(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】半導体デバイス及び半導体デバイスと回路基板との接触接続装置
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20220715BHJP
H01L 23/52 20060101ALI20220715BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
H01L23/12 L
H01L23/52 E
H05K3/34 501E
(21)【出願番号】P 2020511925
(86)(22)【出願日】2018-08-03
(86)【国際出願番号】 EP2018071190
(87)【国際公開番号】W WO2019042709
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-02-27
(31)【優先権主張番号】102017215027.0
(32)【優先日】2017-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ラウスマン
(72)【発明者】
【氏名】クラウス コスビ
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター ゲーラ
(72)【発明者】
【氏名】ラース フォルマー
【審査官】綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-270723(JP,A)
【文献】特開2000-100986(JP,A)
【文献】特開2005-005601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/02 - 23/52
H01L 25/00 - 25/18
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップ(3)と、パッケージ(5)と、複数の面状の端子(12)から成る少なくとも2つの列(14,16)を有する端子配列部(10)とを備えた半導体デバイス(2)であって、
前記端子(12)は、前記パッケージ(5)の下面に配置されており、接続部(9)を介して、少なくとも2つの列(24,26)を有しており、かつ、回路基板(7)上に配置されているコンタクト配列部(20)の対応するコンタクト(22)に電気的に接続可能であり、
前記コンタクト配列部(20)の幾何学配置は、前記端子配列部(10)の幾何学配置に対応しており、
前記端子配列部(10)の第1の列(14)の隣接する2つの第1の端子(14A)間には、第1の距離が設定されており、前記端子配列部(10)の第2の列(16)の隣接する2つの第2の端子(16A)間には、第2の距離が設定されており、
前記第2の列(16)の前記第2の端子(16A)は、前記第1の列(14)の前記第1の端子(14A)に対してずらされて配置されている、
半導体デバイス(2)において、
前記端子配列部(10)の前記第1の列(14)の隣接する2つの第1の端子(14A)間の前記第1の距離は、対応する前記コンタクト配列部(20)の2つのコンタクト(22)間の中間空間(C,D)
の幅(Br)に
相当し、
少なくとも1つの前記中間空間(C,D)
は、少なくとも2つの導体路(28)を、フェイルセーフの寸法及び距離を以て配置し得
るように構成されており、
前記コンタクト配列部(20)の
前記中間空間(C,D)を含む所定の部分に
配置されている前記コンタクト(22)及び前記導体路(28)の各相互間の距離から算出される配線密度(VDK)は、式VDK=kk/(mpb+4*rv+2*kue+n*mlb+(n-1)*mla)に従って算出され、ここで、kkは、考察される区間におけるコンタクト数を表し、mpbは、最小コンタクト幅を表し、rvは、最大レジストオフセットを表し、kueは、最小縁部被覆を表し、nは、隣接する2つの第1のコンタクト(26A)間の前記中間空間(B,C,D)における導体路数を表し、mlbは、最小導体路幅を表し、mlaは、最小導体路距離を表
し、
少なくとも2つの前記導体路(28)が配置された前記中間空間(C,D)においては、3.25信号/mmから3.75信号/mmの範囲の前記配線密度(VDK)が実現される、
ことを特徴とする、半導体デバイス(2)。
【請求項2】
前記第1の列(14)の隣接する2つの第1の端子(14A)間の前記第1の距離は、同一の値又は異なる値を有していることを特徴とする、請求項1に記載の半導体デバイス(2)。
【請求項3】
前記第2の列(16)の隣接する2つの第2の端子(16A)間の前記第2の距離は、同一の値又は異なる値を有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の半導体デバイス(2)。
【請求項4】
半導体チップ(3)と、パッケージ(5)と、前記パッケージ(5)の下面に配置されている複数の面状の端子(12)から成る少なくとも2つの列(14,16)を有する端子配列部(10)とを備えた半導体デバイス(2)と、複数のコンタクト(22)から成る少なくとも2つの列(24,26)
が配置されたコンタクト配列部(20)を含む回路基板(7)と
を含む接触接続装置(1)であって、
前記コンタクト配列部(20)の幾何学配置は、前記端子配列部(10)の幾何学配置に対応しており、前記端子配列部(10)の前記端子(12)は、接続部(9)を介して、前記コンタクト配列部(20)の対応するコンタクト(22)に電気的に接続されており、
前記端子配列部(10)の前記端子(12)は、前記コンタクト配列部(20)の前記コンタクト(22)によって、及び、前記回路基板(7)の導体路(28)によって分散されており、
前記端子配列部(10)の第1の列(14)の隣接する2つの第1の端子(14A)間、及び、前記コンタクト配列部(20)の第1の列(23)の隣接する2つの第1のコンタクト(24A)間には、第1の距離が設定されており、前記端子配列部(10)の第2の列(16)の隣接する2つの第2の端子(16A)間、及び、前記コンタクト配列部(20)の第2の列(26)の隣接する2つの第2のコンタクト(26A)間には、第2の距離が設定されており、
それぞれの前記第2の列(16,26)の前記第2の端子(16A)及び前記第2のコンタクト(26A)は、それぞれの前記第1の列(14,24)の前記第1の端子(14A)及び前記第1のコンタクト(24A)に対してずらされて配置されており、
前記第2の列(26)の前記第2のコンタクト(26A)は、前記導体路(28)を介して接触接続可能であり、前記導体路(28)は、それぞれ、前記第1の列(24)の隣接する2つのコンタクト(24A)間の中間空間(B,C,D)を通って案内されている、
接触接続装置(1)において、
前記端子配列部(10)の前記第1の列(14)の隣接する2つの第1の端子(14A)間の前記第1の距離、及び、前記コンタクト配列部(20)の前記第1の列(24)の隣接する2つの対応する第1のコンタクト(24A)間の前記第1の距離は、前記コンタクト配列部(20)の2つのコンタクト(22)間の中間空間(C,D)
の幅(Br)に
相当し、
少なくとも1つの前記中間空間(C,D)
は、少なくとも2つの導体路(28)を、フェイルセーフの寸法及び距離を以て配置することが可能であ
るように構成されており、前記導体路(28)はそれぞれ、前記第2の列(26)の第2のコンタクト(26A)に接触接続されており、
前記コンタクト配列部(20)の
前記中間空間(B,
C,D)を含む所定の部分に
配置されている前記コンタクト(22)及び前記導体路(28)の各相互間の距離から算出される配線密度(VDK)は、式VDK=kk/(mpb+4*rv+2*kue+n*mlb+(n-1)*mla)に従って算出され、ここで、kkは、考察される区間におけるコンタクト数を表し、mpbは、最小コンタクト幅を表し、rvは、最大レジストオフセットを表し、kueは、最小縁部被覆を表し、nは、隣接する2つの第1のコンタクト(26A)間の前記中間空間(B,C,D)における導体路数を表し、mlbは、最小導体路幅を表し、mlaは、最小導体路距離を表
し、
少なくとも2つの前記導体路(28)が配置された前記中間空間(C,D)においては、3.25信号/mmから3.75信号/mmの範囲の前記配線密度(VDK)が実現される、
ことを特徴とする、接触接続装置(1)。
【請求項5】
それぞれの前記第1の列(14,24)の、隣接する2つの第1の端子(14A)間の前記第1の距離及び隣接する2つの第1のコンタクト(24A)間の前記第1の距離は、同一の値を有していることを特徴とする、請求項4に記載の接触接続装置(1)。
【請求項6】
それぞれの前記第1の列(14,24)の、隣接する2つの第1の端子(14A)間の前記第1の距離及び隣接する2つの第1のコンタクト(24A)間の前記第1の距離は、異なる値を有していることを特徴とする、請求項4に記載の接触接続装置(1)。
【請求項7】
隣接する2つの第1のコンタクト(24A)間の第1の中間空間(A)
の幅(Br)は、最小コンタクト距離(mpa)
に相当することを特徴とする、請求項6に記載の接触接続装置(1)。
【請求項8】
隣接する2つの第1のコンタクト(24A)間の第2の中間空間(B)においては、導体路(28)が1つだけ案内されていることを特徴とする、請求項6又は7に記載の接触接続装置(1)。
【請求項9】
隣接する2つの第1のコンタクト(24A)間の第3の中間空間(C)においては、2つの導体路(28)が案内されていることを特徴とする、請求項6乃至8のいずれか一項に記載の接触接続装置(1)。
【請求項10】
隣接する2つの第1のコンタクト(24A)間の第4の中間空間(D)においては、3つの導体路(28)が案内されていることを特徴とする、請求項6乃至9のいずれか一項に記載の接触接続装置(1)。
【請求項11】
それぞれの前記第2の列(16,26)の、隣接する2つの第2の端子(16A)間の前記第2の距離及び隣接する2つの第2のコンタクト(26A)間の前記第2の距離は、同一の値又は異なる値を有していることを特徴とする、請求項4乃至10のいずれか一項に記載の接触接続装置(1)。
【請求項12】
それぞれの前記第2の列(16,26)の前記第2の端子(16A)及び前記第2のコンタクト(26A)は、それぞれの前記第1の列(14,24)の隣接する2つの端子(14A)間及び隣接する2つの第1のコンタクト(24A)間におけ
る前記中間空間(B,C,D)の中心を基準にして対称的に整列されていることを特徴とする、請求項11に記載の接触接続装置(1)。
【請求項13】
nは、1から3までの範囲の自然数であることを特徴とする、請求項4乃至12のいずれか一項に記載の接触接続装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1の上位概念に記載の半導体デバイスに関する。本発明はまた、独立請求項4の上位概念に記載の半導体デバイスと回路基板との接触接続装置も対象とする。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス(IC)は、コスト及び性能の理由から、恒常的に小型化が進んでおり(ムーアの法則)、単位面積当りの半導体デバイスの電気的な接続部の数は増加している。半導体デバイスレベルでの集積密度のこのような増加は、それと同時に、半導体デバイスパッケージ(ICパッケージ)の集積密度の相応の増加も必要とする。その理由は、半導体デバイス自体のコスト及び性能と同様の理由による。半導体デバイスパッケージは、周縁部に端子を有する構造(SOIC,QFP,QFN)の集積度を高める過程において、複数列の面状の端子(multi row QFN,FusionQuad)又はいわゆるエリアアレイ型の構造(BGA,LGA,WLP)を有する半導体デバイスパッケージへと発展した。半導体デバイスパッケージの集積密度を特徴付けるものとして、端子相互の距離寸法(ピッチ)が挙げられる。現在のところ、従来技術の周縁部に端子を有する構造についてもエリアアレイ型の構造についても、最小の距離寸法は0.4mmである。小型化は、標準的に、端子相互の距離寸法(ピッチ)の短縮に常に関連付けられている。
【0003】
クワッド・フラット・ノー・リードパッケージ(QFNパッケージ)は、集積回路乃至半導体デバイスの一般的なパッケージ構造形態である。この用語は、回路基板に表面実装モジュールとしてはんだ付けされるパッケージの種々のサイズを含む。本質的な特徴として、また、類似のクワッド・フラット・パッケージ(QFP)とは異なり、電気的な端子は、パッケージの寸法を超えて側方に突出しておらず、例えば、錫めっきされていない銅端子の形態で平坦にパッケージの下面に集積されている。これによって、回路基板における所要スペースを低減することができ、また、より高いパッケージ密度を達成することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】「Application Notes for Surface Mount Assembly of Amkor’s Dual Row MLF Packages」、2005年8月、A版
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
超高集積半導体デバイスパッケージ及び高集積半導体デバイスパッケージの適用は、適切な回路基板におけるその加工性を前提条件とする。回路基板技術は、機械的に穿孔されて電気めっきされたスルーホール(ビア)を用いる粗い標準技術と、レーザ穿孔されたビアに基づいて、回路基板上のデバイスの配線に対してより短い距離を許容する、より精密な高密度相互接続技術(HDI技術)とに分けられる。より煩雑な製造方法に起因して、HDI技術は、従来技術に比較してコストが高くなる。一般的に、高集積半導体デバイスパッケージ及び超高集積半導体デバイスパッケージは、HDI技術の回路基板を必要とする。
【0006】
「Application Notes for Surface Mount Assembly of Amkor’s Dual Row MLF Packages」、2005年8月、A版からは、半導体チップと、パッケージと、複数の面状の端子から成る少なくとも2つの列を有する端子配列部とを備えた半導体デバイスが公知であり、前述の端子は、パッケージの下面に配置されており、接続部を介して、少なくとも2つの列を有する、回路基板に配置されているコンタクト配列部の対応するコンタクトに電気的に接続することができる。コンタクト配列部の幾何学配置は、端子配列部の幾何学配置に対応しており、端子配列部の第1の列の隣接する2つの第1の端子間には、第1の距離が設定されており、かつ、端子配列部の第2の列の隣接する2つの第2の端子間には、第2の距離が設定されている。第2の列の第2の端子は、第1の列の第1の端子に対してずらされて配置されている。第1の列の隣接する2つの第1の端子間の第1の距離及び第2の列の隣接する2つの第2の端子間の第2の距離は、同一の値を有している。距離について考えられる値として、500μm又は650μmが開示されている。端子配列部の第1の列の隣接する2つの第1の端子間の第1の距離は、回路基板の対応するコンタクト配列部の2つのコンタクト間の中間空間に対応し、この中間空間においては、第2の列の第2のコンタクトと接触接続する1つの導体路を、確実に機能する寸法及び距離を以て配置することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の開示
独立請求項1の特徴部に記載の構成を備えた半導体デバイス及び請求項4の特徴部に記載の構成を備えた半導体デバイスと回路基板との接触接続装置は、半導体デバイスの端子配列部が、高集積密度にもかかわらず、廉価な標準回路基板技術と互換性があるという利点を有している。このことは、回路基板における配線が標準技術で実現されるように、端子配列部の面状の端子間の距離を設定することによって達成される。同様に、端子配列部のこのフレキシブルな構成によって、コンタクト配列部のコンタクトの列間のスルーホールを実現することができる。
【0008】
端子配列部の第1の列の隣接する少なくとも2つの端子間の第1の距離を拡大することによって、例えばmulti row QFNの場合のような、面状の複数の端子を有する複数列の端子配列部において小型化を達成することができ、前述の端子は、廉価な標準技術により製造された回路基板によって、さらに分散させることができる。
【0009】
このような複数列の端子配列部を、標準技術で製造された回路基板のコンタクト配列部によって分散させるために、端子配列部のすべての端子を、コンタクト及び回路基板における導体路を介して分散させることが必要になる。小型化乃至配線密度の増加は、本発明に係る半導体デバイス及び本発明に係る接触接続装置の実施形態においては、従来技術とは異なり、端子配列部の第1の列の隣接する2つの第1の端子間の距離乃至コンタクト配列部の第1の列の隣接する2つの第1のコンタクト間の距離を拡大することによって達成することができる。何故ならば、端子配列部の第2の列の隣接する2つの第2の端子間の第2の距離乃至コンタクト配列部の第2の列の隣接する2つの第2のコンタクト間の第2の距離は、最小コンタクト距離まで低減することができ、この際に、第1の列の隣接する第1のコンタクト間の中間空間において案内されている導体路を介して、第2の列のより多くの数の第2のコンタクトに到達することができるからである。
【0010】
本発明の実施形態は、半導体チップと、パッケージと、複数の面状の端子から成る少なくとも2つの列を有する端子配列部とを備えた半導体デバイスを提供し、前述の端子は、パッケージの下面に配置されており、かつ、接続部を介して、少なくとも2つの列を有する、回路基板上に配置されているコンタクト配列部の対応するコンタクトに電気的に接続することができる。コンタクト配列部の幾何学配置は、端子配列部の幾何学配置に対応しており、端子配列部の第1の列の隣接する2つの第1の端子間には、第1の距離が設定されており、かつ、端子配列部の第2の列の隣接する2つの第2の端子間には、第2の距離が設定されている。第2の列の第2の端子は、第1の列の第1の端子に対してずらされて配置されている。ここで、少なくとも、端子配列部の第1の列の隣接する2つの第1の端子間の第1の距離は、対応するコンタクト配列部の2つのコンタクト間の中間空間に対応し、この中間空間においては、少なくとも2つの導体路を、フェイルセーフの(funktionssicher:安全動作する、確実に機能する)寸法及び距離を以て配置することができる。
【0011】
さらに、半導体チップと、パッケージと、パッケージの下面に配置されている複数の面状の端子から成る少なくとも2つの列を有する端子配列部とを備えた半導体デバイスと、複数のコンタクトから成る少なくとも2つの列を有するコンタクト配列部を含む回路基板との接触接続装置が提案される。コンタクト配列部の幾何学配置は、端子配列部の幾何学配置に対応しており、端子配列部の端子は、接続部を介して、コンタクト配列部の対応するコンタクトに電気的に接続されている。さらに、端子配列部の各端子は、コンタクト配列部のコンタクト及び回路基板の導体路によって分散されている。端子配列部の第1の列の隣接する2つの第1の端子間、及び、コンタクト配列部の第1の列の隣接する2つの第1のコンタクト間には、第1の距離が設定されており、また、端子配列部の第2の列の隣接する2つの第2の端子間、及び、コンタクト配列部の第2の列の隣接する2つの第2のコンタクト間には、第2の距離が設定されている。それぞれの第2の列の第2の端子及び第2のコンタクトは、それぞれの第1の列の第1の端子及び第1のコンタクトに対してずらされて配置されており、この場合、第2の列の第2のコンタクトは、それぞれが第1の列の隣接する2つのコンタクト間の中間空間を通って案内されている導体路を介して接触接続可能である。ここで、少なくとも、端子配列部の第1の列の隣接する2つの第1の端子間の第1の距離、及び、コンタクト配列部の第1の列の隣接する2つの対応する第1のコンタクト間の第1の距離は、コンタクト配列部の2つのコンタクト間の中間空間に対応し、この中間空間においては、少なくとも2つの導体路を、フェイルセーフの寸法及び距離を以て配置することができ、それらの導体路はそれぞれ、第2の列の第2のコンタクトに接触接続されている。
【0012】
以下においては、半導体デバイスとは、面状の電気的な端子がパッケージの下面に配置されている、クワッド・フラット・ノー・リードパッケージ(QFNパッケージ)の集積回路乃至半導体チップであると解される。
【0013】
従属請求項に記載の措置及び発展形態によって、独立請求項1に記載の半導体デバイス及び独立請求項4に記載の半導体デバイスと回路基板との間の接触接続装置の有利な改善が実現される。
【0014】
接触接続装置の有利な構成においては、それぞれの第1の列の、隣接する2つの第1の端子間の第1の距離及び隣接する2つの第1のコンタクト間の第1の距離は、同一の値を有することができる。代替的に、それぞれの第1の列の、隣接する2つの第1の端子間の第1の距離及び隣接する2つの第1のコンタクト間の第1の距離は、異なる値を有することができる。これによって、フレキシブルかつ簡単に、端子配列部及びコンタクト配列部を種々の要求に適合させることができる。即ち、例えば、それぞれの第1の列の、隣接する2つの第1の端子間の距離乃至隣接する2つの第1のコンタクト間の距離は、すべて同一の値を有することができる。代替的に、隣接する2つの第1の端子間の距離乃至隣接する2つの第1のコンタクト間の距離は、可変であるものとするとよい。即ち、例えば、隣接する2つの第1のコンタクト間の第1の中間空間は、最小コンタクト距離を表すことができるので、第1の中間空間には導体路は案内されておらず、また、コンタクト配列部の第2の列の第2のコンタクトに到達することはできない。これにより、現行の技術によって、約2.5信号/mmの配線密度が実現される。隣接する2つの第1のコンタクト間の第2の中間空間においては、導体路を1つだけ案内することができるので、コンタクト配列部の第2の列の第2のコンタクトに到達することができる。これにより、現行の技術によって、3信号/mmから3.33信号/mmの範囲の配線密度が実現される。上述のように少なくとも1つの第2の中間空間を有するように実施することに対して付加的に又は代替的に、隣接する2つの第1のコンタクト間の第3の中間空間においては、2つの導体路を案内することができるので、コンタクト配列部の第2の列の2つの第2のコンタクトに到達することができる。これにより、現行の技術によって、3.25信号/mmから3.75信号/mmの範囲の配線密度が実現される。上述のように少なくとも1つの第2の中間空間及び/又は第3の中間空間を有するように実施することに付加的に又は代替的に、隣接する2つの第1のコンタクト間の第4の中間空間においては、3つの導体路を案内することができるので、コンタクト配列部の第2の列の3つの第2のコンタクトに到達することができる。これにより、現行の技術によって、約3.4信号/mmの配線密度が実現される。従って、このようにして、数が等しい又は数が異なる、それぞれ少なくとも1つの上述の第1の中間空間及び/又は第2の中間空間及び/又は第3の中間空間及び/又は第4の中間空間の考えられるあらゆる組合せを含むコンタクト配列部を形成することができる。
【0015】
接触接続装置の他の有利な構成においては、それぞれの第2の列の、隣接する2つの第2の端子間の第2の距離及び隣接する2つの第2のコンタクト間の第2の距離は、同一の値又は異なる値を有することができる。特に、それぞれの第2の列の、隣接する2つの第2の端子間乃至隣接する2つの第2のコンタクト間には、それぞれ最小端子距離乃至コンタクト距離を選択することができ、それによって、それぞれの第2の列における第2の端子乃至第2のコンタクトの考えられる最大数を実現することができる。代替的に、隣接する2つの第2の端子間乃至隣接する2つの第2のコンタクト間の距離は、可変であるものとするとよく、それによって、それぞれの第2の列をそれぞれの第1の列に適合させることができ、また、第2の端子乃至第2のコンタクトに到達することができる。第2の端子乃至第2のコンタクトへの到達を容易にするために、それぞれの第2の列の第2の端子及び第2のコンタクトは、それぞれの第1の列の隣接する2つの端子間及び隣接する2つの第1のコンタクト間における属する中間空間の中心を基準にして対称的に整列することができる。
【0016】
接触接続装置の他の有利な構成においては、コンタクト配列部の所定の部分における配線密度VDKを、式VDK=kk/(mpb+4*rv+2*kue+n*mlb+(n-1)*mla)に従って算出することができ、ここで、kkは、考察される区間におけるコンタクト数を表し、mpbは、最小コンタクト幅を表し、rvは、最大レジストオフセットを表し、kueは、最小縁部被覆を表し、nは、隣接する2つの第1のコンタクト間の中間空間における導体路数を表し、mlbは、最小導体路幅を表し、mlaは、最小導体路距離を表す。現行の技術によって、隣接する2つのコンタクト間の導体路の数は、1から3の範囲で可変であるものとするとよい。
【0017】
本発明の複数の実施例が図面に示されており、また、それらの実施例を下記においてより詳細に説明する。図面において、同一の参照符号は、同一乃至類似の機能を実施する構成要素乃至要件を表している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】下から見た、本発明に係る半導体デバイスの実施例の概略図を示す。
【
図2】
図1に示した半導体デバイスと回路基板との本発明に係る接触接続装置の実施例の第1の部分の概略的な断面図を示す。
【
図3】
図2に示した本発明に係る接触接続装置の第2の部分の概略的な断面図を示す。
【
図4】
図2及び
図3に示した本発明に係る接触接続装置の第3の部分の概略的な断面図を示す。
【
図5】
図2乃至
図4に示した本発明に係る接触接続装置の第4の部分の概略的な断面図を示す。
【
図6】上から見た、
図4に示した本発明に係る接触接続装置の回路基板の一実施例の第3の部分の概略図を示す。
【
図7】上から見た、
図5に示した本発明に係る接触接続装置の回路基板の一実施例の第4の部分の概略図を示す。
【
図8】上から見た、半導体デバイスの種々の端子配列部の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態
図1乃至
図5から見て取れるように、本発明に係る半導体デバイス2の図示した実施例は、半導体チップ3と、パッケージ5と、複数の面状の端子12から成る少なくとも2つの列14,16を有する端子配列部10とを含んでおり、前述の端子12は、パッケージ5の下面に配置されており、また、接続部9を介して、少なくとも2つの列24,26を有しており、かつ、回路基板7上に配置されているコンタクト配列部20の対応するコンタクト22に電気的に接続可能である。コンタクト配列部20の幾何学配置は、端子配列部10の幾何学配置に対応しており、端子配列部10の第1の列14の隣接する2つの第1の端子14A間には、第1の距離が設定されており、また、端子配列部10の第2の列16の隣接する2つの第2の端子16A間には、第2の距離が設定されている。さらに、第2の列16の第2の端子16Aは、第1の列14の第1の端子14Aに対してずらされて配置されている。ここで、少なくとも、端子配列部10の第1の列14の隣接する2つの第1の端子14A間の第1の距離は、対応するコンタクト配列部20の2つのコンタクト22間の中間空間C,Dに対応し、この中間空間C,Dにおいては、少なくとも2つの導体路28を、フェイルセーフの寸法及び距離を以て配置することができる。
【0020】
図1乃至
図7からさらに見て取れるように、図示の実施例における接触接続装置1は、
図1に示した上述の半導体デバイス2及び回路基板7を含んでいる。回路基板7は、複数のコンタクト22から成る少なくとも2つの列24,26を有するコンタクト配列部20を含んでおり、ここで、コンタクト配列部20の幾何学配置は、端子配列部10の幾何学配置に対応しており、また、端子配列部10の端子12は、接続部9を介して、特にはんだ接続部を介して、コンタクト配列部20の対応するコンタクト22に電気的に接続されている。端子配列部10の端子12は、コンタクト配列部20のコンタクト22によって、及び、回路基板7の導体路28によって分散されており、この場合、端子配列部10の第1の列14の隣接する2つの第1の端子14A間、及び、コンタクト配列部20の第1の列24の隣接する2つの第1のコンタクト24A間には、第1の距離が設定されており、また、端子配列部10の第2の列16の隣接する2つの第2の端子16A間、及び、コンタクト配列部20の第2の列26の隣接する2つの第2のコンタクト26A間には、第2の距離が設定されている。
図1、
図6及び
図7からさらに見て取れるように、それぞれの第2の列16,26の第2の端子16A及び第2のコンタクト26Aは、それぞれの第1の列14,24の第1の端子14A及び第1のコンタクト24Aに対してずらされて配置されている。さらに、第2の列26の第2のコンタクト26Aは、導体路28を介して接触接続可能であり、これらの導体路28は、それぞれ、第1の列24の隣接する2つのコンタクト24A間の中間空間B,C,Dを通って案内されている。ここで、少なくとも、端子配列部10の第1の列14の隣接する2つの第1の端子14A間の第1の距離、及び、コンタクト配列部20の第1の列24の隣接する2つの対応する第1のコンタクト24A間の第1の距離は、コンタクト配列部20の2つのコンタクト22間の中間空間C,Dに対応し、この中間空間C,Dにおいては、少なくとも2つの導体路28を、フェイルセーフの寸法及び距離を以て配置することができ、それらの導体路28はそれぞれ、第2の列26の第2のコンタクト26Aに接触接続されている。
【0021】
特に
図1乃至
図7からさらに見て取れるように、図示した実施例における端子配列部10及びコンタクト配列部20は、それぞれ複数の区間10C,20Cを有しており、これらの区間10C,20Cにおいては、端子配列部10の第1の列14の隣接する2つの第1の端子14A間の第1の距離、及び、コンタクト配列部20の第1の列24の隣接する2つの第1のコンタクト24A間の第1の距離がそれぞれ中間空間Cに対応し、この中間空間Cにおいては、コンタクト配列部20の第1の列24の2つの第1のコンタクト24A間に、2つの導体路28を、フェイルセーフの寸法及び距離を以て案内することができる。
図1においては、導体路28が破線で図示されている。さらに、図示した実施例における端子配列部10及びコンタクト配列部20は、それぞれ複数の区間10D,20Dを有しており、これらの区間10D,20Dにおいては、端子配列部10の第1の列14の隣接する2つの第1の端子14A間の第1の距離、及び、コンタクト配列部20の第1の列24の隣接する2つの第1のコンタクト24A間の第1の距離がそれぞれ中間空間Dに対応し、この中間空間Dにおいては、コンタクト配列部20の第1の列24の2つの第1のコンタクト24A間に、3つの導体路28を、フェイルセーフの寸法及び距離を以て案内することができる。さらに、図示した実施例における端子配列部10及びコンタクト配列部20は、それぞれ複数の区間10B,20Bを有しており、これらの区間10B,20Bにおいては、端子配列部10の第1の列14の隣接する2つの第1の端子14A間の第1の距離、及び、コンタクト配列部20の第1の列24の隣接する2つの第1のコンタクト24A間の第1の距離がそれぞれ中間空間Bに対応し、この中間空間Bにおいては、コンタクト配列部20の第1の列24の2つの第1のコンタクト24A間に、導体路28を、フェイルセーフの寸法及び距離を以て1つだけ案内することができる。さらに、図示した実施例における端子配列部10及びコンタクト配列部20は、それぞれ複数の区間10A,20Aを有しており、これらの区間10A,20Aにおいては、端子配列部10の第1の列14の隣接する2つの第1の端子14A間の第1の距離、及び、コンタクト配列部20の第1の列24の隣接する2つの第1のコンタクト24A間の第1の距離が、最小端子距離mta乃至最小コンタクト距離mpaに対応しているので、対応するコンタクト配列部20の2つのコンタクト22間の中間空間Aにおいては、フェイルセーフの寸法及び距離を有する導体路28を案内することができない。従って、図示した実施例における端子配列部10及びコンタクト配列部20それぞれは、4つの異なる値を有する、端子配列部の第1の列14の隣接する2つの第1の端子14A間の第1の距離と、コンタクト配列部20の第1の列24の隣接する2つの第1のコンタクト24A間の第1の距離との組合せを有している。図示していない代替的な実施例においては、端子配列部10及びコンタクト配列部20は、異なる値を有する、他の数の第1の距離と、異なる値を有する第1の距離の他の組合せとを有することができる。即ち、それぞれの第1の列14,24における端子配列部10及びコンタクト配列部20は、例えば、中間空間C又は中間空間Dに対応する、隣接する2つの第1の端子14A間乃至第1のコンタクト24A間の第1の距離の組合せを1つだけを有することができる。さらに、端子配列部10及びコンタクト配列部20は、それぞれの第1の列14,24において、例えば、中間空間Cに対応する、隣接する2つの第1の端子14A間乃至隣接する2つの第1のコンタクト24A間の同一の第1の距離だけを有することができ、又は、中間空間Dに対応する、隣接する2つの第1の端子14A間乃至隣接する2つの第1のコンタクト24A間の同一の第1の距離だけを有することができる。
【0022】
図1からさらに見て取れるように、本発明に係る半導体デバイス2の図示した実施例における端子配列部10の第2の列16の隣接する2つの第2の端子16A間の第2の距離は、同一の値を有している。この場合、隣接する2つの第2の端子16A間の第2の距離は、半導体デバイスの確実な機能を依然として実現する最小端子距離mtaに対応する。さらに、図示した実施例における、パッケージ5の各角に配置された4つの第1の面状の端子14Aは、それぞれ、端子配列部10の第1の列14の他の第1の面状の端子14Aよりも大きな面積を有している。さらに、端子配列部10の第2の列16の第2の端子16Aは、それぞれ、端子配列部10の第1の列14の第1の面状の端子14Aよりも大きな面積を有している。
【0023】
図6及び
図7からさらに見て取れるように、図示した実施例におけるコンタクト配列部20の第2の列26の隣接する2つの第2のコンタクト26A間の第2の距離は、端子配列部10と同様に同一の値を有している。この場合、隣接する2つの第2のコンタクト26A間の第2の距離は、接触接続装置1の確実な機能を依然として実現する最小コンタクト距離mpaに対応する。
【0024】
図2からさらに見て取れるように、隣接する2つのコンタクト22間の図示した第1の中間空間Aは、図示した実施例においては、隣接する2つの端子12間の最小端子距離mtaにも対応する最小コンタクト距離mpaを表している。回路基板7の作製には廉価な標準技術が使用されるので、最小端子距離mta乃至最小コンタクト距離mpaに関して、従って、第1の中間空間Aに関して、200μmの値が生じる。端子幅tb及びコンタクト幅pbに関しては、それぞれ200μmの値が採用される。コンタクト配列部20の図示した区間20Aに関しては、距離寸法(ピッチ)を、コンタクト幅pb及び最小コンタクト距離mpaの和から算出することができ、400μmの値が生じる。これにより、使用される標準技術によって、2.5信号/mmの配線密度が生じる。
【0025】
図3乃至
図5からさらに見て取れるように、隣接する2つのコンタクト22間の図示した中間空間B,C,Dには、それぞれ、少なくとも1つの導体路28が案内されている。従って、中間空間B,C,Dの幅Br乃至対応する端子距離ta乃至対応するコンタクト距離paを式(1)に従って算出することができる。
Br=ta=pa=(4*rv+2*kue+n*mlb+(n-1)*mla)
(1)
ここで、rvは、最大レジストオフセットを表し、kueは、最小縁部被覆を表し、nは、隣接する2つのコンタクト22間の中間空間(B,C,D)における導体路数を表し、mlbは、最小導体路幅を表し、mlaは、最小導体路距離を表す。従って、中間空間B,C,Dは、使用される導体路幅lbと、接触接続装置1を確実に機能させるために維持される、技術に依存する複数の距離とから成る。コンタクト配列部20の図示した部分20B,20C,20Dに関しては、それぞれの距離寸法(ピッチ)を、コンタクト幅pb及び中間空間B,C,Dの幅Brの和から算出することができる。コンタクト配列部20の部分10B,10C,10Dにおける、対応する配線密度VDKは、式(2)に従って算出することができる。
VDK=kk/(mpb+Br) (2)
ここで、kkは、考察される部分10B,10C,10Dにおけるコンタクト数を表し、mpbは、最小コンタクト幅を表し、Brは、隣接する2つのコンタクト22間の中間空間B,C,Dの幅を表す。
【0026】
図3からさらに見て取れるように、隣接する2つのコンタクト22間の図示した第2の中間空間Bには、導体路28が1つだけ案内されている。従って、第2の中間空間Bの幅Brを式(1)に従って算出することができる。使用される標準技術は、125μmの最小導体路幅mlb、125μmの最小導体路距離、50μmの最大レジストオフセット、及び、50μmの最小縁部被覆を有する。従って、第2の中間空間Bの幅Brに関して、式(1)に従って425μmの値が生じる。コンタクト配列部20の図示した区間20Bに関しては、距離寸法(ピッチ)を、コンタクト幅pb及び第2の中間空間Bの幅Brの和から算出することができ、625μmの値が生じる。これにより、使用される標準技術によって、3信号/mmから3.33信号/mmの配線密度が生じる。
【0027】
図4及び
図6からさらに見て取れるように、隣接する2つのコンタクト22間の図示した第3の中間空間Cには、2つの導体路28が案内されている。従って、第3の中間空間Cの幅Brを式(1)に従って算出することができる。使用される標準技術によって、第3の中間空間Cの幅Brに関して、式(1)に従って675μmの値が生じる。コンタクト配列部20の図示した区間20Cに関しては、距離寸法(ピッチ)を、コンタクト幅pb及び第3の中間空間Cの幅Brの和から算出することができ、825μmの値が生じる。これにより、使用される標準技術によって、3.25から3.75信号/mmの配線密度が生じる。
【0028】
図5及び
図7からさらに見て取れるように、隣接する2つのコンタクト22間の図示した第4の中間空間Dには、3つの導体路28が案内されている。従って、第4の中間空間Dの幅Brを式(1)に従って算出することができる。使用される標準技術によって、第4の中間空間Dの幅Brに関して、式(1)に従って925μmの値が生じる。コンタクト配列部20の図示した区間20Dに関しては、距離寸法(ピッチ)を、コンタクト幅pb及び第4の中間空間Dの幅Brの和から算出することができ、1125μmの値が生じる。これにより、使用される標準技術によって、約3.4信号/mmの配線密度が生じる。標準技術の使用によって、隣接する2つのコンタクト22間の中間空間Dには最大で3つの導体路28を案内することができ、これによってさらなる小型化が達成される。
【0029】
図8は、上から見た半導体デバイスの種々の端子配列部を示す。ここで、第1乃至一番上の部分に図示した、従来技術から公知の第1の端子配列部は、15個の面状の端子12を含む列を1つだけ有している。ここでは、隣接する2つの端子12間の距離乃至中間空間Aが同一である。第2の部分に図示した、従来技術から公知の第2の端子配列部は、複数の面状の端子12から成る2つの列を有している。ここでは、第1の列又は第2の列の隣接する2つの端子12間の距離乃至中間空間Bが同一である。中間空間Bにおいては、それぞれ1つの導体路を案内することができる。総じて、図示した第2の部分における第2の端子配列部は、19個の端子12を有している。第1の端子配列部よりも端子12は4個多い。第3の部分に図示した第3の端子配列部は、複数の面状の端子12から成る2つの列を有している。ここでは、第1の列の隣接する2つの端子12間の距離乃至中間空間Aと、第2の列の隣接する2つの端子12間の距離乃至中間空間Cとが異なる。第2の列の隣接する2つの端子12間の距離乃至中間空間Aは、最小コンタクト距離に対応する、同一の距離Aを有している。第1の列の隣接する2つの端子12間の距離乃至中間空間Cは同様に同一であるが、しかしながら、中間空間Cにおいてそれぞれ2つの導体路を案内することができるような大きさに形成されている。総じて、図示した第3の部分における第3の端子配列部は、20個の端子12を有している。第1の端子配列部よりも端子12は5個多く、また、第2の端子配列部よりも端子12は1個多い。第4の部分に図示した第4の端子配列部は、複数の面状の端子12から成る2つの列を有している。ここでは、第1の列の隣接する2つの端子12間の距離乃至中間空間Aと、第2の列の隣接する2つの端子12間の距離乃至中間空間Dとが異なる。第2の列の隣接する2つの端子12間の距離乃至中間空間Aは、最小コンタクト距離に対応する、同一の距離Aを有している。第1の列の隣接する2つの端子12間の距離乃至中間空間Dは同様に同一であるが、しかしながら、中間空間Dにおいてそれぞれ3つの導体路を案内することができるような大きさに形成されている。総じて、図示した第4の部分における第4の端子配列部は、21個の端子12を有している。第1の端子配列部よりも端子12は6個多く、第2の端子配列部よりも端子12は2個多く、また、第3の端子配列部よりも端子12は1個多い。第5の部分に図示した第5の端子配列部は、複数の面状の端子12から成る2つの列を有している。ここでは、第1の列の隣接する2つの端子12間の距離乃至中間空間Aと、第2の列の隣接する2つの端子12間の距離乃至中間空間C,Dとが異なる。第2の列の隣接する2つの端子12間の距離乃至中間空間Aは、最小コンタクト距離に対応する、同一の距離Aを有している。第1の列の隣接する2つの端子12間の距離乃至中間空間C,Dは、異なる値を有している。ここでは、それぞれ2つの導体路を案内することができる中間空間Cと、それぞれ3つの導体路を案内することができる中間空間Dとが交互に設けられている。総じて、図示した第5の部分における第5の端子配列部は、20個の端子12を有している。第1の端子配列部よりも端子12は5個多く、また、第2の端子配列部よりも端子は1個多い。
図8からさらに見て取れるように、それぞれの第2の列の端子12は、それぞれの第1の列の隣接する2つの端子12間における属する中間空間B,C,Dの中心を基準にして対称的に整列されている。