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特許7106080固着具締結工具用スタンド、及び固着具締結方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】固着具締結工具用スタンド、及び固着具締結方法
(51)【国際特許分類】
   B21J 15/38 20060101AFI20220719BHJP
   B21J 15/02 20060101ALI20220719BHJP
   B23Q 9/00 20060101ALI20220719BHJP
   B62B 3/10 20060101ALI20220719BHJP
   B62B 3/065 20060101ALI20220719BHJP
【FI】
B21J15/38 Z
B21J15/02 Z
B23Q9/00 Z
B62B3/10 B
B62B3/065
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020158328
(22)【出願日】2020-09-23
(65)【公開番号】P2022052133
(43)【公開日】2022-04-04
【審査請求日】2021-12-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518372028
【氏名又は名称】株式会社津田工業
(74)【代理人】
【識別番号】100137327
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 勝義
(72)【発明者】
【氏名】津田 義久
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-122778(JP,U)
【文献】実開平06-086837(JP,U)
【文献】実開昭62-001880(JP,U)
【文献】実開昭56-122534(JP,U)
【文献】実公昭47-020359(JP,Y1)
【文献】特開平07-187059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21J 15/00 - 15/38
B25C 1/00
B25C 7/00
B27F 7/00
B23Q 9/00
B25H 1/10
B62B 3/065
B62B 3/10
B25F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固着具を被取付部材に締結する固着具締結工具が取り付けられる固着具締結工具用スタンドであって、
該固着具を装着する装着部を上方に向けて該固着具締結工具が着脱可能に取り付けられる工具取付プレートと、該工具取付プレートを支える支柱と、フットペダルとを有し、
該固着具締結工具は、該フットペダルによりON状態とOFF状態とが切り替えられ、
前記フットペダルは前記固着具締結工具のトリガレバーに機械的に直結され、該フットペダルを踏むことにより該トリガレバーが引かれて該固着具締結工具がON状態になり、該フットペダルから足を離すことにより該トリガレバーが戻されて該固着具締結工具がOFF状態になることを特徴とする固着具締結工具用スタンド。
【請求項2】
固着具を被取付部材に締結する固着具締結工具が取り付けられる固着具締結工具用スタンドであって、
該固着具を装着する装着部を上方に向けて該固着具締結工具が着脱可能に取り付けられる工具取付プレートと、該工具取付プレートを支える支柱と、フットペダルとを有し、
該固着具締結工具は、該フットペダルによりON状態とOFF状態とが切り替えられ、
前記固着具締結工具の動力源は電気であり、
前記固着具締結工具のトリガレバーは引かれた状態で固定され、
前記フットペダルを踏むことにより接点が閉じ電気が供給されて該固着具締結工具がON状態になり、該フットペダルから足を離すことにより該接点が開き電気の供給が停止されて該固着具締結工具がOFF状態になることを特徴とする固着具締結工具用スタンド。
【請求項3】
固着具を被取付部材に締結する固着具締結工具が取り付けられる固着具締結工具用スタンドであって、
該固着具を装着する装着部を上方に向けて該固着具締結工具が着脱可能に取り付けられる工具取付プレートと、該工具取付プレートを支える支柱と、フットペダルとを有し、
該固着具締結工具は、該フットペダルによりON状態とOFF状態とが切り替えられ、
前記固着具締結工具の動力源はエアであり、
前記固着具締結工具のトリガレバーは引かれた状態で固定され、
前記フットペダルを踏むことによりメカニカルバルブが開きエアが供給されて該固着具締結工具がON状態になり、該フットペダルから足を離すことにより該メカニカルバルブが閉じエアの供給が停止されて該固着具締結工具がOFF状態になることを特徴とする固着具締結工具用スタンド。
【請求項4】
固着具を被取付部材に締結する固着具締結工具が取り付けられる固着具締結工具用スタンドであって、
該固着具を装着する装着部を上方に向けて該固着具締結工具が着脱可能に取り付けられる工具取付プレートと、該工具取付プレートを支える支柱と、フットペダルとを有し、
該固着具締結工具は、該フットペダルによりON状態とOFF状態とが切り替えられ、
前記固着具締結工具は、先端部に前記装着部を備えたツールハウジングと、該ツールハウジングから突出するハンドル部とを有し、
前記工具取付プレートには、該装着部を該工具取付プレートに垂直に上方に向けて該ツールハウジング及び該ハンドル部の略半分が前記ベースプレート方向に嵌入可能な取付孔が設けられ、
該取付孔には、該ツールハウジング及び該ハンドル部のガタツキ、及び落下を阻止するハウジング受け及びハンドル部受けが設けられていることを特徴とする固着具締結工具用スタンド。
【請求項5】
前記ハウジング受け及び前記ハンドル部受けは、上方に開口するコの字形状をなして前記工具取付プレートの下面側に取り付けられ、該工具取付プレートに平行に設けられ前記ツールハウジング及び前記ハンドル部を受けて支える板状の受け板と、該受け板の両端から垂直に該工具取付プレートまで延在して該ツールハウジング及び該ハンドル部の側面と当接する板状の2枚の側板とを有し、
該ハウジング受けには、2枚の該側板の一端を連結して該ツールハウジングと当接するズレ防止板が設けられていることを特徴とする請求項4記載の固着具締結工具用スタンド。
【請求項6】
固着具を被取付部材に締結する固着具締結工具が取り付けられる固着具締結工具用スタンドであって、
該固着具を装着する装着部を上方に向けて該固着具締結工具が着脱可能に取り付けられる工具取付プレートと、該工具取付プレートを支える支柱と、フットペダルとを有し、
該固着具締結工具は、該フットペダルによりON状態とOFF状態とが切り替えられ、
前記固着具締結工具は、先端部に前記装着部を備えたツールハウジングと、該ツールハウジングから突出するハンドル部とを有し、
前記工具取付プレートには、該装着部を該工具取付プレートに垂直に上方に向けて該固着具締結工具を固着するとともに、該ツールハウジング及び該ハンドル部のガタツキ、及び落下を阻止するハウジング台及びハンドル部受けが設けられ、
該ハウジング台は下方に開口するコの字形状をなし、該ハンドル部受けは上方に開口するコの字形状をなして該工具取付プレートの上面側に取り付けられ、
該ハウジング台は、該工具取付プレートに平行に設けられ該ツールハウジングを支持する板状の支持板と、該支持板の両端から垂直に該工具取付プレートまで延在する板状の2枚の側板とを有し、
該支持板には該ツールハウジングの後端部が嵌入される嵌入孔が設けられ、
該ハンドル部受けは、該工具取付プレートに密着して設けられ該ハンドル部を受けて支える板状の受け板と、該受け板の両端から垂直に突出して該ハンドル部の側面と当接する板状の2枚の側板とを有していることを特徴とする固着具締結工具用スタンド。
【請求項7】
前記支柱の下端には、床面に載置されるベースプレートが設けられ、
該ベースプレート、及び前記工具取付プレートは板状をなし、該支柱は該ベースプレートと該工具取付プレートとの外縁を連結することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の固着具締結工具用スタンド。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項記載の固着具締結工具用スタンドを用いた固着具締結方法であって、
該固着具締結工具用スタンドに前記固着具締結工具を取り付ける準備工程と、
該固着具締結工具の前記装着部に前記固着具をセットする固着具セット工程と、
該固着具に前記被取付部材の所定位置の締結孔を合わせた後、前記フットペダルを踏んで該被取付部材に該固着具を締結する固着具締結工程と、を有し、
該被取付部材のすべての該締結孔に該固着具が締結されるまで、該固着具セット工程、及び該固着具締結工程を繰り返すことを特徴とする固着具締結方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固着具を被取付部材に締結する固着具締結工具が取り付けられる固着具締結工具用スタンド、及び固着具締結方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1、2に示されるように、ブラインドリベット、ブラインドナット等の固着具を被取付部材に締結する固着具締結工具が知られている。一般に、ブラインドリベットで複数の被取付部材を締結する固着具締結工具はリベッター、被取付部材にブラインドナットを締結する固着具締結工具はナッターと呼ばれている。リベッター、及びナッターを用いると、被取付部材の一面側からブラインドリベット、ブラインドナットを取り付け可能であれば、他面側から取り付け不可能な状態であっても被取付部材にブラインドリベット、ブラインドナットを締結することができる。また、リベッター、及びナッターによる締結は、溶接による締結のように火花等が発生しないだけでなく、溶接後の後処理であるスパッタ除去が不要である。そのため、近年、リベッター、及びナッターを用いてブラインドリベット、ブラインドナット等を被取付部材に締結する方法がよく採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-223631号公報
【文献】特開2020-110829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1、2の固着具締結工具では、片方の手で固着具締結工具を操作しなければならないため、両手で被取付部材を取り扱うことができず不便である。特に、被取付部材が大きい場合や重量がある場合には取り扱いが不便である。また、これらの固着具締結工具を長時間使用した場合には、トリガレバーを引く指に負担がかかるだけでなく、固着具締結工具自体が重く感じられ手全体、腕にも負担がかかる。そのため、十分な締結力を得ることができない場合も生じ得る。
【0005】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、両手で被取付部材を取り扱うことができ、十分な締結力を得ることができる固着具締結工具用スタンド、及び固着具締結方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項に係る固着具締結工具用スタンドの特徴は、固着具を被取付部材に締結する固着具締結工具が取り付けられる固着具締結工具用スタンドであって、
該固着具を装着する装着部を上方に向けて該固着具締結工具が着脱可能に取り付けられる工具取付プレートと、該工具取付プレートを支える支柱と、フットペダルとを有し、
該固着具締結工具は、該フットペダルによりON状態とOFF状態とが切り替えられ、
前記フットペダルは前記固着具締結工具のトリガレバーに機械的に直結され、該フットペダルを踏むことにより該トリガレバーが引かれて該固着具締結工具がON状態になり、該フットペダルから足を離すことにより該トリガレバーが戻されて該固着具締結工具がOFF状態になることである。
【0009】
請求項に係る固着具締結工具用スタンドの特徴は、固着具を被取付部材に締結する固着具締結工具が取り付けられる固着具締結工具用スタンドであって、
該固着具を装着する装着部を上方に向けて該固着具締結工具が着脱可能に取り付けられる工具取付プレートと、該工具取付プレートを支える支柱と、フットペダルとを有し、
該固着具締結工具は、該フットペダルによりON状態とOFF状態とが切り替えられ、
前記固着具締結工具の動力源は電気であり、
前記固着具締結工具のトリガレバーは引かれた状態で固定され、
前記フットペダルを踏むことにより接点が閉じ電気が供給されて該固着具締結工具がON状態になり、該フットペダルから足を離すことにより該接点が開き電気の供給が停止されて該固着具締結工具がOFF状態になることである。
【0010】
請求項に係る固着具締結工具用スタンドの特徴は、固着具を被取付部材に締結する固着具締結工具が取り付けられる固着具締結工具用スタンドであって、
該固着具を装着する装着部を上方に向けて該固着具締結工具が着脱可能に取り付けられる工具取付プレートと、該工具取付プレートを支える支柱と、フットペダルとを有し、
該固着具締結工具は、該フットペダルによりON状態とOFF状態とが切り替えられ、
前記固着具締結工具の動力源はエアであり、
前記固着具締結工具のトリガレバーは引かれた状態で固定され、
前記フットペダルを踏むことによりメカニカルバルブが開きエアが供給されて該固着具締結工具がON状態になり、該フットペダルから足を離すことにより該メカニカルバルブが閉じエアの供給が停止されて該固着具締結工具がOFF状態になることである。
【0011】
請求項に係る固着具締結工具用スタンドの特徴は、固着具を被取付部材に締結する固着具締結工具が取り付けられる固着具締結工具用スタンドであって、
該固着具を装着する装着部を上方に向けて該固着具締結工具が着脱可能に取り付けられる工具取付プレートと、該工具取付プレートを支える支柱と、フットペダルとを有し、
該固着具締結工具は、該フットペダルによりON状態とOFF状態とが切り替えられ、
前記固着具締結工具は、先端部に前記装着部を備えたツールハウジングと、該ツールハウジングから突出するハンドル部とを有し、
前記工具取付プレートには、該装着部を該工具取付プレートに垂直に上方に向けて該ツールハウジング及び該ハンドル部の略半分が前記ベースプレート方向に嵌入可能な取付孔が設けられ、
該取付孔には、該ツールハウジング及び該ハンドル部のガタツキ、及び落下を阻止するハウジング受け及びハンドル部受けが設けられていることである。
【0012】
請求項に係る固着具締結工具用スタンドの特徴は、請求項4において前記ハウジング受け及び前記ハンドル部受けは、上方に開口するコの字形状をなして前記工具取付プレートの下面側に取り付けられ、該工具取付プレートに平行に設けられ前記ツールハウジング及び前記ハンドル部を受けて支える板状の受け板と、該受け板の両端から垂直に該工具取付プレートまで延在して該ツールハウジング及び該ハンドル部の側面と当接する板状の2枚の側板とを有し、
該ハウジング受けには、2枚の該側板の一端を連結して該ツールハウジングと当接するズレ防止板が設けられていることである。
【0013】
請求項に係る固着具締結工具用スタンドの特徴は、固着具を被取付部材に締結する固着具締結工具が取り付けられる固着具締結工具用スタンドであって、
該固着具を装着する装着部を上方に向けて該固着具締結工具が着脱可能に取り付けられる工具取付プレートと、該工具取付プレートを支える支柱と、フットペダルとを有し、
該固着具締結工具は、該フットペダルによりON状態とOFF状態とが切り替えられ、
前記固着具締結工具は、先端部に前記装着部を備えたツールハウジングと、該ツールハウジングから突出するハンドル部とを有し、
前記工具取付プレートには、該装着部を該工具取付プレートに垂直に上方に向けて該固着具締結工具を固着するとともに、該ツールハウジング及び該ハンドル部のガタツキ、及び落下を阻止するハウジング台及びハンドル部受けが設けられ、
該ハウジング台は下方に開口するコの字形状をなし、該ハンドル部受けは上方に開口するコの字形状をなして該工具取付プレートの上面側に取り付けられ、
該ハウジング台は、該工具取付プレートに平行に設けられ該ツールハウジングを支持する板状の支持板と、該支持板の両端から垂直に該工具取付プレートまで延在する板状の2枚の側板とを有し、
該支持板には該ツールハウジングの後端部が嵌入される嵌入孔が設けられ、
該ハンドル部受けは、該工具取付プレートに密着して設けられ該ハンドル部を受けて支える板状の受け板と、該受け板の両端から垂直に突出して該ハンドル部の側面と当接する板状の2枚の側板とを有していることである。
【0014】
請求項7に係る固着具締結工具用スタンドの特徴は、前記支柱の下端には、床面に載置されるベースプレートが設けられ、
該ベースプレート、及び前記工具取付プレートは板状をなし、該支柱は該ベースプレートと該工具取付プレートとの外縁を連結することである
【0015】
請求項8に係る固着具締結方法の特徴は、請求項1乃至7のいずれか1項記載の固着具締結工具用スタンドを用いた固着具締結方法であって、
該固着具締結工具用スタンドに前記固着具締結工具を取り付ける準備工程と、
該固着具締結工具の前記装着部に前記固着具をセットする固着具セット工程と、
該固着具に前記被取付部材の所定位置の締結孔を合わせた後、前記フットペダルを踏んで該被取付部材に該固着具を締結する固着具締結工程と、を有し、
該被取付部材のすべての該締結孔に該固着具が締結されるまで、該固着具セット工程、及び該固着具締結工程を繰り返すことである
【発明の効果】
【0019】
請求項に係る固着具締結工具用スタンドは、工具取付プレートには、固着具を装着する装着部を上方に向けて固着具締結工具が取り付けられているため、固着具を上方から装着部に装着することができ、固着具が脱落し難く簡単かつ確実に装着することができる。また、フットペダルにより固着具締結工具のON状態とOFF状態とが切り替えられるため、手や腕に負担をかけることがなく長時間の作業であっても疲れ難いだけでなく、両手で被取付部材を取り扱うことができ便利である。そのため、十分な締結力を得ることができる。したがって、この固着具締結工具用スタンドによれば、両手で被取付部材を取り扱うことができ、十分な締結力を得ることができる。また、固着具締結工具は工具取付プレートに着脱可能に取り付けられているため、工具取付プレートから取り外せば通常の固着具締結工具としても使用することができる。なお、本明細書において「固着具」とは、筒状のスリーブとスリーブの一端に設けられたフランジとを有するブラインドリベット、ブラインドナット等をいう。
フットペダルは固着具締結工具のトリガレバーに機械的に直結され、フットペダルにより固着具締結工具のON状態、OFF状態が直接切り替えられる。この固着具締結工具用スタンドは、フットペダルと固着具締結工具のトリガレバーとが機械的に直結されているだけであり、固着具締結工具用スタンド全体を単純な構成にすることができる。また、この固着具締結工具用スタンドは、動力源が電気である固着具締結工具にも、エアである固着具締結工具にも用いることができる。特に、動力源が電気である固着具締結工具を用いる場合には、固着具締結工具用スタンド等の運搬や設置が簡単で色々な場所で簡便に使用することができ、色々なメリットある。具体的には、家庭用AC100Vや充電式バッテリーを電源とする固着具締結工具を採用した固着具締結工具用スタンドを用いれば、困難とされる製造部門の在宅勤務が可能になり、勤務形態の多様化に寄与することができる。また、この固着具締結工具用スタンドを内職作業に用いれば、作業スペースの確保等の必要がなくなり、経費の削減に寄与することができる。
【0020】
請求項に係る固着具締結工具用スタンドは、固着締結工具のトリガレバーは引かれた状態で固定され、フットペダルにより接点が開閉して電気の供給、停止が切り替えられ、固着具締結工具のON状態、OFF状態が切り替えられる。この固着具締結工具用スタンドは、動力源が電気で、かつコード式の固着具締結工具に用いることができる。この固着具締結工具用スタンドも運搬や設置が簡単であり、色々な場所で簡便に使用することができる。
【0021】
請求項に係る固着具締結工具用スタンドにおいては、固着締結工具のトリガレバーは引かれた状態で固定され、フットペダルによりメカニカルバルブが開閉してエアの供給、停止が切り替えられ、固着具締結工具のON状態、OFF状態が切り替えられる。この固着具締結工具用スタンドは、動力源がエアである固着具締結工具に用いることができる。
【0022】
請求項に係る固着具締結工具用スタンドにおいては、工具取付プレートには、装着部を工具取付プレートに垂直に上方に向けてツールハウジング及びハンドル部の略半分がベースプレート方向に嵌入可能な取付孔が設けられている。そして、取付孔には、ツールハウジング及びハンドル部のガタツキ、及び落下を阻止するハウジング受け及びハンドル部受けが設けられている。そのため、装着部を工具取付プレートに垂直に上方に向けて固着具締結工具を固着具締結工具用スタンドに確実に取り付けることができる。また、固着具締結工具は、取付孔、ハウジング受け、及びハンドル部受けでできる空間に嵌入されているだけであり、簡単に取り外すことができる。なお、本明細書において「ハンドル部」とは、固着具締結工具を固着具締結工具用スタンドから取り外して用いる場合、作業者により把持される部分をいう。
【0023】
請求項に係る固着具締結工具用スタンドにおいては、上方に開口するコの字形状のハウジング受け及びハンドル部受けが工具取付プレートの下面側に取り付けられている。ハウジング受け及びハンドル部受けは、工具取付プレートに平行に設けられる板状の受け板と、受け板の両端から垂直に工具取付プレートまで延在する板状の2枚の側板とを有している。受け板はツールハウジング、ハンドル部を受けて支え、側板はツールハウジング、ハンドル部の側面と当接している。また、ハウジング受けには、2枚の側板の一端を連結してツールハウジングと当接するズレ防止板が設けられている。このため、簡単な構造で、確実にツールハウジング及びハンドル部のガタツキ、及び落下を阻止することができる。
【0024】
請求項に係る固着具締結工具用スタンドにおいては、工具取付プレートには、装着部を工具取付プレートに垂直に上方に向けて固着具締結工具を固着するとともに、ツールハウジング及びハンドル部のガタツキ、及び落下を阻止するハウジング台及びハンドル部受けが工具取付プレートの上面側に取り付けられている。そして、ハウジング台は、工具取付プレートに平行に設けられツールハウジングを支持する板状の支持板と、支持板の両端から垂直に工具取付プレートまで延在する板状の2枚の側板とを有し、支持板にはツールハウジングの後端部が嵌入される嵌入孔が設けられている。また、ハンドル部受けは、工具取付プレートに密着して設けられハンドル部を受けて支える板状の受け板と、受け板の両端から垂直に突出してハンドル部の側面と当接する板状の2枚の側板とを有している。そのため、簡単な構造でツールハウジング及びハンドル部のガタツキ、及び落下を阻止することができる。
【0025】
請求項7に係る固着具締結工具用スタンドにおいては、板状をなすベースプレートと工具取付プレートとの外縁が支柱により連結されているため、固着具締結工具用スタンドを簡単な構造することができ、かつ十分な強度を得ることができる。
【0026】
請求項8に係る固着具締結方法においては、準備工程において、装着部を上方に向けて固着具締結工具を工具取付プレートに取り付ける。その後、固着具セット工程において装着部に固着具をセットし、固着具締結工程においてフットペダルを踏んで被取付部材に固着具を締結する。そして、被取付部材のすべての締結孔に固着具が締結されるまで、固着具セット工程、及び固着具締結工程を繰り返す。この固着具締結方法では、固着具締結工具が装着部を上方に向けて工具取付プレートに取り付けられ、フットペダルにより被取付部材に固着具を締結するため、固着具締結工具を手に持つ必要がなく、両手で被取付部材を取り扱うことができ便利である。また、フットペダルにより足で固着具締結工具を操作することができるため、手や腕に負担をかけることがなく、長時間の作業であっても疲れ難い。そのため、十分な締結力を得ることができる。したがって、この固着具締結方法によれば、両手で被取付部材を取り扱うことができ、十分な締結力を得ることができる
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施形態1の固着具締結工具用スタンドに係り、固着具締結工具用スタンドに電気ナッターを取り付けた正面図。
図2】実施形態1の固着具締結工具用スタンドに係り、固着具締結工具用スタンドに電気ナッターを取り付けた側面図。
図3】実施形態1の固着具締結工具用スタンドに係り、スタンド本体の正面図。
図4】実施形態1の固着具締結工具用スタンドに係り、スタンド本体の側面図。
図5】実施形態1の固着具締結工具用スタンドに係り、スタンド本体の平面図。
図6】実施形態1、2、3の固着具締結工具用スタンドに係り、台車の正面図。
図7】実施形態2の固着具締結工具用スタンドに係り、固着具締結工具用スタンドに電気ナッターを取り付けた正面図。
図8】実施形態3の固着具締結工具用スタンドに係り、固着具締結工具用スタンドにエアリベッターを取り付けた正面図。
図9】実施形態3の固着具締結工具用スタンドに係り、スタンド本体の正面図。
図10】実施形態3の固着具締結工具用スタンドに係り、スタンド本体の側面図。
図11】実施形態3の固着具締結工具用スタンドに係り、スタンド本体の平面図。
図12】実施形態4、5の固着具締結方法のフローチャート。
図13】実施形態4の固着具締結方法に係り、被取付部材とブラインドナットの斜視図。
図14】実施形態4の固着具締結方法に係り、ナッターにブラインドナットを取り付けた状態を示す拡大図。
図15】実施形態4の固着具締結方法に係り、被取付部材の締結孔にブラインドナットを挿入した状態を示す拡大図。
図16】実施形態4の固着具締結方法に係り、被取付部材にブラインドナットを締結した状態を示す拡大図。
図17】実施形態5の固着具締結方法に係り、被取付部材とブラインドリベットの一部拡大断面図。
図18】実施形態5の固着具締結方法に係り、リベッターにブラインドリベットを取り付けた状態を示す拡大図。
図19】実施形態5の固着具締結方法に係り、被取付部材の締結孔にブラインドリベットを挿入した状態を示す拡大図。
図20】実施形態5の固着具締結方法に係り、被取付部材にブラインドリベットを締結した状態を示す拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る固着具締結工具用スタンド、及び固着具締結方法を具体化した実施形態1から実施形態5を図面に基づいて以下に説明する。まず、実施形態1の固着具締結工具用スタンドについて説明する。図1図2は、実施形態1の固着具締結工具用スタンドに固着具締結工具であるナッター80を取り付けた正面図、側面図である。図1図2に示すように、この固着具締結工具用スタンドは、スタンド本体1と、フットペダル16と、連結棒17とを有している。スタンド本体1は、板状の工具取付プレート12と、工具取付プレート12を支える支柱11と、床面に載置される板状のベースプレート10とを有している。なお、この固着具締結工具用スタンドは、後述する台車40(図6参照)を備えている。
【0029】
ナッター80は、先端部81aに装着部としてのマンドレル82を備えたツールハウジング81と、ツールハウジング81から突出するハンドル部83とを有している。なお、ハンドル部83にはナッター80のON状態とOFF状態とを切り替えるトリガレバー83a、電源であるバッテリー83bも含まれる。このトリガレバー83aが引かれると、バッテリー83bから電気が供給されてナッター80がON状態となり、マンドレル82が回転する。また、トリガレバー83aが戻されると、バッテリー83bからの電気の供給が停止されてナッター80がOFF状態となり、マンドレル82が停止する。そして、工具取付プレート12には、マンドレル82を上方に向けてナッター80が着脱可能に取り付けられ、ツールハウジング81及びハンドル部83のガタツキ、及び落下を阻止するハウジング受け13及びハンドル部受け14が設けられている。
【0030】
ベースプレート10にはフットペダル16が設けられている。フットペダル16は、作業者により踏まれる切替板16aと、切替板16aの一端から上方に略直角に折り曲げられる係止板16bと、切替板16aを軸心16e回りに上方に付勢するスプリング付き蝶番16dとからなっている。係止板16には係止孔16cが設けられている(図2参照)。そして、係止板16の係止孔16cとナッター80のトリガレバー83aとが連結棒17により連結されている。詳細には、連結棒17は、棒本体17aと、棒本体17aの両端に鉤状に設けられた鉤部17b、17cとからなる。そして、鉤部17b、17cがトリガレバー83a、係止孔16cに引っ掛けられ、フットペダル16とトリガレバー83aとが機械的に直結される。これにより、フットペダル16を踏むことにより連結棒17を介してトリガレバー83aが引かれてナッター80がON状態になり、フットペダル16から足を離すことにより連結棒17を介してトリガレバー83aが戻されてナッター80がOFF状態になる。
【0031】
次に、スタンド本体1を詳細に述べる。図3から図5にも示すように、スタンド本体1は、四角形のベースプレート10の四隅と四角形の工具取付プレート12の四隅とが4本の支柱11により互いに平行に連結されている。工具取付プレート12には取付孔12aが設けられ(図5参照)、この取付孔12aにはマンドレル82を工具取付プレート12に垂直に上方に向けてツールハウジング81及びハンドル部83の略半分が嵌入されるようになっている。
【0032】
また、ハウジング受け13及びハンドル部受け14は、上方に開口するコの字形状をなし、工具取付プレート12の下面側に取り付けられている。ハウジング受け13及びハンドル部受け14は、工具取付プレート12に平行に設けられツールハウジング81及びハンドル部83を受けて支える四角形状の受け板13a、14aと、受け板13a、14aの両端から垂直に工具取付プレート12まで延在してツールハウジング81及びハンドル部83の側面と当接する四角形状の各2枚の側板13b、14bとを有している。この側板13b、14bにより、ナッター80の左右方向(図1紙面前後方向)の移動が規制される。また、ハウジング受け13には、2枚の側板13bの一端を連結してツールハウジング81と当接するズレ防止板13cが設けられている。このズレ防止板13cと取付孔12aとにより、ナッター80の後端部81bの前後方向(図1紙面左右方向)の移動が規制される。
【0033】
このように、ナッター80は、取付孔12a、ハウジング受け13、及びハンドル部受け14でできる空間に嵌入されて移動が規制されるため、マンドレル82を工具取付プレート12に垂直に上方に向けて固着具締結工具用スタンド1に確実に取り付けられる。また、ナッター80は、取付孔12a、ハウジング受け13、及びハンドル部受け14でできる空間に嵌入されているだけであり、ナッター80を取り外して使用することもできる。
【0034】
図6は、台車40の正面図である。この台車40は4個のキャスター43により移動が容易になっている、また、テーブル41は、油圧シリンダ42により昇降可能になっている。そのため、形状が複雑等で取り扱い難い被取付部材や、重量のある被取付部材を取り扱う場合、被取付部材をテーブル41上に載せて運搬し、ナッター80のマンドレル82の位置に合わせて高さを調節すれば作業がやり易くなる。
【0035】
実施形態1の固着具締結工具用スタンドにおいては、工具取付プレート12には、ブラインドナットを装着するマンドレル82を上方に向けてナッター80が取り付けられているため、ブラインドナットを上方からマンドレル82に装着することができ、ブラインドナットが脱落し難く簡単かつ確実に装着することができる。また、フットペダル16によりナッター80のON状態とOFF状態とが切り替えられるため、手や腕に負担をかけることがなく長時間の作業であっても疲れ難いだけでなく、両手で被取付部材を取り扱うことができ便利である。そのため、十分な締結力を得ることができる。したがって、この固着具締結工具用スタンドによれば、両手で被取付部材を取り扱うことができ、十分な締結力を得ることができる。
【0036】
また、この固着具締結工具用スタンドにおいては、四角形のベースプレート10の四隅と工具取付プレート12の四隅とが支柱11により連結されているため、固着具締結工具用スタンドを簡単な構造することができ、かつ十分な強度を得ることができる。
【0037】
さらに、この固着具締結工具用スタンドにおいては、フットペダル16とナッター80のトリガレバー83aとが連結棒17により機械的に直結されているだけであり、フットペダル16によりナッター80のON状態、OFF状態が直接切り替えられるため、固着具締結工具用スタンド全体を単純な構成にすることができる。なお、本実施形態1においてはバッテリー式のナッター80を用いているが、バッテリー式のリベッターにも、交流電源のコード式のナッター、リベッターにも、動力源がエアであるナッター、リベッターにも用いることができる。特に、動力源が電気であるナッター、リベッターを用いる場合には、固着具締結工具用スタンド等の運搬や設置が簡単であり、色々な場所で簡便に使用することができる。
【0038】
また、この固着具締結工具用スタンドにおいては、工具取付プレート12には、マンドレル82を工具取付プレート12に垂直に上方に向けてツールハウジング81及びハンドル部83の略半分がベースプレート方向に嵌入可能な取付孔12aが設けられている。そして、取付孔12aには、ツールハウジング81及びハンドル部83のガタツキ、及び落下を阻止するコの字形状のハウジング受け13及びハンドル部受け14が設けられている。そのため、マンドレル82を工具取付プレート12に垂直に上方に向けてナッター80を固着具締結工具用スタンドに確実に取り付けることができる。また、ナッター80は、取付孔12a、ハウジング受け13、及びハンドル部受け14でできる空間に嵌入されているだけであり、簡単に取り外すことができる。
【0039】
さらに、この固着具締結工具用スタンドにおいては、ハウジング受け13及びハンドル部受け14は、工具取付プレート12に平行に設けられる四角形状の受け板13a、14aと、受け板13a、14aの両端から垂直に工具取付プレート12まで延在する四角形状の2枚の側板13b、14bとを有している。受け板13a、14aはツールハウジング81、ハンドル部83を受けて支え、側板13b、14bはツールハウジング81、ハンドル部83の側面と当接している。また、ハウジング受け13には、2枚の側板13bの一端を連結してツールハウジング81と当接するズレ防止板13cが設けられている。このため、簡単な構造で、確実にツールハウジング81及びハンドル部83のガタツキ、及び落下を阻止することができる。
【0040】
また、この固着具締結工具用スタンドにおいては、昇降自在なテーブル41を有する台車40を備え、このテーブル41には被取付部材を載置することができる。そのため、形状が複雑等で取り扱い難い被取付部材や、重量のある被取付部材にブラインドナットを締結する場合には作業がやり易く、非常に便利である。
【0041】
次に、実施形態2の固着具締結工具用スタンドについて説明する。図7は、実施形態2の固着具締結工具用スタンドに固着具締結工具であるナッター85を取り付けた正面図である。この固着具締結工具用スタンドは、スタンド本体1と、フットペダルとしてのフットスイッチ20とを有している。ただし、スタンド本体1については実施形態1と同じものであり、同じ符号を用いて説明を省略する。なお、この固着具締結工具用スタンドも台車40を備えている。
【0042】
ナッター85は、先端部86aに装着部としてのマンドレル87を備えたツールハウジング86と、ツールハウジング86から突出するハンドル部88とを有している。なお、ハンドル部88にはナッター85のON状態とOFF状態とを切り替えるトリガレバー88aも含まれ、トリガレバー88aは固定バンド25により引かれた状態で固定されている。この固定バンドとしては結束バンド、電線、針金、紐等を用いることができる。そして、工具取付プレート12には、マンドレル87を上方に向けてナッター85が着脱可能に取り付けられている。ナッター85はコード式の電気ナッターであり、電源コード89の先端に取り付けられたプラグ89aを交流電源コンセントに差し込むことにより電気が供給される。
【0043】
フットスイッチ20にはノーマルオープンタイプの接点が内蔵され、フットスイッチ20と、コンセントプラグ22とは切替コード21により接続されている。コンセントプラグ22はコンセント部とプラグ部とを備え、フットスイッチ20の接点が開いている時はコンセントプラグ22のコンセント部とプラグ部とが電気的に遮断されている。また、フットスイッチ20の接点が閉じている時はコンセントプラグ22のコンセント部とプラグ部とが電気的に接続される。そして、このコンセントプラグ22のプラグ部が交流電源コンセントに差し込まれ、コンセント部にはプラグ89aが差し込まれる。これにより、フットスイッチ20が踏まれていない状態では、フットスイッチ20の接点が開いておりナッター85に電気は供給されない。フットスイッチ20が踏まれると、フットスイッチ20の接点が閉じ、ナッター85に交流電源から電気が供給されてナッター85がON状態となり、マンドレル87が回転する。また、フットスイッチ20が戻されると、フットスイッチ20の接点が開き、交流電源からの電気の供給が停止されてナッター85がOFF状態となり、マンドレル87が停止する。
【0044】
実施形態2の固着具締結工具用スタンドにおいては、トリガレバー88aは固定バンド25により引かれた状態で固定され、フットペダル20により接点が開閉して電気の供給、停止が切り替えられ、ナッター85のON状態、OFF状態が切り替えられる。この固着具締結工具用スタンドは、動力源が電気で、かつコード式の固着具締結工具に用いることができる。この固着具締結工具用スタンドも運搬や設置が簡単であり、色々な場所で簡便に使用することができる。その他の構成、作用、及び効果は実施形態1と同様である。
【0045】
次に、実施形態3の固着具締結工具用スタンドについて説明する。図8は、実施形態3の固着具締結工具用スタンドに固着具締結工具であるリベッター90を取り付けた正面図である。図8に示すように、この固着具締結工具用スタンドは、スタンド本体3と、フットペダルとしてのフットスイッチ36とを有している。スタンド本体3は、板状の工具取付プレート32と、工具取付プレート32を支える支柱31と、床面に載置される板状のベースプレート30とを有している。なお、この固着具締結工具用スタンドも台車40を備えている。
【0046】
リベッター90は、エアを動力源とし、先端部91aに装着部としてのノーズ92を備えたツールハウジング91と、ツールハウジング91から突出するハンドル部93とを有している。なお、ハンドル部93にはリベッター90のON状態とOFF状態とを切り替えるトリガレバー93a、及び圧縮空気を受けるピストンを内蔵するシリンダ93bも含まれ、トリガレバー93aは固定バンド38により引かれた状態で固定されている。この固定バンド38としては結束バンド、電線、針金、紐等を用いることができる。そして、工具取付プレート32には、ツールハウジング91及びハンドル部93のガタツキ、及び落下を阻止するとともに、ノーズ92を上方に向けてリベッター90が着脱可能に取り付けられるハウジング台33及びハンドル部受け34が設けられている。
【0047】
次に、スタンド本体3を詳細に述べる。図9から図11にも示すように、スタンド本体3は、四角形のベースプレート30の四隅と四角形の工具取付プレート32の四隅とが4本の支柱31により互いに平行に連結されている。ハウジング台33は下方に開口するコの字形状をなし、ハンドル部受け34は上方に開口するコの字形状をなし、工具取付プレート32の上面側に取り付けられている。ハウジング台33は、工具取付プレート32に平行に設けられツールハウジング91を支持する四角形状の支持板33aと、支持板33aの両端から垂直に工具取付プレート32まで延在する四角形状の2枚の側板33bとからなっている。支持板33aにはツールハウジング91の後端部91bが嵌入される円形の嵌入孔33c(図11参照)が設けられている。この嵌入孔33cにツールハウジング91の後端部91bが嵌入されることにより、ツールハウジング91の水平方向(図8紙面において、工具取付プレート32の上面に平行な方向)の全ての方向への移動が規制される。ただし、この状態においては、ツールハウジング91の軸心を中心としたリベッター90の回動は規制されていない。
【0048】
ハンドル部受け34は、工具取付プレート32に密着して設けられハンドル部93のシリンダ93bを受けて支える四角形状の受け板34aと、受け板34aの両端から垂直に突出してハンドル部93のシリンダ93bの側面と当接する略四角形状の2枚の側板34bとからなっている。この側板34bにより、ハンドル部93の左右方向(図8紙面前後方向)の移動が規制され、その結果、ツールハウジング91の軸心を中心としたリベッター90の回動が規制されることになる。このため、支持板33aの嵌入孔33cにはツールハウジング91の後端部91bが嵌入され、受け板34aの2枚の側板34b間にはハンドル部93のシリンダ93bの側面が当接して、ノーズ92を上方に向けてリベッター90を固着具締結工具用スタンド3に確実に取り付けることができる。また、リベッター90は、嵌入孔33c、及び2枚の側板34bでできる空間に嵌入されているだけであり、リベッター90を簡単に取り外して使用することもできる。
【0049】
フットスイッチ36には、給気ポート、出力ポート、排気ポートの3ポートを備えるノーマルクローズタイプのメカニカルバルブが内蔵されている。そして、フットスイッチ36の出力ポートとハンドル部93のシリンダ93bとがエアチューブ94aにより接続されている。また、フットスイッチ36の給気ポートと図示しないエアコンプレッサとがエアチューブ94bにより接続されている。これにより、フットスイッチ36が踏まれていない状態では、フットスイッチ36の給気ポートと出力ポートとが閉鎖されており、リベッター90にエアは供給されない。なお、この状態においては、出力ポートと排気ポートとが開放されている。フットスイッチ36が踏まれると、フットスイッチ36の給気ポートと出力ポートとが開放されるとともに出力ポートと排気ポートとが閉鎖される。これにより、リベッター90にエアコンプレッサからエアが供給されてリベッター90がON状態となる。また、フットスイッチ36が戻されると、フットスイッチ36の給気ポートと出力ポートとが閉鎖されるとともに出力ポートと排気ポートとが開放される。これにより、エアコンプレッサからのエアの供給が停止されシリンダ93bからエアが抜けて、リベッター90がOFF状態となる。
【0050】
実施形態3の固着具締結工具用スタンドにおいては、トリガレバー93aは固定バンド38により引かれた状態で固定され、フットペダル36によりメカニカルバルブが開閉してエアの供給、停止が切り替えられ、リベッター90のON状態、OFF状態が切り替えられる。この固着具締結工具用スタンドは、動力源がエアである固着具締結工具に用いることができる。その他の構成、作用、及び効果は実施形態1と同様である。
【0051】
次に、実施形態4の固着具締結方法について、図12に示すフローチャートに従って、図13から図16を用いて説明する。ただし、この固着具締結方法においては、図3から図5に示すスタンド本体1にナッター85を取り付けた図7に示す実施形態2の固着具締結工具用スタンドを用いる。そして、図13に示すように、被取付部材W1に固着具であるブラインドナット97を締結するものとする。ブラインドナット97は筒状のスリーブ97aとスリーブ97aの一端に設けられたフランジ97bとを有し、スリーブ97aの内周には雌ネジが形成されている。また、被取付部材W1は長尺状の角パイプであり、被取付部材W1の一面にはブラインドナット97のスリーブ97aが挿入される締結孔h1が設けられている。
【0052】
この固着具締結方法では、図12に示すように、まずステップS1においてスタンド本体1にナッター85を取り付けて作業の準備をする。具体的には、図3から図5に示すスタンド本体1の取付孔12a、ハウジング受け13、及びハンドル部受け14でできる空間に、マンドレル87を工具取付プレート12に垂直に上方に向けてナッター85を嵌入する。そして、コンセントプラグ22のプラグ部を交流電源コンセントに差し込み、電源コード89のプラグ89aをコンセントプラグ22のコンセント部に差し込む。これにより、簡単に固着具締結工具用スタンドにナッター85を取り付けることができる。ステップS1が準備工程である。
【0053】
ステップS2においては、図14に示すように、ナッター85のマンドレル87にブラインドナット97をセットする。なお、マンドレル87の外周には雄ネジが形成され、この雄ネジとスリーブ97aの内周の雌ネジとを螺合させることにより、マンドレル87にブラインドナット97をセットすることができる。ステップS2が固着具セット工程である。
【0054】
ステップS3においては、図15に示すように、被取付部材W1をナッター85上に運び、ブラインドナット97に被取付部材W1の締結孔h1を合わせた後、締結孔h1にブラインドナット97のスリーブ97aを挿入させる。この際、図6に示す台車40を使用すると、台車40のテーブル41に被取付部材W1を載せて運搬することができ、ナッター85のマンドレル87の高さに合わせて油圧シリンダ42によりテーブル41の高さを変えることができる。
【0055】
そして、被取付部材W1の締結孔h1にブラインドナット97のスリーブ97aを確実に挿入させた後、フットスイッチ20を踏むと、フットスイッチ20の接点が閉じ、ナッター85に交流電源から電気が供給されてマンドレル87が正転する。これにより、図16に示すように、スリーブ97aが軸方向に縮小し、径方向外側に膨らんだ膨径部97cが形成される。この膨径部97cとフランジ97bとの間に被取付部材W1がしっかりと挟まれて、締結孔h1にブラインドナット97が締結される。その後、マンドレル87が逆転され、マンドレル87の雄ネジとスリーブ97aの雌ネジとの螺合が外される。そして、フットスイッチ20が戻されると、フットスイッチ20の接点が開き、交流電源からの電気の供給が停止されてマンドレル87が停止する。ステップS3が固着具締結工程である。
【0056】
そして、すべての締結孔h1にブラインドナット97が締結された場合、1つの被取付部材W1についてのブラインドナット97の締結が終了する。また、すべての締結孔h1にブラインドナット97が締結されていない場合は、ステップS2に戻り、次の締結孔h1についての処理が行われる(ステップS4)。
【0057】
実施形態4の固着具締結方法によれば、ナッター85がマンドレル87を上方に向けて工具取付プレート12に取り付けられる。そして、フットスイッチ20により被取付部材W1にブラインドナット97を締結するため、ナッター85を手に持つ必要がなく、両手で被取付部材W1を取り扱うことができ便利である。また、フットスイッチ20により足でナッター85を操作することができるため、手や腕に負担をかけることがなく、長時間の作業であっても疲れ難い。そのため、十分な締結力を得ることができる。したがって、この固着具締結方法によれば、両手で被取付部材を取り扱うことができ、十分な締結力を得ることができる。
【0058】
次に、実施形態5の固着具締結方法について、図12に示すフローチャートに従って、図17から図20を用いて説明する。ただし、この固着具締結方法においては、図9から図11に示すスタンド本体3にリベッター90を取り付けた図8に示す実施形態3の固着具締結工具用スタンドを用いる。そして、図17に示すように、2枚の被取付部材W2、W3を固着具であるブラインドリベット98を用いて締結するものとする。ブラインドリベット98は筒状のスリーブ98aとスリーブ98aの一端に設けられたフランジ98bとを有している。そして、マンドレル98cがスリーブ98a内から軸方向にフランジ98bを貫通するとともに、フランジ98bから突出して設けられている。また、被取付部材W2、W3は金属板であり、被取付部材W2、W3にはブラインドリベット98のスリーブ98aが挿入される締結孔h2、h3が設けられている。
【0059】
この固着具締結方法では、図12に示すように、まずステップS1においてスタンド本体3にリベッター90を取り付けて作業の準備をする。具体的には、図9から図11に示す支持板33aの嵌入孔33cにノーズ92を上方に向けツールハウジング91の後端部91bを嵌入するとともに、ハンドル部受け34の2枚の側板34b間にハンドル部93のシリンダ93bの側面を当接させて嵌入する。そして、フットスイッチ36の出力ポートとハンドル部93のシリンダ93bとをエアチューブ94aにより接続し、フットスイッチ36の給気ポートとエアコンプレッサとをエアチューブ94bにより接続する。これにより、簡単に固着具締結工具用スタンドにリベッター90を取り付けることができる。ステップS1が準備工程である。
【0060】
ステップS2においては、図18に示すように、リベッター90のノーズ92にブラインドリベット98をセットする。なお、ノーズ92内には図示しない把持部が設けられており、ブラインドリベット98のマンドレル98cを把持部に挿入することにより、ノーズ92にブラインドリベット98をセットすることができる。ステップS2が固着具セット工程である。
【0061】
ステップS3においては、図19に示すように、締結孔h2、h3が一致するように被取付部材W2、W3を合わせてからリベッター90上に運び、ブラインドリベット98に被取付部材W2、W3の締結孔h2、h3を合わせた後、締結孔h2、h3にブラインドリベット98のスリーブ98aを挿入させる。この際、図6に示す台車40を使用すると、台車40のテーブル41に被取付部材W2、W3を載せて運搬することができ、リベッター90のノーズ92の高さに合わせて油圧シリンダ42によりテーブル41の高さを変えることができる。
【0062】
そして、被取付部材W2、W3の締結孔h2、h3にブラインドリベット98のスリーブ98aを確実に挿入させた後、フットスイッチ36を踏むと、フットスイッチ36の給気ポートと出力ポートとが開放され、リベッター90にエアコンプレッサからエアが供給されてノーズ92内の把持部によりマンドレル98cが把持されてノーズ92内に引き込まれる。これにより、図20に示すように、スリーブ98aが軸方向に縮小し、径方向外側に膨らんだ膨径部98dが形成される。この膨径部98dとフランジ98bとの間に被取付部材W2、W3がしっかりと挟まれて、締結孔h2、h3にブラインドリベット98が締結される。その後、ブラインドリベット98のマンドレル98cがスリーブ98a内において破断され、ブラインドリベット98はリベッター90から切り離される。そして、フットスイッチ36が戻されると、フットスイッチ36の給気ポートと出力ポートとが閉鎖され、エアコンプレッサからリベッター90へのエアの供給が停止されてリベッター90はOFF状態になる。ステップS3が固着具締結工程である。
【0063】
そして、すべての締結孔h2、h3にブラインドリベット98が締結された場合、1組の被取付部材W2、W3のブラインドリベット98による締結が終了する。また、すべての締結孔h2、h3にブラインドリベット98が締結されていない場合は、ステップS2に戻り、次の締結孔h2、h3についての処理が行われる(ステップS4)。
【0064】
実施形態5の固着具締結方法によれば、リベッター90がノーズ92を上方に向けて工具取付プレート12に取り付けられる。そして、フットスイッチ36により被取付部材W2、W3にブラインドリベット98を締結するため、リベッター90を手に持つ必要がなく、両手で被取付部材W2、W3を取り扱うことができ便利である。また、フットスイッチ36により足でリベッター90を操作することができるため、手や腕に負担をかけることがなく、長時間の作業であっても疲れ難い。そのため、十分な締結力を得ることができる。したがって、この固着具締結方法によれば、両手で被取付部材を取り扱うことができ、十分な締結力を得ることができる。
【0065】
以上、本発明の固着具締結工具用スタンド、及び固着具締結方法を実施形態1から実施形態5に即して説明したが、本発明はこれらに制限されるものではなく、本発明の技術的思想に反しない限り、適宜変更して適用できることはいうまでもない。例えば、実施形態1から3において、ベースプレート10、30と工具取付プレート12、32とは四角形状をなし、互いに平行になるように4本の支柱11、31により連結されているが、被取付部材の形状や作業性等を考慮してベースプレート10、30と工具取付プレート12、32との形状、角度、及び支柱11、31の本数を決定してもよい。また、支柱11、31を伸縮可能にすることもできる。さらに、実施形態3の工具取付プレート32に設けられたハウジング台33の嵌入孔33cは円形であるが、必ずしも円形である必要はなく、ツールハウジングの後端部の形状に合わせることができる。
【符号の説明】
【0066】
10、30…ベースプレート、11、31…支柱、11a、31a…下端、12、32…工具取付プレート、12a…取付孔、13…ハウジング受け、13a、14a、34a…受け板、13b、14b、33b、34b…側板、13c…ズレ防止板、14、34…ハンドル部受け、16、20、36…フットペダル(20、36…フットスイッチ)、33…ハウジング台、33a…支持板、33c…嵌入孔、40…台車、41…テーブル、80、85、90…固着具締結工具(80、85…ナッター、90…リベッター)、81、86、91…ツールハウジング、81a、86a、91a…先端部、82、87、92…装着部(82、87…マンドレル、92…ノーズ)、83、88、93…ハンドル部、83a、88a、93a…トリガレバー、91b…後端部、97、98…固着具(97…ブラインドナット、98…ブラインドリベット)h1、h2、h3…締結孔、w1、w2、w3…被取付部材、S1…準備工程、S2…固着具セット工程、S3…固着具締結工程。
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