(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/15 20060101AFI20220715BHJP
A61F 13/475 20060101ALI20220715BHJP
A61F 13/53 20060101ALI20220715BHJP
A61F 13/534 20060101ALI20220715BHJP
A61F 13/535 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
A61F13/15 220
A61F13/475 100
A61F13/53 200
A61F13/534 100
A61F13/535 200
(21)【出願番号】P 2020529554
(86)(22)【出願日】2017-12-01
(86)【国際出願番号】 SE2017051202
(87)【国際公開番号】W WO2019108103
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エシティ・ハイジーン・アンド・ヘルス・アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ピーア・カレントゥン
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-099458(JP,A)
【文献】特表2015-519154(JP,A)
【文献】特表2020-501737(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
A61L15/16-15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体透過性のトップシート(2)と、バックシート(3)と、前記トップシート(2)と前記バックシート(3)との間に配置された、上部コア層(5)および1つ以上の下にあるコア層(6a、6b)である、少なくとも2つのコア層(5、6a、6b)を備えた吸収性コア(4)と、を含んでなる、折り畳まれた吸収性物品(1)であって、前記上部コア層(5)が、前記トップシート(2)と1つ以上の前記下にあるコア層(6a、6b)との間に位置し、前記トップシート(2)および前記バックシート(3)が一緒に、前記吸収性コア(4)の横方向外側に延在し、前記吸収性コア(4)は、長手方向(A)に、前部(7)と、後部(9)と、前記前部(7)と前記後部(9)との間に位置する中間部(8)とを有し、前記前部(7)と前記中間部(8)との間の移行部の横幅(10-10′)が、残りの前記吸収性コア(4)の横幅よりも狭く、当該吸収性物品(1)の第1の端部(19)が、第1の横断折り線(11)の周りで当該吸収性物品(1)の中央領域(21)上に折り畳まれ、前記第1の横断折り線が前記吸収性コア(4)の前部(7)と中間部(8)との間の狭い横断移行部と一致している、吸収性物品(1)において、
前記上部コア層(5)が、前記吸収性コア(4)の前部(7)、中間部(8)および後部(9)上に延在し、1つ以上の前記下にあるコア層(6a、6b)の少なくとも1つが、前記上部コア層(5)よりも短く、前記吸収性コア(4)の中間部(8)から前部(7)の少なくとも一部上に延在し、
当該吸収性物品の第2の端部(20)が、第2の横断折り線(12)の周りで当該吸収性物品(1)の中央領域(21)上に折り畳まれ、前記第2の横断折り線(12)が、前記下にあるコア層(6a、6b)の少なくとも1つの短い方の後部横断縁(13)に位置し、前記第2の横断折り線(12)が、前記中間部(8)と前記後部(9)との間の移行部と一致し、
(i)第1の端部(19)が前記中央領域(21)の上に折り畳まれ、前記第2の端部(20)が前記第1の端部(19)の上に折り畳まれている、或いは、
(ii)前記第2の端部(20)が前記中央領域(21)の上に折り畳まれ、第1の端部(19)が前記第2の端部(20)の上に折り畳まれている、
ことを特徴とする、吸収性物品(1)。
【請求項2】
当該吸収性物品(1)が生理用ナプキンまたはパッドであることを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性コア(4)の前部(7)、後部(9)および中間部(8)が、等しい長さであることを特徴とする、請求項1または2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記上部コア層(5)の前部(7)が、前記上部コア層(5)の長手方向全長の25~40%を構成していることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記上部コア層(5)が、それを貫通して広がる開口部(28)を有していることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記開口部(28)が、前記吸収性コア(4)の前部(7)および中間部(8)に配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記上部コア層(5)の前記開口部(28)の長手方向長さが、前記上部コア層(5)の長手方向長さの20~40%であることを特徴とする、請求項5または6に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記開口部(28)の最大横断長さが、前記吸収性コア(4)の前記前部(7)において、前記吸収性コア(4)の前記中間部(8)における前記開口部の最大横断長さよりも大きいことを特徴とする、請求項5~7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記吸収性コア(4)は2つ以上の下にあるコア層(6a、6b)を含み、前記下にあるコア層(6a、6b)の1つが流体フロー制御構造体(6a)を形成し、前記下にあるコア層(6a、6b)のもう1つが流体貯蔵構造体(6b)を形成し、前記流体フロー制御構造体(6a)は、
0.5~5Nの曲げ剛性を有
し、
非穿孔繊維性ポリマー層および穿孔ポリマー層を備えた層状構造であり、前記上部コア層(5)と前記流体貯蔵構造体(6b)との間に配置されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記流体フロー制御構造体(6a)が、前記上部コア層(5)よりも短い、少なくとも1つの前記下にあるコア層(6a、6b)の1つであることを特徴とする、請求項9に記載の吸収性物品。
【請求項11】
流体貯蔵構造体(6b)が、前記上部コア層(5)よりも短い、少なくとも1つの前記下にあるコア層(6a、6b)の1つであることを特徴とする、請求項8~10のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記吸収性コアの前部(7)と中間部(8)との間の前記移行部の横幅(10-10′)が、前記吸収性コア(4)の前部(7)における最大幅の50~75%であることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項13】
弾性部材(16、16′)が、少なくとも、前記吸収性コア(4)の前部(7)と中間部(8)との間の前記移行部において、前記吸収性コア(4)の横方向外側に、当該吸収性物品(1)のそれぞれの長手方向(A)側縁に沿って配置されていることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項14】
当該吸収性物品(1)は、前記弾性部材(16、16′)と、前記吸収性コア(4)の前部(7)と中間部(8)との間の前記移行部との間に配置された、吸収性材料のない隙間(17、17′)を有していることを特徴とする、請求項13に記載の吸収性物品。
【請求項15】
それぞれの前記弾性部材(16、16′)が、少なくとも、前記吸収性コア(4)の前部(7)における最も広い部分の側縁(18、18′)まで長手方向(A)に延びていることを特徴とする、請求項13または14に記載の吸収性物品。
【請求項16】
前記弾性部材(16、16′)が、前記下にあるコア層(6a、6b)の前記後部における後部横断縁(13)を越えて長手方向(A)に延びていないことを特徴とする、請求項13~15のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項17】
前記上部コア層(5)より短い、前記下にあるコア層(6a、6b)の少なくとも1つの表面積が、前記上部コア層(5)の表面積の30~60%であることを特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項18】
折り畳まれた、請求項1~17のいずれか一項に記載の吸収性物
品を複数含んでなることを特徴とする、パッケージ。
【請求項19】
吸収性物品(1)を折り畳む方法であって、
前記吸収性物品(1)は、流体透過性のトップシート(2)と、バックシート(3)と、前記トップシート(2)と前記バックシート(3)との間に配置され、上部コア層(5)が前記トップシート(2)と1つ以上の下にあるコア層(6a、6b)との間に配置された少なくとも2つのコア層(5、6a、6b)を備えた吸収性コア(4)と、を含んでなり、前記トップシート(2)および前記バックシート(3)が一緒に、前記吸収性コア(4)の横方向外側に延在し、前記吸収性コア(4)は、長手方向(A)に、前部(7)と、後部(9)と、前記前部(7)と前記後部(9)との間に位置する中間部(8)とを有し、前記前部(7)と前記中間部(8)との間の移行部の横幅(10-10′)が、残りの前記吸収性コア(4)の横幅よりも狭く、前記上部コア層(5)が、前記吸収性コア(4)の前部(7)、中間部(8)および後部(9)上に延在し、1つ以上の前記下にあるコア層(6a、6b)の少なくとも1つが、前記上部コア層(5)よりも短く、前記吸収性コア(4)の中間部(8)から前部(7)の少なくとも一部上に延在しており、
当該方法は、
a)前記吸収性物品(1)の第1の横断折り線(11)の周りで前記吸収性物品(1)の第1の端部(19)を前記吸収性物品(1)の中央領域(21)上に折り畳むステップであって、前記第1の横断折り線(11)が、前記吸収性コア(4)の前部(7)と中間部(8)との間の狭い横断移行部と一致している、ステップと、
b)前記吸収性物品(1)の第2の端部(20)を第2の横断折り線(12)の周りで第1の折り畳み端部(19)上に折り畳むステップであって、前記第2の横断折り線(12)が、少なくとも1つの前記下にあるコア層(6a、6b)の後部横断縁に位置し、前記上部コア層(5)より短い、ステップと、
を含んでなることを特徴とする、方法。
【請求項20】
吸収性物品(1)を折り畳む方法であって、
前記吸収性物品(1)は、流体透過性のトップシート(2)と、バックシート(3)と、前記トップシート(2)と前記バックシート(3)との間に配置され、上部コア層(5)が前記トップシート(2)と1つ以上の下にあるコア層(6a、6b)との間に配置された少なくとも2つのコア層(5、6a、6b)を備えた吸収性コア(4)と、を含んでなり、前記トップシート(2)および前記バックシート(3)が一緒に、前記吸収性コア(4)の横方向外側に延在し、前記吸収性コア(4)は、長手方向(A)に、前部(7)と、後部(9)と、前記前部(7)と前記後部(9)との間に位置する中間部(8)とを有し、前記前部(7)と前記中間部(8)との間の移行部の横幅(10-10′)が、残りの前記吸収性コア(4)の横幅よりも狭く、前記上部コア層(5)が、前記吸収性コア(4)の前部(7)、中間部(8)および後部(9)上に延在し、1つ以上の前記下にあるコア層(6a、6b)の少なくとも1つが、前記上部コア層(5)よりも短く、前記吸収性コア(4)の中間部(8)から前部(7)の少なくとも一部上に延在しており、
当該方法は、
a)第2の横断折り線(12)の周りで前記吸収性物品(1)の第2の端部(20)を前記吸収性物品(1)の中央領域(21)上に折り畳むステップと、
b)前記吸収性物品(1)の第1の端部(19)を第1の横断折り線(11)の周りで第2の折り畳まれた端部(20)上に折り畳むステップであって、前記第1の横断折り線(11)が前記吸収性コア(4)の前部(7)と中間部(8)との間の狭い横断移行部と一致している、ステップと、
を含んでなり、
c)前記第2の横断折り線(12)が、1つ以上の前記下にあるコア層(6a、6b)の少なくとも1つの後部横断縁に位置し、前記上部コア層(5)よりも短いことを特徴とする、方法。
【請求項21】
1つ以上の前記下にあるコア層(6a、6b)のそれぞれが、前記上部コア層(5)よりも短く、前記吸収性コア(4)の前部(7)および中間部(8)上に延在し、前記第2の横断折り線(12)が、それぞれの前記下にあるコア層の後部横断縁(13)に一致していることを特徴とする、請求項19または20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生理用ナプキンまたはパッドなどの折り畳まれた吸収性物品、および複数の折り畳まれた吸収性物品を含むパッケージに関する。本開示は、吸収性物品を折り畳むための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
通常のパンツの内側に着用される種類の吸収性物品には、成人の失禁または女性用の吸収性ナプキンまたはパッドが含まれる。
【0003】
ナプキンまたはパッドには、一般的に、体液を受け入れて保持するための吸収性コアが設けられている。そのような吸収性物品が効率的に機能するために、吸収性コアは、適用の時点から体液を構造内に迅速に取得し、その後、体液を吸収性コア内および全体に分配して、最大の漏れ封じ込めを提供しなければならない。局所領域は以前の放出からの液体で既に満たされる傾向があるため、後続の放出が前の放出と同じ局所領域に向けられる場合、コアに関連する取得/分配層とコアの開口部が役立つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらのタイプの物品は、下着の股部分で利用可能な限られたスペースに収まるようにサイズ設定および構成する必要があるため、物品の完全な吸収能力が利用されるまでに、側縁から漏れる可能性があるという特定の問題を有する。液体はトップシート上を流れ、物品の側縁を越えて流れ、そこから漏れて着用者の衣服を汚します。流体がトップシートの外側を流れるときのさらなる欠点は、身体に接触するトップシートの大部分が濡れることです。もちろん、これは物品を非衛生的で不快にするので非常に望ましくない。バッグまたはポケットへの物品の持ち込みを容易にし、使用後の廃棄を容易にするために、物品がすっきりとしており、容易に折り畳んで、個々のパッケージサイズを得ることも望ましい。
【0005】
したがって、本発明の目的は、吸収性物品のための改善された折り畳みおよび包装の解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的の1つ以上は、請求項1による折り畳まれた吸収性物品、請求項19による複数の折り畳まれた吸収性物品を含むパッケージ、或いは、請求項20または21による吸収性物品を折り畳む方法で達成され得る。さらなる実施形態は、従属請求項、以下の説明および図面に示されている。
【0007】
本明細書に開示される折り畳まれた吸収性物品は、流体透過性トップシートと、バックシートと、トップシートとバックシートとの間に配置された少なくとも2つのコア層であって、上部コア層および1つ以上の下にあるコア層を含む吸収性コアとを含む。上部コア層は、トップシートと1つ以上の下にあるコア層との間に位置し、トップシートおよびバックシートは、吸収性コアの横方向外側に一緒に延びる。吸収性コアは、その長手方向において、前部、後部、および前部と後部との間に位置する中間部を有し、コアの前部と中間部との間の移行部の横幅は、コアの残りの横幅よりも狭い。物品の第1の端部は、物品の中央領域にわたって第1の横断折り線の周りに折り畳まれ、第1の折り線は、コアの前部と中間部との間の狭い横断移行部と一致するか、或いは、それに隣接している。上部コア層は、吸収性コアの前部、中間部、および後部上に延在する。1つ以上の下にあるコア層の少なくとも1つは、上部コア層よりも短く、中間部および吸収性コアの前部の少なくとも一部の上に延在する。物品の第2の端部は、物品の中央領域上に第2の横断折り線の周りに折り畳まれ、第2の折り線は、少なくとも1つのより短い下にあるコア層の後部横断縁またはその近くにある。第2の折り線は、吸収性コアの中間部と後部との間の移行部と一致するか、或いは、それに隣接している。少なくとも1つのより短い下にあるコア層の後端は、より短いコア層が折り畳みの一部ではないように終端する。少なくとも1つのより短い下にあるコア層の後端は、第2の折り線の手前から5mm、3mm、2mmまたは1mmの距離内で終わり、したがって折り目の一部を形成しないこともあり得る。第1の端部が中央領域上に折り畳まれ、第2の端部が第1の端部上に折り畳まれるか、或いは、第2の端部が中央領域上に折り畳まれ、第1の端部が第2の端部上に折り畳まれる。
【0008】
したがって、吸収性物品は、第1の折り線および第2の横断折り線によって、第1の端部、物品の中央領域および物品の第2の端部に分割される。対応する同様の方法によって、吸収性コアは、第1および第2の横断折り線によって前部、中間部に分割される。
【0009】
したがって、折り畳まれた吸収性物品は、3つ折りにされた吸収性物品であり、吸収性物品の長さに沿って3つの重なり合う折り畳み部分を有する。第1の横断折り線の周りの吸収性物品の折り畳みは、第1の折り線が、残りのコアよりも狭い幅を有する前部と中間部との間の狭い横断移行部と一致するということによって容易にされる。第2の折り線が少なくとも1つの下にあるコア層の後部横断縁またはそれに隣接して位置することは、第2の端部の折り畳みを容易にする。さらに、下にあるコア層の少なくとも1つが第2の端部内に延在しないので、第2の端部は減少された厚さを有する。したがって、折り畳まれた吸収性物品も厚さが減少し、均一な厚さを有する。折り畳まれた吸収性物品の減少された均一な厚さは、複数の折り畳まれた吸収性物品を含むパッケージ内の吸収性物品の積み重ね性を向上させる。したがって、サイズが縮小された安定したパッケージを実現することができる。
【0010】
本開示は、複数の折り畳まれた吸収性物品を含むパッケージにも関し、パッケージ内の吸収性物品は、本明細書に記載されるように3つ折りにされる。
【0011】
一態様によれば、本開示は、吸収性物品を折り畳む方法に関する。当該吸収性物品は、流体透過性トップシートと、バックシートと、トップシートとバックシートとの間に位置する少なくとも2つのコア層を備えた吸収性コアと、を含み、上部コア層が、トップシートと1つ以上の下にあるコア層との間に位置し、トップシートおよびバックシートは、吸収性コアの外側で横方向に一緒に延在し、コアは、長手方向に、前部と、後部と、前部と後部との間に位置する中間部とを有し、前部と後部との間の移行部の横幅は、残りのコアの横幅よりも狭く、上部コア層は、吸収性コアの前部、中間部および後部上に延在し、さらに、少なくとも1つの下にあるコア層は、上部コア層よりも短く、吸収性コアの中間部と前部の少なくとも一部分の上に延在している。この吸収性物品を折り畳む当該方法は、
a)物品の第1の横断折り線の周りで物品の第1の端部を物品の中央領域上に折り畳むステップであって、第1の折り線が、コアの前部と中間部との間の狭い横断移行部と一致するかあるいはそれに隣接している、ステップと、
b)物品の第2の端部を第2の横断折り線の周りで第1の折り畳み端部上に折り畳むステップであって、第2の折り線が、少なくとも1つの下にあるコア層の後部横断縁またはその付近に位置し、上部コア層より短い、ステップと、
を含んでなる。
【0012】
物品の第2の端部が第1の端部上に折り畳まれるということは、少なくとも1つの短い下にあるコア層の側縁が第2の横断折り線にまたはそれに隣接して配置されるため、第2の端部の折り畳みを容易にし、これにより、自然な折り目をもたらす。コアの後部の厚さが減少することにより、吸収性物品の第2の端部における折り畳みも容易になる。
【0013】
少なくとも1つの下にあるコア層がより短く、第2の折り線が下にあるコア層の後方端縁にあるかまたはそれに隣接しているということは、吸収性コアに折り目マークを生じ得る。このような折り目マークは、後部と中間部との間の移行領域で吸収性コアを成形することをより困難にする可能性があり、この領域で液体の広がりが悪影響を受ける可能性がある。第1の端部が第2の端部の下で折り畳まれて、第2の横方向の折り線でU字形の折り畳みを与える場合、第2の折り線の折り目マークは、下にある短いコア層の後端部においてあまり目立たなくなり得る。
【0014】
さらなる態様によれば、本開示は、吸収性物品を折り畳む方法に関する。当該吸収性物品は、流体透過性トップシートと、バックシートと、トップシートとバックシートとの間に位置する少なくとも2つのコア層を備えた吸収性コアと、を含み、上部コア層が、トップシートと1つ以上の下にあるコア層との間に位置し、トップシートおよびバックシートは、吸収性コアの外側で横方向に一緒に延在し、コアは、長手方向に、前部と、後部と、前部と後部との間に位置する中間部とを有し、前部と後部との間の移行部の横幅は、残りのコアの横幅よりも狭く、上部コア層は、吸収性コアの前部、中間部および後部上に延在し、さらに、少なくとも1つの下にあるコア層は、上部コア層よりも短く、吸収性コアの中間部と前部の少なくとも一部分の上に延在している。この吸収性物品を折り畳む当該方法は、
a)第2の横断折り線の周りで物品の第2の端部を物品の中央領域上に折り畳むステップと、
b)物品の第1の端部を第1の横断折り線の周りで第2の折り畳まれた端部上に折り畳むステップであって、第1の折り線がコアの前部と中間部との間の狭い横断移行部と一致するか或いはそれに隣接している、ステップと、
c)第2の折り線を、1つ以上の下にあるコア層の少なくとも1つの後部横断縁またはその付近に配置する、ステップと、
を含んでなる。
【0015】
したがって、第1の横断折り線は、吸収性コアの前部と中間部との間の移行部と一致し、第2の横断折り線は、吸収性コアの中間部と後部との間の移行部と一致する。
【0016】
後部の長手方向長さは、上部コア層の長手方向長さ全体の長手方向長さの約3分の1であり、第2の端部の長手方向長さは、吸収性物品の長手方向長さ全体のそれぞれ約3分の1であり得る。
【0017】
第2の端部が、下にあるより短いコア層の後部横断縁で或いはそれに隣接して折り畳まれるということは、折り畳みを容易にし、後部横断縁が折り畳み時にサポートをもたらし、吸収性物品に自然な後部折り線を与える。
【0018】
吸収性物品の前部および中央部は、吸収性コアへの液体の吸収前に液体をより良く貯蔵するためにカップ形状を採用することがしばしば望まれる。第1の端部を第2の端部に折り畳むことにより、第1の横断折り線は柔らかくなり目立たなくなり、吸収性物品の前部は、展開後並びに吸収性物品の使用中により容易にカップ形状を採用し得る。
【0019】
吸収性物品は、失禁パッドまたは生理用ナプキンの形態であってよい。物品は、女性用または失禁用であってよく、そして全方向に完全に伸ばされたとき、細長い、概して長方形の形状を有し得る。この文脈において、概して長方形の形状は、例えば、吸収性物品の角が丸くてもよく、または吸収性物品の縁が完全に直線的でなくてもよいことも包含することを意図する。吸収性物品は、等しい長さを有し、ほぼ同じ方向に延びる2つの長手方向側縁を有し得る。
【0020】
吸収性物品のトップシートおよびバックシートは、物品の全周に沿って吸収性コアの外側で一緒に横方向に延在し、漏れ防止のために吸収性コアの周囲の周りの縁接合で互いに接続され得る。トップシートは、バックシートの一部を覆って、エッジバリアを形成することができる。
【0021】
トップシートは、目的に適した、すなわち、柔らかくて液体透過性である任意の材料からなり得る。トップシート材料の例は、不織布材料、孔あきプラスチックフィルム、プラスチックまたは繊維メッシュ、および流体透過性フォーム層である。流体透過性の着用者に面する表面の異なる部分内が異なる材料からなるトップシートと同様に、2つ以上のトップシート材料からなるラミネートを使用することもできる。
【0022】
バックシートは、流体不透過性であり得る。特に、比較的少量の尿が吸収されると予想される場合には、撥液性のみのバックシート材料を使用できる。バックシートは、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの、薄くて柔軟な流体不透過性プラスチックフィルムであってもよいが、流体不透過性不織布材料、流体不透過性フォームおよび流体不透過性ラミネートも考えられる。バックシートは通気性であって、空気および蒸気がバックシートを通過し得ることを意味する。さらに、バックシートは、不織材料の衣服に面する外側表面を有し得る。
【0023】
長手方向のコアは、前部、後部、および前部と後部との間に位置する中間部を有し、コアの前部と中間部との間の移行部の横幅は、コアの残りの横幅よりも狭い。コアの前部と中間部との間の移行部の横幅は、吸収性コアの前部の最も広い幅の50~75%であり得る。
【0024】
吸収性コアは、少なくとも2つの吸収性コア層を含む。上部コア層は、トップシートと1つ以上の下にあるコア層の間に配置される。上部コア層は、吸収性コアの前部、中間部および後部に広がり、少なくとも1つの下にあるコア層は、上部コア層より短く、吸収性コアの中間部および少なくとも前部の一部上に広がる。したがって、1つ以上の下にあるコア層は、吸収性コアの後部に延在しない場合がある。コア層は、吸収性コアの前部の長手方向長さの75%または60%まで、吸収性コアの前部の中に延びる長さを有し得る。
【0025】
吸収性コアの前部、後部、および中間部は、実質的に等しい長さであってもよい。コアの前部、後部、および中間部のそれぞれの長さは、それぞれ、吸収性コアの長手方向の長さの25~40%を構成し得る。少なくとも1つのより短い下にあるコア層の前部は、より短い下にあるコア層の長手方向全長の20~40%を構成し得る。少なくとも1つの下にあるコア層の表面積は、上部コア層の表面積の30~60%であり得る。第1の折り線は、吸収性コアの前部と中間部との間の移行部と一致し、第2の折り線は、吸収性コアの中間部と後部との間の移行部と一致する。
【0026】
吸収性コアの後部の厚さは、コアの中間部の厚さの25~70%であってもよく、或いは、容易な折り畳みを楽にする30~60%または35~50%であってもよい。吸収性コアの前部の厚さは、コアの中間部の厚さの25~70%であってもよく、或いは、容易な折り畳みを楽にする30~60%または35~50%であってもよい。
【0027】
吸収性コアは、それを貫通して延びる開口部を有する上部コア層と、上部コア層と前記バックシートとの間に位置する、下にあるコア層の形態のコア層と、を含み得る。流体フロー制御構造体。吸収性コアは、さらにまたは代替的に、流体貯蔵層の形態である少なくとも1つの下にあるコア層を含んでもよい。流体貯蔵層は、上部コア層とバックシートとの間、または流体フロー制御層とバックシートとの間に配置され得る。吸収性コアは、その長手方向において、前部、後部、および前部と後部との間に延びる中間部を有する。狭い横方向の移行部が前部と中間部との間に位置する。狭い横断移行部の幅は、50%から75%の間である。上部コア層の開口部は層を完全に貫通し、それにより、物品にキャビティを形成し、物品の湿潤点に対して穴を適切に配置するために、開口部の長手方向の長さの80~100%または90~100%は、上部コア層の前部と中間部とに配置され得る。開口部の長手方向の長さの約5~20%は、上部コア層の前部に位置し得る。上部コア層の開口部の長手方向の長さは、トップシートの外側ではなく開口部への流体の流れを確実にするために、上部コア層の長手方向の長さの20~40%であってもよい。開口部の横方向の寸法は、上部コア層の中間部の開口部の横方向の寸法よりも上部コア層の前部の方が大きくてもよく、穴を介してさらに流体フロー制御構造体に入る流体の取込速度が向上する。それにより、使用中に液体が適所に留まり、液体が開口部に案内され、流体フロー制御構造体およびコア内に渡すことを確実にする吸収性物品が達成される。上部コア層は、漏出の防止と改善されたユーザーの安心感の両方のためにのみ1つの開口部を有し得る。
【0028】
狭い横断移行部の幅は、着用者の腱の後ろに良好なフックを得るために、上部コア層の前部の最も広い横方向幅の50~75%であることが好ましい。狭い横断移行部の幅は、物品の改善されたフィットを確実にするために、上部コア層の後部の最も広い横方向幅の50~75%、好ましくは55~70%であり得る。前部、中間部および後部の最も広い横方向幅は、約75~170mmであり得る。狭い横方向の移行部の長手方向の長さは、着用者の腱間へ物品が適切にフィットし、使用中に所定の位置に留まるように、上部コア層の長手方向の長さの5~20%であり得る。上部コア層の狭い横断移行部の幅は、物品使用中の着用者の腱間へのフィットを改善するために、130mm未満で30mmより大きく、好ましくは90mm未満で50mmより大きくてもよい。上部コア層の長手方向の長さは、約230~400mmであってもよい。
【0029】
吸収性コアは、例えばセルロース綿毛パルプの1つ以上の流体貯蔵層などの、任意の適切な吸収性または流体取り込みおよび貯蔵材料から構成され得る。吸収性コアは、ヒドロゲルの形成時に大量の流体を吸収および保持する能力を有する材料である、超吸収剤として一般に知られている高吸収性ポリマー材料の繊維または粒子を含み得る。超吸収剤は、セルロース綿毛パルプと混合してもよく、さらに/或いは、吸収性コアのポケットまたは層に配置され得る。繊維はパルプ繊維であってもよく、超吸収性材料はポリアクリレートベースの粒子であってもよい。吸収性構造は、少なくとも20%の超吸収剤を含んでもよく、20~80%の超吸収剤および80~20%のパルプ繊維を含み得る。吸収性コアは、吸収性コアの特性を向上するための構成要素をさらに組み込み得る。そのようなコンポーネントのいくつかの例は、バインダー繊維、流体分散材料、湿り度インジケーター、流体取得材料などである。
【0030】
吸収性コア層は、均質な構造であってもよく、或いは、それ自体が同じまたは異なる材料の吸収性ラミネートなどの層状構造であってもよい。吸収層は、均一な厚さを有してもよく、または層の異なる部分において厚さが変化してもよい。同様に、坪量および組成は、吸収層内で異なり得る。例として、吸収層は、吸収性および/または非吸収性繊維と超吸収性材料との混合物を含むことができ、繊維に対する超吸収性材料の比率は、層内で変化し得る。
【0031】
下にある層の1つは、上部コア層と1つ以上の下にあるコア層との間に配置され得る流体フロー制御構造体であり得る。流体フロー制御構造体は、長方形の形状であってもよい。流体フロー制御構造体は、上部コア層の長手方向長さの表面積を覆う表面長さを有し得る。流体フロー制御構造体は、長手方向および横方向において吸収性コアの部分によって囲まれ得る。
【0032】
流体フロー制御構造体は、例えば、非穿孔繊維性ポリマー層および第1の穿孔ポリマー層を備えた層状構造であってもよく、第1の穿孔ポリマー層中のポリマーは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドおよびブレンド、並びに、それらの組み合わせから選択され得る。第1の穿孔ポリマー層は、50g/m2~150g/m2の坪量、または60g/m2~140g/m2の坪量を有し得る。第1の穿孔ポリマー層は、不織布、フィルム、またはフィルム/不織布ラミネートであってよい。第1の穿孔ポリマー層は、例えば、貫通孔を有する三次元的に形成された層であってよい。非穿孔繊維性ポリマー層は、50g/m2~150g/m2の高ロフト材料、または60g/m2~140g/m2の坪量であり得る。非穿孔繊維性ポリマー層のポリマーは、ポリエステルであってよい。流体フロー制御構造体は、非穿孔繊維ポリマー層、第1の穿孔ポリマー層および第2の穿孔ポリマー層からなる3層構造であってもよい。非穿孔繊維性ポリマー層は、第1の穿孔ポリマー層と第2の穿孔ポリマー層との間に挟まれ得る。第2の穿孔ポリマー層はまた、ウェブの第1の表面からウェブの第2の表面に向かって延在し、第2の表面上に突起を形成する開口を有する三次元的に形成された層であってもよい。
【0033】
流体フロー制御構造体は、比較的高い曲げ剛性を有し得る。高い曲げ剛性は、吸収性物品に、物品の着用者の大腿間の横方向の圧縮に抵抗する改善された能力をもたらし、着用中の物品の望ましくない変形を防止する。流体フロー制御構造体内の積層材料の曲げ剛性または曲げ抵抗は、修正された ASTM D 4032-82 CIRCULAR BEND PROCEDURE(円形曲げ手順)によって測定されるように、0.5~5N、好ましくは1~4Nであってよい。
【0034】
流体フロー制御構造体は、吸収性コアの後部まで延在せず、それにより、折り畳み時にサポートおよび自然な折り畳みガイドを提供することにより、第2の折り線の周りの折り畳みを楽にすることができる。そのような配置は、例えば、流体フロー制御構造体が比較的高い坪量を有し、2つ以上の層を含むラミネートである場合、およびそれが比較的高い曲げ剛性を有する場合にも特に有利となり得る。
【0035】
流体フロー制御構造体は、後部横断折り線を越え、したがって下にあるコア層の長さを超えた、長手方向長さを有し得る。
【0036】
吸収性物品は2つ以上の下にあるコア層を含んでもよく、下にあるコア層の1つは上記のように流体フロー制御構造体であってよく、下にあるコア層の1つは上記のように流体貯蔵構造体であってよい。流体フロー制御構造体は、上部コア層と流体貯蔵構造体との間に配置されてもよい。
【0037】
流体制御構造体は、吸収性コアの中間部および前部の少なくとも一部の上に延在することができ、上部コア層よりも短くすることができる。吸収性物品の第2の折り畳み線は、流体制御構造体の後部横断縁が、吸収性物品を第2の折り畳み線上に折り畳む際のサポートおよび折り畳みガイドを構成するように、流体制御構造体の後部横断縁またはその近くにあってもよい。それに加えて或いは代替的に、流体貯蔵構造体は、吸収性物品の第2の折り線が流体貯蔵構造体の後部横断縁にまたはそれに隣接するように、上部コア層よりも短い下にあるコア層であってもよい。
【0038】
弾性部材は、物品のそれぞれの長手方向側縁に沿って、コアの前部と中間部との間の移行部の少なくとも横方向外側に配置され得る。弾性部材は、トップシートとバックシートとの間に配置され得る。物品は、コアの前部と中間部との間の移行部と弾性部材との間、より具体的には、物品の周囲に位置する弾性体と上部コア層の周囲との間の領域に位置する、吸収性材料のない隙間を有し得る。それぞれの弾性部材は、少なくとも、吸収性コアの前部の最も広い部分の側縁までの長さを有し、物品の第1の端部の折り畳みを容易にすることができる。弾性部材は、折り畳みを容易にするために、下にあるより短いコア層の後部の後部横断縁を越えて長手方向に延在してはならない。弾性部材は、折り線の周りの折り畳みを容易にするために、物品の第2の折り線を越えて延在してはならない。
【0039】
吸収性物品は、一対の下着パンツなどのサポートパンツ衣類の内側に吸収性物品を固定するための固定手段をさらに含み得る。固定手段は、開放可能な保護層によって覆われてもよい。
【0040】
吸収性物品は、少なくとも2つの折り線を含む。折り線は、吸収性物品上に見えても見えなくてもよい。折り線は、物品の構造により折り畳みが軽減される物品の位置である。物品の第1の横方向の折り線は、コアの前部と中間部の間の狭い横断移行部と一致するか或いはそれに隣接している。この第1の折り線の周りの折り畳みは、コアの残りの部分よりも幅が狭い前部と中間部との間の狭い横方向の移行部によって促進される。第2の折り線は、下にあるコア層の少なくとも1つの後部横断縁に隣接し、したがって、下にあるコア層の少なくとも1つの長手方向の長さをちょうど超えている。本明細書で定義される隣接は、ある構造が別の構造の付近または近くにあるということである。第2の折り線は、吸収性コアの中間部と後部との間の移行部と一致する。下にあるコア層の少なくとも1つは、上部コア層よりも長手方向の長さが短く、それは、トップシートに最も近いコア層である。第2の折り線の周りの折り畳みは、上部コア層と下にあるコア層との相対的なサイズとそれらの相対的な位置によって促進され、他のコア構造と比較して剛性と折り畳みに対する抵抗が少なくなる。第1および第2の折り線の周りの折り畳みは、例えば、可能な弾性部材の位置によってさらに促進され得る。
【0041】
物品の第1の端部は、コアの前部を含む。物品の中央領域は、コアの中間部を含む。物品の第2の端部は、コアの後部を含む。
【0042】
本発明の一態様によれば、第1の折り畳みは、物品の第1の端部を第1の横断折り線の周りで物品の中央領域上に折り畳むことによって達成され、第1の折り線は、コアの前部と中間部との間の狭い横断移行部に一致または隣接する。第1の折り畳みの結果は、物品の第1の端部のトップシートが、物品の中央領域のトップシートに面することである。第2の折り畳みは、物品の第2の端部を第2の横断折り線の周りで第1の折り畳まれた端部上に折り畳むことによって達成され、第2の折り線は第1の吸収性コア層の後部横断縁に隣接する。第2の折り畳みの結果は、物品の第2の端部のトップシートが、物品の第1の折り畳まれた端部のバックシートに面することである。
【0043】
本開示の別の態様によれば、第1の折り畳みは、物品の第2の端部を第2の横断折り線の周りで製品の中央領域に折り畳むことによって達成され、第2の折り線は第1の吸収性コア層の後部横断縁に隣接する。第2の折り畳みは、物品の第1の端部を第1の横断折り線の周りで第2の折り端部上に折り畳むことによって達成され、第1の折り線は、コアの前部と中間部との間の狭い横断移行部に一致または隣接する。第1の折り畳みの結果は、物品の第2の端部のトップシートが、物品の中央領域のトップシートに面することである。第2の折り畳みの結果は、物品の第1の端部のトップシートが、物品の第2の折り畳まれた端部のバックシートに面することである。
【0044】
したがって、折り畳まれた吸収性物品は、吸収性物品の長さに沿って3つの重なり合う部分を有する3つ折りの吸収性物品である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本発明は、添付した図面を参照してより詳細に説明される。
【0046】
【
図1】本発明の例示的な吸収性物品の平面図である。
【
図2】
図1の吸収性物品の線B-Bに沿った断面図である
【
図3】本発明の例示的な吸収性物品の平面図である。
【
図4】本発明の例示的な吸収性物品の平面図である。
【
図5a】
図1の吸収性物品を折り畳む一連のステップの立面図である。
【
図5b】
図1の吸収性物品を折り畳む一連のステップの立面図である。
【
図5c】
図1の吸収性物品を折り畳む一連のステップの立面図である。
【
図5d】
図1の吸収性物品を折り畳む一連のステップの立面図である。
【
図6a】
図1の吸収性物品を折り畳む代替の連続するステップの立面図である。
【
図6b】
図1の吸収性物品を折り畳む代替の連続するステップの立面図である。
【
図6c】
図1の吸収性物品を折り畳む代替の連続するステップの立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明は、例示的な実施形態によって以下により詳細に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、図面およびその説明に記載された実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
【0048】
図1は、物品1が着用されているときに着用者の身体に面するように意図されている側から見た失禁パッドの形態の吸収性物品1を概略的に示す。物品1は、等しい長さを有し、ほぼ同じ方向に延びる2つの長手方向側縁22、23を有する。前方端縁24および後方端縁25は、物品1の両端部で横方向に広がる。後方端縁25は、物品1の使用中に後方に向けられるように意図され、前方端縁24は、着用者の腹部に向かって前方を向くように意図されている。物品1は、流体透過性トップシート2と、流体不透過性バックシート3と、3つのコア層5、6a、6bと、を備えた吸収性コア4を含む。上部コア層5は、トップシート2と下にあるコア層との間に流体フロー制御構造体6aの形態として配置されている。流体フロー制御構造体6aは、流体フロー制御構造体6aとバックシート3との間に位置する流体貯蔵構造体6bの形態として、上部コア層5と下にあるコア層との間に位置する。吸収性コア4は、その長手方向において、第1の横断折り線11および第2の折り線12によって、前部7、中間部8および後部9に分割され、この折り線11、12の周りで、吸収性物品1は、複数の折り畳み物品を含むパッケージに折り畳み物品を包装する前に折り畳まれることが意図されている。上部コア層5は、吸収性コア4の前部7、中間部8および後部9を覆って延在している。フロー制御構造体6aは、吸収性コア4の前部7および中間部8を覆って部分的に延在している。フロー制御構造体6aの後方端縁13aは、吸収性コア4の中間部8に位置する。流体貯蔵層6bは、中間部8の上に、そして部分的に前部4の上に延在している。流体貯蔵層6bは、第2の折り線12に位置する。吸収性コア4は、コア4の前部7と中間部8との間の狭い横幅10-10′を有し、狭い横幅10-10′は、第1の折り線11と一致する。上部コア層5および流体貯蔵層6bは、例えば、超吸収性粒子とパルプ繊維との混合物を含み得る。流体フロー制御構造体は、例えば、非穿孔繊維性ポリマー層および第1の穿孔ポリマー層を備えた層状構造であってよく、第1の穿孔ポリマー層中のポリマーは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドおよびブレンド、並びに、それらの組み合わせから選択され得る。第1の穿孔ポリマー層は、50g/m2~150g/m2の坪量、または60g/m2~140g/m2の坪量を有し得る。第1の穿孔ポリマー層は、不織布、フィルム、またはフィルム/不織布ラミネートであってよい。第1の穿孔ポリマー層は、例えば、貫通孔を有する三次元的に形成された層であってよい。非穿孔繊維性ポリマー層は、50g/m2~150g/m2の高ロフト材料または60g/m2~140の坪量であってよい。非穿孔性繊維性ポリマー層としてのポリマーは、ポリエステルであってよい。流体フロー制御構造体は、非穿孔繊維ポリマー層、第1の穿孔ポリマー層および第2の穿孔ポリマー層からなる3層構造であってよい。非穿孔繊維性ポリマー層は、第1の穿孔ポリマー層と第2の穿孔ポリマー層との間に挟まれ得る。第2の穿孔ポリマー層はまた、ウェブの第1の表面からウェブの第2の表面に向かって延在し、第2の表面上に突起を形成する開口を有する三次元的に形成された層であってもよい。
【0049】
上部コア層5は、コア層5を完全に貫通して延びる開口部28を有する。上部コア層5は、異なる形状および構成の1つ以上の開口部28を有し得る。しかしながら、1つの細長い開口部28が好ましい。当然のことながら、上部コア層5は、大きな開口部のない均一な層であってもよい。上部コア層5の開口部28は、上部コア層5の前部7および中間部8に配置され、開口部28の長手方向の長さの約5~10%は、上部コア層5の前部7に位置する。開口部28の最大横断長さは、上部コア層5の前部7において、上部コア層5の中間部8における開口部28の最大横断長さよりも大きい。開口部28は、物品1の使用時に、女性の着用者の尿道および膣開口部の真下に配置される。吸収性物品1に放出された体液は、開口部28に直接収集され、それが吸収性コア4の中および全体にわたってさらに分配されるまで、一時的にその中に収容される。
【0050】
トップシート2およびバックシート3は、一緒に、全周に沿って吸収性コア4の外側に横方向に延在し、物品1の外周において縁接合により互いに結合されている。縁結合は、接着剤、超音波結合、熱結合などの当技術分野で知られている任意の適切な方法で形成することができる。トップシート2およびバックシート3は、本願で開示されている目的のために、不織布またはフィルム材料などの適切な任意の材料で構成することができる。
【0051】
例えば、発泡弾性体のような弾性部材のバンドなどの弾性部材16、16′は、トップシート2とバックシート3との間で、物品1の長手方向の側縁22、23に沿って配置される。物品は、コア4の前部7と中間部8との間の移行部と弾性部材16、16′との間に、横方向に配置された吸収材料のない隙間17、17′を有する。それぞれの弾性部材は、吸収性コア4の前部7の最も広い部分の側縁18、18′まで延在する。
【0052】
【0053】
図3は、物品1が着用されているときに着用者の身体に面するように意図されている側から見た、失禁パッドの形態の吸収性物品1を示す。物品1は、等しい長さを有し、ほぼ同じ方向に延びる2つの長手方向側縁22、23を有する。前方端縁24および後方端縁25は、物品1の両端部で横方向に広がる。後方端縁25は、物品1の使用中に後方に向けられるように意図され、前方端縁24は、着用者の腹部に向かって前方を向くように意図されている。物品1は、流体透過性トップシート2と、流体不透過性バックシート3と、3つのコア層5、6a、6bと、を備えた吸収性コア4を含む。上部コア層5は、トップシート2と下にあるコア層との間に流体フロー制御構造体6aの形態として配置されている。流体フロー制御構造体6aは、流体フロー制御構造体6aとバックシート3との間に位置する流体貯蔵構造体6bの形態として、上部コア層5と下にあるコア層との間に位置する。吸収性コア4は、その長手方向において、第1の横断折り線11および第2の折り線12によって、前部7、中間部8および後部9に分割され、この折り線11、12の周りで、吸収性物品1は、複数の折り畳み物品を含むパッケージに折り畳み物品を包装する前に折り畳まれることが意図されている。上部コア層5は、吸収性コア4の前部7、中間部8および後部9を覆って延在している。フロー制御構造体6aは、吸収性コア4における前部7の一部と中間部8とを覆って部分的に延在している。フロー制御構造体6aの後方端縁13aは、第2の折り線12に配置されている。流体貯蔵層6bは、前部4の一部を覆い、中間部8を覆い、流体貯蔵層6bの後方端縁13bは、前記吸収性コア4の後部9に配置される。吸収性コア4は、コア4の前部7と中間部8との間の狭い横幅10-10′を有し、狭い横幅10-10′は、第1の折り線11と一致する。
【0054】
上部コア層5は、コア層5を完全に貫通して延びる開口部28を有する。上部コア層5は、異なる形状および構成の1つ以上の開口部28を有し得る。しかしながら、1つの細長い開口部28が好ましい。
【0055】
弾性部材16、16′は、トップシート2とバックシート3との間で、物品1の長手方向の側縁22、23に沿って配置される。物品は、コア4の前部7と中間部8との間の移行部と弾性部材16、16′との間に、横方向に配置された吸収材料のない隙間17、17′を有する。それぞれの弾性部材は、吸収性コア4の前部7の最も広い部分の側縁18、18′まで延在する。
【0056】
図4は、吸収性コア4の前部、中間部8および後部9の上に延在する上部コア層5を備えた吸収性コア4を含む、本開示による吸収性物品1を示す。吸収性コア4は、さらに、フロー制御構造体6aおよび流体貯蔵層6bを含み、両方とも前部7の一部および中間部8の上に延在し、それぞれの後方端縁13aおよび13bは第2の折り線12に配置されている。吸収性コア4は、コア4の前部7と中間部8との間の狭い横幅10-10′を有し、狭い横幅10-10′は、第1の折り線11と一致している。
【0057】
図5a~
図5dは、
図1による吸収性物品1の2つの折り畳みステップを示す。折り畳まれていない物品1を示す
図5aから始め、物品1は、第1の折り線11および第2の折り線12によって、第1の端部19、第2の端部20および中央領域21に分割されている。
図5bでは、物品1の第1の端部19は、コア4の狭い横幅10-10′と一致するかまたはそれに隣接する第1の横断折り線11の周りで折り畳まれ、物品1は、第1の端部19が中央領域21と接触する、すなわち、第1の端部19のトップシート2が中央領域21のトップシート2と接触するまで折り畳まれる。
図5cでは、物品1の第2の端部20が、既に折り畳まれた物品1の部分19と接触する、すなわち、第2の端部20のトップシート2が第1の端部19のバックシート3に面するまで、流体貯蔵層6bの後部横断縁13bに隣接する第2の横断折り線12の周りで折り畳まれる。
図5dは、最終的に折り畳まれた物品1を示す。
【0058】
図6a~
図6cは、
図6aに示された吸収性物品の2つの折り畳みステップを伴う代替的な折り畳み方法を示す。物品1は、上部コア層5および2つの下にあるコア層6a、6bを含む。
図6aでは、物品1の第2の端部20は、第1の折り畳みステップで、下にあるコア層6bの側縁13bに隣接する第2の横断折り線12の周りに、第2の端部20が物品1の中央領域21と接触するまで、すなわち、第2の端部20のトップシート2が中央領域21のトップシート2と接触するまで折り畳まれる。
図6bは、第2の折り畳みステップを示し、物品1の第1の端部19は、既に折り畳まれた物品1の部分19と接触する、すなわち第1の端部19のトップシート2が第2の端部20のバックシート3に面するまで、第1の横断折り線11の周りで折り畳まれる。
図6cは、最終的に折り畳まれた物品1を示す。
【符号の説明】
【0059】
1 物品
2 トップシート
3 バックシート
4 吸収性コア
5 上部コア層
6a 下にあるコア層、流体フロー制御構造体
6b 下にあるコア層、流体貯蔵構造体
7 前部
8 中間部
9 後部
10-10′ 狭い横幅
11 第1の折り線
12 第2の折り線
13 後部横断縁
16、16′ 弾性部材
17、17′ 隙間
18、18′ 最も広い部分の側縁
19 第1の端部
20 第2の端部
21 中央領域
22、23 側縁
24 前方端縁
25 後方端縁
28 開口部