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特許7106588情報処理装置、方法及び交通リスク低減プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法及び交通リスク低減プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20220719BHJP
   G08G 1/017 20060101ALI20220719BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G08G1/017
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020020986
(22)【出願日】2020-02-10
(65)【公開番号】P2021128386
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2020-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 裕太
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 紘平
(72)【発明者】
【氏名】堀 隆之
(72)【発明者】
【氏名】海老沢 憲一
(72)【発明者】
【氏名】中谷 寛樹
(72)【発明者】
【氏名】鎌倉 嘉生
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-116409(JP,A)
【文献】特開2017-204025(JP,A)
【文献】特開2018-090108(JP,A)
【文献】特開2019-144920(JP,A)
【文献】国際公開第2018/225178(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラによって撮影された画像に含まれる対象自動車と、当該画像に基づいて推定された対象自動車の位置と対応する位置情報が取得された自動車とを紐付ける紐付処理を実行する紐付部
を備え、
前記紐付部は、
画像に含まれる前記自動車が交通事故に巻き込まれる可能性が高い自動車である場合に、前記対象自動車に対して前記紐付処理を実行する情報処理装置。
【請求項2】
自動車から取得された位置情報を当該自動車の識別子と関連付けて蓄積する記憶部にアクセス可能な情報処理装置であって、
カメラによって撮影された画像に含まれる対象自動車と、当該画像に基づいて推定された対象自動車の位置と対応する位置情報が取得された自動車とを紐付ける紐付処理を実行する紐付部と、
前記対象自動車と紐付けられた自動車の識別子に基づいて当該自動車の宛先を取得し、前記宛先に対して、前記対象自動車に対して送信すべき情報を送信する送信部とを備える情報処理装置。
【請求項3】
カメラによって撮影された画像に含まれる対象自動車と、当該画像に基づいて推定された対象自動車の位置と対応する位置情報が取得された自動車とを紐付ける紐付処理を実行する紐付部と、
前記対象自動車と紐付けられた自動車に対し、前記対象自動車に対して送信すべき情報を送信する送信部とを備え、
前記送信部は、前記対象自動車に対する走行に関する制御情報を含む情報を送信する情報処理装置。
【請求項4】
自動車から取得された位置情報を当該自動車の識別子と関連付けて蓄積する記憶部にアクセス可能な情報処理装置であって、
カメラによって撮影された画像に含まれる対象自動車の位置を、当該画像に基づいて推定し、
前記推定された対象自動車の位置をクエリとして前記記憶部を検索し、前記位置に対応する位置情報と関連付けされている自動車の識別子を特定し、
前記識別子に紐づく宛先に、前記対象自動車に対して送信すべき情報を送信する情報処理装置。
【請求項5】
自動車から取得された位置情報と当該自動車の識別子とを関連付けて蓄積する記憶部、及び、自動車の外見上の特徴と当該自動車の識別子とを関連付けて記憶する外見特徴記憶部にアクセス可能な情報処理装置であって、
対象自動車を撮影したカメラが映す範囲と対応する現実世界における位置の範囲、及び、前記カメラに映る対象自動車の外見上の特徴を検索クエリとして、前記記憶部及び前記外見特徴記憶部を検索し、クエリに対応する自動車の識別子を取得し、当該自動車の識別子に紐づく宛先を取得する紐付部と、
前記宛先に対して、前記対象自動車に対して送信すべき情報を送信する送信部と
を備える情報処理装置。
【請求項6】
ナンバープレートと、当該ナンバープレートを備える自動車の宛先とを関連付けて記憶している記憶部にアクセス可能であり、
カメラによって撮影された画像に交通事故に巻き込まれる可能性が高い自動車が含まれる場合は、当該画像から当該自動車のナンバープレートを特定し、特定したナンバープレートに基づいて前記記憶部を検索することにより当該ナンバープレートを備える自動車の宛先を特定し、特定された宛先に対して、前記自動車に対して送信すべき情報を送信する、情報処理装置。
【請求項7】
前記送信すべき情報は、前記カメラが撮像した画像を分析することにより決定された情報である、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記紐付部は、
前記カメラが映す範囲と現実世界における位置の範囲との対応関係を把握しており、前記画像全体に対する前記対象自動車に対応する部分の位置に基づいて、前記対象自動車の現実世界における位置を推定し、推定した対象自動車の位置と、前記自動車から取得された位置情報が示す位置とが所定の条件を満たす場合は、当該対象自動車と前記自動車とを紐付ける
請求項1~のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記紐付部は、
前記カメラが映す画像の所定の座標と現実世界の位置との対応関係を把握しており、前記画像内における、前記座標と前記対象自動車に対応する部分との相対的な位置関係に基づいて、前記対象自動車の現実世界における位置を推定し、推定された対象自動車の位置と、前記自動車から取得された位置情報が示す位置とが所定の条件を満たす場合は、当該対象自動車と前記自動車とを紐付ける
請求項1~のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記紐付部は、
前記カメラが映す画像に含まれるランドマークの現実世界における位置を把握しており、前記画像内における、前記ランドマークと前記対象自動車に対応する部分との相対的な位置関係に基づいて、前記対象自動車の現実世界における位置を推定し、推定された対象自動車の位置と、前記自動車から取得された位置情報が示す位置とが所定の条件を満たす場合は、当該対象自動車と前記自動車とを紐付ける
請求項1~のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記紐付部は、
前記画像を緯度及び経度に対応する区画に区分することで推定される前記対象自動車の緯度及び経度と、前記自動車から取得された位置情報が示す位置とが所定の条件を満たす場合は、当該対象自動車と前記自動車とを紐付ける
請求項1~のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記紐付部は、
第1の画像を緯度及び経度に対応する区画に区分した情報と、第2の画像を緯度及び経度に対応する区画に区分した情報とを組合せることで推定される対象自動車の緯度及び経度と、前記自動車から取得された位置情報が示す位置とが所定の条件を満たす場合は、当該対象自動車と前記自動車とを紐付ける
ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記カメラは監視カメラである、請求項1~12のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項14】
コンピュータが実行する方法であって、
監視カメラによって撮影された画像に含まれる対象自動車と、当該画像に基づいて推定された対象自動車の位置と対応する位置情報が取得された自動車とを紐付ける紐付処理を実行する紐付工程
を含み、
前記紐付工程は、
画像に含まれる前記自動車が交通事故に巻き込まれる可能性が高い自動車である場合に、前記対象自動車に対して前記紐付処理を実行する方法。
【請求項15】
自動車から取得された位置情報を当該自動車の識別子と関連付けて蓄積する記憶部にアクセス可能なコンピュータが実行する方法であって、
カメラによって撮影された画像に含まれる対象自動車と、当該画像に基づいて推定された対象自動車の位置と対応する位置情報が取得された自動車とを紐付ける紐付処理を実行する紐付工程と、
前記対象自動車と紐付けられた自動車の識別子に基づいて当該自動車の宛先を取得し、前記宛先に対して、前記対象自動車に対して送信すべき情報を送信する送信工程とを含む方法。
【請求項16】
コンピュータが実行する方法であって、
カメラによって撮影された画像に含まれる対象自動車と、当該画像に基づいて推定された対象自動車の位置と対応する位置情報が取得された自動車とを紐付ける紐付処理を実行する紐付工程と、
前記対象自動車と紐付けられた自動車に対し、前記対象自動車に対して送信すべき情報を送信する送信工程とを含み、
前記送信工程は、前記対象自動車に対する走行に関する制御情報を含む情報を送信する方法。
【請求項17】
自動車から取得された位置情報を当該自動車の識別子と関連付けて蓄積する記憶部にアクセス可能なコンピュータが実行する方法であって、
カメラによって撮影された画像に含まれる対象自動車の位置を、当該画像に基づいて推定し、
前記推定された対象自動車の位置をクエリとして前記記憶部を検索し、前記位置に対応する位置情報と関連付けされている自動車の識別子を特定し、
前記識別子に紐づく宛先に、前記対象自動車に対して送信すべき情報を送信する方法。
【請求項18】
自動車から取得された位置情報と当該自動車の識別子とを関連付けて蓄積する記憶部、及び、自動車の外見上の特徴と当該自動車の識別子とを関連付けて記憶する外見特徴記憶部にアクセス可能なコンピュータが実行する方法であって、
対象自動車を撮影したカメラが映す範囲と対応する現実世界における位置の範囲、及び、前記カメラに映る対象自動車の外見上の特徴を検索クエリとして、前記記憶部及び前記外見特徴記憶部を検索し、クエリに対応する自動車の識別子を取得し、当該自動車の識別子に紐づく宛先を取得する紐付工程と、
前記宛先に対して、前記対象自動車に対して送信すべき情報を送信する送信工程と
を含む方法。
【請求項19】
コンピュータが実行する方法であって、
ナンバープレートと、当該ナンバープレートを備える自動車の宛先とを関連付けて記憶している記憶部にアクセス可能であり、
カメラによって撮影された画像に交通事故に巻き込まれる可能性が高い自動車が含まれる場合は、当該画像から当該自動車のナンバープレートを特定し、特定したナンバープレートに基づいて前記記憶部を検索することにより当該ナンバープレートを備える自動車の宛先を特定し、特定された宛先に対して、前記自動車に対して送信すべき情報を送信する、方法。
【請求項20】
コンピュータに、請求項14~請求項19のいずれか1つに記載の方法を実行させる交通リスク低減プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、方法及び交通リスク低減プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動運転技術の進展により、自動運転車が普及しつつある。例えば、カメラによる捕捉画像に基づいて、先行車両を特定し、基本安全メッセージに含まれる位置情報に基づいて、すべてのコネクテッド車両を順序付けし、コネクテッド車両を順序付けしたとき、先行車両がコネクテッド車両であることが判明すれば、各遠隔車両から送信される基本安全メッセージに基づいて、先行車両を特定する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-206395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、好適に移動体を特定することができるとは限らない。例えば、上記の従来技術では、コネクテッド車両を順序付けしたとき、先行車両がコネクテッド車両であることが判明すれば、各遠隔車両から送信される基本安全メッセージに基づいて、先行車両を特定しているに過ぎず、事故を回避するための情報を送信する必要がある車両を特定することができるとは限らない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、好適に移動体を特定することができる情報処理装置、方法及び交通リスク低減プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、監視カメラによって撮影された画像に含まれる対象自動車と、当該画像に基づいて推定された対象自動車の位置と対応する位置情報が取得された自動車とを紐付ける紐付け処理を実行する紐付部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、好適に移動体を特定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する紐付処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置が実行する紐付処理の具体例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る画像情報記憶部の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る位置情報記憶部の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る宛先記憶部の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理装置が実行する紐付処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、方法及びプログラム、並びに、交通リスク低減装置を実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、方法及びプログラム、並びに、交通リスク低減装置が限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.着想背景〕
近年の自動運転技術の進展により、自動運転車が普及しつつあるが、交通システムの整備が十分とは言えない点がある。例えば、自動運転車が普及しつつある過程では、自動運転車と、運転手によって運転される自動車である手動自動車とが、混在する過程が存在する。この場合、自動運転車のみが交通ルールに従って走行したとしても、手動自動車に起因する交通事故等を防ぐことが難しい。このため、手動自動車の走行を考慮した上で、自動運転車を高精度に制御する必要があった。
【0011】
しかしながら、自動運転車の走行技術が十分とは限らない。例えば、自動運転車は、カメラ等の撮影装置を有し、自動運転車の周辺を撮影することで、周辺の環境や、状況に基づいて、走行を制御する。この場合、自動運転車は、所定の速度以上で走行した場合に、側面の環境や、状況を認識できない場合がある。例えば、自動運転車は、高速で走行した場合に、側面を撮影するカメラの映像が流れてしまい、他の車両や、物体を認識できない場合がある。この場合、自動運転車は、側面からの情報を取得することが困難になるため、側面からの交通事故等のリスクが高くなる。このように、自動運転車の走行技術に関して、側面からの情報を如何に取得するかが課題であった。
【0012】
そこで、本実施形態では、自動運転車の走行を支援する技術を提供する。本実施形態では、監視カメラ等の外部装置等から取得される情報を活用することで、自動運転車の側面からの情報を補完する。これにより、本実施形態は、自動運転車に対して高精度に制御を行うことを可能とする。
【0013】
〔2.情報処理装置が示す紐付処理の一例〕
図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する紐付処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理装置100が実行する紐付処理の一例を示す図である。
【0014】
図1に示すように、情報処理システム1は、自動車10と、監視カメラ20と、画像情報提供装置ISと、位置情報提供装置PSと、情報処理装置100とを含む。自動車10、監視カメラ20、画像情報提供装置IS、位置情報提供装置PS及び情報処理装置100は、図示しない無線ネットワークを介して接続される。なお、図1に示す情報処理システム1には、複数台の自動車10や、複数台の監視カメラ20や、複数台の画像情報提供装置ISや、複数台の位置情報提供装置PSや、複数台の情報処理装置100が含まれてもよい。
【0015】
実施形態に係る自動車10は、無線ネットワークを介して他の各種装置と通信するコネクテッド車両である。また、自動車10は、自動車10に組み込まれた通信モジュール等の車載装置により通信を実行する。例えば、各自動車10に組み込まれた車載装置は、GPS(Global Positioning System)センサ等を用いて、所定の間隔(例えば毎秒1回以上)毎に、車載装置の現在位置、すなわち自動車の現在位置を検知する機能を有し、より具体的な例では、カーナビゲーションシステムやドライブレコーダ等である。
【0016】
そして、車載装置は、検知した現在位置を示す位置情報を生成し、無線ネットワーク等を介して、かかる位置情報と、車載装置が搭載された自動車10を識別するための自動車ID(Identifier)とを位置情報提供装置PSに送信する。以下では、異なる自動車毎に、自動車1Nと表記し、自動車1Nを特に区別しない場合には、自動車10と表記する。
【0017】
実施形態に係る監視カメラ20は、無線ネットワークを介して他の各種装置と通信可能な機能を有する監視カメラである。例えば、監視カメラ20は、交通信号機または交通信号機が取り付けられる柱に固定されて設置される。また、監視カメラ20は、所定の角度から撮影された風景等を含む画像を取得する。なお、以下では、異なる監視カメラ毎に、監視カメラ2Nと表記し、監視カメラ2Nを特に区別しない場合には、監視カメラ20と表記する。
【0018】
実施形態に係る画像情報提供装置ISは、例えば、サーバ装置又はクラウドシステム等により実現される。具体的には、画像情報提供装置ISは、監視カメラ20によって撮影された画像を常時、取得する。そして、画像情報提供装置ISは、情報処理装置100から画像取得要求を受付け、情報処理装置100に画像を提供する。
【0019】
実施形態に係る位置情報提供装置PSは、例えば、サーバ装置又はクラウドシステム等により実現される。具体的には、位置情報提供装置PSは、自動車10に搭載された車載装置から、位置情報と自動車IDとを所定の間隔毎に取得する。そして、位置情報提供装置PSは、情報処理装置100からの要求に応じて、情報処理装置100に位置情報や自動車IDを提供する。
【0020】
実施形態に係る情報処理装置100は、例えば、サーバ装置又はクラウドシステム等により実現される。具体的には、情報処理装置100は、監視カメラによって撮影された画像に含まれる対象自動車と、画像に基づいて推定された対象自動車の位置と対応する位置情報が取得された自動車とを紐付ける紐付処理を実行する。
【0021】
以下、図1を用いて、情報処理装置100による紐付処理の一例を流れに沿って説明する。
【0022】
図1の例では、危険な走行を行うコネクテッド車両ではない自動車CA1(以下では、非コネクテッド車両CA1と表記する場合がある)と、コネクテッド車両である自動車11及び12が、交差点を境に位置する。また、情報処理装置100は、自動車11及び12を識別する車両IDと連絡先とを対応付けて管理しているものとする。
【0023】
ここで、監視カメラ20により撮影された画像を解析した結果、非コネクテッド車両CA1が法定速度を大幅に超えて走行しており、非コネクテッド車両CA1と、自動車11及び自動車12とが衝突する可能性が高いと推定されたものとする。すなわち、図1に示す例において、自動車11及び12が交通事故に遭う可能性が高いことが監視カメラ20により検出されているものとする。
【0024】
このような場合、監視カメラ20から自動車11及び12に対して、交通事故に関する注意喚起等を行いたいが、監視カメラ20によって撮影された画像だけでは、撮影された自動車10が自動車11及び12であることを特定できず、送信を行うことが困難である。言い換えると、事故に巻き込まれる可能性の高い自動車10が監視カメラ20に映っている場合に、その自動車10に対して何らかの注意喚起等を送信したくても、その自動車10の宛先を把握することが困難である。この課題に対して、本実施形態では、監視カメラ20によって撮影された自動車10の宛先を以下の手順により特定する。
【0025】
まず、図1に示すように、情報処理装置100は、監視カメラ21及び監視カメラ22によって撮影された画像を画像情報提供装置ISから取得するとともに、自動車11及び自動車12のGPS情報等、各自動車10の車載装置から取得された位置情報を位置情報提供装置PSから取得する(ステップS1)。
【0026】
例えば、図1の例では、情報処理装置100は、監視カメラ21によって撮影された画像であって、非コネクテッド車両CA1を含む画像を画像情報提供装置ISから取得する。また、図1の例では、情報処理装置100は、監視カメラ21と交差点を挟んで反対側の位置に設置された監視カメラ22によって撮影された画像であって、自動車11及び自動車12を含む画像を画像情報提供装置ISから取得する。なお、情報処理装置100は、任意の順序で、位置情報や画像を取得して良い。
【0027】
そして、情報処理装置100は、監視カメラ20によって撮影された画像から特定される自動車10の位置と、車載装置から取得した位置情報が示す位置とのマッチング結果に基づいて、画像から推定される対象自動車と自動車10との紐付けを行い、対象自動車に対応付けられた宛先を特定可能とする(ステップS2)。ここでいう対象自動車とは、紐付処理によって紐付けられる対象となる自動車10を示す。
【0028】
ここで、図2を用いて画像から推定される対象自動車と、自動車10とを紐付ける紐付処理について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置100が実行する紐付処理の具体例を示す図である。なお、図2に示す処理は、図1に示すステップS2に相当する。
【0029】
図2の例では、監視カメラ22の画角における四隅や、中央等に対応する経度及び緯度が既知であるものとする。このような場合、監視カメラ22が撮影する画像IM1をマス状の区画に区分すると、画像IM1の各区画は、それぞれ個別の緯度及び経度の範囲と対応することとなる。この結果、監視カメラ22が撮影する画像IM1において撮影された撮影対象は、画像IM1において像が含まれている区画と対応する緯度及び経度の範囲内に所在していると推定される。そこで、情報処理装置100は、画像IM1において対象自動車11の像を含む区画を特定し、特定した区画と対応する緯度及び経度の範囲に対象自動車11が所在すると推定する。そして、情報処理装置100は、特定した区画と対応する緯度及び経度の範囲に含まれる位置を示す位置情報を特定し、特定した位置情報の送信元となる車載装置を搭載した自動車10(例えば、自動車11)と、対象自動車11とを紐付ける。例えば、情報処理装置100は、対象自動車11に対し、自動車11の自動車IDを付与する。なお、図2では、説明を簡単にするために、画像IM1の各区画を同じ大きさの正方形としているが、実際に監視カメラ20の画面を現実世界の緯度及び経度に対応するように区分した場合には、監視カメラ20の撮影時の角度等に応じて、各区画が同じ大きさになるとは限らず、各区画の形状も正方形になるとは限らない。
【0030】
同様に、情報処理装置100は、画像IM1において対象自動車12を含む区画を特定し、特定した区画と対応する緯度及び経度の範囲を対象自動車12が所在する範囲とする。そして、情報処理装置100は、対象自動車12が所在する緯度及び経度の範囲内に含まれる位置を示す位置情報を特定し、特定した位置情報の送信元となる車載装置を搭載した自動車12と、対象自動車12とを紐付ける。例えば、情報処理装置100は、対象自動車12に対し、自動車12の自動車IDを付与する。
【0031】
そして、情報処理装置100は、紐付結果を用いて、対象自動車11及び12に対する送信の宛先を特定する。例えば、情報処理装置100は、対象自動車11に付与された自動車ID(すなわち、対象自動車11と紐付られた自動車11の自動車ID)を特定する。そして、情報処理装置100は、特定した自動車IDと対応付けられた宛先を、対象自動車11の宛先として特定する。同様に、情報処理装置100は、対象自動車12に付与された自動車ID(すなわち、対象自動車12と紐付られた自動車12の自動車ID)を特定し、特定した自動車IDと対応付けられた宛先を、対象自動車12の宛先として特定する。このような処理の結果、情報処理装置100は、各種の監視カメラにより撮影された自動車10に対して情報を送信する際に、適切な情報の宛先を特定することができる。
【0032】
図1に戻り、説明を続ける。情報処理装置100は、紐付けられた自動車11及び12に非コネクテッド車両CA1に関する注意喚起の情報を送信する(ステップS3)。このような処理の結果、自動車10は、送信された非コネクテッド車両CA1に関する注意喚起を示す情報に基づいて、各種運転制御を行うこととなる。例えば、自動車10は、非コネクテッド車両CA1に関する注意喚起を示す情報に基づいて、所定の速度以下に減速してもよく、徐々に減速することで、停車してもよい。
【0033】
また、例えば、自動車10は、非コネクテッド車両CA1に関する注意喚起を示す情報に基づいて、非コネクテッド車両CA1から回避するような走行を行ってもよい。例えば、自動車10は、非コネクテッド車両CA1と離れる位置に移動するように運転操作を制御して走行してもよい。
【0034】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、監視カメラ20によって撮影された画像から、危険な走行を行う非コネクテッド車両CA1との交通事故に巻き込まれる可能性が高い自動車10に対して、交通事故に関する注意喚起等を行いたい場合に対して解決方法を提供する。従来、監視カメラ20によって撮影された画像だけでは、自動車10の宛先を特定できなかった。この課題に対して、情報処理装置100は、監視カメラ20によって撮影された画像から推定される位置と、各自動車10の車載装置が取得した位置とのマッチング結果から、監視カメラ20により撮影された対象自動車と、実際の各自動車10とを紐付ける。このような処理を行うことで、情報処理装置100は、対象自動車の宛先を特定し、例えば、非コネクテッド車両CA1に起因する交通事故等の危険情報を自動車10に送信することができる。
【0035】
上述した処理の結果、自動車10は、情報処理装置100によって送信される情報に基づいて、各種運転制御を行うことができる。例えば、自動車10は、情報処理装置100によって送信される非コネクテッド車両CA1に関する注意喚起を示す情報に基づいて、所定の速度以下に減速することや、徐々に減速することで、停車することといった制御を行うことができる。これにより、自動車10は、各種交通状況や、危険な状況等に応じた各種運転制御を行うため、より安全性の高い走行を実現することができる。したがって、自動車10は、側面の環境や、状況を認識できない場合であっても、情報処理装置100によって送信される情報に基づいて、適切な走行を実現することができる。
【0036】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0037】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、無線ネットワークを介して、自動車10と、監視カメラ20と、画像情報提供装置ISと、位置情報提供装置PSとの間で情報の送受信を行う。より具体的には、通信部110は、画像情報提供装置ISが有する画像情報記憶部ISMに登録された情報と、位置情報提供装置PSが有する位置情報記憶部PSMに登録された情報とを取得する。
【0038】
なお、図3に示す例では、画像情報記憶部ISMと位置情報記憶部PSMが情報処理装置100の外部に設けられている例について記載したが、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報処理装置100は、画像情報記憶部ISMと位置情報記憶部PSMとを画像情報提供装置IS及び位置情報提供装置PSから取得し、記憶部120内に記憶してもよい。
【0039】
(画像情報記憶部ISMについて)
ここで、図4に、実施形態に係る画像情報記憶部ISMの一例を示す。図4は、実施形態に係る画像情報記憶部の一例を示す図である。図4に示した例では、画像情報記憶部ISMは、「カメラID」、「画像」、「時刻情報」といった項目を有する。
【0040】
「カメラID」は、監視カメラ20を識別する識別子である。「画像」は、「カメラID」に対応付けられた画像である。「時刻情報」は、「カメラID」に対応付けられた監視カメラ20によって撮影された画像の時刻に関する情報である。
【0041】
例えば、図4では、カメラIDによって識別された「SE1」は、画像が「IM1」であり、時刻情報が「DA1」である。なお、図4に示した例では、画像等を「IM1」等の抽象的な符号で表現したが、画像等は、具体的なファイル形式や、具体的な数値等であってもよい。
【0042】
(位置情報記憶部PSMについて)
続いて、図5に、実施形態に係る位置情報記憶部PSMの一例を示す。図5は、実施形態に係る位置情報記憶部の一例を示す図である。図5に示した例では、位置情報記憶部PSMは、「自動車ID」、「位置情報」、「時刻情報」といった項目を有する。
【0043】
「自動車ID」は、自動車10を識別する識別子である。「位置情報」は、「自動車ID」に対応付けられた自動車10の位置情報である。「時刻情報」は、「自動車ID」に対応付けられた自動車IDによって取得された位置情報の時刻に関する情報である。
【0044】
例えば、図5に示す例では、位置情報記憶部PSMは、自動車ID「MO1」が示す自動車から、時刻情報「DA1」が示す時刻に、位置情報「LO1」を示す位置に所在している旨の位置情報が取得された旨を示す。なお、図5に示した例では、位置情報等を「LO1」等の抽象的な符号で表現したが、実際には、GPS等を用いて測位された緯度や経度を示す情報や、日時を示す数値等が登録される。
【0045】
(記憶部120について)
図3に戻り、説明を続ける。記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、宛先記憶部121を有する。
【0046】
(宛先記憶部121について)
ここで、図6に、実施形態に係る宛先記憶部121の一例を示す。図6は、実施形態に係る宛先記憶部の一例を示す図である。図6に示した例では、宛先記憶部121は、「自動車ID」と「宛先」といった項目を有する。「宛先」は、自動車10に対応付けられた宛先であり、例えば、メールアドレス等である。
【0047】
例えば、図6では、宛先記憶部121は、自動車ID「MO1」が示す自動車の宛先が「AD1」である旨を示す。なお、図6では、宛先を「AD1」等の抽象的な符号で表現したが、実際には、メールアドレスやIPアドレス等、送信先を示すための各種情報が登録される。
【0048】
(制御部130について)
図3に戻り、説明を続ける。制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0049】
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、判定部132と、紐付部133と、送信部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0050】
(取得部131について)
取得部131は、各種情報を取得する。具体的には、取得部131は、自動車10によって取得された自動車10の位置を示す位置情報と、監視カメラ20によって撮影された自動車に関する画像とを取得する。より具体的な例を挙げると、取得部131は、画像情報提供装置ISから、画像情報記憶部ISMに登録された各種の情報を取得し、位置情報提供装置PSから、位置情報記憶部PSMに登録された各種の情報を取得する。
【0051】
例えば、取得部131は、監視カメラ20によって撮影された画像であって、法定速度を大幅に超えて走行する非コネクテッド車両CA1を含む画像を画像情報提供装置ISから取得する。また、例えば、取得部131は、監視カメラ20によって撮影された自動車11及び自動車12を含む画像を画像情報提供装置ISから取得する。そして、取得部131は、取得した各種の情報を記憶部120に登録する。
【0052】
(判定部132について)
判定部132は、監視カメラ20によって撮影された自動車10が交通事故を起こす可能性が高い危険自動車であるか否かを判定する。例えば、判定部132は、取得部131が画像情報記憶部ISMから取得した画像を受付けると、撮影された自動車10が所定の条件を満たすか否かに基づいて、自動車10が危険自動車であるか否かを判定する。
【0053】
例えば、判定部132は、撮影された自動車10が所定の運転操作で走行する場合、所定の閾値以上の速度で走行する場合、又は、所定の回数以上の交通ルールに違反していた場合の少なくともいずれか1つである場合に、危険自動車であると判定する。
【0054】
なお、判定部132は、自動車10が蛇行運転を繰り返す場合に、自動車10を危険自動車と判定してもよい。すなわち、判定部132は、監視カメラ21から取得した画像において、非コネクテッド車両CA1が蛇行運転を繰り返している場合は、非コネクテッド車両CA1が交通事故を起こす可能性が高い所定の運転操作で走行しているため、非コネクテッド車両CA1を危険自動車と判定する。
【0055】
一方、判定部132は、監視カメラ21から取得した画像において、非コネクテッド車両CA1が交通ルールを遵守した走行を行っている場合は、非コネクテッド車両CA1が交通事故を起こす可能性が低い所定の運転操作で走行しているため、非コネクテッド車両CA1を危険自動車と判定しない。
【0056】
また、例えば、判定部132は、監視カメラ21から取得した画像において、非コネクテッド車両CA1が法定速度以上の速度で走行している場合は、非コネクテッド車両CA1を危険自動車と判定し、非コネクテッド車両CA1が法定速度未満の速度で走行している場合は、非コネクテッド車両CA1を危険自動車と判定せずともよい。
【0057】
また、例えば、非コネクテッド車両CA1を含む画像を画像解析技術等の従来技術を用いることで、非コネクテッド車両CA1のナンバープレートを特定したものとする。この場合、判定部132は、ナンバープレートに対応付けられた非コネクテッド車両CA1の交通ルールに違反した違反履歴を取得し、所定の回数以上の交通ルールに違反している場合は、非コネクテッド車両CA1を危険自動車と判定してもよい。一方、判定部132は、非コネクテッド車両CA1が所定の回数未満しか交通ルールに違反していなかった場合は、非コネクテッド車両CA1を危険移動体と判定せずともよい。
【0058】
また、判定部132は、画像に含まれる対象自動車が交通事故に巻き込まれる可能性が高い自動車であるか否かを判定する。例えば、判定部132は、画像に像が含まれる自動車10のいずれかを危険移動体と判定した場合は、画像に像が含まれる他の自動車10であって、交通事故に巻き込まれる可能性が高い他の自動車10を対象自動車と判定する。
【0059】
例えば、危険自動車が撮影された監視カメラ21と、他の自動車10が撮影された監視カメラ22との位置関係が既知であり、監視カメラ21と、監視カメラ22との距離が所定の距離未満であるものとする。この場合、判定部132は、危険自動車と、自動車10とが所定の距離未満であるため、画像に像が含まれる自動車10が交通事故に巻き込まれる可能性が高い対象自動車であると判定する。なお、判定部132は、危険自動車と同じ画像に像が含まれる自動車10や、所定の時間内に危険自動車と同じ監視カメラ20により撮影された他の自動車10を交通事故に巻き込まれる可能性が高い対象自動車であると判定してもよい。
【0060】
(紐付部133について)
紐付部133は、監視カメラによって撮影された画像に含まれる対象自動車と、画像に基づいて推定された対象自動車の位置と対応する位置情報が取得された自動車とを紐付ける紐付処理を実行する。具体的には、紐付部133は、画像から推定される対象自動車の位置情報と、自動車10の車載装置によって取得された位置情報とが所定の条件を満たす場合は、対象自動車と自動車10とを紐付ける。ここで、所定の条件は、例えば略一致することである。
【0061】
例えば、上述した所定の条件とは、監視カメラ20によって撮影された自動車と、位置情報の送信元となる自動車とが同一の自動車であると見做すか否かの各種条件である。例えば、紐付部133は、画像において像が撮影された自動車と、画像において像が撮影された区画と対応する緯度及び経度の範囲(以下では、位置の範囲と表記する場合がある)に含まれる位置を示す位置情報の送信元となる自動車とを紐付けてもよい。
【0062】
なお、紐付部133は、監視カメラ20が映す範囲と現実世界における位置の範囲との対応関係を予め把握していてもよい。例えば、紐付部133は、画像全体に対する対象自動車に対応する部分の位置に基づいて、対象自動車の現実世界における位置を推定する。また、紐付部133は、監視カメラ20が映す範囲の四隅の座標または中央の座標と、現実世界の位置との対応関係を予め把握していてもよい。例えば、紐付部133は、画像内における、かかる座標と対象自動車に対応する部分との相対的な位置関係に基づいて、対象自動車の現実世界における位置を推定する。また、画像の各区画に位置の範囲ではなく、例えば、各区間の中心部と対応する緯度及び経度が対応付けられている場合、紐付部133は、以下の処理を実行してもよい。例えば、紐付部133は、画像において像が撮影された自動車と、その像が撮影された区画と対応する緯度及び経度から所定の範囲内に含まれる位置を示す位置情報の送信元となる自動車とを紐付けてもよい。
【0063】
以下、画像に像が撮影された自動車10を対象自動車とする。この場合、紐付部133は、画像における対象自動車の像の位置に基づいて決定される自動車の位置情報と、自動車11から取得された位置情報とが同一の緯度及び経度であったり、緯度及び経度の差が所定の閾値以下であったり、各位置情報が示す位置間の距離が所定の閾値以下であったりする場合は、対象自動車と自動車10とを紐付けてもよい。
【0064】
すなわち、紐付部133は、画像から推定されうる位置と、GPS情報が示す位置とに基づいて、画像に撮影された自動車と、各コネクテッド車両との同一性を推定し、同一であると推定された自動車とコネクテッド車両とを紐付けることで、画像に撮影された自動車への情報送信を実現する。
【0065】
なお、紐付部133は、監視カメラ20が画像を取得した日時と、車載装置が位置を取得した日時との同一性に基づいた紐付けを行ってもよい。例えば、紐付部133は、画像から推定された対象自動車11の位置と、自動車11の車載装置が取得した位置とが所定の範囲におさまり、かつ、画像が撮影された日時と自動車11の車載装置が位置を取得した日時とが同時刻(例えば、数秒以内)に収まる場合は、対象自動車11と自動車11とを紐付けてもよい。
【0066】
(送信部134について)
送信部134は、紐付結果に基づいて、各種情報を送信する。具体的には、送信部134は、紐付部133によって対象自動車と紐付られた自動車に対し、前記対象自動車に対して送信すべき情報を送信する。
【0067】
例えば、送信部134は、画像から送信対象となる対象自動車を特定し、特定した対象自動車と紐付られた自動車の自動車IDを特定する。そして、送信部134は、特定した自動車IDと対応付けられた宛先を対象自動車の宛先として、各種の送信を行う。例えば、送信部134は、危険移動体となる車両の色や形状、車種名といった車両の特徴に関する情報を送信してもよい。また、送信部134は、危険移動体となる車両の速度に関する情報を送信してもよい。また、送信部134は、画像から推定される危険移動体となる車両の位置を送信してもよい。
【0068】
例えば、紐付部133は、画像IM1に撮影された対象自動車11に対し、自動車ID「MO1」により識別される自動車11を紐付けたものとする。このような場合、送信部134は、対象自動車11の宛先として、対象自動車11と紐付られた自動車11の宛先「AD1」を宛先記憶部121から特定する。そして、送信部134は、宛先「AD1」を対象自動車11の宛先として、各種の送信を行う。例えば、送信部134は、非コネクテッド車両CA1が危険移動体である旨を送信する。このような処理の結果、対象自動車11は、送信部134によって送信された非コネクテッド車両CA1に関する注意喚起を示す情報に基づいて、各種運転制御を行うことができる。
【0069】
〔4.処理手順〕
次に、図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する紐付処理の手順について説明する。図7は、実施形態に係る情報処理装置100が実行する紐付処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0070】
図7に示すように、取得部131は、画像情報提供装置ISから画像と、位置情報提供装置PSからGPS情報とを取得する(ステップS101)。そして、紐付部133は、監視カメラ20によって撮影された画像から特定される自動車10の位置と、車載装置から取得した位置情報が示す位置とのマッチング結果に基づいて、画像に含まれる対象自動車と自動車10とを紐付ける(ステップS102)。そして、送信部134は、対象自動車の宛先として、自動車10の宛先を用いて、自動車CA1に関する注意喚起の情報を送信する(ステップS103)。
【0071】
〔5.変形例〕
上述した情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置100の他の実施形態について説明する。
【0072】
〔5-1.移動体〕
上記実施形態では、自動車を例に挙げて説明してきたが、自動車の代わりに、如何なる移動体に対して適用してもよい。例えば、移動体は、自転車、ドローン、バス又は電車等である。また、移動体は、非コネクテッド車両が後付の通信装置や情報処理装置等搭載することによりコネクテッド車両になった場合の自動車や、自動運転車等でもよい。すなわち、コネクテッド車両とは、現在位置を検知するための検知機能と、検知した現在位置を示す位置情報を情報処理装置100へと送信する通信機能とを有していればよく、自動運転を実現可能な車両であるか否かは、問わない概念である。
【0073】
〔5-2.監視カメラ〕
上記実施形態では、監視カメラを例に挙げて説明してきたが、監視カメラは、如何なるカメラであってもよい。例えば、典型的には、監視カメラは、車外に設置されているカメラである。例えば、監視カメラは、路側に固定されているカメラや、建築物に固定されているカメラであってもよい。また、例えば、監視カメラは、交差点上空に停留するドローンに搭載されているカメラであってもよい。このように、本実施形態における監視カメラは、カメラが撮像した画像と、現実世界の位置情報との対応関係を把握できるカメラであれば、どのようなカメラであってもよい。また、カメラは、深度カメラ又は赤外線カメラ等であってもよい。また、情報処理装置100は、各種画素や画像の領域が現実世界の位置に対応するような画像を取得するカメラ以外にも、例えば、赤外線センサや各種電波センサ等が測定した対象自動車までの距離と、センサが設置された位置や向き等から、対象自動車の位置を推定し、推定した位置と対応するGPS情報が取得された自動車と対象自動車とを紐付けてもよい。
【0074】
〔5-3.車載装置〕
上記実施形態では、車載装置を例に挙げて説明してきたが、車載装置の代わりに、如何なる端末装置に対して適用してもよい。具体的には、端末装置は、ブラウザに表示されるウェブページやアプリケーション用のコンテンツ等のコンテンツにアクセスする利用者によって利用される端末装置等であってもよい。例えば、端末装置は、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートウォッチ、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)等であってもよい。
【0075】
〔5-4.位置情報〕
上記実施形態では、車載装置は、GPSを用いて現在位置を検知していた。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。車載装置は、情報を例に挙げて説明してきたが、GPS情報の代わりに、如何なる位置情報に対して適用してもよい。例えば、車載装置は、通信を行っている基地局の位置情報や、WiFi(登録商標)(Wireless Fidelity)の電波を用いて自動車10の現在位置を推定若しくは取得してもよい。
【0076】
〔5-5.取得処理 自動運転車の属性〕
上記実施形態では、情報処理装置100は、自動車10のGPS情報を位置情報提供装置PSから取得する取得処理の一例を説明したが、上記取得処理に限定されない。例えば、位置情報提供装置PSに自動車10の属性に関する属性情報と、GPS情報とが対応付けられて記憶されているものとする。この場合、情報処理装置100は、自動車10のGPS情報とともに、自動車10の属性に関する属性情報を位置情報提供装置PSから取得してもよい。
【0077】
例えば、情報処理装置100は、自動車10の属性情報として、車両の種別に関する情報、速度に関する情報、ブレーキの回数に関する情報、運転操作に関する情報、走行時間に関する情報又はドアの開閉の回数に関する情報等を位置情報提供装置PSから取得してもよい。そして、情報処理装置100は、画像から推定される対象自動車の位置と、自動車10から取得された位置情報が示す位置と、自動車10の属性情報とに基づいて、対象自動車と自動車10とを紐付けてもよい。
【0078】
例えば、情報処理装置100は、画像から、対象自動車の移動に関する属性を推定する。そして、情報処理装置100は、推定した属性と、自動車10の属性情報が示す属性とが一致若しくは類似し、かつ、対象自動車の位置情報が示す位置と、自動車10から取得された位置情報が示す位置とが同一若しくは類似する場合は、対象自動車と自動車10とを紐付けてもよい。これにより、情報処理装置100は、高精度に紐付け処理を行うことができる。
【0079】
〔5-6.判定処理 緊急車両〕
上記実施形態では、情報処理装置100は、非コネクテッド車両CA1が、画像から交通事故を起こす可能性が高い自動車であるか否かを判定する判定処理の一例を説明したが、上記判定処理に限定されない。具体的には、情報処理装置100は、画像に含まれる非コネクテッド車両CA1が、救急車等の緊急車両か否かを判定してもよい。
【0080】
例えば、情報処理装置100は、画像解析等の従来技術によって画像を解析することで、車種や、ナンバープレート、車両の外形等から、画像に含まれる非コネクテッド車両CA1が、緊急車両か否かを判定してもよい。このように、情報処理装置100は、各種状況に応じて、各種状況において特徴的な非コネクテッド車両CA1を判定することができる。これにより、情報処理装置100は、例えば、救急車が急病人を乗せ、病院に向かう場合に、自動車10が救急車の障害にならないような送信を行うことができる。
【0081】
〔5-7.紐付処理(1)複数の画像〕
上記実施形態では、情報処理装置100は、監視カメラ20によって撮影された画像に含まれる対象自動車と、画像に基づいて推定された対象自動車の位置と対応する位置情報が取得された自動車とを紐付ける紐付処理を実行する紐付処理の一例を説明したが、上記紐付処理に限定されない。例えば、情報処理装置100は、第1の画像を緯度及び経度に対応する区画に区分した情報と、第2の画像を緯度及び経度に対応する区画に区分した情報とを組合せることで推定される対象自動車の緯度及び経度と、自動車10から取得されたGPS情報とが所定の条件を満たす場合は、対象自動車と自動車10とを紐付けてもよい。
【0082】
以下、具体的な処理について説明する。情報処理装置100は、画像解析等の従来技術を用いることで、監視カメラ21から取得された画像から特定された第1の対象自動車と、監視カメラ22から取得された画像から特定された第2の対象自動車とが同一であると判定する。例えば、情報処理装置100は、監視カメラ21及び監視カメラ22から取得された画像を画像解析することで、ナンバープレートや、車両の種別、車両の外形や、車両の色等の対象自動車の特徴に関する情報を抽出する。これにより、情報処理装置100は、対象自動車の特徴に関する情報に基づいて、監視カメラ21から取得された画像から特定された第1の対象自動車と、監視カメラ22から取得された画像から特定された第2の対象自動車とが同一であると判定する。
【0083】
そして、情報処理装置100は、監視カメラ21から取得された画像がマス状の区画に区分され、画像の各区画が、それぞれ個別の緯度及び経度の範囲と対応する場合に、監視カメラ21から取得された画像において第1の対象自動車の像を含む区画を特定し、特定した区画と対応する緯度及び経度の範囲に第1の対象自動車が所在すると推定する。
【0084】
同様に、情報処理装置100は、監視カメラ22から取得された画像がマス状の区画に区分され、画像の各区画が、それぞれ個別の緯度及び経度の範囲と対応する場合に、監視カメラ22から取得された画像において第2の対象自動車の像を含む区画を特定し、特定した区画と対応する緯度及び経度の範囲に第2の対象自動車が所在すると推定する。
【0085】
また、情報処理装置100は、監視カメラ21から取得された画像から特定された第1の対象自動車の位置を示す緯度及び経度の範囲と、監視カメラ22から取得された画像から特定された第2の対象自動車の位置が示す緯度及び経度の範囲とを対応付ける。例えば、情報処理装置100は、各緯度及び経度の範囲が同一又は類似する場合、いずれかの緯度及び経度の範囲を対象自動車が示す緯度及び経度の範囲とする。
【0086】
そして、情報処理装置100は、自動車10のGPS情報を取得する。そして、情報処理装置100は、対象自動車の緯度及び経度の範囲に含まれる位置を示す位置情報を特定し、特定した位置情報の送信元となる車載装置を搭載した自動車10と、対象自動車とを紐付けてもよい。
【0087】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、第1の画像を緯度及び経度に対応する区画に区分した情報と、第2の画像を緯度及び経度に対応する区画に区分した情報とを組合せることで決定される対象自動車の緯度及び経度に関する位置情報と、自動車の位置情報とから、対象自動車と自動車とを紐付けるため、紐付処理の精度を向上させることができる。
【0088】
〔5-8.紐付処理(2)自動車以外の危険行為〕
上記実施形態では、情報処理装置100は、監視カメラ20によって撮影された画像に含まれる対象自動車と、画像に基づいて推定された対象自動車の位置と対応する位置情報が取得された自動車とを紐付ける紐付処理を実行する紐付処理の一例を説明したが、上記紐付処理に限定されない。例えば、自転車や、子供や、動物等と、対象自動車とが所定の距離未満であるものとして説明する。この場合、情報処理装置100は、画像解析等の従来技術を用いることで、監視カメラ21から取得された画像から、自転車や、子供や、動物等を特定したものとする。この場合、情報処理装置100は、監視カメラ22から取得された画像から、自転車や、子供や、動物等が死角に存在すると推定される自動車を対象自動車として特定し、特定した対象自動車と紐付られた自動車10の宛先を対象自動車の宛先として特定する。
【0089】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、自転車や、子供や、動物等が飛び出した場合でも対象自動車の宛先を特定することで、交通事故を未然に防ぐことができる。従来、自動車10が車載カメラを有する場合でも、自動車以外の自転車や、子供や、動物等が車載カメラで把握できない死角に入りこみ、車載カメラから自転車や、子供や、動物等を認識できない場合があった。この場合、自動車10の死角から、自転車や、子供や、動物等が飛び出してきた場合に交通事故に遭遇してしまう。この課題に対して、情報処理装置100は、自転車や、子供や、動物等が飛び出した場合でも対象自動車の宛先を特定することができる。これにより、自動車10は、交通事故を未然に防ぐことができる。
【0090】
〔5-9.紐付処理(3)違反車両〕
上記実施形態では、情報処理装置100は、監視カメラ20によって撮影された画像に含まれる対象自動車と、画像に基づいて推定された対象自動車の位置と対応する位置情報が取得された自動車とを紐付ける紐付処理を実行する紐付処理の一例を説明したが、上記紐付処理に限定されない。例えば、情報処理装置100は、監視カメラ20によって撮影された画像に基づいて、停車禁止違反である自動車を特定する。また、情報処理装置100は、かかる特定された自動車10であって、停車禁止違反である自動車を対象自動車とし、上述した紐付処理を行うことで、停車禁止違反である自動車の自動車IDや、宛先を特定してもよい。
【0091】
そして、情報処理装置100は、特定された自動車IDから、所定の期間後に、罰金等の請求に関する情報を警察等に提供してもよい。また、情報処理装置100は、特定された自動車IDに対応付けて、違反を繰り返す危険自動車であるといったフラグを所定の記憶部に記憶してもよい。このような処理を行う場合、情報処理装置100は、紐付結果を用いた送信を行わずともよい。
【0092】
なお、上記変形例は、停車禁止違反である自動車の代わりに、如何なる違反をした自動車に適用可能である。例えば、情報処理装置100は、監視カメラ20によって撮影された画像に基づいて、追越し禁止違反である自動車を特定する。また、情報処理装置100は、かかる特定された自動車であって、追越し禁止違反である自動車に対して、紐付処理を行うことで、追越し禁止違反である自動車の自動車IDや、宛先を特定してもよい。
【0093】
〔5-10.紐付処理(4)所定の風景に基づく紐付処理〕
上記実施形態では、情報処理装置100は、監視カメラ20によって撮影された画像に含まれる対象自動車と、画像に基づいて推定された対象自動車の位置と対応する位置情報が取得された自動車とを紐付ける紐付処理を実行する紐付処理の一例を説明したが、上記紐付処理に限定されない。具体的には、情報処理装置100は、画像に含まれる所定のランドマークの現実世界における位置を予め把握している場合に、画像内における、かかるランドマークと対象自動車に対応する部分との相対的な位置関係に基づいて、かかる対象自動車の現実世界における位置を推定してもよい。また、情報処理装置100は、推定された対象自動車の位置と、自動車から取得された位置情報が示す位置とが所定の条件を満たす場合は、対象自動車と自動車10とを紐付けてもよい。
【0094】
例えば、情報処理装置100は、画像に「AAタワー」が含まれていることを検出する。そして、情報処理装置100は、「AAタワー」の現実世界における位置情報を把握している場合に、画像内における、「AAタワー」と対象自動車に対応する部分との相対的な位置関係に基づいて、かかる対象自動車の現実世界における位置を推定する。ランドマークとして、例えば、建築物、山または標識などを利用することができる。
【0095】
〔5-11.紐付処理(5)常時紐付け〕
上記実施形態では、情報処理装置100は、対象自動車と非コネクテッド車両CA1とが所定の距離未満である場合に、監視カメラ20によって撮影された画像における対象自動車と、画像に基づく対象自動車の位置と対応する位置情報が取得された自動車10とを紐付ける紐付処理の一例を説明したが、上記紐付処理に限定されない。例えば、情報処理装置100は、対象自動車と非コネクテッド車両CA1とが所定の距離未満である場合に限らず、監視カメラ20によって撮影された画像から推定される対象自動車の位置を示す緯度及び経度の範囲に含まれるGPS情報が取得された自動車10と、対象自動車と、自動車10とを常時紐付けてもよい。これにより、情報処理装置100は、予め適切な宛先を迅速に特定することができるため、交通事故等を未然に防ぐことができる。
【0096】
〔5-12.紐付処理(6)車の外見を利用〕
上記実施形態では、情報処理装置100は、監視カメラ20によって撮影された画像に含まれる対象自動車と、画像に基づいて推定された対象自動車の位置と対応する位置情報が取得された自動車とを紐付ける紐付処理を実行する紐付処理の一例を説明したが、上記紐付処理に限定されない。例えば、図1の例において、監視カメラ22の画角に、複数の自動車(自動車11及び自動車12)が映っている状況を想定する。自動車11がピンク色の車体を有する自動車(以下では、単にピンクの自動車11と表記する場合がある)であり、自動車12が緑色の車体を有する自動車(以下では、単に緑の自動車12と表記する場合がある)であるとする。また、ピンクの自動車11のみが事故に巻き込まれる可能性が高く、緑の自動車12は事故に巻き込まれる可能性が低い状況を想定する。この場合に、情報処理装置100は、監視カメラ22に映る複数の自動車(自動車11及び自動車12)のうち、ピンクの自動車11にのみ情報を選択的に送信したい状況を想定する。
【0097】
本変形例によれば、情報処理装置100は、車の識別子と、当該車の外見上の特徴とを関連付けて記憶する外見特徴記憶部にアクセス可能である。情報処理装置100は、予め、監視カメラ20によって撮影された範囲に対応する、現実世界における位置情報の範囲を把握している。情報処理装置100は、当該範囲をクエリとして、位置情報記憶部PSMから自動車を検索する。図1に示す状況において、監視カメラ22の画角には二台の自動車が映っているため、二台の自動車がそれぞれコネクテッドカであれば、検索結果として二台の自動車の識別子が得られるはずである。ここで、情報処理装置100は更に、得られた二台の自動車の識別子と、「ピンク色」という外見上の特徴をクエリとして、前述の外見特徴記憶部を検索する。この結果、情報処理装置100は、監視カメラ22の画角に存在し、且つ、ピンクの車である自動車11の識別子を得ることができる。情報処理装置100は自動車11の識別子に対応する宛先に、ピンクの自動車11に送信すべき注意喚起情報等を送信するとよい。
【0098】
このように、本変形例によれば、情報処理装置100は、外見特徴記憶部を利用することにより、監視カメラ22が撮像した画像をそれ以上細かく区分せずとも、目的の車を識別し、または、宛先を取得することができる。
【0099】
〔5-13.送信処理(1)送信内容〕
上記実施形態では、情報処理装置100は、非コネクテッド車両に関する注意喚起を示す情報として、如何なる情報を送信してもよい。例えば、非コネクテッド車両に関する注意喚起を示す情報は、ナンバープレートや、車両の種別、車両の外形や、車両の色等の非コネクテッド車両の特徴や、非コネクテッド車両の推定運行速度や、非コネクテッド車両の位置情報等を含む。また、非コネクテッド車両に関する注意喚起を示す情報は、自動車10に対する走行に関する制御情報等を含む。なお、自動車10にどのような制御情報が送信されるかは、監視カメラ20が撮像した画像が分析されることにより決定される。
【0100】
〔5-14.送信処理(2)送信態様〕
上記実施形態では、非コネクテッド車両に関する注意喚起を示す情報の送信態様は、如何なる態様であってもよい。例えば、送信態様は、自動車10のみが取得する通知態様であってもよい。また、送信態様は、自動車10の運転手や、搭乗者に理解できる態様であってもよい。
【0101】
〔5-15.送信処理(3)違反車両〕
上記実施形態では、情報処理装置100は、非コネクテッド車両に関する注意喚起を示す情報を送信する送信処理の一例を説明したが、上記送信処理に限定されない。例えば、情報処理装置100は、停車禁止違反である自動車10に対して、紐付処理を行うことで、停車禁止違反である自動車10の自動車IDや、宛先を特定した場合に、停車禁止違反を止めるようにといった旨の内容を、かかる自動車10に送信してもよい。
【0102】
なお、上記変形例は、停車禁止違反である自動車10の代わりに、如何なる違反をした自動車10に適用可能である。例えば、情報処理装置100は、追越し禁止違反である自動車10に対して、紐付処理を行うことで、追越し禁止違反である自動車10の自動車IDや、宛先を特定した場合に、追越し禁止違反を止めるようにといった旨の内容を、かかる自動車10に送信してもよい。
【0103】
〔6.他の実施形態〕
また、他の実施形態について説明する。上述してきた実施形態では、情報処理装置100が監視カメラ20によって撮影された画像に含まれる対象自動車と、画像に基づいて推定された対象自動車の位置と対応する位置情報が取得された自動車とを紐付ける紐付処理を実行する処理の一例を説明した。他の実施形態では、情報処理装置100(交通リスク低減装置の一例)が、画像に交通事故に巻き込まれる可能性が高い自動車10が含まれる場合に、画像に含まれる自動車10のナンバープレートに基づいて、自動車10を特定する処理の例を示す。
【0104】
他の実施形態では、自動車10のナンバープレートと、自動車10の宛先とが対応付けられて記憶部に記憶されているものとする。この場合、情報処理装置100は、画像に交通事故に巻き込まれる可能性が高い自動車10が含まれる場合に、画像に含まれる自動車10のナンバープレートに基づいて、自動車10を特定する。
【0105】
例えば、情報処理装置100は、画像に交通事故に巻き込まれる可能性が高い自動車10が含まれる場合に、画像解析等の従来技術を用いて画像を解析することで特定された自動車10のナンバープレートと、記憶部に記憶される自動車10のナンバープレートとが一致するか否かを判定する。そして、情報処理装置100は、画像を解析することで特定された自動車10のナンバープレートと、記憶部に記憶される自動車10のナンバープレートとが一致すると判定した場合に、ナンバープレートに対応付けられて記憶される自動車10の宛先を特定する。
【0106】
このように、他の実施形態に係る情報処理装置100は、監視カメラ20によって撮影された画像から、交通事故に巻き込まれる可能性が高い自動車10に対して、交通事故に関する注意喚起等を行いたい場合に対して解決方法を提供する。例えば、情報処理装置100は、画像を解析することで特定された自動車10のナンバープレートと、記憶部に記憶される自動車10のナンバープレートとが一致すると判定した場合に、ナンバープレートに対応付けられて記憶される自動車10の宛先を特定する。これにより、情報処理装置100は、適切な移動体を特定することができる。
【0107】
また、実施形態と、他の実施形態との関係性について以下に説明する。実施形態に係る情報処理装置100は、監視カメラ20と、自動車10との角度の関係から、自動車10のナンバープレートが画像から特定できない場合に、優位な効果を奏する。例えば、実施形態に係る情報処理装置100は、監視カメラ20によって撮影された画像から特定される対象自動車と、自動車10とを紐付けることで、対象自動車の宛先を特定することができる。このように、実施形態に係る情報処理装置100は、自動車10のナンバープレートが特定できない場合でも、自動車10の宛先を特定することができる。すなわち、実施形態に係る情報処理装置100は、他の実施形態に係る情報処理装置100によって行われる処理を補足する情報を提供することができる。
【0108】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る自動車10の車載装置、監視カメラ20、画像情報提供装置IS、位置情報提供装置PS及び情報処理装置100は、例えば図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報処理装置100を例に挙げて説明する。図8は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0109】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0110】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100がネットワークNを介して生成したデータを他の機器へ送信する。
【0111】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0112】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0113】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0114】
〔8.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0115】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、情報処理装置100と、画像情報提供装置ISと、位置情報提供装置PSとを統合して一つの情報処理装置としてもよい。この場合、かかる情報処理装置は、自動車10から位置情報を取得し、監視カメラ20から撮影された画像を取得する。
【0116】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0117】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、紐付部は、紐付手段や紐付回路に読み替えることができる。
【0118】
〔9.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置100は、紐付部133を有する。紐付部133は、監視カメラによって撮影された画像に含まれる対象自動車と、画像に基づいて推定された対象自動車の位置と対応する位置情報が取得された自動車とを紐付ける紐付け処理を実行する。
【0119】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、監視カメラによって撮影された画像に含まれる対象自動車と、画像に基づいて推定された対象自動車の位置と対応する位置情報が取得された自動車とを紐付ける紐付け処理を実行するため、適切な移動体を特定することができる。
【0120】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、紐付部133は、画像から推定される対象自動車の位置と、自動車から取得された位置情報が示す位置とが所定の条件を満たす場合は、対象自動車と自動車とを紐付ける。
【0121】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、画像から推定される対象自動車の位置と、自動車から取得された位置情報が示す位置とが所定の条件を満たす場合は、対象自動車と自動車とを紐付けるため、適切な移動体を特定することができる。
【0122】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、紐付部133は、監視カメラが映す範囲と現実世界における位置の範囲との対応関係を把握しており、画像全体に対する対象自動車に対応する部分の位置に基づいて、対象自動車の現実世界における位置を推定し、推定した対象自動車の位置と、自動車から取得された位置情報が示す位置とが所定の条件を満たす場合は、対象自動車と自動車とを紐付ける。
【0123】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、監視カメラが映す範囲と現実世界における位置の範囲との対応関係を把握しており、画像全体に対する対象自動車に対応する部分の位置に基づいて、対象自動車の現実世界における位置を推定し、推定した対象自動車の位置と、自動車から取得された位置情報が示す位置とが所定の条件を満たす場合は、対象自動車と自動車とを紐付けるため、適切な移動体を特定することができる。
【0124】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、紐付部133は、監視カメラが映す画像の所定の座標と現実世界の位置との対応関係を把握しており、画像内における、座標と対象自動車に対応する部分との相対的な位置関係に基づいて、対象自動車の現実世界における位置を推定し、推定された対象自動車の位置と、自動車から取得された位置情報が示す位置とが所定の条件を満たす場合は、対象自動車と自動車とを紐付ける。
【0125】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、監視カメラが映す画像の所定の座標と現実世界の位置との対応関係を把握しており、画像内における、座標と対象自動車に対応する部分との相対的な位置関係に基づいて、対象自動車の現実世界における位置を推定し、推定された対象自動車の位置と、自動車から取得された位置情報が示す位置とが所定の条件を満たす場合は、対象自動車と自動車とを紐付けるため、適切な移動体を特定することができる。
【0126】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、紐付部133は、監視カメラが映す画像に含まれるランドマークの現実世界における位置を把握しており、前記画像内における、ランドマークと対象自動車に対応する部分との相対的な位置関係に基づいて、対象自動車の現実世界における位置を推定し、推定された対象自動車の位置と、自動車から取得された位置情報が示す位置とが所定の条件を満たす場合は、対象自動車と自動車とを紐付ける。
【0127】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、監視カメラが映す画像に含まれるランドマークの現実世界における位置を把握しており、前記画像内における、ランドマークと対象自動車に対応する部分との相対的な位置関係に基づいて、対象自動車の現実世界における位置を推定し、推定された対象自動車の位置と、自動車から取得された位置情報が示す位置とが所定の条件を満たす場合は、対象自動車と自動車とを紐付けるため、適切な移動体を特定することができる。
【0128】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、紐付部133は、画像を緯度及び経度に対応する区画に区分することで推定される対象自動車の緯度及び経度と、自動車から取得された位置情報が示す位置とが所定の条件を満たす場合は、対象自動車と自動車とを紐付ける。
【0129】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、画像を緯度及び経度に対応する区画に区分することで推定される対象自動車の緯度及び経度と、自動車から取得された位置情報が示す位置とが所定の条件を満たす場合は、対象自動車と自動車とを紐付けるため、適切な移動体を特定することができる。
【0130】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、紐付部133は、第1の画像を緯度及び経度に対応する区画に区分した情報と、第2の画像を緯度及び経度に対応する区画に区分した情報とを組合せることで推定される対象自動車の緯度及び経度と、自動車から取得された位置情報が示す位置とが所定の条件を満たす場合は、対象自動車と自動車とを紐付ける。
【0131】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、第1の画像を緯度及び経度に対応する区画に区分した情報と、第2の画像を緯度及び経度に対応する区画に区分した情報とを組合せることで推定される対象自動車の緯度及び経度と、自動車から取得された位置情報が示す位置とが所定の条件を満たす場合は、対象自動車と自動車とを紐付けるため、適切な移動体を特定することができる。
【0132】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、紐付部133は、画像に含まれる対象自動車が交通事故を起こす可能性が高い自動車である場合に、対象自動車に対して紐付処理を実行する。
【0133】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、画像に含まれる対象自動車が交通事故を起こす可能性が高い自動車である場合に、対象自動車に対して紐付処理を実行するため、適切な移動体を特定することができる。
【0134】
また、実施形態に係る情報処理装置100は、紐付部133は、自動車から取得された位置情報と自動車の識別子とを関連付けて蓄積する記憶部にアクセス可能であり、画像に含まれる対象自動車が交通ルールに違反している場合に、対象自動車に対して紐付処理を実行し、対象自動車と紐付けされた自動車の識別子と、対象自動車が交通ルールに違反した旨の情報とを関連付けて他の記憶部に記憶する。
【0135】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、自動車から取得された位置情報と自動車の識別子とを関連付けて蓄積する記憶部にアクセス可能であり、画像に含まれる対象自動車が交通ルールに違反している場合に、対象自動車に対して紐付処理を実行するため、適切な移動体を特定することができる。
【0136】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、紐付部133は、画像に含まれる自動車が交通事故に巻き込まれる可能性が高い自動車である場合に、対象自動車に対して紐付処理を実行する。
【0137】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、画像に含まれる自動車が交通事故に巻き込まれる可能性が高い自動車である場合に、対象自動車に対して紐付処理を実行するため、適切な移動体を特定することができる。
【0138】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、紐付部133によって対象自動車と紐付られた自動車に対し、対象自動車に対して送信すべき情報を送信する送信部134をさらに備える。
【0139】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、対象自動車と紐付られた自動車に対し、対象自動車に対して送信すべき情報を送信するため、移動体に対して適切な情報を送信することができる。
【0140】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、送信部134は、自動車から取得された位置情報を自動車の識別子と関連付けて蓄積する記憶部にアクセス可能であり、対象自動車と紐付られた自動車に対して、自動車の識別子に基づいて自動車の宛先を取得し、宛先に対して、対象自動車に対して送信すべき情報を送信する。
【0141】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、対象自動車と紐付られた自動車に対して、自動車の識別子に基づいて自動車の宛先を取得し、宛先に対して、対象自動車に対して送信すべき情報を送信するため、移動体に対して適切な情報を送信することができる。
【0142】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、送信部134は、対象自動車の運転手に対する注意喚起を示す情報を自動車に送信する。
【0143】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、対象自動車の運転手に対する注意喚起を示す情報を自動車に送信するため、移動体に対して適切な情報を送信することができる。
【0144】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、送信部134は、対象自動車に対する走行に関する制御情報を含む情報を送信する。
【0145】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、対象自動車に対する走行に関する制御情報を含む情報を送信するため、移動体に対して適切な情報を送信することができる。
【0146】
また、実施形態に係る情報処理装置100は、紐付部133は、自動車から取得された位置情報と自動車の識別子とを関連付けて蓄積する記憶部にアクセス可能であり、更に、自動車の外見上の特徴と自動車の識別子とを関連付けて記憶する外見特徴記憶部にアクセス可能であり、紐付部133は、監視カメラが映す範囲と対応する現実世界における位置の範囲、及び、監視カメラに映る対象自動車の外見上の特徴を検索クエリとして、記憶部及び外見特徴記憶部を検索し、クエリに対応する自動車の識別子を取得し、自動車の識別子に基づいて当該自動車の宛先を取得し、宛先に対して、対象自動車に対して送信すべき情報を送信する送信部を更に備える。
【0147】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、自動車から取得された位置情報と自動車の識別子とを関連付けて蓄積する記憶部にアクセス可能であり、更に、自動車の外見上の特徴と自動車の識別子とを関連付けて記憶する外見特徴記憶部にアクセス可能であり、紐付部133は、監視カメラが映す範囲と対応する現実世界における位置の範囲、及び、監視カメラに映る対象自動車の外見上の特徴を検索クエリとして、記憶部及び外見特徴記憶部を検索し、クエリに対応する自動車の識別子を取得し、自動車の識別子に基づいて当該自動車の宛先を取得し、宛先に対して、対象自動車に対して送信すべき情報を送信するため、移動体に対して適切な情報を送信することができる。
【0148】
また、実施形態に係る交通リスク低減装置は、ナンバープレートと、ナンバープレートを備える自動車の宛先とを関連付けて記憶している記憶部にアクセス可能であり、監視カメラによって撮影された画像に交通事故に巻き込まれる可能性が高い自動車が含まれる場合は、画像から自動車のナンバープレートを特定し、特定したナンバープレートに基づいて記憶部を検索することによりナンバープレートを備える自動車の宛先を特定し、特定された宛先に対して、自動車に対して送信すべき情報を送信し、送信すべき情報は、監視カメラが撮像した画像を分析することにより決定された情報である。このように、実施形態に係る交通リスク低減装置は、適切な移動体を特定することができる。
【0149】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0150】
N ネットワーク
1 情報処理システム
10、11、12 自動車
20、21、22 監視カメラ
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 宛先記憶部
130 制御部
131 取得部
132 判定部
133 紐付部
134 送信部
ISM 画像情報記憶部
PSM 位置情報記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8