IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大王製紙株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-連結式使い捨て着用物品 図1
  • 特許-連結式使い捨て着用物品 図2
  • 特許-連結式使い捨て着用物品 図3
  • 特許-連結式使い捨て着用物品 図4
  • 特許-連結式使い捨て着用物品 図5
  • 特許-連結式使い捨て着用物品 図6
  • 特許-連結式使い捨て着用物品 図7
  • 特許-連結式使い捨て着用物品 図8
  • 特許-連結式使い捨て着用物品 図9
  • 特許-連結式使い捨て着用物品 図10
  • 特許-連結式使い捨て着用物品 図11
  • 特許-連結式使い捨て着用物品 図12
  • 特許-連結式使い捨て着用物品 図13
  • 特許-連結式使い捨て着用物品 図14
  • 特許-連結式使い捨て着用物品 図15
  • 特許-連結式使い捨て着用物品 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】連結式使い捨て着用物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/56 20060101AFI20220719BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20220719BHJP
【FI】
A61F13/56 213
A61F13/49 312A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018180644
(22)【出願日】2018-09-26
(65)【公開番号】P2020048818
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤井 麻子
(72)【発明者】
【氏名】藤原 侑加
【審査官】原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-071923(JP,U)
【文献】特開昭62-268802(JP,A)
【文献】特開2013-255848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/56
A61F 13/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向中央を含む股間部と、前後方向中央より前側に延びる腹側部分と、前後方向中央より後側に延びる背側部分とを有し、
前記股間部を含む範囲に内蔵された吸収体を有し、
前記背側部分は、前記吸収体の側方に延び出たサイドフラップ部を有し、
前記背側部分のサイドフラップ部は、前記股間部よりも幅方向外側に延び出たウイング部分を有し、
前記背側部分のウイング部分に取り付けられた、前記腹側部分と着脱可能に連結される連結テープを有し、
前記連結テープは、前記ウイング部分に固定された基端部と、前記基端部から延び出た本体部と、前記本体部に設けられた、前記腹側部分に対する連結部とを有している、
連結式使い捨て着用物品において、
前記連結テープとして、前記ウイング部分におけるウエスト側の側部に設けられた第1連結テープと、前記ウイング部分における脚周り側の側部に設けられた第2連結テープとを有し、
前記サイドフラップ部は、前記ウイング部分の側縁における、前記第1連結テープと前記第2連結テープの間から、幅方向内方に向かって続くミシン目を有しており、
前記サイドフラップ部における少なくとも前記ミシン目の内方端の内方側に隣接する部分は、表面層、裏面層及びこれらの間に位置する中間層を有しており、
前記中間層における前記ミシン目の内方端の内方側に隣接する部分に、引き裂き防止部が形成されており、前記表面層及び前記裏面層に、引き裂き防止部が形成されていない、
ことを特徴とする連結式使い捨て着用物品。
【請求項2】
前記連結テープの幅方向の寸法は、前記背側部分における前記連結テープを除く部分の幅方向の寸法の1/7~1/2倍である、
請求項1記載の連結式使い捨て着用物品。
【請求項3】
前記ミシン目は、幅方向中間よりも側方に位置する第1部分のタイ部の幅が、第1部分よりも幅方向内方に位置する第2部分のタイ部の幅よりも広い、
請求項1又は2記載の連結式使い捨て着用物品。
【請求項4】
前記引き裂き防止部は、前記ミシン目の内方端の内方側に隣接して形成された、非切断部が側方に位置するC字状のカット部、又は打ち抜き孔である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の連結式使い捨て着用物品。
【請求項5】
前記引き裂き防止部は、前記ミシン目の内方端の内方側に隣接して形成された、少なくとも前記中間層の溶融固化部である、
請求項1~4のいずれか1項に記載の連結式使い捨て着用物品。
【請求項6】
前記吸収体の表側を覆う液透過性のトップシートと、
前記吸収体の裏側を覆い、かつ前記吸収体の側方に延び出た液不透過性シートと、
前記液不透過性シートの裏側を覆う外装不織布と、
前記サイドフラップを含む領域に固定された付根部分、この付根部分から延び出た本体部分、この本体部分の前後方向両端部が倒伏状態に固定された倒伏部分、及び前記本体部分のうち前後の倒伏部分間に位置する非固定の起き上がり部分を有するギャザーシートと、前記起き上がり部分の少なくとも先端部に固定されたギャザー弾性部材とを有する起き上がりギャザーと、
前記背側部分における、少なくとも左右のサイドフラップ部にわたり設けられた、幅方向に弾性伸縮する伸縮シートと、を備えており、
前記サイドフラップ部は、前記ギャザーシート、前記トップシート、前記液不透過性シート、及び前記外装不織布における、前記吸収体よりも側方に位置する部分により形成されており、
前記ギャザーシート及び前記外装不織布は、前記ミシン目の内方端より外側まで延びており、
前記トップシート及び前記液不透過性シートは、前記ミシン目の内方端より内側までしか延びておらず、
前記伸縮シートは、前記サイドフラップ部における少なくとも前記ミシン目の内方端の内方側に隣接する部分まで側方に延びており、
前記表面層は前記ギャザーシートであり、前記裏面層は前記外装不織布であり、
前記中間層は、前記伸縮シートである、
請求項1~5のいずれか1項に記載の連結式使い捨て着用物品。
【請求項7】
前記吸収体の表側を覆う液透過性のトップシートと、
前記吸収体の裏側を覆い、かつ前記吸収体の側方に延び出た液不透過性シートと、
前記液不透過性シートの裏側を覆う外装不織布と、
前記サイドフラップを含む領域に固定された付根部分、この付根部分から延び出た本体部分、この本体部分の前後方向両端部が倒伏状態に固定された倒伏部分、及び前記本体部分のうち前後の倒伏部分間に位置する非固定の起き上がり部分を有するギャザーシートと、前記起き上がり部分の少なくとも先端部に固定されたギャザー弾性部材とを有する起き上がりギャザーと、を備えており、
前記サイドフラップ部は、前記ギャザーシート、前記トップシート、前記液不透過性シート、及び前記外装不織布における、前記吸収体よりも側方に位置する部分により形成されており、
前記ギャザーシート及び前記外装不織布は、前記ミシン目の内方端より外側まで延びており、
前記液不透過性シートは、前記ミシン目の内方端より内側までしか延びておらず、
前記トップシートは、前記サイドフラップ部における少なくとも前記ミシン目の内方端の内方側に隣接する部分まで側方に延びており、
前記表面層は前記ギャザーシートであり、前記裏面層は前記外装不織布であり、
前記中間層は、前記トップシートである、
請求項1~5のいずれか1項に記載の連結式使い捨て着用物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープタイプ使い捨ておむつ等と呼ばれる連結式使い捨て着用物品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な連結式使い捨て着用物品は、前後方向中央を含む股間部と、前後方向中央より前側に延びる腹側部分と、前後方向中央より後側に延びる背側部分を有し、少なくとも背側部分は、股間部よりも幅方向左右両側に延び出たウイング部分を有している。また、ウイング部分には、腹側部分の外面に着脱可能に連結される連結部を有する連結テープ(連結タブ)が取り付けられている。使用時には、ウイング部分を腰の両側から腹側部分の外面に回して、連結テープの連結部を腹側部分の外面に連結する。このような連結式使い捨て着用物品は、乳幼児向けとして用いられる他、介護用途(成人用途)でも使用されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
従来、連結テープとしては、ウイング部分に固定された基端部と、基端部から延び出た本体部と、本体部の幅方向中間に設けられた、腹側部分と着脱可能に連結される連結部と、この連結部と基端部との間に設けられた、腹側部分と連結されない非連結部とを有するものが一般的である。
【0004】
このような連結式使い捨て着用物品は、乳幼児向けとして用いられる他、介護用途(成人用途)で広く使用されているが、ウエスト周り及び脚周りが緩みやすいという問題点を有している。
【0005】
そして、この問題を解決するものとして、連結テープをミシン目により上下二段に分割可能とした連結式使い捨て着用物品も提案されている(例えば特許文献1参照)。この連結式使い捨て着用物品は、ウエスト側の第1連結テープを斜め下向きに引っ張りつつ連結することによりウエスト周りをしっかりと締め付けるとともに、脚周り側の第2連結テープを斜め上向きに引っ張りつつ連結することにより脚周りをしっかりと締め付けることができるものであり、フィット性に優れた装着状態が得られるものである。
【0006】
しかしながら、特許文献1記載のものは、上下二段に分割される部分は連結テープに限られるため、ウエスト側の第1連結テープを斜め下向きに、及び脚周り側の第2連結テープを斜め上向きにそれぞれ連結すると、ウイング部分に大きな皺が寄り、見栄えが悪くなる。
【0007】
また、特許文献1記載のものは、上下二段に分割される部分が連結テープに限られるため、その利点を生かそうとする場合、連結テープの幅方向の寸法をある程度長く確保する必要がある。しかし、連結テープは、十分な強度を確保するため及び製造時の切断を容易にするために、比較的に硬質の素材が使用されるため、連結テープの幅方向の寸法が長くなると、連結テープの硬さが装着感に与える影響が大きい、という問題点も有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2005-160506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明の主たる課題は、上下二段の連結テープによりしっかりフィットした装着状態が得られるものでありながら、ウイング部分に形成される皺を軽減した、連結式使い捨て着用物品を提供すること等にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決した連結式使い捨て着用物品は以下のとおりである。
<第1の態様>
前後方向中央を含む股間部と、前後方向中央より前側に延びる腹側部分と、前後方向中央より後側に延びる背側部分とを有し、
前記股間部を含む範囲に内蔵された吸収体を有し、
前記背側部分は、前記吸収体の側方に延び出たサイドフラップ部を有し、
前記背側部分のサイドフラップ部は、前記股間部よりも幅方向外側に延び出たウイング部分を有し、
前記背側部分のウイング部分に取り付けられた、前記腹側部分と着脱可能に連結される連結テープを有し、
前記連結テープは、前記ウイング部分に固定された基端部と、前記基端部から延び出た本体部と、前記本体部に設けられた、前記腹側部分に対する連結部とを有している、
連結式使い捨て着用物品において、
前記連結テープとして、前記ウイング部分におけるウエスト側の側部に設けられた第1連結テープと、前記ウイング部分における脚周り側の側部に設けられた第2連結テープとを有し、
前記サイドフラップ部は、前記ウイング部分の側縁における、前記第1連結テープと前記第2連結テープの間から、幅方向内方に向かって続くミシン目を有しており、
前記サイドフラップ部における少なくとも前記ミシン目の内方端の内方側に隣接する部分は、表面層、裏面層及びこれらの間に位置する中間層を有しており、
前記中間層における前記ミシン目の内方端の内方側に隣接する部分に、引き裂き防止部が形成されており、前記表面層及び前記裏面層に、引き裂き防止部が形成されていない、
ことを特徴とする連結式使い捨て着用物品。
【0011】
(作用効果)
本連結式使い捨て着用物品では、ミシン目を切り離すことによりウイング部分の少なくとも一部が上下二段に分割し、ウエスト側の第1連結テープを有する上段部分を斜め下向きに引っ張りつつ連結することによりウエスト周りをしっかりと締め付けるとともに、脚周り側の第2連結テープを有する下段部分を斜め上向きに引っ張りつつ連結することにより脚周りをしっかりと締め付けることができる。特に、従来は分割されないウイング部分が二段に分割されて、それぞれウエスト周り及び脚周りに合わせて独立的にフィットさせることができるため、従来のものよりも、しっかりフィットした装着状態が得られるものである。
【0012】
そして、本連結式使い捨て着用物品は、サイドフラップ部にミシン目を設けて上下二段に分割するものであるため、ウエスト側の第1連結テープを斜め下向きに、及び脚周り側の第2連結テープを斜め上向きにそれぞれ連結したとしても、ウイング部分に大きな皺が寄りにくく、見栄えが悪くなりにくいものである。
【0013】
また、サイドフラップ部にミシン目を設け、このミシン目を側縁側から切り離して上下二段に分割すると、ミシン目を内方端まで引き裂いたときに、ミシン目の内方端よりもさらに内方の部分までサイドフラップ部を引き裂いてしまうおそれがある(以下、引き裂き過ぎともいう)。これに対して、特許文献1記載のもののように引き裂き防止部を設けることは望ましい。しかし、特許文献1記載の引き裂き防止部は、表裏両面に露出するため、外観を損ねてしまうという問題点を有している。これに対して、本連結式使い捨て着用物品では、サイドフラップ部の内部に位置する中間層にのみ引き裂き防止部を設けているため、引き裂き防止効果を有しつつ、引き裂き防止部が露出することによる外観の悪化を防止することができる。
【0014】
<第2の態様>
前記連結テープの幅方向の寸法は、前記背側部分における前記連結テープを除く部分の幅方向の寸法の1/7~1/2倍である、
第1の態様の連結式使い捨て着用物品。
【0015】
(作用効果)
本連結式使い捨て着用物品では、サイドフラップ部にミシン目を形成するため、連結テープの幅方向の寸法を短く抑えることができる。よって、本連結式使い捨て着用物品では、上下二段の連結テープによりしっかりフィットした装着状態が得られるものでありながら、連結テープの硬さが装着感に与える影響を小さくすることができる。
【0016】
<第3の態様>
前記ミシン目は、幅方向中間よりも側方に位置する第1部分のタイ部の幅が、第1部分よりも幅方向内方に位置する第2部分のタイ部の幅よりも広い、
第1又は2の態様の連結式使い捨て着用物品。
【0017】
(作用効果)
このように引き裂き始めからある程度までの第1部分では引き裂きにくく、その後の第2部分では引き裂きやすくすると、ミシン目を切り離さずに使用した場合に、意図せずにミシン目が切り離される事態が発生しにくいものとなる。
【0018】
<第4の態様>
前記引き裂き防止部は、前記ミシン目の内方端の内方側に隣接して形成された、非切断部が側方に位置するC字状のカット部、又は打ち抜き孔である、
第1~3のいずれか1つの態様の連結式使い捨て着用物品。
【0019】
(作用効果)
これらカット部又は打ち抜き孔は、引き裂き位置がミシン目の内方端を越えてカット部又は打ち抜き孔に達したときに、引き裂き位置に生ずる応力を分散させ、カット部又は打ち抜き孔よりもさらに内方の部分までサイドフラップ部を引き裂いてしまわないようにする作用を有する。よって、ミシン目を引き裂き過ぎてしまう事態を防止できる。
【0020】
<第5の態様>
前記引き裂き防止部は、前記ミシン目の内方端の内方側に隣接して形成された、少なくとも前記中間層の溶融固化部である、
第1~4のいずれか1つの態様の連結式使い捨て着用物品。
【0021】
(作用効果)
このような溶融固化部はそれ以外の部分と比べて引き裂きに対する強度が高い。よって、ミシン目の内方端を超えて引き裂きが進行したときに、この溶融固化部で引き裂きを停止することができる。このような溶融固化部は、中間層における適所に、加熱エンボス加工又は超音波溶着加工を施すことにより形成することができる。
【0022】
<第6の態様>
前記吸収体の表側を覆う液透過性のトップシートと、
前記吸収体の裏側を覆い、かつ前記吸収体の側方に延び出た液不透過性シートと、
前記液不透過性シートの裏側を覆う外装不織布と、
前記サイドフラップを含む領域に固定された付根部分、この付根部分から延び出た本体部分、この本体部分の前後方向両端部が倒伏状態に固定された倒伏部分、及び前記本体部分のうち前後の倒伏部分間に位置する非固定の起き上がり部分を有するギャザーシートと、前記起き上がり部分の少なくとも先端部に固定されたギャザー弾性部材とを有する起き上がりギャザーと、
前記背側部分における、少なくとも左右のサイドフラップ部にわたり設けられた、幅方向に弾性伸縮する伸縮シートと、を備えており、
前記サイドフラップ部は、前記ギャザーシート、前記トップシート、前記液不透過性シート、及び前記外装不織布における、前記吸収体よりも側方に位置する部分により形成されており、
前記ギャザーシート及び前記外装不織布は、前記ミシン目の内方端より外側まで延びており、
前記トップシート及び前記液不透過性シートは、前記ミシン目の内方端より内側までしか延びておらず、
前記伸縮シートは、前記サイドフラップ部における少なくとも前記ミシン目の内方端の内方側に隣接する部分まで側方に延びており、
前記表面層は前記ギャザーシートであり、前記裏面層は前記外装不織布であり、
前記中間層は、前記伸縮シートである、
第1~5のいずれか1つの態様の連結式使い捨て着用物品。
【0023】
(作用効果)
連結式使い捨て着用物品では、トップシート及び液不透過性シートの使用量を抑えるために、サイドフラップ部の側縁までは延びていないことが多い。一方、テープタイプ使い捨ておむつの背側部分の内部に、上記のような伸縮シートを取付け、ウエスト周りのフィット性を向上させることは知られている。そこで、この伸縮シートを側方に延ばして、引き裂き防止部を有する中間層として利用するのは好ましい。
【0024】
<第7の態様>
前記吸収体の表側を覆う液透過性のトップシートと、
前記吸収体の裏側を覆い、かつ前記吸収体の側方に延び出た液不透過性シートと、
前記液不透過性シートの裏側を覆う外装不織布と、
前記サイドフラップを含む領域に固定された付根部分、この付根部分から延び出た本体部分、この本体部分の前後方向両端部が倒伏状態に固定された倒伏部分、及び前記本体部分のうち前後の倒伏部分間に位置する非固定の起き上がり部分を有するギャザーシートと、前記起き上がり部分の少なくとも先端部に固定されたギャザー弾性部材とを有する起き上がりギャザーと、を備えており、
前記サイドフラップ部は、前記ギャザーシート、前記トップシート、前記液不透過性シート、及び前記外装不織布における、前記吸収体よりも側方に位置する部分により形成されており、
前記ギャザーシート及び前記外装不織布は、前記ミシン目の内方端より外側まで延びており、
前記液不透過性シートは、前記ミシン目の内方端より内側までしか延びておらず、
前記トップシートは、前記サイドフラップ部における少なくとも前記ミシン目の内方端の内方側に隣接する部分まで側方に延びており、
前記表面層は前記ギャザーシートであり、前記裏面層は前記外装不織布であり、
前記中間層は、前記トップシートである、
第1~5のいずれか1つの態様の連結式使い捨て着用物品。
【0025】
(作用効果)
本態様のように、トップシートを側方に延ばして、引き裂き防止部を有する中間層として利用するのも好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、上下二段の連結テープによりしっかりフィットした装着状態が得られるものでありながら、ウイング部分に形成される皺が軽減される、等の利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】展開状態の連結式使い捨て着用物品の内面を示す、平面図である。
図2】展開状態の連結式使い捨て着用物品の外面を示す、平面図である。
図3図1の6-6線断面図である。
図4図1の7-7線断面図である。
図5】(a)図1の8-8線断面図、及び(b)図1の9-9線断面図である。
図6図1の5-5線断面図である。
図7】伸縮シートの(a)平面図、及び(b)断面図である。
図8】装着状態を示す斜視図である。
図9】展開状態のウイング部分を示す、拡大平面図である。
図10】展開状態のウイング部分を示す、拡大平面図である。
図11】展開状態のウイング部分を示す、拡大平面図である。
図12】開状態のウイング部分を示す、拡大平面図である。
図13】開状態のウイング部分を示す、拡大平面図である。
図14図1の5-5線断面に相当する断面図である。
図15】開状態のウイング部分を示す、拡大平面図である。
図16図1の5-5線断面に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1図6は連結式使い捨て着用物品の一例を示しており、図中の符号Xは連結テープを除いたおむつの全幅を示しており、符号Lはおむつの全長を示しており、断面図における点模様部分はその表側及び裏側に位置する各構成部材を接合する接合手段としてのホットメルト接着剤を示している。ホットメルト接着剤は、スロット塗布、連続線状又は点線状のビード塗布、スパイラル状、Z状等のスプレー塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)等、公知の手法により塗布することができる。これに代えて又はこれとともに、弾性部材の固定部分では、ホットメルト接着剤を弾性部材の外周面に塗布し、弾性部材を隣接部材に固定することができる。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
【0029】
この連結式使い捨て着用物品は、前後方向LDの中央を含む股間部Mと、前後方向LDの中央より前側に延びる腹側部分Fと、前後方向LDの中央より後側に延びる背側部分Bとを有している。また、この連結式使い捨て着用物品は、股間部Mを含む範囲に内蔵された吸収体56と、吸収体56の表側を覆う液透過性のトップシート30と、吸収体56の裏側を覆う液不透過性シート11と、液不透過性シートの裏側を覆い、製品外面を構成する外装不織布12とを有するものである。
【0030】
以下、各部の素材及び特徴部分について順に説明する。
(吸収体)
吸収体56は、排泄液を吸収し、保持する部分であり、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100~300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30~120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1~16dtex、好ましくは1~10dtex、さらに好ましくは1~5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5~75個、好ましくは10~50個、さらに好ましくは15~50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いることができる。
【0031】
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用できる。高吸収性ポリマー粒子の粒径は特に限定されないが、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
【0032】
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん-アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん-アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
【0033】
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
【0034】
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
【0035】
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、通常の場合、50~350g/m2とすることができる。
【0036】
(包装シート)
高吸収性ポリマー粒子の抜け出しを防止するため、あるいは吸収体56の形状維持性を高めるために、吸収体56は包装シート58で包んでなる吸収要素50として内蔵させることができる。包装シート58としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5~40g/m2、特に10~30g/m2のものが望ましい。
【0037】
この包装シート58は、図3に示すように、一枚で吸収体56の全体を包む構造とするほか、上下2枚等の複数枚のシートで吸収体56の全体を包むようにしてもよい包装シート58は省略することもできる。
【0038】
(トップシート)
トップシート30は液透過性を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。
【0039】
トップシート30は、前後方向では製品前端から後端まで延び、幅方向WDでは吸収体56よりも側方に延びているが、例えば後述する起き上がりギャザー60の起点が吸収体56の側縁よりも幅方向中央側に位置する場合等、必要に応じて、トップシート30の幅を吸収体56の全幅より短くする等、適宜の変形が可能である。
【0040】
(中間シート)
トップシート30を透過した液の逆戻りを防止するために、トップシート30の裏側に中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。中間シート40は省略することもできる。
【0041】
中間シート40としては、各種の不織布を好適に用いることができ、特に嵩高なエアスルー不織布を好適に用いることができる。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは17~80g/m2が好ましく、25~60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.0~10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯かつ中空の繊維を用いるのも好ましい。
【0042】
図示例の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。また、中間シート40は、おむつの全長にわたり設けてもよいが、図示例のように排泄位置を含む中間部分にのみ設けてもよい。
【0043】
(液不透過性シート)
液不透過性シート11は、特に限定されるものではないが、透湿性を有するもが好ましい。液不透過性シート11としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを好適に用いることができる。また、液不透過性シート11としては、不織布を基材として防水性を高めたものも用いることができる。
【0044】
液不透過性シート11は、前後方向LD及び幅方向WDにおいて吸収体56と同じか又はより広範囲にわたり延びていることが望ましいが、他の遮水手段が存在する場合等、必要に応じて、前後方向LD及び幅方向WDにおいて吸収体56の端部を覆わない構造とすることもできる。
【0045】
(外装不織布)
外装不織布12は液不透過性シート11の裏側全体を覆い、製品外面を布のような外観とするものである。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その構成繊維の繊度が1.0~3.5dtex、目付けが10~50g/m2、かつ厚みが1mm以下の不織布であると好ましい。
【0046】
(起き上がりギャザー)
トップシート30上を伝わって横方向に移動する排泄物を阻止し、いわゆる横漏れを防止するために、表面の幅方向WDの両側には、装着者の肌側に立ち上がる起き上がりギャザー60が設けられていると好ましい。もちろん、起き上がりギャザー60は省略することもできる。
【0047】
起き上がりギャザー60を採用する場合、その構造は特に限定されず、公知のあらゆる構造を採用できる。図示例の起き上がりギャザー60は、サイドフラップを含む領域に固定された付根部分65、この付根部分から延び出た本体部分66、この本体部分66の前後方向の両端部が倒伏状態に固定された倒伏部分67、及び本体部分66のうち前後の倒伏部分67間に位置する非固定の起き上がり部分68を有するギャザーシート62と、起き上がり部分68の少なくとも先端部に固定されたギャザー弾性部材63とを有するものとなっている。ギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、またギャザー弾性部材63としては糸ゴム等を用いることができる。ギャザー弾性部材63は、図1及び図2に示すように各複数本設ける他、各1本設けることができる。
【0048】
ギャザーシート62の内面は、トップシート30の側部上に幅方向WDの接合始端を有し、この接合始端から幅方向外側の部分は各サイドフラップ部SFの内面、つまり図示例では液不透過性シート11の側部及びその幅方向外側に位置する外装不織布12の側部にホットメルト接着剤などにより接合されている。
【0049】
脚周りにおいては、起き上がりギャザー60の接合始端より幅方向内側は、製品前後方向両端部ではトップシート30上に固定されているものの、その間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が弾性部材63の収縮力により立ち上がり、身体表面に密着するようになる。
【0050】
(エンドフラップ部、サイドフラップ部)
図示例の連結式使い捨て着用物品は、吸収体56の前側及び後側にそれぞれ延出する、吸収体56を有しない一対のエンドフラップ部EFと、吸収体56の両方の側縁よりも側方にそれぞれ延出する、吸収体56を有しない一対のサイドフラップ部SFとを有している。サイドフラップ部SFは、図示例のように、吸収体56を有する部分から連続する素材(外装不織布12等)からなるものであっても、他の素材を取り付けて形成してもよい。
【0051】
(平面ギャザー)
各サイドフラップ部SFには、糸ゴム等の細長状弾性部材からなるサイド弾性部材64が前後方向LDに沿って伸長された状態で固定されており、これにより各サイドフラップ部SFの脚周り部分が平面ギャザーとして構成されている。脚周り弾性部材64は、図示例のように、ギャザーシート62の接合部分のうち接合始端近傍の幅方向外側において、ギャザーシート62と液不透過性シート11との間に設けるほか、サイドフラップ部SFにおける液不透過性シート11と外装不織布12との間に設けることもできる。脚周り弾性部材64は、図示例のように各側で複数本設ける他、各側に1本のみ設けることもできる。
【0052】
平面ギャザーは、サイド弾性部材64の収縮力が作用する部分(図中ではサイド弾性部材64が図示された部分)である。よって、平面ギャザーの部位にのみサイド弾性部材64が存在する形態の他、平面ギャザーよりも前側、後側又はその両側にわたりサイド弾性部材64が存在しているが、平面ギャザーの部位以外ではサイド弾性部材が一か所又は多数個所で細かく切断されていたり、サイド弾性部材64を挟むシートに固定されていなかったり、あるいはその両方であったりすることにより、平面ギャザー以外の部位に収縮力が作用せず(実質的には、弾性部材を設けないことに等しい)に、平面ギャザーの部位にのみサイド弾性部材64の収縮力が作用する構造も含まれる。
【0053】
(ウイング部分)
本連結式使い捨て着用物品では、背側部分Bは股間部Mよりも幅方向WD外側に延び出たウイング部分WPを有している。同様に、腹側部分Fも股間部Mよりも幅方向WD外側に延び出たウイング部分WPを有している。これらウイング部分WPは、それ以外の部分と別の部材により形成することもできる。しかし、図示例のようにサイドフラップ部SFを有する構造において、サイドフラップ部SFの側部における前後方向LD中間を切断することにより、股間部Mの側縁からウイング部分の下縁71までの凹状縁70が形成され、その結果としてウイング部分WPが形成されていると、製造が容易であるため好ましい。
【0054】
(連結テープ)
図1図2及び図6に示すように、背側部分Bにおけるウイング部分WPには、腹側部分Fの外面に対して着脱可能に連結される連結テープ80A,80Bがそれぞれ設けられている。おむつ10の装着に際しては、連結テープ80A,80Bを腰の両側から腹側部分Fの外面に回して、連結テープ80A,80Bの連結部83を腹側部分F外面の適所に連結する。
【0055】
連結テープ80A,80Bは、図6及び図7に示すように、ウイング部分WPに固定された基端部81、及びこの基端部81から延び出た本体部82をなすシート基材80Sと、このシート基材80Sにおける本体部82の幅方向WDの中間部に設けられた、腹側部分Fに対する連結部83とを有している。本体部82における、連結部83より基端部81側が腹側部分Fと連結されない非連結部84となり、反対側が摘み部85となっている。これら非連結部84及び摘み部85は、本体部82をなすシート基材80Sのみからなっている。基端部81の側縁はウイング部分WPの側縁に一致していてもよいし、図6に示すように、ウイング部分WPの側縁から幅方向WDの内方にわずかに離間していてもよい。この離間距離は10~50mm程度とすることができる。連結部83の幅方向内方の縁は、ウイング部分WPの側縁に一致していてもよいが、図6に示すように、ウイング部分WPの側縁から幅方向WDの外方に十分に離間していることが好ましい。この離間距離は1~100mm程度とすることができる。
【0056】
連結部83としては、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)を設ける他、粘着剤層を設けてもよい。フック材は、その連結面に多数の係合突起を有するものであり、係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。
【0057】
また、基端部81から本体部82までを形成するシート基材80Sとしては、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材を用いることができるが、繊度1.0~3.5dtex、目付け60~100g/m2、厚み1mm以下のスパンボンド不織布、エアスルー不織布、又はスパンレース不織布が好ましい。
【0058】
連結テープ80A,80Bは、少なくとも非連結部84の一部が幅方向WDに伸縮するものであっても、全体が伸縮しないものであってもよい。
【0059】
(ターゲット部)
腹側部分Fにおける連結テープ80A,80Bの連結箇所には、ターゲット部20が設けられている。ターゲット部20は、図示例のように、連結を容易にするためのシート材を腹側部分Fの外面に貼り付けることにより設けることができる。
【0060】
ターゲット部20を形成するためのシート材は特に限定されるものではないが、連結部83がフック材の場合、例えば間欠的なパターンの超音波溶着により部分的に繊維相互が溶着された長繊維不織布を用いることができる。
【0061】
また、連結部83がフック材の場合、ターゲット部20を形成するためのシート材として、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなる基材の表面に多数縫い出された複合的なシート材を用いることができる。
【0062】
さらに、連結部83がフック材であり、腹側部分Fにおける連結テープ80A,80Bの連結箇所が不織布からなる場合(例えば図示例のように外装不織布12を有する場合)には、ターゲット部20を形成するためにシート材を付加せずに、外装不織布12の適所をターゲット部20とし、フック材を外装不織布12の繊維に絡ませて連結することもできる。
【0063】
一方、連結部83が粘着材層の場合には、ターゲット部20を形成するためのシート材として、粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。
【0064】
(伸縮シート)
背側部分Bにおける左右の連結テープ80A,80Bの間には、幅方向WDに弾性伸縮する伸縮シート17が取り付けられ、伸縮シート17を有する領域が幅方向WDに弾性伸縮するものとなっていると好ましい。伸縮シート17は、エンドフラップ部EFにのみ位置していてもよいが、図示例のようにエンドフラップ部EFから吸収体56の後端部までにわたるように配置されていると、吸収体56の後端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。
【0065】
伸縮シート17は、ゴムシート等のシート状弾性部材を用いても良いが、通気性を有することが好ましい。この場合、伸縮不織布のような通気性を有するシート状弾性部材を用いることもできるが、図5及び図7に示すように、二枚の不織布等の支持層18をホットメルト接着剤等の接着剤により貼り合わせるとともに、両支持層18間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性部材19を幅方向WDに沿って伸長した状態で固定したものが好適に用いられる。この場合における支持層18の素材としては、外装不織布12と同様のものを用いることができる。弾性部材19の伸長率は150~250%程度であるのが好ましい。また、弾性部材19として細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、太さ420~1120dtexのものを3~10mmの間隔19dで5~15本程度設けるのが好ましい。
【0066】
伸縮シート17の幅は適宜定めることができるが、図示例のように、左右のサイドフラップ部SF間にわたる幅となっていることが好ましい。具体的な寸法としては、伸縮シート17の幅は連結テープ80A,80Bを除いた本体部分の全幅Xの80~95%程度とすることが好ましい。
【0067】
伸縮シート17における幅方向WDの両端部は、製造時に吸引により保持して取付けを行うために非伸縮領域17nとなっていてもよい。非伸縮領域17nの寸法、及びこれらの間に位置し、幅方向WDに伸縮する中間伸縮領域17eの寸法は適宜定めることができるが、中間伸縮領域17eの幅は後述する左右の連結テープ80A,80Bの連結部83間の幅の45~90%とすることが好ましく、非伸縮領域17nの幅は製造時の縮みや捲れ防止のため5~50mm程度とすることが好ましい。非伸縮領域17nは弾性部材19を有しない領域としてもよいが、中間伸縮領域17e及び非伸縮領域17nにわたり弾性部材19を取り付けるとともに、非伸縮領域17nでは弾性部材19を切断する等により、非伸縮領域17nに弾性部材19が残留するもののほとんど又は全く伸縮しない構造としてもよい。
【0068】
また、弾性部材19の一部が吸収体56を横断するように配置することもできるが、図7に示すように、弾性部材19が吸収体56と重なる部分の一部又は全部を切断する等により、弾性部材19が残留するもののほとんど又は全く伸縮しない構造とすると、吸収体56の後端部が幅方向に縮まないため、フィット性がさらに向上する。
【0069】
伸縮シート17は、図示例では、液不透過性シート11と吸収要素50との間に配置されているが、この配置に特に限定されるものではない。例えば、伸縮シート17は液不透過性シート11と外装不織布12との間に配置されていてもよいし、外装不織布12の外側に設けてもよい。
【0070】
(ミシン目)
特徴的には、図9に拡大して示すように、ウイング部分WPにおけるウエスト側(後側)の側部に設けられた第1連結テープ80Aと、ウイング部分WPにおける脚周り側(前側)の側部に設けられた第2連結テープ80Bとを備えている。そして、サイドフラップ部SFは、ウイング部分WPの側縁における、第1連結テープ80Aと第2連結テープ80Bの間から、幅方向WD内方に向かって続くミシン目90を有している。
【0071】
本連結式使い捨て着用物品は、使用に際して、ミシン目90を切り離すことによりウイング部分WPの少なくとも一部が上下二段に分割し、図8に示すように、ウエスト側の第1連結テープ80Aを有する上段部分UPを斜め下向きに引っ張りつつ連結することによりウエスト周りをしっかりと締め付けるとともに、脚周り側の第2連結テープ80Bを有する下段部分LPを斜め上向きに引っ張りつつ連結することにより脚周りをしっかりと締め付けることができる。特に、従来は分割されないウイング部分WPが二段に分割されて、それぞれウエスト周り及び脚周りに合わせて独立的にフィットさせることができるため、従来のものよりも、しっかりフィットした装着状態が得られるものである。なお、第1連結テープ80A及び第2連結テープ80Bの連結位置は使用者が適宜定めることができ、図8(a)に示すように、連結部83の位置関係が上下逆転せず、連結部83同士が重ならないようにしてもよいし、図8(b)に示すように、連結部83の位置関係が上下逆転し、連結部83同士が重ならないようにしてもよいし、図示しないが、連結部83同士が一部重なるようにしてもよい。また、必要に応じてミシン目90を切り離さずに使用することもできる。
【0072】
しかも、本連結式使い捨て着用物品は、サイドフラップ部SFにミシン目90を設けて上下二段に分割するものであるため、ウエスト側の第1連結テープ80Aを斜め下向きに、及び脚周り側の第2連結テープ80Bを斜め上向きにそれぞれ連結したとしても、ウイング部分WPに大きな皺が寄りにくく、見栄えが悪くなりにくいものである。
【0073】
本連結式使い捨て着用物品では、サイドフラップ部SFにミシン目90を形成するため、連結テープ80A,80Bの幅方向WDの寸法80wを短く抑えることができる。例えば、連結テープ80A,80Bの幅方向WDの寸法80wは、背側部分Bにおける連結テープ80A,80Bを除く部分の幅方向WDの寸法Xの1/7~1/2倍とすることができる。この結果、本連結式使い捨て着用物品では、上下二段の連結テープ80A,80Bによりしっかりフィットした装着状態が得られるものでありながら、連結テープ80A,80Bの硬さが装着感に与える影響を小さくすることができる。連結テープ80A,80Bの前後方向LDの寸法は適宜定めることができるが、例えばウイング部分WPの側縁の前後方向LDの寸法の1/2未満とすることができる。
【0074】
第1連結テープ80A及び第2連結テープ80Bは、図示例のように同一の寸法・形状のものであっても、寸法及び形状の少なくとも一方が異なっていてもよい。第1連結テープ80A及び第2連結テープ80Bは、ウイング部分WPにおけるウエスト側又は脚周り側に偏って取り付けられていてもよいが、通常の場合、ウイング部分WPの前後方向LD中央部よりウエスト側に第1連結テープ80Aが取り付けられ、ウイング部分WPの前後方向LD中央部より脚周り側に第2連結テープ80Bが取り付けられていることが好ましい。第1連結テープ80A及び第2連結テープ80Bの間にミシン目90を形成するため、第1連結テープ80A及び第2連結テープ80Bは前後方向LDに十分な間隔、例えば15mm以上の間隔を有していることが好ましいが、ミシン目90を形成しうる限り隣接していてもよい。
【0075】
ミシン目90の縦方向の位置は、第1連結テープ80A及び第2連結テープ80Bの間の前後方向LDの中央に位置しているほか、第1連結テープ80A側に偏っていても、第2連結テープ80B側に偏っていてもよい。通常の場合、ミシン目90は、ウイング部分WPの前後方向LDの中央を基準として前後方向LDに±5mmの範囲内に位置していることが好ましい。
【0076】
ミシン目90の幅方向WDの寸法は適宜定めることができるが、15mm以上であることが好ましく、特に40mm以上であることが好ましい。また、図6及び図7に示すように、ミシン目90の内包端はトップシート30の側縁及び液不透過性シート11の側縁よりも側方に位置していることが好ましい。
【0077】
ミシン目90の本数は図示例のように1本とする他、複数本設けてもよい。また、ミシン目90は図12に示す例のように幅方向WDの中間で斜め上向きに延びる部分と、斜め下向きに延びるものとに分岐していてもよい。
【0078】
ミシン目90におけるカット部(切り込み)の形状、カット部とタイ部(カット部の間の連結部)との長さの比等は適宜定めることができる。図10に示すように、ミシン目90における、幅方向WD中間よりも側方に位置する第1部分91のタイ部91tの幅を、第1部分91よりも幅方向WD内方に位置する第2部分92のタイ部92tの幅よりも広くするのは、一つの好ましい例である。なお、タイ部とは、隣接するカット部91c,92cの間の非カット部の幅であり、隣接するカット部91c,92cの間隔に等しいものである。このように引き裂き始めからある程度までの第1部分91では引き裂きにくく、その後の第2部分92では引き裂きやすくすると、ミシン目90を切り離さずに使用した場合に、意図せずにミシン目90が切り離される事態が発生しにくいものとなる。
【0079】
(引き裂き防止部)
サイドフラップ部SFにミシン目90を設けると、ミシン目90を内方端まで引き裂いたときに、ミシン目90の内方端よりもさらに内方の部分までサイドフラップ部SFを引き裂いてしまうおそれがある。これを解決するために、図6図7図9図12に示す例では、サイドフラップ部SFにおける少なくともミシン目90の内方端の内方側に隣接する部分は、表面層としてのギャザーシート62、裏面層としての外装不織布12及びこれらの間に位置する中間層としての伸縮シート17を有しており、伸縮シート17におけるミシン目90の内方端の内方側に隣接する部分に、後述する引き裂き防止部95~97が形成されており、ギャザーシート62及び外装不織布12に、引き裂き防止部95~97が形成されていない。このようにサイドフラップ部SFの内部に位置する伸縮シート17にのみ引き裂き防止部95~97が設けられていると、引き裂き防止効果を有しつつ、引き裂き防止部95~97が露出することによる外観の悪化を防止することができる。
【0080】
サイドフラップ部SFにおける少なくともミシン目90の内方端の内方側に隣接する部分は、表面層、中間層及び裏面層が何であるかは特に限定されない。立体ギャザーを有しない構造では、トップシート30を側方に延長して表面層を形成することもできるし、立体ギャザーの有無に関係なく、既存部材の延長でない別途のシートを表面層として設けることもできる。また、外装不織布12を有しない構造では、液不透過性シート11を側方に延長して裏面層を形成することもできるし、外装不織布12の有無に関係なく、既存部材の延長でない別途のシートを裏面層として設けることもできる。伸縮シート17を設けない構造では、図13及び図14に示すようにトップシート30を側方に延長して中間層とし、そこに引き裂き防止部(図示例は後述の溶融固化部97)を設けることができるし、伸縮シート17の有無に関係なく、図15及び図16に示すように、既存の部材でない専用のシート98を設け、そこに引き裂き防止部(図示例は後述の溶融固化部97)を設けることができる。
【0081】
引き裂き防止部95~97は、特に限定されるものではないが、例えば以下のようなものを採用することができる。これらの引き裂き防止部95~97は、適宜組み合わせて適用することができる。また、図12に示す例のように、ミシン目90の内方端が複数ある場合には、各ミシン目90に対してそれぞれ引き裂き防止部95~97を設けることができる。
【0082】
すなわち、第1の引き裂き防止部は、図9図10及び図12に示すように、ミシン目の内方端の内方側に隣接して形成された、非切断部が側方に位置するC字状のカット部95である。また、第2の引き裂き防止部は、図11に示すように、ミシン目の内方端の内方側に隣接して形成された打ち抜き孔96である。これらカット部95又は打ち抜き孔96は、引き裂き位置がミシン目90の内方端を越えてカット部95又は打ち抜き孔96に達したときに、引き裂き位置に生ずる応力を分散させ、カット部95又は打ち抜き孔96よりもさらに内方の部分までサイドフラップ部SFを引き裂いてしまわないようにする作用を有する。よって、ミシン目90を引き裂き過ぎてしまう事態を防止できる。打ち抜き孔96の形状は、図示形態のような円形とするほか、楕円形や多角形等適宜の形状とすることができる。カット部95又は打ち抜き孔96の寸法は適宜定めることができるが、例えば前後方向LDの寸法は3~7mm程度とすることができ、幅方向WDの寸法は3~7mm程度とすることができる。
【0083】
第3の引き裂き防止部は、図13図16に示すように、ミシン目90の内方端の内方側に隣接して形成された、少なくとも中間層の溶融固化部97である。このような溶融固化部97はそれ以外の部分と比べて引き裂きに対する強度が高い。よって、ミシン目90の内方端を超えて引き裂きが進行したときに、この溶融固化部97で引き裂きを停止することができる。このような溶融固化部97は、中間層における適所に、加熱エンボス加工又は超音波溶着加工を施すことにより形成することができる。図13及び図14に示す例の中間層はトップシート30、図15及び図16に示す例の中間層は専用のシート98であるが、図6図7図9図12に示す例の中間層は伸縮シート17となる。伸縮シート17のように積層構造体に溶融固化部97を設ける場合には、伸縮シート17の厚み方向の全体に加圧溶着加工を施して溶融固化部97を形成してもよいし、一部のシートのみに加圧溶着加工を施して溶融固化部97を形成してもよい。溶融固化部97の形状は、図示形態のような前後方向に沿う長辺を有する長方形とするほか、他の多角形や、円形、又は楕円形等、適宜の形状とすることができる。溶融固化部97の寸法は適宜定めることができるが、例えば前後方向LDの寸法は5~20mm程度とすることができ、幅方向WDの寸法は5~20mm程度とすることができる。
【0084】
中間層(図6図7図9図12に示す例では伸縮シート17、図13及び図14に示す例ではトップシート30、図15及び図16に示す例では専用のシート98)の幅方向WDの外側に位置する側縁は、ミシン目90の内方端と引き裂き防止部95~97との間に位置させることもできるが、図示例のようにミシン目90の途中まで延びているのは好ましい。この場合、ミシン目90を引き裂き始めてから中間層に達するまでは引き裂きやすく、その後は引き裂きにくくなるため、引き裂き始めの勢いで引き裂き過ぎてしまう事態を防止することができる。
【0085】
(不織布)
上記説明における不織布としては、部位や目的に応じて公知の不織布を適宜使用することができる。不織布の構成繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維(単成分繊維の他、芯鞘等の複合繊維も含む)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等、特に限定なく選択することができ、これらを混合して用いることもできる。不織布の柔軟性を高めるために、構成繊維を捲縮繊維とするのは好ましい。また、不織布の構成繊維は、親水性繊維(親水化剤により親水性となったものを含む)であっても、疎水性繊維若しくは撥水性繊維(撥水剤により撥水性となった撥水性繊維を含む)であってもよい。また、不織布は一般に繊維の長さや、シート形成方法、繊維結合方法、積層構造により、短繊維不織布、長繊維不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド(エアスルー)不織布、ニードルパンチ不織布、ポイントボンド不織布、積層不織布(スパンボンド層間にメルトブローン層を挟んだSMS不織布、SMMS不織布等)等に分類されるが、これらのどの不織布も用いることができる。
【0086】
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。
【0087】
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
【0088】
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。例えば、伸長率が200%とは、伸長倍率が2倍であることと同義である。
【0089】
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿(尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%)49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter-MAX ME-500)でゲル強度を測定する。
【0090】
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
【0091】
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES-G5 ハンディー圧縮試験機)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
【0092】
・「吸水量」は、JIS K7223-1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
【0093】
・「吸水速度」は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
【0094】
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
【0095】
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、上記例のような連結式使い捨て着用物品に適用できるものである。
【符号の説明】
【0097】
11…液不透過性シート、12…外装不織布、17…伸縮シート、80A,80B…連結テープ、83…連結部、82…本体部、81…基端部、20…ターゲット部、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…起き上がりギャザー、62…ギャザーシート、64…サイド弾性部材、70…凹状縁、71…ウイング部分の下縁、B…背側部分、F…腹側部分、LD…前後方向、M…股間部、SF…サイドフラップ部、WD…幅方向、WP…ウイング部分、80A…第1連結テープ、80B…第2連結テープ、90…ミシン目、91…第1部分、92…第2部分、95~97…引き裂き防止部、95…カット部、96…打ち抜き孔、97…溶融固化部、UP…上段部分、LP…下段部分。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16