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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】水槽用清掃ノズル
(51)【国際特許分類】
   A01K 63/10 20170101AFI20220715BHJP
【FI】
A01K63/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021121859
(22)【出願日】2021-07-26
【審査請求日】2021-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】519332036
【氏名又は名称】株式会社ゴールシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】新西 亮
(72)【発明者】
【氏名】新西 聡
(72)【発明者】
【氏名】新西 蓮
【審査官】川野 汐音
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-209978(JP,A)
【文献】特開平8-131984(JP,A)
【文献】実開平3-18755(JP,U)
【文献】米国特許第6878267(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 61/00-61/65
A01K 61/80-63/10
B08B 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端を閉塞し、他端に吸引手段を接続可能な筒状部材により構成し、前記一端近傍の側壁にはスリットを形成しているノズル本体と、
前記ノズル本体に沿って摺動し、前記スリットを払拭する払拭手段と、
前記ノズル本体における他端側から前記払拭手段の摺動を操作可能とする操作手段と、を有することを特徴とする水槽用清掃ノズル。
【請求項2】
前記ノズル本体の一端は、楔状の体を成し、当該楔状を成す傾斜面により、筒状部材の内部空間の断面積に変化を生じさせる構成とし、
前記スリットは、前記傾斜面を形成していない側壁に、前記傾斜面の長さと対応する長さで設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水槽用清掃ノズル。
【請求項3】
前記スリットは、前記傾斜面を形成していない側壁に一対設けられ、
前記一端には、一対の前記スリットを接続する端部スリットが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の水槽用清掃ノズル。
【請求項4】
前記払拭手段は、前記スリットの払拭を行う摺動操作時に前記スリットを覆う遮蔽部材を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水槽用清掃ノズル。
【請求項5】
前記操作手段には、前記払拭手段を前記他端側に引き付ける付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水槽用清掃ノズル。
【請求項6】
前記ノズル本体を分割可能な構造としたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の水槽用清掃ノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水槽用の清掃用具に係り、特に観賞魚用の水槽における底部清掃に好適な清掃ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
観賞魚を飼育する水槽では一般的に、ろ過機などの循環型清掃設備を備えているが、水槽底部には、餌の食べ残しや糞などのゴミが堆積するため、定期的な清掃作業が必要となる。観賞魚用の水槽には底部に、砂利や砂などが敷かれている事が多く、清掃作業では、こうした砂利や砂の間、あるいは底部に詰まったゴミを除去するという作業が必要となる。
【0003】
このため、多くの場合特許文献1に開示されているように、吸引ホースの先端に硬質な筒状の吸引ノズルを取り付け、この吸引ノズルを砂利や砂の間に挿入し、内部のゴミを吸い出すということが行われる。しかし、吸引ノズルを砂利や砂の間に挿入すると、ゴミ以外の砂利や砂までも吸い出してしまう場合がある。こうした問題を解決するために、吸引ノズルの形態に工夫を加えることで、砂利や砂の吸い込みを抑える事が提案されてきている。
【0004】
具体的な一例としては、吸引ノズルの先端に大径部を備え、この大径部の外周にスリットを形成するといったものが知られている。このような形態とした場合、大径部を流れる水の速さは吸引ノズル本体に比べて緩やかなものとなる。このため、比重が小さいゴミのみを吸い込み、ゴミに比べて比重が大きい砂利や砂の吸い出しを防ぐ事が可能となる。
【0005】
しかし、こうしたスリットを形成した先端部を備えた吸引ノズルは、吸引力が弱く、ゴミの吸引効率が悪い。また、毛足の長いコケなどが絡みつきやすくなると共に、大きなゴミを吸い込む事ができないため、目詰まりが生じやすい。そして、目詰まりが生じるとゴミの吸い込み効率が極端に悪くなるため、ノズルを水上に持ち上げてノズルを清掃し、目詰まりを解消する処置を施す必要があり、清掃作業の効率を極端に低下させる要因となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2010-11833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明では、上記問題を解決し、目詰まりによる作業効率の低下を抑制することのできる水槽用清掃ノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る水槽用清掃ノズルは、一端を閉塞し、他端に吸引手段を接続可能な筒状部材により構成し、前記一端近傍の側壁にはスリットを形成しているノズル本体と、前記ノズル本体に沿って摺動し、前記スリットを払拭する払拭手段と、前記ノズル本体における他端側から前記払拭手段の摺動を操作可能とする操作手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、上記のような特徴を有する水槽用ノズルにおいて前記ノズル本体の一端は、楔状の体を成し、当該楔状を成す傾斜面により、筒状部材の内部空間の断面積に変化を生じさせる構成とし、前記スリットは、前記傾斜面を形成していない側壁に、前記傾斜面の長さと対応する長さで設けられているようにすると良い。このような特徴を有する事によれば、ノズル本体を水槽に敷設された底砂や砂利に突き立てやすくなる。また、底砂や砂利の間に堆積した餌の食べ残しや糞などのゴミの除去効率を向上させることができる。
【0010】
また、上記のような特徴を有する水槽用ノズルにおいて前記スリットは、前記傾斜面を形成していない側壁に一対設けられ、前記一端には、一対の前記スリットを接続する端部スリットが設けられているようにしても良い。このような特徴を有する事によれば、端部スリットからも底砂や砂利の間に堆積した餌の食べ残しや糞などのゴミを吸引する事ができ、ゴミの除去効率を向上させることができる。また、払拭手段を使用した際には、側壁に設けられたスリットに詰まったゴミ等を端部スリットから押し出す事が可能となり、効率良く目詰まりを解消することができる。
【0011】
また、上記のような特徴を有する水槽用ノズルにおいて前記払拭手段は、前記スリットの払拭を行う摺動操作時に前記スリットを覆う遮蔽部材を有するようにすると良い。このような特徴を有する事によれば、スリットからの水の吸引を一時的に停止させ、スリットに付着したゴミを落としやすくする事ができる。
【0012】
また、上記のような特徴を有する水槽用ノズルにおける前記操作手段には、前記払拭手段を前記他端側に引き付ける付勢手段が設けられているようにすると良い。このような特徴を有する事によれば、予期せず払拭手段が動作し、清掃作業の妨げになる事が無い。
【0013】
さらに、上記のような特徴を有する水槽用ノズルでは、前記ノズル本体を分割可能な構造とすることができる。このような特徴を有する事により、組付ける筒状部材の長さを変化させることで、ノズル本体の長さを変える事が可能となる。
【発明の効果】
【0014】
上記のような特徴を有する水槽用清掃ノズルによれば、目詰まりによる作業効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る水槽用清掃ノズルの側面構造を示す断面図である。
図2】実施形態に係る水槽用清掃ノズルを平面視した際の断面構造を示す図である。
図3】払拭手段によるスリットの払拭を実行した状態を示す側面図である。
図4】実施形態に係る水槽用清掃ノズルの使用状態を説明するための図である。
図5】実施形態に係る水槽用清掃ノズルの先端形状に関する変形例の一部を示す斜視図である。
図6】変形例に係る水槽用清掃ノズルの先端部を平面視した際の断面構造を示す図であり、(A)は、吸引時、(B)は払拭時の状態を示す。
図7】水槽用清掃ノズルを構成する操作手段の変形例の一部を説明するための図である。
図8】水槽用清掃ノズルを構成するノズル本体を分割構造とする場合の構成例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の水槽用清掃ノズルに係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を実施するための好適な形態の一部に過ぎず、その効果を奏する限りにおいて、構成の一部やその形状に変更を加えたとしても、本発明の一部とみなすことができる。
【0017】
[構成]
まず、図1から図3を参照して、本実施形態に係る水槽用清掃ノズルの構成について説明する。なお、図面において、図1は、実施形態に係る水槽用清掃ノズルの側面構造を示す断面図であり、図2は、実施形態に係る水槽用清掃ノズルを平面視した際の断面構造を示す図である。また、図3は、払拭手段によるスリットの払拭を実行した状態を示す側面図である。
【0018】
本実施形態に係る水槽用清掃ノズル10は、ノズル本体12と払拭手段14、及び操作手段16を基本として構成されている。ノズル本体12は、一端を閉塞し、他端に吸引手段を接続可能とした筒状部材により構成されている。ノズル本体12の一端は、図1に示すように、楔状の傾斜面12aを持つように形状形成され、その端部を閉塞されている。ノズル本体12の一端側は、水槽用清掃ノズル10を使用する際には先端側に位置し、水槽30の底面に敷かれた底砂や砂利などに押し当てられる(図4参照)。ノズル本体12の先端に位置する一端を楔状に形成することで、底砂や砂利などの隙間にノズル本体12の先端を押し込みやすくなる。
【0019】
また、楔状に形成した一端には、傾斜面12aを形成していない側壁に、筒状部材の内部空間に貫通するスリット12bが形成されている。スリット12bは、側壁の対向位置に、対を成すように形成している。スリット12bの幅や長さは限定するものでは無いが、一般的な鑑賞魚用の水槽30に敷設される砂利を吸い込まない程度の幅と、一般的な鑑賞魚用の水槽30における底砂や砂利の敷設厚さとして好ましいとされる厚さと同等の長さとすると良い。スリット12bの具体的な幅や長さの一例としては、幅を3mm程度、長さを30mm程度とすれば良い。また、一端側におけるスリット12bの形成端部は、一端における端部近傍であって、端部の閉塞状態が確保される位置であれば良い(スリット12bが端部にかからない)。
【0020】
なお、一端に設ける傾斜面12aの長さとスリット12bの長さとを対応させ、両者を同等の長さとする事が望ましい。底砂や砂利にノズル本体12を突き立てる深さと同等の長さの傾斜面12aを設けていれば、突き立て時の抵抗を小さくする事ができる。また、傾斜面12aの長さが底砂や砂利の厚みと同等の長さであれば、この長さに対応させて設けられているスリット12bからは、底砂や砂利の隙間に詰まった餌の食べ残しや糞などのゴミを効率的に吸い込む事が可能となるからである。
【0021】
また、スリット12bの数を少なくし(本実施例では2本)、その開口面積を筒状部材の内部断面積よりも十分に小さくしたことで、強い吸引力を得る事ができ、ゴミを効率的に吸い込む事が可能となる。また、対を成すスリット12bを筒状部材において対向する側壁に設けたことで、2つのスリット12bの配置間隔を離す事ができる。これにより、毛足の長いコケや大きなゴミが、2つのスリット12bから同時に吸い込まれる事で生じるノズル本体12への貼り付き(吸引不良)の発生を抑制する事ができる。さらに、一端を楔状に形成し、筒状部材の内部空間の断面積に変化を生じさせる構成としたことで、内部空間の断面積が小さく、筒状部材のバッファ容量が少なくなる先端側の吸引力を向上させることができる。
【0022】
ノズル本体12の他端は、筒状部材を切りっ放しとしても良いが、図1から図3に示すように、外周部に対して僅かに段差を付けるように小径部12cを設けることで、吸引手段の接続位置を定める事が可能となる。なお、本実施形態における吸引手段とは、ノズル本体12を介して水槽30内の水を吸い出す事ができるものであれば限定するものでは無く、接続部材として、ホース32やチューブなどを採用するものであれば良い(図4参照)。
【0023】
払拭手段14は、スリット12bを払拭し、スリット12bに生じた目詰まり等を解消する役割を担う要素である。本実施形態では、遮蔽部材14aとスライドピン14bにより、払拭手段14を構成している。遮蔽部材14aは、ノズル本体12に沿って摺動可能なカバーであり、ノズル本体12の一端側に配置される。遮蔽部材14aは、ノズル本体12の側壁のうち、少なくとも対を成すスリット12bに重なる範囲を覆うように構成されている。また、スライドピン14bは、遮蔽部材14aに固定されると共に、その一部がスリット12bに挿入されるように設けられている。
【0024】
このような構成の払拭手段14は、ノズル本体12に沿って摺動させることで、スライドピン14bがスリット12bの内部を払拭し、スリット12bの目詰まりを解消することができる。また、払拭手段14のスライドにより、遮蔽部材14aがスリット12bを覆う事となる。これにより、一時的にノズル本体12による水の吸引が停止され、目詰まりを生じさせていたゴミに作用する吸引力が停止され、スリット12bの周囲に付着するゴミを落としやすくなる。
【0025】
操作手段16は、上述した払拭手段14に対して、遠隔部から摺動動作を付与するための要素である。このため、払拭手段14を遠隔操作する事ができれば、その具体的な構成を問うものでは無い。例えば図1から図3に示すように、払拭手段14を構成する遮蔽部材14aに接続した操作棒16aを主体として構成されるものとすることができる。なお、操作棒16aには、操作性の向上を図るため、指掛け部16a1を設けるようにしても良い。また、図1から図3に示す例では、操作棒16aに対して2ヶ所のホルダ16b1,16b2を設けることで、操作棒16aの安定支持を図るようにしている。
【0026】
さらに、操作棒16aにはストッパ16a2が設けられ、ホルダ16b2とストッパ16a2との間に付勢手段16cを設けることで、払拭手段14を他端側に引き付ける力を作用させるようにしている。このような構成とする事で、操作手段16を操作しない状態(通常使用時)では、払拭手段14によるスリット12bの閉塞が生じないようにすることができる。なお、付勢手段16cとしては、例えば弦巻バネのようなものを採用する事ができる。
【0027】
[作用・効果]
上記のような構成の水槽用清掃ノズル10は、図4に示すようにして使用する。具体的には、ノズル本体12の他端に吸引手段のホース32などを接続し、水槽30内の水を吸引可能な状態としつつ、ノズル本体12の一端を底砂や砂利の内部に突き立てる。これにより、ノズル本体12に設けられたスリット12bから水と共に底砂や砂利の隙間に堆積したゴミが吸引され、常設のろ過装置などでは除去できないゴミを除去することができる。
【0028】
水槽用清掃ノズル10を用いて底砂や砂利の隙間のゴミ等を除去する作業を継続する中で、スリット12bに砂利やコケ、ゴミなどが貼り付く事で吸引不良が生じた場合、操作手段16を操作し、払拭手段14をノズル本体12に沿って矢印Aの方向(図1参照)へ摺動させる。この動作により、スライドピン14bがスリット12bを払拭し、スリット12bに貼り付いていた砂利やコケ、ゴミなどを除去する事ができる。これにより、吸引不良が解消され、水槽用清掃ノズル10を水上に上げる事無く清掃作業を継続する事ができる。よって、目詰まりによる作業効率の低下を抑制することができる。なお、一度の操作で吸引不良が解消されない場合には、同様な操作を繰り返すようにすれば良い。
【0029】
[変形例]
上記実施形態に示した水槽用清掃ノズル10ではスリット12bを、ノズル本体12の一端であって、傾斜面12aが形成されていない部分の側壁に一対設けるように記載している。しかしながら対を成すスリット12bは、図5図6に示すように、ノズル本体12の一端に形成した端部スリット12dによって、両者が連通するような構成としても良い。
【0030】
このような形態とした場合、ノズル本体12の側壁に設けたスリット12bに加え、端部スリット12dからもゴミなどの吸引が可能となり、ゴミなどの除去効率を向上させることができる。
【0031】
また、端部スリット12dを設ける構成とした場合、払拭手段14は、スライドピン14bに替えて、スライド板14cを備えるようにすると良い。ここで、スライド板14cは、図5図6に示すように、遮蔽部材14aを介して、対を成すスリット12b間に掛け渡される部材である。このような構成のスライド板14cを設ける事により、払拭手段14を摺動させた際、スリット12bに貼り付いた砂利やコケ、ゴミなどを端部スリット12d側から一度に排出する事が可能となり、ゴミ等の除去効率、及び除去率を向上させることができる。
【0032】
また、スライド板14cの先端側は、払拭手段14を先端側に摺動させた際、端部スリット12dから突出する程度の寸法とし(図6(B)参照)、この突出する部分には、図5図6に示すような、鏃状の傾斜を設けておくと良い。ここでいう鏃状の傾斜とは、対を成すスリット12b間の中点位置を頂点として、スリット12b側に向かうに従ってノズル本体12の他端側へ向かうように傾くものであれば良い。スライド板14cの先端側に上記のような鏃状の傾斜を設ける事で、端部スリット12dに毛足の長いコケが付着していたり、比較的強固に砂利が詰まっているような場合でも、これらをかき分けるようにして、端部スリット12dからスライド板14cを突出させることが可能となる。
【0033】
なお、端部スリット12dの目詰まりを解消するという観点からすれば、図2において分割配置されているスライドピン14bを連続したものに変えるだけでも良いが、上記のようなスライド板14cを設けることで、目詰まり解消の効率、及び効果を向上させることが期待できる。
【0034】
また、上記実施形態に示した水槽用清掃ノズル10では、操作手段16は単純に、操作棒16aを配置する構成としていた。しかしながら、図示しない取手や注射器のような指掛け部を設けることで、操作手段の操作性向上を図るようにしても良い。また、単純に操作棒16aを押し込む構造とするだけでなく、図7に示すように、レバー16dを握る事で、操作棒16aを操作する構成としても良い。レバー16dの形状や操作機構は限定するものではないが、例えば操作棒16aの後端にスライダ16eを配置し、スライダ16eとレバー16dとの間にリンク16fを設けるようにすれば良い。このような構成によれば、ホルダ16b1に軸支されたレバー16dを矢印Bの方向に動かすことでリンク16fが回動してスライダ16eを移動させ、操作棒16aを矢印Aの方向に移動させることができる。これにより、上記実施形態と同様に、払拭手段14を操作する事ができることとなる。
【0035】
また、図1から図3では、ノズル本体12は一体物であるように示しているが、例えば図8に示すように、分割構造としても良い。ノズル本体12を構成する各パーツの製造が容易となると共に、中間パイプ12eの長さを変えることで、ノズル本体12の長さを変化させる事が可能となるからである。なお、ノズル本体12の長さを可変とする場合には、操作手段16の長さ等も可変とする事が望ましいことは言うまでも無い。
【産業上の利用可能性】
【0036】
上記実施形態では、本発明に係る水槽用清掃ノズル10は、観賞魚用の水槽30の底砂や砂利の隙間のゴミを除去するために用いる旨説明している。しかしながら、清掃具の目詰まりを生じさせやすい汚泥などの除去作業にも効果的に適用することができる。
【符号の説明】
【0037】
10………水槽用清掃ノズル、12………ノズル本体、12a………傾斜面、12b………スリット、12c………小径部、12d………端部スリット、14………払拭手段、14a………遮蔽部材、14b………スライドピン、14c………スライド板、16………操作手段、16a………操作棒、16a1………指掛け部、16a2………ストッパ、16b1,16b2………ホルダ、16c………付勢手段、16d………レバー、16e………スライダ、16f………リンク、30………水槽、32………ホース。
【要約】
【課題】目詰まりによる作業効率の低下を抑制することのできる水槽用清掃ノズルを提供する。
【解決手段】一端を閉塞し、他端に吸引手段を接続可能な筒状部材により構成し、前記一端近傍の側壁にはスリット12bを形成しているノズル本体12と、ノズル本体12に沿って摺動し、スリット12bを払拭する払拭手段14と、ノズル本体12における他端側から払拭手段14の摺動を操作可能とする操作手段16と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8