(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】外科用縫合針を縫合糸に取り付けるためのプログラム可能なモータ駆動式スエージングプレス
(51)【国際特許分類】
A61B 17/06 20060101AFI20220719BHJP
【FI】
A61B17/06 510
(21)【出願番号】P 2019552192
(86)(22)【出願日】2018-02-09
(86)【国際出願番号】 US2018017551
(87)【国際公開番号】W WO2018175008
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-02-05
(32)【優先日】2017-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512080321
【氏名又は名称】エシコン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon, Inc.
【住所又は居所原語表記】P.O. Box 151, U.S. Route 22, Somerville, NJ 08876, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】カンナーラ・アレクサンダー・エム
(72)【発明者】
【氏名】チチョッキ・ジュニア・フランク・リチャード
【審査官】伊藤 孝佑
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-007359(JP,A)
【文献】米国特許第05350373(US,A)
【文献】特開2014-036719(JP,A)
【文献】米国特許第05793634(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用縫合針を縫合糸に取り付けるためのプログラム可能なスエージングプレスであって、
底部スエージングダイと、
前記底部スエージングダイに対向し、かつ、前記底部スエージングダイと位置合わせされたスエージング軸に沿って上下に移動可能である、頂部スエージングダイと、
負荷データを記録するための、前記底部スエージングダイ
に搭載されたロードセルと、
前記スエージング軸上における前記頂部スエージングダイの場所に対応する場所データを記録するために前記頂部スエージングダイと連結されたサーボモータと、
前記ロードセル及び前記サーボモータと通信するマイクロプロセッサを備える制御システムであって、前記マイクロプロセッサは、
記録された
前記負荷データを使用して、スエージ事象中に加えられた総負荷を判定し、前記マイクロプロセッサは、
記録された
前記場所データを使用して、前記スエージ事象中の総変位を計算する、制御システムと、
を備え
、
前記底部スエージングダイは、底板と、前記底板を覆う天板と、を含むヒンジ機構を備え、前記天板及び前記底板は、前記天板が前記底板に対して枢動することを可能にするために互いに枢動可能に接続され、前記ロードセルは、前記天板と前記底板との間に配置されており、記録された前記負荷データを前記マイクロプロセッサに送るように適合されている、プログラム可能なスエージングプレス。
【請求項2】
フレームと、
前記フレームに固定されたガイドレールと、
前記ガイドレールの上端部と下端部との間で移動するために前記ガイドレールと連結された精密スライドと、を更に含み、
前記頂部スエージングダイは、前記精密スライド上に載置され、
前記サーボモータは、前記ガイドレールの前記上端部と前記下端部との間における前記精密スライドの上下移動を制御するために、前記精密スライドと連結されており、これにより、前記スエージング軸に沿った前記頂部スエージングダイの上下移動を制御する、
請求項1に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
【請求項3】
前記制御システムは、準備済み外科用縫合針を形成するための、その中に記憶された1つ以上のスエージプログラムを含み、各前記スエージプログラムは、スエージ事象中に使用するための変位限界及び負荷限界を含む、請求項1に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
【請求項4】
前記変位限界は、前記スエージ事象中の縫合針の総変位の上限を含み、前記負荷限界は、前記スエージ事象中に前記縫合針に加えられた総負荷の上限を含む、請求項
3に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
【請求項5】
前記マイクロプロセッサは、前記スエージ事象中の前記縫合針の前記総変位を判定して前記変位限界を超えたかどうかを判定し、かつ前記スエージ事象中に前記縫合針に加えられた総力を判定して前記負荷限界を超えたかどうかを判定する、請求項
4に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
【請求項6】
前記マイクロプロセッサは、前記変位限界に達し、かつ、前記負荷限界を超えていない場合には、前記準備済み外科用縫合針が良好であるというメッセージを生成し、前記マイクロプロセッサは、前記変位限界に達しておらず、かつ、前記負荷限界を超えた場合には、前記準備済み外科用縫合針が不良であるというメッセージを生成する、請求項
5に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
【請求項7】
各前記スエージプログラムは、前記スエージ事象中に前記縫合針にスエージングツールが当たる回数に対応するヒット限界を更に含む、請求項
6に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
【請求項8】
前記サーボモータ及び前記ロードセルは、前記スエージ事象中に前記マイクロプロセッサにリアルタイムフィードバックを提供する、請求項1に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
【請求項9】
前記変位限界が第1の変位限界であり、前記負荷限界が第1の負荷限界であり、各前記
スエージプログラムは、第2のスエージ事象中に使用するための第2の変位限界及び第2の負荷限界を含み、前記第2の変位限界は前記第1の変位限界とは異なり、前記第2の負荷限界は前記第1の負荷限界とは異なる、請求項
3に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
【請求項10】
前記制御システムは、前記準備済み外科用縫合針が良好であるか不良であるかを示す可視信号又は可聴信号を生成する、請求項
3に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
【請求項11】
前記制御システムは、
試験された
前記準備済み外科用縫合針が良好である場合には、可視緑色光及び可聴ビープを生成し、前記準備済み外科用縫合針が不良である場合には、可視赤色光及び可聴ブザーを生成する、請求項
10に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
【請求項12】
準備済み外科用縫合針を作製するためのプログラム可能なスエージングプレスであって、
フレームと、
前記フレームと連結された頂部スエージングダイ及び底部スエージングダイであって、前記頂部スエージングダイは、前記底部スエージングダイに対向し、かつ、前記底部スエージングダイと位置合わせされているスエージング軸に沿って上下に移動可能である、頂部スエージングダイ及び底部スエージングダイと、
前記底部スエージングダイがスエージ事象中に受ける負荷を記録するための、前記底部スエージングダイ
に搭載されたロードセルと、
前記スエージング軸に沿った前記頂部スエージングダイの場所を制御し記録するための、前記頂部スエージングダイと連結されたサーボモータと、
前記ロードセル及び前記サーボモータと通信するマイクロプロセッサを備える制御システムであって、前記マイクロプロセッサは、
記録された
前記負荷を使用して、スエージ事象中に加えられた総負荷を判定し、前記マイクロプロセッサは、
記録された
前記場所を使用して、前記スエージ事象中の総変位を計算する、制御システムと、
を含
み、
前記底部スエージングダイは、
前記フレームと連結された底板を含むヒンジ機構と、
前記底板を覆う天板であって、前記天板及び前記底板は、前記天板が前記底板に対して枢動することを可能にするために互いに枢動可能に接続され、前記ロードセルは、前記天板と前記底板との間に配置されている、天板と、
前記スエージング軸に沿って前記頂部スエージングダイに向かって延在する、前記天板上に載置されたスエージングツールと、
を備える、プログラム可能なスエージングプレス。
【請求項13】
前記マイクロプロセッサを含み、かつ、準備済み外科用縫合針を形成するための、その中に記憶された1以上のスエージプログラムを有する、制御システムを更に備え、各前記スエージプログラムは、スエージ事象中に使用するための変位限界及び負荷限界を含み、前記変位限界は、前記スエージ事象中の縫合針の総変位の上限を含み、前記負荷限界は、前記スエージ事象中に前記縫合針が受けることができる総負荷の上限を含む、請求項
12に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
【請求項14】
前記マイクロプロセッサは、前記スエージ事象中の前記縫合針の前記総変位を判定するために前記サーボモータと通信し、前記マイクロプロセッサは、前記スエージ事象中に前記縫合針が受ける前記総負荷を判定するために前記ロードセルと通信している、請求項
13に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
【請求項15】
前記マイクロプロセッサは、前記変位限界に達し、かつ、前記負荷限界を超えていない場合には、前記準備済み外科用縫合針が良好であるというメッセージを生成し、前記マイクロプロセッサは、前記負荷限界を超えた場合には、前記準備済み外科用縫合針が不良であるというメッセージを生成する、請求項
14に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
【請求項16】
各前記スエージプログラムは、前記スエージ事象中におけるヒット限界を更に含み、前記ヒット限界は、前記スエージ事象中に前記縫合針に当たる合計回数を含む、請求項
15に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
【請求項17】
前記変位限界が第1の変位限界であり、前記負荷限界が第1の負荷限界であり、各前記
スエージプログラムは、第2のスエージ事象中に使用するための第2の変位限界及び第2の負荷限界を含み、前記第2の変位限界は前記第1の変位限界とは異なり、前記第2の負荷限界は前記第1の負荷限界とは異なる、請求項
14に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
【請求項18】
外科用縫合針を縫合糸に取り付けるためのプログラム可能なスエージングプレスであって、
フレームと、
前記フレームに載置された底部スエージングダイと、
前記フレーム上に載置され、かつ、前記底部スエージングダイと位置合わせされているスエージング軸に沿って上下に移動可能である、頂部スエージングダイであって、
前記底部スエージングダイは、
前記フレームと連結された底板を含むヒンジ機構と、
前記底板を覆う天板であって、前記天板及び前記底板は、前記天板が前記底板に対して枢動することを可能にするために互いに枢動可能に接続されている、天板と、
前記ス
エージング軸に沿って前記頂部スエージングダイに向かって延在する、前記天板上に載置されたスエージングツールと、
前記底部スエージングダイが受ける負荷を記録するための、前記天板と前記底板との間に配置されたロードセルと、
を備える、頂部スエージングダイと、
制御システムであって、
前記スエージング軸に沿った前記頂部スエージングダイの場所に関連する場所データを記録するための、前記頂部スエージングダイと連結されたサーボモータと、
記録された
前記負荷を受信し、
記録された
前記負荷の変化を検出するために前記ロードセルと通信するマイクロプロセッサであって、前記マイクロプロセッサは、前記スエージング軸に沿った前記頂部スエージングダイの場所を判定するために前記サーボモータと通信する、マイクロプロセッサと、
を備える、制御システムと、
を備える、プログラム可能なスエージングプレス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、概して、外科用縫合針を縫合糸に取り付けることに関し、より具体的には、外科用縫合針を縫合糸に取り付けるために使用されるスエージングプレスに関する。
【背景技術】
【0002】
準備済み外科用縫合針、すなわち、縫合糸が一端に取り付けられている縫合針は、典型的には、ある長さの縫合糸材料を外科用縫合針の縫合糸受容開口部内に挿入し、縫合針をスエージング(すなわち圧縮)して縫合糸の端部に外科用縫合針を取り付ける、手動手順、半自動化手順、及び完全自動化手順を利用して製造される。
【0003】
縫合糸針のスエージングすることは、縫合糸の自由端部を縫合針バレルの軸方向穴に挿入することと、スエージダイが縫合針バレルの外面上にぶつかる際に軸方向穴内に縫合糸を保持し、それによって縫合糸上に穴の一部を圧縮することと、を典型的に含む。軸方向穴の圧縮部分は、機械的干渉及び表面摩擦によって縫合糸を把持する。スエージングプロセスは、縫合針バレルと縫合糸との間に、「引き抜き」強度基準を満たすか、又は超える取り付け部を作り出すように実施される。
【0004】
図1は、片側の複数の押込みスエージングプロトコルを使用して縫合糸Sに縫合針Nをスエージングする先行技術の方法を示す。縫合糸Sは、縫合針Nの縫合糸受容器SRに挿入され、ダイの少なくとも1つの突刺し点が縫合針Nの一方の側に駆動されて針の壁Wを変形させ、凹部D
1を形成し、これにより壁Wが縫合糸Sとぶつかり、凹部D
1と針壁Wの対向部分との間に圧力点P
1を作成する。1つ以上の追加的な押込み部D
2を作製して、例えばP
2などの追加的な圧力点を作り出すことができる。縫合糸Sは、縫合糸Sの対応する制限された領域上の針壁Wの小さな部分がぶつかることによって縫合針N内に保持される。
【0005】
図2は、両側の位置合わせスエージングプロトコルを使用して縫合糸Sに縫合針Nをスエージングする別の従来技術の方法を示す。縫合糸Sは、縫合針Nの縫合糸受容器SR内に挿入され、2つの対向するステイクが利用されて、縫合糸Sを把持するための2つの凹部D
3、D
4の間に圧力点P
3を形成する位置合わせされた凹部D
3、D
4を形成する。P
3での集束圧力は、縫合糸Sの破壊をもたらし、縫合糸の分離をもたらすことができる剪断応力を生じ得る。縫合糸材料の剪断応力限界を超えることを回避するために、縫合糸受容器SRの寸法、縫合針Nの壁Wの厚さ及び変形性、並びに凹部D
3及びD
4の凹部深さが制御される。
【0006】
図3は、スエージングするために縫合針Nを保持する第1のスエージダイ22A及び第2のスエージダイ22Bを有する先行技術の縫合針スエージングアセンブリ20を示す。縫合針Nは、針ホルダ24Aと24Bとの間に把持され、縫合糸受容器SRが縫合糸溝28A、28Bと位置合わせされた状態で針止め部26A、26Bに当接する。針ホルダ24Aと24Bと間の縫合針Nの挿入は、針漏斗部分30A、30Bによって促進される。縫合糸漏斗32は、縫合糸Sを縫合糸溝28A、28Bに通し、縫合針Nの縫合糸受容器SRに通すことを補助する。スエージングエレメント34A、34Bは、それぞれのスロット36A、36B内で自由に摺動し、その結果、縫合糸のステイク38A、38Bは縫合針Nにぶつかることができる。
図3に示される実施形態では、ステイク38Aは、スエージングエレメント34A、34Bがスエージング操作中に一緒に付勢されるとき、縫合針Nがスエージングされて、縫合糸受容器SR内に蛇行構成を形成するように、ステイク38Bに対して横方向にオフセットされる。各スエージングエレメント34A、34B上の1つのステイク38A、38Bから任意の選択された数のステイク38A、38Bまでの範囲で、より多く又はより少ない数のステイク38A、38Bが利用されてもよい。ステイク38A、38Bの高さ、間隔、及び形状、並びに対向するスエージングエレメント34A、34B上のステイク38A、38Bの相対的な横方向のオフセットは、スエージング及び縫合糸取り付け強度を調節するように選択されてもよい。
【0007】
良好な縫合糸取り付けを行うための1つのアプローチは、複数のヒットスエージングプロセスの使用であり、縫合針は、制御された深さのスエージングを受けるが、圧縮は、縫合針バレルの大きな領域にわたって(例えば、縫合針バレルの円周の周りに)分散される。このタイプのスエージングを達成するために、縫合針は、複数のスエージ事象間でスエージングダイに対して回転され得る。このようにして、複数の角度的にオフセットされたスエージ事象が、単一の縫合糸に単一の縫合針を取り付けるために行われる。このアプローチは、信頼性の高い取り付けを行うが、縫合針のバレル上の各ヒットは、縫合針バレル及び縫合糸内に応力を生成する。縫合針及び縫合糸材料は、ある程度の展性を有するが、展性の限界に達すると(例えば、過度の変位又は力が縫合針バレルに加えられると)、材料が損なわれ、縫合針の場合には、亀裂及び取り付けの損失、あるいは破損につながる。亀裂は、4310SS、ニッケル-チタンSS、及び420SS等の高度合金を含む、より硬い合金が使用されるときに特定の問題である。更に、縫合針材料は、いくらかの弾性を有し、そのため残留応力の緩和が、縫合針バレルを経時的に弛緩させ、縫合針穴と縫合糸との間の取り付けの損失をもたらす。
【0008】
既存のスエージングプレスは、プレス機の機械的設計によって制限される比較的単純な動きを行うように作動される、空気式リンク又は単純な機械的リンクのいずれかに基づく。既存のスエージングプレスによって呈される欠点のうちのいくつかとしては、1)セットアップ調整の困難、2)スエージング中に縫合糸針に加えられる力を測定することができず、リアルタイムの力フィードバックに基づいてスエージダイ変位を正確に制御することができないこと、3)スエージングダイの場所(又は変位)を測定し、その場所に関するリアルタイムフィードバックを提供することができないこと、4)単一のスエージストローク中に複数の知覚的な打撃を適用することができないこと、5)サイクルをより高い力レベルに継続する前に、縫合針のスエージ中に力を一時停止及び保持することができないこと、6)力又は変位の値が所定の範囲外であると検出されたときに操作者に警告を送ることができず、これは、縫合針が受容ダイ内に誤って配置されたときに縫合針バレルの亀裂を防止することが特に重要であること、7)スエージング中に力変位曲線を収集し、力変位曲線の分析に基づいて、スエージ操作者に許容/拒絶信号を提供することができないこと、8)予めプログラムされたアルゴリズムに従って、スエージ事象中のダイ変位又は力蓄積の速度を制御及び変更することができないこと、及び9)容易かつ反復可能なセットアップ手順を確実にするために、プレス変位を自動的にテアリングすることができないことが挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、心臓血管手術で使用される微細なサイズの縫合糸に関連する針引き抜き値を改善するために、上記の制限を克服するように設計されたスエージングプレスに対する必要性が依然として存在する。サーボモータ、ロードセル、センサ、プログラム、及びリアルタイムフィードバックプロトコルを利用して、準備済み外科用縫合針をより効率的、効果的、及び信頼性の高い方法で作製する、改善されたスエージングプレスの必要性も依然として存在する。加えて、微細な縫合針材料及び縫合糸材料を使用して、外科手術手順を繊細にするための準備済み外科用縫合針を作製する改善されたスエージングプレスに対する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態では、外科用縫合針を縫合糸に取り付けるためのプログラム可能なスエージングプレスは、好ましくは、底部スエージングダイと、底部スエージングダイに対向し、かつ底部スエージングダイと位置合わせされたスエージング軸に沿って上下に移動可能である、頂部スエージングダイと、を含む。一実施形態では、負荷データを記録するために底部スエージングダイ上にロードセルが設けられ、スエージング軸上における頂部スエージングダイの場所に対応する場所データを記録するために、サーボモータが頂部スエージングダイと連結される。一実施形態では、プログラム可能なスエージングプレスは、望ましくは、ロードセル及びサーボモータと通信するマイクロプロセッサを有する制御システムを含む。一実施形態では、マイクロプロセッサは、記録された負荷データを使用して、スエージ事象中に加えられる総負荷を判定し、マイクロプロセッサは、記録された場所データを使用して、スエージ事象中の総変位を計算する。
【0011】
一実施形態では、底部スエージングダイは、望ましくは、底板と、底板を覆う天板と、を有するヒンジ機構を含む。一実施形態では、天板及び底板は、天板が底板に対して枢動することを可能にするために互いに枢動可能に接続される。一実施形態では、ロードセルは、天板と底板との間に配置されており、記録された負荷データをマイクロプロセッサに送るように適合される。
【0012】
一実施形態では、プログラム可能なスエージングプレスは、望ましくは、フレームと、フレームに固定されたガイドレールと、ガイドレールの上端部と下端部との間で移動するためにガイドレールと連結された精密スライドと、を有し、頂部スエージングダイは、精密スライド上に載置される。一実施形態では、サーボモータは、ガイドレールの上端部と下端部との間における精密スライドの上下移動を制御するために、精密スライドと連結されており、これにより、スエージング軸に沿った頂部スエージングダイの上下移動を制御する。
【0013】
一実施形態では、制御システムは、好ましくは、準備済み外科用縫合針を形成するための、その中に記憶された1つ以上のスエージプログラムを有する。一実施形態では、各スエージプログラムは、スエージ事象中に使用するための変位限界及び負荷限界を有する。各プログラムは、特定のサイズ又は特性を有する縫合針及び縫合糸と関連付けられてもよい。一実施形態では、プログラムの変位、負荷、及びヒット限界は、スエージ事象を開始する前に操作者によって修正されてもよい。
【0014】
一実施形態では、変位限界は、スエージ事象中の縫合針の総変位の上限を含む。一実施形態では、負荷限界は、スエージ事象中に縫合針に加えられた総負荷の上限を含む。
【0015】
一実施形態では、マイクロプロセッサは、スエージ事象中の縫合針の総変位を判定して、変位限界を超えたかどうかを判定するように適合される。一実施形態では、マイクロプロセッサは、スエージ事象中に縫合針に加えられた総力を判定して負荷限界を超えたかどうかを判定するように適合される。
【0016】
一実施形態では、マイクロプロセッサは、変位限界に達し、かつ、負荷限界を超えていない場合には、スエージ事象中に形成される準備済み外科用縫合針が良好であるというメッセージ又は信号を生成する。一実施形態では、マイクロプロセッサは、変位限界に達しておらず、かつ、負荷限界を超えた場合には、準備済み外科用縫合針が不良であるというメッセージ又は信号を生成する。
【0017】
一実施形態では、各スエージプログラムは、スエージ事象中に、縫合針にスエージングツールが当たる回数に対応するヒット限界を含んでもよい。
【0018】
一実施形態では、サーボモータ及びロードセルは、スエージ事象中にマイクロプロセッサにリアルタイムフィードバックを提供する。リアルタイムフィードバックを使用して、スエージングプレスによって生成された変位及び負荷を修正して、満たしていると判定される準備済み外科用縫合針の数を増加させることができる(すなわち、全ての仕様要件を満たす)。
【0019】
一実施形態では、プログラムは、第2のスエージ事象中に使用するための第2の変位限界及び第2の負荷限界を有してもよく、第2のスエージ事象中に使用される第2の変位限界は、第1のスエージ事象中に使用される第1の変位限界とは異なり、第2のスエージ事象中に使用される第2の負荷限界は、第1のスエージ事象中に使用される第1の負荷限界とは異なる。
【0020】
一実施形態では、制御システムは、好ましくは、準備済み外科用縫合針が良好であるか不良かを示す可視信号又は可聴信号を生成する。一実施形態では、制御システムは、好ましくは、試験された準備済み外科用縫合針が良好である場合には、可視緑色光及び可聴ビープを生成し、準備済み外科用縫合針が不良である場合には、可視赤色光及び可聴ブザーを生成する。
【0021】
一実施形態では、準備済み外科用縫合針を作製するためのプログラム可能なスエージングプレスは、望ましくは、フレームと、フレームと連結された頂部スエージングダイ及び底部スエージングダイとを含み、頂部スエージングダイは、底部スエージングダイと対向し、かつ、底部スエージングダイと位置合わせされているスエージング軸に沿って上下に移動可能である。一実施形態では、プログラム可能なスエージングプレスは、望ましくは、底部スエージングダイがスエージ事象中に受ける負荷を記録するための、底部スエージングダイ上のロードセルと、スエージング軸に沿った頂部スエージングダイの場所を制御し記録するための、頂部スエージングダイと連結されたサーボモータと、を有する。一実施形態では、プログラム可能なスエージングプレスは、好ましくは、ロードセル及びサーボモータと通信するマイクロプロセッサを有する制御システムを含み、マイクロプロセッサは、記録された負荷を使用して、スエージ事象中に加えられた総負荷を判定し、記録された場所を使用して、スエージ事象中の総変位を計算する。
【0022】
一実施形態では、プログラム可能なスエージングプレスは、望ましくは、フレームと連結された底板を含むヒンジ機構と、底板を覆う天板と、を有し、天板及び底板は、天板が底板に対して枢動することを可能にするために互いに枢動可能に接続され、ロードセルは、負荷を記録するために天板と底板との間に配置されている。一実施形態では、スエージングツールは、天板上に載置され、スエージング軸に沿って、頂部スエージングダイに向かって延在する。
【0023】
一実施形態では、プログラム可能なスエージングプレスは、好ましくは、マイクロプロセッサを有し、かつ、準備済み外科用縫合針を形成するための、その中に記憶された1つ以上のスエージプログラムを有する、制御システムを含む。一実施形態では、各スエージプログラムは、スエージ事象中に使用するための変位限界及び負荷限界を含む。一実施形態では、変位限界は、スエージ事象中の縫合針の総変位の上限を有し、負荷限界は、スエージ事象中に縫合針が受け得る総負荷の上限を有する。
【0024】
一実施形態では、マイクロプロセッサは、スエージ事象中に縫合針の総変位を判定するためにサーボモータと通信し、マイクロプロセッサは、スエージ事象中に縫合針が受ける総負荷を判定するためにロードセルと通信している。
【0025】
一実施形態では、マイクロプロセッサは、変位限界に達し、かつ、負荷限界を超えていない場合には、準備済み外科用縫合針が良好であるというメッセージを生成し、マイクロプロセッサは、負荷限界を超えた場合には、準備済み外科用縫合針が不良であるというメッセージを生成する。
【0026】
一実施形態では、各スエージプログラムは、スエージ事象中におけるヒット限界を含んでもよく、ヒット限界は、スエージ事象中に縫合針に当たる合計回数である。
【0027】
一実施形態では、制御システム又はマイクロプロセッサに記憶された各プログラムは、第2のスエージ事象中に使用するための第2の変位限界及び第2の負荷限界を含んでもよく、第2の変位限界は第1の変位限界とは異なり、第2の負荷限界は第1の負荷限界とは異なる。
【0028】
一実施形態では、外科用縫合針を縫合糸に取り付けるためのプログラム可能なスエージングプレスは、望ましくは、フレームと、フレームに載置された底部スエージングダイと、フレーム上に載置さえ、かつ、底部スエージングダイと位置合わせされているスエージング軸に沿って上下に移動可能である頂部スエージングダイとを有する。一実施形態では、底部スエージングダイは、好ましくは、フレームと連結された底板を含むヒンジ機構と、底板を覆う天板であって、天板及び底板は、天板が底板に対して枢動することを可能にするために互いに枢動可能に接続されている、天板と、スエージング軸に沿って頂部スエージングダイに向かって延在する、天板に載置されたスエージングツールと、底部スエージングダイが受ける負荷を記録するための、天板と底板との間に配置されたロードセルと、を有している。一実施形態では、プログラム可能なスエージングプレスは、好ましくは、スエージング軸に沿った頂部スエージングダイの場所に関連する場所データを記録するために頂部スエージングダイと連結されたサーボモータを有する制御システムと、記録された負荷を受信し、記録された負荷の変化を検出するためにロードセルと通信すると共に、スエージング軸に沿った、頂部スエージングダイの場所を判定するために、サーボモータと通信するマイクロプロセッサと、を含む。
【0029】
一実施形態では、組み合わされた縫合針スエージング及び試験システムは、好ましくは、縫合針のスエージング(すなわち、縫合針の端部に縫合針を取り付けること)と、縫合針と縫合糸との取り付けを評価するために準備済み外科用縫合針上にプル試験を実施することとの両方に使用され得るダイを有するスエージングプレスを含むことが好ましい。
【0030】
一実施形態では、組み合わされた縫合針スエージング及び試験システムは、望ましくは、縫合針と及び縫合糸との取り付けが、縫合針と縫合糸との取り付けに検出されない損傷を引き起こす可能性がある、長期間にわたって縫合針と縫合糸との取り付け部深刻ではない過剰な応力を受けること、又は高い力で保持されることを確実にするように、試験中にスエージプレスの操作者に対する視覚的な合図と聴覚的な合図の両方を生成する制御システムを含む。
【0031】
一実施形態では、スエージングプレスは、好ましくは、スエージングプレスの頂部ダイ及び底部ダイの動作を自動的に制御するための中央処理ユニットを有するシステムコントローラを含む。一実施形態では、中央処理ユニットは、望ましくは、異なるサイズの外科用縫合針及び異なるサイズの縫合糸を有する、準備済み外科用縫合針を製造するための異なるプログラムを収容する。一実施形態では、操作者は、プログラムのパラメータ及び制限を変更するために、中央処理ユニットと相互作用してもよい。
【0032】
一実施形態では、スエージプレスは、好ましくは、スエージングプロセスに使用されるそれぞれの頂部及び底部ダイを有する上部プレス及び下部プレスを含む。一実施形態では、頂部ダイは、スエージング軸に沿って上下に平行移動し、底部ダイは静止したままである。一実施形態では、頂部ダイ及び底部ダイの両方は、スエージング軸に沿って上下に平行移動することができる。一実施形態では、底部ダイは、好ましくは、下部プレス内に配置されたヒンジ機構であって、下部プレス内に水平に配置され、かつ、スエージ方向に直交している、ヒンジ機構を含む。ヒンジ機構は、好ましくは、底部ダイ上に固定された底板を有し、この底板は、スエージングシステムのフレームに載置される。ヒンジ機構は、好ましくは、スエージツーリングを受容するように設計及び構成された天板を含む。底板及び天板は、好ましくは、ヒンジを形成するために精密な接地ロッドで片側に接続され、底板の他方の側は、望ましくは、ロードセルを収容するように構成された凹みを含む。一実施形態では、スエージ事象中、ヒンジ機構は、底板を定位置に保持するが、スエージ事象後に、本明細書に記載されるように、縫合針と縫合糸との取り付けに加えられる引張力を測定する役割を果たす。
【0033】
一実施形態では、モータ駆動式のプログラム可能なスエージングプレスは、好ましくは、ステッパ又はサーボモータを含む。本明細書で使用するとき、用語「サーボモータ」は、角度位置又は直線位置、速度、及び加速度の正確な制御を可能にする、回転アクチュエータ又は線形アクチュエータなどのアクチュエータを意味する。一実施形態では、サーボモータは、位置及び負荷のフィードバックデータなどのフィードバックデータを提供するためのセンサに連結されたモータを含んでもよい。一実施形態では、サーボモータは、サーボモータから情報を受信し、スエージングプレスを操作するために情報を使用するように設計された中央コントローラ及び/又はマイクロプロセッサと通信してもよい。一実施形態では、サーボモータは、速度で予めプログラムされた位置に移動するようにマイクロプロセッサによって直接制御されてもよく、サーボモータは、その位置をマイクロプロセッサに報告しない場合がある。
【0034】
一実施形態では、モータ駆動式スエージングプレスは、リアルタイムのデータシグナル(例えば、圧力信号、変位信号、及びモータ信号)を分析するマイクロプロセッサ、負荷又は力測定デバイス(例えば、ロードセル)、並びにスエージングプレスを制御する及び/又は情報(例えば、警報通知)を操作者に提供するためのシステム制御フィードバック信号を含んでもよい。
【0035】
一実施形態では、サーボモータ又はステッパモータは、好ましくは、精密粉砕されたボールスクリュ又はローラースクリュを使用して、頂部スエージングダイに接続される。一実施形態では、サーボモータとスエージングダイとの間の接続を行うために、アイスクリュ、ラック、ベルト、又は他の方法が利用されてもよい。
【0036】
一実施形態では、頂部スエージングダイは、好ましくはプラットフォーム上に載置され、このプラットフォームは、スエージング軸に沿った正確な一次元運動を可能にする精密スライド上に載置される。
【0037】
一実施形態では、底部又は下方スエージングダイは、好ましくは、スエージングプレスを介して縫合針に加えられる負荷を監視することができるロードセルを収容するヒンジ付きアセンブリを含む。
【0038】
一実施形態では、スエージングプレスは、ダイの底部を判定するために使用される力又は荷重計を含んでもよく、ダイの正確なスタンドオフ又は「テアリング」を計算する。
【0039】
一実施形態では、頂部スエージングダイ及び底部スエージングダイは、ダイの底部を判定するために、電気的に絶縁されてもよく、及び/又は容量性タッチ方法を使用してもよい。
【0040】
一実施形態では、頂部スエージングダイ及び底部スエージングダイを介する電気伝導は、頂部スエージングダイ及び底部スエージングダイがそれらの底面位置(例えば、ホーム位置)に達したことを示すデータ及び/又は信号を生成するために使用されてもよい。
【0041】
一実施形態では、スエージ事象中に生成された変位データは、ハードドライブ、サムドライブ、及び/又はネットワークを通して記録されてもよい。一実施形態では、データは、Wi-Fi送信機によってマイクロプロセッサから送信されてもよい。
【0042】
一実施形態では、ヒンジ機構の天板に接続されるスエージツーリングは、望ましくは、縫合糸直径よりも大きいが縫合針直径よりも小さい追加的な「試験」ノッチを有する。そのため、縫合針を縫合糸にスエージングした後、縫合糸及び取り付けられた縫合針は、試験ノッチ内で入れ子になるように、スエージノッチの場所から非常に小さい距離(例えば、1mm以下)だけ離れて移動されてもよく、次いで、縫合糸は、縫合針の近位端が比較的小さい幅の試験ノッチ内に入るまで引っ張られる。天板及び底板は、縫合糸が引っ張られる際にヒンジを介して接続されるので、ロードセルを通って平行移動されるヒンジ機構の天板の重量が減少する。この減少する力(すなわち、ロードセルからの重量の除去)は、ロードセルから負荷信号を受信するマイクロプロセッサを介して毎秒数千倍の速度で監視される。
【0043】
一実施形態では、マイクロプロセッサの出力ピンは、スエージ操作者によって使用される立体鏡を通して直接見ることができる赤色-緑色-青色(RGB)発光ダイオードなどの発光素子に接続されているため、操作中に、操作者が自身の頭部を動かして、手元の作業から目を逸らす必要性を防止し、操作者の疲労を最小化し、出力を最適化する。一実施形態では、他のマイクロプロセッサの出力ピンは、ブザー又はチャイムに接続されて、可聴信号を操作者に提供してもよい。一実施形態では、操作者は、スエージ事象中に、形成された準備済み外科用縫合針が許容可能であるか、又は許容不可能であるかを操作者が判定するのを助ける視覚信号と聴覚信号の両方を受信する。
【0044】
一実施形態では、本明細書に開示されるプログラム可能なスエージングプレスは、高速プロセッサが準備済み外科用縫合針の形成の制御、効率、及び信頼性を大幅に向上させる能力とヒトの能力とをブレンドする。
【0045】
一実施形態では、天板はロードセルを覆う。一実施形態では、ロードセルは天板を覆う。
【0046】
一実施形態では、スエージングプレスは、ペダルが押圧されたときにロードセルへの電力を遮断し、スエージ後の予め定義された期間(例えば、500ms)後に電力を復元するためのフットペダルを有してもよい。
【0047】
一実施形態では、スエージングプレスは、聴覚的インジケータ及び/又は視覚的インジケータを含んでもよい。一実施形態では、負荷の変化(ロードセルによって測定される)が力限界を超えるとき、及び/又は記録された総変位が変位限界を超える場合に、インジケータ(単数又は複数)が起動される。
【0048】
一実施形態では、視覚的インジケータ及び聴覚的インジケータは、準備済み外科用縫合針が許容可能であるか、許容不可能であるかに基づいて、異なる指標(例えば、色、音、振動など)を呈する。
【0049】
一実施形態では、システムは、縫合針-縫合糸取り付けが前の試験中に損なわれた場合に、次のスエージング中に加えられる力又は負荷を増大させるように設計されたフィードバック機構を含んでもよい。
【0050】
一実施形態では、プログラム可能なスエージングプレスは、部分的又は完全に自動化されてもよい。
【0051】
一実施形態では、スエージングツールは、望ましくは、縫合針を縫合糸にスエージングして、準備済み外科用縫合針を形成するためのスエージングノッチを有する上面を有する上端部と、準備済み外科用縫合針に関してプル試験を実施するためのスエージングノッチに隣接する試験ノッチと、を含むことが望ましい。一実施形態では、スエージング及び試験ノッチは、スエージング軸に直交するそれぞれの長手方向軸に沿って延在してもよい。一実施形態では、スエージング及び試験ノッチは、好ましくは、天板の上面と平行であり、かつスエージング軸に垂直なそれぞれの長手方向軸に沿って延在する。
【0052】
一実施形態では、スエージングノッチは、望ましくは第1の幅を有し、試験ノッチは、第1の幅よりも小さい第2の幅を有する。一実施形態では、準備済み外科用縫合針の縫合針構成要素の直径は、スエージングノッチの第1の幅以下であり、試験ノッチの第2の幅よりも大きく、準備済み外科用縫合針の縫合糸構成要素の直径は、スエージングノッチの第1の幅及び試験ノッチの第2の幅よりも小さい。一実施形態では、スエージングノッチの第1の幅は約8ミルであり、試験ノッチの第2の幅は約4ミルであり、縫合針の直径は約7.5~7.8ミルであり、縫合糸の直径は約3.5ミルである。
【0053】
一実施形態では、制御システムは、望ましくは、準備済み外科用縫合針上にプル試験を実施するための、その中に記憶された1つ以上のプル試験プログラムを含む。各プル試験プログラムは、望ましくは、所定の下側負荷限界及び上側負荷限界を有する許容可能な負荷範囲、並びに負荷試験の長さに対して所定の下側時間限界及び上側時間限界を有する許容可能な時間範囲を有する。
【0054】
一実施形態では、プル試験プログラムは、マイクロプロセッサによって負荷変化が検出されたときにプル試験検査を開始及び/又は可有効化する。一実施形態では、縫合糸の引っ張りは、縫合糸を指で把持するヒトによって行われる。一実施形態では、プル試験は、縫合糸の端部が、縫合糸を所定の力で所定の時間にわたって引っ張るように設計された装置と接続される、自動検査を含んでもよい。一実施形態では、プル試験プログラムは、検出された負荷変化が所定の下側負荷限界と上側負荷限界との間であり、検出された時間が所定の下側時間限界と上側時間限界との間にある場合に、試験された準備済み外科用縫合針が許容可能であることを示す。一実施形態では、プル試験プログラムは、検出された負荷変化が所定の上側負荷限界を上回る場合、試験された準備済み外科用縫合針が許容できないことを示す。一実施形態では、プル試験プログラムは、検出された負荷変化が所定の下側負荷限界と上側負荷限界との間であり、検出された時間が所定の上側時間限界を上回る場合、試験された準備済み外科用縫合針が許容できないことを示す。
【0055】
一実施形態では、準備済み外科用縫合針のプル試験検査中、制御システムは、好ましくは、試験された準備済み外科用縫合針が許容可能であるか又は許容不可能であるかを示す可視信号又は可聴信号を生成する。一実施形態では、制御システムは、試験された準備済み外科用縫合針が許容可能である場合は可視緑色光及び可聴ビープを生成し、試験された準備済み外科用縫合針が許容できない場合には可視赤色光及び可聴ブザーを生成する。
【0056】
一実施形態では、スエージングツールの上面のスエージングノッチ及び検査ノッチを見るために、立体鏡がフレームに載置される。一実施形態では、立体鏡は、望ましくは、可視光、例えば緑色可視光及び赤色可視光などの可視光を生成するための少なくとも1つの発光ダイオードを有し、試験状態インジケータを提供する。
【0057】
本発明のこれら及びその他の好ましい実施形態は、下記でより詳しく記述される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】縫合針を縫合糸にスエージングする従来の方法を示す。
【
図2】縫合糸を縫合針にスエージングする第2の従来の方法を示す。
【
図3】縫合針を縫合糸に取り付けるために収束する第1及び第2のスエージダイを有する、先行技術の針スエージングプレスアセンブリを示す。
【
図4】本特許出願の一実施形態による、縫合針及び縫合糸を含む、準備済み外科用縫合針を示す。
【
図5A】本特許出願の一実施形態による、頂部スエージングダイ及び底部スエージングダイを含む縫合糸に外科用縫合針を取り付けるためのプログラム可能なスエージングプレスを示す。
【
図5B】本特許出願の一実施形態による、頂部スエージングダイ及び底部スエージングダイを含む縫合糸に外科用縫合針を取り付けるためのプログラム可能なスエージングプレスを示す。
【
図5C】本特許出願の一実施形態による、頂部スエージングダイ及び底部スエージングダイを含む縫合糸に外科用縫合針を取り付けるためのプログラム可能なスエージングプレスを示す。
【
図6A】本特許出願の一実施形態による、
図5A~
図5Cに示す底部スエージングダイのヒンジ付きアセンブリの斜視図を示す。
【
図6B】
図6Aに示す底部スエージングダイのヒンジ付きアセンブリの側面図を示す。
【
図7】本特許出願の一実施形態による、スエージツールと、ヒンジ付きアセンブリの天板と底板との間に配置されたロードセルとを含む、
図6A及び
図6Bに示されるヒンジ付きアセンブリの部分断面図を示す。
【
図8】本特許出願の一実施形態による、底部スエージングダイのヒンジ付きアセンブリを示す。
【
図9】本特許出願の一実施形態による、プログラム可能なモータ駆動式スエージングプレスの制御システムの概略図である。
【
図10】本特許出願の一実施形態による、スエージングプレスを操作し、総変位及び総負荷を記録するために使用されるプログラムのフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図4を参照すると、一実施形態では、準備済み外科用縫合針100は、好ましくは、縫合糸104の端部に固定された外科用縫合針102を含む。一実施形態では、縫合針120は、ステンレス鋼、4310SS、ニッケル-チタン(NiTi)SS及び420SSなどの金属合金、又はタングステン-レニウム(W-Re)合金又は類似の耐火合金などの高度合金を含む、多種多様な頑丈な材料で作製される。一実施形態では、縫合針102は、Ethicon,Inc.(Somerville,New Jersey)により商標EVERPOINT(登録商標)で販売されているタングステン-レニウム合金で作製される。
【0060】
一実施形態では、縫合糸材料は、従来の、生体適合性の吸収性材料、非吸収性材料、及び吸収性材料と非吸収性材料の組み合わせで作製することができる。好ましい非吸収性材料として、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデンとフッ化ポリビニリデン-ヘキサフルオロプロピレンコ共重のポリマーブレンド、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、グリコール改質ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、フルオロポリマー、ナイロンなど、及び同種類のもの、あるいはこれらの組み合わせのコポリマーが挙げられる。好ましい吸収性ポリマー材料として、ポリジオキサノン、ポリグラクチン、ポリグリコール酸、グリコリドとラクチドとのコポリマー、ポリオキサエステル、及びポリグレカプロンが挙げられる。特定の好ましい実施形態では、縫合糸材料は、吸収性材料と非吸収性材料の両方の組み合わせを含んでもよい。加えて、特定の強度、導電性又は耐食性が必要である場合のような特定の用途では金属が好適な可能性がある。好ましい一実施形態では、縫合糸材料は、好ましくは、ポリフッ化ビニリデン及びポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重材料のポリマーブレンドを含む。更に、これらの材料のいずれも、コーティング、プラズマ処理、治療学、及び同種のものを含む従来の表面改質を有してもよい。一実施形態では、縫合針102はシリコンコーティングでコーティングされる。一実施形態では、縫合糸104は、Ethicon,Inc(Somerville,New Jersey)により商標PROLENE(登録商標)で販売されているポリプロピレン縫合糸である。
【0061】
図5A~
図5Cを参照すると、一実施形態では、準備済み外科用縫合針を作製するためのスエージングプレス120は、好ましくは、底部スエージングダイ125がその上に載置されている底部ダイホルダブロック124を有するフレーム122と、底部スエージングダイ125と位置合わせされたスエージング軸A
1に沿って上下に移動するように適合された頂部スエージングダイ129を有する頂部ダイブロックホルダ128と、を含む。一実施形態では、頂部スエージングダイ129は、フレーム122上で上下に摺動するように構成された精密スライド135上に載置される。スエージングプレス120は、望ましくは、精密スライド135と、頂部ダイブロックホルダ128と、頂部スエージングダイ129とを、底部スエージングダイ125に対して、スエージング軸A
1に沿って上下に移動させるために起動されるサーボモータ130を含む。スエージングプレスシステム120は、好ましくは、サーボモータ130用の電源接続部132を含む。電源接続部132は、頂部スエージングダイ129の位置フィードバック情報を提供するエンコーダを収容してもよい。
【0062】
一実施形態では、プログラム可能なスエージングプレス120は、好ましくは、フレーム122に接続され、かつ/又はフレーム122に隣接して位置付けられる、ヒューマンマシンインタフェース(HMI)134を含む。一実施形態では、HMI134は、望ましくは、特定のスエージングプログラムを選択し、及び/又はスエージング操作を監視するために、操作者がHMI134とインターフェースすることを可能にする、LCDディスプレイ136(例えば、タッチスクリーンモニタ)を有する。一実施形態では、HMI134は、好ましくは、スエージングシステム120を操作するための1つ以上のマイクロプロセッサ、メモリデバイス、及びプログラムを有する、制御システムを収容する。一実施形態では、HMI134は、望ましくは、操作者によって選択され得る多数のプログラム及び/又はサブルーチンが内部にロードされており、それによりスエージングシステム120は、異なるサイズの範囲を有する縫合針及び異なるサイズを有する縫合糸材料を有する広範な準備済み外科用縫合針を作製するために利用され得る。
【0063】
一実施形態では、プログラム可能なスエージングプレス120は、望ましくは、フレーム122に載置された立体鏡138を含む。立体鏡138は、好ましくは、本明細書でより詳細に記載されるように、スエージング操作中に使用するために、底部ダイ125に向けられる。立体鏡138は、望ましくは、スエージング操作中に縫合針、縫合糸材料、及び対向するダイの拡大像を提供する光学素子を含むことが望ましい。一実施形態では、立体鏡138は、立体鏡ホルダを締め付けて立体鏡の位置を保持するための調節ノブ140を含んでもよい。
【0064】
一実施形態では、立体鏡138は、赤色-緑色-青色(RGB)発光ダイオードなどの1つ以上の光発生沿いを含んでもよく、これは、スエージ操作者が使用する立体鏡を通して直接見ることができ、したがって、操作者が自身の頭部を動かして、手元の作業から目を逸らす必要がなくなる。一実施形態では、発光ダイオード(例えば、RGBダイオード)は、底部ダイホルダブロック124(
図5C)に載置されてもよい。立体鏡又は底部ダイホルダブロック上に発光ダイオードを提供することの利益は、操作者の疲労を最小化し、出力を最適化することに関連する。一実施形態では、マイクロプロセッサ出力ピンは、ビープ音発生器又はブザーなどの可聴信号発生器に接続され、スエージングシステムの操作者に可聴信号又は音を提供する。したがって、操作者は、スエージング操作又は事象中に、適切な所定の変位及び負荷が加えられていることを操作者が確認するのを助ける視覚信号と聴覚信号の両方を受信することができる。
【0065】
一実施形態では、立体鏡138内の赤色-緑色-青色発光ダイオードは、HMI134(
図5C)内の制御システム200(
図9)と通信する。
【0066】
図6A及び
図6Bを参照すると、1つの実施形態では、スエージングシステムは、好ましくは、底部スエージングダイ125と連結されたヒンジ機構150を含む(
図5B及び5C)。一実施形態では、ヒンジ機構150は、望ましくは、底部ダイ内に水平に配置され、かつ、スエージング軸A
1の方向に直交する(
図5B、
図5C、及び
図6B)。一実施形態では、ヒンジ機構150は、望ましくは、底部ダイに載置される底板152と、底板152を覆う天板154とを含むこと。ヒンジ機構150は、好ましくは、天板154が底板152に対してヒンジ156を中心として枢動することを可能にするヒンジ156を含む。一実施形態では、ヒンジ機構150は、天板154が底板152に対して枢動及び移動する際に摩擦を最小限にするために、ヒンジ156と接触するベアリング又はブッシングを含んでもよい。
【0067】
一実施形態では、ヒンジ機構150は、好ましくは、ヒンジ156の反対側の底板の側面上で底板152の端部に固定されるか、又はそれと一体に作製されたガード158を含む。一実施形態では、ガード158は、天板154の上面162の上方に突出する上端部160を有し、操作者が誤って上半分154に突き込む、及び/又は接触することを防止し、それによってロードセル174からマイクロプロセッサに誤った信号を送ることを防止する。
【0068】
一実施形態では、ヒンジ機構150は、好ましくは、天板154の上面162から上方に突出するスエージングツール164を含む。一実施形態では、スエージングツール164は、望ましくは、縫合針を縫合糸に取り付けるために、縫合針102及び縫合糸104を受容するように適合された上端部166を有する。一実施形態では、スエージングツール164の上端部166は、縫合糸104(すなわち、スエージングノッチ)に縫合針102をスエージングするための第1のノッチと、縫合糸104への縫合針102の取り付けを検査するための第1のノッチに隣接する第2のノッチ(すなわち、検査ノッチ)とを有する。
【0069】
図6Aを参照すると、一実施形態では、ヒンジ機構124の天板154は、望ましくは、天板の上面から突出するスエージングツール164の基部の支持を提供するために、天板154の上面162上にスエージングツール支持板を固定するために利用される開口部168A~168Cを含む。一実施形態では、天板154はまた、好ましくは、本明細書でより詳細に説明するように、底板152内に配置されたロードセル上の止めスクリュへのアクセスを提供する、天板の上面162に形成された止めスクリュ開口部170を含むことが好ましい。
【0070】
一実施形態では、ガード158は、内部に形成された開口部172を有することが望ましく、これは、導電性要素、導電導管、及び/又は導電リードが、ヒンジ機構のロードセルをマイクロプロセッサ及び/又はシステムコントローラと相互接続するために貫通することを可能にする。
【0071】
図7を参照すると、一実施形態では、ヒンジ機構150は、好ましくは、ヒンジ機構の底板152内に配置されたロードセル174を含むことが好ましく、このロードセル174は、次に、底部ダイホルダブロック124に載置される(
図5C)。ロードセル174は、好ましくは、ガード158の開口部172(
図6A)を通過する導電リード176と連結される。導電リード176は、望ましくは、ロードセル174と通信するためのマイクロプロセッサ及び/又はシステムコントローラと相互接続される。一実施形態では、ロードセル174は、好ましくは、天板154の上面162でアクセス可能な止めスクリュ開口部170(
図6A)と位置合わせされている調節可能な止めスクリュ178を有する。
【0072】
一実施形態では、ロードセル174は、測定される力又は負荷に正比例する大きさの電気信号を生成するために使用されるトランスデューサである。ロードセルは、圧電ロードセル、ひずみゲージロードセル、及びこれらの組み合わせであってもよい。
【0073】
スエージングプロセスの間、ヒンジ機構150は、スエージングツール164を定位置に保持する。ロードセル174は、スエージ事象中に縫合針に加えられた負荷を記録する。
【0074】
一実施形態では、スエージ後に、ヒンジ機構は、準備済み外科用縫合針に加えられる引張力を測定するように構成される。一実施形態では、スエージングノッチに加えて、スエージングツール164の上端部166はまた、縫合糸104の直径よりも大きいが縫合針102の直径よりも小さいスエージングノッチに隣接する試験ノッチを有する。このようにして、スエージング後、縫合糸104は、スエージングノッチの場所から試験ノッチ場所まで、非常に小さい距離(例えば、1ミリメートル以下)だけ移動させることができる。
【0075】
準備済み外科用縫合針を試験するために、縫合糸104は、縫合針102の近位端が試験ノッチを捕捉するまで、
図7でA
2と指定された方向に引っ張られる。軸A
1は、運動のスエージ方向及び重力方向を示す。軸A
2は、(縫合針102に取り付けられた)縫合糸が試験ノッチ内に位置付けられ、縫合針102の近位端が比較的小さい直径の試験ノッチの端部と係合するときに、縫合糸104が引っ張られる方向を示す。天板154はヒンジ156を介してヒンジ機構150に接続されるので、A
2と指定される方向に縫合糸104が引っ張られると、ロードセル174を通って平行移動される天板154の重量は減少する。この減少する負荷(すなわち、ロードセル174からの重量の除去)は、ロードセルから信号を受信する制御システム内のマイクロプロセッサを介して、毎秒数千倍の速度で監視される。
【0076】
図8を参照すると、一実施形態では、ヒンジ機構150は、望ましくは、天板154の上面162の上に位置付けられたスエージングツール支持板又はダイホルダ186を含む。一実施形態では、スエージングツール支持板は、スエージングツール支持板開口部168A~168C(
図6A)に挿入される突起部を含んでもよい。一実施形態では、スエージングツール支持板186は開口部188を含み、スエージングツール164がこれを通ってスエージングツール164の上端部166がスエージングツール支持板186の上方に突出して、スエージング及び試験操作のためにアクセス可能となることを可能にする。スエージングツール支持板186は、好ましくは、スエージング操作の間、スエージングツール164を支持して、その一体性を維持する。
【0077】
図5C及び
図9を参照すると、一実施形態では、HMI134は、好ましくは、その中に記憶された1つ以上のスエージングプログラムを含む。一実施形態では、スエージングプレスは、異なる寸法、サイズ、特性、及び/又は構成を有する縫合針及び縫合糸をスエージングすることができる。一実施形態では、操作者は、マイクロプロセッサに予めロードされた異なるプログラムのメニューからスエージングプログラムを選択してもよい。一実施形態では、操作者は、単一のスエージ事象中に、総変位限界、総負荷限界、及び/又は縫合針上のヒット数を変更するなど、プログラムのパラメータを修正する能力を有する。一実施形態では、操作者は、好ましくは、特定のプログラムを選択して利用するために、HMI上のLCDタッチスクリーンと相互作用する。利用されるプログラムは、準備済み外科用縫合針を形成するために使用される縫合針及び縫合糸のサイズに応じて変化してもよく、あるいは、準備済み外科用縫合針を使用して実行される特定の外科的機能に応じて変化してもよい。
【0078】
図9を参照すると、一実施形態では、プログラム可能なモータ駆動式スエージングプレス用の制御システム200は、好ましくは、単一のスエージ事象を開始するために利用されるフットペダル204と通信するマイクロプロセッサ又はプログラム可能なロジックコントローラ202を含む。本明細書で使用するとき、用語「単一のスエージ事象」とは、スエージプレスを起動して、ダイを開放位置から閉鎖位置に移動させて縫合針の外壁を圧縮し、縫合針の外壁に負荷を加え、次いで開放位置に戻すことを意味する。一実施形態では、単一のスエージ事象は、スエージングツールが外壁に近接したままであり、ダイが元の開放位置に戻る前に、スエージングツールが縫合針の外壁に複数回当たる及び/又はタップすることを含み得る。
【0079】
一実施形態では、マイクロプロセッサ202は、望ましくは、フットペダル204の起動に応じて頂部ダイ及び底部ダイを開閉するスエージングプレス((
図5A~
図5C)と双方向通信する。制御システムは、好ましくは、スエージング軸に沿って、頂部ダイ及び底部ダイの正確な場所を互いに対して連続的に監視する精密スライドと連結されたサーボモータ206を含む。サーボモータは、マイクロプロセッサと通信して、ダイの場所データをマイクロプロセッサに連続的に報告する。サーボモータ及びマイクロプロセッサは、頂部ダイ及び底部ダイの上下移動及びテアリング制御を提供するように相互作用する。一実施形態では、テアリング制御機能は、スエージングプレスの頂部ダイ及び底部ダイのゼロ点及び/又はホーム位置を見つけるために利用される。一実施形態では、ダイは、最初に、ホーム位置に配置されるように完全閉鎖位置まで移動し、それによってマイクロプロセッサは、システムを較正し、頂部ダイ及び底部ダイの互いに対する正確な場所を確認することができる。一実施形態では、ダイは、最初の較正のために、及び/又は、頂部ダイ及び底部ダイの互いに対する正確な場所を確認するために、完全開放位置に移動することができる。
【0080】
一実施形態では、望ましくは、システムコントローラ200は、スエージングプレスダイが開閉する速度及び加速度を制御するために、操作者及び/又はマイクロプロセッサ202によって調節され得る速度制御208を含むことが。
【0081】
一実施形態では、スエージングプレスの底部ダイは、好ましくは、頂部ダイ及び底部ダイが縫合糸に縫合針をスエージングするための閉鎖構成にあるときに、底部ダイに加えられた負荷を記録するロードセル174(
図7)を含む。
【0082】
一実施形態では、システムコントローラ200は、望ましくはリミットスイッチ210を含み、操作者がプログラムを調節して、第1のスエージ事象の最大変位、第1のスエージ事象の最大力安全限界、及び単一のスエージ事象内で所望されるマルチヒットジャックハンマープロセスのサイクル数を画定することができる。リミットスイッチは、望ましくは、操作者が縫合針の外壁の総変位の限界を選択、制御、及び/又は調節することを可能にし、縫合針の外壁に加えられた総力又は総負荷、及びスエージングツールが縫合針の外壁に当たる回数を選択、制御、及び/又は調節することを可能にする。一実施形態では、制御システムはまた、操作者が、第1のスエージ事象のための限界の第1のセット、及び第2のスエージ事象の限界の第2のセットを使用することを可能にする。一実施形態では、縫合糸に縫合針をスエージングすることは、単一の縫合針に対する複数のスエージ事象を含んでもよく、それによって変位、力、及びヒット限界は、2つ以上のスエージ事象に対して異なる。一実施形態では、縫合針は、スエージングツールが縫合針の壁の外面上の異なる領域に接触するように、各スエージ事象の間にわずかに回転されてもよい。
【0083】
図10は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、プログラム可能なスエージングプレスを操作するためのプログラムを示す。プログラムは、システムコントローラ及び/又は1つ以上のマイクロプロセッサにロードされてもよい。一実施形態では、スエージングプレスは、異なるサイズ及び機能を有する縫合針及び縫合糸をスエージングするための複数の異なるプログラムが予めロードされてもよい。
【0084】
一実施形態では、プログラムは、望ましくは、頂部ダイ及び底部ダイをスエージングプレスに挿入し、スエージング軸に沿って互いに位置合わせする、第1段階300を含む。一実施形態では、操作者は、アクチュエータに係合する(例えば、ボタンスイッチを押す)か、又はHMI134(
図5C)に係合することによってテアリング事象を開始することによって、サーボモータに、リミットスイッチが遭遇及びトリップするまでプレスを駆動させ、したがって、互いからのスエージングダイの変位を画定する正確な既知の位置を確立する。
【0085】
一実施形態では、302と指定された段階において、頂部ダイ及び底部ダイを完全閉鎖位置に移動させ、次いで予めプログラムされた開始位置に移動させることによって、スエージングプレスをテアリングする。一実施形態では、スエージングプレスがオンにされた後、ダイは、システムコントローラを配向し、頂部ダイ及び底部ダイのホーム位置を確認するように、完全開放位置に移動される。ホーム位置がシステムコントローラによって場所特定及び確認されると、頂部ダイ及び底部ダイは、一般に、スエージ事象を開始するために、最初の予めプログラムされた開始位置まで、互いに向かって戻る。
【0086】
一実施形態では、段階304において、操作者は、プログラム制限を調節しても、及び/又はスエージングプレスを操作するための予めプログラムされた操作プロトコルを選択してもよい。制御システムは、好ましくは、第1のスエージ事象の最大変位、第1のスエージ事象の最大力安全限界、及びスエージングツール(単数又は複数)が単一のスエージ事象内で縫合針の外壁に当たるべき回数を含む多数の変数を画定するように調節及び/又は事前にプログラムされる。換言すれば、縫合針はフットペダルが押し下げられた後、マルチヒットプロセスは、ダイが閉じた後に複数回タップされることになり得る。一実施形態では、スエージングツールが、第1のスエージ事象中に3回、及び第2のスエージ事象中に4回、スエージングツールが縫合針の外壁に当たるようにプログラムを選択してもよい。
【0087】
一実施形態では、段階304において、スエージ事象が起こる(例えば、ペダルを押し下げることによって起動される)たびに、操作者は、変位限界、力限界、及びヒット数を制御及び/又は修正してもよい。一実施形態では、変位量は、第1のスエージ事象よりも第2のスエージ事象中により多くなり得る。一実施形態では、力限界は、第1のスエージ事象から第2のスエージ事象まで変化してもよい。一実施形態では、304と指定された段階の間に、3つ以上のスエージ事象が発生し得る。縫合針は、各スエージ事象の間に回転されてもよい。
【0088】
一実施形態では、段階306において、操作者は、フットペダルを押し下げることによってスエージ事象を開始する。フットペダルが押し下げられた後、段階308において、マイクロプロセッサは、サーボモータへ信号を送り、縫合針の壁を変位させるために、頂部ダイ及び底部ダイを閉鎖位置に向かって移動させ始め、縫合針の壁に力及び/又は負荷を加え、縫合針の壁を1回以上タップする。一実施形態では、サーボモータは、頂部ダイ及び底部ダイの場所を報告するために、マイクロプロセッサと連続的に通信する。場所情報は、ダイ間に位置する縫合針の総変位を計算するために使用され得る。一実施形態では、サーボモータは、1秒未満で、マイクロプロセッサに1,000個の読み取り値を送ってもよい。
【0089】
一実施形態では、段階310において、底部ダイ上のロードセルは、好ましくは、縫合針の壁に加えられた力の量を示す負荷読み取り値を取得する。一実施形態では、ロードセルは、1秒未満で、数千又は数十万個の負荷読み取り値を取得することができ、単一のスエージ事象中に加えられる総負荷を監視し計算するために、負荷読み取り値情報をマイクロプロセッサに送信してもよい。制御システム及びマイクロプロセッサは、変位データ及び負荷データを連続的に受信して、準備済み外科用縫合針が良好であるか(すなわち、変位限界及び負荷限界が超えられていなかい)又は不良であるか(すなわち、変位限界又は負荷限界を超えたか)を判定する。
【0090】
一実施形態では、制御システムプログラムは、望ましくは、♯1、♯2、及び♯3と指定される少なくとも3つの異なるシナリオを含む。ステップ312のシナリオ♯1では、サーボモータは、ダイが最大変位限界限度に達していないことを示す情報をマイクロプロセッサに送信し、ロードセルは、縫合針に加えられた力が所定の力限界を下回ったままであるという情報をマイクロプロセッサに送信する。変位限界及び力限界に到達していないので、システムコントローラは、変位限界及び力限界に達したとシステムが判定するまで、ダイを閉じ、縫合針により多くの力を加える。制御システムは、所定の変位限界、所定の力限界、及び縫合針への好ましいヒット数が、単一のスエージ事象内で取得されるまで、ステップを繰り返す。
【0091】
シナリオ♯2では、314と設計された段階は、マイクロプロセッサが、変位限界に達していないことを示す読み取り値をサーボモータから取得し、マイクロプロセッサは、縫合針に加えられた総負荷が好ましい負荷限界を上回る読み取り値をロードセルから取得する。このシナリオでは、マイクロプロセッサは、縫合針に加えられる負荷が大きすぎることを判定し、準備済み外科用縫合針が欠陥/不良であるというコマンドを発行する。準備済み外科用縫合針が不良であることを検出すると、マイクロプロセッサは、光及び/又は可聴音を起動して、準備済み外科用縫合針が欠陥であり、廃棄されるべきであることを操作者に通知する。一実施形態では、制御システムは、赤色光及び/又は可聴ブザーを立体鏡で生成して、準備済み外科用縫合針は欠陥があり、廃棄されるべきであることをスエージングプレス操作者に通知する。段階316において、欠陥製品が形成されたことをマイクロプロセッサが認識した後、システムコントローラは、スエージプレスを、頂部及び底部ダイの予めプログラムされた開始位置に戻して、後続のスエージ事象を開始する。
【0092】
318と指定された段階のシナリオ♯3では、サーボモータは、予め設定された変位限界が取得されたことをマイクロプロセッサに送り、ロードセルは、縫合針に加えられた総力が力/負荷限界を下回るという信号をマイクロプロセッサに送る。情報を受信すると、マイクロプロセッサは、準備済み外科用縫合針が良好であると判定し、マイクロプロセッサは、スエージ事象中に生成された準備済み外科用縫合針が良好であることを操作者に知らせる可視信号及び/又は可聴信号を生成する。一実施形態では、マイクロプロセッサ及び/又は制御システムは、製品が良好であることをスエージングプレス操作者に知らせるために、立体鏡において緑色光及び正の可聴信号を生成してもよい。一実施形態では、良好な信号が送信された後、制御システムは、スエージングプレスダイを元の開始位置に戻して、次のスエージ事象の準備を整えることができる。
【0093】
一実施形態では、スエージングプレス用の立体鏡は、緑色光、黄色光、及び赤色光を含む様々な色を生成することができる1つ以上の発光ダイオードを含んでもよい。一実施形態では、許容可能な製品が形成されたときに緑色光が生成される。一実施形態では、製品が廃棄されるべきであることを示すために欠陥製品が形成されたときに、赤色光が生成される。一実施形態では、縫合針の変位限界、力限界、及び/又は所望のヒット/タップの合計回数がまだ達成されていないことを示すために、黄色光が生成される。
【0094】
一実施形態では、マイクロプロセッサは、0.5秒の期間内にロードセルから1,000の読み取り値を取得することができ、サーボモータから0.5秒以内に1,000個の読み取り値を取得することができる。結果として、単一のスエージ事象中、マイクロプロセッサは、変位限界、力限界、及び縫合針に適用されるヒット数の状態を連続的に監視する。
【0095】
一実施形態では、縫合針は、第1のスエージ事象と第2のスエージ事象とのに(例えば、180度)で回転されてもよい。一実施形態では、縫合針は、第1のスエージ事象と第2のスエージ事象との間に90度、第2のスエージ事象と第3のスエージ事象との間に更に90度、第3のスエージ事象と第4のスエージ事象との間に更にもう90度回転されてもよい。変位限界、力限界、及びヒット数は、スエージ事象間で変化してもよく、変化は、制御システム及び/又はマイクロプロセッサに予めプログラムされてもよい。他の実施形態では、準備済み外科用縫合針を作製するために、単一の縫合針は、異なるスエージ事象に対して1~12回以上回転されてもよい。
【0096】
一実施形態では、精密スライド並びに/又は頂部ダイ及び底部ダイは、ボイスコイルアクチュエータ技術としも知られている、可動コイル技術を組み込む精密なプログラム可能な電気アクチュエータを含んでもよい。一実施形態では、精密スライド及び/又は頂部ダイ及び底部ダイは、SMAC Corporation(Carlsbad,California)から販売されているものと同様の可動コイル技術を組み込んでもよい。www.smac-mca.com/technical-resources/moving-coil-technologyを参照のこと。
【0097】
可動コイル技術を組み込んだプログラム可能な電気アクチュエータは、1)力、位置、及び速度を完全にプログラム可能とすること、2)非常に高速又は非常に低速で実行すること、3)サブミクロンの精度及び再現性で実行すること、4)製品の場所及び/又は寸法の極めて正確な感知を提供することを含む、従来の電動シリンダアクチュエータに対して多数の利益を提供する。
【0098】
可動コイル技術を組み込むプログラム可能な電気アクチュエータは、広範囲の高サイクル位置決め用途、測定用途、検査用途、及びピックアンドプレイス用途に対して好ましい。製造時間を増大させ、セットアップを簡略化し、製造中のスエージングプレスへの「オンザフライ」調整を容易にすることを所望する製造業者は、可動コイル技術を組み込んだプログラム可能な電気アクチュエータを使用することにより、性能を劇的に改善することができる。
【0099】
一実施形態では、ボイスコイルは、強力な磁場に位置し、電流は、いずれかの方向において力を発生させるためにコイルを通過することができる。可動コイルデバイスによって生成される力の量は、以下の等式によって求められる。
F∝NIB、式中、
Fは、生成された力であり、
Nは、巻線内の巻き数(定数)であり、
Iは、巻線を通って流れる電流であり、
Bは、磁束(定数)である。
【0100】
したがって、電流を制御することによって、力出力を正確に制御することができる。
【0101】
可動コイル技術を組み込むプログラム可能な電気アクチュエータは、任意の時点で、動作(力、位置、及び速度モード)の間で切り替わる能力を提供し、迅速な切り替えのために、「オンザフライ」調節可能な運動を提供し、一定の力の監視及び制御を提供し、機械的なスラミングが完全に排除されるように、滑らかで迅速に減速するようにプログラムすることができる。
【0102】
可動コイル技術を組み込むプログラム可能な電気アクチュエータは、力、加速度、及び速度においてプログラム可能であり、それにより、制御システム、コントローラ、又は中央処理ユニット(CPU)を使用して、様々な製品を迅速に切り替える能力を提供する。幅広く異なる運動プロファイル及びプログラムが、制御システム内に記憶され、予め設定され得る。一実施形態では、可動コイル技術を組み込むプログラム可能な電気アクチュエータは、以下の異なるモードで動作し得る:1)力モード2)速度モード:速度モードにより、頂部ダイ及び底部ダイを所与の速度、加速度、力、及び方向で移動させることが可能になる。3)位置モード:位置モードにより、加速度、速度、及び力を使用して、頂部ダイ及び底部ダイをスエージング軸に沿って様々な位置に移動させることが可能になる。一実施形態では、絶対的な移動、相対的な移動、及び「学習された位置」移動を実行することが可能である。
【0103】
上記の説明は本発明の実施形態に関するものであるが、本発明の他の及び更なる実施形態を本発明の基本的な範囲から逸脱することなく行うことが可能であり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。例えば、本発明では、本明細書で説明するか又は本明細書に参照により組み込まれる実施形態のいずれかに示す特徴のいずれかを、本明細書で説明するか又は本明細書に参照により組み込まれるがやはり本発明の範囲内に含まれる他の実施形態のいずれかに示す特徴のいずれかと組み合わせてもよいことが意図されている。
【0104】
〔実施の態様〕
(1) 外科用縫合針を縫合糸に取り付けるためのプログラム可能なスエージングプレスであって、
底部スエージングダイと、
前記底部スエージングダイに対向し、かつ、前記底部スエージングダイと位置合わせされたスエージング軸に沿って上下に移動可能である、頂部スエージングダイと、
負荷データを記録するための、前記底部スエージングダイ上のロードセルと、
前記スエージング軸上における前記頂部スエージングダイの場所に対応する場所データを記録するために前記頂部スエージングダイと連結されたサーボモータと、
前記ロードセル及び前記サーボモータと通信するマイクロプロセッサを備える制御システムであって、前記マイクロプロセッサは、前記記録された負荷データを使用して、スエージ事象中に加えられた総負荷を判定し、前記マイクロプロセッサは、前記記録された場所データを使用して、前記スエージ事象中の総変位を計算する、制御システムと、
を備える、プログラム可能なスエージングプレス。
(2) 前記底部スエージングダイは、底板と、前記底板を覆う天板と、を含むヒンジ機構を備え、前記天板及び前記底板は、前記天板が前記底板に対して枢動することを可能にするために互いに枢動可能に接続され、前記ロードセルは、前記天板と前記底板との間に配置されており、前記記録された負荷データを前記マイクロプロセッサに送るように適合されている、実施態様1に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
(3) フレームと、
前記フレームに固定されたガイドレールと、
前記ガイドレールの上端部と下端部との間で移動するために前記ガイドレールと連結された精密スライドと、を更に含み、
前記頂部スエージングダイは、前記精密スライド上に載置され、
前記サーボモータは、前記ガイドレールの前記上端部と前記下端部との間における前記精密スライドの上下移動を制御するために、前記精密スライドと連結されており、これにより、前記スエージング軸に沿った前記頂部スエージングダイの上下移動を制御する、
実施態様1に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
(4) 前記制御システムは、準備済み外科用縫合針を形成するための、その中に記憶された1つ以上のスエージプログラムを含み、各前記スエージプログラムは、スエージ事象中に使用するための変位限界及び負荷限界を含む、実施態様1に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
(5) 前記変位限界は、前記スエージ事象中の縫合針の総変位の上限を含み、前記負荷限界は、前記スエージ事象中に前記縫合針に加えられた総負荷の上限を含む、実施態様4に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
【0105】
(6) 前記マイクロプロセッサは、前記スエージ事象中の前記縫合針の前記総変位を判定して前記変位限界を超えたかどうかを判定し、かつ前記スエージ事象中に前記縫合針に加えられた総力を判定して前記負荷限界を超えたかどうかを判定する、実施態様5に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
(7) 前記マイクロプロセッサは、前記変位限界に達し、かつ、前記負荷限界を超えていない場合には、前記準備済み外科用縫合針が良好であるというメッセージを生成し、前記マイクロプロセッサは、前記変位限界に達しておらず、かつ、前記負荷限界を超えた場合には、前記準備済み外科用縫合針が不良であるというメッセージを生成する、実施態様6に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
(8) 各前記スエージプログラムは、前記スエージ事象中に前記縫合針にスエージングツールが当たる回数に対応するヒット限界を更に含む、実施態様7に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
(9) 前記サーボモータ及び前記ロードセルは、前記スエージ事象中に前記マイクロプロセッサにリアルタイムフィードバックを提供する、実施態様1に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
(10) 各前記プログラムは、第2のスエージ事象中に使用するための第2の変位限界及び第2の負荷限界を含み、前記第2の変位限界は前記第1の変位限界とは異なり、前記第2の負荷限界は前記第1の負荷限界とは異なる、実施態様4に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
【0106】
(11) 前記制御システムは、前記準備済み外科用縫合針が良好であるか不良であるかを示す可視信号又は可聴信号を生成する、実施態様4に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
(12) 前記制御システムは、前記試験された準備済み外科用縫合針が良好である場合には、可視緑色光及び可聴ビープを生成し、前記準備済み外科用縫合針が不良である場合には、可視赤色光及び可聴ブザーを生成する、実施態様11に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
(13) 準備済み外科用縫合針を作製するためのプログラム可能なスエージングプレスであって、
フレームと、
前記フレームと連結された頂部スエージングダイ及び底部スエージングダイであって、前記頂部スエージングダイは、前記底部スエージングダイに対向し、かつ、前記底部スエージングダイと位置合わせされているスエージング軸に沿って上下に移動可能である、頂部スエージングダイ及び底部スエージングダイと、
前記底部スエージングダイがスエージ事象中に受ける負荷を記録するための、前記底部スエージングダイ上のロードセルと、
前記スエージング軸に沿った前記頂部スエージングダイの場所を制御し記録するための、前記頂部スエージングダイと連結されたサーボモータと、
前記ロードセル及び前記サーボモータと通信するマイクロプロセッサを備える制御システムであって、前記マイクロプロセッサは、前記記録された負荷を使用して、スエージ事象中に加えられた総負荷を判定し、前記マイクロプロセッサは、前記記録された場所を使用して、前記スエージ事象中の総変位を計算する、制御システムと、
を含む、プログラム可能なスエージングプレス。
(14) 前記底部スエージングダイは、
前記フレームと連結された底板を含むヒンジ機構と、
前記底板を覆う天板であって、前記天板及び前記底板は、前記天板が前記底板に対して枢動することを可能にするために互いに枢動可能に接続され、前記ロードセルは、前記天板と前記底板との間に配置されている、天板と、
前記スエージング軸に沿って前記頂部スエージングダイに向かって延在する、前記天板上に載置されたスエージングツールと、
を備える、実施態様13に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
(15) 前記マイクロプロセッサを含み、かつ、準備済み外科用縫合針を形成するための、その中に記憶された1以上のスエージプログラムを有する、制御システムを更に備え、各前記スエージプログラムは、スエージ事象中に使用するための変位限界及び負荷限界を含み、前記変位限界は、前記スエージ事象中の縫合針の総変位の上限を含み、前記負荷限界は、前記スエージ事象中に前記縫合針が受けることができる総負荷の上限を含む、実施態様14に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
【0107】
(16) 前記マイクロプロセッサは、前記スエージ事象中の前記縫合針の前記総変位を判定するために前記サーボモータと通信し、前記マイクロプロセッサは、前記スエージ事象中に前記縫合針が受ける前記総負荷を判定するために前記ロードセルと通信している、実施態様15に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
(17) 前記マイクロプロセッサは、前記変位限界に達し、かつ、前記負荷限界を超えていない場合には、前記準備済み外科用縫合針が良好であるというメッセージを生成し、前記マイクロプロセッサは、前記負荷限界を超えた場合には、前記準備済み外科用縫合針が不良であるというメッセージを生成する、実施態様16に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
(18) 各前記スエージプログラムは、前記スエージ事象中におけるヒット限界を更に含み、前記ヒット限界は、前記スエージ事象中に前記縫合針に当たる合計回数を含む、実施態様17に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
(19) 各前記プログラムは、第2のスエージ事象中に使用するための第2の変位限界及び第2の負荷限界を含み、前記第2の変位限界は前記第1の変位限界とは異なり、前記第2の負荷限界は前記第1の負荷限界とは異なる、実施態様16に記載のプログラム可能なスエージングプレス。
(20) 外科用縫合針を縫合糸に取り付けるためのプログラム可能なスエージングプレスであって、
フレームと、
前記フレームに載置された底部スエージングダイと、
前記フレーム上に載置され、かつ、前記底部スエージングダイと位置合わせされているスエージング軸に沿って上下に移動可能である、頂部スエージングダイであって、
前記底部スエージングダイは、
前記フレームと連結された底板を含むヒンジ機構と、
前記底板を覆う天板であって、前記天板及び前記底板は、前記天板が前記底板に対して枢動することを可能にするために互いに枢動可能に接続されている、天板と、
前記スケージング軸に沿って前記頂部スエージングダイに向かって延在する、前記天板上に載置されたスエージングツールと、
前記底部スエージングダイが受ける負荷を記録するための、前記天板と前記底板との間に配置されたロードセルと、
を備える、頂部スエージングダイと、
制御システムであって、
前記スエージング軸に沿った前記頂部スエージングダイの場所に関連する場所データを記録するための、前記頂部スエージングダイと連結されたサーボモータと、
前記記録された負荷を受信し、前記記録された負荷の変化を検出するために前記ロードセルと通信するマイクロプロセッサであって、前記マイクロプロセッサは、前記スエージング軸に沿った前記頂部スエージングダイの場所を判定するために前記サーボモータと通信する、マイクロプロセッサと、
を備える、制御システムと、
を備える、プログラム可能なスエージングプレス。