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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】シールリング及び調理器具
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/08 20060101AFI20220719BHJP
   A47J 27/00 20060101ALI20220719BHJP
   F16J 12/00 20060101ALI20220719BHJP
   F16J 15/10 20060101ALI20220719BHJP
【FI】
A47J27/08 B
A47J27/00 101Z
F16J12/00 D
F16J15/10 T
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019556172
(86)(22)【出願日】2017-05-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-11
(86)【国際出願番号】 CN2017084612
(87)【国際公開番号】W WO2018188148
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2019-10-15
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-03
(31)【優先権主張番号】201720393011.X
(32)【優先日】2017-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201720396432.8
(32)【優先日】2017-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201720402801.X
(32)【優先日】2017-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515117198
【氏名又は名称】佛山市▲順▼▲徳▼区美的▲電▼▲熱▼▲電▼器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOSHAN SHUNDE MIDEA ELECTRICAL HEATING APPLIANCES MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】San Le Road #19,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】黄韋銘
(72)【発明者】
【氏名】劉化勇
(72)【発明者】
【氏名】梁志佳
(72)【発明者】
【氏名】馬利
(72)【発明者】
【氏名】羅飛龍
(72)【発明者】
【氏名】羊小亮
(72)【発明者】
【氏名】楊云
(72)【発明者】
【氏名】瞿月紅
【合議体】
【審判長】林 茂樹
【審判官】マキロイ 寛済
【審判官】西村 泰英
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第201346141号明細書(CN,Y)
【文献】中国実用新案第206017718号明細書(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
A47J 27/08
F16J 12/00
F16J 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内鍋を有する鍋体と、前記鍋体に覆設された蓋体とを含む調理器具に用いられるシールリングであって、
順に接続された接続部、支持部、圧縮部及びシール部を含み、
前記接続部が前記蓋体に接続され、前記支持部が外から内への方向に沿って上方へ傾斜し、前記圧縮部の全体が外から内への方向に沿って徐々に下方へ傾斜し、前記支持部と前記圧縮部との接続箇所には内向きに開口するキャビティが形成され、
閉蓋時に、前記シール部は前記キャビティの開口端に近づく方向へ移動し、且つ、閉蓋状態では、前記シール部は前記キャビティの開口端を密封することにより、前記キャビティを密封キャビティに形成し、前記圧縮部の全体が前記内鍋に密着する、ことを特徴とするシールリング。
【請求項2】
開蓋状態から閉蓋状態まで、前記シールリングの圧縮量は2mm~10mmであることを特徴とする請求項1に記載のシールリング。
【請求項3】
閉蓋状態では、前記シール部の少なくとも一部は前記内鍋に密着することを特徴とする請求項1に記載のシールリング。
【請求項4】
前記接続部、又は前記接続部と前記支持部との接続箇所は、前記蓋体の軸線に近づく方向へ延びて延伸部を形成し、前記延伸部が前記蓋体の下面に密着し、
閉蓋状態では、前記シール部は前記延伸部に当接することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のシールリング。
【請求項5】
前記シール部と前記延伸部との当接箇所から、前記延伸部の自由端までの距離は0mm~3mmであることを特徴とする請求項4に記載のシールリング。
【請求項6】
閉蓋状態では、前記シール部は前記支持部に当接し、又は、閉蓋状態では、前記シール部は、前記接続部と前記支持部との接続箇所に当接し、又は、閉蓋状態では、前記シール部は前記蓋体に当接することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のシールリング。
【請求項7】
前記支持部の厚さは、前記圧縮部の厚さより大きいことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のシールリング。
【請求項8】
前記支持部の厚さと前記圧縮部の厚さの差は0.1mm~0.3mmであることを特徴とする請求項7に記載のシールリング。
【請求項9】
開蓋状態では、前記支持部と水平面との夾角は、前記圧縮部と水平面との夾角より大きいことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のシールリング。
【請求項10】
開蓋状態では、前記支持部と水平面との夾角は42°~60°であり、及び/又は、開蓋状態では、前記圧縮部と水平面との夾角は30°~48°であり、及び/又は、開蓋状態では、前記支持部と水平面との夾角と、前記圧縮部と水平面との夾角の差は5°以上であることを特徴とする請求項9に記載のシールリング。
【請求項11】
前記シール部は水平に設けられ、又は、前記シール部は前記キャビティの開口端に近づく方向へ傾斜することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のシールリング。
【請求項12】
前記接続部と前記支持部との間に位置し、前記蓋体の下面に密着する密着部を更に含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のシールリング。
【請求項13】
前記シールリングにはリブが設けられ、閉蓋状態では、前記リブが前記密封キャビティの内壁面に当接するか、又は前記リブが前記シール部と前記キャビティとの当接箇所に位置し、且つ前記リブが圧縮され、
閉蓋状態で、前記シール部が前記蓋体に当接する場合、前記リブは前記シール部に位置し、又は、
閉蓋状態で、前記シール部が前記支持部に当接する場合、前記リブは、前記シール部に設けられた第1のリブ、及び/又は、前記支持部における前記シール部との当接箇所に設けられた第2のリブを含み、又は、
閉蓋状態で、前記シール部が、前記接続部と前記支持部との接続箇所に当接する場合、前記リブは、前記シール部に設けられた第1のリブ、及び/又は、前記支持部と前記接続部との接続箇所に設けられた第2のリブを含み、又は、
前記接続部、又は前記接続部と前記支持部との接続箇所は、前記蓋体の軸線に近づく方向へ延びて延伸部を形成し、前記延伸部が前記蓋体の下面に密着し、閉蓋状態で、前記シール部が前記延伸部に当接する場合、前記リブは、前記シール部に設けられた第1のリブ、及び/又は、前記延伸部に設けられた第2のリブを含むことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載のシールリング。
【請求項14】
内鍋を有する鍋体と、
前記鍋体に覆設された蓋体と、
請求項1~13のいずれか一項に記載のシールリングとを含み、
前記シールリングの接続部が前記蓋体に接続されることを特徴とする調理器具。
【請求項15】
前記シール部の前記接続部から離れた一端は、上方へ凸出して凸起を形成し、前記凸起が前記シール部の強度を補強するために用いられ、
閉蓋状態では、前記シール部は前記内鍋の上面に密着し、且つ前記内鍋の内壁面から凸出せず、前記凸起が前記キャビティを閉じることにより、前記キャビティを密封キャビティに形成することを特徴とする請求項14に記載の調理器具。
【請求項16】
0.5T≦H≦2Tであり、Hは前記凸起の高さであり、Tは前記シール部の厚さであることを特徴とする請求項15に記載の調理器具。
【請求項17】
前記凸起は前記シール部に対して垂直であることを特徴とする請求項15に記載の調理器具。
【請求項18】
閉蓋状態では、前記シール部が水平方向に沿って設けられ、又は、閉蓋状態では、前記シール部が外から内への方向に沿って上方へ傾斜して第1の傾斜面を形成し、前記内鍋の上面において、前記第1の傾斜面に対応する箇所には、前記第1の傾斜面に適合する第2の傾斜面が形成されることを特徴とする請求項15~17のいずれか一項に記載の調理器具。
【請求項19】
前記内鍋は、鍋本体と、前記鍋本体が外周に延びて形成された鍋縁とを含み、閉蓋状態では、前記シール部は前記鍋本体と前記鍋縁との接続箇所の外縁から凸出しないことを特徴とする請求項15~17のいずれか一項に記載の調理器具。
【請求項20】
前記鍋本体と前記鍋縁との接続箇所には過渡円弧部が設けられ、閉蓋状態では、前記シール部は前記過渡円弧部の外縁から凸出しないことを特徴とする請求項19に記載の調理器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年4月14日に中国特許庁に提出された、出願番号が201720393011Xであり、発明の名称が「シールリング及び調理器具」である中国実用新案出願と、2017年4月14日に中国特許庁に提出された、出願番号が2017203964328であり、発明の名称が「シールリング及び調理器具」である中国実用新案出願と、2017年4月14日に中国特許庁に提出された、出願番号が201720402801Xであり、発明の名称が「調理器具」である中国実用新案出願との優先権を主張し、その内容のすべてを援用することにより本願に取り入れる。
【0002】
本発明は台所用具の技術分野に関し、特に、シールリング及び当該シールリングを含む調理器具に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の調理器具、例えば炊飯器では、蓋体1’はシールリング3’及び内鍋2’によって密封され、シールリング3’と内鍋2’の嵌合部分は、一般に「V」字型又は「U」字型である。このようなシールリング3’は、蓋体1’が閉じられていない状態での構造が図1に示され、蓋体1’が閉じられている状態での構造が図2に示される。
【0004】
一定時間の調理後又は保温後、鍋内と鍋外の温度には大きな温度差があり、シールリングは保温加熱装置から遠く離れており、弱いため、外部の比較的な低温の空気による影響を受けやすく、シールリングの外側の温度が低くなってしまい、鍋内の水蒸気は、低温のシールリングと接触する際に冷却されて水滴に凝縮する。蓋体を開ける時に、多くの水が炊飯器のハウジングカバー及び蓋体に流れ、ユーザーに不快な体験を与える。このような凝縮水はユーザーを困らせるだけではなく、保温する時にご飯に滴下することもあり、「ドリップホワイト」現象を引き起こし、ご飯を容易に変質させる。
【0005】
上記の課題を解決するために、一部の炊飯器は水受け箱が設けられている。このような手段は、水が炊飯器のハウジングカバーに流れることを回避するが、炊飯器自体は依然として凝縮水を生成する。即ち、この手段は、凝縮水を水受け箱に入れるだけであり、水受け箱のコストを増加させるだけではなく、鍋内の水蒸気が冷却されて水滴に凝縮するという問題を根本的に解決することも、「ドリップホワイト」現象を解決することもできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、先行技術に存在する技術的問題の少なくとも一つを解決することを目的とする。
【0007】
そのため、本発明はシールリングを提供することを一つの目的とする。
【0008】
本発明は、上記のシールリングを含む調理器具を提供することをもう一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様の実施例は、内鍋を有する鍋体と、前記鍋体に覆設された蓋体とを含む調理器具に用いられるシールリングであって、順に接続された接続部、支持部、圧縮部及びシール部を含み、前記接続部が前記蓋体に接続され、前記支持部が外から内への方向に沿って上方へ傾斜し、前記圧縮部の全体が外から内への方向に沿って徐々に下方へ傾斜し、前記支持部と前記圧縮部との接続箇所には内向きに開口するキャビティが形成され、閉蓋時に、前記シール部は前記キャビティの開口端に近づく方向へ移動し、且つ、閉蓋状態では、前記シール部は前記キャビティの開口端を密封し、前記圧縮部の全体が前記内鍋に密着する、シールリングを提供する。
【0010】
本発明の上記実施例で提供するシールリングは、調理器具の内鍋と蓋体との間の密封に用いられる。シールリングは、上から下まで、順に接続された接続部、支持部、圧縮部及びシール部を含み、接続部は蓋体に接続され、支持部は外から内への方向に沿って上方へ傾斜し、好ましくは、支持部は徐々に上方へ傾斜し、圧縮部は外から内への方向に沿って徐々に下方へ傾斜し、これにより、支持部と圧縮部との接続箇所にキャビティが形成され、当該キャビティは内向きに開口するとともに、断面がV字型、U字型又は他の形状であり、圧縮部の下端にはシール部が接続され、閉蓋時に、圧縮部は内鍋と接触して内鍋の開口部と押し合い、圧縮部と内鍋が押し合う過程において、シール部はキャビティの開口端に近づく方向へ移動し、閉蓋状態では、キャビティの開口端を密封し、キャビティを外部と隔絶された密封キャビティに形成する。これにより、炊飯又は保温する時に、一方では、密封キャビティ内の空気が流れないため、密封キャビティは内鍋の高温多湿の環境や外部の低温環境から隔離され、密封キャビティ内に中高温環境が形成され、内鍋外側の低温環境と内鍋内側の高温環境との間の熱伝導を減らし、保温効果を向上させ、内鍋内の高温多湿の環境及び密封キャビティ内の温度差も、従来技術のキャビティが閉じられていない場合より小さくなり、これにより、形成された凝縮水の量及び凝縮水の水滴の大きさを減少し、他方では、密封キャビティを形成した後に、シールリングと内鍋内の高温多湿環境との接触面積を減少し、形成される凝縮水の量を更に減少し、凝縮水がハウジングカバーと蓋板に流れる問題を解決することができる。
【0011】
閉蓋状態では、圧縮部は内鍋の開口部に密着し、関連技術において、圧縮部の下端には水平に設けられた水平部が接続され、水平部にはシール部が更に接続され、閉蓋した後に、水平部は内鍋の開口部に密着し、シール部は圧縮部と支持部により形成されたキャビティを密封する。本願では、開蓋状態から閉蓋状態までのシールリングの圧縮量を増加することにより、圧縮部が内鍋の開口部に密着してシール部に直接的に接続することができ、水平部を設置する必要がなくなり、シールリングの構造を簡単化させ、シールリングのコストが削減される。
【0012】
鍋体と蓋体はヒンジで連結され、又はネジで連結され、又は蓋体が鍋体に設けられて鍋体に接続される。
上記技術的手段において、前記シールリングにはリブが設けられ、閉蓋状態では、前記リブが前記密封キャビティの内壁面に当接するか、又は前記リブが、前記シール部と前記キャビティとの当接箇所に位置し、且つ前記リブが圧縮されることが好ましい。
閉蓋時に、シール部がキャビティに当接されることにより、キャビティの開口端を密封し、キャビティを外部と隔絶された密封キャビティに形成する。開蓋時に、密封キャビティ内の負圧の作用力が、シールリングの開き力より大きいため、密封キャビティが開けられない可能性があり、元の形状に戻すことができなくなり、開蓋時に、シールリングは蓋体の凝縮水を包むことができない。密封キャビティが開けられないことを防止するために、シールリングにはリブが設けられ、且つ開蓋状態から閉蓋状態までの密封キャビティを形成する過程において、リブが圧縮され、閉蓋状態では、リブが密封キャビティの内壁面に当接し、又はリブが、シール部とキャビティとの当接箇所に位置し、これにより、開蓋時に、シールリングの開き力の以外に、リブの作用力もあり、リブの作用力とシールリングの開き力とをプラスした力は負圧の作用力より大きいため、開蓋した後に、シールリングを正常の状態に戻すという目的が実現できる。シールリングには一つ又は複数のリブが設けられることができ、複数のリブが設けられる時に、複数のリブがシールリングに均等に配置されることが好ましい。
リブの位置については、リブの一端がシール部又はキャビティの壁面に接続され、又は接続部と支持部との接続箇所に接続され、閉蓋状態では、リブの他端が密封キャビティの内壁面に当接し、且つリブが圧縮され、これにより、開蓋時に、リブは反発して密封キャビティを開くことに有利な作用力を提供し、又は閉蓋状態では、リブがシール部とキャビティとの当接箇所に位置し、当該当接箇所とは、閉蓋状態では、シール部がキャビティに当接してキャビティを密封する密封箇所であり、即ち、リブは、シール部と、キャビティにおける閉蓋状態でシール部に当接される箇所との間に位置し、且つリブにおけるシール部とキャビティとの当接箇所にある部分が圧縮され、開蓋時に、リブは反発して密封キャビティを開くことに有利な作用力を提供することができる。勿論、リブが他の位置に設けられることもでき、密封キャビティを形成する時にリブが圧縮され、開蓋時に、リブは密封キャビティを開くことに有利な力を提供することができれば良い。
【0013】
また、本発明の上記実施例で提供するシールリングは、さらに以下のような付加的な技術的特徴を有する。
【0014】
上記技術的手段において、開蓋状態から閉蓋状態まで、前記シールリングの圧縮量は2mm~10mmであることが好ましい。
【0015】
閉蓋時に、シールリングは内鍋と接触して内鍋と押し合い、シールリングが内鍋の作用によって圧縮されることにより、シール部はキャビティの開口端に近づく方向へ移動してキャビティの開口端を密封する。開蓋状態から閉蓋状態まで、シールリングの圧縮量は2mm~10mmであることにより、閉蓋状態で、シールリングは密封キャビティを形成した後に一定の締め代があることを保証できると共に、シールリングの圧縮量が大きすぎることによる蓋体を閉める力が大きくなりすぎることを避ける。シールリングの圧縮量は3mm~5mmであることが好ましい。シールリングの圧縮量は2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mmであってもよい。
【0016】
上記技術的手段において、閉蓋状態では、前記シール部の少なくとも一部は前記内鍋に密着されることが好ましい。
【0017】
閉蓋状態では、圧縮部が内鍋に密着される他に、シール部の少なくとも一部が内鍋に密着することで、シールリングの内鍋側の高温多湿環境との接触面積が更に減少し、形成される凝縮水の量が更に減少する。シール部の圧縮部に近い部分は内鍋に密着することが好ましい。
【0018】
上記技術的手段において、前記接続部、又は前記接続部と前記支持部との接続箇所は、前記蓋体の軸線に近づく方向へ延びて延伸部を形成し、前記延伸部が前記蓋体の下面に密着し、閉蓋状態では、前記シール部は前記延伸部に当接することが好ましい。
【0019】
接続部の下端の内面、又は接続部と支持部との接続箇所の内面は、内向きに延びて延伸部を形成し、延伸部は蓋体に対する密封効果を更に向上させることができ、好ましくは、延伸部は外から内への方向に沿って下方へ傾斜する。閉蓋状態では、シール部は延伸部に当接されて密封キャビティを形成する。
【0020】
上記技術的手段において、前記シール部と前記延伸部との当接箇所から、前記延伸部の自由端までの距離は0mm~3mmであることが好ましい。
【0021】
閉蓋状態では、シール部と延伸部との当接箇所から、延伸部の自由端までの距離は小さいほど好ましく、これにより、延伸部と内鍋内側の高温多湿環境との接触面積を減少し、凝縮水の形成を更に減少できる。理想的には、シール部と延伸部との当接箇所から延伸部の自由端までの距離は0mmである。実際の応用において、シール部と延伸部との当接箇所から延伸部の自由端までの距離は0mm、1mm、2mm、3mmであっても良い。
【0022】
上記技術的手段において、閉蓋状態では、前記シール部は前記支持部に当接し、又は、閉蓋状態では、前記シール部は、前記接続部と前記支持部との接続箇所に当接し、又は、閉蓋状態では、前記シール部は前記蓋体に当接することが好ましい。
【0023】
閉蓋状態では、シール部が支持部に当接して密封キャビティを形成し、又は、シール部が、接続部と支持部との接続箇所に当接して密封キャビティを形成し、又は、シール部が蓋体の下面に当接して密封キャビティを形成する。シールリングが可動蓋板に接続され、シール部が可動蓋板の下面に当接して密封キャビティを形成することが好ましい。
【0024】
上記技術的手段において、前記支持部の厚さは、前記圧縮部の厚さより大きいことが好ましい。
【0025】
支持部の厚さが圧縮部の厚さより大きいため、閉蓋時に、圧縮部は支持部より先に変形し、閉蓋状態では、圧縮部は内鍋の開口部に密着し、且つ、圧縮部が変形する過程において、シール部が連動して上方へ曲がりキャビティの開口端を密封する。
【0026】
上記技術的手段において、前記支持部の厚さと前記圧縮部の厚さの差は0.1mm~0.3mmであることが好ましい。
【0027】
支持部の厚さから圧縮部の厚さを引いた差は0.1mm以上であることにより、圧縮部は支持部より先に変形することを保証できるとともに、支持部の厚さから圧縮部の厚さを引いた差は0.3mm以下であることにより、支持部の厚さが大きすぎるか、又は圧縮部の厚さが小さすぎることを避ける。
【0028】
上記技術的手段において、開蓋状態では、前記支持部と水平面との夾角は、前記圧縮部と水平面との夾角より大きいことが好ましく、これにより、閉蓋時に、圧縮部は支持部より先に変形し、閉蓋状態では、圧縮部は内鍋の開口部に密着し、且つ圧縮部が変形する過程において、シール部が連動して上方へ曲がりキャビティの開口端を密封する。ここで、開蓋状態とは、シールリングが圧縮されなく、且つ調理器具の蓋体が水平に配置された状態である。
【0029】
上記技術的手段において、開蓋状態では、前記支持部と水平面との夾角は42°~60°であり、及び/又は、開蓋状態では、前記圧縮部と水平面との夾角は30°~48°であり、及び/又は、開蓋状態では、前記支持部と水平面との夾角と、前記圧縮部と水平面との夾角の差は5°以上であることが好ましい。
【0030】
開蓋状態では、支持部と水平面との夾角は42°、45°、50°、55°、60°であり、開蓋状態では、圧縮部と水平面との夾角は30°、35°、40°、45°、48°であることが好ましい。
【0031】
上記技術的手段において、前記シール部は水平に設けられ、又は、前記シール部は前記キャビティの開口端に近づく方向へ傾斜することが好ましい。
【0032】
開蓋状態ではシール部が水平に設けられ、閉蓋時に、圧縮部が圧縮され、シール部が連動してキャビティの開口端に近づく方向へ移動することによりキャビティを密封する。又は、開蓋状態では、シール部は外から内への方向に沿って徐々に上方へ傾斜することにより、開蓋状態から閉蓋状態までのシールリングの圧縮量を減少することができる。
【0033】
上記技術的手段において、前記シールリングは、前記接続部と前記支持部の間に位置し、前記蓋体の下面に密着する密着部を更に含むことが好ましい。
【0034】
シールリングは密着部を更に含み、密着部の一端が接続部に接続され、密着部の他端が支持部に接続される。密着部が蓋体の下面に密着し、閉蓋時に、圧縮部が圧縮されやすくなる。接続部は延伸部を形成するように延び、又は接続部と密着部との接続箇所は、延伸部を形成するように延びることが好ましい。密着部が水平に設けられることが好ましい。
【0038】
上記技術的手段において、閉蓋状態で、前記シール部が前記蓋体に当接する場合、前記リブは前記シール部に位置し、又は、閉蓋状態では、前記シール部が前記支持部に当接する場合、前記リブは、前記シール部に設けられた第1のリブ、及び/又は、前記支持部における前記シール部との当接箇所に設けられた第2のリブを含み、又は、閉蓋状態で、前記シール部が、前記接続部と前記支持部との接続箇所に当接する場合、前記リブは、前記シール部に設けられた第1のリブ、及び/又は、前記支持部と前記接続部との接続箇所に設けられた第2のリブを含み、又は、前記接続部、又は前記接続部と前記支持部との接続箇所は、前記蓋体の軸線に近づく方向へ延びて延伸部を形成し、前記延伸部が前記蓋体の下面に密着し、閉蓋状態で、前記シール部が前記延伸部に当接する場合、前記リブは、前記シール部に設けられた第1のリブ、及び/又は、前記延伸部に設けられた第2のリブを含むことが好ましい。
【0039】
シール部が圧縮部の下端に接続され、閉蓋状態では、シール部が蓋体に当接し、リブがシール部に位置する。閉蓋状態では、シール部が蓋体に当接して密封キャビティを形成する。閉蓋時に、シール部は蓋体に近づく方向へ移動して蓋体に当接し、リブがシール部に設けられ、好ましくは、シール部の上面に設けられ、これにより、閉蓋の過程において、リブが圧縮され、開蓋時に、リブは弾性エネルギーを解放し、リブの作用力とシールリングの開き力の合力により密封キャビティが開く。勿論、リブが支持部及び/又は圧縮部に位置してもよく、リブの位置と大きさを合理的に設置して、密封キャビティを形成する時にリブが圧縮され、開蓋時に、リブは密封キャビティを開くことに有利な作用力を提供することができれば良い。
【0040】
又は、シール部が圧縮部の下端に接続され、閉蓋状態では、シール部が支持部に当接し、リブは、シール部に設けられた第1のリブ、及び/又は、支持部におけるシール部との当接箇所に設けられた第2のリブを含む。閉蓋状態では、シール部が支持部に当接して密封キャビティを形成する。閉蓋状態でリブが圧縮され易いことを保証するために、リブは、シール部に設けられた第1のリブ、及び/又は、支持部に設けられた第2のリブを含み、第2のリブが支持部におけるシール部との当接箇所に位置する。第1のリブがシール部の上面に設けられ、第2のリブが支持部の下面に設けられることが好ましい。勿論、リブを他の位置に設置することもでき、密封キャビティを形成する時に、リブが圧縮され、開蓋時に、リブは密封キャビティを開くことに有利な作用力を提供することができれば良い。
【0041】
又は、シール部が圧縮部の下端に接続され、閉蓋状態では、シール部が支持部と接続部との接続箇所に当接し、リブは、シール部に設けられた第1のリブ、及び/又は、支持部と接続部との接続箇所に設けられた第2のリブを含む。閉蓋状態では、シール部が、支持部と接続部との接続箇所に当接して密封キャビティを形成する。閉蓋状態では、リブが圧縮され易いことを保証するために、リブは、シール部に設けられた第1のリブ、及び/又は、支持部と接続部との接続箇所に設けられた第2のリブを含み、第2のリブが、支持部と接続部との接続箇所におけるシール部との当接箇所に位置する。第1のリブがシール部の上面に設けられ、第2のリブが、支持部と接続部との接続箇所の下面に設けられることが好ましい。勿論、リブを他の位置に設置することもでき、密封キャビティを形成する時にリブが圧縮され、開蓋時に、リブは密封キャビティを開くことに有利な作用力を提供することができれば良い。
【0042】
又は、シール部が圧縮部の下端に接続される。接続部の下端の内面、又は接続部と支持部との接続箇所の内面は、蓋体の軸線に近づく方向へ延びて延伸部を形成し、延伸部は蓋体に対する密封を更に向上することができ、延伸部は外から内への方向に沿って下方へ傾斜することが好ましい。閉蓋状態では、シール部が延伸部に当接して密封キャビティを形成する。閉蓋状態では、リブが圧縮され易いことを保証するために、リブは、シール部に設けられた第1のリブ、及び/又は、延伸部に設けられた第2のリブを含み、第2のリブが延伸部におけるシール部との当接箇所に位置する。第1のリブがシール部の上面に設けられ、第2のリブが延伸部の下面に設けられることが好ましい。勿論、リブを他の位置に設置することもでき、密封キャビティを形成する時に、リブが圧縮され、開蓋時に、リブは密封キャビティを開くことに有利な作用力を提供することができれば良い。
【0043】
勿論、シール部を支持部、又は支持部と接続部との接続箇所に設置することもでき、閉蓋状態では、シール部が圧縮部に当接し、リブは、シール部に設けられた第1のリブ、及び/又は、圧縮部とシール部との当接箇所に設けられた第2のリブを含み、又は、シール部が支持部、又は支持部と接続部との接続箇所に設置することができ、閉蓋状態では、シール部が内鍋に当接し、リブがシール部に設けられる。
【0044】
勿論、閉蓋状態で圧縮部が内鍋に密着する他に、圧縮部とシール部との間に変形部が接続されてもよく、閉蓋状態では、変形部が内鍋に当接され、変形部が内鍋に当接される時に、圧縮部が内鍋に当接してもよく、内鍋に当接しなくてもよい。閉蓋状態で圧縮部が内鍋に当接することと比較して、変形部が内鍋に密着する方が、開蓋状態から閉蓋状態までのシールリングの圧縮量を減少することができる。変形部が水平に設けられることが好ましい。
【0045】
本発明の第2の態様の実施例で提供する調理器具によれば、前記調理器具は、内鍋を有する鍋体と、前記鍋体に覆設された蓋体と、上記いずれか一つの実施例に記載のシールリングとを含み、前記シールリングの接続部が前記蓋体に接続される。
【0046】
本発明の第2の態様の実施例で提供する調理器具は、第1の態様の実施例に記載のシールリングを含むため、第1の態様のシールリングのすべての有益効果を有する。
【0047】
上記技術的手段において、前記シール部の前記接続部から離れた一端は、上方へ凸出して凸起を形成し、前記凸起が前記シール部の強度を補強するために用いられ、閉蓋状態では、前記シール部は前記内鍋の上面に密着し、且つ前記内鍋の内壁面から凸出せず、前記凸起は前記キャビティを閉じることにより、前記キャビティを密封キャビティに形成することが好ましい。
【0048】
閉蓋状態では、シール部が内鍋の上面に密着し、内鍋と蓋体との間の密封を実現する。シール部の強度を補強するように、シール部の接続部から離れた一端(シール部の末端)には凸起が設けられ、蓋体を閉じる過程において、シール部が外反することによる、シール部と内鍋の上面がうまく密着できないことを避け、ここで、シール部はシール本体とシール本体の末端が凸出して形成された凸起とを含み、凸起がシール本体の強度を補強するために用いられるように理解することができる。閉蓋時に、凸起はキャビティの開口端を密封することにより、キャビティを外部と隔絶された密封キャビティに形成する。閉蓋時に、凸起はキャビティの開口端を密封し、キャビティを外部と隔絶された密封キャビティに形成する。炊飯又は保温する時に、密封キャビティは内鍋内側の高温多湿の環境や外部の低温環境を隔離したため、密封キャビティ内部の湿度が低く、凝縮水が生じにくく、且つ、閉蓋状態では、圧縮部が内鍋の上面に密着する以外に、シール部も内鍋の上面に密着し、且つシール部が内鍋の内壁面と面一になるか、又は内鍋の内壁面の外側に位置し、即ち、シール部が内鍋の内壁面から凸出しないため、シール部が内鍋内側の高温多湿環境と接触することがなく、シール部には凝縮水が生じなく、シールリングにおいて凸起のみが内鍋内側の高温多湿環境と接触するため、接触面積が非常に小さく、一定の温度差があっても、形成された凝縮水の水滴の大きさが小さく、量も少ないため、凝縮水がハウジングカバーと可動蓋板に流れる問題を解決することができる。
【0049】
シール部の末端にシール部を単独に設置し、閉蓋状態では、シール部によりキャビティを閉じる関連技術と比べて、本願において、シールリングのシール部(シール本体)の強度を補強するために用いられた凸起を利用してキャビティの密封を実現したため、シール部を単独に設置する必要がなくなり、シールリングのコストが減少する。
【0050】
上記技術的手段において、0.5T≦H≦2Tであり、Hは前記凸起の高さであり、Tは前記シール部の厚さであることが好ましい。
【0051】
0.5T≦H≦2Tのように設定することにより、凸起のシール部(シール本体)に対する良好の補強作用を保証することができると共に、凸起が高すぎることにより凸起の大きさが大きすぎるため、内鍋内側の高温多湿環境との接触面積が大きくなり、形成された凝縮水の量を増加してしまうことも避ける。
【0052】
H=0.5T、又はH=T、又はH=1.5T、又はH=2Tであることが好ましい。
【0053】
上記技術的手段において、前記凸起は前記シール部(シール本体)に対して垂直であることが好ましい。
【0054】
凸起はシール部(シール本体)に垂直、又はほぼ垂直であり、即ち、凸起とシール部(シール本体)との接続箇所はL型である。シール部(シール本体)が内鍋の上面に密着し、凸起がキャビティを閉じる時に、凸起がシール部(シール本体)に垂直又はほぼ垂直である構造により、凸起の長さを減少することができ、シールリングにおける内鍋内側の高温多湿環境との接触面積を減少するとともに、シール本体の補強効果が良い。
【0055】
上記技術的手段において、閉蓋状態では、前記凸起が前記蓋体に当接し、又は前記支持部に当接し、又は前記支持部と前記接続部との接続箇所に当接することが好ましい。
【0056】
凸起がシール本体の末端に接続され、閉蓋状態では、凸起が蓋体に当接されて密封キャビティを形成し、閉蓋状態で凸起の外側表面のみが、内鍋内側の高温多湿環境と接触する。又は、凸起が支持部に当接して密封キャビティを形成する。又は、凸起が支持部と接続部との接続箇所に当接して密封キャビティを形成し、好ましくは、凸起と、支持部と接続部との接続箇所とが当接する位置を合理的に設置して、支持部の内鍋内側に位置する部分をできる限り減少し、支持部が内鍋内側の高温多湿環境と接触する面積を減少すべきである。
【0057】
上記技術的手段において、前記接続部、又は前記接続部と前記支持部との接続箇所は、前記蓋体の軸線に近づく方向へ延びて延伸部を形成し、前記延伸部が前記蓋体の下面に密着し、閉蓋状態では、前記凸起が前記延伸部に当接されることが好ましい。
【0058】
閉蓋状態では、シール部が延伸部に当接されて密封キャビティを形成し、具体的に、接続部、又は接続部と支持部との接続箇所は、蓋体の軸線に近づく方向へ延びて延伸部を形成し、延伸部が蓋体の下面に密着し、好ましくは、蓋体は可動蓋板を含み、延伸部が可動蓋板の下面に当接し、凸起がシール本体の末端に接続され、閉蓋状態では、凸起が延伸部に当接する。
【0059】
上記技術的手段において、前記凸起と前記延伸部との当接箇所から、前記延伸部の自由端までの距離は0mm~3mmであることが好ましい。
【0060】
上記技術的手段において、閉蓋状態では、前記シール部が水平方向に沿って設けられ、又は、閉蓋状態では、前記シール部は外から内への方向に沿って上方へ傾斜して第1の傾斜面を形成し、前記内鍋の上面において、前記第1の傾斜面に対応する箇所には、前記第1の傾斜面に適合する第2の傾斜面が形成されることが好ましい。閉蓋状態では、シール部は水平方向に沿って設けられ、又は、第1の傾斜面を形成し、開蓋状態では、シール部が水平方向に沿って設けられ、又は、シール部には第1の傾斜面が設けられ、又は、シール部が他の方向に沿って設けられ、閉蓋状態では、閉蓋の力により水平方向に沿って設けられ、又は第1の傾斜面を形成する。
【0061】
閉蓋状態では、シール部が水平に設けられ、内鍋の上面におけるシール部との密着箇所は水平面であってもよく、内側から外側に上方へ又は下方へ傾斜する傾斜面であってもよく、閉蓋状態では、シールリングの圧縮量などを調整することにより、シール部の少なくとも一部が内鍋の上面に密着することを保証する。又は、閉蓋状態では、シール部は外から内への方向に沿って上方へ傾斜して第1の傾斜面を形成し、内鍋の上面が第1の傾斜面にうまく密着することを保証するために、内鍋の上面において、第1の傾斜面に対応する箇所に第2の傾斜面が形成され、好ましくは、第2の傾斜面の傾斜角度と第1の傾斜面の傾斜角度とは一致する。閉蓋状態では、シール部が外から内への方向に沿って上方へ傾斜して第1の傾斜面を形成する場合、開蓋状態では、シールリングには、シール部のみが水平方向に沿って設けられるか、又は、シール部が外から内への方向に沿って上方へ傾斜する。勿論、この際に、シール部が鍋縁に密着してもよいし、又はシール部と圧縮部が共に鍋縁に密着してもよい。
【0062】
上記技術的手段において、前記内鍋は、鍋本体と、前記鍋本体が外周に延びて形成された鍋縁とを含み、閉蓋状態では、前記シール部は前記鍋本体と前記鍋縁との接続箇所の外縁から凸出しないことが好ましい。鍋本体に、鍋縁を設置してもよく、又は鍋縁を設置しなくてもよく、鍋縁を設置する場合、内鍋の内壁面は、鍋本体の内壁面と、鍋本体と鍋縁との接続箇所とを含むため、シール部が内鍋の内壁面から凸出しないことは、シール部が鍋本体と鍋縁との接続箇所の外縁から凸出しないことである。
【0063】
閉蓋状態では、シール部が内鍋内側の高温多湿環境と接触しないことを保証するために、シール部は鍋本体と鍋縁との接続箇所の外縁から凸出しなく、即ち、シール部は、鍋本体と鍋縁との接続箇所の外縁と面一になるか、又は鍋本体と鍋縁との接続箇所の外縁の外側に位置する。
【0064】
上記技術的手段において、前記鍋本体と前記鍋縁との接続箇所には過渡円弧部が設けられ、閉蓋状態では、前記シール部は前記過渡円弧部の外縁から凸出しないことが好ましい。
【0065】
勿論、鍋本体と鍋縁との接続箇所には過渡円弧部が設けられなくてもよく、鍋本体と鍋縁との接続箇所が直角となり、この際に、閉蓋状態では、シール部が鍋本体と鍋縁との直角接続箇所から凸出しない。
【0066】
蓋体は内蓋を含み、可動蓋板がクランプリングによって内蓋に着脱可能に取り付けられ、且つ可動蓋板がクランプリングの内側に位置することが好ましい。シールリングがクランプリング及び可動蓋板により固定され、具体的には、接続部が可動蓋板とクランプリングとの間に圧入されるか、または挟持される。シールリングを蓋体に取り付ける方法は成熟した技術であるため、ここで詳細な説明を省略する。
【0067】
前記調理器は炊飯器、又は電気圧力鍋である。
【0068】
本発明の他の態様やメリットは以下の説明によって明確になり、又は本発明を実施することで理解できる。
【0069】
本発明の上記及び/又は他の態様やメリットは以下の図面を結合した実施例の説明から明確になり、容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1図1は関連技術に係る開蓋状態でのシールリング及び蓋体の構造模式図である。
図2図2は関連技術に係る閉蓋状態でのシールリング、蓋体及び内鍋の構造模式図である。
図3図3は本発明の実施例1に係る開蓋状態でのシールリング及び蓋体の構造模式図である。
図4図4は本発明の実施例1に係る閉蓋状態でのシールリング、蓋体及び内鍋の構造模式図である。
図5図5は本発明の実施例2に係る開蓋状態でのシールリング及び蓋体の構造模式図である。
図6図6は本発明の実施例2に係る閉蓋状態でのシールリング、蓋体及び内鍋の構造模式図である。
図7図7は本発明の実施例1に係るシールリングの断面構造模式図である。
図8図8図7におけるA部の拡大構造模式図である。
図9図9は本発明の実施例1に係るシールリングの断面構造模式図である。
図10図10図9におけるB部の拡大構造模式図である。
図11図11は本発明の一実施例に係る閉蓋状態でのシールリング、蓋体及び内鍋の構造模式図である。
図12図12は本発明の一実施例に係る閉蓋状態でのシールリング、蓋体及び内鍋の構造模式図である。
図13図13は本発明の一実施例に係る閉蓋状態でのシールリング、蓋体及び内鍋の構造模式図である。
図14図14は蓋体、クランプリング、シールリング及び内鍋の嵌合構造における、シール部が内鍋の内壁面から凸出した場合の部分構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解できるように、以下、図面及び具体的な実施形態を参照しながら本発明についてさらに詳しく説明する。なお、矛盾しない限り、本願の実施例及び実施例中の特徴を組み合せすることができる。
【0072】
本発明を充分に理解するように、以下の説明で多くの具体的な詳細を説明するが、本発明はここで説明する形態と異なる形態で実施することもできるので、本発明の保護範囲は以下で開示する具体的な実施例に限定されない。
【0073】
以下、図3図14を参照しながら本発明のいくつかの実施例に係るシールリング3及び調理器具について説明する。
【0074】
図3図6に示すように、本発明のいくつかの実施例で提供するシールリング3は、内鍋を有する鍋体と、鍋体に覆設された蓋体1とを含む調理器具に用いられ、シールリング3は、順に接続された接続部31、支持部32、圧縮部33及びシール部34を含み、接続部31が蓋体1に接続され、支持部32が外から内への方向に沿って上方へ傾斜し、圧縮部33が外から内への方向に沿って徐々に下方へ傾斜し、支持部32と圧縮部33との接続箇所には内向きに開口するキャビティ4が形成され、閉蓋時に、シール部34は、キャビティ4の開口端に近づく方向へ移動し、且つ、閉蓋状態では、シール部34はキャビティ4の開口端を密封し、圧縮部33は内鍋2に密着する。
【0075】
本発明の上記実施例で提供するシールリング3は、調理器具の内鍋2と蓋体1との間の密封に用いられる。シールリング3は、上から下まで、順に接続された接続部31、支持部32、圧縮部33及びシール部34を含み、接続部31が蓋体1に接続され、支持部32が外から内への方向に沿って上方へ傾斜し、好ましくは、支持部32が徐々に上方へ傾斜し、且つ、圧縮部33が外から内への方向に沿って徐々に下方へ傾斜し、これにより、支持部32と圧縮部33との接続箇所にキャビティ4が形成され、キャビティ4は内向きに開口するとともに、断面がV字型、U字型又は他の形状であり、圧縮部33の下端にはシール部34が接続され、閉蓋時に、圧縮部33は内鍋2と接触して内鍋2の開口部と押し合い、圧縮部33と内鍋2が押し合う過程において、シール部34はキャビティ4の開口端に近づく方向へ移動し、閉蓋状態では、キャビティ4の開口端を密封し、キャビティ4を外部と隔絶された密封キャビティ5に形成する。炊飯又は保温する時に、一方では、密封キャビティ5内の空気が流れないため、密封キャビティ5は内鍋2の高温多湿の環境や外部の低温環境から隔離され、密封キャビティ5内に中高温環境が形成され、内鍋2の外側の低温環境と内鍋2の内側の高温環境との間の熱伝導を減らし、保温効果を向上させ、内鍋2の高温多湿環境及び密封キャビティ5内の温度差も、従来技術のキャビティ4が閉じられていない場合より小さくなり、これにより、形成された凝縮水の量及び凝縮水の水滴の大きさを減少し、他方では、密封キャビティ5を形成した後に、シールリング3と内鍋2内の高温多湿環境との接触面積を減少し、形成される凝縮水の量を更に減少し、凝縮水がハウジングカバーと蓋板に流れる問題を解決することができる。
【0076】
蓋体1が閉じた状態では、圧縮部33は内鍋2の開口部に密着し、関連技術において、圧縮部33の下端には水平に設けられた水平部が接続され、水平部にはシール部34が更に接続され、蓋体1が閉じた後に、水平部は内鍋2の開口部に密着し、シール部34は圧縮部33と支持部32により形成されたキャビティ4を密封する。本願では、開蓋状態から閉蓋状態までのシールリング3の圧縮量を増加することにより、圧縮部33を内鍋2の開口部に密着してシール部34に直接的に接続することができ、水平部を設置する必要がないため、シールリング3の構造を簡単化させ、シールリング3のコストが削減される。
【実施例1】
【0077】
図3及び図4に示すように、シールリング3は、順に接続された接続部31、支持部32、圧縮部33及びシール部34を含み、接続部31が蓋体1に接続され、支持部32が外から内への方向に沿って上方へ傾斜し、圧縮部33が外から内への方向に沿って徐々に下方へ傾斜し、これにより、支持部32と圧縮部33との接続箇所に内向きの開口を有するキャビティ4が形成され、閉蓋時に、シール部34は、キャビティ4の開口端に近づく方向へ移動し、且つ、閉蓋状態では、シール部34はキャビティ4の開口端を密封し、圧縮部33は内鍋2に密着する。
【0078】
図3及び図4に示すように、開蓋状態から閉蓋状態まで、シールリング3の圧縮量(b-a)は2mm~10mmであることが好ましい。
【0079】
蓋体1が閉じる時に、シールリング3は内鍋2と接触して内鍋2と押し合い、シールリング3が内鍋2の作用によって圧縮されることにより、シール部34はキャビティ4の開口端に近づく方向へ移動してキャビティ4の開口端を密封する。開蓋状態から閉蓋状態まで、シールリング3の圧縮量は2mm~10mmであることにより、閉蓋状態で、シールリング3は密封キャビティ5を形成した後に、一定の締め代があることを保証できると共に、シールリング3の圧縮量が大きすぎることによる、蓋体を閉める力が大きすぎることを避ける。シールリング3の圧縮量は3mm~5mmであることが好ましい。シールリング3の圧縮量は2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mmであってもよい。
【0080】
閉蓋状態では、シール部34の少なくとも一部は内鍋2に密着されることが好ましい。
【0081】
閉蓋状態では、圧縮部33が内鍋2に密着される他に、シール部34の少なくとも一部が内鍋2に密着することで、シールリング3における内鍋2側の高温多湿環境との接触面積が更に減少し、形成される凝縮水の量が更に減少する。シール部34の圧縮部33に近い部分は内鍋2に密着することが好ましい。
【0082】
接続部31、又は接続部31と支持部32との接続箇所は、蓋体1の軸線に近づく方向へ延びて延伸部35を形成し、延伸部35が蓋体1の下面に密着し、閉蓋状態では、シール部34が延伸部35に当接されることが好ましい。
【0083】
接続部31の下端の内面、又は接続部31と支持部32との接続箇所の内面は、内向きに延びて延伸部35を形成し、延伸部35は蓋体1に対する密封効果を更に向上させることができ、好ましくは、延伸部35は外から内への方向に沿って下方へ傾斜する。閉蓋状態では、シール部34は延伸部35に当接されて密封キャビティ5を形成する。
【0084】
図4に示すように、シール部34と延伸部35との当接箇所から、延伸部35の自由端までの距離Wは0mm~3mmであることが好ましい。
【0085】
閉蓋状態では、シール部34と延伸部35との当接箇所から、延伸部35自由端までの距離は小さいほど好ましく、これにより、延伸部35と内鍋2の内側の高温多湿環境との接触面積を減少し、凝縮水の形成を更に減少できる。理想的には、シール部34と延伸部35との当接箇所から延伸部35の自由端までの距離は0mmである。実際の応用において、シール部34と延伸部35との当接箇所から、延伸部35の自由端までの距離は0mm、1mm、2mm、3mmであってもよい。
【0086】
図5に示すように、支持部32の厚さcが、圧縮部33の厚さdより大きいことが好ましい。
【0087】
支持部32の厚さが圧縮部33の厚さより大きいため、閉蓋時に、圧縮部33は支持部32より先に変形し、閉蓋状態では、圧縮部33は内鍋2の開口部に密着し、且つ圧縮部33が変形する過程において、シール部34が連動して上方へ曲がりキャビティ4の開口端を密封する。
【0088】
支持部32の厚さと圧縮部33の厚さの差(c-d)は0.1mm~0.3mmであることが好ましい。
【0089】
支持部32の厚さから圧縮部33の厚さを引いた差は0.1mm以上であることにより、圧縮部33は支持部32より先に変形することを保証できるとともに、支持部32の厚さから圧縮部33の厚さを引いた差は0.3mm以下であることにより、支持部32の厚さが大きすぎるか、又は圧縮部33の厚さが小さすぎることを避ける。
【0090】
図3に示すように、好ましくは、開蓋状態では、支持部32と水平面との夾角αは、圧縮部33と水平面との夾角βより大きいことが好ましく、これにより、閉蓋時に、圧縮部33は支持部32より先に変形し、閉蓋状態では、圧縮部33は内鍋の開口部に密着し、且つ圧縮部33が変形する過程において、シール部が連動して上方へ曲がりキャビティの開口端を密封する。ここで、開蓋状態とは、シールリング3が圧縮されなく、且つ調理器具の蓋体が水平に配置された状態である。
【0091】
開蓋状態では、支持部32と水平面との夾角αは42°~60°であり、及び/又は、開蓋状態では、圧縮部33と水平面との夾角βは30°~48°であり、及び/又は、開蓋状態では、支持部32と水平面との夾角と、圧縮部33と水平面との夾角の差(α-β)は5°以上であることが好ましい。
【0092】
開蓋状態では、支持部32と水平面との夾角は42°、45°、50°、55°、60°であり、開蓋状態では、圧縮部33と水平面との夾角は30°、35°、40°、45°、48°であることが好ましい。
【0093】
図3に示すように、シール部34は水平に設けられることが好ましい。
【0094】
開蓋状態では、シール部34は水平に設けられ、閉蓋時に、圧縮部33が圧縮され、シール部34が連動してキャビティ4の開口端に近づく方向へ移動して密封キャビティ4を密封する。
【0095】
シールリング3は、接続部31と支持部32の間に位置し、蓋体1の下面に密着する密着部36を更に含むことが好ましい。
【0096】
シールリング3は密着部36を更に含み、密着部36の一端が接続部31に接続され、密着部36の他端が支持部32に接続される。密着部36が蓋体1の下面に密着し、閉蓋時に、圧縮部33が圧縮され易くなる。接続部31は延伸部35を形成するように延び、又は接続部31と密着部36との接続箇所は、延伸部35を形成するように延びることが好ましい。密着部36は水平に設けられることが好ましい。
【0097】
図7図10に示すように、シールリング3にはリブが設けられ、閉蓋状態では、リブが密封キャビティ5の内壁面に当接するか、又はリブが、シール部34とキャビティ4の当接箇所に位置し、且つリブが圧縮されることが好ましい。
【0098】
閉蓋時に、シール部34がキャビティ4に当接されることにより、キャビティ4の開口端を密封し、キャビティ4を外部と隔絶された密封キャビティ5に形成する。開蓋時に、密封キャビティ5内の負圧の作用力が、シールリング3の開き力より大きいため、密封キャビティ5が開けられない可能性があり、元の形状に戻すことができなくなり、開蓋時に、シールリング3は蓋体1の凝縮水を包むことができない。密封キャビティ5が開けられないことを防止するために、シールリング3にはリブが設けられ、且つ開蓋状態から閉蓋状態までの密封キャビティ5を形成する過程において、リブが圧縮され、閉蓋状態では、リブが密封キャビティ5の内壁面に当接し、又はリブが、シール部34とキャビティ4の当接箇所に位置し、これにより、開蓋時に、シールリング3の開き力以外に、リブの作用力もあり、リブの作用力とシールリング3の開き力とをプラスした力は負圧の作用力より大きいため、開蓋した後に、シールリング3を正常の状態に戻す目的が実現できる。シールリング3に一つ又は複数のリブが設けられることができ、複数のリブが設けられる時に、複数のリブがシールリング3に均等に配置されることが好ましい。
【0099】
リブの位置については、リブの一端がシール部34又はキャビティ4の壁面に接続され、又は接続部31と支持部32との接続箇所に接続され、閉蓋状態では、リブの他端が密封キャビティ5の内壁面に当接し、且つリブが圧縮され、これにより、開蓋時に、リブは反発して密封キャビティ5を開くことに有利な作用力を提供し、又は閉蓋状態では、リブがシール部34とキャビティ4との当接箇所(当接箇所は図6におけるEに示す)に位置し、当該当接箇所とは、閉蓋状態では、シール部34がキャビティ4に当接してキャビティ4を密封する密封箇所であり、即ち、リブは、シール部34と、キャビティ4における閉蓋状態でシール部34に当接される箇所との間に位置し、且つリブにおけるシール部34とキャビティ4との当接箇所にある部分が圧縮され、開蓋時に、リブは反発して密封キャビティ4を開くことに有利な作用力を提供することができる。勿論、リブが他の位置に設けられることもでき、密封キャビティ5を形成する時にリブが圧縮され、開蓋時に、リブは密封キャビティ5を開くことに有利な力を提供することができれば良い。
【0100】
図3図6図7図10に示すように、リブは、シール部34に設けられた第1のリブ343、及び/又は、延伸部35に設けられた第2のリブ351を含むことが好ましい。
【0101】
シール部34は圧縮部33の下端に接続される。接続部31の下端の内面、又は接続部31と支持部32との接続箇所の内面には、蓋体1の軸線に近づく方向へ延びて延伸部35が形成され、延伸部35は蓋体1に対する密封を更に向上させることができ、好ましくは、延伸部35は外から内への方向に沿って下方へ傾斜する。閉蓋状態では、シール部34が延伸部35に当接して密封キャビティ5を形成する。閉蓋状態では、リブが圧縮され易いことを保証するために、リブは、シール部34に設けられた第1のリブ343、及び/又は、延伸部35に設けられて第2のリブ351を含み、且つ第2のリブ351が延伸部35におけるシール部34との当接箇所に位置する。第1のリブ343がシール部34の上面に設けられ、第2のリブ351が延伸部35の下面に設けられることが好ましい。勿論、リブが他の位置に設けられることもでき、密封キャビティ5を形成する時にリブが圧縮され、開蓋時に、リブは密封キャビティ5を開くことに有利な作用力を提供することができればよい。
【0102】
リブが密封キャビティ5内に位置した状況については、例えば、支持部32には圧縮部33に向かって凸出したリブが設けられ、閉蓋状態では、リブが圧縮部33に当接すると共に、圧縮される状態となる。
【実施例2】
【0103】
図5及び図6に示すように、シール部34はキャビティ4の開口端に近づく方向へ傾斜している点が実施例1と異なる。
【0104】
開蓋状態では、シール部34は外から内への方向に沿って徐々に上方へ傾斜することにより、開蓋状態から閉蓋状態までのシールリング3の圧縮量を減少することができる。シール部34がキャビティ4の開口端に近づく方向へ傾斜している場合、開蓋状態から閉蓋状態まで、シールリング3の圧縮量はm-nである。
【実施例3】
【0105】
閉蓋状態では、シール部34が支持部32に当接され、即ち、閉蓋状態では、シール部34が支持部32に当接されて密封キャビティ5を形成する点が実施例1及び実施例2と異なる。
【0106】
リブは、シール部34に設けられた第1のリブ343、及び/又は、支持部32のシール部34との当接箇所に設けられた第2のリブ351を含むことが好ましい。
【0107】
シール部34が圧縮部33の下端に接続され、閉蓋状態では、シール部34が支持部32に当接し、リブは、シール部34に設けられた第1のリブ343、及び/又は、支持部32におけるシール部34との当接箇所に設けられた第2のリブを含む。閉蓋状態では、シール部34が支持部32に当接して密封キャビティ5を形成する。閉蓋状態でリブが圧縮され易いことを保証するために、リブは、シール部34に設けられた第1のリブ343、及び/又は、支持部32に設けられた第2のリブを含み、且つ第2のリブが支持部32におけるシール部34との当接箇所に位置する。第1のリブ343がシール部34の上面に設けられ、第2のリブが支持部32の下面に設けられることが好ましい。勿論、リブが他の位置に設けられることもでき、密封キャビティ5を形成する時に、リブが圧縮され、開蓋時に、リブは密封キャビティ5を開くことに有利な作用力を提供することができればよい。
【実施例4】
【0108】
閉蓋状態では、シール部34が、接続部31と支持部32との接続箇所に当接され、即ち、シール部34は、接続部31と支持部32との接続箇所に当接されて密封キャビティ5を形成する点が実施例1及び実施例2と異なる。
【0109】
リブは、シール部34に設けられた第1のリブ343、及び/又は、支持部32と接続部31との接続箇所に設けられた第2のリブを含むことが好ましい。
【0110】
シール部34が圧縮部33の下端に接続され、閉蓋状態では、シール部34が支持部32と接続部31との接続箇所に当接し、リブは、シール部34に設けられた第1のリブ343、及び/又は、支持部32と接続部31との接続箇所に設けられた第2のリブを含む。閉蓋状態では、シール部34が、支持部32と接続部31との接続箇所に当接して密封キャビティ5を形成する。閉蓋状態では、リブが圧縮され易いことを保証するために、リブは、シール部34に設けられた第1のリブ343、及び/又は、支持部32と接続部31との接続箇所に設けられた第2のリブを含み、且つ第2のリブ351が、支持部32と接続部31との接続箇所におけるシール部34との当接箇所に位置する。第1のリブ343がシール部34の上面に設けられ、第2のリブ351が支持部32と接続部31との接続箇所の下面に設けられることが好ましい。勿論、リブが他の位置に設けられることもでき、密封キャビティ5を形成する時に、リブが圧縮され、開蓋時に、リブは密封キャビティ5を開くことに有利な作用力を提供することができればよい。
【実施例5】
【0111】
閉蓋状態では、シール部34が蓋体1に当接される点が、実施例1及び実施例2と異なる。
【0112】
シール部34が蓋体1の下面に当接されて密封キャビティ5を形成する。シールリング3が可動蓋板に接続され、シール部34が可動蓋板の下面に当接して密封キャビティ5を形成することが好ましい。
【0113】
リブがシール部34に位置することが好ましい。
【0114】
シール部34が圧縮部33の下端に接続され、閉蓋状態では、シール部34が蓋体1に当接し、リブがシール部34に位置する。閉蓋状態では、シール部34が蓋体1に当接されて密封キャビティ5を形成する。閉蓋時に、シール部34は蓋体1に近づく方向へ移動して蓋体1に当接され、リブがシール部34に設けられ、好ましくは、シール部34の上面に設けられ、これにより、閉蓋する過程において、リブが圧縮され、開蓋時に、リブは弾性エネルギーを解放し、リブの作用力とシールリング3の開き力の合力により密封キャビティ5が開く。勿論、リブが支持部32及び/又は圧縮部に設けられてもよく、リブの位置と大きさを合理的に設置して、密封キャビティ5を形成する時にリブが圧縮され、開蓋時に、リブは密封キャビティ5を開くことに有利な作用力を提供することができれば良い。
【0115】
本発明の第2の態様の実施例で提供する調理器具は、内鍋2を有する鍋体と、鍋体に覆設された蓋体1と、上記いずれか一つの実施例に記載のシールリング3とを含み、シールリング3の接続部31が蓋体1に接続される。
【0116】
本発明の第2の態様の実施例で提供する調理器具は、第1の態様の実施例に記載のシールリング3を含むため、第1の態様のシールリング3のすべての有益効果を有する。
【0117】
図11図13に示すように、シール部34の接続部31から離れた一端は、上方へ凸出して凸起342を形成し、凸起342がシール部34の強度を補強するために用いられ、閉蓋状態では、シール部34が内鍋2の上面に密着し、且つ内鍋2の内壁面から凸出せず、凸起342はキャビティ4を閉じることにより、キャビティ4を密封キャビティ5に形成することが好ましい。
【0118】
閉蓋状態では、シール部34が内鍋2の上面に密着し、内鍋2と蓋体1との間の密封を実現する。シール部34の強度を補強するように、シール部34の接続部31から離れた一端(シール部34の末端)には凸起342が設けられ、蓋体が閉じる過程において、シール部34が外反することによる、シール部34と内鍋2の上面がうまく密着できないことを避け、ここで、シール部34はシール本体341とシール本体341の末端が凸出して形成された凸起342とを含み、凸起342がシール本体341の強度を補強するために用いられるように理解することができる。閉蓋時に、凸起342はキャビティ4の開口端を密封し、キャビティ4を外部と隔絶された密封キャビティに形成する。閉蓋時に、凸起342はキャビティ4の開口端を密封し、キャビティ4に外部と隔絶された密封キャビティ5を形成する。閉蓋状態では、圧縮部が内鍋の上面に密着する以外に、シール部34も内鍋2の上面に密着し、且つシール部34が内鍋2の内壁面と面一になるか、又は内鍋2の内壁面の外側に位置し、即ち、シール部34が内鍋2の内壁面から凸出しないため、シール部34が内鍋2の内側の高温多湿環境と接触することがなく、シール部34には凝縮水が生成しなく、シールリング3において凸起342のみが内鍋2内側の高温多湿環境と接触するため、接触面積が非常に小さく、一定の温度差があっても、生成された凝縮水の水滴の大きさも小さく、量も少ないため、凝縮水がハウジングカバーと可動蓋板に流れる課題を解決することを実現する。
【0119】
図3に示すように、0.5T≦H≦2Tであり、Hは凸起342の高さであり、Tはシール部34の厚さであることが好ましい。
【0120】
0.5T≦H≦2Tのように設定することにより、凸起342のシール部34(シール本体341)に対する良好の補強作用を保証できると共に、凸起342が高すぎることにより凸起342の大きさが大きすぎるため、内鍋2内側の高温多湿環境との接触面積が大きくなり、形成された凝縮水の量を増加してしまうことを避ける。
【0121】
H=0.5T、又はH=T、又はH=1.5T、又はH=2Tであることが好ましい。
【0122】
凸起342はシール部34(シール本体)に対して垂直であることが好ましい。
【0123】
凸起342はシール部34(シール本体341)に垂直、又はほぼ垂直であり、即ち凸起342とシール部34との接続箇所はL型である。シール部34(シール本体341)が内鍋2の上面に密着し、凸起342はキャビティ4を閉める時に、凸起342がシール部34(シール本体341)に垂直又はほぼ垂直である構造により、凸起342の長さを減少することができ、シールリング3における内鍋2の内側の高温多湿環境との接触面積を減少するとともに、シール本体341の補強効果が良い。
【0124】
第1の具体的な実施例において、閉蓋状態では、凸起342が蓋体1に当接し、又は支持部32に当接し、又は支持部32と接続部31との接続箇所に当接する。
【0125】
凸起342がシール本体341の末端に接続され、閉蓋状態では、凸起342が蓋体1に当接されて密封キャビティ5を形成し、閉蓋状態では、凸起342の外側表面のみが、内鍋2内側の高温多湿環境と接触する。又は、凸起342が支持部32に当接して密封キャビティ5を形成する。又は、凸起342が支持部32と接続部31との接続箇所に当接して密封キャビティ5を形成し、好ましくは、凸起342と、支持部32と接続部31との接続箇所とが当接する位置を合理的に設置して、支持部32の内鍋2内側に位置する部分をできる限り減少し、支持部32と内鍋2の内側の高温多湿環境と接触する面積を減少すべきである。
【0126】
第2の具体的な実施例において、接続部31、又は接続部31と支持部32との接続箇所は、蓋体1の軸線に近づく方向へ延びて延伸部35を形成し、延伸部35が蓋体1の下面に密着し、閉蓋状態では、凸起342が延伸部35に当接される。
【0127】
閉蓋状態では、シール部34が延伸部35に当接されて密封キャビティ5を形成し、具体的に、接続部31、又は接続部31と支持部との接続箇所は、蓋体1の軸線に近づく方向へ延びて延伸部35を形成し、延伸部35が蓋体1の下面に密着し、好ましくは、蓋体1は可動蓋板を含み、延伸部35が可動蓋板の下面に当接し、凸起342がシール本体341の末端に接続され、閉蓋状態では、凸起342が延伸部35に当接する。
【0128】
図4に示すように、凸起342と延伸部35との当接箇所から、延伸部35の自由端までの距離Wは0mm~3mmであることが好ましい。
【0129】
閉蓋状態では、シール部34が水平方向に沿って設けられ、又は、図13に示すように、閉蓋状態では、シール部34は外から内への方向に沿って上方へ傾斜して第1の傾斜面344を形成し、内鍋2の上面において、第1の傾斜面344に対応する箇所には、第1の傾斜面344に適合する第2の傾斜面221が形成されることが好ましい。閉蓋状態では、シール部34は水平方向に沿って設けられ、又は、第1の傾斜面344を形成し、開蓋状態では、シール部34が水平方向に沿って設けられ、又は、シール部34には第1の傾斜面344が形成され、又は、シール部34が他の方向に沿って設けられ、閉蓋状態では、閉蓋の力により水平方向に沿って設けられ、又は第1の傾斜面344を形成する。
【0130】
閉蓋状態では、シール部34が水平に設けられ、内鍋2の上面の、シール部34との密着箇所は水平面であってもよく、内側から外側に上方に、又は下方へ傾斜する傾斜面であっても良く、閉蓋状態では、シールリング3の圧縮量などを調整することによって、シール部34の少なくとも一部が内鍋2の上面に密着することを保証する。又は、閉蓋状態では、シール部34は外から内への方向に沿って上方へ傾斜して第1の傾斜面344を形成し、内鍋2の上面が第1の傾斜面344にうまく密着することを保証するために、内鍋2の上面において、第1の傾斜面344に対応する箇所に第2の傾斜面221が形成され、好ましくは、第2の傾斜面221の傾斜角度と第1の傾斜面344の傾斜角度とは一致する。閉蓋状態でシール部34が外から内への方向に沿って上方へ傾斜して第1の傾斜面344を形成する場合、開蓋状態では、シール部34は水平方向に沿って設けられるか、又は、シール部34は外から内への方向に沿って上方へ傾斜する。勿論、シールリングにおいて、シール部34のみが鍋縁32に密着(図11に示す)してもよいし、又はシール部34と圧縮部が共に鍋縁32に密着してもよい(図12に示す)。
【0131】
図11図13に示すように、内鍋2は、鍋本体21と、鍋本体21が外周に延びて形成された鍋縁32とを含み、閉蓋状態では、シール部34は鍋本体21と鍋縁32との接続箇所の外縁から凸出しないことが好ましい。鍋本体21に、鍋縁32を設置しても良く、又は鍋縁32を設置しなくてもよく、鍋縁32を設置する場合には、内鍋2の内壁面は、鍋本体21の内壁面と、鍋本体21と鍋縁32との接続箇所を含むため、シール部34が内鍋2の内壁面から凸出しないことは、シール部34が鍋本体21と鍋縁32との接続箇所の外縁から凸出しないことである。
【0132】
閉蓋状態では、シール部34が内鍋2内側の高温多湿環境と接触しないことを保証するために、シール部34は鍋本体21と鍋縁32との接続箇所の外縁から凸出しなく、即ちシール部34は、鍋本体21と鍋縁32との接続箇所の外縁と面一になるか、又は鍋本体21と鍋縁32との接続箇所の外線の外側に位置する。図14に示すように、シール部は、内向きに鍋本体と鍋縁との接続箇所の外縁から凸出して、シール部の一部を内鍋内側に位置させ、シールリングの内鍋内側の高温多湿環境との接触面積を増加する。
【0133】
図11図13に示すように、鍋本体21と鍋縁32との接続箇所には過渡円弧部23が設けられ、閉蓋状態では、シール部34は過渡円弧部23の外縁から凸出しないことが好ましい。
【0134】
勿論、鍋本体21と鍋縁32との接続箇所に過渡円弧部23を設置しなくても良く、鍋本体21と鍋縁32との接続箇所が直角となり、この際に、閉蓋状態では、シール部34が鍋本体21と鍋縁32との直角接続箇所から凸出しない。
【0135】
蓋体1は内蓋を含み、可動蓋板がクランプリング6によって内蓋に着脱可能に取り付けられ、且つ可動蓋板がクランプリング6の内側に位置することが好ましい。シールリング3がクランプリング6と可動蓋板によって固定され、具体的に、接続部31が可動蓋板とクランプリング6との間に圧入されるか、又は挟持される。シールリング3を蓋体1に取り付ける方法は成熟した技術であるため、ここで詳細な説明を省略する。
【0136】
調理器具は炊飯器、又は電気圧力鍋である。
【0137】
以上、本発明の実施例で提供するシールリング3によれば、閉蓋時に、圧縮部は内鍋に密着し、且つシール部が連動してキャビティ開口端に近づく方向へ移動し、閉蓋状態では、シール部はキャビティの開口端を密封して密封キャビティを形成する。キャビティを密封するために用いられるシール部を単独に設置した関連技術と比べて、圧縮量を増加し、シールリング3の本体が備えたシール部でキャビティを密封することができるため、シールリング3の構造を簡単化させ、且つ密封キャビティを形成した後、凝縮水の形成が減少する。
【0138】
本発明は、添付した特許請求の範囲によって示されるだけではなく、また以下の事項によって限定される。
【0139】
1.内鍋を有する鍋体と、前記鍋体に覆設された蓋体とを含む調理器具に用いられるシールリングであって、前記蓋体に接続された接続部と、前記接続部に接続され、内向きに開口するキャビティを形成する変形部と、前記キャビティの開口端に近づくように設けられ、閉蓋状態では、前記キャビティの開口端を密封して前記キャビティを密封キャビティに形成するシール部と、を含み、前記シールリングにはリブが設けられ、閉蓋状態では、前記リブが前記密封キャビティの内壁面に当接し、又は前記リブが前記シール部と前記キャビティとの当接箇所に位置し、且つ前記リブが圧縮される。
【0140】
2.事項1に記載のシールリングによれば、前記シール部が前記変形部の下端に接続され、閉蓋状態では、前記シール部が前記蓋に当接し、前記リブが前記シール部に位置する。
【0141】
3.事項1に記載のシールリングによれば、前記シール部が前記変形部の下端に接続され、閉蓋状態では、前記シール部が前記変形部に当接し、前記リブは前記シール部に設けられた第1のリブ、及び/又は、前記変形部における前記シール部との当接箇所に設けられた第2のリブを含む。
【0142】
4.事項1に記載のシールリングによれば、前記シール部が前記変形部の下端に接続され、閉蓋状態では、前記シール部が前記変形部と前記接続部との接続箇所に当接し、前記リブは、前記シール部に設けられた第1のリブ、及び/又は、前記変形部と前記接続部との接続箇所に設けられた第2のリブを含む。
【0143】
5.事項1に記載のシールリングによれば、前記接続部、又は前記接続部と前記変形部との接続箇所は前記蓋体の軸線に近づく方向へ延びて延伸部を形成し、前記延伸部が前記蓋体の下面に密着し、前記シール部が前記変形部の下端に接続され、閉蓋状態では、前記シール部が前記延伸部に当接し、前記リブは、前記シール部に設けられた第1のリブ、及び/又は、前記延伸部に設けられた第2のリブを含む。
【0144】
6.事項2~5に記載のシールリングによれば、前記変形部は、支持部と、前記支持部の下端に接続された圧縮部とを含み、前記シール部が前記圧縮部の下端に接続され、前記支持部が外から内への方向に沿って上方へ傾斜し、且つ、前記圧縮部が外から内への方向に沿って徐々に下方へ傾斜する。
【0145】
7.事項6に記載のシールリングによれば、閉蓋状態では、前記圧縮部が前記内鍋に当接する。
【0146】
8.事項6に記載のシールリングによれば、前記変形部は、前記圧縮部と前記シール部との間に接続された変形区間を更に含み、閉蓋状態では、前記変形区間が前記内鍋に当接する。
【0147】
9.事項1に記載のシールリングによれば、前記シール部は、前記変形部の上端、又は前記変形部と前記接続部との接続箇所に接続され、閉蓋状態では、前記シール部が前記変形部に当接し、前記リブは、前記シール部に設けられた第1のリブ、及び/又は前記変形部と前記シール部との当接箇所に設けられた第2のリブを含み、又は、
前記シール部は、前記変形部の上端又は前記変形部と前記接続部との接続箇所に接続され、閉蓋状態では、前記シール部が前記内鍋に当接し、前記リブが前記シール部に設けられる。
【0148】
10.調理器具であって、内鍋を有する鍋体と、前記鍋体に覆設された蓋体と、前記事項のいずれか一つに記載のシールリングとを含み、前記シールリングの接続部が前記蓋体に接続される。
【0149】
11.調理器具であって、内鍋を有する鍋体と、前記鍋体に覆設された蓋体と、前記蓋体に接続されたシールリングと、を含み、前記シールリングは、接続された接続部と変形部とを含み、前記接続部が前記蓋体に接続され、前記変形部は内向きに開口するキャビティを形成し、前記変形部は、前記接続部から離れたシール部を含み、前記シール部の前記接続部から離れた一端は、上方へ凸出して凸起を形成し、前記凸起が前記変形部の強度を補強するために用いられ、閉蓋状態では、前記シール部が前記内鍋の上面に密着し、且つ前記内鍋の内壁面から凸出せず、前記凸起が前記キャビティを閉じることにより、前記キャビティを密封キャビティに形成する。
【0150】
12.事項11に記載の調理器具によれば、0.5T≦H≦2Tであり、Hは前記凸起の高さであり、Tは前記変形部の厚さである。
【0151】
13.事項11に記載の調理器具によれば、前記凸起は前記シール部に対して垂直である。
【0152】
14.事項11~13のいずれか一項に記載の調理器具によれば、閉蓋状態では、前記凸起が前記蓋体に当接し、又は前記変形部に当接し、又は前記変形部と前記接続部との接続箇所に当接する。
【0153】
15.事項11~13のいずれか一項に記載の調理器具によれば、前記接続部、又は前記接続部と前記変形部との接続箇所は、前記蓋体の軸線に近づく方向へ延びて延伸部を形成し、前記延伸部が前記蓋体の下面に密着し、閉蓋状態では、前記凸起が前記延伸部に当接する。
【0154】
16.事項15に記載の調理器具によれば、前記凸起と前記延伸部との当接箇所から、前記延伸部の自由端までの距離は0mm~3mmである。
【0155】
17.事項11~13のいずれか一項に記載の調理器具によれば、前記変形部は、接続された支持部と圧縮部とを更に含み、前記支持部は、前記接続部に接続され、外から内への方向に沿って上方へ傾斜し、且つ、前記圧縮部は外から内への方向に沿って徐々に下方へ傾斜する。
【0156】
18.事項17に記載の調理器具によれば、閉蓋状態では、前記圧縮部が前記内鍋の上面に密着する。
【0157】
19.事項11~13のいずれか一項に記載の調理器具によれば、閉蓋状態では、前記シール部が水平方向に沿って設けられ、又は、閉蓋状態では、前記シール部は外から内への方向に沿って上方へ傾斜して第1の傾斜面を形成し、前記内鍋の上面において、前記第1の傾斜面に対応する箇所には、前記第1の傾斜面に適合する第2の傾斜面が形成される。
【0158】
20.事項11~13のいずれか一項に記載の調理器具によれば、前記内鍋は、鍋本体と、前記鍋本体が外周に延びて形成された鍋縁とを含み、閉蓋状態では、前記シール部は前記鍋本体と前記鍋縁との接続箇所の外縁から凸出しない。
【0159】
21.事項20に記載の調理器具によれば、前記鍋本体と前記鍋縁との接続箇所には過渡円弧部が設けられ、閉蓋状態では、前記シール部は前記過渡円弧部の外縁から凸出しない。
【0160】
本明細書の説明において、用語である「複数の」は、二つ又は二つ以上である。限定又は説明がない限り、「接続」、「固定」などの用語の意味は広く理解されるべきであり、例えば、「接続」は固定連続であっても、取り卸し可能な接続であっても、又は一体的に接続であってもよく、直接的に接続することや、中間媒体を介して間接的に接続することも可能である。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本発明中の具体的な意味を理解することができる。
【0161】
本明細書の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」などの用語で示す方位又は位置関係は図面に示す方位又は位置関係であり、本発明を説明し易い、又は説明を簡単にするだけに用いられ、示している装置またはセットは必ず特定の方向を有し、特定の方位構造と操作を有することを表す又は暗示することではないことを理解されるべきであり、そのため、本発明に対する制限とみなされるべきではない。
【0162】
本明細書の説明において、用語である「一実施例」、「いくつかの実施例」、「具体的な例示」などの記述は、当該実施例又は例示に記載された具体的な特徴、構造、材料又は特点を参照して本発明の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれることを意図する。本明細書において、上記用語の例示的な記述は同一の実施例又は例示を必ずしも意味しない。さらに、記載された具体的な特徴、構造、材料又は特長はいずれかの1つ又は複数の実施例又は例示において適当な方式で組み合わせることができる。
【0163】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明に様々な修正や変更が可能である。本発明の精神や原則内での全ての修正、置換、改善などは、本発明の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0164】
1’ 蓋体
2’ 内鍋
3’ シールリング
1 蓋体
2 内鍋
21 鍋本体
22 鍋縁
221 第2の傾斜面
23 過渡円弧部
3 シールリング
31 接続部
32 支持部
33 圧縮部
34 シール部
341 シール本体
342 凸起
343 第1のリブ
344 第1の傾斜面
35 延伸部
351 第2のリブ
36 密着部
4 キャビティ
5 密封キャビティ
6 クランプリング
図1
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図3
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