(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】情報処理端末、測位方法及び測位プログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 19/07 20100101AFI20220715BHJP
G01S 19/41 20100101ALI20220715BHJP
G01S 19/43 20100101ALI20220715BHJP
【FI】
G01S19/07
G01S19/41
G01S19/43
(21)【出願番号】P 2021074029
(22)【出願日】2021-04-26
【審査請求日】2021-08-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596119179
【氏名又は名称】株式会社コア
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】宮本 翔
(72)【発明者】
【氏名】山本 享弘
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 和洋
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-009109(JP,A)
【文献】特開2019-132584(JP,A)
【文献】特開2020-180911(JP,A)
【文献】国際公開第2018/083803(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0293233(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0024639(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 19/00-19/55
G01C 21/26-21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1測位衛星から配信される測位信号を取得する測位信号取得部と、
前記測位信号取得部において取得された前記測位信号に基づき、観測点の第1測位情報を生成する第1測位情報生成部と、
予め設置位置が分かっている第1基準点において受信された前記測位信号とに基づき生成される補正情報を取得する補正情報取得部と、
前記第1測位情報生成部において生成された前記第1測位情報と、前記補正情報取得部において取得された前記補正情報とに基づき、前記観測点の第2測位情報を生成する第2測位情報生成部と、
予め設置位置が分かっている第2基準点において受信された前記測位信号に基づき生成される補正信号が送信されることにより第2測位衛星において生成される測位補強信号を、前記第2測位衛星から取得する測位補強信号取得部と、
前記第1測位情報生成部において生成された前記第1測位情報と、前記測位補強信号取得部において取得された前記測位補強信号とに基づき、前記観測点の第3測位情報を生成する第3測位情報生成部と、
前記第2測位情報生成部において生成された前記第2測位情報と、前記第3測位情報生成部において生成された前記第3測位情報との間において提供する測位情報を切換える測位情報切換部と、
前記測位情報切換部において切換えられた前記測位情報を提供する測位情報提供部と
を備える、情報処理端末。
【請求項2】
前記測位補強信号取得部は、前記第2基準点としての電子基準点において受信された前記測位信号に基づき生成される、前記補正信号としての補強信号が送信されることにより、第2測位衛星において生成される前記測位補強信号を、前記第2測位衛星から取得する、請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項3】
前記測位情報切換部は、
前記補正情報取得部において前記補正情報の取得ができなくなったときに前記測位情報を前記第2測位情報から前記第3測位情報に切換え、
前記補正情報取得部において前記補正情報の取得ができるようになったときに前記測位情報を前記第3測位情報から前記第2測位情報に切換える、請求項2に記載の情報処理端末。
【請求項4】
前記測位補強信号取得部は、前記第2基準点としての前記測位信号をモニタするモニタ局において受信された前記測位信号に基づき生成される、前記補正信号としての衛星の軌道情報およびクロック情報が送信されることにより、第2測位衛星において生成される前記測位補強信号を、前記第2測位衛星から取得する、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理端末。
【請求項5】
前記測位情報切換部は、前記第1測位情報生成部において生成された前記第1測位情報により示される位置が予め設定された範囲に含まれるようになったときに前記測位情報を前記第1測位情報から前記第3測位情報に切換える、請求項4に記載の情報処理端末。
【請求項6】
前記測位情報切換部は、前記第1測位情報生成部において生成された前記第1測位情報と、前記第3測位情報生成部において生成された前記第3測位情報とを切換える、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理端末。
【請求項7】
前記測位情報切換部は、
前記測位補強信号取得部において前記測位補強信号の取得ができなくなったときに前記測位情報を前記第3測位情報から前記第1測位情報に切換え、
前記測位補強信号取得部において前記測位補強信号の取得ができるようになったときに前記測位情報を前記第1測位情報から前記第3測位情報に切換える、請求項6に記載の情報処理端末。
【請求項8】
前記測位情報切換部は、前記第1測位情報生成部において生成された前記第1測位情報と、前記第2測位情報生成部において生成された前記第2測位情報とを切換える、請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理端末。
【請求項9】
前記測位情報切換部は、
前記補正情報取得部において前記補正情報の取得ができるようになったときに前記測位情報を前記第1測位情報から前記第2測位情報に切換える、請求項8に記載の情報処理端末。
【請求項10】
コンピュータが、
第1測位衛星から配信される測位信号を取得する測位信号取得ステップと、
前記測位信号取得ステップにおいて取得された前記測位信号に基づき、観測点の第1測位情報を生成する第1測位情報生成ステップと、
予め設置位置が分かっている第1基準点において受信された前記測位信号とに基づき生成される補正情報を取得する補正情報取得ステップと、
前記第1測位情報生成ステップにおいて生成された前記第1測位情報と、前記補正情報取得ステップにおいて取得された前記補正情報とに基づき、前記観測点の第2測位情報を生成する第2測位情報生成ステップと、
予め設置位置が分かっている第2基準点において受信された前記測位信号に基づき生成される補正信号が送信されることにより第2測位衛星において生成される測位補強信号を、前記第2測位衛星から取得する測位補強信号取得ステップと、
前記第1測位情報生成ステップにおいて生成された前記第1測位情報と、前記測位補強信号取得ステップにおいて取得された前記測位補強信号とに基づき、前記観測点の第3測位情報を生成する第3測位情報生成ステップと、
前記第2測位情報生成ステップにおいて生成された前記第2測位情報と、前記第3測位情報生成ステップにおいて生成された前記第3測位情報との間において提供する測位情報を切換える測位情報切換ステップと、
前記測位情報切換ステップにおいて切換えられた前記測位情報を提供する測位情報提供ステップと、
を実行する測位方法。
【請求項11】
コンピュータに、
第1測位衛星から配信される測位信号を取得する測位信号取得機能と、
前記測位信号取得機能において取得された前記測位信号に基づき、観測点の第1測位情報を生成する第1測位情報生成機能と、
予め設置位置が分かっている第1基準点において受信された前記測位信号とに基づき生成される補正情報を取得する補正情報取得機能と、
前記第1測位情報生成機能において生成された前記第1測位情報と、前記補正情報取得機能において取得された前記補正情報とに基づき、前記観測点の第2測位情報を生成する第2測位情報生成機能と、
予め設置位置が分かっている第2基準点において受信された前記測位信号に基づき生成される補正信号が送信されることにより第2測位衛星において生成される測位補強信号を、前記第2測位衛星から取得する測位補強信号取得機能と、
前記第1測位情報生成機能において生成された前記第1測位情報と、前記測位補強信号取得機能において取得された前記測位補強信号とに基づき、前記観測点の第3測位情報を生成する第3測位情報生成機能と、
前記第2測位情報生成機能において生成された前記第2測位情報と、前記第3測位情報生成機能において生成された前記第3測位情報との間において提供する測位情報を切換える測位情報切換機能と、
前記測位情報切換機能において切換えられた前記測位情報を提供する測位情報提供機能と、
を実現させる、測位プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理端末、測位方法及び測位プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衛星からの衛星信号を受信して、位置情報を測位することが行われている。一般には、GPS(Global Positioning System)衛星からの衛星信号を利用した測位が広範に知られている。一方、衛星を利用した測位システムには、GPS以外にも、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、Galileo、QZSS(Quasi―Zenith Satellites System)、など様々なシステムが考案、実現されている。これらのシステムは総称してGNSS(Global Navigation Satellite System)と呼称されることがある。そして、それらの測位システムに併せて様々な機器もまた開発されている。
【0003】
特許文献1には、単独測位による測位と、ネットワークアシストによる測位の切り替えを行う技術が開示されている。また、特許文献2には、屋内測位と屋外測位とで測位方式を切り替える技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許4994192号
【文献】特開2020-153739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような測位機器においては、なるべく常に、精度の高い測位結果を得ることが求められる。
【0006】
そこで、本発明においては、適宜環境下で最も精度の高い測位結果を得ることが可能な情報処理端末、測位方法及び測位プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態における情報処理端末は、第1測位衛星から配信される測位信号を取得する測位信号取得部と、測位信号取得部において取得された測位信号に基づき、観測点の第1測位情報を生成する第1測位情報生成部と、第1測位情報生成部において生成された第1測位情報と、予め設置位置が分かっている第1基準点において受信された測位信号とに基づき生成される補正情報を取得する補正情報取得部と、第1測位情報生成部において生成された第1測位情報と、補正情報取得部において取得された補正情報とに基づき、観測点の第2測位情報を生成する第2測位情報生成部と、予め設置位置が分かっている第2基準点において受信された測位信号に基づき生成される補正信号が送信されることにより第2測位衛星において生成される測位補強信号を、第2測位衛星から取得する測位補強信号取得部と、第1測位情報生成部において生成された第1測位情報と、測位補強信号取得部において取得された測位補強信号とに基づき、観測点の第3測位情報を生成する第3測位情報生成部と、第2測位情報生成部において生成された第2測位情報と、第3測位情報生成部において生成された第3測位情報との間において提供する測位情報を切換える測位情報切換部と、測位情報切換部において切換えられた測位情報を提供する測位情報提供部とを備える。
【0008】
また、上記情報処理端末において、測位補強信号取得部は、第2基準点としての電子基準点において受信された測位信号に基づき生成される、補正信号としての補強信号が送信されることにより、第2測位衛星において生成される測位補強信号を、第2測位衛星から取得することとしてもよい。
【0009】
また、上記情報処理端末において、測位情報切換部は、補正情報取得部において補正情報の取得ができなくなったときに測位情報を第2測位情報から第3測位情報に切換え、補正情報取得部において補正情報の取得ができるようになったときに測位情報を第3測位情報から第2測位情報に切換えることとしてもよい。
【0010】
また、上記情報処理端末において、測位補強信号取得部は、第2基準点としての測位信号をモニタするモニタ局において受信された測位信号に基づき生成される、補正信号としての衛星の軌道情報およびクロック情報が送信されることにより、第2測位衛星において生成される測位補強信号を、第2測位衛星から取得することとしてもよい。
【0011】
また、上記情報処理端末において、測位情報切換部は、第1測位情報生成部において生成された第1測位情報により示される位置が予め設定された範囲に含まれるようになったときに測位情報を第1測位情報から第3測位情報に切換えることとしてもよい。
【0012】
また、上記情報処理端末において、測位情報切換部は、第1測位情報生成部において生成された第1測位情報と、第3測位情報生成部において生成された第3測位情報とを切換えることとしてもよい。
【0013】
また、上記情報処理端末において、測位情報切換部は、測位補強信号取得部において測位補強信号の取得ができなくなったときに測位情報を第3測位情報から第1測位情報に切換え、測位補強信号取得部において測位補強信号の取得ができるようになったときに測位情報を第1測位情報から第3測位情報に切換える。
【0014】
また、上記情報処理端末において、測位情報切換部は、第1測位情報生成部において生成された第1測位情報と、第2測位情報生成部において生成された第2測位情報とを切換えることとしてもよい。
【0015】
また、測位情報切換部は、補正情報取得部において補正情報の取得ができるようになったときに測位情報を第1測位情報から第2測位情報に切換えることとしてもよい。
【0016】
本発明の一実施形態における測位方法は、コンピュータが、第1測位衛星から配信される測位信号を取得する測位信号取得ステップと、測位信号取得ステップにおいて取得された測位信号に基づき、観測点の第1測位情報を生成する第1測位情報生成ステップと、第1測位情報生成ステップにおいて生成された第1測位情報と、予め設置位置が分かっている第1基準点において受信された測位信号とに基づき生成される補正情報を取得する補正情報取得ステップと、第1測位情報生成ステップにおいて生成された第1測位情報と、補正情報取得ステップにおいて取得された補正情報とに基づき、観測点の第2測位情報を生成する第2測位情報生成ステップと、予め設置位置が分かっている第2基準点において受信された測位信号に基づき生成される補正信号が送信されることにより第2測位衛星において生成される測位補強信号を、第2測位衛星から取得する測位補強信号取得ステップと、第1測位情報生成ステップにおいて生成された第1測位情報と、測位補強信号取得ステップにおいて取得された測位補強信号とに基づき、観測点の第3測位情報を生成する第3測位情報生成ステップと、第2測位情報生成ステップにおいて生成された第2測位情報と、第3測位情報生成ステップにおいて生成された第3測位情報との間において提供する測位情報を切換える測位情報切換ステップと、測位情報切換ステップにおいて切換えられた測位情報を提供する測位情報提供ステップと、を実行する。
【0017】
本発明の一実施形態における測位プログラムは、コンピュータに、第1測位衛星から配信される測位信号を取得する測位信号取得機能と、測位信号取得機能において取得された測位信号に基づき、観測点の第1測位情報を生成する第1測位情報生成機能と、第1測位情報生成機能において生成された第1測位情報と、予め設置位置が分かっている第1基準点において受信された測位信号とに基づき生成される補正情報を取得する補正情報取得機能と、第1測位情報生成機能において生成された第1測位情報と、補正情報取得機能において取得された補正情報とに基づき、観測点の第2測位情報を生成する第2測位情報生成機能と、予め設置位置が分かっている第2基準点において受信された測位信号に基づき生成される補正信号が送信されることにより第2測位衛星において生成される測位補強信号を、第2測位衛星から取得する測位補強信号取得機能と、第1測位情報生成機能において生成された第1測位情報と、測位補強信号取得機能において取得された測位補強信号とに基づき、観測点の第3測位情報を生成する第3測位情報生成機能と、第2測位情報生成機能において生成された第2測位情報と、第3測位情報生成機能において生成された第3測位情報との間において提供する測位情報を切換える測位情報切換機能と、測位情報切換機能において切換えられた測位情報を提供する測位情報提供機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一実施形態における情報処理端末は、適切な補強信号を用いてその時々で最も精度の高い測位結果を得られる測位方法を自動的に選択して測位を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態における衛星システムの構成例を示す図である。
【
図2】情報処理端末の構成例を示すブロック図である。
【
図3】情報処理端末における測位方法の遷移例を示す状態遷移図である。
【
図4】情報処理端末の測位における動作例を示すメインフローチャートである。
【
図5】
図3に示す状態遷移を実現するための測位情報切替部による測位情報の切り替え動作の動作例を示すフローチャートである。
【
図6】
図5に示す動作例と同等の結果を得られる他のフローチャートの例である。
【
図7】実施形態2に係る情報処理端末の構成例を示すブロック図である。
【
図8】実施形態2に係る情報処理端末の測位方法の遷移例を示す状態遷移図である。
【
図9】情報処理端末の測位における動作例を示すフローチャートの例である。
【
図10】実施形態3に係る情報処理端末の構成例を示すブロック図である。
【
図11】実施形態3に係る情報処理端末の測位方法の遷移例を示す状態遷移図である。
【
図12】実施形態3に係る情報処理端末の測位における動作例を示すフローチャートである。
【
図13】RTKモードにおける情報処理端末の測位における動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施形態1>
本発明の一実施形態である情報処理端末100について、図面を用いながら説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態における測位システムの構成例を示すシステム図である。なお、本発明の一実施形態における測位システムの構成例は、
図1の構成例に限定するものではない。測位システムは、複数の衛星20a、20bを含む。
【0022】
衛星20aは、準天頂軌道、つまり特定の一地域の上空に長時間とどまる軌道をとる準天頂衛星である。
【0023】
複数の衛星20bの各々は、それぞれにおいて設定されている周波数を用いて、衛星信号を発信する。例えば、複数の衛星20bのうちの一の衛星20bは、例えば、L1周波数(例えば、1575.42MHz)の衛星信号を発信する。また、他の衛星20bは、例えば、L2周波数(例えば、1227.60MHz)の衛星信号を発信する。また、他の衛星20bは、例えば、L5周波数(例えば、1176.45MHz)の衛星信号を発信する。また、他の衛星20bは、例えば、L6周波数(例えば、1278.75MHz)の衛星信号を発信する。なお、衛星20bの各々は、衛星信号だけでなく、補強信号を発信してもよい。また、補強信号は、衛星信号に含まれていてもよい。また、複数の衛星20bには、静止軌道(赤道上空の高度約35,786Kmの円軌道)を、地球の自転周期と同じ周期で肯定している静止衛星を含んでいてもよい。
【0024】
複数の衛星20bの一種であるGPS衛星は、例えば、測位用のL1周波数帯とL2周波数帯の送信機、および、複数のセシウムおよびルビジウム原子時計を搭載し、軌道高度約20000km、周回周期0.5恒星日、6枚の軌道面に4個ずつ合計24個の衛星20bにより、測位システムを構成する。
【0025】
また、測位システムは、地上のあらかじめ定められた位置に固定され、基準点10a,10b,10cを含んでよい。地上のあらかじめ座標がわかっている基準点10a,10b,10cにおいて、衛星20a、20bからの信号を受信することで補強信号を生成することができる。基準点10a~10cは、情報処理端末100が各種のモードでの測位を行うにあたって、測位結果を補正するための補正情報を生成し受領する、または、衛星20bのいずれかに生成させる、または、予め定められた補正情報を受領するために用いられる。
【0026】
測位システムにおいて情報処理端末100は、種々の状況下において最も位置の精度がでる測位方法を選択、すなわち、複数の測位方法を切り替えて情報処理端末100の位置を測位する。情報処理端末100は、RTKモード、CLASモード、MADOCAモード、Single/DGPSモードの測位方法を切り替えて測位を行う。
【0027】
各位測位モードは、それぞれ、RTKモードで1cmの誤差精度の測位、CLASモードで、5~10cmの誤差精度の測位、MADOCAモードで、5~10cmの誤差精度の測位、DGPSモードで1m程度の誤差精度の測位、Singleモードで5~10m程度の誤差精度の測位が実現できる。
【0028】
RTKモードは、携帯電話回線と接続し、予め設置位置が分かっている基準点10aが衛星20bから衛星信号を受信して測位した結果と、予め分かっている設置位置との誤差に基づく補正情報を、基準点10aから受信して、情報処理端末100が自信が衛星20bから受信した衛星信号に基づく測位を補正して測位を行う方式である。上述の通り、RTKモードでは、基準点10aと通信を行うために、ネットワーク回線(携帯電話回線)との接続を必要とする。
【0029】
CLASモードは、準天頂衛星20aが観測可能なエリア(日本国内)での測位が可能な方式であり、情報処理端末100は、衛星20bから予め設置位置が分かっている基準点10bが衛星20bから衛星信号を受信して測位した結果と、予め分かっている設置位置との誤差に基づく測位補強信号を一旦衛星20bに送信する。情報処理端末100は、衛星信号とともに、その測位補強信号を衛星20bから受信して、衛星信号に基づく測位を補正して測位を行う方式である。CLASでは、L6(正確にはL6D)周波数帯を衛星信号の周波数帯として用いられる。また、CLASでは、5~10cmの誤差精度の測位を行うには、1分程度の時間を要する。CLASは、測位補強サービスのことを意味する場合もあれば、ベンダーID(Identifier)を意味する場合もある。CLASにおいて、補強信号に含まれる補正情報は、例えば、衛星クロック誤差や信号間バイアス誤差、衛星軌道誤差、電離層伝搬遅延誤差および対流圏伝搬遅延誤差を補正するための情報である。なお、CLASにおいて、補正情報は、これらの例に限られず、これらの一部であっても、さらの多くの補正情報を含んでいても良いことは言うまでもない。
【0030】
MADOCAモードは、基本的な考え方としては、CLASと同様に、衛星20bから測位補強信号を受信して、情報処理端末100が、衛星信号に基づく測位を補正して測位を行う方式であるが、予め定められたエリア(日本国内)に限定されず、それ以外のエリアでの測位も可能である。ただし、MADOCAモードは、CLASとは異なり、その測位のアルゴリズムの差違により5~10cmの誤差精度の測位を行うには、30分程度の時間を要する。また、MADOCAでは、L6(正確にはL6E)周波数帯を衛星信号の周波数帯として用いられる。また、MADOCAは、測位補強システムのことを意味する場合もあれば、補強信号そのものを意味する場合もある。MADOCAにおいて、補強信号に含まれる補正情報は、例えば、衛星クロック誤差と衛星軌道誤差を補正するための情報である。なお、MADOCAにおいて、補正情報は、これらの例に限られず、これらの一部であっても、さらに多くの補正情報(例えば、信号間バイアス誤差や電離層伝搬遅延誤差、対流圏伝搬遅延誤差を補正するための情報や、衛星コードバイアス情報、URA情報、高速時刻補正情報、搬送波位相バイアス情報など)を含んでいても良いことは言うまでもない。
【0031】
Single/DGPSモードは、従来のGNSS(GPSを含む)による測位を行うものであり、Singleモードは、衛星20bからの衛星信号のみを用いて測位を行う方式であり、DGPSモードは、衛星20bからの衛星信号と、地上局(例えば、基準点10c)からのディファレンシャル信号とを用いて測位を行う方式である。
【0032】
なお、
図1では、情報処理端末100の一例としてスマートフォンを示しているが、情報処理端末100は測位を行うものであればスマートフォンに限定するものではなく、タブレット端末や携帯電話、車両等に搭載されるナビゲーションシステムなどであってもよい。また、基準点10a,10b,10cをそれぞれ1つずつ示しているが、これらは複数存在する。
【0033】
図2は、情報処理端末100の構成例を示すブロック図である。
【0034】
図2に示すように、情報処理端末100は、通信部120と、制御部130と、記憶部140と、出力部150と、を備え、各部は、接続線110により通信可能に接続されていてよい。
【0035】
通信部120は、外部の装置と通信を行うための通信インターフェースである。通信部120は、衛星20bからの衛星信号(測位補強信号を含んでもよい)を受信して、制御部130に伝達する。また、通信部120は、基準点10aと通信を行って、補正情報を受信し、制御部130に伝達する。また、通信部120は、基準点10cと通信を行って、ディファレンシャル信号を受信し、制御部130に伝達する。
【0036】
制御部130は、情報処理端末100の各部を制御するプロセッサであり、本実施形態においては、情報処理端末100の位置情報を測位する。
【0037】
制御部130は、制御部130として実現する機能として、測位信号取得部131と、第1測位情報生成部132と、補正情報取得部133と、第2測位情報生成部134と、測位補強信号取得部135と、第3測位情報生成部136と、測位情報切替部137と、測位情報提供部138と、を備える。
【0038】
測位信号取得部131は、通信部120を介して、衛星20b(第1測位衛星)から配信される衛星信号、即ち、測位信号を取得する。
【0039】
第1測位情報生成部132は、Single/DGPS測位部として機能し、SingleモードもしくはDGPSモードでの測位を行う。第1測位情報生成部132は、測位信号取得部131において取得された測位信号に基づいて、観測点、即ち、情報処理端末100の第1測位情報を生成する。
【0040】
補正情報取得部133は、予め設置位置が分かっている基準点10aにおいて受信された測位信号に基づいて生成される基準点10aにより生成される補正情報を、通信部120を介して、取得する。
【0041】
第2測位情報生成部134は、RTK測位部として機能する。第2測位情報生成部134は、補正情報取得部133において取得された補正情報と、第1測位情報とに基づいて、第1測位情報が補正された第2測位情報を生成する。
【0042】
測位補強信号取得部135は、予め設置位置が分かっている基準点10bにおいて受信された測位信号に基づいて生成された補正信号が、衛星20bに送信され、そして、衛星20bから送信された測位補強信号を、通信部120を、介して取得する。
【0043】
第3測位情報生成部136は、CLAS測位部1361、MADOCA測位部1362として機能し、それぞれ、CLASモード、MADOCAモードでの測位を行う。第3測位情報生成部136は、第1測位情報と、測位補強信号取得部135において取得された測位補強信号に基づいて、
【0044】
測位情報切替部137は、RTKモードによる測位結果、CLASモードによる測位結果、MADOCAモードによる測位結果、Single/DGPSモードによる測位結果のなかから、提供する測位結果を切換える。測位情報切替部137は、4つの測位結果のうち、情報処理端末100が置かれている環境下(状況下)で、最も精度がでると目される測位結果を選択する。
【0045】
測位情報提供部138は、測位情報切替部137において切り替えられた測位結果(測位情報)を提供する。測位情報提供部138は、一例として、画像、文字、音声、データという態様で、出力部150あるいは通信部120を介して、測位結果を提供する。
【0046】
記憶部140は、情報処理端末100が動作上必要とする各種プログラム及びデータを記憶する記憶媒体である。記憶部140は、一例として、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現されてよいが、これらに限定されるものではない。記憶部140が記憶するプログラムには、各モードそれぞれでの測位を実行するためのプログラム含まれてよい。
【0047】
出力部150は、制御部130により測位された測位結果を出力する。出力部150による測位結果の出力は、画像、文字、音声、また、あるいは、通信部120を介した外部装置への送信という態様で実現されてよい。画像や文字による出力を行う場合には、出力部150は、情報処理端末100に備え付けられたモニタ、あるいは、接続されたモニタに測位結果を示す画像(文字を含む)情報を出力し、音声による出力を行う場合には、出力部150は、情報処理端末100に備え付けられたスピーカ、あるいは、接続されたスピーカに測位結果を示す音声情報を出力する。出力される測位結果は、経緯度情報であってもよいし、経緯度情報が対応する地名や住所であってもよい。
【0048】
図3は、情報処理端末100における測位方法の遷移を示す状態遷移図である。
【0049】
測位の精度としては、上述の通り、RTKによる測位、CLASによる測位、MADOCAによる測位、Single/DGPSによる測位の順に、測位の精度が下がる。そこで、情報処理端末100においては、この順で測位の優先度(プライオリティ)を設定し、測位がより精度の高い測位が実行されるように、測位方式を選択する(提供する測位結果を切り替える)。
【0050】
即ち、情報処理端末100においては、基本的にRTKによる測位が実行可能であれば、RTKモードによる測位結果を、RTKによる測位が実行できない場合には、CLASモードによる測位結果を、CLASモードによる測位が実行できない場合には、MADOCAモードによる測位結果を、MADOCAモードによる測位結果を実行できない場合には、Single/DGPSモードによる測位結果を、測位方式として選択する。
【0051】
図3に示す状態遷移図において、RTKモードによる測位が実現できている状態から、何らかの要因により、情報処理端末100と基準点10aとの間のネットワーク(通信)が切断した場合には、CLASモードに遷移する。CLASモードにおいて、情報処理端末100と基準点10aとの間のネットワーク(通信)が回復した場合には、RTKモードに戻る。
【0052】
CLASモードにおいて、情報処理端末100がCLASの領域外に移動した場合には、MADOCAモードに遷移する。CLASの領域外に移動したかどうかについては、情報処理端末100が、予め記憶部140にCLASのサービスを享受できるエリア(経緯度の範囲)の情報を保持しておき、直前に取得した情報処理端末100の測位情報がその範囲外かどうかにより判定することができる。また、CLASモードにおいて測位に必要な衛星20bからのL6(L6D)信号を受信できなくなった場合には、Single/DGPSモードに遷移する。
【0053】
MADOCAモードにおいて、情報処理端末100と基準点10aとの間のネットワーク(通信)が回復した場合には、RTKモードに戻る。また、MADOCAモードにおいて、CLAS領域内に情報処理端末100が移動した場合には、CLASモードに遷移する。そして、MADOCAモードにおいて、衛星20bからのL6(L6E)信号を受信できなくなった場合には、Single/DGPSモードに遷移する。
【0054】
Single/DGPSモードにおいて、情報処理端末100と基準点10aとの間のネットワーク(通信)が回復した場合には、RTKモードに戻る。Single/DGPSモードにおいて、L6信号を受信可能であり、かつ、Single/DGPSモードによる測位結果がCLASの領域内である場合には、CLASモードに復帰する。Single/DGPSモードにおいて、L6信号を受信可能であり、かつ、Single/DGPSモードによる測位結果がCLASの領域外である場合には、MADOCAモードに復帰する。
【0055】
このように、情報処理端末100が置かれている環境下で、その時々で精度の高い測位結果が得られるように、出力される測位結果が切り替えられる。
【0056】
次に、
図3に示す測位方法の切り替え(出力する測位結果の切り替え)を実現するための情報処理端末100の動作について
図4及び
図5を用いて説明する。
図4は、情報処理端末100の動作例を示すメインフローチャートである。
【0057】
図4に示すように、情報処理端末100の第1測位情報生成部132、第2測位情報生成部134、第3測位情報生成部136それぞれは測位を実行する。
【0058】
第1測位情報生成部132は、Single/DGPSモードによる測位を実行し、第2測位情報生成部134は、RTKによる測位を実行し、第3測位情報生成部136のCLAS測位部1361はCLASによる測位を実行し、第3測位情報生成部136のMADOCA測位部1362は、MADOCAによる測位を実行する(ステップS401)。各測位情報生成部は、常時必要な情報がある限り、係属して、測位を実行する。これは、主として、MADOCAによる測位が精度を得られるほど測位結果が収束するのに30分という時間がかかるためである。そのため、CLAS測位部1361を常時稼働させておくことで、いつでもCLASモードとして精度の高い位置情報を提供できるようにすることができる。
【0059】
測位情報切替部137は、情報処理端末100が置かれている環境下、即ち、測位条件に基づき、出力する測位情報を切り替える(ステップS402)。ここでいう測位条件には、情報処理端末100がネットワークとして接続しているか、CLASのエリア内にいるか、L6信号を受信しているかなどが含まれてよい。
【0060】
そして、測位情報提供部138は、測位情報切替部137により切り替えられた測位情報を、情報処理端末100の位置情報として提供し(ステップS403)、処理を終了する。なお、
図4に示す処理は繰り返し実行されてよい。
【0061】
図5は、情報処理端末100において、
図3に示す測位方法の状態遷移を実現するための情報処理端末100の測位情報切替部137の動作例を示すフローチャートであって、
図4のステップS402の処理の詳細を示すフローチャートである。
【0062】
図5に示すように、測位情報切替部137は、初期状態では、RTKモードによる測位結果を提供するように、測位結果を選択(切替)する(ステップS501)。
【0063】
測位情報切替部137は、ネットワークが切断されているか否かを判定する(ステップS502)。即ち、通信部120と基準点10aとの間の通信接続が確立しているか否かを判定する。ネットワークが切断されていない場合には(ステップS502のNO)、ステップS501に戻り、RTKモードによる測位結果の選択を継続する。一方、ネットワークが切断された場合には(ステップS502のYES)、測位情報切替部137は、CLASモードによる測位結果を提供するように、切換える(ステップS503)。
【0064】
ここで、ネットワークが回復、即ち、通信部120と基準点10aとの間の通信接続が再度確立した場合には(ステップS504のYES)、測位情報切替部137は、ステップS501に戻って、RTKモードによる測位結果を選択するように、切換える。
【0065】
測位情報切替部137は、ネットワークが回復していない場合に、制御部130は、L6信号を受信しているか否かを判定する(ステップS505)。測位情報切替部137は、L6信号を受信している場合には(ステップS505のNO)、CLASモードで測位した位置情報がCLASの領域外であるか否かを判定する(ステップS506)。CLASの領域外でない場合(ステップS506のNO)、即ち、CLAS領域内に情報処理端末100が位置する場合には、測位情報切替部137は、ステップS503に戻って、CLASモードの測位結果を提供するように切り替える。
【0066】
CLAS領域外に位置する場合には(ステップS506のYES)、測位情報切替部137は、MADOCAモードによる測位結果を提供するように切り替える(ステップS507)。
【0067】
ここで、ネットワークが回復、即ち、通信部120と基準点10aとの間の通信接続が再度確立した場合には(ステップS508のYES)、測位情報切替部137は、ステップS501に戻って、RTKモードによる測位結果を選択するように、切換える。
【0068】
ネットワークが回復していない場合には(ステップS508のNO)、測位情報切替部137は、衛星20bからのL6信号を通信部120が受信しているか否かを判定する(ステップS509)。L6信号を受信できる場合には(ステップS509のNO)、測位情報切替部137は、MADOCAモードで測位した位置情報がCLASの領域内に含まれるか否かを判定する(ステップS510)。情報処理端末100が、CLASの領域内にいると判定した場合には(ステップS510のYES)、測位情報切替部137は、ステップS503の処理に戻って、CLASモードでの測位結果を提供するように切り替える。一方、情報処理端末100がCLAS領域内にいない(ステップS510のNO)、即ち、CLAS領域外にいる場合には、測位情報切替部137は、ステップS507に戻り、MADOCAモードによる測位結果を選択し続ける。
【0069】
一方、ステップS505又はステップS509において、L6信号を受信できないと判定した場合には(ステップS505のYES、ステップS509のYES)、測位情報切替部137は、Single/DGPSモードによる測位結果を選択するように、切換える(ステップS511)。
【0070】
ここで、測位情報切替部137は、ネットワークが回復したかどうかを判定する(ステップS512)。ネットワークが回復していた場合には(ステップS512のYES)、ステップS501に戻り、測位情報切替部137は、RTKモードによる測位結果を選択するように、切換える。
【0071】
ネットワークが回復していない場合には(ステップS512のNO)、測位情報切替部137は、CLASに復帰可能か否かを判定する(ステップS513)。即ち、測位情報切替部137は、通信部120がL6信号を受信しており、かつ、Single/DGPSモードによる測位結果(位置情報)が、CLASの領域内に存在するか否かを判定する。測位情報切替部137は、情報処理端末100がCLASモードに復帰可能と判定した場合には(ステップS513のYES)、ステップS503に戻り、CLASモードによる測位結果を提供するように切り替える。
【0072】
CLASモードに復帰できないと判定した場合には(ステップS513のNO)、測位情報切替部137は、MADOCAモードに復帰可能か否かを判定する(ステップS514)。即ち、測位情報切替部137は、通信部120がL6信号を受信しているか否かを判定する。測位情報切替部137は、情報処理端末100がMADOCAモードに復帰可能と判定した場合には(ステップS514のYES)、ステップS507に戻り、MADOCAモードによる測位結果を提供するように切り替える。MADOCAモードによる測位に復帰不可能と判定した場合には(ステップS514のNO)、Single/DGPSモードによる測位結果の選択を継続する(ステップS511)。
【0073】
このようにして、測位情報切替部137は、情報処理端末100が置かれている環境下の中で、最も精度が高い測位結果を自動的に切り替えながら提供することができる。
【0074】
(変形例)
本発明に係る情報処理端末100の構成は、上記実施形態に限定されるものではない。情報処理端末100は、例えば、以下のように構成することも可能である。
【0075】
図6は、
図5と同様の結果を得るための測位情報切替部137の他の動作例を示すフローチャートである。
【0076】
図6に示すように、測位情報切替部137は、RTKモードによる測位を実現するためのネットワーク接続が存在するか、即ち、通信部120が、基準点10aとの間で通信を確立しているか否かを判定する(ステップS601)。
【0077】
ネットワーク接続が確立していると判定した場合には(ステップS601のYES)、測位情報切替部137は、RTKモードによる測位結果を提供するように切り替える(ステップS602)。
【0078】
ネットワーク接続が確立していない場合には(ステップS601のNO)、測位情報切替部137は、通信部120がL6信号を受信しているか否かを判定する(ステップS603)。L6信号を受信していた場合には(ステップS603のYES)、測位情報切替部137は、情報処理端末100がCLASの領域内に存在するか否か、即ち、その時点で最後に得られている情報処理端末100の位置情報が、CLASの領域として定められている範囲内に位置するか否かを判定する(ステップS604)。
【0079】
測位情報切替部137は、情報処理端末100が、CLASの領域内に存在すると判定した場合には(ステップS604のYES)、CLASモードによる測位結果を提供するように切り替える(ステップS605)。一方、測位情報切替部137は、情報処理端末100が、CLASの領域内に存在しないと判定した場合には(ステップS604のNO)、MADOCAモードによる測位結果を提供するように切り替える(ステップS606)。
【0080】
一方、ステップS603において、通信部120が、L6信号を受信していないと判定した場合には(ステップS603のNO)、測位情報切替部137は、Single/DGPSモードによる測位結果を提供するように切り替えて(ステップS607)、ステップS601に戻る。
【0081】
測位情報切替部137は、
図6に示す処理を適宜(例えば、1秒毎としてよいが、これに限定するものではない)実行して、その都度、最適な測位結果を提供できるように切り替える。
【0082】
<実施形態2>
上記実施形態1においては、CLASやMADOCAを利用する以上、基本的には、情報処理端末100は、日本近傍での運用を想定している。CLASが使用可能なのは日本とその近海のみであり、MADOCAは現状、準天頂衛星20aのカバーエリアでの使用になるためである。
【0083】
しかし、一方で、情報処理端末100としては、日本近傍以外での使用も可能となり、かつ、RTKモードでの測位ができない場合に、CLASまたはCLASと同等程度の精度が得られる測位が実行可能であることが望ましい。そこで、本実施形態2では、日本近傍を離れたとしても、CLASやMADOCAと同程度の精度の測位が可能な情報処理端末100について説明する。即ち、実施形態2に係る情報処理端末100は、上記実施形態1で備えた測位モードに加え、さらに、Galileo HASモードによる測位を実行可能に構成される。そこで、実施形態2においては、実施形態1で説明した機能、構成については説明を省略し、差異がある部分について説明する。
【0084】
図7は、実施形態2に係る情報処理端末100の構成例を示すブロック図である。
図7に示すように、実施形態2に係る情報処理端末100は、実施形態1に示した情報処理端末100の機能に加え、更に、第3測位情報生成部136は、Galileo HAS測位部1363を備える。
【0085】
Galileo HAS測位部1363は、Galileo衛星からの衛星信号を受信可能な領域においてローカル補正情報が整備されている地域において測位可能は、Galileo HASモードでの測位を行う。Galileo HASは、Galileo衛星を利用した高精度測位サービス(HAS:High Accuracy Service)のことであり、Galileo HASモードでの測位精度は、CLASと同等もしくは、それ以下の精度の測位結果を得ることができる。なお、Galileoは欧州の全地球測位衛星システムのことである。
【0086】
また、測位情報切替部137は、上記実施形態1に示した機能に加え、自端末の環境を特定し、特定した環境が、Galileo HASモードでの測位に適していると判断した場合には、第3測位情報生成部136のGalileo HAS測位部1363による測位結果を選択するように切り替えて、出力部150に出力させる。
【0087】
図8は、情報処理端末100に、Galileo HASモードでの測位機能を追加した場合の状態遷移図を示している。
図3に示す状態遷移図と比較すれば理解できるように、
図8に示す状態遷移図には、Galileo HASモードが追加されている。以下、
図3との差分について説明する。なお、Galileo HASモードが追加されている場合には、測位モードの優先度は、高い方から、RTKモード、CLASモード、MADOCAモード、Galileo HASモード、Single/DGPSモードの順となる。
【0088】
図8に示すように、CLASモードにおいて、情報処理端末100が、CLASの領域外、かつ、MADOCAの領域外であって、Galileo HASの領域内(Galileo衛星からの信号を受信可能であり、かつ、ローカル補正情報が整備されている(受信可能である)領域内)に移動した場合に、Galileo HASモードに遷移する。また、MADOCAモードにおいて、情報処理端末100が、MADOCAのL6信号を受信不可であり、GalileoのL6信号が受信できている場合には、Galileo HASモードに遷移する。
【0089】
また、Galileo HASモードにおいて、CLAS領域内に情報処理端末100が位置した場合には、CLASモードに遷移する。また、Galileo HASモードにおいて、Galileo衛星からのL6信号を受信できなくなった場合には、Single/DGPSモードに遷移する。そして、Galileo HASモードにおいて、情報処理端末100が、GalileoHASの領域外かつCLASの領域外に移動した場合には、MADOCAモードに遷移する。
【0090】
図8に示すような条件に従ってモードを変更することで、Galileo HASモードを含む測位結果を制御部130が選択することができ、情報処理端末100が置かれている環境下で最も精度の高い測位結果を得ることができる。
【0091】
図9は、実施形態2に係る制御部130により出力される測位結果をいずれの測位モードによる測位結果を選択するかの処理を示すフローチャートであり、
図6に示すフローチャートに準拠する態様で示している。そこで、ここでは、
図6との差分について説明する。
図9と
図6との差異は、ステップS604以降の処理にある。
【0092】
図9に示すように、ステップS604において、制御部130が得ている最新の測位結果(直近で出力した測位結果)、即ち、情報処理端末100の位置が、CLAS領域内にない(ステップS604のNO)と判定した場合、測位情報切替部137は、情報処理端末100がMADOCAの領域内にいるか否かを判定する(ステップS906)。測位情報切替部137が、情報処理端末100がMADOCAの領域内にいると判定した場合には(ステップS906のYES)、測位情報切替部137は、MADOCA測位部1362による測位結果を、選択するように切り替える。そして、測位情報提供部138は、情報処理端末100の位置情報として、MADOCA測位部1362による測位結果を、出力部150から出力させる(ステップS907)。
【0093】
測位情報切替部137が、情報処理端末100がMADOCAの領域内にいない、即ち、MADOCAの領域外にいると判定した場合には(ステップS906のNO)、測位情報切替部137は、Galileo HAS測位部1363による測位結果を選択するように切り替える。そして、測位情報提供部138は、Galileo HAS測位部1363による測位結果を出力部150から出力させる(ステップS908)。その他の処理については
図3を用いて説明した処理と同様であるので説明を省略する。
【0094】
本実施形態2に示した情報処理端末100は、CLASやMADOCAの範囲外であっても、Galileo HASモードによる測位結果の出力対象として選択することにより、RTKでの測位よりも精度は落ちるものの、Single/DGPSモードより精度が高い測位結果を出力することができる。
【0095】
<実施形態3>
上記実施形態1、2においては、RTKモードによる測位を最優先とする構成について説明した。しかしながら、RTKモードは、携帯電話通信網を利用することから、測位を行うごとに通信料金が発生する可能性があるので、ユーザによっては、RTKモードによる測位を行いたくない場合もある。そこで、本実施形態3においては、RTKモードを最優先としない例について説明する。
【0096】
図10は、実施形態3に係る情報処理端末100の構成例を示すブロック図である。実施形態3に係る情報処理端末100は、実施形態1、2に示した構成に加えて、さらに、入力部1000を備え、また、制御部130は、優先度設定部139を備える。
【0097】
入力部1000は、情報処理端末100のユーザからの入力を受け付ける入力インターフェースである。入力部1000は、例えば、ソフトキー、ハードキー、タッチパネルなどにより実現されてよいが、これらに限定するものではない。入力部1000は、例えば、マイクにより実現されて、ユーザからの音声による指示入力を受け付けるものであってもよい。入力部1000は、入力された内容を制御部130に伝達する。入力部1000は、例えば、測位に際して、測位モードの優先度の設定に関する入力を受け付けて、制御部130に伝達する。
【0098】
制御部130の優先度設定部139は、入力部1000から伝達された測位における優先度の情報に基づいて、測位の優先度の設定情報を記憶する。そして、制御部130は、優先度設定部139により設定された優先度にしたがって、測位を実行する。優先度設定部139は、基本的には、RTKモードを優先するか否かを設定する情報であるが、その他のモードの優先度の設定(測位における情報処理端末100のユーザにとっての序列)も含まれてもよい。測位情報切替部137は、優先度設定部139において設定されている優先度にしたがって、測位の結果を選択するように切り替える。なお、RTKモードを優先しない場合には、第2測位情報生成部134は、基本的には測位を実行せず、CLASモード、MADOCAモード、Galileo HASモードによる測位のいずれも結果が得られない場合にのみ、RTKモードでの測位を実行する。これにより、携帯電話通信網をなるべく使用しないように構成することができるので、通信料金を抑制することができる。
【0099】
図11は、RTKモードではなく、CLASあるいはGalileo HASを優先した場合の状態遷移図を示している。実施形態3に係る情報処理端末100は、優先度設定部139において設定されている優先度にしたがって、
図8に示す状態遷移図と、
図11に示す状態遷移図と、のいずれかで、測位結果が選択されて出力される。なお、
図11の場合には、測位モードの優先度は、高い方から、CLASモード、Galileo HASモード、MADOCAモード、RTKモード、Single/DGPSモードの順となる。
【0100】
図11に示す状態遷移図によれば、情報処理端末100は、条件を満たす限り、CLASモード又はGalileo HASモードによる測位を選択する。CLASモード及びGalileo HASモード間においては、実施形態2で説明したように、それぞれのサービスの範囲内にいるかどうかで切り替わる。即ち、CLASモードにおいて、CLAS領域外かつGalileo HAS領域内である場合に、Galileo HASモードに遷移する。また、Galileo HASモードにおいて、CLAS領域内に入った場合にCLASモードに遷移する。また、CLASモードあるいはGalileo HASモードにおいて、CLAS領域外かつGalileo HAS領域外となった場合には、MADOCAモードに遷移する。一方、CLASモード及びGalileo HASモードから、RTKモードには遷移せず、MADOCAの領域外に情報処理端末100が存在するか、L6信号を受信できなくなった場合に、MADOCAモードからRTKモードに遷移する。
【0101】
そして、RTKモードから、情報処理端末100が基準局との通信ができなくなった、即ち、ネットワークが切断された場合に、Singls/DGPSモードに遷移する。また、RTKモードから、MADOCA、CLAS、Galileo HASのそれぞれの領域内に入った場合には、それぞれ、MADOCAモード、CLASモード、Galileo HASモードに遷移する。
【0102】
図12は、
図11に示す状態遷移図、即ち、RTKモードの優先度を低く設定する、即ち、測位情報切替部137が切り替えて出力させる測位結果を、CLAS、Galileo HAS、MADOCA、RTK、Single/DGPSの順とする場合の、制御部130の動作例、即ち、測位情報切替部137の動作例を示すフローチャートである。
【0103】
図12に示すように、測位情報切替部137は、通信部120がL6信号を受信しているか否かを判定する(ステップS1201)。L6信号を受信していた場合には(ステップS1201のYES)、測位情報切替部137は、情報処理端末100がCLASの領域内に存在するか否か、即ち、その時点で最後に得られている情報処理端末100の位置情報が、CLASの領域として定められている範囲内に位置するか否かを判定する(ステップS1202)。
【0104】
測位情報切替部137は、情報処理端末100が、CLASの領域内に存在すると判定した場合には(ステップS1202のYES)、CLASモードによる測位結果を提供するように切り替え(ステップS1203)、ステップS1201の処理に戻る。一方、測位情報切替部137は、情報処理端末100が、CLASの領域内に存在しないと判定した場合には(ステップS1202のNO)、情報処理端末100がGalileo HASの領域内に存在するか否かを判定する(ステップS1204)。Galileo HASの領域内に存在すると判定した場合には(ステップS1204のYES)、測位情報切替部137は、Galileo HASモードによる測位結果を提供するように切り替え(ステップS1205)、ステップS1201の処理に戻る。Galileo HASの領域内に存在しないと判定した場合には(ステップS1204のNO)、MADOCAモードによる測位結果を提供するように切り替え(ステップS1206)、ステップS1201の処理に戻る。
【0105】
L6信号を受信できない場合には(ステップS1201のNO)、測位情報切替部137は、RTKモードによる測位を実現するためのネットワーク接続が存在するか、即ち、通信部120が、基準点10aとの間で通信を確立しているか否かを判定する(ステップS1207)。ネットワーク接続が確立していると判定した場合には(ステップS1207のYES)、測位情報切替部137は、RTKモードによる測位結果を提供するように切り替える(ステップS1208)、ステップS1201の処理に戻る。
【0106】
一方、通信部120がネットワーク接続を確立できない場合には(ステップS1207のNO)、測位情報切替部137は、Single/DGPSモードによる測位結果を提供するように切り替えて(ステップS1209)、ステップS1201に戻る。
【0107】
実施形態3に係る情報処理装置100によれば、ユーザが自信で、RTKモードを優先するか否かを選択することができるので、ユーザにとっての経済的負担を軽減することができる。
【0108】
なお、上記実施形態1~3において、情報処理端末100は、地殻変動確認機能を備えてもよい。RTKモードにおいて、ネットワークから取得する基準局の観測値であるベース観測値には、地殻変動補正がされた元期座標と、地殻変動補正がされていない今期座標と、がある。元期座標は、ある年(2021年現在においては、大抵は2011年)に基準点において高い精度で求められた座標値に基づくベース観測値のことをいう。今期座標は、元期座標に対して、地殻変動による影響を補正した基準点におけるベース観測値のことをいう。各地において(特に日本において)は、大陸プレートの移動等による歪みが発生し、基準点において高精度に測位された座標にずれが発生する。しかしながら、多数の基準点を都度高精度に測位するにはかなりの労を要し、現実的ではない。そこで、この測量成果を改定せずに、既存の測量成果(元期座標)と地殻変動のひずみの影響を補正することを地殻変動補正(セミダイナミック補正)といい、国土地理院が発光するパラメータファイルによる補正を今期座標に加えた座標を元期座標という。基準局が配信するベース観測値は、元期座標の場合もあれば、今期座標である場合もある。そのため、元期座標による測位と、今期座標による測位と、ではずれが発生する可能性があり、その結果を見せられた場合にユーザが戸惑う可能性がある。
【0109】
そこで、情報処理端末100は、そのような戸惑いをユーザに起こさせないように、今期座標による測位に統一できるように構成してもよい。
図13は、情報処理端末100における元期座標と今期座標とのいずれを使用するのかの選択に係る動作例を示すフローチャートである。
【0110】
図13に示す処理は、RTKモードによる測位においてのみ実行される。
図13に示すように、制御部130の第2測位情報生成部134は、基準局からベース観測値を取得する(ステップS1301)。
【0111】
第2測位情報生成部134は、取得したベース観測値が、今期座標であるか否かを判定する(ステップS1302)。基準局から得られるベース観測値は、基準局で利用可能な情報配信サービスによって、配信するベース観測値に対して地殻変動補正が適用されているか否かが定まる。よって、いずれの情報配信サービスを利用したかに基づいて、第2測位情報生成部134は、取得したベース観測値が、今期座標であるか否かを判定することができる。
【0112】
第2測位情報生成部134は、ベース観測値が今期座標でないと判断した場合には(ステップS1302のNO)、ベース観測値を今期座標に変換する(ステップS1303)。即ち、得られたベース観測値に対して、国土地理院が公開するパラメータファイルによる補正を行う。
【0113】
第2測位情報生成部134は、今期座標に基づいて、RTKモードによる測位を行って(ステップS1304)、得られた結果を必要に応じて出力し、ステップS1301の処理に戻る。このようにして、情報処理端末100は、RTKモードにおける測位結果を今期座標に基づくものに統一することができ、得られる測位結果がユーザに戸惑いを与えることはない。また、得られた結果を今期座標に基づくものに統一することで、その座標値を各種のアプリ(例えば、地図アプリなど)において扱いやすくすることができる。
【0114】
なお、ここでは、今期座標に統一することとしているが、これは、元期座標に統一することとしてもよい。
【0115】
また、上記実施形態1~3において、情報処理端末100は、全ての測位モードを備えなくてもよく、情報処理端末100が利用される状況に応じて、各測位機能は選択的に搭載することとしてよく、例えば、MADOCAモードを搭載しないように構成することとしてもよい。また、上記実施形態1~3においては、各種のモード間で遷移できるように構成しているが、情報処理端末100は、所定の条件下でモードの切り替えを実行しないこととしてよい。例えば、あるタイミングで取得した位置情報がCLASの領域内である場合に、そこから所定時間の間、モードの切り替えを実行しないように構成してもよい。また、上記実施形態1~3における各通信のモードの優先順位は、適宜必要に応じて、即ち、通信における目的に応じて、変更することとしてもよい。また、情報処理端末100においては、各通信のモードの優先順位について、複数の優先順序を設定できるように構成されてもよく、複数の優先順序のうち、いずれの優先順序に従って通信モードの切り替えを実行するのかを選択できるように構成されてもよい。優先順序の選択は、情報処理端末100のユーザによる入力に基づいて選択されてよく、当該選択は、例えば、情報処理端末100のユーザが通信において何を優先するかの基準の選択であってもよい。即ち、情報処理端末100において、測位情報精度を優先するのか、あるいは、通信料金を抑えるのかを、基準の選択としてよい。例えば、測位情報精度を優先する場合には、RTKモードの順位が高い優先順序を選択し、通信料金を抑えることを基準として選択した場合にはRTKモードの順位が低い優先順序を選択するようにしてもよい。
【0116】
また、上記実施形態においては、情報処理端末100は、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現する例を示している。即ち、情報処理端末100は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データが情報処理端末(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)等を備えている。そして、情報処理端末(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。また、上記プログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記情報処理端末に供給されてもよい。本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0117】
なお、上記プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)等のオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5等のマークアップ言語等を用いて実装できる。また、上記プログラムによって実現される各機能を実現する各構成部を備えた携帯端末(例えば、情報処理端末100)と、上記各機能とは異なる残りの機能を実現する各構成部を備えたサーバとを含むシステムも、本発明の範疇に入る。
【0118】
また、制御部130の各機能部は、それぞれ集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよく、その場合に、各機能部それぞれを実現する個別の回路として実現されてもよいし、複数の機能部を一つの回路により実現する構成としてもよい。
【0119】
なお、本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上記実施の形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。
【符号の説明】
【0120】
10a,10b,10c 基準点
20a,20b 衛星
100 情報処理端末
110 接続線
120 通信部
130 制御部
131 測位信号取得部
132 第1測位情報生成部
133 補正情報生成部
134 第2測位情報生成部
135 測位補強信号取得部
136 第3測位情報生成部
1361 CLAS測位部
1362 MADOCA測位部
1363 Galileo HAS測位部
137 測位情報切替部
138 測位情報提供部
140 記憶部
150 出力部
【要約】 (修正有)
【課題】環境下で最も高い精度が得られる測位を実行する情報処理端末を提供する。
【解決手段】情報処理端末100は、第1測位衛星から配信される測位信号に基づき、観測点の第1測位情報を生成する第1測位情報生成部132と、第1測位情報と予め設置位置が分かっている第1基準点において受信された測位信号とに基づき生成される補正情報を取得する補正情報取得部133と、第1測位情報と補正情報取得部において取得された補正情報とに基づいて観測点の第2測位情報を生成する第2測位情報生成部134と、予め設置位置が分かっている第2基準点において受信された測位信号に基づき生成される測位補強信号を第2測位衛星から取得し、該測位補強信号と第1測位情報に基づき、観測点の第3測位情報を生成する第3測位情報生成部136と、第2測位情報又は第3測位情報を提供する測位情報提供部138とを備える。
【選択図】
図2