(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】電動送風機
(51)【国際特許分類】
F04D 29/62 20060101AFI20220715BHJP
F04D 25/08 20060101ALI20220715BHJP
F04D 29/056 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
F04D29/62 C
F04D25/08 302E
F04D29/056 B
(21)【出願番号】P 2021517816
(86)(22)【出願日】2018-11-14
(86)【国際出願番号】 CN2018115373
(87)【国際公開番号】W WO2020062479
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-03-30
(31)【優先権主張番号】201811162788.0
(32)【優先日】2018-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517419375
【氏名又は名称】▲広▼▲東▼威▲靈▼▲電▼机制造有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 俊▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 洪波
(72)【発明者】
【氏名】范 文
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-232276(JP,A)
【文献】特開2014-142071(JP,A)
【文献】中国実用新案第205622459(CN,U)
【文献】特開2017-227156(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107171466(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107171479(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/62
F04D 25/08
F04D 29/056
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受、並びに前記軸受の両端にそれぞれ取り付けられた可動インペラ及び磁気リングを含むローターアセンブリと、
軸受室を含むケーシングと、を備え、
前記磁気リングの直径は、前記軸受室の直径よりも小さく、
前記磁気リングは、前記軸受室を通過することができ、
前記可動インペラと前記磁気リングは、それぞれ前記軸受室の両端に位置
し、
さらに、前記軸受、前記可動インペラ、及び前記磁気リングが取り付けられた、回転シャフトを備え、
前記軸受の前記可動インペラ側の端部での前記回転シャフトの軸方向に垂直な断面における前記軸受室の直径は、前記軸受の前記磁気リング側の端部での前記回転シャフトの軸方向に垂直な断面における前記軸受室の直径よりも大きい、電動送風機。
【請求項2】
前記軸受室内には、径方向に沿って内へ延びて形成されたリング段差が設けられ、
前記磁気リングは、前記リング段差の中部から通過することができ、
前記軸受は、前記リング段差により前記軸受室内に抜け止めされる、請求項1に記載の電動送風機。
【請求項3】
前記ケーシングは、射出成形ケーシングであり、前記軸受室内には、軸受位置決め穴が設けられ、前記軸受位置決め穴の内壁には、接着剤入り溝が開設され、前記軸受が、前記軸受室内に取り付けられ、前記軸受と前記軸受位置決め穴の間が、トランジションフィットされ、又は
前記ケーシングは、射出成形ケーシングであり、前記軸受室内には、軸受位置決め穴が設けられ、前記軸受位置決め穴の内壁には、接着剤入り溝が開設され、前記軸受室には、軸受ホルダが取り付けられ、前記軸受ホルダと前記軸受位置決め穴の間が、トランジションフィットされ、前記軸受が前記軸受ホルダに取り付けられる、請求項1に記載の電動送風機。
【請求項4】
前記電動送風機は、前記ケーシングの一端の外部に取り付けられたファンカバーをさらに含み、前記ケーシングと前記ファンカバーの間には、適合する嵌合側面を有し、そのうちの1つの前記嵌合側面には、もう1つの前記嵌合側面へ突出する事前位置決めリブが設けられている、請求項1に記載の電動送風機。
【請求項5】
前記電動送風機は、前記ケーシングの一端の外部に取り付けられたファンカバーをさらに含み、前記ファンカバーの空気入口には、内側面取り部が形成され、前記空気入口は、開放式のベルマウス形状である、請求項1に記載の電動送風機。
【請求項6】
前記ケーシングは、支持ハウジング及び前記支持ハウジングに設けられたディフューザー羽根を含み、前記ディフューザー羽根と前記支持ハウジングとが一体的に射出成形される、請求項1に記載の電動送風機。
【請求項7】
前記電動送風機は、前記ケーシングの一端の外部に取り付けられたファンカバーをさらに含み、前記ファンカバーは、前記ファンカバーの空気入口端の端面から離れて設けられた位置決め平面を有し、前記ディフューザー羽根は、前記位置決め平面の表面に向いて前記位置決め平面に貼り付けられる、請求項6に記載の電動送風機。
【請求項8】
前記電動送風機は、前記ケーシングの一端の外部に取り付けられたファンカバーをさらに含み、前記ファンカバーは、ファンカバー本体及び前記ファンカバー本体に設けられたディフューザー羽根を含み、前記ディフューザー羽根と前記ファンカバー本体とが一体的に射出成形される、請求項1に記載の電動送風機。
【請求項9】
前記電動送風機は、ステータコアをさらに含み、前記ケーシングには、コア固定台が設けられ、前記コア固定台には、コア位置決め溝が設けられ、前記コア固定台は、軸方向に沿って前記ステータコアを位置決めることができ、前記コア位置決め溝は、周方向に沿って前記ステータコアを位置決めることができる、請求項1から請求項8の何れか一項に記載の電動送風機。
【請求項10】
前記電動送風機は、ステータコアをさらに含み、前記ステータコアは、少なくとも2つのステータコア弁を組み合わせることにより形成され、各前記ステータコア弁は、コア主体及び絶縁構造を含み、前記絶縁構造は、前記コア主体の外周を囲む薄肉構造と、前記薄肉構造から外側へ延びる組合部構造とを含み、前記組合部構造は、隣接する2つの前記ステータコア弁を組み合わせるために用いられる、請求項1から請求項8の何れか一項に記載の電動送風機。
【請求項11】
前記絶縁構造は、前記薄肉構造から外側へ延びる支持部構造をさらに含み、前記支持部構造には、位置決め穴又は位置決め突起が設けられ、前記位置決め穴又は位置決め突起は、前記電動送風機の取付台に嵌合して事前位置決めを実現する、請求項10に記載の電動送風機。
【請求項12】
前記コア主体は、コアヨーク部、少なくとも1つのコア歯部、2つのサブコア歯部を含み、2つの前記サブコア歯部は、いずれも前記コアヨーク部の内側に設けられ前記コアヨーク部の周方向の両端に位置し、前記コア歯部は、前記コアヨーク部の内側に設けられ2つの前記サブコア歯部の間に位置し、
前記絶縁構造は、2つの前記サブコア歯部にそれぞれ対向し前記サブコア歯部における中心から離れた方向に沿って延びる2つの前記組合部構造と、前記コア歯部に対向し前記コア歯部における中心から離れた方向に沿って延びる少なくとも1つの前記支持部構造とを含む、請求項11に記載の電動送風機。
【請求項13】
前記電動送風機は、ステータコアと取付台をさらに含み、前記ステータコアが、前記ケーシングの一端の内部に取り付けられ、前記取付台が、前記ケーシングから離れた前記ステータコアの一端に取り付けられ、前記取付台には、端子を収納する接続端子溝が設けられ、前記取付台と前記ステータコアの間は、端子を接続するためにワイヤを引っ張ることによってステータアセンブリを組み合わせる、請求項1から請求項8の何れか一項に記載の電動送風機。
【請求項14】
前記ステータコアから離れた前記取付台の一端には、エンドプレートが取り付けられ、前記ステータアセンブリと前記エンドプレートの間は、端子の溶接により接続が実現される、請求項13に記載の電動送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年9月30日に中国特許庁に提出された、出願番号が201811162788.0であり、発明の名称が「電動送風機」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てを援用することにより本願に取り入れる。
【0002】
本発明は、電動送風機の技術分野に関し、具体的には、電動送風機に関し、特に高速電動送風機に関する。
【背景技術】
【0003】
通常、既存の電動送風機は、取り付けられた回転シャフトの両端に位置する2つの軸受により回転シャフトを支持し、電動送風機の作動信頼性を確保するために、2つの軸受の同軸度を高くする必要があり、これにより電動送風機の装着精度に対する要求が高くなり、装着が複雑になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の技術的課題の少なくとも1つを解決することを目的とする。
【0005】
そのため、本発明の目的は、電動送風機を提供する。
【0006】
上記の目的を実現するために、本発明の技術的手段は、軸受、並びに前記軸受の両端にそれぞれ取り付けられた可動インペラ及び磁気リングを含むローターアセンブリと、軸受室を含むケーシングと、を備え、前記磁気リングの直径は、前記軸受室の直径よりも小さく、前記磁気リングは、前記軸受室を通過することができ、前記可動インペラと前記磁気リングは、それぞれ前記軸受室の両端に位置する電動送風機を提供する。
【0007】
本発明の上記技術的手段により提供される電動送風機は、1つの軸受のみを用い、軸受が回転シャフトの可動インペラと磁気リングの間に位置し、装着時に、磁気リングが軸受室を通過し、取り付けが完成した後、可動インペラと磁気リングとがそれぞれ軸受室の両端に位置し、このようなローターアセンブリとケーシングの装着方式は、装着が便利であり、装着プロセスが簡素化される。1つの軸受のみを用いるので、ローターアセンブリとケーシングの装着精度に対する要求が低く、装着効率を向上させる点において有利であり、電動送風機の部材数が減少され、製品コストを低下させる点においても有利であり、装着効率をさらに向上させる。
【0008】
また、本発明の上記技術的手段により提供される電動送風機は、以下のような付加的な技術的特徴をさらに有してもよい。
【0009】
上記技術的手段において、好ましくは、前記軸受室内には、径方向に沿って内へ延びて形成されたリング段差が設けられ、前記磁気リングは、前記リング段差の中部から通過することができ、前記軸受は、前記リング段差により前記軸受室内に抜け止めされる。
【0010】
リング段差により軸受を軸方向に沿って抜け止めすることにより、軸受の装着位置精度が確保され、軸受が軸受室から脱離することが回避される。
【0011】
上記技術的手段において、好ましくは、前記ケーシングは、射出成形ケーシングであり、前記軸受室内には、軸受位置決め穴が設けられ、前記軸受位置決め穴の内壁には、接着剤入り溝が開設され、前記軸受が、前記軸受室内に取り付けられ、前記軸受と前記軸受位置決め穴の間が、トランジションフィットされ、又は、前記ケーシングは、射出成形ケーシングであり、前記軸受室内には、軸受位置決め穴が設けられ、前記軸受位置決め穴の内壁には、接着剤入り溝が開設され、前記軸受室には、軸受ホルダが取り付けられ、前記軸受ホルダと前記軸受位置決め穴の間が、トランジションフィットされ、前記軸受が前記軸受ホルダに取り付けられる。
【0012】
非金属材料の射出成形ケーシングを用いることにより、モーター損失が低下され、モーター効率が向上される。同時に、金属ケーシングと比較して、射出成形ケーシングは、渦電流による熱が発生しなく、相応的に、軸受の外部の作動環境温度が低下され、軸受の信頼性が向上される。軸受室には軸受位置決め穴があり、軸受位置決め穴と軸受(または軸受ホルダ)の間は、トランジションフィットされ、軸受の事前位置決めが実現され、軸受の取付同軸度が保証され、軸受の装着精度を向上させる点において有利であり、軸受の作動信頼性が保証される。射出成形ケーシングの軸受室と軸受の間は、熱硬化性接着剤により接着及び固定でき、接着剤が接着剤入り溝まで流れ込み充填され、軸受室と軸受(または軸受ホルダ)の間の強固な接着が実現され、軸受が高温作動環境での信頼性が保証され、そして、射出成形ケーシングは、製造コスト及び重量の点で、金属ケーシングよりも優れている。
【0013】
上記技術的手段において、好ましくは、前記電動送風機は、前記ケーシングの一端の外部に取り付けられたファンカバーをさらに含み、前記ケーシングと前記ファンカバーの間には、適合する嵌合側面を有し、そのうちの1つの前記嵌合側面には、もう1つの前記嵌合側面へ突出する事前位置決めリブが設けられている。
【0014】
ケーシングとファンカバーの間の嵌合側面に事前位置決めリブを設置することにより、ファンカバーとケーシングを装着する時に、事前位置決めリブは事前位置決め作用を奏し、ファンカバーとファンカバー内側に取り付けられた可動インペラの隙間が保証され、エアダクト装着精度を制御することにより、装着過程にファンカバーと可動インペラの隙間ズレによる摩擦が防止され、電動送風機の性能安定が保証され、エアダクト部分の装着精度の差による振動騒音が低下され、さらに電動送風機の作動効率及び作動時の信頼性が保証され、低振動、低騒音、高ファン効率等のメリットがある。
【0015】
上記技術的手段において、好ましくは、前記電動送風機は、前記ケーシングの一端の外部に取り付けられたファンカバーをさらに含み、前記ファンカバーの空気入口には、内側面取り部が形成され、前記空気入口は、開放式のベルマウス形状である。
【0016】
上記技術的手段によれば、空気入口の風抵抗が減少され、空気入口での空気の流れが増加され、空気が空気入口での流れは、より円滑になり、電動送風機の作動効率を向上させる点において有利であり、気流騒音が低下され、電動送風機の性能を顕著に向上させることができる。
【0017】
上記技術的手段において、好ましくは、前記ケーシングは、支持ハウジング及び前記支持ハウジングに設けられたディフューザー羽根を含み、前記ディフューザー羽根と前記支持ハウジングとが一体的に射出成形される。
【0018】
ディフューザー羽根と支持ハウジングとが、一体的に射出成形されて一体型の射出成形のケーシングになり、ディフューザー羽根とケーシングの装着工程を省き、ディフューザー羽根平面とケーシングの軸受室の止め口寸法精度が保証され、エアダクトシステムの装着精密度が向上され、電動送風機の性能が改善され、エアダクト部分の装着精度の差による振動騒音が低下され、そしてディフューザー羽根、ケーシングの全体型射出成形は、ディフューザー羽根のエアダクト内の脱型痕の問題を解決でき、以上は、エアダクトの円滑及び装着の一致性を保証し、電動送風機の性能安定をさらに保証する同時に、金属ケーシングと比較して、一体型射出成形のケーシングは、機械全体の重量及び製造コストを低下させる。
【0019】
上記技術的手段において、好ましくは、前記電動送風機は、前記ケーシングの一端の外部に取り付けられたファンカバーをさらに含み、前記ファンカバーは、前記ファンカバーの空気入口端の端面から離れて設けられた位置決め平面を有し、前記ディフューザー羽根は、前記位置決め平面の表面に向いて前記位置決め平面に貼り付けられる。
【0020】
ファンカバーと一体型のケーシングは、ファンカバーにおける位置決め平面がディフューザー羽根の表面に貼り付ることにより、ファンカバーの軸方向の位置決めが実現され、ファンカバーとケーシングの間の接着操作に便利である。
【0021】
上記技術的手段において、好ましくは、前記電動送風機は、前記ケーシングの一端の外部に取り付けられたファンカバーをさらに含み、前記ファンカバーは、ファンカバー本体及び前記ファンカバー本体に設けられたディフューザー羽根を含み、前記ディフューザー羽根と前記ファンカバー本体とが一体的に射出成形される。
【0022】
ディフューザー羽根とファンカバー本体は、全体型射出成形を用い、ディフューザー羽根とファンカバーの間の装着隙間が回避され、エアダクトシステム密閉性がさらに保証され、途中での流体損失が減少し、電動送風機の性能を向上できる。
【0023】
上記何れかの技術的手段において、好ましくは、前記電動送風機は、ステータコアをさらに含み、前記ケーシング上には、コア固定台が設けられ、前記コア固定台には、コア位置決め溝が設けられ、前記コア固定台は、軸方向に沿って前記ステータコアを位置決めることができ、前記コア位置決め溝は、周方向に沿って前記ステータコアを位置決めることができる。
【0024】
ステータコアとケーシングを装着する時に、コア固定台により軸方向に沿ってステータコアを位置決めることが実現され、コア位置決め溝により周方向に沿ってステータコアを位置決めることが実現され、後続で接着剤やネジで全方位にステータコアを固定することに便利である。
【0025】
上記何れかの技術的手段において、好ましくは、前記電動送風機は、ステータコアをさらに含み、前記ステータコアは、少なくとも2つのステータコア弁を組み合わせることにより形成され、各前記ステータコア弁は、コア主体及び絶縁構造を含み、前記絶縁構造は、前記コア主体の外周を囲む薄肉構造と、前記薄肉構造から外側へ延びる組合部構造とを含み、前記組合部構造は、隣接する2つの前記ステータコア弁を組み合わせるために用いられる。
【0026】
ステータコアの絶縁構造は、電気絶縁の機能を担うだけでなく、各ステータコア弁を組み合わせて締結する作用を担い、従来技術におけるステータコアの自己組合構造と比較して、本発明の技術的手段は、ステータコアの重量を減少させ、ステータコア鉄損失を低下させ、モーターの性能を向上させるとともに、このようなステータコアは、ステータコア間の結合力及びステータコア構造の減衰を向上させ、モーターの騒音と振動が低下される。
【0027】
上記技術的手段において、好ましくは、前記絶縁構造は、前記薄肉構造から外側へ延びる支持部構造をさらに含み、前記支持部構造には、位置決め穴や位置決め突起が設けられ、前記位置決め穴又は位置決め突起は、前記電動送風機の取付台に嵌合して事前位置決めを実現する。
【0028】
ステータコアの絶縁構造は、全アセンブリで全体のステータコアを支持する作用を奏することができ、支持部構造に設けられた位置決め穴又は位置決め突起により、取付台とステータコアを装着する時の事前位置決め作用が実現され、後続で取付台とステータコアの間の固定と接線に便利である。
【0029】
上記技術的手段において、好ましくは、前記コア主体は、コアヨーク部、少なくとも1つのコア歯部、2つのサブコア歯部を含み、2つの前記サブコア歯部は、いずれも前記コアヨーク部の内側に設けられ前記コアヨーク部の周方向の両端に位置し、前記コア歯部は、前記コアヨーク部の内側に設けられ2つの前記サブコア歯部の間に位置し、前記絶縁構造は、2つの前記サブコア歯部にそれぞれ対向し前記サブコア歯部における中心から離れた方向に沿って延びる2つの前記組合部構造、及び前記コア歯部に対向し前記コア歯部における中心から離れた方向に沿って延びる少なくとも1つの前記支持部構造を含む。
【0030】
組合部構造がサブコア歯部に対向し、組合部構造の構造強度を向上させる点において有利であり、組合部構造により隣接する2つのステータコア弁を組み合わせる構造の強度が向上され、ステータコア全体の強度がさらに向上され、支持部構造がコア歯部に対向し、支持部構造の構造強度を向上させる点において有利であり、支持部構造がステータコア全体に対する支持強度が向上される。
【0031】
上記何れかの技術的手段において、好ましくは、前記電動送風機は、ステータコアと取付台をさらに含み、前記ステータコアが、前記ケーシングの一端の内部に取り付けられ、前記取付台が、前記ケーシングから離れた前記ステータコアの一端に取り付けられ、前記取付台には、端子を収納する接続端子溝が設けられ、前記取付台と前記ステータコアの間は、端子を接続するためにワイヤを引っ張ることによりステータアセンブリを組み合わせる。
【0032】
上記技術的手段において、好ましくは、前記ステータコアから離れた前記取付台の一端には、エンドプレートが取り付けられ、前記ステータアセンブリと前記エンドプレートの間は、端子の溶接により接続が実現される。
【0033】
上記技術的手段において、前記エンドプレートは、PC板であることが好ましい。
【0034】
本発明の付加的な態様及び利点は下記の説明に示され、一部は下記の説明により明瞭になるか、本発明を実施することで理解される。
【0035】
本願の上記及び/又は付加的な態様及び利点は、下記の図面を用いて実施例を説明することで明瞭になり理解しやすいものになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例における電動送風機の分解構造概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例における電動送風機の断面視構造概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施例におけるケーシングの構造概略図である。
【
図4】
図4は、
図3に示されるケーシングの別の視野の構造概略図である。
【
図5】
図5は、
図3に示されるケーシングとローターアセンブリ及びファンカバーの装着構造概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の別の実施例のファンカバーの構造概略図である。
【
図7】
図7は、
図6に示されるファンカバーの断面視構造概略図である。
【
図8】
図8は、
図6に示されるファンカバーとローターアセンブリ及びケーシングの装着構造概略図である。
【
図9】
図9は、本発明のさらなる別の実施例のケーシングの構造概略図である。
【
図11】
図11は、
図9に示されるケーシング、ローターアセンブリ及びステータコアの装着構造概略図である。
【
図13】
図13は、本発明のさらなる別の実施例のケーシングと軸受ホルダの構造概略図である。
【
図14】
図14は、
図13に示されるケーシング、ローターアセンブリ及びステータコアの装着構造概略図である。
【
図16】
図16は、本発明の一実施例におけるコア主体の構造概略図である。
【
図17】
図17は、本発明の一実施例における絶縁構造の構造概略図である。
【
図18】
図18は、本発明の一実施例におけるステータコア弁の構造概略図である。
【
図19】
図19は、本発明の一実施例におけるステータコア弁を組み合わせて完成した構造概略図である。
【
図20】
図20は、本発明の別の実施例のステータコア弁を組み合わせる前の構造概略図である。
【
図21】
図21は、
図20に示されるステータコア弁を組み合わせて完成した構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解することを可能にするため、以下に、図面及び具体的な実施形態と結び付けて本発明をより詳細に説明する。なお、矛盾が生じない限り、本願の実施例及び実施例に係る特徴は互いに組み合わせることができる。
【0038】
下記の説明において本願の十分な理解のために多くの具体的で詳細な内容を記載しているが、本願は、ここで説明されているものと違う形態によって実施されてもよく、したがって、本願の保護範囲は以下開示される具体的な実施例に限定されない。
【0039】
以下に、
図1から
図21を参照して、本発明の幾つかの実施例に係る前記の電動送風機を説明する。
【0040】
図1から
図21に示すように、本発明の幾つかの実施例により提供される電動送風機は、ローターアセンブリ2とケーシング3を含む。
【0041】
具体的には、
図2に示すように、ローターアセンブリ2は、軸受21、可動インペラ22、磁気リング23を含み、軸受21、可動インペラ22、磁気リング23(即ち、ローター)は、いずれも回転シャフト20に取り付けられ、磁気リング23が可動インペラ22から離れた回転シャフト20の1側に設けられ、磁気リング23の直径は、軸受21の直径よりも小さく、磁気リング23と可動インペラ22がそれぞれ軸受21の両端に取り付けられ、ケーシング3は、軸受室33を有し、磁気リング23の直径は、軸受室33の直径よりも小さく、磁気リング23が軸受室33を通過することができ、取り付けが完成した後、可動インペラ22と磁気リング23がそれぞれ軸受室33の両端に位置する。
【0042】
本発明の上記実施例により提供される電動送風機は、1つの軸受21のみを用い、軸受21が回転シャフト20の可動インペラ22と磁気リング23の間に位置し、装着時に、磁気リング23が軸受室33を通過し、取り付けが完成した後、可動インペラ22と磁気リング23がそれぞれ軸受室33の両端に位置し、このようなローターアセンブリ2とケーシング3の装着方式は、装着が便利であり、装着プロセスが簡素化される。1つの軸受21のみを用いるので、ローターアセンブリ2とケーシング3の装着精度に対する要求が低く、装着効率を向上させる点において有利であり、電動送風機の部材数が減少され、製品コストを低下させる点においても有利であり、装着効率をさらに向上させる。
【0043】
更には、
図2に示すように、軸受室33内には、径方向に沿って内へ延びて形成されたリング段差330が設けられ、磁気リング23は、リング段差330の中部から通過することができ、軸受21はリング段差330によって軸受室33内に抜け止めされ、リング段差330によって軸受21を軸方向に沿って抜け止めすることにより、軸受21の装着位置精度が確保され、軸受21が軸受室33から脱離することが回避される。
【0044】
好ましくは、
図3、
図9、
図13に示すように、ケーシング3は、射出成形のケーシングであり、ケーシング3の軸受室33内には、軸受位置決め穴331が設けられ、軸受位置決め穴331の内壁には、接着剤入り溝332が開設され、
図11と
図12に示すように、ローターアセンブリ2の軸受21が軸受室33に取り付けられ、軸受21と軸受位置決め穴331の間が、トランジションフィットされ、軸受21と軸受室33の間は、熱硬化性接着剤により接着及び固定される。
【0045】
好ましくは、
図3、
図9、
図13に示すように、ケーシング3は、射出成形のケーシングであり、ケーシング3の軸受室33内には、軸受位置決め穴331が設けられ、軸受位置決め穴331の内壁には、接着剤入り溝332が開設され、軸受室33には、軸受ホルダ8が取り付けられ、軸受ホルダ8と軸受位置決め穴331の間は、トランジションフィットされ、軸受ホルダ8と軸受室3の間は、熱硬化性接着剤により接着及び固定され、
図14と
図15に示すように、ローターアセンブリ2の軸受21が軸受ホルダ8に取り付けられ、軸受ホルダ8と軸受21の間は、隙間結合され、金属同士の接着剤により接着及び固定される。
【0046】
ケーシング3は、非金属材料の射出成形のケーシングを用いることにより、モーター損失が低下され、モーター効率が向上される。同時に、金属ケーシングと比較して、射出成形のケーシングは、渦電流による熱が発生しなく、相応的に、軸受の外部の作動環境温度が低下され、軸受の信頼性が向上される。軸受室33には軸受位置決め穴331があり、軸受位置決め穴331と軸受21(または軸受ホルダ8)の間は、トランジションフィットされ、軸受の事前位置決めが実現され、軸受の取付同軸度が保証され、軸受の装着精度を向上させる点において有利であり、軸受の作動信頼性が保証される。射出成形のケーシングの軸受室33と軸受21の間は、熱硬化性接着剤により接着及び固定でき、接着剤が接着剤入り溝332まで流れ込み充填され、軸受室33と軸受21(または軸受ホルダ8)の間の強固な接着が実現され、軸受が高温作動環境での信頼性が保証され、そして、射出成形のケーシングは、製造コスト及び重量の点で、金属ケーシングよりも優れている。
【0047】
本発明の幾つかの実施例において、
図3から
図8に示すように、電動送風機は、ケーシング3の一端の外部に取り付けられたファンカバー1をさらに含み、ケーシング3とファンカバー1の間には、適合する嵌合側面を有し、そのうちの1つの嵌合側面には、もう1つの嵌合側面へ突出する事前位置決めリブが設けられている。
【0048】
好ましくは、
図3に示すように、ケーシング3はファンカバー1に適合する嵌合側面311を有し、嵌合側面311には、事前位置決めリブ312が設けられ、好ましくは、
図6に示すように、ファンカバー1は、ケーシング3に適合する嵌合側面12を有し、嵌合側面12には、事前位置決めリブ13が設けられている。
【0049】
上記実施例において、ケーシング3とファンカバー1の嵌合側面に事前位置決めリブを設置することにより、ファンカバー1とケーシング3を装着する時に、事前位置決めリブは事前位置決め作用を奏し、ファンカバー1とファンカバー1内側に取り付けられた可動インペラ22の隙間が保証され、エアダクト装着精度を制御することにより、装着過程にファンカバー1と可動インペラ22の隙間ズレによる摩擦が防止、電動送風機の性能安定が保証され、エアダクト部分の装着精度の差による振動騒音が低下され、さらに電動送風機の作動効率及び作動時の信頼性が保証され、低振動、低騒音、高ファン効率等のメリットがある。
【0050】
好ましくは、
図2、
図5、
図7と
図8に示すように、ファンカバー1の空気入口には、内側面取り部11が形成され、空気入口は、開放式のベルマウス形状であり、空気入口の風抵抗が減少され、電動送風機の性能を顕著に向上させることができる。
【0051】
好ましくは、
図5と
図8に示すように、ファンカバー1が可動インペラ22の外側に設けられ、ファンカバー1の空気入口端の端面から離れた内側面取り部11の一端をテールエンドと記し、内側面取り部11のテールエンドは、可動インペラ22の羽根の鋭部より低くはなく、好ましくは、内側面取り部11のテールエンドとそれに繋がるファンカバー1の内側壁面は、滑らかに過渡的に接続され、空気がファンカバー1内での流れはより円滑であり、電動送風機の性能をさらに向上させる点において有利である。
【0052】
本発明の一実施例において、
図1から
図5に示すように、ケーシング3は、支持ハウジング31及び支持ハウジング31に設けられたディフューザー羽根32を含み、ディフューザー羽根32と支持ハウジング31とが一体的に射出成形される。
【0053】
ディフューザー羽根32と支持ハウジング31とが、一体的に射出成形されて一体型射出成形のケーシング3になり、ディフューザー羽根32とケーシング3の装着工程を省き、ディフューザー羽根32の平面とケーシング3の軸受室33の止め口寸法精度が保証され、エアダクトシステムの装着精密度が向上され、電動送風機の性能が改善され、エアダクト部分の装着精度の差による振動騒音が低下され、そして、ディフューザー羽根32、支持ハウジング31の全体型射出成形は、ディフューザー羽根のエアダクト内の脱型痕の問題を解決でき、以上は、エアダクトの円滑及び装着の一致性を保証し、電動送風機の性能安定をさらに保証する同時に、金属ケーシングと比較して、一体型射出成形のケーシング3は、機械全体の重量及び製造コストを低下させる。
【0054】
更には、
図5に示すように、ファンカバー1は、ファンカバー1の空気入口端の端面から離れて設けられた位置決め平面14を有し、ディフューザー羽根32は、位置決め平面14の表面に向いて位置決め平面14に貼り付けられ、ファンカバー1の軸方向の位置決めが実現され、ファンカバー1とケーシング3の間の接着操作に便利である。
【0055】
本発明の別の実施例において、
図6から
図8に示すように、ファンカバー1は、ファンカバー本体15及びファンカバー本体15に設けられたディフューザー羽根16を含み、ディフューザー羽根16とファンカバー本体15とが、一体的に射出成形される。
【0056】
ディフューザー羽根16とファンカバー本体15は、全体型射出成形を用い、ディフューザー羽根16とファンカバー1の間の装着隙間が回避され、エアダクトシステム密閉性がさらに保証され、途中での流体損失が減少し、電動送風機の性能を向上できる。
【0057】
本発明の幾つかの実施例において、電動送風機は、ステータコア4をさらに含み、
図4と
図10に示すように、ケーシング3には、コア固定台34が設けられ、コア固定台34には、コア位置決め溝35が設けられ、コア固定台34は、軸方向に沿ってステータコア4を位置決めることができ、コア位置決め溝35は、周方向に沿ってステータコア4を位置決めることができる。
【0058】
ステータコア4とケーシング3を装着する時に、コア固定台34により軸方向に沿ってステータコア4を位置決めることが実現され、コア位置決め溝35により周方向に沿ってステータコア4を位置決めることが実現され、後続で接着剤やネジで全方位にステータコア4を固定することに便利である。
【0059】
本発明の幾つかの実施例において、
図16から
図21に示すように、ステータコア4は、少なくとも2つのステータコア弁を組み合わせることにより形成され、各ステータコア弁は、コア主体41及び絶縁構造42を含み、絶縁構造42は、コア主体41の外周を囲む薄肉構造421と、薄肉構造421から外側へ延びる組合部構造422とを含み、組合部構造422は、隣接する2つのステータコア弁を組み合わせるために用いられる。
【0060】
更には、
図16から
図21に示すように、絶縁構造42は、薄肉構造421から外側へ延びる支持部構造423をさらに含み、支持部構造423には、位置決め穴4231や位置決め突起が設けられ、位置決め穴4231又は位置決め突起は、電動送風機の取付台5に嵌合して事前位置決めを実現する。
【0061】
ステータコア4の絶縁構造42は、電気絶縁の機能を担うだけでなく、各ステータコア弁を組み合わせる締結する作用、及び全アセンブリで全体のステータコア4を支持する作用の機能を担い、従来技術におけるステータコア4の自己組合、自己支持構造と比較して、本発明の技術的手段は、ステータコア4の重量を減少させ、ステータコア4鉄損失を低下させ、モーターの性能を向上させるとともに、このようなステータコア4は、ステータコア4間の結合力及びステータコア4の構造の減衰を向上させ、モーターの騒音と振動が低下される。ステータコア4と取付台5を装着する時に、支持部構造423に設計された位置決め穴4231又は位置決め突起により、取付台5とステータコア4を装着する時の事前位置決め作用が実現され、後続で取付台5とステータコア4の間の固定と接線に便利である。
【0062】
好ましくは、
図16から
図21に示すように、コア主体41は、コアヨーク部411、少なくとも1つのコア歯部412、2つのサブコア歯部413を含み、2つのサブコア歯部413は、いずれもコアヨーク部411の内側に設けられコアヨーク部411の周方向の両端に位置し、コア歯部412は、コアヨーク部411の内側に設けられ2つのサブコア歯部413の間に位置し、絶縁構造42は、2つのサブコア歯部413にそれぞれ対向しサブコア歯部413における中心から離れた方向に沿って延びる2つの組合部構造422、及びコア歯部412に対向しコア歯部412における中心から離れた方向に沿って延びる少なくとも1つの支持部構造423を含む。
【0063】
組合部構造422がサブコア歯部413に対向し、組合部構造422の構造強度を向上させる点において有利であり、組合部構造422により隣接する2つのステータコア弁を組み合わせる構造の強度が向上され、ステータコア4全体の強度がさらに向上され、支持部構造423がコア歯部412に対向し、支持部構造423の構造強度を向上させる点において有利であり、支持部構造423がステータコア4全体に対する支持強度が向上される。
【0064】
本発明の1つの具体的な実施例において、
図16から
図19に示すように、ステータコア4は、2つのステータコア弁を組み合わせることにより形成され、各ステータコア弁のコア歯部412の数は、2つであり、コアヨーク部411の周方向に間隔を置いて設置され、各ステータコア弁の絶縁構造42は、2つの組合部構造422を含み、2つの組合部構造422は、それぞれ薄肉構造421の周方向の両端に設けられ、そのうちの1つの組合部構造422には、突起部4221が設けられ、もう1つの組合部構造422には、陥凹部4222が設けられ、隣接する2つのステータコア弁の間は、1つの組合部構造422の突起部4221ともう1つの組合部構造422の陥凹部4222の嵌合により組み合わせが実現され、各ステータコア弁の絶縁構造42は、2つの支持部構造423をさらに含み、2つの支持部構造423がそれぞれ2つのコア歯部412に対向し、それに対向するコア歯部412における中心から離れた方向に沿って延び、各支持部構造423には、位置決め穴4231が設けられている。
【0065】
本発明の別の具体的な実施例において、
図20及び
図21に示すように、ステータコア4は、2つのステータコア弁を組み合わせることにより形成され、各ステータコア弁のコア歯部412の数は、2つであり、コアヨーク部411の周方向に沿って間隔を置いて設けられ、各ステータコア弁の絶縁構造42は、2つの組合部構造422を含み、2つの組合部構造422は、それぞれ薄肉構造421の周方向の両端に設けられ、そのうちの1つの組合部構造422には、突起部4221が設けられ、もう1つの組合部構造422には、陥凹部4222が設けられ、隣接する2つのステータコア弁の間は、1つの組合部構造422の突起部4221ともう1つの組合部構造422の陥凹部4222の嵌合により組み合わせが実現され、各ステータコア弁の絶縁構造42は、2つの支持部構造423をさらに含み、そのうちの1つの支持部構造423は、2つのコア歯部412のうちの1つに対向し、それに対向するコア歯部412における中心から離れた方向に沿って延び、この支持部構造423には、位置決め穴4231が設けられ、もう1つの支持部構造423とそのうちの1つの組合部構造422とが組み合わせて複合構造424が形成される。
【0066】
具体的には、組み合わせる2つの複合構造424では、そのうちの1つの半複合構造424には、半円よりも小さい第1の位置決め穴が設けられ、もう1つの半複合構造424には、半円よりも大きい第2の位置決め穴が設けられ、2つの半複合構造424を組み合わせることにより、第1の位置決め穴と第2の位置決め穴を1つの完全な円の位置決め穴4231に組み合わせるとともに、そのうちの1つの半複合構造424には、突起部4221が設けられ、もう1つの半複合構造424には、陥凹部4222が設けられ、2つの半複合構造424を組み合わせることにより、突起部4221と陥凹部4222とが嵌合して2つのステータコア弁を組み合わせることが実現され、即ち、この実施例は、上記の一実施例における2つのステータコア弁の2箇所の支持部構造423と1箇所の組合部構造422を組み合わせて複合構造424を形成し、組合部構造422又は支持部構造423の数が減少され、材料重量が減少され、さらにステータコア4の重量が減少される。
【0067】
好ましくは、絶縁構造42は、射出成形体であり、薄肉構造421には、射出成形プロセス穴4211が成形され、射出成形プロセス穴4211は、規則的又は不規則的な穴構造であり、射出成形プロセスにコア主体41を支持する作用を奏する。
【0068】
本発明の一実施例において、
図1と
図2に示すように、電動送風機は、ステータコア4と取付台5をさらに含み、ステータコア4がケーシング3の一端の内部に取り付けられ、取付台5がケーシング3から離れたステータコア4の一端に取り付けられ、取付台5には、端子6を収納する接続端子溝が設けられた、取付台5とステータコア4の間は、端子を接続するためにワイヤを引っ張ることによってステータアセンブリを組み合わせる。
【0069】
更には、
図1と
図2に示すように、ステータコア4から離れた取付台5の一端には、エンドプレートが取り付けられ、ステータアセンブリとエンドプレートの間は、端子6の溶接により接続が実現される。
【0070】
1つの具体的な実施例において、エンドプレートは、PC板7であり、ステータアセンブリとPC板7の間は、6つの端子6の溶接により接続が実現される。
【0071】
1つの具体的な実施例において、
図1と
図2に示すように、電動送風機は、ファンカバー1、ローターアセンブリ2、一体型のケーシング3、ステータコア4、プラスチック取付台5、端子6、PC板7を含み、ファンカバー1が一体型のケーシング3の一端の外部に取り付けられ、ステータコア4が一体型のケーシング3の他端の内部に取り付けられ、一体型のケーシング3は、ディフューザー羽根32と支持ハウジング31との全体型射出成形であり、軸受室33とコア固定構造を含み、ファンカバー1の空気入口は、ホーン形状であり、ファンカバー1とケーシング3との嵌合側面311には、事前位置決めリブ312が設けられ、ファンカバー1と一体型のケーシング3は、ファンカバー1における位置決め平面14とディフューザー羽根32の表面との位置決めによりファンカバーの軸方向の位置決めを実現し、ローターアセンブリ2は、可動インペラ22、軸受21、磁気リング23を含み、ローターアセンブリ2とケーシング3の間は、接着剤固定を用い、ステータコア4は、コアヨーク部411、複数のコア歯部412、及びコア外周を囲む絶縁構造42を含み、ステータコア4と一体型のケーシング3の間は、ケーシング3におけるコア位置決め溝35により事前位置決めを実現し、さらに接着剤又はネジによって全位置決めを実現し、プラスチック取付台5は、接続端子溝及び固定構造を含み、プラスチック取付台5とステータコア4の間は、先ず事前位置決め構造(例えば、支持部構造423における位置決め穴4231)により初期位置決めを実現し、さらに端子6を接続するためにワイヤを引っ張ることによって全位置決めを実現し、PC板7は、端子6(好ましくは、6つの端子6)の溶接により固定を実現する。
【0072】
好ましくは、ステータコア4、ケーシング3、PC板7は、ネジにより接続される。
【0073】
具体的には、電動送風機は、高速電動送風機であってもよい。
【0074】
以上のように、本発明の発明により提供される電動送風機は、エアダクトの装着精度を効果的に向上でき、エアダクトのエネルギー損失が減少され、同時に、このような電動送風機のステータコア構造は、機械全体の重量を減少でき、高周波アプリケーションでのモーターの鉄損失が低下され、同時に、本発明により提供される電動送風機は、低振動、低騒音、高ファン効率等のメリットを有する。
【0075】
本明細書の説明において、「内」、「外」などの用語で示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明しやすく、又は説明を簡単にするためだけに用いられ、示している装置又はユニットが必ず特定の方向を有し、特定の方位で構造及び操作することを指示又は暗示することではないので、本発明に対する限定と理解してはいけない。
【0076】
本明細書の説明において、限定又は説明がない限り、用語である「繋がる」、「接続」、「固定」などの用語の意味は広く理解されるべきであり、例えば、「接続」は固定連続であっても、取り卸し可能な接続であっても、又は一体的に接続であってもよく、又は電的に接続であってもよく、「繋がる」は、直接的に接続することや、中間媒体を介して間接的に接続することも可能である。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本発明中の具体的な意味を理解することができる。
【0077】
本明細書の説明において、用語である「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「具体的な実施例」などの記述は、当該実施例又は例示に結合して説明した具体的な特徴、構造、材料又は特性が、本願の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれていることを意図するものである。本明細書において、上記の用語に対する模式的な表述は、必ずしも同じ実施例又は例示を言うものとは限らない。また、記載されている具体的な特徴、構造、材料又は特性をいずれかの1つ又は複数の実施例又は例示において適当な方式で組み合わせることができる。
【0078】
上記の内容は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明に様々な修正や変更が可能である。本発明の趣旨及び原則を逸脱しない範囲でなされたすべての修正、均等置換、改良などは、いずれも本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0079】
なお、
図1から
図21における各符号と部材名称との対応関係は、以下のとおりである。
【符号の説明】
【0080】
1…ファンカバー、11…内側面取り部、12…嵌合側面、13…事前位置決めリブ、14…位置決め平面、15…ファンカバー本体、16…ディフューザー羽根、2…ローターアセンブリ、20…回転シャフト、21…軸受、22…可動インペラ、23…磁気リング、3…ケーシング、31…支持ハウジング、311…嵌合側面、312…事前位置決めリブ、32…ディフューザー羽根、33…軸受室、330…リング段差、331…軸受位置決め穴、332…接着剤入り溝、34…コア固定台、35…コア位置決め溝、4…ステータコア、41…コア主体、411…コアヨーク部、412…コア歯部、413…サブコア歯部、42…絶縁構造、421…薄肉構造、4211…射出成形プロセス穴、422…組合部構造、4221…突起部、4222…陥凹部、423…支持部構造、4231…位置決め穴、424…複合構造、5…取付台、6…端子、7…PC板、8…軸受ホルダ。