IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 安川情報システム株式会社の特許一覧

特許7106391画像判定方法、画像判定装置および画像判定プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】画像判定方法、画像判定装置および画像判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20220719BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20220719BHJP
【FI】
G06T7/00 350B
G06N20/00 130
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018155150
(22)【出願日】2018-08-22
(65)【公開番号】P2020030565
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-06-04
(73)【特許権者】
【識別番号】399076312
【氏名又は名称】株式会社YE DIGITAL
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬場 大輔
(72)【発明者】
【氏名】有吉 浩平
【審査官】伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-057349(JP,A)
【文献】特開2018-112996(JP,A)
【文献】特開2018-116364(JP,A)
【文献】国際公開第2017/094267(WO,A1)
【文献】進藤 智則,教師なしディープラーニングで製造不良品を自動検出 武蔵精密工業が自動車ギア検査にautoencoder,日経Robotics,日本,日経BP社,2018年04月10日,No.34,pp. 3-8
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 3/00 - 3/12
G06N 7/08 - 99/00
G06T 1/00
G06T 3/00 - 3/60
G06T 5/00 - 5/50
G06T 7/00 - 7/90
G06T 7/00
H04N 5/222 - 5/257
H04N 7/18
CSDB(日本国特許庁)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正例となる学習用画像を用いた機械学習である第1学習を実行することによって、正常画像をモデル化した正常モデルを生成する第1学習工程と、
負例となる前記学習用画像を用いた機械学習である第2学習を実行することによって、異常画像のパターンをモデル化した異常分類モデルを生成する第2学習工程と、
判定対象画像を前記正常モデルへ入力することによって得られる該正常モデルの出力値に基づいて前記判定対象画像の正常状態からの乖離度を評価する評価工程と、
前記乖離度に基づいて前記判定対象画像が異常であるか否かを判定する第1判定工程と、
前記第1判定工程によって前記判定対象画像が異常であると判定された場合に、前記判定対象画像を前記異常分類モデルへ入力することによって得られる該異常分類モデルの出力値に基づいて前記パターンを判定する第2判定工程と
を含み、
前記第1判定工程は、
前記判定対象画像が異常である場合に、前記乖離度が各画素に割り当てられたマッピング画像から前記乖離度に基づいて異常対象領域を抽出し、当該異常対象領域を前記異常分類モデルへ入力させ、
前記第2判定工程は、
当該異常対象領域が前記異常分類モデルへ入力されることによって得られる分類結果および該分類結果に対する類似度に基づいて前記パターンを判定する
ことを特徴とする画像判定方法。
【請求項2】
前記第1判定工程は、
前記乖離度に基づいて前記判定対象画像が異常であるとの判定結果が誤検知であると判定される場合に、前記判定対象画像を追加学習分とした前記第1学習を前記第1学習工程に実行させることによって前記正常モデルを更新する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像判定方法。
【請求項3】
前記第2判定工程は、
前記類似度が所定の判定閾値以下である場合に、前記異常対象領域を追加学習分とした前記第2学習を前記第2学習工程に実行させることによって前記異常分類モデルを更新する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像判定方法。
【請求項4】
前記第2学習工程は、
外れ値を示す前記正常画像を前記負例となる前記学習用画像として用いて前記第2学習を実行し、
前記第2判定工程は、
前記類似度が所定の判定閾値より大であり、かつ、前記分類結果が前記外れ値の前記正常画像を示す場合に、前記判定対象画像は正常であると通知する
ことを特徴とする請求項1、2またはに記載の画像判定方法。
【請求項5】
正例となる学習用画像を用いた機械学習である第1学習を実行することによって、正常画像をモデル化した正常モデルを生成する第1学習部と、
負例となる前記学習用画像を用いた機械学習である第2学習を実行することによって、異常画像のパターンをモデル化した異常分類モデルを生成する第2学習部と、
判定対象画像を前記正常モデルへ入力することによって得られる該正常モデルの出力値に基づいて前記判定対象画像の正常状態からの乖離度を評価する評価部と、
前記乖離度に基づいて前記判定対象画像が異常であるか否かを判定する第1判定部と、
前記第1判定部によって前記判定対象画像が異常であると判定された場合に、前記判定対象画像を前記異常分類モデルへ入力することによって得られる該異常分類モデルの出力値に基づいて前記パターンを判定する第2判定部と
を備え
前記第1判定部は、
前記判定対象画像が異常である場合に、前記乖離度が各画素に割り当てられたマッピング画像から前記乖離度に基づいて異常対象領域を抽出し、当該異常対象領域を前記異常分類モデルへ入力させ、
前記第2判定部は、
当該異常対象領域が前記異常分類モデルへ入力されることによって得られる分類結果および該分類結果に対する類似度に基づいて前記パターンを判定す
ことを特徴とする画像判定装置。
【請求項6】
正例となる学習用画像を用いた機械学習である第1学習を実行することによって、正常画像をモデル化した正常モデルを生成する第1学習手順と、
負例となる前記学習用画像を用いた機械学習である第2学習を実行することによって、異常画像のパターンをモデル化した異常分類モデルを生成する第2学習手順と、
判定対象画像を前記正常モデルへ入力することによって得られる該正常モデルの出力値に基づいて前記判定対象画像の正常状態からの乖離度を評価する評価手順と、
前記乖離度に基づいて前記判定対象画像が異常であるか否かを判定する第1判定手順と、
前記第1判定手順によって前記判定対象画像が異常であると判定された場合に、前記判定対象画像を前記異常分類モデルへ入力することによって得られる該異常分類モデルの出力値に基づいて前記パターンを判定する第2判定手順と
をコンピュータに実行させ
前記第1判定手順は、
前記判定対象画像が異常である場合に、前記乖離度が各画素に割り当てられたマッピング画像から前記乖離度に基づいて異常対象領域を抽出し、当該異常対象領域を前記異常分類モデルへ入力させ、
前記第2判定手順は、
当該異常対象領域が前記異常分類モデルへ入力されることによって得られる分類結果および該分類結果に対する類似度に基づいて前記パターンを判定す
ことを特徴とする画像判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、画像判定方法、画像判定装置および画像判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機械学習を利用して、画像解析を行う技術が知られている。たとえば、特許文献1に開示の技術は、分類結果が既知である複数の画像について算出した特徴ベクトルを用いて機械学習を実行し、機械学習で得られた結果に基づいて、分類結果が未知である画像の分類を行うものである。
【0003】
こうした技術を利用することにより、たとえば製造された製品の画像から、かかる製品が正常品であるか否か、また、正常品でなければ何が異常か、を分類することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-011552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術には、機械学習を利用した画像判定を簡便に且つ精度よく行ううえで、さらなる改善の余地がある。
【0006】
具体的には、たとえば上述した製品の異常に傷や色ムラといった無数のパターンが存在する場合、それらのパターンをすべて分類可能な分類モデルを生成するためには、大量の学習用データの収集と長時間の学習が必要であり、煩雑である。
【0007】
また、通常の運用において、取得が容易なのは正常時の正常画像であり、異常発生時の異常画像は入手が困難である。したがって、運用の初期段階等においては、十分に分類パターンを学習することが難しく、分類モデルの精度を担保できなかった。
【0008】
また、正常画像であっても、いわゆる外れ値に該当するような正常画像がある場合、これを正常分として学習してしまうと、分類モデルに精度劣化が生じるおそれがある。
【0009】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、機械学習を利用した画像判定を簡便に且つ精度よく行うことができる画像判定方法、画像判定装置および画像判定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態の一態様に係る画像判定方法は、第1学習工程と、第2学習工程と、評価工程と、第1判定工程と、第2判定工程とを含む。前記第1学習工程は、正例となる学習用画像を用いた機械学習である第1学習を実行することによって、正常画像をモデル化した正常モデルを生成する。前記第2学習工程は、負例となる前記学習用画像を用いた機械学習である第2学習を実行することによって、異常画像のパターンをモデル化した異常分類モデルを生成する。前記評価工程は、判定対象画像を前記正常モデルへ入力することによって得られる該正常モデルの出力値に基づいて前記判定対象画像の正常状態からの乖離度を評価する。前記第1判定工程は、前記乖離度に基づいて前記判定対象画像が異常であるか否かを判定する。前記第2判定工程は、前記第1判定工程によって前記判定対象画像が異常であると判定された場合に、前記判定対象画像を前記異常分類モデルへ入力することによって得られる該異常分類モデルの出力値に基づいて前記パターンを判定する。また、前記第1判定工程は、前記判定対象画像が異常である場合に、前記乖離度が各画素に割り当てられたマッピング画像から前記乖離度に基づいて異常対象領域を抽出し、当該異常対象領域を前記異常分類モデルへ入力させる。また、前記第2判定工程は、当該異常対象領域が前記異常分類モデルへ入力されることによって得られる分類結果および該分類結果に対する類似度に基づいて前記パターンを判定する。
【発明の効果】
【0011】
実施形態の一態様によれば、機械学習を利用した画像判定を簡便に且つ精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A図1Aは、実施形態に係る画像判定方法の概要説明図(その1)である。
図1B図1Bは、実施形態に係る画像判定方法の概要説明図(その2)である。
図2図2は、実施形態に係る画像判定装置のブロック図である。
図3A図3Aは、正常画像の具体例を示す図である。
図3B図3Bは、正常モデルによる検知結果の具体例を示す図(その1)である。
図3C図3Cは、正常モデルによる検知結果の具体例を示す図(その2)である。
図3D図3Dは、正常モデルによる検知結果の具体例を示す図(その3)である。
図3E図3Eは、正常モデルによる検知結果の具体例を示す図(その4)である。
図3F図3Fは、正常モデルによる検知結果の具体例を示す図(その5)である。
図3G図3Gは、正常モデルによる検知結果の具体例を示す図(その6)である。
図4A図4Aは、画像判定装置が実行する処理手順を示すフローチャート(その1)である。
図4B図4Bは、画像判定装置が実行する処理手順を示すフローチャート(その2)である。
図5図5は、画像判定装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
図6A図6Aは、その他の実施形態に係る学習用画像の具体例を示す図(その1)である。
図6B図6Bは、その他の実施形態に係る学習用画像の具体例を示す図(その2)である。
図6C図6Cは、その他の実施形態に係る判定対象画像の具体例を示す図(その1)である。
図6D図6Dは、その他の実施形態に係る判定対象画像の具体例を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する画像判定方法、画像判定装置および画像判定プログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
まず、実施形態に係る画像判定方法の概要について、図1Aおよび図1Bを参照して説明する。図1Aおよび図1Bは、実施形態に係る画像判定方法の概要説明図(その1)および(その2)である。
【0015】
なお、以下では、製品として歯車が製造され、かかる歯車の出荷前検査等において不良品を検知する場合を例に挙げて説明を行う。
【0016】
図1Aに示すように、実施形態に係る画像判定方法では、まず正常な歯車の画像である「正常画像」のみを学習用データセットとした機械学習を実行し(ステップS1)、正常モデル12cを生成する。
【0017】
なお、「正常画像」であっても、照度等にばらつきがある場合があるので、図1Aに示すように、「正常画像」にも複数の正常パターンを準備することが好ましい。これにより、照度等のばらつきに頑健な正常モデル12cを生成することが可能となる。
【0018】
そして、実施形態に係る画像判定方法では、生成した正常モデル12cへ判定対象となる「判定対象画像」を入力し、これにより正常モデル12cが出力する出力値に基づいて正常との誤差(以下、「正常状態からの乖離度」または単に「乖離度」と言う)を画素ごとに算出する(ステップS2)。そして、かかる乖離度の総和が大きければ、異常と判定する(ステップS3)。
【0019】
すなわち、実施形態に係る画像判定方法では、「正常画像」のみに基づく正常モデル12cにより、まず正常か異常かを判定することとした。つまり、実施形態に係る画像判定方法では、正常状態からの乖離度に基づき異常を検知するため、多種多量の異常パターンを学習していなくとも、未知の異常を異常として検知することが可能である。これにより、運用初期で学習用データが少ない段階でも、正常モデル12cを用いた異常判定が可能となる。
【0020】
なお、図3B等を用いた説明で後述するが、実施形態に係る画像判定方法では、ステップS2で算出した画素ごとの乖離度が割り当てられたマッピング画像を生成し、かかるマッピング画像から異常とされる異常対象領域を抽出する。かかる異常対象領域に基づいては、後述する異常分類モデル12dを用いた異常分類処理を行うことができる。かかる点については、図1Bに示す異常分類処理で述べる。
【0021】
また、図1AのステップS3で異常と判定された場合であっても、抽出された異常判定領域や、これを視認する人の知見等により、誤検知と判定できる場合がある。かかる場合は、実施形態に係る画像判定方法では、該当の判定対象画像を用いた追加学習を行い(ステップS4)、正常モデル12cを更新する。これにより、運用中においても適宜、正常モデル12cの精度を向上させることができる。
【0022】
ところで、上記した正常モデル12cによっては、異常を検知することはできても、その異常のパターンまで分類することはできない。そこで、実施形態に係る画像判定方法では、図1Bに示すように、過去に検知した不良品の画像(以下、「異常画像」と言う)の異常対象領域R1,R2,R3…を学習用データセットとした機械学習を実行し(ステップS5)、異常分類モデル12dを生成する。
【0023】
すなわち、実施形態に係る画像判定方法では、正常画像をモデル化した正常モデル12cだけでなく、過去の異常検知時の異常画像に基づいて異常パターンをモデル化した異常分類モデル12dをあわせて用いることによって、異常パターンの分類まで行うこととした。
【0024】
ここで、「異常画像」は、図中に示すように、たとえば「文字違い」や「欠け有り」といった異常パターンごとでクラスタリングされている。かかる異常画像に基づいて生成される異常分類モデル12dにより、言わば不良品の異常パターンをモデル化することができる。
【0025】
そして、実施形態に係る画像判定方法では、かかる異常分類モデル12dに対し、たとえば正常モデル12cに基づいて異常と判定された「判定対象画像」の異常対象領域RXを入力する。その結果として、異常分類モデル12dは、分類結果(たとえば図中の「クラスID」)とかかる分類結果に対する類似度を出力する(ステップS6)。
【0026】
なお、ここで、分類結果に対する類似度が小さい場合、未知の異常パターンである可能性がある。そこで、かかる場合は、実施形態に係る画像判定方法では、人の知見等に基づき、新しい異常パターンの分類クラスを追加設定し、該当の異常対象領域を用いた追加学習を行い(ステップS7)、異常分類モデル12dを更新する。これにより、運用中においても適宜、異常分類モデル12dの精度を向上させることができる。
【0027】
一方、分類結果に対する類似度が大きい場合は、既知の異常パターンである可能性が高いので、実施形態に係る画像判定方法では、異常分類モデル12dから得た分類結果を通知することとなる(ステップS8)。
【0028】
なお、異常分類モデル12dには、図中のクラスID「004」に示すように、外れ値を示す正常分を含むことができる。かかる外れ値の正常分を異常パターンとして含んでおき、異常分類モデル12dにより分類結果としてかかるクラスID「004」が得られたならば、これを異常でなく正常と通知することによって、仮に外れ値の正常分で正常モデル12cを追加学習した場合に起こりうる正常モデル12cの精度劣化を防止することができる。
【0029】
以下、上述した画像判定方法を適用した画像判定装置10の構成について、さらに具体的に説明する。
【0030】
図2は、本実施形態に係る画像判定装置10のブロック図である。なお、図2では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素を機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0031】
換言すれば、図2に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。たとえば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0032】
なお、図2を用いた説明では、これまでに既に述べた構成要素については、説明を簡略化するか、省略する場合がある。
【0033】
図2に示すように、画像判定装置10は、制御部11と、記憶部12とを備える。制御部11は、取得部11aと、第1学習部11bと、第2学習部11cと、評価部11dと、第1判定部11eと、第2判定部11fとを備える。
【0034】
記憶部12は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリ、レジスタといった記憶デバイスであって、第1学習用データセット12aと、第2学習用データセット12bと、正常モデル12cと、異常分類モデル12dと、評価情報12eとを記憶する。評価情報12eは、乖離度情報12eaと、マッピング画像12ebと、分類結果12ecと、類似度12edとを含む。
【0035】
制御部11は、画像判定装置10の全体制御を行う。取得部11aは、クラスタリングされた学習用画像を取得する。学習用画像は、正常モデル12cを生成するための第1学習用の正常画像と、異常分類モデル12dを生成するための第2学習用の異常画像とを含む。
【0036】
また、取得部11aは、第2学習における異常対象領域を取得する。かかる領域はたとえば、画像判定装置10に接続されたキーボードやマウス、タッチパネルといった操作部20から指定することができる。なお、予め異常対象領域の識別に関する情報を記憶部12などに保持しておき、取得部11aは、かかる情報から異常対象領域を抽出することとしてもよい。異常対象領域のそれぞれには分類クラスが紐付けられている。
【0037】
また、取得部11aは、取得した学習用画像のうちの正常画像を第1学習用データセット12aへ格納する。また、取得部11aは、異常画像のうちの異常対象領域を第2学習用データセット12bへ格納する。
【0038】
また、取得部11aは、後述する第1判定部11eから誤検知との判定結果を受け付けた場合に、該当の正常画像を追加学習用として取得して、第1学習用データセット12aへ格納する。
【0039】
また、取得部11aは、後述する第2判定部11fから追加学習要との判定結果を受け付けた場合に、該当の異常画像の異常対象領域RXを追加学習用として取得して、第2学習用データセット12bへ格納する。
【0040】
第1学習部11bは、第1学習用データセット12aを取得し、これを用いた機械学習を実行して、正常モデル12cを生成する。第2学習部11cは、第2学習用データセット12bを取得し、これを用いた機械学習を実行して、異常分類モデル12dを生成する。
【0041】
なお、機械学習のアルゴリズムとしては、VAE(Variational Auto Encoder)やGAN(Generative Adversarial Network)等を用いることができる。これらのアルゴリズムについては公知であるので、ここでの詳しい説明は省略する。
【0042】
評価部11dは、判定対象画像を取得し、これを正常モデル12cへ入力して、正常モデル12cからの出力結果を受け取る。そして、評価部11dは、受け取った出力結果に基づいて判定対象画像の画素ごとの乖離度を算出し、乖離度情報12eaへ格納する。また、評価部11dは、算出した乖離度をそれぞれ各画素に割り当てたマッピング画像12ebを生成する。
【0043】
また、評価部11dは、後述する第1判定部11eから判定対象画像が異常との判定結果を受け付けた場合に、かかる判定結果に含まれる異常対象領域RXを異常分類モデル12dへ入力して、異常分類モデル12dからの出力結果を受け取る。そして、評価部11dは、受け取った出力結果を分類結果12ecおよび類似度12edへ格納する。
【0044】
第1判定部11eは、乖離度情報12eaを参照して、乖離度の総和が所定の判定閾値より大である場合に、画像判定装置10に接続された表示部30等を介して異常を通知する。
【0045】
また、第1判定部11eは、かかる乖離度の総和が所定の判定閾値より大である場合に、該当の判定対象画像を評価部11dから取得して追加学習の対象となる画像であるか否か、すなわち、誤検知であるか否かを判定する。
【0046】
かかる判定は、たとえば誤検知を識別する閾値を別途設けたうえで、乖離度の総和や乖離度のばらつきといった乖離度に関する統計量等がかかる閾値以上であるか否かにより行うことができる。また、第1判定部11eは、該当の判定対象画像またはマッピング画像12ebを表示部30へ表示させ、人の知見等により誤検知であるか否かを判定させて、その判定結果を受け付けるようにしてもよい。
【0047】
また、第1判定部11eは、誤検知であると判定された場合に、かかる判定結果を取得部11aへ通知するとともに、該当の判定対象画像を正常モデル12cの追加学習用として取得部11aに取得させる。第1学習部11bは、かかる追加学習用の画像に基づいて第1学習を実行し、正常モデル12cを更新する。
【0048】
また、第1判定部11eは、誤検知でないと判定された場合に、マッピング画像12ebから異常対象領域RXを抽出し、かかる異常対象領域RXを含む異常との判定結果を取得部11aへ通知する。
【0049】
第2判定部11fは、分類結果12ecおよび類似度12edを参照して、類似度12edが所定の判定閾値より大である場合に、表示部30等を介して分類結果12ecを通知する。
【0050】
また、第2判定部11fは、類似度12edが所定の判定閾値以下である場合に、追加学習要との判定結果を取得部11aへ通知するとともに、該当の異常画像の異常対象領域RXを異常分類モデル12dの追加学習用として取得部11aに取得させる。
【0051】
取得部11aは、かかる通知に基づいて、操作部20等を介して新しい異常パターンの分類クラスの追加設定を受け付ける。第2学習部11cは、かかる追加学習用の異常対象領域RXおよび追加設定の内容に基づいて第2学習を実行し、異常分類モデル12dを更新する。
【0052】
次に、これまでの説明を分かりやすくするために、正常画像、および、正常モデル12cによる検知結果の具体例を図3A図3Gに示す。図3Aは、正常画像の具体例を示す図である。また、図3B図3Gは、正常モデル12cによる検知結果の具体例を示す図(その1)~(その6)である。
【0053】
上記したように、正常モデル12cの生成には、図3Aに示すように、「正常品」の正常画像が用いられる。すなわち、第1学習用データセット12aには、図3Aに示すような正常画像が格納され、第1学習部11bがこれを用いて正常モデル12cを生成する。なお、既に述べたように、正常画像にも照度が異なる等、複数の正常パターンを準備することが好ましい。これにより、照度のばらつきに頑健な正常モデル12cを生成することが可能となる。また、異なるのは照度に限らず、たとえば輝度や彩度、角度等であってもよい。
【0054】
そして、このような正常画像から生成された正常モデル12cに対しては、評価部11dが判定対象画像を入力することとなる。そして、その結果得られる正常モデル12cの出力値に基づいて、評価部11dは画素ごとの乖離度を算出するとともに、マッピング画像12ebを生成する。
【0055】
ここで、図3Bに示す「不良品#1」があったものとする。図中のM1部に示すように、「不良品#1」は、刻印されるべき文字が違う「文字違い」の不良品である。かかる「不良品#1」の画像が判定対象画像として入力された場合、評価部11dはかかる画像を正常モデル12cへ入力し、その出力値に基づいて同図の「検知結果」に示すようなマッピング画像12ebを生成する。
【0056】
すなわち、図3Bの例の例においては、文字の刻印位置に相当する領域が明らかに他の領域とは異なるマッピング画像12ebが生成される。第1判定部11eは、乖離度の総和が所定の判定閾値より大であるならば(すなわち異常ならば)、かかる他とは異なる領域を異常対象領域RXとして抽出することとなる。
【0057】
また、図3Cに示すのは、歯車の一部が欠けている(図中のM2部参照)「欠け有り」の「不良品#2」である。かかる「不良品#2」の画像が判定対象画像として入力された場合は、同図の「検知結果」に示すように、欠けの位置に相当する領域が明らかに他の領域とは異なるマッピング画像12ebが生成され、異常ならば、かかる他とは異なる領域が異常対象領域RXとして抽出されることとなる。
【0058】
また、図3Dに示すのは、内径の一部に突起が形成された(図中のM3部参照)「突起有り」の「不良品#3」である。かかる「不良品#3」の画像が判定対象画像として入力された場合は、同図の「検知結果」に示すように、突起の位置に相当する領域が明らかに他の領域とは異なるマッピング画像12ebが生成され、異常ならば、かかる他とは異なる領域が異常対象領域RXとして抽出されることとなる。
【0059】
また、図3Eに示すのは、内径が正規の寸法でない(図中のM4部参照)「内径違い」の「不良品#4」である。かかる「不良品#4」の画像が判定対象画像として入力された場合は、同図の「検知結果」に示すように、歯車の内径部に相当する領域が明らかに他の領域とは異なるマッピング画像12ebが生成され、異常ならば、かかる他とは異なる領域が異常対象領域RXとして抽出されることとなる。
【0060】
また、図3Fに示すのは、内径の周縁部が正規の寸法でない(図中のM5部参照)「周縁部違い」の「不良品#5」である。かかる「不良品#5」の画像が判定対象画像として入力された場合は、同図の「検知結果」に示すように、歯車の内径部の周縁部に相当する領域が明らかに他の領域とは異なるマッピング画像12ebが生成され、異常ならば、かかる他とは異なる領域が異常対象領域RXとして抽出されることとなる。
【0061】
また、図3Gに示すのは、汚損のある(図中のM6部参照)「汚損有り」の「不良品#6」である。かかる「不良品#6」の画像が判定対象画像として入力された場合は、同図の「検知結果」に示すように、汚損部分に相当する領域が明らかに他の領域とは異なるマッピング画像12ebが生成され、異常ならば、かかる他とは異なる領域が異常対象領域RXとして抽出されることとなる。
【0062】
そして、抽出された各異常対象領域RXは、第2学習用データセット12bへ格納され、第2学習部11cがこれを用いて異常分類モデル12dを生成または更新することとなる。
【0063】
次に、実施形態に係る画像判定装置10が実行する処理手順について、図4Aおよび図4Bを用いて説明する。図4Aおよび図4Bは、実施形態に係る画像判定装置10が実行する処理手順を示すフローチャート(その1)および(その2)である。
【0064】
図4Aに示すように、まず学習対象期間であるか否かが判定される(ステップS101)。学習対象期間は、たとえば画像判定装置10の運用初回や、運用前に予め正常モデル12cおよび異常分類モデル12dを作成しておく場合の所定期間に相当する。
【0065】
ここで、学習対象期間である場合(ステップS101,Yes)、第1学習部11bが正常画像の学習用データセット(すなわち、第1学習用データセット12a)から機械学習により正常モデル12cを生成する(ステップS102)。
【0066】
そして、取得部11aが、過去に検知した異常画像中の異常対象領域と分類クラスの設定を受け付ける(ステップS103)。そして、第2学習部11cが、異常対象領域の学習用データセット(すなわち、第2学習用データセット12b)から機械学習により異常分類モデル12dを生成する(ステップS104)。
【0067】
なお、学習対象期間でない場合(ステップS101,No)、ステップS105(図4B参照)へ移行する。
【0068】
つづいて、図4Bに示すように、評価部11dが、判定対象画像を正常モデル12cへ入力し、画素ごとの正常状態からの乖離度を算出する(ステップS105)。そして、第1判定部11eが、乖離度の総和が所定の判定閾値より大であるか否かを判定する(ステップS106)。
【0069】
ここで、乖離度の総和が所定の判定閾値より大である場合(ステップS106,Yes)、第1判定部11eは異常を通知し(ステップS107)、つづいて誤検知であるか否かを判定する(ステップS108)。なお、乖離度の総和が所定の判定閾値以下である場合(ステップS106,No)、処理を終了する。
【0070】
ステップS108で誤検知でないと判定された場合(ステップS108,No)、第1判定部11eが、解離度が各画素に割り当てられたマッピング画像12ebから、異常対象領域RXを抽出する(ステップS109)。
【0071】
一方、ステップS108で誤検知であると判定された場合(ステップS108,Yes)、第1学習部11bが、該当の画像を追加学習分とした機械学習により正常モデル12cを更新し(ステップS110)、処理を終了する。
【0072】
ステップS109の後、評価部11dが、異常対象領域RXを異常分類モデル12dへ入力し、分類結果と類似度を算出する(ステップS111)。
【0073】
そして、第2判定部11fが、類似度が所定の判定閾値より大であるか否かを判定する(ステップS112)。ここで、類似度が所定の判定閾値より大である場合(ステップS112,Yes)、第2判定部11fは、分類結果を通知する(ステップS113)。
【0074】
一方、類似度が所定の判定閾値以下である場合(ステップS112,No)、取得部11aが、操作部20等を介した該当の異常対象領域RXの分類クラスの追加設定を受け付ける(ステップS114)。
【0075】
そして、第2学習部11cが、該当の異常対象領域RXを追加学習分とした機械学習により異常分類モデル12dを更新し(ステップS115)、処理を終了する。
【0076】
なお、上述してきた実施形態に係る画像判定装置10は、たとえば図5に示すような構成のコンピュータ60によって実現される。図5は、画像判定装置10の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ60は、CPU(Central Processing Unit)61、RAM(Random Access Memory)62、ROM(Read Only Memory)63、HDD(Hard Disk Drive)64、通信インタフェース(I/F)65、入出力インタフェース(I/F)66、およびメディアインタフェース(I/F)67を備える。
【0077】
CPU61は、ROM63またはHDD64に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM63は、コンピュータ60の起動時にCPU61によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ60のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0078】
HDD64は、CPU61によって実行されるプログラムおよび当該プログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インタフェース65は、通信ネットワークを介して他の機器からデータを受信してCPU61へ送り、CPU61が生成したデータを、通信ネットワークを介して他の機器へ送信する。
【0079】
CPU61は、入出力インタフェース66を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU61は、入出力インタフェース66を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU61は、生成したデータを、入出力インタフェース66を介して出力装置へ出力する。
【0080】
メディアインタフェース67は、記録媒体68に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM62を介してCPU61に提供する。CPU61は、当該プログラムを、メディアインタフェース67を介して記録媒体68からRAM62上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体68は、たとえばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0081】
たとえば、コンピュータ60が実施形態に係る画像判定装置10として機能する場合、コンピュータ60のCPU61は、RAM62上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部11の各機能を実現する。また、HDD64には、記憶部12内のデータが記憶される。コンピュータ60のCPU61は、これらのプログラムを、記録媒体68から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信ネットワークを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0082】
上述してきたように、実施形態に係る画像判定装置10は、第1学習部11bと、第2学習部11cと、評価部11dと、第1判定部11eと、第2判定部11fとを含む。第1学習部11bは、正例となる学習用画像を用いた機械学習である第1学習を実行することによって、正常画像をモデル化した正常モデル12cを生成する。第2学習部11cは、負例となる学習用画像を用いた機械学習である第2学習を実行することによって、異常画像のパターンをモデル化した異常分類モデル12dを生成する。評価部11dは、判定対象画像を正常モデル12cへ入力することによって得られる正常モデル12cの出力値に基づいて判定対象画像の正常状態からの乖離度を評価する。第1判定部11eは、上記乖離度に基づいて判定対象画像が異常であるか否かを判定する。第2判定部11fは、第1判定部11eによって判定対象画像が異常であると判定された場合に、判定対象画像を異常分類モデル12dへ入力することによって得られる異常分類モデル12dの出力値に基づいて上記パターンを判定する。
【0083】
したがって、本実施形態に係る画像判定装置10によれば、機械学習を利用した画像判定を簡便に且つ精度よく行うことができる。
【0084】
(その他の実施形態)
ところで、上述した実施形態では、画像判定装置10を歯車の不良品の検知に用いる場合を例に挙げたが、無論、画像判定装置10の用途を限定するものではない。たとえば、画像判定装置10は、駐車場の満空判別に用いることができる。
【0085】
図6Aおよび図6Bは、その他の実施形態に係る学習用画像の具体例を示す図(その1)および(その2)である。また、図6Cおよび図6Dは、その他の実施形態に係る判定対象画像の具体例を示す図(その1)および(その2)である。
【0086】
満空判別は、駐車場の駐車スペースの空き状況を判定するものである。かかる満空判別において駐車場の完全空車状態を正例とする場合、学習用画像は図6Aおよび図6Bに示すようなものとなる。
【0087】
なお、図6Aおよび図6Bに示すように、同じ完全空車状態であっても、たとえば照度の異なる画像が学習用画像として取得されることで、時間帯や天候などの違いによる結果のばらつきを吸収した画像判定を行うことが可能となる。なお、既に述べたが、異なるのは照度に限らず、たとえば輝度や彩度、角度などであってもよい。
【0088】
そして、満空判別は、このような学習用画像に基づいて作成された正常モデル12cおよび異常分類モデル12dにより、駐車場の駐車スペースの空き状況を判定することとなる。たとえば、図6Cに示す画像が判定対象画像として入力されるものとする。
【0089】
かかる場合、正常モデル12cから得られる乖離度により、少なくとも完全空車状態ではないことを判定することができる。また、そのうえで、異常と判定されるならば、異常対象領域RXとしては、図6Cで車両が駐車中の領域、すなわち図6Aに示す領域R11,R12に対応する領域が抽出される。そして、かかる異常対象領域RXが異常分類モデル12dへ入力されることによって、たとえば領域R11,R12に車両が駐車中であるとの分類結果を得ることができる。なお、分類結果のパターンとしては、車両の駐車中に限らず、人がいる、油染みがある、影が差している等、様々な状況を網羅することが可能である。
【0090】
なお、図6Cは「照度:高」の画像であるが、これは図6Aに示したのと同じく「照度:高」の学習用画像を学習していたことにより、精度よく判定することが可能となる。
【0091】
また、たとえば、図6Dに示す画像が判定対象画像として入力されるものとする。かかる場合も、正常モデル12cから得られる乖離度により、少なくとも完全空車状態ではないことを判定することができ、そのうえで、図6Dで車両が駐車中の領域、すなわち図6Bに示す領域R13,R14に対応する領域が異常対象領域RXとして抽出される。そして、かかる異常対象領域RXが異常分類モデル12dへ入力されることによって、たとえば領域R13,R14に車両が駐車中であるとの分類結果を得ることができる。なお、図6Dは「照度:低」の画像であるが、これは図6Bに示したのと同じく「照度:低」の学習用画像を学習していたことにより、精度よく判定することが可能となる。
【0092】
また、図6Cおよび図6Dに示した例は、普通乗用車が駐車されている場合を示すものであるが、駐車スペースごとに異なる種類の車両、たとえば軽車両や、トラックなどが駐車されている画像を学習用画像として用いることで、該当の駐車スペースに駐車中の車両の種類まで特定することが可能である。また、無論、車両が駐車中であると判定された駐車スペースの数を計数することで、残りの駐車スペースの数を報知することも可能となる。
【0093】
また、上述した実施形態では、機械学習のアルゴリズムとしてVAEやGANを用いることとしたが、用いるアルゴリズムを限定するものではない。したがって、SVM(Support Vector Machine)のようなパターン識別器を用いたサポートベクタ回帰等の回帰分析手法により機械学習を実行し、正常モデル12cおよび異常分類モデル12dを生成してもよい。また、ここで、パターン識別器はSVMに限らず、たとえばアダブースト(AdaBoost)などであってもよい。また、ランダムフォレストなどを用いてもよい。
【0094】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0095】
10 画像判定装置
11a 取得部
11b 第1学習部
11c 第2学習部
11d 評価部
11e 第1判定部
11f 第2判定部
12a 第1学習用データセット
12b 第2学習用データセット
12c 正常モデル
12d 異常分類モデル
12e 評価情報
12ea 乖離度情報
12eb マッピング画像
12ec 分類結果
12ed 類似度
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D