(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】コンクリートの表面処理用の処理装置およびコンクリートの表面処理の方法
(51)【国際特許分類】
E04F 21/24 20060101AFI20220719BHJP
【FI】
E04F21/24 D
(21)【出願番号】P 2021199648
(22)【出願日】2021-12-08
【審査請求日】2022-02-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年11月3日、中日新聞の令和3年11月3日付朝刊、広域岐阜版、第19面にて公開。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521538745
【氏名又は名称】株式会社F-tec
(74)【代理人】
【識別番号】100167276
【氏名又は名称】渡邉 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】藤井 啓栄
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-026776(JP,A)
【文献】特開平07-127254(JP,A)
【文献】特開平03-241104(JP,A)
【文献】特開平11-324325(JP,A)
【文献】特開平10-252267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 21/24
E04F 21/16
E04G 21/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥前のコンクリートの表面処理に用いられる処理装置であって、
前記乾燥前のコンクリートの上に配置される本体部と、
前記本体部の底部に設けられる第1ローラーと、
前記底部において前記第1ローラーの後方に設けられ、前記第1ローラーと並列に配列されている第2ローラーと、
前記本体部に搭載され、前記第1ローラーと前記第2ローラーとに回転駆動力を付与する駆動部と、
前記本体部から前方に延び出て、前記本体部の前方にいる作業者が把持するハンドル部と、
を備え、
前記駆動部は、前記第1ローラー、前記第2ローラーが前記乾燥前のコンクリートの表面上で空転するように、前記第1ローラーと前記第2ローラーとを互いに反対の回転方向に回転制御可能に構成されている、処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の処理装置であって、
前記駆動部は、前記第1ローラーに回転駆動力を付与する第1駆動系と、前記第2ローラーに回転駆動力を付与する第2駆動系とを含み、前記第1ローラーと前記第2ローラーの回転駆動を個別に制御可能である、処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の処理装置であって、
前記ハンドル部には、前記第1駆動系による前記第1ローラーの回転駆動と、前記第2駆動系による前記第2ローラーの回転駆動とを個別に制御する操作を受け付ける操作部が設けられている、処理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の処理装置であって、
前記本体部は、前記第1ローラーの側面を擦るワイパーと、前記第2ローラーの側面を擦るワイパーのうちの少なくとも一方を備える、処理装置。
【請求項5】
乾燥前のコンクリートの表面処理の方法であって、
作業者が、前後に並列に配列され、駆動部が付与する回転駆動力によって回転する第1ローラーと第2ローラーとを、前記乾燥前のコンクリートの上に配置する工程と、
前記第1ローラー、前記第2ローラーが前記乾燥前のコンクリートの表面上で空転することにより、前記乾燥前のコンクリートの表面を均すことができるように、前記作業者が、前記回転駆動力によって
互いに反対方向に回転している前記第1ローラーと前記第2ローラーとを前記乾燥前のコンクリートの表面に接し
ている状態で前後方向に移動させる工程と、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、コンクリートの表面処理用の処理装置およびコンクリートの表面処理の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、土間やカーポート等のコンクリートの床面を施工する際には、通常、打設された乾燥前のコンクリートの表面を平滑に均しつつ、当該表面に形成されるレイタンスを除去するための表面処理が行われる。一般に、この表面処理は、作業者による木鏝や金鏝を用いた手作業によって行われたり、例えば、下記の特許文献1に開示されているような「トロウェル」と呼ばれる装置を用いることによって行われたりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような表面処理を手作業でおこなう方法では、作業者の肉体に大きな負担がかかるという問題や、仕上がりの品質を担保できる技術を有する作業者を確保することが容易ではないという問題があった。また、トロウェルのような機械装置を用いる方法では、例えば、一般住宅の土間やカーポートの床面や犬走りのように、施工面積が小さい場合、そうした機械装置の施工場所への搬入や施工場所内での機械装置の取り回しが困難になってしまう場合があった。また、トロウェルは、処理対象であるコンクリートの表面に沿って金鏝に相当する部材を旋回させる構成であるため、その部材の旋回によってレイタンスが広がってしまい、十分に除去できない場合があった。そのため、トロウェルによる作業の後には、金鏝を用いて手作業でレイタンスの除去が行われる場合もあった。
【0005】
本願は、コンクリート床面の打設において乾燥前のコンクリートの表面処理を容易化できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の技術は、例えば、以下の(a)、(b)、(1)~(5)の形態として実現することが可能である。
(a)本開示の技術の第1の形態は、乾燥前のコンクリートの表面処理に用いられる処理装置であって、前記乾燥前のコンクリートの上に配置される本体部と、前記本体部の底部に設けられる第1ローラーと、前記底部において前記第1ローラーの後方に設けられ、前記第1ローラーと並列に配列されている第2ローラーと、前記本体部に搭載され、前記第1ローラーと前記第2ローラーとに回転駆動力を付与する駆動部と、前記本体部から前方に延び出て、前記本体部の前方にいる作業者が把持するハンドル部と、を備え、前記駆動部は、前記第1ローラー、前記第2ローラーが前記乾燥前のコンクリートの表面上で空転するように、前記第1ローラーと前記第2ローラーとを互いに反対の回転方向に回転制御可能に構成されている、処理装置として提供される。
第1の形態の処理装置によれば、互いに反対方向に回転している第1ローラーと第2ローラーの乾燥前のコンクリートの表面上での空転によって、乾燥前のコンクリートの表面を容易に平滑化することができ、レイタンスを容易に除去することもできる。
(b)第2の形態は、乾燥前のコンクリートの表面処理の方法であって、作業者が、前後に並列に配列され、駆動部が付与する回転駆動力によって回転する第1ローラーと第2ローラーとを、前記乾燥前のコンクリートの上に配置する工程と、前記第1ローラー、前記第2ローラーが前記乾燥前のコンクリートの表面上で空転することにより、前記乾燥前のコンクリートの表面を均すことができるように、前記作業者が、前記回転駆動力によって互いに反対方向に回転している前記第1ローラーと前記第2ローラーとを前記乾燥前のコンクリートの表面に接している状態で前後方向に移動させる工程と、を備える、方法として提供される。
この形態の方法によれば、作業者は、互いに反対方向に回転する第1ローラーと第2ローラーを乾燥前のコンクリートの表面上で前後方向に移動させて空転させることにより、乾燥前のコンクリートの表面を容易に平滑化することができる。また、レイタンスを容易に除去することもできる。よって、乾燥前のコンクリートの表面処理の作業効率を高めることができ、作業者の負担を減らすことができる。
【0007】
(1)本開示の技術の一形態は、乾燥前のコンクリートの表面処理に用いられる処理装置として提供される。この形態の処理装置は、前記乾燥前のコンクリートの上に配置される本体部と、前記本体部の底部に設けられる第1ローラーと、前記底部において前記第1ローラーの後方に設けられ、前記第1ローラーと並列に配列されている第2ローラーと、前記本体部に搭載され、前記第1ローラーと前記第2ローラーとに回転駆動力を付与する駆動部と、前記本体部から前方に延び出て、前記本体部の前方にいる作業者が把持するハンドル部と、を備え、前記作業者が前記ハンドル部を把持して前記本体部を前方に移動させているときに、前記駆動部の前記回転駆動力によって前記第1ローラーと前記第2ローラーとが前記乾燥前のコンクリートの表面に接した状態で空転するように構成されている。
この形態の処理装置によれば、乾燥前のコンクリートの表面で空転する第1ローラーと第2ローラーの側面による摩擦によって、乾燥前のコンクリートの表面を容易に平滑化することができ、レイタンスを容易に除去することもできる。よって、乾燥前のコンクリートの表面処理の作業効率を高めることができ、作業者の負担を減らすことができる。また、この形態の処理装置によれば、その構成が簡素であるため、施工場所が狭い場合でも十分に対応できるように小型化することが容易にできる。さらに、この形態の処理装置によれば、本体部が一対のローラーによって安定した姿勢で支持されているため、作業者は、施工場所が狭い場合でも、ハンドル部を介した操作によって本体部を容易に取り回すことができる。このように、この形態の処理装置によれば、乾燥前のコンクリートの表面処理を容易化できる。
【0008】
(2)上記形態の処理装置において、前記駆動部は、前記駆動部は、前記第1ローラーに回転駆動力を付与する第1駆動系と、前記第2ローラーに回転駆動力を付与する第2駆動系とを含み、前記第1ローラーと前記第2ローラーの回転駆動を個別に制御可能であってよい。
この形態の処理装置によれば、作業者は、コンクリートの状態に応じてそれぞれのローラーの回転を個別に調整できるため、コンクリートの表面の仕上がりの品質を容易に高めることができる。
【0009】
(3)上記形態の処理装置において、前記ハンドル部には、前記第1駆動系による前記第1ローラーの回転駆動と、前記第2駆動系による前記第2ローラーの回転駆動とを個別に制御する操作を受け付ける操作部が設けられていてよい。
この形態の処理装置によれば、操作部がハンドル部に設けられており、作業者の手元の近くにあるため、作業者は、コンクリートの表面状態を確認しながら各ローラーの回転制御の操作を容易にできる。よって、コンクリートの表面状態の品質を容易に高めることができる。
【0010】
(4)上記形態の処理装置において、前記本体部は、前記第1ローラーの側面を擦るワイパーと、前記第2ローラーの側面を擦るワイパーのうちの少なくとも一方を備えていてよい。
この形態の処理装置によれば、ワイパーによって、第1ローラーと第2ローラーの少なくとも一方の側面に付着したコンクリートを除去できる。よって、第1ローラーまたは第2ローラーの側面にコンクリートが付着したままになっていることにより、コンクリートの表面の仕上がりの品質が低下してしまうことを抑制できる。
【0011】
(5)本開示の技術の他の形態は、乾燥前のコンクリートの表面処理の方法として提供される。この形態の方法は、作業者が、前後に並列に配列され、駆動部が付与する回転駆動力によって回転する第1ローラーと第2ローラーとを、前記乾燥前のコンクリートの上に配置する工程と、前記作業者が、前記回転駆動力によって回転している前記第1ローラーと前記第2ローラーとを前記乾燥前のコンクリートの表面に接した状態で空転させながら前後方向に移動させる工程と、を備える。
この形態の方法によれば、乾燥前のコンクリートの表面上で空転する第1ローラーと第2ローラーの側面による摩擦によって、乾燥前のコンクリートの表面を容易に平滑化することができ、レイタンスを容易に除去することもできる。よって、乾燥前のコンクリートの表面処理の作業効率を高めることができ、作業者の負担を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態の処理装置の上方から見たときの概略斜視図。
【
図2】第1実施形態の処理装置を下方から見たときの概略斜視図。
【
図3】第1実施形態の処理装置の本体部の内部構造を透過して示す概略側面図。
【
図6】表面処理を実行するときの処理装置の動作を説明するための模式図。
【
図7】第2実施形態の処理装置の本体部の底部の内部構造を示す概略側面図。
【
図8】第3実施形態の処理装置を下方から見たときの概略斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.第1実施形態:
図1は、第1実施形態の処理装置10の上方から見たときの概略斜視図である。
図1では、処理装置10が、作業者OPによって操作されている状態が模式的に図示されている。
図2は、処理装置10を下方から見たときの概略斜視図である。
図3は、処理装置10の概略側面図である。
図3では、処理装置10の本体部11は、内部構造が透過された状態で図示してある。
【0014】
図1から
図3には、互いに直交するX方向、Y方向、および、Z方向を示す矢印が図示されている。X方向は、処理装置10の幅方向に相当する。
図1に示すように、X方向を示す矢印は、処理装置10を操作している作業者OPの右側から左側に向かう方向を示している。Y方向は、処理装置10の前後方向に相当する。Y方向を示す矢印は、処理装置10の前進方向を示している。本明細書では、処理装置10に対して、処理装置10を操作するときに作業者OPが立つ側を処理装置10の「前」と定義し、その反対側を処理装置10の「後」と定義している。Z方向は、処理装置10の高さ方向に相当する。Z方向を示す矢印は、下から上に向かう方向を示している。
【0015】
処理装置10は、例えば、一般住宅の土間やカーポートの床面や、犬走り等のコンクリートを打設する際に、乾燥前のコンクリートの表面処理に用いられる。処理装置10が用いられるコンクリートの打設方法については後述する。詳細は後述するが、処理装置10による表面処理は、作業者OPが処理装置10の前方に立ち、処理装置10のハンドル部30を引っ張って、本体部11をY方向に前進させることにより行われる。
【0016】
図1~
図3を参照する。処理装置10は、乾燥前のコンクリートの表面の上に配置される本体部11と、本体部11の底部に設けられ、本体部11を支持する一対のローラー21,22と、各ローラー21,22に回転駆動力を付与する駆動部25と、作業者OPが把持するハンドル部30と、を備える。
【0017】
図2および
図3を参照する。本実施形態では、本体部11は、中空の筐体として構成されており、骨格を構成する複数のフレーム部材12と、各フレーム部材12間に張り渡されている複数のカバー部材13とを備える。フレーム部材12およびカバー部材13は、例えば、アルミニウムやステンレス等の金属によって構成される。フレーム部材12およびカバー部材13は、金属以外の材料によって構成されてもよく、例えば、プラスチック等の樹脂によって構成されてもよい。カバー部材13は省略されてもよい。
【0018】
図2を参照する。本実施形態では、フレーム部材12は、本体部11の底部を構成し、Y方向に沿って互いに並列に配列された一対のサイドフレーム12sを含む。各ローラー21,22は、一対のサイドフレーム12sの間に配置されている。各ローラー21,22の回転軸の両端は、サイドフレーム12sに回転可能な状態で支持されている。各ローラー21,22の下側の側面は、本体部11の底部から下方に突出している。
【0019】
図1および
図2を参照する。第1ローラー21と第2ローラー22とは、前後方向に並列に配列されている。第1ローラー21は、前方に設けられ、第2ローラー22は第1ローラー21の後方に設けられている。
【0020】
本実施形態では、第1ローラー21と第2ローラー22はそれぞれ金属製の円筒状部材によって構成されている。各ローラー21,22は金属以外の部材によって構成されてもよく、例えば、樹脂製の部材によって構成されてもよい。第1ローラー21と第2ローラー22とは互いに異なる材料によって構成されていてもよい。
【0021】
各ローラー21,22の直径は、例えば、5~30cm程度でよい。また、各ローラー21,22のX方向における長さは、例えば、40~80cm程度でよい。本実施形態では、第1ローラー21と第2ローラー22は同じ寸法で構成されている。他の施形態では、第1ローラー21と第2ローラー22は異なる寸法で構成されていてもよい。
【0022】
本実施形態では、第1ローラー21と第2ローラー22のそれぞれの側面は平滑に構成されており、それぞれの平滑度はほぼ同じである。他の実施形態では、第1ローラー21と第2ローラー22の側面の平滑度は互いに異なっていてもよい。例えば、仕上げの品質に影響が大きい第2ローラー22の側面の平滑度は、第1ローラー21の側面の平滑度より高いものとしてもよい。
【0023】
第1ローラー21および第2ローラー22は、本体部11に対して着脱可能に構成されていることが好ましい。これにより、表面処理の作業後に、第1ローラー21および第2ローラー22の洗浄を容易に行うことができる。
【0024】
図3を参照する。駆動部25は、第1ローラー21に回転駆動力を付与する第1駆動系25aと、第2ローラー22に回転駆動力を付与する第2駆動系25bと、第1駆動系25aと第2駆動系25bとに電力を供給する電源部25eと、ローラー21,22の回転を制御する制御ユニット25cと、を有する。
【0025】
第1駆動系25aと第2駆動系25bとは、本体部11の内部に搭載されており、フレーム部材12によって支持されている。各駆動系25a,25bは、ローラー21,22に付与する回転駆動力を発生するモーター26と、モーター26と各ローラー21,22とを接続する接続機構27と、を備える。
【0026】
モーター26は、例えば、DCブラシレスモーターによって構成される。モーター26の定格出力は、例えば、30~100W程度としてもよい。本実施形態では、モーター26は、少なくとも0~100rpmの範囲の回転速度で駆動可能である。本実施形態では、第1駆動系25aと第2駆動系25bのモーター26は同規格のもので構成されている。他の実施形態では、第1駆動系25aと第2駆動系25bのモーター26は異なる規格のもので構成されてもよい。
【0027】
接続機構27は、モーター26で発生した回転速度を減速し、ローラー21,22に減速比に応じたトルクを出力する減速機としての機能を有する。接続機構27は、回転駆動力を伝達するためのタイミングベルト28を含む。他の実施形態では、タイミングベルト28の代わりに、例えば、チェーンが用いられてもよい。
【0028】
処理装置10では、駆動部25は、第1駆動系25aと第2駆動系25bとを有することにより、第1ローラー21と第2ローラー22の回転駆動をそれぞれ個別に制御することが可能である。これにより、処理装置10では、第1ローラー21と第2ローラー22とを同じ回転速度で回転させるだけでなく、異なる回転速度で回転させることが可能である。また、第1ローラー21と第2ローラー22とをそれぞれ逆方向に回転させることもできるし、第1ローラー21と第2ローラー22のいずれか一方のみを停止させたまま他方を回転させることも可能である。作業者OPは後述する操作部35を介して、こうしたローラー21,22の回転駆動を制御することができる。
【0029】
電源部25eは、ハンドル部30が設けられている本体部11の前面に設けられている。電源部25eは、例えば、リチウムイオンバッテリー等、充電と放電とが繰り返し可能な蓄電池によって構成される。これにより、外部電源と接続する電源コードが不要となるため、処理装置10の取り回し性が向上している。本実施形態では、電源部25eは、本体部11に対して着脱可能に構成されているため、交換や充電作業が容易にできる。また、電源部25eは、前述したように、本体部11の前面に設けられているため、ハンドル部30を把持している作業者OPがアクセスしやすく、着脱操作が容易である。
【0030】
制御ユニット25cは、本体部11内の上部に配置されている。制御ユニット25cは、第1駆動系25aと第2駆動系25bの上に張り渡されたフレーム部材12によって支持されている。これにより、処理装置10の駆動中に制御ユニット25cにコンクリートが付着することが抑制される。
【0031】
制御ユニット25cは、図示しない配線によって、駆動部25のモーター26と、電源部25eと、後述する操作部35と、に接続されている。制御ユニット25cは、電源部25eからモーター26に供給される電力を制御する制御回路と、作業者OPによる操作部35の操作に応じてモーター26の回転駆動を制御する制御回路と、を含む。
【0032】
図1および
図2を参照する。ハンドル部30は、本体部11の前面から前方に向かって延び出ている棒状の棒状部位31と、棒状部位31の上端に設けられ、作業者OPが左右の手を掛ける一対のグリップ部32と、を備える。
【0033】
図3を参照する。棒状部位31の下端は、本体部11の底部に取り付けられている。棒状部位31の下端は、ヒンジ機構33を介して本体部11に連結されており、本体部11に対して上下に回動可能である。これにより、作業者OPは、自身の身長に合った位置でハンドル部30を把持することが可能である。
【0034】
なお、棒状部位31は、本体部11に対して着脱可能に構成されていることが好ましい。作業前または作業後に、ハンドル部30と本体部11とを分離することにより、処理装置10の持ち運びやメンテナンスを容易化することができる。
【0035】
図1および
図2を参照する。一対のグリップ部32はそれぞれ、棒状部位31の上端を中心として左右に延び出ている棒状の部位である。本実施形態では、一対のグリップ部32は、棒状部位31の上端に固定された棒状の部材の両端の部位によって構成されている。
【0036】
図1~
図3を参照する。処理装置10は、さらに、操作部35を備える。操作部35は、作業者OPによる第1ローラー21と第2ローラー22の回転駆動を制御する操作を受け付け、その操作内容を表す信号を制御ユニット25cに送信する。
【0037】
操作部35はハンドル部30に設けられている。操作部35は、棒状部位31の上端に設けられており、幅方向において一対のグリップ部32に挟まれる位置に配置されている。なお、本実施形態では、操作部35と制御ユニット25cとを接続する上述した配線は、棒状部位31の内部に配設されている。
【0038】
図4は、操作部35の操作パネル36を示す概略図である。操作部35は、上方に向き、ハンドル部30を把持する作業者OPの方に向く面を構成する操作パネル36を有している。操作パネル36には、第1ローラー21の駆動を操作するための第1スイッチ群41と、第2ローラー22の駆動を操作するための第2スイッチ群42と、が設けられている。各スイッチ群41,42は、駆動スイッチ45と、回転方向スイッチ46と、回転数調節スイッチ47と、を有する。
【0039】
駆動スイッチ45は、各ローラー21,22の回転駆動のONとOFFとの切り替え操作を受け付ける。回転方向スイッチ46は、各ローラー21,22の回転方向の切り替え操作を受け付ける。処理装置10では、回転方向スイッチ46の切替操作により、各ローラー21,22の回転方向を、本体部11を前方に自走させることができる回転方向と、本体部11を後方に自走させることができる回転方向とに切り替えることができる。
【0040】
図3を参照する。本体部11を前方に自走させることができる回転方向は、矢印FRで示す回転方向であり、各ローラー21,22をX方向に見たときの左回りの方向である。以下、この方向の回転を「前進方向回転」と呼ぶ。本体部11を後方に自走させることができる方向は、矢印RRで示す回転方向であり、各ローラー21,22をX方向に見たときの右回りの方向である。以下、この方向の回転を「後退方向回転」と呼ぶ。
【0041】
図4を参照する。回転数調節スイッチ47は、各ローラー21,22の回転数を調整する操作を受け付ける。本実施形態では、回転数調節スイッチ47は、回転式のつまみによって構成されている。処理装置10では、各ローラー21,22の回転数は、回転数調節スイッチ47の回転角度に応じて変更される。
【0042】
なお、操作部35には、駆動スイッチ45や、回転方向スイッチ46、回転数調節スイッチ47が別個に設けられていなくてもよい。例えば、操作部35には、駆動スイッチ45と回転方向スイッチ46の両方の機能を有するスイッチやレバー、駆動スイッチ45と回転方向スイッチ46と回転数調節スイッチ47のいずれの機能も有するつまみやダイヤルが設けられていてもよい。また、操作部35には、駆動スイッチ45、回転方向スイッチ46、および、回転数調節スイッチ47の他に、処理装置10を緊急停止させるための緊急停止スイッチが設けられていてもよい。
【0043】
図1を参照する。本実施形態の処理装置10の本体部11には、本体部11の重心位置を調整するためのバランス調整部50が設けられている。本実施形態では、バランス調整部50は、本体部11の上面におけるX方向における両端部とY方向における両端部の4か所に設けられている。作業者OPは、バランス調整部50に取り付ける錘51の重さを調整することにより、本体部11の重心位置を前後方向や幅方向に調整することが可能である。本体部11の重心位置は、例えば、施工面の傾斜角度に応じて調整されるものとしてもよい。
【0044】
図5および
図6を参照して、処理装置10を用いたコンクリートの打設方法を説明する。
図5は、コンクリートの打設方法の工程フロー図である。
図6は、乾燥前のコンクリートの表面処理を実行するときの処理装置10の動作を説明するための模式図である。
図6には、処理装置10の概略側面図とともに、施工場所の概略断面図が図示されている。
【0045】
ステップS10では、作業者OPは、施工場所表層の土壌層である基盤層BLの上に砕石を敷き詰めることにより、施工場所全体を覆う砕石層SLを形成する。砕石層SLは、例えば、5~15cm程度の厚みで形成される。
【0046】
ステップS20では、作業者OPは、コンクリートが不要な場所に流動することを抑制するために、コンクリートを流し込む領域を囲んで区画する型枠を設置する。
【0047】
ステップS30では、作業者OPは、型枠内の砕石層SLの上に鉄筋部材RFを設置する。鉄筋部材RFは、例えば、ワイヤーを格子状に組み付けたワイヤーメッシュによって構成される。鉄筋部材RFは、コンクリート層CLの内部骨格を構成し、固化後のコンクリートのひび割れ等を抑制する。
【0048】
ステップS40では、作業者OPは、型枠内に生コンクリートを流し込み、内部に鉄筋部材RFを包含するコンクリート層CLを形成する。コンクリート層CLは、例えば、5~15cm程度の厚みで形成される。
【0049】
ステップS50では、作業者OPは、乾燥前のコンクリート層CLの上に処理装置10の本体部11を配置する。これにより、処理装置10の第1ローラー21と第2ローラー22とが乾燥前のコンクリートの表面上に配置される。
【0050】
ステップS60では、作業者OPは、処理装置10を用いて乾燥前のコンクリート層CLの表面処理を行う。作業者OPは、ハンドル部30を把持しつつ、駆動部25により第1ローラー21と第2ローラー22と回転駆動させることにより表面処理を行う。ステップS60での表面処理の詳細については、次のステップS70の説明の後に説明する。
【0051】
ステップS70では、作業者OPは、コンクリート層CLの上から処理装置10をどけて、コンクリートが乾燥するまで待機する。コンクリートが乾燥した後には、作業者OPは、型枠を取り除いたり、コンクリートに対する造作を行ったりするなどの仕上げの作業を行う。以上の工程により、コンクリートの打設が完了する。
【0052】
以下、
図6を参照しながら、処理装置10を用いたステップS60での表面処理について説明する。
【0053】
作業者OPは、操作部35を操作して、駆動部25によって第1ローラー21と第2ローラー22の回転を開始させる。作業者OPは、第1ローラー21と第2ローラー22とが、乾燥前のコンクリートの表面に接した状態で空転しながら移動するように、ハンドル部30を把持して前方に引っ張ることにより、本体部11を前方に移動させる。
【0054】
作業者OPは、例えば、矢印RRに示すように、各ローラー21,22に後退方向回転をさせながら、本体部11を矢印FWで示すように前方に移動させることにより、各ローラー21,22を空転させてもよい。また、作業者OPは、各ローラー21,22に、矢印RRが示す回転方向とは反対の前進方向回転をさせながら、各ローラー21,22の周速度よりも速い速度で本体部11を矢印FWで示す前進方向に移動させてもよい。
【0055】
各ローラー21,22を上記のように空転させながら乾燥前のコンクリートの表面上を移動させることにより、各ローラー21,22の側面によって乾燥前のコンクリートの表面を擦って平滑化することができる。処理装置10によれば、各ローラー21,22が乾燥前のコンクリートの表面を一定の幅、押圧しながら擦るため、その表層の平滑化が容易である。また、処理装置10によれば、乾燥前のコンクリートの表面は、第1ローラー21の空転によって均された後に、続けて第2ローラー22の空転によって平滑に仕上げられるため、コンクリート層CLの表面の仕上がりの品質を効率良く高めることができる。
【0056】
ここで、乾燥前のコンクリートの表面には、通常、打設後の時間の経過とともに、コンクリート内部の水が浮き上がってくる。この現象、あるいは、この現象によって浮き上がってくる水は「ブリーディング水」とも呼ばれる。乾燥前のコンクリートの表面には、このブリーディング水とともに浮き上がってきたコンクリート中のセメントや骨材の微粒子の薄層である「レイタンス」が形成される場合がある。
【0057】
レイタンスが十分に除去されないままコンクリートが固化すると、コンクリートの表層に亀裂が生じたり、コンクリートの見栄えが損なわれたりする可能性がある。また、レイタンスが十分に除去されないまま固化したコンクリートの上に新しいコンクリートが打ち継がれる場合には、下層の旧いコンクリートの表面に形成されているレイタンスが、上層の新しいコンクリートとの接合性を阻害する原因となる可能性がある。
【0058】
本実施形態の処理装置10であれば、第1ローラー21と第2ローラー22の空転による摩擦により、乾燥前のコンクリートの表面に形成されたレイタンスを容易に除去することができる。よって、上述したような、レイタンスに起因する亀裂の発生や見栄えの劣化、新旧のコンクリート同士の接合性の低下などの問題が発生することを抑制できる。
【0059】
また、処理装置10によれば、本体部11が一対のローラー21,22によって安定した姿勢で支持されているため、ハンドル部30を介した作業者OPによる誘導操作により、本体部11を容易に取り回すことができる。よって、処理装置10によれば、狭い施工場所での取り回し性が得られる。
【0060】
処理装置10は、一対のローラー21,22の回転駆動機構を主体とする簡易な構成を有しているため、小型化が可能である。また、処理装置10は、上記のように、作業者OPによる取り回しが容易であり、小回りが利く。よって、処理装置10は、例えば、一般住宅の土間やカーポートの床面、犬走りなど、面積が15m2以下の施工場所や、幅が1m以下の施工場所などで好適に用いることが可能である。
【0061】
処理装置10によれば、作業者OPは、ローラー21,22の回転制御とハンドル部30による本体部11の移動という立ったままの姿勢で行う簡易な操作によって、乾燥前のコンクリートの表面処理が可能である。よって、木鏝や金鏝を用いた手作業による表面処理よりも作業者OPの肉体にかかる負担は著しく軽減される。また、作業者OPの技術力の差による表面処理の品質のばらつきの発生も抑制される。
【0062】
上述したように、処理装置10によれば、第1ローラー21と第2ローラー22とはそれぞれ、第1駆動系25aと第2駆動系25bとによって回転駆動されており、第1ローラー21と第2ローラー22の回転駆動を個別に制御することができる。よって、作業者OPは、コンクリートの状態に応じてそれぞれのローラー21,22の回転を個別に調整することができる。よって、コンクリートの表面の仕上がりの品質を容易に高めることができる。
【0063】
また、処理装置10によれば、操作部35がハンドル部30に設けられており、作業者OPの手元の近くに操作部35があるため、作業者OPは、コンクリートの表面状態を確認しながら各ローラー21,22の回転制御の操作を容易にできる。よって、コンクリートの表面の仕上がりの品質を容易に高めることができる。
【0064】
ステップS60では、作業者OPは、例えば、次のように、処理装置10を操作することもできる。作業者OPは、まず、各ローラー21,22に前進方向回転をさせて本体部11を後方に自走させる。次に、作業者OPは、ハンドル部30を前方に引っ張って、各ローラー21,22を空転させながら本体部11を前進させて、コンクリートの表面を均ししながら本体部11を自走させる前の位置に戻す。続いて、作業者OPは、本体部11を幅方向にずらし、前述の本体部11を後方に自走させる工程と各ローラー21,22を空転させながら本体部11を前進させる工程とを繰り返す。こうした処理装置10の往復移動の繰り返すことにより、幅の広い施工場所の全体にわたって、乾燥前のコンクリートの表面を容易に処理していくことができる。
【0065】
以上のように、第1実施形態における処理装置10、および、乾燥前のコンクリートの表面処理の方法によれば、第1ローラー21と第2ローラー22の空転により、乾燥前のコンクリートの表面を平滑化しながら、レイタンスを除去することが容易にできる。よって、コンクリートの仕上がりの品質の低下を抑制しながら、作業者の負担を大きく軽減することができる。また、コンクリートの打設にかかる作業時間やコストを大幅に低減することができる。
【0066】
2.第2実施形態:
図7は、第2実施形態の処理装置10Aの本体部11の底部の内部構造を示す概略側面図である。
図7では、カバー部材13と、第1駆動係25aおよび第2駆動系25bの図示は、便宜上、省略してある。第2実施形態の処理装置10Aの構成は、2つのワイパー55a,55bが設けられている点以外は、第1実施形態の処理装置10とほぼ同じである。
【0067】
第2実施形態の処理装置10Aでは、本体部11に、第1ローラー21の側面を擦るように配置された第1ワイパー55aと、第2ローラー22の側面を擦るように配置された第2ワイパー55bと、が設けられている。2つのワイパー55a,55bは、ブレード状の部品であり、例えば、ゴムなどの樹脂材料によって構成される。各ワイパー55a,55bは、対応するローラー21,22の側面を幅方向全体にわたって擦ることができるように構成されていることが好ましい。
【0068】
各ワイパー55a,55bは、各ローラー21,22の中心軸よりも高い位置に設置されている。各ワイパー55a,55bは、各ローラー21,22の中心軸よりも各ローラー21,22の上端に寄った位置に設置されていることが好ましい。これにより、ワイパー55a,55bによって拭き取られたコンクリートが施工面に落下することを抑制できる。
【0069】
第2実施形態の処理装置10Aによれば、乾燥前のコンクリートの表面処理の際に、各ローラー21,22の側面に付着したコンクリートを各ワイパー55a,55bによって除去することができる。よって、各ローラー21,22の側面にコンクリートが付着したままになってしまうことにより、コンクリートの表面の仕上がりの品質が低下してしまうことを抑制できる。
【0070】
3.第3実施形態:
図8は、第3実施形態の処理装置10Bを下方から見たときの概略斜視図である。第3実施形態の処理装置10Bの構成は、第1ローラー21の側面に凹凸構造58が設けられている点以外は、第1実施形態の処理装置10とほぼ同じである。
【0071】
第1ローラー21の側面の凹凸構造58は、例えば、第1ローラー21の側面に溝部を形成することによって設けることができる。
図8の例では、凹凸構造58は、第1ローラー21の側面を斜めに周回する溝部によって構成されている。凹凸構造58は、第1ローラー21の側面に設けられた格子状の溝部によって構成されてもよい。また、第1ローラー21の側面の凹凸構造58は、第1ローラー21の側面に設けられた凸部によって構成されてもよい。
【0072】
第3実施形態の処理装置10Bによれば、乾燥前のコンクリートの表面を、第1ローラー21の側面の凹凸構造58によってほぐしたり、掻いたりした後に、平滑な第2ローラー22の側面によって平滑化することができる。また、第3実施形態の処理装置10Bによれば、固化し始めたようなレイタンスであっても、より確実に除去することが可能である。
4.他の実施形態:
本開示の技術は、上述の実施形態の構成に限定されることはない。例えば、以下のように改変することが可能である。
【0073】
(1)上記の各実施形態において、駆動部25は、第1ローラー21と第2ローラー22の回転駆動を個別に制御可能でなくてもよく、第1ローラー21と第2ローラー22とが同じように回転駆動する構成であってもよい。また、上記の各実施形態において、駆動部25は、単一のモーターで第1ローラー21と第2ローラー22の両方を駆動するように構成されていてもよい。
【0074】
(2)上記の各実施形態において、操作部35は、棒状部位31の上端に設けられていなくてもよく、例えば、棒状部位31の側面に取り付けられていてもよい。また、操作部35は、ハンドル部30以外の場所に設けられていてもよく、本体部11に設けられていてもよい。操作部35は、各ローラー21,22の回転駆動をリモートコントロール可能なように本体部11やハンドル部30から分離するように構成されていてもよい。
【0075】
(3)上記の第2実施形態において、第1ローラー21の側面を擦る第1ワイパー55aと第2ローラー22の側面を擦る第2ワイパー55bのいずれか一方は省略されてもよい。
【0076】
(4)上記の各実施形態において、第1ローラー21と第2ローラー22を乾燥前のコンクリートの表面に接した状態で空転させながら本体部11を後方に移動させることにより、乾燥前のコンクリートの表面処理を行ってもよい。
【符号の説明】
【0077】
10,10A,10B…処理装置,11…本体部,12…フレーム部材,12s…サイドフレーム,13…カバー部材,21…第1ローラー,22…第2ローラー,25…駆動部,25a…第1駆動系,25b…第2駆動系,25c…制御ユニット,25e…電源部,26…モーター,27…接続機構,28…タイミングベルト,30…ハンドル部,31…棒状部位,32…グリップ部,33…ヒンジ機構,35…操作部,36…操作パネル,41…第1スイッチ群,42…第2スイッチ群,45…駆動スイッチ,46…回転方向スイッチ,47…回転数調節スイッチ,50…バランス調整部,51…錘,55a…第1ワイパー,55b…第2ワイパー,58…凹凸構造,BL…基盤層,CL…コンクリート層,FR…前進方向回転,FW…前方,OP…作業者,RF…鉄筋部材,RR…後退方向回転,SL…砕石層
【要約】
【課題】乾燥前のコンクリートの表面処理を容易化できる技術を提供する。
【解決手段】処理装置は、乾燥前のコンクリートの表面処理に用いられる。前記処理装置は、前記乾燥前のコンクリートの上に配置される本体部と、前記本体部の底部に設けられる第1ローラーと、前記底部において前記第1ローラーの後方に設けられ、前記第1ローラーと並列に配列されている第2ローラーと、前記本体部に搭載され、前記第1ローラーと前記第2ローラーとに回転駆動力を付与する駆動部と、前記本体部から前方に延び出て、前記本体部の前方にいる作業者が把持するハンドル部と、を備え、前記作業者が前記ハンドル部を把持して前記本体部を前方に移動させているときに、前記駆動部の前記回転駆動力によって前記第1ローラーと前記第2ローラーとが前記乾燥前のコンクリートの表面に接した状態で空転するように構成されている。
【選択図】
図1