(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】免疫調節剤として有用な化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 401/14 20060101AFI20220719BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20220719BHJP
C07D 413/12 20060101ALI20220719BHJP
C07D 471/08 20060101ALI20220719BHJP
C07D 493/08 20060101ALI20220719BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220719BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20220719BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220719BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20220719BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20220719BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20220719BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20220719BHJP
A61K 31/4545 20060101ALI20220719BHJP
A61K 31/498 20060101ALI20220719BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20220719BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20220719BHJP
【FI】
C07D401/14 CSP
C07D413/14 ZNA
C07D413/12
C07D471/08
C07D493/08 B
A61P43/00 111
A61P37/04
A61P43/00 105
A61P35/00
A61P35/04
A61P31/00
A61P31/12
A61P31/04
A61K31/4545
A61K31/498
A61K31/4439
A61K31/496
(21)【出願番号】P 2019554486
(86)(22)【出願日】2017-12-19
(86)【国際出願番号】 US2017067198
(87)【国際公開番号】W WO2018118848
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-12-11
(32)【優先日】2016-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100162695
【氏名又は名称】釜平 双美
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【氏名又は名称】水原 正弘
(72)【発明者】
【氏名】カプ-スン・イェウン
(72)【発明者】
【氏名】キャサリン・エイ・グラント-ヤング
(72)【発明者】
【氏名】リ-チアン・スン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・アール・ラングレー
(72)【発明者】
【氏名】デニス・アール・セイント・ローレント
(72)【発明者】
【氏名】ポール・マイケル・スコラ
【審査官】早乙女 智美
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-536333(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0291549(US,A1)
【文献】特表2013-503824(JP,A)
【文献】特表2010-526823(JP,A)
【文献】国際公開第2006/044503(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
〔式中、
mは0、1または2であり;
Zは-OCH
3および-O(CH
2)
nArから選択され;ここで
nは1、2、3または4であり;
Arはフェニルおよびピリジニルから選択され、ここで、各環はC
1-C
4アルコキシ、C
1-C
4アルキル、アミド、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロ、ハロC
1-C
4アルキル、ハロC
1-C
4アルコキシおよびニトロから独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で場合により置換されており;
Aは-CH
2O-、-OCH
2-、-(CH
2)
2-、-CH=CH-、-C(O)NH-および-NHC(O)-から選択され、ここで、各基は左側がR
2に結合し、右側がフェニル環に結合するように記載されており;
R
2は
【化2】
から選択され;ここで
R
mおよびR
nは独立して水素、C
1-C
3アルキルおよびハロから選択され;
Yは水素、C
1-C
3アルコキシ、C
1-C
3アルキル、シアノおよびハロから選択され;
R
5は、場合により窒素および酸素から独立して選択される1個または2個のヘテロ原子を含み、かつ0個、1個、2個または3個の二重結合を含む、3~10員単環または二環であり、ここで、該環は、C
1-C
3アルコキシ、C
1-C
3アルコキシC
1-C
4アルキル、C
1-C
4アルコキシカルボニル、C
1-C
4アルキル、ジ(C
1-C
4)アルキルアミノ、アミノ、アミノC
1-C
4アルキル、カルボキシ、カルボキシC
1-C
4アルキル、C
3-C
4シクロアルキルおよびフェニルから独立して選択される1個、2個または3個の基で場合により置換されており;
各R
3はC
1-C
4アルキル、シアノ、ハロおよびハロC
1-C
4アルキルから独立して選択され;
R
4は-CH
2OH、-CHOおよび-(CH
2)
nNR
qR
8から選択され;ここで
nは1、2、3または4であり;
R
qは水素およびC
1-C
4アルキルから選択され;
R
8は水素、C
1-C
4アルキル、-(CH
2)
nN(CH
3)
2、
【化3】
から選択され;
R
9は水素およびC
1アルキルから選択され;
各R
9’は水素およびC
1-C
3アルキルから独立して選択され;そして
R
10は水素およびC
1-C
4アルキルから選択されるか;または
R
8およびR
qは、それらが結合している窒素原子と一体となって、
【化4】
である環を形成し;ここで
sは0、1または2であり;
zは1、2または3であり;そして
各R
14はC
1-C
4アルコキシカルボニル、C
1-C
6アルキル、カルボキシ、ハロ、ヒドロキシおよびヒドロキシC
1-C
4アルキルから独立して選択される。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
mが1であり、R
3がハロである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
Zが-OCH
2Arであり、ここで、Arがシアノ基で置換されているピリジニルである、請求項2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Aが-CH
2O-である、請求項3に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
R
2が
【化5】
であり;
Yが水素およびC
1アルキルから選択され;
R
nが水素およびC
1アルキルから選択され;そして
R
5が1個の窒素原子および0個の二重結合を含む6~8員単環または二環であり、ここで、環がC
1アルキル、ジ(C
1-C
4)アルキルアミノ、アミノ、カルボキシC
1-C
4アルキルおよびC
3-C
4シクロアルキルから選択される1個の置換基で場合により置換されている、
請求項4に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
R
4が-(CH
2)NR
qR
8であり;ここで
R
qが水素およびC
1アルキルから選択され;
R
8が
【化6】
から選択され;
R
9が水素およびC
1アルキルから選択され;
各R
9’が水素およびC
1アルキルから独立して選択され;そして
R
10が水素およびC
1-C
4アルキルから選択されるか;または
R
8およびR
qが、それらが結合している窒素原子と一体となって、
【化7】
である環を形成し;ここで
sが1であり;
zが3であり;そして
R
14がカルボキシである、
請求項5に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
mが1であり;
Zが-O(CH
2)
nArであり;
nが1であり;
Arが1個のシアノ基で置換されているピリジニルであり;
Aが-CH
2Oであり;
R
2が
【化8】
から選択され;ここで
R
mおよびR
nが水素およびC
1-C
3アルキルから独立して選択され;
Yが水素およびC
1-C
3アルキルから選択され;
R
5が場合により窒素および酸素から独立して選択される1個または2個のヘテロ原子を含み、0個、1個、2個または3個の二重結合を含む5~8員単環または二環であり、ここで、該環がC
1-C
4アルキル、ジ(C
1-C
4)アルキルアミノ、アミノ、カルボキシC
1-C
4アルキルおよびC
3-C
4シクロアルキルから選択される1個の基で場合により置換されている;
R
3がハロであり;
R
4が-CH
2OH、-CHOおよび-(CH
2)
nNR
qR
8から選択され;ここで
nが1であり;
R
qが水素およびC
1-C
4アルキルから選択され;
R
8が
【化9】
から選択され;
R
9が水素およびC
1アルキルから選択され;
各R
9’が水素およびC
1-C
3アルキルから独立して選択され;そして
R
10が水素およびC
1-C
4アルキルから選択されるか;または
R
8およびR
qが、それらが結合している窒素原子と一体となって、
【化10】
である環を形成し;ここで
sが1であり;
zが1~3であり;そして
R
14がカルボキシである、
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-6-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(2S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(1-メチルピペリジン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(ピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((3-(2-(1-シクロプロピルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(2S)-1-(4-((3-(2-(8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(ピリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(2S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(1-メチルピロリジン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(7-メチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(4-メチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((3-(2-(4-(ジエチルアミノ)シクロヘキシル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((3-(2-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(2S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(S)-1-(4-((3-(2-(3-アミノビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(S)-1-(4-((3-(2-(1-(カルボキシメチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(2S)-1-(4-((3-(2-(8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
5-((4-クロロ-2-ホルミル-5-((2-メチル-3-(2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル;
(R)-2-((5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)アミノ)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸;
5-((4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)-5-((2-メチル-3-(2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル;
5-((4-クロロ-2-(((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)(メチル)アミノ)メチル)-5-((2-メチル-3-(2-((1S,4S)-5-メチル-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル;
(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-((1S,4S)-5-メチル-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
5-((5-((3-(2-((1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-4-クロロ-2-(((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)アミノ)メチル)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル;
5-((4-クロロ-2-(((1,3-ジヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)(メチル)アミノ)メチル)-5-((2-メチル-3-(2-((1S,4S)-5-メチル-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル;
(S)-1-(4-((3-(2-((1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
5-((5-((3-(2-((1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-4-クロロ-2-(((1,3-ジヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)メチル)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル;
(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
5-((4-クロロ-2-(((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)アミノ)メチル)-5-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル;
5-((4-クロロ-2-(((1,3-ジヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)メチル)-5-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル;
(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)-L-セリン;
(S)-2-((5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)アミノ)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸;
(S)-2-((5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)アミノ)ペンタン酸;
(S)-2-((5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)アミノ)-3-メチルブタン酸;
5-((4-クロロ-2-(((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)(メチル)アミノ)メチル)-5-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル;
5-((4-クロロ-2-(((1,3-ジヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)(メチル)アミノ)メチル)-5-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル;
N-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)-N-メチル-L-セリン;
(S)-2-((5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)(メチル)アミノ)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸;
(S)-2-((5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)(メチル)アミノ)ペンタン酸;
(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(1-フェニルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(S)-1-(5-クロロ-2-メトキシ-4-((2-メチル-3-(2-(1-フェニルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((3-(2-(4-(メトキシカルボニル)シクロヘキシル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(S)-1-(4-((3-(2-(4-カルボキシシクロヘキシル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(3-(1,2,5,6-テトラ-ヒドロピリジン-3-イル)キノキサリン-6-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(2S)-1-(4-((3-(3-(8-(tert-ブトキシカルボニル)ビシクロ[3.2.1]オクト-2-エン-3-イル)キノキサリン-6-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(2S)-1-(4-((3-(3-(8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-2-エン-3-イル)キノキサリン-6-イル)-2-メチルベンジル)-オキシ)-5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;
(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(3-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)キノキサリン-6-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸;および
(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(3-(4-メチルピペラジン-1-イル)キノキサリン-6-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
から選択される化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、免疫応答を増強、刺激および/または増大させるための、医薬組成物。
【請求項11】
請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、癌細胞の成長、増殖または転移を阻止するための、医薬組成物。
【請求項12】
請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、感染性疾患を治療するための、医薬組成物。
【請求項13】
感染性疾患がウイルスが原因である、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、敗血症性ショックを治療するための、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、引用により本明細書に包含させる、2016年12月20日出願の米国仮出願62/436,674に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一般にPD-1/PD-L1タンパク質/タンパク質およびCD80/PD-L1タンパク質/タンパク質相互作用の阻害剤として有用な化合物に関する。ここで提供されるのは、化合物、当該化合物を含む組成物およびそれらを使用する方法である。本発明は、さらに、癌および感染症を含む種々の疾患の処置に有用な、少なくとも一つの本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
プログラム死-1(CD279)は、そのリガンドであるプログラム死-リガンド1(PD-L1、CD274、B7-H1)またはPD-L2(CD273、B7-DC)により結合されたとき、T細胞受容体からの活性化シグナルを抑制することが示されている、T細胞上の受容体である(Sharpe et al., Nat. Imm. 2007)。PD-1発現T細胞が、そのリガンドを発現する細胞と接触したとき、増殖、サイトカイン分泌および細胞溶解活性を含む抗原刺激に対する応答における機能的活性が低減される。PD-1/PD-リガンド相互作用は、感染症または腫瘍の緩解中または自己寛容性の発展中に、免疫応答を下方制御する(Keir Me, Butte MJ, Freeman GJ, et al. Annu. Rev. Immunol. 2008; 26: Epub)。腫瘍疾患または慢性感染性疾患中に生じるような慢性的抗原刺激は、高レベルのPD-1を発現し、慢性抗原に対する活性に関して機能障害的である、T細胞をもたらす(Kim and Ahmed, Curr Opin Imm, 2010にレビュー)。これは、“T細胞疲弊”と称される。B細胞もPD-1/PD-リガンド抑制および“疲弊”を示す。
【0004】
PD-L1はまたCD80と相互作用することが示されている(Butte MJ et al., Immunity 27:111-122 (2007))。発現免疫細胞上のPD-L1/CD80相互作用は、阻害性のものであることが示されている。この相互作用の遮断は、この阻害性相互作用を抑制することが示されている(Paterson AM, et al., J Immunol., 187:1097-1105 (2011); Yang J, et al. J Immunol. Aug 1;187(3):1113-9 (2011))。
【0005】
PD-L1に対する抗体を使用するPD-1/PD-L1相互作用の遮断は、多くの系においてT細胞活性化を回復および増強することが示されている。進行癌を有する患者は、PD-L1に対するモノクローナル抗体での治療から利益を受ける(Brahmer et al., New Engl J Med 2012)。腫瘍の前臨床動物モデルは、モノクローナル抗体によるPD-1/PD-L1経路の遮断が免疫応答を増強でき、多数の組織学的に異なる腫瘍に対する免疫応答をもたらすことを示している(Dong H, Chen L. J Mol Med. 2003; 81(5):281-287; Dong H, Strome SE, Salamoa DR, et al. Nat Med. 2002; 8(8):793-800)。
【0006】
PD-1/PD-L1相互作用の阻害はまた慢性感染症系におけるT細胞活性の増強も示している。マウスの慢性リンパ球性絨毛髄膜炎ウイルス感染症も、PD-L1の遮断でウイルス排除の改善および免疫の回復を示す(Barber DL, Wherry EJ, Masopust D, et al. Nature 2006; 439(7077):682-687)。HIV-1に感染症したヒト化マウスは、ウイルス血症に対する保護の増強およびCD4+ T細胞のウイルスによる枯渇の減少を示す(Palmer et al., J. Immunol 2013)。PD-L1に対するモノクローナル抗体でのPD-1/PD-L1遮断は、HIV患者(Day, Nature 2006; Petrovas, J. Exp. Med. 2006; Trautman, Nature Med. 2006; D'Souza, J.Immunol. 2007; Zhang, Blood 2007; Kaufmann, Nature Imm. 2007; Kasu, J. Immunol. 2010; Porichis, Blood 2011)、HCV患者[Golden-Mason, J. Virol. 2007; Jeung, J. Leuk. Biol. 2007; Urbani, J. Hepatol. 2008; Nakamoto, PLoS Path. 2009; Nakamoto, Gastroenterology 2008]またはHBV患者(Boni, ,J. Virol. 2007; Fisicaro, Gastro. 2010; Fisicaro et al., Gastroenterology, 2012; Boni et al., Gastro., 2012; Penna et al., J Hep, 2012; Raziorrough, Hepatology 2009; Liang, World J Gastro. 2010; Zhang, Gastro. 2008)からのT細胞に、インビトロで抗原特異的機能を回復させ得る。
【0007】
PD-L1/CD80相互作用の遮断は、免疫を刺激することも示されている(Yang J., et al., J Immunol. Aug 1;187(3):1113-9 (2011))。PD-L1/CD80相互作用の遮断に起因する免疫刺激は、さらにPD-1/PD-L1またはPD-1/PD-L2相互作用の遮断との組み合わせにより増強されることが示されている。
【0008】
免疫細胞表現型の変更が、敗血症性ショックにおける重要な因子であるとの仮説が提示されている(Hotchkiss, et al., Nat Rev Immunol (2013))。これらは、PD-1およびPD-L1ならびにT細胞アポトーシスのレベルの増加を含む(Guignant, et al, Crit. Care (2011))。PD-L1に対する抗体は、免疫細胞アポトーシスのレベルを低減できる(Zhang et al, Crit. Care (2011))。さらに、PD-1発現を欠くマウスは、野生型マウスよりも敗血症性ショック症状に抵抗性である(Yang J., et al.. J Immunol. Aug 1;187(3):1113-9 (2011))。抗体を使用するPD-L1の相互作用の遮断が、不適切な免疫応答を抑制し、疾患症状を軽減することができることを示す複数の研究結果がある。
【0009】
慢性抗原に対する免疫応答増強に加えて、PD-1/PD-L1経路の遮断はまた慢性感染症に対する治療的ワクチン使用を含む、ワクチン接種に対する応答を増強することも示されている(S. J. Ha, S. N. Mueller, E. J. Wherry et al., The Journal of Experimental Medicine, vol. 205, no. 3, pp. 543-555, 2008.; A. C. Finnefrock, A. Tang, F. Li et al., The Journal of Immunology, vol. 182, no. 2, pp.980-987, 2009; M. -Y. Song, S. -H. Park, H. J. Nam, D. -H. Choi, and Y.-C. Sung, The Journal of Immunotherapy, vol. 34, no. 3, pp. 297-306, 2011)。
【0010】
PD-1経路は、慢性感染症および腫瘍疾患における慢性的抗原刺激に起因するT細胞疲弊における重要な阻害性分子である。PD-L1タンパク質を標的とすることによるPD-1/PD-L1相互作用の遮断は、腫瘍または慢性感染症の状況でのワクチン接種に対する応答増強を含む、インビトロおよびインビボでの抗原特異的T細胞の免疫機能を回復させることを示している。従って、PD-L1とPD-1またはCD80との相互作用を遮断する薬剤が望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
出願人は、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用の阻害剤としての活性を有し、故に、治療的ワクチンを含む、癌または感染症における免疫増強のための治療的投与に有用であり得る、強力な化合物を発見した。これらの化合物は、そのドラッガビリティに重要である、望ましい安定性、バイオアベイラビリティ、治療指数および毒性値を備えた有用な医薬として提供される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第一の態様において、本発明は、式(I)
【化1】
〔式中、
mは0、1または2であり;
Zは-OCH
3および-O(CH
2)
nArから選択され;ここで
nは1、2、3または4であり;
Arはフェニルおよびピリジニルから選択され、ここで、各環はC
1-C
4アルコキシ、C
1-C
4アルキル、アミド、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロ、ハロC
1-C
4アルキル、ハロC
1-C
4アルコキシおよびニトロから独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で場合により置換されており;
Aは-CH
2O-、-OCH
2-、-(CH
2)
2-、-CH=CH-、-C(O)NH-および-NHC(O)-から選択され、ここで、各基は左側がR
2に結合し、右側がフェニル環に結合するように記載されており;
R
2は
【化2】
から選択され;ここで
R
mおよびR
nは独立して水素、C
1-C
3アルキルおよびハロから選択され;
Yは水素、C
1-C
3アルコキシ、C
1-C
3アルキル、シアノおよびハロから選択され;
R
5は、場合により窒素および酸素から独立して選択される1個または2個のヘテロ原子を含み、かつ0個、1個、2個または3個の二重結合を含む、3~10員単環または二環であり、ここで、該環は、C
1-C
3アルコキシ、C
1-C
3アルコキシC
1-C
4アルキル、C
1-C
4アルコキシカルボニル、C
1-C
4アルキル、ジ(C
1-C
4)アルキルアミノ、アミノ、アミノC
1-C
4アルキル、カルボキシ、カルボキシC
1-C
4アルキル、C
3-C
4シクロアルキルおよびフェニルから独立して選択される1個、2個または3個の基で場合により置換されており;
各R
3はC
1-C
4アルキル、シアノ、ハロおよびハロC
1-C
4アルキルから独立して選択され;
R
4は-CH
2OH、-CHOおよび-(CH
2)
nNR
qR
8から選択され;ここで
nは1、2、3または4であり;
R
qは水素およびC
1-C
4アルキルから選択され;
R
8は水素、C
1-C
4アルキル、-(CH
2)
nN(CH
3)
2、
【化3】
から選択され;
R
9は水素およびC
1アルキルから選択され;
各R
9’は水素およびC
1-C
3アルキルから独立して選択され;そして
R
10は水素およびC
1-C
4アルキルから選択されるか;または
R
8およびR
qは、それらが結合している窒素原子と一体となって、
【化4】
である環を形成し;ここで
sは0、1または2であり;
zは1、2または3であり;そして
各R
14はC
1-C
4アルコキシカルボニル、C
1-C
6アルキル、カルボキシ、ハロ、ヒドロキシおよびヒドロキシC
1-C
4アルキルから独立して選択される。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0013】
第一の態様の第一の実施態様において、本発明は、mが1であり、R3がハロである、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。第一の態様の第二の実施態様において、Zが-OCH2Arであり、ここで、Arはシアノ基で置換されているピリジニルである。第三の実施態様において、Aが-CH2O-である。
【0014】
第一の態様の第四の実施態様において、本発明は、
式中、
mが1であり;
R
3がハロであり;
ZがOCH
2Arであり、ここで、Arがシアノ基で置換されているピリジニルであり;
Aが-CH
2O-であり;
R
2が
【化5】
であり;
Yが水素およびC
1アルキルから選択され;
R
nが水素およびC
1アルキルから選択され;そして
R
5が1個の窒素原子および0個の二重結合を含む6~8員単環または二環であり、ここで、環はC
1アルキル、ジ(C
1-C
4)アルキルアミノ、アミノ、カルボキシC
1-C
4アルキルおよびC
3-C
4シクロアルキルから選択される1個の置換基で場合により置換されている、
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0015】
第一の態様の第五の実施態様において、本発明は、
式中、
mが1であり;
R
3がハロであり;
ZがOCH
2Arであり、ここで、Arがシアノ基で置換されているピリジニルであり;
Aが-CH
2O-であり;
R
2が
【化6】
であり;
Yは水素およびC
1アルキルから選択され;
R
nが水素およびC
1アルキルから選択され;
R
5が1個の窒素原子および0個の二重結合を含む6~8員単環または二環であり、ここで、環はC
1アルキル、ジ(C
1-C
4)アルキルアミノ、アミノ、カルボキシC
1-C
4アルキルおよびC
3-C
4シクロアルキルから選択される1個の置換基で場合により置換されており;そして
R
4が-(CH
2)NR
qR
8であり;ここで
R
qが水素およびC
1アルキルから選択され;
R
8が
【化7】
から選択され;
R
9が水素およびC
1アルキルから選択され;
各R
9’が水素およびC
1アルキルから独立して選択され;そして
R
10は水素およびC
1-C
4アルキルから選択されるか;または
R
8およびR
qが、それらが結合している窒素原子と一体となって、
【化8】
である環を形成し;ここで
sが1であり;
zが3であり;そして
R
14がカルボキシである
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0016】
第一の態様の第六の実施態様において、本発明は、
式中、
mが1であり;
Zが-O(CH
2)
nArであり;
nが1であり;
Arが1個のシアノ基で置換されているピリジニルであり;
Aが-CH
2O-であり;
R
2が
【化9】
から選択され;ここで
R
mおよびR
nが水素およびC
1-C
3アルキルから独立して選択され;
Yが水素およびC
1-C
3アルキルから選択され;
R
5が場合により窒素および酸素から独立して選択される1個または2個のヘテロ原子を含み、0個、1個、2個または3個の二重結合を含む5~8員単環または二環であり、ここで、該環はC
1-C
4アルキル、ジ(C
1-C
4)アルキルアミノ、アミノ、カルボキシC
1-C
4アルキルおよびC
3-C
4シクロアルキルから選択される1個の基で場合により置換されていており;
R
3がハロであり;
R
4が-CH
2OH、-CHOおよび-(CH
2)
nNR
qR
8から選択され;ここで
nが1であり;
R
qが水素およびC
1-C
4アルキルから選択され;
R
8が
【化10】
から選択され;
R
9が水素およびC
1アルキルから選択され;
各R
9’が水素およびC
1-C
3アルキルから独立して選択され;そして
R
10が水素およびC
1-C
4アルキルから選択されるか;または
R
8およびR
qが、それらが結合している窒素原子と一体となって、
【化11】
である環を形成し;ここで
sが1であり;
zが3であり;そして
R
14がカルボキシである
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0017】
第二の態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0018】
第三の態様において、本発明は、処置を必要とする対象における免疫応答を増強、刺激、調節および/または増大させる方法を提供し、該方法は、該対象に治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。第三の態様の第一の実施態様において、本方法は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の前、後または同時にさらなる薬剤を投与することをさらに含む。第二の実施態様において、さらなる薬剤は抗微生物剤、抗ウイルス剤、細胞毒性剤、遺伝子発現調節剤および/または免疫応答修飾剤である。
【0019】
第四の態様において、本発明は、処置を必要とする対象における癌細胞の成長、増殖または転移を阻止する方法を提供し、該方法は、対象に治療有効量の式(I)の化合物または薬学的に許容される塩を投与することを含む。第一の実施態様において、癌は、黒色腫、腎細胞癌、扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)、非扁平上皮NSCLC、結腸直腸癌、去勢抵抗性前立腺癌、卵巣癌、胃癌、肝細胞癌、膵臓癌、頭頸部扁平上皮細胞癌、食道、消化管および乳房の癌ならびに造血器腫瘍から選択される。
【0020】
第五の態様において、本発明は、処置を必要とする対象における感染性疾患を処置する方法を提供し、該方法は、該対象に治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。第五の態様の第一の実施態様において、感染性疾患はウイルスが原因である。第二の実施態様において、ウイルスはHIV、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、ヘルペスウイルス、乳頭腫ウイルスおよびインフルエンザから選択される。
【0021】
第六の態様において、本発明は処置を必要とする対象における敗血症性ショックを処置する方法を提供し、該方法は、該対象に治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0022】
第七の態様において、本発明は、医薬として使用するための式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0023】
他の態様において、本発明は、式(II)
【化12】
〔式中、
mは0、1または2であり;
Zは-O(CH
2)
nArであり;
nは1、2、3または4であり;
Arはフェニルおよびピリジニルから選択され、ここで、各環はC
1-C
4アルコキシ、C
1-C
4アルキル、アミド、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロ、ハロC
1-C
4アルキル、ハロC
1-C
4アルコキシおよびニトロから独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で場合により置換されていており;
Aは-CH
2O-、-OCH
2-、-(CH
2)
2-、-CH=CH-、-C(O)NH-および-NHC(O)-から選択され、ここで、各基は左側がR
2に結合し、右側がフェニル環に結合するように記載されており;
R
2は
【化13】
から選択され;ここで
R
mおよびR
nは独立して水素、C
1-C
3アルキルおよびハロから選択され;
Yは水素、C
1-C
3アルコキシ、C
1-C
3アルキル、シアノおよびハロから選択され;
R
5は、場合により窒素および酸素から独立して選択される1個または2個のヘテロ原子を含み、かつ0個、1個、2個または3個の二重結合を含む、3~10員単環または二環であり、ここで、該環はC
1-C
3アルコキシ、C
1-C
3アルコキシC
1-C
4アルキル、C
1-C
4アルキル、ジ(C
1-C
4)アルキルアミノ、アミノ、アミノC
1-C
4アルキル、カルボキシ、カルボキシC
1-C
4アルキルおよびC
3-C
4シクロアルキルから独立して選択される1個、2個または3個の基で場合により置換されており;
各R
3はC
1-C
4アルキル、シアノ、ハロおよびハロC
1-C
4アルキルから独立して選択され;
R
4は-CH
2OH、-CHOおよび-(CH
2)
nNR
qR
8から選択され;ここで
nは1、2、3または4であり;
R
qは水素およびC
1-C
4アルキルから選択され;
R
8は水素、C
1-C
4アルキル、-(CH
2)
nN(CH
3)
2、
【化14】
から選択され;
R
9は水素およびC
1アルキルから選択され;
各R
9’は水素およびC
1-C
3アルキルから独立して選択され;
R
10は水素およびC
1-C
4アルキルから選択されるか;または
R
8およびR
qは、それらが結合している窒素原子と一体となって、
【化15】
である環を形成し;ここで
sは0、1または2であり;
zは1、2または3であり;そして
各R
14はC
1-C
4アルコキシカルボニル、C
1-C
6アルキル、カルボキシ、ハロ、ヒドロキシおよびヒドロキシC
1-C
4アルキルから独立して選択される。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0024】
本明細書で特に断らない限り、単数表現は複数も含み得る。例えば、“ある”は1または1以上を意味し得る。
【0025】
ここで使用する用語“化合物またはその薬学的に許容される塩”は、少なくとも一つの化合物、少なくとも一つの化合物の塩またはこれらの組み合わせをいう。例えば、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、1種の式(I)の化合物;2種の式(I)の化合物;1種の式(I)の化合物の塩;1種の式(I)の化合物および1以上の式(I)の化合物の塩;および2種以上の式(I)の化合物の塩を含む。
【0026】
特に断らない限り、原子価が充足されていないあらゆる原子は、原子価を充足させるのに十分な水素原子を有すると推定される。
【0027】
本明細書を通して、基およびその置換基は、安定な部分および化合物を提供するように当業者により選択され得る。
【0028】
下に挙げるのは、本発明を説明するために使用する種々の用語の定義である。これらの定義は、個々にまたは大きな基の一部として、それらが本明細書を通して使用される限り(特定の例で谷限定されていない限り)適用される。ここに示す定義は、引用により本明細書に包含させるあらゆる特許、特許出願および/または特許出願公開において示される定義に優先する。
【0029】
ここで使用する単数表現は、文脈に明らかに反しない限り、複数を含む。
【0030】
本発明の二環は、単環または縮合環、スピロ環または架橋二環構造であり得る。
【0031】
ここで使用する用語“C1-C3アルコキシ”は、酸素原子を介して親分子部分に結合したC1-C3アルキル基をいう。
【0032】
ここで使用する用語“C1-C3アルコキシC1-C4アルキル”は、C1-C4アルキル基を介して親分子部分に結合したC1-C3アルコキシ基をいう。
【0033】
ここで使用する用語“C1-C4アルコキシ”は、酸素原子を介して親分子部分に結合したC1-C4アルキル基をいう。
【0034】
ここで使用する用語“C1-C4アルコキシカルボニル”は、カルボニル基を介して親分子基に結合したC1-C4アルコキシ基をいう。
【0035】
ここで使用する用語“C1-C3アルキル”は、1~3個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖飽和炭化水素に由来する基をいう。
【0036】
ここで使用する用語“C1-C4アルキル”は、1~4個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖飽和炭化水素に由来する基をいう。
【0037】
ここで使用する用語“C1-C6アルキル”は、1~6個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖飽和炭化水素に由来する基をいう。
【0038】
ここで使用する用語“C1-C4アルキルアミノ”は、-NHR(式中、RはC1-C4アルキル基である)をいう。
【0039】
ここで使用する用語“アミド”は、-C(O)NH2をいう。
【0040】
ここで使用する用語“アミノC1-C4アルキル”は、C1-C4アルキル基を介して親分子部分に結合するアミノ基をいう。
【0041】
ここで使用する用語“カルボニル”は、-C(O)-をいう。
【0042】
ここで使用する用語“カルボキシ”は、-CO2Hをいう。
【0043】
ここで使用する用語“カルボキシC1-C4アルキル”は、C1-C4アルキル基を介して親分子部分に結合するカルボキシ基をいう。
【0044】
ここで使用する用語“シアノ”は、-CNをいう。
【0045】
ここで使用する用語“C3-C6シクロアルキル”は、3個または4個の炭素原子と0個のヘテロ原子を有する飽和単環炭化水素環系をいう。
【0046】
ここで使用する用語“ジ(C1-C4アルキル)アミノ”は、-NR2(式中、各RはC1-C4アルキル基である)をいう。R基は同一でも異なってもよい。
【0047】
ここで使用する用語“ホルミル”は、-C(O)Hをいう。
【0048】
ここで使用する用語“ハロ”および“ハロゲン”は、F、Cl、BrまたはIをいう。
【0049】
ここで使用する用語“ハロC1-C4アルコキシ”は、酸素原子を介して親分子部分に結合するハロC1-C4アルキル基をいう。
【0050】
ここで使用する用語“ハロC1-C4アルキル”は、1個、2個または3個のハロゲン原子で置換されているC1-C4アルキル基をいう。
【0051】
ここで使用する用語“ヒドロキシ”は、-OHをいう。
【0052】
ここで使用する用語“ヒドロキシC1-C4アルキル”は、C1-C4アルキル基を介して親分子部分に結合するヒドロキシ基をいう。
【0053】
ここで使用する用語“ニトロ”は、-NO2をいう。
【0054】
用語“薬学的に許容される”は、ここでは、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答または他の問題もしくは合併症がなく、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適し、合理的ベネフィット/リスク比を適える、化合物、物質、組成物および/または投与形態をいうために用いる。
【0055】
式(I)の化合物は塩も形成でき、これもまた本開示の範囲内である。特に断らない限り、本発明化合物への言及は、1以上のその塩への言及を含むと理解される。用語“塩”は、無機および/または有機の酸および塩基と形成される酸性および/または塩基性塩を意味する。さらに、用語“塩”は、例えば、式(I)の化合物がアミンまたはピリジンまたはイミダゾール環などの塩基性部分およびカルボン酸などの酸性部分を含むとき、双性イオン(分子内塩)を含み得る。例えば、カチオンが塩の毒性または生物学的活性に顕著に影響しない、許容される金属およびアミン塩などの薬学的に許容される(すなわち、非毒性の、生理学的に許容される)塩が好ましい。しかしながら、他の塩は、例えば、製造中に用い得る単離または精製工程で有用であり得るので、本開示の範囲内で意図される。式(I)の化合物の塩は、例えば、式(I)の化合物と、当量のような一定量の酸または塩基を、塩が沈殿するような媒体中で反応させるかまたは水性媒体で反応させた後凍結乾燥することにより形成され得る。
【0056】
酸付加塩の例は、酢酸塩(例えば酢酸またはトリハロ酢酸、例えば、トリフルオロ酢酸と形成されるもの)、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩(塩酸と形成)、臭化水素酸塩(臭化水素と形成)、ヨウ化水素酸塩、マレイン酸塩(マレイン酸と形成)、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩(メタンスルホン酸と形成)、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩(例えば硫酸と形成されるもの)、スルホン酸塩(例えばここに記載のもの)、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩などのトルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩などを含む。
【0057】
塩基性塩の例は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩およびマグネシウム塩;バリウム塩、亜鉛塩およびアルミニウム塩;有機塩基(例えば、有機アミン)、例えばトリエチルアミンなどのトリアルキルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N-ベンジル-β-フェネチルアミン、1-エフェナミン、N,N’-ジベンジルエチレン-ジアミン、デヒドロアビエチルアミン、N-エチルピペリジン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミンまたは類似の薬学的に許容されるアミンとの塩およびアミノ酸、例えばアルギニン、リシンなどとの塩を含む。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハライド(例えば、メチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物)、ジアルキル硫酸エステル(例えば、ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミル硫酸エステル)、長鎖ハライド(例えば、デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物)、アラルキルハライド(例えば、ベンジルおよびフェネチルの臭化物)などの薬剤で四級化し得る。好ましい塩は、一塩酸塩、重硫酸塩、メタンスルホン酸塩、リン酸塩または硝酸塩を含む。
【0058】
種々の形態のプロドラッグが周知であり、
a) The Practice of Medicinal Chemistry, Camille G. Wermuth et al., Ch 31, (Academic Press, 1996);
b) Design of Prodrugs, edited by H. Bundgaard, (Elsevier, 1985);
c) A Textbook of Drug Design and Development, P. Krogsgaard-Larson and H. Bundgaard, eds. Ch 5, pgs 113 - 191 (Harwood Academic Publishers, 1991);および
d) Hydrolysis in Drug and Prodrug Metabolism, Bernard Testa and Joachim M. Mayer, (Wiley-VCH, 2003)
に記載される。
【0059】
さらに、式(I)の化合物は、その製造に続き、単離および精製して、重量で99%以上の式(I)の化合物(“実質的に純粋”)を含む組成物を得ることができ、次いでこれをここに記載するとおり使用または製剤する。このような“実質的に純粋”な式(I)の化合物も本発明の一部として意図される。
【0060】
“安定な化合物”および“安定な構造”は、反応混合物から有用な純度で単離され、有効な治療剤に製剤されるのに十分耐える化合物を示すことを意図する。本発明は、安定な化合物を具現化することを意図する。
【0061】
“治療有効量”は、本発明の化合物単独の量または本発明化合物の組み合わせの量またはPD-1/PD-L1のタンパク質/タンパク質間相互作用および/またはCD80/PD-L1のタンパク質/タンパク質間相互作用の阻害あるいは癌または敗血症性ショック、HIVまたはB型肝炎、C型肝炎およびD型肝炎などの感染性疾患の処置または予防に有効な他の活性成分と組み合わせた本発明の化合物の量を含むことを意図する。
【0062】
ここで使用する、“処置する”または“処置”は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患状態の処置を含み、(a)特に、哺乳動物が疾患状態の素因を有するが、まだそれを有すると診断されていないとき、該哺乳動物における該疾患状態の発症を予防する;(b)疾患状態を阻止する、すなわち、その進展を阻止する;および/または(c)疾患状態を軽減する、すなわち、疾患状態の退行を起こすことを含む。
【0063】
本発明の化合物は、該化合物を構成する全ての原子の同位体を含むことを意図する。同位体は、同じ原子番号を有するが、質量数が異なる原子を含む。限定を意図しない一般的な例として、水素の同位体は重水素(D)およびトリチウム(T)を含む。炭素の同位体は13Cおよび14Cを含む。同位体標識した本発明の化合物は、一般に当業者に知られる慣用技法でまたはここに記載するものに準ずる方法で、適切な同位体標識した反応材を、通常用いる非標識反応材の代わりに用いて、製造できる。例えば、メチル(-CH3)はまた-CD3などの重水素化メチル基を含む。
【0064】
式(I)の化合物および/またはその薬学的に許容される塩は、部位特異的処置または送達される式(I)の化合物の所要量に依存して、処置する状態に適する任意の手段で投与され得る。また、本発明に包含されるのは、式(I)の化合物および/またはその薬学的に許容される塩;および1以上の非毒性、薬学的に許容される担体および/または希釈剤および/またはアジュバント(ここでは包括的に“担体”物質と称する)および、所望により他の活性成分を含む、医薬組成物である。式(I)の化合物を、任意の適当な経路で、好ましくは該経路に適する医薬組成物の形でおよび意図する処置に有効な用量で投与し得る。本発明の化合物および組成物は、例えば、経口的に、経粘膜的に、経直腸的に、または血管内、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内および胸骨内を含む非経腸的に、慣用の薬学的に許容される担体、アジュバントおよび媒体を含む投与量単位製剤で投与し得る。例えば、医薬担体は、マンニトールまたはラクトースと微結晶セルロースの混合物を含み得る。該混合物は、例えばステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、およびクロスポビドンなどの崩壊剤などとして、さらなる成分を含み得る。担体混合物をゼラチンカプセルに充填するかまたは錠剤として圧縮し得る。医薬組成物を、例えば、経口剤形により、または注入により投与し得る。
【0065】
経口投与のためには、医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、液体カプセル剤、懸濁液剤または液剤の形であり得る。医薬組成物は、好ましくは特定の量の活性成分を含む投与量単位の形態に製造する。例えば、医薬組成物は、約0.1~1000mg、好ましくは約0.25~250mgおよびより好ましくは約0.5~100mgの範囲の量の活性成分を含む、錠剤またはカプセル剤として提供され得る。ヒトまたは他の哺乳動物のための適当な1日用量は、患者の状態および他の因子により広範に変わり得るが、常用手段により決定され得る。
【0066】
意図される医薬組成物は、例えば、許容され、かつ適当な経口製剤で、経口的に送達され得る。経口製剤の例は、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性および油性懸濁液剤、分散性粉末剤または顆粒剤、エマルジョン剤、硬および軟プセル剤、液体カプセル剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含むが、これらに限定されない。経口投与が意図される医薬組成物は、経口投与が意図される医薬組成物の製造について当分野で知られる任意の方法により製造され得る。薬学的に服用しやすい製剤を提供するために、本発明の医薬組成物は、甘味剤、風味剤、着色剤、粘滑剤、抗酸化剤および防腐剤から選択される少なくとも一つの薬剤を含み得る。
【0067】
錠剤は、例えば、少なくとも一つの式(I)の化合物および/または少なくとも一つのその薬学的に許容される塩と、錠剤の製造に適する少なくとも一つの非毒性の薬学的に許容される添加物の混合により製造され得る。添加物の例は、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムおよびリン酸ナトリウムなど;造粒および崩壊剤、例えば、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、トウモロコシデンプンおよびアルギン酸など;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、ポリビニル-ピロリドンおよびアカシアなど;および滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルクなどを含むが、これらに限定されない。さらに、錠剤は非被覆であるかまたは不快な味の薬物の悪い味のマスキングまたは消化管における活性成分の放出および吸収の遅延、それによる活性成分の効果の長期持続のための既知技法により被覆され得る。水可溶性味マスキング物質の例は、ヒドロキシプロピル-メチルセルロースおよびヒドロキシプロピル-セルロースを含むが、これらに限定されない。時間遅延物質の例は、エチルセルロースおよび酢酸酪酸セルロースを含むが、これらに限定されない。
【0068】
硬ゼラチンカプセル剤は、例えば、少なくとも一つの式(I)の化合物および/または少なくとも一つのその塩と、少なくとも一つの不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム;リン酸カルシウム;およびカオリンなどの混合により製造できる。
【0069】
軟ゼラチンカプセル剤は、例えば、少なくとも一つの式(I)の化合物および/または少なくとも一つのその薬学的に許容される塩と少なくとも一つの水可溶性担体、例えば、ポリエチレングリコールなど;および少なくとも一つの油媒体、例えば、ピーナツ油、液体パラフィンおよびオリーブ油などの混合により製造され得る。
【0070】
水性懸濁液剤は、例えば、少なくとも一つの式(I)の化合物および/または少なくとも一つのその薬学的に許容される塩と、水性懸濁液剤の製造に適する少なくとも一つの添加物の混合により製造され得る。水性懸濁液剤の製造に適する添加物は、例えば、懸濁化剤、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、ポリビニル-ピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアガムなど;分散または湿潤剤、例えば、天然に存在するフォスファチド、例えば、レシチンなど;アルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレンなど;エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレン-オキシセタノールなど;エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレアートなど;およびエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステル無水物の縮合生成物、例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレアートなどを含むが、これらに限定されない。水性懸濁液剤はまた少なくとも一つの防腐剤、例えば、エチルおよびn-プロピルp-ヒドロキシベンゾエートなど;少なくとも一つの着色剤;少なくとも一つの風味剤;および/または、例えば、スクロース、サッカリンおよびアスパルテームを含むが、これらに限定されない少なくとも一つの甘味剤も含み得る。
【0071】
油性懸濁液は、例えば、少なくとも一つの式(I)の化合物および/または少なくとも一つのその薬学的に許容される塩を、植物油、例えば、落花生油;オリーブ油;ゴマ油;およびヤシ油など;または鉱油、例えば、液体パラフィンなどに懸濁させることにより製造され得る。油性懸濁液はまた少なくとも一つの濃化剤、例えば、蜜蝋;硬パラフィン;およびセチルアルコールなどを含み得る。のみやすい油性懸濁液を提供するために、すでに上に記載した甘味剤の少なくとも一つおよび/または少なくとも一つの風味剤を油性懸濁液に加えてよい。油性懸濁液は、さらに、例えば、抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびアルファ-トコフェロールなどを含むが、これらに限定されない少なくとも一つの防腐剤を含み得る。
【0072】
分散性粉末剤および顆粒剤は、例えば、少なくとも一つの式(I)の化合物および/または少なくとも一つのその薬学的に許容される塩と少なくとも一つの分散および/または湿潤剤;少なくとも一つの懸濁化剤;および/または少なくとも一つの防腐剤の混合により製造され得る。適当な分散剤、湿潤剤および懸濁化剤は既に上記したとおりである。防腐剤の例は、例えば、抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸を含むが、これに限定されない。さらに、分散性粉末剤および顆粒剤は、例えば、甘味剤;風味剤;および着色剤を含むが、これらに限定されない。少なくとも一つの添加物も含み得る。
【0073】
少なくとも一つの式(I)の化合物および/または少なくとも一つのその薬学的に許容される塩のエマルジョン剤は、例えば、水中油型エマルジョン剤として製造され得る。式(I)の化合物を含むエマルジョン剤の油性相は、既知方法で既知成分から構成され得る。油性相は、限定されないが、例えば、植物油、例えば、オリーブ油および落花生油など;鉱油、例えば、液体パラフィンなど;およびこれらの混合物により提供され得る。本相は一種の乳化剤のみを含んでもよいが、少なくとも一種の乳化剤と脂肪または油または脂肪と油両者との混合物を含み得る。適当な乳化剤は、例えば、天然に存在するフォスファチド、例えば、ダイズレシチン;脂肪酸およびヘキシトール無水物由来のエステルまたは部分エステル、例えば、ソルビタンモノオレアートなど;および部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートなどを含むが、これらに限定されない。好ましくは、親水性乳化剤は、安定剤として作用する親油性乳化剤と共に含まれる。油および脂肪の両者を含むのがまた好ましい。まとめると、安定剤を伴うまたは伴わない乳化剤は、いわゆる乳化蝋を作り、該蝋は油および脂肪と一体となって、いわゆる乳化軟膏基剤を作り、これはクリーム製剤の油性分散相を形成する。エマルジョンはまた甘味剤、風味剤、防腐剤および/または抗酸化剤も含み得る。本発明の製剤において使用するのに適する乳化剤およびエマルジョン安定化剤は、Tween 60、Span 80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸ナトリウム、単独または蝋と組み合わせたジステアリン酸グリセリルまたは当分野で周知の他の物質を含む。
【0074】
式(I)の化合物および/または少なくとも一つのその薬学的に許容される塩は、任意の薬学的に許容されるおよび適当な注射用形態により、例えば、静脈内、皮下および/または筋肉内送達もされ得る。注射用形態の例は、例えば、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液などの許容される媒体および溶媒を含む、例えば、無菌水溶液;無菌水中油型マイクロエマルジョン;および水性または油性懸濁液を含むが、これらに限定されない。
【0075】
非経腸投与用製剤は、水性または非水性等張無菌注射液または懸濁液の形であり得る。これらの溶液および懸濁液は、無菌粉末または顆粒から、経口投与用製剤について記載された担体または希釈剤の1以上を使用してまたは他の適当な分散または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、製造され得る。化合物を、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、綿実油、ピーナツ油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、トラガカントゴムおよび/または種々の緩衝液に溶解し得る。他のアジュバントおよび投与方式は、医薬分野で十分にかつ広く知られている。活性成分はまた食塩水、デキストロースまたは水を含む適当な担体とのまたはシクロデキストリン(すなわちCaptisol)、共溶媒可溶化(すなわちプロピレングリコール)またはミセル可溶化(すなわちTween 80)との組成物として注射され得る。
【0076】
無菌注射用製剤は、非毒性の非経腸的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌注射用溶液または懸濁液、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液でもあり得る。使用し得る許容される媒体および溶媒は、とりわけ水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液であり得る。さらに、無菌、固定油は、溶媒または懸濁媒体として慣用的に用いられる。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む、あらゆる無刺激性固定油を用い得る。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の製造に有用である。
【0077】
無菌注射用水中油型マイクロエマルジョンは、例えば、1)少なくとも一つの式(I)の化合物を、例えば、ダイズ油とレシチンの混合物などの油性相に溶解し;2)式(I)含有油性相と水およびグリセロール混合物を合わせ;そして3)組み合わせを処理して、マイクロエマルジョンを形成させることにより、製造され得る。
【0078】
無菌水性または油性懸濁液は、当分野で既に知られる方法により製造され得る。例えば、無菌水溶液または懸濁液は、非毒性の非経腸的に許容される希釈剤または溶媒、例えば、1,3-ブタンジオールなどを用いて製造でき;そして無菌油性懸濁液は、無菌非毒性許容される溶媒または懸濁媒体、例えば、無菌固定油、例えば、合成モノまたはジグリセリドなど;および脂肪酸、例えば、オレイン酸などを用いて製造できる。
【0079】
本発明の医薬組成物に使用し得る薬学的に許容される担体、アジュバントおよび媒体は、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化型薬物送達システム(SEDDS)、例えばd-アルファ-トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート、医薬投与形態で使用される界面活性剤、例えばTweens、ポリエトキシル化ヒマシ油、例えばCREMOPHOR界面活性剤(BASF)または他の類似の高分子送達物質、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、蝋、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂を含むが、これらに限定されない。アルファ-、ベータ-およびガンマ-シクロデキストリンなどのシクロデキストリンまたは2-および3-ヒドロキシプロピル-シクロデキストリンなどのヒドロキシアルキルシクロデキストリンまたは他の可溶化誘導体を含む化学修飾誘導体も、ここに記載される式の化合物の送達を増強するために、有利に使用され得る。
【0080】
本発明の薬学的活性化合物は、慣用の調剤法により処理して、ヒトおよび他の哺乳動物を含む患者への投与に適する薬剤を製造できる。医薬組成物は、安定化などの慣用の医薬操作に付してよく、および/または防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝液などの慣用のアジュバントを含んでよい。錠剤および丸剤は、さらに腸溶コーティングを施してよい。該組成物はまた湿潤剤、甘未剤、風味剤および芳香剤などのアジュバントを含んでよい。
【0081】
投与する化合物の量、および本発明の化合物および/または組成物で疾患状態を処置するための投与レジメンは、対象の年齢、体重、性別、医学的状態、疾患のタイプ、疾患の重症度、投与の経路および頻度および用いる特定の化合物を含む、多様な因子による。それ故に、投与レジメンは広範囲で変わり得るが、標準的手法を使用して、常套的に決定され得る。約0.001~100mg/kg体重、好ましくは約0.0025~約50mg/kg体重、最も好ましくは約0.005~10mg/kg体重の1日用量が適切であり得る。1日用量を、1日1~4回で投与し得る。他の投薬スケジュールは、週1回および2日に1回のサイクルを含む。
【0082】
治療目的で、本発明の活性化合物は、通常、指示される投与経路に適する1以上のアジュバントと合わせる。経口で投与するならば、化合物をラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、ゼラチン、アカシアガム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドンおよび/またはポリビニルアルコールと混合し、次いで投与上の便宜のために打錠するかまたはカプセル充填し得る。該カプセル剤または錠剤は、活性化合物をヒドロキシプロピルメチルセルロース中に分散させて提供されるような制御放出製剤を含み得る。
【0083】
本発明の医薬組成物は、少なくとも一つの式(I)の化合物および/または少なくとも一つのその薬学的に許容される塩および所望により任意の薬学的に許容される担体、アジュバントおよび媒体から選択されるさらなる薬剤を含み得る。本発明の別の組成物は、ここに記載する式(I)の化合物またはそのプロドラッグおよび薬学的に許容される担体、アジュバントまたは媒体を含む。
【0084】
本発明の化合物は、PD-1/PD-L1タンパク質/タンパク質を阻害し、PD-L1遮断をもたらす。PD-L1の遮断は、ヒトを含む哺乳動物における、癌細胞および感染症に対する免疫応答を増強させ得る。
【0085】
ある態様において、本発明は、癌性腫瘍の増殖が阻止されるように、式(I)の化合物またはその塩を使用する、対象のインビボでの処置に関する。式(I)の化合物またはその塩を、癌性腫瘍の増殖阻害のために、単独で使用し得る。あるいは、式(I)の化合物またはその塩を、下記のとおり、他の免疫原因子または標準癌処置と組み合わせて使用し得る。
【0086】
ある実施態様において、本発明は、対象における腫瘍細胞の増殖を阻止する方法であって、該対象に治療有効量の式(I)の化合物またはその塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0087】
ある実施態様において、処置を必要とする患者に治療有効量の式(I)の化合物またはその塩を投与することを含む、癌を処置する方法が提供される。癌の例は、増殖が本発明の化合物を使用して阻止され得るものを含み、一般に免疫療法に応答する癌を含む。処置のための好ましい癌の非限定的例は、黒色腫(例えば、転移悪性黒色腫)、腎臓癌(例えば明細胞癌)、前立腺癌(例えばホルモン難治性前立腺腺癌)、乳癌、結腸癌および肺癌(例えば非小細胞肺癌)を含む。さらに、本開示は、増殖が本発明の化合物を使用して阻止され得る、難治性または再発性悪性腫瘍を含む。
【0088】
本発明の方法を使用して処置し得る他の癌の例は、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、皮膚または眼内悪性黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門部癌、胃癌、精巣癌、子宮癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、急性骨髄白血病、慢性骨髄白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病を含む慢性または急性白血病、小児固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓または尿道癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍における血管形成、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮癌、扁平上皮細胞癌、T細胞リンパ腫、アスベスト誘発性を含む、環境誘発癌および該癌の組み合わせを含む。本発明はまた転移癌、特にPD-L1を発現する転移癌の処置にも有用である(Iwai et al. (2005) Int. Immunol. 17:133-144)。
【0089】
所望により、式(I)の化合物またはその塩を、他の免疫原因子、例えば、癌細胞、精製腫瘍抗原(組み換えタンパク質、ペプチドおよび炭水化物分子を含む)、細胞および免疫刺激サイトカインをコードする遺伝子でトランスフェクトされた細胞と組み合わせ得る(He et al (2004) J. Immunol. 173:4919-28)。使用し得る腫瘍ワクチンの非限定的例は、黒色腫抗原のペプチド、例えば、gp100、MAGE抗原、Trp-2、MART1および/またはチロシナーゼのペプチドまたはサイトカインGM-CSFを発現するようにトランスフェクトされた腫瘍細胞を含む。
【0090】
ヒトにおいて、黒色腫など一部腫瘍は、免疫原性であることが示されている。PD-L1遮断によりT細胞活性化の閾値を上げることにより、腫瘍応答が宿主で活性化されると予測される。
【0091】
PD-L1遮断をワクチン接種プロトコールと組み合わせ得る。腫瘍に対するワクチン接種についての多くの実験的戦略が考案されている(Rosenberg, S., 2000, Development of Cancer Vaccines, ASCO Educational Book Spring: 60-62; Logothetis, C., 2000, ASCO Educational Book Spring: 300-302; Khayat, D. 2000, ASCO Educational Book Spring: 414-428; Foon, K. 2000, ASCO Educational Book Spring: 730-738; see also Restifo, N. and Sznol, M., Cancer Vaccines, Ch. 61, pp. 3023-3043 in DeVita, V. et al. (eds.), 1997, Cancer: Principles and Practice of Oncology. Fifth Edition参照)。これらのストラテジーの一つにおいて、ワクチンは、自己または同種異系腫瘍細胞を使用して調製される。これらの細胞性ワクチンは、腫瘍細胞がGM-CSFを発現するように形質導入されているとき、最も有効であることが示されている。GM-CSFは、腫瘍ワクチン接種のための抗原提示の強力な活性化物質であることが示されている(Dranoff et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90: 3539-43)。
【0092】
種々の腫瘍における遺伝子発現および大規模遺伝子発現パターンの研究は、いわゆる腫瘍特異的抗原の定義を導いている(Rosenberg, S A (1999) Immunity 10: 281-7)。多くの場合、これらの腫瘍特異的抗原は、腫瘍および腫瘍が由来する細胞において発現される分化抗原、例えばメラニン形成細胞抗原gp100、MAGE抗原およびTrp-2である。より重要なことに、これらの抗原の多くは、宿主に見られる腫瘍特異的T細胞の標的であることが示され得る。PD-L1遮断は、腫瘍において発現される一連の組み換えタンパク質および/またはペプチドと関連して、これらのタンパク質に対する免疫応答を産生するために使用され得る。これらのタンパク質は、通常免疫系により自己抗原として見なされ、それ故にそれらに対して寛容である。腫瘍抗原はまた染色体のテロメアの合成に必要であり、ヒト癌の85%超で発現され、限られた数の体細胞組織にしか発現されないタンパク質テロメラーゼを含み得る(Kim, N et al. (1994) Science 266: 2011-2013)。(これらの体細胞組織は、種々の手段により免疫攻撃から保護され得る)。腫瘍抗原はまたタンパク質配列を変えるまたは2つの無関係な配列間の融合タンパク質を形成する(すなわちフィラデルフィア染色体におけるbcr-abl)体細胞変異のために癌細胞で発現される“ネオ抗原”またはB細胞腫瘍からのイディオタイプであり得る。
【0093】
他の腫瘍ワクチンは、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、肝炎ウイルス(HBV、HDVおよびHCV)およびカポジヘルペス肉腫ウイルス(KHSV)などのヒト癌と関係するウイルスからのタンパク質を含み得る。PD-L1遮断と組み合わせて使用し得る腫瘍特異的抗原の他の形態は、腫瘍組織自体から単離された精製ヒートショックタンパク質(HSP)である。これらのヒートショックタンパク質は、腫瘍細胞からのタンパク質のフラグメントを含み、これらのHSPは、抗原提示細胞への送達時、腫瘍免疫誘発のために高度に効率的である(Suot, R & Srivastava, P (1995) Science 269:1585-1588; Tamura, Y. et al. (1997) Science 278:117-120)。
【0094】
樹状細胞(DC)は、抗原特異的応答の誘発に使用できる強力な抗原提示細胞である。DCはエクスビボで産生でき、タンパク質およびペプチド抗原ならびに腫瘍細胞抽出物を負荷できる(Nestle, F. et al. (1998) Nature Medicine 4: 328-332)。DCはまたこれらの腫瘍抗原を同様に発現するように遺伝的手段により形質導入もされ得る。DCはまた免疫化の目的で腫瘍細胞と直接融合もされ得る(Kugler, A. et al. (2000) Nature Medicine 6:332-336)。ワクチン接種の方法として、DC免疫化をPD-L1遮断と効果的に組み合わせて、より強力な抗腫瘍応答を活性化し得る。
【0095】
PD-L1遮断をまた標準癌処置と組み合わせ得る。PD-L1遮断は、化学療法レジメと効果的に組み合わせ得る。この場合、投与される化学療法剤の用量を減らすことが可能であり得る(Mokyr, M. et al. (1998) Cancer Research 58: 5301-5304)。該組み合わせの例は、黒色腫の処置のための本発明の化合物とダカルバジンの組み合わせである。該組み合わせの他の例は、黒色腫の処置のための本発明の化合物とインターロイキン-2(IL-2)の組み合わせである。PD-L1遮断と化学療法の組み合わせ使用の背後にある科学的根拠は、大部分の化学療法化合物の細胞毒性作用の結果である細胞死が、抗原提示経路における腫瘍抗原レベルを増加させることである。細胞死を介してPD-L1遮断と相乗効果をもたらし得る他の組み合わせ治療は、放射線、手術およびホルモン除去である。これらのプロトコールの各々は、宿主における腫瘍抗原の源を作る。血管形成阻害剤は、PD-L1遮断とも組み合わせ得る。血管形成阻害は、腫瘍抗原を宿主抗原提示経路に供給し得る腫瘍細胞死に至る。
【0096】
本発明の化合物は、FcアルファまたはFcガンマ受容体発現エフェクター細胞を腫瘍細胞に標的化させる、二特異的化合物と組み合わせても使用できる(例えば、米国特許5,922,845および5,837,243参照)。二特異的化合物は、2つの別々の抗原の標的化に使用できる。例えば抗Fc受容体/抗腫瘍抗原(例えば、Her-2/neu)二特異的化合物は、腫瘍部位にマクロファージを標的化させるために使用されている。この標的化は、腫瘍特異的応答をより効果的に活性化し得る。これらの応答のT細胞アームは、PD-L1遮断の使用により増強され得る。あるいは、腫瘍抗原および樹状細胞特異的細胞表面マーカーに結合する二特異的化合物の使用により、抗原をDCに直接送達し得る。
【0097】
腫瘍は、広範な機序により宿主免疫監視を避ける。これらの機序の多くは、腫瘍により発現され、免疫抑制性であるタンパク質を不活性化することにより突破され得る。これらは、数ある中で、TGF-ベータ(Kehrl, J. et al. (1986) J. Exp. Med. 163: 1037-1050)、IL-10(Howard, M. & O'Garra, A. (1992) Immunology Today 13: 198-200)およびFasリガンド(Hahne, M. et al. (1996) Science 274: 1363-1365)を含む。これらの各々に結合し、遮断する阻害剤を、本発明の化合物と組み合わせて使用して、免疫抑制性因子の作用に対抗し、宿主による腫瘍免疫応答を支持し得る。
【0098】
宿主免疫応答性を活性化する化合物を、PD-L1遮断と組み合わせて使用し得る。これらは、DC機能および抗原提示を活性化する、樹状細胞の表面上の分子を含む。抗CD40化合物は、効果的にT細胞ヘルパー活性の代替となることができ(Ridge, J. et al. (1998) Nature 393: 474-478)、PD-L1遮断と組み合わせて使用し得る(Ito, N. et al. (2000) Immunobiology 201 (5) 527-40)。CTLA-4(例えば、米国特許5,811,097)、OX-40(Weinberg, A. et al. (2000) Immunol 164: 2160-2169)、4-1BB(Melero, I. et al. (1997) Nature Medicine 3: 682-685 (1997))およびICOS(Hutloff, A. et al. (1999) Nature 397: 262-266)などのT細胞共刺激分子の活性化化合物も、T細胞活性化レベルの増加のために提供し得る。
【0099】
骨髄移植は、造血起源の多様な腫瘍の処置に現在使用されている。移植片対宿主病はこの処置の結果であるが、移植片対腫瘍応答により治療効果が得ることができる。PD-L1遮断を、ドナー生着腫瘍特異的T細胞の有効性増加に使用し得る。
【0100】
本発明の他の方法は、特定の毒素または病原体に曝されている患者の処置に使用される。従って、本発明の他の態様は、対象における感染性疾患を処置する方法であって、該対象に治療有効量の式(I)の化合物またはその塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0101】
上記の腫瘍へのその適用と同様、式(I)の化合物またはその塩を単独でまたはアジュバントとして、ワクチンと組み合わせて使用して、病原体、毒素および自己抗原に対する免疫応答を刺激できる。この治療的アプローチが特に有用であり得る病原体の例は、現在有効なワクチンがない病原体または慣用のワクチンの効果が十分ではない病原体を含み得る。これらは、HIV、肝炎(A、B、CまたはD)、インフルエンザ、ヘルペス、ジアルジア、マラリア、リーシュマニア、黄色ブドウ球菌、緑膿菌を含むが、これらに限定されない。PD-L1遮断は、感染症の間に提示される抗原が変わるHIVなどの因子による確立された感染症に対して特に有用である。これらの新規エピトープは、投与時に外来として認識され、それ故にPD-1による負のシグナルにより弱められない強力なT細胞応答を誘発する。
【0102】
本発明の方法により処置可能な感染症を引き起こす病原性ウイルスの例の一部は、HIV、肝炎(A、B、CまたはD)、ヘルペスウイルス(例えば、VZV、HSV-1、HAV-6、HHv-7、HHV-8、HSV-2、CMVおよびエプスタイン・バールウイルス)、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、フラビウイルス、エコーウイルス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、コロナウイルス、呼吸器多核体ウイルス、ムンプスウイルス、ロタウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、HTLVウイルス、デングウイルス、乳頭腫ウイルス、伝染性軟属腫ウイルス、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、JCウイルスおよびアルボウイルス系脳炎ウイルス(arboviral encephalitis virus)を含む。
【0103】
本発明の方法により処置可能な感染症を引き起こす病原性細菌の例の一部は、クラミジア、リケッチア細菌、マイコバクテリア、ブドウ球菌、連鎖球菌、肺炎球菌、髄膜炎菌および淋菌、クレブシエラ、プロテウス、セラチア、シュードモナス、レジオネラ、ジフテリア、サルモネラ、桿菌、コレラ、破傷風、ボツリヌス症、炭疽、ペスト、レプトスピラ症およびライム病細菌を含む。
【0104】
本発明の方法により処置可能な感染症を引き起こす病原性真菌の例の一部は、カンジダ(アルビカンス、クルーセイ、グラブラタ、トロピカリスなど)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス、アスペルギルス(フミガーツス、ニガーなど)、ケカビ目(ムコール属、アブシディア属、リゾプス属)、スポロトリックス・シェンキイ、ブラストミセス・デルマチチジス、パラコクシジオイデス・ブラジリエンシス、コクシジオイデス・イミチスおよびヒストプラズマ・カプスラーツムを含む。
【0105】
本発明の方法により処置可能な感染症を引き起こす病原性寄生生物の例の一部は、赤痢アメーバ、大腸バランジウム、フォーラーネグレリア、アカントアメーバ科、ランブル鞭毛虫、クリプトスポリジウム属、ニューモシスチス・カリニ、三日熱マラリア原虫、ネズミバベシア、ブルセイトリパノソーマ、クルーズトリパノソーマ、ドノバンリーシュマニア、トキソプラズマ原虫およびブラジル鉤虫を含む。
【0106】
上記方法の全てにおいて、PD-L1遮断を、サイトカイン処置(例えば、インターフェロン、GM-CSF、G-CSF、IL-2)または腫瘍抗原の増強された提示を提供する二重特異性抗体治療などの他の形態の免疫療法(Holliger (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448; Poljak (1994) Structure 2:1121-1123参照)、ワクチンまたは遺伝子発現を修飾する薬剤と組み合わせ得る。
【0107】
本発明の化合物は自己免疫性応答を誘発し、増強させ得る。実際、腫瘍細胞およびペプチドワクチンを使用する抗腫瘍応答の誘発は、多くの抗腫瘍応答が抗自己反応性に関与することを示している(van Elsas et al. supra における抗CTLA-4+GM-CSF修飾B16黒色腫で観察される色素脱失;Trp-2ワクチン接種マウスにおける色素脱失(Overwijk, W. et al. (1999) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96: 2982-2987);TRAMP腫瘍細胞ワクチンにより誘発される自己免疫性前立腺炎(Hurwitz, A. (2000) supra)、黒色腫ペプチド抗原ワクチン接種およびヒト臨床試験で観察される白斑(Rosenberg, S A and White, D E (1996) J. Immunother Emphasis Tumor Immunol 19 (1): 81-4))。
【0108】
それ故に、種々の自己タンパク質と組み合わせた抗PD-L1遮断の使用を、疾患処置のためにこれらの自己タンパク質に対する免疫応答を効率的に産生するためのワクチン接種プロトコールを作成するために考慮することが可能である。例えば、アルツハイマー病は、脳のアミロイド沈着物におけるA.ベータ.ペプチドの不適切な蓄積を含み、アミロイドに対する抗体応答が、これらのアミロイド沈着物を除去し得る(Schenk et al., (1999) Nature 400: 173-177)。
【0109】
アレルギーおよび喘息の処置のためのIgEおよび関節リウマチのためのTNF.アルファ.などの他の自己タンパク質も標的として使用し得る。そして、種々のホルモンに対する抗体応答が式(I)の化合物またはその塩の使用により誘発され得る。生殖ホルモンに対する中和抗体応答は避妊に使用し得る。特定の腫瘍の増殖に必要なホルモンおよび他の可溶性因子に対する中和抗体応答は、可能性のあるワクチン接種標的として考慮され得る。
【0110】
抗PD-L1抗体の使用についての上の記載と同様の方法を、アルツハイマー病におけるA.ベータ.を含むアミロイド沈着物、TNFアルファおよびIgEなどのサイトカインなどの他の自己抗原の不適切な蓄積を有する患者の処置のための治療的自己免疫性応答の誘導のために使用し得る。
【0111】
本発明の化合物を、式(I)の化合物またはその塩と目的の抗原(例えば、ワクチン)の共投与により、抗原特異的免疫応答の刺激に使用し得る。従って、他の態様において、本発明は、対象におけるある抗原に対する免疫応答を増強する方法であって、該対象における該抗原に対する免疫応答が増強されるように、該対象に、(i)該抗原;および(ii)式(I)の化合物またはその塩を投与することを含む、方法を提供する。抗原は、例えば、腫瘍抗原、ウイルス抗原、細菌抗原または病原体からの抗原であり得る。このような抗原の非限定的例は、上記腫瘍抗原(または腫瘍ワクチン)または上記ウイルス、細菌もしくは他の病原体由来の抗原など、上に記載したものを含む。
【0112】
先に記載のとおり、本発明の化合物を1以上の他の治療剤、例えば、細胞毒性剤、放射毒性剤または免疫抑制剤と共投与し得る。本発明の化合物を、他の治療剤の前、後または同時に投与してよく、または他の既知治療、例えば、抗癌治療、例えば、放射線と併用投与し得る。このような治療剤は、とりわけ、抗新生物剤、例えばドキソルビシン(アドリアマイシン)、シスプラチン、ブレオマイシン硫酸塩、カルムスチン、クロラムブシル、ダカルバジンおよびシクロホスファミドヒドロキシ尿素を含み、これらは、それ自体では、患者に毒性または準毒性であるレベルでしか有効ではない。シスプラチンは、4週毎に100mg/回で静脈内投与し、アドリアマイシンは、21日毎に60~75mg/mL用量で静脈内投与する。式(I)の化合物またはその塩と化学療法剤の共投与は、ヒト腫瘍細胞に細胞毒性効果をもたらす異なる機序で機能する2種の抗癌剤を提供する。このような共投与は、腫瘍細胞を抗体に対して非反応性とする、薬物に対する耐性獲得または抗原性変化による問題を解決し得る。
【0113】
また本発明の範囲内であるのは、式(I)の化合物またはその塩および使用指示書を含むキットである。キットは、少なくとも一つの付加的薬剤をさらに含み得る。キットは、一般に該キットの内容物の意図される使用を指示するラベルを含む。用語ラベルは、キット上に、またはキットと共に提供される、または他の方法でキットに付随する、あらゆる文書または記憶媒体を含む。
【0114】
上記他の治療剤は、本発明の化合物と組み合わせて用いるとき、例えば、Physicians’ Desk Reference(PDR)に示されるまたは他に当業者により決定される量で用いられ得る。本発明の方法において、このような他の治療剤は、本発明化合物の投与前に、同時にまたは後に投与し得る。
【0115】
ある実施態様において、式(I)の化合物は、PD-1/PD-L1ホモジニアス時間分解蛍光(HTRF)結合アッセイで測定して、20μM以下、例えば、0.48~20μMのIC50値でPD-1/PD-L1相互作用を阻害する。
【実施例】
【0116】
本発明を、下記実施例によりさらに定義する。実施例は説明目的でのみ示されていることが理解されるべきである。以上の記載および実施例から、当業者は本発明の必須の特徴を確認し、その精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更および修飾を行い、本発明を種々の用途および条件に適合させ得る。その結果、本発明は下記の説明的実施例に限定されず、むしろ添付する特許請求の範囲により定義される。
【0117】
本明細書において、次の用語は以下に示す意味を有する:THFはテトラヒドロフラン、EtOAcは酢酸エチル、DMFはN,N-ジメチルホルムアミド、DCEは1,2-ジクロロエタン、DCMはジクロロメタン、rtまたはRTまたはRtは室温または保持時間(文脈で定まる)、EtOHはエタノール、minは分、hまたはhrは時間そしてDMSOはジメチルスルホキシド。
【0118】
中間体:5-クロロ-2-ヒドロキシ-4-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)ベンズアルデヒド
【化16】
ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(1.793g、8.87mmol)のTHF(50mL)溶液を、(2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メタノール(2g、8.06mmol)、5-クロロ-2,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド(1.391g、8.06mmol)およびトリフェニルホスフィン(2.326g、8.87mmol)のTHF(50mL)溶液に0℃で滴下した。得られた黄色溶液を室温に温め、一夜撹拌した。溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage 40m、0~20%EtOAc/ヘキサン)で精製して、1.95g(57.1%)の5-クロロ-2-ヒドロキシ-4-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)ベンズアルデヒドを白色固体として得た。LC/MSデータを、次の条件設定を使用する島津分析LC/Micromass Platform LC(ESI+)により220nmで得た:Phenomenex Luna 3μm C18、2×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt(保持時間) = 2.147分, m/z 389.2 (M + H).
1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ ppm 11.45 (s, 1H), 9.72 (s, 1H), 7.83 - 7.79 (m, 1H), 7.57 - 7.53 (m, 2H), 7.28 - 7.23 (m, 1H), 6.62 (s, 1H), 5.19 (s, 2H), 2.59 (s, 3H), 1.40 - 1.37 (m, 12H)
【0119】
中間体:5-((4-クロロ-2-ホルミル-5-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル
【化17】
5-クロロ-2-ヒドロキシ-4-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)ベンズアルデヒド(1.5g、3.73mmol)、5-(クロロメチル)ニコチノニトリル(0.739g、4.84mmol)および炭酸セシウム(1.760g、5.40mmol)のDMF(15mL)懸濁液を、室温で一夜撹拌した。溶媒を除去し、残留物をジクロロメタンおよび水に分配した。水相をジクロロメタンで1回抽出した。有機抽出物を塩水で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾過により除去し、溶媒を減圧で除去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage 40m、0~50%EtOAc/ヘキサン)で精製して、1.48g(77%)の5-((4-クロロ-2-ホルミル-5-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリルを白色固体として得た。LC/MSデータを、次の条件設定を使用する島津分析LC/Micromass Platform LC(ESI+)により220nmで得た:Phenomenex Luna 3μm C18、2×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 2.147分, m/z 505.3 (M+H).
1H NMR (500MHz, クロロホルム-d) δ ppm 10.29 (s, 1H), 8.93 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.91 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.81 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.25 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.58 (s, 1H), 5.25 (s, 2H), 5.19 (s, 2H), 2.61 (s, 3H), 1.40 (s, 12H)
【0120】
中間体:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化18】
バイアルに酢酸(55μL、0.964mmol)、DCE(1,2-ジクロロエタン、2.0mL)、エタノール(6.0mL)、THF(2.0mL)、20mgのオーブン乾燥し、粉砕し、4Åモレキュラー・シーブした、(S)-ピペリジン-2-カルボン酸(124mg、0.964mmol)、5-((4-クロロ-2-ホルミル-5-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル(250mg、0.482mmol)およびナトリウムシアノボロハイドライド(60.6mg、0.964mmol)を加えた。バイアルに蓋をして、混合物を一夜、室温で振盪した。揮発物を除去し、得られた混合物を60mLのDCM(ジクロロメタン)で希釈し、水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、301.0mgの粗製(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸を得た。
【0121】
精製のために、粗製物を最小のアセトニトリルに溶解し、Isco 100g C18金カラムに負荷し、アセトニトリル/水/10mM 酢酸アンモニウムを用いるBiotage Horizonで精製し、ここで、10~100%Bの勾配で、溶媒Aは5%アセトニトリル/95%水/10mM 酢酸アンモニウムであり、溶媒Bは5%水/95%アセトニトリル/10mM 酢酸アンモニウムであった。55~60%Bで溶出した生成物を取得した。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.185分, m/z 632.0 (M + H). 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.00 (m, 2H), 8.44 (m, 1H), 7.63 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.46 - 7.37 (m, 1H), 7.20 (m, 1H), 7.08 (m, 1H), 5.32 (br. s., 2H), 5.19 (m, 2H), 3.75 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 3.57 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 3.09 (m, 1H), 2.88 (m, 1H), 2.53 (s, 3H), 2.24 (m, 1H), 1.83 - 1.67 (m, 2H), 1.48 (m, 3H), 1.36 (m, 1H), 1.32 (m, 12H)
【0122】
中間体:5-ブロモ-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
【化19】
封管中の2-アミノ-4-ブロモフェノール(200mg、1.064mmol)および1-メチルピペリジン-4-カルボン酸(152mg、1.064mmol)に、ポリリン酸(5g)を加えた。容器を密封し、混合物を3.5時間、190℃で加熱した。反応混合物を冷却した。混合物に、0℃で6mLの水、次いで10M NaOH水溶液をpHが約8に達するまで滴下した。この濃厚な紫色混合物に、30mLの酢酸エチルを加えた。混合物をセライトで濾過し、抽出し、水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、244.8mg(74%収率)の5-ブロモ-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾールを黄褐色固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7mm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt(保持時間) = 1.340分, m/z 295.05, 297.00 (M + H), 95%純度.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 7.95 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.53 (dd, J = 8.6, 1.9 Hz, 1H), 3.02 - 2.93 (m, 1H), 2.79 (m, 2H), 2.19 (s, 3H), 2.10 - 2.01 (m, 4H), 1.87 - 1.77 (m, 2H)
【0123】
実施例1001:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化20】
小型封管に、(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸(40mg、0.063mmol)、5-ブロモ-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール(18.68mg、0.063mmol)、THF(3mL)、水(1mL)、リン酸三カリウム(26.9mg、0.127mmol)および最後に第二世代XPhosプレ触媒(2.490mg、3.16μmol)を加えた。封管中で、混合物を窒素により脱気/フラッシュし、次いで一夜、70℃で加熱した。粗製物を次の条件を使用する分取LC/MSで精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、20mL/分の流速で、20分間をかける15~55%Bの勾配および5分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物の収量は14.8mg(31%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は96%であった。
【0124】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=1.550分;ESI-MS(+) m/z = 720.0 (M + H)
分析条件2:保持時間=1.394分;ESI-MS(+) m/z = 720.1 (M + H)
【0125】
1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.98 (s, 2H), 8.40 (s, 1H), 7.71 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.51 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.33 - 7.22 (m, 3H), 7.09 (s, 1H), 5.32 (m, 2H), 5.26 (s, 2H), 3.74 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 3.58 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 3.14 (d, J = 6.1 Hz, 1H), 2.99 (m, 1H), 2.89 (m, 1H), 2.82 (m, 2H), 2.24 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 2.13 - 2.06 (m, 4H), 1.94 - 1.86 (m, 3H), 1.77 (m, 2H), 1.49 (m, 3H), 1.41 - 1.33 (m, 1H)
【0126】
次の中間体および実施例化合物を同様の方法で合成した。
【0127】
中間体:6-ブロモ-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
【化21】
144.8mg(33%収率)の6-ブロモ-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾールを黄褐色固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7mm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.005分, m/z 295.10, 297.10 (M + H), 75%純度.
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ 7.66 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.44 (dd, J = 8.5, 1.7 Hz, 1H), 3.02 - 2.85 (m, 3H), 2.34 (s, 3H), 2.24 - 2.14 (m, 4H), 2.11 - 1.97 (m, 2H)
【0128】
実施例1002:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-6-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化22】
粗製物を次の条件を使用する分取LC/MSで精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、20mL/分の流速で、25分間をかける30~70%Bの勾配および5分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。化合物をさらに次の条件を使用する分取LC/MSで精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、20mL/分の流速で22分間をかける12~52%Bの勾配および5分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物の収量は11.7mg(17%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は94%であった。
【0129】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=1.432分;ESI-MS(+) m/z = 720.1 (M + H)
分析条件2:保持時間=1.462分;ESI-MS(+) m/z = 720.0 (M + H)
【0130】
1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.97 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 8.40 (s, 1H), 7.73 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.50 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.33 - 7.21 (m, 3H), 7.08 (s, 1H), 5.32 (s, 2H), 5.26 (s, 2H), 3.77 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 3.60 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 3.17 - 3.09 (m, 2H), 3.05 - 2.95 (m, 1H), 2.92 - 2.86 (m, 1H), 2.81 (m, 2H), 2.28 (m, 1H), 2.24 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 2.13 - 2.03 (m, 4H), 1.90 (m, 1H), 1.77 (m, 2H), 1.49 (m, 3H), 1.37 (m, 1H)
【0131】
中間体:(rac)-5-ブロモ-2-(1-メチルピペリジン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
【化23】
289.4mg(55%収率)の(rac)-5-ブロモ-2-(1-メチルピペリジン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾールを、赤色油状物として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7mm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.032分, m/z 295.10, 297.10 (M + H), 70%純度.
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ 7.81 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.42 (dd, J = 1.9, 8.7 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.23 (m, 2H), 2.82 (m, 1H), 2.35 (s, 3H), 2.25 - 2.17 (m, 1H), 2.07 (m, 2H), 1.90 - 1.82 (m, 1H), 1.79 - 1.63 (m, 3H)
【0132】
実施例1003:(2S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(1-メチルピペリジン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化24】
粗製物を次の条件を使用する分取LC/MSで精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、20mL/分の流速で、20分間をかける20~60%Bの勾配および5分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物の収量は14.3mg(21%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は97.0%であった。
【0133】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=1.636分;ESI-MS(+) m/z = 720.0 (M + H)
分析条件2:保持時間=1.500分;ESI-MS(+) m/z = 720.0 (M + H)
【0134】
1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.98 (s, 2H), 8.40 (s, 1H), 7.72 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.51 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.33 - 7.23 (m, 3H), 7.09 (s, 1H), 5.33 (d, J = 2.7 Hz, 2H), 5.27 (s, 2H), 3.77 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 3.60 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 3.17 - 3.11 (m, 2H), 3.06 (m, 1H), 2.93 - 2.86 (m, 1H), 2.67 (m, 1H), 2.37 (t, J = 10.4 Hz, 1H), 2.27 (m, 1H), 2.24 (br. s., 6H), 2.14 - 2.01 (m, 2H), 1.78 (m, 3H), 1.69 - 1.59 (m, 2H), 1.49 (m, 3H), 1.38 (m, 1H)
【0135】
中間体:5-ブロモ-2-(ピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
【化25】
699.7mg(70%収率)の5-ブロモ-2-(ピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾールを黄褐色固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7mm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.027分, m/z 281.10, 283.10 (M + H), 90%純度.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 7.95 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.53 (dd, J = 8.7, 1.9 Hz, 1H), 3.09 (s, 1H), 2.99 (dt, J = 12.4, 3.6 Hz, 2H), 2.60 (td, J = 11.9, 2.5 Hz, 2H), 1.99 (dd, J = 12.7, 2.6 Hz, 2H), 1.75 - 1.61 (m, 2H)
【0136】
実施例1004:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(ピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化26】
粗製物を次の条件を使用する分取LC/MSで精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、20mL/分の流速で、20分間をかける15~55%Bの勾配および5分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物の収量は11.5mg(20%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は97.1%であった。
【0137】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=1.348分;ESI-MS(+) m/z=706.1 (M + H)
分析条件2:保持時間=1.494分;ESI-MS(+) m/z=706.0 (M + H)
【0138】
1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.99 (m, 2H), 8.46 (s, 1H), 7.73 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.47 (s, 1H), 7.33 - 7.21 (m, 3H), 7.10 (s, 1H), 5.33 (s, 2H), 5.26 (s, 2H), 3.84 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 3.76 - 3.72 (m, 1H), 3.29 - 3.21 (m, 1H), 3.19 - 3.11 (m, 2H), 3.07 - 3.00 (m, 1H), 2.94 - 2.85 (m, 1H), 2.81 (m, 2H), 2.22 (m, 4H), 2.13 (m, 2H), 1.87 - 1.75 (m, 3H), 1.72 - 1.64 (m, 1H), 1.47 (m, 3H), 1.37 - 1.26 (m, 1H)
【0139】
中間体:5-ブロモ-2-(1-シクロプロピルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
【化27】
283.4mg(46%収率)の5-ブロモ-2-(1-シクロプロピルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾールを黄褐色固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7mm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.049分, m/z 321.15, 323.10 (M + H), 70%純度.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 7.95 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 8.6 Hz 1H), 7.53 (dd, J = 8.6, 1.9 Hz, 1H), 3.08 - 2.93 (m, 3H), 2.34 (td, J = 11.5, 2.4 Hz, 2H), 2.11 - 2.04 (m, 2H), 1.80 - 1.59 (m, 3H), 0.47 - 0.38 (m, 2H), 0.35 - 0.28 (m, 2H)
【0140】
実施例1005:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((3-(2-(1-シクロプロピルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化28】
粗製物を次の条件を使用する分取HPLCで精製した:Waters XBridge 5μm C18、30×100mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、30mL/分の流速で、25分間をかける30~50%Bの勾配および10分間の維持、次いで10分間をかける50~100%Bの勾配を用いた。所望の生成物を含むフラクションを蒸発させた。生成物の収量は21.5mg(18%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は99%であった。
【0141】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters XBridge 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配および5分間の維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters Sunfire 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配および5分間の維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=14.83分;99%純度。
分析条件2:保持時間=6.09分;99%純度。
【0142】
LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により、220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.129分, m/z 746.20 & 748.20 (M + H)
【0143】
1H NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.96 (s, 1H), 8.93 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 7.67 (m, 2H), 7.57 (s, 1H), 7.54 - 7.46 (m, 1H), 7.32 (m, 3H), 7.06 (s, 1H), 5.39 (s, 2H), 5.34 (s, 2H), 4.51 - 4.40 (m, 1H), 4.40 - 4.23 (m, 1H), 3.59 - 3.45 (m, 1H), 3.28 - 3.10 (m, 3H), 3.03 - 2.85 (m, 1H), 2.64 - 2.44 (m, 2H), 2.28 (m, 6H), 1.98 (m, 2H), 1.92 - 1.76 (m, 4H), 1.76 - 1.62 (m, 1H), 1.62 - 1.44 (m, 1H), 1.39 - 1.23 (m, 1H), 0.51 (m, 4H)
【0144】
中間体:2-(8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール
【化29】
110.7mgの2-(8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール(38%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.140分, m/z 307.10 & 309.10 (M + H), 100%純度.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 7.96 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.54 (dd, J = 8.7, 1.9 Hz, 1H), 3.96 (m, 2H), 3.55 (m, 1H), 2.20 - 2.04 (m, 4H), 2.02 - 1.90 (m, 4H)
【0145】
実施例1006:(2S)-1-(4-((3-(2-(8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化30】
粗製物を次の条件を使用する分取HPLCで精製した:Waters XBridge 5μm C18、30×100mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、30mL/分の流速で、25分間をかける30~100%Bの勾配および10分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを蒸発させた。生成物の収量は24mg(21%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は99%であった。
【0146】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters XBridge 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配および5分間の維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters Sunfire 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配および5分間の維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=14.11分;98%純度。
分析条件2:保持時間=6.01分;98%純度。
【0147】
LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.165分, m/z 732.20 & 734.20 (M + H)
【0148】
1H NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.96 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.93 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.42 - 8.37 (m, 1H), 7.67 (m, 2H), 7.57 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.49 (dd, J = 6.8, 1.9 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 8.4, 1.7 Hz, 1H), 7.32 - 7.24 (m, 2H), 7.05 (s, 1H), 5.39 (s, 2H), 5.33 (s, 2H), 4.44 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 4.31 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 4.19 (m, 2H), 3.77 - 3.63 (m, 1H), 3.55 - 3.44 (m, 1H), 2.91 (m, 1H), 2.42 - 2.29 (m, 6H), 2.27 (s, 3H), 2.25 - 2.19 (m, 3H), 1.91 - 1.74 (m, 3H), 1.74 - 1.63 (m, 1H), 1.60 - 1.48 (m, 1H), 1.40 - 1.27 (m, 1H)
【0149】
中間体:5-ブロモ-2-(ピリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
【化31】
235mgの5-ブロモ-2-(ピリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール(42%収率)を桃色固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.137分, m/z 275.05, 277.05 (M + H), 65%純度.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.88 (m, 2H), 8.16 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.11 (m, 2H), 7.87 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.69 (dd, J = 8.7, 1.9 Hz, 1H)
【0150】
実施例1007:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(ピリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化32】
粗製物を次の条件を使用する分取HPLCで精製した:Waters XBridge 5μm C18、30×100mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、30mL/分の流速で、20分間をかける10~100%Bの勾配および10分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを蒸発させた。生成物の収量は18mg(31%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は95%であった。
【0151】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した:
注入1条件:Waters XBridge 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配および5分間の維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters Sunfire 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配および5分間の維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=14.27分;95%純度。
分析条件2:保持時間=8.18分;95%純度。
【0152】
LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.400分, m/z 700.20 (M + H)
【0153】
1H NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.94 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.91 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.80 (m, 2H), 8.38 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 8.22 (m, 2H), 7.88 - 7.76 (m, 1H), 7.73 - 7.66 (m, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.48 (m, 1H), 7.46 - 7.37 (m, 1H), 7.29 (m, 2H), 7.04 (s, 1H), 5.37 (s, 2H), 5.32 (s, 2H), 4.44 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 4.30 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 3.50 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 3.33 (m, 1H), 2.98 - 2.87 (m, 1H), 2.29 (s, 3H), 2.25 - 2.16 (m, 1H), 1.90 - 1.73 (m, 3H), 1.68 (m, 1H), 1.52 (m, 1H)
【0154】
中間体:5-ブロモ-2-(1-メチルピロリジン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
【化33】
171mgの5-ブロモ-2-(1-メチルピロリジン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール(40%収率)を、赤色油状固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.092分, m/z 281.15および283.15 (M + H), 70%純度.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 7.93 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.69 - 7.65 (d, J = 8.6 Hz,1H), 7.52 (dd, J = 8.6, 2.0 Hz, 1H), 3.71 (m, 1H), 2.89 (m, 1H), 2.81 (m, 1H), 2.58 (m, 2H), 2.32 - 2.17 (m, 5H)
【0155】
実施例1008:(2S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(1-メチルピロリジン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化34】
粗製物を次の条件を使用する分取LC/MSで精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、20mL/分の流速で、25分間をかける20~60%Bの勾配および5分間の維持を用いた。物質をさらに次の条件を使用する分取LC/MSで精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、20mL/分の流速で、15分間をかける25~65%Bの勾配および5分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物の収量は21.6mg(35%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は91%であった。
【0156】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=1.319分;ESI-MS(+) m/z=706.1 (M + H)
分析条件2:保持時間=1.372分;ESI-MS(+) m/z=706.1 (M + H)
【0157】
1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.89 (m, 2H), 8.35 (s, 1H), 7.70 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.53 (s, 2H), 7.39 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 7.32 - 7.17 (m, 3H), 6.99 (s, 1H), 5.34 (s, 2H), 5.24 (s, 2H), 3.98 (m, 1H), 3.89 (m, 1H), 3.77 (m, 1H), 3.51 (m, 1H), 2.98 (m, 1H), 2.84 (m, 1H), 2.75 (m, 1H), 2.47 (m, 2H), 2.41 (s, 3H), 2.28 (m, 1H), 2.23 (m, 2H), 2.17 (s, 3H), 2.01 (m, 2H), 1.60 (m, 3H), 1.38 (m, 1H)
【0158】
中間体:5-ブロモ-7-メチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
【化35】
196mgの5-ブロモ-7-メチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール(43%収率)を橙色固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.167分, m/z 309.15, 311.11 (M + H), 85%純度.
1H NMR (500MHz, CD
3OD) δ 7.59 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 3.10 - 2.94 (m, 3H), 2.48 (s, 3H), 2.35 (s, 3H), 2.29 (t, J = 11.1 Hz, 2H), 2.24 - 2.15 (m, 2H), 2.06 - 1.93 (m, 2H)
【0159】
実施例1009:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(7-メチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化36】
粗製物を、アセトニトリル/水/酢酸アンモニウムを用いる島津分取HPLCで精製し、ここで、溶媒Aは5%アセトニトリル/95%水/10mM 酢酸アンモニウムであり、溶媒Bは5%水/95%アセトニトリル/10mM 酢酸アンモニウムであり、Waters XBridge 5μm 30×100mmカラムで、30mL/分の流速で20分間をかける10~100%Bの勾配および10分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物の収量は38mg(62%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は94%であった。
【0160】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters XBridge 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配および5分間の維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters Sunfire 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配および5分間の維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=14.57分;94%純度。
分析条件2:保持時間=7.64分;94%純度。
【0161】
LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.244分, m/z 734.25 & 735.25 (M + H)
【0162】
1H NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.94 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.92 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.37 (t, J = 1.9 Hz, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.47 (dd, J = 6.9, 2.1 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.31 - 7.22 (m, 2H), 7.11 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 5.37 (s, 2H), 5.30 (s, 2H), 4.42 (m, 1H), 4.28 (m, 1H), 3.50 (m, 1H), 3.31 (m, 4H), 2.97 - 2.78 (s, 3H), 2.65 (m, 3H), 2.56 (s, 3H), 2.46 - 2.34 (m, 2H), 2.31 - 2.16 (m, 5H), 1.92 - 1.75 (m, 4H), 1.70 (m, 1H), 1.52 (m, 1H)
【0163】
中間体:5-ブロモ-4-メチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
【化37】
197.9mgの5-ブロモ-4-メチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール(45%収率)を赤色固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.105分, m/z 309.10 & 311.10 (M + H), 70%純度.
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ 7.45 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 2.99 - 2.90 (m, 3H), 2.63 (s, 3H), 2.33 (s, 3H), 2.20 - 1.99 (m, 6H)
【0164】
実施例1010:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(4-メチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化38】
粗製物を、アセトニトリル/水/酢酸アンモニウムを用いる島津分取HPLCで精製し、ここで、溶媒Aは5%アセトニトリル/95%水/10mM 酢酸アンモニウムであり、溶媒Bは5%水/95%アセトニトリル/10mM 酢酸アンモニウムであり、Waters XBridge 5u C18 30×100mmカラムで、30mL/分の流速で20分間をかける10~100%Bの勾配および10分間の維持を用いた。生成物を次の条件を使用する分取LC/MSで再精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、20mL/分の流速で、15分間をかける15~100%Bの勾配および5分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物の収量は17mg(29%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は99%であった。
【0165】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters XBridge 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配および5分間の維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters Sunfire 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配および5分間の維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=14.45分;99%純度。
分析条件2:保持時間=7.39分;99%純度。
【0166】
LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.149分, m/z 734.25 (M + H), 99%純度
【0167】
1H NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.88 (m, 1H), 8.82 (m, 1H), 8.31 (m, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.40 (m, 1H), 7.37 (m, 1H), 7.18 (m, 1H), 7.08 - 6.91 (m, 3H), 5.28 (s, 2H), 5.23 (s, 2H), 4.34 (m, 1H), 4.19 (m, 1H), 3.40 (m, 1H), 3.24 (m, 1H), 3.18 (m, 1H), 2.85 - 2.67 (m, 3H), 2.56 (m, 4H), 2.32 - 2.22 (m, 2H), 2.20 - 2.07 (m, 6H), 1.99 (s, 3H), 1.82 (m, 2H), 1.80 - 1.63 (m, 2H), 1.63 - 1.54 (m, 1H), 1.47 - 1.35 (m, 1H)
【0168】
中間体:5-ブロモ-2-(4-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
【化39】
243.2mgの5-ブロモ-2-(4-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール(56%収率)を、黄褐色油状固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.119分, m/z 295.10 & 297.10 (M + H), 90%純度.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 7.97 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.53 (dd, J = 8.5, 1.4 Hz, 1H), 2.83 (m, 2H), 2.58 (m, 2H), 2.19 (m, 2H), 1.60 (m, 2H), 1.36 (s, 3H)
【0169】
実施例1011:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化40】
粗製物を次の条件を使用する分取LC/MSで精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、20mL/分の流速で、15分間をかける15~100%Bの勾配および5分間維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物の収量は6.4mg(15%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は98%であった。
【0170】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters Sunfire 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で、20分間をかける0~100%Bの勾配および100%Bの5分間維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters XBridge 3.5μm フェニル、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で、20分間をかける0~100%Bの勾配および100%Bの5分間維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=7.40分、98%純度。
分析条件2:保持時間=8.17分、98%純度。
【0171】
LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.152分, m/z 720.20 & 722.25 (M + H), 98%純度. 1H NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.93 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.96 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.39 (t, J = 1.9 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.61 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 7.49 (dd, J = 6.9, 2.1 Hz, 1H), 7.36 (dd, J = 8.4, 1.7 Hz, 1H), 7.32 - 7.25 (m, 2H), 7.05 (s, 1H), 5.39 (s, 2H), 5.34 (s, 2H), 4.44 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 4.31 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 3.50 (dd, J = 10.6, 3.5 Hz, 1H), 3.42 - 3.35 (m, 2H), 3.32 - 3.12 (m, 2H), 3.01 - 2.85 (m, 1H), 2.65 (m, 2H), 2.29 (s, 3H), 2.26 - 2.16 (m, 1H), 2.03 (m, 2H), 1.96 - 1.91 (m, 1H), 1.90 - 1.68 (m, 4H), 1.59 - 1.45 (m, 4H)
【0172】
中間体:4-(5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-N,N-ジエチルシクロヘキサンアミン
【化41】
407.8mgの4-(5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-N,N-ジエチルシクロヘキサンアミン(74%収率)を、赤色油状固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.182分, m/z 351.15 & 353.15 (M + H), 85%純度.
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ 7.80 (m, 1H), 7.42 (m, 1H), 7.35 (m, 1H), 3.08 - 2.84 (m, 6H), 2.45 - 2.32 (m, 2H), 2.25 (m, 2H), 1.96 - 1.60 (m, 4H), 1.30 (m, 6H)
【0173】
実施例1012:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((3-(2-(4-(ジエチルアミノ)シクロヘキシル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化42】
粗製物を、アセトニトリル/水/10mM 酢酸アンモニウムを用いる島津分取HPLCで精製し、ここで、溶媒Aは5%アセトニトリル/95%水/10mM 酢酸アンモニウムであり、溶媒Bは5%水/95%アセトニトリル/10mM 酢酸アンモニウムであり、Waters XBridge 5μm C18 OBD 30×100mmカラムで、30mL/分の流速で20分間をかける5~100%Bの勾配および10分間の維持を用いた。生成物を次の条件を使用する分取LC/MSで再精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、20mL/分の流速で、30分間をかける10~50%Bの勾配および5分間の維持を用いた。生成物の収量は12.5mg(20%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は98%であった。
【0174】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters Sunfire 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で、20分間をかける0~100%B勾配および100%Bの5分間の維持を用いて、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters XBridge 3.5μm フェニル、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で、20分間をかける0~100%Bの勾配および100%Bの5分間の維持を用いて、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=8.78分、98%純度。
分析条件2:保持時間=10.09分、98%純度。
【0175】
LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.092分, m/z 776.30 (M + H), 100%純度
【0176】
1H NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.96 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.93 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.40 (t, J = 1.9 Hz, 1H), 7.68 - 7.65 (m, 2H), 7.57 (m, 1H), 7.49 (dd, J = 6.4, 2.4 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 8.4, 1.6 Hz, 1H), 7.30 - 7.26 (m, 2H), 7.06 (s, 1H), 5.39 (s, 2H), 5.34 (s, 2H), 4.45 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 4.32 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 3.54 - 3.45 (m, 2H), 3.36 (m, 1H), 3.32 - 3.27 (m, 3H), 3.22 (m, 1H), 3.13 (m, 1H), 2.97 - 2.89 (m, 1H), 2.49 (m, 2H), 2.28 (m, 6H), 1.92 - 1.77 (m, 7H), 1.70 (m, 1H), 1.55 (m, 1H), 1.40 (t, J = 7.3 Hz, 6H)
【0177】
中間体:5-ブロモ-2-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
【化43】
264mgの5-ブロモ-2-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール(76%収率)を桃色固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 0.972分, m/z 323.15 & 325.15 (M + H), 99%純度.
1H NMR (500MHz, CD
3OD) δ 7.82 (dd, J = 1.7, 0.5 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 0.5 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 3.12 - 3.00 (m, 3H), 2.82 (m, 1H), 2.45 (td, J = 11.7, 2.4 Hz, 2H), 2.27 - 2.17 (m, 2H), 2.06 - 1.94 (m, 2H), 1.18 - 1.09 (m, 6H)
【0178】
実施例1013:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((3-(2-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化44】
粗製物を次の条件を使用する分取HPLCで精製した:Waters XBridge 5μm C18、30×100mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、30mL/分の流速で、25分間をかける0~75%Bの勾配および10分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを蒸発させた。生成物の収量は15.2mg(25%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は97%であった。
【0179】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters XBridge 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配および5分間の維持を用いて、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters Sunfire 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配および5分間の維持を用いて、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=14.77分;97%純度。
分析条件2:保持時間=6.35分;99%純度。
【0180】
LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 0.890分, m/z 749.10 (M + H)
【0181】
1H NMR (500MHz, C D3OD) δ 8.96 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.92 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.66 (m, 2H), 7.54 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.48 (dd, J = 6.9, 1.9 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 8.4, 1.6 Hz, 1H), 7.27 (m, 2H), 7.04 (s, 1H), 5.38 (s, 2H), 5.31 (s, 2H), 4.46 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 4.31 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 3.56 - 3.35 (m, 6H), 3.14 (t, J = 11.3 Hz, 2H), 2.92 (td, J = 12.0, 3.2 Hz, 1H), 2.48 (dd, J = 14.2, 3.0 Hz, 2H), 2.35 - 2.18 (m, 6H), 1.92 - 1.75 (m, 3H), 1.70 (m, 1H), 1.59 - 1.48 (m, 1H), 1.44 - 1.28 (m, 6H)
【0182】
中間体:5-ブロモ-2-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
【化45】
2-(8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール(78.2mg、0.255mmol)のDCE(1,2-ジクロロエタン、3mL)とトリエチルアミン(0.106mL、0.764mmol)の溶液に、2.5当量の37%ホルムアルデヒド水溶液(0.047mL、0.636mmol)を加えた。混合物を1時間、室温で撹拌した。反応混合物に、次いで純ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(216mg、1.018mmol)を加え、混合物を一夜、室温で撹拌した。反応混合物をさらに10mLのDCM(ジクロロメタン)で希釈し、2mLの1.5M リン酸カリウム水溶液、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、窒素下で蒸発させて、96mgの赤色油状物を得た。粗製物を10mLのメタノールに溶解し、Biotage 5g SCX-2イオン交換カートリッジを通した。カートリッジを3カラム体積(30mL)のメタノールで流し、塩基性生成物が30mLの2Mアンモニアのメタノール溶液で溶出した。49.6mgの5-ブロモ-2-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール(60%収率)を、赤みがかった黄褐色固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかけて0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配及び1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 0.925分, m/z 321.15 & 323.15 (M + H), 99%純度.
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ 7.79 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.40 (dd, J = 8.5, 1.9 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 3.34 - 3.24 (m, 3H), 2.36 (s, 3H), 2.22 - 2.10 (m, 4H), 1.93 - 1.84 (m, 2H), 1.74 - 1.66 (m, 2H)
【0183】
実施例1014:(2S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化46】
粗製物を、アセトニトリル/水/酢酸アンモニウムを用いる島津分取HPLCで精製し、ここで、溶媒Aは5%アセトニトリル/95%水/10mM 酢酸アンモニウムであり、溶媒Bは5%水/95%アセトニトリル/10mM 酢酸アンモニウムであり、Xbridge 5μm 30×100mm C18カラムで、30mL/分の流速で25分間をかける30~100%Bの勾配および10分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを蒸発させた。生成物の収量は46.5mg(38%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は98%であった。
【0184】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters XBridge 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配および5分間の維持を用いて、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters Sunfire 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配および5分間の維持を用いて、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=14.12分;99%純度。
分析条件2:保持時間=6.15分;98%純度。
【0185】
LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)で220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.159分, m/z 746.20 & 748.15 (M + H)
【0186】
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.96 (s, 1H), 8.93 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 7.71 - 7.62 (m, 2H), 7.54 (s, 1H), 7.49 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 8.3, 1.7 Hz, 1H), 7.31 - 7.24 (m, 2H), 7.04 (s, 1H), 5.38 (s, 2H), 5.32 (s, 2H), 4.45 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.31 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 3.96 (br. s., 2H), 3.73 - 3.62 (m, 1H), 3.55 - 3.46 (m, 1H), 2.99 - 2.87 (m, 1H), 2.79 (s, 3H), 2.49 - 2.34 (m, 6H), 2.27 (s, 3H), 2.19 (d, J = 8.6 Hz, 3H), 1.80 (m, 3H), 1.73 - 1.64 (m, 1H), 1.61 - 1.46 (m, 1H), 1.31 (m, 1H)
【0187】
中間体:3-(5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン
【化47】
54mgの3-(5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン(43%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 0.794分, m/z 278.85 & 280.90 (M + H), 90%純度.
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ 7.79 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.41 (dd, J = 8.7, 1.9 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 2.35 (s, 6H)
【0188】
実施例1015:(S)-1-(4-((3-(2-(3-アミノビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化48】
粗製物を、アセトニトリル/水/酢酸アンモニウムを用いる島津分取HPLCで精製し、ここで、溶媒Aは5%アセトニトリル/95%水/10mM 酢酸アンモニウムであり、溶媒Bは5%水/95%アセトニトリル/10mM 酢酸アンモニウムであり、XTERRA 5μm C18 30×100mmカラムで、30mL/分の流速で25分間をかける30~100%Bの勾配および10分間の維持を用いた。生成物を、アセトニトリル/水/酢酸アンモニウムを用いる島津分取HPLCで再精製し、ここで、溶媒Aは5%アセトニトリル/95%水/10mM 酢酸アンモニウムであり、溶媒Bは5%水/95%アセトニトリル/10mM 酢酸アンモニウムであり、XTERRA 5μm C18 30×100mmカラムで、30mL/分の流速で25分間をかける30~50%Bの勾配および5分間の維持、次いで10分間をかける50~100%Bの勾配を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、蒸発させた。生成物の収量は6mg(11%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は100%であった。
【0189】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters XBridge 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配および5分間の維持を用いて、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters Sunfire 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配および5分間の維持を用いて、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=13.15分;100%純度。
分析条件2:保持時間=5.76分;100%純度。
【0190】
LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.090分, m/z 704.20 & 706.15 (M + H)
【0191】
1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.86 (d, J = 1.4 Hz, 2H), 8.21 (br.s., 1H), 7.60 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 7.52 (m, 2H), 7.41 (m, 1H), 7.29 - 7.22 (m, 3H), 6.64 (s, 1H), 5.29 - 5.23 (m, 1H), 5.22 - 5.15 (m, 1H), 5.13 (s, 2H), 4.33 (br. s., 2H), 3.54 - 3.41 (m, 2H), 2.68 (m, 1H), 2.39 (s, 6H), 2.22 (s, 3H), 1.95 - 1.71 (m, 5H), 1.49 - 1.32 (m, 1H)
【0192】
中間体:2-(4-(5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)酢酸
【化49】
5-ブロモ-2-(ピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール(245mg、0.871mmol)および炭酸セシウム(315mg、0.967mmol)のDMF(3mL)中の混合物に、0℃で、窒素下、tert-ブチル2-ブロモアセテート(0.135mL、0.915mmol)を滴下した。氷浴を除去し、混合物を室温に温めた。2.5時間後、反応混合物を2mLの水および20mLの酢酸エチルで抽出した。有機層を抽出し、塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、粗製物を得た。粗製物を3mLの水で希釈し、Waters 1g HLB抽出カートリッジを通した。カートリッジをさらに10mLの水で流し、生成物を30mLのメタノールで溶出した。溶媒を除去して、04mgのtert-ブチル2-(4-(5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)アセテートを橙色固体として得た(88%収率)。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.224分, m/z 395.15, 397.10 (M + H), >90%純度.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 7.96 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.53 (dd, J = 8.7, 1.9 Hz, 1H), 3.14 (s, 2H), 3.05 - 2.97 (m, 1H), 2.89 (m, 2H), 2.38 (m, 2H), 2.12 - 2.00 (m, 2H), 1.83 (m, 2H), 1.42 (s, 9H)
【0193】
tert-ブチル2-(4-(5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)アセテート(50mg、0.126mmol)のDCE(2.5mL)に、室温で、窒素下、トリフルオロ酢酸(0.078mL、1.012mmol)を加えた。紫色混合物を16時間撹拌した。揮発物を減圧下除去し(ロータリーエバポレーター)、10mLのDCMを加え、蒸発操作を反復して、57.9mg(100%収率)の2-(4-(5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)酢酸、TFAを赤色固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.024分, m/z 339.0 & 341.05 (M + H), 99%純度. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 9.32 (br. s., 1H), 7.88 (s, 1H), 7.53 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.49 - 7.38 (m, 1H), 3.97 (m, 2H), 3.74 (m, 1H), 3.42 (m, 2H), 3.22 (m, 2H), 2.48 (m, 2H), 1.50 (m, 2H)
【0194】
実施例1016:(S)-1-(4-((3-(2-(1-(カルボキシメチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化50】
粗製物を次の条件を使用する分取LC/MSで精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、20mL/分の流速で、25分間をかける10~50%Bの勾配および5分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物の収量は19.1mg(26%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は94%であった。
【0195】
最終純度を決定するために、1回の分析的LC/MS注入を実施した。。
注入条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
分析条件:保持時間=1.268分;ESI-MS(+) m/z = 764.1 (M + H)
【0196】
1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.98 (s, 2H), 8.41 (s, 1H), 7.72 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.51 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.33 - 7.22 (m, 3H), 7.10 (s, 1H), 5.33 (d, J = 2.6 Hz, 2H), 5.27 (s, 2H), 3.74 (d, J = 13.9 Hz, 1H), 3.57 (d, J = 13.9 Hz, 1H), 3.18 (s, 2H), 3.15 - 3.00 (m, 4H), 2.89 (m, 1H), 2.57 (m, 2H), 2.25 (m, 4H), 2.15 (m, 2H), 1.95 (m, 2H), 1.77 (m, 2H), 1.49 (m, 3H), 1.44 - 1.33 (m, 1H)
【0197】
中間体:5-ブロモ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
【化51】
テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボン酸(0.690g、5.3mmol)のDCM(10mL)溶液に、窒素下、0℃で、DMF(0.041mL、0.530mmol)を加え、塩化オキサリル(1.180mL、7.9mmol)を滴下した。氷浴を除去し、混合物を45分間撹拌した。揮発物をロータリーエバポレーターで除去し、粗製物を10mLのDCMで希釈し、蒸発を反復した。
RBF(丸底フラスコ)に、2-アミノ-4-ブロモフェノール(1097mg、5.83mmol)のDCM(20mL)溶液をピリジン(0.429mL、5.30mmol)と共に加えた。混合物を窒素下、15分間撹拌した。上記の新たに合成したテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボニルクロライド(788mg、5.30mmol)を含む第二の丸底フラスコに、室温で、2mLのDCM、続いてDCM中に2-アミノ-4-ブロモフェノール/ピリジンを含む上記混合物を加えた。合わせた桃色不均一混合物を窒素下、一夜、室温で撹拌した。粗製物を水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。単離粗製物を4:1氷冷ジエチルエーテル/ヘキサンで磨砕して、1.512gのN-(5-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキサミド(88%収率)を桃色固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.190分, m/z 300.15, 302.15 (M + H), 90%純度.
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ 8.37 (br. s., 1H), 7.58 (br. s., 1H), 7.39 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.20 (dd, J = 8.7, 2.4 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.09 (m, 2H), 3.47 (m, 2H), 2.62 (m, 1H), 1.98 - 1.77 (m, 4H)
【0198】
封管に、2mLのジオキサン、N-(5-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキサミド(200mg、0.666mmol)および3当量のオキシ塩化リン(0.186mL、1.999mmol)を加えた。チューブを密封し、混合物を110℃で2時間加熱した。混合物を冷却し、ジオキサンを蒸発させて、粗製物を得た。粗製物を水で磨砕し、減圧下乾燥させて、160mg(51%収率)の5-ブロモ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾールを桃色固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.427分, m/z 282.15, 284.10 (M + H), 65%純度. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.83 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.44 (dd, J = 1.7, 8.7 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.08 (dt, J = 11.7, 3.5 Hz, 2H), 3.58 (td, J = 11.7, 3.5 Hz, 3H), 3.29 - 3.15 (m, 1H), 2.11 - 1.98 (m, 4H)
【0199】
実施例1017:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化52】
粗製物を、アセトニトリル/水/10mM 酢酸アンモニウムを用いる島津分取HPLCで精製し、ここで、溶媒Aは5%アセトニトリル/95%水/10mM 酢酸アンモニウムであり、溶媒Bは5%水/95%アセトニトリル/10mM 酢酸アンモニウムであり、Waters XBridge 5μm C18 OBD 30×100mmカラムで、30mL/分の流速で20分間をかける10~100%Bの勾配および10分間の維持を用いた。所望の物質を含むフラクションを蒸発させた。生成物の収量は22mg(39%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は99%であった。
【0200】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters Sunfire 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で、20分間をかける0~100%Bの勾配および100%Bの5分間の維持を用いて、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters XBridge 3.5μm フェニル、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で、20分間をかける0~100%Bの勾配および100%Bの5分間の維持を用いて、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=7.15分、99%純度。
分析条件2:保持時間=7.66分、99%純度。
【0201】
LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.360分, m/z 707.20 (M + H), 100%純度
【0202】
1H NMR (500MHz, CD3OD) δ 8.96 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.92 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.39 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 7.65 (m, 2H), 7.56 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.48 (m, 1H), 7.31 (dd, J = 8.4, 1.7 Hz, 1H), 7.27 (m, 2H), 7.06 (s, 1H), 5.39 (s, 2H), 5.32 (s, 2H), 4.46 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 4.32 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 4.06 (dt, J = 11.2, 3.6 Hz, 2H), 3.64 (td, J = 11.2, 3.6 Hz, 2H), 3.52 (dd, J = 10.5, 3.1 Hz, 1H), 3.39 - 3.35 (m, 2H), 2.93 (m, 1H), 2.27 (s, 3H), 2.24 (m, 1H), 2.14 (m, 2H), 2.08 - 2.00 (m, 2H), 1.93 - 1.75 (m, 3H), 1.70 (m, 1H), 1.59 - 1.49 (m, 1H)
【0203】
中間体:2-(8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-5-ブロモベンゾ[d]オキサゾールを、同様の方法で合成した。
【化53】
375mgのN-(5-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)-8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボキサミド(81%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.862分, m/z 381.20 & 383.15 (M + H), 90%純度.
1H NMR (500MHz, CD
3OD) δ 9.11 (br. s., 1H), 7.99 (m, 1H), 7.10 (dd, J = 8.6, 2.4 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.45 (m, 2H), 3.11 - 2.98 (m, 1H), 2.08 - 1.86 (m, 6H), 1.69 (m, 2H)
31.4mgの2-(8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール(23%収率)を淡黄色固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.502分, m/z 308.10 & 310.10 (M + H), 90%純度.
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ 7.79 (s, 1H), 7.40 (m, 1H), 7.34 (m, 1H), 4.52 (br. s., 2H), 3.48 - 3.33 (m, 1H), 2.17 (m, 2H), 2.07 (m, 2H), 1.99 - 1.77 (m, 4H)
【0204】
実施例1018:(2S)-1-(4-((3-(2-(8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化54】
粗製物を次の条件を使用する分取HPLCで精製した:Waters XBridge 5μm C18、30×100mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、30mL/分の流速で、30%Bを用いる25分間、50%Bを用いる10分間、最後に50~100%を用いる5分間の複合勾配を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、蒸発させた。生成物の収量は10.4mg(18%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は98%であった。
【0205】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters XBridge 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配と5分間の維持を用いて、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters Sunfire 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配および5分間の維持を用いて、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=14.08分;98%純度。
分析条件2:保持時間=9.13分;99%純度。
【0206】
LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.485分, m/z 733.20 & 734.20 (M + H)
【0207】
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.94 (m, 2H), 8.39 (m, 1H), 7.66 (m, 2H), 7.55 (m, 1H), 7.48 (m, 1H), 7.27 (m, 3H), 7.05 (m, 1H), 5.38 (s, 2H), 5.33 (s, 2H), 4.54 (m, 2H), 4.45 (m, 1H), 4.32 (m, 1H), 3.59 (m, 1H), 3.49 (m, 1H), 2.92 (m, 1H), 2.27 (s, 3H), 2.14 - 1.94 (m, 9H), 1.78 (m, 3H), 1.66 (m, 1H), 1.53 (m, 1H), 1.30 (m, 1H)
【0208】
実施例1019および実施例1020の化合物を、次のスキームに従い製造した。
【化55】
【0209】
実施例1019:5-((4-クロロ-2-ホルミル-5-((2-メチル-3-(2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル
【化56】
封管に、5-ブロモ-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール(85mg、0.289mmol)、5-((4-クロロ-2-ホルミル-5-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル(150mg、0.289mmol)、THF(4.5mL)、水(1.5mL)、リン酸三カリウム(245mg、1.157mmol)および第二世代XPhosプレ触媒(22.75mg、0.029mmol)。混合物を窒素で脱気/フラッシュし、次いで一夜、80℃で加熱した。反応混合物を冷却し、溶媒蒸発させた。残留物を酢酸エチルに溶解し、水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。得られた油状物を3:1冷ジエチルエーテル/ヘキサンで摩砕して、148.8mgの5-((4-クロロ-2-ホルミル-5-((2-メチル-3-(2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル(85%収率)を淡黄褐色粉末として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.437分, m/z 607.20, 609.20 (M + H), 93%純度.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 10.24 (s, 1H), 9.04 (d, J = 1.9 Hz, 2H), 8.56 (s, 1H), 7.74 (m, 2H), 7.63 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 6.1 Hz, 1H), 7.40 - 7.20 (m, 4H), 5.50 (s, 2H), 5.44 (s, 2H), 3.43 (m, 1H), 3.04 - 2.96 (m, 1H), 2.81 (m, 2H), 2.67 - 2.58 (m, 1H), 2.24 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.14 - 2.03 (m, 3H), 1.86 (m, 1H)
【0210】
実施例1020:(R)-2-((5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)アミノ)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸
【化57】
バイアルに、5-((4-クロロ-2-ホルミル-5-((2-メチル-3-(2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル(25mg、0.041mmol)のDMF(1mL)を酢酸(0.100mL)および(R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸(12.26mg、0.103mmol)と共に加えた。バイアルを密封し、混合物を1時間、室温で撹拌した。反応混合物に、次いでボラン-2-ピコリンコンプレックス(5.29mg、0.049mmol)を加え、混合物を一夜、室温で撹拌した。粗製物を次の条件を使用する分取LC/MSで精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、20mL/分の流速で、25分間をかける15~80%Bの勾配と5分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物、(R)-2-((5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)アミノ)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸の収量は4.3mg(14%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は94%であった。最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS実施を使用した。
注入1条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配と0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=1.394分;ESI-MS(+) m/z = 710.1 (M + H)
分析条件2:保持時間=1.435分;ESI-MS(+) m/z = 710.0 (M + H)
【0211】
1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.95 (m, 1H), 8.89 (m, 1H), 8.39 (m, 1H), 7.70 (m, 1H), 7.52 (m, 2H), 7.40 (m, 1H), 7.31 - 7.18 (m, 3H), 7.02 (m, 1H), 5.33 (m, 2H), 5.24 (m, 2H), 4.00 (m, 4H), 3.07 (m, 1H), 2.92 (m, 2H), 2.41 - 2.24 (m, 4H), 2.22 - 2.07 (m, 4H), 1.88 (m, 2H), 1.76 (m, 2H), 1.24 (s, 3H)
【0212】
実施例1021:5-((4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)-5-((2-メチル-3-(2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル
【化58】
実施例1021の化合物を、実施例1020の反応混合物から単離した。粗製物を次の条件を使用する分取LC/MSで精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、20mL/分の流速で、25分間をかける15~80%Bの勾配および5分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物、5-((4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)-5-((2-メチル-3-(2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリルの収量は2.6mg(10%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は96.2%であった。
【0213】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
注入2条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=1.944分;ESI-MS(+) m/z = 609.0 (M + H)
分析条件2:保持時間=1.884分;ESI-MS(+) m/z = 609.0 (M + H)
【0214】
中間体:5-ブロモ-2-(1-フェニルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
【化59】
2-アミノ-4-ブロモフェノール(300mg、1.596mmol)および1-フェニルピペリジン-4-カルボン酸塩酸塩(386mg、1.596mmol)に、ポリリン酸(5g)を加えた。混合物を3.5時間、190℃で加熱した。反応混合物に、0℃で、6mLの水を、手動撹拌しながら滴下した。反応混合物に、2M NaOH水溶液をpHが約7に達するまで滴下した。この濃厚な紫色混合物に30mLの酢酸エチルを加え、生成物を抽出し、水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、158.9mgの5-ブロモ-2-(1-フェニルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾールを赤色固体(28%収率)として得て、LCMSによるその純度は95%であった。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.202分, m/z 357.15 & 359.15 (M + H), 95%純度.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 7.96 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 1.9, 8.6 Hz, 1H), 7.27 - 7.19 (m, 2H), 6.99 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.78 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.74 (dt, J = 12.7, 3.4 Hz, 2H), 3.25 (m, 1H), 2.98 - 2.88 (m, 2H), 2.19 (dd, J = 13.3, 2.9 Hz, 2H), 1.98 - 1.88 (m, 2H)
【0215】
実施例1022:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(1-フェニルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化60】
封管に、5-ブロモ-2-(1-フェニルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール(28.3mg、0.079mmol)、THF(3mL)、(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸(50mg、0.079mmol)、リン酸三カリウム(42.0mg、0.198mmol)、水(1mL)および第二世代XPhosプレ触媒(7.80mg、9.91μmol)を加えた。容器を密封し、混合物を窒素で脱気/フラッシュし、次いで75℃で、一夜加熱した。粗製物を次の条件を使用する分取LC/MSで精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、20mL/分の流速で、20分間をかける50~90%B勾配および5分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物の収量は17.5mg(28.1%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は99%であった。
【0216】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。注入2条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=2.494分;ESI-MS(+) m/z = 782.0 (M + H)
分析条件2:保持時間=1.846分;ESI-MS(+) m/z = 782.0 (M + H)
【0217】
1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 9.02 (m, 2H), 8.47 (s, 1H), 7.77 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.53 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.36 - 7.20 (m, 5H), 7.14 (s, 1H), 7.01 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 6.79 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 5.35 (br. s., 2H), 5.29 (s, 2H), 3.85 - 3.73 (m, 4H), 3.62 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 3.13 (m, 1H), 2.94 (m, 4H), 2.33 - 2.15 (m, 5H), 1.97 (m, 2H), 1.80 (m, 1H), 1.73 (m, 1H), 1.49 (m, 3H), 1.37 (m, 1H)
【0218】
実施例1023:(S)-1-(5-クロロ-2-メトキシ-4-((2-メチル-3-(2-(1-フェニルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化61】
実施例1023の化合物を、上記スキームおよび下記方法に従い製造した:5-クロロ-2-ヒドロキシ-4-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)ベンズアルデヒド(1.41g、3.50mmol)のDMF(23mL)溶液に、窒素雰囲気下、炭酸カリウム(1.113g、8.05mmol)およびヨードメタン(0.436ml、7.00mmol)を加えた。混合物を一夜、室温で撹拌した。粗製物を75mLのDCMで希釈し、水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、1.4g(88%)の5-クロロ-2-メトキシ-4-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)ベンズアルデヒドを淡黄褐色固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7mm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 2.044分, m/z 417.25, 419.25 (M + H), 90%純度.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 10.16 (s, 1H), 7.69 - 7.65 (m, 2H), 7.64 - 7.59 (m, 1H), 7.25 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.11 (s, 1H), 5.38 (s, 2H), 4.01 (s, 3H), 2.54 (s, 3H), 1.32 (s, 12H)
【0219】
丸底フラスコに、酢酸(27.5μl、0.480mmol)、DCE(1mL)、エタノール(3mL)、THF(1mL)、20mgのオーブン乾燥し、粉砕した4Åシーブ、L-ピペコリン酸(62.0mg、0.480mmol)および5-クロロ-2-メトキシ-4-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)ベンズアルデヒド(100mg、0.240mmol)を加えた。丸底フラスコを密封し、混合物を窒素雰囲気下に置き、室温で1時間撹拌した。小型バイアルに、THF(1ml)およびシアノトリヒドロホウ酸ナトリウム(30.2mg、0.480mmol)を加えた。混合物を手短に音波処理して溶解させ、次いでシリンジにとった。得られた溶液を、4時間をかけて上記反応混合物に手動で滴下した。反応混合物を次いで窒素下で一夜撹拌した。粗製物を酢酸エチルで希釈し、1.5Mリン酸カリウム、水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、134.7mgの(S)-1-(5-クロロ-2-メトキシ-4-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸を白色固体として得た(85%収率、80%純度)。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7mm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間維持を用いた。LCMS Rt = 1.554分, m/z 530.35 (M + H), 80%純度. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 7.64 (m, 1H), 7.59 (m, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.28 - 7.21 (m, 1H), 6.95 (S, 1H), 5.23 (s, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.77 - 3.71 (m, 1H), 3.69 - 3.62 (m, 1H), 3.13 (m, 1H), 2.90 (m, 1H), 2.54 (s, 3H), 2.32 (m, 1H), 1.82 (m, 1H), 1.76 - 1.68 (m, 1H), 1.52 (m, 3H), 1.41 - 1.36 (m, 1H), 1.32 (s, 12H)
【0220】
封管に、5-ブロモ-2-(1-フェニルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール(35.4mg、0.099mmol)、THF(3mL)、(S)-1-(5-クロロ-2-メトキシ-4-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸(68.25mg、0.129mmol)、リン酸三カリウム(52.6mg、0.248mmol)、水(1mL)および第二世代XPhosプレ触媒(7.80mg、9.91μmol)を加えた。混合物を窒素で脱気/フラッシュした後、容器を密封し、次いで一夜、75℃で加熱した。粗製物を次の条件を使用する分取LC/MSで精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、20mL/分の流速で、23分間をかける47~87%Bの勾配と4分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。物質をさらに次の条件を使用する分取LC/MSで精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95 メタノール:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、20mL/分の流速で、25分間をかける50~90%Bの勾配および5分間維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。実施例1023、(S)-1-(5-クロロ-2-メトキシ-4-((2-メチル-3-(2-(1-フェニルピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸の収量は1.1mg(2%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は92%であった。
【0221】
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配と0.75分間100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。注入2条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。分析条件1:保持時間=2.567分;ESI-MS(+) m/z = 680.0 (M + H);分析条件2:保持時間=1.866分;ESI-MS(+) m/z = 680.0 (M + H); 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 7.76 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.33 - 7.19 (m, 5H), 7.03 - 6.97 (m, 2H), 6.92 (s, 1H), 6.78 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 5.27 (s, 2H), 3.82 (s, 3H), 3.79 - 3.67 (m, 2H), 3.30 - 3.21 (m, 2H), 2.94 (t, J = 10.9 Hz, 3H), 2.84 (m, 1H), 2.65 (dd, J = 8.1, 3.9 Hz, 1H), 2.28 - 2.16 (m, 4H), 2.05 - 1.86 (m, 3H), 1.74 - 1.50 (m, 3H), 1.42 (m, 2H), 1.24 (m, 2H)
【0222】
中間体:メチル4-(5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)シクロヘキサンカルボキシレートおよび4-(5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)シクロヘキサンカルボン酸
【化62】

丸底フラスコに、0℃で、窒素下、4-(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸(0.484g、2.60mmol)、乾燥DCM(10mL)、乾燥DMF(0.040mL、0.520mmol)および滴下により塩化オキサリル(0.854mL、5.72mmol)を加えた。氷浴を除去し、混合物を45分間、窒素下撹拌した。揮発物をロータリーエバポレーターで除去し、粗製物を乾燥DCMで希釈し、蒸発を反復して、粗製メチル4-(クロロカルボニル)シクロヘキサンカルボキシレートを得た。バイアルに、新たに合成したメチル4-(クロロカルボニル)シクロヘキサン-カルボキシレート(推定2.60mmol)、PhCl(2mL)、5-ブロモベンゾオキサゾール(257mg、1.3mmol)および炭酸カリウム(27.6mg、0.200mmol)の水溶液(0.667mL)を加えた。バイアルを密封し、混合物を、一夜、140℃で撹拌した。混合物を冷却し、揮発物を除去した。粗製物を1:1酢酸エチル/DCMに溶解し、最小量の水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。反応混合物を次いで6mLのアセトニトリル/DMFに溶解し、アセトニトリル/水/酢酸アンモニウムを用いる島津分取HPLCで精製し、ここで、溶媒Aは5%アセトニトリル/95%水/10mM 酢酸アンモニウムであり、溶媒Bは5%水/95%アセトニトリル/10mM 酢酸アンモニウムであり、Waters Sunfire 5μm C18 30×100mmカラムで、40mL/分の流速で15分間をかける25~100%Bの勾配および5分間の維持を用いた。メチル4-(5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)シクロヘキサンカルボキシレートを、cisおよびtrans異性体の約1:1混合物(NMR分析による)である桃色固体として得た(100.8mg、23%収率)。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7μm C18、2.1×50mmカラムで、2分にわたり、0.8mL/分の流速で1.5分間の勾配時間で2~98%B (B=100%HPLCグレードアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸)、(A=100%HPLCグレード水/0.05%トリフルオロ酢酸)の勾配を用いた。LCMS Rt = 1.334分, m/z 337.9 & 339.9 (M + H)
【0223】
バイアルに、メチル4-(5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)シクロヘキサンカルボキシレート(20mg、0.059mmol)のTHF(2mL)を水酸化リチウム(7.08mg、0.296mmol)の水(0.400mL)溶液と共に加えた。混合物を一夜、室温で撹拌した。揮発物を除去した、得られた白色残留物を酢酸エチルに溶解し、NH4Cl、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、18.7mgの4-(5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)シクロヘキサンカルボン酸を白色固体として得た。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7mm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 2.114分, m/z 324.15, 326.15 (M + H), 95%純度. 1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.82 (m, 1H), 7.54 (m, 1H), 7.51 (m, 1H), 3.20 (m, 1H), 3.02 (m, 1H), 2.61 (m, 1H), 2.33 (m, 1H), 2.30 (m, 1H), 2.16 (m, 1H), 2.03 (m, 2H), 1.81 (m, 1H), 1.75 - 1.59 (m, 1H)
【0224】
実施例1024:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((3-(2-(4-(メトキシカルボニル)シクロヘキシル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化63】

封管に、(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸(30mg、0.047mmol)、THF(3mL)、水(1mL)、メチル4-(5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)シクロヘキサンカルボキシレート(16.05mg、0.047mmol)、リン酸三カリウム(25.2mg、0.119mmol)および第二世代XPhosプレ触媒(3.74mg、4.75μmol)を加えた。混合物を窒素で脱気/フラッシュし、容器を密封し、次いで一夜、80℃で加熱した。反応混合物を濃縮し、4mLのアセトニトリルに溶解し、アセトニトリル/水/酢酸アンモニウムを用いる島津分取HPLCで精製し、ここで、溶媒Aは5%アセトニトリル/95%水/10mM 酢酸アンモニウムであり、溶媒Bは5%水/95%アセトニトリル/10mM 酢酸アンモニウムであり、Phenomenex Axia C18 30×100mm 10μmカラムで、40mL/分の流速で、12分間をかける20~100%Bの勾配および10分間の維持を用いた。目的フラクションを集め、溶媒を窒素流下に除去して、8.0mg(22%収率)の(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((3-(2-(4-(メトキシカルボニル)シクロヘキシル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸を白色固体として得て、その純度は96%であった。LC/MSデータを、次の設定を使用する島津分析LCMS(ESI+)により220nmで得た:Waters Aquity BEH 1.7mm C18、2.1×50mmカラム、1mL/分の速度で、2分間をかける0~100%B(B=90%HPLCグレードアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレード水)、(A=90%HPLCグレード水/0.1%トリフルオロ酢酸/10%HPLCグレードアセトニトリル)の勾配および1分間の維持を用いた。LCMS Rt = 1.234分, m/z 763.15, 764.10 (M + H)。最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。注入1条件:Waters XBridge 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bの勾配および5分間維持を用い、220nmのUV波長を使用した。注入2条件:Waters Sunfire 3.5μm C18、3.0×150mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、0.5mL/分の流速で、15分間をかける10~100%Bおよび勾配と5分間の維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=14.68分;95%純度。
分析条件2:保持時間=11.30分;97%純度。
【0225】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 8.96 (s, 1H), 8.93 (s, 1H), 8.40 (t, J = 1.8 Hz, 1H), 7.70 - 7.61 (m, 2H), 7.57 - 7.47 (m, 3H), 7.34 - 7.24 (m, 2H), 7.06 (s, 1H), 5.39 (s, 2H), 5.30 (s, 2H), 4.44 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 4.30 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 3.73 - 3.68 (m, 3H), 3.51 (br d, J = 7.9 Hz, 1H), 3.29 - 3.15 (m, 1H), 3.05 (m, 1H), 2.94 (br t, J = 11.0 Hz, 1H), 2.73 - 2.64 (m, 1H), 2.55 - 2.41 (m, 1H), 2.36 - 2.27 (m, 4H), 2.25 - 2.12 (m, 3H), 2.10 - 2.00 (m, 3H), 1.87 - 1.76 (m, 3H), 1.74 - 1.66 (m, 2H), 1.59 - 1.43 (m, 1H)
【0226】
実施例1025および実施例1026:(S)-1-(4-((3-(2-(4-カルボキシシクロヘキシル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化64】
封管に、(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸(40mg、0.063mmol)、THF(3mL)、水(1mL)、4-(5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)シクロヘキサンカルボン酸(17.10mg、0.053mmol)、リン酸三カリウム(28.0mg、0.132mmol)および第二世代XPhosプレ触媒(4.15mg、5.27μmol)を加えた。混合物を窒素で脱気/フラッシュし、容器を密封し、次いで一夜、80℃で加熱した。粗製物を次の条件を使用する分取LC/MSで精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、20mL/分の流速で、20分間をかける15~55%Bの勾配および5分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。
【0227】
実施例1025(異性体-1、最初に溶出する異性体):生成物の収量は11.1mg(28%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は100%であった。
最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。
注入1条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。注入2条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=1.474分;ESI-MS(+) m/z = 749.2 (M + H)
分析条件2:保持時間=1.839分;ESI-MS(+) m/z = 749.2 (M + H)
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.98 (dd, J = 3.2, 2.0 Hz, 2H), 8.41 (m, 1H), 7.71 (m, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.50 (m, 1H), 7.44 (m, 1H), 7.36 - 7.22 (m, 3H), 7.10 (m, 1H), 5.34 (s, 2H), 5.27 (s, 2H), 3.85 - 3.76 (m, 1H), 3.68 - 3.59 (m, 1H), 3.18 - 3.11 (m, 1H), 3.08 - 2.98 (m, 1H), 2.96 - 2.88 (m, 1H), 2.36 - 2.26 (m, 2H), 2.26 - 2.18 (m, 5H), 2.10 - 2.02 (m, 2H), 1.86 - 1.60 (m, 4H), 1.59 - 1.45 (m, 5H), 1.43 - 1.32 (m, 1H)
【0228】
実施例1026(異性体-2、2番目に溶出する異性体):生成物の収量は6.3mg(16%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は99%であった。最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。注入1条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bおよび勾配と0.75分間100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。注入2条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。分析条件1:保持時間=1.596分;ESI-MS(+) m/z = 749.2 (M + H);分析条件2:保持時間=1.906分;ESI-MS(+) m/z = 749.2 (M + H); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.97 (dd, J = 3.2, 2.0 Hz, 2H), 8.40 (m, 1H), 7.72 - 7.68 (m, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.52 - 7.48 (m, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.33 - 7.21 (m, 3H), 7.08 (s, 1H), 5.33 (s, 2H), 5.26 (s, 2H), 3.87 - 3.79 (m, 1H), 3.70 - 3.62 (m, 1H), 3.22 (m, 1H), 3.17 - 3.10 (m, 1H), 2.97 - 2.87 (m, 1H), 2.36 - 2.27 (m, 1H), 2.24 (s, 3H), 2.12 - 2.01 (m, 2H), 1.99 - 1.69 (m, 9H), 1.57 - 1.46 (m, 3H), 1.42 - 1.30 (m, 1H)
【0229】
次のスキームは、実施例1027~実施例1031の合成を説明する。
【化65】
【0230】
中間体:tert-ブチル5-(7-ブロモキノキサリン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート
【化66】
XPhos第二世代プレ触媒(40.5mg、0.051mmol)を、7-ブロモ-2-クロロキノキサリン(250mg、1.027mmol)、tert-ブチル3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(317mg、1.027mmol)およびリン酸カリウム(545mg、2.57mmol)のTHF(5mL)および水(1mL)のアルゴン脱気溶液を含む、ねじ口壁厚チューブに加えた。チューブを密封し、混合物をrtで16時間撹拌し、その後酢酸エチルおよび水で希釈した。水層を分離し、有機層を酢酸エチルでさらに2回抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、淡褐色残留物を得た。残留物を少量のジクロロメタンに溶解し、RediSepRf順相シリカゲルTeledyne ISCO 40g使い捨てカラムに載せ、それを最初にヘキサンで120mL、続いて0~50%Bで1400mL(ここで、溶媒B=酢酸エチルおよび溶媒A=ヘキサン)で溶出した。溶離剤濃縮後、所望の生成物、tert-ブチル3-(7-ブロモキノキサリン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(56.0mg、14%収率)が淡黄色固体として単離された。LCMS:t
R(保持時間)=1.51分;C
18H
21BrN
3O
2のLCMS(ESI)m/z計算値:390.08、実測値:389.95および391.95[M+H]
+。LCMS条件:注入量=3μL;勾配=2~98%B;勾配時間=1.5分;流速=0.8ml/分;波長=220nm;移動相A=0:100アセトニトリル:0.05%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B=100:0アセトニトリル:0.05%トリフルオロ酢酸含有水;カラム=Waters Aquity BEH C18、2.1×50mm、1.7U(=μm);オーブン温度=40℃。
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ 9.10 (s, 1H), 8.25 (br. s., 1H), 7.94 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.80 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 7.04 (br. s., 1H), 4.59 (br. s., 2H), 3.66 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 2.50 (br. s., 2H), 1.55 (s, 9H)
【0231】
中間体:7-ブロモ-2-(1,2,5,6-テトラヒドロピリジン-3-イル)キノキサリン
【化67】
トリフルオロ酢酸(0.4mL、5.19mmol)を、tert-ブチル3-(7-ブロモキノキサリン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(50mg、0.128mmol)の乾燥DCM(2mL)溶液に、rtで加えた。混合物をrtで2時間撹拌し、その後それを蒸発乾固した。残留物を1.0g SCXカートリッジ(MeOH:2N NH
3:MeOH)を使用して遊離塩基化して、7-ブロモ-2-(1,2,5,6-テトラヒドロピリジン-3-イル)キノキサリンをキャメル色油状物として得て、それを‘そのまま’使用して、直接次に進めた。LCMS:t
R=0.77分;C
13H
13BrN
3のLCMS(ESI)m/z計算値:290.03、実測値:289.85および291.85[M+H]
+。LCMS条件:注入量=3μL;勾配=2~98%B;勾配時間=1.5分;流速=0.8ml/分;波長=220nm;移動相A=0:100アセトニトリル:0.05%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B=100:0アセトニトリル:0.05%トリフルオロ酢酸含有水;カラム=Waters Aquity BEH C18、2.1×50mm、1.7U;オーブン温度=40℃。
【0232】
実施例1027:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(3-(1,2,5,6-テトラ-ヒドロピリジン-3-イル)キノキサリン-6-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化68】

XPhos第二世代プレ触媒(10.09mg、0.013mmol)を、7-ブロモ-2-(1,2,5,6-テトラヒドロピリジン-3-イル)キノキサリン(37.2mg、0.128mmol)、(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)-ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸および(S)-1-(4-((3-ボロノ-2-メチルベンジル)オキシ)-5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸の混合物(1:4)(70.5mg、0.128mmol、ボロン酸に基づく、上記と同様の方法で調製)およびリン酸カリウム(68.0mg、0.321mmol)のTHF(1mL)および水(0.5mL)のアルゴン脱気溶液を含む1ドラムバイアルに加えた。バイアルを密封し、混合物を80℃で16時間撹拌した。rtに冷却後、有機層を分離し、ほぼ乾固するまで濃縮し、得られた残留物をMeOH(1mL)およびDMF(1mL)に溶解し、次の条件の分取LCMSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5U;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:19分間をかけて14~54%B、次いで100%Bで4分間維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物の収量は25.4mg(27%)であり、LCMS分析によるその推定純度は97%であった。分析的LCMSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、1.7U;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0~100%B、次いで100%Bに0.75分間維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:98.3%;質量実測値:714.97;保持時間:1.44分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、1.7U;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかけて0~100%B、次いで100%Bに0.75分間維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:96.7%;質量実測値:714.98;保持時間:1.46分。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 9.34 (s, 1H), 9.02 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 9.01 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.12 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.76 (dd, J = 8.4, 1.8 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 6.2, 2.6 Hz, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.40 - 7.34 (m, 2H), 7.24 (br s, 1H), 7.12 (s, 1H), 5.34 (s, 2H), 5.31 (s, 2H), 3.87 (br s, 2H), 3.81 (br d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.61 (br d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.13 - 3.07 (m, 1H), 2.98 - 2.83 (2m, 3H), 2.37 (br s, 2H), 2.30 (s, 3H), 2.29 - 2.24 (m, 1H), 1.83 - 1.78 (m, 1H), 1.75 - 1.68 (m, 1H), 1.55 - 1.45 (m, 3H), 1.41 - 1.30 (m, 1H)
【0233】
中間体:tert-ブチル3-(7-ブロモキノキサリン-2-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-2-エン-8-カルボキシレート
【化69】
XPhos第二世代プレ触媒(11.76mg、0.015mmol)を、7-ブロモ-2-クロロキノキサリン(72.6mg、0.298mmol)、tert-ブチル3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-2-エン-8-カルボキシレート(100mg、0.298mmol)およびリン酸カリウム(158mg、0.746mmol)のTHF(2mL)および水(1.0mL)のアルゴン脱気溶液を含む壁の厚い、ねじ口チューブに加えた。チューブを密封し、混合物をrtで16時間撹拌し、その後酢酸エチルおよび水で希釈した。水層を分離し、水層を酢酸エチルでさらに2回抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、褐色残留物を得た。この残留物の3/4を少量のジクロロメタンに溶解し、RediSepRf順相シリカゲルTeledyne ISCO 24g使い捨てカラムに載せ、これを最初にヘキサンで80mL、続いて0~50%Bで280mL(ここで、溶媒B=酢酸エチルおよび溶媒A=ヘキサン)で溶出した。溶離剤濃縮後、所望の生成物、tert-ブチル3-(7-ブロモキノキサリン-2-イル)-8-アザビシクロ-[3.2.1]オクト-2-エン-8-カルボキシレート(21.2mg、17%収率)が淡黄色薄膜として単離されたた。粗製物の残りの1/4を、特徴付け目的で次の条件の分取LCMS精製に付した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5U;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:22分間をかけて50~100%B、次いで100%Bに5分間維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物の収量は6.2mg(5%)であり、LCMS分析によるその推定純度は100%であった。分析的LCMSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、1.7U;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:100.0%;質量実測値:416.06;保持時間:2.5分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、1.7U;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかけて0~100%B、次いで100%Bに0.75分間維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:100.0%;質量実測値:416.07;保持時間:2.51分。
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 9.32 (s, 1H), 8.24 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.04 - 7.99 (m, 1H), 7.93 (dd, J = 8.8, 1.8 Hz, 1H), 7.49 (br. s., 1H), 4.54 (br. s., 1H), 4.49 - 4.37 (m, 1H), 3.13 - 2.98 (m, 1H), 2.65 - 2.54 (m, 1H), 2.28 - 2.09 (m, 1H), 1.98 (br. s., 2H), 1.77 - 1.64 (m, 1H), 1.39 (s, 9H)
【0234】
2mmol規模での製造および順相シリカゲルTeledyne ISCOカラムを使用する精製を同様の方法で実施した:LCMS:tR=1.55分;C20H23BrN3O2のLCMS(ESI)m/z計算値:416.10、実測値:415.95および417.95[M+H]+。LCMS条件:注入量=3μL;勾配=2~98%B;勾配時間=1.5分;流速=0.8ml/分;波長=220nm;移動相A=0:100アセトニトリル:0.05%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B=100:0アセトニトリル:0.05%トリフルオロ酢酸含有水;カラム=Waters Aquity BEH C18、2.1×50mm、1.7U;オーブン温度=40℃。
【0235】
実施例1028:(2S)-1-(4-((3-(3-(8-(tert-ブトキシカルボニル)ビシクロ[3.2.1]オクト-2-エン-3-イル)キノキサリン-6-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化70】
実施例1028の化合物を、実施例1027に同様の方法で製造した。粗製物を次の条件の分取LCMSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5U;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:25分間をかける20~85%B、次いで100%Bに5分間維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物の収量は2.5mg(3.2%)であり、LCMS分析によるその推定純度は97%であった。分析的LCMSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、1.7U;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0~100%B、次いで100%Bに0.75分間維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:100.0%;質量実測値:841.05;保持時間:2.21分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、1.7U;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0~100%B、次いで100%Bに0.75分間維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:96.6%;質量実測値:841.06;保持時間:2.26分.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 9.32 (s, 1H), 9.04 - 9.03 (m, 1H), 9.02 - 9.00 (m, 1H), 8.48 (s, 1H), 8.13 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.77 (dd, J = 8.4, 1.8 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 5.9, 2.9 Hz, 1H), 7.48 (br s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.39 - 7.36 (m, 2H), 5.36 (br s, 2H), 5.32 (s, 2H), 4.55 (br s, 1H), 4.50 - 4.38 (m, 1H), 3.80 (br d, J = 13.9 Hz, 1H), 3.63 (br d, J = 13.2 Hz, 1H), 3.19 - 3.02 (2m, 2H), 2.95 - 2.83 (m, 1H), 2.74 - 2.59 (m, 1H), 2.31 (s, 3H), 2.31 - 2.26 (m, 1H), 2.26 - 2.08 (m, 1H), 2.03 - 1.96 (m, 2H), 1.86 - 1.77 (m, 1H), 1.76 - 1.65 (m, 2H), 1.49 (br s, 3H), 1.42 - 1.34 (m, 2H), 1.39 (s, 9H)
【0236】
中間体:2-(8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-2-エン-3-イル)-7-ブロモキノキサリン
【化71】
トリフルオロ酢酸(200μL、2.60mmol)を、tert-ブチル3-(7-ブロモキノキサリン-2-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-2-エン-8-カルボキシレート(50mg、0.12mmol)の乾燥ジクロロメタン(1mL)溶液に、rtで一度に加えた。混合物をrtで1.5時間撹拌し、その後窒素流下に濃縮し、高真空に16時間静置した。得られた残留物を1g Varian Mega Bond Elut Flash SCXカートリッジ(MeOH、次いで2M NH
3のMeOH溶液;各3カラム体積)を使用して遊離塩基化した。その後、所望の生成物、2-(8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-2-エン-3-イル)-7-ブロモキノキサリン(35.7mg、94%収率)が淡褐色ガラス状物として単離され、それを直接次に利用した。LCMS:t
R=1.06分;C
15H
15BrN
3のLCMS(ESI)m/z計算値:316.05、実測値:316.15および318.15[M+H]
+。LCMS条件:注入量=1μL;勾配=0~100%B;勾配時間=2分;流速=1ml/分;波長=220nm;移動相A=10:90アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相B=90:10アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;カラム=Waters Aquity BEH C18、2.1×50mm、1.7U;オーブン温度=40℃。
【0237】
実施例1029:(2S)-1-(4-((3-(3-(8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-2-エン-3-イル)キノキサリン-6-イル)-2-メチルベンジル)-オキシ)-5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化72】
実施例1029の化合物を、実施例1027と様の方法で製造した。粗製物を次の条件の分取LCMSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5U;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:22分間をかけて12~52%B、次いで100%Bで4分間維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物の収量は20.8mg(25%)であり、LCMS分析によるその推定純度は97%であった。分析的LCMSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、1.7U;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0~100%B、次いで100%Bに0.75分間維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:97.3%;質量実測値:741.02;保持時間:1.43分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、1.7U;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかけて0~100%B、次いで100%Bに0.75分間維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:97.3%;質量実測値:741.05;保持時間:1.41分。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 9.28 (s, 1H), 9.02 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 9.01 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.11 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.75 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H), 7.58 (dd, J = 6.2, 1.8 Hz, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.41 (br d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.39 - 7.35 (m, 2H), 7.12 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 5.34 (br s, 2H), 5.31 (s, 2H), 3.94 - 3.90 (m, 1H), 3.89 - 3.85 (m, 1H), 3.80 (br d, J = 14.3 Hz, 1H), 3.61 (br d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.13 - 3.05 (m, 1H), 2.99 - 2.96 (m, 1H), 2.95 -2.92 (m, 1H), 2.92 - 2.86 (m, 1H), 2.30 (s, 3H), 2.33 - 2.22 (m, 1H), 2.06 - 1.95 (m, 2H), 1.90 - 1.85 (m, 1H), 1.82 - 1.75 (m, 1H), 1.75 - 1.66 (m, 1H), 1.65 - 1.56 (m, 1H), 1.55 - 1.43 (m, 3H), 1.41 - 1.29 (m, 1H)
【0238】
実施例1030:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(3-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)キノキサリン-6-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化73】
実施例1030の化合物を、実施例1027と同様の方法で製造した。粗製物を次の条件を使用する分取LC/MSで精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、20mL/分の流速で、20分間をかける15~55%Bの勾配と5分間維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物の収量は7.3mg(9%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は94%であった。最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を使用した。注入1条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配と0.75分間100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。注入2条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配と0.75分間100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。分析条件1:保持時間=1.328分;ESI-MS(+) m/z = 715.0 (M + H)。分析条件2:保持時間=1.298分;ESI-MS(+) m/z = 715.0 (M + H)。
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 9.36 (s, 1H), 9.06 - 8.95 (m, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.16 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.79 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.58 - 7.50 (m, 2H), 7.41 - 7.33 (m, 2H), 7.28 (s, 1H), 7.17 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 7.09 (m, 2H), 5.38 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 5.34 (s, 2H), 4.25 (m, 1H), 3.92 (m, 1H), 3.40 (m, 2H), 3.33 (m, 1H), 3.26 (m, 2H), 2.94 (m, 2H), 2.89 - 2.81 (m, 1H), 2.32 - 2.24 (m, 4H), 2.08 (m, 1H), 1.65 (m, 4H), 1.47 (m, 1H)
【0239】
実施例1031:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(3-(4-メチルピペラジン-1-イル)キノキサリン-6-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化74】
実施例1031の化合物を、7-ブロモ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)キノキサリンから実施例1027と同様の方法で製造した。粗製物を次の条件を使用する分取LC/MSで精製した:Waters XBridge 5μm C18、19×200mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%TFA含有水および移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%TFA含有水であり、20mL/分の流速で、20分間をかける15~55%Bの勾配および5分間の維持を用いた。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物の収量は6.1mg(6%収率)であり、LCMS分析によるその推定純度は93%であった。最終純度を決定するために、2回の分析的LC/MS注入を実施した。注入1条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。注入2条件:Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm C18、2.1×50mmであり、ここで、移動相Aは5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相Bは95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり、50℃の温度で、1.0mL/分の流速で3分間をかける0~100%Bの勾配および0.75分間の100%Bの維持を用い、220nmのUV波長を使用した。
分析条件1:保持時間=1.387分;ESI-MS(+) m/z = 732.1 (M + H)
分析条件2:保持時間=1.434分;ESI-MS(+) m/z = 732.1 (M + H)
【0240】
1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 9.02 (m, 2H), 8.93 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 7.96 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.58 - 7.52 (m, 3H), 7.43 (m, 1H), 7.33 (m, 2H), 7.27 (br. s., 1H), 7.21 (s, 1H), 7.16 (br. s., 1H), 7.06 (br.s., 1H), 5.39 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 5.35 (s, 2H), 4.82 - 4.61 (m, 1H), 4.28 (m, 3H), 4.04 - 3.86 (m, 2H), 3.34 - 3.24 (m, 5H), 2.86 (m, 5H), 2.28 (s, 3H), 2.18 - 2.05 (m, 2H), 1.67 (m, 3H), 1.49 (m, 1H)
【0241】
実施例2001~2018の化合物を、実施例2001に例示するおよび上記と同様の方法で製造した。
【0242】
実施例2001:5-((4-クロロ-2-(((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)(メチル)アミノ)メチル)-5-((2-メチル-3-(2-((1S,4S)-5-メチル-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル
【化75】
工程1:(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタンジヒドロブロマイド(300mg、1.154mmol)、5-ブロモ-2-クロロベンゾ[d]オキサゾール(179mg、0.769mmol)のDMF(4mL)の混合物に、ヒューニッヒ塩基(0.403mL、2.308mmol)を加えた。反応溶液を2時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた後濃縮した。残留物を10~30%MeOHのDCM溶液で溶出するシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、60mgの2-((1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)-5-ブロモベンゾ[d]オキサゾールを固体として得た。LC/MS (ESI) m/z 295.8 (M+1)
+
【0243】
工程2:5-((4-クロロ-2-ホルミル-5-((2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル(0.088g、0.17mmol)、2-((1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)-5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール(0.050g、0.170mmol)および0.5M K3PO4(1.020mL、0.510mmol)のTHF(6mL)および1,4-ジオキサン(1.200mL)の混合物を、15分間N2気流を吹き込みながら撹拌し、次いで第二世代XPhosプレ触媒(6.69mg、8.50μmol)で処理した。混合物に10分間N2気流を吹き込み、次いでN2気流下で16時間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、水、塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。粗製物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで精製して、80mgの所望の生成物5-((5-((3-(2-((1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-4-クロロ-2-ホルミルフェノキシ)メチル)ニコチノニトリルを固体として得た。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:100%;質量実測値:606.1;保持時間:1.86分。
【0244】
工程3:5-((5-((3-(2-((1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-4-クロロ-2-ホルミルフェノキシ)メチル)ニコチノニトリル(18.18mg、0.03mmol)、2-アミノプロパン-1,3-ジオール(10.93mg、0.120mmol)および酢酸(0.012mL、0.210mmol)のDCE(2mL)およびEtOH(2mL)およびナトリウムシアノボロハイドライド(THF中1M)(0.120mL、0.120mmol)の混合物を、16時間、rtで撹拌した。反応混合物に、0.02mLの37%ホルムアルデヒド水溶液を加え、次いで16時間撹拌した。溶媒除去後、粗製物を次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:20分間をかけて20~60%B、次いで100%Bに5分間維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。生成物の収量は7.0mgであり、LCMS分析によるその推定純度は89%であった。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:89.1%;質量実測値:709.09;保持時間:1.64分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかけて0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:90.3%;質量実測値:709.12;保持時間:1.32分。
【0245】
実施例2002:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-((1S,4S)-5-メチル-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化76】
粗製物を次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:20分間をかける15~55%B、次いで100%Bに5分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:100.0%;質量実測値:733.05;保持時間:1.51分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:97.0%;質量実測値:733.1;保持時間:1.38分。
【0246】
実施例2003:5-((5-((3-(2-((1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-4-クロロ-2-(((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)アミノ)メチル)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル
【化77】
粗製物を次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:20分間をかける15~55%B、次いで100%Bに5分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:99.2%;質量実測値:681;保持時間:1.3分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:100.0%;質量実測値:681.06;保持時間:1.43分。
【0247】
実施例2004:5-((4-クロロ-2-(((1,3-ジヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)(メチル)アミノ)メチル)-5-((2-メチル-3-(2-((1S,4S)-5-メチル-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル
【化78】
粗製物を次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:20分間をかける20~60%B、次いで100%Bに5分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:95.0%;質量実測値:723.08;保持時間:1.63分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:94.6%;質量実測値:723.12;保持時間:1.35分。
【0248】
実施例2005:(S)-1-(4-((3-(2-((1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化79】
粗製物を次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:20分間をかける10~50%B、次いで100%Bに5分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:96.6%;質量実測値:719.02;保持時間:1.38分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:100.0%;質量実測値:719;保持時間:1.39分。
【0249】
実施例2006:5-((5-((3-(2-((1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-メチルベンジル)オキシ)-4-クロロ-2-(((1,3-ジヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)メチル)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル
【化80】

粗製物を次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:20分間をかける15~55%B、次いで100%Bに5分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。物質をさらに次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;勾配:20分間をかける10~50%B、次いで100%Bに5分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。物質をさらに次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 メタノール: 10mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B95:5 メタノール: 10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:20分間をかける45~85%B、次いで100%Bに5分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:100.0%;質量実測値:695.1;保持時間:1.33分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:100.0%;質量実測値:695.05;保持時間:1.43分。
【0250】
実施例2007:(S)-1-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)ピペリジン-2-カルボン酸
【化81】
粗製物を次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:23分間をかける22~62%B、次いで100%Bに4分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:100.0%;質量実測値:721.04;保持時間:1.9分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:100.0%;質量実測値:721.02;保持時間:1.47分。
【0251】
実施例2008:5-((4-クロロ-2-(((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)アミノ)メチル)-5-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル
【化82】
粗製物を次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:25分間をかけるて26~66%B、次いで100%Bに5分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:98.9%;質量実測値:683.01;保持時間:1.95分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:99.2%;質量実測値:682.99;保持時間:1.4分。
【0252】
実施例2009:5-((4-クロロ-2-(((1,3-ジヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)メチル)-5-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル
【化83】
粗製物を次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;勾配:25分間をかける10~50%B、次いで100%Bに4分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:98.2%;質量実測値:697.03;保持時間:1.95分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:97.8%;質量実測値:697.02;保持時間:1.44分。
【0253】
実施例2010:(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)-L-セリン
【化84】
粗製物を次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:22分間をかける15~55%B、次いで100%Bに4分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:93.0%;質量実測値:696.93;保持時間:1.8分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:93.6%;質量実測値:696.98;保持時間:1.41分。
【0254】
実施例2011:(S)-2-((5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)アミノ)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸
【化85】
粗製物を次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:20分間をかける20~60%B、次いで100%Bに4分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:98.6%;質量実測値:710.97;保持時間:1.84分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:98.8%;質量実測値:710.98;保持時間:1.44分。
【0255】
実施例2012:(S)-2-((5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)アミノ)ペンタン酸
【化86】
粗製物を次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:22分間をかける22~62%B、次いで100%Bに4分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:100.0%;質量実測値:709.05;保持時間:1.91分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:100.0%;質量実測値:709.01;保持時間:1.53分。
【0256】
実施例2013:(S)-2-((5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)アミノ)-3-メチルブタン酸
【化87】
粗製物を次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:22分間をかける22~62%B、次いで100%Bに4分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:100.0%;質量実測値:709.01;保持時間:1.9分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:100.0%;質量実測値:709;保持時間:1.5分。
【0257】
実施例2014:5-((4-クロロ-2-(((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)(メチル)アミノ)メチル)-5-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル
【化88】
粗製物を次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:20分間をかける35~75%B、次いで100%Bに4分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。
【0258】
注入1結果:純度:100.0%;質量実測値:697.01;保持時間:2.11分。
注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:97.7%;質量実測値:696.98;保持時間:1.46分。
【0259】
実施例2015:5-((4-クロロ-2-(((1,3-ジヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)(メチル)アミノ)メチル)-5-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)ニコチノニトリル
【化89】
粗製物を次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:19分間をかける35~75%B、次いで100%Bに4分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:99.2%;質量実測値:711.03;保持時間:2.04分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:99.4%;質量実測値:711.03;保持時間:1.49分。
【0260】
実施例2016:N-(5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)-N-メチル-L-セリン
【化90】
粗製物を次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:22分間をかける20~60%B、次いで100%Bに4分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:96.4%;質量実測値:711.02;保持時間:1.88分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:96.1%;質量実測値:710.97;保持時間:1.45分。
【0261】
実施例2017:(S)-2-((5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)(メチル)アミノ)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸
【化91】
粗製物を次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:20分間をかける22~62%B、次いで100%Bに4分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:100.0%;質量実測値:725.21;保持時間:1.43分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:100.0%;質量実測値:725.22;保持時間:1.57分。
【0262】
実施例2018:(S)-2-((5-クロロ-2-((5-シアノピリジン-3-イル)メトキシ)-4-((2-メチル-3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ベンジル)オキシ)ベンジル)(メチル)アミノ)ペンタン酸
【化92】
粗製物を次の条件の分取LC/MSで精製した:カラム:XBridge C18、19×200mm、5μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;勾配:20分間をかける25~65%B、次いで100%Bに5分間の維持;流速:20mL/分。所望の生成物を含むフラクションを合わせ、遠心蒸発により乾燥させた。分析的LC/MSを使用して、最終純度を決定した。注入1条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水であり;移動相B95:5アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入1結果:純度:94.7%;質量実測値:723.25;保持時間:1.68分。注入2条件:カラム:Waters XBridge C18、2.1mm×50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;移動相B95:5アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水;温度:50℃;勾配:3分間をかける0%B~100%B、次いで100%Bに0.75分間の維持;流速:1mL/分;検出:MSおよびUV(220nm)。注入2結果:純度:96.4%;質量実測値:723.23;保持時間:1.52分。
【0263】
生物学的アッセイ
式(I)の化合物がPD-L1に結合する能力を、PD-1/PD-L1ホモジナス時間分解蛍光(HTRF)結合アッセイ(Homogenous Time-Resolved Fluorescence Binding Assay)を使用して調べた。
【0264】
ホモジナス時間分解蛍光(HTRF)結合アッセイ。
PD-1とPD-L1の相互作用を、これら2タンパク質の細胞外ドメインの可溶性、精製調製物を使用して評価できる。PD-1およびPD-L1タンパク質細胞外ドメインを、検出タグと共に融合タンパク質として発現させ、PD-1に関しては、タグは免疫グロブリンのFc部分(PD-1-Ig)であり、PD-L1に関しては、タグは6ヒスチジンモチーフ(PD-L1-His)であった。全ての結合試験を、0.1%ウシ血清アルブミンおよび0.05%(v/v)Tween-20添加dPBSからなるHTRFアッセイ緩衝液であった。h/PD-L1-His結合アッセイについて、阻害剤を、PD-L1-His(10nM最終)と、15分間、4μlのアッセイ緩衝液とプレインキュベートし、続いて1μlのアッセイ緩衝液中のPD-1-Ig(20nM最終)を加え、さらに15分間インキュベーションした。HTRF検出を、ユーロピウム・クリプテート標識抗Ig(1nM最終)およびアロフィコシアニン(APC)標識抗His(20nM最終)を使用して達成した。抗体をHTRF検出緩衝液で希釈し、5μlを結合反応液の上部に分配した。反応混合物を30分間平衡化し、得られたシグナル(665nm/620nm比)をEnVision蛍光光度計で得た。さらなる結合アッセイを、ヒトタンパク質PD-1-Ig/PD-L2-His(各20nMおよび5nM)およびCD80-His/PD-L1-Ig(各100nMおよび10nM)間で確立させた。
【0265】
組み換えタンパク質:免疫グロブリンG(Ig)エピトープタグのC末端ヒトFcドメインを伴うヒトPD-1(25-167)[hPD-1(25-167)-3S-IG]およびC末端Hisエピトープタグを伴うヒトPD-L1(18-239)[hPD-L1(18-239)-TVMV-His]をHEK293T細胞で発現させ、プロテインA親和性クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーにより連続して精製した。ヒトPD-L2-HisおよびCD80-Hisは、商業的供給源から得た。
【0266】
組み換えヒトPD-1-Igの配列
【表1】
(配列番号1)
【0267】
組み換えヒトPD-L1-Hisの配列
【表2】
(配列番号2)
【0268】
下記表は、PD-1/PD-L1ホモジナス時間分解蛍光(HTRF)結合アッセイで測定した本明細の代表実施例についてのIC
50値を記載する。範囲は次のとおりである:A=0.18nM~0.99nM;B=1.0nM~5.0nM;C=5.01nM~10.1nM;D=10.2nM~200nM;E=201nM→10μM
【表3】
【0269】
式(I)の化合物は、PD-1/PD-L1相互作用の阻害剤としての活性を有し、それ故に、PD-1/PD-L1相互作用と関連する疾患または障害の処置に使用し得る。PD-1/PD-L1相互作用の阻害により、本発明の化合物は、HIV、敗血症性ショック、A型、B型、C型またはD型肝炎などの感染症および癌の処置に用いられ得る。
【配列表】