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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】磁気インク読取装置及びプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20220719BHJP
   G07D 7/04 20160101ALI20220719BHJP
   G07D 7/00 20160101ALI20220719BHJP
【FI】
B65H5/06 N
G07D7/04
G07D7/00 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018097626
(22)【出願日】2018-05-22
(65)【公開番号】P2019202836
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】眞田 強
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-283401(JP,A)
【文献】特開平09-293295(JP,A)
【文献】特開2000-198592(JP,A)
【文献】特開2000-100025(JP,A)
【文献】特開2000-67174(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/06
G07D 7/04
G07D 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気インクを用いて印刷されたシート状の媒体を搬送経路に沿って搬送する搬送機構と、
前記搬送経路上の前記媒体の前記磁気インクに着磁させる着磁機構と、
前記搬送経路に沿って配置され、着磁された前記磁気インクの磁気を読み取る磁気検出ヘッドと、
この磁気検出ヘッドに前記搬送経路を挟んで対向配置され、前記磁気検出ヘッドに前記搬送経路に沿って搬送される前記媒体を押し付け、前記媒体の表面に沿って回転する円筒状のローラ部材と、
このローラ部材を回転自在に支持すると共に、前記ローラ部材の軸方向中央部において前記ローラ部材の内壁部と接触する回転軸と、
を備え
前記ローラ部材は、両端部においてその内周面側が断面楕円状の軸支部に内接支持され、
前記軸支部の長径が前記搬送経路に沿った方向に設けられている、磁気インク読取装置。
【請求項2】
前記ローラ部材及び前記回転軸は、非磁性体で形成されている請求項1に記載の磁気インク読取装置。
【請求項3】
磁気インクを用いて印刷されたシート状の媒体を搬送経路に沿って搬送する搬送機構と、
前記搬送経路上の前記媒体の前記磁気インクに着磁させる着磁機構と、
前記搬送経路に沿って配置され、着磁された前記磁気インクの磁気を読み取る磁気検出ヘッドと、
前記搬送経路上に配置され、前記媒体に印刷する印刷機構と、
前記磁気検出ヘッドに前記搬送経路を挟んで対向配置され、前記磁気検出ヘッドに前記搬送経路に沿って搬送される前記媒体を押し付け、前記媒体の表面に沿って回転する円筒状のローラ部材と、
このローラ部材を回転自在に支持すると共に、前記ローラ部材の軸方向中央部において前記ローラ部材の内壁部と接触する回転軸と、
を備え
前記ローラ部材は、両端部においてその内周面側が断面楕円状の軸支部に内接支持され、
前記軸支部の長径が前記搬送経路に沿った方向に設けられている、プリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、紙片等に印刷された磁気インクの文字や画像を読み取る磁気インク読取装置及びプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
手形や小切手等の媒体表面に磁気インクで文字(MICR文字:Magnetic Ink character recognition)が印刷されていることがある。このようなMICR文字は磁気インク読取装置によって次のようにして読み取られる。すなわち、使用者が装置内に媒体を挿入すると、磁石によってMICR文字に着磁がなされる。次に、MICR文字が帯びる残留磁気によって発生する残留磁界を磁気検出ヘッド(MICRヘッド)によって検出し、装置がその磁気特性や磁気パターンからMICR文字を識別する。装置は、MICR文字によって手形や小切手を判別することが可能となる。
【0003】
このような磁気インク読取装置は、例えばATMやPOSのプリンタに組み込まれて用いられている。
【0004】
プリンタには、搬送経路に沿って磁石、磁気検出ヘッド、フィードローラ及びピンチローラ、インクジェットヘッド及びプラテンが配置されている。また、フィードローラを駆動するモータが設けられている。
【0005】
磁石は、MICR文字に安定して着磁するため強力な永久磁石が用いられている。また、磁石と磁気検出ヘッドは、搬送経路上を搬送させる媒体のMICR文字の位置に対応して設けられている。
【0006】
このように構成されたプリンタでは、MICR文字に着磁し、残留磁界を検出することで読み取りや、印字を行う。このようなプリンタにおいては、MICR文字の読取の正確性が要求されることから、MICR文字に対して、磁気検出ヘッドを安定して接触させる必要がある。
【0007】
磁気検出ヘッドをMICR文字に安定して接触させるため、押圧パッドを磁気検出ヘッドに対向配置させ、その押圧力によってMICR文字と磁気検出ヘッドとを接触させていた。特に、折り畳み皺が残っているような媒体であっても、確実に磁気検出ヘッドに押し付けるためには、押圧力を高める必要があった。
【0008】
しかしながら、押圧パッドによる押圧力を大きくし過ぎると、媒体の幅方向(搬送方向に直交する向き)にアンバランスが生じ、媒体がスキューすることがあった。媒体がスキューすると、磁気検出ヘッドによる読取精度が低下する虞があった。
【0009】
そのため、媒体の磁気検出ヘッドへの押圧力を高めても、媒体にスキューが生じることなく、安定した読取動作を行うことができる装置が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2004-206316号公報
【文献】特開2001-283401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、媒体の磁気検出ヘッドへの押圧力を高めても、媒体にスキューが生じることなく、安定した読取動作を行うことができる磁気インク読取装置、及び、このような磁気インク読取装置を用いたプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
実施形態によれば、磁気インク読取装置は、搬送機構と、着磁機構と、磁気検出ヘッドと、ローラ部材と、回転軸とを有する。搬送機構は、磁気インクを用いて印刷されたシート状の媒体を搬送経路に沿って搬送する。着磁機構は、搬送経路上の媒体の磁気インクに着磁させる。磁気検出ヘッドは、搬送経路に沿った着磁機構の近傍に配置され、着磁された磁気インクの磁気を読み取る。ローラ部材は、磁気検出ヘッドに搬送経路を挟んで対向配置され、磁気検出ヘッドに搬送経路に沿って搬送される媒体を押し付け、媒体の表面に沿って回転する円筒状に形成されている。回転軸は、ローラ部材を回転自在に支持すると共に、ローラ部材の軸方向中央部においてローラ部材の内壁部と接触する。ローラ部材は、両端部においてその内周面側が断面楕円状の軸支部に内接支持される。軸支部の長径が搬送経路に沿った方向に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態にかかる磁気インク読取装置が組み込まれたプリンタの概略構成を示す説明図。
図2】本実施形態における磁気インク読取装置に適用される印刷された媒体の一例を示す平面図。
図3】本実施形態における磁気インク読取装置に組み込まれた押圧ローラ機構を図1のA-A線で切断して矢印方向に見る断面図。
図4】本実施形態における押圧ローラ機構及びMICRヘッドを図3におけるB-B線で切断して矢印方向に見る断面図。
図5】本実施形態における磁気インク読取装置に組み込まれた押圧ローラ機構の変形例を図1のA-A線で切断して矢印方向に見る断面図。
図6】本実施形態における押圧ローラ機構及びMICRヘッドを図5におけるC-C線で切断して矢印方向に見る断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本実施形態にかかる磁気インク読取装置40が組み込まれたプリンタ10の概略構成を示す説明図、図2は本実施形態における磁気インク読取装置40に適用される印刷された手形や小切手等のシート状の媒体Pの一例を示す平面図、図3は磁気インク読取装置40に組み込まれた押圧ローラ機構70を図1のA-A線で切断して矢印方向に見る断面図、図4は押圧ローラ機構70及びMICRヘッド60を図3におけるB-B線で切断して矢印方向に見る断面図である。
【0015】
プリンタ10は、例えば銀行等のATMや商店・倉庫等のPOS(Point Of Sales)端末に組み込まれている。図中Kは媒体Pの搬送経路を示している。図2に示すように、媒体Pは、シート状の媒体本体Paを有している。この媒体本体Pa上には、通常のインクによって文字Pb、磁気インクによってMICR文字Pcがそれぞれ印刷されている。
【0016】
プリンタ10は、筐体11を有している。筐体11内部には、搬送経路Kが形成されている。この搬送経路Kの図1中右端は外部から媒体Pを挿入・排出する出入口12が設けられている。なお、このプリンタ10については、使用者が磁気インクが予め印刷されている表面を図1中下向きにして挿入する。
【0017】
筐体11内部には、制御部20と、搬送機構30と、磁気インク読取装置40と、印刷機構90が収容されており、印刷機構90が磁気インク読取装置40よりも出入口12側に設けられている。制御部20は、搬送機構30、磁気インク読取装置40、印刷機構90等を連携制御する機能を有している。
【0018】
搬送機構30は、フィードローラ31及びピンチローラ32を含む複数のローラ等によって、磁気インクを用いて印刷されたシート状の媒体Pを搬送する搬送経路Kを形成している。搬送機構30は、モータ33及びこのモータ33の回転力を各ローラに伝達する歯車機構34を有している。
【0019】
磁気インク読取装置40は、搬送経路K上の媒体Pの磁気インクに着磁させる着磁機構50と、この着磁機構50の搬送経路Kにおける搬送方向下流側近傍(離間距離4~5cm程度)に配置され、着磁された磁気インクの磁気を読み取るMICRヘッド60と、搬送経路K上の媒体PをMICRヘッド60側に押圧する押圧ローラ機構70とを備えている。
【0020】
着磁機構50は、媒体Pの表面にN極面又はS極面を対向させて配置させたマグネット51を備えている。
【0021】
MICRヘッド60は、媒体Pの幅方向の一方の端部から7~9mmの位置に配置されている。
【0022】
押圧ローラ機構70は、着磁機構50の図1中上方に配置された支持機構71と、この支持機構71に揺動自在に取り付けられたアーム72と、このアーム72の先端に取り付けられた軸支部73とを備えている。支持機構71は図示しないカム機構によってアーム72を所定のタイミングで上下方向に揺動させる。
【0023】
軸支部73には、ローラ機構80が設けられている。軸支部73は、断面楕円状に形成されており、長径が搬送方向Kに沿っており、短径がMICRヘッド60側に向いている。なお、長径側の外周は後述するローラ82の内周壁に内接している。
【0024】
図3及び図4に示すように、ローラ機構80は、アーム72に対し、媒体Pの幅方向Wに平行取り付けられたオーステナイト系ステンレス材(SUS304等)の回転軸81と、この回転軸81周りに回転自在に取り付けられた樹脂材製のローラ82とを備えている。オーステナイト系ステンレス材及び樹脂材はいずれも非磁性体である。回転軸81及びローラ82は、非磁性体であることから、周囲のモータ等から発生する漏れ磁束によっても磁化せず、MICRヘッド60近傍での磁界の変動を最小限とすることができる。なお、オーステナイト系ステンレス材としてのSUS304はコストと耐摩耗性を考慮した場合の最適な材料の一つである。
【0025】
ローラ82は、円筒状のローラ本体82aと、このローラ本体82aの幅方向Wの中央部の内周面側に設けられたリブ82bとを備えている。リブ82bは回転軸81の外周面に僅かな隙間をもって対向している。
【0026】
ローラ82の内周面のうち搬送方向Kに沿った部位は、上述したように軸支部73の長径側に内接しているので、ローラ82は搬送方向K側には移動が非常に短い範囲に規制されている。これに対し、ローラ82の内周面のうち搬送方向Kに交差する部位は、軸支部73の短径側に対向配置されているので、比較的大きい間隙Qが有り、MICRヘッド60側には比較的長い範囲で移動が許容されることとなる。すなわち、搬送方向Kのクリアランスは小さく、搬送方向Kに直交する向きのクリアランスは大きく形成されている。
【0027】
MICRヘッド60は、MICR文字Pcの残留磁力を検出する。MICR文字Pcは、磁気特性や磁気パターンとして読み取られ、磁気特性や磁気パターンは制御部20に電気信号として出力される。予め制御部20にはMICR文字Pcの磁気特性や磁気パターンが登録されており、それらと読み取られた磁気特性や磁気パターンとを制御部20で照合することで、MICR文字Pcを制御部20において識別する。
【0028】
印刷機構90は、インクジェットヘッド91と、このインクジェットヘッド91に搬送経路Kを挟んで配置されたプラテン92とを備えている。
【0029】
このように構成されたプリンタ10においては、次のようにして磁気インク読取及び印刷が行われる。すなわち、筐体11の出入口12から媒体PをMICR文字Pcが印刷されている表面を下向きにして使用者が挿入する。挿入された媒体Pは搬送機構30により、搬送経路Kに沿って図1中左方向に向けて搬送される。
【0030】
媒体Pが着磁機構50に達すると、MICR文字Pcが着磁機構50を通過する。この時、マグネット51の磁力によってMICR文字Pcに着磁がなされる。
【0031】
次に、搬送機構30によって媒体Pが図1中右方向に搬送されて、MICR文字PcがMICRヘッド60に達する。この時、押圧ローラ機構70のアーム72がカム機構の作動により下方へ揺動し、ローラ82が媒体PをMICRヘッド60側に押圧する。ここで、MICR文字Pcが帯びる残留磁気によって発生する残留磁界がMICRヘッド60によって検出される。この残留磁気の磁気特性や磁気パターンからMICR文字Pcが識別される。識別されたMICR文字Pcによって、媒体Pの記載内容が判定される。
【0032】
次に、搬送機構30によって媒体Pが図1中右方向に搬送されて、媒体Pが印刷機構90に達すると、前述した媒体Pの判定結果に伴い、インクジェットヘッド91によって「使用済」や「無効」等の印字が行われる。
【0033】
印字が終了した媒体Pは、搬送機構30によって、筐体11の出入口12から排出される。
【0034】
このように構成されたプリンタ10によれば、ローラ82によって媒体PがMICRヘッド60に押圧されるため、MICRヘッド60によりMICR文字Pcに付与される残留磁気を正確に読み取ることができる。したがって、媒体Pに多少の皺があっても誤認識やエラーの発生を最小限に抑えることができる。
【0035】
また、ローラ82により強く押圧力を付与しても、媒体P上をローラ82が滑らかに回るため、媒体Pにアンバランスな力が生じないことからスキューが発生せず、読取を高精度に行うことができる。さらに、ローラ82は回転軸81に対し、中央部で支持されていることから、搬送経路Kに対し、MICRヘッド60が幅方向に沿って僅かな傾きがあってもローラ82が追従する。したがって、媒体PとMICRヘッド60との間に隙間が生じず、読取を高精度に行うことができる。
【0036】
図5は、磁気インク読取装置40に組み込まれた変形例に係る押圧ローラ機構70Aを図1のA-A線で切断して矢印方向に示す断面図、図6は、押圧ローラ機構70A及びMICRヘッド60を図5におけるC-C線で切断して矢印方向に示す断面図である。なお、図5,6において、上述した図3,4と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0037】
押圧ローラ機構70Aには、上述した軸支部73の代わりに軸支部73A、ローラ機構80の代わりにローラ機構80Aが設けられている。
【0038】
軸支部73Aは、長穴形状に形成されており、短径が搬送方向Kに沿っており、長径がMICRヘッド60側に向いている。なお、短径側の周は後述するローラ86の周壁に内接している。
【0039】
図5及び図6に示すように、ローラ機構80Aは、アーム72に対し、媒体Pの幅方向Wに平行に取り付けられたオーステナイト系ステンレス材(SUS304等)の回転軸85と、この回転軸85周りに回転自在に取り付けられた樹脂材製のローラ86とを備えている。オーステナイト系ステンレス材及び樹脂材はいずれも非磁性体である。非磁性体であることから、周囲のモータ等から発生する電磁力の影響を受けない。
【0040】
ローラ86は、円筒状のローラ本体86aと、このローラ本体86aの幅方向Wの中央部に内側に設けられたリブ86bとを備えている。リブ86bは回転軸85の外周面に僅かな隙間をもって対向している。ローラ本体86aの両端部の外周には段差部86cが形成されており、軸支部73Aの内周側に外接している。
【0041】
ローラ86の外周面のうち搬送方向Kに沿った部位は、上述したように軸支部73Aの内周の短径側に外接しているので、ローラ86は搬送方向K側には移動が非常に短い範囲に規制されている。これに対し、ローラ86の外周面のうち搬送方向Kに交差する方向に沿った部位は、軸支部73Aの長径側に対向配置されているので、比較的大きい間隙Rが有り、MICRヘッド60側には比較的長い範囲で移動が許容されることとなる。すなわち、搬送方向Kのクリアランスは小さく、搬送方向Kに直交する向きのクリアランスは大きく形成されている。
【0042】
このように形成された押圧ローラ機構70Aにおいても、上述した押圧ローラ機構70を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
【0043】
上述した例では、ローラ82,86を樹脂材、回転軸81,85をオーステナイト系ステンレス材としたが、非磁性体であれば他の材料を用いてもよい。また、上述したローラ86の外周が軸支部73Aの搬送方向Kの前後方向において内接するようにしているが、前後方向の一方であってもよい。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明と同等の記載を付記する。
[1]
磁気インクを用いて印刷されたシート状の媒体を搬送経路に沿って搬送する搬送機構と、
前記搬送経路上の前記媒体の前記磁気インクに着磁させる着磁機構と、
前記搬送経路に沿って配置され、着磁された前記磁気インクの磁気を読み取る磁気検出ヘッドと、
この磁気検出ヘッドに前記搬送経路を挟んで対向配置され、前記磁気検出ヘッドに前記搬送経路に沿って搬送される前記媒体を押し付け、前記媒体の表面に沿って回転する円筒状のローラ部材と、
このローラ部材を回転自在に支持すると共に、前記ローラ部材の軸方向中央部において前記ローラ部材の内壁部と接触する回転軸と、
を備えている磁気インク読取装置。
[2]
前記ローラ部材は、両端部においてその内周面側が断面楕円状の軸支部に内接支持され、
前記軸支部の長径が前記搬送経路に沿った方向に設けられている[1]に記載の磁気インク読取装置。
[3]
前記ローラ部材は、両端部においてその外周面側が長穴形状の軸支部に外接支持され、 前記軸支部の短径が前記搬送経路に沿った方向に設けられている[1]に記載の磁気インク読取装置。
[4]
前記ローラ部材及び前記回転軸は、非磁性体で形成されている[1]に記載の磁気インク読取装置。
[5]
磁気インクを用いて印刷されたシート状の媒体を搬送経路に沿って搬送する搬送機構と、
前記搬送経路上の前記媒体の前記磁気インクに着磁させる着磁機構と、
前記搬送経路に沿って配置され、着磁された前記磁気インクの磁気を読み取る磁気検出ヘッドと、
前記搬送経路上に配置され、前記媒体に印刷する印刷機構と、
前記磁気検出ヘッドに前記搬送経路を挟んで対向配置され、前記磁気検出ヘッドに前記搬送経路に沿って搬送される前記媒体を押し付け、前記媒体の表面に沿って回転する円筒状のローラ部材と、
このローラ部材を回転自在に支持すると共に、前記ローラ部材の軸方向中央部において前記ローラ部材の内壁部と接触する回転軸と、
を備えているプリンタ。
【符号の説明】
【0045】
10…プリンタ、11…筐体、12…出入口、20…制御部、30…搬送機構、31…フィードローラ、32…ピンチローラ、33…モータ、34…歯車機構、40…磁気インク読取装置、50…着磁機構、51…マグネット、60…ヘッド、70…押圧ローラ機構、70A…押圧ローラ機構、71…支持機構、72…アーム、73,73A…軸支部、80,80A…ローラ機構、81…回転軸、82…ローラ、82a…ローラ本体、82b…リブ、85…回転軸、86…ローラ、86a…ローラ本体、86b…リブ、86c…段差部、90…印刷機構、91…インクジェットヘッド、92…プラテン、P…媒体、K…搬送経路、W…幅方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6