
図18図18は、本発明の一実施形態に従う、図12のローラーをシャフト上に取り付けることに関与するステップを示す。
図19図19は、本発明の一実施形態に従う、図12のローラーをシャフト上に取り付けることに関与するステップを示す。
図20図20は、本発明の一実施形態に従う、図12のローラーをシャフト上に取り付けることに関与するステップを示す。
図21図21は、本発明の代替実施形態に従う、非線形掘削孔を有するローラーのための非線形トラック部分の様々な例を示す。
図22図22は、本発明の代替実施形態に従う、非線形掘削孔を有するローラーのための非線形トラック部分の様々な例を示す。
図23図23は、本発明の代替実施形態に従う、非線形掘削孔を有するローラーのための非線形トラック部分の様々な例を示す。
図24図24は、本発明の代替実施形態に従う、非線形掘削孔を有するローラーのための非線形トラック部分の様々な例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
コンベヤは、シャフトの選択された部分にローラーを自己保持するように設計された掘削孔を有するローラーを採用する。本発明を、特定の例示的な実施形態に関して説明するが、本発明は、これらの実施形態に限定されない。
【0011】
図1は、コンベヤベルトを支持するローラーを含むコンベヤの戻り路のアイソメ図であり、ローラーは、各ローラーをシャフト上に保持することを容易にするための非線形掘削孔を有する。コンベヤベルト10は、運搬路レール12上を走行する運搬路11と、コンベヤベルトがシャフト30上に取り付けられた戻り路支持ローラー20によって支持される、運搬路下方の戻り路13とを形成する。シャフト30は、フレームに接続され、回転可能に固定され得、その一方、支持ローラーはシャフト上で自由に回転する。シャフト30および戻り路支持ローラー20は、戻り路支持ローラー20をシャフト30の選択セクションに拘束するように構成されている。自己保持戻り路支持ローラー30の様々な実施形態を以下に記載するが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。加えて、本発明は、コンベヤの戻り路におけるローラーに限定されず、シャフト上に回転可能に取り付けられる任意のローラーに適用することができる。
【0012】
図2は、シャフト上でローラーの軸方向位置を保持するための非線形掘削孔140を有するローラー120の一実施形態を示す。例示的なローラー120は、コンベヤにおける戻り路支持ローラーであるが、本発明はそのように限定されず、搬送システムに使用される任意のローラーを備え得る。図3は、ローラー120と共に使用するのに適したシャフト130を示す。
【0013】
例示的なローラー120は、第1の円形面121と、第2の円形面122と、2つの面121、122の間の外側周囲表面123とを備えるディスク部分を有する。例示的な非線形掘削孔140は、2つのオフセットして重なり合うスロット141、151を備える。第1のスロット141は第1の面121に形成され、第2のスロットは第2の面122に形成されている。
【0014】
図4に示すように、ローラー120の第1のスロット141は円形スロットであり、スタジアムの形状を有するが、本発明はそのように限定されない。スロット141は、ディスク部分の中心軸124と一致する曲率中心を有する第1の湾曲壁143によって形成されている。スロット141は、外側周囲表面123に向かって延在し、第2の湾曲壁144で終端し、真直壁146、147が湾曲端部壁143、144を接続している。
【0015】
第2のスロット151は、第2の面122に形成されている。第2のスロット151もスタジアムの形態をとり、第1のスロット141と重なり合う部分を有して、第1の面121から第2の面122まで延在する円筒形開口を形成する。第2のスロットの第1の湾曲表面153もまた、ディスク部分の中心軸124と一致する曲率中心を有する。第2のスロット151は周囲部分123に向かって外に延在する。第2のスロット151は、第1のスロット141と180°位相が異なる。
【0016】
図5を参照すると、第1の面から第2の面まで延在する例示的な非線形掘削孔140は、一定の断面を有する中央円筒形開口125(スロットが重なり合う部分)と、中央円筒形開口から延在する2つのオフセットしたスロット(中央円筒形開口125の一部を形成しない141、151の部分)とを有するとして記述することができる。中央円筒形開口125は、第1の面121から第2の面122まで軸124に沿って延在する。
【0017】
例示的な非線形掘削孔140は、回転対称である全体的形状を有する。図5に示すように、掘削孔140は、2つの面121と122の間の中間にあり、かつディスクの幾何学的中心にある軸127の周りで回転対称である。軸127は、ディスクの軸124に垂直に延在する非線形掘削孔140は、軸127の周りに2つの要素で回転対称である。形状が軸127の周りに180°だけ回転すると同じ形状となる。
【0018】
図2に戻って参照すると、シャフト130は、ローラー受容部分131と、オフセット部分132、133とを備える。オフセット部分132、133は、ローラー受容部分131の脇に三日月形壁134を形成する。
【0019】
図6は、非線形掘削孔140を介してシャフト130上に取り付けられたローラー120を示す。ローラー受容部分131は、中央円筒形開口125を貫いて延在し、三日月形壁134はローラー面121、122に隣接して、シャフト130上でのローラー120の軸方向の動きを防止または低減または制限する。ローラー120は、シャフトのローラー受容部分131上で自由に回転することができる。
【0020】
図7図11は、ローラー120をシャフト130から取り外すためのステップを示す。図7図10において、ローラー120の90°セグメントは、例証の目的で除去されている。まず、ローラー受容部分131を円筒形部分内にとどめつつ、シャフト130のオフセット部分133をスロット151の周方向外側部分と整列させる。次いで、図8に示すように、オフセット部分133を、壁134がスロットの内側表面に当接するまで、第2のスロット151を通して押し込むと、ローラー受容部分131が第1の面121から現われる。次に、図9に示すように、シャフト130を掘削孔140内で下方に変位させると、ローラー受容部分131はスロット141の周方向外側部分内に着座し、オフセット部分は中央円筒形開口125内に存在する。次いで、図10に示すように、部分131および133を、掘削孔140から引き出し、図11に示すように、ローラー120をシャフト130から完全に取り外すことができる。掘削孔140の非線形形状とシャフト130の非線形形状とが協同して、シャフトのローラー受容部分131上でのローラーの回転を可能にしながら、通常動作の間にローラー120がシャフト130から外れるのを防止する。
【0021】
図12図15は、シャフトの動作可能部分上にローラーを拘束するための非線形掘削孔240を有する、別の実施形態のローラー220を示す。ローラー220は、第1の面と、反対側の第2の面と、外側周囲表面とを有する環状ディスクを備える。非線形掘削孔240は、シャフトの回転部分を着座させるように構成された中央円筒形部分241と、中央円筒形部分と連通する非線形トラック部分242とを備える。中央円筒形部分241および非線形トラック部分242の両方が、第1の面から反対側の第2の面まで延在する。中央円筒形開口125と同様に、中央円筒形部分241は、その周りをローラー220が回転する中心軸243に沿って延在する。
【0022】
例示的な非線形トラック部分242は、第1のローラー面221からローラーの軸方向中心に向かって横方向に延在する第1の脚部245を有するv字形スロットである。第2の脚部246は、第2のローラー面222から(第1のローラー面221と第2のローラー面222との中間にある)ローラーの軸方向中心に向かって横方向に延在する。非線形トラック242は、ローラーの軸方向中心の周りで鏡像対称性を有するが、本発明は限定されない。
【0023】
例示的なトラック部分は、天底247で合流する2つの横方向脚部またはスロットによって形成されるv字形であるが、本発明はそのように限定されない。例えば、トラックは、U字形、W字形、もしくはS字形であるか、またはシャフト上でのローラーの拘束を可能にする別の適切な形状を有することができる。あるいは、トラック部分242は、鏡像対称性および-または回転対称性を欠くこともでき、シャフトの選択部分上でローラーを拘束するように別様に構成される。
【0024】
図16図20は、本発明の一実施形態に従う、ローラーを拘束するように構成されたシャフト230上にローラー220を取り付けるステップを示す。シャフト230は、ローラー220の中央円筒形部分241に受容されるように構成された主要本体と、ローラー220の軸方向長さLよりも僅かに大きく(L++)離間された突起232、233とを含む。
【0025】
図16において、シャフト230を、第1の突起232が第1の面221に当接するまで、掘削孔240を通して押し込む。突起232が、トラック242への開口に隣接して配置される。シャフト230を、突起232がトラック242に進入するまで、前方に押し続ける。図17に示すように、シャフト230を、前方に押し続けながら、その中心軸231の周りで方向Rに回転させると、突起232が、トラック242の第1の脚部245内に進入しかつ下方に進行する。突起232は、シャフトが押されかつ捩られることによって、図18に示すように天底247にある底部に達するまで、トラックの下方に進行し続ける。次いで、シャフトを開口241を通して押し込み続けながら、シャフトを反対方向R’に回転させると、突起232がトラックの第2の脚部246に進入する。シャフト230を、図20に示すように、第1の突起232が第2の脚部246から現れるまで、掘削孔を通して回転かつ押し込み続ける。図20において、ローラー220はシャフト230の動作可能部分、即ち突起232、233の間の部分の上に完全に取り付けられる。この位置では、突起232、233はローラーに跨り、面222、221にそれぞれ当接し、その一方、ローラーがそのローラー受容部分上で自由に回転することを可能にしている。
【0026】
ローラー220が動作方向Roに回転するとき、ローラー220は、非線形掘削孔240の構成によって2つの突起232、233の間に拘束される。トラック245における脚部245、246の横方向は、ローラーが動作方向Roに回転するとき突起232、233はトラック245に進入できないので、ローラーがシャフトの動作可能部分から移動することを防止する。しかしながら、ローラーの反対方向の回転は、軸方向にシャフトを押すことまたは引くことと組合わされて、突起232、233の一方がトラック245に進入することを許容し、ローラーを、2つの突起232、233の間のシャフトのローラー受容部分上のその動作位置から意図的に外す。
【0027】
上述したように、ローラー掘削孔の非線形トラックは、動作中にローラーを拘束するのに適した任意の適切な実施形態を有することができる。例えば、1つの実施形態では、ローラー面に当接するトラックの一方または両方の端部のみが横方向であり、トラックの内側部分は真直、横方向、円形または別様に構成された状態である。図21図24は、シャフトの動作可能部分にローラーを拘束するのに適したローラー内の非線形掘削孔の一部分を形成する非線形トラック部分の様々な代替実施形態を示すが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。例えば、図21に示すように、ローラー掘削孔の非線形トラック342は、2つの横方向脚部345、346と、中央真直部分347とを含むことができる。図22の別の非限定的実施形態は、鏡像対称性または回転対称性を必要としない、曲線によって接続された様々な横方向部分を有する非線形トラック442を示す。図23は、本発明の別の実施形態に従うローラー掘削孔のS字形の非線形トラック部分542を示す。図24は、中央真直部分647と、ローラーの前面および後面から中央真直部分まで延在する2つの湾曲端部645、646とを備える、ローラー掘削孔の例示的な非線形トラック部分642を示す。非線形掘削孔の他の様々な実施形態を使用して、自己保持ローラーを提供することができる。
【0028】
本発明を例示的なバージョンに関して詳細に説明したが、他のバージョンも可能である。従って、これら幾つかの例が示唆するように、特許請求の範囲は、詳細に説明された例示的な実施形態に限定されることは意図されない。
図1
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