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特許7106145モバイル環境試験および分析のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】モバイル環境試験および分析のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/22 20060101AFI20220719BHJP
【FI】
G01N1/22 A
G01N1/22 Q
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019555735
(86)(22)【出願日】2017-12-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 US2017068241
(87)【国際公開番号】W WO2018119414
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-12-16
(31)【優先権主張番号】62/437,917
(32)【優先日】2016-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519226470
【氏名又は名称】エンバイロリティクス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ、ジュニア・アラン・ダブリュー
【審査官】高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-252893(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0157342(US,A1)
【文献】特開昭50-027255(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0202430(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0066105(US,A1)
【文献】特開昭64-070119(JP,A)
【文献】特開昭59-226848(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0017822(US,A1)
【文献】特開2012-189582(JP,A)
【文献】特開平08-265987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00 - 1/44
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル測定システムであって、
前記システムのモバイル動作および前記測定システムの静止動作が可能である車両と、前記車両は、電気エネルギー源を有する、
前記電気エネルギー源に結合された測定デバイスと、
前記測定デバイスに結合された入力ラインと、
前記入力ラインに結合されたサンプル収集装置と、ここにおいて、前記サンプル収集装置は、第1の温度でサンプルを取得し、およびここにおいて、前記入力ラインは、前記第1の温度以上のライン温度を維持するように構成された加熱素子を備え、およびここにおいて、前記サンプル収集装置は、前記モバイル測定システムのモバイル動作および静止動作中に前記サンプルを取得することが可能である、
を備え
前記車両は、推進源を備え、前記推進源は、燃焼機関をさらに備え、
前記推進源は、ガスまたはディーゼル燃料のうちの少なくとも1つを使用して動作されることが可能であり、前記推進源は、ガソリン、プロパン、圧縮天然ガス、電気のうちの少なくとも1つを使用して動作するように切り替えられることが可能であり、前記システムは、前記測定デバイスが前記入力ラインからサンプルを受け取っているかどうかに基づいて、ガソリン、ディーゼル、プロパン、圧縮天然ガスまたは電気へ前記推進源の燃料源を切り替えるように動作可能であるスイッチを備えるモバイル測定システム。
【請求項2】
前記推進源は冷却システムを備え、前記入力ラインは前記冷却システムに結合される、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記入力ラインは、サンプル管を備え、前記加熱素子は、前記サンプル管に各々が隣接する2つの加熱管を備え、前記2つの加熱管は、前記冷却システムに結合される、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記車両に取外し可能に結合されたトレーラをさらに備え、前記トレーラは、前記電気エネルギー源の少なくとも一部分を収容する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
記トレーラは、前記プロパンまたは圧縮天然ガスを収容する、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記電気エネルギー源は、少なくとも12時間にわたり前記測定デバイスに連続的動作電力を提供するように構成されたバッテリのアレイまたはインバータを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
ポータブル科学プラットフォームであって、
推進源と独立した再生可能エネルギー源を有するモバイル車両と、ここにおいて、前記ポータブル科学プラットフォームは、モバイル動作および静止動作が可能である、
前記再生可能エネルギー源に結合された測定デバイスと、
前記測定デバイスに結合された入力ラインと、
ガスサンプルを採取するための、前記モバイル車両に結合されたサンプリングデバイスと、ここにおいて、サンプル収集装置は、第1の温度でサンプルを取得するように構成され、ここにおいて、前記入力ラインは、前記第1の温度以上のライン温度を維持するように構成された加熱素子を備え、およびここにおいて、前記サンプル収集装置は、前記ポータブル科学プラットフォームのモバイル動作および静止動作中に前記サンプルを取得することが可能である、
前記ガスサンプルから凝縮を除去し、処理されたサンプルを出力するための脱凝縮デバイスと、
前記サンプリングデバイスに通信可能に結合された検出器と、ここにおいて、前記検出器は前記サンプリングデバイスがアクティブか否かを検出するように構成される、
前記サンプリングデバイスがアクティブであることの検出に基づいて、ガソリン、プロパン、圧縮天然ガスあるいは電気の一つに前記車両の前記推進源を切り替えるように構成されたスイッチと、
前記処理されたサンプルを分析するための分析デバイスと、
を備えるポータブル科学プラットフォーム。
【請求項8】
前記推進源は、少なくともプロパン、圧縮天然ガスあるいは電気の一つに切り替えられた車両により、前記ガスサンプルを汚染しない、請求項に記載のポータブル科学プラットフォーム。
【請求項9】
前記車両が移動している間に汚染物質無しのガスサンプルを採取することを可能にするプロパン、圧縮天然ガスあるいは電気の一つに前記推進源を切り替える、請求項に記載のポータブル科学プラットフォーム。
【請求項10】
前記サンプリングデバイスは、2層にされたフィルタリングデバイスをさらに備え、前記2層は各々が穿孔を有し、前記穿孔は重ならない、請求項に記載のポータブル科学プラットフォーム。
【請求項11】
前記2層は各々が、共通の端部で閉じられた管を形成する、請求項10に記載のポータブル科学プラットフォーム。
【請求項12】
前記脱凝縮デバイスは、採取された前記ガスサンプルの周囲温度以上に加熱される供給ラインを備える、請求項に記載のポータブル科学プラットフォーム。
【請求項13】
前記加熱素子は、サンプルラインに隣接する2つのラインを備え、前記2つのラインは、前記車両の加熱/冷却システムからの加熱されたクーラントを運ぶ、請求項12に記載のポータブル科学プラットフォーム。
【請求項14】
モバイル測定システムであって、
電気エネルギー源および推進源を有する車両と、ここにおいて、前記推進源は、燃焼機関をさらに備え、ガスまたはディーゼル燃料のうちの少なくとも1つを使用して動作されることが可能であり、前記推進源は、プロパンまたは圧縮天然ガスのうちの少なくとも1つを使用して動作するように切り替えられることが可能である、
前記電気エネルギー源に結合された測定デバイスと、
前記測定デバイスに結合された入力ラインと、
前記入力ラインに結合されたサンプル収集装置と、ここにおいて、前記サンプル収集装置は、第1の温度でサンプルを取得し、およびここにおいて、前記入力ラインは、前記第1の温度以上のライン温度を維持するように構成された加熱素子を備える、
前記測定デバイスが前記入力ラインからサンプルを受け取っているかどうかに基づいて、ガソリン、ディーゼル、プロパン、圧縮天然ガスまたは電気のうちの1つへ前記推進源の燃料源を切り替えるように動作可能であるスイッチと、
を備えるモバイル測定システム。
【請求項15】
モバイル測定システムであって、
電気エネルギー源を有するポータブルパワープラントと、
前記電気エネルギー源に結合された測定デバイスと、
前記測定デバイスに結合された入力ラインと、
前記入力ラインに結合されたサンプル収集装置と、ここにおいて、前記サンプル収集装置は、第1の温度でサンプルを取得し、ここにおいて、前記入力ラインは、前記第1の温度以上のライン温度を維持するように構成された加熱素子を備え、およびここにおいて、前記サンプル収集装置は、前記モバイル測定システムのモバイル動作および前記モバイル測定システムの静止動作のグループのうちの少なくとも1つの間に前記サンプルを取得することが可能である、
ここにおいて、前記ポータブルパワープラントは、モバイル動作中に前記モバイル測定システムを推進させるための推進源を含み、前記推進源は、燃焼機関および電気エンジンのグループのうちの少なくとも1つとして動作可能である、
ここにおいて、前記推進源は、ガス、およびディーゼル燃料、および電気駆動のグループうちの少なくとも1つを使用して動作されることが可能であり、前記推進源は、プロパン、圧縮天然ガス、および電気パワーのうちの少なくとも1つを使用して動作するように切り替えられることが可能である、
を備え
前記システムは、前記測定デバイスが前記入力ラインからサンプルを受け取っているかどうかに基づいて、ガソリンまたはディーゼルからプロパン、圧縮天然ガス、および電気パワーのグループからのうちの少なくとも1つへ前記推進源の燃料源を切り替えるように動作可能であるスイッチを備えるモバイル測定システム。
【請求項16】
モバイル測定システムであって、
電気エネルギー源を有するポータブルパワープラントと、
前記電気エネルギー源に結合された測定デバイスと、
前記測定デバイスに結合された入力ラインと、
前記入力ラインに結合されたサンプル収集装置と、ここにおいて、前記サンプル収集装置は、第1の温度でサンプルを取得し、ここにおいて、前記入力ラインは、前記第1の温度以上のライン温度を維持するように構成された加熱素子を備え、およびここにおいて、前記サンプル収集装置は、前記モバイル測定システムのモバイル動作および前記モバイル測定システムの静止動作のグループのうちの少なくとも1つの間に前記サンプルを取得することが可能である、
ここにおいて、前記ポータブルパワープラントは、推進源を有する第1のモバイルプラットフォームを備え、前記ポータブルパワープラントは、推進源を有しない第2のモバイルプラットフォームを含み、推進源を有しない前記第2のモバイルプラットフォームは、前記電気エネルギー源の少なくとも一部分を収容し、推進源を有しない前記第2のモバイルプラットフォームは、トレーラおよびコンテナのグループからのものである、
を備えるモバイル測定システム。
【請求項17】
推進源を有しない前記第2のモバイルプラットフォームは、推進源を有する前記第1のモバイルプラットフォームに取外し可能に結合される、請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
[0001]本出願は、2016年12月22日に出願された米国仮出願第62/437,917号の利益および優先権を主張するものであり、その出願および内容は、本明細書に完全に記載されているようにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示は、科学的測定プラットフォームに関し、より詳細には、モバイル科学測定プラットフォーム(mobile scientific measuring platforms)に関する。本開示はまた、収集されたサンプルから凝縮物を除去するためのシステムおよびデバイス、ならびに精密サンプリングデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]従来のモバイル科学測定プラットフォームは、純粋な汚染されていないサンプルの収集を提供または保証するためのシステムは言うまでもなく、「クリーン」で継続性、一貫性、および冗長性のあるパワーシステムの統合を有しない断片的な「フランケンシュタイン」ユニットであった。これらのプラットフォームは、収集されたデータを損傷するだけでなくサンプリングラインを汚染するサンプリングラインにおける凝縮物によって、および使用される質量分析計または他の科学機器内への凝縮物の取り込みによって悩まされている。加えて、従来のモバイル科学プラットフォームは、ガソリンやディーゼルのような従来の化石燃料を使用しており、このことがデータ収集および分析をさらに劇的に複雑にしている。サンプリングラインおよび他の科学機器に近接し収集されたこれらの化石燃料の燃焼による燃焼生成物が、収集されるデータを汚染する。加えて、従来のプラットフォームは、博士号を有する科学者による一定の操作、サンプル収集、およびデータ解釈を現場で必要としている。したがって、既存のモバイル科学測定プラットフォームに対して改善がなされる可能性がある。
【0004】
[0004]空気サンプリングの従来の手法は、サンプルを測定機器に送達する輸送ラインまたはトレーサ管における、凝結をもたらす一定でない温度またはコールドスポットに悩まされている。輸送ラインまたはトレーサ管が長くなるほど、凝縮物の形成の機会が増える。凝縮は、トレーサ管の内部を汚染するおそれがあり、それにより、科学機器内で人工的に高められたバックグラウンド信号(または他の不正確性)を生じ得る。そして、これらの凝縮物は、有効な測定を得るためにサンプリングシステムから「ベークアウト(baked out)」されなければならず、それにより、機器および測定の停止時間が生じる。さらに、トレーサ管内を移動する凝縮物が(質量分析計などの)科学測定機器に到達する場合、高費用の汚染除去、トレーサ管交換、および長い機器停止時間を招く可能性がある。結果として、科学測定および分析のために使用される空気およびガス輸送システムに対して改善がなされる可能性がある。
【0005】
[0005]空気およびガスサンプリングの従来の手法は、サンプル汚染、サンプルラインもしくは質量分析計または使用される他の科学器具における有機元素、無機元素、および原子の凝縮、ならびに空気サンプルを分析するための様々な質量分析計の不適切な使用によって悩まされている。通常は、フィルタまたは他のスクリーニングデバイスを有しないサンプルラインが使用されている。したがって、空気およびガス収集に対して改善がなされる可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示は、モバイル科学または測定プラットフォームのためのシステム、デバイス、および方法に関する。一態様では、モバイル科学プラットフォームは、電気エネルギー源と、電気エネルギー源に結合された質量分析計などの測定デバイスとを有する車両を含むことができる。入力ラインは、測定デバイスと、たとえばガスサンプルを取得するための1つまたは複数のサンプル収集装置とに結合され得る。いくつかの態様では、入力ラインは、収集されたサンプルにおける凝縮物の形成を低減または防止するために、収集されたサンプルの温度以上のライン温度を維持するように構成された加熱素子を含むことができる。いくつかの態様では、車両による汚染の無い(または車両による汚染のレベルが低減された)ガスサンプルの収集を可能にするために、モバイル科学プラットフォームは、電気、プロパン、圧縮天然ガス、または他の類似の燃料で動作し、または動作するように切り替えられ得る。
【0007】
[0007]いくつかの態様では、車両は、燃焼機関などの推進源を含むことができる。推進源はガスもしくはディーゼル燃料または他の類似の燃料のうちの少なくとも1つを使用して動作されることが可能である。いくつかのケースでは、推進源は、プロパン、圧縮天然ガス、電気、または他の低減された排出燃料もしくはエネルギー源のうちの少なくとも1つを使用して動作するように切り替えられることが可能である、これは、取得されたガスサンプルの汚染を回避するために、モバイル科学プラットフォームが、移動中にガスサンプルを取得するために使用されるときに特に有用であり得る。いくつかの例では、プラットフォームは、測定デバイスが入力ラインからサンプルを受け取っているかどうかに基づいて、ガソリンまたはディーゼルからプロパンまたは圧縮天然ガスまたは電気へ推進源の燃料源を切り替えるように動作可能であるスイッチを含むことができる。
【0008】
[0008]いくつかの態様では、車両の推進源は、冷却システムを含むことができる。このシナリオでは、入力ラインは、冷却システムに結合(たとえば、取外し可能に結合)され得る。入力ラインは、サンプル管を含むことができ、加熱素子は、サンプル管に各々が隣接する2つの加熱管を含むことができる。2つの加熱管は、サンプル管におけるサンプルの閾値温度を維持するために、加熱/冷却システムからの加熱されたクーラントを運ぶために、冷却システムに取外し可能に結合され得る。
【0009】
[0009]いくつかの例では、モバイルプラットフォームは、車両に取外し可能に結合されたトレーラを含むことができ、トレーラは、電気パワー源の少なくとも一部分を収容する。いくつかのケースでは、車両は、推進源を含むことができ、推進源は、ガスまたはディーゼル燃料での動作とプロパン、圧縮天然ガス、電気、または他の低減された排出源での動作との間で切り替え可能であり得る。このシナリオでは、トレーラは、プロパンまたは圧縮天然ガスまたは別の代替燃料を収容することができる。いくつかの例では、電気パワー源は、少なくとも12時間にわたり測定デバイスに連続的動作電力を提供するように構成されたバッテリのアレイを含むことができる。
【0010】
[0010]いくつかの態様は、モバイルプラットフォームを利用して測定のための空気サンプルを収集する方法を含むことができる。この方法は、モバイルプラットフォームに取外し可能に取り付けられた測定デバイスがアクティブであることを検出することを含むことができる。検出に基づいて、車両の推進源は、プロパン、圧縮天然ガス、または電気のうちの1つに切り替えられ得る。この方法は、測定デバイスに結合されたサンプル収集装置を使用して空気サンプルを取得することと、サンプルを分析し、分析に基づいて通知を生成することとをさらに含むことができる。代替燃料で切り替える(または代わりに単に代替燃料で動作する)ことによって、車両から生じる排出によりもたらされる汚染無しに、測定のためのサンプルが取得され得る。
【0011】
[0011]いくつかのケースでは、空気サンプルを取得することは、測定デバイスに結合された供給ラインを介して空気サンプルを取得することをさらに含むことができる。いくつかのケースでは、空気サンプルを取得することは、車両の推進源の冷却システムから得られた液体クーラントを使用して供給ラインにおける空気サンプルの最低温度を維持することを含むことができる。いくつかの態様では、液体クーラントは、供給ラインの空気サンプル管に隣接して進むことができる。いくつかの例では、空気サンプルを取得することは、蒸気収集装置を用いて空気サンプルを取得することを含むことができ、蒸気収集装置は、各々が穿孔を有する第1および第2の中空管を含み、第1の管は、第1および第2の中空管の穿孔が重ならないように、第2の管の少なくとも部分的に内側に配置される。
【0012】
[0012]別の態様では、ポータブル科学プラットフォームは、モバイル車両と、ガスサンプルを採取するための、モバイル車両に結合されたサンプリングデバイスを含むことができる。プラットフォームは、ガスサンプルから凝縮を除去し、処理されたサンプルを出力するための脱凝縮デバイスを加えて含むことができる。プラットフォームはまた、処理されたサンプルを分析するための分析デバイスを含むことができる。
【0013】
[0013]いくつかの態様では、モバイル車両は、たとえば推進源がアクティブであるときに、ガスサンプルを汚染しない推進源を含む。いくつかのケースでは、モバイル車両は、車両が移動している間に汚染物質無しのガスサンプルを採取することを可能にするために、汚染をする推進源での動作から汚染をしない推進源での動作へ切り替え可能である、
[0014]いくつかのケースでは、サンプルデバイスは、2層にされたフィルタリングデバイスを含み、各層は、重ならない穿孔を有する。いくつかの態様では、2層は各々が、共通の端部で閉じられた管を形成する。さらにいくつかのケースでは、脱凝縮デバイスは、たとえば、凝縮物によるサンプルの汚染を防止または低減するために、採取されたガスサンプルの周囲温度以上に加熱される供給ラインを含む。いくつかのケースでは、加熱素子は、サンプルラインに隣接する2つのラインを含み、2つのラインは、車両の加熱/冷却システムからの加熱されたクーラントを運ぶ。
【0014】
[0015]また、科学的サンプリングで使用するための補助熱交換システムのためのシステム、デバイス、および方法が本明細書に説明される。一態様では、熱交換システムは、車両の加熱/冷却システムに取外し可能に取付け可能である、外部ケーシングに収容された少なくとも1つの第1の導管またはプロセス管を含むことができる。トレーサ管などの別の導管が、第1の導管の近くに配置され、第1の導管の少なくとも一部の長さにわたって外部ケーシングに収容される。トレーサ導管は、ガス収集デバイスに取外し可能に取付け可能である第1の端部と、測定デバイスに取外し可能に取付け可能である第2の端部とを含むことができる。第1の導管は、トレーサ導管における凝縮物の形成を防止または低減するように、トレーサ導管におけるガスサンプルの少なくとも閾値温度を維持するために、車両の加熱/冷却システムからの加熱された液体を運ぶように構成され得る。
【0015】
[0016]いくつかのケースでは、熱交換システムは、外部ケーシングにおいてトレーサ導管に平行に各々配置された2つの導管またはプロセス管を含むことができる。いくつかのケースでは、第1の導管および第2の導管は、トレーサ導管と直接接触することができる。いくつかの例では、第1の導管、第2の導管、および/またはトレーサ導管は、PFA、PEEK、またはPTFEで作られ得る。いくつかの例では、第1の導管、第2の導管、および/またはトレーサ導管は、耐吸収性ガラス繊維絶縁体中の水溶性塩化物に包まれ得る。外部ケーシングは、耐吸収性ガラス繊維絶縁体を覆う非ハロゲン化熱可塑性ウレタンを含むことができる。
【0016】
[0017]いくつかの態様では、第1の導管、およびいくつかのケースでは第2の導管は、車両の加熱/冷却システムの加熱回路と共に補助ループを形成する。一例では、第1の導管、およびいくつかのケースでは第2の導管は、車両のヒーターコアに液体を提供する入口加熱ホースと、車両の加熱/冷却システムに液体を戻すように提供する出口加熱ホースとに取外し可能に取付け可能であり得る。別の例では、第1の導管、およびいくつかのケースでは第2の導管は、加熱/冷却システムのラジエータホースと、車両の加熱/冷却システムのクーラント膨張タンクとに取外し可能に取付け可能であり得る。いくつかのケースでは、補助熱交換システムは、少なくとも1つの第1の導管に結合された補助ポンプを含むことができ、ポンプは、第1の導管の延長された長さを通して液体を移動させるように構成される。
【0017】
[0018]いくつかの態様では、ガス収集デバイスは、2層にされたフィルタリングデバイスを含むことができ、2層は各々、重ならない穿孔を有する。いくつかのケースでは、2層は各々が、共通の端部で閉じられた管を形成する。
【0018】
[0019]いくつかの態様では、閾値温度は、ガスサンプルの周囲温度よりも高く設定され得る。いくつかの態様では、車両は、モバイル科学プラットフォームを含む。
【0019】
[0020]また、蒸気またはガスサンプリングデバイスのためのシステム、デバイス、および方法が本明細書で説明される。一態様では、説明された収集装置は、第1および第2の端部を有する外側蒸気収集装置または外側管を含むことができ、中空管は、第1の端部の近くに複数の穿孔を形成する。いくつかの例では、穿孔は、穿孔を通る砕屑物または環境汚染物質の通過を防止することができる。収集装置はまた、第1の端部と第2の端部とを有する内側蒸気収集装置または内側管を含むことができ、中空管は、外側管の第1の端部の反対側にある第2の端部の近くに複数の穿孔を形成する。内側管は、外側管の少なくとも部分的に内側に配置または付着され得る。内側管における穿孔は、2つの管における穿孔が重ならないように、外側管における穿孔に対して第2の端部に向かって配置され得る。他のケースでは、内側管および外側管は、各管の穿孔が部分的または全体的に重なるように互いに対して配置され得る。
【0020】
[0021]いくつかの態様では、外側蒸気収集装置は、外側蒸気収集装置の外径よりも大きい外径を有する鞍部を形成する。いくつかのケースでは、外側蒸気収集装置は、意図された挿入長に基づいて選択される長さを有する。さらにいくつかのケースでは、外側蒸気収集装置は、意図された挿入長に基づいて選択される鞍部から延長する長さを有する。
【0021】
[0022]いくつかの態様では、サンプリングデバイスはまた、外側蒸気収集装置または内側蒸気収集装置の第1の端部の近くで外側蒸気収集装置または内側蒸気収集装置のうちの少なくとも1つに結合された中空収集管コネクタを含むことができる。いくつかのケースでは、中空収集管コネクタは、測定デバイスに取り付けられる真空収集管を収容するように選択された外径を有する。
【0022】
[0023]いくつかの例では、外側蒸気収集装置の穿孔は、様々なサイズまたは形状のうちの少なくとも1つを有する。いくつかのケースでは、外側蒸気収集装置の穿孔のサイズまたは形状のうちの少なくとも1つは、デバイスの意図された使用に基づいて選択され得る。いくつかのケースでは、内側蒸気収集装置の穿孔は、外側蒸気収集装置の穿孔と比較してサイズが小さい。
【0023】
[0024]いくつかのケースでは、外側蒸気収集装置は、ハンドルを形成するように設計され得る。いくつかの例では、外側蒸気収集装置および内側蒸気収集装置は、PFA、PEEK、PTFE、または不動態化ステンレス鋼のうちの少なくとも1つで作られ得る。
【0024】
[0025]以下の図面を参照して、本開示の好ましい実施形態および代替実施形態が以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】[0026]車両に実装されるモバイル科学プラットフォームの例を示す図。
図2】[0027]車両およびトレーラに実装されるモバイル科学プラットフォームの例を示す図。
図3】[0028]トレーラまたは他のコンテナに実装されるモバイル科学プラットフォームの例を示す図。
図4】トレーラまたは他のコンテナに実装されるモバイル科学プラットフォームの例を示す図。
図5】[0029]図1図4に示されるようなモバイル科学プラットフォームによってまたは関連して実行され得る例示的プロセスを示す図。
図6図1図4に示されるようなモバイル科学プラットフォームによってまたは関連して実行され得る例示的プロセスを示す図。
図7図1図4に示されるようなモバイル科学プラットフォームによってまたは関連して実行され得る例示的プロセスを示す図。
図8】[0030]補助熱交換システムの一部として実装され得る例示的供給ラインを示す図。
図9】[0031]補助熱交換システムが結合され得る燃焼機関の例示的冷却/加熱システムを示す図。
図10】[0032]例示的補助熱交換システムの態様を示す図。
図11】例示的補助熱交換システムの態様を示す図。
図12】[0033]1つまたは複数のサンプルまたは蒸気収集装置に結合され得る例示的補助熱交換システムを示す図。
図13】1つまたは複数のサンプルまたは蒸気収集装置に結合され得る例示的補助熱交換システムを示す図。
図14】[0034]補助熱交換システムが結合され得る燃焼機関の別の例示的冷却/加熱システムを示す図。
図15】[0035]1つまたは複数のサンプルまたは蒸気収集装置に結合され得る別の例示的補助熱交換システムを示す図。
図16】[0036]モバイル科学プラットフォームおよび/または補助熱交換システムに関連して使用され得る例示的サンプルまたは蒸気収集装置の斜視図。
図17】モバイル科学プラットフォームおよび/または補助熱交換システムに関連して使用され得る例示的サンプルまたは蒸気収集装置の斜視図。
図18】モバイル科学プラットフォームおよび/または補助熱交換システムに関連して使用され得る例示的サンプルまたは蒸気収集装置の斜視図。
図19】[0037]図16図18のサンプルまたは蒸気収集装置の1つの例示的実装形態を示す図。
図20】[0038]図16図18のサンプルまたは蒸気収集装置を使用して得られた例示的サンプリング結果を示す図。
図21図16図18のサンプルまたは蒸気収集装置を使用して得られた例示的サンプリング結果を示す図。
図22図16図18のサンプルまたは蒸気収集装置を使用して得られた例示的サンプリング結果を示す図。
図23図16図18のサンプルまたは蒸気収集装置を使用して得られた例示的サンプリング結果を示す図。
図24図16図18のサンプルまたは蒸気収集装置を使用して得られた例示的サンプリング結果を示す図。
図25図16図18のサンプルまたは蒸気収集装置を使用して得られた例示的サンプリング結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0039]本開示は、モバイル科学プラットフォーム、補助熱交換システム、および蒸気またはサンプル収集装置の1つまたは複数の実施形態を説明しており、これらの全ては、従来のシステムに関する問題の1つまたは複数に対処するために独立してまたは様々な異なる方法で組み合わされて使用され得る。「しなければならない」および「することになる」などの絶対的用語ならびに特定の量の使用は、そのような実施形態の1つまたは複数に適用可能であると解釈されるべきであるが、必ずしも全てのそのような実施形態に適用可能であると解釈されるとは限らないことを理解されたい。したがって、説明されるシステム、デバイス、および方法の実施形態は、そのような絶対的用語の文脈で説明される1つまたは複数の特徴または機能性の修正を省略してよく、または含んでよい。
【0027】
[0040]開示の実施形態は、多数の汎用または専用のコンピューティングシステム環境または構成で動作し得る。本発明と共に使用するのに適し得る周知のコンピューティングシステム、環境、および/または構成の例は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドまたはラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス、プログラマブル家電、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、および上記のシステムまたはデバイスのいずれかを含む分散コンピューティング環境などを含むが、これらに限定されない。
【0028】
[0041]本開示の実施形態は、コンピュータにより実行されるプログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令の一般的文脈、および/またはそのような命令またはモジュールが記憶され得るコンピュータ可読媒体によって説明され得る。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行しまたは特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。本開示は、通信ネットワークを介してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境において実施されてもよい。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリストレージデバイスを含むローカルとリモートの両方のコンピュータ記憶媒体に配置され得る。
【0029】
[0042]本開示の実施形態は、種々のコンピュータ可読媒体を含み、またはそれらに実装され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の使用可能な媒体とすることができ、揮発性と不揮発性の媒体、取外し可能と取外し不能の媒体の両方を含む。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と通信媒体とを備えてよい。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報の記憶のための任意の方法または技術で実装される、揮発性および不揮発性の取外し可能および取外し不能の媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、フラッシュメモリ、もしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、もしくは他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、もしくは他の磁気ストレージデバイス、または所望の情報を記憶するのに使用可能でありコンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含むが、これらに限定されない。通信媒体は、典型的には、搬送波または他の移送機構などの変調されたデータ信号においてコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを具現し、任意の情報送達媒体を含む。「変調データ信号」という用語は、信号に情報を符号化する様式でその特性の1つまたは複数が設定または変更された信号を意味する。限定ではなく例として、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接配線接続などの有線媒体、ならびに音響、RF、赤外線、および他のワイヤレス媒体などのワイヤレス媒体を含む。上記の任意の組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0030】
[0043]1つまたは複数の実施形態によれば、ソフトウェアまたはコンピュータ実行可能命令とコンピュータ可読媒体との組み合わせが、マシンまたは装置の生成をもたらす。同様に、一実施形態によれば、処理デバイスによるソフトウェアまたはコンピュータ実行可能命令の実行が、処理デバイス自体とは区別可能であり得るマシンまたは装置の生成をもたらす。
【0031】
[0044]対応して、コンピュータ可読媒体は、ソフトウェアまたはコンピュータ実行可能命令を記憶することによって変換されることを理解されたい。同様に、処理デバイスは、ソフトウェアまたはコンピュータ実行可能命令を実行する過程で変換される。加えて、処理デバイスによるソフトウェアまたはコンピュータ実行可能命令の実行中の、または別様にその実行と関連する処理デバイスに対する第1のセットのデータ入力が、そのような実行の結果として第2のセットのデータに変換されることを理解されたい。この第2のデータセットは、その後、記憶され、表示され、コンピュータ可読媒体の部分の物理的変更の結果であり、またはその変更を別様に伴い得る。各上記の例で言及されるそのような変換もまた、たとえば、処理デバイスによるソフトウェアまたはコンピュータ実行可能命令の実行中の処理デバイスに関連付けられたレジスタおよび/またはカウンタの状態の、物理的変更の結果であり、またはその変更を別様に伴い得る。
【0032】
[0045]本明細書で使用される場合、「自動的に」実行されるプロセスは、プロセスがマシン実行命令の結果として実行されることを意味することができ、ユーザ設定の確立以外には手動の労力を必要としない。
モバイル科学プラットフォーム
[0046]図1図4を参照すると、(「SciArk」または「SciLab」のいずれかとして示されることがある)モバイル科学プラットフォームの様々な実装形態が示されている。SciArkは、車両に実装されるモバイル科学プラットフォームを指し、SciLabは、推進の手段を含まないトレーラ、車両、またはコンテナに実装されるモバイル科学プラットフォームを指す。いくつかの態様では、記載されているモバイル科学プラットフォームは、空気、液体、および固体中の原子ならびに揮発性有機(および無機)化学物質(VOC)を測定するためのプロセスまたは方法を実行するシステムおよび/またはデバイスを含むことができる。1つの具体例では、記載されているモバイル科学プラットフォームは、空気、液体、および固体中の原子ならびに揮発性有機(および無機)化学物質(VOC)を測定するための、代替燃料、EPA認定、フィールド展開可能、ゼロエミッション、太陽および風力補助式のモバイル科学プラットフォームであり得る。
【0033】
[0047]記載されているモバイル科学プラットフォームは、たとえば、医学、薬学、環境、エネルギー、航空宇宙、麻薬取締、自動車、爆発物検知、地質学、採鉱/鉱物/ガス/油探査、法医学、農業、科学、研究、および獣医学の用途の一般的分野を含む、様々な分野で用途を有する。
【0034】
[0048]記載されているモバイル科学または測定プラットフォームの商業用途は、環境試験、放射線モニタリング、モバイル医療ラボ、植物、動物および人間のウイルス、バクテリアおよびプリオン感染の迅速な医療スクリーニング、人間の重金属曝露、人身売買阻止、香料および食品産業、生理学的健康決定、代謝異常、がん検出、薬物検出および有効性研究、分析検査室手順、土壌汚染、地質調査、大気試験、土壌測定、環境大気サンプリング、大気質測定、ならびに爆発物識別のためのモバイル科学プラットフォームを含むが、これらに限定されない。さらに、用途は、研究施設、モバイルラボ、診療所、病院、獣医診療所、外来患者用施設、外科センター、血液銀行、臨床検査室、医学校および獣医学校、保健所、遺体安置所、ならびに諸機関、たとえば、WHO、EPA、NOAA、NASA、CDC、およびNIH、FEMA、TSA、NTSB、DoD、FBI、ICE、DOJ、SWATチーム、爆弾処理班、CIA、NSA、DHS、DEA、消防署および警察署、および州/地域の環境/公衆衛生機関などを含む。適切な用途は、空気、液体、または固体中の揮発性有機(または無機)化学物質および原子種の試験、モニタリング、診断、分析、または評価のために、(たとえば後述されるAHEおよびAMVCデバイスを使用して、凝縮を除去することによる)汚染されていない非凝縮空気源が必要とされるいずれの場所および時間も含む。
【0035】
[0049]記載されているモバイル科学プラットフォームは、代替燃料オプションを利用することなどによって、環境汚染を最小ないし無にする際に統合されたパワーシステムを使用して、分析ラボおよび科学研究をモバイル、フィールド展開可能、およびポータブルにすることを可能にする。代替燃料オプションの使用は、環境汚染、またはVOCもしくは無機物の無関係なデータ収集無しに、堅牢、反復可能、および検証可能な測定サンプルを保証するために役立ち得る。加えて、記載されているモバイル科学プラットフォームは、要員無しでかなりの時間の期間(たとえば数日など)にわたって延長された動作時間を許容することができる。
【0036】
[0050]従来のプラットフォームは、代替燃料オプションや汚染されていない空気サンプルは言うまでもなく、冗長パワーシステムの統合を有しない断片的な「フランケンシュタイン」ユニットであった。これらの従来のプラットフォームは、収集されたデータを損傷するだけでなくサンプリングラインを汚染する加熱されていないサンプリングラインにおける凝縮物によって、および使用される質量分析計または他の科学機器内への凝縮物の取り込みによって悩まされている。これらの理由で、後でより完全に説明される補助熱交換器(AHE)が、たとえば記載されているモバイル科学プラットフォームと共に使用されると、これらの課題の1つまたは複数を克服することができる。加えて、従来のモバイル科学プラットフォームは、ガソリンやディーゼルのような従来の化石燃料を使用しており、このことがデータ収集および分析をさらに劇的に複雑にしている。サンプリングラインおよび他の科学機器に近接し収集されたこれらの化石燃料の燃焼による燃焼生成物が、収集されるデータを汚染する。加えて、従来のプラットフォームは、博士号を有する科学者による一定の操作、サンプル収集、およびデータ解釈を現場で必要としている。いくつかのケースでは、記載されているモバイル科学プラットフォームは、代替燃料を利用すること、および/またはより長い無人での使用のためのより長い期間の電力貯蔵を利用することによって、従来のシステムのこれらの課題の1つまたは複数をさらに対処することができる。
【0037】
[0051]言及されたように、いくつかの態様では、記載されているモバイル科学プラットフォームは、代替燃料車両である。プラットフォームは、一態様では、ガソリンで走行する車両に組み込まれ得る。いくつかのケースでは、車両は、プロパン、圧縮天然ガス(CNG)、または他の供給源でも走行できるように修正され得る。一例では、記載されているモバイル科学プラットフォームは、異なる燃料で走行するために運転手の区画において手動で切り替えられ得る。ガソリンは、「最も汚れた」燃料であり、何百もの燃焼副産物を生成するが、燃料の単位あたり最も高いエネルギー含量を有する。ディーゼルは、それほど「汚れていない」が、黒い粒子を生成し、空気サンプリングデバイスを詰まらせ汚染する可能性がある。ディーゼルも燃料の単位あたり高いエネルギー含量を有するが、ガソリンよりも少ない。プロパンは、比較的かなりきれいであり、わずかな微粒子しか生成しない。燃料の単位あたりのそのエネルギー含量は、ディーゼルまたはガソリンよりも少ない。CNGは、最もきれいな化石燃料であり、生成する微粒子が最も少ないが、単位体積あたりのエネルギー含量は全ての化石燃料のうち最も少ない。いくつかの例では、1つまたは複数の検出器が、たとえば測定機器が起動もしくは電源投入されたとき、および/またはサンプルが収集されているときを検出するために実装され得る。そのような検出をすると、車両は、ガソリン、ディーゼル、または他の「汚れた」燃料での動作から、プロパン、CNG、または他の供給源などのよりきれいなエネルギー源での動作に自動的に切り替えられ、または変換され得る。
【0038】
[0052]別の態様では、モバイル科学プラットフォームは、電気車両に組み込まれ得る。たとえば、車両内で科学機器を動作させるための二重のセットのバッテリを有する全電気式車両が使用され得る。この例では、補助バッテリは、ブレーキエネルギー、オルタネータ、ソーラーパネル、および風力タービンを使用して充電され得る。
【0039】
[0053]記載されているモバイル科学プラットフォームは、好ましくは、ガソリン、プロパン、CNG、または電気で動作する。いくつかのケースでは、記載されているモバイル科学プラットフォームは、ゼロエミッションプラットフォームであり得る。
【0040】
[0054]図1は、車両102に組み込まれたモバイル科学プラットフォーム100の例を示す。車両102は、多用途車、トラック(標準的なピックアップトラック、フラットベッドトラック、またはセミトラックなどの商用トラックなど)、バン(フォードトランジットまたは他の類似のバンなど)、自動車などを含む種々の形態のいずれかであってよく、本明細書に説明されている種々の特徴のいずれかを有してよいことを理解されたい。上述のように、車両102は、ガソリン、プロパン、CNG、もしくは電気、またはこれらの組み合わせで走行するなど、いくつかの推進機構のいずれかを利用し得る。
【0041】
[0055]いくつかのケースでは、プラットフォーム100は、車両102内の科学機器のエネルギー要件を実現するために、車両の側面に配置されたオスレセプタクルまたはプラグ104(たとえば、2つの120V/30Aレセプタクル)を介して従来の陸上電力(たとえば、120または240ボルト)に接続され得る。好ましくは、陸上電力は、回路保護用にブレーカを備えたUL承認の工業制御パネル106に配線される。1つまたは複数のロバストな純粋正弦波インバータ108、110が、制御パネル106に接続され得る。質量分析計およびガスクロマトグラフ機器(または、たとえば120V/20Aの電力を必要とし得る任意の他の測定装置)のような科学機器112は、車両102の内部または車両102の外部のいずれかで正弦波インバータ108、110にプラグ接続され得る。敏感な科学器具およびマイクロ回路への損傷を防止するために、純粋な正弦波電力が好ましい。加えて、代替的電源として、たとえば純鉛AGMディープサイクル12ボルトバッテリなどのバッテリ114が、直列に配置され(または、直列および並列に接続された6ボルトバッテリのアレイ、もしくは24ボルトおよび48ボルトのバッテリの構成が使用されてもよい)、正弦波インバータ108、110に接続され、これにより、陸上電力が利用できないときに一定の電力を科学機器112に提供する。いくつかの態様では、10個以上のAGMバッテリが使用され得る。追加的または代替的に、AGMバッテリ114に代えて様々なタイプのバッテリを使用することが可能であり、たとえば、リチウムイオンバッテリ、ニッケル-マンガン-コバルト酸化物カソードグリッドバッテリ(NMCバッテリと呼ばれる)、またはニッケル-コバルト-アルミニウムバッテリ、またはニッケルカドミウムバッテリ、またはグラファイトアノードへのシリコンの導入により性能が向上されたバッテリ、または、直列もしくは並列に配置され、および/もしくは固体バッテリを含めて一緒に直列と並列の両方で接続され、ワット容量および/もしくは高いアンペア時定格が向上された任意の高性能バッテリが使用され得る。いくつかの態様では、各バッテリは、必要に応じてバッテリのホットスワップを可能にするためにブレーカに接続され得る。
【0042】
[0056]いくつかのケースでは、記載されているモバイル科学プラットフォーム100は、陸上(たとえば任意の外部)電力無しで最低12時間にわたり動作するように構成され得るが、使用されるバッテリの数およびタイプ、ならびにモバイルプラットフォームにおける分析機器の電力需要に応じて、より長いまたは短い時間の期間に動作し得る。12時間稼働できる電源は、科学機器の電源を落とす必要無しに、科学機器112が現場間で連続的に動作することを可能にでき、電源を落とす場合、機器を較正する時間を含めずに初期起動時に4時間超かかることがある。1つの具体例では、直列および並列に配置された10個の6ボルトバッテリのバッテリバンクが、12ボルト電力をインバータに提供するために使用され得る。各バッテリは400アンペア/時であり、最大12時間またはそれ以上の連続電力をほとんどの科学器具に提供する。
【0043】
[0057]いくつかの例では、AGMバッテリ電荷は、複数の統合されたシステムのうちの1つまたは複数によって維持される。電荷は、車両102の上部に装着された1つまたは複数のソーラーパネル116によって増大され得る。ソーラーパネル116は、バッテリアレイ114に直接接続された480または680ワットの4パネルアレイ(チャージコントローラ118を有する)を含むことができる。追加のポータブルソーラーパネル(チャージコントローラ118を有する)が、追加の電荷をバッテリ114に提供するために、車両内に保持され、および外部に配置されることが可能である。1つの具体例では、合計680ワット(29.5アンペア/時)の6つの単結晶ソーラーパネルがチャージコントローラと共に使用され得る。追加の独立型ソーラーパネルが既存のパネルにデイジーチェーン接続されてよく、それらは、モバイル科学プラットフォームの屋根および/または側面に永続的に設置され得る。追加的または代替的に、ヘビーデューティオルタネータ118が、(チャージコントローラと共に)車両102に設置され、車両が走行中にいつでも追加の充電のためにAGMバッテリ114に接続され得る。
【0044】
[0058]さらに他の実施形態を参照すると、モバイルプラットフォーム100が静止しているときに、インバータ108、110に対するバッテリ114を充電するために、車両102に垂直風力タービン(図示せず)が搭載され得る。電力が失われたときにミッションクリティカル飛行システムにバックアップ電力を提供するために航空機で使用されるようなRAM空気タービン(RAT)(図示せず)が、プラットフォームがモバイルである場合にバッテリ114を充電するために、追加的または代替的に車両102に搭載されてよい。
【0045】
[0059]図2を参照すると、別の実装形態のモバイル科学プラットフォームの200が示されている。プラットフォーム200は、車両102などの車両と、車両102の外部のトレーラまたはコンポーネント202とを含むことができる。いくつかの態様では、ガソリン/プロパン/CNGで動作するように変換されているポータブル正弦波インバータ204(たとえば、4500ワットを生成する)が、エネルギー要件が要求する場合にいつでも陸上電力を提供するために使用されてもよい。ポータブルインバータ204は、車両102内で運搬されてよく、またはプロパンまたはCNGタンク206、208の供給も有し得る牽引トレーラ202内に収容されてよい。ポータブルインバータ204は、車両102またはトレーラ202または他の区画もしくはコンテナのいずれかにおけるモバイルプラットフォームの代替燃料として永続的に設置されたプロパン/CNGタンク206、208から外れることが可能であり、したがって、ポータブルインバータ204は、牽引トレーラ/コンテナ内のタンクから外れることが可能である。ポータブルインバータ204によって生成された純粋正弦波電力は、モバイルプラットフォーム上の陸上電力ポートに伝送される。
【0046】
[0060]いくつかの態様では、バッテリバンクにおける電圧が11.0VDCに達するといつでも、モバイル科学プラットフォームからのセンサが、(たとえば、バンから25フィートに配置された)ポータブルインバータに接続することができ、それにより、そのエンジンを自動的に始動させることができる。いったん接続されると、ポータブルインバータは、モバイル科学プラットフォームに「陸上電力」を提供する。ポータブルインバータの実行時間は、(たとえば、タイマー、コントローラなどを介して)手動または自動で調整および制御され得る。ポータブルインバータは、モバイル科学プラットフォームの背部で貨物運搬されてよく、または、DOT承認のプロパンタンクの燃料供給も有するより小さいトレーラにおいて牽引されてもよい。
【0047】
[0061]記載されているモバイル科学プラットフォーム100、200は、統合された電力サポートの無制限および多用途なシステムを提供することができる。それにより、純粋な空気サンプリングのための静止モードの測定機器の無人運転を延長するのを可能にする。モバイル動作では、プロパン/CNGを使用する車両102の推進により「クリーンな」空気サンプリングを可能にする。好ましくは、サンプリングは、後でより十分に論じられるように、1つまたは複数のサンプル収集装置または原子/分子蒸気収集装置(AMVC:Atomic/Molecular Vapor Collector)などのサンプリングデバイスによって行われる。空気サンプリングが動作していないときは、車両102の現場への運搬および現場から運搬するために、ガソリン推進が使用されてよい。
【0048】
[0062]図1に戻ると、一実施形態によれば、12ボルトデバイス122、124、126のアレイが、車両102の上部および/または内部に取り付けられ、全てが低電圧制御パネル128に接続されている。温度、風速、風向、湿度、圧力、露点などを測定するGPSロケータ122および気象ステーション124、ならびに風力タービンが、車両の上部に取り付けられ得る。車両102の内部には、様々な12ボルトデバイスまたはセンサ(図示せず)があり得る。車両102は、調査中のVOCまたは無機物に応じて、ほんの数例を挙げると、放射線、アンモニア、CO2、メタン、および窒素のセンサを装備され得る。種々の12ボルト補助センサの全てまたは一部、ならびにバン内の科学器具(たとえば、質量分析計、ガスまたは液体比色計など)からのデータは、表示、解釈、および/または分析のためにサーバまたはラップトップに統合され得る。これらセンサのいずれかから取得されたデータは、将来の使用のために記憶され、自動警告システムをトリガするために使用され、またはリモートラボまたはクライエントセンターでのリアルタイム分析のためにBluetooth(登録商標)またはWi-Fiホットスポットを通して送信され得る。いくつかの態様では、1つまたは複数のセンサから取得されたデータは、アップロードされ、ログイン資格情報などによって1つまたは複数のサーバを介してアクセス可能にされ得る。
【0049】
[0063]別の態様では、図3に示されるように、制御パネル106、バッテリ114、ソーラーパネル116、チャージコントローラ118、プロパンまたはCNGタンク206、208などの発電機器は、トレーラ300などのトレーラに収容され得る。トレーラ300は、後方で牽引され、1つまたは複数のポータブルインバータ204を介して、(たとえば、車両102などの車両に収容された)測定機器に接続され得る。
【0050】
[0064]一態様では、図4に示されるように、ポータブルトレーラ400は、プロパン/CNGタンク206、208、UL工業制御パネル106、1つまたは複数の純粋正弦波インバータ108、110、ソーラーパネル116、任意選択のセンサ(気象ステーション、GPS、CO2など)122、124、126、風力タービン(図示せず)、ならびに直列および/または並列のAGMバッテリアレイ114を装備されてよく、基本的にプラットフォーム100を複製しているが、主推進システム(すなわちエンジン)を有しない。実施形態で分析に使用される科学機器は、近くに配置された建物内に収容されながらポータブルトレーラ400から電力供給されてよく、またはトレーラ400自体に含まれてよく、またはトレーラ400を牽引する車両内であってよく、またはトレーラ400の近くに配置されてよい。いくつかの態様では、トレーラ400は、車両102より大きな表面積を有することができ、したがって、インバータに対するバッテリを満充電に維持するために、追加の単結晶ソーラーパネルまたは風力タービンがトレーラ400に一時的または永続的に配置され得る。トレーラ400のサイズを大きくすることにより、トレーラ400内に追加の科学器具を設置し動作させることが可能になり得る。
【0051】
[0065]記載されているモバイル科学プラットフォームの上記の実装形態は例として与えられているに過ぎないことを理解されたい。他の実装形態、たとえば、ある実装形態から別の実装形態へ特徴を追加もしくは削除すること、いくつかの特徴を実装形態から除去すること、または車両からトレーラへもしくはその逆のように1つもしくは複数の特徴の位置を変更することが、本明細書で企図される。車両および/またはトレーラの動作/安全操作に必要な特徴などの他のコンポーネントまたは特徴の多くが本明細書で企図されるが、簡潔にするために本明細書では詳細に説明されない。
【0052】
[0066]本明細書に論じられているように、モバイル科学プラットフォームの特徴は、たとえば、自動車、トラックまたはトラック類似の車両、統合電力サポート、モバイル科学ラボプラットフォーム、代替燃料オプション、拡張範囲および無人使用、静止モードで公害汚染が無いこと、モバイル動作時の汚染がごくわずかであることを含むことができ、リアルタイム結果を提供することができる。いくつかの態様では、モバイルプラットフォームは、より詳細に後述されるように、空気サンプルの凝縮物汚染を除去するための補助熱交換器(AHE)デバイスもしくはシステム、および/またはAHEに取り付けられた1つもしくは複数の原子/分子蒸気収集装置(AMVC)の使用からも利益を得ることができる。
【0053】
[0067]任意のタイプの質量分析計(または他の科学デバイスもしくは分光デバイス)が、調査中のVOC、原子、または無機物に応じてモバイル科学プラットフォームと共に使用され得ることを理解されたい。質量分析計については知られており、したがって本明細書では詳細に説明されない。たとえば、大きい有機分子用のMALDI MSが、がん、ジカなどを検出するために使用されてもよく、PTRMSが、薬物/製薬/獣医学用途に使用されてもよい。別の例は、香料産業、製薬産業、食品および香辛料、法医科学および保健で使用するために、周囲条件下で外気中においてガス、液体、および固体を瞬間的にイオン化する大気圧イオン源であるDART器具を含む。
【0054】
[0068]モバイル科学プラットフォームの独特の用途の1つの具体例は、PTRMS技術の使用を含む。IoniconによるTOF6000のようなPTRMSは、極めて高い精度すなわち1000兆分の1の精度で揮発性有機化学物質(VOC)を(リアルタイムで)識別することができる。この器具の使用は、爆発物、薬物、および人身売買の検知において、ならびに他の例として特に初期の呼吸調査の分野で有用であることを示し得る。記載されているモバイル科学に設置されるPTRMSは、従来型の分析ラボまたは学術研究所に限定されずにモバイルであってもよい。さらに、質量分析計は継続的にクリーンな電力供給を有するので、4時間以上かかる可能性がある器具の電源の再投入を必要とせず、器具は常に「オン」である。さらに、ゼロエミッション(異なる例では移動または静止)モードにおいて、記載されているモバイル科学プラットフォームは、空気サンプルを汚染するおそれのあるVOCに寄与しないことが可能である。モバイル動作において、モバイル科学プラットフォームは、プロパンまたはCNGで動作している場合、炭化水素排出への寄与が無視できるほどであり、長距離にわたるVOCのサンプリングに最適であり得る。これらの理由から、モバイル科学プラットフォームにおけるPTRMSの使用は、研究の新たな展望を開き、他の機器製造者および研究者にとっても同様である。
【0055】
[0069]図5図7は、モバイル科学プラットフォームの動作の様々な態様を示す。
【0056】
[0070]図5は、モバイル科学プラットフォームの1つまたは複数のセンサによって収集されるデータを分析するための例示的プロセス500を示す。プロセス500は、全体的に、部分的に、または上記のモバイル科学プラットフォームの任意の変形形態に関連して実行され得る。プロセス500は、単に例として与えられており、特定の動作が他の動作の代わりに用いられてもよく、または実行されなくてもよい。
【0057】
[0071]例示されるように、プロセス500は、動作502で開始することができ、動作502では、後でさらに詳細に説明されるように、たとえば補助熱交換システムおよび/または原子/分子蒸気収集装置を使用して、空気またはガスがサンプリングされる。サンプリングされた空気またはガスは、次いで動作504および506において、センサ、1つもしくは複数の質量分析計、または他の科学機器、たとえば、ガスクロマトグラフィ(GC)またはガスクロマトグラフィ質量分析計(GC-MS)などによって分析され得る。動作504に続いて、センサ/質量分析計の結果またはデータは、任意選択で、動作508でデータロガーに送られ、次いで、動作510でローカルコンピューティングデバイスに送られ、または動作512で任意の様々な通信リンク(LTE(登録商標)、Wi-Fi、他のWLAN技術など)を介してオフサイトに送られ得る。コンピューティングデバイスにデータが送られる場合、データは、動作512で(たとえば、データのローカル記録がローカルコンピューティングデバイスに保存された後に)オフサイトに送られ、および/または動作514でローカルに記憶され、および/または動作516でリアルタイムまたはほぼリアルタイムで分析され得る。データが動作516で分析されると、プロセス500は、動作518に進むことができ、ここで、アルゴリズムは、調査中の特定のVOC、原子、または無機物を識別するために使用されてよく、それにより、動作520で出力され得る結果を、たとえば、ローカルコンピューティングデバイス上に視覚的に表示される(そして、典型的にはコンピューティングデバイスのメモリに記憶される)ことによって、作成することができる。いくつかの態様では、動作506で他の科学機器がサンプルを分析するために使用されるとき、機器により出力される結果またはデータは、動作518でVCOを識別するために分析され得る。動作518および場合によっては動作506からの結果または出力データは、次いで、クラウドベースのサービス、プライベートサーバなどを介して、動作522で中央の場所に記憶され、そして、たとえば、安全なログイン資格情報を用いて、当技術分野で周知の技法およびシステムを介して、動作524でアクセスされ得る。
【0058】
[0072]図6は、モバイル科学プラットフォームに使用する電源が稼働できることを検証するための例示的プロセス600を示す。
【0059】
[0073]図7は、モバイル科学プラットフォームの動作のための例示的プロセス700を示す。
補助熱交換器
[0074]図8図15を参照すると、補助熱交換器(AHE)が示されている。記載されている補助熱交換器は、環境、エネルギー、医学、薬学、法医学、麻薬取締、爆発物検知、食品、自動車、エネルギー、科学、および獣医学の用途の一般的な分野で用途を有する。
【0060】
[0075]記載されている補助熱交換器は、空気(または任意のガスもしくはそれらの組み合わせ)サンプリング収集管および科学測定機器における凝縮物の汚染を排除するためのシステムを含み得る。記載されている補助熱交換システムは、内燃機関(たとえば、ガソリン、ディーゼル、蒸気、天然ガス、水素、またはプロパン)および廃熱が生成される任意の電気エンジンにおける加圧閉鎖液体クーラントシステムからの熱交換を使用する。いくつかの態様では、記載されている補助熱交換器は、受動的で連続的であってよく、加熱液体またはガスは、収集されたサンプルと同じまたは反対の方向に流れてよい。
【0061】
[0076]一実施形態によれば、二次補充(補助)閉鎖加圧熱交換ホースが、凝縮による分析物の損失を排除するために空気またはガスサンプリングに使用されるトレーサ管とも呼ばれる挿入された入口管またはサンプリングラインの内側の空気を受動的に加熱するために利用される。図8に示されるように、補助熱交換器は、暖かいまたは熱い(または、サンプリングされたガスの温度よりも高く、供給ラインの全期間または実質的に全期間にわたってサンプリングされたガスよりも高い温度に留まることもできる任意の温度の)液体を運ぶために、サンプル管802および1つまたは複数の隣接する管804、806を含むケーブル、ホースバンドル、または供給ライン800を利用することができる。ケーブルまたは供給ライン800は、熱い液体またはさらには気体の任意の供給源に接続され得る。一例は、燃焼機関の加熱/冷却システムに供給ライン800を接続することを含む。
【0062】
[0077]供給ラインまたはバンドルホースの1つの具体的実装例が以下に説明される。以下は単に例として与えられており、他の実装形態および設計の詳細も本明細書で企図されることを理解されたい。いくつかの態様では、重蒸気追跡バンドルホース(heavy steam traced bundled hose)800が、2つのプロセス管804、806と、1つのトレーサ(サンプリング)管802とを含む。空気サンプルがトレーサ管802内で運ばれる。液体クーラント(またはガスもしくは他の物質のクーラント)が、プロセス管804、806内の一次クーラントシステムから再循環される。プロセス管804、806は、テフロン(登録商標)(PFA)で作られてよく、空気サンプリング管802は、超高純度テフロン(PFA)、またはPEEKもしくはPTFEのような類似の非反応性材料で作られてよい。いくつかのケースでは、プロセス管804、806はトレーサ管802と直接接触することにより、最大の熱伝達を促進して、一貫したより高いプロセス温度を維持するのを助けることができる。いくつかの態様では、3つの全ての管が、吸い上げに抵抗する耐吸収性ガラス繊維絶縁体において水溶性塩化物(好ましくは100ppm未満)に包まれ得る。断熱材は、ケーシング808などの非ハロゲン化熱可塑性ウレタンで覆われてよい。
【0063】
[0078]記載されている補助熱交換器の商業用途は、環境試験、放射線モニタリング、(記載されているモバイル科学プラットフォームなどの)モバイルラボ、植物、動物および人間のウイルス、バクテリアおよびプリオン感染の迅速な医療スクリーニング、重金属曝露、香料および食品産業、人身売買阻止、生理学的健康決定、代謝異常、がん検出、薬物検出および有効性研究、分析検査室手順、ならびに爆発物識別を含むが、これらに限定されない。さらに、用途は、研究施設、モバイルラボ、診療所、病院、獣医診療所、外来患者用施設、外科センター、血液銀行、臨床検査室、医学校および獣医学校、保健所、遺体安置所、ならびに諸機関、たとえば、FBI、ICE、DOJ、SWATチーム、爆弾処理班、CIA、NSA、WHO、EPA、NOAA、NASA、CDC、およびNIH、FEMA、DoD、DHS、DEA、NTSB、消防署および警察署、および州/地域の環境/公衆衛生機関、およびDEAなどを含む。AHEは、試験、モニタリング、診断、分析、または評価のために、汚染されていない非凝縮空気源が必要とされる用途によく適している。
【0064】
[0079]記載されている補助熱交換システムは、サンプルラインおよび科学測定機器における凝縮物の問題およびそれによる汚染の問題無しに、空気、液体、または固体サンプルから原子および分子蒸気を収集するために使用され得る。凝縮は、典型的には、蒸気源と器具の測定器との間で空気温度の低下があるといつでも、空気サンプリングラインで発生する。周囲空気サンプルは、質量分析計のような科学機器において同じ測定されたサンプルよりも温度が低いはずである。質量分析計に入る空気は、サンプリングされた周囲空気よりも高いことが好ましい。たとえば質量分析計に到達する前に周囲よりも温度が下がると、サンプリングシステムの壁または質量分析計もしくは類似の測定機器内の対象の化合物の損失が生じることがあり、サンプリングラインまたは質量分析計もしくは類似の測定機器内の凝縮物汚染が生じることがある。また、空気サンプルのより高い相対湿度およびより高い気圧もまた、サンプリングラインおよび科学測定機器における凝縮に寄与する。空気サンプルが液体に変化する問題の他に、凝縮物はサンプリングライン上およびその中に液体としてより容易に吸収される。これらの問題は、研究者にとって真実で信頼性のある検証可能なデータ収集測定を混乱させ汚染するものであり、記載されている補助熱交換器によって対処される。
【0065】
[0080]空気サンプリングの従来の手法は、凝結をもたらす、トレーサ管における一定でない温度またはコールドスポットに悩まされていた。管が長くなるほど、凝縮物の形成の機会が増える。凝縮は、トレーサ管の内部を汚染し、それにより、科学機器内で人工的に高められたバックグラウンド信号を生じる。そして、これらの凝縮物は、サンプリングシステムから「ベークアウト」されなければならず、それにより測定停止時間が生じる。さらに、トレーサ管内を移動する凝縮物が(質量分析計などの)科学測定機器に到達する場合、高費用の汚染除去、トレーサ管交換、および長い機器停止時間を招く可能性がある。記載されている補助熱交換システムは、これらの問題のうちの1つまたは複数に対処する。
【0066】
[0081]内燃機関のための液体冷却/加熱の一般的閉鎖加圧システム900の例が、図9に示されている。上部ヒーターホース902は、エンジンブロック904からヒーターコア906へ熱いクーラントを運搬する。クーラントは、たとえば車両の運転台において、ヒーターコア906の動作の結果としてわずかに冷却され、下部ヒーターホース908は、冷たいクーラントをエンジンブロック904に供給する。
【0067】
[0082]いくつかの態様では、上述されたモバイル科学プラットフォームなどのモバイルプラットフォームで使用されるとき、補助ヒーター交換器は、図10に示されるように、再循環加圧受動二次閉鎖熱伝達ループ1000を含むことができる。二次閉鎖熱伝達ループ1000は、典型的には、モバイル科学プラットフォームの一部であり得るような、内燃機関で使用される一次冷却システム900に取り付けられ得る。二次閉鎖熱伝達ループ1000は、図9に示されるように、上部ヒーターホース902および下部ヒーターホース908に取り付けられ得る。エンジンブロック904からのより高温の液体クーラントは、上部ヒーターホース902を通ってキャビンのヒーターコア906に入る。ヒーターコア906に入った後、液体クーラントは、特にヒーターが乗員室で使用されるときに、いくらか低い温度で下部ヒーターホース908を通ってエンジン904へ再循環される。補助ループ1000には、(2つのプロセス管およびトレーサ管を含む)図8を参照して示され説明されたバンドルホースのような重蒸気追跡バンドルホース1002-aが取り付けられる。クーラントはプロセス管内で再循環される一方、プロセス管と直接接触しているトレーサ管は、空気サンプリング源から使用される科学機器まで一定または上昇する温度を保証し、したがって、空気サンプルの凝縮を除去または大幅に減少させる。
【0068】
[0083]一実施形態によれば、図9および図10に示されるように、補助ヒーター交換器は、内燃機関に使用される空気または液体加熱/冷却システムの任意の閉鎖加圧リサイクルシステムに接続され得る。補助ヒーター交換器を含み得る二次(または補助)閉鎖熱伝達ループ1000は、たとえば、Tコネクタ1004、および/またはTコネクタ1004に結合するように少なくとも1つの端部でねじ切りされ得る2つのバーブ(オス)(barbs(male))1006、1008を使用して、ラジエータヒーターホース902の高温部分にT字接続され得る。上部ヒーターホースは、Tコネクタ1004およびバーブ1006、1008(ねじ山は3/8インチであり得る)と同様に、4~30PSIの圧力下で(典型的には80から100℃で)外径3/4インチであり得る。Tコネクタ1004および/またはバーブ1006、1008は、自動車用ラジエータホースに一般的に見られる絶縁された高温ゴムまたはシリコーンホースで作製/相互接続され得る。いくつかの例では、T1004は、3/4インチバーブフィッティングから3/8インチバーブフィッティングへと段階的に小さくされ、全ての接続部でホースクランプによって固定される。3/8インチホース1002-aが3/8インチバーブフィッティング1010から取り付けられ、ホース1002-aは、科学機器が配置された車両のカーゴ領域1014まで(運転手区画1013を通って)エンジン区画1012から延びている。ホース1002-aは、安全のために3/8ボールバルブ遮断部1016にも接続される。高純度テフロン(PFA)チューブ1020の小片を接続するために、3/8または1/4インチ圧縮フィッティング1018がボールバルブ1016に取り付けられている。PFAチューブ1020は、色分けされロックコードで保護され得るオスクイックディスコネクト1022に接続され、したがって、たとえば、緑色のオスクイックディスコネクトは黄色のメスクイックディスコネクトに取り付けられない。リターンフロー上の同様の配置または構成(たとえば、同様の番号が付けられたコンポーネント1022-a(図示せず)、1020-a、1018-a、1016-a、1002-b、1010-a、1008-a、1006-a、1004-aを含む)として、クーラントラインを下部ヒーターホース908に戻すように接続することができる。リターンフローは、ラインが分離された状態を確実に維持するために、異なる色およびロックコードを含むことができる。
【0069】
[0084]いくつかの例では、図11により詳細に示されるように、重蒸気追跡バンドルホースがカーゴ領域内で補助ループ1000に接続される。重蒸気追跡バンドルホース1102は、補助ループ1000の1つまたは複数の態様と同じまたはそれを取り込むことができ、いくつかの態様では、(たとえば、上記の図8を参照して示され説明されたように、)最大熱伝達を促進するために、互いに直接接続された3つのPFA管を含むことができる。これらの管は、絶縁材によって取り囲まれ得る。絶縁材は、ウレタンジャケットにより覆われる。PFA管のうちの2つはプロセス管1104、1106であり、それらは液体クーラントを、一次クーラントシステムからと一次クーラントシステムへと反対方向で流す。中央の第3の管は、吸気口サンプリング管としても知られるトレーサ管1108である。2つのプロセス管1104、1106は、トレーサ管1108内のサンプリングされた空気を周囲よりも高い一定の温度に加熱する。図11に示されるように、トレーサ管1108は、カプラ1112(たとえば、3/8または1/4インチ)および1/4インチまたは3/8インチテフロン管1114を介して、質量分析計112または同様の科学機器に直接取り付けられた、色分けされロック制御されたメスクイックディスコネクトとカーゴ領域1014内で接続される。カーゴ領域内のプロセス管1104のうちの1つは、色分けされロック制御されたメスクイックディスコネクトを介して補助熱伝達ホースに接続される。このプロセス管は上部ヒーターホースと接続する。カーゴ領域内の他のプロセス管1106は、色分けされロック制御されたメスクイックディスコネクトを介して補助熱伝達ホースに接続される。このプロセス管1108は下部ヒーターホースと接続する。プロセス管1104、1106内の液体クーラントは、互いに反対方向に流れてよく、一定の温度で一次クーラントシステムを通して連続的に再循環され得る。これは、一定の温度または最低温度がトレーサ管1108に隣接して確実に提供されるのに役立つ。
【0070】
[0085]いくつかの態様では、図12に示されるように、補助ループ1000、1102のトレーサ管1108の終端において、トレーサ管1108は、原子/分子蒸気収集装置(AMVC、以下に説明され論じられる)とも呼ばれる蒸気収集装置またはサンプリングデバイス1202に接続される。2つのプロセス管1104、1106は、一次クーラントシステムに戻る液体クーラントの再循環を可能にするために、Tコネクタ1206を介して互いに接続される。3/8インチ空気逃しバルブ1204が、プロセス管1104、1106内のあらゆる空気のパージを可能にするために、3/8インチメスT1206に取り付けられる。いくつかの態様では、バンドルホース1102の終端の近くに、プロセス管1104、1106は、45度の圧縮エルボ1208、1210を介して収束し(たとえば、3/8インチ雄ねじを有する1/4インチ圧縮45度ストリートエルボにおいて3/8インチ)、Tコネクタ1206を介して互いに接続することができる。いくつかの態様では、コネクタ1212(たとえば、1/4インチ圧縮ユニオンにおいて3/8インチ)が、収集装置1202または収集装置1202に接続された管をトレーサ管1108に取外し可能に結合することができる。
【0071】
[0086]さらに別の例では、複数の蒸気収集装置またはサンプリングデバイス、たとえば、1202-a、1202-b、またはそれより多くが、図13に示されるようにトレーサ管の端部に取り付けられ得る。この例では、1つまたは複数の蒸気収集装置1202-aは、たとえば周囲空気が暖かいまたは熱いときに、短い距離でホースバンドル1102の外側に露出できるトレーサ管1108に結合され得る。この状況において、収集されたサンプルの輸送温度がサンプルの周囲温度よりも低下しないことを保証するために、トレーサ管1108は、ホースバンドル1102/プロセス管1104、1106の外側に延長された長さまたは距離にわたって露出されるべきではない。1つまたは複数の蒸気収集装置1202-bは、追加的または代替的に、たとえば周囲空気がより涼しいまたは冷たいときに、長い距離でホースバンドル1102の外側に露出できるトレーサ管1108に結合され得る。この例では、ホースバンドル1102に入る前にサンプルは温度がさらに低下する可能性は低いので、トレーサ管を温めることはそれほど重要ではない。
【0072】
[0087]空気サンプルが、たとえばサンプリングされた周囲空気に対して、質量分析計においてより熱くなると、より鋭いピークと有機化合物および無機化合物のより明確に定義された識別とがもたらされる。その結果、空気モニタリングにおける凝縮汚染の固有の重要で長期的な問題が、AHEを用いて除去される。
【0073】
[0088]AHEの用途は多数ある。凝縮物汚染を減少させまたは実質的に除去することにより、AHEが信頼性をもって使用されて、様々な極端な環境で空気品質をサンプリングすることと、輸送コンテナ内に人間が残っていることを識別することと、薬物および爆発物を検出することと、自動車、航空宇宙、石炭、油、およびフラッキング産業における有機(および無機)排出物をモニタすることと、疾患検出および薬効研究における医学的、薬学的、および獣医学的用途のために人間により排出される有機蒸気をモニタすることと、農産物の腐敗および感染を決定することとが可能であり、基本的に、正確な空気またはガス測定が必要とされ、また凝縮物汚染が望ましくないあらゆる場合に使用され得る。
【0074】
[0089]バンドルホースの長さは、実装形態に応じて変化し得る。たとえば、200フィート長の上述の熱交換システムチューブが、空気サンプルラインにおいて華氏155度の一定温度を維持することができる。200フィートを超える長さでは、プロセス管内のクーラントを再循環させるために補助ポンプが必要になることがある。これらの例では、12ボルトバッテリまたは110ボルト電源により電力供給されるこの補助流体ポンプは、エンジン区画内の補助および一次閉鎖ループホースの接合部の近くに配置される。任意のクーラントがシステム内で使用され得るが、その環境的に安全で優れた熱伝達品質のためにプロピレングリコールが好ましい。同様に、重熱追跡バンドルホースはAHEで使用するのに好ましい。AHEに使用されるプロセスおよび/またはトレーサ管は、「高純度PFA(HP PFA)がSEMI F57仕様の厳しい要件を超える」と主張するZeus Corporationなどの高純度PFAチューブの特性を含むことが好ましい。HP PFAの特有の分子構造は、化学的抽出物を減少させ、イオン汚染から保護し、実質的に全ての化学物質と非反応性である。HP PFAはまた、500°F(260°C)の最高作業温度、低いガス透過性を有し、難燃性である。半導体および製薬産業において、HP PFAチューブは、非常に低いレベルの化学抽出物を必要とする流体処理用途のために使用される。この製品は、金属汚染を減らし、困難な半導体クリーンルーム環境でより長い耐用寿命を提供するように設計されている。HP PFAはまた、高い連続使用温度を必要とする用途で使用される。その品質は、優れた潤滑性、透明性、柔軟性、温度、および耐薬品性を含む。この多様性により、PFAは、半導体、化学物質、製薬、および医療産業における一般的な材料選択となっている。これらの品質を有する任意のチューブは、限定されないがPFA、PEEK、またはPTFEなどのような、AHEのための重蒸気追跡ホースと共に作用する。また、AHE用途で使用される全長が異なるため、特定の圧力下では、下部ヒーターホースにおいて高温逆流防止器を利用することが推奨され、これにより、一次および補助システム全体にわたってクーラントの流れおよび再循環が妨げられないことを確実にする。最後に、一次冷却システムへの接続は、たとえば上部および下部ラジエータホースのような任意の点で生じ得る。
【0075】
[0090]AHEは、上述されたようなモバイル科学プラットフォームなどのモバイルプラットフォームを使用する空気モニタリングおよびサンプリング収集によく適しており、分析ラボがモバイルでフィールド展開されることを可能にする。
【0076】
[0091]他の劣った製品は、凝縮汚染を除去するために、電熱テープ、またはヒートストリップ、またはヒートトレースバンドルホースの使用を試みることがある。しかしながら、この手法は、長い長さのサンプリング管に対してうまく機能しない。さらに、長い長さのホースを加熱するためのエネルギー要件は厄介であり、120ボルトでは30~50アンペアである。さらに、それは周囲と測定された空気サンプルとの極端な温度差を考慮するものではない。最後に、熱伝達に使用される電線は破損しがちである。
【0077】
[0092]図15では、補助熱交換システム1500の別の例が示される。補助熱交換システム1500は、図14に示されるように、燃焼機関の一部として再循環冷却/加熱システム1400に結合され得る。システム1400は、上述された加熱/冷却システム900の1つまたは複数の態様を含むことができる。一実施形態によれば、適切な熱交換器は、チューブインホースまたはTIAHの形態であり得る。TIAHは、内燃機関(ガソリン、ディーゼル、蒸気、天然ガス、水素、またはプロパン)および廃熱が生成される任意の電気エンジンにおける閉鎖クーラントシステムからの熱交換を使用することによって、空気サンプリング収集管および科学測定装置における凝縮物の汚染を除去するためのデバイスまたはシステムである。二次補助閉鎖熱交換ホースは、凝縮物汚染を除去するために、空気サンプリングのために使用される挿入された入口管の内部の空気を受動的に加熱するために利用される。システム1500は、図8から図12を参照して上述された補助熱交換システムの1つまたは複数の態様を含むことができ、結果として、これらの特徴はここで再び説明されることはない。
【0078】
[0093]熱交換システム1500は、上部ラジエータホース1402で一次冷却システム1400に取り付けられる二次閉鎖熱伝達ループを含むことができ、モバイルプラットフォーム車両におけるエンジンと関連付けられたクーラント膨張タンク1404において終端することができる。二次循環システム1500のセクション内に、(サンプル収集装置1202に接続され得る)入口サンプリング管の終端から使用される科学機器(たとえば112)まで一定または増加する温度で入口サンプリング管があり、それにより、空気サンプルの凝縮を除去する。
【0079】
[0094]TIAHは、空気または液体の加熱/冷却の任意の開放または閉鎖システムに接続され得る。二次閉鎖熱伝達ループは、自動車用ラジエータホースに一般的に見られる断熱高温ホースを使用して、一次冷却システムの(典型的には80~100℃の間で)最も熱い部分にT字接続され得る。ホースクランプは、T字接合部でのクーラントの漏れを防止するために、一次および二次ホース接続部を固定するために使用されることになる。この特定の例では、3/8または1/2インチ径のラジエータホースが2次閉鎖熱伝達ループのために使用され得る。挿入された空気入口収集管は、超高純度テフロン(またはPTFEもしくはPEEK)または1/4~3/8インチ径の範囲のサイズの任意の類似のチューブから作製され得る。空気入口収集管は、二次閉鎖ループ熱伝導ホースよりも小さい必要がある。一次および二次閉鎖熱伝達ホースの接合部の上流で、二次ホースが切断され、真鍮または同様の金属製のバーブTフィッティングが挿入されホースクランプで固定されて、クーラントの漏れを防止する。また、Tフィッティングは、入口空気サンプリング管を取り付けるために、また漏れを防止するために、圧縮フィッティングを有する。入口空気サンプリング管は、二次閉鎖熱伝導ホースの部分に任意の所望の長さまで挿入され、前述されたように取り付けられ固定される。
【0080】
[0095]上記の補助熱交換器1000を参照して同様に論じられるように、非常に長い長さの空気入口管に関して、補助流体ポンプが二次閉鎖熱伝導ホース上に必要とされ得る。これらの例では、12ボルトバッテリまたは110ボルト電源により電力供給される補助流体ポンプが、二次および一次閉鎖ループホースの接合部の近くに配置される。閉鎖二次熱伝達ループのより熱い部分は、質量分析計または他の科学器具に直接取り付けられた空気入口サンプリング管のための好ましい接合部となる。プロピレングリコールは、熱伝達プロセスで使用される好ましい媒体であるが、エチレングリコール、水、またはそれらの組み合わせ、ならびに空気のみが使用されてよい。空気入口サンプリング管の終端で原子/分子蒸気収集装置(AMVC)によってサンプリングされた周囲空気は、科学機器に接続された空気入口サンプリング管内のサンプルと常に等しいかまたはそれよりもわずかに冷たい。空気入口サンプリング管の終端は二次閉鎖加熱移送管内の加熱/クーラント方向の流れと反対方向に流れるので、科学機器へと流れる空気サンプルにおける温度降下はない。実際に、それは、わずかにより熱くなり得る。たとえば、周囲空気サンプルが質量分析計に入る温度よりも熱くなるほど、より鋭いピークと有機化合物および無機化合物のより明確に定義された識別とがもたらされる。その結果、空気モニタリングにおける凝縮汚染の固有の重要で長期的な問題が除去され、または少なくとも実質的に重要でない程度まで低減される。
【0081】
[0096]TIAHの用途は多数あり、空気またはガスサンプリングのために凝縮物汚染の除去が所望される場合にある。たとえば、TIAHは信頼性をもって使用されて、様々な極端な環境で空気品質をサンプリングすることと、輸送コンテナ内に人間が残っていることを識別することと、薬物および爆発物を検出することと、自動車、航空宇宙、石炭、油、およびフラッキング産業における有機排出物をモニタすることと、疾患検出および薬効研究における医学的、薬学的、および獣医学的用途のために人間により排出される有機蒸気をモニタすることと、農産物の腐敗および感染を決定することとが可能である。
サンプル蒸気収集装置
[0097]図16図18に示されるように、サンプル収集装置または原子/分子蒸気収集装置(AMVC)がここで説明される。実施形態によれば、記載されているAMVCは、医学、薬学、環境、エネルギー、航空宇宙、麻薬取締、自動車、爆発物検知、地質学、採鉱/鉱物/ガス/油探査、有毒廃棄物処理場、法医学、農業、科学、研究、および獣医学の用途を有する。
【0082】
[0098]いくつかの態様では、記載されているAMVCは空気、液体、および固体中の原子粒子、VOCの分子蒸気(揮発性有機化学物質)、および/または無機化学物質を捕獲するために使用され得る。
【0083】
[0099]AMVCの商業用途は、環境試験、モバイルラボ(たとえば、SciArkまたはSciLabなど)、植物、動物および人間のウイルス、細菌、ウイロイドおよびプリオン感染の迅速な医療スクリーニング、人間の重金属曝露、人身売買阻止、生理学的健康決定、代謝異常、がん検出、薬物検出および有効性研究、分析検査室手順、土壌汚染、地質調査、大気試験、土壌測定、環境大気サンプリング、大気質測定、ならびに爆発物識別を含むが、これらに限定されない。その潜在的使用の一部は、研究施設、モバイルラボ(SciArkまたはSciLab)、診療所、病院、食料および香料産業、獣医診療所、外来患者用施設、外科センター、血液銀行、臨床検査室、医学校および獣医学校、保健所、遺体安置所、ならびに諸機関、たとえば、WHO、EPA、FBI、DOJ、ICE、CIA、NSA、NTSB、NTSB、NOAA、NASA、CDC、およびNIH、FEMA、DoD、DHS、DEA、消防署および警察署、および州/地域の環境/公衆衛生機関を含み、原子粒子、および空気、液体、または固体中の揮発性有機(または無機)化学物質の試験、モニタリング、診断、分析、または評価のために、(たとえば上述されたようなAHEを使用して)汚染されていない非凝縮空気源が必要とされるいずれの場所および時間も当てはまる。
【0084】
[00100]従来の(非医学的)空気サンプリングの手法は、サンプル汚染、サンプルラインもしくは質量分析計または使用される他の科学器具における有機元素、無機元素、および原子の凝縮、ならびに空気サンプルを分析するための様々な質量分析計の不適切な使用によって悩まされている。AMVC(またはAHE)を有しないサンプルラインが広く使用されている。
【0085】
[00101]先に述べられたように、AMVCの用途は多数あり、任意のサンプリングされた供給源における空気の品質を試験、モニタ、診断、分析、または評価するために汚染されていない非凝縮空気源を用いて原子および分子蒸気をサンプリングすることが望ましい様々な用途を含む。
【0086】
[00102]記載されているAMVCは、空気、液体、または固体中の原子および揮発性有機または無機化学物質を捕捉する。医学、獣医学、および薬学の用途において、AMVCは、様々な質量分析計および他の分析デバイスにおける特定および定量化のために、人間および動物において異なる体腔(胃、肺、直腸、鼻、膣、膀胱、肝臓など)から発せられる分子および原子化合物を捕捉する。したがって、それは、分析に時間を要し、高価であり、医原性および院内感染などの侵襲的結果を有する他の従来の試験(すなわち血液、組織サンプル、外科手術、生検など)に対する補助または代替として使用され得る。AMVCでは、リアルタイムの即時の結果は、適切な質量分析計または他の分析デバイスに接続されたときに得られる。
【0087】
[00103]エネルギー、地質学、航空宇宙、および環境の領域において、記載されているAMVCは、揮発性有機または無機化学物質および原子を収集して、土壌、空気、および固体の汚染、たとえば都市水道中の鉛などを検出するために使用され得る。
【0088】
[00104]薬物検出領域では、AMVCは、(適切な質量分析計または他の科学器具に接続されたとき)輸送コンテナまたはセミトラックにおける違法物質の存在を決定するために使用され得る。
【0089】
[00105]爆発物検出では、空港、バス/列車/輸送ターミナル、スタジアムイベント、および他の大勢の集まりにおいて様々な爆発性化合物の存在を検出するために、(適切な質量分析計または他の科学器具に接続されたときの)AMVCによってサンプリングされた空気が分析され得る。
【0090】
[00106]農業では、記載されているAMVCは、(適切な質量分析計または他の科学器具に接続されたとき)倉庫、輸送コンテナ、および商品棚などにおける食品供給品の腐敗および病原体の存在を検出するために使用され得る。
【0091】
[00107]AMVCの追加の用途は、人間の代謝異常、疾患、およびがんの検出のための呼気分析を含む。これらの用途では、患者は、収集管(たとえばAMVCなど)に息を吐き出すことができ、収集された蒸気は、適切な質量分析計または他の科学器具で分析され得る。これにより、場合によっては、最初に、より侵襲的な医療処置の必要性を回避し得る。したがって、それは、いくつかの例を挙げると、感染症、代謝障害、生理的健康、重金属汚染、およびがんについて即時の医学的スクリーニングのために使用され得る。また、AMVCは、結腸内視鏡検査、気管支鏡検査、内視鏡検査、カテーテル法などのような、より侵襲的な処置の必要性に代わることができる。
【0092】
[00108]医学、獣医学、製薬産業における呼吸分析研究の従来の手法は、人間および動物における肺からの呼気蒸気にもっぱら依存していた。この手法は、患者の血液中に見出される調査中の原子および分子要素が、肺の肺胞におけるガス交換を介して液体培地から蒸気状態へと抽出され、適切な分析器具を使用する評価および検証のために汚染無しに呼気の分析のために収集されるという仮定を含む。ほとんどの代謝過程は、最終的に腸および膀胱へ注ぐ、肺より下の器官(肝臓、胃、膵臓、腎臓など)において生じる。したがって、これらの位置からのサンプリング蒸気は、様々な感染症、代謝障害、および重金属汚染をより予測する。さらに、全ての原子および分子材料は、異なる揮発性を有する。揮発性は、液体から気体状態へと蒸発する物質の特性である。揮発性はまた、温度、圧力、調査中の元素のサイズ、ならびに他の有機および無機化合物との化学/核結合によって影響される。一方、昇華は、固体が中間段階として液体に変換されることなく直接気相に移行することである。原子および分子元素の揮発性と昇華の両方は、種ごとに、蒸気がサンプリングされる体腔、および調査中の特定の元素により大きく変わる。ここで、また他の産業において、従来の取り組みでは、砕屑物および液体が収集ラインに入って最終的には空気分析のために使用される科学器具に入るのを止めていなかった。記載されているAMVCは、これらの問題のうちのこれらの1つまたは複数に対処する。
【0093】
[00109]図16図18は、本明細書に記載されるようなAMVCデバイス1600の様々な斜視図1600-a、1600-b、および1600-cを示す。一実施形態によれば、AMVCは、剛性または可撓性の、使い捨ての、無菌の、および/または再使用可能なデバイスの形態であり、様々な長さおよび厚さで形成されてよく、好ましくは超高純度テフロン(PFA)、PEEK、PTFE、または不動態化ステンレス鋼から構成される。たとえば、これらの材料によって放出されるVOCまたは無機物が質量分析計または他の分析器具における測定値を干渉したり、汚染したり、損傷したりすることがない場合に、他の材料(ラテックス、ニトリル、ゴム、グラフェン、ガラス、金属、または他のポリカーボネート材料など)が使用され得る。デバイスは、可動部品を有しないように設計および構築されてよく、無菌デバイスとして大量生産することが安価であり得る。記載されているAMVCデバイスは、臨床医および研究者が以前に試験されていなかった様々な場所から原子および分子蒸気を捕獲することを可能にする。AMVCは、場合によっては、より侵襲的な初期の医療処置の必要性を回避する。したがって、いくつかの例を挙げると、感染症、代謝障害、生理的健康、重金属汚染、およびがんについてのモバイルでリアルタイムの医学的スクリーニングのために使用され得る。また、デバイスは、結腸内視鏡検査、気管支鏡検査、内視鏡検査、カテーテル法などのような、より侵襲的な処置の必要性を代替することができ、記載されているAMVCは、環境、農業、爆発物検出、薬物識別、地質学、大気など、空気サンプリング用途の適切な質量分析計または他の科学器具に接続された任意のサンプリングラインに取り付けられることも可能である。AMVCの剛性のバージョンは、上述されたモバイル科学プラットフォームなどの鉄道、航空機、船舶、および他のモバイルプラットフォームに取り付けられ、ならびに/または、やはり上述されたAHEおよびTIAHと共に使用され得る。
【0094】
[00110]一実施形態によれば、AMVCは、蒸気サンプリングのために様々な体腔(結腸、膣、胃、膀胱、肺、肝臓、鼻、口、耳など)に挿入され得る4つの部分を備え、これらは全て1つの要素またはデバイスに組み立てられる。外側蒸気収集装置1602は、収集装置の底部または第1の端部に向かって様々なサイズの穿孔を有する中空管であり得る。その目的は、尿、糞便、血液、および他の体液および分泌物、または空気もしくはガスサンプル中に見出される他の物体もしくは粒子(たとえば、埃、葉、および雨など)のような砕屑物をスクリーニングする間に、有機または無機蒸気を収集することである。内側蒸気収集器1604は、関連した砕屑物を伴わずに同じ空気を捕捉する。それは、外側収集装置1602の第1の端部の反対側の頂部または端部に様々なサイズの穿孔を有し、したがって、この中空管内に砕屑物は入らない。内側蒸気収集装置1604の頂部は、安定性のために外側蒸気収集装置の頂部に成形または固定される(たとえば、堅固に取り付けられる)ことが好ましい。いくつかの例では、内側蒸気収集装置1604における穿孔の全てまたはほとんどは、外側蒸気収集装置1602における穿孔の上に配置されてよい(たとえば、収集装置1600が垂直方向に配置されたときに重なり合わない)。外側収集装置1602の(第1の端部とは反対側の)第2の端部に形成または取り付けられ得る鞍部1606は、AMVCが所望の長さを超えて挿入されるのを防止することができる。中空収集管コネクタ1608は、収集された原子、揮発性有機蒸気、および/または無機化合物を定量化および特定するために、真空収集管が質量分析器または他の分析デバイスに取り付けられるようにする。いくつかの態様では、収集管コネクタ1608は、内側蒸気収集装置1604のベースに取り付けられてもよく、真空ラインへの取り付けを可能にする直径を有してもよい。この真空ラインは、典型的には、収集された蒸気を定量化および特定するためのPTRMS、GC-MS、もしくはMALDI-MSのような適切な質量分析計または他の分析デバイスにつながる空気サンプリングラインである。
【0095】
[00111]図18には、様々な寸法1610~1642が示されている。これらの寸法の値は、以下に説明されるように単に例として与えられていることを理解されたい。1つまたは複数の寸法が変更されてもよく、それでも本開示の範囲内であるとみなされてよい。たとえば、長さ1610および鞍部幅1620は、収集装置1600の意図された用途に従って変更されてよい。他の例では、内側管および外側管の穿孔の数、サイズ、および(図示されている縦方向の)相対位置は、収集装置の意図された用途に応じて選択されてよく、たとえば、より大きな物体または砕屑物を濾過するために外側収集装置により大きくより多い孔が使用されてよく、より小さな砕屑物の場合にはより小さな孔が選択され得る。いくつかの態様では、内側管および外側管の穿孔の位置の間の差1614は、所与の時間期間に採取されるべきサンプルの所望の空気流または数に基づいて選択され得る。他のケースでは、穿孔は重なるように配置され得る。外側管1602の幅1632は、ガスサンプルを収集するためにデバイスが挿入されるアパーチャのサイズまたはアパーチャの平均サイズに基づいて選択され得る。これらの設計基準は単に例として与えられ、任意の数のファクタに基づく他の設計変更が本明細書で企図されることを理解されたい。
【0096】
[00112]示されているように、以下の寸法は、次の表に詳細に示されるように以下の値を有することができる。
【0097】
【表1】
【0098】
これらの値は、小さいまたは大きい割合で増加または減少してもよく、他の単位で測定されてもよいことなどを理解されたい。
【0099】
[00113]記載されているAMVCは、収集管コネクタ1608内の正の空気流を通して体腔に挿入された後に砕屑物を除去され得る。さらに、放射性同位体、発光物質、色素、染料、酵素、および他の流出物が、選択された体腔に収集管コネクタ1608を通して導入されて、本明細書に説明されているように質量分析計および他の分析技術の使用によって調査中の原子および分子蒸気の識別および分析を強化することができる。
【0100】
[00114]代替実施形態によれば、記載されているAMVCは、外側蒸気収集装置上で長さが識別され較正される場合などに、サドル無しに使用または製造され得る。結果として、AMVCは、様々なサイズの人間および動物の被験体(たとえば、成人対小児、およびキリン対スナネズミ)に合わせて調整可能であり、また他の閉鎖環境に合わせて修正可能である。さらに、デバイスは、気管内管および経鼻胃管、カテーテルなどのような他の医療デバイスと共に使用され、またはそれに組み込まれることが可能である。AMVCは、これらのデバイスと併せて使用されるときに内部に挿入され得る。さらなる代替実施形態として、サドルはハンドルに変更され得る。収集管アダプタは雄ねじ継手と交換することができ、または内側蒸気収集装置の斜角端部が雌ねじに穿孔することができる。液体サンプリングに関して、上記の説明(内側蒸気収集装置における全ての穿孔が常に外側蒸気収集装置における穿孔の上に配置されなければならない)は、AMVCが液体内に反転されたときに外側と内側の蒸気収集装置における穿孔が逆にされる必要があることを除いて当てはまる。
【0101】
[00115]記載されている蒸気収集装置の様々な追加の特徴および実装形態が以下に説明される。
【0102】
[00116]一態様では、原子および分子化合物を収集するためのシステムまたはデバイスは、蒸気サンプリングのために、たとえば、全てが1つのデバイスとして作製または形成される4つの主要な部品またはコンポーネントを含むことができる。サンプリングデバイスは、外側蒸気収集装置を含むことができ、外側蒸気収集装置は、尿、糞便、血液、体液、分泌物、および他の環境汚染物質のような砕屑物をスクリーニングする間に、原子および分子蒸気を収集することを目的とする、底部に向かって様々なサイズの穿孔を有する中空管であり得る。サンプリングデバイスは、内側蒸気収集装置をさらに含むことができ、内側蒸気収集装置は、上部のみの様々な大きさの穿孔を用いて関連した砕屑物を含まない同じ空気を捕捉し、したがって砕屑物が中空管に入らず、ここで、内側蒸気収集装置の上部は、安定性のために外側蒸気収集装置の上部に対して成形または固定されている。いくつかのケースでは、内側蒸気収集装置における穿孔の全てまたはほとんどは、常に外側蒸気収集装置における穿孔の上方に配置されるべきである。さらにいくつかのケースでは、鞍部は、デバイスが所望の長さを超えて挿入されるのを防止することができ、外側蒸気収集装置の1つに取り付けられ得る。いくつかの態様では、中空収集管コネクタは、収集された蒸気を定量化および特定するために、真空収集管が適切な質量分析計または他の分析デバイスに取り付けられることを可能にする。
【0103】
[00117]一態様では、記載されているサンプルまたは蒸気収集装置は、上述されたように、適切な(静的、モバイル、ポータブル、またはハンドヘルド)質量分析計および他の分析デバイスによる分析のために、動物および人間の様々な体腔(結腸、膣、胃、膀胱、肺、肝臓、鼻、口、耳など)ならびに他の閉鎖環境における空気をサンプリングするためのシステムの一部であり得る。記載されているサンプルまたは蒸気収集装置は、動物および人間の様々な体腔(結腸、膣、胃、肝臓、膀胱、肺、鼻、口、耳など)からの(原子)周期律表中の重金属および他の微量元素を検出するためのシステムにおいて使用され得る。記載されているサンプルまたは蒸気収集装置は、鉛、水銀、銅、ヒ素などの原子への環境曝露の検出を含むがこれらに限定されない他の閉鎖環境における物質を検出するためにも使用されてよく、ここで、適切な医学的、獣医学的、農業的、および環境的介入に関して迅速で信頼性があり即時の元素の検出が特定および定量化されることが可能であり、ならびに/または、ソース点位置が、鉛中毒を伴う最近のフリント水危機のように、疫学および公衆衛生調査のために識別されることが可能である。また、固定された測定プラットフォームが、記載されているサンプルもしくは蒸気収集装置および/または補助熱交換システムを用いて実装されてよく、本開示の範囲内であり得ることも理解されたい。
【0104】
[00118]一態様では、記載されているサンプルまたは蒸気収集装置は、細菌、ウイルス、プリオン、ウイロイド、ビリオン、菌類、カビ、酵母、DNAおよびRNA鎖、爆発物、および薬物の検出を含むがこれらに限定されない、適切な分析デバイスによる分析のために、動物および人間の様々な体腔(結腸、膣、胃、膀胱、肺、鼻、肝臓、口、耳など)ならびに他の閉鎖環境からの有機分子化合物および分子断片を検出するためのシステムの一部であり得る。記載されているサンプルまたは蒸気収集装置を使用するこれらのシステムは、以下に限定されないが、ジカ、エボラ、西ナイル、マラリア、ハンタ、ノロウイルス、デング熱および黄熱、梅毒、ビリオン、ならびにがんのような感染性ウイルス性疾患の迅速で信頼性があり即時の検出を可能にすることができる。記載されているサンプルまたは蒸気収集装置を使用するこれらのシステムはさらに、以下に限定されないが、連鎖球菌、ブドウ球菌、大腸菌、髄膜炎、淋病、クラミジア、真核生物、原核生物、および寄生虫の感染などのような感染細菌性疾患の迅速で信頼性があり即時の検出をさらに可能にすることができる。また、固定された測定プラットフォームが、記載されているサンプルもしくは蒸気収集装置および/または補助熱交換システムを用いて実装されてよく、本開示の範囲内であり得ることも理解されたい。
【0105】
[00119]別の例では、図19に示されるように、記載されているサンプルまたは蒸気収集装置は、空港(ターミナル前またはターミナル)、列車、バス、船、スタジアムイベント、および大規模な大勢の集まりが生じる場所において、TATP、DAPT、TNT、SEMTEXなどの爆発物を検出するためのシステムに使用されてよい。図示されるように、一部または全ての通り道(ターミナル前およびターミナル位置)は、壁、床、および/または天井に設置されたAMVCデバイスを有してもよい。いくつかの態様では、モバイル科学プラットフォームは、(たとえば車両に組み込まれた)モバイルの形態または輸送可能なユニット(たとえば、コンテナまたはトレーラなど)のいずれかであり、1つまたは複数のサンプルまたは蒸気収集装置によって収集されたデータを分析するために使用され得る。さらにいくつかの態様では、補助熱交換システムは、汚染物質を含まないサンプルをモバイル科学プラットフォームに提供するのを助けるために利用されてもよい。また、固定された測定プラットフォームが、記載されているサンプルもしくは蒸気収集装置および/または補助熱交換システムを用いて実装されてよく、本開示の範囲内であり得ることも理解されたい。
【0106】
[00120]記載されているサンプルまたは蒸気収集装置は、ヘロイン、エクスタシー、フェンタニル、コデイン、メタンフェタミン、コカイン、および違法物質の製造および処方薬に使用される他の前駆体のような様々な薬物、ならびに薬物動態試験における新規および既存の薬物の吸収、分布、保持、代謝、排出、および有効性を検出するためのシステムに使用され得る。たとえば、記載されているサンプルまたは蒸気収集装置によって収集され質量分析計によって分析されるときの様々な化合物の選択性が、図20に示されている。図21図25は、本明細書に説明されているように、記載されている蒸気収集装置、補助熱交換システム、および/またはモバイル科学プラットフォームを使用して得ることができる、様々な違法、処方、およびレクリエーション薬物の検出結果を示す。
【0107】
[00121]さらに1つの態様では、記載されているサンプルまたは蒸気収集装置は、動物および人間ならびに他の密閉環境において様々な体腔(結腸、膣、胃、膀胱、肺、鼻、口、耳など)の蒸気サンプリングによるウイルス、細菌、寄生虫感染、または薬物/爆発物曝露の時間、速度、および重症度を測定しあるいは決定するのを助けるためのシステムの一部であり得る。サンプルは、記載されているサンプルまたは蒸気収集装置を使用して収集されてよく、サンプル中の抗体産生における宿主反応に対する感染体または環境曝露の比が決定され得る。いくつかの態様では、このタイプのシステムの動作は、種々の体腔および他の閉鎖環境から収集された蒸気サンプルからの感染体または環境曝露の特定および定量化を含むことができる。このタイプのシステムの動作は、感染体または環境曝露に対する応答としての様々な体腔に収集された蒸気サンプルからの宿主抗体の特定および定量化をさらに含むことができる。このタイプのシステムの動作は、産生された宿主抗体に対する感染体または環境汚染物質の比を確立し、次いで、薬物、外科、および他の治療的介入を含む臨床的に適切な医学的、獣医学的、または農業的処置のための感染体または環境曝露のタイプ、時間、速度、および重症度を決定することをさらに含む。
【0108】
[00122]さらに1つの態様では、記載されているサンプルまたは蒸気収集装置は、生きている人間および動物によって放出される様々な揮発性有機または無機化学物質と比べて、死体から時間をかけて放出される好気性および嫌気性細菌を含むがこれらに限定されない、動物および人間の様々な体腔(結腸、膣、胃、膀胱、肝臓、肺、鼻、口、耳など)ならびに他の閉鎖環境からの揮発性有機または無機化合物および分子断片を検出するためのシステムの一部であり得る。いくつかの態様では、このタイプのシステムの動作は、人間および動物の死体の腐敗中の様々な時点で放出される揮発性有機または無機化学物質の特定および定量化を含むことができる。このタイプのシステムの動作は、生きている人間および動物によって様々な時点で放出される揮発性有機化学物質の特定および定量化をさらに含むことができる。次いで、(動物および人間の)生存しているものと死亡しているものにより放出される揮発性有機化学物質の比較が、たとえば、死亡時間の法医学調査、ならびに不法な取引に巻き込まれた人間および動物の識別および位置に関して行われ得る。
【0109】
[00123]さらに1つの態様では、記載されているサンプルまたは蒸気収集装置は、農産物中のウイルス、細菌、カビ、酵母、および他の病原体を検出するためのシステムの一部であり得る。これは、記載されている蒸気収集装置、補助熱交換システム、および/またはモバイル科学プラットフォームのうちの1つまたは複数の態様を使用して、目的の通関地への出荷前に、腐敗および有機、無機、または原子汚染が無いように、倉庫および輸送コンテナ内の農産物をFDAおよび/またはUSDAと協力して証明する方法を含むことができる。これは、代替的に、記載されている蒸気収集装置、補助熱交換システム、および/またはモバイル科学プラットフォームの1つまたは複数の態様を使用して、通関地で農産物を受け取ると、FDAおよび/またはUSDAと協力して同じ貨物であることを証明する方法を含むことができる。
【0110】
[00124]さらに1つの態様では、記載されているサンプルまたは蒸気収集装置は、Leadership in Energy and Environmental Design (LEED)、たとえば、US Green Business Certification Inc.(USGBCI)の揮発性有機化学物質規格に関する認定プロセスと協力して、家庭、ビジネス、および産業における屋内環境品質(IEQ:indoor environmental quality)の証明を可能にすることができる環境空気品質の特定および定量化のためのシステムの一部であり得る。
【0111】
[00125]さらに1つの態様では、記載されているサンプルまたは蒸気収集装置は、地表レベルでの原子、無機物、および揮発性有機化学物質の測定、ならびに/または掘削孔の様々な深さでの原子および揮発性有機または無機化学物質の測定を含むことができる、スーパーファンド用地における土壌汚染の識別のためのシステムの一部であり得る。
【0112】
[00126]さらに1つの態様では、記載されているサンプルまたは蒸気収集装置は、陸上または水環境における掘削孔の様々な深さでの原子および揮発性有機または無機化学物質の測定を含み得る、化石燃料および関連鉱物ならびにエネルギー部門のフラッキング副生物の識別および位置特定のためのシステムの一部であり得る。
【0113】
[00127]モバイル科学プラットフォーム、補助熱交換システム、およびサンプルまたは蒸気収集装置、ならびにそれらの様々な組み合わせの様々な例、態様、特徴、および実装形態が、上記のように例示され説明されているが、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく多くの変更が行われ得る。したがって、本開示の範囲は、本明細書に記載された特定の例によって限定されるものではない。

以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 電気エネルギー源を有する車両と、
前記電気エネルギー源に結合された測定デバイスと、
前記測定デバイスに結合された入力ラインと、
前記入力ラインに結合されたサンプル収集装置と、ここにおいて、前記サンプル収集装置は、第1の温度でサンプルを取得し、およびここにおいて、前記入力ラインは、前記第1の温度以上のライン温度を維持するように構成された加熱素子を備える、
を備えるモバイル測定システム。
[2] 前記車両は推進源を備え、前記推進源は燃焼機関をさらに備える、[1]に記載のシステム。
[3] 前記推進源は、ガスまたはディーゼル燃料のうちの少なくとも1つを使用して動作されることが可能であり、前記推進源は、プロパンまたは圧縮天然ガスのうちの少なくとも1つを使用して動作するように切り替えられることが可能である、[2]に記載のシステム。
[4] 前記システムは、前記測定デバイスが前記入力ラインからサンプルを受け取っているかどうかに基づいて、ガソリンまたはディーゼルからプロパンまたは圧縮天然ガスへ前記推進源の燃料源を切り替えるように動作可能であるスイッチを備える、[3]に記載のシステム。
[5] 前記推進源は冷却システムを備え、前記入力ラインは前記冷却システムに結合される、[1]に記載のシステム。
[6] 前記入力ラインは、サンプル管を備え、前記加熱素子は、サンプル管に各々が隣接する2つの加熱管を備え、前記2つの加熱管は、前記冷却システムに結合される、[5]に記載のシステム。
[7] 前記車両に取外し可能に結合されたトレーラをさらに備え、前記トレーラは、前記電気パワー源の少なくとも一部分を収容する、[1]に記載のシステム。
[8] 前記車両は、推進源を備え、前記推進源は、ガスまたはディーゼル燃料のうちの少なくとも1つを使用して動作されることが可能であり、前記推進源は、プロパンまたは圧縮天然ガスのうちの少なくとも1つを使用して動作するように切り替えられることが可能であり、前記トレーラは、前記プロパンまたは圧縮天然ガスを収容する、[7]に記載のシステム。
[9] 前記電気パワー源は、少なくとも12時間にわたり前記測定デバイスに連続的動作電力を提供するように構成されたバッテリのアレイを備える、[1]に記載のシステム。
[10] モバイルプラットフォームを利用して測定のための空気サンプルを収集する方法であって、
モバイルプラットフォームに取外し可能に取り付けられた測定デバイスがアクティブであることを検出することと、
前記検出に基づいて、前記車両の推進源をプロパン、圧縮天然ガス、または電気のうちの1つに切り替えることと、
前記測定デバイスに結合されたサンプル収集装置を使用して空気サンプルを取得することと、
前記サンプルを分析し、前記分析に基づいて通知を生成することと、
を備える方法。
[11] 前記空気サンプルを取得することは、前記測定デバイスに結合された供給ラインを介して前記空気サンプルを取得することをさらに備える、[10]に記載の方法。
[12] 前記空気サンプルを取得することは、前記車両の前記推進源の冷却システムから得られた液体クーラントを使用して前記供給ラインにおける前記空気サンプルの最低温度を維持することをさらに備える、[11]に記載の方法。
[13] 前記液体クーラントは、前記供給ラインの空気サンプル管に隣接して進む、[12]に記載の方法。
[14] 前記空気サンプルを取得することは、蒸気収集装置を用いて前記空気サンプルを取得することをさらに備え、前記蒸気収集装置は、各々が穿孔を有する第1および第2の中空管を備え、前記第1の管は、前記第1および第2の中空管の前記穿孔が重ならないように、前記第2の管の少なくとも部分的に内側に配置される、[11]に記載の方法。
[15] モバイル車両と、
ガスサンプルを採取するための、前記モバイル車両に結合されたサンプリングデバイスと、
前記ガスサンプルから凝縮を除去し、処理されたサンプルを出力するための脱凝縮デバイスと、
前記処理されたサンプルを分析するための分析デバイスと、
を備えるポータブル科学プラットフォーム。
[16] 前記モバイル車両は、推進源を備え、前記推進源は前記ガスサンプルを汚染しない、[15]に記載のポータブル科学プラットフォーム。
[16] 前記モバイル車両は、前記車両が移動している間に汚染物質無しのガスサンプルを採取することを可能にするために、汚染をする推進源での動作から汚染をしない推進源での動作へ切り替え可能である、[15]に記載のポータブル科学プラットフォーム。
[17] 前記サンプルデバイスは、2層にされたフィルタリングデバイスをさらに備え、前記2層は各々が穿孔を有し、前記穿孔は重ならない、[15]に記載のポータブル科学プラットフォーム。
[18] 前記2層は各々が、共通の端部で閉じられた管を形成する、[17]に記載のポータブル科学プラットフォーム。
[19] 前記脱凝縮デバイスは、採取された前記ガスサンプルの周囲温度以上に加熱される供給ラインを備える、[15]に記載のポータブル科学プラットフォーム。
[20] 前記加熱素子は、サンプルラインに隣接する2つのラインを備え、前記2つのラインは、前記車両の加熱/冷却システムからの加熱されたクーラントを運ぶ、[19]に記載のポータブル科学プラットフォーム。
[21] ガスサンプリングで使用するための補助熱交換システムであって、
外部ケーシングに収容された少なくとも1つの第1の導管と、ここにおいて、前記少なくとも1つの第1の導管は、車両の加熱/冷却システムに取外し可能に取付け可能である、
ガスサンプルを輸送するためのトレーサ導管と、ここにおいて、前記トレーサ導管は、前記第1の導管の近くに配置され、前記少なくとも1つの第1の導管の少なくとも一部の長さにわたって前記外部ケーシングに収容され、ここにおいて、前記トレーサ導管は、ガス収集デバイスに取外し可能に取付け可能である第1の端部と、測定デバイスに取外し可能に取付け可能である第2の端部とを備える、
を備え、
ここにおいて、前記第1の導管は、前記トレーサ導管における凝縮物の形成を防止または低減するように、前記トレーサ導管におけるガスサンプルの少なくとも閾値温度を維持するために、前記車両の前記加熱/冷却システムからの加熱された液体を運ぶように構成される、
補助熱交換システム。
[22] 前記少なくとも1つの第1の導管は、前記外部ケーシングにおいて前記トレーサ導管に平行に各々配置された第1の導管と第2の導管とを備える、[21]に記載のシステム。
[23] 前記第1の導管および前記第2の導管は、前記トレーサ導管と直接接触している、[22]に記載のシステム。
[24] 前記少なくとも1つの第1の導管は、PFA、PEEK、またはPTFEで作られる、[21]に記載のシステム。
[25] 前記トレーサ管は、PFA、PEEK、またはPTFEで作られる、[21]に記載のシステム。
[26] 前記第1の導管、前記第2の導管、および前記トレーサ導管は、耐吸収性ガラス繊維絶縁体中の水溶性塩化物に包まれる、[23]に記載のシステム。
[27] 前記外部ケーシングは、非ハロゲン化熱可塑性ウレタンを備え、前記耐吸収性ガラス繊維絶縁体を覆う、[26]に記載のシステム。
[28] 前記少なくとも1つの第1の導管は、前記車両の前記加熱/冷却システムの加熱回路と共に補助ループを形成する、[21]に記載のシステム。
[29] 前記少なくとも1つの第1の導管は、前記車両のヒーターコアに液体を提供する入口加熱ホースと、前記車両の前記加熱/冷却システムに液体を戻すように提供する出口加熱ホースとに取外し可能に取付け可能である、[28]に記載のシステム。
[30] 前記少なくとも1つの第1の導管は、前記加熱/冷却システムのラジエータホースと、前記車両の前記加熱/冷却システムのクーラント膨張タンクとに取外し可能に取付け可能である、[28]に記載のシステム。
[31] 前記少なくとも1つの第1の導管は、前記車両のヒーターコアに液体を提供する入口加熱ホースと、前記車両の前記加熱/冷却システムに液体を戻すように提供する出口加熱ホースとに取外し可能に取付け可能である、[21]に記載のシステム。
[32] 前記少なくとも1つの第1の導管は、前記加熱/冷却システムのラジエータホースと、前記車両の前記加熱/冷却システムのクーラント膨張タンクとに取外し可能に取付け可能である、[21]に記載のシステム。
[33] 前記ガス収集デバイスは、2層にされたフィルタリングデバイスをさらに備え、前記2層は各々が穿孔を有し、前記穿孔は重ならない、[21]に記載のシステム。
[34] 前記2層は各々が、共通の端部で閉じられた管を形成する、[33]に記載のシステム。
[35] 前記閾値温度は、前記ガスサンプルの周囲温度よりも高く設定される、[21]に記載のシステム。
[36] 前記少なくとも1つの第1の導管に結合された補助ポンプをさらに備え、前記ポンプは、前記少なくとも1つの第1の導管の延長された長さを通して液体を移動させるように構成される、[21]に記載のシステム。
[37] 前記車両は、モバイル科学プラットフォームを備える、[21]に記載のシステム。
[38] ガスサンプリングで使用するための補助熱交換システムであって、
外部ケーシングに一緒に収容された第1の導管および第2の導管と、ここにおいて、前記第1の導管および前記第2の導管の各々は、車両の加熱/冷却システムに取外し可能に取付け可能である、
ガスサンプルを輸送するための、第1の長さを有するトレーサ導管と、ここにおいて、前記トレーサ導管は、前記第1の導管および前記第2の導管の近くに配置され、前記第1の導管および前記第2の導管の少なくとも一部の長さにわたって前記外部ケーシングに収容され、ここにおいて、前記トレーサ導管は、ガス収集デバイスに取外し可能に取付け可能である第1の端部と、測定デバイスに取外し可能に取付け可能である第2の端部とを備える、
を備え、
ここにおいて、前記第1の導管および前記第2の導管は、前記トレーサ導管における凝縮物の形成を低減するように、前記トレーサ導管の長さの少なくとも大分部におけるガスサンプルの少なくとも閾値温度を維持するために、前記車両の前記加熱/冷却システムからの加熱された液体を運ぶように構成される、
補助熱交換システム。
[39] 前記第1の導管および前記第2の導管は、前記トレーサ導管と直接接触している、[36]に記載のシステム。
[40] 前記第1の導管および前記第2の導管は、前記車両の前記加熱/冷却システムの加熱回路と共に補助ループを形成する、[36]に記載のシステム。
[41] 蒸気サンプリングのための原子および分子化合物の収集のための装置であって、
第1の端部と第2の端部とを有する中空管を備える外側蒸気収集装置と、前記中空管は、前記第1の端部の近くに複数の穿孔を形成し、ここにおいて、前記穿孔は、前記穿孔を通る砕屑物または環境汚染物質のうちの少なくとも1つの通過を防止し、ここにおいて、前記外側蒸気収集装置は、第1の内径を有する、
第1の端部と第2の端部とを有する第2の中空管を備える内側蒸気収集装置と、前記中空管は、前記外側蒸気収集装置の前記第1の端部の反対側にある前記第2の端部の近くに複数の穿孔を形成し、ここにおいて、前記内側蒸気収集装置は、前記内側蒸気収集装置が前記外側蒸気収集装置の少なくとも部分的に内側に配向されるように、前記外側蒸気収集装置の前記第1の内径よりも小さい第1の外径を有する、
を備え、
ここにおいて、前記内側蒸気収集装置における前記穿孔は、前記外側蒸気収集装置における前記穿孔に対して前記第2の端部に向かって配置される、
装置。
[42] 前記外側蒸気収集装置は、前記外側蒸気収集装置の前記外径よりも大きい外径を有する鞍部を形成する、[41]に記載の装置。
[43] 前記外側蒸気収集装置は、意図された挿入長に基づいて選択される長さを有する、[41]に記載の装置。
[44] 前記外側蒸気収集装置は、意図された挿入長に基づいて選択される前記鞍部から延長する長さを有する、[42]に記載の装置。
[45] 前記外側蒸気収集装置または前記内側蒸気収集装置の前記第1の端部の近くで前記外側蒸気収集装置または前記内側蒸気収集装置のうちの少なくとも1つに結合された中空収集管コネクタをさらに備える、[41]に記載の装置。
[46] 前記中空収集管コネクタは、測定デバイスに取り付けられる真空収集管を収容するように選択された外径を有する、[45]に記載の装置。
[47] 前記外側蒸気収集装置の前記穿孔は、様々なサイズまたは形状のうちの少なくとも1つを有する、[41]に記載の装置。
[48] 前記外側蒸気収集装置の前記穿孔の前記サイズまたは前記形状のうちの少なくとも1つは、前記装置の意図された使用に基づいて選択される、[47]に記載の装置。
[49] 前記内側蒸気収集装置の前記穿孔は、前記外側蒸気収集装置の前記穿孔と比較してサイズが小さい、[48]に記載の装置。
[50] 前記外側蒸気収集装置は、ハンドルを形成する、[41]に記載の装置。
[51] 前記外側蒸気収集装置および前記内側蒸気収集装置は、PFA、PEEK、PTFE、または不動態化ステンレス鋼のうちの少なくとも1つで作られる、[41]に記載の装置。
[52] ガスサンプル収集装置であって、
第1の端部と第2の端部とを有する外側管と、前記管は、前記第1の端部の近くに複数の穿孔を形成し、ここにおいて、前記穿孔は、前記穿孔を通る砕屑物または環境汚染物質のうちの少なくとも1つの通過を防止し、ここにおいて、前記外側管は、第1の内径を有する、
第1の端部と第2の端部とを有する内側管と、前記内側管は、前記外側管の前記第1の端部の反対側にある前記第2の端部の近くに複数の穿孔を形成し、ここにおいて、前記内側管は、前記内側管が前記外側管の少なくとも部分的に内側に配向されるように、前記外側管の前記第1の内径よりも小さい第1の外径を有する、
を備えるガスサンプル収集装置。
[53] 前記内側管における前記穿孔は、前記内側管における前記穿孔が前記外側管における前記穿孔に重ならないように、前記外側管における前記穿孔に対して前記第2の端部に向かって配置される、[52]に記載の装置。
[54] 前記外側管は、前記外側管の前記外径よりも大きい外径を有する鞍部を形成する、[52]に記載の装置。
[55] 前記外側管は、意図された挿入長に基づいて選択される前記鞍部から延長する長さを有する、[53]に記載の装置。
[56] 前記外側管または前記内側管の前記第1の端部の近くで前記外側管または前記内側管のうちの少なくとも1つに結合されたコネクタをさらに備える、[52]に記載の装置。
[57] 前記コネクタは、測定デバイスに取り付けられる真空収集管を収容するように選択された外径を有する、[56]に記載の装置。
[58] 前記外側管の前記穿孔は、様々なサイズまたは形状のうちの少なくとも1つを有し、前記外側管の前記穿孔の前記サイズまたは前記形状のうちの少なくとも1つは、前記装置の意図された使用に基づいて選択される、[50]に記載の装置。
[59] 蒸気サンプリングのための原子および分子化合物の収集のためのシステムであって、
第1の端部と第2の端部とを有する中空管を備える外側蒸気収集装置と、前記中空管は、前記第1の端部の近くに複数の穿孔を形成し、ここにおいて、前記穿孔は、前記穿孔を通る砕屑物または環境汚染物質のうちの少なくとも1つの通過を防止し、ここにおいて、前記外側蒸気収集装置は、第1の内径を有する、
第1の端部と第2の端部とを有する第2の中空管を備える内側蒸気収集装置と、前記中空管は、前記外側蒸気収集装置の前記第1の端部の反対側にある前記第2の端部の近くに複数の穿孔を形成し、ここにおいて、前記内側蒸気収集装置は、前記内側蒸気収集装置が前記外側蒸気収集装置の少なくとも部分的に内側に配向されるように、前記外側蒸気収集装置の前記第1の内径よりも小さい第1の外径を有し、ここにおいて、前記内側蒸気収集装置における前記穿孔は、前記外側蒸気収集装置における前記穿孔に対して前記第2の端部に向かって配置される、
前記外側蒸気収集装置または前記内側蒸気収集装置の前記第1の端部の近くで前記外側蒸気収集装置または前記内側蒸気収集装置のうちの少なくとも1つに結合された中空収集管コネクタと
を備えるサンプル収集装置と、
前記中空収集管コネクタに取外し可能に結合された入力ラインと、ここにおいて、前記入力ラインは、前記サンプル収集装置により収集されたサンプルの第1の温度以上のライン温度を維持するように構成された加熱素子を備える、
を備えるシステム。
[60] 前記入力ラインは、サンプル管を備え、前記加熱素子は、前記サンプル管に各々隣接する2つの加熱管を備え、前記2つの加熱管は、冷却/加熱システムに結合される、[59]に記載のシステム。
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