(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】輸送機関のサービスカート用電源
(51)【国際特許分類】
B64D 11/04 20060101AFI20220719BHJP
H02N 11/00 20060101ALI20220719BHJP
H01L 35/32 20060101ALI20220719BHJP
【FI】
B64D11/04
H02N11/00 A
H01L35/32 Z
(21)【出願番号】P 2019551264
(86)(22)【出願日】2018-03-12
(86)【国際出願番号】 US2018022073
(87)【国際公開番号】W WO2018169890
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2021-03-11
(32)【優先日】2017-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516298445
【氏名又は名称】サフラン パッセンジャー イノベーションズ, エルエルシー
【住所又は居所原語表記】2929 East Imperial Highway, Suite 170, Brea, California 92821(US)
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ペレス、ビクトル アリノ
【審査官】金田 直之
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-532084(JP,A)
【文献】特開平05-215455(JP,A)
【文献】米国特許第07444830(US,B2)
【文献】特表2010-510121(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 11/00-11/06
A47B 31/00-31/06
H02N 11/00
H01L 35/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスカートであって、
内部空間内に配置される水またはCO
2
からなる氷によって周囲環境の温度よりも5°C
~20°C低い温度の
前記内部空間と、
第1の基板および第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置されたn型およびp型ドープ半導体物質の2つ以上の素子と、を含む熱電デバイスであって、前記熱電デバイスが低温側の前記内部空間および
高温側の前記周囲環境
の両方と熱的に連通する
ように、前記第1の基板は前記高温側の周囲環境に曝され、前記第2の基板は前記低温側の内部空間に結合されている、前記熱電デバイスと、
前記熱電デバイスに電気的に接続された電子デバイス
であって、POSデバイス、RFIDリーダー、磁気ストリップリーダー、および無線トランシーバーからなる群から選択される前記電子デバイスと、を備え、
前記熱電デバイスは、
動作中に、前記電子デバイスに電力を供給するために使用される電流を生成
し、
前記高温側の周囲環境から前記低温側の内部空間へ熱を伝達させることにより、前記内部空間の低温側の温度と前記周囲環境の高温側の温度との間の温度勾配からゼーベック効果を利用して前記電流が生成される、サービスカート。
【請求項2】
前記熱電デバイスおよび前記電子デバイスと電気的に接続
するエネルギーストレージデバイスをさらに備え、
前記エネルギーストレージデバイスは、
前記電子デバイス
に電力供給する際に使用するために前記熱電デバイスによって生成された電流の少なくとも一部分を蓄積するように構成される
、請求項1に記載のサービスカート。
【請求項3】
前記エネルギーストレージデバイスは
、バッテリー、コンデンサー、およびスーパーコンデンサーからなる群から選択される、請求項2に記載のサービスカート。
【請求項4】
前記内部空間は、水氷またはCO
2氷
を収容する断熱空間を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のサービスカート。
【請求項5】
サービスカートに電力を供給する方法であって、
前記サービスカートの内部
貯蔵空間および周囲環境と熱的に連通する熱電デバイスを提供することであって、前記内部
貯蔵空間の温度は、前記周囲環境の温度よりも5°C
~20°C低く、
前記内部貯蔵空間は、水またはCO
2
からなる氷を受容するように構成されており、前記サービスカートは、複数のサービス製品を保管するように構成された第2の室を含み、前記熱電デバイスは、第1の基板および第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置されたn型およびp型ドープ半導体物質の2つ以上の素子と、を含み、前記第1の基板は高温側の前記周囲環境に曝され、前記第2の基板は低温側の前記内部貯蔵空間に結合されている、前記熱電デバイスを提供すること、
前記
高温側の周囲環境から前記
低温側の内部
貯蔵空間へ熱を伝達させることにより前記内部
貯蔵空間
の周囲以下の温度と前記周囲環境
の高温側の温度との間の温度勾配を前記熱電デバイスに対して利用することによって、電流を生成して電子デバイスに電力を供給すること、
前記熱電デバイスおよび前記電子デバイスに電気的に接続されたエネルギーストレージデバイスを提供すること、
前記電子デバイスに電力供給する際に使用するために前記熱電デバイスによって生成された電流の少なくとも一部を前記エネルギーストレージデバイスに蓄積すること、を備え
る、方法。
【請求項6】
前記エネルギーストレージデバイスは
、バッテリー、コンデンサー、およびスーパーコンデンサーからなる群から選択される、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記内部
貯蔵空間は、水氷またはCO
2氷
を収容する断熱空間を含む、請求項
5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記電子デバイスは、POSデバイス、RFIDリーダー、磁気ストリップリーダー、近距離トランシーバー、RFトランシーバー、WiFiトランシーバー、および
無線トランシーバーからなる群から選択される、請求項
5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、フードおよび飲料の輸送および給仕に使用するサービストロリーおよびカートであり、特に旅客機または他の輸送機関で使用するそのようなサービスカートである。
【背景技術】
【0002】
背景技術の説明は、本発明を理解するのに有用であり得る情報を含む。本明細書において提供された情報のいずれかが先行技術であるかもしくは現在特許請求されている発明に関連すること、または具体的にもしくは暗黙的に参照される任意の刊行物が先行技術であることを容認するものではない。
【0003】
O’SullivanおよびSheddenによる特許文献1に記載されているように、民間旅客機が統合情報システムを組み込むことがますます一般的になってきている。このようなシステムは典型的には、ギャレー(galley)を含むさまざまな航空機システムからデータを収集して航空機システムを調整するのに役立つサーバを含む。このようなシステムは、効率の向上と運用の合理化に役立つが、航空機内の複数の要素(特にモバイル要素)からのデータ収集は、重量及び容積の両方を最小化するように一般的に設計されたアイテムからのデータ収集及びデータ送信に必要な電力及びスペース要求のために、困難なことがある。
【0004】
本明細書における全ての刊行物は、あたかもそれぞれの個々の刊行物または特許出願が具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示されるのと同程度に、参照により組み込まれる。組み込まれた参照文献における用語の定義または使用が本明細書中で提供されるその用語の定義に矛盾するかまたは反する場合、本明細書において提供されるその用語の定義が適用され、参照文献におけるその用語の定義は適用されない。
【0005】
民間旅客機では、トロリーまたはカートが、ギャレーエリアから複数の個別の乗客にフードおよび飲料を運ぶために、頻繁に使用される。このようなサービスカートは、必要とされる大電力供給源がこのような装置の重量及び容積を最小化する要望に適合しないので、典型的には、低温を維持するために機械的又は電子的な冷蔵に頼っていない。むしろ、航空機のフードおよび飲料のサービストロリーは、典型的には、低い内部温度を維持するために断熱材と組み合わせて水および/またはCO2氷を利用する。このようなトロリーの一例は、MoranおよびRoodによる特許文献2に見られる。しかしながら、従来の貯蔵電力の供給源がない場合、このようなトロリーは、相当な重量及び容積を付加することなく、航空機の情報システムと共に使用するのに適した電子機器の組み込みには適していない。
【0006】
従って、フード及び飲料のサービストロリー及びカート内の電子デバイスと共に使用するのに適した軽量でコンパクトな電力の供給源を提供する必要性が依然として存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】オーストリア国特許発明第2014201741号明細書
【文献】米国特許第7444830号明細書
【発明の概要】
【0008】
本発明の主題は、断熱されたフードおよび飲料のサービスカートまたはトロリーの(典型的には、水および/またはCO2氷の相変化によって少なくとも部分的に冷却される)内部と、比較的暖かい周囲環境との間の温度差を利用して電力を生成する熱電デバイスが提供される装置、システムおよび方法を提供する。生成された電力は、その後、電子機器に電力を供給するように使用されるか、または、電子機器に電力を供給するように使用される軽量ストレージデバイス(例えば、スーパーキャパシタ)を充電するように使用され得る。本発明の概念の好ましい実施形態では、熱電デバイスは、温度差に応答して電流を生成するためにペルチェ-ゼーベック効果を利用するペルチェデバイスである。
【0009】
以下の説明はカートまたはトロリーに焦点を当てているが、本明細書で説明する本発明の主題は、同様の特性または機能を有し、例えば、ペルチェデバイスを使用してエネルギーハーベスティングを可能にする装置で使用されることが想到される。さらに、以下の説明は航空機に焦点を当てているが、本発明の主題は、バス、列車、ボート、および他の輸送機関、ならびに、売店としての役割を果たす自立構造または他の場所で利用されることが想到される。
【0010】
本発明の主題の様々な目的、特徴、態様および利点は、同様の参照番号が同様の構成要素を表す添付の図面とともに、以下の好適な実施形態の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】熱電デバイスのペルチェ素子の一実施形態を示す。
【
図2】複数のペルチェ素子の熱電デバイスの一実施形態を示す。
【
図3A】本発明の概念のフードおよび飲料のカートの一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明は、本発明の主題の多くの例示的な実施形態を提供する。それぞれの実施形態は、本発明の要素の単一の組み合わせを表すが、本発明の主題は、開示された要素の可能な全ての組み合わせを含むと見なされる。したがって、一実施形態が要素A、要素Bおよび要素Cを含み、第2の実施形態が要素Bおよび要素Dを含む場合、本発明の主題はまた、明示的に開示されていなくても、A、B、CまたはDの他の残りの組み合わせを含むと見なされる。
【0013】
開示された技術は、その主要な機能および特徴を損なうことなく、フードおよび飲料のサービスカートまたはトロリーにコンパクトで軽量な電力の供給源を提供することを含む多くの有利な技術的効果を提供することを理解すべきである。
【0014】
本発明の概念の好ましい実施形態では、熱電(thermoelectric (TE))デバイス100は、
図1に示されるようなペルチェ-ゼーベック効果(Peltier-Seebeck effect)を利用して電力を生成するペルチェ素子101を含む。ペルチェ素子101は、それぞれ、電気的に直列に、熱的に並列に接続されたn型およびp型ドープ半導体物質の二つ以上の素子120,122を含む。これらの熱電素子120,122及びそれらの電気的相互接続部は、典型的には、デバイス100の構造体として作用し、素子120,122を互いに及び外部実装面から電気的に絶縁する二つのセラミック基板の間に実装される。
【0015】
本発明の概念の実施形態では、このようなデバイス100の低温側102は、
図3に示すような、フードおよび飲料のサービスカートの断熱内部空間の内部と熱的に連通して配置され、熱源面104は、周囲環境と熱的に連通している。このような組み合わせで使用される場合、デバイス100は小型ヒートポンプとして作用し、熱をデバイス100の一方の側から他方の側へ移動させる。
【0016】
複数のペルチェ素子201A、201B、...、201Nは、効率及び/又は発電能力を改善するために、
図2に示すように、単一の熱電デバイス200内に組み立てることができる。
図1の素子と同様に、複数のペルチェ素子201A、201B、...、201Nは、このようなデバイス200の低温側がフードおよび飲料のサービスカートの断熱された内部空間の内部と熱的に連通して配置され、温熱側が周囲環境と熱的に連通して配置されるように構成され得る。
【0017】
素子201A、201B、...、201Nの各々は、それぞれ、相互接続部224によって電気的に接続されたn型およびp型ドープ半導体物質220,222の二つ以上の素子を含む。素子201A、201B、...、201Nは、二つのセラミック基板202、204の間に実装され、基板202が「高温」側に面し、基板204が「低温」側に面している。
【0018】
デバイス200は、例えば、デバイス200によって生成された電流がバッテリーまたは他のストレージデバイスに送られる電気的接続部210を含み得る。
図3A~3Bは、本発明の概念のフードおよび飲料のサービスカート300の一例を示す。図示のように、フードおよび飲料のカート300は、冷蔵室302を含み、いくつかの実施形態では、ドライアイスを収容し、CO
2氷の昇華によりカート300の内部を冷却することができる。
図2に示すような1つ以上のペルチェ素子を組み込む熱電デバイス310によって使用される低温室302と周囲環境との間の大きな温度差によって、電気エネルギーの軽量供給源が有利に提供される。
【0019】
低温室302は、カート300の断熱された内部空間であることが好ましく、周囲環境よりも少なくとも5℃低い温度に維持される。そのような空間は、トロリー/カート300のキャビネットまたは室であり得る。他の実施形態では、断熱された内部空間は、トロリー/カート300によって支持される別個の取り外し可能な筐体とすることができる。低下した温度は、水またはCO2氷などの低温物質を冷蔵室302内に含めることによって提供され得る。低温室302内のそのような水またはCO2氷の融解および/または昇華は、低下した温度を維持する。あるいは、トロリー/カート300が航空機内の所定の位置に固定されている間、または遠隔地から航空機に移動する前に、トロリー/カート300またはその一部分を冷却することにより、温度を低下させることができる。いくつかの実施形態では、冷蔵室302は、そのような冷却の効果を向上させるために、蓄熱器(例えば、相変化物質)として機能する構成要素を含み得る。
【0020】
熱電デバイス310は、低温室302と周囲環境との両方と熱的に連通していることが好ましい。このような熱伝達は、例えば、熱電デバイス310の少なくとも一部分と冷蔵室302との直接的接触(例えば、冷蔵室302の壁の一部分への一体化)によって直接的に実行され得る。あるいは、熱電デバイス310との熱伝達は間接的であってもよい。このような間接的熱伝達は、受動的であってもよく、例えば、冷蔵室302の内部と熱電デバイス310との間及び/又は周囲環境と熱電デバイス310との間に配置された熱伝導性物質によって提供される熱伝達であってもよい。他の実施形態では、例えば、ヒートパイプなどのデバイスの提供を通じて、間接的な熱伝達を有効にすることができる。
【0021】
本発明の概念での使用に適した熱電デバイスは、5℃以上の温度差、好ましくは約5℃~約20℃以上の温度差から電気エネルギーを生成することができる。適切な熱電デバイスは、ペルチェ素子または熱電対などの固体デバイスであり得る。あるいは、適切な熱電デバイスは、発電機と組み合わせたスターリングエンジン(Sterling engine)のような機械的要素を含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、フードおよび飲料のサービストロリーまたはカート300は、熱電デバイス310と電気的に接続する軽量なエネルギーストレージデバイス(energy storage device)320を含み得る。そのようなエネルギーストレージデバイス320は、熱電デバイス310からの電力の長期間の蓄積を有利に可能にし、その電力は、(近距離、RF、および/またはBluetooth送信機などの)ハイドレイン電子デバイスによって急速に消費され得る。したがって、デバイス310から生成されたエネルギーは、デバイス320への電気的接続を介して提供され得る。
【0023】
適当な軽量なエネルギーストレージデバイスは、軽量バッテリー、キャパシターバンク、およびスーパーキャパシタを含む。好ましい実施形態では、エネルギーストレージデバイスは、充電のために熱電デバイス310と、蓄積された電気エネルギーを利用する電子デバイス320と電気的に接続するスーパーキャパシタである。
【0024】
電力の連続的な生成は、有利には、フードおよび飲料のサービスカートが使用されているときに連続的に補充されるので、このような電力のための比較的小型で軽量のストレージデバイスの使用を可能にする。蓄積された電力は、電力センサ及びトランシーバーのようなフード及び飲料のサービスカートに関連する複数の電子デバイス330に電力を供給するために利用されて、カートに関する更新された状態情報を中央サーバに提供することができる。このような情報は、カートの1つ以上の室内の温度、購入した製品の販売情報、カート内の製品の在庫などを含む。
【0025】
上述のように、そのような熱電デバイスから生成された電力は、フードおよび飲料のサービスカートに関連する1つまたは複数の電子デバイスによって利用され得る。このような電子機器は、例えば、(POSデバイス(point of sales device)などの)トランザクションを記録または監視し、RFIDチップを読み取り、デビット/クレジットカードの磁気ストリップを読み取り、在庫を監視および/または報告し、および/またはオンボードサーバ(on-board server)から情報を送信および受信するように利用され得る。いくつかの実施形態では、電子デバイスは、近距離、WiFi、RF、および/またはブルートゥーストランシーバーを含み得る。
【0026】
本明細書の説明において、また特許請求の範囲を通して使用される場合、文脈から明らかにそうでないことが示されない限り、「a」、「an」および「the」の意味は、複数への言及を含む。また、本明細書の説明において使用される場合、「中に(in)」の意味は、文脈により明らかにそうでないことが示されない限り、「中に(in)」および「上に(on)」を含む。
【0027】
本明細書に開示された本発明の代替要素または実施形態の群分類は、限定として解釈されるべきではない。それぞれの群構成要素は、個別に、またはその群の他の構成要素もしくは本明細書に見出される他の要素との任意の組み合わせで、参照および特許請求することができる。利便性および特許性の理由または利便性もしくは特許性の理由から、群の1つまたは複数の構成要素は、群に含めることも、群から削除することもできる。あらゆるそのような包含または削除が生じたとき、ここで、本明細書は、変更されたとおりの群を含み、したがって添付の特許請求の範囲で使用される全てのマーカッシュ群の書面による説明を満たすものと見なされる。
【0028】
本明細書で使用する場合、また文脈により他に指示されない限り、用語「に結合される(coupled to)」は、直接結合(互いに結合される2つの要素が互いに接触する)および間接結合(少なくとも1つの追加要素が2つの要素の間に配置されている)の両方を含むことが意図される。したがって、「に結合されている」および「と結合されている」という用語は、同義語として使用される。
【0029】
文脈により反対であることが示されない限り、本明細書に記載される全ての範囲は、それらの端点を含むと解釈されるべきであり、無制限の範囲は、商業的に実用的な値のみを含むと解釈されるべきである。同様に、文脈により反対であることが示されない限り、値の全ての列挙は、中間値を含むと見なされるべきである。
【0030】
本明細書における値の範囲の列挙は、その範囲内に含まれるそれぞれの別々の値を個々に指す簡潔な方法として役立つことを単に意図している。本明細書において特に指定がない限り、範囲を有するそれぞれの個別の値は、あたかも本明細書で個別に列挙されているかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中において指示がない限り、または説明によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施され得る。本明細書の特定の実施形態に関して提供されるありとあらゆる例、または例示的な言語(例えば「など」)の使用は、本発明をよりよく明らかにすることを単に意図したものであり、特許請求の範囲に記載されていない場合には、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる言語も、本発明の実施に必須の、特許請求の範囲に記載されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
【0031】
本明細書に開示された本発明の代替要素または実施形態の群分類は、限定として解釈されるべきではない。それぞれの群構成要素は、個別に、またはその群の他の構成要素もしくは本明細書に見出される他の要素との任意の組み合わせで、参照および特許請求することができる。利便性および特許性の理由または利便性もしくは特許性の理由から、群の1つまたは複数の構成要素は、群に含めることも、群から削除することもできる。あらゆるそのような包含または削除が生じたとき、ここで、本明細書は、変更されたとおりの群を含み、したがって添付の特許請求の範囲で使用される全てのマーカッシュ群の書面による説明を満たすものと見なされる。
【0032】
本明細書の発明概念から逸脱することなく、既に記載されたもの以外にもさらに多くの修正が可能であることが当業者には明らかであろう。したがって、本発明の主題は、添付の特許請求の範囲の趣旨を除き、制限されるべきではない。さらに、明細書と特許請求の範囲との両方を解釈する際に、全ての用語は、文脈と矛盾しない最も広い方法で解釈されるべきである。特に、用語「備える」および「備えている」は、参照される要素、構成要素もしくは工程が存在してもよいか、または利用されてもよいか、または明示的に参照されていない他の要素、構成要素もしくは工程と組み合わされてもよいことを示す非排他的な様式で、要素、構成要素もしくは工程を指すものとして解釈されるべきである。明細書の特許請求の範囲が、A,B,C,…,Nからなる群から選択される少なくとも1つのものを指す場合、テキストは、その群から1つの要素のみを必要とし、AおよびNまたはBおよびNなどではないと解釈すべきである。
本開示に含まれる技術的思想を以下に記載する。
(付記1)
サービスカートであって、
周囲温度よりも少なくとも5°C低い温度の内部空間と、
前記内部空間および周囲環境と熱的に連通する熱電デバイスと、
前記熱電デバイスに電気的に接続された電子デバイスと、を備え、
前記熱電デバイスは、前記電子デバイスに電力を供給するために使用される電流を生成する、サービスカート。
(付記2)
前記熱電デバイスおよび前記電子デバイスと電気的に接続し、前記電子デバイスによる使用のために前記熱電デバイスによって生成された電流の少なくとも一部分を蓄積するように構成されるエネルギーストレージデバイスをさらに備える付記1に記載のサービスカート。
(付記3)
前記エネルギーストレージデバイスは、軽量バッテリー、コンデンサー、およびスーパーコンデンサーからなる群から選択される、付記2に記載のサービスカート。
(付記4)
前記内部空間は、水氷またはCO
2
氷に適合する断熱空間を含む、付記1~3のいずれか1項に記載のサービスカート。
(付記5)
前記熱電デバイスは、ペルチェ素子、熱電対、および熱機関からなる群から選択される、付記1~4のいずれか1項に記載のサービスカート。
(付記6)
前記電子デバイスは、POSデバイス、RFIDリーダー、磁気ストリップリーダー、近距離トランシーバー、RFトランシーバー、WiFiトランシーバー、およびブルートゥース(登録商標)トランシーバーからなる群から選択される、付記1~5のいずれか1項に記載のサービスカート。
(付記7)
少なくとも1つの電子構成要素を備えたサービスカートであって、
内部貯蔵空間が周囲環境より少なくとも5℃低い温度を有するように、水氷またはCO
2
氷の少なくとも一方を受け入れるように構成された前記内部貯蔵空間と、
複数のサービス製品を保管するように構成された第2の室と、
内部空間および周囲環境と熱的に連通して前記サービスカートに配置され、電流を生成するように構成された熱電デバイスと、
前記熱電デバイスと電気的に接続し、前記熱電デバイスによって生成された電流の少なくとも一部分を蓄積するように構成されたエネルギーストレージデバイスと、を備えるサービスカート。
(付記8)
前記エネルギーストレージデバイスに電気的に結合された電子デバイスをさらに備え、
前記電子デバイスは、前記エネルギーストレージデバイスによって電力供給される、付記7に記載のサービスカート。
(付記9)
前記電子デバイスは、POSデバイス、RFIDリーダー、磁気ストリップリーダー、近距離トランシーバー、RFトランシーバー、WiFiトランシーバー、およびブルートゥース(登録商標)トランシーバーからなる群から選択される、付記8に記載のサービスカート。
(付記10)
前記エネルギーストレージデバイスは、軽量バッテリー、コンデンサー、およびスーパーコンデンサーからなる群から選択される、付記7~9のいずれか1項に記載のサービスカート。
(付記11)
前記熱電デバイスは、ペルチェ素子、熱電対、および熱機関からなる群から選択される、付記7~10のいずれか1項に記載のサービスカート。
(付記12)
サービスカートに電力を供給する方法であって、
前記サービスカートの内部空間および周囲環境と熱的に連通する熱電デバイスを提供すること、
前記内部空間と前記周囲環境との間の温度勾配を前記熱電デバイスに適用して、電子デバイスに電力を供給するために使用される電流を生成すること、を備える方法。
(付記13)
前記温度勾配の大きさは、少なくとも5℃である、付記12に記載の方法。
(付記14)
前記熱電デバイスおよび前記電子デバイスと電気的に接続するエネルギーストレージデバイスを提供すること、
前記熱電デバイスによって生成された電流を前記エネルギーストレージデバイスに適用すること、をさらに備える付記12または13に記載の方法。
(付記15)
前記エネルギーストレージデバイスは、軽量バッテリー、コンデンサー、およびスーパーコンデンサーからなる群から選択される、付記14に記載の方法。
(付記16)
前記内部空間は、水氷またはCO
2
氷に適合する断熱空間を含む、付記12~15のいずれか1項に記載の方法。
(付記17)
前記熱電デバイスは、ペルチェ素子、熱電対、および熱機関からなる群から選択される、付記12~16のいずれか1項に記載の方法。
(付記18)
前記熱電デバイスと直接的にまたは間接的に電気的に接続する電子デバイスを提供することをさらに備える付記12~17のいずれか1項に記載の方法。
(付記19)
前記電子デバイスは、POSデバイス、RFIDリーダー、磁気ストリップリーダー、近距離トランシーバー、RFトランシーバー、WiFiトランシーバー、およびブルートゥーストランシーバーからなる群から選択される、付記12に記載の方法。