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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220719BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019145239
(22)【出願日】2019-08-07
(65)【公開番号】P2021023649
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2020-09-18
(73)【特許権者】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】110001645
【氏名又は名称】特許業務法人谷藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 満
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 将人
(72)【発明者】
【氏名】森脇 諒
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲史
【審査官】山本 一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-051231(JP,A)
【文献】特開2019-076796(JP,A)
【文献】特開2016-159041(JP,A)
【文献】特開2010-137003(JP,A)
【文献】特開2013-244293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄始動条件の成立により取得された乱数情報に基づいて、利益状態を発生させるか否かの判定を行う判定手段と、
前記判定手段による1回の判定に対して1回の図柄変動を行う図柄表示手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて前記図柄表示手段による変動後の停止図柄が所定態様となった場合に前記利益状態を発生させる利益状態発生手段と
前記図柄表示手段による図柄変動に対応して画像表示手段で演出図柄による図柄変動を行う演出図柄表示手段とを備え、
前記図柄表示手段による1回の図柄変動中に、前記演出図柄表示手段による疑似図柄変動を複数回実行可能であり、
前記疑似図柄変動を複数回実行する場合、前記疑似図柄変動において前記演出図柄が所定の疑似連態様で停止する疑似連継続演出が実行された場合に新たに前記疑似図柄変動を開始する
遊技機において、
前記疑似連継続演出の前に所定演出が実行されるか否か応じて前記疑似連継続演出を異ならせるとともに、前記所定演出が実行される場合の方が実行されない場合よりも前記演出図柄における停止動作の開始タイミングを遅くし
前記所定演出が実行されるか否かに拘わらず、次の前記疑似図柄変動の開始タイミングを略同じにした
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機は、図柄始動条件の成立により取得された乱数情報に基づいて利益状態を発生させるか否かの判定を行うとともに図柄の変動表示を行い、変動後の停止図柄が特定態様となった場合に利益状態を発生させるように構成されている。ここで、図柄の変動表示は、図柄始動条件の成立に基づく1回の判定に対して1回行われるが、演出効果を高めるため、1回の図柄変動中に、疑似的な図柄変動(疑似図柄変動)を複数回行う疑似連演出の機能を搭載したものも知られている(例えば特許文献1)。疑似連演出では、図柄変動中に疑似連図柄が停止表示されるなど、所定の疑似連継続演出が実行された場合に新たな疑似図柄変動が開始されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-165985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような疑似連演出を多様化して演出効果を高めるためには、個々の疑似図柄変動の演出内容を多様化し、それらの何れかを抽選等により選択することが考えられる。しかしながら、疑似連継続演出を含む個々の疑似図柄変動の演出内容を制限なく多様化すると、例えば1回目の疑似図柄変動の変動時間の変化分を2回目以降の疑似図柄変動で吸収する必要があるなど、新たな制限が加わって演出多様化の足かせとなるだけでなく制御も複雑化してしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、制御をむやみに複雑化することなく、疑似連演出を多様化することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、図柄始動条件の成立により取得された乱数情報に基づいて、利益状態を発生させるか否かの判定を行う判定手段と、前記判定手段による1回の判定に対して1回の図柄変動を行う図柄表示手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて前記図柄表示手段による変動後の停止図柄が所定態様となった場合に前記利益状態を発生させる利益状態発生手段と 前記図柄表示手段による図柄変動に対応して画像表示手段で演出図柄による図柄変動を行う演出図柄表示手段とを備え、前記図柄表示手段による1回の図柄変動中に、前記演出図柄表示手段による疑似図柄変動を複数回実行可能であり、前記疑似図柄変動を複数回実行する場合、前記疑似図柄変動において前記演出図柄が所定の疑似連態様で停止する疑似連継続演出が実行された場合に新たに前記疑似図柄変動を開始する遊技機において、前記疑似連継続演出の前に所定演出が実行されるか否か応じて前記疑似連継続演出を異ならせるとともに、前記所定演出が実行される場合の方が実行されない場合よりも前記演出図柄における停止動作の開始タイミングを遅くし前記所定演出が実行されるか否かに拘わらず、次の前記疑似図柄変動の開始タイミングを略同じにしたものである
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、制御をむやみに複雑化することなく、疑似連演出を多様化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1の実施形態におけるパチンコ機の全体正面図である。
図2】同パチンコ機の分解斜視図である。
図3】同パチンコ機の遊技盤の正面図である。
図4】同パチンコ機の遊技情報表示手段の正面図である。
図5】同パチンコ機の制御系のブロック図である。
図6】同パチンコ機の遊技状態毎の普通図柄の当り確率及び変動時間、第2特別図柄始動手段の開閉パターンを示す図である。
図7】同パチンコ機の第1,第2特別図柄についての大当り態様、特別利益状態、特別遊技状態及び大当たり演出態様の対応関係を示す図である。
図8】同パチンコ機の大当り変動パターンテーブルを示す図である。
図9】同パチンコ機のはずれ変動パターンテーブルを示す図である。
図10】同パチンコ機の一撃操作誘導画像の一例を示す図である。
図11】同パチンコ機の連打操作誘導画像の一例を示す図である。
図12】同パチンコ機の長押し操作誘導画像の一例を示す図である。
図13】同パチンコ機の疑似連3回SPSPリーチ大当り/はずれ変動パターンの概略タイムチャートを示す図である。
図14】同パチンコ機の疑似連演出における第1~第3演出態様の概略タイムチャートを示す図である。
図15】同パチンコ機の疑似連演出における第4,第5演出態様の概略タイムチャートを示す図である。
図16】同パチンコ機の大当り変動パターン終盤に行われるボタン演出として連打(又は長押し)操作演出が選択された場合と一撃操作演出が選択された場合の概略タイムチャートを示す図である。
図17】同パチンコ機のはずれ変動パターン終盤に行われるボタン演出として連打(又は長押し)操作演出が選択された場合と一撃操作演出が選択された場合の概略タイムチャートを示す図である。
図18】本発明の第2の実施形態におけるパチンコ機のボタン演出として連打(又は長押し)操作演出が選択された場合と一撃操作演出が選択された場合の有効期間前演出及び操作有効期間の概略タイムチャートを示す図である。
図19】本発明の第3の実施形態におけるパチンコ機のボタン演出として連打(又は長押し)操作演出が選択された場合と一撃操作演出が選択された場合の有効期間前演出及び操作有効期間の概略タイムチャートを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1図17は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、遊技機本体1は、外枠2と、この外枠2の前側に配置された前枠3とを備えている。前枠3は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第1ヒンジ4を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、左右方向における第1ヒンジ4と反対側、例えば右端側に設けられた施錠手段5によって外枠2に対して閉状態で施錠可能となっている。
【0009】
前枠3は、中枠6と、その中枠6の前側に配置されたガラス扉7とを備えている。ガラス扉7は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第2ヒンジ8を介して中枠6に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、施錠手段5によって中枠6に対して閉状態で施錠可能となっている。
【0010】
外枠2は、図2に示すように左右一対の縦枠材2a,2bと上下一対の横枠材2c,2dとで矩形状に形成されている。外枠2の前側下部には、例えば合成樹脂製の前カバー部材9が、下横枠材2dの前縁に沿って左右の縦枠材2a,2bの前側下部を連結するように装着されている。前カバー部材9は、左右の縦枠材2a,2bよりも前側に突出しており、その上側に中枠6が配置されている。また外枠2には、第1ヒンジ4を構成する外枠上ヒンジ金具11が例えば左上部に、同じく外枠下ヒンジ金具12が左下部における前カバー部材9の上側に夫々配置されている。
【0011】
中枠6は合成樹脂製で、前カバー部材9の上側で外枠2の前縁側に略当接可能な矩形状の枠部13と、この枠部13内の上部側に設けられた遊技盤装着部14と、枠部13内の下部側に設けられた下部装着部15とを例えば一体に備えている。遊技盤装着部14には、遊技盤16が例えば前側から着脱自在に装着され、下部装着部15には、その前側に発射手段17、下部スピーカ18等が配置されている。また中枠6には、第1ヒンジ4を構成する本体枠上ヒンジ金具19と第2ヒンジ8を構成する本体枠上ヒンジ金具20とが例えば左上部に、第1,第2ヒンジ4,8を構成する本体枠下ヒンジ金具21が例えば左下部に夫々配置されている。
【0012】
ガラス扉7は、中枠6の前面側に対応する矩形状に形成された樹脂製の扉ベース22を備えている。この扉ベース22には、遊技盤16に形成された遊技領域23の前側に対応してガラス窓24の窓孔24aが形成されると共に、例えば窓孔24aの周囲に複数(ここでは4つ)の上部スピーカ25、枠第1可動演出手段26、枠第2可動演出手段27、送風手段28等の各種演出手段が配置されている。
【0013】
枠第1可動演出手段26は枠第1可動体26aを備え、図外の駆動手段の駆動による枠第1可動体26aの略前後方向へのスライド移動が可能となっている。枠第2可動演出手段27は枠第2可動体27aを備え、図外の駆動手段の駆動による枠第2可動体27aの略前後方向へのスライド移動と、枠第2可動体27aの前端側の把持部27b内に配置された図外の振動手段による振動動作とが可能であり、また遊技者による把持部27bの押し込み操作が可能となっている。送風手段28は、遊技者が把持部27bを把持するタイミングで、遊技者の手に向けて風を送ることが可能となっている。
【0014】
扉ベース22の下部前側には、中枠6の後側に配置された払い出し手段31から払い出された遊技球を貯留して発射手段17に供給する上皿32、その上皿32が満杯のときの余剰球等を貯留する下皿33、発射手段17を作動させるために操作する発射ハンドル34等が配置され、更に上皿32、下皿33等を前側から略覆う下装飾カバー35が装着されている。下装飾カバー35は、例えば前向きの膨出状に形成されており、例えばその上部側に、遊技者が押下操作可能な演出ボタン36の他、十字操作手段、音量調整操作手段、光量調整操作手段等の各種操作手段が設けられている。
【0015】
扉ベース22の背面側には、窓孔24aを後側から略塞ぐようにガラスユニット40が着脱自在に装着されると共に、第1,第2ヒンジ4,8側の縁部に沿って配置される上下方向のヒンジ端側補強板金41aと、開閉端側の縁部に沿って配置される上下方向の開閉端側補強板金41bと、窓孔24aの下側に配置される左右方向の下部補強板金41cとがねじ止め等により着脱自在に固定されている。また扉ベース22には、第2ヒンジ8を構成するガラス扉上ヒンジ金具42aが例えば左上部に、同じくガラス扉下ヒンジ金具42bが例えば左下部に夫々配置されている。
【0016】
また、例えば下部補強板金41cの背面側には、球送りユニット43a、下皿案内ユニット43b等が装着されている。球送りユニット43aは、上皿32内の遊技球を1個ずつ発射手段17に供給するためのもので、発射手段17の前側に対応して配置されている。下皿案内ユニット43bは、上皿32が満杯となったときの余剰球、及び発射手段17により発射されたにも拘わらず遊技領域23に達することなく戻ってきたファール球を下皿33に案内するためのもので、例えば球送りユニット43aに隣接してその第1,第2ヒンジ4,8側に配置されている。
【0017】
遊技盤16は、図3に示すように、ベニヤ板等のベース板45の前側に、発射手段17から発射された遊技球を案内するガイドレール46が環状に配置されると共に、そのガイドレール46の内側の遊技領域23に、中央表示枠ユニット47、始動入賞ユニット48、普通入賞ユニット49等のユニット部品の他、多数の遊技釘(図示省略)が配置され、また遊技領域23の外側の例えば下部側には遊技情報表示手段50が配置されている。もちろん、遊技情報表示手段50は遊技領域23内に配置してもよい。
【0018】
遊技情報表示手段50は、図4に示すように、例えば8個のLED60で構成されるLEDグループを4つ備えており、それら計32個のLED60が普通図柄表示手段51、普通保留個数表示手段52、第1特別図柄表示手段53、第2特別図柄表示手段54、第1特別保留個数表示手段55、第2特別保留個数表示手段56、変動短縮報知手段57、右打ち報知手段58及びラウンド数報知手段59に所定個数ずつ割り当てられている。即ち、第1,第2LEDグループ50a,50bに属する各8個のLED60は夫々第1,第2特別図柄表示手段53,54を構成し、第3LEDグループ50cに属する8個のLED60は、2個ずつに分けられて夫々第1特別保留個数表示手段55、第2特別保留個数表示手段56、普通保留個数表示手段52、変動短縮報知手段57を構成し、第4LEDグループ50dに属する8個のLED60は、そのうちの2個が普通図柄表示手段51を、他の2個が右打ち報知手段58を、残りの4個がラウンド数報知手段59を夫々構成している。
【0019】
遊技盤16の複数のユニット部品47~49上には、普通図柄始動手段61、第1特別図柄始動手段62、第2特別図柄始動手段63、大入賞手段64、複数の普通入賞手段65等が設けられている。またベース板45の後側には、液晶表示手段(画像表示手段)66の他、液晶表示手段66の前側を移動可能な盤可動体67aを備えた盤可動演出手段67等が配置されている。
【0020】
中央表示枠ユニット47は、液晶表示手段66の表示枠を構成するもので、ベース板45に形成された前後方向貫通状の装着孔(図示省略)に対して前側から着脱自在に装着されている。この中央表示枠ユニット47は、ベース板45の前面に沿って装着孔の外側に配置され且つその前側を遊技球が通過可能な前面装着板71と、液晶表示手段66の前側における左右両側から上部側にわたる正面視略門形状に配置され且つ前面装着板71の内周側で前向きに突設された装飾枠72と、その装飾枠72の左右の下端部間に配置されるステージ73とを備えている。発射手段17により発射され、遊技領域23の上部側に進入した遊技球は、装飾枠72の頂部で左右に振り分けられ、中央表示枠ユニット47の左側の左流下経路74aと右側の右流下経路74bとの何れかを流下する。
【0021】
中央表示枠ユニット47には、左流下経路74a側と右流下経路74b側との少なくとも一方側、例えば左流下経路74a側に、遊技球が流入可能なワープ入口75が設けられている。左流下経路74aを流下中にワープ入口75に流入した遊技球は、ステージ73上で左右方向に自由に転動した後、遊技領域23の左右方向中央に対応して設けられた中央落下部76とそれ以外の部分との何れかから前側に落下する。
【0022】
始動入賞ユニット48は、中央表示枠ユニット47の下側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。普通入賞ユニット49は、中央表示枠ユニット47の下側で始動入賞ユニット48の左側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。
【0023】
普通図柄始動手段61は、普通図柄表示手段51による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成され、遊技球の通過を検出する通過検出手段(図示省略)を備えている。この普通図柄始動手段61は、例えば中央表示枠ユニット47の右部における前面装着板71の前側に設けられており、右流下経路74bを流下する遊技球が通過可能となっている。
【0024】
普通図柄表示手段51は、普通図柄を変動表示するためのもので、遊技情報表示手段50(図4)における例えば2個のLED60で構成されており、普通図柄始動手段61が遊技球を検出することに基づいて、普通図柄を構成するそれら2個のLED60が普通変動中発光パターンで発光した後、普通図柄始動手段61による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合には当り態様で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。なお、普通図柄を構成する2個のLED60は、それらの発光態様(例えば点灯/消灯)の組み合わせにより一又は複数の当り態様と一又は複数のはずれ態様とを表示可能であり、また普通変動中発光パターンは、例えば特定の複数種類(ここでは2種類)の発光態様を所定時間(例えば128ms)毎に切り替えるようになっている。
【0025】
また、普通図柄表示手段51の図柄変動中と普通利益状態中とを含む普通保留期間中に普通図柄始動手段61が遊技球を検出した場合には、それによって取得された普通乱数情報が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通保留期間が終了する毎に1個ずつ消化されて普通図柄の変動が行われる。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は、普通保留個数表示手段52等によって遊技者に報知される。普通保留個数表示手段52は、遊技情報表示手段50(図4)における例えば2個のLED60で構成されており、それら2個のLED60の夫々の発光態様(例えば点灯/点滅/消灯)の組み合わせにより、0~4個の5種類の普通保留個数を表示可能となっている。
【0026】
第1特別図柄始動手段62は、第1特別図柄表示手段53による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段(図示省略)を備えている。この第1特別図柄始動手段62は、例えば始動入賞ユニット48に設けられ、ステージ73の中央落下部76に対応してその下側に上向き開口状に配置されており、左流下経路74a側のワープ入口75からステージ73を経て入賞するルートが存在すること等により、右流下経路74bを流下してきた遊技球よりも左流下経路74aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。なお、この第1特別図柄始動手段62に遊技球が入賞すると、1入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0027】
第2特別図柄始動手段63は、第2特別図柄表示手段54による図柄変動を開始させるためのもので、開閉部78の作動によって遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに変化可能な開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段(図示省略)を備えており、普通図柄表示手段51の変動後の停止図柄が当り態様となった場合に発生する普通利益状態において、開閉部78が所定時間閉状態から開状態に変化するようになっている。
【0028】
この第2特別図柄始動手段63は、例えば中央表示枠ユニット47の右部における前面装着板71上で且つ普通図柄始動手段61の下流側に配置されており、右流下経路74bを流下してきた遊技球が入賞可能となっている。なお、開閉部78は例えば下部側に設けられた左右方向の回転軸廻りに揺動可能であり、閉状態では例えば前面装着板71と略面一となって遊技球が前側を通過可能となり、開状態では前面装着板71の前側で後ろ下がりの傾斜状となって遊技球を後向きに入賞させるようになっている。この第2特別図柄始動手段63に遊技球が入賞すると、1入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0029】
第1特別図柄表示手段(図柄表示手段)53は、遊技情報表示手段50(図4)における例えば8個のLED60で構成されており、第1特別図柄始動手段62が遊技球を検出すること(図柄始動条件が成立すること)に基づいて、第1特別図柄を構成するそれら8個のLED60が特別変動中発光パターンで発光した後、第1特別図柄始動手段62による遊技球検出時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には第1大当り態様で、それ以外の場合には第1はずれ態様で変動を停止するようになっている。第1特別図柄表示手段53の変動後の停止図柄が第1大当り態様となった場合には第1特別利益状態が発生する。
【0030】
第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)54は、遊技情報表示手段50(図4)における例えば8個のLED60で構成されており、第2特別図柄始動手段63が遊技球を検出すること(図柄始動条件が成立すること)に基づいて、第2特別図柄を構成するそれら8個のLED60が特別変動中発光パターンで発光した後、第2特別図柄始動手段63による遊技球検出時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には第2大当り態様で、それ以外の場合には第2はずれ態様で変動を停止するようになっている。第2特別図柄表示手段54の変動後の停止図柄が第2大当り態様となった場合には第2特別利益状態が発生する。
【0031】
第1,第2特別図柄表示手段53,54は、各8個のLED60の発光態様(例えば点灯/消灯)の組み合わせにより一又は複数の第1,第2大当り態様と一又は複数の第1,第2はずれ態様とを表示可能であり、また特別変動中発光パターンは、例えば特定の複数種類(ここでは2種類)の発光態様を所定時間(例えば128ms)毎に切り替えるようになっている。本実施形態では、第1,第2大当り態様としてA1~A3,B1~B3の各3種類が設けられている(図7)。
【0032】
また、第1特別図柄表示手段53の図柄変動中、第2特別図柄表示手段54の図柄変動中及び第1,第2特別利益状態中を含む特別保留期間中に第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出した場合には、それによって取得された第1,第2特別乱数情報が夫々予め定められた上限保留個数、例えば各4個を限度として保留記憶される。そして、特別保留期間が終了した時点で第2特別図柄側の保留記憶が1以上の場合にはその第2特別図柄の保留記憶を1個消化して第2特別図柄の変動を行い、第1特別図柄側の保留記憶のみが1以上の場合にはその第1特別図柄の保留記憶を1個消化して第1特別図柄の変動を行う。このように本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動中になることはなく、また第1特別図柄側と第2特別図柄側との両方に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動を優先的に行うようになっている。
【0033】
なお、第1,第2特別乱数情報の記憶個数(第1,第2特別保留個数)は、第1,第2特別保留個数表示手段55,56、液晶表示手段66等によって遊技者に報知される。ここで、第1,第2特別保留個数表示手段55,56は、遊技情報表示手段50(図4)における各2個のLED60で構成され、それらの発光態様(例えば点灯/点滅/消灯)の組み合わせにより、0~4個の5種類の第1,第2特別保留個数を表示可能となっている。
【0034】
大入賞手段64は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板79を備えた開閉式入賞手段で、例えば中央表示枠ユニット47に設けられ、第2特別図柄始動手段63の下流側で且つ第1特別図柄始動手段62の上流側に配置されており、左流下経路74aを流下してきた遊技球よりも右流下経路74bを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。この大入賞手段64は、第1,第2特別図柄表示手段53,54の第1,第2特別図柄が変動後に第1,第2大当り態様(所定態様)で停止した場合に発生する第1,第2特別利益状態(利益状態)において、開閉板79が一又は複数種類の開放パターンの何れかに従って前側に開放して、その上に落下してきた遊技球を内部へと入賞させるようになっている。この大入賞手段64に遊技球が入賞すると、1入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。なお以下の説明では、第1特別利益状態と第2特別利益状態とを合わせて「特別利益状態」(利益状態)という。
【0035】
本実施形態では、図7に示すように、第1,第2大当り態様A1~A3,B1~B3に対応して複数種類の特別利益状態の何れかが選択されるようになっている。本実施形態の特別利益状態における大入賞手段64の開放パターンには10R,2Rの2種類があり、大当り態様A1,A2,B1,B2には10R開放パターンが、大当り態様A3,B3には2R開放パターンが夫々割り当てられている。10R開放パターンは、いわゆる出玉ありのラウンドを10回行うように構成されており、2R開放パターンは、いわゆる出玉なしのラウンドを2回行うように構成されている。
【0036】
ここで、出玉ありのラウンドは、大入賞手段64の開放後、その大入賞手段64への入賞個数が所定個数(例えば9個)に達するか、所定時間(例えば28秒)経過した時点で大入賞手段64を閉じるように設定されており、遊技者が右流下経路74b側の大入賞手段64を狙って右打ちをすれば最大個数の遊技球を容易に入賞させて大量の賞球を獲得できる。一方、出玉なしのラウンドは大入賞手段64が極短時間(例えば0.2秒)だけ開放するように設定されており、遊技者が大入賞手段64を狙って右打ちをしても遊技球を入賞させることは困難で、遊技者は賞球の獲得を期待できない。なお、出玉ありのラウンドと出玉なしのラウンドとを共に有する開放パターンを設けてもよい。
【0037】
また液晶表示手段(特定図柄表示手段)66には、図3に示すように、第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の変動表示と並行して演出図柄(特定図柄)80を変動表示可能である他、第1,第2特別保留個数を示す第1,第2保留画像X1~X4,Y1~Y4,変動中保留画像Z等の各種画像を表示可能となっている。
【0038】
ここで演出図柄80は、数字図柄その他の複数個の図柄で構成される図柄列を複数(ここでは3つ)備えており、またそれら各図柄列を構成する各図柄は、図3に示すように、例えば1~8等の数字、その他で構成される図柄本体部80aと、この図柄本体部80aに付随するキャラクタその他の装飾部80bとの結合で構成されている。演出図柄80は、例えば第1,第2特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って図柄列毎に縦スクロール等による変動を開始すると共に、所定の有効ライン上の停止図柄が所定態様となるように例えば第1,第2特別図柄の変動停止と略同時に最終停止するようになっている。なお、演出図柄80の表示態様や表示位置は可変であり、例えば装飾部80bが省略されて図柄本体部80aのみとなったり、拡大、縮小、移動等が画面上で自由に行われる。
【0039】
また本実施形態の演出図柄80では、例えば有効ライン上の全ての停止図柄が同じ場合が大当り演出態様、それ以外が外れ演出態様となっており、第1,第2特別図柄が第1,第2大当り態様となる場合には演出図柄80は大当り演出態様(特定態様)となり、第1,第2特別図柄が第1,第2外れ態様となる場合には演出図柄80は外れ演出態様となる。
【0040】
また第1,第2保留画像X1~X4,Y1~Y4,変動中保留画像Zに関しては、第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出することに基づいて第1,第2特別保留個数が増加した場合に、第1,第2保留画像X1~,Y1~を液晶表示手段66上に1個追加表示し、また第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の新たな変動が開始することに基づいて第1,第2特別保留個数が減少した場合に、例えば変動中保留画像Zを消去し、第1,第2保留画像X1~,Y1~を待ち行列の前側(例えば画面右側)に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を例えば所定位置まで移動させて新たな変動中保留画像Zに変化させるようになっている。
【0041】
図5は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図5において、81は主制御基板、82は演出制御基板で、これら各制御基板81,82は、遊技盤16の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。なお、図5のブロック図では、主制御基板81、演出制御基板82以外の基板については省略している。
【0042】
主制御基板81は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段91、普通始動口チェック処理手段92、普通乱数記憶手段93、普通図柄処理手段94、普通図柄表示制御手段95、普通利益状態発生手段96、特別乱数作成処理手段97、特別始動口チェック処理手段98、特別乱数記憶手段99、特別図柄処理手段100、特別図柄表示制御手段101、特別利益状態発生手段102、特別遊技状態発生手段103、制御コマンド送信手段104等を備えている。
【0043】
普通乱数作成処理手段91は、変動後の普通図柄を当り態様とするか否かの判定に用いる当り判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段92は、普通図柄始動手段61による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段61が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段91で作成された当り判定乱数値等の普通乱数情報を取得し、その普通乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段93に記憶させるように構成されている。
【0044】
普通図柄処理手段94は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段51が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段93に1個以上の当り判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段93に記憶されている普通乱数情報の待ち行列の先頭から当り判定乱数値を取り出し、その当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致するか否かに応じて当り/はずれの判定を行い、その当り/はずれの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択すると共に普通図柄の変動時間を選択するように構成されている。
【0045】
なお本実施形態では、図6に示すように、後述する特別遊技状態中(時短状態中及び確変状態中)の当り確率(例えば1/1.3)がそれ以外の通常遊技状態中の当り確率(例えば1/10)よりも高く設定され、また特別遊技状態中における変動時間(例えば2.7秒)が通常遊技状態中における変動時間(例えば27秒)よりも短くなるように設定されている。
【0046】
普通図柄表示制御手段95は、普通図柄処理手段94による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段51の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段51が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段93に1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段51による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段94で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段94で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
【0047】
普通利益状態発生手段96は、普通図柄処理手段94による当り判定の結果が当りとなることに基づいて普通図柄表示手段51の変動後の停止図柄が当り態様となった場合に、第2特別図柄始動手段63の開閉部78が例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化する普通利益状態を発生させるようになっている。本実施形態では、図6に示すように、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間が大となるように設定された延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、通常遊技状態中は通常開閉パターンが、特別遊技状態中は延長開閉パターンが夫々選択されるようになっている。
【0048】
特別乱数作成処理手段97は、大当り/はずれの判定に用いる大当り判定乱数、特別図柄の変動後の停止図柄等の選択に用いる図柄判定乱数、変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
【0049】
特別始動口チェック処理手段98は、第1,第2特別図柄始動手段62,63への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、第1,第2特別図柄始動手段62,63の何れかに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段97で作成された大当り判定乱数値、大当り図柄乱数値等の第1,第2特別乱数情報を取得し、その第1,第2特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として特別乱数記憶手段99に記憶させるように構成されている。
【0050】
また、特別始動口チェック処理手段98は先読み判定手段98aを備えている。この先読み判定手段98aは、第1,第2特別図柄始動手段62,63に遊技球が入賞したときに取得する第1,第2特別乱数情報について、図柄変動に供されるよりも前の所定のタイミング、例えば第1,第2特別乱数情報の取得時に、その第1,第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が第1,第2大当り判定値と一致するか否か(大当りか否か)等について先読み判定を行うようになっている。この先読み判定結果は、例えば第1,第2特別図柄始動手段62,63の何れかに遊技球が入賞することに基づいて送信される保留加算コマンドにより演出制御基板82等に伝達される。なお、先読み判定は、大当りか否かだけでなく、変動パターンの種類等を判定対象としてもよい。
【0051】
特別図柄処理手段(判定手段)100は、第1,第2特別図柄及び演出図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1,第2特別図柄表示手段53,54が変動表示可能な状態となったときに、第2特別保留個数が1以上であれば第2特別乱数情報の待ち行列から、第1特別保留個数のみが1以上であれば第1特別乱数情報の待ち行列から、その先頭の大当り判定乱数値を取り出し、その大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かに応じて大当り/はずれの判定を行うと共に、その大当り判定結果に応じて、第1,第2特別図柄の停止図柄態様、演出図柄の変動パターン等を決定するようになっている。
【0052】
第1,第2特別図柄の停止図柄態様は、大当り判定結果が大当りの場合には、例えば第1,第2特別乱数情報に含まれる大当り図柄乱数値に基づいて第1,第2大当り態様A1~A3,B1~B3(図7)の中から選択され、大当り判定結果がはずれの場合には、例えば新たに取得されたはずれ図柄乱数値に基づいて1又は複数の第1,第2はずれ態様の中から選択される。なお本実施形態では、図7に示すように、大当りの場合には選択された第1,第2大当り態様に対応して第1,第2特別利益状態及び特別遊技状態の種類(以下、大当り種別という)が決まるようになっている。即ち、大当り態様A1,B1が選択された場合の大当り種別は「10R確変」となり、大当り態様A2,B2が選択された場合の大当り種別は「10R時短」となり、大当り態様A3,B3が選択された場合の大当り種別は「2R確変(突確)」となる。
【0053】
ここで特別遊技状態は、特別利益状態の終了後に発生する遊技者に有利な遊技状態であって、本実施形態では時短状態と確変状態の2種類が設けられている。時短状態中は、例えば第1,第2特別図柄の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄が当り態様となる確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、普通図柄の変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている(図6)。時短状態は次の特別利益状態が発生するか、それまでに第1,第2特別図柄が所定回数(例えば50回)変動した時点で終了する。
【0054】
また確変状態中は、第1,第2特別図柄が第1,第2大当り態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられると共に、時短状態と同様の切り換えも併せて行われる。確変状態は次の特別利益状態が発生した時点で終了するが、第1,第2特別図柄の変動回数等の他の終了条件を付加してもよい。なお、2Rの特別利益状態の終了後に発生する確変状態はいわゆる突然確変(以下、突確という)であり、その特別利益状態の開始に係る演出図柄は例えば不揃いの特定演出態様となる。
【0055】
また演出図柄80の変動パターンには、大当り/はずれの判定結果が大当りの場合に選択される大当り変動パターンと、同じくはずれの場合に選択されるはずれ変動パターンとがある。大当り変動パターンは、図8に示すように、例えば変動時間、疑似連演出の有無及び疑似連回数、リーチ変動か否か及びリーチ変動の場合にはその種類等の違いにより複数種類設けられている。ここで、疑似連演出とは、第1,第2特別図柄が1回変動する間に演出図柄80による疑似図柄変動を複数回実行する演出で、演出図柄80が所定の疑似連図柄で停止(又は仮停止)した場合(疑似連継続演出が実行された場合の一例)に新たな疑似図柄変動が開始されるようになっており、疑似図柄変動の回数(疑似連回数)が多いほど大当り期待度が高くなるように設定される。
【0056】
例えば、図8の第1番目の変動パターンは、変動時間156s、疑似連3回のSPSPリーチ大当り変動パターン、第19番目の変動パターンは、変動時間85s、疑似連2回のSPリーチ大当り変動パターン、第42番目の変動パターンは、変動時間51.4s、疑似連なしのノーマルリーチ大当り変動パターンである。なお、SPリーチ変動パターンはノーマルリーチ演出後にSPリーチ演出に発展する変動パターン、SPSPリーチ変動パターンはSPリーチ演出後にSPSPリーチ演出に発展する変動パターンである。
【0057】
また、全ての大当り変動パターンは、大当り種別(ここでは10R確変、10R時短、2R確変(突確)の3種類)のうちの少なくとも1つが対応しており、大当り変動パターンの選択に際しては、例えば先に選択された大当り種別に対応する大当り変動パターンのみが選択対象となる。例えば大当り種別として2R確変(突確)が選択された場合には、例えば図8で2R確変(突確)の欄に○がついた大当り変動パターンのみが選択対象となる。
【0058】
また、はずれ変動パターンは、図9に示すように例えば変動時間、疑似連演出の有無及び疑似連回数、リーチ変動か否か及びリーチ変動の場合にはその種類等の違いにより複数種類設けられている。例えば、図9の第1番目の変動パターンは、変動時間134.7s、疑似連3回のSPSPリーチはずれ変動パターン、第2番目の変動パターンは、変動時間84s、疑似連3回のSPリーチはずれ変動パターンである。
【0059】
なお、図柄変動開始時の遊技状態に応じて、選択対象とする大当り変動パターン、はずれ変動パターンを異ならせてもよい。即ち、例えば確変状態用の大当り変動パターンテーブル、はずれ変動パターンテーブルと、非確変状態(時短状態及び通常遊技状態)用の大当り変動パターンテーブル、はずれ変動パターンテーブルとを別個に設けてもよい。
【0060】
また本パチンコ機には設定変更機能が搭載されており、電源投入時にホール担当者が所定の設定変更操作を行うことにより、大当り確率、即ち第1,第2特別図柄が大当り態様となる確率(乱数抽選で当選する確率)を複数段階(ここでは設定1~6の6段階)に変更可能となっている。
【0061】
特別図柄表示制御手段101は、第1,第2特別図柄表示手段53,54の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段100による特別図柄処理に基づいて、第1特別図柄表示手段53又は第2特別図柄表示手段54による第1,第2特別図柄の変動を開始させると共に、選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、選択された停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。
【0062】
特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)102は、遊技者に有利な特別利益状態(利益状態)を発生させるためのもので、特別図柄処理手段100による大当り判定の結果が大当りとなり、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が第1,第2大当り態様(所定態様)となった場合に、大入賞手段64を所定の開放パターン、例えば図7に示す10R,2Rの2種類の開放パターンの何れかに従って開放する特別利益状態を発生させるように構成されている。
【0063】
特別遊技状態発生手段103は、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、特別利益状態の終了後に、第1,第2大当り態様に対応して時短状態、確変状態の何れかの特別遊技状態(図7)を発生させるように構成されている。
【0064】
制御コマンド送信手段104は、所定の制御コマンドを演出制御基板82等に送信して制御指令を与えるためのもので、第1,第2特別保留個数が増加したときに第1,第2特別保留個数の加算を指定する保留加算コマンドを演出制御基板82側に送信する機能、特別図柄処理手段100による特別図柄処理に基づいて、第1,第2特別図柄の変動開始時に、第1,第2特別保留個数の減算を指定する保留減算コマンド、演出図柄80の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、第1,第2特別図柄の停止図柄態様を指定する特別図柄コマンドをこの順序で演出制御基板82側に送信し、第1,第2特別図柄の変動終了時に変動停止を指示する変動停止コマンドを演出制御基板82側に送信する機能、第1,第2特別保留個数が共に0の状態で第1,第2特別図柄の変動が終了する等により第1,第2特別図柄の変動待機状態となった場合に客待ちデモコマンドを送信する機能等を備えている。
【0065】
演出制御基板(演出制御手段)82は、LED等の電飾手段110、スピーカ18,25、枠側及び盤側の可動演出手段26,27,67、液晶表示手段66等の各種演出手段による演出を制御するもので、保留加算コマンド受信時処理手段111、変動パターンコマンド受信時処理手段112、遊技中演出制御手段113等を備えている。
【0066】
保留加算コマンド受信時処理手段111は、第1,第2特別保留個数が増加した場合の処理を行うもので、先読み演出抽選手段111a等を備え、主制御基板81から保留加算コマンドを受信したときに、先読み禁止等の場合を除き、先読み演出抽選手段111aにより先読み演出に関する抽選を行い、その抽選結果等に応じて、第1,第2保留表示画像X1~,Y1~を液晶表示手段66の画面上に1個追加表示する保留変化演出シナリオをセットするようになっている。
【0067】
ここで「先読み演出」とは、先読み判定手段98aによる先読み判定結果に基づく演出であって、「先読み連続演出」、「先読み保留変化演出」等がある。「先読み連続演出」は、先読み判定結果に基づいて、その先読み判定の対象となった特別乱数情報に対応する図柄変動(ターゲット変動)までの複数回の図柄変動において例えば同一態様の演出を実行するものである。例えば、先読み連続連出として「雨」、「雷」の2種類の演出態様が設けられている場合には、先読み演出抽選手段111aによりそれらの何れかに当選すると、その特別乱数情報に対応するターゲット変動までの複数回の演出図柄変動において例えば背景画像として「雨」又は「雷」の画像が使用される。
【0068】
また「先読み保留変化演出」は、先読み判定結果に基づいて、第1,第2保留表示画像X1~X4,Y1~Y4,変動中保留画像Zを所定の表示態様で表示するもので、保留変化演出シナリオはこの先読み保留変化演出の抽選結果に応じて選択される。例えば、先読み保留変化演出として「ゾウ」、「ライオン」、「キリン」の3種類の保留表示態様があり、先読み演出抽選手段111aによりそれらの何れかに当選した場合、図3に示すように、例えば新たに第1,第2保留表示画像を追加表示するとき、或いはその後の所定のタイミングで、その保留表示画像を当選した「ゾウ」等の表示態様で表示する。先読み禁止の場合や、先読み保留変化演出に当選しなかった場合には、保留表示画像は先読み保留変化演出に係る「ゾウ」、「ライオン」、「キリン」等の保留表示態様以外の表示態様、例えば「○」で表示する。
【0069】
変動パターンコマンド受信時処理手段112は、第1,第2特別図柄表示手段53,54による図柄変動を開始する場合の処理を行うもので、図柄変動内容決定手段112a等を備え、主制御基板81から保留減算コマンド、変動パターンコマンド及び特別図柄コマンドを例えば一定時間内に受信したときに、図柄変動内容決定手段112aが演出図柄80の具体的な変動内容や予告演出に関する選択を行い、それらの結果等に応じて、変動パターンシナリオ、予告演出シナリオ、保留変化演出シナリオ等をセットするようになっている。なお、この場合の保留変化演出シナリオでは、例えば変動中保留画像Zを消去し、第1,第2保留表示画像X1~,Y1~を待ち行列の前側(例えば画面右側)に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留表示画像X1,Y1を例えば所定位置まで移動させて新たな変動中保留画像Zに変化させる。
【0070】
図柄変動内容決定手段112aは、主制御基板81から受信した変動パターンコマンド等に基づいて、変動パターンの具体的演出内容を決定する。例えばノーマルリーチ演出、SPリーチ演出等がノーマルリーチ演出A~D、SPリーチ演出A~Cのように複数種類設けられている場合には、それらの何れかを抽選等により選択するとともに、演出図柄80の停止図柄態様を選択する。
【0071】
また図柄変動内容決定手段112aは、一又は複数種類の予告演出について実行するか否かの抽選を行い、実行する場合には更にその予告演出内容等についての抽選を行う。ここで予告演出とは、大当り等の所定事象の出現を示唆する演出であって、いわゆる「SU予告」、「タイマ予告」、「プレミア予告」、「疑似連演出」、「ボタン演出」等がそれにあたる。「SU予告」は、第1,第2特別図柄の変動中に、液晶表示手段66への演出図柄80の表示を含む所定の演出ステップを、大当り期待度に応じて複数段階(例えばSU1~SU5の5段階)のうちの所定段階まで実行する演出であり、一般的には演出ステップの段階が進むほど大当り期待度が高くなるように設定される。「タイマ予告」は、例えば液晶表示手段66上に所定のタイミングでタイマ画像を表示して計時(例えばカウントダウン)を行う演出であり、一般的にはその計時時間が長いほど大当り期待度が高くなるように設定される。また「プレミア予告」とは出現率が極めて低く、出現したときには例えば確変大当りが確定する演出である。
【0072】
また「疑似連演出」は、既に説明したとおり、第1,第2特別図柄が1回変動する間に演出図柄80による疑似図柄変動を複数回実行する演出で、疑似連継続演出が実行された場合(ここでは出図柄80が所定の疑似連図柄で停止(又は仮停止)した場合)に新たな疑似図柄変動が開始されるようになっており、一般的には疑似図柄変動の回数(疑似連回数)が多いほど大当り期待度が高くなるように設定される。本実施形態の場合には、主制御基板81側で変動パターンを選択する際に、疑似連演出の有無及び疑似連回数についても決められているため(図8図9)、その主制御基板81側での疑似連演出に関する決定事項に従う場合には、この図柄変動内容決定手段112aでは疑似連演出の有無及び疑似連回数については抽選を行う必要はない。なお、演出制御基板82側では、変動パターンコマンドから得られる変動パターンに関する情報のうち、変動時間さえ守れば、その他の情報、例えば疑似連演出の有無や疑似連回数については変更が可能である。従って、変動パターンコマンドから得られる疑似連演出に関する情報が例えば疑似連回数3回であっても、この図柄変動内容決定手段112aによる抽選で例えば疑似連2回+別演出等に変更することは可能である。
【0073】
また、疑似連演出を実行することが決定した場合には、図柄変動内容決定手段112aにより、各疑似図柄変動における演出態様を、予め用意された複数種類の中から抽選、その他の方法により決定する。この場合、複数回の疑似図柄変動のうち少なくとも1回の疑似図柄変動で演出態様を異ならせてもよいし、全ての疑似図柄変動で演出態様を共通としてもよい。本実施形態では、疑似図柄変動毎に、図14図15に示す5種類の演出態様の中から1つを選択する。各演出態様の詳細については後述する。
【0074】
また「ボタン演出」(操作演出)は、遊技者に演出ボタン36の操作を要求する演出で、操作有効期間中に演出ボタン(操作手段)36が操作されることに基づいて所定の操作後演出を実行することにより、所定事象(例えば特別利益状態)が発生するか否か又は発生する可能性を報知するようになっている。このボタン演出(操作手段)としては、例えば演出ボタン36が1回操作されたときに操作後演出を実行する一撃操作演出(第1操作演出、所定操作演出)、演出ボタン36が複数回連続的に押下(操作)されることに基づいて演出実行条件が成立したときに操作後演出を実行する連打操作演出(第2操作演出、特定操作演出)、演出ボタン36の操作状態が継続されることに基づいて演出実行条件が成立したときに操作後演出を実行する長押し操作演出(第2操作演出、特定操作演出)等が考えられる。
【0075】
一撃操作演出の場合には、操作有効期間中、液晶表示手段66の画面上に図10に示すような一撃操作誘導画像121が表示される。一撃操作誘導画像121は、遊技者に一撃操作演出における操作有効期間中であること、即ち演出ボタン36を一撃操作すべきことを報知するもので、操作対象である演出ボタン36を示すボタン画像120と、遊技者に要求する操作態様の種類を示す「PUSH!」、「一撃!」等の文言、その他の操作態様報知画像121aとで構成されている。操作有効期間中に遊技者が演出ボタン36を1回押下操作すると、その時点で操作有効期間は終了する。
【0076】
また連打操作演出の場合には、操作有効期間中、液晶表示手段66の画面上に図11に示すような連打操作誘導画像122が表示される。連打操作誘導画像122は、連打操作演出における操作有効期間中であること、即ち演出ボタン36を連打すべきことを遊技者に報知するもので、操作対象である演出ボタン36を示すボタン画像120と、遊技者に要求する操作態様の種類を示す「連打!」等の文言、その他の操作態様報知画像122aと、操作有効期間中における操作状況を遊技者に報知する操作状況報知画像122bとで構成されている。操作状況報知画像122bは、演出ボタン36が連打されることに基づいてメータが上昇し(図11(a))、メータが100等の所定値に達することによって演出実行条件の成立となる(図11(b))ように構成されている。演出実行条件が成立すると、その時点で操作有効期間は終了する。
【0077】
また本実施形態では、連打操作演出の操作状況報知画像122bにおけるメータ上昇制御に関しては、遊技者が演出ボタン36を所定回数(例えば1回)操作することを含む抽選実行条件が成立する毎に、メータを所定値分(例えば1目盛り(10/100))上昇させるか否かのメータ上昇抽選を実行するように構成されている。この場合、メータ上昇抽選における当選確率を、例えばはずれの場合よりも大当りの場合の方が高くなるように設定するなど、大当り信頼度等に応じて異ならせてもよい。また、1回の連打操作演出で行われる複数回のメータ上昇抽選における当選確率は一定でなくてもよい。また、メータ上昇抽選ではメータを上昇させるか否かだけでなくメータの上昇幅についても複数種類の中から選択するようにしてもよい。また、抽選実行条件に所定時間(例えば0.5s)が経過することを加えてもよい。即ち、遊技者が演出ボタン36を所定回数(例えば1回)操作し、且つ所定時間(例えば0.5s)が経過したときに抽選実行条件が成立するように構成してもよい。これにより、1回の連打操作演出におけるメータ上昇抽選の上限回数を制限できる。
【0078】
また長押し操作演出の場合には、操作有効期間中、液晶表示手段66の画面上に図12に示すような長押し操作誘導画像123が表示される。長押し操作誘導画像123は、長押し操作演出における操作有効期間中であること、即ち演出ボタン36を長押しすべきことを遊技者に報知するもので、操作対象である演出ボタン36を示すボタン画像120と、遊技者に要求する操作態様の種類示す「長押し!」等の文言、その他の操作態様報知画像123aと、操作有効期間中における操作状況を遊技者に報知する操作状況報知画像123bとで構成されている。操作状況報知画像123bは、演出ボタン36が長押しされることによってメータが上昇し(図12(a))、演出実行条件が成立したときにメータが100等の所定値に達する(図12(b))ように構成されている。なお、操作状況報知画像123bは、連打操作演出の場合の操作状況報知画像122bと共通であってもよい。演出実行条件が成立すると、その時点で操作有効期間は終了する。
【0079】
また本実施形態では、長押し操作演出の操作状況報知画像123bにおけるメータ上昇制御に関しては、遊技者による演出ボタン36の長押し状態(操作状態)が所定時間(例えば0.5s)継続することを含む抽選実行条件が成立する毎に、メータを所定値分(例えば10/100)上昇させるか否かのメータ上昇抽選を実行するように構成されている。この場合、メータ上昇抽選における当選確率を、例えばはずれの場合よりも大当りの場合の方が高くなるように設定するなど、大当り信頼度等に応じて異ならせてもよい。また、1回の長押し操作演出で行われる複数回のメータ上昇抽選における当選確率は一定でなくてもよい。また、メータ上昇抽選ではメータを上昇させるか否かだけでなくメータの上昇幅についても複数種類の中から選択するようにしてもよい。
【0080】
なお、連打操作演出や長押し操作演出の場合には、操作開始から演出実行条件成立までにある程度の時間を要するため、一撃操作演出の場合と比べて操作有効期間を長くとることが望ましい。
【0081】
また、ボタン演出における操作後演出には、成功操作後演出(第1操作後演出)と失敗操作後演出(第2操作後演出)とがあり、遊技者が演出ボタン36を操作した場合にはそれら成功操作後演出と失敗操作後演出との何れかが実行されるが、それら成功操作後演出、失敗操作後演出の実行タイミングについては操作演出の種類によって異なっている。即ち、一撃操作演出の場合、演出ボタン36が1回操作されたときに成功操作後演出と失敗操作後演出との何れかが実行されるのに対し、連打操作演出及び長押し操作演出の場合、操作有効期間中に演出実行条件が成立した場合にはその時点で成功操作後演出が実行され、演出実行条件が成立することなく操作有効期間が満了した場合にはその時点で失敗操作後演出が実行される。即ち、連打操作演出及び長押し操作演出の場合には、失敗操作後演出が操作有効期間満了前に実行されることはない。
【0082】
なお、成功操作後演出と失敗操作後演出については、少なくとも一方を2種類以上設けてもよい。本実施形態では、成功操作後演出の一例である当り操作後演出として、初めから当り演出を実行する通常当り操作後演出と、はずれ演出を実行した後に復活当り演出を実行する復活当り操作後演出とを設けている。これらの詳細については後述する。
【0083】
また、ボタン演出を実行することが決定した場合には、図柄変動内容決定手段112aにより、操作演出の種類(一撃、連打、長押し等)を抽選、その他の方法で決定する。また、成功/失敗操作後演出の何れを実行するかについては、抽選により決定してもよいし、例えば大当り/はずれの図柄変動結果に対応させてもよい。また、成功/失敗操作後演出の何れかが複数種類ある場合にはそれらの何れかを抽選、その他の方法で決定する。
【0084】
なお、一撃操作演出が選択された場合には、成功/失敗操作後演出の何れが選択された場合でも問題なく実行可能である。一方、連打/長押し操作演出の何れかが選択された場合には、遊技者の操作状況によっては、演出実行条件の成立/不成立と操作後演出の種類とが一致せず、不自然な演出となる可能性がある。そこで、連打/長押し操作演出の何れかが選択され且つ失敗操作後演出を実行する場合には、遊技者の操作状況に拘わらず、即ち遊技者がどれだけ速く連打しても、どれだけ長く長押ししても演出実行条件が成立しないように制御してもよい。また、連打/長押し操作演出の何れかが選択され且つ成功操作後演出を実行する場合には、演出実行条件が成立した場合には任意の成功操作後演出を実行し、演出実行条件が成立しなかった場合には、成功操作後演出のうち、失敗演出を実行した後に復活成功演出を実行する復活成功操作後演出を実行するようにしてもよい。
【0085】
なお、変動パターンシナリオ、予告演出シナリオ、保留変化演出シナリオ等の各種演出シナリオは、例えばそのシナリオの実行開始時からの経過時間(ms)毎の各行に、各種演出手段、即ち電飾手段101、スピーカ18,25、可動演出手段26,27,67、液晶表示手段66等による各演出内容が設定されている。この演出シナリオは、遊技中演出制御手段113により、各行に設定された演出を、行毎に設定されたタイミングで順次開始することによって実行される。
【0086】
続いて、疑似連演出とボタン演出とについて、より具体的に説明する。図13は、疑似連3回SPSPリーチ変動パターン(特定変動パターン)の概略タイムチャートで、図13(a)が大当り演出態様となる場合(特定当り変動パターン)、図13(b)がはずれ演出態様となる場合(特定はずれ変動パターン)を示している。これらの変動パターンは、疑似連回数3回の疑似連演出が行われた後、ノーマル、SP、SPSPの各リーチ演出を経て演出図柄80が大当り演出態様又ははずれ演出態様で停止するように構成されている。
【0087】
また、両変動パターンにおけるSPSPリーチ演出の終盤(図13にP2で示す)には、大当り/はずれの図柄変動結果に関するボタン演出(操作演出)が実行されるものとする。なお、両変動パターンの変動時間は、図13(b)に示すはずれ変動パターンよりも図13(a)に示す大当り変動パターンの方が長くなっているが、その変動時間の差は、SPSPリーチ終盤に実行されるボタン演出以降の演出時間の差であり、ボタン演出開始までの両変動パターンの構成は共通となっている。
【0088】
まず、図13(a),(b)に示す大当り/はずれ変動パターンにおける疑似連演出に関し、1回目の疑似図柄変動の終盤から2回目の疑似図柄変動の開始までの期間(図13にP1で示す)における演出の具体例を、図14図15を参照しつつ説明する。なお以下の説明では、演出図柄80を構成する左、右、中の各図柄列を夫々単に「左図柄」、「右図柄」、「中図柄」という。また、図14以降の図面では、演出図柄80を簡略化して数字等の図柄本体部80aのみで表示しているが、図柄本体部80aと装飾部80bとで表示してもよいことは言うまでもない。
【0089】
本実施形態の疑似連演出に関しては、個々の疑似図柄変動に関して図14図15の(a)~(e)に示す5種類の演出態様が用意されており、図柄変動の開始時に、図柄変動内容決定手段112aによりそれら5種類の何れかが抽選により選択されるようになっている。もちろん、この5種類の演出態様は一例であり、6種類以上の演出態様を設けてもよいし4種類以下でもよい。
【0090】
図14(a)に示す第1演出態様では、演出図柄80が高速変動している状態からまず左図柄がスローダウンして停止し(A1,A2)、揺れ状態となる。そして、左図柄の停止と略同時に右図柄がスローダウンして一旦リーチ状態で停止した後(A3,A4)、滑り動作を経て非リーチ状態で停止し(A5,A6)、揺れ状態となる。その後、例えば変動中の中図柄の位置に疑似連図柄(ここでは「@」)が登場し、停止するか否かの疑似連煽り(A7)を経て停止する(A8)。この疑似連図柄の停止(疑似連継続演出)によって新たな疑似図柄変動の開始(疑似連の継続)が確定する。
【0091】
疑似連図柄が停止して疑似連の継続が確定すると、次(2回目)の疑似図柄変動の開始前に、例えば繋ぎ演出(A9)と疑似回数表示(A10)とで構成されるインターバル演出を実行する。繋ぎ演出は、例えば疑似連の継続を報知する内容で、その開始時には例えば疑似連図柄が画面上からフェードアウトされる。また、疑似回数表示では、画面上に次の疑似図柄変動の回数を示す「×2」等の画像が表示される。
【0092】
インターバル演出が終了すると、2回目の疑似図柄変動を開始する(A11)。このとき、画面上には疑似連回数を示す「×2」等の表示を行うことが望ましい。
【0093】
また、図14(b)に示す第2演出態様では、演出図柄80が高速変動している状態から、まず左図柄がスローダウンして停止し(B1,B2)、揺れ状態となる。そして、左図柄の停止と略同時に右図柄がスローダウンして非リーチ状態で停止し(B3,B4)、揺れ状態となる。更に、右図柄の停止と略同時に中図柄がスローダウンして停止し(B5,B6)、揺れ状態となる。その後、所定のタイミングで疑似連図柄(ここでは「@」)が例えば画面上側から落下し、中図柄の位置で停止する(B7,B8)。この疑似連図柄の停止(疑似連継続演出)によって新たな疑似図柄変動の開始(疑似連の継続)が確定する。
【0094】
疑似連図柄が停止して疑似連の継続が確定すると、図14(a)に示す第1演出態様と同様のインターバル演出(繋ぎ演出及び疑似回数表示)を実行した後(B9,B10)、2回目の疑似図柄変動を開始する(B11)。このとき、インターバル演出の開始タイミング、2回目の疑似図柄変動の開始タイミングについては何れも図14(a)に示す第1演出態様と略一致している。
【0095】
また、図14(c)に示す第3演出態様では、演出図柄80が高速変動している状態からまず左図柄がスローダウンして停止し(C1,C2)、揺れ状態となる。そして、左図柄の停止と略同時に右図柄がスローダウンしてリーチ状態(ここでは「7・↓・7」)で停止した後(C3,C4)、揺れ状態となる。その後、左図柄及び右図柄は例えば縮小して上部に移動し、リーチアクションが行われる(C5)。即ち、中図柄が徐々に大当り演出態様を構成する図柄(ここでは「7」)に近付くように低速で変動する。そして、中図柄が停止するよりも前の所定のタイミングで、画面に疑似連図柄の登場を示唆する例えば「落ちてくるかもね」等の画像を表示する疑似連煽り(C6)が行われた後、実際に疑似連図柄(ここでは「@」)が例えば画面上側から落下し、中図柄の位置で停止する(C7,C8)。この疑似連図柄の停止(疑似連継続演出)によって新たな疑似図柄変動の開始(疑似連の継続)が確定する。
【0096】
疑似連図柄が停止して疑似連の継続が確定すると、図14(a),(b)に示す第1,第2演出態様と同様のインターバル演出(繋ぎ演出及び疑似回数表示)を実行した後(C9,C10)、2回目の疑似図柄変動を開始する(C11)。このとき、インターバル演出の開始タイミング、2回目の疑似図柄変動の開始タイミングについては何れも図14(a),(b)に示す第1,第2演出態様と略一致している。
【0097】
また、図15(d)に示す第4演出態様では、演出図柄80が高速変動している状態からまず左図柄がスローダウンして停止し(D1,D2)、揺れ状態となる。そして、左図柄の停止と略同時に右図柄がスローダウンして非リーチ状態で停止した後(D3,D4)、揺れ状態となる。その後、例えばボタン演出の一例として一撃操作演出を開始する(D5~)。即ち、まずボタン煽り演出(D5)を実行した後、演出ボタン36の操作が有効となる操作有効期間を開始する(D6)。ボタン煽り演出(D5)は、画面上に「ボタン押してみる?」等の画像を表示するなど、まもなくボタン操作が可能になることを予告的に報知することで遊技者の期待感を煽る演出である。また、操作有効期間中は、遊技者に一撃操作演出における操作有効期間中であること、即ち演出ボタン36を一撃操作すべきことを報知するための一撃操作誘導画像121が液晶表示手段66に表示される(D6)。
【0098】
操作有効期間中に演出ボタン36が押下操作されると、その時点で操作有効期間は終了し、画面上から一撃操作誘導画像121が消去されるとともに、疑似連図柄停止動作が行われ、中図柄の位置に疑似連図柄(ここでは「@」)が停止する(D7,D8)。そして、その後の所定のタイミングで、図14(a)~(c)に示す第1~第3演出態様と同様のインターバル演出(繋ぎ演出及び疑似回数表示)を実行した後(D9,D10)、2回目の疑似図柄変動を開始する(D11)。このとき、インターバル演出の開始タイミング、2回目の疑似図柄変動の開始タイミングについては何れも図14(a)~(c)に示す第1~第3演出態様と略一致している。
【0099】
また、この場合のボタン演出では、操作有効期間中のどのタイミングで演出ボタン36が操作されるかによって疑似連図柄停止動作の実行タイミングは変化するため、本実施形態では、疑似連図柄停止動作の終了後、インターバル演出(繋ぎ演出及び疑似回数表示)の開始前に、演出ボタン36が操作されるタイミングに応じた長さのループ待機演出(待機演出)を実行することにより、疑似連図柄停止動作の実行タイミングの変化分を調整するようになっている。図15(d)に示すように、操作有効期間の開始と略同時(最早)にボタン操作が行われた場合にループ待機演出の時間は最長となり、操作有効期間の満了と略同時(最遅)にボタン操作が行われた場合にループ待機演出の時間は最短(ここでは0)となる。
【0100】
なお、操作有効期間中に遊技者が演出ボタン36を操作することなく操作有効期間が満了した場合には、例えば操作有効期間の満了と略同時にボタン操作が行われた場合と同様の疑似連図柄停止動作を実行するようにしてもよいし、遊技者操作がなかった場合のための専用の疑似連図柄停止動作を実行するようにしてもよい。
【0101】
また、図15(e)に示す第5演出態様では、第1~第4演出態様に比べて通常変動中の演出(所定演出)(E1)の終了タイミングが遅いため、左図柄と右図柄とが同時にスローダウンして非リーチ状態で停止した後(E2,E3)、揺れ状態となる。その後、例えば変動中の中図柄の位置に疑似連図柄(ここでは「@」)が登場し、停止するか否かの疑似連煽り(E4)を経て停止する(E5)。この疑似連図柄の停止(疑似連継続演出)によって新たな疑似図柄変動の開始(疑似連の継続)が確定する。
【0102】
疑似連図柄が停止して疑似連の継続が確定すると、図14(a)~(c)に示す第1~第3演出態様、図15(d)に示す第4演出態様と同様のインターバル演出(繋ぎ演出及び疑似回数表示)を実行した後(E6,E7)、2回目の疑似図柄変動を開始する(E8)。このとき、インターバル演出の開始タイミング、2回目の疑似図柄変動の開始タイミングについては何れも図14(a)~(c)に示す第1~第3演出態様、図15(d)に示す第4演出態様と略一致している。
【0103】
続いて、図13(a),(b)に示す大当り/はずれ変動パターンの終盤(図13にP2で示す)に実行されるボタン演出の具体例を、図16図17を参照しつつ説明する。なお、このボタン演出に関しては、一撃操作演出(第1操作演出、所定操作演出)、連打操作演出(第2操作演出、特定操作演出)、長押し操作演出(第2操作演出、特定操作演出)の3種類が用意されており、図柄変動の開始時に、図柄変動内容決定手段112aによりそれら3種類の何れかが抽選により選択されるようになっている。ここで、連打、長押しの操作演出(第2操作演出、特定操作演出)は何れか一方のみを抽選対象としてもよい。また、このボタン演出では、大当り/はずれの図柄変動結果と成功/失敗操作後演出(第1,第2操作後演出)とが対応しており、図柄変動結果が大当りとなる場合には成功操作後演出(第1操作後演出)の一例としての当り操作後演出を実行し、図柄変動結果がはずれとなる場合には失敗操作後演出(第2操作後演出)の一例としてのはずれ操作後演出を実行するようになっている。なお、一撃操作演出が選択された場合よりも連打操作演出が選択された場合の方が大当り期待度が高い等、ボタン操作態様に応じて大当り期待度を異ならせてもよい。
【0104】
図16は、図13(a)に示す大当り変動パターン(特定当り変動パターン)の終盤(図13のP2)に実行されるボタン演出の概略タイムチャートで、図16(a)→(a1),(a2)又は(a3)が、連打又は長押し操作演出の場合を示しており、図16(b)→(b1),(b2)又は(b3)が、一撃操作演出の場合を示している。また図17は、図13(b)に示すはずれ変動パターンの終盤(図13のP2)に実行されるボタン演出の概略タイムチャートで、図17(c)→(c1)が、連打又は長押し操作演出の場合を示しており、図17(d)→(d1)又は(d2)が、一撃操作演出の場合を示している。なお、図17(d3)は、比較のため図16(b3)を転載したものである。
【0105】
まず、図16に示す大当り変動パターンにおけるボタン演出について説明する。この大当り変動パターンにおけるボタン演出として連打操作演出(又は長押し操作演出)が選択された場合には、図16(a)に示すように、例えばSPSPリーチ演出中の所定のタイミングで、「ボタン煽り演出」及び「ボタンフェードイン演出」よりなる有効期間前演出が行われた後、演出ボタン36の操作が有効となる操作有効期間が開始される。
【0106】
有効期間前演出のうち、先に実行されるボタン煽り演出(有効期間前第1演出)は、まもなくボタン操作が可能になることを予告的に報知することで遊技者の期待感を煽る演出であって、例えば液晶表示手段66の画面に「ボタン押してみる?」等の画像を表示するようになっている(A1)。なお、ボタン煽り演出を複数種類設け、そのボタン煽り演出の種類毎に大当り期待度、ボタン操作態様の出現率等を異ならせてもよい。例えば、ボタン煽り演出の文字色を青と赤の何れかとし、青文字の場合には連打操作演出である可能性が高く、赤文字の場合には一撃操作演出である可能性が高くなるように設定してもよい。
【0107】
また、ボタン煽り演出に続いて実行されるボタンフェードイン演出(有効期間前第2演出)は、操作有効期間の開始タイミングを遊技者に分かりやすく伝えるためのもので、例えば連打操作誘導画像122(又は長押し操作誘導画像123)を構成するボタン画像120を液晶表示手段66の画面上にフェードインさせるようになっている(A2)。なお、ボタン画像120だけでなく、連打操作誘導画像122(又は長押し操作誘導画像123)全体をフェードインさせるようにしてもよい。また、フェードイン演出を実行した場合でも、その後にボタン画像120が消えてボタン操作が有効にならない(操作有効期間が開始されない)場合があってもよい。
【0108】
ボタン画像120のフェードインが完了(ボタンフェードイン演出が終了)すると、そのタイミングで操作有効期間が開始されるため、遊技者はボタン画像120のフェードインの状況を見て操作有効期間の開始タイミングを計ることができ、操作有効期間を無駄なく利用することが可能である。なお、操作有効期間が開始される際には、既に表示されているボタン画像120に加えて操作態様報知画像122a(又は操作態様報知画像123a)、操作状況報知画像122b(又は操作状況報知画像123b)等が新たに表示され、連打操作誘導画像122(又は長押し操作誘導画像123)が完成する(A3)。
【0109】
なお図16(a)の例では、遊技者が演出ボタン36を連打(又は長押し)して演出実行条件を成立させるのに十分な時間を確保すべく、操作有効期間を6sに設定している。この操作有効期間中に遊技者が演出ボタン36を連打(又は長押し)し、演出実行条件が成立した場合には、その時点で、操作有効期間が終了するとともに大当りに対応する操作後演出、即ち当り操作後演出が実行され(A4~A7)、演出図柄80が大当り演出態様で停止、確定する(A8)。
【0110】
当り操作後演出は、図16(a1),(a2)に示す通常当り操作後演出と、図16(a3)に示す復活当り操作後演出とを含む複数種類の中から選択可能となっている。通常当り操作後演出は、図16(a1),(a2)に示すように、演出図柄80を大当り演出態様とする内容の「当り演出」(成功演出)(A4,A5)と、その当り演出に続いて大当り演出態様の成立を祝福する内容の「祝福演出」(成功後演出)(A6)とを備えている。なお、図16に示す当り演出では、例えば液晶表示手段66の前側で盤可動体67aが原点位置から演出位置に移動して原点位置に復帰する可動体演出が行われるようになっている(A4,A5)。
【0111】
この通常当り操作後演出は、演出実行条件が成立した時点で実行されるため、その実行タイミングは、操作有効期間中のどのタイミングで演出実行条件が成立するかによって変化する。従って本実施形態では、例えば祝福演出(成功後演出)の終了後、即ち演出図柄80が大当り演出態様で停止・確定する直前に、演出実行条件が成立するタイミングに応じた長さのループ待機演出(待機演出)(A7)を実行することにより、通常当り操作後演出の実行タイミングの変化分を調整するようになっている。ループ待機演出では、例えばその直前、即ち祝福演出の終了時の状態が継続される(A7)。
【0112】
ここで本実施形態では、演出実行条件は、操作有効期間における所定時点(ここでは3s経過時点)より前側の前半期間中は成立せず、所定時点以降の後半期間(所定時点から操作有効期間が満了するまでの特定期間)中にのみ成立可能となるように制御される。従って、図16(a1)に示すように、操作有効期間における後半期間の開始と略同時(最早)に演出実行条件が成立した場合にループ待機演出の時間は最長(ここでは後半期間(特定期間)の長さと同じ(略同じ))となり、図16(a2)に示すように、操作有効期間の満了と略同時(最遅)に演出実行条件が成立した場合にループ待機演出の時間は最短(ここでは0)となる。このように、演出実行条件の成立タイミングが操作有効期間の後半期間中となるように制御されることにより、操作後演出の演出時間の幅を小さくすることができ、ループ待機演出が必要以上に長くなることによる演出の不自然さを解消できる。なお本実施形態では、演出実行条件が成立可能な特定期間を操作有効期間の後半期間としたが、その後半期間(特定期間)の開始時点(所定時点)は操作有効期間の中間点(ここでは3s経過時)でなくてもよい。
【0113】
また復活当り操作後演出は、図16(a3)に示すように、演出図柄80をはずれ演出態様とする内容の「はずれ演出」(失敗演出)(A10)と、演出図柄80をはずれ演出態様から大当り演出態様に変化させる内容の「復活当り演出」(復活成功演出)(A11)と、その復活当り演出に続いて大当り演出態様の成立を祝福する内容の「祝福演出」(A12)とを備えている。図16(a2),(a3)より明らかなように、復活当り操作後演出におけるはずれ演出と復活当り演出との合計演出時間は、通常当り操作後演出における当り演出の演出時間と同じ(略同じ)となっている。また、復活当り操作後演出の祝福演出は通常当り操作後演出の祝福演出と共通であるが、少なくとも演出時間が略同じであればよく、演出内容は相違していてもよい。
【0114】
また復活当り操作後演出は、はずれ演出をまず実行することにより遊技者にはずれ操作後演出であると思わせるものであるから、連打操作演出(又は長押し操作演出)が選択された場合には、後述するはずれ操作後演出の場合と同様、図16(a3)に示すように演出実行条件が成立することなく操作有効期間が満了した時点で実行する必要がある。
【0115】
なお、操作有効期間中に遊技者が演出ボタン36を操作しない等により、演出実行条件が成立することなく操作有効期間が満了した場合には、操作有効期間の満了時に通常当り操作後演出と復活当り操作後演出の何れかを実行するようにしてもよいし、演出実行条件が成立しなかった場合のための専用の当り操作後演出を実行するようにしてもよい。
【0116】
続いて、大当り変動パターンにおけるボタン演出として一撃操作演出が選択された場合について説明する。この場合も、連打操作演出又は長押し操作演出が選択された場合と同様、図16(b)に示すように、例えばSPSPリーチ演出中の所定のタイミングで、ボタン煽り演出(B1)及びボタンフェードイン演出(B2)よりなる有効期間前演出が行われた後、演出ボタン36の操作が有効となる操作有効期間(B3)が開始される。
【0117】
ここで、一撃操作演出の場合には、遊技者が演出ボタン36を一回操作した時点で操作時演出が実行されるため、操作有効期間は連打操作演出(又は長押し操作演出)ほど長くする必要はなく、逆に必要以上に長くすると演出が間延びした印象になってしまうことが懸念される。そこで本実施形態では、一撃操作演出の場合の操作有効期間の長さを、連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合の6sよりも短い3sに設定している。
【0118】
ところで、このように操作演出の種類によって長さの違う操作有効期間について、例えば開始時期を同じにすると、連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合の操作有効期間の後半は一撃操作演出の場合の操作有効期間の満了後となるから、一撃操作演出の場合と連打操作演出等の場合とで操作後演出の実行タイミングが大きく相違し、それによって操作後演出の演出時間の幅が大きくなり、膨大な種類の操作後演出を用意しなければならないなどの問題がある。そこで本実施形態では、図16(a)に示す連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合と図16(b)に示す一撃操作演出の場合とで、有効期間前演出(ボタン煽り演出及びボタンフェードイン演出)の開始タイミング(T1)と、その後の操作有効期間の満了タイミング(T3)とを同じ(略同じ)にし、更に有効期間前演出の長さを異ならせることによって操作有効期間の開始時期(有効期間前演出の終了時期)(T2)を異ならせている。また有効期間前演出のうち、先に実行されるボタン煽り演出(有効期間前第1演出)については、図16(a)に示す連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合と図16(b)に示す一撃操作演出の場合とで演出時間を同じ(略同じ)にし、ボタン煽り演出に続いて実行されるボタンフェードイン演出(有効期間前第2演出)の演出時間を異ならせている。
【0119】
ボタンフェードイン演出の演出時間を異ならせる点については、例えばフェードイン速度を異ならせることで対応可能であるが、フェードイン速度だけでなく、フェードイン対象であるボタン画像120の動作も異ならせることが望ましい。例えば連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合の演出時間の短いボタンフェードイン演出では、ボタン画像120を所定位置に固定した状態でフェードインさせ(A2)、一撃操作演出の場合の演出時間の長いボタンフェードイン演出では、ボタン画像120が遠くから回転しながら近付いてくるような演出内容とすることで(B1)、演出時間の違いによる不自然さを解消できる。
【0120】
一撃操作演出の場合のボタンフェードイン演出が終了すると、そのタイミングで操作有効期間が開始される。その際、既に表示されているボタン画像120に加えて「PUSH!」等の操作態様報知画像121aが新たに表示され、一撃操作誘導画像121が完成する(B3)。
【0121】
この操作有効期間中に遊技者が演出ボタン36を押下すると、その時点で、操作有効期間が終了するとともに大当りに対応する操作後演出、即ち当り操作後演出が実行され(A4~A7)、演出図柄80が大当り演出態様で停止、確定する(A8)。
【0122】
当り操作後演出は、図16(b1),(b2)に示す通常当り操作後演出と、図16(b3)に示す復活当り操作後演出とを含む複数種類の中から選択可能となっている。通常当り操作後演出については、連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合と同様、当り演出(成功演出)(A4,A5)と、祝福演出(成功後演出)(A6)と、演出ボタン36の操作タイミングに応じた長さのループ待機演出(待機演出)(A7)とで構成されている。
【0123】
ここで本実施形態では、一撃操作演出の場合の操作有効期間が、連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合の操作有効期間のうち、演出実行条件が成立可能な後半期間(特定期間)と略一致しているため、例えば一撃操作演出の場合専用の通常当り操作後演出を設ける必要がなく、一撃操作演出の場合と連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合とで通常当り操作後演出を共通化できる利点がある。なお図16の例では、連打操作演出(又は長押し操作演出)における後半期間(特定期間)の開始タイミングと、一撃操作演出の場合の操作有効期間の開始タイミングとを一致(略一致)させたが、連打操作演出(又は長押し操作演出)における後半期間(特定期間)の開始タイミングは、一撃操作演出の場合の操作有効期間の開始タイミングより後でもよいし、前でもよい。
【0124】
一方、復活当り操作後演出については、一撃操作演出の場合(図16(b3))は連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合(図16(a3))とは若干異なっている。即ち、連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合の復活当り操作後演出は、図16(a3)に示すように、演出実行条件が成立することなく操作有効期間が満了した時点で実行する必要があるのに対し、一撃操作演出の場合の復活当り操作後演出は、図16(b3)に示すように、後述するはずれ操作後演出の場合と同様、操作有効期間中に演出ボタン36が操作された時点で実行することが可能である。即ち、一撃操作演出の場合の復活当り操作後演出の実行タイミングは、操作有効期間中のどのタイミングで演出ボタン36が操作されるかによって変化する。
【0125】
従って、本実施形態の復活当り操作後演出では、演出ボタン36が操作されるタイミングに応じた長さのループ待機演出(待機演出)(B4)を実行することにより、復活当り操作後演出の実行タイミングの変化分を調整するようになっている。なお、そのループ待機演出(B4)は、復活当り操作後演出中のどのタイミングで実行してもよいが、はずれ演出の直後、即ち復活当り演出の直前に実行することが望ましい。この場合、操作有効期間の満了と同時(最遅)に演出ボタン36が操作された場合にループ待機演出の時間が0になるようにすると、操作有効期間の開始と略同時(最早)に演出ボタン36が操作された場合のループ待機演出の時間は操作有効期間の長さ(3s)と一致する。ループ待機演出では、例えばその直前、即ちはずれ演出の終了時の状態が継続される。
【0126】
なお、操作有効期間中に遊技者が演出ボタン36を操作することなく操作有効期間が満了した場合には、操作有効期間の満了時に通常当り操作後演出と復活当り操作後演出の何れかを実行するようにしてもよいし、演出ボタン36が操作されなかった場合のための専用の当り操作後演出を実行するようにしてもよい。
【0127】
続いて、図17に示すはずれ変動パターン(特定はずれ変動パターン)におけるボタン演出について説明する。まず、このはずれ変動パターンにおけるボタン演出として連打操作演出(又は長押し操作演出)が選択された場合には、図17(c)に示すように、例えばSPSPリーチ演出中の所定のタイミングで、「ボタン煽り演出」及び「ボタンフェードイン演出」よりなる有効期間前演出が行われた後、演出ボタン36の操作が有効となる操作有効期間が開始される。なお、この有効期間前演出と操作有効期間については、既に説明した大当り変動パターンの場合(図16(a))と共通であるため、ここでは説明を省略する。
【0128】
操作有効期間中に演出実行条件が成立することなく操作有効期間が満了した場合には、その時点ではずれに対応する操作後演出、即ちはずれ操作後演出が実行され(C1~C3)、演出図柄80がはずれ演出態様で停止、確定する(C4)。なお、はずれ操作後演出は失敗操作後演出であるため、操作有効期間中に演出実行条件が成立した場合には実行することはできない。従って、はずれ変動パターンで連打操作演出又は長押し操作演出が選択された場合には、操作有効期間中における遊技者の操作状況に拘わらず、即ち遊技者がどれだけ速く連打しても(又はどれだけ長く長押ししても)演出実行条件が成立しないように制御することが望ましい。具体的には、本実施形態の連打操作演出では、上述したように遊技者が演出ボタン36を所定回数(例えば1回)操作することを含む抽選実行条件が成立する毎に、メータを所定値分(例えば1目盛り(10/100))上昇させるか否かのメータ上昇抽選を実行するように構成されているから、はずれ変動パターンに対して連打操作演出が選択された場合には、複数回のメータ上昇抽選の少なくとも一部、例えばメータが所定閾値(<100)に達した後のメータ上昇抽選における当選確率を0%又はそれに近い値に設定すればよい。長押し操作演出の場合も同様である。
【0129】
はずれ操作後演出は、図17(c1)に示すように、演出図柄80をはずれ演出態様とする内容の「はずれ演出」(失敗演出)(C1)と、背景をリーチ背景から通常背景へと復帰させる「背景復帰演出」(C2)と、演出図柄80がはずれ演出態様で揺れ状態となる「図柄揺れ演出」(C3)とを備えている。
【0130】
続いて、はずれ変動パターンにおけるボタン演出として一撃操作演出が選択された場合について説明する。なおこの場合も、有効期間前演出と操作有効期間については、既に説明した大当り変動パターンの場合(図16(b))と共通であるため、ここでは説明を省略する。
【0131】
操作有効期間中に遊技者が演出ボタン36を押下した場合には、その時点で、操作有効期間が終了するとともにはずれに対応する操作後演出、即ちはずれ操作後演出が実行され(C1~C3)、演出図柄80がはずれ演出態様で停止、確定する(C4)。
【0132】
このはずれ操作後演出は、演出ボタン36が操作された時点で実行されるため、その実行タイミングは、操作有効期間中のどのタイミングで演出ボタン36が操作されるかによって変化する。従って本実施形態では、その実行タイミングの変化分を調整するため、演出ボタン36が操作されるタイミングに応じた長さのループ待機演出(待機演出)を実行するようになっている。この場合、操作有効期間の満了と同時(最遅)に演出ボタン36が操作された場合にループ待機演出の時間が0になるようにすると、操作有効期間の開始と略同時(最早)に演出ボタン36が操作された場合のループ待機演出の時間は操作有効期間の長さ(3s)と一致する。
【0133】
このループ待機演出は、図17(d3)に示す復活当り操作後演出の場合と同様、はずれ演出の直後に実行することが望ましい。これにより、そのループ待機演出を復活当りとなるか否かのタメ期間として利用することができ、興趣がより向上する利点がある。
【0134】
例えば操作有効期間の満了と同時(最遅)に演出ボタン36が操作された場合にループ待機演出の時間が0になるようにすると(図17(d2))、操作有効期間の開始と略同時(最早)に演出ボタン36が操作された場合(図17(d1))のループ待機演出の時間は操作有効期間の長さ(3s)と一致する。ループ待機演出では、例えばその直前、即ちはずれ演出の終了時の状態が継続される。
【0135】
なお、操作有効期間中に遊技者が演出ボタン36を操作することなく操作有効期間が満了した場合には、操作有効期間の満了時にはずれ操作後演出を実行するようにしてもよい。
【0136】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、特定変動パターンによる図柄変動中に行われるボタン演出(特定演出)に関し、操作有効期間中に演出ボタン(操作手段)36が操作されることに基づいて操作後演出を実行するように構成されており、その操作演出には、演出ボタン36が1回操作されたときに操作後演出を実行する一撃操作演出(第1操作演出)と、演出ボタン36による操作が複数回連続的に行われることに基づく演出実行条件が成立したときに操作後演出を実行する連打操作演出(第2操作演出)と、演出ボタン36による操作が複数回連続的に行われることに基づく演出実行条件が成立したときに操作後演出を実行する長押し操作演出(第2操作演出)とがあり、それら複数種類の操作演出の何れかが選択されるようになっており、一撃操作演出(第1操作演出)が選択された場合と連打/長押し操作演出(第2操作演出)が選択された場合とで、演出ボタン36の開始時期を略同じにし、操作有効期間の開始時期を異ならせ、操作有効期間の満了時期を略同じにしている。
【0137】
また、ボタン演出の開始時にボタン煽り演出(有効期間前第1演出)を実行し、このボタン煽り演出に続いて操作有効期間の開始までボタンフェードイン演出(有効期間前第2演出)を実行するように構成し、一撃操作演出(第1操作演出)が選択された場合と連打/長押し操作演出(第2操作演出)が選択された場合とで、ボタン煽り演出(有効期間前第1演出)の演出時間を略同じにし、ボタンフェードイン演出(有効期間前第2演出)の演出時間を異ならせている。
【0138】
また、操作後演出には、当り操作後演出(第1操作後演出)とはずれ操作後演出(第2操作後演出)とがあり、一撃操作演出(第1操作演出)が選択された場合には、演出ボタン36が1回操作された時点で当り操作後演出とはずれ操作後演出との何れかを実行し、連打/長押し操作演出(第2操作演出)が選択された場合には、演出実行条件が成立した時点で当り操作後演出を、演出実行条件が成立することなく操作有効期間が満了した時点ではずれ操作後演出を実行するようになっている。
【0139】
また、連打/長押し操作演出(特定操作演出)の操作有効期間中における演出実行条件の成立タイミングが、操作有効期間における前半期間と後半期間とのうちの後半期間中となるように操作有効期間中の演出を進行させるように構成されている。また、連打/長押し操作演出(特定操作演出)が選択された場合は一撃操作演出(所定操作演出)が選択された場合に比べて操作有効期間の開始時期を早くし、操作有効期間の満了時期を略同じとしている。そして、後半期間の開始タイミングを、一撃操作演出(所定操作演出)が選択された場合の操作有効期間の開始タイミングと略同じに設定している。
【0140】
また、演出ボタン36が操作されたとき、当り変動パターンの場合には当り操作後演出を、はずれ変動パターンの場合にははずれ操作後演出を実行するように構成し、当り操作後演出に含まれる復活当り操作後演出では、はずれ演出後に復活当り演出と祝福演出とを実行し、はずれ操作後演出では、はずれ演出を実行した後に背景復帰(はずれ後演出)を実行し、復活当り操作後演出の場合にははずれ演出と復活当り演出との間に、はずれ操作後演出の場合にははずれ演出と背景復帰(はずれ後演出)との間に、演出ボタン36の操作タイミングに応じた長さの待機演出を実行するようになっている。
【0141】
また、当り操作後演出では、当り演出を実行した後に祝福演出を実行し、当り演出の長さと、はずれ演出及び復活当り演出の合計長さとを略同じにしている。また、操作後演出の開始タイミングが最も遅い場合の待機演出の長さを0としている。また、操作後演出の開始タイミングが最も早い場合の待機演出の長さを、操作有効期間の長さと略同じにしている。更に、復活当り操作後演出における復活当り演出の開始タイミングと、はずれ操作後演出における背景復帰(はずれ後演出)の開始タイミングとを略同じにしている。
【0142】
また疑似連演出に関し、疑似連継続演出の後、次の疑似図柄変動の開始前にインターバル演出を実行し、疑似連継続演出の種類に拘わらず、インターバル演出の開始タイミングと、次の疑似図柄変動の開始タイミングとを略同じにしている。
【0143】
また、操作有効期間中に演出ボタン(操作手段)36が操作されることに基づいて疑似連継続演出を実行するように構成し、疑似連継続演出の実行タイミングに拘わらず、インターバル演出の開始タイミングと、次の疑似図柄変動の開始タイミングとを略同じにしている。また、疑似連継続演出とインターバル演出との間に、疑似連継続演出の実行タイミングに応じた長さの待機演出を実行するようになっている。
【0144】
また、疑似連継続演出の前に所定演出が実行されるか否か又はその所定演出の種別に応じて疑似連継続演出を異ならせ、疑似連継続演出に拘わらず、インターバル演出の開始タイミングと、次の疑似図柄変動の開始タイミングとを略同じにしている。
【0145】
図18は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、ボタン演出として連打操作演出又は長押し操作演出(第2操作演出、特定操作演出)が選択された場合の操作有効期間における特定期間(演出実行条件が成立可能な期間)の長さと、一撃操作演出(第1操作演出、所定操作演出)が選択された場合の操作有効期間の長さとが異なる場合の例を示している。
【0146】
図18(a),(b)の例では、連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合の操作有効期間(6s)のうち、2s経過時から操作有効期間満了までの4sを特定期間(後半期間)としている。また、一撃操作演出の場合の操作有効期間は3sに設定している。
【0147】
そして、図18(a)の例では、第1の実施形態と同様、連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合と一撃操作演出の場合とで、操作有効期間の満了タイミングを略一致させているのに対し、図18(b)の例では、一撃操作演出の場合の操作有効期間の開始タイミングを、連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合の操作有効期間における特定期間(後半期間)の開始タイミングと略一致させている。
【0148】
このように、ボタン演出として連打操作演出又は長押し操作演出が選択された場合の操作有効期間における特定期間の長さと、一撃操作演出が選択された場合の操作有効期間の長さとが異なる場合、連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合と一撃操作演出の場合とで操作有効期間の満了タイミングを一致させてもよいし、一撃操作演出の場合の操作有効期間の開始タイミングを、連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合の操作有効期間における特定期間の開始タイミングと一致させてもよい。またそれらのどちらでもなく、連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合の操作有効期間における特定期間の開始後に一撃操作演出の場合の操作有効期間を開始し、連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合の操作有効期間における特定期間の終了前に一撃操作演出の場合の操作有効期間を終了するようにしてもよい。
【0149】
また図18では、連打操作演出又は長押し操作演出の場合の操作有効期間における特定期間が、一撃操作演出の場合の操作有効期間よりも長い場合を例示したが、連打操作演出又は長押し操作演出の場合の操作有効期間における特定期間が、一撃操作演出の場合の操作有効期間よりも短い場合についても同様である。即ち、連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合と一撃操作演出の場合とで操作有効期間の満了タイミングを一致させてもよいし、一撃操作演出の場合の操作有効期間の開始タイミングを、連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合の操作有効期間における特定期間の開始タイミングと一致させてもよい。またそれらのどちらでもなく、一撃操作演出の場合の操作有効期間の開始後に連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合の操作有効期間における特定期間を開始し、一撃操作演出の場合の操作有効期間の終了前に連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合の操作有効期間における特定期間を終了するようにしてもよい。
【0150】
図19は本発明の第3の実施形態を例示し、ボタン演出として連打操作演出又は長押し操作演出(第2操作演出、特定操作演出)が選択された場合と一撃操作演出(第1操作演出、所定操作演出)が選択された場合とで操作有効期間の開始タイミングを異ならせた場合の、有効期間前演出の変更例を示している。
【0151】
図19(a)では、連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合と一撃操作演出の場合とで有効期間前演出の開始タイミングを同じにし、また有効期間前演出を構成するボタン煽り演出とボタンフェードイン演出とのうち、ボタンフェードイン演出を共通化し且つボタン煽り演出の演出時間を異ならせている。なお、このように連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合と一撃操作演出の場合とで有効期間前演出の開始タイミングを同じにする場合、有効期間前演出を構成するボタン煽り演出とボタンフェードイン演出との両方の演出時間を連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合と一撃操作演出の場合とで異ならせてもよい。
【0152】
また図19(b)では、連打操作演出(又は長押し操作演出)の場合と一撃操作演出の場合とで、有効期間前演出を構成するボタン煽り演出とボタンフェードイン演出とを共に共通にし、有効期間前演出の開始タイミングを異ならせている。
【0153】
なお本実施形態の構成は、第1,第2の実施形態で示したような、連打操作演出又は長押し操作演出(第2操作演出、特定操作演出)の場合と一撃操作演出(第1操作演出、所定操作演出)の場合とで操作有効期間の開始タイミングを異ならせた場合であれば全て適用可能である。
【0154】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、ボタン演出において、連打操作演出の場合と長押し操作演出の場合とで操作有効期間の長さを異ならせてもよい。この場合も、それら両操作演出の場合で操作有効期間の満了タイミングを一致させることが望ましい。また、それら両操作演出の間で特定期間の長さが異なる場合には、特定期間の開始タイミングを一致させ、操作有効期間の満了タイミングは異ならせてもよい。
【0155】
図16図17に示すボタン演出の場合に、各操作後演出間で、例えば当り演出、祝福演出、はずれ演出、復活当り演出等を共通にしたが、それらは少なくとも演出時間が同じであればよく、演出内容は異ならせてもよい。
【0156】
実施形態では、ボタン演出における有効期間前演出をボタン煽り演出とボタンフェードイン演出とで構成した例を示したが、これに限られるものではなく、例えばボタン煽り演出を省略してボタンフェードイン演出のみで構成してもよいし、例えばボタン画像120を用いたボタン煽り演出を実行し、ボタンフェードイン演出を省略してもよい。また、ボタンフェードイン演出に代えて、ボタン画像120がフェードイン以外の方法で出現するボタン出現演出を実行してもよい。
【0157】
実施形態では、ボタン演出における操作後演出において、操作有効期間中における演出ボタン36が操作されるタイミングに応じた長さのループ待機演出(待機演出)を実行する場合に、演出ボタン36の操作タイミングが最遅の場合にループ待機演出の演出時間が0となるように構成したが(例えば図16(a2),(b2),(d2))、演出ボタン36の操作タイミングが最遅の場合でもループ待機演出の演出時間が0よりも大となるようにしてもよい。この場合、操作後演出の開始タイミングが最も早い場合のループ待機演出の長さは、操作有効期間の長さ(連打又は長押し操作演出の場合には特定期間の長さ)よりも長くなる。
【0158】
実施形態では、操作演出の一例として、遊技者に演出ボタン36の押下操作を要求するボタン演出を採用した例を示したが、操作演出における遊技者の操作対象は押しボタン式のものに限られるものではなく、レバー式、回転ボール式、タッチ式等、どのようなものでもよい。
【0159】
実施形態では、連打操作演出(第2操作演出)の操作有効期間中に行われる演出実行条件が成立するか否かに関する演出について、遊技者が演出ボタン36を所定回数(例えば1回)操作することを含む抽選実行条件が成立する毎に、操作状況報知画像122bのメータを所定値分(例えば1目盛り(10/100))上昇させるか否かのメータ上昇抽選を実行するように構成した例を示したが、これに限られるものではなく、例えば演出ボタン36の連打回数に対するメータの上昇率が設定されたメータ上昇パターンを、図柄変動開始時等の所定時点で抽選により決定するようにしてもよい。この場合のメータ上昇パターンは、メータの上昇率が一定となるように設定してもよいし連打の進行に応じて変化するように設定してもよい。またこのとき、図17(c)のようにはずれ変動パターンで連打操作演出が選択されたような場合には、演出実行条件の成立が不可能となるように設定されたメータ上昇パターン(例えばメータが所定閾値(<100)に達した後の上昇率を0とする)を強制的に選択するようにしてもよい。長押し操作演出の場合も同様であり、例えば演出ボタン36の長押し時間に対するメータの上昇率が設定されたメータ上昇パターンを、図柄変動開始時等の所定時点で抽選により決定するようにしてもよい。
【0160】
実施形態で示した疑似連演出では、図14図15に示す複数種類の演出態様で、1回目の疑似図柄変動と2回目の疑似図柄変動との間に実行されるインターバル演出の開始タイミングと、2回目の疑似図柄変動の開始タイミングとを共に同じにし、それによってインターバル演出の演出時間を共通としたが、インターバル演出の内容、即ち繋ぎ演出と疑似回数表示との少なくとも一方の演出内容については、各演出態様の少なくとも1種類において他の演出態様と異ならせてもよい。
【0161】
図14図15に示すような複数種類の演出態様の何れかと他の演出態様との間で、疑似連継続演出の後のインターバル演出の開始タイミングと、次の疑似図柄変動の開始タイミングとの何れか一方を異ならせてもよい。この場合、インターバル演出を構成する複数の演出のうちの何れか(例えば繋ぎ演出)の演出時間を異ならせ、その他の演出(例えば疑似回数表示)の演出時間は同じにしてもよい。
【0162】
図14図15は、1回目の疑似図柄変動の終盤から2回目の疑似図柄変動の開始までの演出態様として例示したが、例えば2回目の疑似図柄変動の終盤から3回目の疑似図柄変動の開始までの演出態様についても同様に適用可能である。
【0163】
図15(d)では、ボタン演出として一撃操作演出を実行する例を示したが、連打操作演出、長押し操作演出を実行可能としてもよい。連打/長押し操作演出の場合には、ループ待機演出の長さを、演出実行条件が成立するタイミングに応じて決定すればよい。
【0164】
図15(e)では、図柄変動中の演出(所定演出)の種類が他の演出態様(図15(d)等)と異なることによって疑似連継続演出が異なる場合でもインターバル演出の開始タイミングと次の疑似図柄変動の開始タイミングとを略同じにした例を示したが、図柄変動中の所定演出を実行する場合としない場合とで疑似連継続演出が異なる場合でもインターバル演出の開始タイミングと次の疑似図柄変動の開始タイミングとの少なくとも一方を略同じにしてもよい。
【0165】
主制御基板81からの変動パターンコマンドにより図13に示す変動パターンとは異なる疑似連変動パターンが指定された場合、例えばNリーチ中に疑似連図柄が停止して疑似連に発展するなど、図13の変動パターンとは異なるタイミングでインターバル演出を実行するようにしてもよい。このように、疑似連変動パターン毎にインターバル演出の実行タイミングを異ならせてもよい。
【0166】
実施形態では、疑似連継続演出として、疑似連図柄「@」が画面上に停止する演出を例示したが、これに限られるものではなく、例えば演出図柄80が予め定められた疑似連態様で停止する演出を疑似連継続演出としてもよい。この疑似連態様としては、リーチ図柄以外の例えば「1・1・2」、「4・4・5」等のズレ目や、「1・2・3」、「5・6・7」等の順目等とすることが考えられる。
【0167】
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。
【符号の説明】
【0168】
53 第1特別図柄表示手段(図柄表示手段)
54 第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)
100 特別図柄処理手段(判定手段)
102 特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19