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特許7106000追跡識別子を用いたオブジェクト管理方法、装置、コンピュータプログラムおよびその記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】追跡識別子を用いたオブジェクト管理方法、装置、コンピュータプログラムおよびその記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20220715BHJP
   G06F 16/14 20190101ALI20220715BHJP
【FI】
G06T1/00 200C
G06F16/14
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021520891
(86)(22)【出願日】2019-06-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 KR2019007288
(87)【国際公開番号】W WO2019245247
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2020-12-18
(31)【優先権主張番号】10-2018-0070910
(32)【優先日】2018-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520502260
【氏名又は名称】ファスー、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FASOO CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100202429
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 信人
(72)【発明者】
【氏名】チェル、パク
(72)【発明者】
【氏名】テ、サン、キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン、ドン、ユン
(72)【発明者】
【氏名】ジン、ソク、ウム
【審査官】永野 志保
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-181350(JP,A)
【文献】特開2001-189706(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0125472(US,A1)
【文献】特開2012-173780(JP,A)
【文献】特開平08-101827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00
G06F 16/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
追跡識別子(T-ID)を用いてオブジェクトを管理する方法であって、
端末において、前記オブジェクトが開いた後、かつ、前記オブジェクトが閉じる前に、前記オブジェクトの少なくとも1つの保存イベントが発生するかをモニタリングするステップと、
前記端末で前記オブジェクトが開いた時点と前記オブジェクトが閉じた時点との間の前記オブジェクトが保存(save)される一以上の時点のうち最初の保存時点で、前記オブジェクトが保存された後続の他の時点においては更新されない前記オブジェクトに対するT-ID情報を更新するステップと、
更新された前記T-ID情報を前記オブジェクトのメタデータとして記録するステップと、
前記T-ID情報を含む前記メタデータをサーバに伝送するステップと、を含む、オブジェクト管理方法。
【請求項2】
前記オブジェクトが開いた後、かつ、前記オブジェクトが閉じる前に、前記オブジェクトに対するコンテンツ変更イベントが発生するかをモニタリングするステップ、をさらに含み、
前記オブジェクトの前記少なくとも1つの保存イベントが発生するかをモニタリングするステップは、前記オブジェクトのコンテンツ変更イベントが発生した場合に実行され、
前記T-ID情報を更新するステップは、前記コンテンツ変更イベントが発生した後に、前記オブジェクトが最初に保存される前記時点で前記オブジェクトに対するT-ID情報を更新することを含む、請求項1に記載のオブジェクト管理方法。
【請求項3】
前記T-ID情報を更新するステップは、
前記オブジェクトのコンテンツの変更有無とは関係なく、前記オブジェクトが最初に保存される前記時点で前記オブジェクトに対するT-ID情報を更新することを含む、請求項1に記載のオブジェクト管理方法。
【請求項4】
前記T-ID情報を更新するステップは、
前記オブジェクトの親(parent)T-IDと現(current)T-IDのペア(pair)を割り当てることを含む、請求項1に記載のオブジェクト管理方法。
【請求項5】
前記現T-IDは、前記オブジェクトが最初に保存される前記時点の前記オブジェクトに対する固有(unique)の識別子として新たに割り当てられる、請求項4に記載のオブジェクト管理方法。
【請求項6】
前記親T-IDは、前記T-ID情報が更新される直前の前記オブジェクトの現T-IDに該当する、請求項4に記載のオブジェクト管理方法。
【請求項7】
前記オブジェクトが最初生成されたオブジェクトである場合、前記親T-IDはヌル(null)値に割り当てられる、請求項4に記載のオブジェクト管理方法。
【請求項8】
前記T-ID情報を更新するステップは、
前記オブジェクトが開いた後に前記オブジェクトが別の名前で保存(save as)される一つ以上の時点ごとに前記オブジェクトに対するT-ID情報を更新することを含む、請求項7に記載のオブジェクト管理方法。
【請求項9】
前記メタデータは、前記オブジェクトのコンテンツ識別子(C-ID)をさらに含み、
前記C-IDは、前記オブジェクトが最初生成されたオブジェクトである場合に、新しい値に割り当てられるか、或いは前記オブジェクトに予め割り当てられたC-IDが維持される、請求項1に記載のオブジェクト管理方法。
【請求項10】
追跡識別子T-IDを用いてオブジェクトを追跡する方法であって、
共通のC-IDが割り当てられた一つ以上のオブジェクトを含むオブジェクトグループに対して、前記一つ以上のオブジェクトそれぞれのT-ID情報に基づいて前記一つ以上のオブジェクト間の関係を示す関係情報をサーバから端末が受信するステップと、
前記関係情報に基づいて前記一つ以上のオブジェクト間の関係を前記端末に表示するステップと、を含み、
前記オブジェクトが開いた後、かつ、前記オブジェクトが閉じる前に、前記オブジェクトの少なくとも一つの保存イベントが発生したかが前記端末または一つ以上の他の端末のそれぞれでモニタされ、前記端末または一つ以上の他の端末のそれぞれ前記オブジェクトが開いた後に前記オブジェクトが開いた後の時点と前記オブジェクトが閉じる前との時点の間の前記オブジェクトが保存(save)される一以上の時点のうち最初の保存時点で前記オブジェクトに対するT-ID情報が更新され、前記オブジェクトに対するT-ID情報は前記オブジェクトが保存された後続の他の時点においては更新されず、更新された前記T-ID情報を含むメタデータが前記サーバに伝送される、オブジェクト追跡方法。
【請求項11】
前記表示するステップは、
前記オブジェクトグループに属している第1、第2および第3オブジェクトに対して、
前記第1オブジェクトの現T-IDと前記第2オブジェクトの親T-IDとが一致する場合、前記第1オブジェクトに対応するノードの下位ノードに前記第2オブジェクトを表示し、
前記第2オブジェクトの現T-IDと前記第3オブジェクトの親T-IDとが一致する場合、前記第2オブジェクトに対応するノードの下位ノードに前記第3オブジェクトを表示することを含む、請求項10に記載のオブジェクト追跡方法。
【請求項12】
前記表示するステップは、
前記オブジェクトグループに属している第1、第2および第3オブジェクトに対して、
前記第1オブジェクトの現T-IDと前記第2オブジェクトの親T-IDとが一致し、前記第1オブジェクトの現T-IDと前記第3オブジェクトの親T-IDとが一致する場合、前記第1オブジェクトに対応するノードは、前記第2オブジェクトに対応するノードおよび前記第3オブジェクトに対応するノードを下位ノードとして持つ分岐ノードとして表示することを含む、請求項10に記載のオブジェクト追跡方法。
【請求項13】
前記第1オブジェクトに対応する前記分岐ノードは、拡張された形態で表示されるか、或いは縮小された形態で表示される、請求項12に記載のオブジェクト追跡方法。
【請求項14】
複数のノードが線形的に表示される場合、前記複数のノードに対応するオブジェクトは、同等な主題のコンテンツを含むものと推定し、
複数のノードが上位ノードから分岐して表示される場合、前記複数のノードに対応するオブジェクトは、互いに異なる主題のコンテンツを含むものと推定する、請求項10に記載のオブジェクト追跡方法。
【請求項15】
前記表示するステップは、
特定の現T-IDに基づいて検索された特定のオブジェクトに対応するノードを表示することを含む、請求項10に記載のオブジェクト追跡方法。
【請求項16】
追跡識別子(T-ID)を用いてオブジェクトを管理する方法であって、
サーバが一つ以上の端末から一つ以上のオブジェクトのそれぞれに対するT-ID情報を含むメタデータを受信するステップと、
前記一つ以上のオブジェクトを含むオブジェクトグループに対して、前記一つ以上のオブジェクトそれぞれのT-ID情報に基づいて前記一つ以上のオブジェクト間の関係を示す情報を生成して、前記一つ以上の端末または他の端末に伝送するステップと、を含み、
前記一つ以上のオブジェクトのそれぞれに対するT-ID情報において、前記オブジェクトが開いた後、かつ、前記オブジェクトが閉じる前に、前記オブジェクトの少なくとも一つの保存イベントを発生したかが前記端末または前記一つ以上の他の端末のそれぞれでモニタされ、前記一つ以上の他の端末のそれぞれで前記オブジェクトが開いた後の時点と前記オブジェクトが閉じる前の時点との間の前記オブジェクトが保存(save)される一以上の時点のうち最初の保存時点で、前記オブジェクトに対するT-ID情報が更新され、前記オブジェクトに対するT-ID情報は前記オブジェクトが保存された後続の他の時点においては更新されず、更新された前記T-ID情報が前記オブジェクトのメタデータとして記録される、オブジェクト管理方法。
【請求項17】
追跡識別子(T-ID)を用いてオブジェクトを管理する端末装置であって、
送受信機と、
メモリと、
プロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
前記端末で前記オブジェクトが開いた後、かつ、前記オブジェクトが閉じる前に、前記オブジェクトに対する少なくとも一つの保存イベントが発生したかをモニタし、
前記オブジェクトが開いた時点から前記オブジェクトが閉じる時点の間において前記オブジェクトが保存(save)される一以上の時点のうち最初の保存時点で前記オブジェクトに対するT-ID情報を更新し、前記オブジェクトに対するT-ID情報は前記オブジェクトが保存された後続の他の時点においては更新されず、更新されたT-ID情報を前記メモリに保存し;
前記メモリに保存された前記更新されたT-ID情報を前記オブジェクトのメタデータとして記録し;
前記T-ID情報を含む前記メタデータを前記送受信機を用いてサーバに伝送するように設定される、オブジェクト管理端末装置。
【請求項18】
追跡識別子(T-ID)を用いてオブジェクトを追跡する端末装置であって、
送受信機と、
メモリと、
プロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
共通のC-IDが割り当てられた一つ以上のオブジェクトを含むオブジェクトグループに対して、前記一つ以上のオブジェクトそれぞれのT-ID情報に基づいて前記一つ以上のオブジェクト間の関係を示す関係情報をサーバから前記送受信機を介して受信し、
前記関係情報に基づいて前記一つ以上のオブジェクト間の関係を前記端末に表示するように設定され、
前記オブジェクトが開いた後、かつ、前記オブジェクトが閉じる前に、前記オブジェクトの少なくとも一つの保存イベントが発生したかが前記端末または一つ以上の他の端末のそれぞれでモニタされ、前記端末または一つ以上の他の端末のそれぞれ前記オブジェクトが開いた時点と前記オブジェクトが閉じる前の時点との間の前記オブジェクトが保存(save)される一以上の時点のうち最初の保存時点で前記オブジェクトに対するT-ID情報が更新され、前記オブジェクトに対するT-ID情報は前記オブジェクトが保存された後続の他の時点においては更新されず、更新された前記T-ID情報を含むメタデータが前記サーバに伝送される、オブジェクト追跡端末装置。
【請求項19】
追跡識別子(T-ID)を用いてオブジェクトを管理するサーバ装置であって、
送受信機と、
メモリと、
プロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
一つ以上の端末から一つ以上のオブジェクトのそれぞれに対するT-ID情報を含むメタデータを前記送受信機を用いて受信し;
前記一つ以上のオブジェクトを含むオブジェクトグループに対して、前記一つ以上のオブジェクトそれぞれのT-ID情報に基づいて前記一つ以上のオブジェクト間の関係を示す情報を生成して、前記一つ以上の端末または他の端末に前記送受信機を用いて伝送するように設定され、
前記一つ以上のオブジェクトのそれぞれに対するT-ID情報において、前記オブジェクトが開いた後、かつ、前記オブジェクトが閉じる前に、前記オブジェクトの少なくとも一つの保存イベントが発生したかが前記一つ以上の他の端末のそれぞれでモニタされ、前記一つ以上の他の端末のそれぞれで前記オブジェクトが開いた後の時点と前記オブジェクトが閉じる前の時点との間の前記オブジェクトが保存(save)される一以上の時点のうち最初の保存時点で、前記オブジェクトに対するT-ID情報が更新され、前記オブジェクトに対するT-ID情報は前記オブジェクトが保存された後続の他の時点においては更新されず、更新された前記T-ID情報が前記オブジェクトのメタデータとして記録される、オブジェクト管理サーバ装置。
【請求項20】
ハードウェアに結合されて請求項1乃至16のいずれか一項に記載の方法を実行させるためにコンピュータ可読記録媒体に記録されたコンピュータプログラム。
【請求項21】
請求項1乃至16のいずれか一項に記載の方法をコンピュータで実行するためのコンピュータプログラムが記録された、コンピュータ可読記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オブジェクトを管理する方法、装置、コンピュータプログラムおよびその記録媒体に係り、具体的には、追跡識別子を用いてオブジェクトのコンテンツの変更履歴またはオブジェクトのコピー作成履歴を追跡および管理することができるように構成された方法、装置、コンピュータプログラムおよびその記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピューティング環境の発展に伴い、多数のユーザの間で電子文書ファイルなどのオブジェクトが容易に流通できるようになった。例えば、組織のメンバーのいずれかによって文書が生成されて配布された後、配布された文書が複数のメンバーにわたって変更、伝達または共有できる。
【0003】
このような文書流通環境で文書のコンテンツの変更履歴を追跡するために、文書に固有の識別子を付与することができる。しかし、文書のコピーが作成された場合に、原本とコピーとの文書識別子が同じなので、文書識別子だけでは原本とコピーのコンテンツの変更有無を確認することができない。この場合、同じ文書識別子を持つ文書コピーのファイルサイズを比較して、コンテンツ変更有無を推定することはできるが、どの文書がどの文書からコピーを作成されたのか、どの順序で文書のコンテンツが変更されたのかは確認することができないという問題がある。
【0004】
したがって、電子文書ファイルなどのコンテンツを含むオブジェクトの変更履歴、コピーの作成履歴を追跡することができる方案が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の技術的課題は、追跡識別子を用いてオブジェクトを管理する方法および装置を提供することにある。
【0006】
本開示の他の技術的課題は、追跡識別子を用いたオブジェクト間の関係情報に基づいてオブジェクトを追跡する方法および装置を提供することにある。
【0007】
本開示で解決しようとする技術的課題は、上述した技術的課題に限定されず、上述していない別の技術的課題は、以降の記載から本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一様相による追跡識別子(T-ID)を用いてオブジェクトを管理する方法は、端末でオブジェクトが開いた後に保存(save)される時点で前記オブジェクトに対するT-ID情報を更新するステップと、更新された前記T-ID情報を前記オブジェクトのメタデータとして記録するステップと、前記T-ID情報を含む前記メタデータをサーバに伝送するステップと、を含むことができる。
【0009】
本開示の追加の様相による追跡識別子(T-ID)を用いてオブジェクトを追跡する方法は、共通のC-IDが割り当てられた一つ以上のオブジェクトを含むオブジェクトグループに対して、前記一つ以上のオブジェクトそれぞれのT-ID情報に基づいて前記一つ以上のオブジェクト間の関係を示す関係情報をサーバから端末が受信するステップと、前記関係情報に基づいて前記一つ以上のオブジェクト間の関係を前記端末に表示するステップと、を含むことができる。ここで、前記端末または一つ以上の他の端末でオブジェクトが開いた後に保存(save)される時点で前記オブジェクトに対するT-ID情報が更新され、更新された前記T-ID情報を含むメタデータが前記サーバに伝送できる。
【0010】
本開示の追加の様相による追跡識別子(T-ID)を用いてオブジェクトを管理する方法は、サーバが一つ以上の端末から一つ以上のオブジェクトのそれぞれに対するT-ID情報を含むメタデータを受信するステップと、前記一つ以上のオブジェクトを含むオブジェクトグループに対して、前記一つ以上のオブジェクトそれぞれのT-ID情報に基づいて前記一つ以上のオブジェクト間の関係を示す情報を生成して、前記一つ以上の端末または他の端末に伝送するステップと、を含むことができる。ここで、前記一つ以上のオブジェクトのそれぞれに対するT-ID情報において、一つの端末で一つのオブジェクトが開いた後に保存(save)される時点で、前記一つのオブジェクトのコンテンツの変更有無とは関係なく、前記一つのオブジェクトに対するT-ID情報が更新され、更新された前記T-ID情報が前記オブジェクトのメタデータとして記録できる。
【0011】
本開示について上記で簡略に要約された特徴は、後述する本開示の詳細な説明の例示的な様相に過ぎず、本開示の範囲を制限するものではない。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、追跡識別子を用いてオブジェクトを管理する方法および装置が提供できる。
【0013】
本開示によれば、追跡識別子を用いたオブジェクト間の関係情報に基づいてオブジェクトを追跡する方法および装置が提供できる。
【0014】
本開示によれば、オブジェクトを変更/保存する場合に更新される追跡識別子を用いて、ユーザがオブジェクトの変更または保存の意図や他のオブジェクトとの関係を直接記録することなく、オブジェクトのコンテンツの変更履歴およびオブジェクトのコピー作成履歴に基づくオブジェクト間の関係を簡単な方式で追跡することができるオブジェクト追跡性が提供できる。
【0015】
本開示によれば、追跡識別子情報を含むメタデータをサーバで収集してオブジェクト間の関係情報を管理することができ、端末では関係情報に基づいたオブジェクト関係を表示することにより、線形区間または分岐区間のオブジェクトの関係からオブジェクトの変更、流出経路などを容易に把握することができる。
【0016】
本開示から得られる効果は、上述した効果に限定されず、上述していない別の効果は、以降の記載から本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示が適用できるシステムを示す図である。
図2】本開示に係る端末装置およびサーバ装置の構成を説明するための図である。
図3】本開示に係るオブジェクト管理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図4】本開示に係るオブジェクト管理方法の追加的な例示を説明するためのフローチャートである。
図5】本開示に係るオブジェクト関係表示の例示を示す図である。
図6】本開示に係るオブジェクト追跡シナリオの例示を説明するための図である。
図7】本開示に係るオブジェクト追跡シナリオの例示を説明するための図である。
図8】本開示に係るオブジェクト関係表示の追加的な例示を説明するための図である。
図9】本開示に係るオブジェクト関係表示の追加的な例示を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本開示の実施形態について、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。しかし、本開示は、様々な異なる形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0019】
本開示の実施形態を説明するにあたり、公知の構成または機能についての具体的な説明が本開示の要旨を不明確にするおそれがあると判断された場合には、それについての詳細な説明は省略する。そして、図面において、本開示についての説明と関係のない部分は省略し、同様の部分に対しては同様の符号を付する。
【0020】
本開示において、ある構成要素が他の構成要素と「連結」、「結合」または「接続」されているとするとき、これは、直接連結関係だけでなく、それらの間に別の構成要素が存在する間接連結関係も含むことができる。また、ある構成要素が他の構成要素を「含む」または「有する」とするとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を排除するものではなく、別の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0021】
本開示において、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用され、特に記載されない限り、構成要素間の順序または重要度などを限定しない。よって、本開示の範囲内で、一実施形態における第1構成要素は、他の実施形態における第2構成要素と呼ぶこともあり、同様に、一実施形態における第2構成要素を他の実施形態における第1構成要素と呼ぶこともある。
【0022】
本開示において、互いに区別される構成要素は、それぞれの特徴を明確に説明するためであり、構成要素が必ず分離されることを意味するのではない。つまり、複数の構成要素が統合されて一つのハードウェアまたはソフトウェア単位で構成されてもよく、一つの構成要素が分散されて複数のハードウェアまたはソフトウェア単位で構成されてもよい。よって、特に記載しなくても、このように統合された、または分散された実施形態も、本開示の範囲に含まれる。
【0023】
本開示において、様々な実施形態で説明する構成要素が必ず必要不可欠な構成要素を意味するのではなく、一部は選択的な構成要素であってもよい。よって、一実施形態で説明する構成要素の部分集合で構成される実施形態も、本開示の範囲に含まれる。また、様々な実施形態で説明する構成要素に加えて、他の構成要素を含む実施形態も、本開示の範囲に含まれる。
【0024】
本開示で使用される用語についての定義は、次のとおりである。
【0025】
オブジェクト(object)は、文書、イメージ、ビデオ、オーディオ、マルチメディアなどの様々なコンテンツを含み、生成(create)、開く(open)、閉じる(close)、削除(delete)、編集(edit)、保存(save)、別の名前を付けて保存(save as)、コピー(copy)、貼り付け(paste)、名前変更(rename)などの処理動作の単位を意味する。例えば、オブジェクトは、コンピュータシステムにおける電子ファイル(file)に該当することができる。
【0026】
コンテンツ識別子(Content-Identifier、C-ID)は、オブジェクトの最初生成時に新しい値に割り当てられる識別子を意味する。オブジェクトのコンテンツを編集するか、オブジェクトのコピーを作成するか、別の名前を付けて保存するか、或いは名前変更を行う場合にも、C-IDは変更されず、予め割り当てられたC-IDが維持される。
【0027】
追跡識別子(Trace-Identifier、T-ID)は、オブジェクトのコンテンツの変更履歴またはオブジェクトのコピー作成履歴を確認するために定義される識別子である。T-IDは、オブジェクトのコンテンツが変更される場合、またはオブジェクトが保存される場合、またはオブジェクトのコンテンツが変更された後に保存される場合に更新できる。また、T-IDは、親(parent)T-IDと現(current)T-IDのペア(pair)として定義できる。
【0028】
追跡性(traceability)は、本開示の追跡識別子(T-ID)を用いてオブジェクトのコンテンツの変更履歴、コピー作成履歴、オブジェクトの伝達経路、オブジェクトの流出経路などを推定するケイパビリティを意味する。
【0029】
サーバ(server)は、オブジェクトおよび/またはオブジェクトに関連する情報(例えば、メタデータ)を生成、保存、維持、管理および提供することができるデバイスを意味する。
【0030】
端末(endpoint)は、オブジェクトに対する処理動作を行い、オブジェクトに対する検索および照会を行うことができるデバイスを意味する。例えば、端末は、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートブック、スマートフォン、タブレットなどに該当することができる。本開示で特に反対される記載がない限り、端末は、ユーザという用語に置き換えてもよい。またはユーザの直接的な操作がなくても、端末でマシンによってオブジェクトに対する処理動作が行われてもよい。
【0031】
メタデータ(metadata)は、オブジェクトに関連する付加情報を意味する。メタデータは、オブジェクトのコンテンツデータと区別されて生成、保存、更新できる。例えば、オブジェクトがボディおよびヘッダで構成される場合、コンテンツデータはオブジェクトのボディに含まれ、メタデータはヘッダに含まれ得る。
【0032】
以下では、オブジェクト追跡性を提供するための本開示に係るオブジェクト管理方法、装置、システム、コンピュータプログラム、およびその記録媒体について説明する。
【0033】
オブジェクト管理方法の例示として、文書管理ソリューションについて説明する。文書管理ソリューションは、文書に固有の文書識別子(例えば、C-ID)を付与して、文書が変更された履歴を確認する機能を提供することができる。
【0034】
特定の文書識別子が付与された物理的なファイルAがファイルマネージャ(例えば、Windowsエクスプローラなど)を介して物理的なファイルBにコピーされた後、ファイルAおよびBのコンテンツが個別に修正される場合を仮定することができる。この場合、ファイルAとBは、同じ文書識別子を持つため、文書識別子のみではファイルAとBが同じ文書であるか互いに異なる文書であるかを区別することができない。
【0035】
このように、文書識別子を用いた文書変更履歴確認性能を補完するために、ファイル名、物理的な保存経路、保存されたディスク位置などを用いて文書を識別する方法が使用されてもよい。このように追加の情報を用いても、物理的に異なるファイルであるか否かを確認することができるだけであり、実際ファイルに含まれているコンテンツの変更有無を確認することができない。
【0036】
または、ファイルサイズを用いて文書のコンテンツの変更有無を確認することもできる。この場合、物理的なファイルAとBのファイルサイズが異なる場合、異なるファイルとして推定することができる。しかし、ファイルAとBのコンテンツが互いに異なっても、偶然にファイルサイズが一致する場合には、コンテンツの変更有無を区分することができない。つまり、ファイルサイズが同じであっても内容が変更されていないものと確認することはできない。
【0037】
また、ファイルAおよびBのいずれか一つのファイルをファイルマネージャを介してコピーしたファイルCのコンテンツを変更した場合を仮定することができる。この場合、物理的なファイルA、BおよびCがすべて同じ文書識別子を有し、ファイルサイズがそれぞれ異なると、互いに異なるコンテンツを持つものと推定することはできるが、ファイルCがファイルAからコピーされて修正されたのか、それともファイルBからコピーされて修正されたのかは確認することができない。すなわち、ファイルサイズを考慮しても、文書のコピー作成履歴は確認することができない。
【0038】
また、次のようなシナリオを仮定することができる。ユーザXが文書ファイルA0を生成した後、コンテンツを入力して保存する。ユーザXがファイルA0を電子メールに添付してユーザYに伝達する。ユーザYは、ファイルA0をダウンロードして端末にファイルA1(すなわち、ファイルA0と同じコンテンツを含むが、物理的に互いに異なるファイルを意味する。)として保存する。ユーザYは、ファイルA1のコンテンツを一部修正して保存する。ユーザYは、修正されたファイルA1を電子メールを介してユーザXに伝達する。ユーザXは、ユーザYが修正したファイルA1を端末の一時フォルダにダウンロードしてファイルA2として保存し、ファイルA2を他のフォルダにコピーしてファイルA3として保存する。ユーザXは、ファイルA3のコンテンツを一部修正して保存する。ユーザXは、修正されたファイルA3を電子決裁システムを介してユーザZに伝達する。
【0039】
このようなシナリオにおいて、ファイルA0、A1およびA2は、最終バーションのファイルA3とは異なるコンテンツ(すなわち、変更前のコンテンツ)を含む旧バージョンのファイルである。また、ファイルA1およびA2は、物理的に異なるファイルであるが、コンテンツの変更がない同じファイルである。また、ファイルA0、A1、A2およびA3は、一貫したコンテンツを含む同等の(equivalent)主題(topic)を持つ文書である。しかし、C-ID、ファイル名、物理的な保存経路、保存されたディスク位置、ファイルサイズを用いる文書管理ソリューションでは、文書の関係(すなわち、コンテンツの変更有無、コンテンツの変更履歴、コンテンツの主題の変更有無、コピーの作成履歴など)を確認することができない。
【0040】
したがって、オブジェクトの変更履歴またはコピーの作成履歴を追跡するためには、オブジェクト管理に対する新規方法が求められる。
【0041】
図1は本開示が適用できるシステムを示す図である。
【0042】
図1に示すシステム100は、一つ以上の端末110、120、130およびサーバ140を含むことができる。端末110、120、130のそれぞれは、一つまたは複数のユーザに割り当てられ得る。例えば、第1端末110または第3端末130は、一つのユーザに割り当てられ、第2端末120は、複数のユーザに割り当てられてもよい。サーバ140は、データベース150に接続されるか、或いはデータベース150を含むことができる。端末110、120、130間のデータ送受信、および端末110、120、130とサーバ140間のデータ送受信には、様々な有線または無線通信方式が適用できる。
【0043】
システム100内の端末110、120、130の間でオブジェクト160が流通できる。例えば、第1端末110からオブジェクトを生成(111)する処理動作が行われ、生成されたオブジェクトは、第2端末120および第3端末130に配布できる。第2端末120で、オブジェクト160に含まれているコンテンツに対する切り取り(cut)121、貼り付け(paste)122または保存(save)123する処理動作が行われ得る。第3端末130で、オブジェクト160に含まれているコンテンツを編集(131)するか、或いはオブジェクト160を別の名前を付けて保存(save as)(132)する処理動作が行われ得る。このようにシステム100上でオブジェクト160が端末110、120、130を経ることにより、そのコンテンツが変更されて保存されるか或いはオブジェクトのコピーが生成され得る。
【0044】
例えば、オブジェクト160は、電子メール、マルチメディアメッセージ、ネットワークドライブ、共有フォルダ、クラウドストレージ、携帯型ストレージ(例えば、USBメモリ)などの様々な媒体を介して端末110、120、130の間で流通できる。
【0045】
図1の例示では、多数のオブジェクト160を一つの図面符号で表示するが、前記多数のオブジェクト160が同じコンテンツを含むことに限定されない。つまり、あるオブジェクトは、互いに完全に同じコンテンツを含むコピーであってもよく、コンテンツの一部または全部が修正、追加または削除されたものであってもよく、別途生成された新たなオブジェクトであってもよい。また、多数のオブジェクト160の一部または全部は、共通のコンテンツ識別子C-IDを持つオブジェクトであってもよく、互いに異なるC-IDを持つオブジェクトであってもよい。
【0046】
本開示によれば、それぞれの端末110、120、130でオブジェクト160の追跡識別子T-IDを更新することにより、簡単な方式でオブジェクト160のコンテンツの変更履歴またはコピーの作成履歴などを管理することができる。より具体的には、それぞれの端末110、120、130でオブジェクト160のコンテンツを変更する場合、またはオブジェクト160を保存する場合にT-IDを更新し、更新されたT-ID情報を含むメタデータ170をサーバ140に伝送することができる。
【0047】
サーバ140では、それぞれの端末110、120、130から受信されたメタデータ170をデータベース150に保存および管理することができる。
【0048】
本開示によれば、メタデータ170に含まれているT-ID情報に基づいて、オブジェクト160の変更履歴およびコピーの作成履歴に対する追跡性を提供することができる。例えば、サーバ140は、オブジェクトグループに属する一つ以上のオブジェクトのそれぞれに対するT-ID情報を含むメタデータ170を受信し、これに基づいて、オブジェクトグループに属する一つ以上のオブジェクト間の関係を示す関係情報180を生成することができる。このような関係情報180は、端末110、120、130の要求がある場合に当該端末に提供されるか、或いは端末110、120、130の要求がなくてもサーバ140の決定に応じて端末に提供されることも可能である。関係情報180の提供をサーバ140から受けた端末110、120、130は、前記関係情報180に基づいて、オブジェクトグループに属する一つ以上のオブジェクト間の関係を決定および表示することができる。
【0049】
例えば、本開示によれば、同じC-IDを持つオブジェクトを含むオブジェクトグループに対して、それぞれのオブジェクトのT-ID情報に基づいて、オブジェクトに含まれているコンテンツの変更履歴および/またはオブジェクトのコピー作成履歴が視覚的に表示できる。また、このようにオブジェクト間の関係を表示することにより、オブジェクトのコンテンツの変更履歴や、当該オブジェクトと同等の主題を持つ最終バージョンのオブジェクト、オブジェクトのコピー作成履歴、オブジェクトが互いに同等な主題を持つか或いは互いに異なる主題を持つか、オブジェクトの流出経路などを推定することができる。
【0050】
本開示は、オブジェクト160の変更による多数のオブジェクトバージョンまたはオブジェクトコピーをサーバ140で中央集中方式によって保存、維持または管理しなくてもよい。つまり、サーバ140では、オブジェクトに関連するメタデータ170のみを管理し、オブジェクト160自体は、端末110、120、130で生成、保存および流通される分散型方式でオブジェクト追跡性を提供することができる。
【0051】
サーバ140でオブジェクト自体を保存および管理するサーバ基盤のオブジェクト管理システムは、大容量ストレージが必要であり、多数のユーザがコラボレーションでオブジェクトを修正する場合に、修正内容を同期化するための複雑な処理動作が要求される。これとは異なり、本開示によれば、サーバ140では、オブジェクト160自体またはオブジェクト160のコンテンツデータを保存および管理することなく、オブジェクト160に関連するメタデータ170を保存および管理することで十分にオブジェクト追跡性を提供することができる。したがって、サーバ基盤のオブジェクト管理システムなしに、端末110、120、130の間でオブジェクト160が自由に流通される環境でもオブジェクト追跡性を提供することができる。
【0052】
しかし、本開示の様々な例示は、オブジェクト自体をサーバ140で保存、維持および管理するシステムに適用されることを排除するものではない。つまり、サーバ140にオブジェクト自体が保存、維持および管理される場合にも、本開示に係るT-IDを用いたオブジェクト追跡性を提供する例示が適用されてもよい。
【0053】
図2は本開示に係る端末装置およびサーバ装置の構成を説明するための図である。
【0054】
端末装置200は、プロセッサ210、送受信機220、メモリ230およびユーザインターフェース240を含むことができる。プロセッサ210、送受信機220、メモリ230およびユーザインターフェース240は、バスなどを介してデータ、要求、応答、命令などのやり取りを行うことができる。
【0055】
プロセッサ210は、送受信機220、メモリ230およびユーザインターフェース240の動作を制御することができる。プロセッサ210は、本開示に係るオブジェクトに対する生成、開く、閉じる、削除、編集、保存、別の名前を付けて保存、コピー、貼り付け、名前変更などの処理動作を行うことができる。また、プロセッサ210は、図2に示していない端末装置200の構成要素を含む端末装置200の全般的な動作を制御することができる。
【0056】
送受信機220は、有線または無線で他のオブジェクト(例えば、他の端末装置またはサーバ装置)とデータをやり取りする物理階層の機能を行うことができる。
【0057】
メモリ230は、プロセッサ210で生成または処理された情報、端末装置200の動作に関連するソフトウェア、オペレーティングシステム、アプリケーションなどを保存することができ、バッファなどの構成要素を含むこともできる。また、メモリ230は、本開示に係るT-ID情報を含むメタデータを保存することができる。また、メモリ230は、オブジェクトを一時的に保存するか或いはオブジェクトを維持するストレージ(例えば、ハードディスクなど)を含むこともできる。例えば、メモリ230に保存されるオブジェクトは、コンテンツデータとメタデータを含むこともできる。また、メモリ230は、本開示に係る関係情報を保存することもできる。
【0058】
ユーザインターフェース240は、端末装置200に対する使用の操作、入力などを検知してプロセッサ210へ伝達するか、或いはプロセッサ210の処理結果をユーザが認識することができる様々な方式で出力することができる。
【0059】
プロセッサ210は、T-ID情報更新部211、メタデータ生成部212および関係情報処理部213を含むことができる。
【0060】
T-ID情報更新部211は、オブジェクトのコンテンツが変更される場合、当該オブジェクトのT-ID情報を更新することができる。または、T-ID情報更新部211は、オブジェクトが保存される場合、当該オブジェクトのT-ID情報を更新することもできる。具体的には、T-ID情報更新部211は、オブジェクトが開いた後に保存される時点でオブジェクトに対するT-ID情報を更新することができる。より具体的には、T-ID情報更新部211は、オブジェクトが開いた後にコンテンツが変更された場合、オブジェクトの変更されたコンテンツが保存される時点でT-ID情報を更新することができる。または、T-ID情報更新部211は、オブジェクトのコンテンツ変更有無とは関係なく(つまり、オブジェクトのコンテンツが変更される場合だけでなく、オブジェクトのコンテンツが変更されない場合にも)、オブジェクトが保存される時点でT-ID情報を更新することもできる。以下では、前述したようにオブジェクトのT-IDが更新される条件を、オブジェクトが変更/保存される場合と通称する。
【0061】
オブジェクトのT-ID情報は、親T-IDおよび現T-IDのペアで構成できる。
【0062】
この場合、T-ID情報更新部211は、オブジェクトが変更/保存される場合、現T-IDを新たに割り当てることができる。現T-IDは、オブジェクトに対するオブジェクトが変更/保存される時点の固有の識別子として割り当てられる。つまり、新たに割り当てられる現T-ID値は、他のオブジェクトのT-IDと区別される固有の値であり得る。
【0063】
親T-IDは、当該オブジェクトが誘導された(derived)オブジェクトの現T-ID値と同じ値に割り当てられ得る。当該オブジェクトが誘導されたオブジェクトは、当該オブジェクトの直前に保存されたバージョンのオブジェクトに該当することができる。当該オブジェクトが誘導されたオブジェクトは、当該オブジェクトの親オブジェクト(parent object)と呼ばれることもある。
【0064】
例えば、ユーザが第1オブジェクトから第2オブジェクトをコピーした後に第2オブジェクトを変更/保存する場合、第2オブジェクトの親T-IDは、第1オブジェクトの現T-ID値と同じ値に割り当てられ得る。または、オブジェクトが変更/保存される場合に割り当てられる親T-IDは、オブジェクトが変更/保存される直前の現T-ID値と同じ値に割り当てられ得る。つまり、T-ID情報更新部211は、オブジェクトのT-ID情報が更新される直前の現T-ID値を、T-ID情報の更新時に親T-ID値に割り当てることができる。
【0065】
つまり、オブジェクトの最も最近に保存された状態の親T-IDおよび現T-IDのうち、現T-IDをオブジェクトが変更/保存された場合の親T-IDに移し、新しい現T-IDを割り当てることができる。例えば、オブジェクトの最も最近に保存された状態の親T-IDと現T-IDのペアが{A、B}である場合、T-ID情報更新部211は、オブジェクトが変更/保存された場合にT-IDペアを{B、C}に更新することができる。その後、当該オブジェクトがコピーされ、コピーされたオブジェクトが開いた後にさらに変更/保存された場合、T-IDペアは{C、D}に更新できる。
【0066】
上記の例示において、T-IDペア{A、B}、{B、C}および{C、D}を持つオブジェクトを順次第1オブジェクト、第2オブジェクト、第3オブジェクトとすれば、第1オブジェクトは第2オブジェクトの親オブジェクト(parent object)に該当し、第2オブジェクトは第1オブジェクトの子オブジェクト(child object)に該当する。また、第2オブジェクトは、第3オブジェクトの親オブジェクトに該当し、第3オブジェクトは、第2ブジェクトの子オブジェクトに該当する。
【0067】
最初に生成されたオブジェクトである場合には、T-ID情報更新部211は、親T-IDをエムプティ(empty)またはヌル(null)値に割り当てることができ、現T-IDを固有の値に新しく割り当てることができる。
【0068】
オブジェクトが開いた時点とオブジェクトが閉じた時点との間にオブジェクトが変更/保存される時点が一つ以上存在する場合、T-ID情報更新部211は、最初の変更/保存時点でT-IDを更新することができる。つまり、T-ID情報更新部211は、オブジェクトが開いた後に最初の変更/保存時点でT-IDを更新することができ、オブジェクトが閉じる前に後続の他の変更/保存時点ではT-IDを更新しないことができる。
【0069】
ここで、オブジェクトが閉じた時点は、オブジェクトが開いた後に最初に閉じる時点を意味することができる。例えば、オブジェクトの開閉過程が複数回繰り返し行われることができる。これを1番目の開閉過程、2番目の開閉過程、3番目の開閉過程…のように表現することができる。例えば、1番目の開閉過程内でオブジェクトが一度変更/保存される場合には、T-IDが更新できる。2番目の開閉過程内では、オブジェクトが変更/保存されない場合には、T-IDが更新されないことができる。3番目の開閉過程内で、オブジェクトが複数回変更/保存される場合には、その中でも1番目に変更/保存される時点でT-IDが更新できる。つまり、それぞれの開閉過程内でオブジェクトが変更/保存される一つ以上の時点のうち、最初の変更/保存時点でT-IDが更新できる。
【0070】
T-ID情報更新部211は、オブジェクトが別の名前で保存(save as)される場合でもT-IDを更新することができる。つまり、T-ID情報更新部211は、オブジェクトが別の名前で保存される場合には、オブジェクトのコンテンツの変更があると看做し、常にT-IDを更新することができる。もしオブジェクトが開いた後に別の名前で保存が複数回発生する場合、複数回に別の名前で保存されるたびにT-IDが更新され得る。オブジェクトが別の名前で保存される場合は、直前のオブジェクトのコンテンツが保存されずに閉じながら(つまり、ユーザが直接オブジェクトを閉じない)新しいオブジェクトが開き、コンテンツが保存される場合に該当するので、オブジェクトが開いた後に最初に変更/保存される時点でオブジェクトのT-IDを更新するものと理解されることも可能である。
【0071】
ここで、オブジェクトが別の名前で保存される場合に、現T-IDは、別の名前で保存されたオブジェクトに対する固有の識別子として新たに割り当てられる。オブジェクトが別の名前で保存される場合に割り当てられる親T-IDは、別の名前で保存される直前のオブジェクトの現T-ID値と同じ値に割り当てられ得る。
【0072】
T-ID情報更新部211は、オブジェクトが別のオブジェクトからコピーされて生成された場合には、当該コピーのT-ID情報を更新しないことができる。また、T-ID情報更新部211は、オブジェクトの名前変更が行われた場合には、T-ID情報を更新しないことができる。オブジェクトのコピーまたは名前変更の場合には、オブジェクトが開く場合に該当しないか、或いはオブジェクトが変更/保存される場合に該当しないので、T-ID情報を更新しないものと理解されることも可能である。もし、オブジェクトに対するコピーまたは名前変更が行われた後、コピーされた或いは名前変更されたオブジェクトが開いた後に当該オブジェクトが変更/保存された場合には、T-ID情報更新部211がT-ID情報を更新することができる。
【0073】
メタデータ生成部212は、T-ID情報更新部211によって更新されたT-ID情報をメタデータとして生成することができる。
【0074】
このように生成されたメタデータは、送受信機220を介してサーバ装置300に伝達できる。メタデータがサーバ装置300に伝達される時点は、T-ID情報更新部211でT-ID情報が更新された直後であり得る。または、メタデータがサーバ装置300に伝達される時点は、T-ID情報更新部211でT-ID情報が更新された後、オブジェクトが閉じる前、またはオブジェクトが閉じた後、再び開く前であってもよい。
【0075】
また、メタデータ生成部212は、更新されたT-ID情報を含むメタデータをオブジェクトに記録することもできる。例えば、オブジェクトがヘッダおよびボディで構成される場合、オブジェクトのボディはコンテンツデータを含むことができ、ヘッダはメタデータを含むことができる。ヘッダは、暗号化ヘッダであってもよい。例えば、オブジェクトが変更/保存される場合に、オブジェクトエディタ(例えば、ワードプロセッサ、マルチメディアエディタなど)に注入されたモジュールを介して、T-ID情報を含むメタデータを暗号化ヘッダに保存することもできる。
【0076】
メタデータは、オブジェクトのC-IDをさらに含んでもよい。C-IDは、オブジェクトの最初生成時に新しい値に割り当てられてもよく、オブジェクトが変更/保存される場合に、予め割り当てられたC-IDが維持されてもよい。
【0077】
また、メタデータは、オブジェクト使用類型(例えば、生成、閲覧、編集、印刷など)、現在オブジェクト名前、最初オブジェクト名前、オブジェクト等級、使用日時、生成時間、最後に保存された時間、ユーザ名、ユーザランク、所有者の名前、所有者の識別情報、作成者の名前、作成者の識別情報、システムタイプ、端末の識別情報、または部署情報のうちの一つ以上をさらに含んでもよい。このような情報は、本開示に係るT-ID情報を用いたオブジェクト管理および追跡において参照するための情報として活用されることも可能である。
【0078】
関係情報処理部213は、サーバ装置300から提供される関係情報に基づいて、所定のオブジェクトグループに属する一つ以上のオブジェクト間の関係を決定することができる。このような関係情報に基づいて決定されたオブジェクト関係は、ユーザインターフェース240を介してユーザに表示できる。
【0079】
例えば、オブジェクトグループは、共通のC-IDが割り当てられた一つ以上のオブジェクトを含むことができる。共通のC-IDを持つオブジェクトのオブジェクト関係は、コンテンツ変更履歴およびオブジェクトのコピー作成履歴を含むことができ、このようなオブジェクト関係は、オブジェクトそれぞれのT-ID情報の関係を用いて決定することができる。具体的には、共通のC-IDを有する第1オブジェクトおよび第2オブジェクトにおいて、第1オブジェクトの親T-IDおよび現T-IDと第2オブジェクトの親T-IDおよび現T-IDとを比較して第1オブジェクトと第2オブジェクトとの関係を決定することができる。
【0080】
より具体的な例示として、一つの同じオブジェクトグループに属している(つまり、共通のC-IDが割り当てられた)第1、第2および第3オブジェクトが存在すると仮定する。関係情報に基づいてオブジェクト関係を表示するにあたり、一つのノードは、一つのオブジェクトに対応することができる。
【0081】
例えば、第1オブジェクトの現T-IDと第2オブジェクトの親T-IDとが一致する場合には、第1オブジェクトに対応するノードの下位ノードに第2オブジェクトを表示することができる。また、第2オブジェクトの現T-IDと第3オブジェクトの親T-IDとが一致する場合には、第2オブジェクトに対応するノードの下位ノードに第3オブジェクトを表示することができる。これにより、第1オブジェクト、第2オブジェクト、第3オブジェクトが同等な主題を持って順次コンテンツが変更されたものと推定することができる。つまり、複数のオブジェクトに対応する複数のノードが線形的に表示される場合に、前記複数のオブジェクトに対応するオブジェクトは、同等な主題のコンテンツを含むものと推定することができる。
【0082】
他の例示として、第1オブジェクトの現T-IDと前記第2オブジェクトの親T-IDとが一致し、第1オブジェクトの現T-IDと第3オブジェクトの親T-IDとが一致する場合には、第1オブジェクトに対応するノードは、第2オブジェクトに対応するノード、および第3オブジェクトに対応するノードを下位ノードとして持つ分岐ノードとして表示することができる。これにより、第2オブジェクトまたは第3オブジェクトのうちの一つ以上が第1オブジェクトのコピーとして生成されたものと推定することができる。また、第2オブジェクトと第3オブジェクトのコンテンツが互いに異なる主題を持つものと推定することができる。つまり、複数のオブジェクトに対応する複数のノードが上位ノードから分岐して表示される場合に、前記複数のノードに対応するオブジェクトは、互いに異なる主題のコンテンツを含むものと推定することができる。
【0083】
また、関係情報処理部213は、オブジェクトグループに属する一つ以上のオブジェクトの全体関係をユーザインターフェース240を介して表示することもできるが、特定のオブジェクトに対応するノードおよびそのノードに関連付けられた一部の上位ノードおよび一部の下位ノードのみを表示することもできる。これは、ユーザが特定の現T-IDに該当するオブジェクトをオブジェクトグループ内で検索または追跡するための場合に有用である。
【0084】
また、ユーザインターフェース240を介してオブジェクト関係を表示するにあたり、特定のオブジェクトに対応するノードに関連する位置に(例えば、当該ノードの周辺部に拡張される形態またはポップアップ形態で)、前記特定のオブジェクトの前記メタデータに含まれているオブジェクト使用類型、現在オブジェクトの名前、最初オブジェクトの名前、オブジェクト等級、使用日時、生成時間、最後に保存された時間、ユーザ名、ユーザランク、所有者の名前、所有者の識別情報、作成者の名前、作成者の識別情報、システムタイプ、端末の識別情報、または部署情報のうちの一つ以上をさらに表示することもできる。
【0085】
関係情報処理部213が処理する関係情報は、端末装置200の要求に応答してサーバ装置300から提供されることもできる。または、関係情報は、端末装置200の要求がなくても、サーバ装置300の決定によって端末装置200に提供されることもできる。
【0086】
また、端末装置200は、あるオブジェクトに対するT-ID情報を更新したりサーバ装置300に伝送したりしていなくても、当該オブジェクトに対する関係情報をサーバ装置300から受信して関係情報を処理することもできる。つまり、T-ID情報を更新およびサーバに伝送する端末と、関係情報を受信してオブジェクト間の関係を表示する端末とが必ずしも同じ端末である必要はない。または、端末装置200は、T-ID更新部211、メタデータ生成部212、関係情報処理部213の一部のみを含んで構成されてもよい。
【0087】
サーバ装置300は、プロセッサ310、送受信機320、メモリ330およびユーザインターフェース340を含むことができる。プロセッサ310、送受信機320、メモリ330およびユーザインターフェース340は、バスなどを介してデータ、要求、応答、命令などのやり取りを行うことができる。
【0088】
プロセッサ310は、送受信機320、メモリ330およびユーザインターフェース340の動作を制御することができる。また、プロセッサ310は、図2に示していないサーバ装置300の構成要素を含むサーバ装置300の全般的な動作を制御することができる。
【0089】
送受信機320は、有線または無線で他のオブジェクト(例えば、端末装置)とデータをやり取りする物理階層の機能を行うことができる。
【0090】
メモリ330は、プロセッサ310で生成または処理された情報、サーバ装置300の動作に関連するソフトウェア、オペレーティングシステム、アプリケーションなどを保存することができ、バッファなどの構成要素を含むこともできる。また、メモリ330は、本開示に係るT-ID情報を含むメタデータを保存することができる。また、メモリ330は、本開示に係る関係情報を保存することもできる。
【0091】
ユーザインターフェース340は、サーバ装置300に対する使用の操作、入力などを検知してプロセッサ310に伝達するか、或いはプロセッサ310の処理結果をユーザが認識することができる様々な方式で出力することができる。
【0092】
プロセッサ310は、メタデータ管理部311および関係情報管理部312を含むことができる。
【0093】
メタデータ管理部311は、送受信機320を介して一つ以上の端末装置200のそれぞれから受信されたメタデータを管理することができる。メタデータは、端末装置200のそれぞれで更新されたオブジェクトのT-ID情報を含むことができる。サーバ装置300が複数の端末装置200からメタデータを受信する時点は、同時であってもよく、互いに異なる時点であってもよい。
【0094】
メタデータに含まれるT-IDの更新、メタデータの生成および伝送に対する具体的な構成は、端末装置200に関連して説明した内容と重複するので、ここでは説明を省略する。
【0095】
関係情報管理部312は、一つ以上の端末装置200から受信された一つ以上のオブジェクトに対するメタデータに基づいて前記一つ以上のオブジェクトに対する関係情報を生成することができる。関係情報管理部312は、関係情報を生成する直前まで受信された最新のメタデータに基づいて関係情報を生成することができる。このような関係情報は、共通のC-IDを持つ一つ以上のオブジェクトを含むオブジェクトグループに対して生成されることも可能である。
【0096】
関係情報管理部312は、生成された関係情報を送受信機320を介して一つ以上の端末装置200のそれぞれに伝送することができる。例えば、サーバ装置300は、端末装置200の要求がある場合に関係情報を当該端末装置200に伝送することもでき、端末装置200の要求がなくてもサーバ装置300の決定によって関係情報を伝送することもできる。
【0097】
T-IDに基づいて構成される関係情報の具体的な構成は、端末装置200について説明した内容と重複するので、ここでは説明を省略する。
【0098】
図3は本開示に係るオブジェクト管理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0099】
ステップS310で、端末でオブジェクトが開くことができる。
【0100】
ステップS320で、端末でオブジェクト保存イベントが発生するかをモニタリングする動作が行われ得る。
【0101】
ステップS330で、端末でオブジェクトが最初に保存されるか否かが決定できる。前述したように、オブジェクトが別の名前で保存される場合、オブジェクトが最初に保存されるものと看做すことができる。
【0102】
オブジェクトが最初に保存される場合には、ステップS340に進み、オブジェクトがまだ保存されないか或いは最初の保存ではない場合には、ステップS320に戻ることができる。
【0103】
ステップS340で、端末は、オブジェクトに対するT-ID情報を更新することができる。つまり、T-ID情報は、当該オブジェクトが保存される場合に更新できる。
【0104】
T-ID更新は、親T-IDおよび現T-IDを割り当てることを含むことができる。親T-IDは、オブジェクトが保存される直前の現T-IDが存在する場合、それと同じ値に割り当てられ得る。または、オブジェクトが最初に生成されて保存直前の現T-IDが存在しない場合には、親T-IDはエムプティ(empty)またはヌル(null)値に割り当てられ得る。現T-IDは、オブジェクトが保存される時点で固有の値に新たに割り当てられ得る。
【0105】
ステップS350で、端末は、更新されたT-ID情報をメタデータとして記録することができる。例えば、更新されたT-ID情報を含むメタデータは、端末のメモリに一時的に保存されることもでき、オブジェクトのコンテンツデータと区分される領域(例えば、ヘッダ領域)に記録されることもできる。
【0106】
ステップS360で、端末は、更新されたT-ID情報を含むメタデータをサーバに伝送することができる。
【0107】
ステップS370で、端末でオブジェクトが閉じるか否かが決定できる。
【0108】
オブジェクトが閉じる場合には、終了し、オブジェクトが未だ閉じない場合には、ステップS320に戻ることができる。
【0109】
図4は本開示に係るオブジェクト管理方法の追加的な例示を説明するためのフローチャートである。
【0110】
ステップS410で、端末でオブジェクトが開くことができる。
【0111】
ステップS420で、端末でオブジェクトコンテンツ変更イベントが発生するかをモニタリングする動作が行われ得る。オブジェクトのコンテンツの変更は、コンテンツの追加、コンテンツの一部または全部を新しいコンテンツに置き換えること、コンテンツの順序変更、コンテンツの一部または全部の削除ことなどを含むことができる。
【0112】
ステップS430で、端末でオブジェクトのコンテンツが変更されるか否か決定できる。
【0113】
オブジェクトのコンテンツが変更される場合には、ステップS440に進み、オブジェクトのコンテンツが変更されない場合には、ステップS420に戻ることができる。
【0114】
ステップS440で、端末でオブジェクト保存イベントが発生するかをモニタリングする動作が行われ得る。
【0115】
ステップS450で、端末でオブジェクトが最初に保存されるか否かが決定できる。前述したように、オブジェクトが別の名前で保存される場合、オブジェクトが最初に保存されるものと看做すことができる。
【0116】
オブジェクトが最初に保存される場合には、ステップS460に進み、オブジェクトがまだ保存されないか或いは最初の保存ではない場合には、ステップS420に戻ることができる。
【0117】
ステップS460で、端末は、オブジェクトに対するT-ID情報を更新することができる。つまり、T-ID情報は、当該オブジェクトのコンテンツが変更されて最初に保存される場合に更新できる。
【0118】
オブジェクトエディタの動作方式に応じて、オブジェクトのコンテンツの変更がある場合にのみ、オブジェクトの保存が可能であってもよく、オブジェクトのコンテンツの変更有無とは関係なく、オブジェクトの保存が可能であってもよい。よって、図4の例示によれば、オブジェクトのコンテンツが変更/保存された場合に、オブジェクトのT-ID更新が支援できる。
【0119】
T-ID更新は、親T-IDおよび現T-IDを割り当てることを含むことができる。親T-IDは、オブジェクトが保存される直前の現T-IDが存在する場合、それと同じ値に割り当てられ得る。または、オブジェクトが最初に生成されて保存直前の現T-IDが存在しない場合には、親T-IDはエムプティまたはヌル値に割り当てられ得る。現T-IDは、オブジェクトが保存される時点で固有の値に新しく割り当てられ得る。
【0120】
ステップS470で、端末は、更新されたT-ID情報をメタデータとして記録することができる。例えば、更新されたT-ID情報を含むメタデータは、端末のメモリに一時的に保存されることもでき、オブジェクトのコンテンツデータと区分される領域(例えば、ヘッダ領域)に記録されることもできる。
【0121】
ステップS480で、端末は、更新されたT-ID情報を含むメタデータをサーバに伝送することができる。
【0122】
ステップS490で、端末でオブジェクトが閉じるか否かが決定できる。
【0123】
オブジェクトが閉じる場合には、終了し、オブジェクトがまだ閉じらない場合には、ステップS420に戻ることができる。
【0124】
図5は本開示に係るオブジェクト関係表示の例示を示す図である。
【0125】
図5は、一つのオブジェクトグループ500に含まれている複数のオブジェクトの例示的な関係をツリーグラフ(tree graph)の形態で表す例示に該当する。本開示の範囲は、オブジェクト関係をツリーグラフで表現することに制限されるものではなく、放射状関係図やタイムラインの関係図の形態など、さまざまな方式でオブジェクト関係を表現し、このような表現のための関係情報を構成することを含む。
【0126】
サーバは、端末から提供されたT-IDを含むメタデータに基づいて関係情報を構成し、端末に提供することができる。端末では、サーバから提供された関係情報に基づいて、図5の例示のようなオブジェクト関係を表示することができる。
【0127】
図5の一つのオブジェクトグループ500に属するオブジェクトはいずれも、共通のC-ID(例えば、C-ID#X)を持つものと仮定する。これらのオブジェクトのそれぞれに割り当てられた親T-ID(parent T-ID)と現T-ID(current T-ID)値は、当該オブジェクトの変更/保存時に割当または更新されたものであり、サーバへ提供できる。
【0128】
第1オブジェクト511は、ユーザA(User A)によって最初に生成されたもので、親T-ID値がヌル値に割り当てられ、現T-ID値が#1に割り当てられる。第1オブジェクトは、タイトル(Title)がT1と付与できる。
【0129】
第2オブジェクト512の親T-ID値が#1である。これは、第1オブジェクト511の現T-ID値と同じである。よって、第2オブジェクト512は、第1オブジェクト511から誘導されたものと推定することができる。第2オブジェクト512のタイトルはT1に維持され、ユーザBによってオブジェクトが変更/保存されたものと看做すことができる。
【0130】
第3オブジェクト513の親T-ID値が#2であり、これは、第2オブジェクト512の現T-ID値と同じである。よって、第3オブジェクト513は、第2オブジェクト512から誘導されたものと推定することができる。第3オブジェクト513のタイトルはT1に維持され、ユーザBによってオブジェクトが変更/保存されたものと看做すことができる。
【0131】
関係情報を示すグラフにおいて複数のノードが線形的に表示される場合、複数のノードに該当するオブジェクトは、同等な主題のコンテンツを含む同等のオブジェクト(Equivalent Object、EO)グループと推定することができる。図5の例示において、第1乃至第3オブジェクト511、512、513はEOグループ#1(EO group#1)を構成することができる。
【0132】
次に、第4オブジェクト521は親T-ID値が#3であり、これは第3オブジェクト513の現T-ID値と同じである。よって、第4オブジェクト521は、第3オブジェクト513から誘導されたものと推定することができる。第4オブジェクト521のタイトルはT2に変更され、ユーザCによってオブジェクトが変更/保存されたものと看做すことができる。
【0133】
第5オブジェクト531は親T-ID値が#3であり、これは第3オブジェクト513の現T-ID値と同じである。したがって、第5オブジェクト531は、第3オブジェクト513から誘導されたものと推定することができる。第5オブジェクト531のタイトルはT1に維持され、ユーザEによってオブジェクトが変更/保存されたものと看做すことができる。
【0134】
このような場合には、第4オブジェクト521と第5オブジェクト531に該当するノードは、第3オブジェクトに該当するノードから分岐したものと表示できる。この場合、第4オブジェクト521は、第3オブジェクト513が開いた後に変更/保存されたオブジェクトに該当し、第5オブジェクト531は、第3オブジェクト513からコピーされた後に変更/保存されたオブジェクト、または別の名前で保存されたオブジェクトに該当するものと推定することができる。または、第4オブジェクト521は、第3オブジェクト513からコピーされた後、コピーされたオブジェクトが開いた後に変更/保存されたオブジェクト、または別の名前で保存されたオブジェクトに該当し、第5オブジェクト531は、第3オブジェクト513が開いた後に変更/保存されたオブジェクトに該当するものと推定することもできる。または、第4オブジェクト521および第5オブジェクト531のそれぞれは、第3オブジェクト513からコピーされた後、コピーされたオブジェクトが開いた後に変更/保存されたオブジェクト、または別の名前で保存されたオブジェクトに該当することもできる。このように、第4オブジェクト521および第5オブジェクト531が第3オブジェクト513から分岐した場合、第4オブジェクト521および第5オブジェクト531は、互いに異なる主題のコンテンツを含むものと推定することができる。
【0135】
第4オブジェクト521、第6オブジェクト522および第7オブジェクト523は、ユーザC、D、Bの順に変更/保存され、タイトルがT1に維持されたものと看做すことができる。第4オブジェクト521、第6オブジェクト522および第7オブジェクト523は、線形的に表示されるので、同等のコンテンツを含むEOグループ(EO group#2)を構成するものと推定できる。
【0136】
第5オブジェクト531および第8オブジェクト532は、ユーザEによって変更/保存されたものと看做すことができる。第5オブジェクト531および第8オブジェクト532は、線形的に表示されるので、同等のコンテンツを含むEOグループ(EO group#3)を構成するものと推定できる。
【0137】
次に、第9オブジェクト541および第10オブジェクト551は、第8オブジェクト532から分岐して表示されるので、互いに異なる主題のコンテンツを含むものと推定することができる。
【0138】
第9オブジェクト541および第11オブジェクト542は、ユーザCおよびDの順に変更/保存され、タイトルがT3からT4に変更されるものと看做すことができる。第9オブジェクト541および第11オブジェクト542は、線形的に表示されるので、同等のコンテンツを含むEOグループ(EO group#4)を構成するものと推定できる。
【0139】
第10オブジェクト551は、ユーザBによって変更/保存されたオブジェクトであり、タイトルがT7に変更されたものと看做すことができる。第10オブジェクト551は、単独で一つのEOグループ(EO group#5)を構成することができる。
【0140】
例えば、第1乃至第11オブジェクト511、512、513、521、531、522、523、541、551、542は、変更/保存される時点の順序に従って、現T-ID値(#1、#2、#3、#4、#5、#6、#7、#8、#9、#10、#11)が割り当てられることも可能である。しかし、本開示の範囲がこれに制限されるものではなく、それぞれのオブジェクトの現T-ID値は、他のオブジェクトのT-IDと区分できる固有の値に割り当てられるものであって、十分にオブジェクト追跡性を提供することができる。
【0141】
さらに、図5の例示において、第5オブジェクト522が生成される前に、第1乃至第4オブジェクト511、512、513、521までのみ生成された状態を仮定する。この場合、第1乃至第4オブジェクト511、512、513、521は、線形的に表示される。当該時点では、第1乃至第4オブジェクト511、512、513、521は、同等な主題のコンテンツを持つものと推定できる。
【0142】
例えば、「製品紹介」という主題のコンテンツを含む第3オブジェクト513をユーザCがファイルマネージャを介してコピーした後にオブジェクトを開き、「旅行計画」という主題のコンテンツに変更し、第4オブジェクト521に保存された状況を仮定することができる。この場合、実際には、第4オブジェクト521と第3オブジェクト513のコンテンツが互いに異なる主題であるとしても、線形的な関係で表示されるので、第1乃至第4オブジェクト511、512、513、521が同等な主題のコンテンツを持つものと推定できる。
【0143】
その後、「製品紹介」という主題のコンテンツを含む第3オブジェクト513をユーザEが電子メールを介してダウンロードし、その後、オブジェクトを開いて一部のコンテンツを追加した後、第5オブジェクト531として保存された状況を仮定することができる。この場合、第5オブジェクト531が変更/保存される時点で、第3オブジェクト513から新しい分岐が形成できる。これにより、第4オブジェクト521と第5オブジェクト531は、互いに異なる主題のコンテンツを持つものと推定することができる。
【0144】
したがって、オブジェクトのT-ID情報に基づいて構成される関係情報に基づいてオブジェクト関係を表示する場合、線形区間は、同等な主題のオブジェクトグループを構成し、分岐区間は、新しい主題のコピーが生成されるものと推定することができる。また、線形区間の最後のオブジェクトは、当該主題のオブジェクトのうちの最新バージョンであると推定することができる。
【0145】
このようにオブジェクトの関係情報に基づくオブジェクト関係を表示することにより、特定のC-IDを持つオブジェクトグループに属するオブジェクト間のコンテンツ変更履歴、ユーザ間のコラボレーション履歴、コピーの作成履歴、オブジェクトの流出経路などを推定するオブジェクト追跡性を提供することができる。
【0146】
また、特定の現T-IDに該当するオブジェクトを中心にオブジェクト関係を表示することもできる。この場合、前記特定の現T-ID値を持つオブジェクトを、全体オブジェクトの中から検索し、検索されたオブジェクトと関係を結ぶ他のオブジェクトを表示することができる。これにより、検索されたオブジェクトがどのオブジェクトから誘導されたのか、検索されたオブジェクトと同等な主題を持つオブジェクトは何なのか、検索されたオブジェクトとは異なる主題を持つオブジェクトが何なのか、検索されたオブジェクトの後にさらにコンテンツが変更された或いはコピーが作成された履歴があるかなどを推定することができる。
【0147】
例えば、現T-ID#4で検索すると、第4オブジェクト521が検索され、第4オブジェクト521と同等な主題のコンテンツを含むオブジェクト(つまり、EOグループ#2に属するオブジェクト)の中から第7オブジェクト523が最新バージョンに該当し、ユーザDおよびBによってコンテンツが変更されたことを推定することができる。また、EOグループ#2に属していない残りのオブジェクトは、第4オブジェクト521とはコンテンツの主題が異なるものと推定することもできる。
【0148】
また、互いに異なるEOグループに属しているオブジェクトの場合にも、特定のオブジェクトと線形的な関係を持つオブジェクトは、類似するコンテンツまたは形式を持っているものと推定することができる。例えば、第9オブジェクト541は、第1、第2、第3、第5、第8オブジェクト511、512、513、531、532とはコンテンツの一部でも同じ或いは類似するか、或いはオブジェクトの形式が同じ或いは類似するものと推定することができる。
【0149】
また、特定の現T-IDに該当するオブジェクトを中心にオブジェクト関係を表示する場合、分岐ノードは縮小された形態で表示し、線形ノード区間だけをタイムライン形態で表示することもできる。必要に応じて、縮小された分岐ノードを選択することにより、当該ノードから分岐する他のノードを拡張された形態で表示することもできる。ここで、縮小されたノードは、当該ノードから分岐する複数のEOグループを代表して表示することに該当することもできる。
【0150】
また、オブジェクト関係を表示するにあたり、EOグループの最上位ノードを代表にして表示するか、或いはEOグループの最下位ノード(すなわち、最新バージョンのオブジェクト)を代表にして表示することもできる。例えば、EOグループ#2が一つのノードとして縮小されて表示されることもでき、第4オブジェクト521が第6および第7オブジェクト522、523を代表するノードとして縮小されて表示されることもでき、或いは第7オブジェクト523が第4および第6のオブジェクト521、522を代表するノードとして縮小されて表示されることもできる。必要に応じて、縮小された代表ノードを選択することにより、当該ノードが含まれているEOグループの全体ノードを拡張された形態で表示することもできる。
【0151】
また、オブジェクト関係を表示することにより、特定のオブジェクトの流出経路を推定することもできる。例えば、第9オブジェクト541が流出したと特定される場合、当該オブジェクトを変更/保存したユーザC、または当該オブジェクトの上位および下位ノードのオブジェクトを変更/保存したユーザEおよびDがオブジェクト流出に関与したものと推定することもできる。
【0152】
図6および図7は本開示に係るオブジェクト追跡シナリオの例示を説明するための図である。
【0153】
図6および図7で例示的に示すオブジェクト関係グラフ600は、ユーザが端末でオブジェクト追跡オプションとしてT-IDを選択し、特定のT-IDを入力して検索した結果に該当することができる。
【0154】
さらに、ユーザは、オブジェクト使用類型、現在オブジェクトの名前、最初オブジェクトの名前、オブジェクトの等級、使用日時、生成時間、最後に保存された時間、ユーザ名、ユーザランク、所有者の名前、所有者の識別情報、作成者の名前、作成者の識別情報、システムタイプ、端末の識別情報、または部署情報の中の一つまたは二つ以上の組み合わせをオブジェクト追跡オプションとして設定することもできる。
【0155】
T-IDに基づいてオブジェクトを検索した場合、当該T-IDを含むオブジェクトのリストが提供できる。例えば、ユーザが入力したT-IDを親T-IDとして持つオブジェクト、およびユーザが入力したT-IDを現T-IDとして持つオブジェクトが特定できる。または、ユーザがT-IDの一部のみ入力した場合(例えば、T-IDが10桁の数字および文字の組み合わせのフォーマットで構成される場合、10桁未満の値を入力した場合)、入力されたT-IDを含むオブジェクトのリストがユーザに提供できる。オブジェクトリストは、T-ID、オブジェクトの名前、原本オブジェクトの名前、使用日時などの情報を含むことができる。ユーザは、T-IDに基づくオブジェクト検索結果リストの中から一つのオブジェクトをターゲットオブジェクトとして選択することができる。
【0156】
このように、T-IDに基づいてターゲットオブジェクトが特定される場合、ターゲットオブジェクトを含むオブジェクト関係グラフが図6の例示のように表示できる。
【0157】
図6の例示では、T-IDに基づいて検索されたターゲットオブジェクトに該当するノード620と、ターゲットオブジェクトに関連付けられたオブジェクトに該当するノードの関係グラフ600が表示される。
【0158】
オブジェクト関係グラフの中で任意のオブジェクトに該当するノードをユーザが指示(またはポインタオーバーラップ)する場合、当該オブジェクトの現T-ID値がノードの周辺部に表示できる。図6の例示では、ターゲットオブジェクトノード620をユーザが指示した場合、該当するT-ID値がノードの周辺部に表示されることを示す。
【0159】
例えば、ターゲットオブジェクトノード620に該当するオブジェクトは、Proposal1.xlsという名前を持つ文書であり得る。ターゲットオブジェクトノード620は、拡張されたノードとして表示され、これは、当該ノード620から下位ノード630、640が分岐する形態で表示されることを意味する。また、ターゲットオブジェクトノード620の上位ノード610は、同じC-IDを持つオブジェクトの最上位ノード(またはルートノード)に該当することができる。
【0160】
また、図6の例示において、ノード650は縮小されたノードとして表示され、これは、当該ノード650から分岐した下位ノードがあるが、表示されていないことを意味する。
【0161】
図6の例示において、ユーザが縮小されたノード650の拡張を命令する場合、図7の例示のように、ノード650から分岐する下位ノード660、670を含む分岐区間が表示できる。
【0162】
図7の例示において、ユーザは、新たに表示されたノード670を指示(またはポインタオーバーラップ)する場合、当該オブジェクトの現T-ID値がノードの周辺部に表示されることを示す。
【0163】
また、ユーザの操作に応じて、オブジェクト関係グラフにおいて一部のノードを含む任意の区間だけを表示することもでき、特定の線形区間(またはEOグループ)、または特定の分岐区間だけを表示することもできる。
【0164】
また、ユーザは、オブジェクト関係グラフの中の一つ以上のノードを選択して、当該ノードに対応する一つ以上のオブジェクトのT-ID情報を確認することができる。これにより、ユーザは、関心のあるオブジェクトのT-ID情報を確認および収集することができ、これに基づいて追加的なオブジェクト追跡を行うことができる。
【0165】
図8は本開示に係るオブジェクト関係表示の追加的な例示を説明するための図である。
【0166】
図8ではT-IDに基づいて検索したターゲットオブジェクトおよびこれに関連付けられたオブジェクトをタイムライン形態で表示する例示を示す。
【0167】
オブジェクトタイムラインは、ターゲットオブジェクトおよびターゲットオブジェクトの上位ノードに該当するオブジェクト(すなわち、親オブジェクト)を基本的に表示することができる。また、タイムラインを移動することにより(例えば、ユーザがポインタをドラッグすることにより)、現在表示されているノードの親ノードまたは子ノードの方向に追加的なノードを新たに表示することができる。
【0168】
オブジェクトタイムラインに表示された任意のオブジェクトに該当するノードをユーザが指示(またはポインタオーバーラップ)する場合、当該オブジェクトの現T-ID値がノードの周辺部に表示できる。
【0169】
図8のタイムラインの例示において、基本的にターゲットオブジェクトノード820および親オブジェクトノード810を表示する。親オブジェクトノード810は、縮小された分岐ノードであることを示すアイコン830が付加でき、縮小された分岐ノードの下位ノードがN個(図8の例示では4つ)存在することを表示することができる。
【0170】
ユーザが特定のノードを選択する場合、選択されたノードに該当するオブジェクトの関連情報がさらに表示できる。オブジェクト関連情報は、オブジェクト使用類型、現在オブジェクトの名前、最初オブジェクトの名前、オブジェクトの等級、使用日時、生成時間、最後に保存された時間、ユーザ名、ユーザランク、所有者の名前、所有者の識別情報、作成者の名前、作成者の識別情報、システムタイプ、端末の識別情報、または部署情報の中の一つまたは二つ以上の組み合わせを含むことができる。
【0171】
また、図8の例示において、タイムラインには、オブジェクト使用イベント840がさらに表示できる。具体的には、オブジェクト使用イベント840の類型、頻度、時点、回数などがタイムラインに表示できる。
【0172】
オブジェクトの使用イベントは、本開示に係るオブジェクトのT-IDを更新する変更/保存処理動作ではなく、オブジェクトの生成、権限の変更、閲覧、暗号化、暗号化解除、システム暗号化、システム暗号化解除、一括暗号化、一括暗号化解除、ウォーターマーク印刷、印刷、廃棄、文書等級の変更、一時ファイルの復旧、所有者の変更などのイベントに該当する。
【0173】
ユーザが特定の使用イベントを指示(またはポインタオーバーラップ)する場合、その使用イベントの要約情報が周辺部に表示できる。使用イベントの要約情報は、当該イベントに関連する累積ユーザおよびイベント累積回数を含むことができる。
【0174】
ユーザが特定の使用イベントを選択する場合、選択された使用イベントの関連情報がさらに表示できる。使用イベント関連情報は、使用類型の詳細項目、使用頻度、使用時間、ユーザ識別子の中の一つ以上を含むことができる。
【0175】
また、T-IDに基づくオブジェクト検索およびオブジェクト関係をタイムライン形態で表示する場合、オブジェクトの使用期間、オブジェクトの使用イベント、ユーザなどを検索オプションとして設定することができる。
【0176】
図9は本開示に係るオブジェクト関係表示の追加的な例示を説明するための図である。
【0177】
図9の例示はオブジェクト関係を放射状のグラフで表示するもので、図6および図7のツリーグラフと類似するオブジェクト関係を示すが、一度に多量のオブジェクト間の関係を表示するために使用できる。
【0178】
図9のようなオブジェクト関係グラフから、ルートオブジェクトは共通のC-IDを持つオブジェクトグループの中から最初に生成されたオブジェクトに該当することを確認することができる。ルートオブジェクトノードは拡張されたノードとして表示され、下位ノードのうちの一部は縮小されたノードとして表示される例示を示す。
【0179】
図9におけるターゲットオブジェクトノードは、親オブジェクトノードから分岐する複数のオブジェクトのうちのいずれか一つに該当することが分かる。また、ターゲットオブジェクトは、ルートオブジェクトから複数回の分岐を経て変更/保存されたもので、類似するコンテンツまたは形式を持つ複数のバージョンのオブジェクトが存在することを確認することができる。
【0180】
また、放射状グラフでオブジェクト関係を表示する場合に、ターゲットオブジェクトに関連する親ノードおよび当該親ノードの親ノードを一度に確認することが難しい可能性もあるので、ターゲットオブジェクトを最終の子ノードとする連鎖的な親-子ノード関係を他のノードの連結線に比べて区別される形態で表示することもできる。
【0181】
また、ユーザの操作に応じて、オブジェクト関係グラフにおいて一部のノードを含む任意の区間だけを表示することもでき、特定の線形区間(またはEOグループ)、または特定の分岐区間だけを表示することもできる。
【0182】
前述した本開示の様々な例示によれば、オブジェクトを変更/保存する場合、T-IDを更新することにより、ユーザがオブジェクトの変更または保存の意図または他のオブジェクトとの関係を直接記録することなく、オブジェクトのコンテンツ変更履歴およびオブジェクトのコピー作成履歴に基づくオブジェクト間の関係を簡単な方式で追跡することができるオブジェクト追跡性を提供することができる。
【0183】
また、T-ID情報を含むメタデータをサーバで収集してオブジェクト間の関係情報を管理することができ、端末では、関係情報に基づくオブジェクト関係を表示することにより、線形区間または分岐区間のオブジェクトの関係からオブジェクトの変更、流出経路などを容易に把握することができる。
【0184】
本開示の例示的な方法は、説明の明確性のために動作のシリーズで表現されているが、これは、ステップが行われる順序を制限するためのものではなく、必要な場合には、それぞれのステップが同時にまたは異なる順序で行われることもできる。本開示に係る方法を実現するために、例示するステップにさらに他のステップを含むか、一部のステップを除いて残りのステップを含むか、或いは一部のステップを除いて追加的な他のステップを含むこともできる。
【0185】
本開示の様々な実施形態は、すべての可能な組み合わせを羅列したものではなく、本開示の代表的な様相を説明するためのものであり、様々な実施形態で説明する事項は、独立して適用されるか或いは二つ以上の組み合わせで適用されることもできる。
【0186】
また、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせなどによって実現できる。ハードウェアによる実現の場合、一つまたはそれ以上のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、汎用プロセッサ(general processor)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって実現できる。
【0187】
本開示の範囲は、様々な実施形態の方法による動作が装置またはコンピュータ上で実行されるようにするソフトウェアまたはマシン実行可能な命令(例えば、オペレーティングシステム、アプリケーション、ファームウェア(firmware)、プログラムなど)、およびこのようなソフトウェアまたは命令などが保存されて装置またはコンピュータ上で実行可能な非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer-readable medium)を含む。
【産業上の利用可能性】
【0188】
本開示の実施形態は、多様なコンピューティング環境で多様なオブジェクト管理方法および装置に適用できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9