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特許7105899軟骨再生用バイオインク組成物、これを用いたオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドの製造方法、および該製造方法を用いて製造されたオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】軟骨再生用バイオインク組成物、これを用いたオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドの製造方法、および該製造方法を用いて製造されたオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールド
(51)【国際特許分類】
   A61L 27/38 20060101AFI20220715BHJP
   A61F 2/28 20060101ALI20220715BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20220715BHJP
   A61K 35/35 20150101ALI20220715BHJP
   A61K 35/32 20150101ALI20220715BHJP
   C07K 14/75 20060101ALI20220715BHJP
   C12N 9/48 20060101ALI20220715BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
A61L27/38 112
A61F2/28
A61P19/08
A61K35/35
A61K35/32
C07K14/75
C12N9/48
B41J2/01 501
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020541729
(86)(22)【出願日】2018-08-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 KR2018009707
(87)【国際公開番号】W WO2019151597
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】10-2018-0012221
(32)【優先日】2018-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519134452
【氏名又は名称】ロキット ヘルスケア インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソク ファン ユー
【審査官】井上 能宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/048317(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0037324(KR,A)
【文献】MULLER, A. M. et al.,Towards an intraoperative engineering of osteogenic and vasculogenic grafts from the stromal vascular fraction of human adipose tissue,European Cells and Materials,2010年,Vol. 19,p. 127-135
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L、A61F、A61K、C07K、C12N、B41J
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪組織間質血管分画、硝子軟骨(hyaline cartilage)パウダー、およびフィブリノーゲンを含む第1液と、
トロンビンを含む第2液と、を含み、
前記第1液に対する前記硝子軟骨パウダーの濃度は、0.005%(w/v)~0.1%(w/v)である、軟骨再生用バイオインク組成物。
【請求項2】
前記脂肪組織間質血管分画の含量は、1mlの第1液当たり10個~10個であることを特徴とする、請求項1に記載の軟骨再生用バイオインク組成物。
【請求項3】
前記第1液は、アプロチニンをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の軟骨再生用バイオインク組成物。
【請求項4】
前記第2液は、塩化カルシウム溶液内にトロンビンが分散したものであることを特徴とする、請求項1に記載の軟骨再生用バイオインク組成物。
【請求項5】
前記硝子軟骨パウダーは、同種の硝子軟骨に由来したものであることを特徴とする、請求項1に記載の軟骨再生用バイオインク組成物。
【請求項6】
前記硝子軟骨パウダーの粒径は、30μm以上300μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の軟骨再生用バイオインク組成物。
【請求項7】
前記硝子軟骨パウダーは、肋軟骨(costal cartilage)に由来したものであることを特徴とする、請求項1に記載の軟骨再生用バイオインク組成物。
【請求項8】
(a)3Dスキャナを用いて、欠損された軟骨部位の3次元データを収得し、3Dプリンタを用いてスキャフォールド用モールドを製造する段階と、
(b)脂肪組織由来間質血管分画(adipose tissue derived stromal vascular fraction)、硝子軟骨(hyaline cartilage)パウダー、およびフィブリノーゲンを含む第1液を用いて前記スキャフォールド用モールド内に塗布して第1層を形成する段階と、
(c)トロンビンを含む第2液を前記第1層上に塗布して第2層を形成する段階と、
(d)前記第1層および前記第2層が反応して、軟骨再生用スキャフォールドを形成する段階と、を含み、
前記第1液に対する前記硝子軟骨パウダーの濃度は、0.005%(w/v)~0.1%(w/v)である、オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドの製造方法。
【請求項9】
段階(b)および段階(c)は、2回以上交互に反復して行われることを特徴とする、請求項に記載のオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドの製造方法。
【請求項10】
段階(d)は、10分以内に完了することを特徴とする、請求項に記載のオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドの製造方法。
【請求項11】
段階(b)および 段階(c)は、インクジェットプリンティングまたは3Dプリンティングを用いて行われることを特徴とする、請求項に記載のオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、2018年1月31日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2018-0012221号の出願日の利益を主張し、その内容の全部は、本明細書に含まれる。
【0002】
本発明は、軟骨再生用バイオインク組成物、これを用いたオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドの製造方法、および該製造方法を用いて製造されたオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドに関する。
【背景技術】
【0003】
退行性関節炎(degenerative arthritis)は、関節軟骨がすり減り、局所的な退行性変化が現れる疾患であって、骨関節炎(osteoarthritis)または骨関節症ともいう。退行性関節炎は、慢性関節炎の一つであって、体重負荷を多く受ける関節軟骨で退行性変化が起こり、関節面の骨が過剰成長して発生する疾患であり、中壮年期の成人に多く現れる。この疾患は、まず、軟骨組成成分を作る軟骨細胞が老化によって機能が低下して軟骨が弾力性を失うことになる。そして、時間が経過するにつれて軟骨の表面が荒くなり、関節膜で包まれた関節腔の内部に様々な種類の物質が流入して炎症が生じることになる。臨床的には、反復的な疼痛、関節の強直感、関節の漸進的な運動障害などが現れる。退行性関節炎の原因は、老化現象や過多体重と関係が深く、年齢が高くなるほど、女性においてさらに多く、また、さらに深刻に現れる。初期の症状は、一つまたは二つの関節が強直と共にうずくような疼痛が現れ、長期化すると、軟骨下骨の硬化、関節周辺に骨の過剰形成、関節の変形などを招くことになる。
【0004】
関節軟骨の退行性変化の原因は、まだ糾明されていないが、軟骨細胞数の絶対的減少と軟骨細胞(chondrocytes)で起こる軟骨基質の合成と分解の不均衡が一つの原因として知られている。したがって、関節軟骨の退行性変化は、軟骨基質の分解によって軟骨強度とクッションとしての能力が減少する。
【0005】
従来の細胞治療剤は、移植された細胞が重力により一方向に集まるので、欠損部位に均等に分布しにくい短所があり、細胞生着の困難があるので、軟骨欠損部の細胞再生を減少させる。また、自己軟骨細胞移植術および幹細胞移植術の場合には、組織を抽出した後、培養過程を経て患者に適用されるので、2回の手術が必要であり、約4週間の細胞培養期間または操作を必要とする。また、移植された細胞が重力により欠損部位に均等に分布および生着されにくく、硝子軟骨の分化でなく線維軟骨への分化が誘導されて、以後に軟骨がよく破れる現象が生じる問題がある。したがって、軟骨欠損部の細胞再生を効果的に行うことができる方法の開発が必要であるのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国特許公開第10-2017-0012099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、欠損された軟骨部位の軟骨再生のためのオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドの製造のための軟骨再生用バイオインク組成物を提供しようとする。ひいては、前記軟骨再生用バイオインク組成物を用いて、オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドの製造方法およびこれを用いて製造されたオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施態様は、脂肪組織由来間質血管分画(adipose tissue derived stromal vascular fraction)、硝子軟骨(hyaline cartilage)パウダー、およびフィブリノーゲンを含む第1液と、トロンビンを含む第2液と、を含む、軟骨再生用バイオインク組成物を提供する。
【0009】
本発明の他の実施態様は、(a)3Dスキャナを用いて、欠損された軟骨部位の3次元データを収得し、3Dプリンタを用いてスキャフォールド用モールドを製造する段階と、(b)脂肪組織由来間質血管分画(adipose tissue derived stromal vascular fraction)、硝子軟骨(hyaline cartilage)パウダー、およびフィブリノーゲンを含む第1液を用いて前記スキャフォールド用モールド内に塗布して第1層を形成する段階と、(c)トロンビンを含む第2液を前記第1層上に塗布して第2層を形成する段階と、(d)前記第1層および前記第2層が反応して、軟骨再生用スキャフォールドを形成する段階と、を含む、オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドの製造方法を提供する。
【0010】
本発明のさらに他の実施態様は、前記製造方法を用いて製造された、オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明による軟骨再生用バイオインク組成物は、患者オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドを製造することができるという長所がある。
【0012】
本発明による軟骨再生用バイオインク組成物を用いて製造されたオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドは、移植された脂肪組織由来間質血管分画の軟骨分化能を高め、ひいては、移植部位での軟骨再生を増加させて効果的な軟骨治療が可能である。
【0013】
本発明によるオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドは、患部に対し優れた接合力を有し、これによって、軟骨分化能および軟骨再生効果に優れているという長所がある。
【0014】
本発明によるオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドの製造方法は、手術室で患部の軟骨欠損部を3Dスキャニングしてすぐにオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドを製造することができるので、一度の手術過程を通じてスキャフォールドを移植することができるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実験例1の軟骨分化能力を確認するためのペレットの製造過程を示すものである。
図2】実験例1による比較例1(MCCM 0mg)のペレットにサフラニンO染色を行った結果を示すものである。
図3】実験例1による実施例1(MCCM 10mg)のペレットにサフラニンO染色を行った結果を示したのである。
図4】実験例1による実施例2(MCCM 50mg)のペレットにサフラニンO染色を行った結果を示したのである。
図5】実験例1による実施例3(MCCM 100mg)のペレットにサフラニンO染色を行った結果を示したのである。
図6】実験例2の軟骨再生の可否を確認するための動物実験過程を示すものである。
図7】実験例2による実施例4の動物実験過程中のイメージおよびスキャフォールド移植後6週後の欠陥領域に対するマイクロCT撮影イメージを示したのである。
図8】実験例2による比較例2の動物実験過程中のイメージおよびスキャフォールド移植後6週後の欠陥領域に対するマイクロCT撮影イメージを示したのである。
図9】実験例2による比較例2の移植後6週後の欠陥領域に対して、サフラニンO染色した結果を示すものである。
図10】実験例2による実施例4の移植後6週後の欠陥領域に対して、サフラニンO染色した結果を示すものである。
図11】実験例2による比較例2の移植後6週後の欠陥領域に対して、1型コラーゲン(Collagen type 1)で免疫化学染色(Immunohistochemistry,IHC)処理した結果を示すものである。
図12】実験例2による実施例4の移植後6週後の欠陥領域に対して、1型コラーゲン(Collagen type 1)で免疫化学染色(Immunohistochemistry,IHC)処理した結果を示すものである。
図13】実験例2による比較例2の移植後6週後の欠陥領域に対して、2型コラーゲン(Collagen type 2)で免疫化学染色(Immunohistochemistry,IHC)処理した結果を示すものである。
図14】実験例2による実施例4の移植後6週後の欠陥領域に対して、2型コラーゲン(Collagen type 2)で免疫化学染色(Immunohistochemistry,IHC)処理した結果を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本明細書において、任意の部材が他の部材「上に」位置しているというとき、これは、任意の部材が他の部材に接している場合だけでなく、二つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合をも含む。
【0017】
本明細書において、任意の部分が或る構成要素を「含む」とするというとき、これは、特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0018】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0019】
本発明の一実施態様は、脂肪組織由来間質血管分画、硝子軟骨パウダー、およびフィブリノーゲンを含む第1液と、トロンビンを含む第2液と、を含む、軟骨再生用バイオインク組成物を提供する。
【0020】
本発明による軟骨再生用バイオインク組成物は、2液型として、前記第1液と前記第2液が順次に塗布された後に反応して軟骨再生用スキャフォールドが形成され得る。具体的に、前記第2液内のトロンビンと前記第1液内のフィブリノーゲンが反応してフィブリンネットワークを形成することができ、これは、前記脂肪組織由来間質血管分画、硝子軟骨パウダーが十分に固定されるようにする役割をすることができる。
【0021】
前記脂肪組織由来間質血管分画(adipose tissue derived stromal vascular fraction)は、脂肪組織由来幹細胞(adipose derived stem cells)を含む。好ましくは、前記脂肪組織由来間質血管分画は、脂肪組織由来幹細胞以外の他の細胞(例えば、脂肪細胞、赤血球細胞および他の間質細胞など)および細胞外マトリックス物質を実質的に含まなくてもよく、より好ましくは他の細胞および細胞外マトリックス物質を全く含まなくてもよい。
【0022】
前記脂肪組織由来間質血管分画は、同種動物または異種動物の脂肪組織から抽出されたものでありうる。好ましくは、前記脂肪組織由来間質血管分画は、自己由来脂肪組織から抽出されたものでありうる。より具体的に、前記脂肪組織由来間質血管分画は、施術対象である患者または動物の脂肪細胞を用いて抽出されたものでありうる。
【0023】
本発明の一実施態様によれば、前記脂肪組織由来間質血管分画の含量は、1mlの第1液当たり10個~10個でありうる。前記脂肪組織由来間質血管分画の含量が前記範囲内である場合、製造されるスキャフォールドの軟骨分化能力および軟骨再生能力が大きく向上することができる。
【0024】
前記脂肪組織由来間質血管分画は、硝子軟骨パウダーとともに使用されることによって、軟骨細胞に分化し得、これによって、前記オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドは、患部に移植される場合、軟骨細胞への分化が活発に誘導され得る。
【0025】
前記硝子軟骨(hyaline cartilage)パウダーは、前記軟骨再生用バイオインク組成物を用いて製造されたスキャフォールドの支持体を構成する要素になりうる。具体的に、前記フィブリノーゲンとトロンビンの反応を通したフィブリンマトリックスは、前記硝子軟骨パウダーの粒子を互いに結合させることができる。
【0026】
前記硝子軟骨パウダーは、同種または異種の硝子軟骨に由来したものでありうる。好ましくは、前記硝子軟骨パウダーは、同種の硝子軟骨に由来したものでありうる。具体的に、軟骨施術対象がヒトである場合、ヒトの硝子軟骨から抽出した硝子軟骨パウダーを使用することができる。また、軟骨施術対象が動物である場合、同じ種の動物の硝子軟骨から抽出した硝子軟骨パウダーを使用することができる。
【0027】
前記硝子軟骨パウダーは、軟骨再生関連成長因子を排出して、前記脂肪組織由来間質血管分画が軟骨細胞に分化することを誘導することができる。ひいては、前記硝子軟骨パウダーに含まれるタンパク質は、患部の軟骨再生が活発になされるように助ける役割をすることができる。
【0028】
本発明の一実施態様によれば、前記硝子軟骨パウダーは、肋軟骨(costal cartilage)に由来したものでありうる。具体的に、前記オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドの適用対象がヒトである場合、前記硝子軟骨パウダーは、ヒトの肋軟骨に由来することができる。また、前記オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドの適用対象が動物である場合、前記硝子軟骨パウダーは、対象である動物と同じ種の肋軟骨に由来することができる。例えば、前記硝子軟骨パウダーは、市販されている同種異系の肋骨軟骨(allogenic costal cartilage)をパウダー化して使用することができる。
【0029】
本発明の一実施態様によれば、前記硝子軟骨パウダーの粒径は、30μm以上300μm以下でありうる。前記硝子軟骨パウダーの平均粒径が前記範囲内である場合、軟骨細胞の分化および再生が効果的になされる長所がある。
【0030】
本発明の一実施態様によれば、前記硝子軟骨パウダーの濃度は、0.005%(w/v)~0.1%(w/v)でありうる。すなわち、前記硝子軟骨パウダーは、前記第1液1ml当たり0.005g~0.1gで含まれ得る。前記硝子軟骨パウダーの濃度は、好ましくは0.005%(w/v)~0.07%(w/v)、より好ましくは0.005%(w/v)~0.03%(w/v)、最も好ましくは0.007%(w/v)~0.03%(w/v)でありうる。前記硝子軟骨パウダーの濃度が前記範囲内である場合、オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドの移植後、軟骨細胞の生存性、軟骨細胞への分化およびモルフォロジーが最も良好に具現され得る。
【0031】
本発明の一実施態様によれば、前記硝子軟骨パウダー5mg~100mgに対して、前記脂肪組織由来間質血管分画の個数は、10~10個でありうる。好ましくは、前記硝子軟骨パウダー5mg~70mgに対して、前記脂肪組織由来間質血管分画の個数は、10~10個でありうる。より好ましくは、前記硝子軟骨パウダー5mg~30mgに対して、前記脂肪組織由来間質血管分画の個数は、10~10個でありうる。
【0032】
本発明の一実施態様によれば、前記第1液は、アプロチニンをさらに含むことができる。前記アプロチニン(aprotinin)は、すい臓から分泌されるプロテイン分解酵素の抑制剤であって、総58個のアミノ酸からなるポリペプチドである。主に牛の肺から抽出され、血液中ではフィブリンの分解を阻止して、止血作用をすると知られている。
【0033】
本発明の一実施態様によれば、前記フィブリノーゲンは、1mlの第1液当たり65mg~115mgで含まれ得る。
【0034】
本発明の一実施態様によれば、前記アプロチニンは、1mlの第1液当たり900KIU~1,100KIU(kininogen Inactivator Unit)、具体的に1000KIUで含まれ得る。
【0035】
具体的に、本発明の一実施態様によれば、前記第1液は、1ml当たり、10~10個の脂肪組織由来間質血管分画、5mg~100mgの硝子軟骨パウダー、65mg~115mgのフィブリノーゲンおよび900KIU~1,100KIUのアプロチニンを含むことができる。
【0036】
本発明の一実施態様によれば、前記第2液は、塩化カルシウム溶液内にトロンビンが分散したものでありうる。具体的に、前記第2液は、1ml当たり、400IU~600IUのトロンビン、5mg~6.5mgの塩化カルシウムを含むことができる。
【0037】
前記第1液および第2液の溶媒は、水、具体的には、生理食塩水でありうる。また、前記第1液内のフィブリノーゲンと前記第2液内のトロンビンは、常用のフィブリン糊キットを通じて入手することができる。
【0038】
前記第1液と第2液は、10分以内、好ましくは5分以内に反応が完了するので、前記軟骨再生用バイオインク組成物は、施術現場で3Dプリンタを用いて患者オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドを即席で製造することができるという長所がある。
【0039】
本発明は、フィブリノーゲンおよびフィブリンから構成されるフィブリン糊を接着剤として使用し、これは、ヒアルロン酸接着剤またはコラーゲン接着剤より高い粘性を確保することができるので、前記オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドは、患部との優れた接着力を有し、ひいては、高い強度を維持することができる。
【0040】
本発明の他の実施態様は、(a)3Dスキャナを用いて、欠損された軟骨部位の3次元データを収得し、3Dプリンタを用いてスキャフォールド用モールドを製造する段階と、(b)脂肪組織由来間質血管分画(adipose tissue derived stromal vascular fraction)、硝子軟骨(hyaline cartilage)パウダー、およびフィブリノーゲンを含む第1液を用いて前記スキャフォールド用モールド内に塗布して第1層を形成する段階と、(c)トロンビンを含む第2液を前記第1層上に塗布して第2層を形成する段階と、(d)前記第1層および前記第2層が反応して、軟骨再生用スキャフォールドを形成する段階と、を含む、オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドの製造方法を提供する。
【0041】
段階(a)は、当業界において知られた3Dスキャナ装備および3Dプリンタ装備を用いることができる。また、前記スキャフォールド用モールドは、前記第1液および第2液の塗布時に立体的形態を固定できるようにする役割をすることができる。前記スキャフォールド用モールドは、前記軟骨再生用スキャフォールドの形成後に除去され得る。前記スキャフォールド用モールドは、当業界において一般的に使用される生体適合性高分子を用いて形成され得る。
【0042】
本発明の一実施態様によれば、段階(b)および段階(c)は、インクジェットプリンティングまたは3Dプリンティングを用いて行われ得る。具体的に、段階(b)および段階(c)は、当業界において知られた2以上のノズルを有するプリンティング装置を用いることができ、それぞれのノズルから前記第1液および第2液をそれぞれ吐出して立体形状を作ることができる。
【0043】
本発明の一実施態様によれば、段階(b)および段階(c)は、2回以上交互に反復して行われ得る。具体的に、体積が大きい軟骨再生用スキャフォールドの形成が必要な場合、段階(b)および段階(c)が交互に行われ、「第1層/第2層/第1層/第2層」のように積層された後、凝固して、軟骨再生用スキャフォールドが形成され得る。
【0044】
本発明の一実施態様によれば、段階(d)は、10分以内に完了することができ、好ましくは5分以内に完了することができる。具体的に、段階(d)は、3分~7分間反応して前記第1層および前記第2層が反応して、軟骨再生用スキャフォールドを形成するものでありうる。
【0045】
従来の自己軟骨細胞移植術および幹細胞移植術の場合、患者の欠損された軟骨領域の組織を抽出するために、患部を1次切開した後、前記組織の培養過程を経て患部に移植するための2次切開が必要であるので、2回の手術過程が必要であるという問題があった。反面、前記オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドの製造方法は、1次切開を通じて欠損された軟骨領域を確認した後、短時間内に欠損された軟骨領域に対応するスキャフォールドを製造して欠損された軟骨領域に移植することができるという長所がある。すなわち、本発明によるオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドの製造方法は、1回の切開だけで患部にオーダーメード型スキャフォールドを移植することができるという長所がある。
【0046】
本発明のさらに他の実施態様は、前記製造方法を用いて製造された、オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドを提供する。
【0047】
前記オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドは、前述したように、短時間内に欠損された軟骨領域に対応する形状に製造されて移植され得る。前記オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドは、細胞のための培養過程を必要とせず、移植後に前記スキャフォールド内の脂肪組織由来間質血管分画は、軟骨細胞に分化し、硝子軟骨パウダーは、軟骨の再生を活性化させ、再生した軟骨細胞の生存率を高めることができる。
【0048】
前記オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドは、患部に移植される場合、前記硝子軟骨パウダーから分泌される硝子軟骨成長因子およびタンパク質により軟骨(具体的には膝軟骨)本来の硝子軟骨が再生するように誘導することができる。これを通じて、前記オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドが患部に適用される場合、効果的に従来の軟骨と同一または類似の状態に回復され得る。
【0049】
以下、本発明を具体的に説明するために実施例により詳細に説明することとする。しかしながら、本発明による実施例は、様々な他の形態に変形され得、本発明の範囲が下記で記述する実施例に限定されると解されない。本明細書の実施例は、当業界において平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0050】
脂肪組織由来間質血管分画(SVF)細胞の分離
脂肪組織由来間質血管分画(SVF)細胞は、下記の段階を通じて収得した。
【0051】
1.無菌手術室で医師の主導の下に脂肪吸引術を実施して、約60ccの脂肪組織を抽出し、これと同じ量で0.075%のコラゲナーゼ脂質ファージ(collagenase Lipid phage)を添加し、これを37℃の温度で230rpmの振とう培養(Shaking incubation)で30分間反応させた。
【0052】
2.上記のように反応後、420gの反応物を25℃で10分間遠心分離を行い、遠心分離結果、SVFペレット層、コラゲナーゼ層およびオイル層の3層に区分された。
【0053】
3.SVFペレット層を除いた上部液を除去し、SVFペレット層をPBS(Phosphate Buffered Saline)で再懸濁した後、100μmのナイロンフィルタ(Cell strainer)を用いて再懸濁したSVF層の繊維質と残っている不純物を除去した。
【0054】
4.フィルタリングされたSVFを含む溶液を再懸濁しつつ3回遠心分離を行った後、最下層のペレットのみを残して除去した後、セルカウンター(Cell counter)を用いて細胞核(nucleus cell)を計算した結果、10個~10個のSVFが収得されたことを確認することができた。
【0055】
硝子軟骨パウダーの製造
硝子軟骨パウダーは、市場で入手可能な肋軟骨(Costal cartilage)を用いて、30μm~300μmの粒子サイズを有するパウダーに製造した。以下、前記硝子軟骨パウダーは、MCCM(micronized costal cartilage matrix)と称する。
【0056】
実験例1:軟骨形成分化(Chondrogenesis Differentiation)の可否の確認のためのペレット製造(In vitro実験)
[実施例1~実施例3]
図1は、軟骨分化能力を確認するためのペレットの製造過程を示した。具体的に、軟骨分化能力を確認するための実験は、下記のように実施した。
【0057】
1.前記収得されたSVF(10個~10個)を前記製造された硝子軟骨パウダー(MCCM)10mg(実施例1)、50mg(実施例2)および100mg(実施例3)が分散した生理食塩水と混合した。
【0058】
2.前記混合液を4℃で5分間1000rpmで遠心分離した後、生理食塩水の上澄み液を除去して、MCCM/SVF混合物を収得した。
【0059】
3.MCCM/SVF混合物をフィブリノーゲンが混合されたアプロチニン液1mlと混合注射器(mix syringe)を用いて混合した。
【0060】
4.MCCM/SVF/フィブリノーゲン溶液1mlとトロンビンが分散した塩化カルシウム溶液1mlをそれぞれY字状ピースに連結し、15ml円錐型チューブ(conical tube)にそれぞれ200μlずつ分注して、常温で5分間固めてペレットを形成した。
【0061】
5.ペレットが十分に浸る程度に生長因子フリー培地(Growth factor free media)を1週間に3回交換投与し、37℃、5%COの条件で5週間インキュベートした後、サフラニンO染色を実施して、軟骨形成分化を確認した。
【0062】
[比較例1]
MCCMなしにSVFのみをフィブリノーゲンが混合されたアプロチニン液と混合(MCCM 0mg、比較例1)して、前記のような方法でペレットを形成し、インキュベートした後、サフラニンO染色を実施して、軟骨形成分化を確認した。
【0063】
図2図5は、それぞれ、比較例1(MCCM 0mg)、実施例1(MCCM 10mg)、実施例2(MCCM 50mg)、および実施例3(MCCM 100mg)によるペレットにサフラニンO染色を行った結果を示すものである。図2図5において、サフラニンO染色によって軟骨部分およびMCCMは、赤色で染色され、実施例1~3のMCCMの周辺に軟骨細胞の核が観察されることを確認することができ、多数の生きている軟骨細胞が存在していることを確認することができた。ただし、MCCMを使用しない比較例1の場合には、軟骨細胞が分化したことを確認することができなかった。前記結果を通じて、MCCMのタンパク質および生長因子などが放出され、SVFの軟骨細胞への分化を誘導したものと類推され得る。ひいては、MCCMの含量と関連して、実施例1(MCCM 10mg)が、実施例2および実施例3に比べて、軟骨細胞の生存性および軟骨細胞への分化が最も活発に行われたことを確認することができた。すなわち、MCCMの含量が過度に多い場合、軟骨細胞に分化しうる空間が少なくなるので、軟骨細胞への分化が遅くなるものと判断される。
【0064】
実験例2:軟骨再生(Cartilage Regeneration)の可否の確認のための動物実験(In vivo実験)
[実施例4]
図6は、軟骨再生の可否を確認するための動物実験過程を示した。具体的に、軟骨再生の可否を確認するための動物実験は、下記のように進行された。
【0065】
1.前記収得されたSVF(10個~10個)を前記製造された硝子軟骨パウダー(MCCM)10mgが分散した生理食塩水と混合した。
【0066】
2.前記混合液を4℃で5分間1000rpmで遠心分離した後、生理食塩水の上澄み液を除去してMCCM/SVF混合物を収得した。
【0067】
3.MCCM/SVF混合物をフィブリノーゲンが混合されたアプロチニン液1mlと混合注射器(mix syringe)を用いて混合した。
【0068】
4.MCCM/SVF/フィブリノーゲン溶液1mlとトロンビンが分散した塩化カルシウム溶液1mlをそれぞれ準備した。
【0069】
5.実験用ビーグルの膝大腿部の関節丘を露出させ、これに直径約6mm、深さ約2mmのサイズの欠陥(defect)領域を形成した。
【0070】
6.スキャフォールド用モールドを製造するために、3Dスキャナを用いて実験用ビーグルの欠損された軟骨部位の3次元データを収得し、これを基礎として3D Bio 3Dプリンタ(INVIVO,ROKIT)を使用して医療等級のPCL(polycaprolactone)外壁を出力した。ひいては、MCCM/SVF/フィブリノーゲン溶液とトロンビンが分散した塩化カルシウム溶液をそれぞれ3D Bio 3Dプリンタ(INVIVO,ROKIT)を用いて前記スキャフォールド用モールド内に順次に塗布した後、5分間固めて、オーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドを製造した。
【0071】
7.実験用ビーグルの欠陥領域にフィブリン糊(ベリプラスト)100μlを注入し、製造されたオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドを移植した後、手術部位を縫い合わせた。
【0072】
8.6週後、移植されたオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールド内に軟骨細胞が形成されるかを確認した。
【0073】
[比較例2]
MCCMなしにSVFのみをフィブリノーゲンが混合されたアプロチニン液と混合して、前記のような方法で動物実験を進めた。
【0074】
図7および図8は、それぞれ、実験例2による実施例4および比較例2の動物実験過程中のイメージおよびスキャフォールド移植後6週後の欠陥領域に対するマイクロCT撮影イメージを示した。図7および図8において、実施例4によるマイクロCT撮影結果は、比較例2によるマイクロCT撮影結果に比べて非常に高い骨密度を示すことを確認することができる。これを通じて、MCCMを用いた実施例4の場合、高い軟骨生成能力があることを確認することができる。
【0075】
図9および図10は、それぞれ、実験例2による比較例2および実施例4の移植後6週後の欠陥領域に対して、サフラニンO染色した結果を示すものである。サフラニンO染色結果、実施例4の場合のみが、欠陥領域の軟骨が再生することを確認することができた。これは、図10の矢印で表示された部分の赤く発現したボリュームが生じた部分から確認することができる。ひいては、図9での赤く発現した部分は、欠陥領域を製作したときに正常軟骨が残っている部分に過ぎない領域である。
【0076】
図11および図12は、それぞれ、実験例2による比較例2および実施例4の移植後6週後の欠陥領域での軟骨再生がいかなる種類の軟骨に再生されるかを確認するために、1型コラーゲン(Collagen type 1)で免疫化学染色(Immunohistochemistry,IHC)処理した結果を示すものである。前記1型コラーゲンは、線維軟骨(fibro-cartilage)の確認のための抗体(antibody)が結合されたものであって、線維軟骨のみを検出して茶色に発現させる役割をする。図12によれば、欠陥領域で再生した部分が青色に発現することを確認することができ、これは、再生した軟骨が線維軟骨でなく硝子軟骨として欠陥領域に適合した軟骨細胞に再生されたものであることが分かる。反面、図11の場合、硝子軟骨に分化した領域を確認することができなかった。
【0077】
図13および図14は、それぞれ、実験例2による比較例2および実施例4の移植後6週後の欠陥領域での軟骨再生がいかなる種類の軟骨に再生されるかを確認するために、2型コラーゲン(Collagen type 2)で免疫化学染色(Immunohistochemistry,IHC)処理した結果を示すものである。前記2型コラーゲンは、硝子軟骨(hyaline cartilage)の確認のための抗体(antibody)が結合されたものであって、硝子軟骨のみを検出して茶色に発現させる役割をする。図14によれば、欠陥領域で再生された部分が茶色に発現することを確認することができ、これは、再生された軟骨が線維軟骨でなく硝子軟骨であって、欠陥領域に適合した軟骨細胞に再生されたものであることが分かる。反面、図13の場合、硝子軟骨に分化した領域を確認することができなかった。
【0078】
前記実施例および比較例の結果を通じて、実施例のように脂肪組織由来間質血管分画と硝子軟骨パウダーを同時に使用した本発明によるオーダーメード型軟骨再生用スキャフォールドを移植する場合、軟骨細胞への分化が効果的に行われ、ひいては、軟骨細胞の拡散および再生が向上することを確認することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14