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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】ダイ処理
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20220719BHJP
   H01L 25/065 20060101ALI20220719BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20220719BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20220719BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20220719BHJP
【FI】
H01L21/60 311Q
H01L25/08 Y
H01L21/304 643D
H01L21/304 644C
H01L21/304 648G
H01L21/304 645C
【請求項の数】 35
(21)【出願番号】P 2019557378
(86)(22)【出願日】2018-04-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 US2018025694
(87)【国際公開番号】W WO2018194827
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2021-03-26
(31)【優先権主張番号】62/563,847
(32)【優先日】2017-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/936,075
(32)【優先日】2018-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/488,340
(32)【優先日】2017-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518065991
【氏名又は名称】インヴェンサス ボンディング テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100159846
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 尚
(72)【発明者】
【氏名】ウゾー シプリアン エメカ
【審査官】綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-514185(JP,A)
【文献】国際公開第2012/133760(WO,A1)
【文献】特開2016-072316(JP,A)
【文献】特開2011-104633(JP,A)
【文献】特開2008-244080(JP,A)
【文献】特表2015-517217(JP,A)
【文献】特開2010-077389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301- 21/304
H01L 21/447- 21/449
H01L 21/52
H01L 21/58
H01L 21/60
H01L 25/065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
キャリアに結合されるウエハを提供する工程と、
前記キャリアに固定された複数の半導体ダイ構成要素を提供するため前記ウエハを個片化する工程と、
前記個片化する工程の後、前記複数の半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の間の間隙を形成するように前記ウエハに結合された前記キャリアを延伸させる工程と、
1つ又は2つ以上の前記間隙に沿って前記キャリアを穿孔する工程と、
保護層なしに1つ又は2つ以上の接合面を露出させるため複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記接合面から前記保護層を除去する工程と、
1つ又は2つ以上の準備された前記半導体ダイ構成要素を形成するため1つ又は2つ以上の露出された前記接合面を準備する工程と、
1つ又は2つ以上の準備された前記半導体ダイ構成要素を、基板の表面に直接接合する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
1つ又は2つ以上の露出された前記接合面を準備する工程は、1つ又は2つ以上の露出された前記接合面を、プラズマ活性化する工程を含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
方法であって、
ほぼ平坦な面を有するウエハに保護層又はコーティングを適用する工程と、
複数の半導体ダイ構成要素を提供するように前記ウエハを個片化する工程と、
前記個片化する工程の後、キャリアに固定された前記複数の半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の間の間隙を形成するように前記ウエハに結合された前記キャリアを延伸させる工程と、
1つ又は2つ以上の前記間隙に沿って前記キャリアを穿孔する工程と、
複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の各々における個別の接合面から前記保護層又は前記コーティングを除去する工程と、
基板の表面に接合するため複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を準備する工程と、
複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素を、前記基板の前記表面にハイブリッド接合する工程とを含む、方法。
【請求項4】
複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の個別の前記接合面を準備する工程は、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の個別の前記接合面を、プラズマ活性化する工程を含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
さらに、メガソニック洗浄処理を用いて複数の前記半導体ダイ構成要素を洗浄する工程を含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
方法であって、
ウエハの接合面への保護層を前記ウエハを含む基板に適用する工程と、
前記ウエハ及び前記保護層を複数の半導体ダイ構成要素に個片化する工程と、
前記個片化する工程の後、キャリアに固定された前記複数の半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の間の間隙を形成するように前記ウエハに結合された前記キャリアを延伸させる工程と、
1つ又は2つ以上の前記間隙に沿って前記キャリアを穿孔する工程と、
複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の各々において個別の接合面を露出させるように前記保護層を除去する工程と、
を含む、方法。
【請求項7】
複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を洗浄する工程を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を洗浄する工程は、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を機械的に洗浄する工程を含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を洗浄する工程は、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を化学的に洗浄する工程を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を洗浄する工程は、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を湿式洗浄する工程を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
さらに、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面をプラズマ活性化する工程を含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
1つ又は2つ以上の前記間隙に沿って前記キャリアを穿孔する工程は、ダイシングブレード、高温ナイフ、又は光学ナイフのうち1つ又は2つ以上を用いて1つ又は2つ以上の前記間隙に沿って前記キャリアを穿孔する工程を含む、請求項に記載の方法。
【請求項13】
さらに、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素が、前記キャリアに固定され、1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の1つ又は2つ以上の縁部は1つ又は2つ以上の前記間隙において露出される間、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の1つ又は2つ以上の前記縁部を洗浄する工程を含む、請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記キャリアは、ダイシングシートを含む、請求項に記載の方法。
【請求項15】
前記保護層は、前記ウエハの第1の接合面上の第1の保護層であり、前記ウエハは、前記ウエハの第2の接合面上の第2の保護層を含み、前記第2の接合面は、前記第1の接合面とは異なり、
前記方法は、さらに、前記ウエハを複数の前記半導体ダイ構成要素に個片化する工程の後に前記第2の保護層を除去する工程を含む、請求項に記載の方法。
【請求項16】
方法であって、
ウエハを含む基板に、前記ウエハの接合面への保護層を適用する工程であって、前記基板はキャリアに結合される、前記適用する工程と、
複数の半導体ダイ構成要素に前記ウエハ及び前記保護層を個片化する工程と、
前記キャリアを延伸させて、前記キャリアに固定された複数の前記半導体ダイ構成要素の1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素間に間隙を形成する、前記キャリアを延伸させる工程と、
1つ又は2つ以上の前記間隙に沿って前記キャリアを穿孔する工程と、
前記キャリアを延伸させる工程の後に、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の各々において個別の接合面を露出させるため前記保護層を除去する工程と、を含む、方法。
【請求項17】
さらに、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面をプラズマ活性化する工程を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
1つ又は2つ以上の前記間隙に沿って前記キャリアを穿孔する工程は、ダイシングブレード、高温ナイフ、又は光学ナイフのうち1つ又は2つ以上を用いて1つ又は2つ以上の前記間隙に沿って前記キャリアを穿孔する工程を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
さらに、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を洗浄する工程と、
複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の縁部を洗浄する工程であって、前記縁部は前記間隙に露出され、前記縁部を洗浄する工程とを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を洗浄する工程は、(i)前記個別の接合面を機械的に洗浄する工程、(ii)前記個別の接合面を化学的に洗浄する工程、又は、(iii)前記個別の接合面を湿式洗浄する工程、のうち少なくとも1つを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記保護層は、前記ウエハの第1の接合面上の第1の保護層であり、前記ウエハは、前記ウエハの第2の接合面上の第2の保護層を含み、前記第2の接合面は、前記第1の接合面とは異なり、
前記方法は、さらに、前記ウエハを複数の前記半導体ダイ構成要素に個片化する工程の後に前記第2の保護層を除去する工程を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
さらに、前記保護層を除去する工程の後、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の個別の前記接合面を洗浄する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を洗浄する工程は、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を機械的に洗浄する工程を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を洗浄する工程は、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を化学的に洗浄する工程を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を洗浄する工程は、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を湿式洗浄する工程を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
1つ又は2つ以上の前記間隙に沿って前記キャリアを穿孔する工程は、ダイシングブレード、高温ナイフ、又は光学ナイフのうち1つ又は2つ以上を用いて1つ又は2つ以上の前記間隙に沿って前記キャリアを穿孔する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
さらに、前記キャリアを延伸させる工程の後に、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素が、前記キャリアに固定され、1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の1つ又は2つ以上の縁部は1つ又が2つ以上の前記間隙において露出される間、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の1つ又は2つ以上の前記縁部を洗浄する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記キャリアは、ダイシングシートを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
さらに、前記保護層を除去する工程の後、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を洗浄する工程を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項30】
複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を洗浄する工程は、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を機械的に洗浄する工程を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を洗浄する工程は、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を化学的に洗浄する工程を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を洗浄する工程は、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の前記個別の接合面を湿式洗浄する工程を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
1つ又は2つ以上の前記間隙に沿って前記キャリアを穿孔する工程は、ダイシングブレード、高温ナイフ、又は光学ナイフのうち1つ又は2つ以上を用いて1つ又は2つ以上の前記間隙に沿って前記キャリアを穿孔する工程を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項34】
さらに、前記キャリアを延伸させる工程の後に、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素が、前記キャリアに固定され、1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の1つ又は2つ以上の縁部は1つ又が2つ以上の前記間隙において露出される間、複数の前記半導体ダイ構成要素のうち1つ又は2つ以上の前記半導体ダイ構成要素の1つ又は2つ以上の前記縁部を洗浄する工程を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項35】
前記キャリアは、ダイシングシートを含む、請求項3に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権主張及び関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)(1)の下で、2018年3月26日に出願された米国特許出願第15/936,075号、並びに2017年4月21日に出願された米国仮出願第62/488,340号及び2017年9月27日に出願された同第62/563,847号の利益を主張するものであり、それらは全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
以下の説明は、集積回路(integrated circuit、「IC」)の処理に関する。より具体的には、以下の説明は、ICダイを処理するためのデバイス及び技術に関する。
【背景技術】
【0003】
集積チップ及びダイなどの超小型電子素子のよりコンパクトな物理的配置に対する需要は、ポータブル電子デバイスの急速な進歩、モノのインターネットの拡大、ナノスケール集積、サブ波長光集積、などで更に高まってきている。単なる例として、通常「スマートフォン」と称されるデバイスは、高解像度ディスプレイ及び関連する画像処理チップと共に、高性能のデータ処理装置、メモリ、並びに全地球測位システム受信器、電子カメラ、及びローカルエリアネットワーク接続などの付属デバイスを、携帯電話の機能に統合する。そのようなデバイスは、完全なインターネット接続性、フル解像度のビデオを含めた娯楽、ナビゲーション、電子バンキング、センサ、メモリ、マイクロプロセッサ、ヘルスケア電子機器、自動電子機器などの能力を、ポケットサイズのデバイス内に全て提供することができる。複合型携帯デバイスは、小さい空間内に多数のチップ及びダイを詰め込むことを必要とする。
【0004】
超小型電子素子は、シリコン又はガリウム砒素などのような半導体材料の薄いスラブを備える。チップとダイは、通常、個別の予めパッケージ化されたユニットとして提供される。一部のユニット設計では、ダイは、基板又はチップキャリアに実装され、その基板又はチップキャリアは次に、プリント回路基板(printed circuit board、PCB)などの回路パネル上に実装される。ダイは、製造中及びダイを外部基板上に実装する間のダイの取り扱いを容易にするパッケージ内に提供することができる。例えば、多くのダイは、表面実装のために好適なパッケージ内に提供される。この一般的なタイプの数多くのパッケージが、様々な用途のために提案されてきた。最も一般的には、そのようなパッケージは、通常「チップキャリア」と称される誘電体要素を含み、めっき又はエッチングされた金属構造体として形成された端子を、その誘電体上に有する。これらの端子は、典型的には、ダイキャリアに沿って延在する薄いトレースなどの導電性機能によって、及び、ダイのコンタクトと端子又はトレースとの間に延在する細いリード若しくはワイヤによって、ダイのコンタクト(例えば、接合パッド又は金属ポスト)に接続される。表面実装動作では、パッケージは、そのパッケージ上の各端子が、回路板上の対応する導体パッドと整列するように、回路板上に定置され得る。はんだ又は他の接合材料が、端子と導体パッドとの間に一般に提供される。パッケージは、はんだを融解又は「リフロー」するか、又は他の方式で接合材料を活性化するようにアセンブリを加熱することによって、所定の位置に恒久的に接合させることができる。
【0005】
多くのパッケージは、典型的には直径約0.025mm~約0.8mm(1~30ミル)のはんだボールの形態で、パッケージの端子に取り付けられた、はんだ塊を含む。その底部表面(例えば、ダイの前面の反対側の表面)から突出するはんだボールのアレイを有するパッケージは、通常、ボールグリッドアレイ又は「BGA」パッケージと称される。ランドグリッドアレイ又は「LGA」パッケージと称される他のパッケージは、はんだから形成された薄層又はランドによって、基板に固定される。このタイプのパッケージは、極めてコンパクトにすることができる。通常「チップスケールパッケージ」と称される特定のパッケージは、そのパッケージ内に組み込まれたデバイスの面積に等しい、又は僅かにのみ大きい回路板の面積を占める。このスケールは、アセンブリの全体のサイズを低減し、基板上の様々なデバイス間での短い相互接続の使用を可能とし、次いで、デバイス間の信号伝搬時間を制限し、このためそのアセンブリの高速な動作を容易にする点で有利である。
【0006】
半導体ダイはまた、例えば、1つのダイがキャリア上に提供され、別のダイが第1のダイの上部に実装される、「積層」配置で提供され得る。これらの配置は、多数の異なるダイを回路基板上の単一のフットプリント内に実装することを可能にすることができ、ダイ間に短い相互接続を提供することによって、高速動作を更に容易にすることができる。多くの場合、この相互接続距離はダイ自体の厚さより少しだけ大きくすることができる。相互接続がダイパッケージの積層体内で達成されるために、機械的及び電気的接続のための相互接続構造体は、各ダイパッケージの両側(例えば、面)上に提供されてもよい(最頂部パッケージを除く)。これは、例えば、ダイが実装される基板の両側に導体パッド又はランドを設けることによって行われ、パッドは、導電ビアなどによって基板を通して接続されている。積層チップ構成及び相互接続構造の例は、米国特許出願公開第2010/0232129号に提供されており、その開示は、本明細書に参照として組み込まれる。
【0007】
ダイ又はウエハはまた、様々な超小型電子パッケージングスキームの一部として、他の三次元配置で積層されてもよい。これは、1つ以上のダイ若しくはウエハの積層層を、より大きなベースダイ若しくはウエハ上に積み重ねること、垂直若しくは水平配置で複数のダイ若しくはウエハを積み重ねること、又は類似若しくは異種の基板を積み重ねることを含むことができ、基板のうちの1つ以上は、電気的若しくは非電気的要素、光学的若しくは機械的要素、及び/又はこれらの様々な組み合わせを含んでもよい。ダイ又はウエハは、直接誘電接合、ZiBond(登録商標)などの非接着技術、又はDBI(登録商標)などのハイブリッド接合技術を含む、様々な接合技術を使用して、積層構成で接合されてもよく、両方ともInvensas Bonding Technologies,Inc.(以前のZiptronix,Inc.)、Xperi companyから入手可能である(例えば、その全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,864,585号及び同第7,485,968号を参照されたい)。直接接合技術を使用して積層ダイを接合するとき、接合されるダイの表面は、通常極めて平坦かつ平滑であることが望ましい。例えば、一般に、表面が緊密に嵌合して持続する接合を形成することができるように、表面の表面トポロジー変動は非常に小さいべきである。例えば、接合面の粗さのばらつきは、3nm未満、好ましくは1.0nm未満であることが通常好ましい。
【0008】
いくつかの積層ダイ配置は、積層ダイの一方又は両方の表面上の粒子又は汚染の存在の影響を受けやすい。例えば、処理工程から残っている粒子又はダイ処理若しくはツールからの汚染は、積層ダイ間の不十分な接合領域などをもたらす恐れがある。ダイ処理中の余分な取り扱い工程は、問題を更に悪化させる恐れがあり、不要な残留物を残す恐れがある。
【0009】
詳細な説明は、添付の図を参照して説明される。図において、参照番号の左端の数字は、最初に参照番号が現れる図を特定する。異なる図における同じ参照番号の使用は、類似又は同一の項目を示す。
【0010】
この説明では、図に図示されるデバイス及びシステムは、多数の構成要素を有するものとして示されている。本明細書に記載されるようなデバイス及び/又はシステムの様々な実装形態は、より少ない構成要素を含んでもよく、本開示の範囲内にとどまり得る。あるいは、デバイス及び/又はシステムの他の実装形態は、追加の構成要素、又は記載された構成要素の様々な組み合わせを含んでもよく、本開示の範囲内にとどまる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】スピンプレートを用いた例示的なダイ処理シーケンスを示すテキストフロー図である。
図2】一実施形態による、ダイシングテープ又はデバイス処理用フィルム又は表面上で実行される例示的なダイ処理シーケンスを示すテキストフロー図である。
図3】一実施形態による、図2の例示的なダイ処理シーケンスのグラフィカルフロー図である。
図4】A~Eは、一実施形態による、ダイシングシートからウエハ又は表面にダイを移送するための例示的な工程を図式的に示す。
図5】A~Cは、一実施形態による、ダイが除去された例示的なダイシングシートを示す。
図6】第2の実施形態による、ダイシングテープ又はデバイス処理用フィルム又は表面上で実行される例示的なダイ処理シーケンスを示すテキストフロー図である。
図7】第3の実施形態による、ダイシングテープ又はデバイス処理用フィルム又は表面上で実行される例示的なダイ処理シーケンスを示すテキストフロー図である。
図8】一実施形態による、図7の例示的なダイ処理シーケンスのグラフィカルフロー図である。
図9A】様々な実施形態による例示的なダイ洗浄システムを示す。
図9B】様々な実施形態による例示的なダイ洗浄システムを示す。
図10A】他の実施形態による例示的なダイ洗浄システムを示す。
図10B】他の実施形態による例示的なダイ洗浄システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
概要
集積回路(IC)ダイを処理するための技術及びシステムの様々な実施形態が開示される。(他のダイ、基板、別の表面などとの)緊密な表面接合のために準備されるダイを、最小限の取り扱いで処理して、ダイの表面又は縁部の汚染を防止することができる。
【0013】
本技術は、様々な実施形態による、ダイがダイシングシート又は他のデバイス処理用フィルム又は表面上にある間にダイを処理することを含む。例えば、ダイは、ダイシングシート上にある間に洗浄、アッシング、及び活性化することができる(処理中の汚染に関して処理回数及び汚染の機会を排除する)。処理は、例えば、積層配置で接合するダイを準備することができる。処理後、ダイは、ダイシングシートから直接ピックされ、準備されたダイ受容面(別のダイ、基板など)に接合するために、その面上に配置することができる。
【0014】
様々な実施形態では、開示される技術を使用することにより、ダイの製造及び処理コストを低減することができ、ダイを含む電子パッケージの製造の複雑さを低減することができる。粒子及び汚染物質の影響を受けやすい恐れがある「Zibond(登録商標)」及び「Direct Bond Interconnect(DBI(登録商標))」技術を使用して積層及び接合されるダイは、特に利益を得ることができる。製造プロセスが、2つの対応する半導体及び/若しくは絶縁層間の低温共有結合(Zibond(登録商標)として既知のプロセス)を使用して2つの表面を接合することを含むかどうかかかわらず、又は、製造プロセスがまた、接合技術(DBI(登録商標)として既知のプロセス)と共に相互接続を形成することを含むかどうかにかかわらず、高レベルの平坦性及び清浄度が、一般に接合面にわたって望ましい。
【0015】
開示される技術はまた、例えば、デバイスの接合領域が、接合のための任意の形態のはんだ付け可能材料などの流動性質量材料を含んでもよい他の用途にも有益であり得る。接合面間の粒子又は汚れの最小化又は排除は、歩留り及び信頼性を劇的に改善することができる。一実装形態では、多数のダイのバッチは、大きなダイシングシートなどの大きなダイ又はウエハキャリアを使用して、多数のダイ又はウエハキャリアを使用してなど、一度に処理することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、いくつかのプロセス工程を排除することができ、製造の複雑性及びコストを低減する一方で、ダイの全体的な清浄度を改善する(例えば、粒子、汚染物質、残留物などの発生を低減する)。ダイの取り扱いの低減もまた、粒子の生成を最小限に抑えることができる。
【0017】
フロー図が図1に示され、処理中にダイを保持するためのスピンプレートを使用した例示的なダイ又はデバイス処理シーケンス100を示す。ブロック1~4において、プロセスは、ウエハの片面又は両面に保護コーティングを適用することによって、基板、例えばシリコンウエハを準備し、ウエハをダイシングシートなどの上でダイ(すなわち、第1のダイのセット)に個片化し、ダイ及びダイシングシートを紫外線(UV)に露光し、ダイシングシートを延伸し、ダイの表を上にしてダイをスピンプレートに移送することから始まる。ブロック5~9において、このプロセスは、ダイから有機層を洗浄する工程と、ダイの上面をプラズマアッシングしてダイ上の残りの有機残留物を除去する工程と、ダイを脱イオン水(DI)で更に洗浄する工程、例えば、ダイの上面をプラズマ活性化し、ダイを再洗浄する工程など、とを含む。
【0018】
ブロック10において、ダイをフリッププレートに移送して、ダイを下向きに配置する(すなわち、ダイの活性表面(例えば、第1の表面)は、下向き又はフリッププレートに向かって面している)。ブロック11において、ダイはピックアンドプレースステーションに移送される。この構成では、ダイは、裏面(例えば、表、前面若しくは第1の表面、又は活性表面の反対側の表面)からピックされ、接合のために準備された受容面上に下向きに配置される。ダイをピックアップするために、(例えば)ピッキング真空ツールは、接合される表面とは反対側の、ダイの裏面又は第2の表面に接触する。
【0019】
受容面は、基板、別のダイ、誘電体表面、ポリマー層、導電層、インターポーザの表面、別のパッケージ、平坦パネルの表面、又は更には別の回路若しくはシリコン若しくは非シリコンウエハの表面などの、準備された表面を含んでもよい。ダイの材料は、受容基板の材料と類似していてもよく、又は異なっていてもよい。また、ダイの表面は、受容基板の表面と異なっていてもよい。
【0020】
ブロック13において、基板上に配置されたダイは、ダイの表面と基板の受容面との間の接合を強化するために熱処理される。いくつかの実施形態では、追加のダイは、接合されたダイの裏面(例えば、第2の表面)又は利用可能な表面に取り付けられてもよい。裏面は、その中に活性デバイスを追加的に有してもよい。
【0021】
ブロック14~18において、受容面、例えば基板、及び接合されたダイの露出した裏面は、洗浄、プラズマアッシング、再洗浄、プラズマ活性化、及び再度洗浄される。ブロック19において、第2のダイのセット(ブロック1~11に記載されているように事前に準備された上面を有する)を、第1のダイのセット(積層ダイ配置を形成する)に取り付けることができる。一例では、第2のダイの前側の準備された表面(例えば、第1の表面)は、第1のダイの露出した裏面(例えば、第2の表面)に取り付けられる。ブロック20において、第1及び第2のダイを有するアセンブリは、積層体の接合を強化するために熱処理される。積層ダイ配置に追加される追加のダイ(例えば、第3以上のダイ)については、プロセスはブロック14にループバックされ、所望の量のダイが各積層体に追加されるまで続く。
【0022】
様々な例において、記載される製造プロセスは、少なくとも又は約13+7(n-1);n>0の工程を使用して完了することができる(式中、n=積層体内の所望のダイ量)。
【0023】
場合によっては、プロセスに含まれる多数の洗浄工程にもかかわらず、ダイには、ダイの1つ以上の表面上にいくらかの汚染又は粒子が残っている。例えば、ダイの上面又は前面は汚染を含まずに洗浄され得るが、ダイの底面又は裏面には、粒子又は汚染物が残り得る。更に、複数の処理工程中にダイを取り扱うことにより、ダイに粒子又は汚染物質を加える恐れがある。例えば、取り扱い中に使用されるツールは、汚染物質をダイに移す恐れがある。ダイ上の粒子又は欠陥の場所は、粒子又は欠陥が積層配置に潜在的に問題となり得るかどうかを判定することができる。例えば、いくつかの粒子及び欠陥は、積層ダイ間の不良な接合などを引き起こす恐れがある。別の例では、デバイスの清掃された上面が反転操作後に別の表面と接触するため、デバイス反転工程は汚染又は欠陥の発生源であり得る。
例示的な実装形態
【0024】
図2は、一実施形態による、ダイシンテープ(「ダイシングシート」)又は他の処理シートなどのキャリア上でダイが処理される例示的なダイ処理シーケンス200を示すフロー図である。図3は、例示的実施形態によるプロセス200のグラフィカルフロー図表示を示す。プロセス200は、図2及び図3を参照して説明されるが、本説明で言及される「ブロック」は、特に指定しない限り、図2の番号付きブロックを指す。
【0025】
ブロック1において、ウエハ302の一方又は両方の表面に1つ以上の保護層又はコーティング304を追加することなど、ウエハ302が処理される(ブロック2)。保護層304は、フォトレジスト、又は同様の保護剤を含んでもよい。ウエハ302は、ダイシングシート306に移送され、接着剤308によってダイシングシート306に一時的に固定される。ブロック3において、ウエハ302は、ダイシングシート306上にある間にダイ310に個片化される。
【0026】
ブロック4において、ダイ310は、ダイシングシート306に取り付けられている間にダイ310の縁部を含む粒子を除去するために洗浄される。洗浄は、機械的かつ/又は化学的に行うことができる。例えば、ダイ310は、微細なCO2粒子と衝突してもよく、かつ/又は超音波によって、若しくはメガソニックによって強化され得るブラシ洗浄工程を受けてもよい。(図3に示されるように)ブラシ312は、任意の方向に回転してもよく、又は別の方法でダイ310の表面に対して移送してもよい。ダイ310は、追加的に又は代替的に、ウェットエッチング、ウォーターピックなどを受けてもよい。ブロック5において、ダイシングシート306を、ダイ310の縁部の洗浄に対応するように、ダイ310間の空間を形成するようにわずかに延伸することができる。ダイシングシート306上のダイ310は、レジスト304及び/又は接着剤308の層を分解するために、紫外線(UV)に露光され得る。ダイシングシート306を、必要に応じて更に延伸して、ダイシングシート306から除去するためのダイ310の準備をすることができる。
【0027】
ブロック6において、ダイ310がダイシングシート306上にある間に、レジスト層304の残りの残留物がダイ310の露出した表面(例えば、第1の表面)から洗浄除去される。洗浄溶液、並びに本明細書に記載されるものなどの他の化学的及び/又は機械的洗浄技術を使用してもよい。加えて、ダイ310の第1の(例えば、露出された)表面を、ダイ310がダイシングシート306上に残っている間にプラズマアッシング(例えば、酸素アッシング)して、望ましくない有機残留物を除去する。
【0028】
ブロック7において、ダイ310の第1の表面は、湿式洗浄技術(例えば、脱イオン水、洗浄溶液など)を使用して再度洗浄され、湿式洗浄技術は、メガソニックスクラブ、機械的ブラシスクラブ、若しくは撹拌、又は他の好適な洗浄技術を含んでもよい。例えば、場合によっては、アッシング工程後に、湿式洗浄によって、及び/又はCO2粒子流、若しくは回転ブラシ、ウォーターピック、若しくはメガソニックアシスト湿式洗浄技術(megasonic assisted wet cleaning technique)、若しくはこれらの組み合わせによって、追加の洗浄が実行されてもよい。
【0029】
ブロック8において、ダイ310の第1の表面をプラズマ活性化して(例えば、窒素プラズマなど)、ダイ310を積み重ねるための接合を生成又は強化する。ブロック9において、活性化されたダイ310は、湿式洗浄技術(例えば、脱イオン水、高温脱イオン水、水蒸気、又は高pH洗浄溶液など)を使用して洗浄され、湿式洗浄技術は、メガソニック、又は上述の洗浄技術の組み合わせなどで強化され得る。
【0030】
ブロック10において、ダイ310(例えば、既知の良好なダイ)310は、受容面314に接合するために、ダイシングシート306から受容面314(準備されたダイ、基板など)に移送される。場合によっては、上述の様々な洗浄プロセス及び表面活性化プロセスは、ダイ310及び/又は受容面314の露出された表面上で実行されてもよい。
【0031】
様々な実施形態において、ダイ310は、(図4及び図5に示されるように)「打ち抜き」技術を使用して、ダイシングシート306から移送される。打ち抜き技術により、ダイ310(例えば、既知の良好なダイ)を、ダイ310の表面又は縁部を汚染することなく移送することが可能になる。また、打ち抜き技術により、ダイ310(例えば、既知の良好なダイ)を接合面314に「下向き」に接合することが可能になり、これは、DBIハイブリッド接合技術、はんだバンプなどを使用して、ダイ310の第1の表面が受容面314に面することを伴う。
【0032】
一例では、図4(A)、図5(A)、及び図5(B)に示されるように、延伸されたダイシングシート306は、グリップリング402又はフレームなどによって保持される。ダイシングシート306上のダイ310は、間隙404(幅約2μm~200μm)によって分離され、このことは、少なくとも部分的に延伸に起因し得る。図4(B)及び図4(C)に示されるように、ダイシングシート306は、ダイシングブレード、高温ナイフ、光学ナイフ(レーザーアブレーション)などの様々なツール406のうちの1つ以上を使用して、ダイ310間の間隙404に沿って穿孔されてもよい。一実施形態では、穿孔により、ダイ310(例えば、既知の良好なダイ)を個別にダイシングシート306から打ち抜き、他のダイ310をダイシングシート306上の所定の位置に残すことが可能になる。真空ツール408など(すなわち、「ピックアップヘッド」)を使用して、個々のダイ310を穿孔されたダイシングシート306(図4(B)に示すように)から、例えば、ダイシングシート306の裏面から、打ち抜くことができる。真空ツール408は、ダイシンテープ306(又は処理シート)の一部が、ツール408とダイ310との間の定位置にある状態で、ダイ310の反対側のダイシングテープ306の表面からダイ310(例えば、既知の良好なダイ)を移送することができる。したがって、ダイ310(例えば、既知の良好なダイ)は、真空ツール408がダイ310の接合されるべき表面又は縁部を汚染することなく、接合面314に到達する。ダイ310の裏面に取り付けられたままであるテープ306の部分(例えば、既知の良好なダイ)は、それによってダイ310がツール408との接触により汚染されるのを防ぐ。
【0033】
図4(D)は、ダイ310が除去されたダイシングシート306の断面図を示す。ダイシングシート306の一部がダイ310と共に除去されるため、ダイシングシート306内に孔410が存在する(これは図5(A)~図5(C)に更に示されている)。図4(E)は、接合のために基板314上に配置された多数のダイ310を示す。
【0034】
別の実施形態では、デバイスピックアップヘッド408(例えば、真空ツール)は、ダイ310(例えば、既知の良好なダイ)の裏側からダイ310(例えば、既知の良好なダイ)をダイシングシート306を通してピックし、同時に対応するツールが、レーザ源(又は同様のもの)でダイ310の周囲の周りでダイシングシート306をアブレーションする。いくつかの用途では、ダイ310が裏側から真空ツール408によってピックアップされる間、加熱されたナイフ406の縁部を使用して、ダイ310をダイシングシート306から完全に分離するために、ダイ310の周りでダイシングシート306を溶解してもよい。ダイ310の表面に不活性ガスを適用して、デバイス分離工程からの煙又は他の汚染物質がダイ310の洗浄された表面を、汚染するのを防止することができる。他の実施形態では、不活性ガスの代わりに真空を使用することができるが、更なる実施形態では、不活性ガス及び真空の両方が、デバイス分離プロセス中にダイ310の表面を保護するために使用される。
【0035】
様々な実装では、ダイ310の洗浄されて、露出された表面は、受容基板314の表面を除いて、任意の別の表面又は材料によって接触されない。これは、ダイ310(例えば、既知の良好なダイ)の洗浄された表面が、一般に、受容フリッププレートの一部と接触する、いくつかの従来技術とは対照的である。他の一般的な技術では、例えば真空ピックアップデバイス408は、洗浄されたダイ310の表面の一部に触れることによって清浄なダイ310(例えば、既知の良好なダイ)をピックアップすることができ、これにより、タッチされた表面を汚染する恐れがある。
【0036】
図2及び図3に戻って参照すると、ブロック11において、新たに積層されたダイ310を有するウエハ又は基板314は、基板314へのダイ310の接合を強化するために熱処理される(例えば、50~150°Fまで)。ブロック12において、ダイ310の現在露出された表面(「裏面」、つまり「第2の表面」)及び基板314は、化学的洗浄技術及び/又は機械的洗浄技術(例えば、界面活性剤、非PVA回転ブラシ、メガソニックなど)によって準備される。これにより、ダイ310の裏面から、残りの接着剤308、ダイシングシート306、保護層304、又は他の残留物を除去する。ブロック13において、ダイ310の裏面がプラズマ活性化されて、更なる接合の準備が行われる。
【0037】
ブロック14において、追加の準備されたダイ316は、本明細書に開示される技術によって分離され、例えば、基板314上に予め配置されたダイ310の準備された裏側(例えば、第2の)表面上に、第1の表面を「下向き」に(例えば、活性な面を下にして、準備された面を下にしてなど)配置される。新たに追加されたダイ316は、ダイ310への接合を強化するために熱処理される(例えば、ブロック11)。積層ダイ配置に追加される追加のダイ316(例えば、第3以上のダイ)については、プロセスはブロック12にループバックされ、所望のダイ310、316の量が各積層体に追加されるまで続く。
【0038】
様々な例において、記載される製造プロセスは、約11+2(n-1);n>0の工程を使用して完了することができる(式中、n=積層体内の所望のダイ310、316の量)。これは、図1:(13+7(n-1))に関連して説明されるプロセスと比較したときの製造工程の有意な低減を表す。プロセス工程を低減することによって製造コスト及び複雑性が低減されるだけでなく、ダイ310を汚染する機会も低減され、より低いコストでより良好な品質及びより高いスループットをもたらす。低減された処理工程は、ダイ310当たりのコスト削減につながり、スピンプレート(又は同様の処理部品)の排除は、更なる製造コスト削減につながる。例えば、スピンプレートを使用して、約50~100個のダイ310を一度に処理することができ、説明されるようなダイシングシート306プロセスを使用して、約200~10,000個のダイ310又はそれ以上を一度に処理することができる。
【0039】
ダイシングシート306上のダイ310を処理するための第2の例示的実施形態600を図6に示す。例示的実施形態600は、プロセス工程を低減することも含めて、プロセス工程の一部が異なる順序で実行されてもよいことを示す。例えば、ブロック1~3において、前述のようにウエハ302は、保護コーティング304で処理され、ダイシングシート306上でダイ310に個片化され、ダイシングシート306上で洗浄される。所望により、ダイシングシート306は、ダイ310間の洗浄に対応するように多少延伸されてもよく、かつ/又はダイ310は、レジスト304及び接着剤308を分解するために、UV光に露光されてもよい。ブロック4において、ダイ310の第1の表面を、ダイ310がダイシングシート306上に残っている間にプラズマアッシング(例えば、酸素アッシング)して、第1の表面から望ましくない有機残留物(又は他の汚染物質)を除去する。
【0040】
ブロック5において、上述したような湿式洗浄技術(例えば、脱イオン水、洗浄溶液など)を使用して、ダイ310のアッシングされた表面を洗浄し、湿式洗浄技術にはメガソニックなどが含まれてもよい。ブロック6において、ダイ310の第1の表面をプラズマ活性化して(例えば、窒素プラズマなど)、ダイ310を積み重ねるための接合を生成又は強化する。ブロック7において、活性化されたダイ310はUV光に露光され、ダイシングシート306は部分的に延伸される。ブロック8において、活性化されたダイ310は、湿式洗浄技術(例えば、脱イオン水、高温脱イオン水、水蒸気、又は高pH洗浄溶液など)を使用して洗浄され、湿式洗浄技術は、メガソニック、又は上述の洗浄技術の組み合わせなどで強化され得る。
【0041】
ブロック9において、ダイ310は、ダイシングシート306から接合表面314に移送され、例えば、DBIハイブリッド接合技術、はんだバンプなどを使用して、第1の表面を「下向き」にして接合される。様々な実施形態では、ダイ310は、上述の「打ち抜き」技術を使用して、ダイシングシート306から移送される(ダイシングシート306を穿孔し、真空ツール408などを使用してダイ310を移送することを含むが、一方ダイシングシート306の一部はダイ310上に残って、ダイ310を真空ツール408による汚染から保護する)。ブロック10において、ダイ310及び基板314は、ダイ310の基板314への接合を強化するために熱処理される(例えば、50~150°Fまで)。ブロック11において、ダイ310の露出された表面(「裏面」、つまり「第2の表面」)及び基板314は、化学的洗浄技術及び/又は機械的洗浄技術(例えば、界面活性剤、非PVA回転ブラシ312、メガソニックなど)を使用して洗浄される。これにより、ダイ310の裏面から、残りの接着剤308、又は他の残留物を除去する。ブロック12において、ダイ310の裏面がプラズマ活性化されて、更なる接合の準備が行われる。
【0042】
ブロック13において、追加のダイ316を、(上述のように)穿孔されたダイシングシート306から打ち抜き、例えば、基板314上に予め配置されたダイ310の裏側の(例えば、露出された)表面上に「下向き」に配置してもよい。新たに追加されたダイ316は、接合を強化するために熱処理される(例えば、ブロック10)。積層ダイ配置に追加される追加のダイ310、316(例えば、第3以上のダイ)については、プロセスはブロック11にループバックされ、所望のダイ310、316の量が各積層体に追加されるまで続く。
【0043】
様々な例において、記載される製造プロセスは、約10+2(n-1);n>0の工程を使用して完了することができ(式中、n=積層体内の所望のダイ310、316の量)、工程、複雑性、及びコストの更なる低減をもたらす。
【0044】
図7は、第3の実施形態による、ダイシングテープ306で実行される別の例示的なダイ310処理シーケンス700を示すフロー図である。図8は、例示的な実装形態による、図7の例示的なダイ処理シーケンス700のグラフィカル表示である。図7及び図8の例示的な実施形態では、プラズマアッシング工程(すなわち、図6のブロック4)が除去され、プロセス工程が低減される。
【0045】
ブロック1~3において、前述のようにウエハ302は、保護コーティング304で処理され、ダイシングシート306上でダイ310に個片化され、ダイシングシート306上で洗浄される。所望により、ダイシングシート306は、ダイ310間の洗浄に対応するように多少延伸されてもよく、かつ/又はダイ310は、レジスト304及び接着剤308を分解するために、UV光に露光されてもよい。ブロック4において、ダイ310の第1の表面をプラズマ活性化して(例えば、窒素プラズマなど)、ダイ310を積み重ねるための接合を生成又は強化する。ブロック5において、活性化されたダイ310は、湿式洗浄技術(例えば、脱イオン水、高ph洗浄溶液など)を使用して洗浄され、湿式洗浄技術は、メガソニックスクラブ、撹拌、又は他の好適な洗浄技術を含んでもよい。ブロック6において、活性化されたダイ310はUV光に露光され、ダイシングシート306は部分的に延伸される。
【0046】
ブロック7において、ダイ310は、ダイシングシート306から接合表面314に移送され、DBIハイブリッド接合技術、はんだバンプなどを使用して、第1の表面を「下向き」にして接合される。様々な実施形態では、ダイ310は、上述の「打ち抜き」技術を使用して、ダイシングシート306から移送される(ダイシングシート306を穿孔し、真空ツール408などを使用してダイ310を移送することを含むが、一方ダイシングシート306の一部はダイ310上に残って、ダイ310を真空ツール408による汚染から保護する)。ブロック8において、ダイ310及び基板314は、ダイ310の基板314への接合を強化するために熱処理される(例えば、50~150°Fまで)。ブロック9において、ダイ310の露出された表面(「裏面」、つまり「第2の表面」)及び基板314は、化学的洗浄技術及び/又は機械的洗浄技術(例えば、界面活性剤、メタノール、非PVA回転ブラシ312、メガソニックなど)を使用して洗浄される。これにより、ダイ310の裏面から、残りの接着剤308、又は他の残留物を除去する。ブロック10において、ダイ310の裏面がプラズマ活性化されて、更なる接合の準備が行われる。
【0047】
ブロック11において、追加のダイ316を、穿孔されたダイシングシート306から打ち抜き、例えば、基板314上に予め配置されたダイ310の裏面(例えば、露出された表面)上に「下向き」(例えば、準備された面を下)に配置してもよい。新たに追加されたダイ316は、接合を強化するために熱処理される(例えば、ブロック8)。積層ダイ配置に追加される追加のダイ310、316(例えば、第3以上のダイ310、316)については、プロセスはブロック9にループバックされ、所望のダイ310、316の量が各積層体に追加されるまで続く。
【0048】
様々な例において、記載される製造プロセスは、約8+2(n-1);n>0の工程を使用して完了することができ(式中、n=積層体内の所望のダイ310、316の量)、工程、複雑性、及びコストの更なる低減をもたらす。デバイス積層工程の後、積層ダイ310及び受容面314は、次の高温まで更に処理されてもよい。処理温度は、15分~最大5時間以上の範囲の時間にわたって、80~370℃の範囲であり得る。処理温度が低いほど、処理時間は長くなる。
【0049】
プロセス700の一実施形態では、処理/ダイシングされるウエハ302は、露出された又は第1の表面上にはんだバンプ又は他のリフロー可能な接合材料(図示せず)などの相互接続部を含んでもよい。この実施形態では、リフロー可能な相互接続接合構造体又は構造体(複数)は、多くの場合、リフロー可能な機構がダイシングシート306の接着剤層308に直接接触しないように、ダイシングシート306又は処理シート上に上向きに配置される。ウエハ302は、リフロー可能な相互接続構造体を覆う保護コーティング304で処理されてもよい。ウエハ302は、ダイシングシート306上にある間にダイ310に個片化され、上述のブロック1~3に関して前述したように、ダイシングシート306上にある間に洗浄される。所望により、ダイシングシート306は、ダイ310とダイ310の縁部との間の洗浄に対応するように多少延伸されてもよく、かつ/又はダイ310は、レジスト304及び接着剤308を分解するために、UV光に露光されてもよい。
【0050】
ブロック4において、ダイ310の第1の表面(例えば、露出された表面)は、プラズマ洗浄方法(例えば、酸素アッシングなど)で洗浄されてもよい。ブロック5において、ダイシングシート306上のダイ310は、上述のような湿式洗浄技術(例えば、脱イオン水、高ph洗浄溶液など)を使用して更に洗浄することができ、湿式洗浄技術には、所望により、メガソニック、撹拌などを含んでもよい。ブロック6において、洗浄されたダイ310及びダイシングシート306は、UV光に露光されてもよく、ダイシングシート306は更に延伸されてもよい。
【0051】
ブロック7において、ダイ310は、本明細書に記載される技術を使用して、ダイシングシート306から受容面314に移送され、第1の表面を「下向き」(例えば、準備された表面を下)にして接合される。いくつかの実施形態では、受容基板314は、例えば、ポリマー層、非充填アンダーフィル(no-fill underfill)、又は接着シートの部分を含み得る。様々な実施形態では、ダイ310は、上述の「打ち抜き」技術を使用して、ダイシングシート306から移送される(ダイシングシート306を穿孔し、真空ツール408などを使用してダイ310を移送することを含むが、一方ダイシングシート306の一部は各ダイ310上に残って、ダイ310を真空ツール408による汚染から保護する)。
【0052】
ブロック8において、ダイ310及び基板314は、ダイ310を受容基板314に電気的に結合するために熱処理されてもよい。いくつかの用途では、アンダーフィル材料は、デバイス310を基板314の受容面に更に機械的に結合するために、接合されたデバイス310の周囲に形成されてもよい。ブロック9において、移送されたダイ310の露出された表面及び基板314は、化学的洗浄技術及び/又は機械的洗浄技術(例えば、界面活性剤、メタノール、非PVA回転ブラシ312、メガソニックなど)を使用して洗浄される。これにより、ダイ310の裏面から、残りの接着剤308、又は他の残留物を除去する。ブロック10において、移送されたダイ310の露出された表面がプラズマ活性化されて、更なる接合の準備が行われる。いくつかの用途では、接合されたデバイス310は、ダイ310を受容基板314に電気的に結合するために、熱処理の前に洗浄されてもよい。
【0053】
上述のように、様々な処理工程又は段階において、ダイ310、316及び/又は基板314は、化学的洗浄技術及び/又は機械的洗浄技術(例えば、界面活性剤、メタノール、非PVA回転ブラシ312、メガソニックなど)を使用して洗浄される。図9A及び図9Bは、様々な実施形態による、この目的のために使用され得る例示的なダイ洗浄システムを示す。洗浄プロセス及びシステムは、ダイ310又は基板314の受容面を参照して説明されるが、プロセス及びシステムは、ダイ310、316及び基板314、並びに誘電体表面、ポリマー層、導電層、インターポーザ、パッケージ、パネル、回路、シリコン又は非シリコンウエハなどに適用可能であることを理解されたい。
【0054】
図9Aを参照すると、例示的な洗浄順序では、洗浄される物体(複数可)(例えば、ダイ310又はキャリアなど)は、洗浄及び/又は他の処理のために、処理装置902(例えば、示されるようなターンテーブル又はスピンプレートなど)上に装填される。洗浄プロセスは、ダイ310がターンテーブル902上で回転し得る間に、近接性メガソニックエネルギーを、メガソニック変換器904を介して洗浄液に適用することを含む。変換器904は、ダイ310への音波エネルギーの更なる適用を改善するために、ダイ310が回転する間に前後に走査され得る。音波エネルギーは、さもなければダイ310の表面から除去することが困難であり得る粒子を緩めるのに役立つ。
【0055】
図9Bを参照すると、次に変換器904は除去され、ダイ310の表面はブラシ906でブラシ掛け洗浄されてもよい。ブラシ906は、例えば、ターンテーブル902が回転する間に前後に走査されてもよい。この洗浄プロセスが十分な粒子を除去するのに成功しない場合、プロセスは所望に応じて繰り返されてもよい。洗浄プロセスが完了すると、ダイ310をすすいで乾燥させる。しかしながら、場合によっては、これは複数のサイクルを必要とすることがあり、それでもなお、ダイ310から全ての残留物を洗浄するには不十分な場合がある。
【0056】
図10A及び図10Bを参照すると、技術及びシステムは、単一プロセスにおけるダイ/ウエハ/基板の表面の改善された洗浄を提供する。図10A及び図10Bは、様々な実施形態による例示的なダイ310洗浄システム1000を示す。メガソニック変換器1002及び1つ以上のブラシヘッド1004を含む統合メガソニックブラシシステム1000が開示される。
【0057】
第1の実施形態では、図10Aに示すように、統合メガソニックブラシシステム1000は、ターンテーブル902(又は他のプロセス表面)上のダイ310に近接して配置される。統合メガソニックブラシシステム1000は、変換器1002がダイ310の表面から最適な距離にあるように、かつブラシ(複数可)1004がダイ310の表面上に所望の接触圧を有するように配置される。洗浄液は、例えば、ダイ310の表面に適用される。変換器1002は、洗浄液を介してダイ310の表面に音波エネルギーを印加するが、ブラシ(複数可)1004は、ダイ310の表面から粒子を同時にブラシ掛けする。様々な実装形態では、ダイ310は、ターンテーブル902上で回転され、かつ/又は統合メガソニックブラシシステム1000は、更なる洗浄のために前後に走査される。
【0058】
一実装形態では、流体高さセンサ1006は、ダイ310の表面に適用される洗浄液の量を制御すること、例えば、洗浄液リザーバに信号を送ることを補助する。この実装形態では、流体高さセンサ1006はダイ(複数可)310の上方に位置付けられ、ダイ(複数可)310の上の流体の高さを検出するように設けられている。流体高さセンサ1006は、流体の高さが第1の所定量未満であるときに少なくとも第1の信号を流体源に送り、流体の高さが第2の所定量より大きいときに、流体源に第2の信号を送るように設けられている。単一のシステム及びプロセスにおけるメガソニック及びブラシ掛けの組み合わせは、単一のプロセスにおけるより完全な洗浄を可能にし、これは重ねての洗浄繰り返しを排除することができる。
【0059】
第2の実施形態では、図10Bに示すように、ダイ310の表面をブラシ掛けしながら、1つ以上のブラシ1004を回転ユニット1008を介して回転させることができる。例えば、水力、又は導管1010、ケーブルなどを介して送達される任意の他の好適な手段(空気、電気、機械など)を使用してブラシ(複数可)1004を回転させることができる(例えば、回転ユニット1008は、ブラシ1004を回転させてもよい)。ブラシ(複数可)1004の追加の回転は、単一の洗浄システム及びプロセスにおいて、ダイ310の表面から困難な粒子を除去するのを支援することができる。
【0060】
この技術及びシステムは、より少ないプロセス工程でクリーナー接合表面を提供することによって、積層配置で接合されるダイ310を準備することができる。処理及び洗浄の後、ダイ310を、上述のように、ピックし、ダイ受容面314(別のダイ、基板など)に接合するために受容面314上に配置することができる。粒子及び汚染物質の影響を受けやすい恐れがある「Zibond(登録商標)」及び「Direct Bond Interconnect(DBI(登録商標))」技術を使用して積層及び接合されるダイ310は、特に利益を得ることができる。開示される技術はまた、例えば、ダイ310の接合領域が、接合のための任意の形態のはんだ付け可能材料などの流動性質量材料を含んでもよい他の用途にも有益であり得る。接合面間の粒子又は汚れの最小化又は排除は、歩留り及び信頼性を劇的に改善し得る。更なる利点としては、洗浄プロセス及び洗浄装置の改善された効率、より単純化されたプロセス工程及びプロセス装置、洗浄サイクル時間の著しい低減などが挙げられる。
【0061】
開示された技術及びシステムが使用され得る洗浄サイクルの例としては、CMPプロセス後、エッチング後などにダイ310を洗浄すること、ダイ310から有機(又は無機)製造及び処理層を洗浄すること、ダイ310の表面をプラズマアッシングした後に、脱イオン水(DI)、塩基性若しくは酸性溶液、又はわずかに塩基性若しくはわずかに酸性の配合物、溶媒、又はそれらの様々な組み合わせでダイ310を洗浄すること、ダイ310の表面をプラズマ活性化した後にダイ310を再洗浄することなどが挙げられる。様々な実施形態において、アッシング工程は省略されてもよく、ダイ310は、例えば、図10A及び図10Bに記載される装置で洗浄されてもよい。一実施形態では、例えば、保護層304は、保護層304を好適な溶媒で除去するために、適用された音波エネルギー及びブラシ1004の機械的作用を使用する図10A及び図10Bに記載される装置を使用して洗浄除去されてもよい。ツール及びデバイスの相互汚染を防止するために、その後の工程において、洗浄されたダイ310は、例えば、アッシング工程を排除するため、又はダイ310の活性化後に、追加の洗浄のために、図10A及び図10Bを参照して説明される種類の別の洗浄ステーションに移送されてもよい。
【0062】
様々な先行する段落に記載されているように、個片化されたダイ310は、キャリア306上で処理されてもよい。いくつかの実施形態では、既知の良好なダイ310はキャリア306から除去され、キャリア306の少なくとも一部は、既知の良好なダイ310の第2の表面に取り付けられている。第1の既知の良好なダイ310は、第1の既知の良好なダイ310の第1の表面で基板314の準備された表面に取り付けられる。同様に、第1の既知の良好なダイ310の第2の表面を洗浄し(キャリア306の部分を洗浄除去することを含む)、別の既知の良好なダイ316の接合のために準備することができる。実際には、接合されたダイ310、316のいずれかの裏面(例えば、第2の側面)を準備することができ、追加のダイ310、316をその上に接合することができる。任意の追加のダイ310、316は、所望に応じて、以前に接合されたダイ310、316に接合されてもよい。様々な実施形態において、積層接合ダイ(310、316など)は、1~200個のダイ310、316、また好ましくは1~100個のダイ310、316、また更に好ましくは1~20個の既知の良好なダイ310、316の範囲であり得る。
【0063】
記載される技術は、ZiBond(登録商標)及びDBI(登録商標)製造デバイスなどのためのより良好なデバイス及びパッケージの信頼性、より高い性能、及び改善されたプロフィットマージンをもたらすことができる。開示された技術の他の利点も、当業者には明らかであろう。
結論
【0064】
本開示の実装形態は、構造的特徴及び/又は方法論的行為に特有の言語で説明されてきたが、実装形態は、記載されている特定の特徴又は行為に必ずしも限定されないことを理解されたい。むしろ、特定の特徴及び行為は、例示的なデバイス及び技術を実装する代表的な形態として開示されている。
【0065】
本文書の各請求項は、別個の実施形態を構成し、異なる請求項及び/又は異なる実施形態を組み合わせる実施形態は、本開示の範囲内であり、本開示を再検討すると当業者には明らかとなるであろう。
図1
図2
図3
図4(A)】
図4(B)】
図4(C)】
図4(D)】
図4(E)】
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B