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特許7106100冷却衣服用冷却装置と、それを装着した冷却衣服
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】冷却衣服用冷却装置と、それを装着した冷却衣服
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/005 20060101AFI20220719BHJP
【FI】
A41D13/005 103
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018118753
(22)【出願日】2018-06-22
(65)【公開番号】P2019218666
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000130732
【氏名又は名称】株式会社サンエス
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】橘高 薫
(72)【発明者】
【氏名】吉光 陽紀
【審査官】津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】特許第6284090(JP,B1)
【文献】特開2008-183517(JP,A)
【文献】特開平09-303798(JP,A)
【文献】特開2008-014183(JP,A)
【文献】特開2017-020140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/00-13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却水供給部、冷却水分岐部が設けられた送水ホースと、
この送水ホースの前記冷却水供給部から前記冷却水分岐部側に冷却水を供給するポンプと、
前記送水ホースの前記冷却水分岐部に、その一端側給水部と他端側給水部が連結された複数の分水ホースと
前記ポンプに接続された制御部と、
この制御部に接続され、前記ポンプを起動するスイッチと、
前記制御部に接続され、前記ポンプによる冷却水の供給力を、少なくとも、小、中、大の三段階以上に調整する操作部と、
前記ポンプに電源を供給する電池と、を備え、
前記各分水ホースの直径は、前記送水ホースの直径よりも小径とし、かつ、前記各分水ホースの長手方向に直交する外周部分には、この分水ホースの前記一端側給水部の開口面積よりも、開口面積の小さな通水孔が、複数形成され、
前記制御部は、前記スイッチによる前記ポンプの起動後、第1の起動時間の間は、前記操作部の調整量にかかわらず、前記ポンプによる冷却水の供給力を中よりも大きくする構成とした冷却衣服用冷却装置。
【請求項2】
冷却水供給部、冷却水分岐部が設けられた送水ホースと、
この送水ホースの前記冷却水供給部から前記冷却水分岐部側に冷却水を供給するポンプと、
前記送水ホースの前記冷却水分岐部に、その一端側給水部と他端側給水部が連結された複数の分水ホースと
前記ポンプに接続された制御部と、
この制御部に接続され、前記ポンプを起動するスイッチと、
前記制御部に接続され、前記ポンプによる冷却水の供給力を、調整する操作部と、
前記ポンプに電源を供給する電池と、を備え、
前記各分水ホースの直径は、前記送水ホースの直径よりも小径とし、かつ、前記各分水ホースの長手方向に直交する外周部分には、この分水ホースの前記一端側給水部の開口面積よりも、開口面積の小さな通水孔が、複数形成され、
前記制御部は、前記スイッチによる前記ポンプの起動後、第1の起動時間の間は、前記ポンプによる冷却水の供給力を、この第1の起動時間経過後に、前記操作部の調整量に応じて設定される前記ポンプによる冷却水の供給力よりも大きくする構成とした冷却衣服用冷却装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記操作部の調整量に応じ、単位時間におけるポンプの駆動時間を調整する構成とした請求項1または2に記載の冷却衣服用冷却装置。
【請求項4】
前記制御部には、前記電池の電圧を検出する電圧検出手段を接続し、前記制御部は、前記電圧検出手段による検出電圧が、直前の検出電圧よりも低くなると、前記操作部による設定値よりも長い時間、ポンプを駆動する構成とした請求項3に記載の冷却衣服用冷却装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載の冷却衣服用冷却装置を装着した冷却衣服であって、前記分水ホースを蛇行させて配置した冷却衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却衣服用冷却装置と、それを装着した冷却衣服に関するものである。
【背景技術】
【0002】
着用者の発汗を前提とすることなく身体を冷却することができる冷却衣服が提案されている。
具体的には、肩の上に貯水タンクを装着し、この貯水タンクに送水ホースの一端を接続し、次に、この送水ホースの中部を身体部分で蛇行させ、その後、この送水ホースの他端を前記貯水タンクに接続した構成となっている。
また、送水ホースにはポンプが介在され、このポンプを駆動することで、前記貯水タンク内の冷却水を、貯水タンク、送水ホースの一端、中部、他端、貯水タンク内へと循環させる構成となっている(これに類似する先行文献としては、例えば下記特許文献1が存在する)。
【0003】
また、冷却水供給部、冷却水分岐部が設けられた送水ホースと、この送水ホースの前記冷却水供給部から前記冷却水分岐部側に冷却水を供給するポンプと、前記送水ホースの前記冷却水分岐部に、その一端側給水部と他端側給水部が連結され、かつ、前記一端側給水部と前記他端側給水部間が出水部となった複数の分水ホースとを備え、前記各分水ホースの直径は、前記送水ホースの直径よりも小径とし、かつ、前記各分水ホースの前記出水部で、この分水ホースの長手方向に直交する外周部分には、この分水ホースの前記一端側給水部と前記他端側給水部の開口面積よりも、開口面積の小さな、通水孔が、複数形成された構成とした冷却衣服用冷却装置も提案されている(これに類似する先行文献としては、例えば下記特許文献2が存在する)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-20140号公報
【文献】特許第6284090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先ず、前者の特許文献1では、前記送水ホースには、一端側から他端側に向けて所定間隔で通水孔が形成されている。
したがって、ポンプを駆動し、前記貯水タンク内の冷却水を、送水ホースの一端、中部、他端、貯水タンク内へと循環させている状態において、一部の冷却水が、送水ホース通水孔から流出し、服を濡らし、その部分に風が通過すると、そこで気化熱が奪われ、その結果として身体冷却を行うことができるようになっている。
つまり、着用者の発汗を前提とすることなく、送水ホースの通水孔から流出する冷却水を気化させ、この気化熱で、身体を冷却することができるような構成となっている。
【0006】
しかしながら、このような従来の構成では、貯水タンクに、その一端側と他端側を接続した送水ホースによる循環路(貯水タンク、送水ホースの一端、中部、他端、貯水タンク)を形成しているので、ポンプとしての負荷が大きく、電力消費が大きいものとなる。
また、前記送水ホースの通水孔の開口面積を大きくすると、上記貯水タンク内の冷却水が、この送水ホースの通水孔から大量に流出し、その結果として、長時間の冷却運転が出来なくなるので、通水孔の開口面積を小さくすることになるのであるが、この様に小さな通水孔から循環水の一部を流出させるためにはポンプの圧力を高めなくてはならず、この点からもポンプの消費電力の大きさが問題となる。
また、ポンプの圧力が高く、通水孔の開口面積が小さいと、通水孔から冷却水が、送水ホース外に勢いよく飛び出すことにもなり、好ましい冷却動作が行えなくなる。
【0007】
これに対して、後者の特許文献2では、ポンプとしては、送水ホースの冷却水供給部から冷却水分岐部まで冷却水を送るだけで良いので、電力消費を低減することができる。
また、送水ホースの冷却水分岐部まで送付された冷却水は、この冷却水分岐部に連結された複数の分水ホースの一端側給水部から分水ホースへと流れ込み、次に、各分水ホースに設けた複数の通水孔から流出し、身体の広いエリアに冷却水を適量供給することができ、その結果として、冷却効果の高いものとなる。
【0008】
しかしながら、後者の特許文献2では、分水ホース自身も小径で、しかもその外周に設けた通水孔も極めて小さなものであるので、例えば、分水ホース内に多くの空気が存在している状態、つまり運転初期で、空気を追い出すまでの間は、分水ホースの一端側給水部に近い通水孔からは冷却水が流出するが、それよりも遠方の部分に存在する通水孔からは冷却水が十分に流出しない状況が発生する場合も想定される。
【0009】
本発明は、運転初期から、分水ホースの広い部分から冷却水が流出し、それにより冷却効果が高められるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そして、この目的を達成するために本発明の冷却衣服用冷却装置は、冷却水供給部、冷却水分岐部が設けられた送水ホースと、この送水ホースの前記冷却水供給部から前記冷却水分岐部側に冷却水を供給するポンプと、前記送水ホースの前記冷却水分岐部に、その一端側給水部と他端側給水部が連結された複数の分水ホースと、前記ポンプに接続された制御部と、この制御部に接続され、前記ポンプを起動するスイッチと、前記制御部に接続され、前記ポンプによる冷却水の供給力を、少なくとも、小、中、大の三段階以上に調整する操作部と、前記ポンプに電源を供給する電池と、を備え、前記各分水ホースの直径は、前記送水ホースの直径よりも小径とし、かつ、前記各分水ホースの長手方向に直交する外周部分には、この分水ホースの前記一端側給水部の開口面積よりも、開口面積の小さな通水孔が、複数形成され、前記制御部は、前記スイッチによる前記ポンプの起動後、第1の起動時間の間は、前記操作部の調整量にかかわらず、前記ポンプによる冷却水の供給力を、中よりも大きくする構成とした。
【0011】
また、本発明の冷却衣服用冷却装置は、冷却水供給部、冷却水分岐部が設けられた送水ホースと、この送水ホースの前記冷却水供給部から前記冷却水分岐部側に冷却水を供給するポンプと、前記送水ホースの前記冷却水分岐部に、その一端側給水部と他端側給水部が連結された複数の分水ホースと、前記ポンプに接続された制御部と、この制御部に接続され、前記ポンプを起動するスイッチと、前記制御部に接続され、前記ポンプによる冷却水の供給力を、調整する操作部と、前記ポンプに電源を供給する電池と、を備え、前記各分水ホースの直径は、前記送水ホースの直径よりも小径とし、かつ、前記各分水ホースの長手方向に直交する外周部分には、この分水ホースの前記一端側給水部の開口面積よりも、開口面積の小さな通水孔が、複数形成され、前記制御部は、前記スイッチによる前記ポンプの起動後、第1の起動時間の間は、前記ポンプによる冷却水の供給力を、この第1の起動時間経過後に、前記操作部の調整量に応じて設定される前記ポンプによる冷却水の供給力よりも大きくする構成とした。
【0012】
本発明の冷却衣服用冷却装置では、前記制御部は、前記操作部の調整量に応じ、単位時間におけるポンプの駆動時間を調整する構成とした請求項4に記載の冷却衣服用冷却装置。
【0013】
本発明の冷却衣服用冷却装置は、前記制御部には、前記電池の電圧を検出する電圧検出手段を接続し、前記制御部は、前記電圧検出手段による検出電圧が、直前の検出電圧よりも低くなると、前記操作部による設定値よりも長い時間、ポンプを駆動する構成とした請求項5に記載の冷却衣服用冷却装置。
【0014】
本発明の冷却衣服は、上記した冷却衣服用冷却装置が装着され、前記分水ホースを蛇行させて配置されている。
【発明の効果】
【0015】
以上の本発明によれば、ポンプとしては、送水ホースの冷却水供給部から冷却水分岐部まで冷却水を送るだけで良いので、電力消費を低減することができる。
【0016】
また、本発明においては、送水ホースの冷却水分岐部に、各分水ホースの一端側給水部と他端側給水部を連結したものであるので、各分水ホースの一端側給水部と他端側給水部の両方から出水部へと冷却水が供給されるようになり、その結果として、分水ホースの一部に目詰まりが発生しても、その目詰まり部の一端側給水部側には、一端側給水部側から、また、目詰まり部の他端側給水部側には、他端側給水部側から冷却水が供給され、長期的に安定した冷却効果を発揮することが出来るようになる。
さらに、本発明では、この様に分水ホースの一端側給水部と他端側給水部から分水ホース内に冷却水を供給する構成において、操作部の調整量にかかわらず、スイッチによるポンプの起動後、第1の所定時間の間は、前記ポンプによる冷却水の供給力を中よりも大きくする構成としたので、例えば、分水ホース内に多くの空気が存在している状態でも、分水ホースの一端側給水部と他端側給水部からの水圧により、分水ホース内から空気をスムーズに追い出し、運転初期から、分水ホースの広い部分の通水孔から冷却水を十分に流出させ、冷却効果を高めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態にかかる冷却衣服用冷却装置を装着した冷却衣服の正面図
図2】同冷却衣服の背面図
図3】同冷却衣服に装着した分水ホースの平面図
図4】同冷却衣服に装着した分水ホースの側面図
図5】同冷却衣服に装着した分水ホースの端部部分の平面図
図6】同冷却衣服に装着した分水ホースの端部部分の側面図
図7】同冷却衣服に装着した分水ホースの端部部分の断面図
図8】同冷却衣服に装着した分水ホースの端部部分の断面図
図9】同冷却衣服に装着した冷却衣服用冷却装置の制御ブロック図
図10】同冷却衣服の製造方法を示す平面図
図11】同冷却衣服の製造方法を示す平面図
図12】同冷却衣服の製造方法を示す平面図
図13】同冷却衣服に装着した冷却衣服用冷却装置の動作フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態1)
以下本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
図1は、本一実施形態にかかる冷却衣服用冷却装置を装着した冷却衣服の正面図、図2は、この冷却衣服の背面図である。
【0019】
図1図2において、1は冷却衣服で、正面側の服地2と、背面側の服地3と、左右の袖4部分からなる。
背面側の服地3の側部には、冷却水供給部5、冷却水分岐部6が設けられた送水ホース7が縦方向に装着されている。
【0020】
具体的には、前記冷却水供給部5は冷却衣服1の下部まで延長され、その後、冷却衣服1外へと延長され、その延長部分に連結具8が装着されている。
また、冷却水分岐部6は、送水ホース7の他端側に設けられているが、本実施形態では、送水ホース7の他端側を分岐し、冷却衣服1の正面側の服地2の左右上部、および、冷却衣服1の背面側の服地3の左右上部の、合計4ケ所に、冷却水分岐部6が配置されている。
送水ホース7の冷却水供給部5に連結した連結具8は、連結具9を介してポンプ10、給水パイプ11が接続され、給水パイプ11は、例えば市販の飲料水ボトル12内に挿入され、その状態で、飲料水ボトル12にキャップ部13を回して螺合させれば、給水パイプ11、ポンプ10は飲料水ボトル12に固定される。
なお、ポンプ10部分には、図9で示す制御回路部14、操作部15、電池16が設けられ、操作部15の操作により、ポンプ10の起動、起動量制御、停止が行えるようになっている。
つまり、送水ホース7の冷却水供給部5から冷却水分岐部6側に、ポンプ10によって冷却水を供給することが出来るようになっている。
【0021】
再び、図1図2に戻って説明を進めると、前記送水ホース7の4ケ所の冷却水分岐部6には、複数の分水ホース17が連結されている。
この点を、さらに詳細に説明すると、送水ホース7の4ケ所の冷却水分岐部6には、それぞれ、複数の分水ホース17の一端側給水部17aと他端側給水部17bが連結されている。
つまり、分水ホース17の直径を、前記送水ホース7の直径よりも小径としているので、送水ホース7の4ケ所の冷却水分岐部6に、それぞれ、複数の分水ホース17の一端側給水部17aと他端側給水部17bを連結することが出来るのである。
【0022】
分水ホース17は、中空糸膜によって形成されており、図3図4に示すように、分水ホース17の長手方向に直交する外周部分には、この分水ホース17の前記一端側給水部17aと他端側給水部17bの開口面積よりも、開口面積の小さな通水孔17cが、複数形成されている。
つまり、分水ホース17の一端側給水部17aと他端側給水部17bは、上述のごとく、送水ホース7の冷却水分岐部6に連結され、これら一端側給水部17aと他端側給水部17bから供給された冷却水は、通水孔17cから分水ホース17外へと流出することになる。
すなわち、中空糸膜によって形成された分水ホース17の一端側給水部17aと他端側給水部17b間が、分水ホース17における出水部17dとなっており、この出水部17dが、正面側の服地2と、背面側の服地3に蛇行されて配置されているので、冷却衣服1の全面に冷却水を供給することが出来るのである。
【0023】
前記分水ホース17について、さらに説明を行うと、この分水ホース17は、中空糸膜といわれる外形が0.5mmのものを用いており、その外周面には、開口径が0.4μm以下の無数の通水孔17cが設けられている。
さらに詳しく説明すると、前記分水ホース17の外周部に設けた各通水孔17cは、図3に示すように、この分水ホース17の外周方向において、隣接する他の通水孔17cとは独立しているが、同分水ホース17の長手方向において、少なくとも一部が重なった状態となっている。つまり、中空糸膜には、無数の通水孔17cが形成されているのである。
この状態を、本実施形態では、上述のごとく、分水ホース17の長手方向に直交する外周部分に、この分水ホース17の前記一端側給水部17aと他端側給水部17bの開口面積よりも、開口面積の小さな通水孔17cが、複数形成されていると表現している。
このように、一般的には液体のフィルターなどに用いられていた中空糸膜を分水ホース17として活用したことが本実施形態の特徴の一つである。
【0024】
なお、本実施形態では、送水ホース7の冷却水供給部5を冷却衣服1の下方、冷却水分岐部6を上方に配置し、この上方の冷却水分岐部6に分水ホース17の一端側給水部17aと他端側給水部17bを連結したので、前記出水部17dは、一端側給水部17aと他端側給水部17bよりも下方において冷却衣服1に蛇行状態で配置されたこととなる。
【0025】
次に、前記ポンプ10部分について説明する。
ポンプ10は、操作部15の正転用のスイッチ18を閉じれば、制御部19によってスイッチング素子21、22を介してポンプ10が正転し、逆に、操作部15の逆転用のスイッチ23を閉じれば、制御部19によってスイッチング素子24、25を介してポンプ12が逆転するようになっている。
また、正転、逆転の強さは、操作部15のボリューム26によって調整される。
つまり、ボリューム26の調整により、ポンプ10への通電量を調整することができるので、それに合わせて正転、逆転の強さを調整することが出来る。
【0026】
操作部15について、さらに詳しく説明すると、本実施形態では、操作部15をボリューム26によって構成し、制御部19によって、ポンプ10の給水量を少なくとも1(小)、2、3(中)、4、5(大)の五段階に調整することができる。
具体的には、ボリューム26によって5(大)を設定した場合、1分間に20秒間、ポンプ10を例えば5000rpmの回転で駆動する。
また、ボリューム26によって4を設定した場合、1分間に18秒間、ポンプ10を例えば5000rpmの回転で駆動する。
また、ボリューム26によって3(中)を設定した場合、1分間に15秒間、ポンプ10を例えば5000rpmの回転で駆動する。
また、ボリューム26によって2を設定した場合、1分間に13秒間、ポンプ10を例えば5000rpmの回転で駆動する。
また、ボリューム26によって1(小)を設定した場合、1分間に10秒間、ポンプ10を例えば5000rpmの回転で駆動する。
本実施形態では、ポンプ10を、以上のように間欠駆動した場合でも、十分に分水ホース17の通水孔17cからジワリと冷却水が滲み出る状態となるので、ポンプ10の電力消費を低減することができる。
【0027】
次に、本実施形態の冷却衣服1の製造方法について、その主要部分を説明する。
図10は冷却衣服1の正面側の服地2と、背面側の服地3を裁断した状態を示す。
【0028】
まず、巻糸状態の分水ホース17を、正面側の服地2の左上(A点)に縫い付けし、Cのエリアは分水ホース17を縫い付けしない。次に、Cのエリアを通過したところで、巻糸を下方へと蛇行させながら、同時に縫い付け、その後、下方から、上方へと蛇行させながら、同時に縫い付け(図5に縫い付け糸27を示している)、これを繰り返して、図11における正面側の服地2の左側ゾーンを完成させ、次に、図11における正面側の服地2の右側ゾーンに移行させる。
【0029】
その後、連続的に、背面側の服地3の右側ゾーンに移行させ、次に、背面側の服地3の左側ゾーンに移行させ、B点へとたどり着き、分水ホース17の配置を行う。
つまり、分水ホース17の配置は、A点からB点へと一筆書で行うので、装着作業が効率的に行える。
【0030】
その後、図12に示すように正面側の服地2と、背面側の服地3を、連結部で分離すれば、正面側の服地2の左右上部に、複数の分水ホース17の、一端側給水部17aと他端側給水部17bが存在することになる。
また、背面側の服地3の左右上部にも、複数の分水ホース17の、一端側給水部17aと他端側給水部17bが存在することになる。
なお、各分水ホース17の、一端側給水部17aと他端側給水部17bは正面側の服地2と、背面側の服地3には、糸止めされておらず、自由に動かすことが出来る状態となっている。
【0031】
この状態で、図5図6に示すように連結具28内に、分水ホース17の、一端側給水部17aと他端側給水部17bを挿入し、次に、図7図8に示すように、連結具28の開口部29から接着剤30を注入する。
つまり、接着剤30によって複数の分水ホース17の、一端側給水部17aと他端側給水部17bを連結具28とともに、正面側の服地2と、背面側の服地3に、固定するのである。
【0032】
この時、複数の分水ホース17の、一端側給水部17aと他端側給水部17bが接着剤30によって目詰まりしないようにするためには、分水ホース17の、一端側給水部17aと他端側給水部17bは、連結具28の外(図5の上方、あるいは図8の右側)へと十分に引き出しておき、接着剤30が硬化後に連結部20からはみ出した部分を切断する。
また、分水ホース17は上述のごとく中空糸膜で形成したものであり、その外周面の通水孔17cは極めて小さな開口面積であるので、ここから、粘性のある接着剤30が、分水ホース17内へと侵入することはなく、この部分での目詰まりは発生しない。
【0033】
そして、最後に図5において連結具28の連結部20外周に、送水ホース7の冷却水分岐部6を、弾性変形させながら押し込んで、送水ホース7の冷却水分岐部6に、分水ホース17の、一端側給水部17aと他端側給水部17bを連結する。
【0034】
以上の構成において動作説明を行う。
先ず、使用者は、図1の冷却衣服1を装着する。
次に、給水パイプ11を、例えば市販の飲料水ボトル12内に挿入し、その状態で、飲料水ボトル12にキャップ部13を回して螺合させれば、給水パイプ11、ポンプ10は飲料水ボトル12に固定される(飲料水ボトル12内には、殺菌処理がなされた水道水が充填されている)。
その後、操作部15の正転用のスイッチ18を閉じれば、制御部19によってスイッチング素子21、22を介してポンプ10が正転し、これにより、飲料水ボトル12内の冷却水は、送水ホース7の冷却水供給部5、冷却水分岐部6、分水ホース17の一端側給水部17aと他端側給水部17bを介し、冷却衣服1に蛇行状態で配置した分水ホース17の出水部17dに形成されている無数の通水孔17cから、冷却衣服1の正面側の服地2と、背面側の服地3部分に、ジワリと流出し、ここで外気、風などによって気化する。
【0035】
つまり、使用者は、汗をかいていない状況でも、冷却衣服1部分における冷却水の気化熱により、効果的な冷却が行えることになる。
【0036】
このように、本実施形態によれば、ポンプ10としては、冷却水を、送水ホース7の冷却水供給部5から冷却水分岐部6まで単に送るだけで良いので、電力消費を低減することができる。
【0037】
また、送水ホース7の冷却水分岐部6まで送付された冷却水は、この冷却水分岐部6に連結された複数の分水ホース17の一端側給水部17aと他端側給水部17bから分水ホース17の内へと流れ込み、次に、各分水ホース17の出水部17dに存在する複数の通水孔17cから流出することになる。
この時、出水部17dは冷却衣服1部分に、広く蛇行させているので、身体の広いエリアに冷却水を適量供給することができ、その結果として、冷却効果の高いものとなる。
つまり、本実施形態では、冷却水を、送水ホース7の冷却水供給部5から冷却水分岐部6までポンプ10で送れば、その後は、大気に解放状態となっている分水ホース17の通水孔17cから冷却水自身の重力や、小さな通水孔17cが形成する毛細管現象も作用し、分水ホース17外へと流出することになるので、ポンプ10としての電力消費を抑制することが出来るのである。
一例として、本実施形態では、単3電池を2本直列にした3V電池16使用でも、8時間以上の使用も可能となる。
【0038】
さらに、各分水ホース17の直径は、前記送水ホース7の直径よりも小径とし、この分水ホース17には、その長手方向に直交する外周部分に、この分水ホース17の一端側給水部17aと他端側給水部17bの開口面積よりも、開口面積の小さな、複数の通水孔17cが形成された構成としたものであるので、分水ホース17から流出する冷却水は、広い範囲に、少量で、しかも、ジワリと滲み出る状態となるので、身体の一部での大きな水濡れ感が無く、快適な冷却が行えるものとなる。
【0039】
なお、使用環境にもよるが、本実施形態では、1時間で500ccの冷却水を使用する状態となっているので、飲料水ボトル12としては、市販の飲料水容器をそのまま、キャップ部13に結合するようにしている。
そして、この冷却水がなくなれば、飲料水ボトル12内に、再度、水道水を入れることでも簡単に継続使用が行えることになる。
【0040】
なお、逆転用のスイッチ23は、分水ホース17内に、前回の冷却水が残り、また、空気も存在する状態となり、いわゆる空気かみ状態となった場合に、ポンプ10を逆転させ、分水ホース17内の空気かみ状態を解消するために用意している。
【0041】
また、このような冷却衣服1は、屋外の高温環境下で使用されることが多く、例えば、分水ホース17の一部が塵埃などによって目詰まりしても、本実施形態では、継続的な冷却動作を継続することが出来る。
つまり、本実施形態では、送水ホース7の冷却水分岐部6に、各分水ホース17の一端側給水部17aと他端側給水部17bを連結したものであるので、各分水ホース17の一端側給水部17aと他端側給水部17bの両方から出水部17dへと冷却水が供給されるようになり、その結果として、分水ホース17の一部に目詰まりが発生しても、その目詰まり部の一端側給水部17a側には、一端側給水部側17aから、また、目詰まり部の他端側給水部17b側には、他端側給水部17b側から冷却水が供給され、長期的に安定した冷却効果を発揮することが出来るようになるのである。
【0042】
次に、本実施形態における特徴点について説明を続ける。
上述のように、本実施形態では、操作部15の正転用のスイッチ18を閉じれば、制御部19によってスイッチング素子21、22を介してポンプ10が正転し、これにより、飲料水ボトル12内の冷却水は、送水ホース7の冷却水供給部5、冷却水分岐部6、分水ホース17の一端側給水部17aと他端側給水部17bを介し、冷却衣服1に蛇行状態で配置した分水ホース17の出水部17dに形成されている無数の通水孔17cから、冷却衣服1の正面側の服地2と、背面側の服地3部分に、ジワリと流出し、ここで外気、風などによって気化する。
【0043】
この状態をさらに詳しく説明すると、操作部15の正転用のスイッチ18を閉じれば、制御部19によってスイッチング素子21、22を介してポンプ10が正転するが、その状態において、本実施形態では、制御部19は図13の動作を実行する。
先ず、制御部15は、正転用のスイッチ18がON状態になっているか否かを判定する(図13のS1)。
正転用のスイッチ18がON状態になっていると、操作部15のボリューム26の調整量にかかわらず、第1の起動時間(例えば20秒)の間は、前記ポンプ10による冷却水の供給力を中よりも大きくする構成としている(図13のS2、S3)。
すなわち、本実施形態では、上述のように、操作部15をボリューム26によって構成し、制御部19によって、ポンプ10の給水量を少なくとも1(小)、2、3(中)、4、5(大)の五段階に調整することができる。
【0044】
具体的には、ボリューム26によって5(大)を設定した場合、1分間に20秒間、ポンプ10を例えば5000rpmの回転で駆動する。
また、ボリューム26によって4を設定した場合、1分間に18秒間、ポンプ10を例えば5000rpmの回転で駆動する。
また、ボリューム26によって3(中)を設定した場合、1分間に15秒間、ポンプ10を例えば5000rpmの回転で駆動する。
また、ボリューム26によって2を設定した場合、1分間に13秒間、ポンプ10を例えば5000rpmの回転で駆動する。
また、ボリューム26によって1(小)を設定した場合、1分間に10秒間、ポンプ10を例えば5000rpmの回転で駆動する。
【0045】
しかし、本実施形態では、正転用のスイッチ18がON状態としてから20秒(第1の起動時間)の間は、操作部15のボリューム26の調整量にかかわらず、前記ポンプ10による冷却水の供給力を中(3)よりも大きい4または大(5)の供給力とする構成としている。
例えば、操作部15のボリューム26の調整量が1(小)であっても、ポンプ10による冷却水の供給力は、ボリューム26の調整量が4または5(大)のときの給水量となる。同様に、操作部15のボリューム26の調整量が2であっても、ポンプ10による冷却水の供給力は、ボリューム26の調整量が4または5(大)のときの給水量となり、操作部15のボリューム26の調整量が3であっても、ポンプ10による冷却水の供給力は、ボリューム26の調整量が4または5(大)のときの給水量となる。また、操作部15のボリューム26の調整量が4であれば、ポンプ10による冷却水の供給力は、ボリューム26の調整量が4または5(大)のときの給水量となり、操作部15のボリューム26の調整量が5(大)であれば、ポンプ10による冷却水の供給力は、ボリューム26の調整量が4または5(大)のときの給水量となる。
【0046】
このため、例えば、分水ホース17内に多くの空気が存在している状態でも、水圧により、分水ホース17内から空気をスムーズに追い出し、運転初期から、分水ホース17の広い部分の通水孔17cから冷却水を十分に流出させ、冷却効果を高めることが出来るようにしている。
【0047】
そして、この20秒(第1の起動時間)が経過すると、制御部19は、電池16の電圧を検出する(図13のS4)。
例えば、本実施形態では、電池16は3Vとしているので、その電圧が、現在、何ボルトかを検出する。
なお、この電池16の電圧検出は、図9に図示する抵抗分圧部31により測定する。
【0048】
次に、ボリューム26によって出力が、どの値に設定されているかを検出する(図13のS5)。
つまり、電池16の電圧が、直前に測定された検出電圧よりも低下すれば、ポンプ10の回転数が低下するので、電圧が低下してくれば、その時のボリューム26の設定値であらかじめ設定していたポンプ10の出力(回転数)よりも大きくなるように、ポンプ10の駆動時間を調整するのである(図13のS6)。
例えば、ボリューム26の設定値が3(中)であれば、1分間に15秒間、ポンプ10を回転駆動するようにしていたが、電池16の電圧が低下すれば、ポンプ10を、例えば、1分間に20秒間回転駆動することにより、冷却効果の低下を抑制しようとしているのである。なお、ボリューム26の設定値よりも長い時間であれば、例えば16秒間以上、20秒間以上であってもよい。
【0049】
そして、このような電池16の電圧状態を検出しながらの運転は、正転用のスイッチ18のOFFまで継続され、正転用のスイッチ18をOFFすれば運転終了となる(図13のS7、S8)。
【0050】
次に、逆転用のスイッチ23をONした場合も、同様な動作が行われる。
すなわち、分水ホース17内に、前回の冷却水が残り、また、空気も存在する状態となり、いわゆる空気かみ状態となった場合に、ポンプ10を逆転させ、分水ホース17内の空気かみ状態を解消するために逆転用のスイッチ23を用意している。
逆転用のスイッチ23をONすると(図13のS9)、制御部19は、電池16の電圧を検出する(図13のS10)。
例えば、本実施形態では、電池16は3Vとしているので、その電圧が、現在、何ボルトかを検出する。
なお、この電池16の電圧検出は、図9では図示していないが、電池16に、分割抵抗を並列接続し、その中点を、制御部19に接続すれば簡単に測定することが出来る。
【0051】
次に、ボリューム26によって出力が、どの値に設定されているかを検出する(図13のS11)。
つまり、電池16の電圧が、直前に測定された検出電圧よりも低下すれば、ポンプ10の回転数が低下するので、電圧が低下してくれば、その時のボリューム26の設定値であらかじめ設定していたポンプ10の出力(回転数)よりも大きくなるように、ポンプ10の駆動時間を調整するのである(図13のS12)。
例えば、ボリューム26の設定値が3(中)であれば、1分間に15秒間、ポンプ10を回転駆動するようにしていたが、電池16の電圧が低下すれば、ポンプ10を、例えば、1分間に20秒間回転駆動することにより、空気排出効果の低下を抑制しようとしているのである。なお、ボリューム26の設定値よりも長い時間であれば、例えば16秒間以上、20秒間以上であってもよい。
そして、20秒間経過すると、運転終了となる(図13のS13、S8)。
【0052】
ポンプ10の逆転駆動のもう一つの役割は、使用後にチューブ内に残留する水を排出することにより、乾燥を早める効果が期待できる。
なお、逆転用のスイッチ23をONすることで、災害や、遭難などの場合で、飲料水が必要となる場合に、最低限の飲料水を用意することもできる。
すなわち、冷却衣服1を、例えば、河川などに沈め、逆転用のスイッチ23をONすると、河川の水が、中空糸膜よりなる分水ホース17の通水孔17cから、この分水ホース17内に吸い込まれ、その水は、分水ホース17、送水ホース7を経由し、飲料水ボトル12内に溜めることが出来るのである。中空糸膜よりなる分水ホース17の通水孔17cは、0.2~0.4μmであるので、バクテリアや大腸菌を除去した、緊急的な飲料水が確保できるのである。
【0053】
なお、上記実施形態では、正転用のスイッチ18がON状態としてからの第1の起動時間を、一例として、20秒としたが、これは、20秒よりも短くても、長くても良く、分水ホース17内の空気を、水圧により、分水ホース17外へと追い出すことが出来れば、20秒よりも短くても、長くても良い。
つまり、運転初期から、分水ホース17の広い部分の通水孔17cから冷却水を十分に流出させ、冷却効果を高めることが重要なのである。
【0054】
(実施の形態2)
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
すなわち、上記実施形態では、正転用のスイッチ18がON状態になっていると、操作部15のボリューム26の調整量にかかわらず、第1の起動時間(例えば20秒)の間は、前記ポンプ10による冷却水の供給力を中よりも大きくする構成としているが、この点を変更したものである。
【0055】
具体的には、前記ポンプ10の起動後、第1の起動時間(例えば20秒)の間は、前記ポンプ10による冷却水の供給力を、この第1の起動時間経過後に、前記操作部15のボリューム26の調整量に応じて設定される前記ポンプ10による冷却水の供給力よりも大きくする構成とした。
例えば、前記ポンプ10の起動後、第1の起動時間(例えば20秒)の間は、操作部15のボリューム26の調整量が1(小)であっても、ポンプ10による冷却水の供給力を、ボリューム26の調整量が2以上のときの給水量とする。
同様に、操作部15のボリューム26の調整量が2であっても、ポンプ10による冷却水の供給力を、ボリューム26の調整量が3(中)以上のときの給水量とする。
また、操作部15のボリューム26の調整量が3(中)であっても、ポンプ10による冷却水の供給力を、ボリューム26の調整量が4以上のときの給水量とする。
さらに、操作部15のボリューム26の調整量が4であっても、ポンプ10による冷却水の供給力を、ボリューム26の調整量が5(大)のときの給水量とする。
また、操作部15のボリューム26の調整量が5(大)であっても、ポンプ10による冷却水の供給力を、ボリューム26の調整量が5(大)のときの給水量よりも大きくする。この操作部15のボリューム26の調整量が5(大)の時には、1分間に30秒間、ポンプ10を例えば5000rpmの回転で駆動する。
【0056】
このため、例えば、分水ホース17内に多くの空気が存在している状態でも、水圧により、分水ホース17内から空気をスムーズに追い出し、運転初期から、分水ホース17の広い部分の通水孔17cから冷却水を十分に流出させ、冷却効果を高めることが出来るようになる。
【0057】
なお、他の構成は、上記(実施の形態1)と同様なものであるので、説明の煩雑化を避けるために省略する。
【0058】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。本発明は、高温季において、野外活動や野外業務、あるいは高温環境下での屋内業務などにおいて有効な冷却衣服となる。
【符号の説明】
【0059】
1 冷却衣服
2 正面側の服地
3 背面側の服地
4 袖
5 冷却水供給部
6 冷却水分岐部
7 送水ホース
8 連結具
9 連結具
10 ポンプ
11 給水パイプ
12 飲料水ボトル
13 キャップ部
14 制御回路部
15 操作部
16 電池
17 分水ホース
17a 一端側給水部
17b 他端側給水部
17c 通水孔
17d 出水部
18 スイッチ
19 制御部
20 連結部
21 スイッチング素子
22 スイッチング素子
23 スイッチ
24 スイッチング素子
25 スイッチング素子
26 ボリューム
27 縫い付け糸
28 連結具
29 開口部
30 接着剤
31 抵抗分圧部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13